JP2007241227A - バリアフリーを実現した視覚障害者用情報機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
点字等を扱う視覚障害者用の情報機器における、文章または文字列の読み取り方法、およびキー入力方法について、視覚障害者と晴眼者のバリアフリーを実現すること。
【解決手段】
タッチパネル付きモニター画面の表面に、指またはスタイラスを案内する線状ガイドを設置し、タッチパネルの検知領域を線状ガイドに沿って分割し、各分割領域に文章または文字列を構成する点字を連続的に情報処理装置にて対応付け、指またはスタイラスにて線状ガイドに沿ってタッチパネル上を連続的に位置指示することにより、凸凹出力装置にて文章を連続的に読み出す。また、各分割領域にキーを対応付け、指またはスタイラスにてタッチパネル上を指示すると、対応するキーが凸凹出力装置にて表示されるようにし、線状ガイドと凸凹出力装置を頼りにキーを探索し、目的のキーを指示すると入力確定操作を行うことにより入力されるよう構成する。
【選択図】図1

Description

情報処理装置を用いて点字など視覚障害者用の文字を扱う情報機器において、視覚障害者が点字等を読み取るための方式に関するもの
視覚障害者にタッチパネルが使えるようにする技術としては次のようなものがある。
特開平11−327787は、タッチパネルを付きモニター画面の上空に、指をガイドする穴または切り欠きまたはガイド部を設けたガイド板を設置し、これらを通じてタッチパネルにアクセスする方法である。
特開平10ー97651は、触知可能な線状の突起群によってタッチパネルを格子状に、複数のセグメントに仕切る方法である。
特開2004ー54827は、タッチパネル表面に設けるセグメント仕切りを、タッチパネルとは別の部品にすることによって着脱可能にしたものと考えることができる。
特開2004−179001は、押しボタンスイッチを備えた回転プレートを感圧式タッチパネルの縁に設けておき、視覚障害者が利用する際には、そのプレートを回転させて押しボタンスイッチをタッチパネルの表面に配置し、押しボタンスイッチを押すと、感圧式タッチパネルの特定位置が加圧・入力される方法である。
特開2001−290416は、タッチパネル付きモニター画面の上空に、表面に点字を施した透明な弾性体カバーを装着している。視覚障害者は点字を通じて所望の項目を判断し、強く押し込むと弾性体が変形してタッチパネルにアクセスされる。この弾性体カバーは透明なので晴眼者の使用に問題は無く、バリアフリーを実現している。
特開2004−265035は、タッチパネル周辺の筐体部に押しボタン部を設けている。該押しボタン部は切り込み部によって撓み可能に構成されており、該押しボタン部を押し込むと先端の凸部がタッチパネルの所定の位置にアクセスされる。タッチパネル付きモニター画面においては、該押しボタン部によってアクセスされる位置に選択肢が配列表示され、これによってバリアフリーを実現している。
タッチパネル以外の座標指示手段にて指示した位置の情報を凸凹出力装置にて出力する方法としては、次のようなものがある。
特許2575138は、いわばマウスのような座標指定手段に凸凹出力装置を搭載したものであり、これによってモニター画面表示上の任意の位置を指定すると、その位置の画像データが凸凹出力装置から出力されるものである。マウスのような座標指定手段は視覚障害者には現在位置を把握しにくいので、押しボタンスイッチにてホームポジションへ復帰するようにしている。
特開2003−255824は、凸凹出力装置をレールスライドによって2次元平面上を自在に動かせるようにしている。点字を読み取ろうとする指を凸凹出力装置に乗せたまま2次元平面状の任意の位置へ動かすと、その位置に対応付けられた点字が凸凹出力装置にて表示される。そのまま指をスライドさせると、点字文章を連続的に読み出すことが出来る。
点字の読み出しおよび入力の両方をカバーする技術としては次のようなものがある。
実開平7−41625は、複数の凸凹出力装置を備えた機器であり、入力の際、キーを押すと、入力しようとしている点字が凸凹出力装置に表示される。触知にて、これが入力しようとしている点字であることを確認すると、確認キーを押すことにより、入力が確定する。入力確定前に誤りを発見すると修正できる。読み出しの際、凸凹出力装置に点字文字列を表示させ、触知にて読み取った後、確認キーを押すことにより、該点字文字列を確認したものとして、それに続く点字文字列を凸凹出力装置にて表示する。
また、情報処理装置から出力される点字の、一覧性を確保する方法としては、凸凹出力装置を1行分並べる方法が、従来から一般に用いられている。
特開平11−327787 特開平10ー97651 特開2004ー54827 特開2004−179001 特開2001−290416 特開2004−265035 特許2575138 特開2003−255824 実開平7−41625
しかしながら、前記した従来技術の多くは、あらかじめ用意された複数の選択肢の中から任意のものを選択するという用途を想定したものであり、文章あるいは文字列の読み出しには対応していない。特許2575138は、点字の読み出しにも利用できるものと思われるが、現在、文章のどの位置を読んでいるのか把握するのは困難であるし、必ず机の上で使用しなければならないので、PDAなどの携帯情報機器への適用は難がある。特開2003−255824は、装置が大掛かりになるので携帯性に難があり、機械的可動部の耐久性が心配である。また、レールに沿って指で凸凹出力装置を動かすため、長文を読んだ時の指の疲れも予想される。実開平7−41625は、点字文章の読み出しにおいては、一覧性を確保しようとすると凸凹出力装置のセル数を増やさなければならないので携帯性を損ない、凸凹出力装置のセル数を減らして携帯性を確保しようとすると確認キーを頻繁に押さなければならない。また、点字の入力においては、キーの位置をほとんど全て憶えなくてはならない。憶えているキーが少ないと、確認キーを押す前の入力ミス修正の段階において頻繁に修正を行う必要が生じる。また、凸凹出力装置を1行分並べて一覧性を確保する従来技術では、コストの著しい上昇を招くため、社会の広範な普及を阻害し、かつ、スペースも多く必要とするため、携帯機器へ採用すると、機器が大型化してしまい、携帯性を損なう。
このような点を鑑み、バリアフリーの情報機器にて連続的に点字文章を読み進めていく用途において、コストやスペースを抑制しつつ、一覧性を向上させることが、本発明の課題である。
コンピュータに接続され、面上の起伏パターンとして表現された文字を出力しうる凸凹出力装置と、前記コンピュータに接続され指又はスタイラスによる指示位置を検知しうるセンサーと、指又はスタイラスによる前記センサーの検知領域内の連続的な位置指示を案内しうる線状ガイドを有する構成とする。
ここで、前記コンピュータに接続され指又はスタイラスによる指示位置を検知するセンサーからの入力値に対応する該センサーの検知領域について、該検知領域を線状ガイドに沿って区分した分割領域を定義しうるプログラムやデータ等が、前記コンピュータが備えるメモリ等の記憶手段に格納されている状態において、前記メモリ等において、前記コンピュータが備えるCPU等の演算手段により前記個々の分割領域に対して対応付けられた記憶領域に、文章又は文字列を構成する文字あるいは文節を格納することにより、前記線状ガイドに沿った個々の分割領域に対して前記文字を対応付ける工程(ステップ)、指またはスタイラスによる指示位置が前記センサーから入力された時に当該指示位置が属する前記分割領域に対応付けられている前記文字あるいは文節が前記CPU等により前記凸凹出力装置から出力される工程(ステップ)を含むものとする。
あるいは、コンピュータに接続された音声出力手段と、前記コンピュータに接続され指又はスタイラスによる指示位置を検知しうるセンサーと、指又はスタイラスによる前記センサーの検知領域内の連続的な位置指示を案内しうる線状ガイドを有する構成としても良い。
ここで、前記コンピュータに接続され指又はスタイラスによる指示位置を検知するセンサーからの入力値に対応する該センサーの検知領域について、該検知領域を線状ガイドに沿って区分した分割領域を定義しうるプログラムやデータ等が、前記コンピュータが備えるメモリ等の記憶手段に格納されている状態において、前記メモリ等において、前記CPU等により前記個々の分割領域に対して対応付けられた記憶領域に、文章又は文字列を構成する文字あるいは文節を格納することにより、前記線状ガイドに沿った個々の分割領域に対して前記文字あるいは文節を対応付ける工程(ステップ)、指またはスタイラスによる指示位置が前記センサーから入力された時に当該指示位置が属する前記分割領域に対応付けられている前記文字あるいは文節が前記CPU等により前記音声出力手段から音声にて出力される工程(ステップ)を含むものとする。
本発明において線状ガイドは、当該線状ガイドのガイド方向に対する垂直断面が凸型又は凹型又は貫通型に形成された立体形状として実現された、又は前記凸型又は凹型又は貫通型に形成された立体形状がガイド方向に点線状に配列された構成としてもよい。
本発明は、情報処理装置に接続されたモニター画面の上に、当該情報処理装置に接続された前記センサーとして分類されるタッチパネルを、更にその上に線状ガイドを階層的に配置する、又は情報処理装置に接続されたモニター画面の上に線状ガイドを、更にその上に、当該情報処理装置に接続された前記センサーとして分類される非接触式センサーを用いたタッチパネルを階層的に配置する構成としても良い。
本発明の効果は次のような点にある。すなわち、少ない凸凹出力装置にて点字文章を連続的に読み出せるため、低コストである。モニター画面の上空にタッチパネルを配置し、更にその上空に線状ガイドを配置するといった階層構造を用いれば、省スペースにて実現でき、良好な携帯性を確保できる。前記階層構造を用いれば、傍でサポートする晴眼者も同時に文章を読むことが出来るため、バリアフリーが実現され、視覚障害者と晴眼者のコミュニケーションに重宝である。線状ガイド1本を文章1行に対応させ、該線状ガイドを1ページ分、並べて配置し、ページ単位で文章を扱うようにすることにより、「ページ」と「行」の概念を容易に扱えるようになり、「何ページの何行目」といった表現が可能になるため、文書を介してのコミュニケーションがスムーズになり、盲学校の教育現場で重宝である。また、これによって文章の良好な一覧性も得られる。線状ガイドに沿ってキーボードを表示することにより、キーボード入力にも用いることが出来るので、文字の入力から出力までをカバーできる。
本発明の特徴は、バリアフリー、低コスト、省スペース、良好な一覧性、文字の入力から出力までカバーできることであり、それら特徴を生かす最良の形態は、携帯情報機器と考えられる。特に、PDA等のタッチパネル付きモニター画面を設けた情報機器に接続する点字用周辺機器として実現する方法が、コストや社会普及の観点から望ましい。
図1は、本発明の実施例を示している。タッチパネル付きのモニター画面(図1の17)を有するPDAにおいて、そのタッチパネルの表面に、線状の突起(図1の1)を複数施した透明フィルム(図1の3。以下「ガイドフィルム」と呼ぶ)を貼り付け、凸凹出力装置(図1の25)を備えた点字用周辺機器(図1の23)を接続した状態である。これら線状の突起は、指またはスタイラスを案内するガイド(以下、「線状ガイド」と呼ぶ)である。
操作者の指示によってコンピュータが文書ファイルを開くと、該コンピュータは該文章を点字に翻訳する(もちろん、あらかじめ点字文章として存在しているものはそのままで良い)。タッチパネルの検知領域を線状ガイドに沿ってソフトウェア的に分割してなる分割領域があらかじめ定義されており(以下、「分割領域」と呼ぶ)、コンピュータは該線状ガイドに沿って各分割領域に文章を構成する点字を連続的に対応付ける。操作者が指又はスタイラスにて線状ガイドに沿った前記センサーの検知領域を指示すると、コンピュータは該指示位置が前記分割領域のいずれに含まれるかを同定して該分割領域に対応付けられている点字を凸凹出力装置にて出力する。操作者がそのまま指またはスタイラスを、線状ガイドに沿ってタッチパネル上を滑らせることにより(すなわち、線状ガイドに沿って分割領域を連続的に指示する)、コンピュータから凸凹出力装置へ連続的に点字文章が出力される。このように、操作者の任意で連続的に点字文章を出力する仕組みが、本発明の第1の特徴である。
ここで、同時にコンピュータは線状ガイドに沿ってモニター画面に文章または文字列を表示している。この時、該文章又は文字列は、文節ごとに区分された状態(分かち書きを含む)でモニター画面に表示されても良い。これは、傍でサポートする晴眼者が文字情報を共有することによってバリアフリーを実現する目的がある。
コンピュータから凸凹出力装置にて出力・表示されている点字をモニター画面にも表示するようにすれば、視覚障害者の傍でサポートする晴眼者が、現在凸凹出力装置から出力されている点字を、視覚にて確認できるため、盲学校等において点字の知識を有する晴眼者が視覚障害者に対して点字学習の指導を行う場合に有効であると考えられる。
本発明において、点字を凸凹出力装置にて連続的に出力する際に、点字と点字の表示の合間ごとに該セルの点字ピンを全て凹状態(以下「無表示状態」と呼ぶ)にする状態を挿入することにより、字間が明確になり、点字出力の連続的な移行を触知にて認識しやすくなることが期待できる。具体的には、指またはスタイラスにて指示する領域が移行した時に、一瞬、無表示状態を出力してから、次に指示された領域に対応するものを出力すればよい。当然、このように個々のセルまたは文字を出力する合間に無表示状態を挿入する方法は、後述するイメージを出力できるタイプの凸凹出力装置にて墨字を面上の起伏パターンとして出力する場合や、後述する点字以外の視覚障害者用文字を凸凹出力装置にて出力する場合など、本発明全体について適用することが出来る。
線状ガイドは1本を文章1行に対応させ、1ページの行数分設けることにより、少ない凸凹出力装置にて(すなわち、省スペース、低コストにて)点字文章の一覧性を確保することができる。このような省スペース・低コストで実現した点字文章の一覧性が、本発明の第2の特徴である。また、これによって、文字・文章情報はページ単位で扱われることにより、"ページ"と"行"の概念が容易に扱えるようになり、"何ページの何行目"といった指定が容易に出来る。ただし、これはあくまで1例であり、線状ガイドは何本でも良いのであり、本発明は線状ガイドの本数によって制約されるものではない。
線状ガイドは必ずしも直線状である必要は無く、例えば、緩やかな弧や曲線を描くなど、それに沿って指やスタイラスを滑らせる際に大きな抵抗とならない形状であれば良い。
モニター画面の表面あるいは上空にタッチパネルを配置し、更にその表面あるいは上空に線状ガイドを配置するという、階層的配置による省スペースにてバリアフリーを実現したことが、本発明の第3の特徴である。
