JP2007234989A - 有機発光素子、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

有機発光素子、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動電圧の低電圧化を図ることができる有機発光素子、電気光学装置および電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の有機発光素子1は、ソース電極20aと、ドレイン電極20bと、ゲート電極50と、発光性を有する有機発光材料を含む有機半導体膜30と、ゲート電極50に対してソース電極20aおよびドレイン電極20bを絶縁するゲート絶縁膜40とを備えるものであって、ソース電極20aとドレイン電極20bとの間の距離をLとし、ソース電極20aおよび/またはドレイン電極20bとゲート電極50との間の単位面積あたりの静電容量をCとしたときに、LおよびCが、1×10−13cm/F<L/C<5×10cm/Fなる関係を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機発光素子、電気光学装置および電子機器に関する。
近年、無機半導体材料を用いた薄膜トランジスタを置き換え得るデバイスとして、有機半導体材料を用いた薄膜トランジスタが注目されている。
この薄膜トランジスタは、有機半導体膜を高温・高真空を必要としない液相プロセスによって形成することができ、また、薄型軽量化に適すること、可撓性を有すること等の長所を有している。
近年、このような薄膜トランジスタの半導体膜に有機発光材料を用いて構成された有機発光素子(有機発光FET)が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
このような発光素子を発光させるには、比較的大きなチャネル電流を生じさせる必要がある。そのため、発光を目的としない通常のFETに比べ高い駆動電圧が必要となる。
例えば、非特許文献1にかかる有機発光素子では、20〜30Vの駆動電圧が必要となる。このように駆動電圧が高いと、消費電力が大きくなったり、有機発光素子の破壊が起こりやすくなったりする。
C.Santato et al./Synthetic Metals 146(2004) 329-334
本発明の目的は、駆動電圧の低電圧化を図ることができる有機発光素子、電気光学装置および電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の有機発光素子は、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、発光性を有する有機発光材料を含む有機半導体膜と、前記ゲート電極に対して前記ソース電極および前記ドレイン電極を絶縁するゲート絶縁膜とを備える有機発光素子であって、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の距離をLとし、前記ソース電極および/または前記ドレイン電極と前記ゲート電極との間の単位面積あたりの静電容量をCとしたときに、LおよびCが、
1×10−13cm/F<L/C<5×10cm/F
なる関係を満たすことを特徴とする。
これにより、LおよびCの最適化が図られ、駆動電圧を低減することができる。
本発明の有機発光素子では、LおよびCは、LC<3×10−10F/cmなる関係を満たすことが好ましい。
これにより、ゲートリーク電流を低減して、確実に発光させることができる。
本発明の有機発光素子では、Cは、20〜3000nF/cmであることが好ましい。
これにより、ゲートリーク電流をより確実に低減するとともに、スイッチング特性を良好なものとすることができる。
本発明の有機発光素子では、Lは、2〜30μmであることが好ましい。
これにより、駆動電圧をより確実に低減するとともに、有機発光素子の製造時におけるソース電極およびドレイン電極の形成を比較的簡単なものとすることができる。
本発明の有機発光素子では、前記ゲート絶縁膜は、シリカを主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、有機材料を用いて形成するゲート絶縁膜よりも絶縁性の高いゲート絶縁膜を形成することができる。
本発明の有機発光素子では、前記ゲート絶縁膜の膜厚は、20〜150nmであることが好ましい。
これにより、ゲートリーク電流をより確実に低減するとともに、スイッチング特性を良好なものとすることができる。
本発明の有機発光素子では、前記ゲート絶縁膜は、酸化タンタルを主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、比誘電率が大きいためゲート絶縁膜の膜厚を小さくできるなどの効果を得ることができる。
本発明の有機発光素子では、前記ゲート絶縁膜の膜厚は、20〜900nmであることが好ましい。
これにより、ゲートリーク電流をより確実に低減するとともに、スイッチング特性を良好なものとすることができる。
本発明の有機発光素子では、前記有機発光材料は、チオフェン環骨格およびアリール骨格を有することが好ましい。
これにより、優れた発光性を発揮するとともに、駆動電圧をより確実に低減することができる。
本発明の有機発光素子では、前記有機発光材料は、その炭素数が20〜50であることが好ましい。
これにより、優れた発光性を発揮するとともに、駆動電圧をさらに確実に低減することができる。
本発明の有機発光素子では、前記有機発光材料は、チオフェン環骨格を1〜4個有することが好ましい。
これにより、優れた発光性を発揮するとともに、駆動電圧をさらに確実に低減することができる。
本発明の有機発光素子では、前記ソース電極と前記ドレイン電極とは、互いに仕事関数の異なる材料で構成されていることが好ましい。
これにより、有機半導体膜へのキャリア注入性を向上させて、駆動電圧をより低減することができる。
本発明の有機発光素子では、前記有機半導体膜中における有機発光材料の含有量は、50〜100wt%であることが好ましい。
