JP2007232873A - 積層偏光フィルム、位相差フィルム、および液晶表示装置 - Google Patents

積層偏光フィルム、位相差フィルム、および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、液晶表示装置、特にIPSモードの視野角拡大を可能にし、かつ位相差フィルムと偏光フィルムをロールツウロールで貼合可能な積層位相差フィルムを提供することにある。
【解決手段】正の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子からなる正の略1軸性光学フィルム、負の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子からなる負の光学フィルム、及び偏光フィルムが少なくともこの順に積層されてなり、かつ、正の略1軸性光学フィルムの遅相軸及び負の光学フィルムの遅相軸が偏光フィルムの吸収軸といずれも略平行である積層偏光フィルムにおいて、
正の略1軸性光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸との位置関係が略平行であって、かつ、負の光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸との位置関係が略垂直であることを特徴とする積層偏光フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は液晶表示装置の視野角特性改善に寄与する積層偏光フィルム、それに用いられる位相差フィルム、およびそれらを用いた液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置の性能は向上し、特に垂直配向モードとインプレーンスイッチング(以下IPSと称する)モードは性能に優れているため、これらを用いた液晶テレビは従来のブラウン管テレビに置き換わりつつある。光学的異方性を有する光学フィルムである位相差フィルムは、これらの液晶表示装置の性能向上、特に視野角拡大に対して重要な役割を演じている。IPSモードは、従来から視野角拡大のための位相差フィルムを使用しなくても視野角が広いことが1つの特長であったものの、昨今の位相差フィルムを用いた光学設計技術に基づいた広視野角化技術の進歩により、他のモードとの差別化が困難になってきている。
ヨウ素等の2色性色素を含有する偏光フィルムは、それ自身に視野角の問題を有していることが知られている。これは2枚の偏光フィルムの吸収軸を直交させた場合、正面入射した光はほぼ透過させないが、吸収軸以外の方位角からの斜め入射光に対しては幾何学的な見かけの吸収軸のずれにより完全に光を遮断することが出来ないために生じる。IPSはこの偏光フィルムの視野角問題を解決しない限り広視野角化を実現することは困難である。
そのような背景の中で、IPSモードにおいてもより一層の視野角拡大を目指した、位相差フィルムを用いた光学設計技術の開発の必要性が高まっている。例えば、2軸性の位相差フィルムを用いて光学補償を行う方式が非特許文献1に記載されている。
また、正の1軸性のAプレートと正の1軸性のCプレートを組み合わせることによる非特許文献2に記載の偏光フィルムの視野角拡大技術を、IPSの視野角拡大に用いることも知られている。
これらの広視野角化技術においては、位相差フィルムの屈折率異方性制御が重要であるが、例えば、位相差フィルムの面内に平行または直交し、互いに直交する3つの方向の主屈折率を制御し、具体的には、厚さ方向の主屈折率を、面内の2つの主屈折率のいずれか一方よりも大きく、かつ残りの一方よりも小さくすることで位相差フィルムの位相差の視野角依存性を小さくする技術が、特許文献1〜4に開示されている。また、面内に光学軸を有する正の1軸性光学フィルムと、面内に光学軸を有する負の1軸性光学フィルムを積層し、位相差フィルムの視野角依存性を改良する技術に関する提案が特許文献5に記載されている。
Yukita Saitoh, Shinichi Kimura, Kaoru Kusafuka, Hidehisa Shimizu著、Japanese Journal of Applied Physics 37巻 1998年 4822〜4828頁 J. Chen, K. -H. Kim, J.-J. Jyu, J. H. Souk, J. R. Kelly, P. J. Bos著Society for Information Display ’98 Digest, 1998年 315頁 特許第2612196号公報 特許第2994013号公報 特許第2818983号公報 特許第3168850号公報 特許第2809712号公報
位相差フィルムと偏光フィルムは一般にロール状で別々の工程で作成され、それらの積層体を作成する際には、粘着剤等を介して何らかの手法で貼合される。位相差フィルムと偏光フィルムはロールツウロールで連続的に貼合されることが性能向上および生産性向上の観点から好ましい。ロールツウロール貼合による性能向上とは、例えば貼合角度の精度向上による偏光性能の向上を期待することができる。しかしながら、IPS用の偏光フィルムの視野角拡大を目的とした偏光フィルムと位相差フィルムからなる積層偏光フィルムを作成する場合において、すべての部材をロールツウロールで貼合した積層偏光フィルムはいまだ実現されていない。これはロールツウロール貼合により積層偏光フィルムを実現する場合には、用いる位相差フィルムの材料や製造方法等により、作成可能な位相差フィルムの位相差値の制御範囲や光学軸制御方位が異なるため、公知文献にあるような偏光フィルムの視野角拡大方法を用いたところで、ロールツウロール貼合が可能でかつ視野角性能にも優れる積層偏光フィルムは実現できなかったためである。すなわち、ロールツウロール貼合を実現する新しい光学設計および新しい材料設計が、液晶ディスプレイの高性能化を実現するために望まれていたのである。
本発明の目的は、液晶表示装置、特にIPSモードの視野角を拡大し、かつ位相差フィルムと偏光フィルムをロールツウロールで貼合できる積層位相差フィルムを提供することにある。
上記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討したところ、液晶表示装置、特にIPSモードの視野角拡大を可能にし、かつ位相差フィルムと偏光フィルムをロールツウロールで貼合可能な積層位相差フィルムの補償構成、材料を新たに見出すことに成功した。
すなわち本発明は以下の通りのものである。
〔1〕正の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子からなる正の略1軸性光学フィルム、負の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子からなる負の光学フィルム、及び偏光フィルムが少なくともこの順に積層されてなり、かつ、正の略1軸性光学フィルムの遅相軸及び負の光学フィルムの遅相軸が偏光フィルムの吸収軸といずれも略平行である積層偏光フィルムにおいて、
正の略1軸性光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸との位置関係が略平行であって、かつ、負の光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸との位置関係が略垂直であることを特徴とする積層偏光フィルム。
〔2〕正の略1軸性光学フィルムの面内位相差値をRPOA(λ)、負の光学フィルムの面内位相差値をRNNZ(λ)、および下記3つの屈折率で定義される厚さ方向の配向指標をNz(λ)とした場合、測定波長λが550nmにおいて下記式(1)〜(3)の関係を満足することを特徴とする上記〔1〕の積層偏光フィルム。
30≦RPOA(λ)≦170 (1)
20≦RNNZ(λ)≦140 (2)
−1≦Nz(λ)≦0 (3)
〔3〕正の略1軸性光学フィルムまたは負の光学フィルムまたはそれらの両方が位相差値の逆波長分散特性を有することを特徴とする上記〔1〕〜〔2〕の積層偏光フィルム。
