JP2007233043A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、初期・耐久を通じて中間転写ベルト81の搬送速度を良好に保つことである。
【解決手段】接地された駆動ローラ26を含む複数のローラによって回転される中間転写ベルト81と、駆動ローラ26に対向して前記ベルト81に接触し、前記ベルト81に極性の異なる電圧を印加することで前記ベルト81から転写残トナーを除去する2つのファーブラシ16a,16bとを有し、前記ベルト81の表面抵抗率ρsが1E+11Ω/□≦ρs≦1E+13Ω/□の範囲であり、且つ前記ベルト81の厚さをt、前記ブラシ16a,16b間の距離をdとしたとき、前記ベルト81と駆動ローラ26の体積抵抗の和R(V)と、前記ブラシ16a,16b間での前記ベルト81の表面抵抗R(S)の関係が、50R(V)≦R(S)を満たすことを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、複数のローラに張架された像担持体上に形成されたトナー像を記録材に転写する画像形成装置に関するものである。
近年では、複数の感光ドラム上に形成された各色のトナー像を像担持体(中間転写ベルト)上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、これを記録材に一括で転写する、いわゆる中間転写方式の画像形成装置が提案されている。
この中間転写方式の画像形成装置では、カラー画像を形成する場合、感光ドラム周囲に配置された帯電手段、露光手段、現像手段により各感光ドラム上にトナー画像が形成され、各一次転写部において一次転写手段により中間転写ベルトに静電的に転写される。中間転写ベルトに重ね合わせて転写されたトナー像は中間転写ベルトの回転搬送により二次転写部に送られ、二次転写部において二次転写手段により記録材に一括して静電的に転写される。
前記中間転写ベルトは、駆動ローラを含む複数のローラによって張架されており、駆動ローラの回転により前述の如く回転される。このため、各一次転写部および二次転写部において転写を安定させ、高画質を得るためには、中間転写ベルトの搬送速度(回転速度)を安定させることが重要である。例えば、中間転写ベルトに対して駆動ローラがスリップしてしまうようなことがあると、中間転写ベルトの搬送速度が不安定になり、一次転写部や二次転写部において、色ズレや画像伸縮等の画像不良が発生してしまう。
そこで、中間転写ベルトの搬送速度を安定させるための技術として、特開2000−75772号公報(以下、特許文献1という)には、駆動ローラの表面にゴム層を設けて、中間転写ベルトの裏面とのグリップ力(摩擦力)を高める構成が開示されている。
特開2000−75772号公報
上述した通り、特許文献1では、中間転写ベルトの搬送速度を安定させるために、駆動ローラの表面にゴム層を設けて、中間転写ベルトの裏面とのグリップ力(摩擦力)を向上させている。しかしながら、中間転写ベルトの裏面がトナー等で汚れると、前記グリップ力が低下し、駆動ローラが中間転写ベルトの裏面に対してスリップを起こし、中間転写ベルトの搬送速度が変化してしまう恐れがある。
なお、この他の対策としては、複数のローラにより中間転写ベルトの張架力を上げて、駆動ローラと中間転写ベルトの密着性を更に高めて、前記グリップ力を向上させる方法が考えられる。しかしながら、この方法では、張架力を上げることによって、ベルト割れ等の中間転写ベルトの耐久性が低下する恐れがある。また、放置により中間転写ベルトにローラの跡がつき、ローラ跡による画像不良が発生する恐れもある。
そこで、本発明の目的は、像担持体の裏面がトナーで汚れてしまうようなことがあっても、駆動ローラが像担持体に対してスリップしてしまうことがなく、初期・耐久を通じて像担持体の搬送速度を良好に保つことである。
上記課題を解決するための本発明の代表的な構成は、接地された駆動ローラを含む複数のローラによって張架され、前記駆動ローラによって回転される像担持体と、前記駆動ローラに対向するように前記像担持体に接触し、前記像担持体に極性の異なる電圧を印加することによってトナー像の転写された前記像担持体からトナーを除去する2つのクリーニング手段と、を有し、前記像担持体の表面抵抗率ρsが1E+11Ω/□≦ρs≦1E+13Ω/□の範囲であり、且つ前記像担持体の厚さをt、前記2つのクリーニング手段間の距離をdとしたとき、前記像担持体の体積抵抗R1と前記駆動ローラの体積抵抗R2の和R(V)と、前記2つのクリーニング手段間での前記像担持体の表面抵抗R(S)の関係が、50R(V)≦R(S)を満たす値であり、またR1≫R2が成り立つ条件では、50R(V)≦R(S)≦1000×t×d×R(V)を満たす値であることを特徴とする。
本発明によれば、駆動ローラと像担持体との摩擦力だけでなく、クリーニング手段から印加される電圧によって駆動ローラと像担持体とが静電的に吸着し、駆動ローラと像担持体との密着性が高まる。このため、像担持体の裏面がトナーで汚れてしまうようなことがあっても、駆動ローラが像担持体に対してスリップしてしまうことがなく、像担持体の搬送速度が安定する。よって、初期・耐久を通じて、像担持体に対するトナー像の転写性や、クリーニング手段による像担持体のクリーニング性を損なうことなく、像担持体の搬送性を良好に保つことができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。尚、これら実施例は本発明における最良の実施形態の一例ではあるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置を示す概略構成図である。この画像形成装置は、中間転写体を用いたデジタル方式の電子写真画像形成装置である。以下、本実施例に係る画像形成装置について詳しく説明する。
