JP2007235381A - Mpls転送方法、mplsルータおよびエリア境界ルータ - Google Patents

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Abstract

【課題】大規模なネットワークにMPLSを適用する際に、ネットワーク全体におけるLSPの本数を削減する。
【解決手段】送信元MPLSエッジルータ(MPLSルータ4A)が、(1)前記パケットの宛先のエッジルータである宛先MPLSエッジルータ(MPLSルータ4C)を示すラベルと、(2)宛先MPLSエッジルータに到達するまで経由するドメインを示すラベルとをパケットに付与して送信し、ドメイン境界MPLSルータ(MPLSルータ4D)が、受信したパケットに付与されたラベルを参照して、次の転送先であるドメインへパケットを転送し、ドメイン境界MPLSルータ(MPLSルータ4E)が、受信したパケットに付与されたラベルを参照して宛先MPLSエッジルータ(MPLSルータ4C)との間で確立したLSP5を選択しパケットを転送する。
【選択図】図1

Description

本発明は、MPLSの通信技術に関する。
IP(Internet Protocol)電話やIP放送等の新サービスの登場や、既存の専用線サービスのIPネットワークへの巻き取りが進んでおり、様々なサービスのIPネットワークへの統合が期待されている。これらのサービスをIPネットワークに収容するために、多数のサービスの論理的分離や信頼性の向上の観点からMPLS(Multi Protocol Label Switching、非特許文献1参照)の利用が期待されている。このMPLSはコネクション型の技術であり、従来のIPネットワークでは必要のなかったパス(LSP、Label Switched Path)の管理が必要となる。
IETF、"Multiprotocol Label Switching Architecture"、RFC3031、Section 2.1,3.1〜3.6,3.9,3.25,3.27、 [online]、[平成17年12月27日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc3031.txt>
しかし、このMPLSを利用した場合、ネットワークが大規模化すると必要になるLSPの本数が急増する。特にIP電話のようにユーザ間の通信が主体のサービスにMPLSを適用すると、ユーザを収容しているエッジルータ間にフルメッシュのLSPが必要となる。フルメッシュにLSPを確立した場合、ネットワーク全体で必要なLSPの本数は、エッジルー夕の数をNとするとN(N−1)本となり、数万〜数十万本のLSPが必要となる。しかし、ルータの性能やLSPの運用管理を考慮すると、数万本〜数十万本のLSPを運用することは事実上困難である。
そこで本発明は、大規模なネットワークにMPLSを適用する際に、このネットワーク全体におけるLSPの本数を削減するMPLS転送方法等を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、請求項1に記載のMPLS転送方法は、ラベルスイッチング機能を持つ複数のMPLS(Multi Protocol Label Switching)ルータを備えるMPLSネットワークにおいて、前記MPLSルータそれぞれが、前記MPLSネットワークを複数のドメインに分割して前記ドメインごとにLSP(Label Switched Path)を確立し、前記確立したLSPの情報を記憶部に記録し、前記MPLSルータのうち、ユーザネットワークからパケットを受信した送信元MPLSエッジルータが、(1)前記パケットの宛先のエッジルータである宛先MPLSエッジルータを示すラベルと、(2)前記宛先MPLSエッジルータに到達するまで経由するドメインを示すラベルとを前記パケットに付与して送信し、前記ドメインの境界に設置されるMPLSルータであるドメイン境界MPLSルータが、受信した前記パケットに付与されたラベルを参照して、次の転送先であるドメインへ前記パケットを転送し、前記宛先MPLSエッジルータを含むドメインのドメイン境界MPLSルータが、受信した前記パケットに付与されたラベルおよびこのドメイン境界MPLSルータの前記LSPの情報を参照して、前記確立したLSPのうち、前記宛先MPLSエッジルータとの間で確立したLSPを選択し、前記パケットを転送する方法とした。
この方法によれば、MPLSルータは、MPLSネットワークをドメインに分割し、そのドメインごとにLSPを確立する。また、送信元MPLSエッジルータは、送信するパケットに宛先MPLSエッジルータのラベルと経由すべきドメインのドメインラベルとを付与するので、LSPの切れ目となるドメイン境界MPLSルータは、このラベルに基づき次のドメイン(あるいは宛先MPLSエッジルータ)に接続するLSPへパケットを転送することができる。つまり、ドメインごとにLSPを確立しても、ドメイン境界MPLSルータが順次パケットを次のLSPに乗せかえていくので、パケットは目的とする宛先MPLSエッジルータまで到達する。ドメイン境界MPLSルータがこのようなパケットのLSP乗せかえを行うことで、MPLSネットワーク全体におけるLSPの本数を大幅に削減することができる。
なお、各MPLSルータにより転送されるパケットは、このパケットを含むMPLSフレームにより転送される。このパケットは、IPパケットでもよいしイーサネット(登録商標)フレームであってもよい。また、ドメイン境界MPLSルータは、ラベルスイッチングによってLSP間の転送を行うので、ドメイン境界においてもMPLSフレームによって運ばれるIPパケットやイーサネット(登録商標)フレームの隠蔽性を保つことができる。さらに、ドメイン境界MPLSルータがLSP間の転送を行うときには通常のラベルスイッチングによるMPLS転送の技術を流用できるので、新たなハードウェアを開発する必要がなくなる。
