JP2007241016A - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、ETH現象を用いて、搬送中の飛散粉体を低減できる、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】
本発明の現像装置は、潜像担持体に対向して配置され、粉体を移動させる進行波電界を発生させるために、所定の間隔で配列された複数の搬送電極を有する搬送部材と、該搬送電極に多相の電圧を印加するための電圧供給手段と、該搬送部材に粉体を供給する粉体供給手段と、過剰な粉体を回収する回収手段を具備し、電圧供給手段により搬送電極に多相の電圧を印加して搬送電界を形成し、搬送部材において当該搬送電界によって潜像担持体と対向する領域に粉体を搬送して潜像担持体上に粉体を付着させて潜像担持体上の潜像を現像する。そして、本発明の現像装置における搬送電極の電極幅は電極間隔よりも小さいことに特徴がある。
【選択図】 図26
【解決手段】
本発明の現像装置は、潜像担持体に対向して配置され、粉体を移動させる進行波電界を発生させるために、所定の間隔で配列された複数の搬送電極を有する搬送部材と、該搬送電極に多相の電圧を印加するための電圧供給手段と、該搬送部材に粉体を供給する粉体供給手段と、過剰な粉体を回収する回収手段を具備し、電圧供給手段により搬送電極に多相の電圧を印加して搬送電界を形成し、搬送部材において当該搬送電界によって潜像担持体と対向する領域に粉体を搬送して潜像担持体上に粉体を付着させて潜像担持体上の潜像を現像する。そして、本発明の現像装置における搬送電極の電極幅は電極間隔よりも小さいことに特徴がある。
【選択図】 図26
Description
本発明は現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関し、詳細にはETH(Electrostatic Transport & Hopping)現象を用いて、搬送とホッピングを制御して搬送中の飛散トナーを低減可能な、現像装置、この現像装置を備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
従来、現像剤担持体上の現像剤を潜像担持体に直接接触させないで、現像剤を潜像担持体上に供給して現像を行う構成の現像装置が知られている。その一例として、搬送部材によってトナーを潜像担持体上に供給するという従来技術がある。この搬送装部材は潜像担持体に対向して配置され、その表面には複数の電極が所定のピッチで配置されている。この電極にはn相の交流電圧が印加され、トナーを搬送する進行波電界を発生させる。トナーはこの進行波電界によって、垂直方向にホッピングしながら潜像担持体と対向する現像領域まで搬送される。現像領域まで搬送されたトナーは、更に垂直方向にホッピングしながら、画像部では潜像担持体に向かう方向に、非画像部では搬送部材に向かう方向に力を受け、画像部が現像される。このような構成の現像装置では、現像領域ではトナーは画像部・非画像部電位の影響を受ける位置までホッピングしている必要がある。しかし、現像領域以外ではトナーは高くホッピングしている必要はなく、搬送方向に搬送されていればよい。現像領域以外でトナーが進行波電界の影響を受けない高さまでホッピングしてしまうと、そのトナーはもはやトナー搬送部材に戻ることはなく、現像装置内に飛散してしまう。
このような搬送中の飛散トナーを防ぐために、特許文献1では各電極の表面から現像剤搬送部材(搬送部材)表面までの距離を搬送方向に進むに従って段階的に小さくし、現像領域において確実にトナークラウドを発生させている。各電極の表面からトナー搬送部材表面までの距離を小さくすることによって、トナー搬送部材表面での進行波電界が大きくなりトナーはホッピングしやすくなる。逆に、各電極の表面からトナー搬送部材表面までの距離を大きくすることによって、トナー搬送部材表面での進行波電界が小さくなりトナーはホッピングしにくくなり、トナー飛散は防ぐことが可能である。
特開2004−333845号公報
しかしながら、各電極の表面からトナー搬送部材表面までの距離を大きくすることによってホッピング方向の電界は小さくなるが、同時に搬送方向の電界も小さくなる。よって、トナーの搬送力も小さくなってしまう。トナーの搬送力が小さいと、搬送中にトナー搬送部材表面にトナー付着が発生してしまう。トナー付着が発生すると、その後に搬送されてくるトナーにも影響を与えてしまう。
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、ETH(Electrostatic Transport & Hopping)現象を用いて、搬送中の飛散粉体を低減できる、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
ここで、ETH現象とは、粉体が移相電界のエネルギーを与えられ、そのエネルギーが機械的なエネルギーに変換されて、粉体自身が動的に変動する現象をいう。このETH現象は、静電気力による粉体の水平方向の移動(搬送)と垂直方向の移動(ホッピング)を含む現象であり、静電搬送部材の表面を、移相電界によって粉体が進行方向の成分を持って飛び跳ねる現象であり、このETH現象を用いた現像方式をETH現像という。
なお、本明細書において、ETH現象における搬送部材上の粉体の振る舞いを区別して表現する場合、基板水平方向への移動については、「搬送」、「搬送速度」、「搬送方向」、「搬送距離」という表現を使用し、基板垂直方向への飛翔(移動)については、「ホッピング」、「ホッピング速度」、「ホッピング方向」、「ホッピング高さ(距離)」という表現を使用し、搬送部材上での「搬送及びホッピング」は「移送」と総称する。なお、搬送装置、搬送基板という用語に含まれる「搬送」は「移送」と同義である。
前記問題点を解決するために、本発明の現像装置によれば、各搬送電極の電極幅を電極間隔よりも小さくすることで、ホッピング電界が作用する領域を小さいし、搬送方向の電界が作用する領域を大きくすることができる。これによって、粉体をあまりホッピングさせずに搬送することができ、搬送中の飛散粉体を低減することができる。
また、本発明の現像装置によれば、現像領域における搬送電極の電極幅を電極間隔よりも大きくすることで、ホッピング電界が作用する領域を大きくし、多くの粉体をホッピングさせることができ、搬送部材の表面近傍の粉体を減らすことができる。これによって、現像に寄与する粉体の数を増やすことができる。
更に、供給領域では供給された粉体を進行波電界に乗せて搬送する必要があり、供給領域で搬送部材の表面に粉体付着が発生すると問題である。本発明の現像装置によれば、供給領域における搬送電極の電極幅を電極間隔よりも大きくすることで、供給領域でホッピング電界が作用する領域を大きくすることができる。これによって、供給領域での粉体付着を防ぐことができ、供給された粉体を効率良く搬送することができる。
また、現像剤を表面に保持した現像剤担持体に電圧を印加することによって粉体を供給する構成では、現像剤担持体に印加された電圧によって進行波電界が押しつぶされ、粉体付着が発生しやすくなる。本発明の現像装置によれば、供給領域における搬送電極の電極幅を電極間隔よりも大きくすることで、供給領域でホッピング電界が作用する領域を大きくすることができる。これによって、供給領域での粉体付着を防ぐことができ、供給された粉体を搬送することができる。
更に、回収領域では粉体を回収しやすくするために、搬送部材の表面近傍の粉体を減らし、粉体をホッピングさせる必要がある。回収領域における搬送電極の電極幅を電極間隔よりも大きくすることによって、ホッピング電界が作用する領域を大きくすることができる。これによって、回収領域で粉体がホッピングしやすくなり、粉体が回収しやすくなる。
また、現像領域、供給領域及び回収領域以外の搬送領域では、搬送電極の電極幅を電極間隔よりも小さくすることによって、ホッピング電界が作用する領域を小さくし、飛散粉体を防いでいる。一方、搬送電極の電極幅を小さくすることによって、搬送方向の電界が小さくなってしまい、粉体の搬送力が小さくなる。搬送領域の搬送電極に印加する電圧の波高値を現像領域、供給領域及び回収領域の搬送電極に印加する電圧の波高値よりも大きくすることによって、搬送方向の電界を大きくし、粉体の搬送力を大きくしている。
更に、進行波電界の相数をn、搬送電極の電極ピッチをR、1つの搬送電極に印加するパルス電圧の周波数をfとした場合、搬送速度はn×R×fとなる。各領域で搬送電極の電極幅を電極間隔より大きくしたり、あるいは小さくしたりする場合、電極ピッチも各領域で大きくしたり、あるいは小さくしたりすると、各領域で粉体の搬送速度が変化し、粉体溜まりが生じてしまう。本発明の現像装置によれば、搬送部材の電極ピッチを全ての領域で同じとすることで、搬送速度を一定とすることができ、粉体溜まりが発生しない。
また、別の発明としてのプロセスカートリッジは、上記の現像装置と、電子写真プロセスにおける潜像担持体、帯電手段、クリーニング手段のうちの少なくとも一つと、を少なくとも含み、画像形成装置本体に着脱自在である。よって、搬送中の飛散粉体を低減することができるプロセスカートリッジを提供できる。
更に、別の発明としての画像形成装置は、上記現像装置もしくは上記プロセスカートリッジを備えている。よって、搬送中の飛散粉体を低減することができ、良好な画像を形成することができる。
本発明の現像装置では、搬送電極の電極幅を電極間隔より小さくすることによって、搬送部材の表面でのホッピング方向に作用する電界の領域を小さくし、粉体をホッピングしにくくし、更に搬送方向に作用する電界の領域は大きくなるため、粉体をあまりホッピングさせずに搬送方向へ搬送することが可能となる。搬送電極の電極幅を小さくすると進行波電界が小さくなってしまい粉体の搬送力が小さくなってしまうが、搬送領域の搬送電極に印加する電圧の波高値を大きくすることによって、粉体の搬送力の低下を防いでいる。このような構成にすることによって、粉体の搬送力を低下させずに搬送中の飛散粉体を防ぐことが可能となる。更に好ましくは、現像領域では搬送電極の電極幅を電極間隔より大きくすることによって、搬送部材の表面でのホッピング方向に作用する電界の領域を大きくし、粉体をホッピングしやすくしている。これによって、現像に寄与する粉体の数が増え、現像効率が大きくなる。
