JP2007230850A - 高純度水酸化鉄の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高純度水酸化鉄の製造方法を提供する。
【解決手段】塩化鉄水溶液を、アルカリ水溶液で中和して水酸化鉄を沈澱させることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は高純度水酸化鉄の製造方法に関する。
高純度鉄は、半導体素子、電子デバイス、記録素子等の分野において使用されている。かかる目的で使用されている高純度鉄の純度は、通常99.9〜99.99%の程度である。しかしながら近年それら素子等の高集積度化、あるいは新規構造素子の製造に伴い、高純度鉄に僅かに含まれる種々の不純物(重金属、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属、またはそれらのイオン)による好ましくない効果が認識され、より一層の高純度鉄が求められている。かかる高純度鉄とは鉄の純度が少なくとも99.9995%以上であり、かつ特定の好ましくない不純物(重金属、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属、またはそれらのイオン)の含有量が所定の濃度より低いことが保証されるものである。
従来かかる高純度鉄を製造する方法には、例えば溶媒抽出、イオン交換、あるいは電解精製等の湿式処理による金属元素の分離、乾燥水素ガス処理による酸素等のガス性元素の除去、またはフロートゾーンメルト精製法がある。しかしこれらの方法は制御が難しく工業的規模で安定して高純度鉄を供給することが難しいという問題がある。
また粗鉄材料を塩酸処理及び酸化により鉄(3+)イオンを含む塩酸酸性水溶液とし、かかる溶液をイオン交換クロマトグラフにより銅イオン等の不純物を除去した後、蒸発乾固して酸化鉄とし、後還元して高純度鉄とする方法が知られている(特許文献1)。しかしこの方法は塩化鉄水溶液を加熱して蒸発乾固するという過大なコストを要する工程を含むこと、さらに塩化水素ガスが放出されるということから、コストの点及び作業環境上問題があった。
特開2002−105598号公報
本発明は、99.9995%以上の純度の高純度鉄の製造に好適な高純度水酸化鉄の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、99.9995%以上の純度の高純度鉄を低コストかつ大量に、かつ環境に優しい条件で製造する方法を開発すべく鋭意研究した結果、酸性の塩化鉄水溶液を加熱蒸発乾固して酸化鉄とする従来の工程に替えて、酸性の塩化鉄水溶液を特定の条件下でアルカリ水溶液で中和することにより特定の好ましくない不純物(重金属、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属、またはそれらのイオン)の含有量が所定の濃度より低い、水酸化鉄を固体沈澱物として得、さらにこの高純度水酸化鉄を用いて、酸化鉄への酸化、及び鉄への還元を行うことにより、高純度の鉄が、低コストでかつ環境に優しい条件で得られることを見いだし、本発明を完成したものである。
すなわち本発明は、99.995%以上の純度を有する水酸化鉄の製造方法であって、原料であるスクラップ鉄を塩酸で溶解処理し、溶解した鉄イオンを酸化して得られた塩化第2鉄水溶液(以下「塩化鉄水溶液」とする。)を、アルカリ水溶液で中和沈澱処理して水酸化鉄を沈澱させ、得られた沈澱を分離乾燥して高純度水酸化鉄を得ることを特徴とする。
また本発明は、塩化鉄水溶液をイオン交換クロマトグラフ処理して重金属不純物を除去した後、中和沈殿処理することを特徴とする高純度水酸化鉄の製造方法に関する。
さらには、本発明は、前記中和沈澱処理が、塩化鉄水溶液と、アルカリ水溶液とを同時に、攪拌され、pHが9〜10に維持された反応容器中の水に添加することを特徴とする高純度水酸化鉄の製造方法に関する。
さらには、本発明は、前記アルカリ水溶液が、アンモニア水溶液、メチルアミン水溶液、トリメチルアミン水溶液のいずれかであることを特徴とする高純度水酸化鉄の製造方法に関する。
また本発明には、本発明で製造された高純度の水酸化鉄、さらにはそれを用いて製造される高純度酸化鉄、及び高純度鉄をも含む。
本発明の製造方法によれば、99.995%以上の純度の高純度水酸化鉄を低コストかつ大量に、かつ環境に優しい条件で製造することができる。またかかる高純度水酸化鉄を用いることで低コストかつ大量に、かつ環境に優しい条件で高純度鉄を製造することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