請求項2に記載のMPLS転送方法は、請求項1に記載のMPLS転送方法のルーティングプロトコルとしてOSPFを用い、前記ドメインとしてOSPFのエリアを用い、前記ドメイン境界MPLSルータとしてOSPFのエリア境界ルータを用いる前記MPLSネットワークにおいて、前記エリア境界ルータが、OSPFの拡張情報であるOpaque LSAを用いて、(1)前記エリア境界ルータの属するエリア内のすべてのMPLSエッジルータを示すラベルと、(2)前記MPLSエッジルータそれぞれの属するOSPFのエリアの識別情報を示すラベルとを前記MPLSネットワーク内に広告し、前記送信元MPLSエッジルータが、前記広告されたOpaque LSAの情報を用いて、前記宛先MPLSエッジルータに到達するまで経由するドメインを示すラベルおよび前記宛先MPLSエッジルータを示すラベルを付与する方法とした。
この方法によれば、請求項1におけるドメインを示すラベルや宛先MPLSエッジルータを示すラベルを、OSPF(Open Shortest Path First)の拡張情報であるOpaque LSA(Link-State Advertisement)により割り当てることができる。従って、MPLSネットワークの管理者等が手動でこれらのラベルの割り当てをする手間を軽減することができる。
なお、OSPFは、一般的なIP(Internet Protocol)ネットワークのルーティングプロトコルとして広く利用されているプロコトルであり、RFC2328として標準化されている。このため、OSPFをベースとしたネットワークにおいて、前記したラベルの割り当てを利用することで多くのIPネットワークのルーティング構成を変更せずに、本発明のMPLS転送方法を適用することができる。
また、OSPFによりルーティングプロコトルとして必要なもの以外の付加情報を運ぶ手段として、Opaque LSAがRFC2370に規定されている。OSPFでは、ルーテンィグに必要なアドレス等の情報をLSAと呼ばれる情報要素に格納してネットワーク内に広告する。Opaque LSAは、付加情報を運ぶための追加フォーマットとして規定されており、ルーティングとは直接関係ない情報を、OSPFプロトコルを用いて広告することができる。なお、前記したRFC2370にはOpaque LSAのフォーマットのみが規定されており、この利用方法(どのような付加情報をどのようなタイミングで広告するか等)は、実装マターとなる。
請求項3に記載のMPLSルータは、ラベルスイッチング機能を持ち、ユーザネットワークから受信したパケットをMPLSネットワークへ転送するMPLSルータであって、前記パケットの宛先となるユーザネットワークに接続される宛先MPLSエッジルータのラベルと、この宛先MPLSエッジルータに到達するまでに経由するドメインを示すラベルとを示したラベルテーブルを記憶する記憶部と、前記ユーザネットワークからパケットを受信したとき、前記ラベルテーブルから、このパケットの宛先のユーザネットワークに接続される宛先MPLSエッジルータのラベルと、この宛先MPLSエッジルータに到達するまでに経由するドメインを示すラベルとを読み出し、前記読み出したラベルを前記パケットに付与して転送する処理部とを備える構成とした。
このような構成によれば、このMPLSルータから転送されたパケット(MPLSフレーム)には宛先MPLSエッジルータのラベルと経由すべきドメインのドメインラベルとを付与するので、LSPの切れ目となるドメイン境界MPLSルータは、このラベルに基づき次のドメイン(あるいは宛先MPLSエッジルータ)に接続するLSPへパケットを転送することができる。従って、MPLSエッジルータ同士を接続するとき、ドメインMPLSエッジルータ同士をフルメッシュのLSPで接続する必要がなくなる。従って、MPLSネットワーク全体におけるLSPの本数を大幅に削減することができる。
請求項4に記載のMPLSルータは、請求項3におけるMPLSルータにおいて、前記記憶部は、次の転送先であるドメインまたは宛先MPLSエッジルータごとに、そのドメインまたは宛先MPLSエッジルータへ転送するためのLSPの情報をさらに記憶し、前記処理部は、さらに、他のMPLSルータからパケットを受信したとき、この受信したパケットに付与されたドメインのラベルまたはMPLSルータのラベルと、前記LSPの情報とを参照して、このラベルに示されるドメインまたはMPLSエッジルータとの間に確立したLSPを選択して前記パケットを転送する構成とした。
このような構成によれば、請求項3に記載のMPLSルータを、ドメイン境界MPLSルータとしても用いることができる。
なお、請求項におけるLSPの情報は、後記する実施の形態のラベルテーブルにおける出力ラベルの欄に含まれる転送ラベルの値に相当する。
請求項5に記載のMPLSルータは、請求項3または請求項4に記載のMPLSルータにおいて、前記MPLSネットワークは、ルーティングプロトコルとしてOSPFを用いるネットワークであり、前記処理部は、前記MPLSネットワークにおけるOSPFのエリア境界ルータから、OSPFの拡張情報であるOpaque LSAにより広告された(1)前記エリア境界ルータの属するエリア内のすべてのMPLSエッジルータを示すラベルと、(2)前記MPLSエッジルータそれぞれの属するOSPFのエリアの識別情報を示すラベルとを受信し、 前記受信したOpaque LSAの情報を用いて、前記ラベルテーブルに前記宛先MPLSエッジルータのラベルおよび前記経由するドメインのラベルを書き込む構成とした。
請求項6に記載のエリア境界ルータは、請求項5に記載のMPLSルータを含むMPLSネットワークにおけるOSPFのエリア境界ルータであって、前記エリア境界ルータの処理部は、OSPFの拡張情報であるOpaque LSAを用いて、(1)前記エリア境界ルータの属するエリア内のすべてのMPLSエッジルータを示すラベルと、(2)前記MPLSエッジルータそれぞれの属するOSPFのエリアの識別情報を示すラベルとを前記MPLSネットワーク内に広告する構成とした。
この構成によれば、ドメインを示すラベルや宛先MPLSエッジルータを示すラベルをネットワーク内に通知する手段として、OSPFの拡張情報であるOpaque LSAを用いるので、ラベル通知のためのプロトコルを一から開発する必要がなくなる。従って、開発コストや開発期間を削減することができる。