図1は本発明の一実施の形態例に係る現像装置の構成を示す概略図である。同図に示す現像装置10は、粉体であるトナーTを搬送、ホッピング、回収するための電界を発生するための複数の搬送電極102を有する搬送部材である搬送基板11を備え、この搬送基板11の各搬送電極102に対しては駆動回路12から所要の電界を発生させるためのn相(nは2以上の正の整数。ここでは3相とする。)の異なる駆動波形Va1,Vb1,Vc1及びVa2,Vb2,Vc2が印加される。ここでは、搬送基板11は、駆動波形Va1,Vb1,Vc1及びVa2,Vb2,Vc2を与える搬送電極102の範囲及び潜像担持体である感光体ドラム20との関係において、トナーTを感光体ドラム20近傍まで搬送する搬送領域、感光体ドラム20の潜像にトナーTを付着させてトナー像を形成するための現像領域、トナーTを搬送基板11側に回収するための現像領域通過後の回収領域とに分けられる。
そして、この現像装置10において、搬送基板11の搬送領域ではトナーTを感光体ドラム20の近傍まで搬送し、現像領域では感光体ドラム20上の潜像の画像部に対してはトナーTが感光ドラム20側に向かい、非画像部に対してはトナーTが感光ドラム20と反対側(搬送基板側)に向かう方向の電界を形成して、トナーTを潜像に付着させて現像を行うための電界を発生し、回収領域ではトナーTが潜像の画像部及び非画像部のいずれに対しても感光体ドラム20と反対側(搬送基板11側)に向かう方向の電界を形成する。
ここで、本実施の形態例の現像装置における搬送基板の構成について、図2〜図6を参照して詳細に説明する。なお、図2は搬送基板の平面図、図3は図2のA−A’線断面図、図4は図2のB−B’線断面図、図5は図2のC−C’線断面図、図6は図2のD−D’線断面図である。
本実施の形態例の現像装置における搬送基板11は、図3の支持基板101上に3本の搬送電極102a、102b、102c(これらを搬送電極102と総称する)を1セットとして、図2及び図3の矢印方向のトナー搬送方向に沿って所定の間隔で、かつトナー搬送方向と略直交する方向に繰り返し形成され配置し、この上に搬送面を形成する絶縁性の搬送面形成部材となり、これらの搬送電極101の表面を覆う保護膜となる、無機又は有機の絶縁性材料で形成した表面保護層103を積層したものである。なお、ここでは、表面保護層103が搬送面を形成しているが、表面保護層103上に更に粉体(トナー)との適合性に優れた表面層を別途成膜することもできる。
これらの搬送電極102a、102b、102cの両側には、搬送電極102a、102b、102cとそれぞれ両端部で相互接続した共通電極104a、104b、104c(これらを共通電極104と総称する)をトナー搬送方向に沿って、すなわち搬送電極102a、102b、102cの各々と略直交する方向に設けている。この場合、共通電極104の幅(この幅は、トナー搬送方向と直交する方向の幅)は搬送電極102の幅(この幅は、トナー搬送方向に沿う方向の幅)よりも広くしている。なお、図2では、共通電極104を、搬送領域では共通電極104a1、104b1、104c1を、現像領域では共通電極104a2、104b2、104c2、回収領域では共通電極104a3、104b3、104c3と、区別して表記している。
ここでは、図4に示すように、支持基板101上に共通電極104a、104b、104cのパターンを形成した後層間絶縁膜105を形成し、この層間絶縁膜105にコンタクトホール106を形成した後搬送電極102a、102b、102cを形成することによって、搬送電極102a、102b、102cと共通電極104a、104b、104cとをそれぞれ相互接続している。なお、層間絶縁膜105は表面保護層103と同じ材料でも異なる材料のいずれでも良い。また、搬送電極102aと共通電極104aを一体形成したパターン上に層間絶縁膜105を形成し、この層間絶縁膜105上に搬送電極102bと共通電極104bを一体形成したパターンを形成し、更に層間絶縁膜105を形成して、この層間絶縁膜105上に搬送電極102cと共通電極104cを一体形成したパターンを形成する、つまり、電極を三層構造とすることもでき、あるいは一体形成に相互接続とコンタクトホール106による相互接続とを混在させることもできる。
更に、これらの共通電極104a、104b、104cには、図1の駆動回路12からの駆動信号(駆動波形)Va、Vb、Vcを入力するための駆動信号印加用入力端子(図示せず)を設けている。この駆動信号入力用端子は、支持基板101に裏面側に設けてスルーホールを介して各共通電極104に接続してもよいし、あるいは層間絶縁膜105上に設けてもよい。
ここで、支持基板101としては、ガラス基板、樹脂基板或いはセラミックス基板等の絶縁性材料からなる基板、或いはSUSなどの導電性材料からなる基板にSiO2等の絶縁膜を成膜したもの、ポリイミドフィルムなどのフレキシブルに変形可能な材料からなる基板などを用いることができる。
また、搬送電極102は、支持基板101上にAl、Ni−Cr等の導電性材料を0.1〜10μm厚、好ましくは0.5〜2.0μmで成膜し、これをフォトリソ技術等を用いて所要の電極形状にパターン化して形成している。これらの複数の搬送電極102の粉体進行方向における幅Lは移動させる粉体の平均粒径の1倍以上20倍以下とし、かつ搬送電極102の粉体進行方向の間隔Rも移動させる粉体の平均粒径の1倍以上20倍以下としている。
更に、表面保護層103としては、例えばSiO2、TiO2、TiO4、SiON、BN、TiN、Ta2O5、ZrO2、BaTiO3などを厚さ0.5〜10μm、好ましくは厚さ0.5〜3μmで成膜して形成している。また、無機ナイトライド化合物、例えばSiN、BN、などを用いることができる。
また、本実施の形態例の現像装置において、搬送領域以外の領域(長手方向の外側部分)は、絶縁層107を搬送領域より厚く形成する。搬送に寄与する電界強度が、搬送領域とそれ以外の領域で差ができ、搬送したい方向の表面の電界強度が、絶縁層107のある領域の表面の電界強度より大きくなり、搬送したい方向の力が強くなる。そのために電荷を持ったトナーは搬送方向に動く。
従って、帯電したトナー粒子は搬送領域から逸脱しないで搬送され、現像領域まで運ばれる。また、搬送領域と搬送領域外のエリアに厚み差を持たせることによって搬送領域の空間が大きくなり、トナーが搬送領域で動きやすくなり、結果的に搬送領域外のエリアへのトナーの拡散を抑えることができる。
図2において、搬送領域外のエリアに絶縁層107を形成したもので、後述する図17に示すような絶縁層の厚みと進行方向の電界強度を計算で求め、その計算結果から搬送領域外のエリアの絶縁層107を搬送領域の表面絶縁層より厚くすることによって、バスライン方向に向かう電界が、進行方向の電界が弱くなる。より好ましくは80μm以上の絶縁膜にすれば、電界によってトナーを外周に向かって移動させる力小さくなり実際はほぼ働かないので、トナーが搬送領域外のエリアに付着することを防止できる。
また、形成する絶縁層107は、表面保護層と同様の材料が使用できる。絶縁層107の形成方法は、真空蒸着、スパッタ法をはじめとする薄膜形成方法があり、その他に、メッキ法、印刷法によって樹脂ペーストを所定の部分にだけ形成することも有用な手段である。また、絶縁性樹脂層を直接貼り付けて形成することも有用である。更に、真空蒸着法で形成した絶縁膜は、非常に稠密な膜を作ることができるので、絶縁性に優れている。
絶縁膜の形成にスクリーン印刷法を利用する例である。スクリーン印刷法は、エポキシ樹脂などを、マスクの開口部を通して、基板に所定の層を形成する。印刷法で形成した時には、任意の樹脂パターンが形成できるので、絶縁層中に、開口部を設け電極の取り出し口を形成することもできる。
この例は、絶縁層の形成をテープ貼り付けで行うものである。例えば、70μmのポリエステル基材に10μmのアクリル粘着層を持ったテープを貼り合わせることによって簡単に形成することができる。テープの厚さを選ぶことによって絶縁層の厚みもコントロール可能である。
テープ基材は絶縁性の素材であれば良く、ポリエステル系に限らず、ウレタン系、フッ素系、ポリイミド、ポリアミドなどの耐熱性のある基材も使用可能であるし、粘着剤もウレタン系、ゴム系などでも使用可能である。
テープ基材は絶縁性の素材であれば良く、ポリエステル系に限らず、ウレタン系、フッ素系、ポリイミド、ポリアミドなどの耐熱性のある基材も使用可能であるし、粘着剤もウレタン系、ゴム系などでも使用可能である。
また、絶縁層の厚みを現像ギャップと同じにすることによって、感光体とのギャップを一定にすることが可能になり、所謂ギャップコロと同等働きをさせることができる。
円形度96%以上の球形トナーを使用することにより表面形状のばらつきを、粉砕トナーのような不定形と比較して少なくできるので均一な搬送が可能になる。つまり、円形度が96%より低い場合にトナーが基板と衝突のしたときの反発の方向がランダムになり、搬送方向から外れるトナーが生じる。このような円形度を規定することでトナーのバスラインへの散逸を防止することが可能となる。
次に、このように構成した搬送基板11におけるトナーの静電搬送の原理について説明する。搬送基板11の複数の搬送電極102に対してn相(nは2以上の正の整数)の駆動波形を印加することにより、複数の搬送電極102によって移相電界(進行波電界)が発生し、搬送基板11上の帯電したトナーは反発力及び/又は吸引力を受けて移送方向にホッピングと搬送を含んで移動する。
例えば、搬送基板11の複数の搬送電極102に対して図7に示すようにグランドG(0V)と正の電圧+との間で変化する3相のパルス状駆動波形(駆動信号)A(A相)、B(B相)、C(C相)を、タイミングをずらして印加する。
このとき、図8に示すように、搬送基板11上に負帯電のトナーTがあり、搬送基板11の連続した複数の搬送電極102に同図に(1)で示すようにそれぞれ「G」、「G」、「+」、「G」、「G」が印加されたとすると、負帯電のトナーTは「+」の搬送電極102上に位置する。
