JP2007239529A - 失火正常判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常検出に依存することなく正常検出を行うことが可能な失火正常判定装置及び失火正常判定方法を提供する。
【解決手段】複数の気筒を備えた内燃機関の各気筒に対する失火の有無を判定する失火判定手段51を備えてなる内燃機関の失火正常判定装置50であって、前記失火判定手段51は、互いに異なる複数の失火検出手段52を備え、各失火検出手段52による判定出力に基づいて正常と判定するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の気筒を備えた内燃機関の各気筒に対する失火の有無を判定する失火判定手段を備えてなる内燃機関の失火正常判定装置に関する。
内燃機関においては、燃焼室内の温度異常や供給燃料の着火性不適切等の原因により燃焼室内の混合気が燃焼しない現象、所謂失火が発生することがある。失火が発生すると、内燃機関の回転速度の低下や不完全燃焼ガスの排出等といった虞が生じるため、速やかに運転者等に報知して点検や修理等を受けてもらうといった措置を講ずる必要がある。そのため、通常は、車両に搭載された電子制御装置(ECU)等が内燃機関の稼動中には失火発生の有無を常時モニタしており、失火が発生すると運転者に報知するといった失火検出が行われている。
上述の失火検出については様々な方法が提案されており、例えば、内燃機関の振動を検出するノックセンサを利用した方法として、特許文献1には、前記ノックセンサの出力から不要成分と高周波成分を取り除いた上でA/D変換を行ってデジタル信号を出力し、前記内燃機関に備えられた気筒が点火している期間における前記デジタル信号の最大値と最小値の差分を所定の判定基準値と比較することで失火の判定を行う方法が提案されている。
また、クランクシャフトの回転角であるクランク角と、内燃機関の燃焼によって発生するイオン電流を利用した方法として、例えば、特許文献2には、前記内燃機関に備えられた各気筒内で、所定のクランク角度区間において発生するイオン電流を、所定周期毎に検出して、得られたイオン電流値から所定期間内に検出されたイオン電流を無効として、それ以外の期間に検出されたイオン電流を有効とする分類を行ってから、有効と分類されたイオン電流を予め設定した失火判定レベルと比較して失火の判定を行う方法も提案されている。
特開平5−26095号公報 特開2003−184637号公報
通常、車両に搭載される各種の電子制御装置には、主要なエレメントの異常を検出する自己診断装置が内蔵されており、前記自己診断装置により何らかの異常が検出されると、電子制御装置に備えられた記憶手段にダイアグコード(故障番号)が記憶されるように構成されている。
車両に何らかの異常が発生すると、サービスエンジニアはこのようなダイアグコードをハンディターミナルの一種であるダイアグチェッカを介して読み取ることにより適切に修理することができるのであるが、異常診断装置が正常に作動していないときには、本来検出されるべき異常が検出されないため、ダイアグコードに基づけば正常と判断されるようになる。
そこで、異常診断装置による異常診断が適切に作動しているか否かを識別するためのレディネスコードが設けられ、各種の異常診断装置が作動すると該当する診断に対応して前記記憶手段にレディネスコードがセットされるように構成されている。これによりサービスエンジニアは適正に異常診断装置が作動しているか否かを判断することができるようになる。つまり、レディネスコードがセットされている異常診断に関するダイアグコードがセットされていないときに、対応するエレメントが正常に作動していると判断できるようになるのである。
しかし、上述した従来の失火検出方法は何れも失火が発生したという異常を検出するものであり、異常が発生して初めてレディネスコードがセットされるものであり、失火が発生しない正常な状態であると積極的に判定するものではなかったために、異常判定がなされるまでレディネスコードがセットされないという不都合があった。
そこで、従来の失火検出方法を用いて異常と検出されないときに積極的に正常と判定するように構成することも考えられるが、誤判定を避けるために異常判定するための厳しい判定基準が設定されているため、その判定基準を満たさない場合に全て正常と判定すると、正常ではないが異常とも判定されない曖昧な状態も一律に正常判定されることになり、判定の信頼性が低下するという問題がある。
本発明の目的は、上述の問題点に鑑み、正確且つ迅速に正常判定することのできる失火正常判定装置及び失火正常判定方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による失火正常判定装置の第一の特徴構成は、複数の気筒を備えた内燃機関の各気筒に対する失火の有無を判定する失火判定手段を備えてなる内燃機関の失火正常判定装置であって、前記失火判定手段は、互いに異なる複数の失火検出手段を備え、各失火検出手段による判定出力に基づいて正常と判定するように構成されている点にある。
上述の構成によれば、複数の失火検出手段によりなされた判定出力に基づいて正常であるとの判定を行なうので、精度の良い正確な正常判定を行なうことが可能となるのである。
同第二の特徴構成は、上述の第一特徴構成に加えて、前記失火検出手段は、気筒毎に点火時期の前後における所定クランク角度間のクランク時間を検出して、その差分が所定値以上のときに対応する気筒が正常であると判定するクランク角判定手段を備えてなる点にある。
上述の構成によれば、正常に点火が行われた場合には、燃焼によるトルクが発生することによって点火後のクランク時間が短くなり、点火前のクランク時間と点火後のクランク時間の差分が大きくなる。一方、失火が発生した場合には、燃焼によるトルクが発生しないことによって点火後のクランク時間は点火前のクランク時間の近傍値となる。よって、前記差分を検出することで正常であるとの判定を行うことが可能となるのである。
同第三の特徴構成は、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記失火検出手段は、気筒毎に点火時期の後における所定クランク角度間のクランク時間を検出して、それらの差分が所定値以下であれば全ての気筒が正常であると判定する全気筒クランク角判定手段を備えてなる点にある。
