JP2007240159A - 超音波流体計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランスデューサの収納部への凝縮水の浸入によるトランスデューサの浸水を防止する。
【解決手段】上流側トランスデューサケース12a又は下流側トランスデューサケース12bを管軸ALの方向に横断させて隔壁32を形成し、この隔壁32により、測定管1の内部を被験ガスの流路を形成する上部空間Saと、この上部空間Saに対してトランスデューサケース12a,12b内の空間を介して連通する下部空間Sbとに画成する。隔壁32の第3の部分323に、下部空間Sbと隔壁32の下流における流路とを、下部空間Sbよりも断面が小さい排水路32aを介して連通させる。
【選択図】 図2
【解決手段】上流側トランスデューサケース12a又は下流側トランスデューサケース12bを管軸ALの方向に横断させて隔壁32を形成し、この隔壁32により、測定管1の内部を被験ガスの流路を形成する上部空間Saと、この上部空間Saに対してトランスデューサケース12a,12b内の空間を介して連通する下部空間Sbとに画成する。隔壁32の第3の部分323に、下部空間Sbと隔壁32の下流における流路とを、下部空間Sbよりも断面が小さい排水路32aを介して連通させる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、超音波流体計測装置に関し、詳細には、燃料電池システムにおけるガス分析等、被験ガスが水分を含む場合に、この水分が凝縮してできた水がトランスデューサの収納部内に溜まることによるトランスデューサの浸水を防止するための技術に関する。
超音波流体計測装置は、被験ガスの流れ自体に圧力損失等の大きな影響を及ぼすことなく、流量検出等のガス分析を行うことができる装置として知られており、その作動原理は、大方次のようである。すなわち、一対のトランスデューサを流れの方向に前後させて配置し、上流側のトランスデューサから流れに対して順方向に超音波を発射し、これが下流側のトランスデューサにより受信されるまでの第1の伝搬時間を測定するとともに、下流側のトランスデューサから流れに対して逆方向に超音波を発射し、これが上流側のトランスデューサにより受信されるまでの第2の伝搬時間を測定する。測定された第1及び第2の伝搬時間をもとに、被験ガスの流量等を算出する。
超音波流体計測装置は、被験ガスの流れに対する影響が少ないという上記の利点に加え、流路内に検出エレメントが配置される構成でなく、被験ガス中に混在する異物の付着が問題とならないという利点により、燃料電池システムの燃料極供給管において、燃料ガスのガス分析に採用されている。ここで、燃料電池システムに適用される場合等、被験ガスが水分を含む場合は、この水分の検出エレメントへの付着が問題とならない一方、次のことが問題となる。すなわち、この場合は、流路内で被験ガス中の水分が凝縮してできた水が壁面に付着するとともに、この凝縮水が壁面を伝って流れ、トランスデューサの収納部に浸入することで、トランスデューサが浸水し、超音波の的確な送信、伝搬又は受信が妨げられ、ひいては装置を測定不能に至らしめることである。
この問題に対し、トランスデューサの収納部の内周をトランスデューサ自体の外周よりも大径に設定することで、収納部とトランスデューサとの間に隙間を形成し、収納部に浸入した凝縮水をこの隙間に収容しておく方法が知られている(特許文献1)。
特開2001−165725号公報(段落番号0020)
しかしながら、浸入した凝縮水をトランスデューサの収納部内に収容する上記の方法には、次のような問題がある。
すなわち、前掲特許文献1の超音波流体計測装置は、都市ガスのガスメータ等への適用を想定して提案されたものである。このため、配管の接続の切り換え又はガス供給源の交換等による一時的な水分の混入に対し、隙間に溜まった凝縮水を蒸発させるための時間が確保されることから、トランスデューサの浸水防止に関して所要の効果が期待されるものと推察される。これに対し、燃料電池システムに適用する場合は、収納部への凝縮水の浸入が継続的であるとともに(燃料電池システムでは、運転期間全体を通して燃料ガスを飽和状態に加湿するのが一般的である。)、その量も多いことから、運転開始後間もないうちに隙間が凝縮水で満たされ、トランスデューサが浸水することである。収納部の側壁を貫通させて孔を形成し、隙間に溜まった凝縮水をこの孔を介して排出することも考えられるが、孔を介した凝縮水の排出には自ずと限界があるため、凝縮水の発生量が多い場合は、この排出が追い付かず、浸水を確実に回避することができない。また、収納部に孔を形成した場合は、被験ガスがこの孔を介して管内から漏れ出し、これに伴い被験ガスが流路から分流するため、流量等の計測結果に誤差を来す。
すなわち、前掲特許文献1の超音波流体計測装置は、都市ガスのガスメータ等への適用を想定して提案されたものである。このため、配管の接続の切り換え又はガス供給源の交換等による一時的な水分の混入に対し、隙間に溜まった凝縮水を蒸発させるための時間が確保されることから、トランスデューサの浸水防止に関して所要の効果が期待されるものと推察される。これに対し、燃料電池システムに適用する場合は、収納部への凝縮水の浸入が継続的であるとともに(燃料電池システムでは、運転期間全体を通して燃料ガスを飽和状態に加湿するのが一般的である。)、その量も多いことから、運転開始後間もないうちに隙間が凝縮水で満たされ、トランスデューサが浸水することである。収納部の側壁を貫通させて孔を形成し、隙間に溜まった凝縮水をこの孔を介して排出することも考えられるが、孔を介した凝縮水の排出には自ずと限界があるため、凝縮水の発生量が多い場合は、この排出が追い付かず、浸水を確実に回避することができない。また、収納部に孔を形成した場合は、被験ガスがこの孔を介して管内から漏れ出し、これに伴い被験ガスが流路から分流するため、流量等の計測結果に誤差を来す。