モニター画面に画像を表示する場合には、画像はそれら線状ガイドが配置されていない場所に表示されるなどの方法により、画像が視覚障害者による文章読み取りを阻害しないことが必要である。ただし、後述するように、指またはスタイラスが画像に差しかかった時、その旨、凸凹出力装置にて表示される場合はこの限りではない。
本実施例においては、指またはスタイラスの指示位置を検出するセンサーとして、モニター画面と一体化されたタッチパネルを使用した例を示しているが、本発明は、指又はスタイラスによる指示位置を検知するセンサーであればどのようなものを用いても良いのであり、本発明は該センサーの種類によって制約されるものではない。例えば、後述する可変抵抗を用いた方式のように、指またはスタイラスの指示位置を検出するセンサとして、タッチパネル以外のセンサを用いることも可能である。また、タッチパネルは様々な方式があることが知られている。本発明で言うところのタッチパネルとは、非接触式(光学式など)およびデジタイザ(専用のスタイラスでのみ使用されるもの)を含む広義のタッチパネルのことである。
線状ガイドは指又はスタイラスを連続的にガイドしうるものであればどのようなものを用いても良いのであり、本発明は線状ガイドの種類によって制約されるものではない。また、一体的に製造された部品であっても、別部品として製造された部品であっても良い。本実施例においては、タッチパネル表面に線状ガイドを設ける方法として、線状ガイドを施したガイドフィルムをタッチパネル表面に貼り付ける方法を示したが、これはコストを考慮した一例を示したのである。例えば、タッチパネルの製造過程においてタッチパネル自体の表面に線状ガイドを施しても良く、両者は、たまたま線状ガイドが別部品とされたか否かの違いに過ぎないのであり、本質的に同じものと解釈される。
図2は線状ガイドの様々な形態のバリエーションを示している。立体形状の線分を点線状に配置することによって線状ガイドを構成しても良いし、立体形状の点を点線状に配置することによって線状ガイドを構成しても良い。その他様々な立体形状を点線状に配列することによっても線状ガイドを構成することができるのであり、いかなる形状の構成要素も点線状に配列することによって線状ガイドを構成することが出来る。図2の下部には線状ガイドのガイド方向に対して垂直方向の断面のバリエーションを示している。すなわち、断面形状は凸型でも凹型でも貫通型でも良いのであり、それらの断面形状にて線状ガイドが構成されていても良いし、それら断面形状が点線状に配列されることによって線状ガイドが構成されていても良い。また、これら全てのバリエーションはガイドフィルムと(後述する)ガイド板を含む本発明の全てにおいて適用することが出来る。点線状の配列によって線状ガイドを構成する時、点線を構成する要素としての線分または点を文字列における個々の文字の位置に対応する位置に配置すれば、これらに個々の文字位置を示すインジケータとしての役割も担わせることができる。このような点線上の線状ガイドを用いた場合、行における何文字目なのかを認識するのに役立つ一方、スタイラスでなぞるのにスムーズではないという欠点もある。しかし、指でなぞる場合は問題ないと思われる。本発明における線状ガイドとは、このような様々な形態のバリエーションを含む。また、このような点線状に構成された線状ガイドはガイドフィルムのみに適用可能なのではなく、後述する表面式ガイド板においても適用可能である。
本発明において視覚障害者による文字列の読み取りは、操作者(視覚障害者又は傍でサポートする晴眼者)が線状ガイドに沿ってタッチパネル上を連続的に指示することにより、コンピュータから凸凹出力装置へ点字文字列が連続的に出力されることによって行われる。しかし、線状ガイドはこのような文字列の読み取りに用いるのみならず、後述するように、該線状ガイドに沿ってキーボードを表示することもできる。このように、線状ガイドをキーボード入力にも用いることを考慮すると、図3に示すように、キーボードとして利用する場合に各キーを区分するための点状インジケータ(図3の9)を(キーボードの表示に利用される)線状ガイド上に設けておくことが望ましい。
本発明の特徴の一つが、一覧性を確保して"ページ"と"行"で文章を扱えることにあることを鑑みると、行の位置、あるいは行番号を示すインジケータを設けておくと便利である。図4に示すように、線状ガイド群の左端において、該線状ガイド群に対して垂直方向に線状の突起(図4の7)を1本設ける(以下「垂直線状ガイド」と呼ぶ)。この垂直線状ガイド上には、各行の位置を示す点状インジケータ(図4の8。以下「行インジケータ」と呼ぶ)が設けられている。指またはスタイラスにて、垂直線状ガイドに沿って行インジケータを確認することにより、何行目なのかを素早く数えることが出来る。この行インジケータを設ける場所は、タッチパネル上に限らず、タッチパネルの周辺に配置しても良い。例えば、タッチパネルよりも幅の広いガイドフィルムに線状ガイドと行インジケータ付きの垂直線状ガイドを設け、該ガイドフィルムをタッチパネル表面に貼付する際、行インジケータ付き垂直線状ガイドを施した部分がタッチパネル外にはみ出るようにすることにより、行インジケータをタッチパネルの周辺に配置することも出来る。この行インジケータをタッチパネル上に設置する場合は、指またはスタイラスにて、行インジケータを指示することにより、その指示位置に対応する行番号が凸凹出力装置にて表示されるようにしても良い。また、この行インジケータの代わりに、各行の先頭の位置(左端)に、行番号を点字にて表示しておけば、行番号を容易に知ることが出来る。図35は、線状ガイドの左端に行番号を点字表記(図35の10)したガイドフィルム(図35の3)をPDA(図35の11)のタッチパネル(図35の17)表面に貼り付ける様子を示している。行番号が点字表記された部分がタッチパネルの外に配置されるよう位置をずらし(左へオフセット)、また、ガイドフィルムをタッチパネル全域に貼るのではなく、タッチパネルの一部を手書き文字入力のための領域として確保している。
タッチパネル表面に線状ガイドを施したガイドフィルムを貼る場合、それを貼る領域はタッチパネルの全域とは限らず、貼る領域をタッチパネルの一部に限定し、タッチパネルの他の領域について、指もしくはスタイラスにて点字や仮名等の手書き文字入力を行うためのスペースとしても良い。
一般的に、タッチパネルはマウスをエミュレートしている。そのため、マウスの左右押しボタンスイッチに相当する押しボタンスイッチを2個設けることにより、マウス対応のアプリケーションとの親和性が高まることが期待できる。図5はPDAを格納する形で接続するタイプの点字用周辺機器を示している。押しボタンスイッチは点字用周辺機器に設けても良いが、図5に示すように、点字用周辺機器の形状を工夫し、PDAの押しボタンスイッチをそのまま流用できるようにしても良い。親指にて該押しボタンスイッチを押す場合、もしくは、親指にて凸凹出力装置を読みとる場合は、図6に示すように、点字用周辺機器の筐体に切欠き(図6の42)あるいは斜面(図6の41)を設け、押しボタンスイッチまたは凸凹出力装置を、該切欠きの面、あるいは斜面に設置すれば、指の角度に無理が生じない。
点字として、6点点字以外に、川上漢点字等の、2セル分の領域を用いて漢字を表現するものもある。点字用周辺機器において、凸凹出力装置を2セル使用することにより、それら2セル分の領域を用いて表現される漢字1文字を、一度に出力することも可能である。
点字以外の視覚障害者用文字を用いることも出来る。特願2003−298334において、点字以外の視覚障害者用文字を用いる例が示されており、ここでは、文字コードを2進数化し、個々の文字を16本の線状突起の出没の組み合わせとして表現した視覚障害者用文字を提案している。点字は6個の点を用いて表現されるため、1文字で6ビットの種類しか表現できず、外字符などを用いて無理に拡張することにより、16ビット文字圏に対応させている。これはアルファベット文字圏での使用を前提として考案されたからであり、点字の考案者がアルファベット文字圏に属していたことと無関係ではないと思われる。ここで例えば、点ではなく、16本の線を用いて表現すれば、本質的に16ビット文字圏に対応できる。16個もの点を指先で識別するのは困難かもしれないが、線の場合は点よりも多くの情報を識別できる可能性がある。何故なら、線には、点には無い「方向」という情報が含まれるからである。漢字圏など16ビット文字圏を考慮すると、このように点状突起ではなく線状突起によって表現される視覚障害者用文字の普及が熱望される。
本発明において、単に「文字」という場合、点字や、前記16ビット表現された文字コードを16本の線状突起の出没の組み合わせとして表現した視覚障害者用文字や、その他あらゆる公知の視覚障害者用文字や、あらゆる公知の墨字や記号を含む広義の文字を指しているのであり、本発明はこれら全ての文字に適用可能である。
本発明において、単に「文章」や「文字列」という場合、点字や、前記16ビット表現された文字コードを16本の線状突起の出没の組み合わせとして表現した視覚障害者用文字や、その他あらゆる公知の視覚障害者用文字や、あらゆる公知の墨字や記号を含む広義の文字からなるものを指している
本発明において、「文字」や「文字列」や「文章」などという場合、これらは相互に置き換えても成立する場合は、適宜相互に置き換えて解釈しても良い。
本発明において、凸凹出力装置はどのようなものを用いても良く、凸凹出力装置の種類によって本発明が制約されるものではない。例えば、点字出力用の凸凹出力装置、凸凹出力アクチュエータが面上に配列され、それらの出没パターン(起伏パターン)によってイメージを出力可能な凸凹出力装置、前記16ビットを16本の線状突起の出没パターンによって表現される文字を出力可能な凸凹出力装置、図49に示されるような起伏の振幅を段階的に表現できるタイプの凸凹出力装置などが含まれる。また、凸凹出力装置を構成しているアクチュエータはどのようなものでも良い。例えば、凸凹出力装置の構成要素である凸凹出力アクチュエータはどのようなものを用いても良く、例えば、圧電素子を利用したもの、モータやソレノイド等の電磁力を利用したもの、静電アクチュエータを利用したもの、高分子アクチュエータを利用したものなどが含まれる。
本発明の説明で言うところの「面上の起伏パターンとして表現された文字」とは、点字や、前記16ビット表現された文字コードを16本の線状突起の出没の組み合わせとして表現した視覚障害者用文字や、その他あらゆる公知の視覚障害者用文字や、あらゆる公知の墨字や記号を含む広義の文字を凸凹出力装置の出力にて面上の起伏パターンとして表現したものを指すのであり、また、図49に示すように起伏の振幅が段階的にあるいは滑らかに変化した状態として表現されるものも含まれる。
PDAは、点字用周辺機器を装着していない状態においては、晴眼者の使用を前提とし、点字用周辺機器を装着すれば、視覚障害者に対応したバリアフリーモードへ移行するように設計しておくことができる。このようなバリアフリーモードにおけるモニター画面表示は、図39に示すように、画像(図39の49)を排除して文字のみを線状ガイドに沿って表示する方法、あるいは、画像については、文字列読み取りの邪魔にならないよう、線状ガイドが配置されていない位置に表示する、などの方法が考えられる。このようなバリアフリーモードと晴眼者向けのモードを、切り換える仕組みは、手動によるものでも良いし、自動的に切り換えられるものでも良い。手動によるモード切替について、例えば、触知にてON/OFFを確認できるスイッチを切り換える方法が考えられる。ここで、この切り換えスイッチについては、頻繁に操作するものでないなら、ペン先等の尖った先端で操作するスイッチを設けても良いし、設定変更用のジャンパピンを設けたり、半田付けによって設定を変更できるプリントパターンをあらかじめ基板上に設けておくなど、晴眼者あるいは業者によって設定が切り換えられる方法を用いても良い。自動的なモード切替について、例えば、点字用周辺機器のPDA格納空間の突き当りに、ピンが設けられており、周辺機器がPDAに装着されると、該ピンが、PDAの側面に設けられた押しボタンスイッチを押すことにより、PDAが自動的にバリアフリーモードへ切り換わり、該周辺機器との通信が開始される、などの方法が考えられる。
従来から一部のノートパソコンにおいては、モニター画面をOFFにできる機種が存在したが、視覚障害者の場合、バリアフリー機能が不要であるときは、モニター画面出力自体が不要である一方、本発明の原理上、位置を指示するためのタッチパネル入力は必須である。したがって、出来れば、消費電力節約の観点から、モニター画面をOFF、かつタッチパネル入力はON、にできる機能を設けることが望ましい。本発明はバリアフリーがその特徴の一つであり、傍でサポートする晴眼者がモニター画面を見ることによってバリアフリーを実現している。しかし、状況によってはプライバシーを保護しなければならない場面も想定されるが、このようにモニター画面をOFFにする機能を設けておくことにより、状況に応じてプライバシーを保護することができる。
ソフトウェアの処理の流れについて説明する。図40は、コンピュータが凸凹出力装置から点字文章を出力するまでの大まかな処理の流れを示している。先ず、タッチパネル(本発明における「タッチパネル」とは、非接触式および専用のスタイラスを用いるデジタイザなどを含む広義のタッチパネルを指す)の検知領域を線状ガイドに沿ってソフトウェア的に分割してなる分割領域があらかじめ定義されている。操作者の指示によってコンピュータが目的の文書ファイルを開くと、前記コンピュータによって点字翻訳文が作成され(もちろん、あらかじめ点字文章として作成されたものはそのままで良い)、前記コンピュータによって、前記個々の分割領域に対して、該点字翻訳文を構成する個々の点字が対応付けられる。一方、モニター画面においては、前記線状ガイドに沿って墨字文書が表示されることにより、晴眼者の文章読み取りに供する。操作者(視覚障害者又は傍らでサポートする晴眼者)が指またはスタイラスにて、該線状ガイドに沿ってタッチパネル上の任意の位置を指示することにより、その指示位置がタッチパネルを通じてコンピュータへ入力され、該指示位置が属する領域に対応付けられている点字がコンピュータから凸凹出力装置へ出力・表示されることにより、視覚障害者の触知に供せられる。すなわち、操作者がこの指またはスタイラスを、線状ガイドに沿ってタッチパネル上を滑らせることにより、点字が連続的に凸凹出力装置にて出力・表示され、これによって視覚障害者は滑らかに点字文章を読み取ることができる。モニター画面の文字列表示がスクロールされると、前記分割領域に対する点字の対応付けも、それに応じてスクロール処理される。
本発明は視覚障害者と傍でサポートする晴眼者の間にバリアフリーを実現し、両者のコミュニケーションに貢献するのが大きな目的の一つであるが、その際、モニター画面において文字が表示されている位置と、そこを指示した際に出力される点字が大きく乖離していると両者(視覚障害者と晴眼者)の認識にズレが生じてしまい、コミュニケーションの障害となる。しかし、乖離の程度が小さければ実用上問題無いとも考えられ、本発明において、モニター画面表示とそこを指示したときに出力される点字は必ずしも一致している必要は無い。但し、モニター画面に表示された文字列において、現在凸凹出力装置にて点字として出力している位置をカーソルで示すなどの方法を用いることにより、晴眼者は視覚障害者が現在読み取っている位置を知ることが出来る。