上述の構成によれば、特定気筒で失火が発生している場合は、当該気筒のみ点火時の燃焼によるトルクが発生しないため、点火後のクランク時間が短くならないが、全気筒で正常に点火が行われている場合は、燃焼によるトルクが発生するため、全気筒で点火後のクランク時間が短くなる。また、一般に失火が発生する確率より発生しない確率の方が格段に高いことから、失火発生の気筒の数より失火未発生の気筒の数の方が多くなる。よって、全気筒のクランク時間に基づいた演算値は正常に点火が行われている場合の近傍値となる傾向があるので、前記演算値と当該気筒のクランク時間との差分に基づいて、正常であるとの判定を行うことが可能となるのである。
同第四の特徴構成は、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記失火検出手段は、気筒毎にノック信号の中央値を算出して、前記中央値が所定値以上であれば対応する気筒が正常であると判定する中央値判定手段を備えてなる点にある。
上述の構成によれば、失火が起きると燃焼による振動が発生せずノック信号のレベルが低下することから、所定値以上のノック信号が発生している場合には、燃焼が正常に行われているとの判定を行うことが可能となるのである。
同第五の特徴構成は、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記失火検出手段は、気筒毎のノック信号の中央値と全気筒のノック信号の中央値の平均値を算出して、各ノック信号の中央値とその平均値との差分が所定値以下であるときに対応する気筒が正常であると判定する中央値乖離判定手段を備えてなる点にある。
上述の構成によれば、特定気筒で失火が起きると燃焼による振動が発生せずノック信号のレベルが低下するが、失火未発生状態では前記ノック信号のレベルの低下は発生しない。また、一般に失火が発生する確率より発生しない確率の方が格段に高いことから、失火発生の気筒の数より失火未発生の気筒の数の方が多くなる。よって、全気筒の信号レベルの平均値は失火未発生の各気筒の信号レベルの近傍値となる傾向があるので、前記平均値と当該気筒のノック信号の中央値との差分に基づいて、正常であるとの判定を行うことが可能となるのである。
同第六の特徴構成は、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記失火検出手段は、気筒毎にノック信号の標準偏差を算出して、前記ノック信号の標準偏差が所定値以下であれば対応する気筒が正常であると判定する標準偏差判定手段を備えてなる点にある。
上述の構成によれば、失火が起きると振動発生が不安定となり、ノック信号のレベルの変動が大きくなるので、ノック信号のレベルにばらつきが生じて標準偏差が大きくなる。このため、標準偏差が所定値以下の場合は、正常であるとの判定を行うことが可能となるのである。
同第七の特徴構成は、上述の第一から第六の何れかの特徴構成に加えて、前記失火検出手段は、気筒毎のノック信号の標準偏差と前記標準偏差の全気筒の平均値を算出して、各ノック信号の標準偏差と前記平均値との差分が所定値以下であるときに対応する気筒が正常であると判定する標準偏差乖離判定手段を備えてなる点にある。
上述の構成によれば、特定気筒で失火が起きると振動発生が不安定となり、ノック信号のレベルの変動が大きくなるので、ノック信号のレベルにばらつきが生じて標準偏差が大きくなる。また、一般に失火が発生する確率より発生しない確率の方が格段に高いことから、失火発生の気筒の数より失火未発生の気筒の数の方が多くなる。よって全気筒の信号レベルの標準偏差の平均値は失火未発生の各気筒の標準偏差の近傍値となる傾向があるので、全気筒の標準偏差と当該気筒の標準偏差との差分に基づいて、正常であるとの判定を行うことが可能となるのである。
同第八の特徴構成は、上述の第一から第七の何れかの特徴構成に加えて、前記失火検出手段は、気筒毎に点火時期の後のイオン電流値を算出して、前記イオン電流値が所定値以上であれば対応する気筒が正常であると判定するイオン電流値判定手段を備えてなる点にある。
上述の構成によれば、イオン電流は気筒内の燃焼反応に応じたレベルで発生し、燃焼状態であれば信号が大きく、失火状態であれば信号は小さくなる。このため、イオン電流が所定値以上の場合は、正常であるとの判定を行うことが可能となるのである。
同第九の特徴構成は、上述の第一から第八の何れかの特徴構成に加えて、前記失火検出手段は、気筒毎に点火時期の後のイオン電流値と前記イオン電流値の全気筒の平均値とを算出して、前記イオン電流値と前記平均値との差分が所定値以下であるときに対応する気筒が正常であると判定するイオン電流値乖離判定手段を備えてなる点にある。
上述の構成によれば、特定気筒で失火状態が発生した場合にはイオン電流値は減少するが、失火未発生状態ではイオン電流値は減少しない。また、一般に失火が発生する確率より発生しない確率の方が格段に高いことから、失火発生の気筒の数より失火未発生の気筒の数の方が多くなる。よって、全気筒のイオン電流値の平均値は失火未発生の各気筒のイオン電流値の近傍値となる傾向があるので、前記平均値と当該気筒のイオン電流値との差分に基づいて正常であるとの判定を行うことが可能となるのである。
同第十の特徴構成は、上述の第一から第九の何れかの特徴構成に加えて、前記失火判定手段は、全ての失火検出手段の判定出力が正常であるときに正常と判定出力する正常判定手段を備えてなる点にある。
上述の構成によれば、複数ある失火検出手段の全てで正常判定がなされないと正常であると見なされないため、例えば、特定の失火検出手段で誤判定が発生して異常を正常と判定しても、他の失火検出手段が異常と判定すれば、全体として正常判定されることはないため、正確な正常判定を行うことが可能となるのである。
同第十一の特徴構成は、上述の第十の特徴構成に加えて、前記失火判定手段は、前記正常判定手段による正常判定を仮正常判定とし、前記仮正常判定が一定時間以上継続したときに本正常と判定出力する時間正常判定手段を備えてなる点にある。