〔4〕負の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子が、フルオレン骨格を有するポリカーボネートであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕の積層偏光フィルム。
〔5〕正の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子が、非晶性ポリオレフィンを含むことを特徴とする上記〔1〕〜〔4〕の積層偏光フィルム。
〔6〕上記非晶性ポリオレフィンが、i)エチレンとノルボルネンからなる共重合体であり、ii)ノルボルネン単位の2連鎖部位(ダイアド)の立体規則性に関してメソ型とラセモ型の存在比率が[メソ型]/[ラセモ型]>4である上記〔5〕の積層偏光フィルム。
〔7〕正の略1軸性光学フィルムが縦1軸延伸により作成され、かつ負の光学フィルムが横1軸延伸により作成されたことを特徴とする上記〔6〕の積層偏光フィルム。
〔8〕正の略1軸性光学フィルムおよび負の光学フィルムのフィルム面内における遅相軸と偏光フィルムの吸収軸とがいずれも略長尺方位にあるロール形状であることを特徴とする上記〔1〕〜〔7〕の積層偏光フィルム。
〔9〕上記〔1〕〜〔8〕の積層偏光フィルムを構成する正の略1軸性光学フィルムまたは負の光学フィルム。
〔10〕上記〔1〕〜〔8〕の正の略1軸性光学フィルム及び負の光学フィルムが積層されていることを特徴とする積層位相差フィルム。
〔11〕上記〔1〕〜〔7〕の積層偏光フィルムを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
本発明において、位相差フィルムとは偏光に対して位相差を与えることにより別の偏光状態を作り出す偏光変換素子の一種であり、本発明における正の略1軸性光学フィルム及び負の光学フィルムは位相差フィルムの1種であると定義される。
したがって、以下、正の略1軸性光学フィルム及び負の光学フィルムは、あわせて光学フィルムあるいは位相差フィルムということがある。
正の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子とは、幅自由の縦1軸延伸を行うことにより、延伸方向がフィルム面内において屈折率の最大方位となるものと本発明では定義する。一方、負の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子とは、幅自由1軸延伸によって延伸方向の垂直方位がフィルム面内において屈折率の最大方位となるものと本発明では定義する。
正の略1軸性光学フィルムは下記式(4)のNz値により、下記式(5)のように定義される。
Nz=(n−n)/(n−n) (4)
0.8<Nz<1.2 (5)
正の略1軸性光学フィルムとして好ましくは、0.9<Nz<1.1、より好ましくは0.95<Nz<1.05である。位相差値R、Nz、n、n、nは一般に波長に依存するが、本発明において特に記載が無ければ、測定波長550nmで測定した値であるとする。また、n、n、nを三次元屈折率と本発明では呼ぶが、これらの定義は以下の通りとする。
:フィルム面内における屈折率最大方位の屈折率
:フィルム面内における屈折率最大方位に直交する方位の屈折率
:フィルム面に対して法線方向の屈折率
面内位相差値R(nm)は三次元屈折率を使用して以下のように定義する。
R=(n−n)×d (6)
dは厚み(nm)である。
一方、負の光学フィルムとは、下記式(7)により定義される。
Nz≦0 (7)
正の略1軸性光学フィルムの遅相軸及び負の光学フィルムの遅相軸と偏光フィルム吸収軸がいずれも略平行であるとは、それらの軸角度が±2°の範囲であることを意味し、軸角度として好ましくは±1°、より好ましくは±0.5°の範囲である。
偏光フィルムの視野角を改善し得る本発明の積層偏光フィルムをロールツウロールプロセスで形成することを可能にするためには、正の略1軸性光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸との位置関係が互いに略平行であって、かつ、負の光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸との位置関係が互いに略垂直であることが必要である。本発明で高分子主鎖の主配向方向とはフィルム面内の主配向方向であり、高分子主鎖が統計的に最も配向している方位であって、一般に屈折率、複屈折率測定等の光学的な測定手法と2色性赤外分光法の分子振動方向を解析する手法との組合せ等により方位を特定することが出来る。1軸延伸においては一般的に延伸方向が高分子主鎖の主配向方向になる。
本発明の積層偏光フィルムの好ましい形状の1つは、性能向上の観点から正の略1軸性光学フィルムおよび負の光学フィルムの面内遅相軸がいずれも略長尺方位にあり、かつ偏光フィルムの吸収軸も長尺方向に対して略平行方位に存在するロール状の積層偏光フィルムである。正の略1軸性光学フィルムの面内遅相軸が略長尺方位にあるというのは、角度で表現すると長尺方位を0°とした場合、面内遅相軸が±2°の範囲であることを意味し、軸角度として好ましくは±1°、より好ましくは±0.5°の範囲である。また、同様に偏光フィルムの面内吸収軸は長尺方向に対して略平行方位にあるという意味は、角度で表現すると長尺方位を0°とした場合、吸収軸が±2°の範囲であることを意味し、軸角度として好ましくは±1°、より好ましくは±0.5°の範囲である。
一般に広く用いられているヨウ素などの吸収2色性物質の分子配向により性能発現する偏光フィルムは、高い偏光度を得るために連続の縦1軸延伸により作成されるため、その吸収軸は長尺方向になる。したがって、本発明の積層偏光フィルムをロールツウロールで得るためには、正の略1軸性光学フィルムおよび負の光学フィルムのフィルム面内における遅相軸、および偏光フィルムの吸収軸がいずれも略長尺方位にあることが好ましい。このような軸方位の状態を得る方法としては、正の略1軸性光学フィルムが縦1軸延伸で作成され、一方、負の光学フィルムが横1軸延伸で作成されることが好ましい。
本発明により偏光フィルムの視野角拡大を実現し、液晶表示装置、特にIPSモードの液晶表示装置の視野角拡大を実現する積層偏光フィルムの高性能化を実現することができる。また、この積層偏光フィルムを液晶表示装置に利用することで液晶表示装置の視野角を拡大させることができるといった優れた効果を有する。
より性能に優れた本発明の積層偏光フィルムを得るためには、正の略1軸性光学フィルムの面内位相差値をRPOA(λ)で表すと、好ましくは、
60≦RPOA(λ)≦160 (8)
より好ましくは
80≦RPOA(λ)≦150 (9)
さらに好ましくは、
100≦RPOA(λ)≦140 (10)
である。また、負の光学フィルムの面内位相差値をRNNZ(λ)で表し、下記3つの屈折率で定義される厚さ方向の配向指標をNzで表すと、好ましくは
30≦RNNZ(λ)≦120 (11)
かつ −0.8≦Nz(λ)≦−0.1 (12)
より好ましくは
40≦RNNZ(λ)≦110 (13)
かつ −0.6≦Nz(λ)≦−0.15 (14)
さらに好ましくは、
50≦RNNZ(λ)≦100 (15)
かつ −0.5≦Nz(λ)≦−0.2 (16)
である。これらの範囲は偏光性能およびロールツウロールプロセス適合性等の観点から決定される。
本発明の積層偏光フィルムにおいては、正の略1軸性光学フィルム、負の光学フィルムの少なくともいずれか一方が位相差値の逆波長分散特性を有することが好ましい。位相差値の逆波長分散特性とは、下記式(17)を満足するものである。
R(λ)<R(λ) (17)
ただし、上記式(17)においてRは位相差値の絶対値であり、λは測定波長(nm)であり400nm<λ<λ<700nmを満足するものとする。