本発明によれば、大規模なネットワークにMPLSを適用する際に、このネットワーク全体におけるLSPの本数を削減することができる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)を、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態のMPLSルータを含むネットワークの構成図である。
本実施の形態では、ルーティングプロトコルとしてOSPFを用いる。つまり、MPLSネットワーク1はOSPFの複数エリアで構成されたネットワークを前提とし、各OSPFエリアをLSP分割のドメインとする。なお、ドメインとは、複数のノードからなるネットワークの管理上の領域である。また、MPLSネットワーク内に、ドメインを示すラベルと宛先MPLSエッジルータを示すラベルとを通知する手段として、OSPFの拡張情報であるOpaque LSAを用いることとする。
なお、OSPFにおけるエリアの構成は、複数のOSPFサブエリア3が1つのOSPFバックボーンエリア2により接続される構成となっている(図1参照)。従って、MPLSエッジルータ(例えば、MPLSルータ4A)から送信されるMPLSフレームには、少なくとも、最後に通過するドメイン(サブエリア)の情報と、そのドメインにおける宛先MPLSエッジルータの情報が記述される。
まず、図1を用いて、本実施の形態で前提とするネットワークの概要について説明する。MPLSネットワーク1は、OSPFバックボーンエリア2(Area0)と、3つのOSPFサブエリア3(Area1,Area2,Area3)とを備える。各OSPFエリアは複数のMPLSルータ4で構成される。このMPLSルータ4は、MPLSによる通信を実現するためのプロトコルを実装したルータであり、MPLSフレーム(フレーム)に付されたラベルに基づき、ラベルスイッチングを行う。
MPLSルータ4(4A,4B,4C)は、それぞれユーザネットワーク6(6A,6B,6C)を収容(接続)するMPLSエッジルータである。また、MPLSルータ4(4D,4E,4F)はOSPFのエリア境界ルータ(ドメイン境界MPLSルータ)である。また、それぞれのOSPFエリア内では、MPLSエッジルータとドメイン境界MPLSルータの間、もしくはドメイン境界MPLSルータ同士の間にLSP(Label Switched Path)5が確立される。なお、ユーザネットワーク6(6A,6B,6C)は、例えば、IPネットワークであり、MPLSフレームにより運ばれるデータはIPパケットである。
なお、図1には説明の容易のため、MPLSエッジルータおよびドメイン境界MPLSルータはそれぞれ3台ずつしか描いていないが、これに限定されない。本発明が適用されるMPLSネットワーク1において、MPLSエッジルータの台数は、ドメイン境界MPLSルータの台数の1〜2桁上の台数が設置される。例えば、都道府県ごとにドメインを区切った場合、ドメイン境界MPLSルータ50台に対し、MPLSエッジルータは約500台設置されると考えられる。
<MPLSルータの構成>
MPLSルータ4は、MPLSネットワーク1とのネットワークインタフェースと、ネットワークインタフェースの切り替えを行うスイッチと、各種プログラムやデータを記憶する補助記憶部(記憶部)と、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)等のメインメモリとを備える。補助記憶部は、例えば、フラッシュメモリやハードディスク装置等である。
このようなMPLSルータ4の機能を、図2を用いて説明する。図2は、図1のMPLSルータ4を機能展開して示したブロック図である。
MPLSルータ4は、OSPFプロトコル処理部101と、RSVPプロトコル処理部102と、ドメイン・ルータラベル処理部103と、ドメイン・ラベルデータベース(DB)104と、ルーティングテーブル105と、ラベルテーブル106と、転送部110とを備える。
なお、ドメイン・ルータラベルDB104と、ルーティングテーブル105と、ラベルテーブル106とは、前記した補助記憶部に格納される。
OSPFプロトコル処理部101は、通常のルーティングに用いるOSPFに加え、ドメインを識別するラベル(以下、ドメインラベルとする)と、MPLSエッジルータを識別するラベル(以下、ルータラベルとする)を、Opaque LSAを用いてMPLSネットワーク1内に広告する機能を有する。
例えば、このMPLSルータ4がドメイン境界MPLSルータとして動作するときには、このOSPFプロトコル処理部101は、自身が属するドメインのドメインラベル(例えば、OSPFサブエリア3のエリア番号)と、このドメインに属するMPLSエッジルータのルータラベルとをMPLSネットワーク1内に広告する。
また、このMPLSルータ4がMPLSエッジルータとして動作するときには、このOSPFプロトコル処理部101は、自身のMPLSルータ4のIPアドレス、自身に接続するユーザネットワークのIPアドレス等をOSPFのLSAによりMPLSネットワーク1内に広告する。
また、このOSPFプロトコル処理部101は、他のMPLSルータ4から広告された情報を受信し、この情報をドメイン・ルータラベル処理部103へ出力したり、ルーティングテーブル105にエントリを追加したりする。
このルーティングテーブル105は、図3に例示するように、外部経路のIPアドレス301と、この外部経路のIPアドレスの広告元ルータのIPアドレスとを示したテーブルである。つまり、MPLSネットワーク1の外側にあるネットワーク(例えば、図1のユーザネットワーク6)のIPアドレスと、そのネットワークを収容するMPLSエッジルータのIPアドレスとを示したテーブルである。
RSVPプロトコル処理部102は、LSPを確立するシグナリングプロトコルであるRSVP−TE(Resource reSerVation Protocol with Traffic Extensions)を動作させる。このRSVP−TEプロトコル自体は標準で規定されているものをそのまま利用する。なお、ここでは図示を省略したが、このRSVPプロトコル処理部102が確立したLSPの情報(LSP情報)は、MPLSルータ4の記憶部に記録しておく。このLSP情報は、例えば、次の転送先であるドメインまたは宛先MPLSエッジルータごとに、そのドメインまたは宛先MPLSエッジルータへフレームを転送するときにはどのLSPを用いればよいかを示したものである。なお、このLSP情報には、例えば転送ラベルのラベル値等を含む。このLSP情報は、ドメイン・ルータラベル処理部103がラベルテーブル106に情報を記述するときや、スイッチ108がLSPの選択をするときに用いられる。
