JP2007234729A - Organic el device and electronic equipment - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、有機EL装置および電子機器に関するものである。 The present invention relates to an organic EL device and an electronic apparatus.
有機EL素子を整列配置した有機EL装置が開発されている。有機EL装置は、陽極と陰極との間に有機発光層を備えたものである。この有機EL装置では、陽極から供給された正孔と陰極から供給された電子とが、発光層で再結合して発光するようになっている。なお、陽極から発光層への正孔注入効率を向上させるため、陽極と発光層との間に正孔注入層を形成する場合が多い。
有機EL装置の最大の課題は、駆動中の輝度劣化である。この輝度劣化を抑制するために、発光材料やキャリア輸送層の開発、キャリアの注入効率を改善する電極開発、ダークスポットを発生させる水分や酸素の進入を抑制する封止技術開発が進められてきている。その開発のひとつとして、特許文献1には、正孔輸送層の形成材料として電極を構成する金属元素を含有したものを採用することにより、発光層での発光特性を向上させる技術が提案されている。しかしながら、有機EL装置には、輝度劣化による発光寿命のさらなる向上が求められている。 The biggest problem of the organic EL device is luminance deterioration during driving. In order to suppress this luminance degradation, development of light emitting materials and carrier transport layers, development of electrodes that improve carrier injection efficiency, and development of sealing technology that suppresses the entry of moisture and oxygen that generate dark spots have been promoted. Yes. As one of the developments, Patent Document 1 proposes a technique for improving light emission characteristics in a light emitting layer by adopting a material containing a metal element constituting an electrode as a material for forming a hole transport layer. Yes. However, the organic EL device is required to further improve the light emission lifetime due to luminance deterioration.
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、発光寿命を向上させることが可能な有機EL装置の提供を目的とする。 The present invention has been made to solve the above-described problems, and an object of the present invention is to provide an organic EL device capable of improving the light emission lifetime.
上記目的を達成するため、本発明に係る有機EL装置は、一対の導電膜により有機膜が挟持されてなる有機EL装置であって、複数の前記有機膜に金属元素が含まれていることを特徴とする。
また、少なくとも一つの前記有機膜には、前記金属元素が1.0atm%以上含まれていることが望ましい。
正孔注入層に存在する硫酸イオンやスルフォン酸イオン等のマイナスイオン成分が、他の有機膜に拡散することにより、有機EL装置の発光寿命が低下すると考えられている。これに対して、上記構成を採用すれば、正孔注入層のマイナスイオン成分が他の有機膜にマイグレーションするのを、金属元素のプラスイオン成分によって抑制することが可能になる。したがって、有機EL装置の発光寿命を向上させることができる。
In order to achieve the above object, an organic EL device according to the present invention is an organic EL device in which an organic film is sandwiched between a pair of conductive films, and a plurality of the organic films contain a metal element. Features.
In addition, it is preferable that at least one of the organic films includes 1.0 atomic% or more of the metal element.
It is considered that the emission lifetime of the organic EL device is reduced by diffusing negative ion components such as sulfate ions and sulfonate ions existing in the hole injection layer into other organic films. On the other hand, if the said structure is employ | adopted, it will become possible to suppress that the negative ion component of a positive hole injection layer migrates to another organic film with the positive ion component of a metal element. Therefore, the light emission lifetime of the organic EL device can be improved.
また、前記一対の導電膜のうち陽極に隣接配置された正孔注入層から発光層までの前記有機膜のうち、前記正孔注入層を含む複数の前記有機膜に前記金属元素が含まれていることが望ましい。
この構成によれば、正孔注入層から他の有機膜にマイグレーションするマイナスイオン成分を、金属元素のプラスイオン成分によって抑制することが可能になる。したがって、有機EL装置の発光寿命を向上させることができる。
The metal element is contained in a plurality of the organic films including the hole injection layer among the organic films from the hole injection layer to the light emitting layer disposed adjacent to the anode in the pair of conductive films. It is desirable.
According to this configuration, the negative ion component that migrates from the hole injection layer to the other organic film can be suppressed by the positive ion component of the metal element. Therefore, the light emission lifetime of the organic EL device can be improved.
また前記正孔注入層は、吸湿により酸性を示す有機材料で構成されていることが望ましい。
この構成によれば、正孔注入層の吸湿により陽極が溶解されるので、陽極に含まれる金属元素を正孔注入層から発光層にかけて拡散させることができる。
The hole injection layer is preferably made of an organic material that exhibits acidity due to moisture absorption.
According to this configuration, since the anode is dissolved by the moisture absorption of the hole injection layer, the metal element contained in the anode can be diffused from the hole injection layer to the light emitting layer.
また前記正孔注入層は、PEDOT/PSSの塗布膜を乾燥させて形成したものであることが望ましい。
この構成によれば、吸湿により酸性を示す正孔注入層を簡単に形成することができる。
The hole injection layer is preferably formed by drying a coating film of PEDOT / PSS.
According to this configuration, it is possible to easily form a hole injection layer that exhibits acidity due to moisture absorption.
また前記複数の有機膜に含まれる前記金属元素は、前記陽極に含まれる金属元素と同種の金属元素であることが望ましい。
この構成によれば、複数の有機膜に含まれる物性などが陽極に近くなり、正孔の輸送が速やかにかつ効率よくなされるようになる。よって、発光層での発光特性が向上する。
The metal element contained in the plurality of organic films is preferably the same metal element as the metal element contained in the anode.