次のタイミングで複数の搬送電極102には(2)に示すようにそれぞれ「+」、「G」、「G」、「+」、「G」が印加され、負帯電のトナーTには同図で左側の「G」の搬送電極102との間で反発力が、右側の「+」の搬送電極102との間で吸引力がそれぞれ作用するので、負帯電のトナーTは「+」の搬送電極102側に移動する。さらに、次のタイミングで複数の搬送電極102には(3)に示すようにそれぞれ「G」、「+」、「G」、「G」、「+」が印加され、負帯電のトナーTには同様に反発力と吸引力がそれぞれ作用するので、負帯電のトナーTは更に「+」の搬送電極102側に移動する。
このように複数の搬送電極102に電圧の変化する複相の駆動波形を印加することで、搬送基板1上には進行波電界が発生し、この進行波電界の進行方向に負帯電のトナーTは搬送及びホッピングを行いながら移動する。なお、正帯電のトナーTの場合には駆動波形の変化パターンを逆にすることで同様に同方向に移動する。
このようなトナーTの搬送の様子について図9を参照して具体的に説明すると、同図の(a)に示すように、搬送基板11の搬送電極A〜Fがいずれも0V(G)で搬送基板11上に負帯電のトナーTが載っている状態から、同図の(b)に示すように搬送電極A、Dに「+」が印加されると、負帯電のトナーTは搬送電極A及び搬送電極Dに吸引されて搬送電極A、D上に移る。次のタイミングで、同図の(c)に示すように、搬送電極A、Dがいずれも「0」になり、搬送電極B、Eに「+」が印加されると、搬送電極A、D上のトナーTは反発力を受けるとともに、搬送電極B、Eの吸引力を受けることになって、負帯電のトナーTは搬送電極B及び搬送電極Eに搬送される。更に、次のタイミングで、同図の(d)に示すように、搬送電極B、Eがいずれも「0」になり、搬送電極C、Fに「+」が印加されると、搬送電極B、E上のトナーTは反発力を受けるとともに、搬送電極C、Fの吸引力を受けることになって負帯電のトナーTは搬送電極C及び搬送電極Fに搬送される。このように進行波電界によって負帯電のトナーは順次図中の右方向に搬送されることになる。
次に、図1の駆動回路の全体構成について図10を参照して説明する。この駆動回路12は、パルス信号を生成出力するパスル信号発生回路21と、このパルス信号発生回路21からのパルス信号を入力して駆動波形Va1、Vb1、Vc1を生成出力する波形増幅器22a、22b、22cと、パルス信号発生回路21からのパルス信号を入力して駆動波形Va2、Vb2、Vc2を生成出力する波形増幅器23a、23b、23cとを含んで構成されている。そして、パルス信号発生回路21は、例えばロジックレベルの入力パルスを受けて、各120°に位相シフトした2組のパルスで、次段の波形増幅器22a〜22c、23a〜23cに含まれるスイッチング手段(図示せず)、例えばトランジスタを駆動して100Vのスイッチングを行うことができるレベルの出力電圧10〜15Vのパルス信号を生成して出力する。
また、波形増幅器22a、22b、22cは、図1の搬送領域の各搬送電極102及び回収領域の各搬送電極102に対して、例えば図11に示すように、各相の+100Vの印加時間taを繰り返し周期tfの1/3である約33%に設定した(以下、これを「搬送電圧パターン」又は「回収搬送電圧パターン」と称す)3相の駆動波形(駆動パルス)Va1、Vb1、Vc1を印加する。更に、波形増幅器23a、23b、23cは、図1の現像領域の各搬送電極102に対して、例えば図12又は図13に示すように、各相の+100V又は0Vの印加時間taを繰り返し周期tfの2/3である約67%に設定した(以下、これを「ホッピング電圧パターン」と称す)3相の駆動波形(駆動パルス)Va2、Vb2、Vc2を印加する。
以上の説明のように、ETH現像ではトナーをホッピングさせることによって潜像担持体の静電潜像を一成分現像方式で反転現像を行うことができる。すなわち、現像領域で、トナーが潜像の画像部に対しては潜像担持体側に向かい、非画像部に対してはトナーが潜像担持体と反対側に向かう方向の電界を形成する手段を備えることによって現像を行うことができる。
例えば、前述した図13に示すホッピング電圧パターンの駆動波形のように、0〜−100Vで遷移するパルス状電圧波形である場合、潜像担持体上の非画像部電位が−100Vより低いときには、画像部に対してはトナーが潜像担持体側に向かい、非画像部に対してはトナーが潜像担持体と反対側に向かうことになる。この場合、潜像の非画像部の電位を−150Vや後述する−170Vとした場合に、トナーが潜像担持体側に向かうことが確認された。
また、ホッピング電圧パターンの駆動波形が20V〜−80Vで遷移するパルス状電圧波形である場合、画像部の電位を約0V、非画像部の電位が−110Vのときにも、パルス状駆動波形のローレベルの電位が潜像の画像部電位と非画像部電位との間にあるので、同様に、画像部に対してはトナーが潜像担持体側に向かい、非画像部に対してはトナーが潜像担持体と反対側に向かうことになる。
要するに、パルス状駆動波形のローレベルの電位を潜像の画像部の電位と非画像部の電位との間の電位に設定することで、非画像部へのトナーの付着を防止し、高品質の現像を行うことができる。
このように、ETH現像においては、トナーがホッピングしていることにより潜像の画像部に対してトナーが吸引付着し、非画像部ではトナーが反発されて付着されないので、トナーによる潜像の現像を行うことができ、このとき、既にホッピングしているトナーは搬送基板11との間で吸着力が生じないため、容易に潜像担持体側に搬送することができ、高い画像品質が得られる現像を低電圧で行うことができるようになる。
すなわち、従来の所謂ジャンピング現像方式にあっては、現像ローラから帯電トナーを剥離させて感光体に搬送させるには、トナーの現像ローラに対する付着力以上の印加電圧が必要であり、DC600〜900Vのバイアス電圧をかけなければならない。これに対して、本発明によれば、トナーの付着力は通常50〜200nNであるが、搬送基板1上でホッピングしているために搬送基板11に対する付着力が略零になるので、トナーを搬送基板11から剥離する力が不要になり、低電圧で十分にトナーを潜像担持体側に搬送することが可能になるのである。
しかも、各搬送電極102間に印加する電圧が|150〜100|V以下の低電圧であっても発生する電界が非常に大きい値となり、搬送電極102の表面に付着しているトナーを容易に剥離し、飛翔、ホッピングさせることが可能になる。また、OPC等の感光体を帯電する時に発生するオゾン、NOxが非常に少なく、又は皆無にすることができて、環境問題、感光体の耐久性に非常に有利となる。
従って、従来方式の現像ローラ表面、またはキャリア表面に付着しているトナーを剥離するために現像ローラと感光体の間に印加していた500V〜数KVの高電圧バイアスを必要とすることがなく、感光体の帯電電位を非常に低い値として、潜像を形成して現像することが可能になる。
例えば、OPC感光体を使用し、その表面のCTL(Charge Transport Layer)の厚さが15μm、その比誘電率εが3、帯電したトナーの電荷密度が(−3E−4C/m2の場合、OPC表面電位は約−170Vとなるが、この場合、搬送基板の電極への印加電圧として、0〜−100V、デューティー50%のパルス状駆動電圧を印加すると、平均で−50Vとなり、トナーが負帯電であれば搬送基板の電極とOPC感光体との間の電界は前述した関係になる。
このとき、搬送基板とOPC感光体とのギャップ(間隔)が0.2〜0.3mmであれば十分に現像が可能となる。トナーのQ/M、搬送基板の電極への印加電圧、印刷速度すなわち感光体の回転速度によっても異なるが、負帯電トナーの場合、少なくとも感光体を帯電する電位は−300V以下、または現像効率を優先した構成の場合は−100V以下でも十分に現像を行うことができる。なお、正帯電の場合の帯電電位は+電位となる。
ところで、上述したETH現像は、搬送基板11上でトナーをホッピングさせることによって、搬送基板11との吸着力を0にすることで現像を行うものであるが、単に搬送基板上でトナーをホッピングにさせるだけでは、ホッピングしたトナーが潜像担持体側への進行性を有しているとしても、潜像担持体の潜像に付着することの確実性が保証されず、トナー飛散が生じる。
そこで、本発明は、ETH現像について、ホッピングしたトナーが潜像担持体の潜像の画像部に対して選択的に確実に付着し、かつ、非画像部には付着しない、すなわち地汚れが生じない条件を見出したものである。
すなわち、潜像担持体の潜像の電位(表面電位)と搬送基板に印加する電位(発生させる電界)との関係を所定の関係に設定する、つまり、上述したように、潜像担持体の潜像の画像部に対してはトナーが潜像担持体側に向かい、非画像部に対してはトナーが搬送基板側に向かう電界を発生させる。これにより、潜像の画像部に対してはトナーが確実に付着し、非画像部に向かうトナーは搬送基板側に押し返されるので、搬送基板からホッピングしたトナーが効率的に現像に利用され、飛散を防止でき低電圧駆動による高品質現像を可能にすることができる。
この場合、搬送基板の搬送電極に印加する電位の平均値(平均値電位)を潜像担持体の潜像の画像部の電位と非画像部の電位との間の電位に設定することで、上述したように、潜像担持体の潜像の画像部に対してはトナーが潜像担持体側に向かい、非画像部に対してはトナーが搬送基板側に向かう電界を発生させることができる。
次に、トナーの搬送及びホッピングを行うための搬送基板11の複数の搬送電極102の電極幅L及び電極間隔R、並びに表面保護層103について説明する。
搬送基板11における搬送電極の電極幅Lと電極間隔Rはトナーの搬送効率、ホッピング効率に大きく影響する。すなわち、搬送電極と搬送電極の間にあるトナーはほぼ水平方向の電界により、基板表面を隣接する搬送電極まで移動する。これに対して、搬送電極上に乗っているトナーは、少なくとも垂直方向の成分も持った初速が与えられることから、多くは基板面から離れて飛翔する。特に、電極端面付近にあるトナーは、隣接する搬送電極を飛び越えて移動するため、電極幅Lが広い場合には、その搬送電極上に乗っているトナーの数が多くなり、移動距離の大きいトナーが増えて搬送効率が上がる。ただし、電極幅Lが広すぎると、電極中央付近の電界強度が低下するためにトナーが搬送電極に付着し、搬送効率が低下することになる。そこで、本発明は、低電圧で効率良く粉体を搬送、ホッピングするための適正な電極幅があることを見出した。