ドメイン・ルータラベル処理部103は、他のMPLSルータ4から広告されたMPLSエッジルータのIPアドレス、ドメインラベル、ルータラベルの情報をドメイン・ルータラベルデータベース(DB)104に記録する。
このドメイン・ルータラベルDB104は、図4に例示するように、MPLSエッジルータのIPアドレス201と、このMPLSエッジルータが属するドメインのドメインラベル202、このMPLSエッジルータに割り当てられたルータラベル203とを示したデータベースである。このドメイン・ルータラベルDB104はMPLSルータ4がラベルテーブル106を作成する際に参照される。
なお、図4に例示するドメイン・ルータラベルDB104は、IPアドレス「B」のMPLSエッジルータは、ドメインラベル「#A2」のドメインに属し、ルータラベルは「#2」であることを示す。
図2の説明に戻る。また、このドメイン・ルータラベル処理部103は、ラベルテーブル106にドメインラベル、ルータラベル、次に転送するLSPの転送ラベル等を書き込む。
このラベルテーブル106は、MPLSルータ4がフレームを受信したときに、どのラベルを付して、どの出力インタフェース(ネットワークインタフェース107)から出力すればよいかを示したテーブルである。図5(a)〜(c)を用いて、ラベルテーブル106を詳細に説明する。図5(a)は、送信元MPLSエッジルータであるMPLSルータ4Aのラベルテーブル106を例示した図であり、(b)は、ドメイン境界MPLSルータであるMPLSルータ4Dのラベルテーブル106を例示した図であり、(c)は、ドメイン境界MPLSルータであるMPLSルータ4Eのラベルテーブル106を例示した図である。
ラベルテーブル106は、図5(a)〜(c)に例示するように、入力されたフレームのIPアドレスを示す宛先IPアドレス401と、入力されたフレームに付与されているラベルを示す入力ラベル402と、出力されるフレームに付与されるラベルを示す出力ラベル403と、そのフレームが出力されるインタフェース番号を示す出力インタフェース404とを示したテーブルである。
図5(a)に例示するように、MPLSエッジルータであるMPLSルータ4Aのラベルテーブル106には、フレームの宛先IPアドレス401と、出力ラベル403と、出力インタフェース404とが対応付けられる。なお、入力ラベル402の情報は特に記入されない。
図5(a)のラベルテーブル106の1行目は、宛先IPアドレス「#a」のフレームを受信したときには、このフレームに、ルータラベル「#3」と、ドメインラベル「#A3」と、転送ラベル「5」とを付与して、出力インタフェース「IF#2」から出力することを示す。
また、図5(b)、(c)に例示するように、ドメイン境界MPLSルータであるMPLSルータ4D,4Eのラベルテーブル106には、入力ラベル402と、出力ラベル403と、出力インタフェース404とが対応付けられる。なお、宛先IPアドレス401の情報は特に記入されない。
例えば、図5(b)のラベルテーブル106の1行目は、ドメインラベル「#A3」が付されたフレームを受信したとき、このフレームに、転送ラベル「7」を付与して、出力インタフェース「IF#1」から出力することを示す。つまり、ドメインラベル「#A3」宛のフレームを受信したとき、このフレームをこのドメインへ転送するためのLSPの転送ラベル「7」を付与し、出力インタフェース「IF#1」から出力することを示す。
なお、ドメイン境界MPLSルータのうち、図1のMPLSルータ4D等、次にフレームが転送されるドメインがOSPFバックボーンエリア2である場合、ラベルテーブル106の入力ラベル402に、OSPFバックボーンエリア2の次に転送するドメインを示すドメインラベル、例えば、OSPFサブエリア3Cを示すドメインラベル「#A3」が記述される(図5(b)参照)。
また、ドメイン境界MPLSルータのうち、MPLSルータ4E等、次のフレーム転送先がOSPFサブエリア3であるときは、ラベルテーブル106の入力ラベル402に、この宛先MPLSエッジルータのルータラベル、例えばMPLSルータ4Cのルータラベル「#3」が記述される(図5(c)参照)。
なお、いずれの場合もラベルテーブル106の出力ラベル403には、次に転送するLSPに割り当てられた転送ラベルを記述する。また、このLSPへの転送ラベルの割り当ては、前記したRSVPプロトコル処理部102が行う。
図2の説明に戻る。転送部110は、ラベルテーブル106等を参照して、受信したパケットの転送処理を行う。この転送部110は、ネットワークインタフェース107およびスイッチ108を備える。
ネットワークインタフェース107は、他のMPLSルータ4と光ファイバ等で接続されるインタフェースであり、ラベルテーブル106等を参照して、次ホップの転送先の決定やラベルのスワップ(はりかえ)処理等を行う。なお、MPLSルータ4が送信元MPLSエッジルータとして機能するときは、このネットワークインタフェース107は、ラベルテーブル106を参照して、送信するフレームに宛先の宛先MPLSエッジルータのラベルと、この宛先MPLSエッジルータに到達するまでに経由するドメインを示すラベルとを付与する。なお、図2においてネットワークインタフェース107は2つしか描いていないが、3つ以上のネットワークインタフェース107を備えるようにしてもよい。
スイッチ108は、ラベルテーブル106等を参照して、フレームを転送するネットワークインタフェース107(出力インタフェース)を選択し、このネットワークインタフェース107によりフレームを転送する。