上述の構成によれば、正常判定手段による仮正常判定が一定時間以上継続しなければ本正常判定を出力しないため、例えば、内燃機関が一瞬だけ点火した後に失火するような異常状態を、失火判定手段が正常であると誤判定するような場合でも、前記時間正常判定手段の導入によって、異常状態が一定時間以上継続することが異常状態の必要条件となるために、本正常判定が出力される可能性を少なく抑えることができるので、正確な正常判定を行うことが可能となるのである。
同第十二の特徴構成は、上述の第十の特徴構成に加えて、前記失火判定手段は、前記正常判定手段による正常判定を仮正常判定とし、車両のイグニッションオンからイグニッションオフまでを1トリップとして、前記仮正常判定が所定トリップ数以上連続したときに、本正常と判定出力するトリップ数正常判定手段を備えてなる点にある。
上述の構成によれば、トリップ数正常判定手段による仮正常判定が一定トリップ数以上連続しなければ本正常判定を出力しないため、例えば、運転開始の点火時にのみ失火が発生しやすいが、一度点火すると以後は失火しないような異常な傾向を示す内燃機関である場合、最初のトリップで偶然点火に成功したことで失火判定手段が正常であると誤判定してしまったような場合でも、前記トリップ数正常判定手段が2回目以降の運転開始において正常判定をしなければ、本正常判定が出力されない。つまり、本正常判定が出力される可能性を少なく抑えることができるため、正確な正常判定を行うことが可能となるのである。
同第十三の特徴構成は、上述の第十の特徴構成に加えて、前記失火判定手段は、前記正常判定手段による正常判定を仮正常判定とし、前記仮正常判定が空燃費学習領域毎に成立したときに、本正常と判定出力する空燃費学習正常判定手段を備えてなる点にある。
例えば、内燃機関の燃料噴射量が多い状態では正常に動作するが、燃料噴射量が少ない状態では失火が発生する異常な傾向にあるような場合においても、空燃費学習正常判定手段は、燃料噴射量等の状態を空燃費学習領域設定のパラメータとして設定して、全ての空燃費学習領域において仮正常判定が成立した場合にのみ本正常判定を出力するので、上述の例における燃料噴射量が少ない状態での失火発生を異常状態と判定することができる。つまり、各パラメータの状態に左右されずに正確な正常判定を行うことが可能となるのである。
上述の目的を達成するため、本発明による失火正常判定方法の第一の特徴構成は、複数の気筒を備えた内燃機関の各気筒に対する失火の有無を判定する失火判定ステップを備えてなる内燃機関の失火正常判定方法であって、前記失火判定ステップは、互いに異なる複数の失火検出ステップを備え、各失火検出ステップによる判定結果に基づいて正常と判定するように構成されている点にある。
同第二の特徴構成は、上述の第一特徴構成に加えて、前記失火判定ステップは、前記失火検出ステップの判定結果が全て正常であるときに正常と判定出力する正常判定ステップを備えてなる点にある。
同第三の特徴構成は、上述の第一の特徴構成に加えて、前記失火判定ステップは、前記正常判定ステップによる正常判定を仮正常判定とし、前記仮正常判定が一定時間以上継続したときに、本正常と判定出力する時間正常判定ステップを備えてなる点にある。
同第四の特徴構成は、上述の第一の特徴構成に加えて、前記失火判定ステップは、前記正常判定ステップによる正常判定を仮正常判定とし、車両のイグニッションオンからイグニッションオフまでを1トリップとして、前記仮正常判定が所定トリップ数以上連続したときに、本正常と判定出力するトリップ数正常判定ステップを備えてなる点にある。
同第五の特徴構成は、上述の第一の特徴構成に加えて、前記失火判定ステップは、前記正常判定ステップによる正常判定を仮正常判定とし、前記仮正常判定が空燃費学習領域毎に成立したときに、本正常と判定出力する空燃費学習正常判定ステップを備えてなる点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、異常検出に依存することなく正常検出を行うことが可能な失火正常判定装置及び失火正常判定方法を提供することができるようになった。
以下に本発明による失火正常判定装置を1サイクルが4ストロークからなる内燃機関に適用した実施形態について説明する。尚、前記内燃機関は♯1気筒、♯2気筒、♯3気筒、♯4気筒の4気筒からなり、夫々の気筒が1/4サイクルずつ異なるように駆動されるように構成されている。また、前記♯1気筒と前記♯4気筒とは、同時に上死点となり第一の気筒群として構成され、また、前記♯2気筒と前記♯3気筒とが、同時に上死点となり第二の気筒群として構成されている。つまり、第一の気筒群と第二の気筒群とは半サイクル異なった気筒群として構成され、♯1気筒→♯3気筒→♯4気筒→♯2気筒→♯1気筒の順に順次圧縮上死点となるように構成されている。
前記エンジンの全体構成は、例えば、前記各気筒の内燃機関に対して特定の内燃機関を抽出して示した場合には、図2に示すように、内燃部10と、内燃部10に連通した吸気部20と、同じく排気部30と、制御部(ECU)40と、失火正常判定装置50とを備えて構成されている。
前記内燃部10は、気筒11の内部において混合気(霧状にした燃料と空気を混合したもの)が燃焼するときの圧力で往復運動するピストン12と、内部への混合気の吸入を制御する吸気バルブ13と、混合気が燃焼した後の燃焼ガスを排出する排気バルブ14と、前記ピストン12の往復運動を回転運動に変えるクランクシャフト15と、前記ピストン12と前記クランクシャフト15を接続するコネクティングロッド16と、混合気における最適な空燃費(空気と燃料の混合比)を得ることができるよう燃料噴射時期を特定するために前記クランクシャフト15の角度位置を検出するクランク角検出手段17と、前記気筒11内の混合気が自然発火することによる異常燃焼を検出する目的でノック信号を検出するノック信号検出手段18と、混合気の燃焼状態を把握する目的で混合気の燃焼時に発生するイオン電流を検出するイオン電流検出手段19とを備えて構成されている。
前記吸気部20は、前記内燃部10に燃料と前記燃料を燃焼するために必要な空気を吸気するためのもので、空気或いは燃料の通路となる吸気管21と、吸入口22から吸入する空気を浄化するエアフィルタ23と、前記吸入された空気の吸入量を検出するエアフロメータ24と、前記吸入する空気量を制御するスロットルバルブ25と、前記吸気バルブ13に燃料を噴射するための燃料噴射弁としてのフュエルインジェクション27とを備えて構成されている。尚、前記エアフロメータ24の代わりに、前記吸気管21の圧力を検出する吸気管圧力センサ(図示せず)が備えられている構成であってもよい。
