JP2007234548A - 平面蛍光ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 平面蛍光ランプにおいて、クラックの発生を抑制する。
【解決手段】
本発明の平面蛍光ランプは、内部に複数の基板支持部としての波状部121を有する平面状の放電容器1と、放電容器1の内部に封入された放電媒体と、放電容器1の内面に形成された蛍光体層41、42と、放電容器1の内部又は外部に配設された電極51、52とを具備し、放電容器1と波状部121との間には圧力分散手段としてのガラス基板3が介在している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液晶ディスプレイのバックライトや一般照明などに用いられる平面蛍光ランプおよび平面蛍光ランプの製造方法に関するものである。
平面蛍光ランプとしては、例えば特開2005−32722号公報(以下、特許文献1)に記載のように、二枚の基板を合わせて内部に放電空間を形成し、その放電空間には希ガスや水銀が封入を封入し、容器の内面には蛍光体層が形成され、基板の外表面の両端部には外部電極が形成された構成が知られている。また、ランプを構成する二枚の基板の間には、空間分割壁が設けられている。この空間分割壁は、主に放電空間を分割する目的と基板の支持の目的で構成されている。
また、特開平6−111778号公報(以下、特許文献2)に記載のように、凹凸に加工した基板によって放電容器を構成した平面蛍光ランプも知られている。このランプにおいては、その凹凸が特許文献1の空間分割壁と同じような機能を有している。
特開2005−32722号公報 特開平6−111778号公報
しかしながら、特許文献1、2のような空間分割壁を有する平面蛍光ランプにおいて、そのガラス基板上でクラックが発生することがある。このクラックは、空間分割壁と接触する基板部分付近において特に発生していることが確認された。そこで、発明者等が検証を行った結果、ランプの排気工程時に、基板の一部分に応力が集中することがこのクラックの原因であることが判明した。
本発明は、上記のような課題に鑑みたもので、その目的はクラックの発生を抑制することにある。
上記目的を達成するために、本発明の平面蛍光ランプは、内部に複数の基板支持部を有する平板状の放電容器と、前記放電容器の内部に封入された放電媒体と、前記放電容器の内面に形成された蛍光体層と、前記放電容器の内部又は外部に配設された電極とを具備する平面蛍光ランプにおいて、前記放電容器と前記基板支持部との間に圧力分散手段が介在していることを特徴とする。
圧力分散手段としては、ソーダガラスや石英ガラスなど、透過性が高く、かつ高温化で溶融したり、不純ガスを出さない材料であればどのような材料でも使用することができる。ただし、放電容器を構成する材料と熱膨張率が近い方が良いため、放電容器と同じ材料で構成するのが最も望ましい。また、圧力分散手段は1枚に限らず、数枚を重ねて配置しても良い。
また、介在とは、部材間に存在することを意味するが、好ましくは、放電容器および基板支持部の両方に接触するように部材間に存在しているのが良い。
本発明によれば、平面蛍光ランプにおいて、クラックの発生を抑制することができる。
(第1の実施の形態)
以下に、本発明の第1の実施の形態の平面蛍光ランプについて図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の平面蛍光ランプを前面から見た全体図である。図2は、図1を背面から見た全体図である。図3は、図1におけるX−X’の断面図である。
平面蛍光ランプの主要部を形成する放電容器1は、例えば、ソーダガラスからなる前面基板11と背面基板12とで構成され、それぞれの基板の周辺部分に、シール剤としてフリットガラス2を形成して張り合わせることにより、気密に接合されている。
前面基板11は板状であって、本実施の形態の平面蛍光ランプにおける発光面となる基板である。
背面基板12は波状部121と枠部122とで構成されている。波状部121は、山と谷とが交互に複数形成された波型の形状をしている。前面基板11と後述するガラス基板3を配置した状態では、ガラス基板3と波状部121の山部分とがほぼ接触するため、波状部121はガラスを支持する機能をする。また、波状部121の山の稜線は、一方の枠部122の端部から他方の枠部122の端部まで連続して形成されている。すなわち、波状部121は、放電空間を分割する仕切りとしても機能し、放電容器1の内部には背面基板12と個々の波状部121で包囲された放電空間が複数形成される。この放電空間を複数に分割する構成は、特にランプが大型化した場合に発生しやすい集中放電を抑制できるという点で有利である。なお、放電空間に関する他の実施の形態として、ガラス端部において、それぞれの放電空間の一部が連通するような構成となっていても良い。