また、搬送電極の電極間隔Rは、距離と印加電圧の関係から電極間の電界強度を決定し、間隔Rが狭い程電界強度は当然強く、搬送、ホッピングの初速が得られやすい。しかし、搬送電極から搬送電極へ移動するようなトナーについては、一回の移動距離が短くなり、駆動周波数を高くしないと移動効率が上がらないことになる。これについても、本発明によれば、低電圧で効率良く粉体を搬送、ホッピングするための適正な電極間隔があることを見出した。
更に、電極表面を覆う表面保護層の厚さも電極表面の電界強度に影響を与え、特に垂直方向成分の電気力線への影響が大きく、ホッピングの効率を決定することをも見出した。
そこで、搬送電極の電極幅、電極間隔、表面保護層厚さの関係を適正に設定することによって、電極表面でのトナー吸着問題を解決し、低電圧で効率的な移動を行うことができる。
詳細に説明すると、先ず搬送電極の電極幅Lについては、電極幅Lをトナー径(粉体径)の1倍としたときは、最低1個のトナーを乗せて搬送、ホピングするための幅寸法であり、これより狭いとトナーに作用する電界が少なくなり、搬送力、飛翔力が低下して実用上は十分でない。また、搬送電極の電極幅Lが広くなるに従って、特に、搬送電極上面の中央付近で、電気力線が進行方向(水平方向)に傾斜し、垂直方向の電界の弱い領域が発生し、ホッピングの発生力が小さくなる。搬送電極の電極幅Lがあまり広くなると、極端な場合、トナーの帯電電荷に応じた鏡像力、ファンデルワールス力、水分等による吸着力が勝り、トナーの堆積が発生することがある。
そして、搬送及びホッピングの効率から、搬送電極の上にトナー20個程度が乗る幅であれば吸着が発生しにくく、100V程度の低電圧の駆動波形で効率良く搬送、ホッピングの動作が可能である。それ以上広いと部分的に吸着が発生する領域が生じる。例えば、トナーの平均粒径を5μmとすると、5μm〜100μmまでの範囲に相当する。
よって、搬送電極の電極幅Lのより好ましい範囲は、駆動波形による印加電圧を100V以下の低電圧でより効率的に駆動するため、粉体の平均粒径の2倍以上〜10倍以下である。搬送電極の電極幅Lをこの範囲内とすることで、電極表面の中央付近の電界強度の低下が1/3以下に抑えられ、ホッピングの効率低下は10%以下となって、効率の大幅な低下をきたすことがなくなる。これは、例えばトナーの平均粒径を5μmとすると、10μm〜50μmの範囲に相当する。
更に、より好ましくは、搬送電極の電極幅Lは粉体の平均粒径の2倍以上〜6倍以下の範囲である。これは、例えばトナーの平均粒径を5μmとすると、10μm〜30μmに相当する範囲である。この範囲とすることによって非常に効率が良くなることが判明している。
ここで、図14に示すように、図1の搬送基板11上の搬送電極102の電極幅Lを30μm、電極間隔Rを30μm、搬送電極102の厚みを5μm、表面保護層103の厚みを0.1μmとし、隣接する2つの搬送電極102にそれぞれ+100V、0Vを印加し、電極幅L、電極間隔Rに対する搬送電界TE、ホッピング電界HEの強度を測定した結果を図15及び図16に示している。
なお、各評価データはシミュレーションと実測、および粒子の振る舞いについて高速度ビデオにより実測評価した結果である。図14では細部を分かり易くするために搬送電極102は2つを示しているが、実際のシミュレーション、及び実験は前述したように十分な数の搬送電極を有する領域について評価している。また、トナーTの粒径は8μm、電荷量は−20μC/gである。
これらの図15及び図16で示す電界の強度は搬送電極の表面の代表点の値であり、搬送電界TEの代表点TEaは図14に示す電極端部の5μm上方の点、ホッピング電界HEの代表点HEaは図14に示す電極中央部の5μm上方の点とし、それぞれX方向、Y方向のトナーに作用する一番電界の強い代表点に相当する。
これらの図15及び図16から、トナーの搬送、ホッピングに作用する力を付与できる電界としては(5E+5)V/m以上、吸着の問題がない好ましい電界としては(1E+6)V/m以上、更に十分な力を付与できるより好ましい電界としては(2E+6)V/m以上の範囲であることが分かる。
また、搬送電極の電極間隔Rについては、間隔が広くなるほど搬送方向の電界強度は低下するため、上記電界強度の範囲に対応する値としても同様で、前述したように、トナーの平均粒径の1倍以上〜20倍以下、好ましくは2倍以上〜10倍以下、更により好ましくは2倍以上〜6倍以下である。
また、図16からホッピングの効率は搬送電極の電極間隔Rが広がると低下するが、トナー平均粒径の20倍までは実用上のホッピング効率が得られる。トナー平均粒径の20倍を越えるとやはり多くのトナーの吸着力が無視できなくなり、ホッピングが全く発生しないトナーが発生するため、この点でも搬送電極の電極間隔Rはトナーの平均粒径の20倍以下とする必要がある。
以上のように、Y方向の電界強度は搬送電極の電極幅L、電極間隔Rで決定され、狭い方が電界強度は高くなる。また、電極端部寄りのX方向の電界強度も電極間隔Rで決定され、狭い方が電界強度は高くなる。
このように、搬送電極のトナー進行方向における幅をトナーの平均粒径の1倍以上20倍以下で、かつ搬送電極のトナー進行方向の間隔を粉体の平均粒径の1倍以上20倍以下とすることによって、電極上又は電極間にある帯電したトナーに対し、その鏡像力、ファンデルワールス力、その他、吸着力にうち勝って、トナーを搬送、ホッピングさせるのに十分な静電力を作用させることができ、トナーの滞留が防止されて、低電圧で安定して効率的に搬送及びホッピングをさせることができる。
また、トナーの平均粒径が2〜10μm、Q/Mが負帯電の場合には−3〜−40μC/g、より好ましくは、−10〜−30μC/g、正帯電の場合には+3〜+40μC/g、より好ましくは、+10〜+30μC/gであるときに、特に、上述した電極構成による搬送及びホッピングを効率的に行うことができた。
次に、表面保護層について説明すると、図3の表面保護層103を設けることにより、電極の汚れ、微粒子等の付着が無く、表面を搬送に好適な条件で維持することができ、高湿度環境での沿面リークの回避でき、Q/Mの変動が無く、粉体の帯電電荷量を安定に維持することができる。
ここで、図14の構成において表面保護層103の厚さを0.1〜80μmの範囲で変化させたときのX方向の電界強度を計算値で求めた結果を図17に示している。
この表面保護層103の誘電率εは空気より高い値であり、通常ε=2以上である。同図から分かるように、この表面保護層103の膜厚(電極表面からの厚さ)が厚すぎると、表面のトナーに作用する電界強度が低下する。そこで、搬送効率、耐温湿度環境等を考慮すると、搬送動作に対して効率低下を問題にしないで実用可能な表面保護層103の厚さは、30%効率が低下する10μm以下、より好ましくは効率低下が数%に抑えられる5μm以下である。
また、電極表面のホッピングに作用する電界強度の例を図18及び図19に示している。図18は表面保護層103の厚みを5μmとした例、図19は表面保護層103の厚みを30μmとした例であり、いずれも電極幅30μm、電極間隔30μmで印加電圧0V、100Vとしている。
これらの各図からわかるように、表面保護層103の厚さが厚くなると空気より誘電率が高い保護層から隣接する電極方向へ向かう電界が増加するため、表面の垂直方向成分が減少するとともに、表面保護層103の厚み分、表面のトナーに作用する電界強度が低下する。
すなわち、ホッピングに作用する垂直方向成分の電気力線は表面保護層の厚さに大きく依存する。100V程度の低電圧で効率的にホッピングに作用する力を付与できる電界は、吸着の問題がない好ましい電界として(1E+6)V/m以上、さらに十分な力を付与できるより好ましい電界としては(2E+6)V/m以上の範囲であり、そのための表面保護層の厚さとしては10μm以下、より好ましくは5μm以下である。なお、表面保護層103の材料としては、比抵抗は10*E6Ωcm以上、誘電率εが2以上の材料を用いることが好ましい。
このように、電極表面を覆う表面保護層を設け、この表面保護層の厚さを10μm以下とすることで、特に粉体に対して垂直方向成分の電界をより強く作用させることができ、ホッピングの効率を上げることができる。
また、潜像担持体の帯電電位との関係については、トナーが負帯電トナーの場合、潜像担持体の表面の帯電電位を−300V以下、正帯電トナーの場合、潜像担持体の表面の帯電電位を+300V以下にする。すなわち、潜像担持体の表面の帯電電位は|300|V以下とする。
これによって、前述したように、搬送電極をファインピッチ化した場合に、各搬送電極102間に印加する電圧が150〜100V以下の低電圧であっても発生する電界が非常に大きい値となり、搬送電極102表面に付着しているトナーを容易に剥離し、飛翔、ホッピングさせることが可能になる。また、OPC等の感光体を帯電する時に発生するオゾン、NOxが非常に少なく、又は皆無にすることができて、環境問題、感光体の耐久性に非常に有利となる。
次に、移動させるトナーの帯電極性と表面保護層の最外層の材料の関係について説明する。なお、表面保護層の最外層とは、表面保護層が単一層の場合には当該層を、表面保護層が複数層から形成される場合には粉体が接触する面を形成する層をいう。