According to this configuration, the physical properties and the like contained in the plurality of organic films are close to those of the anode, and hole transport can be performed quickly and efficiently. Therefore, the light emission characteristics in the light emitting layer are improved.
また前記正孔注入層には、前記金属元素が1.0atm%以上含まれ、前記正孔注入層に隣接配置された前記有機膜の一部には、前記金属元素が0.2atm%以上含まれていることが望ましい。ここで有機膜の一部とは、正孔注入層と有機膜との界面から有機膜内部20nm程度までの領域のことをいう。
この構成によれば、正孔注入層から他の有機膜にマイグレーションするマイナスイオン成分を、金属元素のプラスイオン成分によって抑制することが可能になる。したがって、有機EL装置の発光寿命を向上させることができる。
The hole injection layer contains the metal element in an amount of 1.0 atm% or more, and a part of the organic film disposed adjacent to the hole injection layer contains the metal element in an amount of 0.2 atm% or more. It is desirable that Here, a part of the organic film refers to a region from the interface between the hole injection layer and the organic film to about 20 nm inside the organic film.
According to this configuration, the negative ion component that migrates from the hole injection layer to the other organic film can be suppressed by the positive ion component of the metal element. Therefore, the light emission lifetime of the organic EL device can be improved.
一方、本発明に係る電子機器は、上述した有機EL装置を表示部に備えたことを特徴とする。
この構成によれば、発光寿命を向上させることが可能な有機EL装置を備えているので、信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
On the other hand, an electronic apparatus according to the present invention includes the above-described organic EL device in a display unit.
According to this configuration, since the organic EL device capable of improving the light emission lifetime is provided, an electronic device having excellent reliability can be provided.
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で参照する各図面においては、理解を容易にするために、各構成要素の寸法等を適宜変更して表示している。 Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. In each drawing referred to below, the dimensions and the like of each component are appropriately changed and displayed for easy understanding.
(第1実施形態)
最初に、本発明の第1実施形態に係る有機EL装置について説明する。
図1は、第1実施形態に係る有機EL装置の側面断面図である。第1実施形態に係る有機EL装置は、正孔注入層70および発光層60に金属元素が含まれているものである。
(First embodiment)
First, the organic EL device according to the first embodiment of the present invention will be described.
FIG. 1 is a side sectional view of the organic EL device according to the first embodiment. In the organic EL device according to the first embodiment, the
一般に有機EL装置は、素子基板2と、素子基板2の表面に配設された駆動回路部5と、駆動回路部5の表面に配設された複数の有機EL素子3と、有機EL素子3を封止する封止基板30とを主として構成されている。この有機EL素子3は、素子基板2に垂直な方向から見て円形状や長円形状等に形成され、素子基板2上にマトリクス状に整列配置されている。本実施形態では、有機EL素子3における発光光を素子基板2側から取り出すボトムエミッション型の有機EL装置を例にして説明する。
In general, the organic EL device includes an
(有機EL装置)
ボトムエミッション型の有機EL装置では、発光層60における発光を素子基板2側から取り出すので、素子基板2としては透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラスや石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等を用いることが可能であり、特にガラス基板が好適に用いられる。
(Organic EL device)
In the bottom emission type organic EL device, since light emitted from the
素子基板2上には、有機EL素子3の駆動用TFT123(駆動素子4)などを含む駆動回路部5が形成されている。なお、駆動回路を備えたICチップを素子基板2に実装して有機EL装置を構成することも可能である。
On the
駆動回路部5の具体的な構成として、素子基板2の表面に絶縁材料からなる下地保護層281が形成され、その上に半導体材料であるシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面には、SiO2及び/又はSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。そのゲート絶縁層282の表面には、ゲート電極242が形成されている。このゲート電極242は、図示しない走査線の一部によって構成されている。なお前記シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と対向する領域がチャネル領域241aとされている。一方、ゲート電極242およびゲート絶縁層282の表面には、SiO2を主体とする第1層間絶縁層283が形成されている。
As a specific configuration of the
またシリコン層241のうち、チャネル領域241aの一方側には低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられ、チャネル領域241aの他方側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Lightly Doped Drain )構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282および第1層間絶縁層283を貫通するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、図示しない電源線の一部によって構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282および第1層間絶縁層283を貫通するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同層に配置されたドレイン電極244に接続されている。