前面基板11と背面基板12との間には、放電容器1と同じソーダガラスからなる板状のガラス基板3が介在している。このガラス基板3は、特別な固定などはされておらず、前面基板11と波状部121の山部分とにより、接触固定されている。なお、ガラス基板3の端辺とフリットガラス2とには、多少のクリアランスが形成されている。
放電容器1の内部には、水銀および希ガスからなる放電媒体が封入されている。希ガスとしては、キセノン、クリプトン、アルゴン、ネオン、ヘリウムから選択された少なくとも一種のガス、または2種以上の混合ガスとして封入することができる。なお、希ガスを2種以上混合して封入する場合、それぞれの特性を考慮して封入するのが望ましい。例えば、ネオンは主として発光効率及びランプの始動電圧を下げる作用をし、アルゴンは主として発光の立ち上がりを早める作用をするので、それぞれの封入比を調節することで所望の特性が得られる。なお、ガス圧に関しては、種々の特性を考慮して、1〜700torr、好適には20〜100torrであるのが良い。
放電容器1の内面、すなわち、ガラス基板3と背面基板12の放電空間側の面には、それぞれ蛍光体層41、42が形成されている。蛍光体層41、42は、冷陰極蛍光ランプやプラズマディスプレイパネルに使用されている赤、緑、青の複数種の蛍光体等を使用できる。なお、本実施の形態では、前面基板11側は光の出光面、背面基板12側は光の反射面となるので、前面側は光の透過効率を高め、背面側は光の反射効率を高める構成とするのが望ましい。そこで、蛍光体層41は平均粒径を約2.5μm以上、厚さを5〜15μm、蛍光体層42は、平均粒径を約2.5μm以下、厚さを30〜100μmとするのがよい。
前面基板11の外表面の両端部には、波状部121の山及び谷をほぼ垂直に横断する方向に、帯状の外部電極51、52が形成されている。外部電極51、52としては、導電性テープを導電性の接着剤によって表面に貼り付けて形成したり、銀などの金属粉と溶剤とバインダーを混合させてなる導電性ペーストをスクリーン印刷によって表面に形成したり、スズ、インジウム、ビスマス、鉛、亜鉛、銀などからなる半田を超音波振動を加えながら表面に形成したりすることができる。本実施の形態では、超音波半田によって電極を形成している。
次に、平面蛍光ランプの寸法、材料等の一仕様を示す。
放電容器1:ソーダガラス製、410mm×320mm×1mm、個々の波状部121の長さ:410mm、幅:10mm、高さ:3mm、厚み1.3mm、
放電媒体 水銀:50mg、ネオン:アルゴン=9:1、50torr、
ガラス基板3:ソーダガラス製、400mm×310mm×1mm、
蛍光体層41 粒径:4μm、層の厚さ:10μm、
蛍光体層42 粒径:2μm、層の厚さ:60μm、
上記のような実施の形態の平面蛍光ランプは、排気工程時においてもクラックが生じにくい。以下、図4を参照しながら説明する。
平面蛍光ランプでは、水銀や希ガスなどの放電媒体を封入する場合、一般的に放電容器1の排気工程を経る。この工程では、加熱を伴って内部が一度真空にされる。内部を真空にするとランプの内部は負圧となるが、ランプの外部は、例えば大気雰囲気であるため、ランプの内外で圧力差が生じる。その状態で、放電容器1の温度が上昇すると、ランプの内部方向に引っ張る力が生じ、(a)のように、従来のランプでは放電空間方向に前面基板11がたゆんでしまう。このたゆみは、波状部121の山部付近における前面基板11の発光面側に引っ張り応力、放電空間側に圧縮応力を発生させる。そして、その引っ張り応力が発生した付近において、ガラスが応力に耐えられなくなり、クラックが発生する。また、放電媒体封入後においても、そのガス圧は50torr程度の負の圧力であるため、同じメカニズムでクラックが発生することもある。
これに対し、本発明でも同様に、排気工程時、前面基板11の発光管側より放電空間側の方が、内部の圧力が低いため、ランプ内部方向に引っ張る力が発生する。しかしながら、ガラス基板3では発光面側も放電空間側も同じ放電空間内に配置された状態であるので、同じ負の圧力であるため、引っ張る力は発生しない。すなわち、(b)のように、ガラス基板3が前面基板11のたゆもうとする方向の力を分散し、たゆみが生じない、または生じてもその力を小さくすることができる。したがって、クラックが発生しにくくなる。
また、本発明では、輝度ムラが低減されやすくなるという効果も得ることができる。従来技術のような基板支持部を有する構成の平面蛍光ランプでは、図5に示すように、明暗の縞が発光面に発生する。これは、基板支持部付近の発光面が非発光部となるためである。これに対し、本発明では、発光面側は前面基板11とガラス基板3とからなるため、2枚のガラス内を光が導光しやすくなる。これにより、光が比較的広がりやすく、つまり発光面において均等に光が出射しやすくなる。したがって、従来発生していた発光面における明暗の縞が抑制され、輝度ムラが低減されやすくなるという効果が得られる。