これにより、優れた発光性を発揮するとともに、駆動電圧をより確実に低減することができる。
本発明の有機発光素子では、前記有機発光材料は、有機半導体材料であることが好ましい。
これにより、有機半導体膜中における有機発光材料の含有量をほぼ100%とし、優れた発光性を発揮するとともに、駆動電圧をより確実に低減することができる。
本発明の電気光学装置は、本発明の有機発光素子を備えることを特徴とする。
これにより、優れた光学特性を有するとともに、消費電力の低減化の図られた電気光学装置を提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を備えることを特徴とする。
これにより、優れた表示特性を有するとともに、消費電力の低減化の図られた電子機器を提供することができる。
以下、本発明の有機発光素子、電気光学装置および電子機器について、図示の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の有機発光素子の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の有機発光素子の第1実施形態を示す概略図(図1中(a)は縦断面図、(b)は平面図)、図2は、図1に示す有機発光素子の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。
図1に示す有機発光素子1は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタの形態をなしており、ゲート電極50と、ゲート電極50を覆うように設けられたゲート絶縁膜40と、ゲート絶縁膜40上に、互いに分離して設けられたソース電極20aおよびドレイン電極20bと、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを覆うように設けられた有機半導体膜30とを有し、これらが基板10上に設けられている。
以下、各部の構成について、順次説明する。
基板10は、有機発光素子1を構成する各膜(各部)を支持するものである。なお、基板10は、ゲート電極50の材料などによっては、省略することができる。
基板10には、例えば、ガラス基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリイミド(PI)等で構成されるプラスチック基板(樹脂基板)、石英基板、シリコン基板、金属基板、ガリウム砒素基板等を用いることができる。
有機発光素子1に可撓性を付与する場合には、基板10には、プラスチック基板、あるいは、薄い(比較的膜厚の小さい)金属基板が選択される。
基板10上には、後述する有機半導体膜30に電界を生じさせるためのゲート電極50が設けられている。
このゲート電極50の構成材料としては、電極材料であれば、種類は特に限定されるものではなく、公知の各種電極材料を用いることができる。例えば、ゲート電極50の構成材料としては、Pd、Pt、Au、W、Ta、Mo、Al、Cr、Ti、Cuまたはこれらを含む合金等の金属材料、ITO、FTO、ATO、SnO等の導電性酸化物、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素材料、ポリアセチレン、ポリピロール、PEDOT(poly−ethylenedioxythiophene)のようなポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体等の導電性高分子材料等が挙げられ、通常塩化鉄、ヨウ素、強酸、有機酸、ポリスチレンサルフォニック酸などの高分子でドープされ導電性を付与された状態で用いられる。さらに、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ゲート電極50の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜2000nm程度であるのが好ましく、1〜1000nm程度であるのがより好ましい。
ゲート電極50上には、ゲート絶縁膜(絶縁体膜)40が設けられている。
このゲート絶縁膜40は、ゲート電極50を、後述するソース電極20aおよびドレイン電極20bに対して電気的に絶縁するものである。
ゲート絶縁膜40の構成材料としては、絶縁体材料であれば、種類は特に限定されるものではなく、公知の各種ゲート絶縁材料のうち有機材料、無機材料のいずれも使用可能である。
絶縁体材料として用いられる有機材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルフェノール等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、絶縁体材料として用いられる無機材料としては、シリカ(SiO)、窒化珪素、酸化アルミ(Al)、酸化タンタル(Ta)等の金属酸化物、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウムチタン酸鉛等の金属複合酸化物が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前述したものの中でも、ゲート絶縁膜40の構成材料としては、シリカなどの無機材料を用いるのが好ましい。これにより、有機材料を用いて形成するゲート絶縁膜よりも絶縁性の高いゲート絶縁膜を形成することができる。特に、ゲート絶縁膜40の構成材料としては、酸化アルミや酸化タンタルなどを用いると、これらの絶縁体材料は比誘電率が高い分だけ、これらより比誘電率の低い絶縁体材料を用いる場合よりも、物理的膜厚を増加でき、トンネル電流を減少できる。したがって、ゲート絶縁膜40を薄くすることも可能である。
ゲート絶縁膜40の平均厚さdは、ゲート絶縁膜40の構成材料などに応じて決定され、特に限定されないが、10〜5000nm程度であるのが好ましく、10〜1000nm程度であるのがより好ましい。ゲート絶縁膜40の厚さを前記範囲とすることにより、ソース電極20aおよびドレイン電極20bとゲート電極50とを確実に絶縁しつつ、有機発光素子1の動作電圧を低くすることができる。