前記排気部30は、前記内燃部10で燃焼されたガスを排気するためのもので、前記排気されたガスの通路となる排気通路31と、前記排気されたガスを浄化する触媒32と、前記触媒32の上流側に設置された酸素濃度センサとなる空燃比検出手段としてのA/Fセンサ33とを備えて構成されている。
前記制御部40は、制御用CPUと、制御プログラムが格納されたROMと、データ処理用のRAMと、各機能ブロックに対する制御用信号入出力回路等とを備え、前記制御プログラムに基づいて各機能ブロックが統合制御されるように構成されている。
前記失火正常判定装置50は、図1に示すように、失火判定手段51を備えて構成されており、前記失火判定手段51は、互いに異なる複数の失火検出手段52と、前記失火検出手段52の判定が全て正常である場合に正常判定を出力する正常判定手段53と、前記正常判定手段53によって正常判定が出力されている状態を仮正常判定としたときに、前記仮正常判定が一定時間以上継続した場合に本正常判定を出力する時間正常判定手段54とを備えて構成されている。尚、前記失火正常判定装置50は、前記制御部40の中に備えられている構成であってもよい。
前記失火検出手段52は複数設けられており、互いに異なる方法で失火検出を実行する。例えば、各々の失火検出手段52は、図3に示すように、クランク角判定手段52A、全気筒クランク角判定手段52B、中央値判定手段52C、中央値乖離判定手段52D、標準偏差判定手段52E、標準偏差乖離判定手段52F、イオン電流値判定手段52G、イオン電流値乖離判定手段52Hの8種類の判定手段を備える構成が挙げられる。以下、52Aから52Hの各判定手段について説明する。
前記クランク角判定手段52Aは、例えば、図4に示すように、前記クランクシャフト15が30度回転するに応じて発生するパルス信号からなるクランク信号を前記クランク角検出手段17で検出して、前記クランク信号によって同期をとるクランク同期処理にてタイミングを監視する。そして、被判定気筒において点火される前に前記クランクシャフト15が所定角度間θbを動く点火前クランク時間Tbと、点火された後に前記クランクシャフト15が所定角度間θaを動く点火後クランク時間Taを記憶して、前記点火前クランク時間Tbと点火後前記クランク時間Taの差分が所定値以上の場合は、当該気筒を正常であると判定して、当該気筒の正常フラグをONにする。つまり、気筒毎に点火時期の前後における所定クランク角度間のクランク時間を検出して、その差分が所定値以上のときに対応する気筒が正常であると判定する。
以下に、前記クランク角判定手段52Aの動作を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。尚、前記動作は図4のタイムーチャートに基づいて行われるものとする。
被判定気筒において、前記クランク角検出手段17によって検出されたクランク信号におけるクランク角が30×α[℃A]に達すれば(SA1)、その瞬間の時刻(α時刻とする)を記憶して(SA2)、その後、前記クランク角が30×β[℃A]に達すれば(SA3)、その瞬間の時刻(β時刻とする)を記憶する(SA4)。そして、前記β時刻から前記α時刻を減じた値を点火前クランク時間Tbとして記憶する(SA5)。
次に、前記クランク角検出手段17によって検出されたクランク信号におけるクランク角が30×A[℃A]に達すれば(SA6)、その瞬間の時刻(A時刻とする)を記憶して(SA7)、その後、前記クランク角が30×B[℃A]に達すれば(SA8)、その瞬間の時刻(B時刻とする)を記憶する(SA9)。そして、前記B時刻から前記A時刻を減じた値を点火後クランク時間Taとして記憶する(SA10)。
前記点火前クランク時間Tbと前記点火後クランク時間Taとの差分が所定値以上であれば(SA11)、当該気筒を正常であると判定して、当該気筒の正常フラグをONにする(SA12)。一方、前記点火前クランク時間Tbと前記点火後クランク時間Taとの差分が所定値より小さければ(SA11)、正常であるとの判定は行わない。
前記全気筒クランク角判定手段52Bは、例えば、全ての気筒(本実施例では4気筒)において、前記クランク同期処理にてタイミングを監視する。そして、4気筒全てにおいて、点火された後に前記クランクシャフト15が所定角度間θaを動くクランク時間を気筒毎に点火後クランク時間Ta1〜Ta4として記憶して、前記点火後クランク時間Ta1〜Ta4の最大値と最小値の差分が所定値以下の場合は、4気筒全てを正常であると判定して、4気筒全ての正常フラグをONにする。つまり、気筒毎に点火時期の後における所定クランク角度間のクランク時間を検出して、それらの差分が所定値以下であれば全ての気筒が正常であると判定する。
以下に、前記全気筒クランク角判定手段52Bの動作を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。尚、前記動作は図4のタイムーチャートに基づいて行われるものとする。
#1気筒において、前記クランク角検出手段17によって検出されたクランク信号におけるクランク角が30×A[℃A]であれば(SB1)、その瞬間の時刻(A時刻とする)を記憶して(SB2)、その後、前記クランク角が30×B[℃A]であれば(SB3)、その瞬間の時刻(B時刻とする)を記憶する(SB4)。そして、前記B時刻から前記A時刻を減じた値を点火後クランク時間Ta1として記憶する(SB5)。また、上述の#1気筒におけるSB1〜SB5の動作を実行するのと並行して、#2気筒〜#4気筒においてもSB1〜SB5の動作を実行して、点火後クランク時間Ta2〜Ta4を算出して記憶する(SB5)。
前記クランク時間Ta1〜Ta4における最大値の抽出(SB6)及び最小値の抽出(SB7)を行い、抽出した最大値と最小値との差分が所定値以下であれば(SB8)、4気筒全てを正常であると判定して、4気筒全ての正常フラグをONにする(SB9)。一方、前記最大値と前記最小値との差分が所定値より大きければ(SB8)、正常であるとの判定は行わない。
