JP2007235395A - 広帯域アンテナ装置 - Google Patents

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Hisamatsu Nakano
久松 中野
Kimio Morishita
公夫 森下
Junji Yamauchi
潤治 山内
Akira Miyoshi
明 三好
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Abstract

【課題】低域限界周波数を低くして、広帯域にわたって低いVSWRを示す、広帯域アンテナ装置を提供すること。
【解決手段】グランド板12上に立設する放射素子14が扇形をしている。扇形放射素子14は、上部円弧曲線C1と、右側エッジ曲線C2と、左側エッジ曲線C3とによって囲まれた平板形状をしている。右側エッジ曲線C2と左側エッジ曲線C3とは、垂直方向zに関して線対称である。扇形放射素子14は、信号給電点141から垂直方向zへ所定の距離rだけ離れた中心点140を持つ。扇形放射素子14は、中心点140と信号給電点141とを結ぶ第1の線分L1と、中心点140と右側接点142とを結ぶ第2の線分L2と、中心点140と左側接点143とを結ぶ第3の線分L3と、によって第1乃至第3の領域A1,A2,A3に分割される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、広帯域アンテナ装置に関し、特に、UWB(Ultra Wide band)用アンテナに関する。
UWBとは、その名の通り超広帯域無線を意味し、中心周波数の25%以上、または1.5GHz以上の帯域幅を占有する無線伝送方式を指す広義の用語である。一言でいうと、超広帯域の短パルス(通常1ns以下)を用いて通信し、無線に革命を起こすような技術である。
従来の無線とUWBとの決定的な違いは、搬送波の有無だといえる。従来の無線では、搬送波と呼ばれるある周波数の正弦波を様々な方法で変調し、データを送受信する。これに対して、UWBではその搬送波を使わない。UWBの定義にも書いたように、超広帯域の短パルスを用いる。
UWBはその名のとおり、超広帯域な周波数帯域をもっている。一方、従来の無線は狭い周波数帯域しかもっていない。それは、周波数帯域の狭いほうが電波を活用できるからである。電波は有限な資源である。では、どうしてUWBは超広帯域であるにも拘らず、注目されているかというと、各周波数での出力エネルギーにある。UWBは周波数帯域が広い代わりに各周波数での出力が非常に小さい。その大きさは、ノイズに埋もれてしまうくらいなので、他の無線通信との干渉は非常に少ないといえる。FCC(Federal Communications Commission:米連邦通信委員会)が許可するのに条件付きとしたのも、他の無線通信との干渉が問題とならないように配慮したためである。
UWBは超広帯域であるため、既存の無線通信サービスと帯域がかぶってしまう。そのため、現在はUWBの帯域は3.1GHzから10.6GHzの間に限定されている状況にある。
また、アンテナは基本的に共振現象を利用している。アンテナはその長さによって共振する周波数が決まってしまうのであるが、多くの周波数成分を含むUWBでは共振させることが難しい。したがって、送信したい電波の周波数帯域が広くなればなるほど、その分アンテナの設計が難しくなる。
太陽誘電は、近距離無線通信の世界で、大容量データ伝送と低消費電力を同時に実現できる次世代技術として、今最も注目を集めているUWB向けに、10mm×8mmの形状で厚さわずか1mmという超小型のセラミックチップアンテナの開発に成功した。このアンテナの開発により、今まで軍事用途に限られていたUWBを、PDP(Plasma Display Panel)テレビやデジタルカメラ等デジタル機器同士のデータを超高速でつなぐなどの民生用途に広げ、モバイルまで視野に入れた機器の小型化が可能となる。
尚、このようなUWB用アンテナは、Bluetooth(商標)や無線LAN(Local Area Network)等の用途に使用され得る。