Further, in the
上述したソース電極243およびドレイン電極244、並びに第1層間絶縁層283の上層には、アクリル系やポリイミド系等の耐熱性絶縁性樹脂材料などを主体とする平坦化膜284が形成されている。この平坦化膜284は、駆動用TFT123(駆動素子4)やソース電極243、ドレイン電極244などによる表面の凹凸をなくすために形成されたものである。
Over the
そして、平坦化膜284の表面における有機EL素子3の形成領域には、複数の画素電極23が配列形成されている。この画素電極23は、該平坦化膜284に設けられたコンタクトホール23aを介して、ドレイン電極244に接続されている。すなわち画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。
A plurality of
また、平坦化膜284の表面における画素電極23を囲うように、SiO2等の無機絶縁材料からなる無機隔壁25が形成されている。この無機隔壁25の開口部から露出した画素電極23の表面に、複数の機能膜が積層形成されて、有機EL素子3が構成されている。有機EL素子3は、陽極として機能する画素電極23と、この画素電極23からの正孔を注入/輸送する正孔注入層70と、有機EL物質からなる発光層60と、陰極52として機能する共通電極とを積層して構成されている。
In addition, an
ボトムエミッション型の有機EL装置の場合、陽極として機能する画素電極23は、透明導電材料によって形成されている。その透明導電性材料として、ITO(インジウム錫酸化物)や、IZO(登録商標、インジウム亜鉛酸化物)等を採用することが可能である。そのうちITOは、酸化インジウム(In2O3)に錫(Sn)をドープした材料等で構成されている。
In the case of a bottom emission type organic EL device, the
また正孔注入層70の形成材料として、吸湿により酸性(PH4以下が好ましい)を示す材料が採用されている。特に、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液が好適に用いられる。このPEDOT/PSSは、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に、ポリチオフェン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させたものである。
なお、正孔注入層70の形成材料としては、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
As the material for forming the
The material for forming the
発光層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
As a material for forming the
また、赤色の有機EL層60の形成材料としては例えばMEHPPV(ポリ(3−メトキシ6−(3−エチルヘキシル)パラフェニレンビニレン)を、緑色の有機EL層60の形成材料としては例えばポリジオクチルフルオレンとF8BT(ジオクチルフルオレンとベンゾチアジアゾールの交互共重合体)の混合溶液を、青色の有機EL層60の形成材料としては例えばポリジオクチルフルオレンを用いる場合がある。また、このような有機EL層60については、特にその厚さについては制限がなく、各色毎に好ましい膜厚が調整されている。
Further, as a material for forming the red
陰極52は、主陰極および補助陰極の積層構造とすることが望ましい。その主陰極として、仕事関数が3.0eV以下のCaやMg、LiF等の材料を採用することが望ましい。これにより、主陰極に電子注入層としての機能が付与されるので、低電圧で発光層を発光させることができる。また補助陰極は、陰極52全体の導電性を高めるとともに、主陰極を酸素や水分等から保護する機能を有している。そのため補助陰極として、導電性に優れたAlやAu、Ag等の金属材料を採用することが望ましい。
The
一方、陰極52の上方には、接着層40を介して封止基板30が貼り合わされている。なお、陰極52の全体を覆う封止キャップを素子基板2の周縁部に固着し、その封止キャップの内側に水分や酸素等を吸収するゲッター剤を配置してもよい。また、陰極52の表面にSiO2等からなる無機封止膜を積層形成してもよい。
On the other hand, the sealing
上述した有機EL装置では、駆動回路部5のソース電極243から供給された画像信号が、駆動素子4により所定のタイミングで画素電極23に印加される。そして、その画素電極23から注入された正孔と、陰極52から注入された電子とが、発光層60で再結合して所定波長の光が放出される。その発光光は、透明材料からなる画素電極23、駆動回路部5および素子基板2を透過して外部に取り出される。なお、無機隔壁25は絶縁材料で構成されているので、無機隔壁25の開口部の内側のみに電流が流れて発光層60が発光する。そのため、無機隔壁25の開口部の内側が有機EL素子3の画素領域となっている。
In the organic EL device described above, the image signal supplied from the
(金属元素)
図2(a)は、本実施形態にかかる有機EL素子の断面の模式図である。有機EL素子の画素電極23は、金属元素を含む材料で構成されている。すなわち画素電極23は、ITO(インジウム錫酸化物;In2O3にSnをドープしたもの等)で構成されているので、InやSn等の金属元素を含んでいる。
(Metal element)
FIG. 2A is a schematic cross-sectional view of the organic EL element according to this embodiment. The
一方、画素電極23に隣接する正孔注入層70から発光層60までの有機膜のうち、正孔注入層70を含む複数の有機膜に金属元素が含まれている。第1実施形態では、正孔注入層70および発光層60の一部に金属元素が含まれている。ここで発光層60の一部とは、正孔注入層70と発光層60との界面から発光層60の内部20nm程度までの領域のことをいう。この金属元素として、画素電極23に含まれる金属元素と同種の金属元素が含まれている。すなわち正孔注入層70および発光層60には、InやSn等の金属元素がイオンの状態で存在している。
On the other hand, among the organic films from the
このように、画素電極23の金属元素を正孔注入層等に拡散させることにより、有機EL素子の画素領域の外側における発光(いわゆる発光のにじみ)を抑制できることが確認されている。これは以下の理由によるものと推定される。
図2(b)は、正孔注入層に含まれるポリスチレンスルフォン酸(PSS)の化学式である。ポリスチレンスルフォン酸は、スルフォン基(−SO3−)の存在によりマイナスの電荷を帯びて、ポリチオフェン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンに対してドーパントとしての機能を発揮している。図2(a)に示すように、そのPSS−を含む正孔注入層に、本実施形態ではIn+やSn+等の金属元素のプラスイオンが存在している。これにより、正孔注入層70は電気的に中和され、ポリスチレンスルフォン酸のドーパントとして機能が低下し、電気抵抗が高くなっていると考えられる。そのため、画素電極23から供給された正孔が、画素領域を超えて広がる可能性が少なくなり、画素領域の外側における発光を抑制することができる。
Thus, it has been confirmed that light emission (so-called light emission blur) outside the pixel region of the organic EL element can be suppressed by diffusing the metal element of the