特に、ゲート絶縁膜40がシリカを主材料として構成されている場合には、ゲート絶縁膜40の膜厚(平均厚さ)は、20〜150nmであるのが好ましく、20〜100nmであるのがより好ましく、20〜80nmであるのがさらに好ましい。これにより、駆動電圧をより確実に低減することができる。また、ゲートリーク電流をより確実に低減するとともに、スイッチング特性を良好なものとすることができる。
なお、ゲート絶縁膜40は、単層構成のものに限定されず、複数層の積層構成のものであってもよい。
ゲート絶縁膜40上には、ソース電極20aおよびドレイン電極20b(一対の電極)が設けられている。すなわち、ソース電極20aおよびドレイン電極20bは、ほぼ同一平面上に設けられている。
ソース電極20aおよびドレイン電極20bの構成材料は、ゲート電極50の構成材料と同様のものを用いることができる。
特に、有機半導体膜30がp型である場合には、ソース電極20aおよびドレイン電極20bの構成材料としては、それぞれ、Au、Ag、Cu、Ptまたはこれらを含む合金を主とするものが好ましい。これらのものは、比較的仕事関数が大きいため、ソース電極20aをこれらの材料で構成することにより、有機半導体膜30への正孔(キャリア)の注入効率を向上させることができる。
また、ソース電極20aとドレイン電極20bとは、互いに仕事関数の異なる材料で構成されているのが好ましい。これにより、有機半導体膜30へのキャリア注入性を向上させて、駆動電圧をより低減することができる。この場合、例えば、有機半導体膜30がp型であり、ドレイン電極20bから有機半導体膜30へ電子を注入し、また、ソース電極20aから有機半導体膜30へホールを注入することにより、有機発光素子1を駆動する場合、ドレイン電極20aの構成材料の仕事関数をソース電極20aの構成材料の仕事関数よりも低くする。より具体的には、ドレイン電極20bの構成材料として、Al、Ag、Mg、Ca、Liなどを用い、また、ソース電極20aの構成材料として、ITO、Au、Ptなどを用いる。
ソース電極20aおよびドレイン電極20bの平均厚さは、特に限定されないが、それぞれ、10〜2000nm程度であるのが好ましく、50〜1000nm程度であるのがより好ましい。
このようなソース電極20aとドレイン電極20bとゲート絶縁膜40とゲート電極50とを有する有機発光素子1において、ソース電極20aとドレイン電極20bとの間の距離、すなわちチャネル長(以下、チャネル長ともいう)をLとし、ソース電極20aおよび/またはドレイン電極20bとゲート電極50との間の単位面積あたりの静電容量、すなわちゲート容量(以下、ゲート容量ともいう)をCとしたときに、LおよびCが、
1.1×10−13cm/F<L/C<5×10cm/F
なる関係を満たすことを本発明の特徴としている。
L/Cを前記範囲とすることにより、有機発光素子1の駆動電圧を低減することができる。
また、LおよびCは、LC<3×10−10F/cmなる関係を満たすのが好ましい。これにより、ゲートリーク電流を低減して、確実に発光させることができる。
なお、L/CおよびLCについては、後に詳述する。
また、Cは、20〜3000nF/cmであるのが好ましく、20〜2000nF/cmであるのがより好ましく、20〜1000nF/cmであるのがさらに好ましい。これにより、ゲートリーク電流をより確実に低減するとともに、スイッチング特性を良好なものとすることができる。
また、ソース電極20aおよびドレイン電極20bの長さ、すなわち、図1に示すチャネル幅Wは、0.1〜5mm程度であるのが好ましく、0.3〜3mm程度であるのがより好ましい。このような範囲にチャネル幅Wの値を設定することにより、寄生容量を低減させることができ、有機発光素子1の特性の劣化を防止することができる。また、有機発光素子1の大型化を防止することもできる。
ゲート絶縁膜40上には、各ソース電極20aおよびドレイン電極20bに接触するように、有機半導体膜30(発光膜)が設けられている。
この有機半導体膜30には、前述したソース電極20aとドレイン電極との間を流れる電流(すなわちチャネル電流)によりエキシトン(励起子)が生成し、エキシトンが基底状態に戻る際にエネルギーが蛍光やりん光として放出され、発光する。
この有機半導体膜30は、有機半導体材料(半導体的な電気伝導を示す有機材料)を主材料として構成され、かつ、発光性を有する有機発光材料を含むものである。
有機半導体材料としては、例えば、BP3T、トリス(8−ヒドロキシキノリノレート)アルミニウム(Alq3)、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、フタロシアニン、ペリレン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、ジフェニルメタン、スチルベン、アリールビニル、ピラゾリン、トリフェニルアミン、トリアリールアミン、オリゴチオフェン、フタロシアニンまたはこれらの誘導体のような低分子の有機半導体材料や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ポリアリールアミン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂、フルオレン−ビチオフェン共重合体、フルオレン−アリールアミン共重合体またはこれらの誘導体のような高分子の有機半導体材料(共役系高分子材料)が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に、高分子の有機半導体材料(共役系高分子材料)を主とするものを用いるのが好ましい。共役系高分子材料は、その特有な電子雲の広がりにより、キャリアの移動能が特に高い。