Bluetoothは、比較的狭い範囲での音声およびデータのワイヤレス通信を、デスクトップおよびノートトップコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、プリンタ、スキャナ、デジタルカメラ、さらには家電製品の間で実現する先端テクノロジーのための一般公開された規格である。Bluetoothは、地球のどこでも利用できる2.4GHz帯域の電波を使って動作するので世界中で利用できる。簡単に言えば、Bluetoothを利用するとデジタル周辺機器との接続にケーブルは不要となり、ケーブル接続にともなう面倒はすべて過去のものとなる。
無線LANとは、電波や赤外線など、有線ケーブル以外の伝送路を利用したLANをいう。
従来から種々の広帯域アンテナ装置が提案されている。例えば、目的とする周波数特性に合わせ込んだ広帯域アンテナ装置を形成し、不必要な周波数帯域からの被干渉、目的外の周波数帯域への与干渉を低減させることができる広帯域アンテナ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示されている広帯域アンテナ装置は、平面導体地板と、この平面導体地板の面上に当該平面導体地板と交差する方向に立てられて使用される平面放射導体とを有する。平面放射導体の外周部、あるいは、その近傍に給電点が設けられている。平面放射導体には、当該平面放射導体の一部分を切り取ることにより形成する切取部分を1つ以上設けている。
また、コスト面や使用目的、あるいは、機器への実装面などの問題に対応し、製造コストを安価にし、広帯域で、かつ、小型の広帯域アンテナ装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に開示されている広帯域アンテナ装置は、平面導体地板と、この平面導体地板の面上に当該平面導体地板と交差する方向に立てられて使用される多角形平面放射導体とを有する。そして、多角形平面放射導体の頂点を給電点としている。
さらに、放射導体として平面状放射導体を用いた広帯域アンテナ装置であって、より小型化が可能な広帯域アンテナ装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3に開示されている広帯域アンテナ装置は、平面導体地板と、この平面導体地板の面上に当該平面導体地板と交差する方向に立てるように配置されている平面放射導体とを有する。平面放射導体は、平面導体地板の面上に立てられた状態にあるときに、平面導体地板と交差する方向に並べて配置するようにされる複数の導体部分を有する。導電率が概ね0.1以上10.0以下となる低導電率部材によって、複数の導体部分の間を接続して形成している。
一方、本発明者らは、広帯域化が可能で、周波数特性の改善を図ることが可能な、UWB用アンテナを既に提案している(例えば、特許文献4参照)。この特許文献4に開示されたUWB用アンテナは、上側誘電体と、下側誘電体と、それらの間に挟まれた導体パターンとから成る放射素子を備えている。導体パターンは、前面の略中央部に給電点を持ち、この給電点から右側面および左側面へそれぞれ所定の角度で広がる右側テーパ部および左側テーパ部を持つ逆三角形部分と、この逆三角形部分の上辺から膨出した主膨出部と、右側テーパ部から膨出した右側膨出部と、左側テーパ部から膨出した左側膨出部とから構成されている。以下では、このような導体パターンの形状を扇形と呼ぶことにする。尚、このような構造を有するUWB用アンテナでは、導体パターンと同一平面内にグランド板が延存在しているので、平面形扇形アンテナと呼ばれる。
特開2003−273638号公報 特開2003−283233号公報 特開2003−304114号公報 特開2005−295390号公報
この技術分野において周知のように、一般的に、アンテナ装置として必要なアンテナ特性としては、電圧定在波比(VSWR)は出来るだけ1に近いことが好ましい。望ましくは、VSWRは2以下であれば良いとされている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された広帯域アンテナ装置では、VSWRが2以下となる低域限界周波数を低くすることができないという問題がある。
一方、特許文献3に開示された広帯域アンテナ装置は、VSWRが2以下となる低域限界周波数を2.32GHzまでに低減する実施の形態を開示している。しかしながら、特許文献3では、低域限界周波数をそれよりも更に低い周波数まで低減する実施の形態については何ら開示していない。