少なくともいずれか一方が逆波長分散性を有することにより、積層偏光フィルムの偏光性能に対して広帯域性を与えることが可能となり、液晶表示装置に適用した際の具体的な効果としては、透過率分散を広帯域化することにより視野角変化によるカラーシフトを抑制できるといったより優れた性能を発揮することができる。前記光学フィルムのうち、少なくとも一方が逆波長分散特性を有するだけでも効果が得られるが、より好ましくは両方が逆波長分散特性を有することである。
逆分散特性として好ましくは下記式(18)、(19)を同時に満足することである。
0.50<R(450)/R(550)<0.99 (18)
1.01<R(650)/R(550)<1.50 (19)
ここで、R(450)、R(550),R(650)は測定波長450、550、650nmで測定した位相差フィルムの面内の位相差値である。
本発明において用いられる位相差フィルムの材料は、成形性の観点等から熱可塑性高分子であることが必要であり、フィルムの成形温度において非結晶性であることが好ましい。
分子分極率異方性が負である熱可塑性高分子としては、成形性、位相差制御性等の観点から非晶性高分子であることが好ましい。例えばポリカーボネート、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、アモルファスポリオレフィン、ノルボルネン骨格を有するポリマー、有機酸置換セルロース系、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、オレフィンマレイミド、フェニル基を有する共重合オレフィンマレイミド、ポリスチレンとポリフェニレンオキサイドとのブレンド等が挙げられる。特に好ましくは分子分極率異方性が負である熱可塑性高分子が、フルオレン骨格を有するポリカーボネートからなることである。一般に負の分子分極率異方性を持たせるためには、側鎖方向に嵩高い分子団を有する必要があり、これはポリマーを脆くする。ポリカーボネートはそのカーボネート結合の回転自由度が高いため、構造に柔軟性を有しており、その結果、側鎖に嵩高い分子団を有していても機械的強度に優れ表示装置用の光学用フィルムとして最適なフィルムとなりえる。
フルオレン骨格は高分子主鎖に対して垂直に配向するため、大きな負の分子分極率異方性を取りうる。
フルオレン骨格を有するポリカーボネートの好ましい化学構造は下記式(I)で表される繰返し単位を含有するポリマーまたはポリマー混合物からなる。
Figure 2007232873
ここで、R41〜R48は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基および炭素数1〜6の炭化水素−O−基よりなる群から選ばれる基であり、そしてXは下記式(1)−1
Figure 2007232873
で表わされる基であり、R30およびR31は、互いに独立に、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、そしてnおよびmは互いに独立に、0〜4の整数である。
ここで該ポリマーおよびポリマー混合物は上記式(I)で表される繰返し単位をそれぞれポリマーまたはポリマー混合物の全繰返し単位の50〜99モル%含有するものが好ましく、より好ましくは60〜95モル%、さらに好ましくは70〜90モル%である。
これらのフルオレン骨格を有するポリカーボネート材料は高いガラス転移点温度、ハンドリングや延伸成形性等の点で、本発明における位相差フィルムとして優れた物性を有する。
より好ましいポリカーボネート材料としては、上記式(I)で示される繰返し単位および下記式(II)
Figure 2007232873
で示される繰返し単位からなり、かつ上記式(I)および(II)の合計に基づき上記式(I)で表される繰返し単位は50〜99モル%含有するものが好ましく、より好ましくは60〜95モル%、さらに好ましくは70〜90モル%である。
上記式(II)において、R49〜R56は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜22の炭化水素基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、Yは下記式群のそれぞれで表わされる基:
Figure 2007232873
よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基である。ここで、Y中のR57〜R59、R61およびR62は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基、アリール基の如き炭素数1〜22の炭化水素基であり、R60およびR63はアルキル基、アリール基の如き炭素数1〜20の炭化水素基であり、また、Ar〜Arは、それぞれ独立に、フェニル基の如き炭素数6〜10のアリール基である。
上記したフルオレン骨格を有するポリカーボネート共重合体、ブレンドポリマーは公知の方法によって製造し得る。ポリカーボネートはジヒドロキシ化合物とホスゲンとの重縮合による方法、溶融重縮合法、固相重合法等により好適に製造される。ブレンドの場合は、相溶性ブレンドが好ましいが、完全に相溶しなくても成分間の屈折率を合わせれば成分間の光散乱を抑え、透明性を向上させることが可能である。
分子分極率異方性が正である熱可塑性高分子としては、成形性、位相差制御性等の観点から非晶性高分子であることが好ましい。そのような熱可塑性高分子としては、ポリカーボネート、有機酸置換セルロース、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性高分子であることが好ましい。特に好ましくはノルボルネン骨格を有する非晶性ポリオレフィンであり、より好ましくはi)エチレンとノルボルネンからなる共重合体であり、ii)ノルボルネン単位の2連鎖部位(ダイアド)の立体規則性に関してメソ型とラセモ型の存在比率が[メソ型]/[ラセモ型]>4である熱可塑性高分子である。
上記非晶性ポリオレフィンの好ましい構造等を以下に記す。好ましくはエチレンとノルボルネンとがビニル型重合した共重合体であり、以下で示される繰り返し単位(A)および(B)からなるものである。
Figure 2007232873
さらに本発明ではかかる共重合体のガラス転移点温度(Tg)が100℃から180℃の範囲である。この共重合体は繰り返し単位(A)、(B)の組成とガラス転移点温度がほぼ相関しており、そのモル比が(A)/(B)=61/39〜40/60の範囲にあることが好ましい。より好ましいガラス転移点温度の範囲は120℃から160℃の範囲であり、モル比(A)/(B)=57/43〜46/54の範囲である。かかる組成は13C−NMR測定により求めることが出来る。
また上記共重合体は上記(A)、(B)以外にも本発明の目的を損なわない範囲で他の共重合可能なビニルモノマーからなる繰り返し単位を少量含有していてもよい。かかる他のビニルモノマーとして具体的には、下記式(C)で表される環状オレフィン、
Figure 2007232873
[式(C)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、pは0または1であり、R〜R20は同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜12の飽和あるいは不飽和脂肪族炭化水素基であり、また、R17とR18とで、あるいはR19とR20とでアルキリデン基を形成していてもよく、また、R17またはR18と、R19またはR20とが環を形成していてもよく、かつ該環が二重結合を有していてもよい。]、
プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等の炭素数3〜18のα−オレフィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテン等のシクロオレフィン等を挙げることが出来る。この中で炭素数3〜18のα−オレフィンは共重合の際の分子量調節剤として用いることが出来、中でも1−ヘキセンが好適に用いられる。かかるその他のビニルモノマーは単独であるいは2種類以上組み合わせて用いてもよく、またその繰り返し単位が全体の10モル%以下が好ましく、より好ましくは5モル%以下である。