本発明は、トランスデューサの収納部への凝縮水の浸入に対し、被験ガスの分流を抑制しつつ、この凝縮水の収納部からの継続的な排出を可能とし、トランスデューサの浸水を防止することを目的とする。
本発明は、超音波流体計測装置を提供する。本発明に係る装置は、被験ガスを流通させる測定管と、この測定管を横断させて設定した超音波伝搬線上に設置され、流れに対して順方向に超音波を発射する第1のトランスデューサと、この超音波伝搬線上で、第1のトランスデューサよりも下流に設置され、流れに対して逆方向に超音波を発射する第2のトランスデューサとを含んで構成される。測定管において、超音波伝搬線を中心として管壁を外方に膨出させて第1のトランスデューサ又は第2のトランスデューサの収納部が形成されるとともに、この収納部を測定管の軸方向に横断させて、測定管の内部を被験ガスの流路を形成する上部空間と、この上部空間と収納部内の空間を介して連通する下部空間とに画成する隔壁が設けられる。この隔壁は、収納部の上流に位置し、測定管の軸方向に関して下部空間を隔壁の上流における流路から隔てる第1の壁部と、この第1の壁部の下流に接続し、超音波伝搬線が通過する流路の断面を形成する第2の壁部と、この第2の壁部の下流に接続し、下部空間と隔壁の下流における流路とを下部空間よりも断面が小さい排水路を介して連通させる第3の壁部とを含んで構成される。
本発明によれば、隔壁により測定管の内部を上部空間と下部空間とに画成するとともに、第3の壁部に下部空間に連通する排水路を形成したので、上部空間(被験ガスの流路を形成する。)からトランスデューサの収納部に浸入した凝縮水を、下部空間及び排水路を介して隔壁の下流における流路に排出し、トランスデューサの浸水を防止することができる。また、排水路の断面を下部空間の断面よりも縮小したことで、この排水路を介する被験ガスの流れが妨げられるので、被験ガスの流路からの分流を抑制し、計測誤差を抑制することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、図2〜11の各図において、紙面に向かって上側が鉛直方向の上方に、下側が鉛直方向の下方に当たるものとする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波流体計測装置(以下、単に「計測装置」という。)101の構成を、測定管1の中心軸(以下「管軸」という。)AL、及び後述する超音波伝搬線TLを含む平面による断面で示している。本実施形態では、計測装置101を自動車の駆動源として採用される燃料電池システムのアノード配管501,502に介装し、燃料電池のアノードに供給される燃料ガスとしての水素ガスの流量Q及び濃度ρを検出する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波流体計測装置(以下、単に「計測装置」という。)101の構成を、測定管1の中心軸(以下「管軸」という。)AL、及び後述する超音波伝搬線TLを含む平面による断面で示している。本実施形態では、計測装置101を自動車の駆動源として採用される燃料電池システムのアノード配管501,502に介装し、燃料電池のアノードに供給される燃料ガスとしての水素ガスの流量Q及び濃度ρを検出する。
計測装置101は、被験ガス(ここでは、水素ガス)を流通させる測定管1を含んで構成され、この測定管1は、管軸ALの方向の各端にフランジ11a,11bが形成され、このフランジ11a,11bにより隣接する管路部材501,502に接続されている。測定管1は、管軸ALとの間に角度θを形成する軸TLを中心として、管軸ALの方向に前後させた2つの箇所で筒状に膨出している。この測定管1の膨出部として形成される一対のトランスデューサケース(「トランスデューサの収納部」に相当する。)12a,12bに、上流側トランスデューサ(「第1のトランスデューサ」に相当する。)2aと、下流側トランスデューサ(「第2のトランスデューサ」に相当する。)2bとが収納されている。トランスデューサ2a,2bに対し、超音波の拡散を抑制するための音響ホーンを付設してもよい。本実施形態では、後述する角度可変機構により、軸TLが水平に設定されている。なお、軸TLは、超音波伝搬線に一致する。
トランスデューサ2a,2bは、計測用超音波Wtを発生させる振動子を含んで構成され、超音波Wtの伝搬時間を測定し、流量Q等を算出する制御ユニット5に接続されている。制御ユニット5は、駆動及び伝搬時間測定部51と、流量演算部52とを含んで構成される。駆動及び伝搬時間測定部51は、トランスデューサ2a,2bに超音波Wtを発射させるための駆動信号を発生するとともに、発射された超音波Wtを受けたトランスデューサから出力された受信信号Wr1,Wr2を入力する。トランスデューサ2a,2bは、制御ユニット5からの駆動信号を受け、超音波伝搬線TLに沿って超音波Wtを発射する。駆動及び伝搬時間測定部51は、入力した受信信号Wr1,Wr2をもとに、超音波Wtが発射されてから受信されるまでの伝搬時間td1,td2を測定する。他方、流量演算部52は、測定された伝搬時間td1,td2をもとに、測定管1を流れる水素ガスの流量Q及び密度(濃度に相当する。)ρを算出する。算出された流量Q等は、図示しないモニターに出力され、表示される。なお、上流側トランスデューサ2aから流れに対して順方向に超音波Wtが発射された場合と、下流側トランスデューサ2bから流れに対して逆方向に超音波Wtが発射された場合とで、超音波Wtの伝搬時間td1,td2に流速Vg又は流量Qに応じた差が生じることから、この差に基づいて流量Q等を算出可能であることは、超音波流体計測装置の測定原理として既に知られたところである。トランスデューサ2a,2bの距離(又は超音波Wtの伝搬距離)をLmとし、被験ガスの流路の断面積をAとし、被験ガスの音速、比熱比、ガス定数及び温度をCg,γ,R,Tとすると、被験ガスの流速Vg、流量Q、密度ρは、下式(1)〜(4)により算出される。なお、tr1,tr2は、超音波Wtの先頭波がトランスデューサに到達した時点から、受信検知時点としてのゼロクロス点までの遅れに相当する時間である。本実施形態では、このゼロクロス点を、受信信号Wrが所定の大きさのレベルを超えた後、最初にゼロレベルを過ぎった時点として検出する。また、本実施形態に関し、断面積Aは、超音波伝搬線TLが横断する部分における流路の断面積であり、後述する下壁32の第2の壁部322によりその底辺が定められる。