上述では、前記全気筒クランク角判定手段52Bは、4気筒全てにおけるクランク時間Ta1〜Ta4の最大値と最小値の差分が所定値以下であるか否かで正常判定を行う実施形態について説明したが、4気筒全ての点火後クランク時間Ta1〜Ta4の平均値と被判定気筒の点火後クランク時間との差分が所定値以下であるか否かで正常判定を行う形態であってもよい。
以下に、前記全気筒クランク角判定手段52Bにおいて、4気筒全ての点火後クランク時間Ta1〜Ta4の平均値と被判定気筒の点火後クランク時間との差分による実施形態での動作を図7に示すフローチャートに基づいて説明する。尚、以下の説明では、#1気筒の判定を行うものとして(点火後クランク時間はTa1)、また、前記動作は図4のタイムーチャートに基づいて行われるものとして説明する。
#1気筒において、前記クランク角検出手段17によって検出されたクランク信号におけるクランク角が30×A[℃A]に達すれば(SC1)、その瞬間の時刻(A時刻とする)を記憶して(SC2)、その後、前記クランク角が30×B[℃A]に達すれば(SC3)、その瞬間の時刻(B時刻とする)を記憶する(SC4)。そして、前記B時刻から前記A時刻を減じた値を点火後クランク時間Ta1として記憶する(SC5)。また、上述の#1気筒におけるSC1〜SC5の動作を実行するのと並行して、#2気筒〜#4気筒においてもSC1〜SC5の動作を実行して、点火後クランク時間Ta2〜Ta4を算出して記憶する(SC5)。
前記点火後クランク時間Ta1〜Ta4の平均値を算出し(SC6)、算出した平均値と前記点火後クランク時間Ta1との差分が所定値以下であれば(SC7)、#1気筒を正常であると判定して、#1気筒の正常フラグをONにする(SC8)。一方、前記平均値と前記点火後クランク時間Ta1との差分が所定値より大きければ(SC7)、正常であるとの判定は行わない。
前記中央値判定手段52Cは、前記ノック信号検出手段18によってノック信号を検出するタイミングにおいて、被判定気筒について検出したノック信号の中央値を算出して、前記中央値が所定値以上の場合は、当該気筒を正常であると判定して正常フラグをONにする。ここに、中央値とは、前記ノック信号の振幅中心から一方向への最大振幅値をいう。つまり、気筒毎にノック信号の中央値を算出して、前記中央値が所定値以上であれば対応する気筒が正常であると判定する。
以下に、前記中央値判定手段52Cの動作を図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
被判定気筒において、前記ノック信号検出手段18によって検出されたノック信号に基づいて、前記ノック信号の中央値を算出し(SD1)、前記ノック信号の中央値が所定値以上であれば(SD2)、当該気筒を正常であると判定して正常フラグをONにする(SD3)。一方、前記ノック信号の中央値が所定値より小さければ(SD2)、正常であるとの判定は行わない。
前記中央値乖離判定手段52Dは、前記ノック信号検出手段18によってノック信号を検出するタイミングにおいて、被判定気筒について検出したノック信号の中央値と、4気筒全てについて検出した各ノック信号の中央値を平均した平均値とを算出して、4気筒全てについてのノック信号中央値の平均値と被判定気筒についてのノック信号中央値との差分が所定値以下の場合は、当該気筒を正常であると判定して正常フラグをONにする。つまり、気筒毎のノック信号の中央値と全気筒のノック信号の中央値の平均値を算出して、各ノック信号の中央値とその平均値との差分が所定値以下であるときに対応する気筒が正常であると判定する。尚、ノック信号を検出するタイミングは、点火時を基準としたときの前記クランクシャフト15の位置が、点火時の位置より所定の角度だけ点火前の位置にある時から、点火時の位置より所定の角度だけ点火後の位置にある時までの時間をいう。
以下に、前記中央値乖離判定手段52Dの動作を図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
前記ノック信号検出手段18によって検出されたノック信号に基づいて、被判定気筒についての前記ノック信号の中央値を算出し(SE1)、また、4気筒全てについての各ノック信号の中央値を平均した平均値を算出する(SE2)。4気筒全てについてのノック信号中央値の平均値と被判定気筒についてのノック信号中央値との差分が所定値以下であれば(SE3)、当該気筒を正常であると判定して正常フラグをONにする(SE4)。一方、4気筒全てについてのノック信号中央値の平均値と被判定気筒についてのノック信号中央値との差分が所定値より大きければ(SE3)、正常であるとの判定は行わない。
前記標準偏差判定手段52Eは、前記ノック信号検出手段18によってノック信号を算出するタイミングにおいて、被判定気筒について算出したノック信号の標準偏差を導出して、前記標準偏差が所定値以下の場合は、当該気筒を正常であると判定して正常フラグをONにする。ここに、ノック信号の標準偏差とは、ノック信号を検出しているタイミングにおいて検出される複数のノック信号レベルより算出する標準偏差のことである。つまり、前記失火検出手段は、気筒毎にノック信号の標準偏差を算出して、前記ノック信号の標準偏差が所定値以下であれば対応する気筒が正常であると判定する。
以下に、前記標準偏差判定手段52Eの動作を図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
被判定気筒において、前記ノック信号検出手段18によって検出されたノック信号に基づいて、前記ノック信号の標準偏差を算出し(SF1)、前記ノック信号の標準偏差が所定値以下であれば(SF2)、当該気筒を正常であると判定して正常フラグをONにする(SF3)。一方、前記ノック信号の標準偏差が所定値より大きければ(SF2)、正常であるとの判定は行わない。
前記標準偏差乖離判定手段52Fは、前記ノック信号検出手段18によってノック信号を検出するタイミングにおいて、被判定気筒について検出したノック信号の標準偏差と、4気筒全てについて検出した各ノック信号の標準偏差を平均した平均値とを算出して、4気筒全てについての標準偏差の平均値と被判定気筒についての標準偏差との差分が所定値以下の場合は、当該気筒を正常であると判定して正常フラグをONにする。つまり、気筒毎のノック信号の標準偏差と前記標準偏差の全気筒の平均値を算出して、各ノック信号の標準偏差と前記平均値との差分が所定値以下であるときに対応する気筒が正常であると判定する。