FIG. 2B is a chemical formula of polystyrene sulfonic acid (PSS) contained in the hole injection layer. Polystyrene sulfonic acid is negatively charged due to the presence of a sulfonic group (—SO 3 —) and exhibits a function as a dopant to 3,4-polyethylenedioxythiophene, which is a polythiophene derivative. As shown in FIG. 2A, positive ions of metal elements such as In + and Sn + are present in the hole injection layer containing PSS- in this embodiment. Thereby, the
また、画素電極の金属元素を正孔注入層等に拡散させることにより、有機EL素子の寿命を向上しうることが確認されている。そのメカニズムは明らかでないが、以下の理由によるものと推定される。
図2(b)に示すポリスチレンスルフォン酸では、スルフォン基(−SO3−)が遊離する場合がある。遊離したスルフォン基は、図2(a)に示す正孔注入層70から発光層60に侵入する(マイグレーション)。これにより、有機材料からなる発光層60の発光効率やキャリアバランス等が変化して輝度劣化が発生し、発光寿命が低下すると考えられている。これに対して、本実施形態では、発光層60の一部にもIn+やSn+等の金属元素のプラスイオンが存在している。このプラスイオンにより、発光層60に侵入しようとするスルフォン基のマイナスイオンのマイグレーションを抑制する。したがって、発光層60の輝度劣化を抑制することが可能になり、発光寿命を向上させることができる。
In addition, it has been confirmed that the lifetime of the organic EL element can be improved by diffusing the metal element of the pixel electrode into the hole injection layer or the like. The mechanism is not clear, but is presumed to be due to the following reasons.
In the polystyrene sulfonic acid shown in FIG. 2B, a sulfonic group (—SO 3 —) may be liberated. The released sulfone group penetrates into the
(有機EL装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法について説明する。
図3および図4は、第1実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程図である。なお図3および図4では、理解を容易にするため、素子基板、駆動回路部および封止基板の記載を省略して、図1のA部の拡大図を記載している。
まず図3(a)に示すように、画素電極23の周囲に無機隔壁25を形成する。次に、超純水を用いて基板表面の超音波洗浄を行う。さらに、画素電極23の表面の親液化処理として、酸素ガス等を用いた大気圧プラズマ処理を行う。
(Method for manufacturing organic EL device)
Next, a method for manufacturing the organic EL device according to this embodiment will be described.
3 and 4 are process diagrams of the method for manufacturing the organic EL device according to the first embodiment. In FIGS. 3 and 4, for ease of understanding, description of the element substrate, the drive circuit unit, and the sealing substrate is omitted, and an enlarged view of part A in FIG. 1 is illustrated.
First, as shown in FIG. 3A, an
次に図3(b)に示すように、画素電極23および無機隔壁25の表面全体に、液相プロセスにより正孔注入層70を形成する。具体的には、まず正孔注入層70の形成材料の液状体を、スピンコート法やスプレーコート法、ディッピング法等により基板全体に塗布する。次に、その塗布膜を加熱して乾燥させ、膜中に含まれる水分を除去する。例えば、大気中にて180℃で15分間の加熱処理を施す。
Next, as shown in FIG. 3B, a
次に図3(c)に示すように、水分または酸素の少なくとも一方が存在する雰囲気に、正孔注入層70を放置する。この放置工程は、水分濃度および/または酸素濃度を調整可能な空調室10内で行う。
この空調室10は、内部に基板を配置しうるチャンバ11と、チャンバ11内への水分の供給装置12および酸素の供給装置13と、チャンバ11内の排気装置14とを備えている。この水分供給装置12および酸素供給装置13により、チャンバ11内の水分濃度および酸素濃度が、それぞれ10%以上100%以下の範囲で調整可能とされている。これにより、チャンバ11内を、水分または酸素の少なくとも一方が存在する雰囲気に保持しうるようになっている。
Next, as shown in FIG. 3C, the
The
この空調室10のチャンバ11内に、正孔注入層70が形成された基板を配置する。次に、チャンバ11内を大気と同じ雰囲気(水分濃度45%以下、酸素濃度約21%)に調整して、正孔注入層70をその雰囲気に暴露する。後述するように、暴露時間は6時間以上とすることが望ましい。これにより、正孔注入層70が吸湿して酸性を示すようになる。その正孔注入層70により画素電極23が溶解されて、画素電極23に含まれる金属元素が正孔注入層70に拡散する。
A substrate on which the
次に図4(a)に示すように、正孔注入層70の表面に、液相プロセスにより発光層60を形成する。具体的には、発光層60の形成材料の液状体を、スピンコート法やスプレーコート法、ディッピング法等により基板全体に塗布する。
次に図4(b)に示すように、発光層60を乾燥させる。この乾燥工程は、N2グローブボックス15の内部で行う。N2グローブボックス15は、内部に基板を配置しうるチャンバ16と、チャンバ16内へのN2ガスの供給装置17と、チャンバ16内の排気装置18と、基板の加熱装置19とを備えている。このN2ガスの供給装置17により、チャンバ内の空気をN2ガスで置換しうるようになっている。
Next, as shown in FIG. 4A, a
Next, as shown in FIG. 4B, the
このN2グローブボックス15のチャンバ16内に、発光層の形成材料が塗布された基板を配置する。次に、チャンバ16内をN2ガスで置換し、チャンバ16内における水分および酸素の濃度を1ppm以下まで低下させる。次に、加熱装置19により基板を加熱して塗布膜を乾燥させる。例えば、160℃で30分間の加熱処理を行う。これにより、発光層60を形成する。
上述したように、正孔注入層70の内部には、画素電極23を構成する金属元素が拡散している。この金属元素が、発光層60の加熱処理に伴って、正孔注入層70から発光層60の一部に拡散する。
In the
As described above, the metal element constituting the
次に図4(c)に示すように、真空蒸着法等により陰極52を形成する。
以上により、第1実施形態に係る有機EL装置が形成される。
Next, as shown in FIG. 4C, the
Thus, the organic EL device according to the first embodiment is formed.