Vg={Lm/(2×cosθ)}×{1/(td1−tr1)−1/(td2−tr2)} ・・・(1)
Q=Vg×A×K ・・・(2)
Cg=(Lm/2)×{1/(td1−tr1)+1/(td2−tr2)} ・・・(3)
ρ=γ×R×T/(22.4×Cg2) ・・・(4)
図2は、本実施形態に係る計測装置101の構成を、x−x線(図1)による断面で示している。
Q=Vg×A×K ・・・(2)
Cg=(Lm/2)×{1/(td1−tr1)+1/(td2−tr2)} ・・・(3)
ρ=γ×R×T/(22.4×Cg2) ・・・(4)
図2は、本実施形態に係る計測装置101の構成を、x−x線(図1)による断面で示している。
測定管1は、前後にフランジ11a,11bが設けられた筒状の本体1aを含んで構成され、本体1aの内部には、これとは別体のものとして形成された流路形成部材3が挿入されている。流路形成部材3は、本体1aの内部に設置されて被験ガスの流路を形成するものであり、この設置状態で管軸ALを基準とする一側(すなわち、上方)に位置して流路の上面を形成する上壁31と、他側(すなわち、下方)に位置して流路の底面を形成する下壁32とを含んで構成される。上壁31は、本体1aと一体となって流路の上面を形成する。他方、下壁32は、本発明の「隔壁」に相当するものであり、本体1aの内部を上下の2室(すなわち、上部空間Sa及び下部空間Sb)に画成する。下壁32の上方に形成される上部空間Saが被験ガスの流路となる。流路を形成する上壁31及び下壁32の各内面は、管軸ALを基準として線対称に形成されており、測定管1の入口から出口にかけて流路を縮小し、更に拡大させている。これらの内面は、管路部材501,502の内面に対して滑らかに接続されている。なお、上壁31と下壁32とは、側壁33(図4)により連結され、単一の流路形成部材3として形成されている。
本実施形態では、下壁32は、上流側及び下流側の各トランスデューサケース12a,12b(詳しくは、被験ガスの流路とトランスデューサケース内の空間とを接続する端部開口121a,121b)を管軸ALの方向に横断させて形成されており、3つの部分(すなわち、第1の壁部321、第2の壁部322及び第3の壁部323)を含んで構成される。
第1の壁部321は、上流側トランスデューサケース12a(図2には、端部開口121aを二点鎖線で示す。)の上流に位置して、測定管1の入口から次の第2の壁部322に亘り被験ガスの流路を徐々に縮小させる。
第2の壁部322は、第1の壁部321の下流に接続して、上壁31との間に断面が一定の流路を形成する。第2の壁部322は、上流側トランスデューサケース12a及び下流側トランスデューサケース12bの各端部開口121a,121bを横断させるとともに、各トランスデューサケース12a,12bの間を延伸させて設けられている。このため、この第2の壁部322が形成する部分で超音波伝搬線TLが流路を横断する。
第2の壁部322は、第1の壁部321の下流に接続して、上壁31との間に断面が一定の流路を形成する。第2の壁部322は、上流側トランスデューサケース12a及び下流側トランスデューサケース12bの各端部開口121a,121bを横断させるとともに、各トランスデューサケース12a,12bの間を延伸させて設けられている。このため、この第2の壁部322が形成する部分で超音波伝搬線TLが流路を横断する。
第3の壁部323は、第2の壁部322の下流に接続して、第2の壁部322から測定管1の出口に亘り被験ガスの流路を徐々に拡大させる。なお、流路を形成する第1、第2及び第3の壁部321〜323の各内面は、滑らかに接続され、全体としての流線形状が付されている。
また、下壁32には、第1及び第3の壁部321,323と第2の壁部322との間で外面に段差が設けられており、この外面が第2の壁部322の部分で窪ませて形成され、下壁32と本体1aとの間に下部空間Sbが形成されている。下部空間Sbは、管軸ALを基準とした径方向に関して第2の壁部322により上部空間Saと隔てられるとともに、管軸ALの方向に関して第1及び第3の壁部321,323により下壁32の上流又は下流における流路から隔てられている。第2の壁部322を各トランスデューサケース12a,12bの端部開口121a,121bを横断させて形成したことで、下部空間Sbは、上部空間Saに対し、トランスデューサケース12a,12b内の空間を介して連通している。
また、下壁32には、第1及び第3の壁部321,323と第2の壁部322との間で外面に段差が設けられており、この外面が第2の壁部322の部分で窪ませて形成され、下壁32と本体1aとの間に下部空間Sbが形成されている。下部空間Sbは、管軸ALを基準とした径方向に関して第2の壁部322により上部空間Saと隔てられるとともに、管軸ALの方向に関して第1及び第3の壁部321,323により下壁32の上流又は下流における流路から隔てられている。第2の壁部322を各トランスデューサケース12a,12bの端部開口121a,121bを横断させて形成したことで、下部空間Sbは、上部空間Saに対し、トランスデューサケース12a,12b内の空間を介して連通している。