各分割領域はそれを定義しうるプログラムやデータ等があらかじめ与えられている必要がある。これら分割領域を定義しうるプログラムやデータ等はメモリ等、あるいは外部記憶装置の記憶媒体、あるいはインターネットからダウンロードしうる情報、あるいはその他の情報手段として存在していても良いが、いずれにしても先ずはコンピュータが備えるメモリ等の記憶手段に格納される必要がある。請求項全般について「メモリ等の記憶手段に格納されている状態」とは、このようにメモリ等に格納されることによってCPU等の演算手段による処理が可能となった状態を示している。
本発明でいうメモリ等とは、RAM、ROM(フラッシュメモリを含む)、レジスタ等を含む広義の概念である。
前記プログラムやデータ等の一例として、各分割領域の境界値(X軸上限値、X軸下限値、Y軸上限値、Y軸下限値など)を挙げることが出来る。
前記プログラムやデータ等の一例として、分割領域の境界値を算出するための「基準となる境界値(あらかじめ定められた既定値。例えばセンサー検知領域において分割領域が配列されているエリアの端の座標値など)」と「分割領域の幅(あらかじめ定められた既定値)」、及びそれらのデータを用いて各分割領域の境界値を算出するプログラムを挙げることが出来る。
前記プログラムやデータ等の一例として、文章や文字列を解析(文字の種類や、前後の位置関係に応じて異なる幅の分割領域とするなど)しうるプログラムやデータ等を挙げることが出来る。例えば、文字の種類や、前後の位置関係に応じて異なる「分割領域の幅」の値、及びそれらのデータを用いて各分割領域の境界値を算出するプログラムなどが考えられる。
前記プログラムやデータ等によってコンピュータが算出した分割領域の境界値をメモリ等の記憶手段に格納しておき、指またはスタイラスによる位置指示が入力されると、該指示位置はこれらの境界値と順次比較されることにより、該指示位置が属する分割領域が同定されるようにしても良い。
指またはスタイラスによる位置指示が入力された時に、前記プログラムやデータ等によって境界値を算出し、順次比較されることにより、該指示位置が属する分割領域が同定されるようにしても良い。これらの比較順序は、逐次探索法によるものでも良いし、2分探索法によるものでも良い。
図8は分割領域の様々なパターンの例を示している。あらかじめ文字表示領域全体を(全角や半角などの)定形サイズの領域にて単純に分割する境界値をメモリ等に格納しておく方法、あらかじめ文字表示領域全体に定形サイズの領域を単純に配列してなる境界値をメモリー等に格納しておく方法、コンピュータが文字列を分析し、モニター画面表示に対応してサイズの異なる領域を混用して決定した境界値をメモリ等に格納しておく方法、コンピュータが文字列を分析し、モニター画面表示に対応してサイズの異なる領域を混用して決定した境界値を配列する方法、などが考えられる。ここで、コンピュータが文字列を分析する方法はいかなるものでも良く、これによって本発明が制約されるものではない。
以上、各分割領域を定義しうるプログラムやデータ等の例を示したが、これらはあくまで一例であり、これらプログラムやデータ等は分割領域を定義しうるものであればどのようなものでも良いのであり、その活用方法もどのようなものでも良い。また、線状ガイドに沿ってセンサー検知領域が分割されるのならば、以上示したような方法以外のどのような方法を用いても良いのであり、線状ガイドに沿って任意の方法で、任意の幅で分割領域を設定することが出来る。
分割領域を定義しうるプログラムやデータ等及び境界値は必ずしも専用のものを用意しなければならないわけではない。例えば、タッチパネル付きパソコンやPDA等においては、タッチパネル上をスタイラス等の指示具にてドラッグすることにより文字あるいは文字列を選択することが出来るが、この際にコンピュータはどの文字あるいは文字列が指示具によって指示されたのかを識別している。分割領域の定義にはこのようなコンピュータ(OSあるいはハードウェア)が提供するものを適宜利用しても良い。例えば、OS等コンピュータが識別する1文字分のスペースを1つの分割領域として扱っても良いのであり、この場合も請求項全般に含まれる。このようなコンピュータが提供する機能はコンピュータがメモリ等に値を格納するなどによってアプリケーション・ソフトウェアが利用可能となるのであり、請求項全般について「メモリ等の記憶手段に格納されている状態」とは、このようにOS等コンピュータの機能によって提供されるものがメモリ等に格納されることによってアプリケーション・ソフトウェアにて利用可能となっている状態を含むのであり、本発明におけるプログラムやデータ等及び境界値はこれらを直接あるいは間接に利用したものを含む。
請求項全般について、「センサーからの入力値に対応する」とあるが、前記OS等コンピュータの提供する機能によってもたらされる文字位置の識別情報を基にして分割領域を定義した場合でも、これらOS等が提供する機能はセンサーの入力値に基づいているのであるから、結局は間接的にセンサーの入力値に基づいて分割領域を定義していることになる。この場合も、「センサーからの入力値に対応する」に含まれる。したがって、本発明におけるプログラムやデータ等及び境界値は必ずしもセンサー入力値を直接示す値である必要は無く、これらOS等が提供する値に基づいて示されても良い。
本発明は音声出力に対応していても良い。コンピュータによって各分割領域に音声が対応付けられ、操作者が指又はスタイラスにて分割領域を指示した時、コンピュータが該分割領域に対応付けられている音声を音声出力手段にて出力するよう構成しても良い。
音声出力への対応について、音声は出来ることなら文節ごとにまとまって出力されたほうが視覚障害者は理解しやすい。図36は、文節ごとに区分された(分かち書きを含む)文章に対して、分割領域を定義する例を示している。この場合、分割領域を定義しうるプログラムやデータ等がメモリ等に格納されている。文章を文節ごとに区分する方法はどのような方法を用いても良く、例えば、コンピュータが文章ファイルを開いた時に、文節ごとに区分するソフトウェアを用いて該コンピュータが該文章を文節ごとに区分するようにしても良い。
文節ごとに区分された文章又は文字列に対して、各文節に対して分割領域を定義しうるプログラムやデータ等がメモリ等に格納されている。文節ごとに区分された文章又は文字列はどのようなデータ形式で提供されても良いが、例えば各文節の合間ごとに空白を挿入してなるデータ形式の場合、プログラムやデータによってそれら空白の存在を検出することによって文節を認識できる。そのようにして文節を認識し、文節ごとに分割領域を定義する場合、前記プログラムやデータは本発明でいうところの「分割領域を定義しうるプログラムやデータ等」に含まれる。
コンピュータが文章又は文字列をモニター画面に表示する場合、モニター画面表示は文節ごとに区分された状態として表示しても良いし、そうでなくても良い。また、文節に対応して分割領域を設ける場合、モニター画面表示において必ずしも各文節の表示位置とそれに対応する各分割領域の位置が一致している必要は無い。
このような、文節ごとに対応する分割領域が定義される方法は、音声出力のためだけに用いるだけでなく、凸凹出力装置による出力にも用いることが出来る。すなわち、指又はスタイラスにて該分割領域を指示した時、コンピュータが凸凹出力装置にて該分割領域に対応付けられている文節を出力するようにしても良い。
音声出力のために用いられる分割領域は、凸凹出力装置から文字を出力するために用いられる分割領域を兼用しても良いし、音声出力のために専用の分割領域を設けても良い。
各分割領域に対して文字(点字またはその他の視覚障害者用文字または墨字を面上の起伏パターンとして表現したもの)や文節を対応付ける方法はどのような方法を用いても良く、本発明はこれによって制約されるものではないが、以下に示す例はいずれも「CPU等の機能によって各分割領域に対して対応付けられたメモリ領域(アドレス)に文字データを格納する」ことによって対応付けられる方法である。但しこれらはあくまで一例であり、その他コンピュータのどのような機能を用いてどのような方法で対応付けても良い。また、「CPU等の機能によって各分割領域に対して対応付けられたメモリ領域(アドレス)に文字データを格納する」ことによって対応付ける方法を用いる場合、以下に示すものはあくまで一例であり、他のどのような方法を用いても良い。
前記「CPU等の機能によって各分割領域に対して対応付けられたメモリ領域(アドレス)に文字データを格納する」ことによって対応付ける方法の1例として、図44のように、分割領域を定義付ける境界値、および該分割領域に格納される文字を、メモリの連続した領域に格納して1つのデータブロックとし、このような構造のデータブロックを並べたデータ領域を設けても良い。図44においては「X軸上限値」「X軸下限値」「Y軸上限値」「Y軸下限値」「文字」の5バイト構成を用いたが、もちろんこれは「X軸境界値(分割領域の上限値又は下限値)」「Y軸境界値(分割領域の上限値又は下限値)」「文字」の3バイト構成としても良い。また、図48のように「X軸境界値」「Y軸境界値」「文字」というように区分してメモリに格納しても良い。図44では1つの分割領域に1つの文字を対応させる例を示しているが、もちろん、あらかじめ決められた複数バイトを確保することにより、1つの分割領域に複数の文字を対応させることも出来る。図44においては5バイト構成であるので、例えば、該データ領域の最初のアドレスから5バイトずつジャンプすることにより、連続する分割領域のX軸上限値を順次取得することができる。これらのX軸上限値をタッチパネルのX軸入力値と順次比較する。同様に「X軸下限値」「Y軸上限値」「Y軸下限値」とタッチパネル入力値を比較することにより、該当する分割領域を同定することが出来る。このようにして、該当する分割領域を同定した時、そのX軸上限値が格納されているアドレスから数えて4バイト目にアクセスすることにより、その分割領域に対応付けられている文字を取得できる。本発明全般に言えることであるが、例えば図44では「X軸上限値」「X軸下限値」「Y軸上限値」「Y軸下限値」「文字」のアドレスが連続した状態が示されているが、これらは必ずしもアドレスが連続している必要は無いのであり、要はCPU等の機能によって対応付けられたアドレスに格納されていれば良い。すなわち、CPU等の機能によって分割領域と対応付けられたメモリ領域に文字が格納されることにより、分割領域と文字が対応付けられる。このような方法は、分割領域の境界値をメモリにマッピングすることにより分割領域を定義する方法に適している。
前記「CPU等の機能によって各分割領域に対して対応付けられたメモリ領域(アドレス)に文字データを格納する」ことによって対応付ける方法の他の例として、図45は、1つの分割領域に対して任意の複数の文字を対応付けられるように拡張した例を示している。メモリにおいて、前記データブロックを並べた領域の他に、文字列を格納する領域を設ける。前記データブロックにおいて文字を格納していた部分に、該分割領域に対応付けられている文字列が格納されている先頭アドレスとバイト数が格納されている。図45においては前記データブロックは6バイト構成であるので、該データ領域の最初のアドレスから6バイトずつジャンプすることにより、連続する分割領域のX軸上限値を順次取得することができる。該当する分割領域を同定した時、そのX軸上限値が格納されているアドレスから数えて4バイト目と5バイト目にアクセスすることにより、その分割領域に対応付けられている文字列を格納している先頭アドレスとバイト数を取得できるため、それに基づいて該分割領域に対応付けられている文字列を取得できる。すなわち、CPU等の機能によって分割領域と対応付けられたメモリ領域に文字が格納されることにより、分割領域と文字が対応付けられる。このような方法は、分割領域の境界値をメモリにマッピングすることにより分割領域を定義する方法に適している。
前記「CPU等の機能によって各分割領域に対して対応付けられたメモリ領域(アドレス)に文字データを格納する」ことによって対応付ける方法の他の例として、指またはスタイラスによる指示位置が入力された時にリアルタイムに、分割領域の境界値を演算にて算出する方法によって分割領域が定義されている場合は、次のような方法によって各分割領域に文字を対応付けることができる。図46は、メモリ等の記憶手段において、文字列を格納した領域を示している。前記指示位置が何個目の分割領域に属しているかを同定し、該分割領域に対応付けられている文字を取得する。例えば、5個目の分割領域であると同定した場合、前記文字列格納領域の先頭アドレスから数えて4バイト目の文字データを取得すればよい。すなわち、CPU等の機能によって分割領域と対応付けられたメモリ領域に文字が格納されることにより、分割領域と文字が対応付けられる。ここでは1つの分割領域に1つの文字を対応させる例を示しているが、もちろん、あらかじめ決められた複数バイトを確保することにより、1つの分割領域に複数の文字を対応させることも出来る。
前記「CPU等の機能によって各分割領域に対して対応付けられたメモリ領域(アドレス)に文字データを格納する」ことによって対応付ける方法の他の例として、図47は、同様に、指またはスタイラスによる指示位置が入力された時にリアルタイムに、分割領域の境界値を演算にて算出する方法によって分割領域が定義されている場合にも適用可能な対応付け方法であり、1つの分割領域に対して任意の複数の文字を対応付けられるように拡張した例を示している。前記指示位置が何個目の分割領域に属しているかを同定し、該分割領域に対応付けられている文字を取得する。図47において、メモリ等の記憶手段において「文字列の先頭アドレス」と「バイト数」を格納したデータブロックが並べられた領域が確保されている。例えば5個目の分割領域に属している文字を取得したい場合、該データブロックが並べられた領域の先頭アドレスから(5−1)×2バイトだけジャンプすることにより、該分割領域に対応付けられている文字列の先頭アドレスとバイト数を取得することができる。それを基に、該当するメモリ領域にアクセスすることにより、該分割領域に対応付けられている文字列を取得することができる。すなわち、CPU等の機能によって分割領域と対応付けられたメモリ領域に文字が格納されることにより、分割領域と文字が対応付けられる。
本発明の説明において、「分割領域に対応付けられたメモリ領域に文字を格納する」という表現は、必ずしも「分割領域に対応付けられたメモリ領域」を確保してから「該メモリ領域に対して文字を格納する」という時系列的な順序を意味しているわけではなく、一つのステップを意味しているのであり、「分割領域」と「文字が格納されているメモリ領域」が結果的に対応付けられているという意味である。したがって、「分割領域に対応付けられたメモリ領域に文字を格納する」という表現は、「分割領域に対応付けられたメモリ領域」を確保してから「該メモリ領域に対して文字を格納する」する順序によって実現されても良いし、「文字をメモリに格納」してから「該メモリ領域に対して分割領域を対応付ける」という順序によって実現されても良い。