画像形成装置に用いられるトナーを搬送する場合、トナーの80%以上を占める樹脂材料としては、溶融温度、カラーにおいては透明性等が考慮され、一般的にはスチレン−アクリル系の共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂等が用いられる。トナーの帯電特性はこれらの樹脂の影響を受けるが、積極的に帯電量をコントロールする目的で帯電制御剤が加えられる。ブラックトナー(BK)用の帯電制御剤としては、正帯電の場合は、例えば、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩類、負帯電の場合は、例えば、アゾ系含金属錯体、サリチル酸金属錯体が使用される。また、カラートナー用の帯電制御剤としては、正帯電の場合は、例えば、四級アンモニウム塩類、イミダゾール系錯体類、負帯電の場合は、例えば、サリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類が使用される。
一方、これらのトナーは、搬送基板上を移相電界(進行波電界)によって搬送、またはホッピングする動作によって、表面保護層と接触、剥離を繰り返すため、トナーが摩擦帯電の影響を受けることになるが、その帯電量と極性は材料相互の帯電系列によって決まってくる。
この場合、トナーの帯電量を主に帯電制御剤によって決定される飽和帯電量、または多少低下する程度に維持することで、搬送、ホッピング、感光体現像にとっての効率を向上させることができる。
そこで、トナーの帯電極性が負の場合は、少なくとも表面保護層の最表面を形成する層の材料として、摩擦帯電系列上でトナーの帯電制御剤として用いられる材料の近傍(搬送、ホッピングの領域が少ない場合)に位置する材料か、または正端側に位置する材料を使用することが好ましい。例えば、帯電制御剤が、サリチル酸金属錯体の場合はこの近傍に位置するポリアミド系が好ましい。例えば、ポリアミド(ナイロン:商品名)66、ナイロン(商品名)11等を用いる。
また、トナーの帯電極性が正の場合は、少なくとも表面保護層の最表面を形成する層の材料として、摩擦帯電系列上でトナーの帯電制御剤として用いられる材料の近傍(搬送、ホッピングの領域が少ない場合)に位置する材料か、または負端側に位置する材料を使用することが好ましい。例えば、帯電制御剤が、四級アンモニウム塩類の場合はこの近傍、またはフッ素等のテフロン(登録商標)系材料を用いる。
次に、搬送電極の厚みについて説明する。
上述したように搬送電極の表面を覆う数μm厚さの表面保護層を形成した場合、表面保護層の下に搬送電極がある領域とない領域に対応して、搬送基板の表面には凹凸が生じることになる。このとき、搬送電極の厚さを3μm以下の薄層に形成することによって、保護膜表面の凹凸を問題にすることなくトナー等、5μm程度の粉体をスムースに搬送することができる。従って、搬送電極を3μm以下の厚みに形成すれば、搬送基板の表面の平坦化処理等を必要しないで、薄層の表面保護層を有する搬送基板を実用化でき、搬送、ホッピングのための電界強度が低下することもなくなり、より効率的な搬送、ホッピングを行うことができる。
上述したように搬送電極の表面を覆う数μm厚さの表面保護層を形成した場合、表面保護層の下に搬送電極がある領域とない領域に対応して、搬送基板の表面には凹凸が生じることになる。このとき、搬送電極の厚さを3μm以下の薄層に形成することによって、保護膜表面の凹凸を問題にすることなくトナー等、5μm程度の粉体をスムースに搬送することができる。従って、搬送電極を3μm以下の厚みに形成すれば、搬送基板の表面の平坦化処理等を必要しないで、薄層の表面保護層を有する搬送基板を実用化でき、搬送、ホッピングのための電界強度が低下することもなくなり、より効率的な搬送、ホッピングを行うことができる。
次に、図20は本実施の形態例の二成分現像剤を用いる現像器の構成例を示す概略図である。同図に示す現像装置は、磁性キャリアと非磁性トナーから成る二成分現像剤を用いる現像装置であり、静電潜像が形成される潜像担持体41との対向領域にトナーを搬送するローラ状に形成した搬送部材42と、この搬送部材42に対向し、搬送部材42に対してトナーを供給するトナー供給手段である現像剤担持体43と、この現像剤担持体43で供給するトナー及び磁性キャリアを収容する現像剤収容部44とを備えている。この場合、搬送部材42は潜像担持体41及び現像剤担持体43に対して径方向の反対側の領域で対向している配置としている。
なお、この搬送部材42と潜像担持体41は、50〜1000μm、好ましくは150〜400μmの間隙を開けて非接触で対向している。また、搬送部材42は回転せず、外周面をトナーが矢印Aの方向に搬送電界(移相電界)で搬送される。一方、現像剤担持体43は矢印Bの方向に回転する。
現像剤収容部44は、2室に分けられており、各室は現像装置内の両端部の図示しない現像剤通路によって連通している。この現像剤収容部44には二成分現像剤が収容されており、各室にある攪拌搬送スクリュ45a、45bによって攪拌されながら現像剤収容部44内を搬送されている。
また、現像剤収容部44には図示しないトナー収容部から現像剤を補給するためのトナー補給口46を設けている。そして、現像剤収容部44には現像剤の透磁率を検知する図示しないトナー濃度センサ(図示せず)が設置されており、現像剤の濃度を検知している。現像剤収容部44のトナー濃度が減少すると、トナー補給口46から現像剤収容部44にトナーが補給される。
更に、現像剤担持体43は、現像剤収容部44の攪拌搬送スクリュ45aと対向する領域に配置されている。現像剤担持体43の内部には、固定された磁石が配置されており、現像剤担持体43の回転と磁力によって、現像剤収容部44内の現像剤は現像剤担持体43表面に汲み上げられる。
また、現像剤の汲み上げ領域より現像剤担持体43の回転方向(矢印Bの方向)下流側で搬送部材42との対向領域より上流側には、現像剤担持体43と対向する領域に現像剤層規制部材47を設け、汲み上げ領域で汲み上げたれた現像剤を一定量の現像剤層厚に規制される。そして、現像剤層規制部材47を通った現像剤は現像剤担持体43の回転に伴って、搬送部材42と対向する領域まで搬送される。
ここで、現像剤担持体43には、第1電圧印加手段48によって供給バイアスが印加されている。また、搬送部材42には、第2電圧印加手段49によって搬送電極に電圧が印加されている。
これにより、現像剤担持体43と搬送部材42が対向する領域においては、第1電圧印加手段48と第2電圧印加手段49によって搬送部材42と現像剤担持体43との間に電界が生じている。その電界からの静電気力を受け、トナーはキャリアから解離し、搬送部材42の表面に移動する。
そして、搬送部材42の表面に達したトナーは、第2電圧印加手段49が印加する電圧による搬送電界によって、搬送部材42の表面上をホッピングしながら搬送される。潜像担持体41と対向する位置まで搬送電界によって搬送されたトナーは、搬送部材42と潜像担持体41上の画像部との間の現像電界によって、潜像担持体41上に現像される。現像に寄与しなかったトナーは搬送部材42によって更に搬送され、回収手段(図示せず)によって搬送部材42の表面から回収される。回収されたトナーは再び現像剤収容部44に戻され、現像装置内を循環する。
図21は本実施の形態例の一成分現像剤を用いる現像器の構成例を示す概略図である。同図において、図20と同じ参照符号は同じ構成要素である。同図に示す現像装置は、非磁性トナーから成る一成分現像剤を用いた現像装置の一例であり、トナーは現像剤収容部44に収容されており、トナー補給ローラ51によってトナーは現像剤担持体43と摩擦帯電を行い、静電気力によって現像剤担持体43上に汲み上げられる。現像剤担持体43上のトナーは現像剤層規制部材47によって薄層とされ、現像剤担持体43の回転に伴って搬送部材42と対向する位置に搬送される。現像剤担持体43には、第1電圧印加手段48によって供給バイアスが印加されている。また、搬送部材42には、第2電圧印加手段49によって搬送電極に電圧が印加されている。搬送部材42と対向する位置においては、第1電圧印加手段48と第2電圧印加手段49によって搬送部材42と現像剤担持体43との間に電界が生じている。その電界からの静電気力を受け、トナーは現像剤担持体43から解離し、搬送部材42の表面に移動する。搬送部材42の表面に達したトナーは、第2電圧印加手段49が印加する電圧による搬送電界によって、搬送部材42の表面上をホッピングしながら搬送される。潜像担持体41と対向する位置まで搬送電界によって搬送されたトナーは、搬送部材42と潜像担持体41上の画像部との間の現像電界によって、潜像担持体41上に現像される。現像に寄与しなかったトナーは搬送部材42によってさらに搬送され、回収手段(図示せず)によって搬送部材42の表面から回収される。回収されたトナーは再び現像剤収容部44に戻され、現像装置内を循環する。
図22は搬送部材の搬送電極の断面を示す断面図である。図1及び図3並びに図22に示すように、幅aの搬送電極102が間隔rで等間隔に並んでおり、搬送電極102の表面は絶縁膜の表面保護層103によって覆われている。このような構成の搬送部材の一つの搬送電極102には、図23のような時間的に切り替わるパルス状の電圧が印加されている。図23の例では、時間的にプラスの電圧とマイナスの電圧がデューティー50%で切り替わる電圧となっている。このような電圧を、位相をずらして各搬送電極に印加することによって、進行波電界を発生させている。
図23のような電圧を各搬送電極に印加した場合の進行波電界の各成分特性を図24及び図25に示す。この例では、電極は3相とし、絶対値が同じ電圧のプラス電圧を2つの搬送電極に、マイナス電圧を1つの搬送電極に印加した場合の搬送部材の表面での進行波電界の様子を示している。図中、搬送電極102の位置を示してある。なお、この例では、搬送電極に幅と電極間隔は同じになっている。図24はトナーの搬送方向の成分の電界であり、図25はホッピング方向の成分の電界である。図24において、搬送方向の成分の電界は搬送電極102上ではあまり大きくなく、搬送電極間で大きくなっている。図25において、ホッピング方向の電界は搬送電極上で大きくなっており、搬送電極間では大きくない。搬送電極上にいるトナーはホッピング方向に力を受け、ホッピングしていき、搬送電極間にいるトナーは搬送方向に力を受け、搬送方向に搬送される。