また、特許文献4に開示されたUWB用アンテナ(平面形扇形アンテナ)では、VSWRが2以下となる低域限界周波数が4.6GHzと高く、低域限界周波数を低くすることは困難である。
したがって、本発明の課題は、低域限界周波数を低くして、広帯域にわたって低いVSWRを示す、広帯域アンテナ装置を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、水平面内で延在するグランド板(12)と、該グランド板の面上に当該グランド板と直交する垂直方向に立てるように配置された放射素子(14)とを有する広帯域アンテナ装置(10)において、前記放射素子(14)が扇形をしている、ことを特徴とする広帯域アンテナ装置が得られる。
上記本発明の第1の態様による広帯域アンテナ装置において、前記グランド板(12)は、中心にグランド給電点(121)を持つ所定の半径(RGP)の円板形状をしており、前記扇形放射素子(14)は、前記グランド給電点と近接した信号給電点(141)を持つことが好ましい。前記扇形放射素子(14)は、例えば、上部円弧曲線(C1)と、右側エッジ曲線(C2)と、左側エッジ曲線(C3)とによって囲まれた平板形状をしている。前記右側エッジ曲線(C2)と前記左側エッジ曲線(C3)とは、前記垂直方向(z)に関して線対称であることが好ましい。前記右側エッジ曲線(C2)は、前記信号給電点(141)と右側接点(142)とを結ぶものであり、前記左側エッジ曲線(C3)は、前記信号給電点(141)と左側接点(143)とを結ぶものであり、前記上部円弧曲線(C1)は、前記右側接点(142)と前記左側接点(143)とを結ぶものである。前記扇形放射素子(14)は、前記信号給電点(141)から前記垂直方向(z)へ所定の距離(r)だけ離れた中心点(140)を持っていて良い。この場合、前記扇形放射素子(14)は、前記中心点(140)と前記信号給電点(141)とを結ぶ第1の線分(L1)と、前記中心点(140)と前記右側接点(142)とを結ぶ第2の線分(L2)と、前記中心点(140)と前記左側接点(143)とを結ぶ第3の線分(L3)と、によって第1乃至第3の領域(A1,A2,A3)に分割される。前記第1の領域(A1)は、前記第2の線分(L2)と、前記第3の線分(L3)と、前記上部円弧曲線(C1)とによって囲まれた上部円弧部分から成る。前記第2の領域(A2)は、前記第1の線分(L1)と、前記第2の線分(L2)と、前記右側エッジ曲線(C2)とによって囲まれた右下部分から成る。前記第3の領域(A3)は、前記第1の線分(L1)と、前記第3の線分(L3)と、前記右側エッジ曲線(C3)とによって囲まれた左下部分から成る。前記上部円弧部分(A1)は、前記中心点(140)を中心とし、前記所定の距離(r)を半径とし、所定の内角(2α)を持つもので良い。
本発明の第2の態様によれば、水平面内で延在するグランド板(12)と、該グランド板の面上に当該グランド板と直交する垂直方向に立てるように配置された放射素子とを有する広帯域アンテナ装置において、前記放射素子が、前記垂直方向の周りに等角度間隔で配置されたN(Nは2以上の整数)個の扇形放射素子(14−1〜14−N)から構成される、ことを特徴とする広帯域アンテナ装置(10A)が得られる。
上記本発明の第2の態様による広帯域アンテナ装置において、前記グランド板(12)は、中心にグランド給電点(121)を持つ所定の半径の円板形状をしており、前記放射素子は、前記グランド給電点と近接した信号給電点(141)を持つことが好ましい。前記N個の扇形放射素子(14−1〜14−N)の各々は、上部円弧曲線(C1)と、右側エッジ曲線(C2)と、左側エッジ曲線(C3)とによって囲まれた平板形状をしている。前記右側エッジ曲線(C2)と前記左側エッジ曲線(C3)とは、前記垂直方向(z)に関して線対称であることが好ましい。前記右側エッジ曲線(C2)は、前記信号給電点(141)と右側接点(142)とを結ぶものであり、前記左側エッジ曲線(C3)は、前記信号給電点(141)と左側接点(143)とを結ぶものであり、前記上部円弧曲線(C1)は、前記右側接点(142)と前記左側接点(143)とを結ぶものである。前記放射素子は、前記信号給電点(141)から前記垂直方向(z)へ所定の距離(r)だけ離れた中心点(140)を持っていて良い。