高分子の有機半導体材料は、簡易な方法で成膜することができるとともに、比較的容易に配向させることができる。また、このうち、空気中で酸化され難く、安定であること等の理由から、高分子の有機半導体材料(共役系高分子材料)としては、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリアリールアミンまたはこれらの誘導体のうちの少なくとも1種を主成分とするものを用いるのが特に好ましい。
また、有機発光材料としては、特に限定されないが、例えば、BP3T、テトラセン、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス[{3−(4−t−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ2)のようなベンゼン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン(CuPc)、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリノレート)アルミニウム(Alq3)、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)のような低分子系のものや、オキサジアゾール系高分子、トリアゾール系高分子、カルバゾール系高分子、フルオレン系高分子のような高分子系のものが挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。各種の高分子材料や、各種の低分子材料を単独または組み合わせて用いることができる。
前述したようなものの中でも、有機半導体膜30に用いる有機発光材料としては、チオフェン環骨格およびアリール骨格を有するものが好ましい。このような構造を有する有機発光材料は、優れた発光性を発揮するとともに、駆動電圧をより確実に低減することができる。これは、π共役系構造の特有な電子雲の広がりにより、キャリアの移動能を特に高くすることができるからである。特に、π共役系構造としてチオフェン環骨格を含むと、隣接するチオフェン環同士の間におけるキャリア移動性が特に優れ、主鎖にチオフェン環を含む有機発光材料を用いて形成された有機半導体膜は、優れたキャリア移動度を示すからである。
また、有機半導体膜30に用いる有機発光材料としてチオフェン環骨格およびアリール骨格を有するものを用いる場合には、その炭素数が20〜50であるのが好ましい。このような構造を有する有機発光材料は、優れた発光性を発揮するとともに、駆動電圧をさらに確実に低減することができる。
また、有機半導体膜30に用いる有機発光材料としてチオフェン環骨格およびアリール骨格を有するものを用いる場合には、有機発光材料は、チオフェン環骨格を1〜4個有するのが好ましい。このような構造を有する有機発光材料は、優れた発光性を発揮するとともに、駆動電圧をさらに確実に低減することができる。
また、有機発光材料は、有機半導体材料であるのが好ましい。これにより、有機半導体膜30中における有機発光材料の含有量をほぼ100%とし、優れた発光性を発揮するとともに、駆動電圧をより確実に低減することができる。
これらのことから、チオフェン環骨格およびアリール骨格を有する有機発光材料としては、例えば、下記化学式で表されるようなBP3Tなどのチオフェン・フェニレンオリゴマーを好適に用いることができる。また、BP3Tは、p型の半導体材料である。
Figure 2007234989
また、有機半導体膜30中における有機発光材料の含有量は、50〜100wt%であるのが好ましく、80〜100wt%であるのがより好ましく、90〜100wt%であるのがさらに好ましい。これにより、優れた発光性を発揮するとともに、駆動電圧をより確実に低減することができる。
また、有機半導体膜30の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜1000nm程度であるのが好ましく、1〜500nm程度であるのがより好ましく、1〜100nm程度であるのがさらに好ましい。
このような有機発光素子1では、ソース電極20aおよびドレイン電極20bの間に電圧を印加した状態で、ゲート電極50にゲート電圧を印加すると、有機半導体膜30のゲート絶縁膜40との界面付近にチャネルが形成され、チャネル領域をキャリア(正孔)が移動することで、ソース電極20aおよびドレイン電極20bの間に電流が流れる。
すなわち、ゲート電極50に電圧が印加されていないOFF状態では、ソース電極20aおよびドレイン電極20bとの間に電圧を印加しても、有機半導体膜30中にほとんどキャリアが存在しないため、微少な電流しか流れない。
一方、ゲート電極50に電圧が印加されているON状態では、有機半導体膜30のゲート絶縁膜40に面した部分に電荷が誘起され、チャネル(キャリアの流路)が形成される。この状態でソース電極20aおよびドレイン電極20bの間に電圧を印加すると、有機半導体膜30のチャネル領域を通って電流が流れる。
このようにチャネル領域に電流が流れると、その電流が所定値以上である場合に、そのエネルギーによりチャネル領域内の発光性の有機半導体のエネルギー状態が、基底状態から励起状態となり、そして再び基底状態に戻る。その際にエネルギーが蛍光やりん光として放出され、発光する。
ここで、L/CおよびLCについて詳細に説明する。
従来、FETのような形態をなす有機発光素子においては、発光することは確認されているものの、駆動電圧が高いものであった。
そこで、本発明者は、駆動電圧と、チャネル長Lおよびゲート容量Cとの間に相関関係があることに着目し、その相関関係について鋭意検討した結果、駆動電圧の低減に関し、LおよびCが、
1.1×10−13cm/F<L/C<5×10cm/F
なる関係を満たすことが有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。このようにゲート容量Cおよびチャネル長Lの最適化を図ることにより、駆動電圧の低減し、具体的には駆動電圧を凡そ10V以下とすることができる。
以下、ゲート容量Cおよびチャネル長Lとの関係をより具体的に説明する。