以下に、前記標準偏差乖離判定手段52Fの動作を図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
前記ノック信号検出手段18によって検出されたノック信号に基づいて、被判定気筒についての前記ノック信号の標準偏差を算出し(SG1)、また、4気筒全てについての各ノック信号の標準偏差を平均した平均値を算出する(SG2)。4気筒全てについての標準偏差の平均値と被判定気筒についての標準偏差との差分が所定値以下であれば(SG3)、当該気筒を正常であると判定して正常フラグをONにする(SG4)。一方、4気筒全てについての標準偏差の平均値と被判定気筒についての標準偏差との差分が所定値より大きければ(SG3)、正常であるとの判定は行わない。
前記イオン電流値判定手段52Gは、前記クランク同期処理にてタイミングを監視する。そして、被判定気筒において点火された後に、前記クランクシャフト15が所定角度(30×γ[℃A]、γ:任意の定数)に達した時点におけるイオン電流を前記イオン電流検出手段19によって検出する。前記イオン電流の値が所定値以上の場合は、当該気筒を正常であると判定して正常フラグをONにする。つまり、気筒毎に点火時期の後のイオン電流値を算出して、前記イオン電流値が所定値以上であれば対応する気筒が正常であると判定する。
以下に、前記イオン電流値判定手段52Gの動作を図12に示すフローチャートに基づいて説明する。
被判定気筒において、前記クランク角検出手段17によって検出されたクランク信号におけるクランク角が30×γ[℃A]に達すれば(SH1)、その時点でのイオン電流を検出する(SH2)。前記イオン電流の値が所定値以上であれば(SH3)、当該気筒を正常であると判定して、当該気筒の正常フラグをONにする(SH4)。一方、前記イオン電流の値が所定値より小さければ(SH3)、正常であるとの判定は行わない。
前記イオン電流値乖離判定手段52Hは、前記クランク同期処理にてタイミングを監視する。そして、被判定気筒において点火された後に、前記クランクシャフト15が所定角度(30×γ[℃A]、γ:任意の定数)に達した時点において、前記イオン電流検出手段19によって検出した被判定気筒についてのイオン電流と、前記イオン電流検出手段19によって検出した4気筒全てについての各イオン電流の平均値を算出して、被判定気筒についてのイオン電流値と4気筒全てについての各イオン電流の平均値との差分が所定値以下の場合は、当該気筒を正常であると判定して、当該気筒の正常フラグをONにする。つまり、気筒毎に点火時期の後のイオン電流値と前記イオン電流値の全気筒の平均値とを算出して、前記イオン電流値と前記平均値との差分が所定値以下であるときに対応する気筒が正常であると判定する。
以下に、前記イオン電流値乖離判定手段52Hの動作を図13に示すフローチャートに基づいて説明する。
被判定気筒において、前記クランク角検出手段17によって検出されたクランク信号におけるクランク角が30×γ[℃A]に達すれば(SI1)、その時点でのイオン電流を検出し(SI2)、また、4気筒全てについての各イオン電流の平均値を算出する(SI3)。被判定気筒についてのイオン電流値と4気筒全てについてのイオン電流の平均値との差分が所定値以下であれば(SI4)、当該気筒を正常であると判定して正常フラグをONにする(SI5)。一方、被判定気筒についてのイオン電流値と4気筒全てについてのイオン電流の平均値との差分が所定値より大きければ(SI4)、正常であるとの判定は行わない。
以上説明してきた52Aから52Hの各判定手段によって、複数設けられている前記失火検出手段52は互いに異なる方法で失火検出を実行するのである。
以下、前記判定手段51の構成についての説明に戻る。前記正常判定手段53は、複数の失火検出手段52の出力が全て正常判定である場合にのみ、前記正常判定手段53における正常判定フラグをONにして正常判定を出力する。つまり、複数の前記失火検出手段52が出力した結果のうち一つでも正常判定が出力されていない場合には、前記正常判定手段53は正常判定を出力しないのである。
前記時間正常判定手段54は、時間をカウントするための仮正常時間カウント手段541を備えて構成されており、前記正常判定手段53における正常判定フラグがONである状態(この状態を仮正常状態とする)が一定時間以上継続した場合、つまり前記仮正常時間カウント手段541によるカウント時間が所定時間以上となった場合に本正常判定を出力する。以下に、前記時間正常判定手段54の動作を図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
前記正常判定手段53における正常判定フラグがONである状態、つまり仮正常状態である場合に(SJ1)、前記仮正常時間カウント手段541によってカウントされるカウント時間がカウントアップされる(SJ2)。一方、前記正常判定手段53における正常判定フラグがONでない状態、つまり仮正常状態でない場合には(SJ1)、正常であるとの判定は行わずに処理を終了する。
ステップSJ2において、前記カウント時間が予め設定した所定時間に達すれば(SJ3)、本正常判定を出力して処理を終了し(SJ4)、一方で、前記カウント時間が予め設定した所定時間に達していなければ(SJ3)、仮正常状態でなくなる又は前記カウント時間が所定時間に達するまで処理が繰り返される。
以下、別の実施形態について説明する。上述の実施形態では、前記正常判定手段53によって出力された正常判定が一定時間以上継続した場合に、本正常判定を出力する時間正常判定手段54を備えた構成について説明したが、図17に示すように、車両のイグニッションオンからイグニッションオフまでを1トリップとしたときに、前記正常判定を仮正常判定とみなして、前記仮正常判定が所定トリップ数以上連続した場合に、本正常判定を出力するトリップ数正常判定手段55を備えた構成であってもよい。
前記トリップ数正常判定手段55は、車両のイグニッションオンからイグニッションオフまでの回数であるトリップ数をカウントするためのトリップ数カウント手段551を備えて構成されており、前記正常判定手段53において正常判定がなされ、正常判定フラグがONとなるトリップが所定数以上連続した場合、つまり前記トリップ数カウント手段551によるカウント回数が所定回数以上となった場合に本正常判定を出力する。以下に、前記トリップ数正常判定手段55の動作を図15に示すフローチャートに基づいて説明する。