前記N個の扇形放射素子(14−1〜14−N)の各々は、前記中心点と前記信号給電点とを結ぶ第1の線分(L1)と、前記中心点と前記右側接点とを結ぶ第2の線分(L2)と、前記中心点と前記左側接点とを結ぶ第3の線分(L3)と、によって第1乃至第3の領域(A1〜A3)に分割されている。前記第1の領域(A1)は、前記第2の線分(L2)と、前記第3の線分(L3)と、前記上部円弧曲線(C1)とによって囲まれた上部円弧部分から成る。前記第2の領域(A2)は、前記第1の線分(L1)と、前記第2の線分(L2)と、前記右側エッジ曲線(C2)とによって囲まれた右下部分から成る。前記第3の領域(A3)は、前記第1の線分(L1)と、前記第3の線分(L3)と、前記右側エッジ曲線(C3)とによって囲まれた左下部分から成る。前記上部円弧部分(A1)は、前記中心点(140)を中心とし、前記所定の距離(r)を半径とし、所定の内角(2α)を持つもので良い。
尚、上記括弧内の符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
本発明では、グランド板上に立設する放射素子が扇形をしているので、低域限界周波数を低くして、広帯域にわたって低いVSWRを示す、広帯域アンテナ装置を提供することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態による広帯域アンテナ装置10について説明する。図1は広帯域アンテナ装置10の斜視図であり、図2は広帯域アンテナ装置10の正面図である。
広帯域アンテナ装置10は、グランド板12と放射素子14とから構成されている。ここでは、図2に示されるように、放射素子14の信号給電点141を原点にとっている。そして、図2の紙面と直交する前後方向にx軸をとり、紙面の左右方向にy軸をとり、紙面の上下方向(高さ方向)にz軸をとっている。グランド板12は、x−y平面と平行な面内に延在している。図示のグランド板12は、グランド給電点121を中心とした半径RGPの円形板である。尚、グランド板12は反射板とも呼ばれる。図示の例では、半径RGPは20mmである。
このグランド板(反射板)12の上に、y−z平面で規定される面内で、放射素子14が垂直に配置されている。放射素子14は扇形をしている。
詳述すると、扇形放射素子14は、信号給電点141からz方向に所定の距離rだけ離れた位置に中心点140を持つ。扇形放射素子14は、z軸(上下方向)に関して線対称な形状をしている。扇形放射素子14は、この中心点140から半径rだけ離れた位置で、かつz方向を基準として中心点140の周りで右側へ(時計回りに)角度αだけ傾いた位置に右側接点142を持ち、中心点140から半径rだけ離れた位置で、かつz方向を基準として中心点140の周りに左側へ(反時計回りに)角度αだけ傾いた位置に左側接点143を持つ。
扇形放射素子14は、中心点140と、原点の信号給電点141と、右側接点142と、左側接点143とによって規定される、第1及び第3の領域A1、A2、およびA3に分割される。換言すれば、扇形放射素子14は、中心点140と信号給電点141とを結ぶ第1の線分L1と、中心点140と右側接点142とを結ぶ第2の線分L2と、中心点140と左側接点143とを結ぶ第3の線分L3と、によって第1及び第3の領域A1、A2、およびA3に分割される。
扇形放射素子14は、右側接点142と左側接点143とを結ぶ上部円弧曲線C1と、右側接点142と信号給電点141とを結ぶ右側エッジ曲線C2と、左側接点143と信号給電点141とを結ぶ左側エッジ曲線C3とによって囲まれた平板(平面)形状をしている。
上記第1の領域A1は、第2の線分L2と、第3の線分L3と、上部円弧曲線C1とによって囲まれた上部円弧部分から成る。すなわち、第1の領域(上部円弧部分)A1は、中心点140を中心とし、所定の距離rを半径とし、所定の内角2αを持つ。
第2の領域A2は、第1の線分L1と、第2の線分L2と、右側エッジ曲線C2とによって囲まれた右下部分から成る。この第2の領域(右下部分)A2の右側エッジ曲線C2は、右側接点142の座標点Pを(y、z)で表すと、y=−[exp{−a(z−z)}−1]+yで定義される曲線で表される。