画像形成装置本体内には、矢印X方向に走行する像担持体としての無端状の中間転写ベルト(ITB)81が配設されている。この中間転写ベルト81は、駆動ローラ26、テンションローラ25、二次転写部・対抗ローラ29の3つのローラによって張架されている。本実施例での張架力は29.4N(3kgf)であるが、他の張架力でもかまわない。
中間転写ベルト81は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム、ポリイミド、エチレン4フッ化エチレン共重合体等の誘電体樹脂を用い、厚さが50μm〜500μm程度のもので構成されている。本実施例における中間転写ベルト81の厚さtは100μmである。なお、中間転写ベルトの材質は他の材質であっても構わない。
更に中間転写ベルト81は、表層にゴム材などの弾性層を有する。この弾性層を有する中間転写ベルトにおいては、表層の表面粗さが大きいものも存在する。この場合、中間転写ベルトのクリーニング手段としてブレードクリーニングが採用できない場合がある。このため、クリーニング方式としては本実施例で用いる静電ファーブラシクリーニングを用いることが有利である。
なお、中間転写ベルト81を張架する複数のローラのうち、駆動ローラ26は、図5に示すように、導電体ローラ26aとその外周面に円筒状に形成された表層26bとによって構成されている。駆動ローラ26の表層26bには摩擦力を向上させるために、厚さt(D)=500μmの導電性EPDM等のゴムを使用したが、他の厚さ、材質でも構わない。また、本実施例における駆動ローラ26の外径はφ32mmのものを使用したが、他の外径でも構わない。中間転写ベルト81と駆動ローラ26の抵抗値については、後で説明する。また、本実施例での中間転写ベルト81の走行速度は300mm/sとしたが、他の速度でも構わない。
給送カセット60から取り出された記録材Pは、ピックアップローラ30を経て搬送ローラ28に供給され、さらに図1の左方に搬送される。
中間転写ベルト81の上方には、ほぼ同様の構成をもつ4個の画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdが直列状に配置されている。画像形成部Paを例にとって画像形成部の構成を説明する。画像形成部Paの詳細な構成を図2に示す。画像形成部Paは、回転可能に配置されたドラム状の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)1aを備えている。この感光ドラム1aの中心には支軸(不図示)を有し、この支軸を中心として矢印R1方向に、不図示の駆動手段によって回転駆動されるようになっている。本実施例では、感光ドラム1aの表面速度は300mm/sであるが、他の速度でも構わない。感光ドラム1aの周囲には、帯電手段としての一次帯電器22a、現像手段としての現像器23a、一次転写手段としての一次転写ローラ24a、クリーニング手段としてのクリーニング器12a等のプロセス機器(プロセス手段)が配置されている。
転写ローラ24aは、導電体ローラ軸とその外周面に円筒状に形成された導電層によって構成されている。転写ローラ24aの導電層としては、その抵抗値が10〜10Ω・cm程度であり、単泡性あるいは連泡性のEPDM、SBR、BR等が望ましい。転写ローラ24aは、両端部が不図示のスプリング等の押圧部材によって感光ドラム1aに向けて付勢されている。これにより転写ローラ24aは、所定の押圧力で感光ドラム1a側に中間転写ベルト81を挟み込むように圧接され一次転写ニップ部T1aが形成される。
他の画像形成部Pb、Pc、Pdは、前述した画像形成部Paとほぼ同様の構成を備えており、画像形成部Paと画像形成部Pb、Pc、Pdの異なる点は、それぞれがイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する点である。
各現像器23a,23b,23c,23dにはそれぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナーが収納されている。
原稿のイエロー成分色による画像信号がポリゴンミラー(不図示)等を介して、一次帯電器22aによって負極性に帯電された感光ドラム1a上に投射されて静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光ドラム1aに現像器23aからイエロートナーが供給されて静電潜像がイエロートナー像となる。このトナー像が感光ドラム1aの回転に伴って、感光ドラム1aと中間転写ベルト81とが当接する一次転写ニップ部T1aに到来する。すると、転写ローラ24aに印加される一次転写バイアスによって、前記イエロートナー像が中間転写ベルト81へ転写される。イエロートナー像を担持した中間転写ベルト81は、画像形成部Pbに搬送される。すると、このときまでに画像形成部Pbにおいて前記画像形成部Paと同様の方法で感光体ドラム1b上に形成されたマゼンタトナー像が、前記イエロートナー像上へ重ね合わせて転写される。同様に、シアントナー像、ブラックトナー像が前述の中間転写ベルト81上のトナー像に重畳転写され、中間転写ベルト81上にカラー画像が形成される。