なお、OSPFプロトコル処理部101、RSVPプロトコル処理部102、ドメイン・ルータラベル処理部103および転送部110は、請求項における処理部に相当する。OSPFプロトコル処理部101、RSVPプロトコル処理部102、ドメイン・ルータラベル処理部103の機能は、前記したCPUによるプログラムの実行処理により実現される。
次に、図1〜図5を参照しつつ、図6および図7を用いて、MPLSルータ4の動作を説明する。図6および図7は、図1のMPLSルータ4の動作手順を示したフローチャートである。
なお、以下の説明では、MPLSルータ4Aの収容するユーザネットワーク6Aから、MPLSルータ4Cの収容するユーザネットワーク6C(IPアドレス「#a」)へフレームを転送する場合を例に説明する。つまり、MPLSルータ4Aが送信元MPLSエッジルータとなり、MPLSルータ4Cが宛先MPLSエッジルータとなる場合を例に説明する。ここでは、既にMPLSネットワーク1内の各MPLSルータ4は、各エリア内のLSPを確立し、その確立したLSPに関する情報(LSP情報)をMPLSルータ4の補助記憶部に格納しているものとする。
まず、最初のステップとして、図6を用いて、(1)OSPFによる経路情報の広告と、(2)Opaque LSAによるラベル情報の広告について述べる。
<OSPFによる経路情報の広告>
MPLSルータ4CのOSPFプロトコル処理部101は、標準のOSPFの動作に従って、ユーザネットワーク6Cの経路情報(ユーザネットワーク6CのIPアドレスと、このユーザネットワーク6Cを収容するMPLSルータ4CのIPアドレス)をAS-External−LSAによって、MPLSネットワーク1内に広告する(S1)。そして、MPLSルータ4Aは、広告されたLSAを受信し、この情報をルーティングテーブル105に書き込む(S2)。なお、ここでは説明を省略するが、このLSAは、MPLSルータ4D,4Eにおいても同様に広告されたLSAを受信し、この情報をルーティングテーブル105に書き込む。
また、このAS-External−LSAは、OSPFのLSAの一種であり、OSPFネットワーク外のネットワークへの経路をOSPFネットワーク内に広告する際に用いられる技術である。図6のS1におけるLSAには、IPアドレス「#a」のユーザネットワーク6Cが、IPアドレス「C」のMPLSルータ4Cに収容されていることが記載される。また、このAS-External−LSAは、OSPFサブエリア3Cを超えて、広告されるため、MPLSルータ4Cとは異なるOSPFサブエリア3Cに属するMPLSルータ4Aも、このLSAを受信することができる。
例えば、MPLSルータ4AのOSPFプロトコル処理部101は、受信したLSAに基づき、ルーティングテーブル105のエントリを追加する(図3参照)。MPLSルータ4Aは、このルーティングテーブル105により、受信したフレームをどのMPLSエッジルータへ送信すればよいかを知ることができる。
<Opaque LSAによるラベルの広告>
次に、ドメイン境界MPLSルータであるMPLSルータ4Eが、Opaque LSAによりドメインラベルとルータラベルとを広告する手順を説明する。
まず、MPLSルータ4EのOSPFプロトコル処理部101は、標準のOSPFの手順に沿って、外部経路を広告するルータ(ASBR、Autonomous System Border Router)が自エリア(自身の属するドメイン)に存在することを、OSPFのType−4 LSAを用いてMPLSネットワーク1内に広告する(S11)。つまり、MPLSルータ4Eは、自身の属するOSPFサブエリア3に、ユーザネットワーク6Cへの経路情報を広告するMPLSエッジルータ(MPLSルータ4C)が存在することを、このMPLSルータ4CのIPアドレスとともに、MPLSネットワーク1内に広告する。
また、MPLSルータ4EのOSPFプロトコル処理部101は、Opaque LSAにより自身の属するドメイン(OSPFサブエリア3C)のドメインラベルと、このドメイン内におけるMPLSエッジルータ(MPLSルータ4C)のルータラベルと、このMPLSルータ4CのIPアドレスとをOSPFバックボーンエリア2へ広告する(S12)。ここでのドメインラベルは、例えば、MPLSルータ4Eが属するOSPFサブエリア3Cのエリア番号等(OSPFのエリア識別情報)を用いる。また、MPLSエッジルータのルータラベルは、OSPFサブエリア3C内のMPLSエッジルータを一意に識別できるよう、MPLSルータ4Eが決定する。例えば、MPLSルータ4Eは、OSPFサブエリア3Cのドメインラベルを「#A3」、MPLSルータ4Cのルータラベルを「#3」として、OSPFバックボーンエリア2へ広告する。なお、MPLSルータ4Eが属するドメインに複数のMPLSエッジルータが存在する場合には、そのすべてのMPLSエッジルータのルータラベルをOSPFバックボーンエリア2へ広告する。
また、図6のS1において、MPLSルータ4Eが複数のOSPFサブエリア3に属し、それぞれのOSPFサブエリア3のMPLSエッジルータから外部経路の広告を受けたときには、S12においてそれぞれのMPLSエッジルータのルータラベルと、そのMPLSエッジルータの属するドメインラベルとを対応付けた情報を広告する。
続いて、MPLSルータ4Eのドメイン・ルータラベル処理部103は、ラベルテーブル106に情報を書き込む(S13)。ここでは、入力ラベルとして、MPLSルータ4Cに対応するルータラベル「#3」を書き込み、出力ラベルとしてMPLSルータ4CへのLSPの転送ラベル「10」を記載する。なお、各LSPへの転送ラベルは、RSVPプロトコル処理部102がLSPを確立した際に、RSVP−TEによって割り当てられたものを用いる。
MPLSルータ4Eのラベルテーブル106にこのような情報を書き込んでおくことで、MPLSルータ4Eにラベル「#3」が付与されたフレームが転送されたとき、このフレームをMPLSルータ4CへのLSPへ転送できるようになる。