第3の領域A3は、第1の線分L1と、第3の線分L3と、左側エッジ曲線C3とによって囲まれた左下部分である。この第3の領域(左下部分)A3は、z軸に関して上記第2の領域(右下部分)A2と線対称な形状をしている。換言すれば、左側エッジ曲線C3は、z軸に関して右側エッジ曲線C2と線対称な曲線である。とにかく、右側エッジ部分A2と左側エッジ部分A3の各々は、外側に膨出した形状をしている。
図示の例では、半径(所定の距離)rは21,8mmであり、内角2αは120°であり、座標点Pのy座標位置yはrsinαであり、座標点Pのz座標位置zはrcosα+rである。また、扇形放射素子14の高さSは2rに等しい。
この技術分野において周知のように、一般的に、アンテナ装置として必要なアンテナ特性としては、電圧定在波比(VSWR)は出来るだけ1に近いことが好ましい。望ましくは、VSWRは2以下であれば良い。
図3に、広帯域アンテナ装置10のVSWRの周波数特性を示す。図示のVSWRの周波数特性は、FDTD法(Finite Difference Time Domain Method)を用いて解析したものである。図3において、横軸は周波数(frequency)[GHz]を示し、縦軸はVSWR50を示す。図3から、図1及び図2に示した広帯域アンテナ装置10は、2GHz以上の周波数において、2以下のVSWRが確保されていることが分かる。換言すれば、広帯域アンテナ装置10においては、VSWRが2以下である低域限界周波数が2GHz以下である。
したがって、円形反射板12上に垂直に扇形放射素子14を設置した縦型構造を持つ広帯域アンテナ装置10は、広帯域にわたって低いVSWRを示すことが分かる。
図4に図1及び図2に示した広帯域アンテナ装置10の放射パターンを示す。図4において、(a)は周波数fが3.1GHzにおける広帯域アンテナ装置10の代表的な放射パターンを示し、(b)は周波数fが10.6GHzにおける広帯域アンテナ装置10の代表的な放射パターンを示す。図4において、実線のEθは主偏波成分を示し、破線のEφは直交偏波(交差偏波)成分を示す。
また、図4(a)において、左側の放射パターンは、φ=0°平面における放射パターンを示し、右側の放射パターンは、θ=90°平面における放射パターンを示す。図4(b)において、左側の放射パターンは、φ=0°平面における放射パターンを示し、右側の放射パターンは、θ=30°平面における放射パターンを示す。図4から、広帯域アンテナ装置10は、方位方向では無指向性になっていることが分かる。
上述した本発明の第1の実施の形態に係る広帯域アンテナ装置10では、放射素子として、1個の扇形放射素子14のみ備えているが、後述する実施の形態のように、放射素子は、z軸の周りに等角度間隔で配置された複数個の扇形放射素子から構成されても良い。
図5及び図6を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る広帯域アンテナ装置10Aについて説明する。図5は広帯域アンテナ装置10Aの斜視図であり、図6は広帯域アンテナ装置10Aの正面図である。図示の広帯域アンテナ装置10Aは、1個の扇形放射素子14の代わりに、第1及び第2の扇形放射素子14−1および14−2を備えている点を除いて、図1及び図2に示した広帯域アンテナ装置10と同様の構成を有する。
第1の扇形放射素子14−1は、x−y平面に配置されたグランド板(反射板)12の上にy−z平面で規定される面内で垂直に配置されている。第2の扇形放射素子14−2は、x−y平面に配置されたグランド板(反射板)12の上にx−z平面で規定される面内で垂直に配置されている。すなわち、第1の扇形放射素子14−1と第2の扇形放射素子14−2とは、それぞれの信号給電点141と中心点140が重ね合わされて、z軸の周りに90°の等角度間隔で配置されている。換言すれば、広帯域アンテナ装置10Aを上面から見た場合、平面図として、扇形放射素子14−1、14−2は十字型の構造をしている。
第1及び第2の扇形放射素子14−1、14−2の各々は、前述した扇形放射素子14と同様の形状(構造)をしているので、それらの詳しい説明については省略する。
図7に、図5及び図6に図示した広帯域アンテナ装置10Aと図1及び図2に図示した広帯域アンテナ装置10のVSWRの周波数特性を示す。図示のVSWRの周波数特性は、FDTD法(Finite Difference Time Domain Method)を用いて解析したものである。図7において、横軸は周波数(frequency)[GHz]を示し、縦軸はVSWR50示す。図7において、破線のCrossed(X)は図5及び図6に示す広帯域アンテナ装置10AのVSWRの周波数特性を示し、実線のFlat(F)は図1及び図2に示す広帯域アンテナ装置10のVSWRの周波数特性を示す。