一方、このときまでに給送カセット60から取り出された記録材Pは、搬送ローラ28にその先端を停止させ、中間転写ベルト81上に形成されたカラー画像が記録材Pの所定の位置に転写できるようにタイミング合わせて給送される。搬送ローラ28から給送された記録材Pは、中間転写ベルト81を介して対向ローラ29と二次転写手段としての二次転写ローラ40とが当接する二次転写部T2に達する。そして、二次転写部材40において印加される二次転写バイアスによって上述の4色のトナー像(カラー画像)は記録材P上に転写される。なお、4色のトナー像(カラー画像)が転写された記録材Pは、定着手段としての定着器91によって定着された後、装置外に排出される。
二次転写部の詳細な構成を図3に示す。二次転写部T2は、中間転写ベルト81の内側に位置する二次転写内ローラ29と外側に位置する二次転写外ローラ40からなる。二次転写外ローラ40は直径24mm、導電性の軸40aとその表面を被覆した導電層40bで形成されている。二次転写外ローラ40の導電層40bとしては、その抵抗値が10〜10Ω・cm程度であり、ソリッドまたは発泡性のEPDM、SBR、BR等が望ましい。二次転写内ローラ29は導電性のローラであり、直径は21mm、材質はSUS、Al等が好ましい。なお、二次転写内ローラ29あるいは二次転写外ローラ40のいずれかに、転写バイアスを印加する事で中間転写ベルト81上のトナー像を、二次転写部T2を通過する記録材Pに転写する。本実施例では二次転写外ローラ40に正のバイアスを印加することで、負に帯電したトナーを中間転写ベルト81上から記録材P上へ転写する。
一次転写部T1、二次転写部T2において起きる画像不良に対して感度の大きな因子として、中間転写ベルト81の表面抵抗率がある。以下に、その内容を説明する。
一次転写部における画像不良として、中間転写ベルト81上に転写されたトナーが飛び散ってしまい、線が滲んでしまう画像不良がある。これは、中間転写ベルト81の表面抵抗が低いと、中間転写ベルト81に与えられた転写電荷が中間転写ベルト81の搬送方向に広がってしまうからである。このように転写電荷が広がってしまうと、転写プレニップ部T1Pa(図2参照)において、感光ドラム1aと中間転写ベルト81が密着していない領域で転写電界が作用する。これにより、前述した画像不良が起こる。
また、二次転写部T2における画像不良として、二次転写部の上流部における放電により画像の一部の画像が転写されない画像不良がある。これは、二次転写部T2の上流部における放電により画像の一部のトナーの帯電極性が反転することにより、二次転写部T2において記録材Pに転写されずに中間転写ベルト81に残留してしまうことで発生する。これも中間転写ベルト81の表面抵抗が低いと発生し易い。
これら2つの画像不良を防止あるいは低減するには、中間転写ベルト81の表面抵抗率ρsを1E+11Ω/□以上(JIS−K6911法準拠プローブを使用し、印加電圧100V、印加時間30secで測定時)にすることが必要である。
ただし、中間転写ベルト81の表面抵抗率を上げすぎると、一次、二次転写後に中間転写ベルト81に残留している電荷の減衰が遅いために、中間転写ベルト81の電位が上昇してしまう。この状態で中間転写ベルト81を搬送すると、中間転写ベルト81と中間転写ベルト81の周囲に存在する板金との間で、電荷の移動が起こることがある。この電荷の移動が起こると、その場所のトナーが飛び散ってしまうために画像不良が発生してしまう。この画像不良を防止するには、中間転写ベルト81に除電機構を設ければ表面抵抗率が高くても問題はない。しかしながら、本実施例のように除電機構を設けない場合には、中間転写ベルト81の表面抵抗率ρsを1E+13Ω/□以下にすることが、この画像不良を防止するためには必要である。
よって、中間転写ベルト81の表面抵抗率ρsの範囲は、1E+11Ω/□≦ρs≦1E+13Ω/□にすることが必要である。本実施例では、中間転写ベルト81の表面抵抗率ρsが1E+12Ω/□のものを使用した。
上述したように、一次転写部、二次転写部における転写性に対して、中間転写ベルト81の表面抵抗率が大きく寄与している。しかしながら、中間転写ベルト81の表面抵抗率だけを合わせれば良いわけではなく、画像不良の種類によっては、他の要因が大きな感度を表すことがある。その一つとして、中間転写ベルト81の体積抵抗率がある。以下にその内容を説明する。
二次転写部における画像不良として、二次色等の画像濃度の高い画像を出力した際に、左右方向(中間転写ベルト81の搬送方向に対して交差する幅方向)の画像端部のみが、トナーが転写されずに中間転写ベルトに残ってしまう画像不良がある。この原因を図4を用いて説明する。
図4は図3を記録材Pの搬送方向から見た断面図である。図4には、二次転写内ローラ29、中間転写ベルト81、トナーTnr、記録材P、二次転写外ローラ40から構成されている。記録材Pが存在しない領域Aでは、記録材P及びトナーTnrが存在しないので、二次転写外ローラ40にバイアスを印加した際に、記録材Pが存在する領域Bより多くの電流が流れる。その結果、記録材Pの端部では記録材Pの裏面の電荷密度が低下し、トナー層部における転写電界が減少する。このため、トナーTnrが転写できずに中間転写ベルト81上に残ってしまう。この現象を抑止するためには、中間転写ベルト81、二次転写内ローラ29、二次転写外ローラ40を含めた二次転写部の抵抗を記録材Pの抵抗の影響が出ないように大きくすればよい。ただ、二次転写部の抵抗を大きくするために二次転写内ローラ29、二次転写外ローラ40の抵抗を大きくしていくと、中間転写ベルト81と二次転写外ローラ40の間に放電が起こりやすくなり、この放電により中間転写ベルト81の表面抵抗率が低下してしまう。このため、二次転写部の抵抗を大きくするには、中間転写ベルト81の体積抵抗率を大きくすることが有効である。前述の画像端部の転写不良を防止するためには、中間転写ベルト81の体積抵抗率ρvを1E+8Ω・cm以上にすることが必要である。