上記上記エチレンとノルボルネンの共重合体の分子量は、温度30℃、濃度0.5g/dLのシクロヘキサン溶液にて測定した還元粘度ηsp/cで、0.1〜10dL/gの範囲内であり、0.3〜3dL/gであることがより好ましい。還元粘度ηsp/cが0.1より小さいとフィルムが脆くなり好ましくなく、10より大きいと溶融粘度が高くなりすぎてフィルムの溶融製膜が困難となる。
本発明では、共重合体1種類をそのまま用いても良いし、その組成や分子量が異なる共重合体2種類以上をブレンドして用いても良い。このようなブレンド体の場合には上記の好ましい組成や分子量とは、ブレンド体全体でのことを示す。かかるブレンド体を用いる場合は、相溶性の観点から共重合組成が近いものを用いることが好ましい。組成があまり離れている場合はブレンドにより相分離を起こす可能性があり、製膜時または延伸配向時にフィルムが白化する恐れがある。
一般にエチレン−ノルボルネン共重合体は、重合方法、用いる触媒、組成等によるが、いずれの場合においてもノルボルネン成分の連鎖部位がある程度存在している。ビニル重合タイプのノルボルネン成分の2連鎖部位(以下、NNダイアド)における立体規則性については下記式(D)で表される繰り返し単位(メソ型)と下記式(E)で表される繰り返し単位(ラセモ型)の2通りの立体異性体があることが知られている。
Figure 2007232873
本発明における共重合体ではかかる立体規則性に関して、メソ型とラセモ型の存在比率が[メソ型]/[ラセモ型]>4(モル比)であるものを好ましく用いることができる。より好ましくは[メソ型]/[ラセモ型]>6である。比率の上限については特に制限はなく、高いほど複屈折の発現性には好適であり好ましい。なおここでいうNNダイアド立体異性体の存在比率は、エチレン−ノルボルネン共重合体の立体規則性を解析した参考文献
(Macromol.Rapid Commun.20,279(1999))
から13C−NMRで求めることが可能であり、本発明では重オルトジクロロベンゼン溶媒で測定した13C−NMRにおいて、[メソ型]/[ラセモ型]=[13C−NMRスペクトルの28.3ppmのピーク面積]/[13C−NMRスペクトルの29.7ppmのピーク面積]で計算したものを指す。該比率が4以下と小さくなるほど、すなわちラセモ型の割合が多くなるほど複屈折の発現性が低くなるが、、もちろんフィルムの厚みを厚くする、延伸倍率を高くする、延伸温度を低くして延伸する等の手段により所望の位相差値を得られる場合もあるが、薄膜化、生産性等の観点から好ましくない。
また13C−NMRによる解析では、全ノルボルネン成分量に対するNNダイアドの存在比率(モル分率)、すなわちノルボルネン成分がどのくらい連鎖構造を形成しているかを求めることも出来、本発明ではおよそ0.1〜0.6の範囲にある。ここでいうモル分率とは、[13C−NMRスペクトルの28.3ppmのピーク面積+13C−NMRスペクトルの29.7ppmのピーク面積]/[全ノルボルネン成分の炭素原子1個分のピーク面積]で計算されるものである。
本発明に用いるエチレン−ノルボルネン共重合体の製造方法としては、例えば、メタロセン触媒を用いてエチレンとノルボルネンを共重合する方法を好ましく挙げることが出来る。かかる際に用いるメタロセンは下記式(F)
Figure 2007232873
で表される。ここで、
式(F)中、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムよりなる群より選ばれる金属であり、R24とR25は同一もしくは異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12の飽和あるいは不飽和炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、R22とR23は同一もしくは異なっていて、中心金属Mと共にサンドイッチ構造を形成することのできる単環状あるいは多環状炭化水素基であり、R21はR22基とR23基を連結するブリッジであって、下記式群
Figure 2007232873
であり、このときR26〜R29は同一または異なっていて、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12の飽和あるいは不飽和炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリールオキシ基であるか、あるいはR26とR27またはR28とR29とが環を形成していていもよい。
ここで、配位子であるR22とR23が、同一の場合は中心金属Mに対してC2対称性を有し、異なる場合にはC1対称性を有するものが好ましい。R22とR23はシクロペンタジエニル基、インデニル基、そのアルキルまたはアリール置換体が好ましく、中心金属Mはジルコニウムであることが触媒活性の面で最も好ましい。R24及びR25は同一または異なっても良いが、炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子、特に塩素原子であることが好ましい。R26〜R29は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基が好ましく、R21としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などの低級アルキレン基、イソプロピリデンなどのアルキリデン基、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン、ジフェニルシリレンなどの置換シリレン基を好ましく例示することが出来る。
好ましいメタロセンとして具体的には、イソプロピリデン−(シクロペンタジエニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−[(3−メチル)シクロペンタジエニル](1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−(シクロペンタジエニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド等を挙げることが出来る。これらは単独で用いても、また2種類以上組み合わせて用いても良い。またメタロセンの助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物であるメチルアルミノキサン、あるいはイオン性ホウ素化合物とアルキルアルミニウム化合物の組み合わせ等、公知のものを用いることが出来る。
かかるメタロセン触媒を使用して、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒を用いた公知の重合方法により目的の共重合体を重合することが出来、得られた共重合体をアルコール等の貧溶媒に再沈して洗浄する、あるいは触媒を吸着剤に吸着させる、なんらかの添加剤を加えて凝集させ析出させる等により溶液から濾別した後、溶媒を留去することにより単離することが出来る。
上記共重合体の製造(合成)に際しては必要に応じて、「イルガノックス」1010、1076(チバガイギー製)等の公知の酸化防止剤、滑剤、可塑剤、界面活性化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の添加剤を加えてもよい。
本発明の位相差フィルムは、前記した熱可塑性高分子をフィルム状に製膜しその後延伸することにより製造することが出来る。