図1には従来公知の高純度鉄の製造方法の一つが示されている。まず原料であるスクラップ鉄等を塩酸で溶解し、かつ酸化して塩化第2鉄の塩酸水溶液とする(以下この水溶液を「塩化鉄水溶液」とする。)さらに得られた塩化鉄水溶液中の主な不純物である金属イオンを適用なイオン交換クロマトグラフ処理により除去する。さらに得られた塩化鉄水溶液を加熱蒸発により乾固させて酸化鉄とする。酸化鉄を還元することにより高純度鉄が得られる。
かかる方法において塩化鉄水溶液を酸化鉄にする工程における加熱蒸発処理(乾式)は過大エネルギーを要し、かつ工程中で塩化水素ガスが環境中に発生する。
これに対し本発明にかかる方法は、図2に示されるように、塩化鉄水溶液を湿式処理する工程を採用する点で大きく異なる方法である。この工程により従来の方法に比べてコストの点及び環境の点で大きな利点となる。以下詳細に説明する。
図1には、本発明を用いた高純度鉄の製造方法の一般的なフローの1つを示した。原料としてスクラップ鉄を塩酸で処理して溶解する工程と、塩酸に溶解した鉄イオンを酸化して塩化鉄水溶液とする工程と、得られた塩化鉄水溶液をイオン交換クロマトグラフ処理して不純物金属イオン等を除去する工程と、得られた塩化鉄水溶液をアルカリ水溶液で中和沈澱処理して水酸化鉄を沈澱させる工程と、得られた沈澱を分離し、乾燥して高純度水酸化鉄とする工程と、得られた高純度水酸化鉄を酸化処理して高純度酸化鉄とする工程と、得られた高純度酸化鉄を還元して高純度鉄とする工程とからなる。
ここで得られた塩化鉄水溶液をイオン交換クロマトグラフ処理して不純物金属イオン等を除去する工程は必須ではなく、不純物の種類、量により適宜選択することができる。以下各工程について詳しく説明する。
(原料としてスクラップ鉄を塩酸で処理して溶解する工程)
本発明において使用可能な原料としてのスクラップ鉄は特に制限はなく、鉄の純度として99.0〜99.9%の程度であれば使用可能である。また、不純物として通常含有される他の金属イオンが含まれていても使用可能である。
原料のスクラップ鉄を溶解する塩酸についても特に制限はないが、不純物をできるだけ含まないものが好ましい。不純物としては、重金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。かかる塩酸水溶液は、市販されているものをそのまま使用することも可能である。また高純度水に高純度の塩酸ガスを吹き込んで調整することも好ましい。塩酸の濃度についても特に制限はなく原料スクラップ鉄を十分溶解させる濃度であればよい。好ましくは4〜6mol/L程度である。溶解方法には特に制限はなく、不純物の混入を防止し、かつ容器壁からの不純物金属等が溶け込まない材質、形状の容器を用いて、攪拌しながら少しずつ溶解させることが好ましい。
(塩酸に溶解した鉄イオンを酸化して塩化鉄水溶液とする工程)
上で得られた塩化鉄水溶液は最初鉄(2+)イオンの形で溶解するが、空気中の酸素により鉄(3+)イオンに変化する。この酸化を完全にするために積極的に酸化剤で酸化することが好ましい。酸化剤としては鉄(2+)イオンを酸性水溶液中で鉄(3+)イオンに酸化できるものであれば特に制限はなく種々の無機、有機の酸化剤が使用可能である。無機酸化剤としては過酸化水素水、塩素ガス、オゾンが挙げられる。特に過酸化水素水の使用が好ましい。酸化剤は最初から反応槽の水中に入れておいてもよいし、反応の途中で添加してもよい。酸化が完全に進行したかどうかは、反応溶液の色の変化で容易に判断可能である。
得られた塩化鉄水溶液はそのまま次の工程で使用することが可能である。また必要な場合適当な濃度に希釈してイオン交換カラムクロマトグラフ処理を行い不純物金属イオン等を除去して使用することも可能である。
また次の工程の前に得られた塩化鉄水溶液の元素分析を行うことが好ましい。元素分析の方法は特に制限はないが、鉄、他の重金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属の検出限界が1ppt程度である方法、装置の使用が好ましい。具体的には誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)が挙げられる。
(塩化鉄水溶液をイオン交換クロマトグラフ処理する工程)
本発明においては、前記得られた塩化鉄水溶液を中和沈殿処理する前に、イオン交換クロマトグラフ処理して不純物の濃度を下げることが好ましい。この目的で使用するイオン交換クロマトグラフは、通常公知の種々の方法が使用できる。具体的に除かれるべき不純物が2価の陽イオン(銅イオン、ニッケルイオン等)の場合には、公知の陰イオン交換クロマトグラフ装置を用いて可能である(Thin Solid Films 461(2004)94−98)。