本発明において、関連するデータや連続するデータをメモリ等の記憶手段に格納する場合、必ずしもそれらのアドレスが連続的な関係にある必要は無い。また、メモリ等の記憶手段は異なる種類のもの(ROMとRAM等)にまたがって格納されていても良い。
図9はモニター画面表示1ページに対して点字の1ページを対応させる場合の一例を示している。これは、2セルの凸凹出力装置を備える情報機器において、第1セルは点字文章を構成する点字を表示し、第2セルは付帯情報を表示することを想定している。この場合、モニター画面において文字が表示されている位置と、そこを指又はスタイラスにて指示した際にコンピュータから凸凹出力装置を通じて出力される点字は一致しないが、1ページの文字数があまり多くない場合は、これによって視覚障害者と傍でサポートする晴眼者の間にバリアフリーが実現されているといえる。この場合、図9に示すように、モニター画面に表示された文字の位置とそこを指又はスタイラスにて指示した際にコンピュータから凸凹出力装置を通じて出力される点字は厳密な一致を要求されないので、モニター画面表示は全角文字と半角文字が混用して表示されている。また、図9においてはタッチパネルの領域分割は全て全角に相当する領域によって分割しているが、全て半角に相当する領域によって分割しても良い。
また、図9の下段において、音声出力への対応の例も示している。音声出力の機能をONにしておくと、指又はスタイラスにて指示した分割領域に対応してコンピュータから音声出力手段を通じて音声が出力されるようにしても良い。すなわち、指またはスタイラスを線状ガイドに沿ってタッチパネル上を滑らせることにより、コンピュータから音声出力手段を通じて連続的に音声が出力される。図42はあらかじめ文節ごとに区分された(分かち書きを含む)文章をコンピュータが処理して音声出力に至る大まかな処理の流れの一例を示している。本図において、コンピュータはモニター画面に文章を表示し(分かち書きされた状態を表示しても良いし、そうでなくても良い)、該モニター画面表示に合わせて文節ごとにタッチパネルの検知領域を分割し、タッチパネルの各分割領域に各文節を対応付ける。操作者が指又はスタイラスによる線状ガイドに沿った位置指示を入力すると、コンピュータは該入力があった分割領域に対応付けられている文節を音声出力手段から音声として出力する。凸凹出力装置にて点字を出力する場合はユーザーは視覚障害者を対象としているが、音声にて出力する場合は視覚障害者のみに限らず、晴眼者においても様々な活用が考えられる。例えば、英語のホームページを開いた時にコンピュータが自動的に翻訳文を作成し、コンピュータを通じてモニター画面には英語の文章がそのまま表示され、線状ガイドに沿った指又はスタイラスによる連続的な位置指示によって該翻訳文がコンピュータから音声出力手段を通じて連続的に音声出力されるように構成することもできる。音声出力用のソフトウェアは多いが、このような線状ガイドに沿った指示による音声出力は、直感的に任意の箇所を指示できることが特徴である。
本発明の説明でいう「音声」とは、合成音声(コンピュータによって人の声を真似て合成された音声)や人の声を録音あるいはサンプリングした音声(以下「サンプリング音声」と呼ぶ)等としてコンピュータに接続されたスピーカから出力されるものを指し、「音声出力手段」とは、前記スピーカと、前記合成音声及びサンプリング音声を前記スピーカから出力するためのハードウェア及びソフトウェアを含む音声出力のためのシステムを指す。
図10はモニター画面表示1行に対して点字の1行を対応させる場合の一例を示している。これも、2セルの凸凹出力装置を備える情報機器において、第1セルは点字文章を構成する点字を表示し、第2セルは付帯情報を表示することを想定している。この場合、モニター画面に表示される文字列とそこを指示した際に出力される点字が1行単位で一致しているので、1ページの行数がいくら多くても視覚障害者と傍でサポートする晴眼者の間に大きな認識のズレは生じない。図10においてはタッチパネルの領域分割は全て半角に相当する領域によって分割されているが、これは、墨字の文章を点字に翻訳すると文字数が増えるので、点字1行分をモニター画面表示の1行内に収めるためには全角に相当する領域によって分割した場合は領域の数が不足するからである。また、図10の下段において、音声出力への対応の例も示している。
前述したように、線状ガイドとモニター画面表示は必ずしも位置関係が一致している必要はなく、要は使い勝手が大事である。したがって、使い勝手に応じて、1本の線状ガイドを複数行の文字列に対応させたり、逆に1本の線状ガイドが1行の文字数よりも少ない文字数に対応する方法も認められる。ここで示した線状ガイドとモニター画面表示の対応はあくまで一例であり、両者の対応はどのようなものでも良いのであり、本発明はこれによって制約されるものではない。また、線状ガイドは何本でも良いのであり、本発明は線状ガイドの本数によって制約されるものではない。
モニター画面表示の領域と、それを指又はスタイラスにて指示した時にコンピュータから凸凹出力装置にて出力される点字を、できるだけ一致させようとする場合には何セルの凸凹出力装置を用いるかによってそれぞれ様々な方法が考えられる。また、モニター画面表示の領域と、それを指又はスタイラスにて指示した時に出力される点字をできるだけ一致させようとする場合において工夫しなければならない点は、分かち書きによる空白や、数符・外国語引用符・大文字符・二重大文字符などの点字専用の記号(以下、「点字専用記号」と呼ぶ)をタッチパネルの分割領域に対してどう割り当てるかという点である。これら点字専用記号はモニター画面表示において対応している墨字が無いので、領域への割り当ては工夫が必要である。図11は、モニター画面表示の領域とその指示位置に対応する点字出力をできるだけ一致させようとする場合において、1セル分の凸凹出力装置を用いる方法の一例を示している。2セルの凸凹出力装置を備える情報機器において、第1セルは点字文章を構成する点字を表示し、第2セルは付帯情報を表示することを想定している。図11において、タッチパネルの領域分割は全て全角の1/4分割に相当する領域によって分割し、個々の領域に点字セルを1つずつ割り当てている。同図において点字セルが割り当てられていない領域にさしかかった時は以前の点字出力をそのまま保持することにより、スムーズに連続的な点字出力がなされる。また、図11の下段において、音声出力への対応の例も示している。
図12は、モニター画面表示の領域と、それを指又はスタイラスにて指示した時にコンピュータから凸凹出力装置にて出力される点字をできるだけ一致させようとする場合において、1セル分の凸凹出力装置を点字出力に用いる方法の他の一例を示している。2セルの凸凹出力装置を備える情報機器において、第1セルは点字文章を構成する点字を表示し、第2セルは付帯情報を表示することを想定している。図12においては、点字専用記号を最初からモニター画面に全角空白として挿入することにより、出力される点字とモニター画面表示の領域を一致させている。以下、図12に基づいて説明する。先ず、文章を点字に翻訳し、個々のセルに番号を振る。次に、モニター画面に表示する文字列を作成する。元の墨字文章において、点字専用記号、分かち書きの空白、および複数セルで表現される文字の後方に全角空白を付加してモニター画面表示の全角文字数と点字セル数を一致させる。モニター画面表示において、「2」の前の1文字分の空白、および「J」の前の3文字分の空白、および「N」の後ろの1文字分の空白は点字専用記号に対応しており、「の」の後ろの1文字分の空白、および「に」の後ろの1文字分の空白は分かち書きによる空白に対応している。また、「年」の後ろにある1文字分の空白、および「来」の後ろにある1文字分の空白、および「び」の後ろの1文字分の空白、および「急」の後ろにある2文字分の空白、および「激」の後ろにある2文字分の空白、および「明」の後ろにある1文字分の空白、および「確」の後ろにある1文字分の空白は点字翻訳文のセル数とモニター画面に表示する文字数を一致させるために便宜的に挿入されたものである。そして、モニター画面表示の墨字表示領域を分割してそれぞれの領域を1つのセルに割り当てるのであるが、この際、全角1文字分の墨字表示領域が1セルに対応することになる。また、図12の下段において、音声出力への対応の例も示している。
仮名を点字として出力する場合、1セルで表現される仮名、2セルで表現される仮名などがある。漢字を仮名に変換して点字として出力する場合、1セルで表現される漢字、2セルで表現される漢字、3セルで表現される漢字などがある。複数セル分の凸凹出力装置を備える機器においては、例えば3セル分の凸凹出力装置を備える機器の場合、3セルで表現される漢字を一度に出力することが出来る。しかし、あまりセル数が多いと素早い読み取りが困難になるという問題もある。
図13は、3セルの凸凹出力装置を備える情報機器において、該凸凹出力装置の第1セルおよび第2セルはコンピュータからの出力によって点字文章を構成する点字を表示し、第3セルは付帯情報を表示することを想定している。この方法は、2セルで表現される音を一度に出力することが出来ることが特徴である。図13は文章処理の流れを示している。コンピュータは先ず該文章を点字に翻訳し、該点字翻訳文において、2セルで表現される音(ここでは「び」「じょ」「きゅ」「げ」)をそれぞれ1組として、先頭から順に、各点字セルおよび前記の組に番号を振る。次に、コンピュータはモニター画面に表示する文字列を作成する。すなわち、点字専用文字(ここでは数符、外国語引用符、二重大文字符、分かち書きの空白)に対応する位置に全角空白を挿入し、かつ、2セル以上で表現される漢字の後ろに全角空白1個を挿入した文をモニター画面に出力・表示する(文字は全て全角表示)。次に、コンピュータはタッチパネルの領域を分割し、各分割領域に対して、前記番号を振った個々の組を対応付ける。指またはスタイラスにてこれら個々の領域を指示した時、コンピュータは対応する点字を凸凹出力装置からリアルタイムに出力する。ここで、1セルで表現される音は凸凹出力装置の第1セルにて表示され、その際、凸凹出力装置の第2セルは何も表示しない。分かち書きによる空白は、凸凹出力装置の第1および第2セルの両方が何も表示しない。また、図13の下段において、音声出力への対応の例も示している。
図14は、3セル分の凸凹出力装置を点字出力に用いる場合のコンピュータによる文章処理の流れの一例を示している。4セル分の凸凹出力装置を備える情報機器において、第1、第2、第3セルは点字文章の読み出しに用いられ、第4セルは付帯情報の表示に用いられることを想定している。3セル分の凸凹出力装置を点字出力に用いることにより、点字3セルで表現される漢字をコンピュータから凸凹出力装置にて一度に出力することが出来ることが特徴である。コンピュータは先ず、墨字文章を点字に翻訳し(もちろん、最初から点字文章のものはそのままで良い)、漢字1文字に対応するセル、および2セルで表現される音(ここでは「び」「じょ」)を組として番号を振る。コンピュータは次に、モニター画面に表示する墨字文字列を作成する。すなわち、点字専用記号に対応する位置に全角空白を挿入した墨字文章をモニター画面に表示する。コンピュータは次に、タッチパネルの領域を分割し、各分割領域と点字との対応付けを行う(文字は全て全角表示)。また、図14の下段において、音声出力への対応の例も示している。
但し、以上示した凸凹出力装置のセル数とそれに応じた点字出力方法はあくまで一例であり、凸凹出力装置のセル数とそれに応じた点字出力方法はどのようなものを用いても良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。
パソコンやPDAのモニター画面表示においては、様々なGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)が使われている。本発明においては、このようなGUIは表示しないようにする、もしくは線状ガイドが配置されていない位置に表示する、などの対応が考えられるが、指またはスタイラスがGUIに差しかかった時に、その旨、コンピュータから凸凹出力装置にて出力・表示する方法も考えられる。
以下、2セル分の凸凹出力装置を備えた情報機器を用いた場合を例として説明する。図15はコンピュータによって、タッチパネル付きモニター画面に表示するようソフトウェアとして実現されたスイッチ(以下、「仮想スイッチ」と呼ぶ)が、モニター画面に表示されており、線状ガイドに沿って動かしたスタイラス先端が該仮想スイッチを指示する位置にさしかかった時の様子を示している。仮想スイッチの表示に対応する分割領域にはあらかじめ、コンピュータによって仮想スイッチの存在を示す付帯情報が割り当てられており、スタイラス先端が「はい」の意味が割り当てられている仮想スイッチにさしかかった時、仮想スイッチがそこに存在することを示す付帯情報がコンピュータから文字または記号として凸凹出力装置の第2セルに「す」(「スイッチ」の頭文字。データ構造においては付帯情報として扱われる。)が表示されることにより、そこに仮想スイッチが存在することが視覚障害者に通知される。その時、視覚障害者が該仮想スイッチに割り当てられている意味を知りたいならば、該仮想スイッチを指示したまま右押しボタンスイッチを押すと、該押しボタンスイッチの意味を説明するためのモードに移行する。その時、コンピュータから凸凹出力装置の第2セルに「せ」(「説明」の頭文字)が表示されることにより、説明モードに入った旨、視覚障害者へ通知される。該説明モードにおいては、視覚障害者は該仮想スイッチの意味を能動的に読み取ることができる。該説明モードにおいて、該仮想スイッチをスタイラスで1回タップするごとに説明の点字1セルがコンピュータから凸凹出力装置の第1セルに表示される。図15においては1回目のタップで「は」、2回目のタップで「い」がコンピュータから凸凹出力装置にて点字で出力され、連続して2回タップすることにより、該仮想スイッチの意味「はい」を視覚障害者は読み取ることができる。この際、3回目以降のタップでは第1セルに何も表示されない。説明モードの間中ずっと第2セルには「せ」が表示されている。説明モードを解除したい場合は、説明モードの状態において右押しボタンスイッチを押すと解除される。この際、コンピュータから凸凹出力装置の第2セルの「せ」表示を消すよう出力することにより、説明モードが解除された旨、視覚障害者へ通知される。視覚障害者は一連の動作によってその仮想スイッチに割り当てられている意味を知ることができる。視覚障害者が該仮想スイッチをクリックしたい場合は、説明モードを解除した状態で、視覚障害者が該仮想スイッチを指示したまま左押しボタンスイッチを押すと、コンピュータは該仮想スイッチがクリックされたものとして処理する。