具体的な製膜方法としては、例えば溶液キャスト法、溶融押し出し法、熱プレス法、カレンダー法等公知の方法にて熱可塑性高分子の未延伸フィルムを製造し、ついで一軸あるいはニ軸延伸により延伸して製膜することが出来る。なかでも溶融押し出し法が生産性、経済性の面、また溶媒フリーという環境面からも好ましい。溶融押し出し法では、Tダイを用いて樹脂を押し出し冷却ロールに送る方法が好ましく用いられる。押し出し時の樹脂温度としては、該樹脂の流動性、熱安定性等を勘案して決められる。例えば熱可塑性高分子として、前記エチレン−ノルボルネン共重合体の場合には、220℃から300℃の範囲で行うことが好ましい。220℃より低いと樹脂の溶融粘度が高くなりすぎ、また300℃を超えると樹脂の分解劣化、ゲル化によりフィルムの透明性、均質性が損なわれる懸念が生じる。より好ましくは220℃から280℃の範囲である。溶融押し出し時の樹脂の酸化劣化を抑制するため、酸化防止剤を添加しておくことが好ましい。また該共重合体を溶液キャスト方法で製膜する場合は、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、デカリン等の炭化水素系溶媒が好適に用いられる。これらの方法による未延伸フィルムの製膜においては出来るだけ厚みむらを小さくすることが好ましい。
未延伸フィルム段階での厚みは、延伸後の光学フィルムにおける所望の位相差値、厚みを勘案して決められるが、10〜400μmの範囲であり、より好ましくは30〜300μmの範囲、さらに好ましくは40〜150μmである。
かくして得られた未延伸フィルムを1軸あるいは2軸延伸することにより、本発明の光学フィルムが得られる。延伸方法としては、例えばロール間で延伸する縦1軸延伸、テンターを用いる横1軸延伸、あるいはそれらを組み合わせた同時2軸延伸、逐次2軸延伸など公知の方法を用いることが出来る。延伸温度は用いる熱可塑性高分子のガラス転移点付近がよく、例えば、熱可塑性高分子のガラス転移点温度(Tg)に対して、(Tg−20℃)〜(Tg+30℃)の範囲内であり、好ましくは(Tg−10℃)〜(Tg+20℃)の範囲内である。
正の略1軸性光学フィルムは縦1軸延伸で作成されることが好ましい。これにより長尺方位に遅相軸を有するロール状の正の略1軸性光学フィルムを作成することができる。一方、負の光学フィルムは横1軸延伸で作成されることが好ましい。これにより、長尺方位に遅相軸を有するロール状の負の光学フィルムを作成することが可能である。両者および長尺方位に吸収軸を有する偏光フィルムを用いれば、それらをロールツウロールで貼合することにより目的の積層偏光フィルムをロールツウロールで作成することが可能となる。
本発明における光学フィルム中にはさらに、フェニルサリチル酸、2−ヒドロキシベンゾフェノン、トリフェニルフォスフェート等の紫外線吸収剤や、色味を変えるためのブルーイング剤、酸化防止剤等の低分子の添加物を含有してもよい。
本発明における偏光フィルムは、前記した偏光フィルムを保護するためのフィルム(以下保護フィルムということがある)としてセルロースアセテート等からなる一対のフィルムの間に、偏光フィルムを挟持した構成のものが好適に用いられる。偏光フィルムとしては、所定の偏光状態の光を得ることができる適宜なものを用いうる。就中、直線偏光状態の透過光を得ることのできるものが好ましい。偏光フィルムの例としては、ポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素および/または二色性染料を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フィルム等からなる偏光フィルムなどがあげられる。
偏光フィルムに偏光フィルム用保護フィルムが存在する場合には、その光学異方性はできるだけ小さいことが好ましく、具体的には面内位相差で10nm以下、より好ましくは7nm以下であり、最も好ましくは5nm以下である。また、Rth(λ)は70nm以下であることが好ましく、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは、30nm以下、最も好ましく20nm以下である。さらに、偏光フィルム用保護フィルムのフィルム面内における遅相軸は偏光フィルムの吸収軸と直交または平行であることが好ましく、平行であることが偏光フィルムの連続生産を行う上でより好ましい。偏光フィルム用保護フィルムとしは、例えばポリカーボネート系、ポリスチレン系、シンジオタクチックポリスチレン、アモルファスポリオレフィン系、ノルボルネン骨格を有するポリマー、有機酸置換セルロース系、ポリエーテルスルホン系、ポリアリレート系、ポリエステル系、オレフィンマレイミド系、フェニル基を有する共重合オレフィンマレイミド系有機酸置換セルロース等が用いられるが、好ましくはセルロースアセテートである。
本発明の積層偏光フィルムにおいては、偏光フィルム用保護フィルムを省き、光学フィルムが偏光フィルム用保護フィルムを兼ねてもよい。このようにすることでより偏光フィルム用保護フィルムの光学異方性におけるばらつきの影響を排除することができ、光学性能を向上させることが可能になるといった利点も有する。
偏光フィルムと光学フィルムの積層に際しては、必要に応じて接着剤等を介して固定することができる。軸関係のズレ防止等の点からは接着固定することが好ましい。接着には、例えばポリビニルアルコール系、変性ポリビニルアルコール系、有機シラノール系、アクリル系やシリコーン系、ポリエステル系やポリウレタン系、ポリエーテル系やゴム系等の透明な接着剤を用いることができ、その種類については特に限定はない。光学特性の変化を防止する点などからは、硬化や乾燥の際に高温のプロセスを要しないものが好ましく、長時間の硬化処理や乾燥処理を要しないものが望ましい。また、加熱や加湿条件下に剥離等を生じないものが好ましい。
偏光フィルム用保護フィルムとしてトリアセチルセルロース(TAC)を用いた場合、TACと光学フィルムの接着剤としては、(メタ)アクリル酸ブチルや(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルや(メタ)アクリル酸の如きモノマーを成分とする質量平均分子量が10万以上で、ガラス転移温度が0℃以下のアクリル系ポリマーからなるアクリル系感圧接着剤が特に好ましく用いうる。またアクリル系感圧接着剤は、透明性や耐候性や耐熱性などに優れる点からも好ましい。
接着剤には、必要に応じて例えば天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填材や顔料、着色剤や酸化防止剤などの適宜な添加剤を配合することもできる。なお、上記の偏光フィルム、光学フィルム、偏光フィルム用保護フィルム、接着剤層などの各層は、例えばサリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などにより紫外線吸収機能をもたせることもできる。
また、本発明の光学フィルムや積層偏光フィルムを液晶表示装置に用いることで、液晶表示装置、特にIPSモード液晶表示装置の視野角特性等を著しく向上させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(評価法)
本明細書中に記載の材料特性値等は以下の評価法によって得られたものである。
(1)位相差値R(λ)(nm)、Rth(λ)値(nm)、Nzの測定
複屈折Δnとフィルムの厚さdの積である位相差R(λ)値、Rth(λ)、Nzは、分光エリプソメータである日本分光(株)製の商品名『M150』により測定した。R値は入射光線とフィルム表面が直交する状態で測定した。また、Nz、Rth値は入射光線とフィルム表面の角度を変えることにより、各角度での位相差値を測定し、公知の屈折率楕円体の式でカーブフィッチングすることにより三次元屈折率であるn,n,nを求め、下記式(4)、(20)に代入することにより求めた。
Nz=(n−n)/(n−n) (4)
Rth(λ)={(n+n)/2−n}×d (20)
(2)正の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子からなる正の略1軸性光学フィルムの作製方法
(2−1)アモルファスポリオレフィン(APO)の場合
