JP2007238701A - ガス化炉 - Google Patents

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賢一 蓬莱
Atsushi Fujii
淳 藤井
Masa Yamanoi
雅 山野井
Junpei Ono
淳平 大野
Sachiko Nakamura
幸子 中村
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Abstract

【課題】安価で余分なメンテナンスを必要としない手段で、嵩密度の低いバイオマスを安定してガス化できるようにすることである。
【解決手段】排出されるバイオマスガスDに含まれる微粒のチャーBを、サイクロン11で捕集して分離器12でアッシュFと分離し、搬送管13で混合押出し機2に搬送して、原料としてのバイオマスAに混合した後、チャーBを混合したバイオマスAを上方から炉本体1に供給することにより、バイオマスAの嵩密度を高めて炉内でのブリッジ現象を防止し、安価な手段で嵩密度の低いバイオマスAを安定してガス化できるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマスを原料としてガス化反応させ、バイオマスガスを生成するガス化炉に関する。
バイオマスのガス化炉には、原料としてのバイオマスを上方から竪型の炉内に供給し、供給されたバイオマスを炉内で下方へ順に、乾燥、熱分解、酸化、還元の各ゾーンへ移動させながらガス化反応させて、このガス化反応で生成されるバイオマスガスを排出するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
前記バイオマスの中でも、バーク(樹皮)、かんな屑、刈草等のように、長さが1m以上のものがあるバイオマスは、ハンドリングが難しく、炉内での流動性も悪いので、通常、事前に粉砕処理されているが、これらの粉砕物は細長くて嵩密度の低いものとなる。また、おが屑のように、ふわふわ状のバイオマスも嵩密度が低い。このような嵩密度の低いバイオマスを原料とする場合は、これらが炉内でブリッジを形成して、スムーズに下方へ移動しなくなり、ガス化に伴って生じる空洞付近でのガス化が進んだりするので、ガス化炉の安定した運転が阻害されることがある。特許文献1に記載されたものでは、炉内に撹拌手段を設けて、バイオマスのブリッジ現象を防止するようにしている。
なお、バイオマスのガス化炉ではないが、微粉炭をガス化して生成ガスを生成する噴流床型のガス化炉においては、ガス化効率を高める目的で、生成ガス中の未反応カーボンを含むチャーを捕集して、捕集したチャーを微粉炭に混合して炉内に供給するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。チャーは未反応カーボンの他にアッシュを含む微粒子である。
特開2005−146188号公報 特開昭61−62593号公報
特許文献1に記載されたバイオマスのガス化炉は、嵩密度の低いバイオマスを原料としても、撹拌手段で炉内を撹拌してバイオマスのブリッジ現象を防止できるが、高温の炉内に撹拌手段を設ける必要があるので、設備コストが高くなるとともに、メンテナンスに手間がかかる問題がある。
なお、バイオマスの嵩密度を高める手段としては、バイオマスに水やタール等をバインダとして添加したり、圧縮成形機を用いてバイオマスを棒状固形物等に固形化したりすることが考えられる。しかしながら、水をバインダとして添加する方法は熱エネルギの浪費が多くなり、タールをバインダとして添加する方法は、タールが乾燥ゾーンで炉壁に付着し、バイオマスの下方への移動を妨げる問題がある。また、圧縮成形機を用いてバイオマスを固形化する方法は、固形化のための余分なエネルギを必要とするとともに、固形化によってバイオマスのガス化速度も遅くなる問題がある。
そこで、本発明の課題は、安価で余分なメンテナンスを必要としない手段で、嵩密度の低いバイオマスを安定してガス化できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、本発明は、バイオマスを原料として上方から竪型の炉内に供給し、供給されたバイオマスを炉内で下方へ移動させながらガス化反応させて、このガス化反応で生成されるバイオマスガスを排出するガス化炉において、前記排出されるバイオマスガスに含まれるチャーを捕集して、この捕集されたチャーを前記原料としてのバイオマスに混合した後、このチャーを混合したバイオマスを上方から炉内に供給する構成を採用した。