図16は同様に視覚障害者によるスタイラスによる指示位置がアイコンにさしかかった時の様子を示している。アイコンの表示に対応する分割領域にはあらかじめ、コンピュータによってアイコンの存在を示す付帯情報が割り当てられており、視覚障害者がスタイラスにて線状ガイドに沿ってアイコンを指示した時、コンピュータは凸凹出力装置の第2セルにて「あ」(「アイコン」の頭文字。付帯情報。)を出力・表示することにより、そこにアイコンが存在することが視覚障害者に通知される。その時、視覚障害者が該アイコンに割り当てられている意味を知りたいならば、該アイコンを指示したまま右押しボタンスイッチを押すと、コンピュータは該アイコンの意味を説明するための説明モードに移行する。その時、コンピュータは凸凹出力装置の第2セルにて「せ」を出力・表示することにより、説明モードに入った旨、視覚障害者へ通知する。該説明モードにおいては、視覚障害者は該アイコンの意味を能動的に読み出すことができる。該説明モードにおいて、該アイコンをスタイラスで1回タップするごとに、コンピュータは説明の点字1セルを凸凹出力装置の第1セルにて出力・表示する。図16においては1回目のタップで「わ」、2回目のタップで「ー」、3回目および4回目のタップで「ぷ」、5回目のタップで「ろ」を第1セルにて表示し、視覚障害者は連続して5回タップすることにより、該アイコンの意味「ワープロ」を読み取ることができる。この際、6回目以降のタップでは第1セルには何も表示されない。説明モードを解除したい場合は、説明モードの状態において視覚障害者が右押しボタンスイッチを押すとコンピュータはこのモードを解除する。この際、コンピュータは第2セルの「せ」出力・表示を消すよう出力することにより、説明モードが解除された旨、視覚障害者へ通知する。視覚障害者は一連の動作により、そのアイコンに割り当てられている意味を知ることができる。視覚障害者が該アイコンをクリック(またはダブルクリック)したい場合は、説明モードを解除した状態で、該アイコンを指示したまま左押しボタンスイッチを1回(または素早く2回)押すと、コンピュータは該仮想スイッチがクリック(またはダブルクリック)されたものとして処理する。
図17は同様に視覚障害者によるスタイラスの指示位置がリンクの張られた文字列にさしかかった時の様子を示している。モニター画面に表示された文字列にインターネットまたは同じコンピュータ内の文書または同一文書内におけるリンクが張られている場合、スタイラスにて該文字列を指示した時、対応する点字がコンピュータから凸凹出力装置の第1セルにて出力・表示されると同時に、第2セルにて「り」(「リンク」の頭文字。付帯情報。)が出力・表示されることにより、その文字列にリンクが張られていることが視覚障害者に通知される。視覚障害者が該リンクをクリックしたい場合には、リンクが張られた該文字列をスタイラスにて指示したまま左押しボタンスイッチを押すと、コンピュータは該リンクがクリックされたものとして処理する。また、これを指示したまま右押しボタンスイッチを押すと、コンピュータはリンク先の情報を説明する説明モードに移行する。該説明モードにおいては、視覚障害者は前記したのと同様の方法で該リンク先に関する情報を能動的に読み取ることができる。該説明モードにおいて読み取ることのできるリンク先の情報とは、リンク先の名称でも良いし、リンクのインターネットアドレスでも良い。また、リンク先の名称と実際のアドレスが一致しているかどうか判定する仕組みを用意しておいても良い。すなわち、「特許庁のホームページ」という文字列に張られているリンクが悪意で視覚障害者を騙す目的でその文字列で表わされているものと違うホームページへ誘導しようとしている場合も考えられ、その場合はリンクアドレスをチェックするプログラムをインストールしておき、該リンクを指示したままキー操作を行うとコンピュータはリンクアドレスをチェックし、データベースに存在しているアドレスと照合して一致した場合には「特許庁のホームページアドレスに一致しました」という報告がコンピュータから凸凹出力装置にて出力・表示されるという方法により、セキュリティが確保されるという方法も考えられる。視覚障害者はそれによってそのリンクがどこへ張られているのかを知ることができる。
図18は同様に視覚障害者がスタイラスにて画像を指示した時の様子を示している。画像の表示に対応するタッチパネル表示領域にはあらかじめ、コンピュータによって画像の存在を示す付帯情報が割り当てられており、スタイラスにて線状ガイドに沿って画像を指示した時、コンピュータから凸凹出力装置の第2セルにて「か」(「画像」の頭文字「が」から1セルで表現するために濁音を除いたもの。付帯情報。)を出力・表示することにより、そこに画像が存在することが視覚障害者に通知される。その時、視覚障害者が該画像の名称を知りたいならば、該画像を指示したまま右押しボタンスイッチを押すと、コンピュータは該画像の名称を説明するための説明モードに移行する。その時、コンピュータは凸凹出力装置の第2セルにて「せ」(「説明モード」の頭文字)を出力・表示することにより、説明モードに入った旨、視覚障害者へ通知する。該説明モードにおいては、視覚障害者は該画像の名称を能動的に読み取ることができる。該説明モードにおいて、該画像をスタイラスで1回タップするごとに説明文の点字1セルがコンピュータから凸凹出力装置にて出力される。説明モードを解除したい場合は、説明モードの状態において視覚障害者が右押しボタンスイッチを押すと、コンピュータはこのモードを解除する。この際、コンピュータは凸凹出力装置第2セルの「せ」出力・表示を消すよう出力することにより、説明モードが解除された旨、視覚障害者へ通知する。視覚障害者は一連の操作によって、どのような画像がそこに存在しているのかを知ることができる。この説明モードは、点字の出力を前提とした凸凹出力装置を備える機器においては前述のように説明文を読み出せる状態になるが、画像を表示できるタイプの凸凹出力装置を備えた機器の場合は、該凸凹出力装置から画像そのものが出力される。該画像にリンクが張られている場合は、コンピュータは前記付帯情報として「リンク付き画像」がそこに存在する旨、凸凹出力装置にて出力・表示する。「リンク付き画像」の場合、説明モードにおいては視覚障害者はリンク先の名称やリンク先のアドレスを能動的に読み取ることができる。視覚障害者が該画像に張られたリンクをクリックしたい場合は、説明モードを解除した状態で、該画像を指示したまま左押しボタンスイッチを1回押すと、コンピュータは該画像に張られたリンクがクリックされたものとして処理する。
ただし、ここで示した仮想スイッチやアイコンやリンク情報や画像に対する対応方法はあくまで一例であり、本発明はこれらによって制約されるものではない。
図7はタッチパネルの分割領域とそれに割り当てられた点字の情報をコンピュータがメモリの記憶領域に格納しておくためのデータ構造の3つの例を示している。コンピュータによって、このようなデータ配列が分割領域の数だけ用意され、前記コンピュータによって、そこに必要なデータが格納される。ここで、タッチパネルの個々の分割領域はX軸上限値、X軸下限値、Y軸上限値、Y軸下限値にて定義されている(ただしこれはあくまで一例であり、分割領域を定義しうるタッチパネル入力値であればどのようなものでも良い)。指またはスタイラスにてタッチパネル上を指示すると、その指示位置はコンピュータによってこれらと比較されることにより、どの分割領域を指示しているのかが判断される。図7において「付帯情報」とは、例えば、その文字(列)に張られているリンクの有無などを示すための情報である。この付帯情報は該点字が凸凹出力装置から出力される際に視覚障害者へ通知されるものであり、その通知方法としては凸凹出力装置において該点字を点滅表示あるいは振動させる方法や、あるいは付帯情報を表示するための専用のセルを設ける方法が考えられる。点滅表示や振動させる場合には点滅の速度あるいは振動周波数を変えることにより、異なる意味を付加することも可能である。図7は付帯情報を表示するための専用のセルを設けた場合の例を示している。例えば、2セル分の凸凹出力装置を備えた機器において、凸凹出力装置の第1セルにて文字列を表示し、第2セルで付帯情報を表示する場合には、図7に示す7バイト構成のデータ構造を用いれば良いし、3セル分の凸凹出力装置を備えた機器において、凸凹出力装置の第1セルと第2セルにて、2セルで表現される音を一度に表示し、第3セルで付帯情報を表示する場合には、個々の分割領域に2セルの点字を対応付けるため、図7に示す8バイト構成のデータ構造を用いれば良いし、4セル分の凸凹出力装置を備えた機器において、第1、第2、第3セルにて、3セルで表現される漢字を一度に表示し、第4セルで付帯情報を表示する場合には、個々の分割領域に3セルの点字を対応付けるため、図7に示す9バイト構成のデータ構造を用いれば良い。図7において「応答処理アドレス」には、該分割領域を指示したまま右押しボタンスイッチまたは左押しボタンスイッチを押したときの応答処理が記述されているメモリの先頭アドレスを格納している。例えば、左押しボタンスイッチが押されたことを示す情報を00h(16進)、右押しボタンスイッチが押されたことを示す情報をFFh、左押しボタンスイッチがダブルクリックされたことを示す情報を0Fhとあらかじめ決めておく。ここで、ある分割領域を指示したまま右押しボタンスイッチを押すと、一時保存用のレジスタまたはメモリー(以下、「temp」と呼ぶ)にFFhを格納して、該分割領域の「応答処理アドレス」へジャンプする。ジャンプ先ではtempの内容を確認し、それに応じた処理が行われる。
但し、ここで示したデータ構造はあくまで1例であり、どのようなデータ構造を用いても良いのであり、本発明はデータ構造によって制約されるものではない。例えば、分割領域を定義する値(ここではタッチパネル入力値についてのX軸上限値、X軸下限値、Y軸上限値、Y軸下限値を例として示した)をあらかじめROM(フラッシュメモリを含む)に格納しておき、それら分割領域に対応する情報をコンピュータがRAMの関連する記憶領域に格納することによって両者を関連付けるなど、異なる種類のメモリーにまたがって格納されていても良い。
ワープロなどで文字列を編集する場合、様々な編集コマンド(「コピー」「切り取り」「貼り付け」「削除」などのコマンド)を用いる上で、文字列を選択することが必要であるが、文字列の選択動作は、本発明においては基本的にマウスと同様の操作を用いることが可能である。すなわち、右手で目的の文字列の先頭文字を指示したまま左手で左押しボタンスイッチを押し、該スイッチを押したまま右手を文字列に沿って該文字列の最後尾の文字までタッチパネル上を滑らせることにより、マウスでドラッグするのと同様の操作となり、該文字列を選択することができる。そのようにして該文字列を選択した後、様々な編集コマンド(「コピー」「切り取り」「貼り付け」「削除」などのコマンド)を選択することによって文章を編集することができる。
図41は、モニター画面の上空に、表面に線状ガイドを施した透明なプラスチック板(図41の50。以下、「表面式ガイド板」と呼ぶ)を配置し、更にその上空に光学式タッチパネル(図41の51)を配置した例を示している。ここで、線状ガイドは凸型のみならず、表面式ガイド板の厚みを利用して凹型にて実現することも出来る(一方、ガイドフィルムに線状ガイドを施す場合においては凸型が使いやすいと思われるが、凹型も実用的ではないとはいえ不可能ではない)。このように表面式ガイド板を用いた場合はガイドフィルムに線状ガイドを施した場合に比べて耐久性に優れるので公共機関の案内板などに適するものと思われる。ガイドフィルムが表面から指またはスタイラスにて押さえると変形して直下の抵抗膜方式タッチパネルにアクセスすることが出来るのに対し、表面式ガイド板は剛性が高いため表面から押しても変形しないので、指示位置を検出するセンサーもそれに対応したものでなければならず、ここでは表面式ガイド板の上空に光学式タッチパネルを配置している。また、ガイドフィルムと表面式ガイド板の違いは基本的にはこのような剛性と、それに対応したセンサーの違いだけであり、その他は同じである。したがって、最適なセンサーを組み合わせさえすれば、ガイドフィルムと表面式ガイド板は相互に置き換えてもシステムは成立するのである。また、ガイドフィルムと表面式ガイド板において、線状ガイドは基本的に同じ物を用いることが出来る。例えば、凸型や凹型などの線状の立体形状、または図2に示すような、凸型や凹型などの様々な立体形状を点線状に配列することにより線状ガイドを構成する方法も、両者に適用することが出来る。
図19は、線状の貫通領域として実現した線状ガイド(図19の2。以下、「貫通式線状ガイド」と呼ぶ)を備えた、開閉可能な透明な板状の物体(図19の4。以下、「貫通式ガイド板」と呼ぶ)を、タッチパネルの上空に設けた例を示している。タッチパネルを備えたモニター画面の上空に、ヒンジにて蓋状に開閉可能な、透明プラスチック製の貫通式ガイド板を設ける。この開閉機構はスライド式でも良いし、あるいは着脱式でも良い。この貫通式ガイド板には、貫通式線状ガイドが1ページの行数分、設けられている。これら貫通式線状ガイドは、指またはスタイラスを案内するもので、指またはスタイラスにて、これら線状の貫通領域を通じてタッチパネルにアクセスする。
このように貫通式ガイド板を開閉式にすることのメリットは2つ考えられる。第1のメリットとして、貫通式ガイド板を開いた状態においてタッチパネルをスタイラスによるイメージ入力に用いることが出来る。仮名やアルファベットのような簡単な文字は練習すれば視覚障害者でもイメージ入力が可能になるものと期待されるのであり、このようなイメージ入力の手段を設けておくことにより、視覚障害者の墨字学習に資することが出来る。また、貫通式ガイド板をタッチパネル全体を覆うものではなく、限定された領域のみを覆うものとし、線状ガイドが配置されていないタッチパネルの他の領域において、手書き文字その他のイメージ入力のための領域を確保するようにすれば、貫通式ガイド板を開閉する必要は無い。第2のメリットとして、貫通式ガイド板を開いた状態においては、晴眼者の使用に最適な状態にできる。貫通式ガイド板を閉じた状態では視覚障害者も使えるバリアフリーモードとして、貫通式ガイド板を開いた状態においては晴眼者の使用を前提としたモードに移行することにより、晴眼者の使い勝手を阻害することなくバリアフリーを実現できる。また、ここでは板状のものに貫通式ガイドを施した例を示しているが、ガイドフィルムに施される線状ガイドを、貫通式のものとしても良い。
図37に示すように、貫通式ガイド板は、傍でサポートする晴眼者が、該貫通式ガイド板を通してモニター画面の表示を視認できるよう、透明な材質で出来ており、文字列のアンダーラインに相当する位置に貫通式線状ガイドを配置している。したがって、図38に示すように、各貫通式線状ガイドの幅自体が、それを通してモニター画面上の文字を視認できる程度の幅であるならば、この貫通式ガイド板は透明である必要は無いので、その場合は不透明な貫通式ガイド板でも良い。また、このように、各貫通式線状ガイドの幅を広く確保すると、指先でこれら貫通式線状ガイドを通じて、タッチパネルにアクセスしやすくなるので、スタイラスが不要になるという利点もある。本発明の特徴の一つはバリアフリーにあるが、プライバシー保護が要求される状況においては、不透明な貫通式ガイド板を別途用意し、透明な貫通式ガイド板と交換あるいは必要に応じて両者を重ねて使うことができるようにしておけば、状況に応じて晴眼者の視線を遮り、プライバシーを保護できる。