次に、電極ピッチはそのままで搬送電極の幅を変えた場合の進行波電界の各成分特性を図26及び図27に示す。図26はトナーの搬送方向の成分の電界であり、図27はホッピング方向の成分の電界である。搬送電極の幅は、図中の「中」が電極幅と電極間隔が同じ場合で、「大」は電極幅が電極間隔より大きく、「小」は電極幅が電極間隔より小さい場合である。図27からわかるように、ホッピング方向の電界は搬送電極上で大きくなっており、更に大きくなっている領域は電極幅と対応している。図26からわかるように、搬送方向の電界は電極間隔で大きくなっており、更に大きくなっている領域は電極間隔と対応している。図26及び図27からわかるように、電極幅が電極間隔より大きい場合は搬送方向の電界が作用する領域は小さく、ホッピング方向の電界が作用する領域は大きくなっている。この場合、トナーはホッピング方向に力を受けやすく、ホッピングするトナーの数が増える。一方、電極幅が電極間隔より小さい場合は搬送方向の電界が作用する領域は大きく、ホッピング方向の電界が作用する領域は小さくなっている。この場合は、トナーは搬送方向に力を受けやすく、高くホッピングするトナーの数は少なく、搬送部材表面近傍を搬送方向に搬送されるトナーの数が増える。
また、図26からわかるように、電極幅を電極間隔より小さくすることで搬送方向の電界が作用する領域は大きくなるが、電界の大きさは小さくなっている。よって、電極幅を小さくすることでトナー搬送力は小さくなってしまう。そこで、搬送電極に印加する電圧の波高値を大きくした場合を図28及び図29に示す。図28及び図29では電圧の波高値を1.2倍にした場合の電界を示している。図28からわかるように、波高値を1.2倍にすることによって搬送方向の電界は大きくなっており、搬送力が大きくなっている。図29からわかるように、波高値を1.2倍にすることによってホッピング方向の電界も大きくなっている。しかし、電極幅が小さいためホッピング方向の電界が作用する領域は小さく、ホッピングしているトナー数はあまり変化しない。よって、搬送電極に印加する電圧の波高値を大きくすることによって、搬送力を大きくすることができる。
図30は各領域別に分けた搬送部材を示す概略図である。同図において、図20及び図21と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。図30に示すように、搬送部材42と現像剤担持体43とが対向する領域を供給領域としている。トナー搬送部材と潜像担持体とが対向する領域は現像領域であり、この領域で潜像担持体41の潜像が現像される。トナー搬送方向に対して潜像担持体41より下流には、トナー回収手段52を設けており、このトナー回収手段52によってトナー搬送部材上のトナーを回収している。搬送部材42とトナー回収手段52とが対向する領域を回収領域としている。潜像担持体41、現像剤担持体43及びトナー回収手段52に対向していない領域は、搬送領域としている。
以上説明したように、本実施の形態例では、搬送領域における搬送電極の電極幅は電極間隔よりも小さくしている。搬送領域では、トナーを搬送方向に搬送する必要があるが、ホッピングさせる必要はない。進行波電界が作用しない領域までトナーを高くホッピングさせると、そのトナーは搬送部材に戻ってこなくなり、飛散トナーとなってしまい、問題である。よって、搬送領域では、ホッピングしているトナーの数を少なくし、搬送方向に搬送されているトナーの数を多くする必要であり、電極幅を電極間隔よりも小さくすることによって、実現させている。しかし、電極幅を電極間隔よりも小さくすることによって、搬送方向の電界が小さくなってしまい、搬送力が低下してしまう。よって、搬送領域の搬送電極に印加する電圧の波高値を他の現像・供給・回収領域の波高値よりも大きくしている。こうすることにより、図28のように搬送方向の電界を大きくすることができ、搬送力を低下させることはない。
また、現像領域における搬送電極の電極幅は電極間隔より大きくしている。現像領域では、潜像電荷がつくる潜像電界が作用する領域までトナーを潜像担持体までホッピングさせる必要がある。特に、孤立した1ドット潜像の場合、潜像電界は弱いため、その潜像を現像するにはトナーを潜像担持体の近傍までホッピングさせる必要がある。そこで、上述したように、電極幅を電極間隔より大きくすることによって、ホッピング方向の電界が作用する領域が大きくなり、トナーをよりホッピングさせることができる。ホッピングするトナーの数が増えるため、現像効率が大きくなる。
更に、供給領域における搬送電極の電極幅は電極間隔より大きくしている。供給領域においては、供給手段から供給されるトナーを進行波電界に乗せて搬送する必要がある。供給領域において搬送部材の表面へのトナー付着が発生すると、その後のトナー供給に影響を与え、問題である。特に、図20及び図21のような現像担持体に電圧を印加してトナーを供給する場合、現像担持体に印加する電圧によって、進行波電界のホッピング方向の電界が弱められ、搬送力が低下してしまう。このような供給方法では、さらにトナー付着が発生しやすい。供給領域において電極幅を電極間隔より大きくすることによって、ホッピング方向の電界が作用する領域を大きくし、ホッピングするトナーの数を多くすることによって、トナー付着を防いでいる。
また、図30に示すように、トナー搬送方向に関して現像領域の下流側にトナー回収手段を備えている。トナー回収手段としては種々の方法が考えられる。図31は回収板によるトナー回収手段の一例を示す概略図である。同図において、図20及び図21と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示すように、搬送部材42と回収板53の間のトナーに、搬送部材42から回収板53に向かう方向に力が作用するようにして電界を発生させる。現像領域で現像に寄与しなかったトナーは回収板53と搬送部材42が対向し合う回収領域において、搬送部材42上から回収板53へ移動する。回収板53上にトナーがある程度の量がたまると、振動子54によって回収板53を振動させ、回収板53上のトナーを振るい落とし、再び現像剤収容部44に戻す。
図32は回収ローラによる回収手段の一例を示す概略図である。同図において、図31と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示すように、搬送部材42と回収ローラ55の間のトナーに搬送部材42から回収ローラ55に向かう方向に力が作用するように電界を発生させる。現像領域で現像に寄与しなかったトナーは回収ローラ55と搬送部材42が対向し合う回収領域において、搬送部材42上から回収ローラ55へ移動する。回収ローラ55に付着したトナーは、ブレード56によって掻き落とされ、再び現像剤収容部44に戻される。
図33はブラシローラによる回収手段の一例を示す概略図である。同図において、図31と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示すように、搬送部材42とブラシローラ57の間のトナーに搬送部材42からブラシローラ57に向かう方向に力が作用するように電界を発生させる。現像領域で現像に寄与しなかったトナーはブラシローラ57と搬送部材42が対向し合う回収領域において、搬送部材42上からブラシローラ57へ移動する。ブラシローラ57に付着したトナーは、フリッカーバー58によって掻き落とされ、再び現像剤収容部44に戻される。
図34は吸引ノズルによる回収手段の一例を示す概略図である。同図において、図31と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示すように、吸引ノズル59と搬送部材42を対向させ、吸引ポンプ60によって吸引ノズル59から空気を吸引する。吸引ノズル59のトナー搬送方向の下流側にはシール61がつけてあり、このシール61は搬送部材42の表面と接触している。現像領域で現像に寄与しなかったトナーは、回収領域において空気の流れに乗って吸引ノズル59を通って回収される。空気の流れに乗らず、進行波電界によって搬送されているトナーもシール61と衝突し、そのまま下流に搬送されていくことはない。吸引ノズル59によって回収されたトナーは、ダクト62を通って排出口63から再び現像剤収容部44に戻される。
一方、回収領域における搬送電極の電極幅は電極間隔より大きくしている。図31〜図34のいずれの回収手段においても、トナーは進行波電界が弱くなる領域までホッピングしていると回収手段によって回収されやすくなる。電極幅を電極間隔より大きくすることによって、ホッピング方向の電界が作用する領域が大きくなり、ホッピングするトナーの数が増える。これによって、トナーの回収効率が大きくなる。
ここで、進行波電界の相数をn、トナー搬送部材の電極ピッチをR、一つの搬送電極に印加するパルス電圧の周波数をfとした場合、トナーの搬送速度はn×R×fとなる。電極ピッチRとは、図22における(a+r)のことである。各領域で電極幅aを電極間隔rより大きくしたり小さくしたりしているが、電極ピッチRも同時に変化させていると、搬送部材上でトナーの搬送速度に違いが生じてしまう。速度の速い領域から遅い領域へトナーが搬送される場合、領域の境界でトナー溜まりが発生してしまい、それがトナー付着となってしまう。そこで、本実施の形態例では、搬送部材の電極ピッチは全ての領域において同じとしている。このようにすることによって、各領域でトナー搬送速度はすべて同じとなり、トナー溜まりが発生しない。
次に、本発明の現像装置を搭載する別の発明に係る第1の実施の形態例の画像形成装置について図35を参照して説明する。
この画像形成装置の全体の概略及び動作を説明すると、潜像担持体である感光体ドラム201は基体202上に感光体層203を形成してなり、同図で矢示方向に回転駆動される。この感光体ドラム201は帯電装置204によって一様に帯電され、露光部205からの読み取り画像に応じたレーザ光による書き込みにより、感光体ドラム201の表面に静電潜像が形成される。
この画像形成装置の全体の概略及び動作を説明すると、潜像担持体である感光体ドラム201は基体202上に感光体層203を形成してなり、同図で矢示方向に回転駆動される。この感光体ドラム201は帯電装置204によって一様に帯電され、露光部205からの読み取り画像に応じたレーザ光による書き込みにより、感光体ドラム201の表面に静電潜像が形成される。