図3において、記録材Pに転写されずに中間転写ベルト81に残った残トナーは、図5に示すように中間転写ベルト81の回転により中間転写ベルト81を介して駆動ローラ26と導電性ファーブラシ16a,16bが当接するクリーニング部Tcに搬送される。
本実施例で使用するファーブラシ16a,16bは芯金部(導電軸)に、導電性で繊維状の毛を植毛したものである。本実施形態では、芯金部の径:φ8mm、外径:φ16mm、パイル長:4mm、材質:ナイロン、密度:200KF/inch、抵抗R(F)=1E+7Ω(25℃50%Rh環境下)のファーブラシを二本使用した。なお、導電性ファーブラシ16a,16bの構成はこれに限定されるものではない。
図5は本実施例で使用されるファーブラシクリーニング部(クリーニング手段)を示した図である。二次転写後、中間転写ベルト81上に残留したトナーは、中間転写ベルト用のクリーニング装置15によって除去される。本実施形態に係る中間転写ベルト用のクリーニング装置(クリーニング手段)15は、同様に構成された2つのクリーニング装置15a,15bを有している。各クリーニング装置15a,15bは、それぞれ、中間転写ベルト81に当接して回転する回転部材としてのファー状の導電性ブラシ(以下、ファーブラシという)16a,16bを有している。ファーブラシ16a,16bは、駆動ローラ26と対向するように中間転写ベルト81に接触している。すなわち、ファーブラシ16a,16bは、中間転写ベルト81の駆動ローラ26に支持される部分に接する位置に配置されている。2つのファーブラシのうち、ベルト回転方向上流側のファーブラシ16aについては、中間転写ベルト81と駆動ローラ26が接する位置81aから駆動ローラ26の回転方向への角度をθとしたとき、0°≦θ≦60°の範囲に配置することが望ましい。その理由は、オイラーの摩擦伝導理論より、駆動ローラ26上の圧は角度θ=0°(位置81aにおける角度θ)のときが最も大きく、その後指数関数的に減少するからである。このため、0°≦θ≦60°の範囲の駆動ローラ26と中間転写ベルト81とのグリップ力が重要であり、後述する静電吸着力を発生させる場所としては最適だからである。
また、ファーブラシ16a,16bは中間転写ベルト81にくい込むように配置されている。このため、ファーブラシ16a,16bのブラシ部の一部は、ブラシが寝た状態で中間転写ベルト81に接している。本実施例では、この寝ているブラシの長さを、中間転写ベルトに対するファーブラシの侵入量と呼ぶことにする。本実施例での侵入量は1.0mmとしているが、これに限定されるものではない。また、上流側のファーブラシ16aに対して下流側のファーブラシ16bは、所定の間隔(距離)をあけて配置されている。この2つのファーブラシ16a,16b間の距離をdとする。本実施例では、距離d=1cmとしているが、これに限定されるものではない。
また、各ファーブラシ16a,16bの下流側には、ファーブラシに接触して回転し、ファーブラシからトナーを静電的に回収する回収部材としてのバイアスローラ17a,17bが配置されている。このバイアスローラ17a、17bは金属製であり、ファーブラシ16a、16bにくい込むように配置されている。本実施例でのファーブラシに対するバイアスローラ侵入量は1.5mmであるが、これに限定されるものではない。また、この金属のバイアスローラ17a,17bのファーブラシ16a,16bに接する点の下流側には、バイアスローラからトナーを除去するブレード部材としてのスクレーパ18a,18bが当接されている。また、各バイアスローラ17a,17bを通して各ファーブラシ16a,16bにバイアス電圧を印加する電源19a,19bを有している。
従って、ファーブラシ16によって中間転写ベルト81から回収したトナーは、バイアスローラ17に転移され、これをスクレーパ18で掻き取って廃トナーボックス(不図示)に回収している。
なお、前記クリーニング部Tcにおけるファーブラシ16の回転方向は、中間転写ベルト81との対向位置で中間転写ベルト81の回転方向に対してカウンター方向に回転する。また、バイアスローラ17は、ファーブラシ16との対向位置でファーブラシ16と同一方向に回転する。
中間転写ベルト81からファーブラシ16へのトナーの受け渡しは、バイアスローラ17aにバイアス電圧を印加すると、ファーブラシ16aと接地された駆動ローラ26との間に電位差が生じ、中間転写ベルト81上のトナーがファーブラシ16aに転移する。この転移する力は、ファーブラシ16aと接地された駆動ローラ26との間に流れる電流量に依存する。さらにファーブラシ16aに回収されたトナーは、ファーブラシ16aとバイアスローラ17aとの電位差によりバイアスローラ17aに転移される。尚、本実施例において、ファーブラシ16a,16bに印加するバイアス電圧の範囲は、500V〜1500Vである。
ここで例えば、中間転写ベルト81に体積抵抗率ρv(ITB)=5×10Ω・cm、駆動ローラ26に表層26bの表面抵抗率ρv(D)= 1×10Ω・cmのものを用いる。すると、バイアスローラ17に−1000V印加した場合、ファーブラシ16aの芯金部には−800Vの電圧が誘起され、バイアスローラ17aと駆動ローラ26との間には−20μAの電流が流れる。