貫通式ガイド板においても、行インジケータを設けることが出来る。図20は貫通式ガイド板において行インジケータを設けた例を示している。貫通式ガイド板の厚みを利用し、溝形状として実現している。また、行インジケータはこのように、貫通式ガイド板の表面に立体形状として実現する方法だけでなく、線状の貫通領域として実現しても良い。この行インジケータを設ける位置は、必ずしもタッチパネル上空である必要は無いが、これをタッチパネル上空にて線状の貫通領域として設ける場合は、指またはスタイラスにて、これを介してタッチパネル上を指示することにより、その指示位置に対応した行番号が凸凹出力装置にて表示されるようにしても良い。
本実施例のように貫通式ガイド板を用いる方法においても、バリアフリーモードへ自動的に切り換える仕組みを設けることが出来る。例えば、貫通式ガイド板にピンを設け、貫通式ガイド板を閉じると、該ピンが点字用周辺機器に設けられたマイクロスイッチを作動させ、それを受けて、点字用周辺機器からPDAに対してバリアフリーモードへ移行するよう命令が送信される。これによって、モニター画面表示が視覚障害者対応のバリアフリー表示形式になり、貫通式ガイド板を開いた状態では晴眼者の使用を前提とした表示形式に移行する。貫通式ガイド板の着脱・開閉を検出するセンサーの他の例として、一般に関数電卓やノートパソコンの底面に設けられているリセットスイッチの様な、ペン等の尖った先端で操作するスイッチとピンの組み合わせを用いる方法や、あるいは、磁石および磁気センサー等、様々な検出機構が考えられる。また、それら開閉・着脱検出センサーは、貫通式ガイド板の着脱・開閉に関するヒンジや軸となる部位に、あるいは貫通式ガイド板の側方に設けても良い。また、パソコンにおける周辺機器のように、着脱を自動検出する仕組みを設ける方法も考えられる。
本発明において、PDAのようにタッチパネル付きモニター画面を用いている情報機器においては、モニター画面の上空に透明なタッチパネルが、更にその上空に線状ガイドが配置されるという階層的配置によってバリアフリーおよび省スペースが実現されるが、かならずしもこのような階層的配置を用いなければならないわけではなく、モニター画面とタッチパネルが分離された形式によってもバリアフリーは実現される。すなわち、情報機器に線状ガイド付きタッチパネルを接続し、指またはスタイラスにて該線状ガイドに沿ってタッチパネル上を指示すると、モニター画面上のカーソルがこの指示位置に追従する。傍でサポートする晴眼者は、モニター画面表示のカーソル位置によって、視覚障害者が現在読んでいる位置を知ることが出来るため、バリアフリーが実現される。このカーソル移動は、画像が表示されているときには該画像を避けて文字列上のみを移動する。この構成を用いた場合の特徴は、モニター画面の表示方式は晴眼者の使用を前提とした表示方式を、変更する必要が無いという点にある。
このようにPDAのようなタッチパネル付きモニター画面ではなく、別体式のタッチパネルを情報機器に接続する他の例として、携帯情報機器に接続して用いられる点字用周辺機器自体にタッチパネルを搭載する方法も考えられ、この場合、タッチパネルを搭載していない携帯ゲーム機器等に適用することも可能となる。また、タッチパネルを搭載した情報機器であれば、必ずしもモニター画面を備えている必要は無く、傍にいる晴眼者とのコミュニケーションの必要がある時のみ、モニター画面に接続できる機能を備えておいてもよい。
図21はイメージを出力できるタイプの凸凹出力装置(図21の28)を用い、墨字を面上の起伏パターンとして表現したものを出力するよう構成した例である。このタイプの凸凹出力装置は、平面上(面上であれば必ずしも平面に限られるものではなく、触知による識別に支障が無ければ曲面でも良い。本発明の説明において単に「面上」といえば平面上および曲面上を含む。)に配列された凸凹出力用アクチュエータの出没の組み合わせとしてイメージを表現することが出来、それによって、墨字をドット出没の2次元的な分布として表現することが出来る。仮名、アルファベット、数字などの簡単な形状の文字であれば、墨字のまま立体形状で表現しても、練習により視覚障害者は触知にて認識できるものと期待される。本実施例においては、点字翻訳文の替わりに仮名翻訳文を用い、該仮名翻訳文を構成する仮名が、線状ガイドに沿ったタッチパネルの分割領域に対応付けられている。線状ガイドに沿って指またはスタイラスにてタッチパネル上の任意の位置を指示すると、指示された該分割領域に対応付けられている仮名が凸凹出力装置にて墨字の面上起伏パターンとして表示される。そのまま指またはスタイラスを線状ガイドに沿って滑らせることにより、仮名が墨字の面上起伏パターンとして連続的に出力される。一方、モニター画面には文章が表示され、モニター画面表示の文字列上を、カーソル(図21の14)が追従する。
ここではイメージを出力できるタイプの凸凹出力装置を用いて、墨字を面上の起伏パターンとして出力する例を示したが、このようにイメージを出力できるタイプの凸凹出力装置を用いる場合においても点字その他の視覚障害者用文字を出力することができる。図21の52で示されている領域は、点字出力のために供される。点字文章を読み出す時には、指やスタイラスにて線状ガイドに沿ってタッチパネル上を滑らせると、コンピュータは凸凹出力装置における前記領域から点字が連続的に出力するので、他方の指にてこれを触知すればよい。
このように墨字や画像を出力できるタイプの凸凹出力装置を用いて墨字を出力する方法などは、視覚障害者の点字の世界と晴眼者の墨字の世界の間に位置し、視覚障害者が墨字の世界へ進出したり、あるいは逆に途中から視覚障害を負った人が点字の世界に入る際の導入を補佐したりする役割が期待できる。
視覚障害者の皆が点字を使いこなせるわけではない。特に、途中から視覚障害を負った人は点字の習得が困難である場合が考えられる。そのため、点字の学習に資する機能を考慮する必要がある。本発明の実施例全体に言えることであるが、点字出力と同時にその点字に対応する音をスピーカーから出力するようにすれば、音声出力に依存している人も、より直感的に使えるようになり、特に、音と点字の関係が常に明白になるので、途中から視覚障害者になった人には点字を学習する上で有効であると考えられる。
図22は、非接触型のセンサーによってスタイラスの指示位置を検出するようにした例である。クリップでノートパソコンのモニター画面に固定できるようになっている。スタイラスの位置を検出するセンサー(図22の19)は光学式や磁気式等の非接触型のものが用いられている。タッチパネルは様々な種類があることが知られており、このように非接触型のセンサを用いる場合も、広義のタッチパネルと解釈され、本発明でいうところのタッチパネルに含まれる。ここで、スタイラス(図22の12)はセンサーに対応する最適なものが用いられるべきである。磁気センサに対してはスタイラス先端に永久磁石を内蔵、光学センサに対してはスタイラス先端に反射テープを貼付する方法が考えられる。また、光学センサを用いる場合のスタイラスについては、スタイラス先端付近に透明部分を設け、そこにLEDを仕込んで該LED光をセンサで検出する方法も考えらる。この時、該LED光を特定の周波数で点滅させ、センサ出力をその周波数を選択的に通すフィルタを介することによって信号を抽出すれば、外乱光ノイズの影響を減らすことができる。
PDAを用いた例ではモニター画面の上にタッチパネル、更にその上に線状ガイドが階層的に配置されていたが、図22の例においては、モニター画面の上に線状ガイド、更にその上にタッチパネルが階層的に配置されるという、上下関係が異なった階層的配置になっている。
もちろん本発明全般に言えることであるが、線状ガイドとタッチパネルのこのような階層的な上下の位置関係は、そのタッチパネルが、線状ガイドに沿った位置指示を検知することが出来る限りにおいて、どちらが上に配置されても良いのである。例えば、モニター画面の上に光学式タッチパネルを配置し、更にその上に貫通式線状ガイドを施した透明板を設置しても良い。あるいは、モニター画面の上に表面に線状ガイドを施した透明板を設置し、更にその上に光学式タッチパネルを設置しても良い。線状ガイドの形式とセンサーの種類、および両者の位置関係は密接な関係にあり、相互に最適な組み合わせが選択される必要がある。また、このような階層的配置の上下関係は文章の読み取りのみならず、後述するキーボード入力においても同じことが言える。
図23は線状ガイドに可変抵抗式のセンサーを設けた例である。この可変抵抗は、1行の文字数個の電極(図23の36)を設け、それら電極を抵抗によって電圧分配したものを溝状の線状ガイドの片方の斜面に設置し、もう一方の斜面にはマイコンのA/Dコンバータ入力端子に接続された入力電極(図23の35)が設置されている。スタイラスの先端付近には環状の導体(図23の37)が設けられており、スタイラス先端を溝状の線状ガイドへ挿入すると該導体が前記・電圧分配電極と入力電極をつなぐことになり、電圧がマイコンのA/Dコンバータ入力端子へ入力される。マイコンで指示位置を判断すると、その情報はパソコンへ送られる。
本実施例の特徴は、タッチパネル以外のセンサーを用いていること、および、線状ガイドとセンサが兼用されていることにある。
視覚障害者が点字を読む際、右手の指で読む場合と左手の指で読む場合を考えておく必要がある。公共の場に据え置きされる機器においては、左右両側に凸凹出力装置を設けても良いが、携帯機器においてはコストもスペースも限られる。一部のノートパソコンにおいてはプレゼンテーション用にモニター画面表示の方向を切り換えられるものが存在するが、本発明の実施例において、このように表示の向きを反転させる機能を持たせることにより、右手で読む人と左手で読む人の両方に対応させることも出来る。図24は、PDAがこのように表示の向きを反転させることが出来る機能を備えている場合において、該PDAに接続して用いられる点字用周辺機器(PDAを格納するタイプの周辺機器)として実施した例を示している。すなわち、ハードウェア的には凸凹出力装置および押しボタンスイッチを出来るだけ対称に配置するようデザインし、ソフトウェア的にはモニター画面表示およびタッチパネルの領域分割を反転させるようにすることにより、右手で読む人と左手で読む人の両方に対応するよう設計する。
だが、現在のPDAにおいてはモニター画面表示の縦と横の方向を切り換える機能はあっても、上下の向きを切り換える機能を有するものは無いので、点字用周辺機器を装着する側を切り換えることによって対応することが考えられる。
図25は、本発明をPDAと接続する点字用周辺機器として実現した場合に、右手で読む人と左手で読む人の両方に対応するようにした2種の例を示している。すなわち、点字用周辺機器において、PDAに接続するインターフェイス部とPDAの位置関係を保持したまま、アームを回転させて凸凹出力装置を含むユニット(図25の26)の位置を変更する方法や、あるいは凸凹出力装置を含むユニット(図25の27)を着脱式にして、左右に付け替える方法が考えられる。
公共機関の案内板など特に高度なバリアフリーを要求される情報機器においては、晴眼者用のモードと視覚障害者用のモードを自動的に切り替える手段を設けることもできる。図26において、凸凹出力装置のごく近くに静電容量結合式のセンサー(図26の46)が板面に埋め込まれており、視覚障害者が凸凹出力装置に指を置くと該センサーがそれを検知し、視覚障害者用のモードへ切り替わるようになっている。このように凸凹出力装置へ指を置いたことを検出するために板面に埋め込むセンサーとしては他に、反射式フォトインタラプタなどが考えられる。
また、凸凹出力装置へ指を置いたことを検出する仕組みの他の例として、凸凹出力装置に置いた指を囲む位置にセンサーを設ける方法も考えられる。具体的には、図27に示すように、凸凹出力装置に置いた指先の対向する位置(図27の47)に近接センサーや反射式フォトインタラプタを設置する方法や、凸凹出力装置に対して左右から挟みこむ位置(図27の48)に透過型フォトインタラプタを設置する方法が考えられる。
本発明に示す視覚障害者用情報機器は凸凹出力装置および線状ガイドに指を置くことが必要であり、公共機関の案内板などにおいては、視覚障害者の指をいかにして凸凹出力装置へ誘導するかが問題となる。以下に示すのは、検知距離が異なる複数のセンサーと音声案内を用いて視覚障害者を凸凹出力装置へと誘導する方法である。図28は、本発明を現金自動預払機に適用した例を示している。視覚障害者はあらかじめ、カードまたは通帳および現金を片手で取り出せるよう準備した上で、現金自動預払機へ向かう。視覚障害者が現金自動預払機の前を通りかかると、遠距離を検知するセンサー(図28の43)がそれを検知し、そこにバリアフリー対応の現金自動預払機が存在する旨、音声案内にて通知する(音声案内の例「バリアフリー対応現金自動預払機です。」)。視覚障害者は該現金自動預払機へ近づき、該現金自動預払機の操作パネル上で掌をかざして凸凹出力装置の位置を探す。掌が凸凹出力装置の上空にさしかかると近距離を検知するセンサー(図28の44)がそれを検知し、そこに凸凹出力装置が存在する旨、音声案内にて通知する(音声案内の例「点字出力装置です。」)。視覚障害者が凸凹出力装置へ左手の指を置くと近接物を検出するセンサー(図28の45)がそれを検知し、バリアフリーモードへ移行するとともに、モニター画面表示をOFFにする(プライバシーを保護するため、傍の人にモニター画面表示を見られないようにする)ための操作法が音声案内にて通知される(音声案内の例「バリアフリーモードへ移行しました。モニター画面表示をOFFにする場合は右押しボタンスイッチを押してください。」)。このように、検知距離が異なる複数のセンサーと音声案内を用いることにより、視覚障害者の指を凸凹出力装置へと誘導することが出来る。視覚障害者は必要に応じてモニター画面表示をOFFにした後(モニター画面表示がOFFになるとその旨、音声案内にて通知される。音声案内の例「モニター画面表示がOFFになりました。」)、左手の指を凸凹出力装置へ置いたまま、右手の指先にて線状ガイドに沿ってタッチパネル上を指示することによって案内文や選択項目を読み出していく。線状ガイド上には点状インジケータ(図28の9)が複数個設けられており、該インジケータを境目として選択項目が配置されている。点字の読み出しは前述した文章の読み出しのみならず、このような選択項目やコマンドなどあらゆる文字列に対して適用可能である。