図7から、図5及び図6に示した広帯域アンテナ装置10Aは、2.2GHz以上の周波数において、2以下のVSWRが確保されていることが分かる。すなわち、広帯域アンテナ装置10Aは、VSWRが2以下となる低域限界周波数が2.2GHzである。しかも、図1及び図2に示した広帯域アンテナ装置10と比較して、図5及び図6に示した広帯域アンテナ装置10Aの方が、2.2GHz以上の周波数においてVSWRが全体的に低いことが分かる。
図8に、図5及び図6に図示した広帯域アンテナ装置10Aと図1及び図2に示した広帯域アンテナ装置10の、周波数fが3.1GHzと10.6GHzにおける放射パターンを示す。図8において、実線のEθは主偏波成分を示し、破線のEφは直交偏波(交差偏波)成分を示す。
また、図8において、Xの欄(行)は図5及び図6に示した広帯域アンテナ装置10Aの代表的な放射パターンを示し、Fの欄(行)は図1及び図2に示した広帯域アンテナ装置10の放射パターンを示す。さらに、図8において、左側の欄(列)は、x−z平面(φ=0°平面)における放射パターンを示し、真ん中の欄(列)は、θ=30°平面における放射パターンを示し、右側の欄(列)は、θ=60°平面における放射パターンを示す。
図8から、図1及び図2に示した広帯域アンテナ装置10とは異なり、図5及び図6に図示した広帯域アンテナ装置10Bは、周波数fが10.6GHzにおいてθ=30°の方向では、直交偏波(交差偏波)成分Eφが抑えられていることが分かる。
したがって、扇形放射素子を十字形構造とすることにより、高域での直交偏波成分Eφを低減し、2.2GHz以上において2以下のVSWRを達成できる、広帯域アンテナ装置10Aが得られる。
上述した本発明の第2の実施の形態では、扇形放射素子を2個備えた例について述べているが、一般的に、扇形放射素子の個数はN(Nは2以上の整数)であって良い。この場合、第1乃至第Nの扇形放射素子14−1〜14−Nは、グランド板(反射板)12の上に、z軸の周りに(180°/N)の等角度間隔で配置される。
以上、本発明について好ましい実施の形態によって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定しないのは勿論である。例えば、右側エッジ曲線C2と左側エッジ曲線C3は、上述した数式で表されたものに限定されないのは勿論である。また、上述した実施の形態では、グランド板12が円板形状をしているが、種々の形状のものを用いても良い。
本発明の第1の実施の形態に係る広帯域アンテナ装置を示す斜視図である。 図1に示した広帯域アンテナ装置の正面図である。 図1に示した広帯域アンテナ装置のVSWRの周波数特性を示す図である。 図1に示した広帯域アンテナ装置の放射パターンを示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る広帯域アンテナ装置を示す斜視図である。 図5に示した広帯域アンテナ装置の正面図である。 図5に示した広帯域アンテナ装置と図1に示した広帯域アンテナ装置のVSWRの周波数特性を示す図である。 図5に示した広帯域アンテナ装置と図1に示した広帯域アンテナ装置の放射パターンを示す図である。
符号の説明
10、10A 広帯域アンテナ装置
12 グランド板
121 グランド給電点
14、14−1、14−2 扇形放射素子
140 中心点
141 信号給電点
142 右側接点
143 左側接点
GP グランド板の半径
C1 上部円弧曲線
C2 右側エッジ曲線
C3 左側エッジ曲線
L1 第1の線分
L2 第2の線分
L3 第3の線分
A1 第1の領域(上部円弧部分)
A2 第2の領域(右下部分)
A3 第3の領域(左下部分)
r 上部円弧部分の半径
2α 上部円弧部分の内角

Claims (16)

  1. 水平面内で延在するグランド板と、該グランド板の面上に当該グランド板と直交する垂直方向に立てるように配置された放射素子とを有する広帯域アンテナ装置において、前記放射素子が扇形をしている、ことを特徴とする広帯域アンテナ装置。