本実施例においては、通常の画像形成時には中間転写ベルト81の回転方向で上流側のバイアスローラ16aにマイナスのバイアス電圧を、下流側のバイアスローラ16bにプラスのバイアス電圧を印加する。これは、二次転写終了後の中間転写ベルト81上の残トナーにはプラス極性、マイナス極性の両極性のトナーが存在する可能性があるため、二本のファーブラシ16a,16bに異なる極性のバイアス電圧を印加するようにしている。
図6は本実施例における二次転写部での、二次転写ローラへの印加電圧と転写効率のグラフを示したものである。このグラフ中の点線a,bは転写効率90%時の転写電圧を示している。
ここで、転写効率は、《転写効率=記録材Pに転写されたトナー量/転写前の中間転写体81上のトナー量×100(%)》によって求めた。点線a,bに対応する電圧はそれぞれ1.5kVと3.5kVと電圧は異なるが、転写電圧1.5kVに設定された時の中間転写ベルト81上の残トナーは主にマイナス極性のトナーが多く、3.5kVの時には主にプラス極性のトナーが多く残っている。これは1.5kV設定時には、転写されるトナーの電荷に対し転写電圧が足りないことにより起こり、3.5kV設定時には、転写電圧が高すぎることでトナーに電荷注入、或いは放電による電荷の飛び込みによりトナー電荷の極性が反転してしまうことに起因する。
上記理由により、ファーブラシを二本、且つ異なる極性のバイアス電圧を印加するようにしている。
ここで、中間転写ベルト81の搬送を良好に保つために、駆動ローラ26と中間転写ベルト81との摩擦力だけでなく、ファーブラシから印加される電圧によって駆動ローラ26と中間転写ベルト81とを静電的に吸着し、密着性を高める構成について説明する。
中間転写ベルト81の搬送速度を安定させることは、一次転写部T1、二次転写部T2での画像不良を防ぐために重要であるが、そのためには課題も多いことがわかった。従来の対策では、主に力学的なアプローチで駆動ローラ26と中間転写ベルト81とのグリップ力を強化しているが、本実施例では電気的なアプローチを加えて、前記グリップ力を更に強化している。
駆動ローラ26が中間転写ベルト81に対してスリップしないようにするためには、駆動ローラ26の表面と中間転写ベルト81の裏面のグリップ力がある一定以上必要である。そのために、従来では駆動ローラ26の表面にゴム層を設け、グリップ力を向上させている。しかし、耐久で中間転写ベルト81の裏面および駆動ローラ26の表面にトナーが付着すると、付着したトナーによりグリップ力が低下し、駆動ローラ26と中間転写ベルト81はスリップを起こしてしまう。よって、耐久時において、駆動ローラ26と中間転写ベルト81のグリップ力をある一定以上に保つために、駆動ローラ26と中間転写ベルト81に静電吸着力を発生させてグリップ力を強化している。これにより、駆動ローラ26と中間転写ベルト81は、たとえトナーが付着したとしてもスリップしてしまうことがなく、中間転写ベルト81の搬送性を良好に保つことができる。以下、具体的な構成について説明する。
なお、駆動ローラ26と中間転写ベルト81との静電吸着力は、電界ベクトルと同じ方向に発生する。また、電界ベクトルは電流の流れる方向と同じ方向に発生じるため、静電吸着力は電流の流れる方向に発生する。
図5の金属ローラ17aにバイアス電圧を印加し、駆動ローラ26を接地すると、金属ローラ17a⇒ファーブラシ16a⇒中間転写ベルト81⇒駆動ローラ26の経路(以後、この経路を経路Vとする)に電流が流れる。ここでの静電吸着力は、電界ベクトルと同じ方向に発生する。また、電界ベクトルは電流の流れる方向と同じ方向に発生するため、静電吸着力は電流の流れる方向に発生する。よって、経路Vに電流が流れると、駆動ローラ26と中間転写ベルト81との間には静電吸着力が発生し、駆動ローラ81と中間転写ベルト26が静電的に密着する。よって、この構成によれば、中間転写ベルトの張架力を上げることと同様の効果が力学的負荷なしに発生させることができる。
ただし、この静電吸着力は経路Vに電流が流れると起こるが、金属ローラ17a⇒ファーブラシ16a⇒中間転写ベルト81⇒ファーブラシ16b⇒金属ローラ17bの経路(以後、この経路を経路Sとする)に電流が流れてしまう場合には発生しない。この理由は、経路Sに電流が流れる場合は、電界ベクトルは中間転写ベルト81の搬送方向に発生するためである。
また、経路Vに電流が流れず、経路Sに電流が流れてしまうと、二次転写終了後の中間転写ベルト81上の残トナーをファーブラシに転移させることができないため、クリーニング不良が起こってしまう。また、経路V,Sそれぞれに電流が流れた場合も、経路Sに流れる電流によって中間転写ベルト81上の残トナーは中間転写ベルト81の表面方向を移動してしまう。この場合、残トナーを十分にファーブラシ16a,16bに転移させることができず、クリーニング不良が起こってしまう恐れがある。
そのため、ファーブラシによるクリーニング性能を満足し、また十分な静電吸着力を発生させるためには、経路V,Sの電流量の関係が、(経路Vの電流量)≫(経路Sの電流量)であることが必要となる。
ここからは、(経路Vの電流量)≫(経路Sの電流量)の関係を満たすための、中間転写ベルト81と駆動ローラ26の抵抗条件について説明する。
図7は、図5に示したクリーニング部の各パーツの等価回路図である。図中のR(F)はファーブラシの体積抵抗、Rv(ITB)、Rs(ITB)はそれぞれ中間転写ベルト81の体積抵抗、表面抵抗、Rv(D)は駆動ローラの体積抵抗である。