次に、MPLSルータ4DはOSPFプロトコル処理部101によりMPLSルータ4Eから広告されたOpaque LSAを受信する。そして、ドメイン・ルータラベル処理部103は、この受信したOpaque LSAに基づき、ラベルテーブル106に情報を書き込む(S14)。例えば、まず、ドメイン・ルータラベル処理部103は、MPLSルータ4Eから広告されたOpaque LSAに含まれるMPLSルータ4CのIPアドレス「C」と、このMPLSルータ4Cの属するドメインラベル「#A3」と、このMPLSルータ4Cのルータラベル「#3」とをドメイン・ルータラベルDB104(図4参照)に書き込む。そして、ドメイン・ルータラベル処理部103は、このドメイン・ルータラベルDB104に基づき、ラベルテーブル106の入力ラベルおよび出力ラベルの設定情報を書き込む。ここでは、入力ラベルとしてドメインラベル「#A3」を設定し、出力ラベルとして、OSPFサブエリア3C(ドメインラベル「#A3」)へのLSPの転送ラベル「7」を設定する(図5(b)参照)。なお、この転送ラベルはRSVPプロトコル処理部102がLSPを確立した際に、RSVP−TEによって割り当てられたものを用いる。
MPLSルータ4Dのラベルテーブル106にこのような情報を書き込んでおくことで、MPLSルータ4Dは、ドメインラベル「#A3」が付与されたフレームが入力されたとき、そのフレームをドメインラベル「#A3」に対応するドメイン(OSPFサブエリア3C)へ転送すればよいことが分かる。
この後、MPLSルータ4DのOSPFプロトコル処理部101は、MPLSルータ4Eから受信したOpaque LSAをOSPFサブエリア3A内に転送する(S15)。
続いて、MPLSルータ4AのOSPFプロトコル処理部101は、OSPFプロトコル処理部101によりMPLSルータ4Dから転送されたOpaque LSAを受信し、ドメイン・ルータラベル処理部103は、このOpaque LSAに基づき、ラベルテーブル106に情報を書き込む(S16)。例えば、ドメイン・ルータラベル処理部103は、MPLSルータ4Dから受信したOpaque LSAの内容を参照して、MPLSルータ4Cに対して、ドメインラベル「#A3」とルータラベル「#3」とが対応することをドメイン・ルータラベルDB104に書き込む。次に、ドメイン・ルータラベル処理部103は、ルーティングテーブル105を参照して、宛先IPアドレスと、出力ラベルとの対応付けをラベルテーブル106に書き込む。
このルーティングテーブル105には、前記したS2の処理により、IPアドレス「#a」ネットワークが、IPアドレス「C」のMPLSルータ4Cに収容されていることが記載されている(図3参照)。また、ドメイン・ルータラベルDB104には、IPアドレス「C」のMPLSルータ4は、ドメインラベル「#A3」のドメインに属し、またこのMPLSルータ4のルータラベル「#3」が割り当てられていることが記載されている(図4参照)。従って、ドメイン・ルータラベル処理部103は、ラベルテーブル106の宛先IPアドレス「#a」に対する出力ラベルとして、ルータラベル「#3」、ドメインラベル「#A3」および転送ラベル「5(MPLSルータ4A→MPLSルータ4DのLSPの転送ラベル)」を記載する(図5(a)参照)。このような記載をしておくことで、MPLSルータ4Aが送信元MPLSエッジルータとして機能するとき、宛先MPLSエッジルータのルータラベルと、この宛先MPLSエッジルータの属するドメインのドメインラベルとを付与したフレームを送信することができる。なお、この転送ラベルの値は、このMPLSルータ4AのRSVPプロトコル処理部102がLSPを確立した際に、RSVP−TEによって割り当てられたものを用いる。
MPLSルータ4Aのラベルテーブル106にこのような情報を書き込んでおくことで、MPLSルータ4Aは、ユーザネットワークからIPアドレス「#a」宛のフレームを受信したとき、そのフレームをルータラベル「#3」、ドメインラベル「#A3」および転送ラベル「5」を付与して転送すればよいことが分かる。
なお、ドメインラベルおよびルータラベルの広告は、MPLSエッジルータが行うことも考えられるが、ドメイン境界MPLSルータが行うようにしたのは以下の理由による。
(1)ルータラベルの一意性
本実施の形態におけるルータラベルはドメイン内でユニークな(重複がない)ものとする必要がある。ドメイン境界MPLSルータは、ドメイン内のすべてのMPLSエッジルータの情報を把握しているので、MPLSエッジルータ自身でルータラベルを選択するよりも、各MPLSエッジルータにユニークなラベル値を割り当てやすい。
(2)LSAの処理負荷
ドメイン境界MPLSルータは、複数のMPLSエッジルータのルータラベルをまとめて1つのLSAで広告する。従って、MPLSエッジルータが個別にルータラベルの広告を行うよりも、MPLSルータ4が受信するLSAの数を低減できる。つまり、MPLSルータ4におけるLSAの処理負荷を軽減することができる。なお、本実施の形態においてラベルの広告に用いるOpaque LSAは、ドメインを超えて広告されるので、MPLSエッジルータ自身が個別に広告する場合に比べ、MPLSルータ4におけるLSAの処理負荷の軽減効果は大きい。
しかし、MPLSエッジルータがドメインラベルおよびルータラベルの広告を行うことを禁じるわけではない。例えば、MPLSエッジルータがドメイン内の他のMPLSエッジルータとの間で調整を行う機能を備え、この機能により各MPLSエッジルータ間でドメインラベルがユニークとなるような割り当てをして、ドメインラベルを広告するようにしてもよい。
<フレームの転送手順>
次に、図7を用いて、MPLSルータ4によるフレームの転送手順を説明する。
まず、MPLSルータ4Aが、ユーザネットワーク6Aから宛先IPアドレス「#a」のフレーム(IPパケット等)を受信すると(S21)、MPLSルータ4Aは、ラベルテーブル106(図5(a)参照)における宛先IPアドレス「#a」に関する出力ラベルの欄を参照して、ルータラベル「#3」、ドメインラベル「#A3」および転送ラベル「5」を付与したフレーム(MPLSフレーム)を作成する。そして、MPLSルータ4Aは、ラベルを付与したフレームをMPLSルータ4Dへ送信する(S22)。なお、図7では説明を省略しているが、MPLSルータ4Dが、フレームを受信するとき、一番外側のラベルは「#A3」となる。これは、一般的にLSPの終点のMPLSルータ4の1ホップ手前のMPLSルータ4は、転送ラベルを付与せず終点のルータへフレームを転送するからである。例えば、図1におけるMPLSルータ4Dの1ホップ手前のMPLSルータ4Gは、フレームの転送ラベルを付与せずMPLSルータ4Dへ転送する。従って、各MPLSルータ4は、転送ラベルがない状態でフレームを受信することになる。つまり、転送ラベルの1つ下の階層に付与されたラベルが一番外側になった状態でフレームを受信することになる。