更に、下壁32には、第3の壁部323の部分で外面に溝32aが形成されている。溝32aは、本体1aとの間に本発明の「排水路」を形成するものであり、管軸ALの方向に延伸させて形成され、下部空間Sbと下壁32の下流における流路(以下「下流側流路」という。)とを連通させる。溝32aは、1つに限らず、複数設けられてもよいが、排水路全体としての断面を下部空間Sbのものよりも小さく設定する。本実施形態では、下部空間Sb及び排水路32aの各底面を本体1aの内面により1つの面内で形成している。
図3は、本実施形態に係る計測装置101の構成を、y−y線(図1)による断面で示している。
測定管1において、本体1aの内部が下壁32により上部空間Saと下部空間Sbとに画成されるとともに、下部空間Sbの下流に、下部空間Sbよりも断面が小さい排水路32aが接続している。本実施形態では、下部空間Sb及び排水路32aを壁部324により超音波伝搬線TLの方向に隔てることで、これらの空間Sb,32aを介した超音波Wtの伝搬を遮断している。本体1aの内部とトランスデューサケース12a,12b内の空間とは、トランスデューサケース12a,12bの端部開口121a,121bで接続しており、上部空間Saと下部空間Sbとは、トランスデューサケース12a,12b内の空間を介して連通している。本実施形態では、トランスデューサケースを本体13及びキャップ14a,14bを含んで構成し、筒状の本体13にトランスデューサ2a,2bを保持させたキャップ14a,14bを固定することで、トランスデューサケース12a,12bを構成している。キャップ14a,14bの内周を本体13の内周よりも小径に設定することで、トランスデューサ2a,2bが保持される空間の底面と、下部空間Sbの底面との間に段差122a,122bを形成している。なお、図2には、トランスデューサケース12aの端部開口121aへのトランスデューサ2aの投影仮想面を、二点鎖線2a’で示している。
測定管1において、本体1aの内部が下壁32により上部空間Saと下部空間Sbとに画成されるとともに、下部空間Sbの下流に、下部空間Sbよりも断面が小さい排水路32aが接続している。本実施形態では、下部空間Sb及び排水路32aを壁部324により超音波伝搬線TLの方向に隔てることで、これらの空間Sb,32aを介した超音波Wtの伝搬を遮断している。本体1aの内部とトランスデューサケース12a,12b内の空間とは、トランスデューサケース12a,12bの端部開口121a,121bで接続しており、上部空間Saと下部空間Sbとは、トランスデューサケース12a,12b内の空間を介して連通している。本実施形態では、トランスデューサケースを本体13及びキャップ14a,14bを含んで構成し、筒状の本体13にトランスデューサ2a,2bを保持させたキャップ14a,14bを固定することで、トランスデューサケース12a,12bを構成している。キャップ14a,14bの内周を本体13の内周よりも小径に設定することで、トランスデューサ2a,2bが保持される空間の底面と、下部空間Sbの底面との間に段差122a,122bを形成している。なお、図2には、トランスデューサケース12aの端部開口121aへのトランスデューサ2aの投影仮想面を、二点鎖線2a’で示している。
図4は、測定管1の本体1a及び流路形成部材3の構成を、管軸ALに垂直な平面による断面で拡大して示している。
流路形成部材3の下壁32は、この断面で略T字に形成されている。下壁32の内面により上部空間Saが、下壁32の外面により下部空間Sbが形成されるとともに、下壁32の壁部324により下部空間Sbが2つに隔てられている。本実施形態では、下壁32の側縁において、上部空間Saを形成する第2の壁部322の内面に段差325a,325bを形成し、この内面の管軸ALに対する距離dをこの側縁の部分で狭め、この内面を側縁を除く部分で低位に形成している。また、下壁32において、下部空間Sbを形成する第2の壁部322の外面のうち、管軸ALに近い内側の部分322aと、これよりも遠い外側の部分322bとで、管軸ALを含む鉛直平面に対する傾斜を異ならせ、各部分322a,322bの管軸ALに対する距離を定める直線(図4には、この直線を二点鎖線で示す。)l1,l2を交差させている。
流路形成部材3の下壁32は、この断面で略T字に形成されている。下壁32の内面により上部空間Saが、下壁32の外面により下部空間Sbが形成されるとともに、下壁32の壁部324により下部空間Sbが2つに隔てられている。本実施形態では、下壁32の側縁において、上部空間Saを形成する第2の壁部322の内面に段差325a,325bを形成し、この内面の管軸ALに対する距離dをこの側縁の部分で狭め、この内面を側縁を除く部分で低位に形成している。また、下壁32において、下部空間Sbを形成する第2の壁部322の外面のうち、管軸ALに近い内側の部分322aと、これよりも遠い外側の部分322bとで、管軸ALを含む鉛直平面に対する傾斜を異ならせ、各部分322a,322bの管軸ALに対する距離を定める直線(図4には、この直線を二点鎖線で示す。)l1,l2を交差させている。
本実施形態では、測定管1を水平(図2には、水平平面を一点鎖線HLで示す。)に対して傾斜させ、測定管1の出口を入口よりも低位に位置させている。トランスデューサケース12a,12bが管軸ALの方向に前後にずらして形成されているため、この測定管1の傾斜によりトランスデューサケース12a,12bの間に高低差が生じ、特に低位に位置することとなる下流側トランスデューサケース12b内からの水の排出が妨げられる。このため、測定管1の本体1aと流路形成部材3との間に、流路形成部材3の取付角度可変機構(以下、単に「角度可変機構」という。)を介装し、測定管1の傾斜による水の排出阻害の問題を解消する。