有機発光素子1のような形態のFETにおいて、ゲート閾値電圧が0である場合、ソース電極20aおよび/またはドレイン電極20bとゲート電極50との間の電圧(すなわちゲート電圧)をVgとし、ソース電極20aとドレイン電極20bとの間の電圧(すなわちドレイン電圧)をVdとし、チャネル幅をLとし、単位面積あたりのゲート容量(以下、単に「ゲート容量」という)をCとし、単位チャネル幅あたりのドレイン電流(以下、単に「ドレイン電流」という)をIdとし、Vg=Vdのときの駆動電圧をVpとしたとき、FETの動作理論のもとでは、
=(μC/2L)×V ・・・・(1)
なる関係を満たす。ここで、μは、電界効果移動度である。
したがって、有機発光素子1において、発光するのに必要な最小限のドレイン電流である発光閾値電流をIdthとし、I=Idthのときの駆動電圧である発光閾値電圧をVpthとしたとき、IdthおよびVpthをそれぞれ式(1)に代入することにより、
pth =(2Idth/μ)×(L/C)・・・・(2)
なる関係式が得られる。
発光閾値電流Idthおよび電界効果移動度μは、用いる有機半導体材料の種類に依存するものであるが、用いるゲート絶縁膜の材料や厚さに依存しないものと考えられる。そのため、用いる有機半導体材料が同じである場合、発光閾値電圧Vpthは、L/Cの値に応じて決定される。したがって、L/Cの値を小さくすれば、発光閾値電圧Vdthを小さくすることができる。すなわち、駆動電圧の低電圧化の観点からは、Lの値をできるだけ小さくするほうがよく、また、Cの値をできるだけ大きくするほうがよい。
しかし、作製技術上の限界などの問題から、Lの値は、下限値を有し、また、Cの値は、上限値を有する。これらのことを勘案し本発明者が鋭意検討した結果、ゲート絶縁膜が界面トラップ密度の低い高品質膜である場合には、LおよびCが、
1×10−13cm/F<L/C<5×10cm/F・・・(A)
なる関係を有することにより、低電圧(大凡10V以下)で駆動することができることを見出した。
ここで、有機発光素子1の発光条件を検討する。
ゲートリークの発生は、ショットキー伝導などの様々な現象に起因するが、かかる現象のもとでは、用いるゲート絶縁膜の材料が同じであれば、ゲートリーク電流値は、ゲート絶縁膜の膜厚に関係なく、ゲート絶縁膜に生じる電場によって決定されるものと考えられる。そのため、発光を阻害せずに許容できる最大のゲートリーク電流である最大許容リーク電流をEmaxとし、ゲート絶縁膜の膜厚をdとし、ゲートリーク電流が最大許容リーク電流Emaxであるときのゲート電圧である最大許容電圧をVmaxとしたときに、
max=Emax×d・・・・(3)
なる関係を満たす。
また、有機発光素子1のような形態のFETにおいて、ゲート絶縁膜の膜厚をdとしたとき、ゲート絶縁膜が高品質であって膜厚方向に均質である場合には、Cおよびdは、
C=ε/d・・・・(4)
なる関係を満たす。したがって、ゲート容量Cは、ゲート絶縁膜の構成材料およびゲート絶縁膜の膜厚dに応じて決定されるものである。ここで、ε=ε×εであり、εは、真空の誘電率(8.85×10−14F/cm)であり、εは、ゲート絶縁膜の比誘電率である。
式(1)に式(3)代入するとともに、式(4)の関係から、
LC=(μ/2I)×(εEMax・・・・(5)
なる関係が得られる。
発光するためには、駆動電圧Iは発光閾値電流Idthよりも大きくなければならないので、式(5)から、
LC<(μ/2Idth)×(εEMax・・・・(6)
なる関係を満たすことがわかる。
そして、この関係について鋭意検討した結果、有機発光素子1が発光するためには、
LC<3×10−10F/cm・・・(B)
なる関係が必要であることを導き出した。
また、式(1)および式(5)から、
L=(μ/2I)VεEMax・・・・(7)
なる関係が得られる。式(7)におけるLは、関係式(A)および(B)を満たすときの最大のチャネル長である最大チャネル長Lmaxである。
次に、図1に示す有機発光素子の製造方法の一例を説明する。
図1に示す有機発光素子1の製造方法は、基板10上にゲート電極50を形成する工程[A1]と、ゲート電極50上にゲート絶縁膜40を形成する工程[A2]と、ゲート絶縁膜40上にソース電極20aおよびドレイン電極20bを形成する工程[A3]と、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを覆うように有機半導体膜30を形成する工程[A4]とを有している。
[A1] ゲート電極形成工程
基板10上に、ゲート電極50を形成する(図2(a)参照。)。
まず、金属膜を形成する。
これは、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等により形成することができる。
この金属膜上に、レジスト材料を塗布した後に硬化させ、ゲート電極50の形状に対応する形状のレジスト膜を形成する。このレジスト膜をマスクに用いて、金属膜の不要部分を除去する。
この金属膜の除去には、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
その後、レジスト膜を除去することにより、ゲート電極50が得られる。
なお、ゲート電極50は、ゲート絶縁膜40上に、例えば、導電性粒子や、導電性有機材料を含む導電性材料を塗布(供給)して塗膜を形成した後、必要に応じて、この塗膜に対して後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施すことにより形成することもできる。
導電性粒子を含む導電性材料としては、金属微粒子を分散させた分散液、導電性粒子を含むポリマー混合物等が挙げられる。
また、導電性有機材料を含む導電性材料としては、導電性有機材料の溶液または分散液が挙げられる。
基板10上に導電性材料を塗布(供給)する方法としては、例えば、スピンコート法やディップコート法のような塗布法、インクジェット印刷法(液滴吐出法)やスクリーン印刷法のような印刷法等が挙げられる。