MPLSルータ4Dは、フレームを受信すると一番外側のラベル「#A3」を読み出す。そして、ラベルテーブル106(図5(b))を参照し、入力ラベル「#A3」のフレームに対する出力ラベル(転送ラベル「7」)を読み出す。そして、このフレームの一番外側のラベルであるドメインラベル「#A3」を除去し、転送ラベル「7」を付与して、転送する(S23)。
次に、MPLSルータ4Eがフレームを受信すると一番外側のラベル「#3」を読み出す。そして、ラベルテーブル106(図5(c))を参照して、入力ラベル「#3」のフレームに対する出力ラベル(転送ラベル「10」)を読み出す。このフレームの一番外側のラベルであるルータラベル「#3」を除去し、転送ラベル「10」を付与して、転送する(S24)。そして、最終的に、MPLSルータ4Cがフレームを受信すると、このフレームを宛先IPアドレス「#a」に基づいて、ユーザネットワーク6Cへ送信する(S25)。
このようにMPLSネットワーク1のおける複数のOSPFサブエリア3によりドメインに分割し、そのドメインごとにLSPを確立するので、MPLSネットワーク1全体におけるLSPの本数を削減することができる。
例えば、前記した実施の形態におけるMPLSエッジルータの数がN個で、ドメイン境界MPLSルータの数がM個の場合、LSPの本数は、N+M(M−1)本となる。つまり、Mの2乗オーダーの数となる。一般に、MPLSエッジルータの数(N)は境界MPLSルータの数(M)の1桁〜2桁上の数となる。つまり、Mは、Nよりも非常に少ない数なので、MPLSエッジルータ間にフルメッシュでLSPを確立した場合よりも、MPLSネットワークにおけるLSPの本数を大幅に削減することができる。
また、ドメイン境界MPLSルータの動作は、通常のラベルスイッチングと同様であるので、スイッチ108やネットワークインタフェース107等のハードウェアに特別な機能拡張を施すことなく、前記したようなフレームの転送を実現することができる。
さらに、ドメイン境界MPLSルータはOSPFの拡張情報によりOpaque LSAを用いることでドメインラベル、ルータラベルを自動的に割り当てることができるので、MPLSネットワーク1の管理者等がラベル設定の負担を軽減することができる。
なお、前記した実施の形態では説明を省略したが、ドメイン境界MPLSルータが複数のドメイン(OSPFサブエリア3)を収容する場合、フレームはOSPFバックボーンエリア2を経由せず転送されるケースもある。このケースについて、図8および図9を用いて説明する。図8は、本実施の形態のMPLSルータを含むネットワークの構成の変形例を示した図である。図9は、図8のMPLSルータ4Eのラベルテーブル106を例示した図である。
図8のMPLSルータ4Eは、OSPFサブエリア3Cの他に、OSPFサブエリア3D(ドメインラベル#A4)を収容する。このOSPFサブエリア3D内には、MPLSエッジルータ(MPLSルータ4H)があり、このMPLSルータ4Hはユーザネットワーク6Dを収容する。
このようなネットワーク構成おいて、MPLSルータ4Eが、MPLSルータ4Hから自身の属するOSPFサブエリア3Cのドメインラベルが付与されたフレームを受信したとき、このフレームに付与されたドメインラベルおよびルータラベルを除去する(これをPOPする、という)。そして、MPLSルータ4Eは、このルータラベルが示すMPLSルータ4C宛のLSPに転送する。なお、この場合、MPLSルータ4Eにおけるラベルテーブル106の記載は、入力ラベル「#A3(自身の属するドメインのドメインラベル)」に対し、出力ラベル「POP、10(MPLSルータ4C宛のLSPの転送ラベル)」といった記載になる(図9のラベルテーブル106の2行目参照)。
また、前記した実施の形態においてMPLSネットワーク1のルーティングプロトコルとしてOSPFを用いる場合を例に説明したが、これ以外のプロトコルを用いるようにしてもよい。この場合、MPLSルータ4は、ドメイン同士がどのようにつながっているかを示す情報(ドメイン情報)を記憶部に格納しておく。このドメイン情報は、例えば、ドメイン#A1のMPLSエッジルータから、ドメイン#A7(図示せず)のMPLSエッジルータに到達するためには、ドメイン#A1→ドメイン#A5→…→ドメイン#A7の順でドメインを経由するという情報である。そして、MPLSルータ4は、このドメイン情報をもとに、ラベルテーブル106を作成する。例えば、送信元MPLSエッジルータとなるMPLSルータ4のドメイン・ルータラベル処理部103は、このドメイン情報をもとに、ラベルテーブル106の出力ラベルの欄に、宛先MPLSエッジルータのルータラベルと、経由するドメインのドメインラベル(#A5、…、#A7)を経由する順に示した情報を記載する。そして、このMPLSルータ4はこのラベルテーブル106の出力ラベルの情報に従って送信フレームにラベルを付与する。このようにすることでも、フレームは順次ドメイン間を転送されることになる。
本実施の形態に係るMPLSルータ4は、前記したような処理を実行させるOSPFプロトコルやRSVP−TEプロトコルによる処理を実現するためのプログラムによって実現することができ、そのプログラムをコンピュータによる読み取り可能な記憶媒体(CD−ROM等)に記憶して提供することが可能である。また、そのプログラムを、インターネット等のネットワークを通して提供することも可能である。