図5は、角度可変機構により測定管1の本体1aに対する流路形成部材3の相対角度を調節したものを、傾斜前の状態で示している。なお、本体1aと流路形成部材3との関係を明確にするため、トランスデューサケース12a,12b及びトランスデューサ2a,2bを二点鎖線で示している。
本実施形態では、測定管1を傾斜させた状態で第2の壁部322の上面を水平に位置させる。この傾斜後の状態でトランスデューサケース12a,12bの間に高低差が生じるのを回避するため、流路形成部材3を本体1aに対して管軸ALを基準とした周方向にずらして設置する。本実施形態では、下流側トランスデューサケース12bが低位に位置するのを回避するため、下流側トランスデューサ12bを傾斜前の状態で管軸ALを含む水平平面HLよりも相対的に高位に位置させる。なお、これに伴い、上流側トランスデューサケース12aは、水平平面HLよりも相対的に低位に位置することとなる。
本実施形態では、測定管1を傾斜させた状態で第2の壁部322の上面を水平に位置させる。この傾斜後の状態でトランスデューサケース12a,12bの間に高低差が生じるのを回避するため、流路形成部材3を本体1aに対して管軸ALを基準とした周方向にずらして設置する。本実施形態では、下流側トランスデューサケース12bが低位に位置するのを回避するため、下流側トランスデューサ12bを傾斜前の状態で管軸ALを含む水平平面HLよりも相対的に高位に位置させる。なお、これに伴い、上流側トランスデューサケース12aは、水平平面HLよりも相対的に低位に位置することとなる。
図6は、本実施形態に係る角度可変機構の構成を管軸ALに垂直な平面による断面で示している。
本実施形態では、角度可変機構として、測定管1の本体1a及び流路形成部材3(ここでは、上壁31)にキー溝1h1〜1h3,3h1〜3h3を形成している。キーが挿入されるキー溝の組み合わせを、これらの1h1〜1h3,3h1〜3h3のうちから測定管1の傾斜角度に応じて選択するものである。キー溝の間隔を本体1a側のもの1h1〜1h3と、流路形成部材3側のもの3h1〜3h3とで異ならせ、前者のものを大きな値に設定している。本体1a側のキー溝1h1〜1h3の間隔を流路形成部材3側のキー溝3h1〜3h3のものよりもa°だけ大きな値に設定することで、中間のキー溝1h2,3h2にキーを挿入した状態を基準として±a°で相対角度を調節することができる。
本実施形態では、角度可変機構として、測定管1の本体1a及び流路形成部材3(ここでは、上壁31)にキー溝1h1〜1h3,3h1〜3h3を形成している。キーが挿入されるキー溝の組み合わせを、これらの1h1〜1h3,3h1〜3h3のうちから測定管1の傾斜角度に応じて選択するものである。キー溝の間隔を本体1a側のもの1h1〜1h3と、流路形成部材3側のもの3h1〜3h3とで異ならせ、前者のものを大きな値に設定している。本体1a側のキー溝1h1〜1h3の間隔を流路形成部材3側のキー溝3h1〜3h3のものよりもa°だけ大きな値に設定することで、中間のキー溝1h2,3h2にキーを挿入した状態を基準として±a°で相対角度を調節することができる。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
燃料電池システムでは、燃料ガスである水素ガスに、発電効率の維持及び電解質膜の保護のために水蒸気が添加される。この水蒸気は、燃料電池システムの運転期間全体を通して飽和状態で添加されるのが一般的である。このため、実際の運転において、水素ガスが上流の燃料極供給管501の管壁等により冷却されることで、これに含まれる水蒸気が凝縮し、発生した水が壁面に付着する。付着した水は、水素ガスの流れにより壁面に沿って押し流され、測定管1内で流路から逸れ、トランスデューサケース12a,12bに浸入する。燃料電池システムでは、水素ガスに添加される水蒸気の量が多いことから、壁面に沿って浸入する壁流水以外に、凝縮して発生した水が液滴となって形成される飛沫水も存在する。この飛沫水は、壁面に付着せず、水素ガスの流れに乗ってトランスデューサケース12a,12bに浸入し、トランスデューサケース12a,12bの内面に付着する。
燃料電池システムでは、燃料ガスである水素ガスに、発電効率の維持及び電解質膜の保護のために水蒸気が添加される。この水蒸気は、燃料電池システムの運転期間全体を通して飽和状態で添加されるのが一般的である。このため、実際の運転において、水素ガスが上流の燃料極供給管501の管壁等により冷却されることで、これに含まれる水蒸気が凝縮し、発生した水が壁面に付着する。付着した水は、水素ガスの流れにより壁面に沿って押し流され、測定管1内で流路から逸れ、トランスデューサケース12a,12bに浸入する。燃料電池システムでは、水素ガスに添加される水蒸気の量が多いことから、壁面に沿って浸入する壁流水以外に、凝縮して発生した水が液滴となって形成される飛沫水も存在する。この飛沫水は、壁面に付着せず、水素ガスの流れに乗ってトランスデューサケース12a,12bに浸入し、トランスデューサケース12a,12bの内面に付着する。
本実施形態では、測定管1の本体1aの内部を下壁32により上部空間Saと下部空間Sbとに画成するとともに、第3の壁部323に下部空間Sbと下流側流路とを連通させる排水路32aを形成したので、被験ガスの流路(すなわち、上部空間Sa)からトランスデューサケース12a,12bに浸入した水を、下部空間Sb及び排水路32aを介して測定管1から排出し、トランスデューサ2a,2bの浸水を回避し、計測装置101の正常な作動状態を維持することができる。この排水路32a等を介する水の排出は、排水路32a内で詰まりが生じない限り継続して行われるものであるので、燃料電池システムにおける適用等、トランスデューサケース12a,12bに浸入する水の量が多い場合でも、トランスデューサ2a,2bの浸水を確実に回避することができる。また、排水路32aの断面を下部空間Sbの断面よりも縮小したことで、この排水路32aを介する被験ガス(すなわち、水素ガス)の流れが妨げられるので、流路からの被験ガスの分流を抑制し、計測誤差を抑制することができる。