図5は、第1実施形態に係る有機EL装置(実施例1)と、従来技術に係る有機EL装置(比較例1)との対比説明図である。なお、図5(a)は各層における金属元素の濃度を記載した表であり、図5(b)は有機EL装置の輝度劣化を示すグラフである。 FIG. 5 is an explanatory diagram for comparison between the organic EL device according to the first embodiment (Example 1) and the organic EL device according to the related art (Comparative Example 1). FIG. 5A is a table describing the concentration of the metal element in each layer, and FIG. 5B is a graph showing the luminance deterioration of the organic EL device.
図5(a)に示すように、実施例1に係る有機EL装置では、正孔注入層における金属元素の濃度は2.4atm%であり、発光層の一部における金属元素の濃度は0.2atm%である。発光層の一部とは、正孔注入層と発光層との界面から発光層内部20nm程度までの領域のことをいう。ちなみに、水分または酸素の少なくとも一方が存在する雰囲気に正孔注入層を暴露する時間(以下「暴露時間」という。)が6時間の場合には、正孔注入層における金属元素の濃度は1.0atm%以上である。また暴露時間が24時間の場合には、正孔注入層における金属元素の濃度は約2.4atm%であり、発光層と正孔注入層の界面における金属元素の濃度は約0.3atm%である。 As shown in FIG. 5A, in the organic EL device according to Example 1, the concentration of the metal element in the hole injection layer is 2.4 atm%, and the concentration of the metal element in a part of the light emitting layer is 0. 2 atm%. The part of the light emitting layer refers to a region from the interface between the hole injection layer and the light emitting layer to the inside of the light emitting layer of about 20 nm. Incidentally, when the time during which the hole injection layer is exposed to an atmosphere containing at least one of moisture and oxygen (hereinafter referred to as “exposure time”) is 6 hours, the concentration of the metal element in the hole injection layer is 1. 0 atm% or more. When the exposure time is 24 hours, the concentration of the metal element in the hole injection layer is about 2.4 atm%, and the concentration of the metal element at the interface between the light emitting layer and the hole injection layer is about 0.3 atm%. is there.
これに対して、比較例1に係る有機EL装置では、正孔注入層のみに金属元素が含まれている。すなわち、正孔注入層における金属元素の濃度は0.5atm%であるが、発光層には金属元素が含まれていない。 On the other hand, in the organic EL device according to Comparative Example 1, the metal element is contained only in the hole injection layer. That is, the concentration of the metal element in the hole injection layer is 0.5 atm%, but the light emitting layer contains no metal element.
実施例1および比較例1に係る有機EL装置につき、発光効率を測定した。発光効率は、同じ輝度を得るために必要な電流値で示される。比較例1では、実施例1と同じ輝度を得るために、実施例1の約1.17倍の電流が必要であった。これにより、実施例1の発光効率は比較例1より優れていることが確認された。 Luminous efficiency was measured for the organic EL devices according to Example 1 and Comparative Example 1. The luminous efficiency is indicated by a current value necessary for obtaining the same luminance. In Comparative Example 1, in order to obtain the same luminance as that of Example 1, a current about 1.17 times that of Example 1 was required. Thereby, it was confirmed that the luminous efficiency of Example 1 was superior to Comparative Example 1.
また実施例1および比較例1に係る有機EL装置につき、発光輝度の経時変化を測定した。その結果、図5(b)に示すように、実施例1における発光輝度の低下速度は、比較例1に比べて緩やかであることが判明した。発光輝度の10%低下を寿命と規定した場合、実施例1に係る有機EL装置の発光寿命は、比較例1の1.5倍程度に伸びることが確認された。 Further, with respect to the organic EL devices according to Example 1 and Comparative Example 1, the change in emission luminance with time was measured. As a result, as shown in FIG. 5B, it was found that the rate of decrease in light emission luminance in Example 1 was slower than that in Comparative Example 1. It was confirmed that when the 10% decrease in emission luminance was defined as the lifetime, the emission lifetime of the organic EL device according to Example 1 was increased to about 1.5 times that of Comparative Example 1.