光学フィルムの樹脂材料としては、TICONA社製の商品名「TOPAS」6013(メタロセン触媒でエチレンとノルボルネンを共重合したシクロオレフィンコポリマー、[メソ型]/[ラセモ型]=0.36/0.04=9、NNダイアドの存在比率(モル分率)は0.40、エチレン成分とノルボルネン成分のモル比は(A)/(B)=50/50、還元粘度ηsp/cで0.80dL/g)を使用した。該熱可塑性高分子のペレットを2軸溶融押し出し機を用いて、幅15cmのTダイから溶融押し出しし、冷却ローラーで連続的に巻き取ることにより製膜した。製膜条件としてシリンダー温度260℃、Tダイ温度270℃、冷却ローラー温度145℃で行った。得られたフィルムはロール状で、フィルムは透明性、均質性に優れ表面性も良好であった。フィルム両端の幅2.5cmの部分を除いて、厚みは平均100μmであった。ガラス転移点温度(Tg)は138℃、全光線透過率は91.5%、ヘイズは0.3%であった。該フィルムを、連続の縦1軸延伸を行い、延伸温度は145℃とし、延伸倍率を制御することにより表1記載の光学フィルムを得た。
(2−2)共重合ポリカーボネートの場合
フルオレン骨格を有する共重合ポリカーボネートを用いた。ポリカーボネートの重合は公知のホスゲンを用いた界面重縮合法によって行われた。攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた反応槽に水酸化ナトリウム水溶液およびイオン交換水を仕込み、これに下記構造を有するモノマー[K]と[L]を67対33のモル比で溶解させ、少量のハイドロサルファイトを加えた。次にこれに塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さらに、p−tert−ブチルフェノールを加えて乳化させた後、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後有機相分取し、塩化メチレンを蒸発させてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比は仕込み量比とほぼ同様であった。
この共重合体をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度18重量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製し未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムの膜厚は130μm、残留溶媒量は0.9重量%であった。このフィルムを延伸温度225℃とし、表1記載の位相差値が得られるように延伸倍率を設定して連続縦1軸延伸することにより厚さ75μmのフィルムを得た。
Figure 2007232873
(3)負の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子からなる負の光学フィルムの作製方法
(3−1)共重合ポリカーボネートの場合
フルオレン骨格を有する共重合ポリカーボネートを用いた。ポリカーボネートの重合は公知のホスゲンを用いた界面重縮合法によって行われた。攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた反応槽に水酸化ナトリウム水溶液およびイオン交換水を仕込み、これに上記および下記構造を有するモノマー[K]と[M]を85対15のモル比で溶解させ、少量のハイドロサルファイトを加えた。次にこれに塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さらに、p−tert−ブチルフェノールを加えて乳化させた後、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後有機相分取し、塩化メチレンを蒸発させてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比は仕込み量比とほぼ同様であった。
この共重合体をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度18重量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製し未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムの膜厚は100μm、残留溶媒量は1.1重量%であった。このフィルムを延伸温度226℃とし、表1記載の位相差値が得られるように延伸倍率を設定して連続テンター方式の横1軸延伸をすることによりフィルムを得た。
Figure 2007232873
(3−2)ポリフェニレンオキサイドとポリスチレンのブレンドの場合
アタクチックポリスチレン(Mn=90900,Mw=243000)とポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド) (Mn=6200,Mw=42500)(ポリフェニレンオキサイドと称する。)を2軸溶融押出し機において混練し、透明フィルムを得た。このアタクチックポリスチレンとポリフェニレンオキサイドはそれぞれ75重量%、25重量%であるが、これらは相溶ブレンドであることを熱分析により確認している。
この未延伸フィルムの厚みは170μmであった。このフィルムを延伸温度150℃とし、表1記載の位相差値が得られるように延伸倍率を設定して連続テンター方式の横1軸延伸をすることによりフィルムを得た。
(4)積層偏光フィルムにおける偏光フィルムの作製方法
市販の厚さ75μmのポリビニールアルコールフィルムを純水中で膨潤させ、ヨウ素とヨウ化カリウムの混合水溶液にて染色させた。その後、ほう酸による架橋及び4倍延伸を行い、50℃にて乾燥させて厚さ25μmの偏光フィルムを作製した。これを2色性吸収性能を有する偏光フィルムとして用いた。
(5)液晶表示装置の視野角評価
株式会社日立製作所製のIPS液晶テレビである商品名『WOOO W32 L7000』に使用されている液晶セルから偏光フィルム、光学フィルムをすべて剥離したものを液晶セルとした。これに以下に述べるような積層偏光フィルムをアクリル系粘着剤を用いて貼合し、視野角特性を評価した。以下の実施例、比較例における黒状態の透過率スペクトルは、入射角60°、方位角45°で測定したものである。方位角の定義は図1〜4に記載されている。また、極角は液晶表示装置表面の方線方向とのなす角と定義する。
[実施例1]
(光源側の積層偏光フィルムの作製方法)
図1記載の光源側の積層偏光フィルムの作製においては、まず、液晶セルから見て偏光フィルムよりも外側にあり偏光フィルムの保護フィルムとして機能する、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムをケン化処理したものを、ポリビニルアルコールにグリオキザールを添加した接着剤を用いて偏光フィルムとラミネートによりロールツウロールで貼り合わせた。一方、前記した(3−1)の方法で作製した負の光学フィルムの表面にコロナ処理したものを、該保護フィルムの反対側の偏光フィルム面に水溶性ポリウレタン系接着剤を用いて同様に貼り合せた。次に前記した(2−1)の方法で作製した正の略1軸性光学フィルムにコロナ処理を施し、アクリル系粘着剤を用いて負の光学フィルム面とラミネートによりロールツウロールで貼り合せた。この積層偏光フィルムにおいては、正の略1軸性光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸は平行であり、一方、負の光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸は垂直である。
(観測者側の偏光フィルムの作製方法)
図1記載の観測者側の積層偏光フィルムの作製においては、まず、液晶セルから見て偏光フィルムよりも外側にあり偏光フィルムの保護フィルムとして機能する、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムをケン化処理したものを、ポリビニルアルコールにグリオキザールを添加した接着剤を用いて偏光フィルムとラミネートによりロールツウロールで貼り合わせた。一方、表1に記載した光学特性を有する厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TAC1)をケン化処理したものを、同じ方法で偏光フィルムの反対側の面に貼り合せた。