上流側のファーブラシ16aに着目したとき、バイアスローラ16aにV1、バイアスローラ16bにV2のバイアス電圧を印加する。そのとき、ファーブラシ16aに流れる電流をI1、中間転写ベルトの体積方向に流れる電流をI1v、表面方向に流れる電流をI1sとする。また、ファーブラシ16aと中間転写ベルト81の表面との接点での電位をV1’、ファーブラシ16bと中間転写ベルト81の表面との接点での電位をV2’とすると、これらの関係は下記式(1)、(2)となる。
Figure 2007233043
ここで、V1=−V2、R1(F)=R2(F)の場合、V1’=−V2’となるので、上記式(1)、(2)より中間転写ベルト81の厚さ方向に流れる電流をI1v、中間転写ベルト81の表面方向に流れる電流をI1sの関係は、下記式(3)となる。
Figure 2007233043
ここで、前記抵抗Rの関係は、下記式(4)である。
Figure 2007233043
図8に、上記式(3)より、R(V):R(S)を横軸にとり、そのときの中間転写ベルト81の表面方向に流れる電流I1sを縦軸にとってグラフ化したものを示す。図8より、表面抵抗に対する体積抵抗の大きさが小さくなると、中間転写ベルト81の表面方向に流れる電流が減少し、R(V):R(S)=1:50あたりを境に、中間転写ベルト81の表面方向に流れる電流減少の変化量が小さくなっている。R(V):R(S)=1:50⇔R(S)=50R(V)の時には、電流I1v、I1sの関係は下記式のようになる。
Figure 2007233043
上記のように電流I1v、I1sの関係は、(経路Vの電流量)≫(経路Sの電流量)の関係が成り立っており、R(S)≧50R(V)であれば、クリーニング性、中間転写ベルト81の搬送性が確保できる。
また、下流側のファーブラシ16bについても、上流側のファーブラシ16aと同様のことが言える。図9は、図5に示したクリーニング部の各パーツの等価回路図である。図中のR(F)はファーブラシの体積抵抗、Rv(ITB)、Rs(ITB)はそれぞれ中間転写ベルト81の体積抵抗、表面抵抗、Rv(D)は駆動ローラの体積抵抗である。
下流側のファーブラシ16bに着目したとき、バイアスローラ16aにV1、バイアスローラ16bにV2のバイアス電圧を印加する。そのとき、ファーブラシ16bに流れる電流をI2、中間転写ベルトの体積方向に流れる電流をI2v、表面方向に流れる電流をI2sとすると、電流I2s、I2vの関係は下記式のようになる。
Figure 2007233043
このように下流側のファーブラシ16bについても、上流側のファーブラシ16aと同様に、(経路Vの電流量)≫(経路Sの電流量)の関係が成り立つ。よって、この関係が成り立つための中間転写ベルト81と駆動ローラ26の抵抗条件は、下記式(5)である。
Figure 2007233043
また、一次転写部、二次転写部での転写条件より、中間転写ベルト81の表面抵抗率ρs(ITB)と体積抵抗率ρv(ITB)の条件は、下記式(6)、(7)である。
Figure 2007233043
このため、転写性、クリーニング性、中間転写ベルト81の搬送性の3つを良好に保つためには、中間転写ベルト81の表面、体積抵抗率と駆動ローラ26の体積抵抗率は上記式(5)、(6)、(7)を満たすことが必要になる。
ここで、上記式(5)、(6)、(7)にある表面抵抗率と表面抵抗の関係、体積抵抗率と体積抵抗の関係、について説明する。ファーブラシ16a,16b間の距離をdとすると、中間転写ベルト81の表面抵抗Rs(ITB)と表面抵抗率ρs(ITB)の関係は、下記式(8)である。
Figure 2007233043
また、中間転写ベルト81の厚さをt(ITB)、駆動ローラ26の表層(弾性層)26bの厚さをt(D)とする。このとき、中間転写ベルト81の体積抵抗Rv(ITB)、駆動ローラ26の体積抵抗Rv(D)と、中間転写ベルト81の体積抵抗率ρv(ITB)、駆動ローラ26の体積抵抗率ρv(D)との関係は、下記式(9)である。
Figure 2007233043
上記式(5)、(6)より中間転写ベルト81と駆動ローラ26の体積抵抗の和R(V)は、上記式(5)、(6)を満たす閾値以下でよいことがわかる。しかし、上記式(7)より中間転写ベルト81と駆動ローラ26の体積抵抗の和R(V)は、上記式(6)、(7)、(8)、(9)を満たす閾値以上必要となり、中間転写ベルト81と駆動ローラ26の体積抵抗の和R(V)はある範囲に収まる。駆動ローラ26の体積抵抗の値が、中間転写ベルト81の体積抵抗の値より十分小さいとき、上記式(9)は、下記式(10)となる。
Figure 2007233043
上記式(6)より、中間転写ベルト81の表面抵抗率ρs(ITB)が下限値:1E+11(Ω/□)のとき、体積抵抗率ρv(ITB)のとることができる下限値は1E+8(Ω・cm)である。このため、このときの中間転写ベルト81と駆動ローラ26の体積抵抗の和R(V)とファーブラシ16a,16b間での中間転写ベルト81の表面抵抗R(S)の比は、式(9),(10)より下記式のようになる。
Figure 2007233043
また、中間転写ベルト81の表面抵抗率ρs(ITB)が上限値:1E+13(Ω/□)のとき、体積抵抗率ρv(ITB)のとることができる下限値は1E+8(Ω・cm)である。このため、このときの中間転写ベルト81と駆動ローラ26の体積抵抗の和R(V)とファーブラシ16a,16b間での中間転写ベルト81の表面抵抗R(S)の比は、下記式のようになる。
Figure 2007233043
このため、Rv(ITB)≫Rv(D)が成り立つときには、中間転写ベルト81と駆動ローラ26の体積抵抗の和R(V)とファーブラシ16a,16b間での中間転写ベルト81の表面抵抗R(S)は、下記式(11)の関係を満たす必要がある。