そして、この感光体ドラム201の表面の静電潜像は、本発明に係る現像装置206によってトナーが付着されて可視像化され、この可視像は、給紙カセット207から給紙された転写紙(記録媒体)208に転写電源209からの電圧が印加される転写コロ210によって転写され、この可視像が転写された転写紙208は、感光体ドラム201の表面より分離されて、定着ユニット211のローラ間を通って、可視像が定着され、機外の排紙トレイへと排紙される。
一方、転写が終了した感光体ドラム201の表面に残留しているトナーはクリーニング装置212によって除去され、感光体ドラム201の表面に残留している電荷は除電ランプ213によって消去される。
そこで、本発明の現像装置について説明すると、現像装置206内には粉体であるトナーの帯電を施す部材の一例として帯電ブラシ214a、214bの両ブラシが接触するように配置され回転動作し、トナータンク215から送り込まれるトナーTは帯電ブラシ214a、214bによる摩擦を受けて帯電が施される。そして、帯電が施されたトナーTは、搬送基板216に送り込まれ、この搬送基板216上を搬送、ホッピングされて潜像担持体201に対向する現像領域に送られて、所要の現像を行った後、現像に供されなったトナーTは搬送基板216の終端から落下して、逆送用の搬送基板217によってトナーに帯電を施す部材(帯電ブラシ214b)に逆送される。
なお、搬送基板216及び逆送用の搬送基板217の構成は、上述した搬送基板11と同様であり、搬送基板216及び逆送用の搬送基板217の各電極に駆動波形を与える駆動回路の構成も図示は省略するが、現像装置の各実施形態で説明した同様である。
このように構成することで、飛散トナーが少なく、高い現像品質で現像を行って高画質の画像を形成することができる。
次に、本発明の現像装置を搭載する別の発明に係る第2の実施の形態例の画像形成装置について図36を参照して説明する。
第2の実施の形態例の画像形成装置の全体の概略及び動作を説明すると、潜像担持体である感光体ドラム301(例えば、有機感光体:OPC)は同図で時計方向に回転駆動される。コンタクトガラス302上に原稿を載置し、図示しないプリントスタートスイッチを押すと、原稿照明光源303とミラー304とを含む走査光学系305と、ミラー306、307を含む走査光学系308とが移動して、原稿画像の読み取りが行われる。ここで、走査された原稿画像がレンズ309の後方に配置した画像読取素子310で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化され画像処理される。そして、この画像処理をした信号でレーザーダイオードを駆動し、このレーザーダイオードからのレーザ光をポリゴンミラー311で反射した後、ミラー312を介して感光体ドラム301上に照射する。この感光体ドラム301は帯電装置313によって一様に帯電されており、レーザ光による書き込みにより、感光体ドラム301の表面に静電潜像が形成される。
第2の実施の形態例の画像形成装置の全体の概略及び動作を説明すると、潜像担持体である感光体ドラム301(例えば、有機感光体:OPC)は同図で時計方向に回転駆動される。コンタクトガラス302上に原稿を載置し、図示しないプリントスタートスイッチを押すと、原稿照明光源303とミラー304とを含む走査光学系305と、ミラー306、307を含む走査光学系308とが移動して、原稿画像の読み取りが行われる。ここで、走査された原稿画像がレンズ309の後方に配置した画像読取素子310で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化され画像処理される。そして、この画像処理をした信号でレーザーダイオードを駆動し、このレーザーダイオードからのレーザ光をポリゴンミラー311で反射した後、ミラー312を介して感光体ドラム301上に照射する。この感光体ドラム301は帯電装置313によって一様に帯電されており、レーザ光による書き込みにより、感光体ドラム301の表面に静電潜像が形成される。
そして、この感光体ドラム301表面の静電潜像は、本発明に係る現像装置314によってトナーが付着されて可視像化され、この可視像(トナー像)は、給紙部315A又は315Bから給紙コロ316A又は316Bで給紙された転写紙(記録媒体)317に転写チャージャ318のコロナ放電により転写される。この可視像が転写された転写紙317は、分離チャージャ319により感光体ドラム301の表面より分離されて、搬送ベルト320によって搬送され、定着ローラ対321の圧接部を通って、可視像が定着され、機外の排紙トレイ322へと排紙される。
一方、転写が終了した感光体ドラム301の表面に残留しているトナーはクリーニング装置323によって除去され、感光体ドラム301の表面に残留している電荷は除電ランプ324によって消去される。
図36の現像装置314は、図37に示すように、トナーを収納するトナーホッパ部325と、このトナーホッパ部325内のトナーを攪拌するアジテータ326と、トナーホッパ部325内のトナーを帯電させてトナーボックス部327に供給する帯電ローラ328及びこの帯電ローラ328の周面に接触させて配置したドクターブレード329とを備えている。また、トナーボックス部325内に供給されたトナーを現像のために搬送、ホッポングするために搬送する搬送基板330と、この搬送基板330の終端から落下する現像に供されなかったトナーを、帯電を施す部材である帯電ローラ328に戻す方向に搬送する逆送用の搬送基板331とを備えている。
なお、上記第1の実施の形態例でも述べたとおり、搬送基板330及び逆送用の搬送基板331の構成は、上述した搬送基板11と同様であり、搬送基板330及び逆送用の搬送基板331の各搬送電極に駆動波形を与える駆動回路の構成も図示は省略するが、上述した現像装置の各実施の形態例で説明した同様である。
このように構成することで、飛散トナーが少なく、高い現像品質で現像を行って高画質の画像を形成することができる。
次に、別の発明に係るプロセスカートリッジを備えた、第3の実施の形態例の画像形成装置について、図38及び図39を参照して簡単に説明する。なお、図38はプロセスカートリッジを備えた画像形成装置の概略構成図、図39はプロセスカートリッジの概略構成図である。
図38に示す画像形成装置400は、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の4色でフルカラー画像を形成するレーザプリンタの一例であり、各色用の画像信号に応じたレーザビームを出射する4つの光書込装置401−M、401−C、401−Y、401−Bk(以下、光書込装置401と総称する)と、作像用の4つのプロセスカートリッジ402−M、402−C、402−Y、402−Bk(以下、プロセスカートリッジ502と総称する)と、画像が転写される記録用紙を収納する給紙カセット403と、給紙カセット403から記録用紙を給紙する給紙ローラ404と、記録用紙を所定のタイミングで搬送するレジストローラ405と、記録用紙を各プロセスカートリッジの転写部に搬送する転写ベルト406と、記録用紙に転写された画像を定着する定着ベルト407と加圧ローラ408からなる定着装置409と、定着後の記録用紙を排紙トレイ411に排紙する排紙ローラ410等を備えた構成となっている。
4つのプロセスカートリッジからなるプロセスカートリッジ402は、図39に示すように、各プロセスカートリッジ402は、ケース内に像担持体であるドラム状の感光体412と、帯電ローラ413と、本発明に係る現像装置414と、クリーニングブレード415等を一体に備え、画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成している。現像装置414を着脱自在であるプロセスカートリッジ402内に具備させることにより、メンテナンス性の向上、他の装置との一体交換を容易に行うことができるようになる。
また、現像装置414内には、トナー供給ローラ416、帯電ローラ417、搬送基板418、搬送基板418へのトナー送り込み基板419、回収トナーを戻すトナー戻しローラ420が設けられており、各色のトナーが収納されている。また、プロセスカートリッジ402の背面側には、光書込装置401からのレーザビームが入射される窓口となるスリット421が設けられている。
各光書き込み装置401−M、401−C、401−Y、401−Bkは、半導体レーザ、コリメートレンズ、ポリゴンミラー等の光偏向器、走査結像用光学系等から構成され、装置外部のパーソナルコンピュータ等のホスト(画像処理装置)から入力される各色用の画像データに応じて変調されたレーザビームを出射し、各プロセスカートリッジ402−M、402−C、402−Y、402−Bkの感光体412上を走査し、静電荷像(静電潜像)を書き込む。
そして、画像形成が開始されると、各プロセスカートリッジ402−M、402−C、402−Y、402−Bkの感光体412が帯電ローラ413で均一に帯電され、各光書込装置401−M、401−C、401−Y、401−Bkから画像データに応じたレーザビームが照射されて各感光体上に各色の静電潜像が形成される。
この感光体412上に形成された静電潜像は、現像装置414の搬送基板418によるETH現像により、各色のトナーによって現像され顕像化される。また、現像に供されなかったトナーは搬送基板418で搬送されてトナー戻しローラ420によってトナー送り込み基板419の入口側に戻される。このように、本発明に係る現像装置によって現像を行うことで、前述したように高品質の画像を形成することができる。
一方、各プロセスカートリッジ402−Bk、402−Y、402−C、402−Mの各色の画像形成に同期して、供給カセット403内の記録用紙が供給ローラ404で給紙され、レジストローラ405により所定のタイミングで転写ベルト406に向けて搬送される。そして、記録用紙は転写ベルト406に担持されて4つのプロセスカートリッジ402−Bk、402−Y、402−C、402−Mの感光体412に向けて順次搬送され、各感光体上のBk、Y、C、Mの各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。4色のトナー像が転写された記録用紙は、定着装置409に搬送され、4色のトナー像からなるカラー画像が定着されて排紙トレイ411に排紙される。