現金自動預払機に限らず本発明においては、線状ガイドに沿った文字表示において、各線状ガイドに沿って表示される情報の種類を固定的にし、その旨、タッチパネルの周囲に施した固定的な点字表示にて明示しておけば視覚障害者は迷いにくい。例えば図28において、一番上の行には現在の状態や、次に行うべきことを示す案内文が表示されており、その左側にはタッチパネル外において「あんない(案内)」と点字表示されており、その行が現在の状態や案内文を表示する行であることを示している。2番目と3番目の行には左上から順に点状インジケータごとに現在選択できるコマンドや選択肢が配列表示されており、これらのコマンドまたは選択肢は階層構造になっている。2行目および3行目の左側にはタッチパネル外において「せんたく(選択)」と点字表示されており、その行がコマンドまたは選択肢を表示する行であることを示している。一番下の行には前のページへ戻ったり、最初からやり直したり、係員を呼び出したりするなど、困ったときのコマンドまたは選択肢が点状インジケータごとに表示されており、その左側にはタッチパネル外において「そのた(その他)」と点字表示されており、その行が困ったときのコマンドまたは選択肢を表示する行であることを示している。
右手の指で目的の選択項目を指示しながら左手の指で左押しボタンスイッチを押すことにより、該選択項目が選択される。押しボタンスイッチについて、親指による操作を念頭に置く場合、図28のように親指の角度に沿った斜面に押しボタンスイッチを配置する方法や、凸凹出力装置の上に配置する方法などが考えられる。斜面に配置した場合は凸凹出力装置から指を離さずに親指にて押しボタンスイッチを押すことが出来る。凸凹出力装置の上に配置した場合は片方の指を凸凹出力装置に置いたままもう片方の指で押しボタンスイッチを操作すれば、凸凹出力装置に置いた指を検出するセンサーはOFFにならないので、作業の途中でバリアフリーモードが解除されてしまう心配は無い。この時、数秒間は左手の指が凸凹出力装置を離れてもバリアフリーモードが維持されるようにしておけば、少しの間、指が凸凹出力装置から離れても安心である。この場合、あまり長く(例えば5秒以上)凸凹出力装置から指を離すとバリアフリーモードは解除される(バリアフリーモードが解除された時の音声案内の例「バリアフリーモードが解除されました。もう一度最初から操作してください。」)。選択項目が選択されたときは点字出力を1回点滅させると同時にビープ音を鳴らすことにより、該項目が選択されたことを通知する。
凸凹出力装置においては、案内文および選択項目を構成する文字は第1セルにて表示される。ここで、選択項目は文字列であるとともに仮想スイッチである。したがって、凸凹出力装置にて選択項目を表示する際には第2セルにて該文字列が仮想スイッチである旨、表示する(第2セル表示の例、スイッチの頭文字「す」)。
必要な選択項目を選択し終わると、通帳、カードまたは現金を挿入するよう音声案内にて通知される。その時、視覚障害者は操作パネル上で掌をかざし、通帳、カードまたは現金の挿入口を探す。掌が通帳、カードまたは現金の挿入口の上空にさしかかると近距離を検知するセンサーがそれを検知し、そこに該挿入口が存在する旨、音声案内にて通知する(音声案内の例「通帳挿入口です。」「カード挿入口です。」「コイン挿入口です。」「紙幣挿入口です。」)。視覚障害者は左手の指を凸凹出力装置へ置いたまま、片手で通帳、カードまたは現金を該挿入口へ挿入する。
本発明における線状ガイドを施したタッチパネルは、キーボードとしても利用できる。すなわち、線状ガイドに沿ってタッチパネルの検知領域を分割し、個々の分割領域にキーを対応付ける。視覚障害者は指またはスタイラスにて線状ガイドに沿ってキーを探索すると、指示した分割領域に対応付けられているキーが、点字または(画像を表示できるタイプの凸凹出力装置の場合は)墨字を面上の起伏パターンとして表現したものとして、凸凹出力装置にて表示される。目的のキーを見つけたら該キーを指示したまま入力スイッチを押すなどの入力操作を行うことにより、入力確定される。この時、該キーを指示した後であれば、指示した指またはスタイラスを線状ガイドまたはタッチパネルから離した状態で入力操作を行っても良い。図43はキーボード入力におけるコンピュータの大まかな処理の流れの一例を示している。本図において、あらかじめ定義されている個々の分割領域に対してコンピュータは各々キーを対応付け、操作者が指又はスタイラスにてそれら分割領域を指示すると、コンピュータは該分割領域に対応付けられている点字を凸凹出力装置(あるいは音声出力手段)にて出力する。操作者が該キーを入力するための操作をすると、コンピュータは該キーが入力されたものとして処理する。
このキーボード入力は、ハードウェアにおいては前述した文章読み取りに使用されるものをそのまま流用することが出来るのであり、共通のハードウェアを用い、ソフトウェアの切り換えによって両者に対応することが出来る。したがって、前述した文章読み取りにおけるハードウェアの説明は、このキーボード入力においても同じことが言える。
ここで、本発明における「ガイド」と「インジケータ」の概念について説明する。「ガイド」は指またはスタイラスを物理的に案内するものであり、「インジケータ」はそこが何か意味のある位置であることを知らせる標識である。図29は、キーボード入力において、線状突起を格子状に配置した場合を示している。この格子における縦方向の線状突起と横方向の線状突起は役割が同じであり、指を案内するガイドと各キーを区分するインジケータとしての役割を兼ねている。このように、キーボード入力における線状突起はガイドとインジケータの役割が分離していないが、以下に示すように、文章または文字列の読み出しにおいては両者は明確に分離しているのである。
図30は、文章または文字列の読み出しにおいて、文字列に沿った線状ガイド上に、文字列における各文字の間を示すための字間インジケータが配置されている例を示している。図30の下段は、形状だけを見れば線状突起が格子状に配置されている。しかし、本図において、横方向の線状突起と縦方向の線状突起は意味が全く異なるのである。文章とは本来、図30の上段に示すように、一列に延々と連なっているものであるが、紙面の都合上、あるいはモニター画面の都合上、あるいは読む際の便宜のため、図30の下段に示すように限られた文字数を有する複数の行に従って行端で折り返して表示されているのである。従って、図30の下段における横方向の線状突起は文字列に沿ったものであり、本発明において文章または文字列を連続的に読み出していく(すなわちタッチパネルの分割領域を連続的に指示する)ための線状ガイドであるが、同図における縦方向(すなわち文字列に直交する方向)の線状突起は単に文字と文字の間を示すいわば字間インジケータとしての役割が中心であり、本発明で言うところの文章または文字列を連続的に読み出すための線状ガイドとは異なる。
図31において、文字入力モードに切り換えると、コンピュータは線状ガイドを施したタッチパネルの一部をキーボードとして処理するモードに移行する。この時、線状インジケータに沿ったタッチパネルの分割領域にキーが対応付けられる。凸凹出力装置の第2セルには「も」(「文字入力モード」の頭文字)が表示されることにより、キーボードが表示されたことが通知される。指またはスタイラスにて線状ガイドに沿って任意の分割領域を指示すると、該分割領域に対応付けられている文字が点字で凸凹出力装置にて表示される。この凸凹出力装置の表示を頼りに線状ガイドに沿ってキーを探索し、目的とするキーを見つけると、該キーを指示したまま左押しボタンスイッチ(すなわち「入力スイッチ」)を押すことにより、該キーが入力される。その際、凸凹出力装置にて表示されている該点字を1度点滅させることにより、該キーが入力されたことを視覚障害者へ通知する。2セル分の凸凹出力装置を備える機器の場合、前記した線状ガイドを用いた点字文章の読み出し方法においては第1セルを文章の読み出しに、第2セルを付帯情報の表示に用いたが、2セル分の凸凹出力装置を備える機器において線状ガイドを設けたタッチパネルをキーボードとして用いる場合は、2セルを用いて、指またはスタイラスにて指示したキーに割り当てられている点字1字を表示するものとする。何故なら、濁音や半濁音など、2セルで1字が表現される場合に対応するためである。このように、線状ガイドを用いることによってタッチパネル上をスムースに探索することができ、かつ、凸凹出力装置にてキーを確認してから入力確定することにより、間違ったキーを入力してしまう可能性を減らせる。
また、図31に示すように、表示されたキーボードの入力モードを切り換えることができる。コンピュータはモニター画面上に設けられた線状ガイドに沿ってソフトウェアキーボードを表示しており、コンピュータが各キーに割り当てた文字または記号をモニター画面に表示している。指またはスタイラスにて線状ガイドに沿ってキーを指示すると該キーに割り当てられている文字をコンピュータが点字で凸凹出力装置にて出力・表示する。操作者が目的とするキーを指示したまま左押しボタンスイッチ(すなわち「入力スイッチ」)を押すと、コンピュータは該キーが入力されたものとして処理する。その際、コンピュータは凸凹出力装置にて表示している該点字を1度点滅させることにより、該キーが入力されたことを視覚障害者へ通知する。操作者が仮名入力モードと英数字入力モードを相互に切り換えたい場合は該キーボードの右下に表示されている「き」(「キーボード切替」の頭文字)を指示するとコンピュータは凸凹出力装置の第1セルから「き」を点字で出力し、同時に第2セルから現在のキー入力モードを示す文字「か」(「仮名入力モード」の頭文字。現在のキー入力モードが「英数字入力モード」の場合はその頭文字「え」が表示される)を出力・表示する。操作者が「き」を指示したまま右押しボタンスイッチを押すとコンピュータはモードを切り換え、キーに割り当てられる文字や記号を切り替え、それに応じてモニター画面のキーボード表示も切り替える。その際、コンピュータは凸凹出力装置は第1セルにて「き」を表示したまま、第2セルは「え」(「英数字入力モード」の頭文字)の表示に切り替えることにより、入力モードが切り替わったことを視覚障害者へ通知する。
本発明の目的の一つはモニター画面表示を通じたバリアフリー環境の構築にあるが、周囲の状況によってはプライバシーを守る必要がある場合も考えられる。その場合、対象とする情報機器においてモニター画面OFFかつタッチパネルONの状態にする機能を備えている場合はその機能を活用すれば良いが、そのような機能を備えておらずモニター画面ONの状態で使用せざるを得ない場合、線状貫通領域を施した貫通式ガイド板あるいは線状ガイド突起を施したガイドフィルムに遮光タイプのものを用いることにより、プライバシーを守ることができる。
図32において、線状ガイドを施したタッチパネルが情報機器に接続されている。線状ガイドは2群に区分されており、上半分は文章または文字列を読み取るためのものであり、下半分はキーボード入力のためのものである。このように、タッチパネルがある程度広い場合は、線状ガイドの役割を固定しておけば、視覚障害者は迷わなくなる。個々のキーの位置には割り当てられているキーの文字や記号が印刷されることによってバリアフリーが実現されており、傍でサポートする晴眼者が視覚障害者が現在指示しているキーを知ることができるようになっている。もしセキュリティ上、指示しているキーを傍の晴眼者に知られたくない場合は、該印刷を着脱可能なシート状、または開閉可能なパネル状、または剥がすことのできるシール状にしておくなどの対策が考えられる。
通常、PDAのモニター画面に設けられているタッチパネルは、タッチパネル上の2点を同時に検出できないタイプであるので、本発明にてキーボード入力を行う場合、「Shift」「Ctrl」「Alt」といった他のキーとの組み合わせにて用いられるキーはその使い方に工夫が要るが、これはソフトウェア的に解決しうる。例えば、これらのキーを押しボタンスイッチとの組み合わせ操作を行うことによってコンピュータがこれを一時的に保持した状態にし、そのうえで目的のキーを入力する方法などが考えられる。例えば、2セル分の凸凹出力装置を備えた情報機器において、「Ctrl」+「S」を押下する場合の手順について、先ず、「Ctrl」を人差し指で指示しながら、右押しボタンスイッチを押す。この時、「Ctrl」キーを指示している間中、コンピュータは凸凹出力装置の第1セルは「こ」(「コントロール」の頭文字)を比較的速く(キーの入力確認の際の点滅と区別するため、点滅速度を変えている)点滅表示しており、「Ctrl」を指示しながら右押しボタンスイッチを押すと、右手を離してもコンピュータは凸凹出力装置の第1セルに点字「こ」を点滅させたままの状態になる。つまり、「Ctrl」キーを指示しながら右押しボタンスイッチを押すと、「Ctrl」キーを保持した状態になるわけである。この時、このキーを保持した状態を解除したい場合は、右押しボタンスイッチを押せばコンピュータはこの状態を解除する。前記「Ctrl」キーを保持した状態において「S」キーを人差し指で指示しながら左押しボタンスイッチを押下すると、コンピュータは「Ctrl」+「S」が入力されたものとして処理する。この時、「Ctrl」キーを保持した状態においてはコンピュータは凸凹出力装置の第1セルにて「こ」の点字を点滅表示しており、その状態で「S」キーを指示すると、加えてコンピュータは第2セルに「の」(すなわち出力セル数を節約するために「S」の点字から外字符を除いたもの)の点字を表示し、その状態で左押しボタンスイッチを押下するとコンピュータは第2セルの点字「の」を1度だけ比較的ゆっくりと点滅させることにより、「Ctrl」+「S」が入力完了したことが視覚障害者に通知される。
「Ctrl」+「Alt」+「Del」を入力する場合も同様にソフトウェア的に解決しうる。この場合、「Ctrl」を保持した状態において更に「Alt」を保持し、そのうえで「Del」を指示したときにはその旨もコンピュータが凸凹出力装置にて表示する必要がある。この際、3セル分の凸凹出力装置を備える情報機器ならば、第1セルから順に、「Ctrl」の保持、「Alt」の保持、「Del」の指示、を表示すればよいのだが、2セル分の凸凹出力装置を備える情報機器においてもソフトウェア的に解決しうる。例えば、「Ctrl」+「Alt」という二重の保持状態を、コンピュータが凸凹出力装置の第1セルにおいて点字「こ」と「あ」(「コントロール」と「アルト」の頭文字)を交互に点滅表示させることによって表現する方法などが考えられる。そうすれば、第2セルにて「Del」の指示および入力完了を表示することができる。このように2重に保持された状態において、操作者がこの状態を解除したいときには右押しボタンスイッチを1回押すとコンピュータは「Alt」の保持状態を解除し、更にもう1回右押しボタンスイッチを押すと「Ctrl」の保持状態を解除する。
PDAに搭載されているものを含め、多くのタッチパネルは2点以上を同時に検出することはできないが、2点以上を同時に検出できるタイプのタッチパネルも存在する。また、タッチパネルを2層以上に重ねることにより、2点以上を同時に検出することも可能になる。同じ方式のタッチパネルを2層以上に重ねたり、抵抗膜方式と光学式など、異なる方式のタッチパネルを組み合わせて重ねる方法も考えられる。そのような2点以上を同時に検出できるタイプのタッチパネルにおいて、キーボードを実現した場合、図33のような入力方法を用いることができる。図33はキーボードにおける入力方法の一例を示している。指でキーを指示するとコンピュータは該キーに割り当てられている意味を凸凹出力装置から点字にて表示する。この時、操作者が該キーを入力しようとする場合には、該キーを指示したまま隣接するキーをタップすると、コンピュータは該キーが入力されたものとして処理する。図33においては、操作者が人差し指で該キーを指示したまま、隣接するキーを中指でタップすることにより、コンピュータは該キーが入力されたものとして処理することを示している。もちろん、中指で該キーを指示したまま人差し指で隣接するキーをタップするようにしても良い。該キーが入力されるとコンピュータは点字出力を点滅表示し、入力が行われたことを視覚障害者へ知らせる。