すなわち、排出されるバイオマスガスに含まれる微粒のチャーを捕集して、この捕集されたチャーを原料としてのバイオマスに混合した後、このチャーを混合したバイオマスを上方から炉内に供給することにより、バイオマスの嵩密度を高めて炉内でのブリッジ現象を防止し、安価で余分なメンテナンスを必要としない手段で、嵩密度の低いバイオマスを安定してガス化できるようにした。
本発明のガス化炉は、排出されるバイオマスガスに含まれる微粒のチャーを捕集して、この捕集されたチャーを原料としてのバイオマスに混合した後、このチャーを混合したバイオマスを上方から炉内に供給するようにしたので、バイオマスの嵩密度を高めて炉内でのブリッジ現象を防止し、安価で余分なメンテナンスを必要としない手段で、嵩密度の低いバイオマスを安定してガス化することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。このガス化炉は、図1に示すように、竪型の炉本体1の上方に混合押出し機2が配設され、この混合押出し機2に、原料としてのバイオマスAと、後述するサイクロン11で捕集されて分離器12で分離されるチャーBが投入され、バイオマスAが混合押出し機2でチャーBと混合された後、炉本体1に上方から供給されるようになっている。混合押出し機2は、混合用の混合羽根3と押出し用のスクリュ羽根4とを有し、嵩密度の低いバイオマスAを微粒のチャーBと混合して嵩密度を高め、先細の排出口2aから押出す。
前記炉本体1は、側壁に燃焼用空気Cを供給する空気供給管5と着火用のバーナ6が設けられ、底部に火格子7が設けられており、上方から供給されるチャーBと混合されたバイオマスAは炉内に堆積され、下方へ順に、乾燥、熱分解、酸化、還元の各ゾーン(図示省略)へ移動しながら、ガス化反応によってガス化され、ガス化されたバイオマスガスDが、火格子7の下側に設けられたガス排出口8から排出される。また、ガス化反応によって生じる燃焼残渣Eは、底部に接続された残渣排出管9から排出手段10によって外部に排出される。
前記ガス排出口8から排出されるバイオマスガスDはサイクロン11に送られ、バイオマスガスDに含まれるチャーBとアッシュFがサイクロン11で捕集されて、残りのガス成分が製品ガスGとして回収される。サイクロン11で捕集されたチャーBとアッシュFは分離器12で分離され、チャーBは搬送管13によって搬送され、上述したように、原料のバイオマスAと一緒に混合押出し機2に投入される。
実施例として、バイオマスAの原料をバークの粉砕物とし、上述したバイオマスガスDから捕集されたチャーBを原料に混合した後、ガス化炉に供給する連続運転試験を行なった。また、比較例として、チャーBを混合せずにバークの粉砕物のみを原料として供給する連続運転試験も行なった。供給したバークの粉砕物とチャーBの性状は表1に示す通りである。
Figure 2007238701
上記連続運転試験の結果、バークの粉砕物のみを原料として供給した比較例の場合は、1時間半後に炉内にブリッジ現象が発生して運転が不安定になったのに対して、同じ原料にチャーBを混合した実施例の場合は、試験打ち切り時間の48時間を経過してもブリッジ現象は発生せず、最後まで安定した運転が確保された。
上述した実施形態では、混合押出し機を用いてバイオマスの原料にチャーを混合したが、このチャーの混合には、ミキサ等の他の混合装置を用いてもよい。
ガス化炉の実施形態を示す縦断面図
符号の説明
A バイオマス
B チャー
C 燃焼用空気
D バイオマスガス
E 燃焼残渣
F アッシュ
G 製品ガス
1 炉本体
2 混合押出し機
2a 排出口
3 混合羽根
4 スクリュ羽根
5 空気供給管
6 バーナ
7 火格子
8 ガス排出口
9 残渣排出管
10 排出手段
11 サイクロン
12 分離器
13 搬送管

Claims (1)

  1. バイオマスを原料として上方から竪型の炉内に供給し、供給されたバイオマスを炉内で下方へ移動させながらガス化反応させて、このガス化反応で生成されるバイオマスガスを排出するガス化炉において、前記排出されるバイオマスガスに含まれるチャーを捕集して、この捕集されたチャーを前記原料としてのバイオマスに混合した後、このチャーを混合したバイオマスを上方から炉内に供給するようにしたことを特徴とするガス化炉。
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