Figure 2007233043
以上のことから、転写性、クリーニング性、中間転写ベルト81の搬送性の3つを良好に保つためには、まず中間転写ベルト81の表面抵抗率ρs(ITB)が、下記式(12)を満たすことが必要である。かつ、中間転写ベルト81と駆動ローラ26の体積抵抗の和R(V)とファーブラシ16a,16b間での中間転写ベルト81の表面抵抗R(S)の関係が下記式(13)を満たすことが必要である。
Figure 2007233043
ここからは、中間転写ベルト81の表面抵抗率ρs(ITB) = 1E+12(Ω/□)のものを用いたとき、中間転写ベルト81と駆動ローラ26の体積抵抗率をそれぞれ2水準とったときの、クリーニング性と中間転写ベルト81の搬送性の結果を述べる。
本実施例では、中間転写ベルト81の体積抵抗率ρv(ITB)は、1E+9Ω・cm、1E+13Ω・cmの2水準を用いた(JIS−K6911法準拠プローブを使用し、印加電圧100V、印加時間30secで測定時)。中間転写ベルト81の厚さは、t(ITB)=100μmなので、中間転写ベルト81の体積抵抗Rv(ITB)は、1E+7Ω、1E+11Ωである。また、駆動ローラ26には、表層26bに体積抵抗率ρv(D)=1E+5Ω・cm、1E+15Ω・cmの2水準のゴムを用い(JIS−K6911法準拠プローブを使用し、印加電圧100V、印加時間30secで測定時)、図10に示す装置を用いてローラ状での駆動ローラ26の抵抗値を測定した。測定時には、駆動ローラ芯金26cに100Vの電圧を印加して測定を行った。その結果、駆動ローラ26の体積抵抗値Rv(D)は、ρv(D)=1E+5Ω・cmのゴムを用いたときRv(D)=1E+4Ωであり、ρv(D)=1E+15Ω・cmのゴムを用いたときRv(D)=1E+14Ωであった。ここからは、図10の説明を行う。図10を用いたローラ抵抗測定法は、静止時のローラ抵抗測定法であり、駆動ローラ26を金属平板50の上に固定し、駆動ローラ26の芯金部26cにバイアス電圧を印加し、金属平板50を接地して測定する。
これら各2水準から出した実験条件(1)〜(4)を図11に示す。これら条件(1)〜(4)の中で、上記式(12)、(13)を満たすことができるのは、条件(1)のみである。
まず最初に、クリーニング性の検証結果について説明する。図12に条件(1)〜(4)における、I1、I2の大きさが20uAのときの対するクリーニング性の結果を示す。検証方法は、画像濃度200%のベタ画像をA4サイズの記録材に20枚連続で出力したあとに、画像濃度0%のベタ画像をA4の記録材に1枚出力し、その記録材の汚れの程度でクリーニング性を検証した。その結果を、各条件においてクリーニング良好の場合を○で、クリーニング不良の場合を×で示した。条件(1)ではクリーニングされているが、他の条件(2)〜(4)ではクリーニングできずにクリーニング不良が発生してしまっている。このことから、クリーニング性を満足するのは、中間転写ベルト81と駆動ローラ26の体積抵抗率が共に低い場合のみである。
次に、中間転写ベルト81の搬送性の結果について説明する。中間転写ベルト81の搬送性は初期状態より、耐久により中間転写ベルト81の裏面や駆動ローラ26にトナーが付着した状態の方が厳しい。このため、A4サイズの記録材を10万枚通紙した状態での中間転写ベルト81の搬送性を検証した。
検証方法として、画像評価として色ズレ量を測定し、また中間転写ベルト81が1周する時間を測定することで、中間転写ベルト81の平均搬送速度を測定し、搬送性を検証した。
まず、画像評価の結果を述べる。検証方法は、色ズレ量を測定する専用画像を用いて画像を出力し、条件(1)〜(4)における、I1、I2の大きさが20uAのときの色ズレ量を調べ、色ズレ量が100μm以下を○、100μm以上を×として評価した。各条件において、この評価を行い、その結果を図13に示す。図13より、色ズレ量が100μm以下であったのは、条件(1)のみであった。次に、条件(1)と(4)について中間転写ベルト81の平均搬送速度を測定し、搬送性の差を検証した。その結果を図14に示す。図の横軸はI1、I2の絶対値の大きさで、縦軸は中間転写ベルト81の平均搬送速度である。条件(1)では、I1、I2の増加と共に、中間転写ベルト81の平均搬送速度が増加し、駆動ローラの回転速度であり、中間転写ベルト81搬送速度の設定値である300mm/sに近づいている。一方、条件(4)では、I1、I2が増加しても、中間転写ベルト81の平均搬送速度がほとんど変化しなかった。つまり、条件(1)では中間転写ベルト81と駆動ローラ26のグリップ力が増加し、中間転写ベルトの搬送性が良好なために、色ズレ量が軽微であった。したがって、中間転写ベルト81の表面、体積抵抗率と駆動ローラ26の体積抵抗率が上記式(12)と(13)の両方を満たす条件においては、転写性、クリーニング性、中間転写ベルト81の搬送性の3つを良好に保つことができる。
すなわち、中間転写ベルト81の表面抵抗率ρsが1E+11Ω/□≦ρs≦1E+13Ω/□の範囲であり、且つ中間転写ベルト81の厚さをt、ファーブラシ16a,16b間の距離をdとしたとき、中間転写ベルト81と駆動ローラ26の体積抵抗の和R(V)と、ファーブラシ16a,16b間での中間転写ベルト81の表面抵抗R(S)の関係が、50R(V)≦R(S)≦1000d/t×R(V)を満たす値である。