ここで、上述のように、従来技術の平面蛍光ランプでは、図5に示すように、発光面に生じる明るさの明暗の縞が課題となっている。この明暗の縞を解消するためには、発光面と基板支持部との接触部分を可能な限り小さくするのが望ましいとされている。しかし、接触部分を小さくするとガラスに応力が集中しやすくなり、さらにクラックが発生しやすくなる。そのため、接触部分を小さくすることは構成上、困難であった。
このような問題に対し、本発明は上述のように圧力を分散できるため効果的である。すなわち、本発明を応用すれば、ガラス基板3と接触する波状部121を従来よりも小さく構成することが可能であり、クラックを防止しつつ、明暗の縞を低減することができる。
したがって、本実施の形態では、前面基板11と背面基板12の波状部121との間に圧力分散手段としてガラス基板3が介在していることにより、特に排気工程時におけるガラスのたゆみを抑制することにより、引っ張り応力によるクラックを抑制することができる。
また、発光面を前面基板11とガラス基板3とで構成することにより、ガラス内で光が広がったのち、発光面を出光しやすくなる。したがって、前面基板11における発光の明暗が緩和され、輝度ムラを低減することができる。
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態の平面蛍光ランプについて説明するための断面図である。この第2の実施の形態の各部について、第1の実施の形態の平面蛍光ランプの各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。
第2の実施の形態では、圧力分散手段であるガラス基板3の発光面側の形状が波型形状になっている。この構成では、第1の実施の形態と同様に圧力を分散する作用が得られるとともに、各放電空間の発光面に位置するガラス基板3が凹レンズであるため、光を広範囲に広げる作用が得られる。そのため、さらに波状部121上の発光面に暗線が生じにくくなり、輝度ムラを抑制することが可能である。なお、この場合において、ガラス基板3の凹部分は、波状部121の山部分と一致するように形成、配置するのが望ましい。
したがって、本実施の形態では、第1の実施の形態の平面蛍光ランプと同様、クラックを抑制しつつ、発光面における明暗の縞による輝度ムラをさらに抑制することができる。
(第3の実施の形態)
図7は、本発明の第3の実施の形態の平面蛍光ランプについて説明するための断面図である。
第3の実施の形態では、圧力分散手段であるガラス基板3の発光面側の形状が三角形状になっている。この実施の形態においても第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明の実施の形態は上記に限られるわけではなく、例えば次のように変更してもよい。
放電容器1の構成として、図8のように放電容器1の前面ガラスと背面ガラスをほぼ平板形状とし、その間に基板支持部として複数のスペーサを用いる構成であってもよい。また、図9のように、背面基板12の枠部122にガラス基板3の端部を載せる構成としてもよい。これらの場合においても、前面基板11が放電空間方向にたゆむことを防止することができるため、クラックを抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態の平面蛍光ランプを前面から見た全体図。 図1を背面から見た全体図。 図1におけるX−X’の断面図。 従来と本発明の封止工程時の説明図。 従来の平面蛍光ランプの発光面における輝度ムラの説明図。 本発明の第2の実施の形態による平面蛍光ランプの断面図。 本発明の第3の実施の形態による平面蛍光ランプの断面図。 本発明の平面蛍光ランプの第1の変形例。 本発明の平面蛍光ランプの第2の変形例。
符号の説明
1 放電容器
11前面基板
12 背面基板
121 波状部
122 枠部
2 フリットガラス
3 ガラス基板
41、42 蛍光体層
51、52 外部電極

Claims (2)

  1. 内部に複数の基板支持部を有する平面状の放電容器と、
    前記放電容器の内部に封入された放電媒体と、
    前記放電容器の内面に形成された蛍光体層と、
    前記放電容器の内部又は外部に配設された電極とを具備する平面蛍光ランプにおいて、
    前記放電容器と前記基板支持部との間に圧力分散手段が介在していることを特徴とする平面蛍光ランプ。
  2. 前記圧力分散手段は、前記放電容器と同じ材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2の何れか一に記載の平面蛍光ランプ。


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