以上に詳述したように、第1実施形態に係る有機EL装置では、正孔注入層および発光層に金属元素が含まれている構成とした。この構成によれば、正孔注入層から発光層に拡散しようとするマイナスイオン成分を、金属元素のプラスイオンによって捕捉することができる。したがって、有機EL装置の発光寿命を向上させることが可能になり、また発光効率を向上させることが可能になる。 As described in detail above, the organic EL device according to the first embodiment has a configuration in which a metal element is contained in the hole injection layer and the light emitting layer. According to this configuration, the negative ion component that is to diffuse from the hole injection layer to the light emitting layer can be captured by the positive ions of the metal element. Therefore, the light emission lifetime of the organic EL device can be improved, and the light emission efficiency can be improved.
また、第1実施形態に係る有機EL装置の製造方法では、金属元素を含む画素電極の表面に、吸湿により酸性を示す有機材料からなる正孔注入層を形成する工程と、水分または酸素の少なくとも一方が存在する雰囲気に、正孔注入層を暴露する工程とを有する構成とした。この構成によれば、正孔注入層が吸湿して酸性を示すので、下層の画素電極が溶解されて、陽極に含まれる金属元素が正孔注入層に拡散する。また発光層を加熱処理する工程を有するので、画素電極の金属元素を正孔注入層から発光層の一部にも拡散させることができる。これにより、発光寿命を向上させることが可能になり、また発光効率を向上させることが可能になる。 Further, in the method for manufacturing the organic EL device according to the first embodiment, a step of forming a hole injection layer made of an organic material that exhibits acidity by moisture absorption on the surface of the pixel electrode containing a metal element, and at least moisture or oxygen And a step of exposing the hole injection layer to an atmosphere where one exists. According to this configuration, since the hole injection layer absorbs moisture and exhibits acidity, the lower pixel electrode is dissolved, and the metal element contained in the anode diffuses into the hole injection layer. In addition, since the light emitting layer is subjected to heat treatment, the metal element of the pixel electrode can be diffused from the hole injection layer to a part of the light emitting layer. As a result, the light emission lifetime can be improved and the light emission efficiency can be improved.
また、第1実施形態に係る有機EL装置の製造方法では、従来技術と同じ材料を用いて正孔注入層および発光層を形成することが可能である。すなわち、正孔注入層の形成材料である液状体に予め金属元素を添加しておく必要がないので、正孔注入層の成膜性を向上させることができる。また正孔注入層の内部における金属元素の分散性を向上させることができる。 Further, in the method for manufacturing the organic EL device according to the first embodiment, it is possible to form the hole injection layer and the light emitting layer using the same material as in the conventional technique. That is, since it is not necessary to add a metal element in advance to the liquid that is a material for forming the hole injection layer, the film formability of the hole injection layer can be improved. Further, the dispersibility of the metal element in the hole injection layer can be improved.
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る有機EL装置について説明する。
図7は、第2実施形態に係る有機EL装置の側面断面図である。第2実施形態に係る有機EL装置は、正孔注入層70と発光層60との間に正孔輸送層65が形成され、正孔注入層70および正孔輸送層65に金属元素が含まれている点で、第1実施形態とは異なっている。なお第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
(Second Embodiment)
Next, an organic EL device according to a second embodiment of the present invention will be described.
FIG. 7 is a side sectional view of the organic EL device according to the second embodiment. In the organic EL device according to the second embodiment, a
第2実施形態に係る有機EL装置では、正孔注入層70の表面全体に、正孔輸送層65が形成されている。この正孔輸送層65の構成材料として、化学式1で示されるTFB(poly(2,7-(9,9-di-n-octylfluorene)-alt-(1,4-phenylene-((4-sec-butylphenyl)imino-1,4-phenylene))))を採用することが望ましい。TFBは、TPDを主鎖や側鎖に組み込んだ高分子化合物であり、正孔注入層70と発光層60の間に形成され、正孔注入層70から発光層60へのホールに輸送を補助する役割があるので好適である。なお正孔輸送層65の厚さは、20nm以下に形成される。
In the organic EL device according to the second embodiment, the
次に、第2実施形態に係る有機EL装置の製造方法について説明する。まず第1実施形態と同様に、図3(a)ないし図3(c)に示す工程を実施して、画素電極23および無機隔壁25の表面に正孔注入層70を形成する。この正孔注入層70には、画素電極23の金属元素が拡散している。
Next, a method for manufacturing an organic EL device according to the second embodiment will be described. First, as in the first embodiment, the
図8は、第2実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程図である。
図8(a)に示すように、正孔注入層70の表面に、液相プロセスにより正孔輸送層65を形成する。具体的には、正孔輸送層であるTFBの液状体を、スピンコート法やスプレーコート法、ディッピング法等により基板全体に塗布する。
FIG. 8 is a process diagram of a method for manufacturing an organic EL device according to the second embodiment.