トランスデューサケース2a,2bに浸入した水が下部空間Sbに貯留する場合は、貯留した水により排水路32aを介する被験ガスの流れが遮断されるので、分流の発生自体を回避することができる。また、下部空間Sbに水が貯留することで、排水路32aを介する水の流れに勢いが付くため、測定管1からの水の排出が円滑なものとなる。なお、本実施形態では、上壁31及び下壁32により被験ガスの流路を縮小させるとともに、下壁32により、測定管1内で燃料極供給管501内におけるよりも流路の底面を高位に形成したことで、流速の上昇も相俟って下壁32上で壁流水が薄い膜状に延ばされる効果が得られ、壁面への水の付着による実質的な流路断面積の減少を抑制することができる。なお、図2には、下部空間Sbに貯留した水の表面を直線Lwで示す。
また、下部空間Sbの底面とトランスデューサケース12a,12b内の空間の底面(キャップ14a,14bの内面により形成される。)との間に段差122a,122bを形成したので、下部空間Sbに水が貯留する場合でも、トランスデューサ2a,2bの浸水を回避することができる。
更に、被験ガスの流路を形成する上壁31及び下壁32の内面に流線形状を付し、これらの内面を燃料極供給管501,502の内面に対して滑らか接続したので、測定管1内における流れの乱れを抑制し、高い計測精度を実現することができる。
更に、被験ガスの流路を形成する上壁31及び下壁32の内面に流線形状を付し、これらの内面を燃料極供給管501,502の内面に対して滑らか接続したので、測定管1内における流れの乱れを抑制し、高い計測精度を実現することができる。
更に、第2の壁部322の内面に段差325a,325bを形成したので、壁流水をこの段差325a,325bにより案内して、第2の壁部322の内面に沿わせて測定管1から排出することができる。このため、壁流水をトランスデューサケース12a,12bへの浸入を抑制しつつ排出することができ、多量の飛沫水が生じた場合に下部空間Sbが水(すなわち、飛沫水及び壁流水)で満たされるのを回避し、トランスデューサ2a,2bの浸水を回避することができる。
更に、第2の壁部322の外面において、内側の部分322aと外側の部分322bとで鉛直平面に対する傾斜を異ならせ、特に外側の部分322bの傾斜を急に設定したことで、第2の壁部322の側縁を乗り越えた壁流水を速やかに排水路32aに案内し、排水性を向上させることができる。なお、これとは逆に、外側の部分322bの傾斜を緩く設定した場合は、下部空間Sbの容積を大きくとることができる。
更に、測定管1の本体1aと流路形成部材3との間に角度可変機構を介装したので、測定管1を傾斜させた場合に生じるトランスデューサケース12a,12bの間の高低差を解消し、いずれのトランスデューサケース12a,12bからも水を円滑に排出することができる。
図7は、本実施形態に係る第2の壁部322の変更例を示している。
図7は、本実施形態に係る第2の壁部322の変更例を示している。
この変更例では、先の例と同様に第2の壁部322が管軸ALに垂直な断面で略T字に形成されているが、上部空間Saを形成する第2の壁部322の内面が中央の部分で平坦でなく、V字に形成されている。この断面V字の第2の壁部322によっても、壁流水を内面に沿わせて案内するという本実施形態による効果を得ることができる。
以下、本発明の他の実施形態について、第1の実施形態に対する特徴を説明する。なお、第1の実施形態におけると同様の機能を持たせる部分又は部品には、図2に示すものと同一の符合を付す。
以下、本発明の他の実施形態について、第1の実施形態に対する特徴を説明する。なお、第1の実施形態におけると同様の機能を持たせる部分又は部品には、図2に示すものと同一の符合を付す。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る計測装置201の構成を示している。
本実施形態では、下壁32の第1の壁部321の外面に、管軸ALの方向に延伸させて溝32bを形成し、この溝32bにより下部空間Sbと下壁32の上流における流路(以下「上流側流路」という。)とを連通させる導水路を形成している。下壁32により堰き止められた壁流水を、導水路32bを介して下部空間Sbに流入させるとともに、下部空間Sbを介して排水路32aに導き、排出することができる。燃料極供給管501内で生じた壁流水は、重力の作用により管内の底部に集中して流れ、下壁32によりその先端で堰き止められるため、導水路32bは、測定管1内の底部の位置に設け、第1の壁部321の先端で開口させるのが好ましい。導水路32bは、溝により形成するばかりでなく、第1の壁部321を貫通する孔により形成してもよく、また、導水路32bを形成する溝等は、下壁32に形成するばかりでなく、測定管1の本体1aに形成してもよい。なお、導水路32bの断面を微小に設定するとともに、上流側流路に対して燃料極供給管501の内面に近い位置で開口させることで、導水路32bへの被験ガスの流入を抑制し、計測誤差を抑制することができる。
本実施形態では、下壁32の第1の壁部321の外面に、管軸ALの方向に延伸させて溝32bを形成し、この溝32bにより下部空間Sbと下壁32の上流における流路(以下「上流側流路」という。)とを連通させる導水路を形成している。下壁32により堰き止められた壁流水を、導水路32bを介して下部空間Sbに流入させるとともに、下部空間Sbを介して排水路32aに導き、排出することができる。燃料極供給管501内で生じた壁流水は、重力の作用により管内の底部に集中して流れ、下壁32によりその先端で堰き止められるため、導水路32bは、測定管1内の底部の位置に設け、第1の壁部321の先端で開口させるのが好ましい。導水路32bは、溝により形成するばかりでなく、第1の壁部321を貫通する孔により形成してもよく、また、導水路32bを形成する溝等は、下壁32に形成するばかりでなく、測定管1の本体1aに形成してもよい。なお、導水路32bの断面を微小に設定するとともに、上流側流路に対して燃料極供給管501の内面に近い位置で開口させることで、導水路32bへの被験ガスの流入を抑制し、計測誤差を抑制することができる。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る計測装置301の構成を示している。