上記構成によれば、駆動ローラ26と中間転写ベルト81との摩擦力だけでなく、ファーブラシ16a,16bから印加される電圧によって駆動ローラ26と中間転写ベルト81とが静電的に吸着し、駆動ローラ26と中間転写ベルト81との密着性が高まる。このため、中間転写ベルト81の裏面がトナーで汚れてしまうようなことがあっても、駆動ローラ26が中間転写ベルト81に対してスリップしてしまうことがなく、中間転写ベルト81の搬送速度が安定する。よって、初期・耐久を通じて、中間転写ベルト81に対するトナー像の転写性や、ファーブラシ16a,16bによる中間転写ベルト81のクリーニング性を損なうことなく、中間転写ベルト81の搬送性を良好に保つことができる。
なお、前述した実施例では、画像形成部を4つ使用しているが、この使用個数は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
また前述した実施例では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。或いは、像担持体として、記録材を担持しつつ搬送する記録材担持体を使用し、該記録材担持体に担持された記録材に各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置であっても良く、該画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
本実施例における画像形成装置の簡略断面図 本実施例における画像形成部の簡略断面図 本実施例の二次転写部を示した簡略断面図 本実施例の二次転写部を記録材Pの搬送方向から見た簡略断面図 本実施例における中間転写ベルトクリーニング手段を示した簡略断面図 本実施例の画像形成装置の二次転写部における転写電圧と転写効率の関係を示したグラフ 本実施例における中間転写ベルトクリーニング手段の等価回路図 本実施例におけるR(S):R(V)と表面電流量I1sの関係を示した図 本実施例における中間転写ベルトクリーニング手段の等価回路図 本実施例における駆動ローラの抵抗測定を行う装置の簡略図 本実施例における中間転写ベルトと駆動ローラの体積抵抗を各2水準振ったときの、実験条件を示した表図 本実施例における中間転写ベルトと駆動ローラの体積抵抗を各2水準振ったときの、中間転写ベルト上の残トナーに対するクリーニング性を示した表図 本実施例における中間転写ベルトと駆動ローラの体積抵抗を各2水準振ったときの、色ズレ量を示した表図 本実施例における中間転写ベルトと駆動ローラの体積抵抗を各2水準振った内の、条件(1)と(4)におけるI1、I2の大きさと中間転写ベルトの平均搬送速度の関係を示した図
符号の説明
Pa,Pb,Pc,Pd …画像形成部
S,V …経路
T1Pa …転写プレニップ部
T1a,T1b,T1c,T1d …一次転写ニップ部
T2 …二次転写部
Tc …クリーニング部
Tnr …トナー
1a,1b,1c,1d …感光ドラム
12a,12b,12c,12d …クリーニング器
15 …クリーニング装置(クリーニング手段)
15a,15b …クリーニング装置
16a,16b …ファーブラシ
17a,17b …バイアスローラ
18a,18b …スクレーパ
19a,19b …電源
25 …テンションローラ
26 …駆動ローラ
26a …導電体ローラ
26b …表層
29 …二次転写内ローラ
40 …二次転写外ローラ
81 …中間転写ベルト(像担持体)

Claims (5)

  1. 接地された駆動ローラを含む複数のローラによって張架され、前記駆動ローラによって回転される像担持体と、
    前記駆動ローラに対向するように前記像担持体に接触し、前記像担持体に極性の異なる電圧を印加することによってトナー像の転写された前記像担持体からトナーを除去する2つのクリーニング手段と、
    を有し、
    前記像担持体の表面抵抗率ρsが1E+11Ω/□≦ρs≦1E+13Ω/□の範囲であり、且つ前記像担持体の厚さをt、前記2つのクリーニング手段間の距離をdとしたとき、前記像担持体の体積抵抗R1と前記駆動ローラの体積抵抗R2の和R(V)と、前記2つのクリーニング手段間での前記像担持体の表面抵抗R(S)の関係が、50R(V)≦R(S)を満たす値であり、またR1≫R2が成り立つ条件では、50R(V)≦R(S)≦1000×t×d×R(V)を満たす値であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記2つのクリーニング手段は、それぞれ、前記駆動ローラに対向するように前記像担持体に接触して回転する導電性の回転部材と、前記回転部材に電圧を印加する電源を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記像担持体は、表層に弾性層を有する無端状のベルト部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記回転部材の回転方向は、前記像担持体の回転方向に対してカウンター方向に回転することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記クリーニング手段は、前記回転部材に接触して回転し、前記回転部材から前記トナーを静電的に回収する回収部材と、前記回収部材からトナーを除去するブレード部材を備え、前記回収部材は前記回転部材と同一方向に回転することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
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