As shown in FIG. 8A, a
次に図8(b)に示すように、正孔輸送層65を乾燥させる。この乾燥工程は、N2グローブボックス15の内部で行う。具体的には、N2グローブボックス15のチャンバ内に、正孔輸送層65の形成材料が塗布された基板を配置する。次にチャンバ内をN2ガスで置換し、チャンバ内における水分および酸素の濃度を1ppm以下まで低下させる。次に、基板を180℃、1時間加熱して塗布膜を乾燥させ、正孔輸送層65を形成する。その後、キシレン溶媒によりTFBの可溶層を除去することが望ましい。これにより、キシレン溶媒に不溶なTFB層が形成される。
Next, as shown in FIG. 8B, the
その後、第1実施形態と同様に、図4(a)ないし図4(c)に示す工程を実施して、発光層60および陰極52を形成する。
以上により、第2実施形態に係る有機EL装置が形成される。
Thereafter, similarly to the first embodiment, the steps shown in FIGS. 4A to 4C are performed to form the
Thus, the organic EL device according to the second embodiment is formed.
図9は、第2実施形態に係る有機EL装置(実施例2)と、従来技術に係る有機EL装置(比較例2)との対比説明図である。なお、図9(a)は各層における金属元素の濃度を記載した表であり、図9(b)は有機EL装置の輝度劣化を示すグラフである。 FIG. 9 is an explanatory diagram for comparison between the organic EL device according to the second embodiment (Example 2) and the organic EL device according to the related art (Comparative Example 2). FIG. 9A is a table showing the concentration of the metal element in each layer, and FIG. 9B is a graph showing the luminance deterioration of the organic EL device.
図9(a)に示すように、実施例2に係る有機EL装置では、正孔注入層における金属元素の濃度は1.0atm%以上であり、正孔輸送層における金属元素の濃度は0.2atm%以上である。これに対して、比較例2に係る有機EL装置では、正孔注入層のみに金属元素が含まれている。すなわち、正孔注入層における金属元素の濃度は0.5atm%であるが、正孔輸送層には金属元素が含まれていない。 As shown in FIG. 9A, in the organic EL device according to Example 2, the concentration of the metal element in the hole injection layer is 1.0 atm% or more, and the concentration of the metal element in the hole transport layer is 0. 0. 2 atm% or more. In contrast, in the organic EL device according to Comparative Example 2, the metal element is contained only in the hole injection layer. That is, the concentration of the metal element in the hole injection layer is 0.5 atm%, but the hole transport layer contains no metal element.
実施例2および比較例2に係る有機EL装置につき、発光効率を測定した。比較例2では、実施例2と同じ輝度を得るために、実施例2の約1.06倍の電流が必要であった。これにより、実施例2の発光効率は比較例2より優れていることが確認された。
また実施例2および比較例2に係る有機EL装置につき、発光輝度の経時変化を測定した。その結果、図9(b)に示すように、実施例2における発光輝度の低下速度は、比較例2における発光輝度の低下速度に比べて緩やかであることが判明した。これにより、実施例2に係る有機EL装置の発光寿命は、比較例2より長くなることが確認された。
Luminous efficiency was measured for the organic EL devices according to Example 2 and Comparative Example 2. In Comparative Example 2, in order to obtain the same luminance as in Example 2, a current approximately 1.06 times that in Example 2 was required. Thereby, it was confirmed that the luminous efficiency of Example 2 was superior to that of Comparative Example 2.
In addition, with respect to the organic EL devices according to Example 2 and Comparative Example 2, the change in emission luminance with time was measured. As a result, as shown in FIG. 9B, it was found that the rate of decrease in emission luminance in Example 2 was slower than the rate of decrease in emission luminance in Comparative Example 2. Thereby, it was confirmed that the light emission lifetime of the organic EL device according to Example 2 was longer than that of Comparative Example 2.
図6は、正孔注入層の大気放置(暴露)時間と、有機EL素子の発光寿命との関係を示すグラフである。本願の発明者は、正孔注入層の大気放置時間を変化させて、さまざまな有機EL装置を試作した。なお大気中の水分濃度は45%以下、酸素濃度は約21%である。そして、各有機EL装置の発光寿命を測定した。図6では、正孔注入層を24時間大気放置した場合の発光寿命を1として規格化している。図6に示すように、正孔注入層を0.5時間大気放置した場合の発光寿命は約0.7と低いが、6時間以上大気放置した場合の発光寿命は0.9〜1.1程度の範囲に収束している。この結果から、正孔注入層の放置時間は6時間以上とすることが望ましいといえる。 FIG. 6 is a graph showing the relationship between the time during which the hole injection layer is left in the atmosphere (exposure) and the emission lifetime of the organic EL element. The inventor of the present application made various prototypes of organic EL devices by changing the time in which the hole injection layer was left in the atmosphere. The moisture concentration in the atmosphere is 45% or less, and the oxygen concentration is about 21%. And the light emission lifetime of each organic EL apparatus was measured. In FIG. 6, the light emission lifetime when the hole injection layer is left in the atmosphere for 24 hours is normalized as 1. As shown in FIG. 6, the emission lifetime when the hole injection layer is left in the atmosphere for 0.5 hours is as low as about 0.7, but the emission lifetime when left in the atmosphere for 6 hours or more is 0.9 to 1.1. It has converged to a range of about. From this result, it can be said that the leaving time of the hole injection layer is desirably 6 hours or more.