[A2] ゲート絶縁膜形成工程
次に、ゲート電極50上に、ゲート絶縁膜40を形成する(図2(b)参照。)。
例えば、ゲート絶縁膜40を有機高分子材料で構成する場合、ゲート絶縁膜40は、有機高分子材料またはその前駆体を含む溶液を、ゲート電極50上を覆うように塗布(供給)した後、必要に応じて、この塗膜に対して後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施すことにより形成することができる。
有機高分子材料またはその前駆体を含む溶液を、ゲート電極50上へ塗布(供給)する方法としては、前記工程[A1]で挙げた塗布法、印刷法等を用いることができる。
また、ゲート絶縁膜40を無機材料で構成する場合、ゲート絶縁膜40は、例えば、熱酸化法、CVD法、SOG法により形成することができる。また、原材料にポリシラザンを用いることにより、ゲート絶縁膜40として、シリカ膜、窒化珪素膜を湿式プロセスで成膜することが可能となる。
[A3] ソース電極およびドレイン電極形成工程
次に、ゲート絶縁膜40上に、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを形成する(図2(c)参照。)。
このソース電極20aおよびドレイン電極20bは、例えば、エッチング法、リフトオフ法等を用いて形成することができる。
エッチング法によりソース電極20aおよびドレイン電極20bを形成する場合には、I:まず、例えば、スパッタ法、蒸着法、メッキ法等を用いて、基板10の全面に金属膜を形成する。II:次に、例えばフォトリソグラフィー法、マイクロコンタクトプリンティング法等を用いて、金属膜上(表面)にレジスト膜を形成する。III:次に、このレジスト膜をマスクに用いて、金属膜にエッチングを施して、所定の形状にパターニングする。
また、リフトオフ法によりソース電極20aおよびドレイン電極20bを形成する場合には、I:まず、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを形成する領域以外の領域に、レジスト膜を形成する。II:次に、例えば、蒸着法、メッキ法等を用いて、基板10のレジスト膜側の全面に金属膜を形成する。III:次に、レジスト膜を除去する。
なお、ソース電極20aおよびドレイン電極20bは、ゲート絶縁膜40上に、例えば、導電性粒子や、導電性有機材料を含む導電性材料を塗布(供給)して塗膜を形成した後、必要に応じて、この塗膜に対して後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施すことにより形成することもできる。
導電性粒子を含む導電性材料としては、金属微粒子を分散させた溶液、導電性粒子を含むポリマー混合物等が挙げられる。
また、導電性有機材料を含む導電性材料としては、導電性有機材料の溶液または分散液が挙げられる。
ゲート絶縁膜40上に導電性材料を塗布(供給)する方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法のような塗布法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、マイクロコンタクトプリンティング法のような印刷法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[A4] 有機半導体膜形成工程
次に、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを覆うように、有機半導体膜30を形成する(図2(d)参照。)。
有機半導体膜30は、有機半導体材料と、この有機半導体材料を溶解する溶媒とを含む有機半導体膜用組成物を、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを覆うように供給し、その後、必要に応じて後処理を施すことによって形成する。
次に、基板10上に、ソース電極およびドレイン電極を覆うように、前述したような有機半導体膜用組成物を供給する。
有機半導体形成用液状材料を基板10上に供給する方法としては、例えば、前記工程[A1]で挙げた塗布法、印刷法等を用いることができる。
このうちインクジェット法を使用するのが好ましい。インクジェット法は、液状材料を微細なパターンで供給できるので、パターニングが不要であり、簡易な工程で精密な形状の有機半導体膜を形成することができる。
なお、有機半導体膜用組成物に、有機半導体材料の前駆体を含有させた場合には、その後、アニール処理を行う。
このようにして、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを覆うように有機半導体膜30が形成される。このとき、ソース電極20aおよびドレイン電極20bとの間には、チャネル領域が形成される。
なお、有機半導体膜30の形成領域は、図示の構成に限定されず、有機半導体膜30は、ソース電極20aおよびドレイン電極20bとの間の領域(チャネル領域)に選択的に形成してもよい。これにより、同一基板上に、複数の有機発光素子(素子)1を並設する場合に、各素子の有機半導体膜30を独立して形成することにより、リーク電流、各素子間のクロストークを抑えることができる。また、有機半導体材料の使用量を削減することができ、製造コストの削減を図ることもできる。
以上のような工程を経て、第1実施形態の有機発光素子1が得られる。
<第2実施形態>
次に、本発明の有機半導体膜用組成物を使用して製造される有機発光素子の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明の有機半導体膜用組成物を使用して製造される有機発光素子の第2実施形態を示す概略断面図である。
以下、第2実施形態の有機発光素子について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の有機発光素子1は、各電極の配設位置が異なる以外は、前記第1実施形態の有機発光素子1と同様である。