図34は、アプリケーションに最適化された貫通式線状ガイド群を設けた板を差し替えるよう構成した場合の例を示している。この板(図34の6。以後、「カスタムガイド板」と呼ぶ)は、各貫通式線状ガイドの長さや配置を工夫することにより、使用するアプリケーションに最適化されている。これらの貫通式線状ガイド群は、例えば該アプリケーションに対応して「文章または文字列を読み取るための線状ガイド群」、「キーボード入力に用いるための線状ガイド群」、「現在のモードが表示される線状ガイド群」などの目的別の複数の群に区分されており、その旨、カスタムガイド板の表面に点字にて表記されている。このカスタムガイド板の上部は遮光性の塗装が施されており、そこに複数個の穴(もしくは切欠き)が設けられている。本実施例では穴(もしくは切欠き)を設けてよい場所は8箇所あり、その部位の穴の有無の組み合わせによって8ビットの情報が示されており、これがアプリケーションの種類などを示している。このカスタムガイド板は図のように情報機器本体のスリット(図34の40)に挿入すると、このスリットには透過型フォトインタラプタが前記の8ビット情報を示す穴(もしくは切欠き)に対応して配置されており、この8ビット情報が読み取られ、それによって示されるアプリケーションが自動的に起動する。その際、該アプリケーションが起動した旨、凸凹出力装置の表示によって視覚障害者へ通知される。各カスタムガイド板には点字にて簡単な説明が表記されている。本実施例を用いれば、アプリケーションごとに最適な線状ガイド群を用意することができ、このカスタムガイド板を差し込むことで自動的に対応するアプリケーションが立ち上がるのでアプリケーションとガイド板の対応を視覚障害者が間違えることを防げる。
また、このようなカスタムガイド板の一部にメモリーカードを組み込み、該メモリーカードに起動すべきアプリケーションをインストールしておく方法も考えられる。このようなメモリーカード組み込み型のカスタムガイド板を、情報機器のタッチパネル前面に設けられたスロットに差し込んだ時、該アプリケーション用にカスタマイズされた線状貫通領域群がタッチパネル上空に配置されるとともに、メモリーカードに内蔵された該アプリケーションが起動する。
視覚障害者とその周囲の晴眼者との間で、文字情報を共有できるため、晴眼者とのコミュニケーションに役立つ。PDAとの組み合わせにより、携帯性に優れるシステムが構築できる一方、大型のタッチパネルを用いれば、文章の良好な一覧性が得られる。低コストで実現できるので、従来、コスト面から視覚障害者への対応に二の足を踏んでいた様々な民間のサービスにおいても気軽に導入できるようになる。文章の読み出しだけでなく、文字入力にも用いることができるので、入力と出力の両方をカバーできる。従来から公共の場に設置されている視覚障害者用の案内システムは、情報量が少なく、視覚障害者専用のものを用いなくてはならないため、高コストであったが、本発明を用いれば、低コストでバリアフリーの案内システムを構築することが出来、しかも豊富な情報量を扱える。
ガイドフィルムをPDAに貼り付ける様子 線状ガイドの様々な形状のバリエーション 点状インジケータを備えた線状ガイド 行インジケータを設けた様子 PDAの押しボタンスイッチを利用できる点字用周辺機器の形状 指の角度に無理が無い押しボタンスイッチの配置 データ構造の例 タッチパネルの領域分割の様々なバリエーション 画面表示と点字文章を1ページ同士で対応させた場合 画面表示と点字文章を1行同士で対応させた場合 全角の1/4のサイズで領域分割した場合 文字列に空白を挿入して位置を合わせた場合 2セルで表現される音を一度に出力する場合 3セルで表現される漢字を一度に出力する場合 仮想スイッチに差しかかった時 アイコンに差しかかった時 リンクに差しかかった時 画像に差しかかった時 貫通式ガイド板を用いた例 貫通式ガイド板の行インジケータ 画像を表示できるタイプの凸凹出力装置を用いた例 非接触型センサーによるタッチパネルを用いた例 可変抵抗式の線状ガイドを用いた例 表示の向きを反転可能にした例 左右どちらの手でも読めるようにした例 静電容量式のセンサーで指を検出するようにした例 フォトインタラプタで指を検出するようにした例 現金自動預払機の例 キーボード入力においてキーを区分する線状突起を設けた例 文章読み取りにおける線状ガイドと字間インジケータ キーボード入力におけるキー割り当ての切り替え方法 線状ガイドと線状インジケータの役割を固定した場合 2点同時検出タイプのタッチパネルにおけるキーボード入力方法 カスタムガイド板によるアプリケーション切り替え ガイドフィルムに行番号を表記した例 文節区分による音声出力への対応 透明な貫通式ガイド板を用いた場合の文字の見え方 貫通式線状ガイドの幅が広い場合の文字列の見え方 バリアフリーモードにおけるモニター画面表示 文章読み取りにおける大まかな処理の流れの一例 表面式ガイド板を用いた例 音声出力における大まかな処理の流れの一例 キーボード入力における大まかな処理の流れの一例 メモリにマッピングして1文字づつ対応付けた例 メモリにマッピングして任意幅の文字列を対応付けた例 演算によって1文字づつ対応付けた例 演算によって任意幅の文字列を対応付けた例 X軸境界値とY軸境界値の格納領域を分けた場合の対応付けの例 凸凹出力装置において、起伏が段階的に表現された例
符号の説明
1 線状ガイド
2 貫通式線状ガイド
3 ガイドフィルム(線状ガイドを施したフィルム)
4 貫通式ガイド板(透明)
5 貫通式ガイド板(不透明)
6 カスタムガイド板
7 垂直線状ガイド
8 行インジケータ
9 点状インジケータ
10 点字による行番号表記
11 PDA
12 スタイラス
13 ノートパソコン
14 カーソル
15 現金自動預払機
16 モニター画面
17 タッチパネル付きモニター画面
18 タッチパネル
19 非接触式センサー(を用いたタッチパネル)
20 押しボタンスイッチ
21 右押しボタンスイッチ
22 左押しボタンスイッチ
23 点字用周辺機器
24 点字用周辺機器(情報機器格納型)
25 凸凹出力装置
26 凸凹出力ユニット
27 着脱式凸凹出力ユニット
28 画像を扱える凸凹出力装置
29 PDA格納空間
30 可変抵抗式線状ガイド
31 マイクロスイッチ
32 突起
33 可動式アーム
34 クリップ
35 入力電極
36 電圧分配された電極(V1〜V16)
37 導体
38 インターフェイス
39 スピーカー
40 カスタムガイド板を挿し込むスリット
41 斜面
42 切欠き
43 遠距離を検知するセンサー
44 近距離を検知するセンサー
45 近接物を検知するセンサー
46 静電容量結合式センサー
47 反射型フォトインタラプタ
48 透過型フォトインタラプタ
49 画像
50 表面式ガイド板
51 光学式タッチパネル
52 点字を出力する領域

Claims (10)

  1. 面上の起伏パターンとして表現された文字をコンピュータに接続された凸凹出力装置にて出力する方法であって、
    前記コンピュータに接続され指又はスタイラスによる指示位置を検知するセンサーからの入力値に対応する該センサーの検知領域について、該検知領域を線状ガイドに沿って区分した分割領域を定義しうるプログラムやデータ等が、前記コンピュータが備えるメモリ等の記憶手段に格納されている状態において、
    前記メモリ等において、前記コンピュータが備えるCPU等の演算手段により前記個々の分割領域に対して対応付けられた記憶領域に、文章又は文字列を構成する文字あるいは文節を格納することにより、前記線状ガイドに沿った個々の分割領域に対して前記文字あるいは文節を対応付ける工程、
    指またはスタイラスによる指示位置が前記センサーから入力された時に当該指示位置が属する前記分割領域に対応付けられている前記文字あるいは文節が前記CPU等により前記凸凹出力装置から出力される工程を含むことにより、
    操作者が指又はスタイラスにて前記線状ガイドに沿って前記センサーの検知領域内を連続的に位置指示することにより前記凸凹出力装置による文章又は文字列の連続的な出力を可能とした
    ことを特徴とする方法
  2. 音声をコンピュータに接続された音声出力手段にて出力する方法であって、
    前記コンピュータに接続され指又はスタイラスによる指示位置を検知するセンサーからの入力値に対応する該センサーの検知領域について、該検知領域を線状ガイドに沿って区分した分割領域を定義しうるプログラムやデータ等が、前記コンピュータが備えるメモリ等の記憶手段に格納されている状態において、
    前記メモリ等において、前記CPU等により前記個々の分割領域に対して対応付けられた記憶領域に、文章又は文字列を構成する文字あるいは文節を格納することにより、前記線状ガイドに沿った個々の分割領域に対して前記文字あるいは文節を対応付ける工程、
    指またはスタイラスによる指示位置が前記センサーから入力された時に当該指示位置が属する前記分割領域に対応付けられている前記文字あるいは文節が前記CPU等により前記音声出力手段から音声として出力される工程を含むことにより、
    操作者が指又はスタイラスにて前記線状ガイドに沿って前記センサーの検知領域内を連続的に位置指示することにより前記音声出力手段による文章又は文字列の連続的な音声出力を可能とした
    ことを特徴とする方法
  3. コンピュータに接続され、面上の起伏パターンとして表現された文字を出力しうる凸凹出力装置を有し、
    前記コンピュータに接続され指又はスタイラスによる指示位置を検知しうるセンサーを有し、
    指又はスタイラスによる前記センサーの検知領域内の連続的な位置指示を案内しうる線状ガイドを有する
    ことを特徴とする機器
  4. 請求項3において、
    前記線状ガイドが、当該線状ガイドのガイド方向に対する垂直断面が凸型又は凹型又は貫通型に形成された立体形状として実現された、又は前記凸型又は凹型又は貫通型に形成された立体形状がガイド方向に点線状に配列された構成として実現された
    ことを特徴とするもの
  5. 請求項3において、
    情報処理装置に接続されたモニター画面の上に、当該情報処理装置に接続された前記センサーとして分類されるタッチパネルを、更にその上に線状ガイドを階層的に配置する、
    又は情報処理装置に接続されたモニター画面の上に線状ガイドを、更にその上に、当該情報処理装置に接続された前記センサーとして分類される非接触式センサーを用いたタッチパネルを階層的に配置する
    ことを特徴とするもの
  6. コンピュータに接続された音声出力手段を有し、
    前記コンピュータに接続され指又はスタイラスによる指示位置を検知しうるセンサーを有し、
    指又はスタイラスによる前記センサーの検知領域内の連続的な位置指示を案内しうる線状ガイドを有する
    ことを特徴とする機器
  7. 請求項6において、
    前記線状ガイドが、当該線状ガイドのガイド方向に対する垂直断面が凸型又は凹型又は貫通型に形成された立体形状として実現された、又は前記凸型又は凹型又は貫通型に形成された立体形状がガイド方向に点線状に配列された構成として実現された
    ことを特徴とするもの
  8. 請求項6において、
    情報処理装置に接続されたモニター画面の上に、当該情報処理装置に接続された前記センサーとして分類されるタッチパネルを、更にその上に線状ガイドを階層的に配置する、
    又は情報処理装置に接続されたモニター画面の上に線状ガイドを、更にその上に、当該情報処理装置に接続された前記センサーとして分類される非接触式センサーを用いたタッチパネルを階層的に配置する
    ことを特徴とするもの
  9. 面上の起伏パターンとして表現された文字をコンピュータに接続された凸凹出力装置にて出力するプログラムであって、
    前記コンピュータに接続され指又はスタイラスによる指示位置を検知するセンサーからの入力値に対応する該センサーの検知領域について、該検知領域を線状ガイドに沿って区分した分割領域を定義しうるプログラムやデータ等が、前記コンピュータが備えるメモリ等の記憶手段に格納されている状態において、
    前記メモリ等において、前記CPU等により前記個々の分割領域に対して対応付けられた記憶領域に、文章又は文字列を構成する文字あるいは文節を格納することにより、前記線状ガイドに沿った個々の分割領域に対して前記文字あるいは文節を対応付けるステップ、
    指またはスタイラスによる指示位置が前記センサーから入力された時に当該指示位置が属する前記分割領域に対応付けられている前記文字あるいは文節が前記CPU等により前記凸凹出力装置から出力されるステップを含むことにより、
    操作者が指又はスタイラスにて前記線状ガイドに沿って前記センサーの検知領域内を連続的に位置指示することにより前記凸凹出力装置による文章又は文字列の連続的な出力を可能とした
    ことを特徴とするプログラム
  10. 音声をコンピュータに接続された音声出力手段にて出力するプログラムであって、
    前記コンピュータに接続され指又はスタイラスによる指示位置を検知するセンサーからの入力値に対応する該センサーの検知領域について、該検知領域を線状ガイドに沿って区分した分割領域を定義しうるプログラムやデータ等が、前記コンピュータが備えるメモリ等の記憶手段に格納されている状態において、
    前記メモリ等において、前記CPU等により前記個々の分割領域に対して対応付けられた記憶領域に、文章又は文字列を構成する文字あるいは文節を格納することにより、前記線状ガイドに沿った個々の分割領域に対して前記文字あるいは文節を対応付けるステップ、
    指またはスタイラスによる指示位置が前記センサーから入力された時に当該指示位置が属する前記分割領域に対応付けられている前記文字あるいは文節が前記CPU等により前記音声出力手段から音声として出力されるステップを含むことにより、
    操作者が指又はスタイラスにて前記線状ガイドに沿って前記センサーの検知領域内を連続的に位置指示することにより前記音声出力手段による文章又は文字列の連続的な音声出力を可能とした
    ことを特徴とするプログラム
JP2006186544A 2006-02-07 2006-07-06 バリアフリーを実現した視覚障害者用情報機器 Pending JP2007241227A (ja)

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