以上に詳述したように、第2実施形態に係る有機EL装置では、正孔注入層および正孔輸送層に金属元素が含まれている構成とした。この構成によれば、正孔注入層から正孔輸送層を通り、発光層内部へ拡散しようとするマイナスイオン成分を、金属元素のプラスイオン成分によって捕捉することが可能となる。したがって、有機EL装置の発光寿命を向上させることが可能になり、また発光効率を向上させることが可能になる。 As described in detail above, the organic EL device according to the second embodiment has a configuration in which a metal element is contained in the hole injection layer and the hole transport layer. According to this configuration, it is possible to capture the negative ion component that is to diffuse from the hole injection layer through the hole transport layer into the light emitting layer by the positive ion component of the metal element. Therefore, the light emission lifetime of the organic EL device can be improved, and the light emission efficiency can be improved.
また、第2実施形態に係る有機EL装置の製造方法では、正孔輸送層を加熱しつつ形成する構成としたので、画素電極の金属元素を正孔注入層に加えて正孔輸送層にも拡散させることができる。これにより、発光寿命を向上させることが可能になり、また発光効率を向上させることが可能になる。加えて、従来と同じ材料を用いて正孔輸送層を形成することができる。 Moreover, in the manufacturing method of the organic EL device according to the second embodiment, since the hole transport layer is formed while being heated, the metal element of the pixel electrode is added to the hole injection layer and also to the hole transport layer. Can be diffused. As a result, the light emission lifetime can be improved and the light emission efficiency can be improved. In addition, the hole transport layer can be formed using the same material as the conventional one.
(電子機器)
次に、上記実施形態の有機EL装置を備えた電子機器につき図10を用いて説明する。
図10は、電子機器の一例である携帯電話機の斜視構成図である。同図に示す携帯電話機1300は、複数の操作ボタン1302と、受話口1303と、送話口1304と、先の実施形態の有機EL装置からなる表示部1301とを備えて構成されている。この表示部には、上記実施形態の有機EL装置が採用されている。上記実施形態の有機EL装置では、発光寿命を向上させることができるので、信頼性に優れた携帯電話機を提供することができる。
(Electronics)
Next, an electronic apparatus including the organic EL device according to the embodiment will be described with reference to FIG.
FIG. 10 is a perspective configuration diagram of a mobile phone which is an example of an electronic apparatus. A
なお、本発明における発光装置を備えた電子機器としては、上記のものに限らず、他に例えば、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビ、携帯用テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、PDA、携帯用ゲーム機、ページャ、電子手帳、電卓、時計、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器などを挙げることができる。また、本発明における有機EL装置を備えた電子機器として、車載用オーディオ機器や自動車用計器、カーナビゲーション装置等の車載用ディスプレイ、プリンタ用の光書き込みヘッド等を挙げることもできる。 Note that the electronic device including the light emitting device according to the present invention is not limited to the above-described ones. For example, a digital camera, a personal computer, a television, a portable television, a viewfinder type / monitor direct view type video tape recorder, Examples include a PDA, a portable game machine, a pager, an electronic notebook, a calculator, a clock, a word processor, a workstation, a videophone, a POS terminal, and a device equipped with a touch panel. In addition, examples of the electronic device including the organic EL device according to the present invention include an in-vehicle audio device, an in-vehicle instrument, an in-vehicle display such as a car navigation device, an optical writing head for a printer, and the like.
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。 It should be noted that the technical scope of the present invention is not limited to the above-described embodiments, and includes those in which various modifications are made to the above-described embodiments without departing from the spirit of the present invention. That is, the specific materials and configurations described in the embodiments are merely examples, and can be changed as appropriate.
上記実施形態ではボトムエミッション型の有機EL装置を例にして説明したが、本発明をトップエミッション型の有機EL装置に適用することも可能である。トップエミッション型の有機EL装置の画素電極は、AlやCr等の高反射率の金属材料で構成されているが、正孔注入性を向上させるため、金属材料の表面にITOやIZO(登録商標)等の透明導電性材料が積層形成されるからである。
また上記実施形態では有機EL装置を例にして説明したが、有機物を能動的に使用する有機半導体を安定駆動させるため、有機半導体全般に本発明を適用することが可能である。
In the above embodiment, the bottom emission type organic EL device has been described as an example. However, the present invention can also be applied to a top emission type organic EL device. The pixel electrode of the top emission type organic EL device is made of a highly reflective metal material such as Al or Cr. In order to improve the hole injection property, ITO or IZO (registered trademark) is formed on the surface of the metal material. This is because a transparent conductive material such as
In the above embodiment, the organic EL device has been described as an example. However, in order to stably drive an organic semiconductor that actively uses an organic substance, the present invention can be applied to all organic semiconductors.
10…空調室 23…画素電極(陽極、導電膜) 25…無機隔壁 52…陰極 60…発光層 65…正孔輸送層 70…正孔注入層
DESCRIPTION OF
Claims (8)
複数の前記有機膜に金属元素が含まれていることを特徴とする有機EL装置。 An organic EL device in which an organic film is sandwiched between a pair of conductive films,
An organic EL device, wherein a plurality of the organic films contain a metal element.
前記正孔注入層に隣接配置された前記有機膜の一部には、前記金属元素が0.2atm%以上含まれていることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の有機EL装置。 The hole injection layer contains 1.0 atm% or more of the metal element,
7. The structure according to claim 3, wherein a portion of the organic film disposed adjacent to the hole injection layer includes 0.2 atm% or more of the metal element. The organic EL device described.
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