車両のイグニッションオンにより新たなトリップが開始されると(SK1)、前記トリップ数正常判定手段55は、前回のトリップ時に正常判定フラグがONとなった履歴があるか否かを確認して(SK2)、履歴がなければ、前記トリップ数カウント手段551をクリアする(SK3)。本正常判定を出力するためには、正常判定フラグがONとなるトリップが連続する必要があるからである。一方、履歴があれば(SK2)、今回のトリップ時に既に正常判定フラグがONとなった履歴があるか否かを確認する(SK4)。
ステップSK4において、今回のトリップ時に正常判定フラグがONとなった履歴がなければ、車両がイグニッションオフであるか否かの確認を行い(SK5)、イグニッションオフであれば本正常判定を行うことなく処理を終了するが、イグニッションオフでなければ今回のトリップ時に正常判定フラグがONとなるかイグニッションオフとなるまでステップSK4とSK5の動作を繰り返す。
一方、ステップSK4において、今回のトリップ時に正常判定フラグがONとなった履歴があれば、前記トリップ数カウント手段551においてトリップ数が1つカウントアップされる(SK6)。そして、カウントアップされたトリップ数が所定回数に達すれば(SK7)、本正常判定を出力する(SK8)。一方、前記トリップ数が所定回数に達していなければ(SK7)、前記トリップ数が所定回数に達するか、あるトリップにおいて正常判定フラグがONとならずに処理が終了するまで、ステップSK1からの動作を繰り返す。
上述の実施形態では、時間正常判定手段54またはトリップ数正常判定手段55を備えた構成について説明したが、図18に示すように、前記正常判定手段53によって出力された正常判定を仮正常判定とみなして、前記仮正常判定が空燃費学習領域毎に成立した場合に、本正常判定を出力する空燃費学習正常判定手段56を備えた構成であってもよい。
前記空燃費学習正常判定手段56は、車両内部の各機関の運転状態や前記運転状態に基づく燃料噴射量等に基づいて複数の空燃費学習領域を設定する空燃費学習領域設定手段561を備えて構成されており、前記空燃費学習領域設定手段561によって設定された各空燃費学習領域の全てで正常判定がなされた場合に本正常判定を出力する。以下に、前記空燃費学習正常判定手段56の動作を図16に示すフローチャートに基づいて説明する。
前記空燃費学習正常判定手段56は、前記空燃費学習領域設定手段561によって設定された空燃費学習領域のうち現在の車両の状態に適合した空燃費学習領域を検出して(SL1)、検出した空燃費学習領域において正常判定が未完了であれば(SL2)、正常判定処理を実行する(SL3)。一方、検出した空燃費学習領域において正常判定が完了していれば(SL2)、当該車両の状態が、正常判定の完了していない空燃費学習領域の検出が可能となるまで待機する(SL1)。尚、正常判定の完了していない空燃費学習領域の検出が可能となる状態とは、当該車両の状態が、既に正常判定を完了した空燃費学習領域以外の空燃費学習領域に適合した状態となることである。
ステップSL3において正常判定処理がなされた結果、現空燃費学習領域において正常判定がなされると(SL4)、設定された全ての空燃費学習領域において正常判定がなされているか否かを判断する(SL5)。一方、現空燃費学習領域において正常判定がなされない場合は(SL4)、当該車両の状態が、正常判定の完了していない空燃費学習領域の検出が可能となるまで待機する(SL1)。
ステップSL5において、設定された全ての空燃費学習領域において正常判定がなされていれば、本正常判定を出力するが(SL9)、一つでも正常判定がなされていない空燃費学習領域が存在する場合には(SL5)、当該車両のイグニッションがオフであるか否かを判断して(SL6)、前記イグニッションがオフであれば、現在までに検出した空燃費学習領域の数が予め設定しておいた所定数以上であるか否かを判断する(SL7)。一方、ステップSL6において、前記イグニッションがオンであれば、当該車両の状態が、正常判定の完了していない空燃費学習領域の検出が可能となるまで待機する(SL1)。
ステップSL7において、現在までに検出した空燃費学習領域の数が予め設定しておいた所定数以上であれば、現在までに検出した全ての空燃費学習領域に対して正常判定がなされているか否かを判断して(SL8)、現在までに検出した全ての空燃費学習領域に対して正常判定がなされていれば、本正常判定を出力する(SL9)。
一方、ステップSL7において、現在までに検出した空燃費学習領域の数が予め設定しておいた所定数より少ない場合や、ステップSL8において、正常判定がなされていない空燃費学習領域が一つでも存在している場合は、本正常判定を出力することなく処理を終了する。
上述の実施形態では、時間正常判定手段54、トリップ数正常判定手段55、または空燃費学習正常判定手段56を備えた構成について説明したが、これら3つの判定手段を適宜組合せて使用する構成であってもよい。例えば、図19に示すように、時間正常判定手段54、トリップ数正常判定手段55、そして空燃費学習正常判定手段56の全てを備え、加えて、これら3つの判定手段の出力が全て本正常判定である場合に正常と判断する本正常判定手段57を備えた構成が挙げられる。
上述の実施形態では、内燃機関の内部構成において、失火正常判定装置50が制御部40とは独立して構成した場合について説明したが、前記失火正常判定装置50は前記制御部40に含まれる構成としてもよい。
尚、上述した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