(液晶表示装置の視野角評価)
図1記載の構成において、表1記載の特性を有する位相差フィルムを用いて液晶表示装置を作製して視野角特性の評価を行った。結果を図5に記す。図5からわかるように比較例のものと比べて透過率が格段に低く、特に人間の視感度の高い450〜650nmにおいて透過率が0.5%未満であり、明らかに視野角拡大効果のあることが明らかとなった。また、目視にて黒状態を確認したところ、光学フィルムを使用しなかったものよりも格段に見る角度によって輝度変化が小さく、視野角が著しく広がっていることが確認された。
[実施例2]
(光源側の積層偏光フィルムの作製方法)
図2記載の光源側の積層偏光フィルムの作製においては、まず、液晶セルから見て偏光フィルムよりも外側にあり偏光フィルムの保護フィルムとして機能する、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムをケン化処理したものを、ポリビニルアルコールにグリオキザールを添加した接着剤を用いて偏光フィルムとラミネートによりロールツウロールで貼り合わせた。一方、表1に記載した光学特性を有する厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TAC2)をケン化処理したものを、同じ方法で偏光フィルムの反対側の面に貼り合せた。次に前記した(3−1)の方法で作製した負の光学フィルムにコロナ処理を施し、アクリル系粘着剤を用いてTAC2面とラミネートによりロールツウロールで貼り合せた。次に同様の方法を用いて前記した(2−1)の方法で作製した正の略1軸性光学フィルムと負の光学フィルムをロールツウロールで貼り合せた。この積層偏光フィルムにおいては、正の略1軸性光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸は平行であり、一方、負の光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸は垂直である。
(観測者側の偏光フィルムの作製方法)
実施例1と同様に作製した。
(液晶表示装置の視野角評価)
図2記載の構成において、表1記載の特性を有する位相差フィルムを用いて液晶表示装置を作製して視野角特性の評価を行った。結果を図5に記す。図5からわかるように比較例のものと比べて透過率が格段に低く、特に人間の視感度の高い450〜650nmにおいて透過率が0.5%未満であり、明らかに視野角拡大効果のあることが明らかとなった。また、目視にて黒状態を確認したところ、光学フィルムを使用しなかったものよりも格段に見る角度によって輝度変化が小さく、視野角が著しく広がっていることが確認された。
[実施例3]
(積層偏光フィルムの作成方法)
表1記載の光学特性を有する光学フィルムを用いた以外は実施例1と同様に作製した。
(液晶表示装置の視野角評価)
図1記載の構成において、表1記載の特性を有する光学フィルムを用いて液晶表示装置を作製して視野角特性の評価を行った。結果を図5に記す。図5からわかるように比較例のものと比べて透過率が格段に低く、特に人間の視感度の高い450〜650nmにおいて透過率が0.5%未満であり、明らかに視野角拡大効果のあることが明らかとなった。また、目視にて黒状態を確認したところ、光学フィルムを使用しなかったものよりも格段に見る角度によって輝度変化が小さく、視野角が著しく広がっていることが確認された。
[実施例4]
(光源側の積層偏光フィルムの作製方法)
図1記載の光源側の積層偏光フィルムの作製においては、まず、液晶セルから見て偏光フィルムよりも外側にあり偏光フィルムの保護フィルムとして機能する、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムをケン化処理したものを、ポリビニルアルコールにグリオキザールを添加した接着剤を用いて偏光フィルムとラミネートによりロールツウロールで貼り合わせた。一方、前記した(3−1)の方法で作製した負の光学フィルムの表面にコロナ処理したものを、該保護フィルムの反対側の偏光フィルム面に水溶性ポリウレタン系接着剤を用いて同様に貼り合せた。次に前記した(2−2)の方法で作製した正の略1軸性光学フィルムにコロナ処理を施し、アクリル系粘着剤を用いて負の光学フィルム面とラミネートによりロールツウロールで貼り合せた。この積層偏光フィルムにおいては、正の略1軸性光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸は平行であり、一方、負の光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸は垂直である。
(観測者側の偏光フィルムの作製方法)
実施例1と同様に作製した。
(液晶表示装置の視野角評価)
図1記載の構成において、表1記載の特性を有する光学フィルムを用いて液晶表示装置を作製して視野角特性の評価を行った。結果を図5に記す。図5からわかるように比較例のものと比べて透過率が格段に低く、特に人間の視感度の高い450〜650nmにおいて透過率が0.5%未満であり、明らかに視野角拡大効果があり、さらに透過率が広い波長帯域で低く広帯域性にも優れていることが明らかとなった。また、目視にて黒状態を確認したところ、光学フィルムを使用しなかったものよりも格段に見る角度によって輝度変化および色変化が小さく、視野角が著しく広がっていることが確認された。
[実施例5]
(光源側の積層偏光フィルムの作製方法)
図1記載の光源側の積層偏光フィルムの作製においては、まず、液晶セルから見て偏光フィルムよりも外側にあり偏光フィルムの保護フィルムとして機能する、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムをケン化処理したものを、ポリビニルアルコールにグリオキザールを添加した接着剤を用いて偏光フィルムとラミネートによりロールツウロールで貼り合わせた。一方、前記した(3−2)の方法で作製した負の光学フィルムの表面にコロナ処理したものを、該保護フィルムの反対側の偏光フィルム面に水溶性ポリウレタン系接着剤を用いて同様に貼り合せた。次に前記した(2−2)の方法で作製した正の略1軸性光学フィルムにコロナ処理を施し、アクリル系粘着剤を用いて負の光学フィルム面とラミネートによりロールツウロールで貼り合せた。この積層偏光フィルムにおいては、正の略1軸性光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸は平行であり、一方、負の光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸は垂直である。
(観測者側の偏光フィルムの作製方法)
実施例1と同様に作製した。
(液晶表示装置の視野角評価)
図1記載の構成において、表1記載の特性を有する位相差フィルムを用いて液晶表示装置を作製して視野角特性の評価を行った。結果を図5に記す。図5からわかるように比較例のものと比べて透過率が格段に低く、特に人間の視感度の高い450〜650nmにおいて透過率が0.5%未満であり、明らかに視野角拡大効果があり、さらに透過率が広い波長帯域で低く広帯域性にも著しく優れていることが明らかとなった。また、目視にて黒状態を確認したところ、光学フィルムを使用しなかったものよりも格段に見る角度によって輝度変化および色変化が非常に小さく、視野角が著しく広がっていることが確認された。
[比較例1]
(偏光フィルムの作製方法)
表1記載の実施例1で用いたトリアセチルセルロースフィルム(TAC1)を用いて、図3のように実施例1の観測者側の偏光フィルムを作製する方法と同様にして偏光フィルムを作製した。
(液晶表示装置の視野角評価)
図3記載の構成を有する液晶表示装置を作製して視野角特性の評価を行った。結果を図5に記す。図5からわかるように実施例のものと比べて透過率が高く、特に人間の視感度の高い450〜650nmにおいて透過率が1%程度以上であり、視野角が狭いことがわかった。
[比較例2]