  2. 前記グランド板は、中心にグランド給電点を持つ所定の半径の円板形状をしており、前記扇形放射素子は、前記グランド給電点と近接した信号給電点を持つ、ことを特徴とする請求項1に記載の広帯域アンテナ装置。
  3. 前記扇形放射素子は、上部円弧曲線と、右側エッジ曲線と、左側エッジ曲線とによって囲まれた平板形状をしている、請求項2に記載の広帯域アンテナ装置。
  4. 前記右側エッジ曲線と前記左側エッジ曲線とは、前記垂直方向に関して線対称である、請求項3に記載の広帯域アンテナ装置。
  5. 前記右側エッジ曲線は、前記信号給電点と右側接点とを結ぶものであり、
    前記左側エッジ曲線は、前記信号給電点と左側接点とを結ぶものであり、
    前記上部円弧曲線は、前記右側接点と前記左側接点とを結ぶものである、
    請求項4に記載の広帯域アンテナ装置。
  6. 前記扇形放射素子は、前記信号給電点から前記垂直方向へ所定の距離だけ離れた中心点を持ち、
    前記扇形放射素子は、前記中心点と前記信号給電点とを結ぶ第1の線分と、前記中心点と前記右側接点とを結ぶ第2の線分と、前記中心点と前記左側接点とを結ぶ第3の線分と、によって第1乃至第3の領域に分割される、請求項5に記載の広帯域アンテナ装置。
  7. 前記第1の領域は、前記第2の線分と、前記第3の線分と、前記上部円弧曲線とによって囲まれた上部円弧部分から成り、
    前記第2の領域は、前記第1の線分と、前記第2の線分と、前記右側エッジ曲線とによって囲まれた右下部分から成り、
    前記第3の領域は、前記第1の線分と、前記第3の線分と、前記右側エッジ曲線とによって囲まれた左下部分から成る、
    請求項6に記載の広帯域アンテナ装置。
  8. 前記上部円弧部分は、前記中心点を中心とし、前記所定の距離を半径とし、所定の内角を持つ、請求項7に記載の広帯域アンテナ装置。
  9. 水平面内で延在するグランド板と、該グランド板の面上に当該グランド板と直交する垂直方向に立てるように配置された放射素子とを有する広帯域アンテナ装置において、
    前記放射素子が、前記垂直方向の周りに等角度間隔で配置されたN(Nは2以上の整数)個の扇形放射素子から構成される、ことを特徴とする広帯域アンテナ装置。
  10. 前記グランド板は、中心にグランド給電点を持つ所定の半径の円板形状をしており、前記放射素子は、前記グランド給電点と近接した信号給電点を持つ、ことを特徴とする請求項9に記載の広帯域アンテナ装置。
  11. 前記N個の扇形放射素子の各々は、上部円弧曲線と、右側エッジ曲線と、左側エッジ曲線とによって囲まれた平板形状をしている、請求項10に記載の広帯域アンテナ装置。
  12. 前記右側エッジ曲線と前記左側エッジ曲線とは、前記垂直方向に関して線対称である、請求項11に記載の広帯域アンテナ装置。
  13. 前記右側エッジ曲線は、前記信号給電点と右側接点とを結ぶものであり、
    前記左側エッジ曲線は、前記信号給電点と左側接点とを結ぶものであり、
    前記上部円弧曲線は、前記右側接点と前記左側接点とを結ぶものである、
    請求項12に記載の広帯域アンテナ装置。
  14. 前記放射素子は、前記信号給電点から前記垂直方向へ所定の距離だけ離れた中心点を持ち、
    前記N個の扇形放射素子の各々は、前記中心点と前記信号給電点とを結ぶ第1の線分と、前記中心点と前記右側接点とを結ぶ第2の線分と、前記中心点と前記左側接点とを結ぶ第3の線分と、によって第1乃至第3の領域に分割されている、請求項13に記載の広帯域アンテナ装置。
  15. 前記第1の領域は、前記第2の線分と、前記第3の線分と、前記上部円弧曲線とによって囲まれた上部円弧部分から成り、
    前記第2の領域は、前記第1の線分と、前記第2の線分と、前記右側エッジ曲線とによって囲まれた右下部分から成り、
    前記第3の領域は、前記第1の線分と、前記第3の線分と、前記右側エッジ曲線とによって囲まれた左下部分から成る、
    請求項14に記載の広帯域アンテナ装置。
  16. 前記上部円弧部分は、前記中心点を中心とし、前記所定の距離を半径とし、所定の内角を持つ、請求項15に記載の広帯域アンテナ装置。
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