失火正常判定装置にかかる機能ブロック構成図 内燃機関の全体構成の説明図 失火判定手段にかかる機能ブロック構成図 クランク同期処理について説明するためのタイミングチャート クランク角判定手段の動作を説明するためのフローチャート 最大値と最小値の差分による全気筒クランク角判定手段の動作を説明するためのフローチャート 平均値との差分による全気筒クランク角判定手段の動作を説明するためのフローチャート 中央値判定手段の動作を説明するためのフローチャート 中央値乖離判定手段の動作を説明するためのフローチャート 標準偏差判定手段の動作を説明するためのフローチャート 標準偏差乖離判定手段の動作を説明するためのフローチャート イオン電流値判定手段の動作を説明するためのフローチャート イオン電流値乖離判定手段の動作を説明するためのフローチャート 時間正常判定手段の動作を説明するためのフローチャート トリップ数正常判定手段の動作を説明するためのフローチャート 空燃費学習正常判定手段の動作を説明するためのフローチャート トリップ数正常判定手段を備えた失火正常判定装置にかかる機能ブロック構成図 空燃費学習正常判定手段を備えた失火正常判定装置にかかる機能ブロック構成図 本正常判定手段を備えた失火正常判定装置にかかる機能ブロック構成図
符号の説明
50:失火正常判定装置
51:失火判定手段
52:失火検出手段
53:正常判定手段
54:時間正常判定手段
55:トリップ数正常判定手段
56:空燃費学習正常判定手段
17:クランク角検出手段
18:ノック信号検出手段
19:イオン電流検出手段

Claims (18)

  1. 複数の気筒を備えた内燃機関の各気筒に対する失火の有無を判定する失火判定手段を備えてなる内燃機関の失火正常判定装置であって、
    前記失火判定手段は、互いに異なる複数の失火検出手段を備え、各失火検出手段による判定出力に基づいて正常と判定するように構成されている失火正常判定装置。
  2. 前記失火検出手段は、気筒毎に点火時期の前後における所定クランク角度間のクランク時間を検出して、その差分が所定値以上のときに対応する気筒が正常であると判定するクランク角判定手段を備えてなる請求項1に記載の失火正常判定装置。
  3. 前記失火検出手段は、気筒毎に点火時期の後における所定クランク角度間のクランク時間を検出して、それらの差分が所定値以下であれば全ての気筒が正常であると判定する全気筒クランク角判定手段を備えてなる請求項1または2記載の失火正常判定装置。
  4. 前記失火検出手段は、気筒毎にノック信号の中央値を算出して、前記中央値が所定値以上であれば対応する気筒が正常であると判定する中央値判定手段を備えてなる請求項1から3の何れかに記載の失火正常判定装置。
  5. 前記失火検出手段は、気筒毎のノック信号の中央値と全気筒のノック信号の中央値の平均値を算出して、各ノック信号の中央値とその平均値との差分が所定値以下であるときに対応する気筒が正常であると判定する中央値乖離判定手段を備えてなる請求項1から4の何れかに記載の失火正常判定装置。
  6. 前記失火検出手段は、気筒毎にノック信号の標準偏差を算出して、前記ノック信号の標準偏差が所定値以下であれば対応する気筒が正常であると判定する標準偏差判定手段を備えてなる請求項1から5の何れかに記載の失火正常判定装置。
  7. 前記失火検出手段は、気筒毎のノック信号の標準偏差と前記標準偏差の全気筒の平均値を算出して、各ノック信号の標準偏差と前記平均値との差分が所定値以下であるときに対応する気筒が正常であると判定する標準偏差乖離判定手段を備えてなる請求項1から6の何れかに記載の失火正常判定装置。
  8. 前記失火検出手段は、気筒毎に点火時期の後のイオン電流値を算出して、前記イオン電流値が所定値以上であれば対応する気筒が正常であると判定するイオン電流値判定手段を備えてなる請求項1から7の何れかに記載の失火正常判定装置。
  9. 前記失火検出手段は、気筒毎に点火時期の後のイオン電流値と前記イオン電流値の全気筒の平均値とを算出して、前記イオン電流値と前記平均値との差分が所定値以下であるときに対応する気筒が正常であると判定するイオン電流値乖離判定手段を備えてなる請求項1から8の何れかに記載の失火正常判定装置。
  10. 前記失火判定手段は、全ての失火検出手段の判定出力が正常であるときに正常と判定出力する正常判定手段を備えてなる請求項1から9の何れかに記載の失火正常判定装置。
  11. 前記失火判定手段は、前記正常判定手段による正常判定を仮正常判定とし、前記仮正常判定が一定時間以上継続したときに本正常と判定出力する時間正常判定手段を備えてなる請求項10記載の失火正常判定装置。
  12. 前記失火判定手段は、前記正常判定手段による正常判定を仮正常判定とし、車両のイグニッションオンからイグニッションオフまでを1トリップとして、前記仮正常判定が所定トリップ数以上連続したときに、本正常と判定出力するトリップ数正常判定手段を備えてなる請求項10記載の失火正常判定装置。
  13. 前記失火判定手段は、前記正常判定手段による正常判定を仮正常判定とし、前記仮正常判定が空燃費学習領域毎に成立したときに、本正常と判定出力する空燃費学習正常判定手段を備えてなる請求項10記載の失火正常判定装置。
  14. 複数の気筒を備えた内燃機関の各気筒に対する失火の有無を判定する失火判定ステップを備えてなる内燃機関の失火正常判定方法であって、
    前記失火判定ステップは、互いに異なる複数の失火検出ステップを備え、各失火検出ステップによる判定結果に基づいて正常と判定するように構成されている失火正常判定方法。
  15. 前記失火判定ステップは、前記失火検出ステップの判定結果が全て正常であるときに正常と判定出力する正常判定ステップを備えてなる請求項14に記載の失火正常判定方法。
  16. 前記失火判定ステップは、前記正常判定ステップによる正常判定を仮正常判定とし、前記仮正常判定が一定時間以上継続したときに、本正常と判定出力する時間正常判定ステップを備えてなる請求項14記載の失火正常判定方法。
  17. 前記失火判定ステップは、前記正常判定ステップによる正常判定を仮正常判定とし、車両のイグニッションオンからイグニッションオフまでを1トリップとして、前記仮正常判定が所定トリップ数以上連続したときに、本正常と判定出力するトリップ数正常判定ステップを備えてなる請求項14記載の失火正常判定方法。
  18. 前記失火判定ステップは、前記正常判定ステップによる正常判定を仮正常判定とし、前記仮正常判定が空燃費学習領域毎に成立したときに、本正常と判定出力する空燃費学習正常判定ステップを備えてなる請求項14記載の失火正常判定方法。
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