すなわち、図3に示す有機発光素子1は、ソース電極20aおよびドレイン電極20bが、有機半導体膜30およびゲート絶縁膜40を介して、ゲート電極50より基板10側に位置するトップゲート型の有機発光素子である。
そして、この有機発光素子1についても、CおよびLが、前述した第1実施形態と同様の関係を有している。
このような有機発光素子1も、前記第1実施形態の有機発光素子1と同様にして製造することができる。
このような第2実施形態の有機発光素子1によっても、前記第1実施形態の有機発光素子1と同様の作用・効果が得られる。
<電気光学装置>
次に、本発明の電気光学装置の一例として、前述したような有機発光素子1を備える電子光学装置(アクティブマトリクス装置)を説明する。
図4は、本発明の電気光学装置の実施形態を示すブロック図である。
図4に示すように、電気光学装置(アクティブマトリクス装置)300は、互いに直交する複数のデータ線301と、複数の走査線302と、これらのデータ線301と走査線302との各交点付近に設けられた有機発光素子1とを有している。
そして、有機発光素子1が有するゲート電極50は走査線302に接続され、ソース電極20aはデータ線301に接続され、ドレイン電極20bは共通電極303に接続されている。
このような電気光学装置300では、1本あるいは複数本の走査線302に選択信号(選択電圧)を供給すると、この選択信号(選択電圧)が供給された走査線302に接続されている有機発光素子1がONとなる。
これにより、走査線302への選択信号の供給および停止、あるいは、データ線301へのデータの供給および停止を適宜組み合わせて行うことにより、電気光学装置300に、所望の画像(情報)を表示させることができる。
特に、本実施形態の電気光学装置300は、低い駆動電圧で作動するため、省電力化が可能である。
また、電気光学装置300は、有機EL装置などと異なり、発光部を構成するキャパシタと、キャパシタのON/OFFを切り換えるためのトランジスタとを一体的に構成することができるので、回路構成を簡単化することができる。
さらに、発色の異なる発光材料を用いた有機発光素子1を適宜組み合わせて用いることで、多階調の画像を表示することができる。特に、R、G、Bの各色を発色するように、発色の異なる有機発光素子1を適宜用いることで、フルカラーの画像を表示することができる。
<電子機器>
このような電気光学装置300は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、本発明の電気機器の一例として、前述した電気光学装置300を備える電子機器について説明する。
<<電子ペーパー>>
まず、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図5は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
この図に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような電気光学装置300で構成されている。
<<ディスプレイ>>
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図6は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。
この図に示すディスプレイ800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したように電気光学装置300で構成されている。
本体部801は、その側部(図中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
また、本体部801の表示面側(下図(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
なお、本発明の電子機器は、以上のようなものへの適用に限定されず、例えば、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができ、例えば、これらの各種電子機器の表示部に、電気光学装置300を適用することが可能である。
以上、本発明の有機発光素子、電気光学装置および電子機器について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明の有機発光素子、電気光学装置および電子機器の各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
まず、シリコン基板を用意した。
次に、シリコン基板の一方の面を熱酸化することにより、シリコン酸化膜(比誘電率:約4)で構成されたゲート絶縁膜を形成した。ここで、シリコン基板の非酸化部分をゲート電極とした。また、ゲート絶縁膜の平均厚さdは、30nmであった。
次に、ゲート絶縁膜上にチオフェン・フェニレンオリゴマー(BP3T)を蒸着法により成膜した。これにより、有機半導体膜を形成した。この有機半導体膜の平均厚さは、100nmであった。
次に、有機半導体膜上にアルミニウムを蒸着法により成膜した。これにより、平均厚さ100nmのソース電極およびドレイン電極を形成した。
また、ソース電極とドレイン電極との間の距離(チャネル長L)は2μm、チャネル幅Wは1mmであった。
以上の工程により、有機発光素子を得た。
(実施例2、3)
表1に示すようなd、C、Lとした以外は、実施例1と同様にして、有機発光素子を得た。
Figure 2007234989
(実施例4)
まず、ガラス基板を用意した。
次に、ガラス基板上にタンタルを蒸着法により成膜した。これにより、平均厚さ500nmのタンタル膜を形成した。
次に、タンタル膜の一方の面を熱酸化することにより、タンタル酸化膜(比誘電率:約25)で構成されたゲート絶縁膜を形成した。ここで、タンタル膜の非酸化部分をゲート電極とした。また、ゲート絶縁膜の平均厚さdは、100nmであった。