本実施形態では、測定管1の本体1aの底部内面に下部空間Sb全体に亘る窪みを形成し、管軸ALを含む鉛直平面による断面(図9)において、下部空間Sbの底面を管軸ALに対して傾斜させている。排水路32aの底面を管軸ALに平行に形成する一方、下部空間Sbの底面を管軸ALに対して傾斜させることで、測定管1を傾斜させた状態で下部空間Sbの底面を水平に設定しつつ、排水路32aの底面を傾斜させることができ、排水性を損なうことなく、下部空間Sbに貯え得る水の量を増大させることができる。
本実施形態では、測定管1の本体1aの底部内面に下部空間Sb全体に亘る窪みを形成し、管軸ALを含む鉛直平面による断面(図9)において、下部空間Sbの底面を管軸ALに対して傾斜させている。排水路32aの底面を管軸ALに平行に形成する一方、下部空間Sbの底面を管軸ALに対して傾斜させることで、測定管1を傾斜させた状態で下部空間Sbの底面を水平に設定しつつ、排水路32aの底面を傾斜させることができ、排水性を損なうことなく、下部空間Sbに貯え得る水の量を増大させることができる。
図10は、本発明の第4の実施形態に係る計測装置401の構成を示している。
本実施形態では、排水路32aを形成する第3の壁部323の外面に窪み32cを形成し、排水路32aの一部を鉛直方向で上方に拡大させている。トランスデューサケース12a,12bに浸入する水がないか、あるいはその量が少なく、排水路32aを介する水の排出が実質的に停止した場合に、排水路32a内に残された水が表面張力の作用によりこの排水路32aの拡大部32cに保持されることで、排水路32aを介する被験ガスの流れを遮断し、流路からの分流を抑制することができる。なお、本実施形態では、窪み32cが「ガス流通制限手段」を構成する。
本実施形態では、排水路32aを形成する第3の壁部323の外面に窪み32cを形成し、排水路32aの一部を鉛直方向で上方に拡大させている。トランスデューサケース12a,12bに浸入する水がないか、あるいはその量が少なく、排水路32aを介する水の排出が実質的に停止した場合に、排水路32a内に残された水が表面張力の作用によりこの排水路32aの拡大部32cに保持されることで、排水路32aを介する被験ガスの流れを遮断し、流路からの分流を抑制することができる。なお、本実施形態では、窪み32cが「ガス流通制限手段」を構成する。
図11は、本実施形態に係るガス流通制限手段の変更例を示している。
図11(a)に示す第1の変更例では、排水路32aに弁351を設置し、排水路32aを介する水の排出量に応じてこの弁351を作動させることで、水の排出が停止した場合の被験ガスの流れを遮断する。弁351は、温度に応じて形状が変化する性質を持たせた形状記憶合金部材(たとえば、バイメタル)により構成され、第3の壁部323に固定されて、排水量に応じて第3の壁部323の外面に対する角度が変化する。第1の変更例は、排水量が少ないときが低温作動時であるという燃料電池システムの特性に着目したものであり、排水量が少ないときは、弁351が排水路32aに張り出して被験ガスの流れを遮断する一方、排水量が多いとき(すなわち、燃料電池システムの高温作動時)は、弁351が第3の壁部323の外面に形成された窪みに引き込むことで、排出される水の自由な流通が保証される。この例では、弁351が「ガス流通制限手段」を構成する。
図11(a)に示す第1の変更例では、排水路32aに弁351を設置し、排水路32aを介する水の排出量に応じてこの弁351を作動させることで、水の排出が停止した場合の被験ガスの流れを遮断する。弁351は、温度に応じて形状が変化する性質を持たせた形状記憶合金部材(たとえば、バイメタル)により構成され、第3の壁部323に固定されて、排水量に応じて第3の壁部323の外面に対する角度が変化する。第1の変更例は、排水量が少ないときが低温作動時であるという燃料電池システムの特性に着目したものであり、排水量が少ないときは、弁351が排水路32aに張り出して被験ガスの流れを遮断する一方、排水量が多いとき(すなわち、燃料電池システムの高温作動時)は、弁351が第3の壁部323の外面に形成された窪みに引き込むことで、排出される水の自由な流通が保証される。この例では、弁351が「ガス流通制限手段」を構成する。
図11(b)に示す第2の変更例では、排水路32aをU字に屈曲させて形成し、排水路32aのうち、このU字の部分32dに水を保持することで、水の排出が停止した場合の被験ガスの流れを遮断する。なお、U字の部分32dを下部空間Sbよりも低位に形成することで、排水性を確保することができる。この例では、U字の部分32dが「ガス流通制限手段」を構成する。
図11(c)に示す第3の変更例では、第3の壁部323の外面に窪み32eを形成し、この窪み32eに排水路32aよりも断面が大きく、かつ水よりも比重が小さい球状のフロート352を納めることで、水の排出が停止した場合にこのフロート352により下流の排水路32aを塞ぎ、被験ガスの流れを遮断する。フロート352の比重が水よりも小さいことで、排水量が多く、排水路32aが水で満たされた場合は、フロート352が浮き上がり、排水路32aの閉塞が解除される。この例では、窪み32e及びフロート352が「ガス流通制限手段」を構成する。