次に、別の発明に係るプロセスカートリッジを備えた、第4の実施の形態例の画像形成装置について、図40及び図41を参照して簡単に説明する。なお、図40はプロセスカートリッジを備えた画像形成装置の概略構成図、図41はプロセスカートリッジの概略構成図である。
図40に示す画像形成装置500は、水平に延在する転写ベルト(像担持体)501に沿って、各色のプロセスカ−トリッジ502−Y、502−M、502−C、502−Bk(以下、プロセスカートリッジ502と総称する)を並置したタンデム方式のカラー画像形成装置である。なお、プロセスカートリッジ502は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で説明したが、この順番に特定されるものではなく、どの順番で並置してもよい。
そして、図41に示すプロセスカ−トリッジ502は、像担持体505、帯電手段506、搬送基板507を含む本発明に係る現像装置508、クリーニング装置509等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成している。
通常、カラーの画像形成装置は複数の画像形成部を有するため装置が大きくなってしまう。また、現像装置、クリーニングや帯電などの各ユニットが個別で故障したり、寿命による交換時期がきた場合は、装置が複雑でユニットの交換に非常に手間がかかっていた。
そこで、少なくとも像担持体と現像装置の構成要素をプロセスカートリッジ502として一体に結合して構成することによって、ユーザによる交換も可能な小型で高耐久のカラー画像形成装置を提供することができる。
ここで、各色のプロセスカートリッジ502−Y、502−M、502−C、520−Bkで現像された像担持体505上の現像トナーは水平に延在する転写電圧が印加された転写ベルト501に順次転写される。
このようにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと画像の形成が行なわれ、転写ベルト501上に多重に転写され、転写手段503で転写材504にまとめて転写される。そして、転写材504上の多重トナー像は図示しない定着装置によって定着される。
上記各実施の形態例の画像形成装置は、いずれも本発明に係る現像装置を備えているので、装置の小型化、低コスト化を図れ、トナー飛散などもなく、画像品質を向上することができる。
なお、上記実施の形態例においては、粉体としてトナーを例に説明しているが、トナー以外の粉体を搬送するための装置などにも同様に適用することができる。また、搬送電極に印加する駆動信号は3相を例に説明しているが、4相、6相などのn相(nは2以上の正の整数)でもよい。また、搬送基板を円筒状にすることにより、搬送基板からのトナー回収が、小型化が可能になり、利用効率も向上する。
また、本発明は上記実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
10,206,314;現像装置、
11,216,217,330,331,418,507;搬送基板、
12;駆動回路、20;感光体ドラム、21;パスル信号発生回路、
22a〜22c、23a〜23c;波形増幅器、
41;潜像担持体、42;搬送部材、43;現像剤担持体、
44;現像剤収容部、45a,45b;攪拌搬送スクリュ、
46;トナー補給口、47;現像剤層規制部材、
48;第1電圧印加手段、49;第2電圧印加手段、
51;トナー補給ローラ、52;トナー回収手段、53;回収板、
54;振動子、55;回収ローラ、56;ブレード、
57;ブラシローラ、58;フリッカーバー、59;吸引ノズル、
60;吸引ポンプ、61;シール、62;ダクト、63;排出口、
101;支持基板、102;搬送電極、103;表面保護層、
104;共通電極、105;層間絶縁膜、106;コンタクトホール、
107;絶縁層、200,300,400,500;画像形成装置、
402,502;プロセスカートリッジ。
11,216,217,330,331,418,507;搬送基板、
12;駆動回路、20;感光体ドラム、21;パスル信号発生回路、
22a〜22c、23a〜23c;波形増幅器、
41;潜像担持体、42;搬送部材、43;現像剤担持体、
44;現像剤収容部、45a,45b;攪拌搬送スクリュ、
46;トナー補給口、47;現像剤層規制部材、
48;第1電圧印加手段、49;第2電圧印加手段、
51;トナー補給ローラ、52;トナー回収手段、53;回収板、
54;振動子、55;回収ローラ、56;ブレード、
57;ブラシローラ、58;フリッカーバー、59;吸引ノズル、
60;吸引ポンプ、61;シール、62;ダクト、63;排出口、
101;支持基板、102;搬送電極、103;表面保護層、
104;共通電極、105;層間絶縁膜、106;コンタクトホール、
107;絶縁層、200,300,400,500;画像形成装置、
402,502;プロセスカートリッジ。
Claims (10)
- 潜像担持体に対向して配置され、粉体を移動させる進行波電界を発生させるために、所定の間隔で配列された複数の搬送電極を有する搬送部材と、該搬送電極に多相の電圧を印加するための電圧供給手段と、該搬送部材に前記粉体を供給する粉体供給手段と、過剰な前記粉体を回収する回収手段を具備し、前記電圧供給手段により前記搬送電極に多相の電圧を印加して搬送電界を形成し、前記搬送部材において当該搬送電界によって前記潜像担持体と対向する領域に前記粉体を搬送して前記潜像担持体上に前記粉体を付着させて前記潜像担持体上の潜像を現像する現像装置において、
前記搬送電極の電極幅は、電極間隔よりも小さいことを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体に対向して配置され、粉体を移動させる進行波電界を発生させるために、所定の間隔で配列された複数の搬送電極を有する搬送部材と、該搬送電極に多相の電圧を印加するための電圧供給手段と、該搬送部材に前記粉体を供給する粉体供給手段と、過剰な前記粉体を回収する回収手段を具備し、前記電圧供給手段により前記搬送電極に多相の電圧を印加して搬送電界を形成し、前記搬送部材において当該搬送電界によって前記潜像担持体と対向する領域に前記粉体を搬送して前記潜像担持体上に前記粉体を付着させて前記潜像担持体上の潜像を現像する現像装置において、
前記潜像担持体と前記搬送部材が対向する現像領域における前記搬送電極の電極幅は、電極間隔よりも大きいことを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体に対向して配置され、粉体を移動させる進行波電界を発生させるために、所定の間隔で配列された複数の搬送電極を有する搬送部材と、該搬送電極に多相の電圧を印加するための電圧供給手段と、該搬送部材に前記粉体を供給する粉体供給手段と、過剰な前記粉体を回収する回収手段を具備し、前記電圧供給手段により前記搬送電極に多相の電圧を印加して搬送電界を形成し、前記搬送部材において当該搬送電界によって前記潜像担持体と対向する領域に前記粉体を搬送して前記潜像担持体上に前記粉体を付着させて前記潜像担持体上の潜像を現像する現像装置において、
前記粉体供給手段と前記搬送部材が対向する供給領域における前記搬送電極の電極幅は、電極間隔よりも大きいことを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体に対向して配置され、粉体を移動させる進行波電界を発生させるために、所定の間隔で配列された複数の搬送電極を有する搬送部材と、該搬送電極に多相の電圧を印加するための電圧供給手段と、該搬送部材に前記粉体を供給する粉体供給手段と、過剰な前記粉体を回収する回収手段を具備し、前記電圧供給手段により前記搬送電極に多相の電圧を印加して搬送電界を形成し、前記搬送部材において当該搬送電界によって前記潜像担持体と対向する領域に前記粉体を搬送して前記潜像担持体上に前記粉体を付着させて前記潜像担持体上の潜像を現像する現像装置において、
前記回収手段と前記搬送部材が対向する回収領域における前記搬送電極の電極幅は、電極間隔よりも大きいことを特徴とする現像装置。 - 前記粉体供給手段は現像剤を表面に保持し現像剤を搬送する現像剤担持体を有し、該現像剤担持体に電圧を印加する電圧印加手段を有する請求項1〜4のいずれかに記載の現像装置。
- 前記現像領域、前記供給領域及び前記回収領域以外の前記搬送電極に印加する電圧の波高値は、前記現像領域、前記供給領域及び前記回収領域の前記搬送電極に印加する電圧の波高値より大きい請求項2〜4のいずれかに記載の現像装置。
- 前記搬送電極のピッチは、全て同じである請求項1〜6のいずれかに記載の現像装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の現像装置と、電子写真プロセスにおける潜像担持体、帯電手段、クリーニング手段のうちの少なくとも一つと、を少なくとも含み、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 潜像担持体上に粉体を付着させて潜像担持体上の潜像を現像して画像を形成する画像形成装置において、
請求項1〜7のいずれかに記載の現像装置もしくは請求項8記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする画像形成装置。 - カラー画像を形成する画像形成装置において、
請求項8記載のプロセスカートリッジを複数備えていることを特徴とする画像形成装置。
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- 2006-03-10 JP JP2006065216A patent/JP2007241016A/ja active Pending
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