次に、チオフェン・フェニレンオリゴマー(BP3T)、ゲート絶縁膜上に、蒸着法により、有機半導体膜を形成した。この有機半導体膜の平均厚さは、100nmであった。
次に、有機半導体膜上に、蒸着法により、平均厚さ100nmのソース電極およびドレイン電極を形成した。ここで、ソース電極およびドレイン電極の構成材料としてアルミニウムを用いた。
また、ソース電極とドレイン電極との間の距離(チャネル長L)は2μm、チャネル幅Wは1mmであった。
以上の工程により、有機発光素子を得た。
(実施例5〜10)
表2に示すようなd、C、Lとした以外は、実施例4と同様にして、有機発光素子を得た。
Figure 2007234989
(参考例1〜27)
表1に示すようなd、C、Lとした以外は、実施例1と同様にして、有機発光素子を得た。
(参考例28〜50)
表2に示すようなd、C、Lとした以外は、実施例4と同様にして、有機発光素子を得た。
(評価方法)
実施例1〜10および参考例1〜50のそれぞれについて、ゲート電圧V=ドレイン電圧Vの条件で、これらの電圧を0Vから徐々に上げていき、発光を開始したときの電圧を測定し、これを発光閾値電圧Vpthとした。その結果を表3および表4に示す。
Figure 2007234989
Figure 2007234989
表3および表4に示すように、本発明の実施例1〜10にかかる有機発光素子は、その駆動電圧(発光閾値電圧)が10V以下であり、参考例1〜50にかかる有機発光素子のほとんどのものに比し、低電圧駆動できるものであることが明らかとなった。
本発明の有機半導体膜用組成物を使用して製造される有機発光素子の第1実施形態を示す概略図である。 図1に示す有機発光素子の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。 本発明の電子デバイスを有機発光素子に適用した場合の第2実施形態を示す概略断面図である。 図3に示す有機発光素子を備えるアクティブマトリクス装置の構成を示すブロック図である。 本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
符号の説明
1……有機発光素子 10……基板 20a……ソース電極 20b……ドレイン電極 20……電極 30……有機半導体膜 40……ゲート絶縁膜 50……ゲート電極 300……アクティブマトリクス装置 301……データ線 302……走査線 600……電子ペーパー 601……本体 602……表示ユニット 800……ディスプレイ 801……本体部 802a、802b……搬送ローラ対 803……孔部 804……透明ガラス板 805……挿入口 806……端子部 807……ソケット 808……コントローラー 809……操作部

Claims (16)

  1. ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、発光性を有する有機発光材料を含む有機半導体膜と、前記ゲート電極に対して前記ソース電極および前記ドレイン電極を絶縁するゲート絶縁膜とを備える有機発光素子であって、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の距離をLとし、前記ソース電極および/または前記ドレイン電極と前記ゲート電極との間の単位面積あたりの静電容量をCとしたときに、LおよびCが、
    1×10−13cm/F<L/C<5×10cm/F
    なる関係を満たすことを特徴とする有機発光素子。
  2. LおよびCは、LC<3×10−10F/cmなる関係を満たす請求項1に記載の有機発光素子。
  3. Cは、20〜3000nF/cmである請求項1または2に記載の有機発光素子。
  4. Lは、2〜30μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の有機発光素子。
  5. 前記ゲート絶縁膜は、シリカを主材料として構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の有機発光素子。
  6. 前記ゲート絶縁膜の膜厚は、20〜150nmである請求項5に記載の有機発光素子。
  7. 前記ゲート絶縁膜は、酸化タンタルを主材料として構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の有機発光素子。
  8. 前記ゲート絶縁膜の膜厚は、20〜900nmである請求項7に記載の有機発光素子。
  9. 前記有機発光材料は、チオフェン環骨格およびアリール骨格を有する請求項1ないし8のいずれかに記載の有機発光素子。
  10. 前記有機発光材料は、その炭素数が20〜50である請求項9に記載の有機発光素子。
  11. 前記有機発光材料は、チオフェン環骨格を1〜4個有する請求項9または10に記載の有機発光素子。
  12. 前記ソース電極と前記ドレイン電極とは、互いに仕事関数の異なる材料で構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載の有機発光素子。
  13. 前記有機半導体膜中における有機発光材料の含有量は、50〜100wt%である請求項1ないし12のいずれかに記載の有機発光素子。
  14. 前記有機発光材料は、有機半導体材料である請求項13に記載の有機発光素子。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の有機発光素子を備えることを特徴とする電気光学装置。
  16. 請求項15に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2612378B1 (en) * 2010-09-01 2018-10-31 Merck Patent GmbH Quenching of photoluminescence in an organic device

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