本実施の形態のMPLSルータを含むネットワークの構成図である。 図1のMPLSルータを機能展開して示したブロック図である。 図2のドメイン・ルータラベルDBを例示した図である。 図2のルーティングテーブルを例示した図である。 (a)は、送信元MPLSエッジルータであるMPLSルータのラベルテーブルを例示した図であり、(b)および(c)は、ドメイン境界MPLSルータであるMPLSルータのラベルテーブル106を例示した図である。 図1のMPLSルータの動作手順を示したフローチャートである。 図1のMPLSルータの動作手順を示したフローチャートである。 本実施の形態のMPLSルータを含むネットワークの構成の変形例を示した図である。 図8のMPLSルータ(ドメイン境界MPLSルータ)のラベルテーブルを例示した図である。
符号の説明
1 MPLSネットワーク
2 OSPFバックボーンエリア
3(3A〜3C) OSPFサブエリア
4(4A〜4G) MPLSルータ
5 LSP
6(6A〜6C) ユーザネットワーク
101 OSPFプロトコル処理部
102 RSVPプロトコル処理部
103 ドメイン・ルータラベル処理部
105 ルーティングテーブル
106 ラベルテーブル
107 ネットワークインタフェース
108 スイッチ
110 転送部

Claims (6)

  1. ラベルスイッチング機能を持つ複数のMPLS(Multi Protocol Label Switching)ルータを備えるMPLSネットワークにおいて、
    前記MPLSルータそれぞれが、前記MPLSネットワークを複数のドメインに分割して前記ドメインごとにLSP(Label Switched Path)を確立し、前記確立したLSPの情報を記憶部に記録し、
    前記MPLSルータのうち、ユーザネットワークからパケットを受信した送信元MPLSエッジルータが、(1)前記パケットの宛先のエッジルータである宛先MPLSエッジルータを示すラベルと、(2)前記宛先MPLSエッジルータに到達するまで経由するドメインを示すラベルとを前記パケットに付与して送信し、
    前記ドメインの境界に設置されるMPLSルータであるドメイン境界MPLSルータが、受信した前記パケットに付与されたラベルを参照して、次の転送先であるドメインへ前記パケットを転送し、
    前記宛先MPLSエッジルータを含むドメインのドメイン境界MPLSルータが、受信した前記パケットに付与されたラベルおよびこのドメイン境界MPLSルータの前記LSPの情報を参照して、前記確立したLSPのうち、前記宛先MPLSエッジルータとの間で確立したLSPを選択し、前記パケットを転送することを特徴とするMPLS転送方法。
  2. ルーティングプロトコルとしてOSPFを用い、前記ドメインとしてOSPFのエリアを用い、前記ドメイン境界MPLSルータとしてOSPFのエリア境界ルータを用いる前記MPLSネットワークにおいて、
    前記エリア境界ルータが、OSPFの拡張情報であるOpaque LSAを用いて、(1)前記エリア境界ルータの属するエリア内のすべてのMPLSエッジルータを示すラベルと、(2)前記MPLSエッジルータそれぞれの属するOSPFのエリアの識別情報を示すラベルとを前記MPLSネットワーク内に広告し、
    前記送信元MPLSエッジルータが、前記広告されたOpaque LSAの情報を用いて、前記宛先MPLSエッジルータに到達するまで経由するドメインを示すラベルおよび前記宛先MPLSエッジルータを示すラベルを付与することを特徴とする請求項1に記載のMPLS転送方法。
  3. ラベルスイッチング機能を持ち、ユーザネットワークから受信したパケットをMPLSネットワークへ転送するMPLSルータであって、
    前記パケットの宛先となるユーザネットワークに接続される宛先MPLSエッジルータのラベルと、この宛先MPLSエッジルータに到達するまでに経由するドメインを示すラベルとを示したラベルテーブルを記憶する記憶部と、
    前記ユーザネットワークからパケットを受信したとき、前記ラベルテーブルから、このパケットの宛先のユーザネットワークに接続される宛先MPLSエッジルータのラベルと、この宛先MPLSエッジルータに到達するまでに経由するドメインを示すラベルとを読み出し、前記読み出したラベルを前記パケットに付与して転送する処理部と、
    を備えることを特徴とするMPLSルータ。
  4. 前記記憶部は、次の転送先であるドメインまたは宛先MPLSエッジルータごとに、そのドメインまたは宛先MPLSエッジルータへ転送するためのLSPの情報をさらに記憶し、
    前記処理部は、さらに、他のMPLSルータからパケットを受信したとき、この受信したパケットに付与されたドメインのラベルまたはMPLSルータのラベルと、前記LSPの情報とを参照して、このラベルに示されるドメインまたはMPLSエッジルータとの間に確立したLSPを選択して前記パケットを転送することを特徴とする請求項3に記載のMPLSルータ。
  5. 前記MPLSネットワークは、ルーティングプロトコルとしてOSPFを用いるネットワークであり、
    前記処理部は、
    前記MPLSネットワークにおけるOSPFのエリア境界ルータから、OSPFの拡張情報であるOpaque LSAにより広告された(1)前記エリア境界ルータの属するエリア内のすべてのMPLSエッジルータを示すラベルと、(2)前記MPLSエッジルータそれぞれの属するOSPFのエリアの識別情報を示すラベルとを受信し、
    前記受信したOpaque LSAの情報を用いて、前記ラベルテーブルに前記宛先MPLSエッジルータのラベルおよび前記経由するドメインのラベルを書き込むことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のMPLSルータ。
  6. 請求項5に記載のMPLSルータを含むMPLSネットワークにおけるOSPFのエリア境界ルータであって、
    前記エリア境界ルータの処理部は、
    OSPFの拡張情報であるOpaque LSAを用いて、(1)前記エリア境界ルータの属するエリア内のすべてのMPLSエッジルータを示すラベルと、(2)前記MPLSエッジルータそれぞれの属するOSPFのエリアの識別情報を示すラベルとを前記MPLSネットワーク内に広告することを特徴とするエリア境界ルータ。
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