以上では、超音波伝搬線TLを直線状に設定し、一対のトランスデューサ2a,2bを、管軸ALを基準とした測定管1の各側に配置したZ型レイアウト(又は透過型)のものについて説明した。しかしながら、本発明は、このレイアウトのものに限らず、超音波伝搬線TLを測定管1の壁面上で屈曲させて設定することで、双方のトランスデューサを測定管1の片側のみに配置したV型レイアウト(又は反射型)のものに適用することもできる。
101,201,301,401…超音波流体計測装置、1…測定管、1a…測定管の本体、11…フランジ、12…トランスデューサケース、13…トランスデューサケースの本体、14…キャップ、2…トランスデューサ、3…流路形成部材、31…上壁、32…「隔壁」としての下壁、32a…排水路、321…第1の壁部、322…第2の壁部、323…第3の壁部、325…第2の壁部の段差、33…側壁、5…制御ユニット、51…駆動及び伝搬時間測定部、52…流量演算部、501,502…燃料電池システムのアノード配管、AL…測定管の中心軸、TL…超音波伝搬線、Sa…上部空間、Sb…下部空間、1h1〜1h3,3h1〜3h3…キー溝。
Claims (15)
- 被験ガスを流通させる測定管と、
この測定管を横断させて設定した超音波伝搬線上に設置され、流れに対して順方向に超音波を発射する第1のトランスデューサと、
この超音波伝搬線上で、第1のトランスデューサよりも下流に設置され、流れに対して逆方向に超音波を発射する第2のトランスデューサと、を含んで構成され、
前記測定管において、前記超音波伝搬線を中心として管壁を外方に膨出させて前記第1のトランスデューサ又は前記第2のトランスデューサの収納部が形成されるとともに、この収納部を測定管の軸方向に横断させて、測定管の内部を被験ガスの流路を形成する上部空間と、この上部空間と前記収納部内の空間を介して連通する下部空間とに画成する隔壁が設けられ、
この隔壁は、
前記収納部の上流に位置し、測定管の軸方向に関して前記下部空間をこの隔壁の上流における流路から隔てる第1の壁部と、
この第1の壁部の下流に接続し、前記超音波伝搬線が通過する流路の断面を形成する第2の壁部と、
この第2の壁部の下流に接続し、前記下部空間とこの隔壁の下流における流路とを前記下部空間よりも断面が小さい排水路を介して連通させる第3の壁部と、を含んで構成される超音波流体計測装置。 - 前記測定管の中心軸と前記下部空間を形成する底面との距離が、この中心軸と前記収納部内の空間を形成する底面との距離よりも大きな値に設定された請求項1に記載の超音波流体計測装置。
- 前記上部空間を形成する前記第1及び第3の壁部の表面が、前記隔壁の上流又は下流における管壁の内面に対して滑らかに接続された請求項1又は2に記載の超音波流体計測装置。
- 前記測定管において、前記上部空間を形成する管壁の内面が、前記上部空間を形成する前記隔壁の表面に対し、測定管の中心軸を基準として線対称に形成された請求項3に記載の超音波流体計測装置。
- 前記排水路を介する水の排出量の減少により、この排水路を介するガスの流通を制限するガス流通制限手段を更に含んで構成される請求項1〜4のいずれかに記載の超音波流体計測装置。
- 前記ガス流通制限手段は、前記排水路を介する水の排出を妨げ、前記排水路内に貯留した水により前記排水路を閉塞させるものである請求項5に記載の超音波流体計測装置。
- 前記ガス流通制限手段は、前記第3の壁部に固定され、温度に応じて前記排水路を形成するこの第3の壁部の表面に対する角度が変化する形状記憶合金を含んで構成される請求項6に記載の超音波流体計測装置。
- 前記測定管において、前記排水路がこの超音波流体計測装置の設置状態下でU字に屈曲させて形成され、
前記ガス流通制限手段は、前記排水路のうち、このU字の部分を含んで構成される請求項6に記載の超音波流体計測装置。 - 前記排水路を形成する前記第3の壁部の表面に窪みが形成され、
前記ガス流通制限手段は、この窪みに納められた、前記排水路よりも断面が大きく、かつ水よりも比重が軽いフロートを含んで構成される請求項6に記載の超音波流体計測装置。 - 前記第2の壁部の側縁に、前記上部空間を形成するこの第2の壁部の表面と前記測定管の中心軸との距離を狭める段差が形成された請求項1〜9のいずれかに記載の超音波流体計測装置。
- 前記上部空間を形成する前記第2の壁部の表面が、前記測定管の中心軸に垂直な平面による断面でV字に形成された請求項1〜10のいずれかに記載の超音波流体計測装置。
- 前記測定管の中心軸に垂直な平面による断面において、前記下部空間を形成する前記第2の壁部の表面のうち、前記測定管の中心軸に近い第1の部分と、これよりも遠い第2の部分とで、前記測定管の中心軸からの各部分の距離を定める直線を交差させた請求項1〜11のいずれかに記載の超音波流体計測装置。
- 前記隔壁が前記測定管の本体とは別体の部材として形成され、
前記隔壁と前記測定管の本体との間に介在し、この本体に対する前記隔壁の、前記測定管の中心軸を基準とする周方向の相対位置を調節する手段を更に含んで構成される請求項1〜12のいずれかに記載の超音波流体計測装置。 - 前記第1の壁部において、前記下部空間と前記隔壁の上流における流路とを連通させる導水路が形成された請求項1〜13のいずれかに記載の超音波流体計測装置。
- 前記下部空間を形成する底面が、前記測定管の中心軸に平行な平面による断面で、この中心軸に対して傾斜させて形成された請求項1〜14のいずれかに記載の超音波流体計測装置。
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WO2022024821A1 (ja) * | 2020-07-30 | 2022-02-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 物理量計測装置 |
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