(積層偏光フィルムの作製方法)
光源側の積層偏光フィルムにおける2枚の位相差フィルムの積層順番を図4のように変えた以外は、実施例1と同様に積層偏光フィルムを作製した。用いた光学フィルムの特性は表1記載の実施例1と同様である。
(液晶表示装置の視野角評価)
図4記載の構成において、表1記載の実施例1の特性を有する光学フィルムを用いて液晶表示装置を作製して視野角特性の評価を行った。結果を図5に記す。図5からわかるように実施例のものと比べて透過率が高く、特に人間の視感度の高い450〜650nmにおいて透過率が1%程度以上であり、視野角拡大効果が無いことがわかった。また、目視にて黒状態を確認したところ、実施例のものよりも格段に見る角度によって輝度変化および色変化が大きく、視野角に優れた液晶表示装置を作製することが困難であることがわかった。
Figure 2007232873
POA(450)、 RPOA(550):正の略1軸性光学フィルムのそれぞれ測定波長450、550nmにおける面内位相差値。
NNZ(450)、RNNZ(550):負の光学フィルムのそれぞれ測定波長450、550nmにおける面内位相差値。
NzPOA(550)、NzNNZ(550):それぞれ正の略1軸性光学フィルム、負の光学フィルムの測定波長550nmにおけるNz値。
TAC1(550)、RTAC2(550):それぞれトリアセチルセルロースフィルム1および2の測定波長550nmにおける面内位相差値。
RthTAC1(550)、RthTAC2(550):それぞれトリアセチルセルロースフィルム1および2の測定波長550nmにおけるRth値。
本発明の積層偏光フィルムは、ロールツウロールプロセスによって作製することが可能なため、偏光変換性能およびその均一性に優れており、これらを液晶表示装置に用いることにより表示装置の高性能化、特に広視野角化を実現できる。
実施例1、3〜5における光学素子の配置図である。図面上の角度表示は方位角を表す。各光学素子間の接着層、粘着剤層は省略している。 実施例2における光学素子の配置図である。図面上の角度表示は方位角を表す。各光学素子間の接着層、粘着剤層は省略している。 比較例1における光学素子の配置図である。図面上の角度表示は方位角を表す。各光学素子間の接着層、粘着剤層は省略している。 比較例2における光学素子の配置図である。図面上の角度表示は方位角を表す。各光学素子間の接着層、粘着剤層は省略している。 実施例、比較例における液晶表示装置の入射角60°、方位角45°における黒状態の透過率スペクトルである。
符号の説明
1 観測者側の偏光フィルム
2 光源側の積層偏光フィルム(本発明の積層偏光フィルム)
3 保護フィルム
4 偏光フィルム
5 トリアセチルセルロースフィルム(TAC1)
6 IPS液晶セル
7 正の略1軸性光学フィルム
8 負の光学フィルム
9 偏光フィルム
10 保護フィルム
11 バックライト(光源)
12 吸収軸
13 遅相軸
14 遅相軸(液晶配向軸)
15 遅相軸
16 遅相軸
17 吸収軸
21 観測者側の偏光フィルム
22 光源側の積層偏光フィルム(本発明の積層偏光フィルム)
23 保護フィルム
24 偏光フィルム
25 トリアセチルセルロースフィルム(TAC1)
26 IPS液晶セル
27 正の略1軸性光学フィルム
28 負の光学フィルム
29 トリアセチルセルロースフィルム(TAC2)
30 偏光フィルム
31 保護フィルム
32 バックライト(光源)
33 吸収軸
34 遅相軸
35 遅相軸(液晶配向軸)
36 遅相軸
37 遅相軸
38 遅相軸
39 吸収軸
41 観測者側の偏光フィルム
42 光源側の偏光フィルム
43 保護フィルム
44 偏光フィルム
45 トリアセチルセルロースフィルム(TAC1)
46 IPS液晶セル
47 トリアセチルセルロースフィルム(TAC2)
48 偏光フィルム
49 保護フィルム
50 バックライト(光源)
51 吸収軸
52 遅相軸
53 遅相軸(液晶配向軸)
54 遅相軸
55 吸収軸
61 観測者側の偏光フィルム
62 光源側の積層偏光フィルム(本発明の積層偏光フィルム)
63 保護フィルム
64 偏光フィルム
65 トリアセチルセルロースフィルム(TAC1)
66 IPS液晶セル
67 負の光学フィルム
68 正の略1軸性光学フィルム
69 偏光フィルム
70 保護フィルム
71 バックライト(光源)
72 吸収軸
73 遅相軸
74 遅相軸(液晶配向軸)
75 遅相軸
76 遅相軸
77 吸収軸

Claims (11)

  1. 正の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子からなる正の略1軸性光学フィルム、負の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子からなる負の光学フィルム、及び偏光フィルムが少なくともこの順に積層されてなり、かつ、正の略1軸性光学フィルムの遅相軸及び負の光学フィルムの遅相軸が偏光フィルムの吸収軸といずれも略平行である積層偏光フィルムにおいて、
    正の略1軸性光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸との位置関係が略平行であって、かつ、負の光学フィルムの高分子主鎖の主配向方向と偏光フィルムの吸収軸との位置関係が略垂直であることを特徴とする積層偏光フィルム。
  2. 正の略1軸性光学フィルムの面内位相差値をRPOA(λ)、負の光学フィルムの面内位相差値をRNNZ(λ)、および下記3つの屈折率で定義される厚さ方向の配向指標をNz(λ)とした場合、測定波長λが550nmにおいて下記式(1)〜(3)の関係を満足することを特徴とする請求項1記載の積層偏光フィルム。
    30≦RPOA(λ)≦170 (1)
    20≦RNNZ(λ)≦140 (2)
    −1≦Nz(λ)≦0 (3)
  3. 正の略1軸性光学フィルムまたは負の光学フィルムまたはそれらの両方が位相差値の逆波長分散特性を有することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  4. 負の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子が、フルオレン骨格を有するポリカーボネートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  5. 正の分子分極率異方性を有する熱可塑性高分子が、非晶性ポリオレフィンを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  6. 上記非晶性ポリオレフィンが、i)エチレンとノルボルネンからなる共重合体であり、ii)ノルボルネン単位の2連鎖部位(ダイアド)の立体規則性に関してメソ型とラセモ型の存在比率が[メソ型]/[ラセモ型]>4である請求項5記載の積層偏光フィルム。
  7. 正の略1軸性光学フィルムが縦1軸延伸により作成され、かつ負の光学フィルムが横1軸延伸により作成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  8. 正の略1軸性光学フィルムおよび負の光学フィルムのフィルム面内における遅相軸と偏光フィルムの吸収軸とがいずれも略長尺方位にあるロール形状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の積層偏光フィルムを構成する正の略1軸性光学フィルムまたは負の光学フィルム。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の正の略1軸性光学フィルム及び負の光学フィルムが積層されていることを特徴とする積層位相差フィルム。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の積層偏光フィルムを具備したことを特徴とする液晶表示装置。
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