(塩化鉄水溶液をアルカリ水溶液で中和沈澱処理して水酸化鉄を沈澱させる工程)
本発明は特に上で調製した塩化鉄水溶液を湿式処理、すなわちアルカリ水溶液で中和しつつ水酸化物として沈澱させ分離することを特徴とする。かかる処理により鉄イオンは不溶性の水酸化鉄の沈殿固体(粉体)となり、他の不純物(他の金属イオン等)は反応溶液中に溶解したままであることから鉄のみを容易に分離することが可能となる。反応中の水溶液のpHについては鉄イオンが不溶性の水酸化物となる範囲であれば特に制限はなく8以上の範囲であればよい。本発明では水酸化鉄が十分沈殿を生成し反応溶液から分離され、かつ不純物がその沈殿に混入しない条件として9〜10に維持されることが好ましい。
中和に使用可能なアルカリ水溶液についても特に制限はないが、高純度であるほうが好ましい。特にアルカリ水溶液からの種々のアルカリ金属、アルカリ土類金属の混入は避けることが好ましい。具体的に本発明で使用可能なアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液、メチルアミン水溶液が挙げられる。半導体製造用として市販されている高純度水酸化ナトリウム水溶液をそのまま使用することが可能であるし、また高純度ナトリウム、高純度水酸化ナトリウムを高純度水に溶解して調製することも可能である。高純度鉄に含まれる不純物としてナトリウム、カリウム、マグネシウムが問題とならない場合にはアルカリ水溶液として、水酸化ナトリウム水溶液が好ましく使用可能である。また高純度鉄に含まれる不純物としてナトリウム、カリウム、マグネシウムが問題となる場合にはアルカリ水溶液として、アンモニア水溶液、メチルアミン水溶液、特にアンモニア水溶液が好ましく使用可能である。アルカリ水溶液の濃度についても特に制限はないが、5〜8 mol/Lの範囲であればよい。
また本発明において、塩化鉄水溶液と、アルカリ水溶液の反応の形式については特に制限はないが、両方の水溶液を同時に反応槽中の水に添加する方法が好ましい。添加速度が15.0〜25.0ml/分の範囲であれば特に制限はない。この範囲より大きな速度で添加する場合、生成した沈殿中に不純物が取り込まれる恐れがある。また反応槽中の反応溶液は攪拌装置で十分攪拌することが好ましい。反応終了後は沈殿を十分熟成するためにしばらく攪拌を続けることが好ましい。反応温度についても特に制限はないが、30〜50℃の範囲を維持することが好ましい。
中和反応形式にも特に制限はなく、いわゆるバッチ式、及び連続式のどちらでも可能である。連続式の場合反応装置に設けたオーバーフローパイプにより、生成した水酸化鉄沈殿を連続的に取り出すことができることからより効率的に行うことができる。
(得られた沈澱を分離し、乾燥して高純度水酸化鉄とする工程)
上で得られた水酸化鉄の沈澱は、種々の方法で容易に反応溶液から分離することが可能である。デカンテーションや、フィルタを用いた濾過による方法が可能である。また沈殿中に溶液の形で混入する不純物イオンは、高純度水で数回十分洗浄することで容易に洗い流すことができる。
得られた水酸化鉄沈殿は通常の乾燥方法により十分乾燥することができる。具体的には50〜70℃で、真空乾燥装置内で10〜20時間保持する。
(得られた高純度水酸化鉄を酸化処理して高純度酸化鉄とする工程)
得られた高純度水酸化鉄は、通常の酸化処理方法をもちいて容易に高純度酸化鉄とすることができる。具体的には酸素雰囲気下で、500〜700℃で、6〜12時間焼成することで可能である。
(得られた高純度酸化鉄を還元して高純度鉄とする工程)
得られた酸化鉄は、通常の還元処理方法をもちいて容易に高純度鉄とすることができる。具体的には水素ガス雰囲気で800℃で加熱する方法が使用できる。
以下本発明を実施例に基づいて詳しく説明する。しかし本発明がこれらの実施例に限定されることはない。
原料としてスクラップ鉄を以下の実施例、比較例で使用した。塩化鉄及び酸化鉄の元素分析は、ICP−MS(PerkinElmer社製 Optima 4300DV)を用い、測定データは、鉄に対する測定各元素の濃度として求めた値(測定各元素の濃度=測定各元素の総量/鉄の総量)である。また、鉄の元素分析は、グロー放電質量分析(Glow Discharge Mass Spectroscopy)を用いた。
(実施例1)
原料スクラップ鉄400gを粉砕し、35%の塩酸(関東化学社製、製品番号18078−80)8Lに加えて溶解した。その後、蒸留水を12L加えて全量を20Lとした。後35%過酸化水素水(宇部ケミラ株式会社製)500mlをゆっくり加えながら攪拌した。水溶液の色が薄い青色から濃い黄色に変化した。得られた塩化鉄水溶液の元素分析結果を次の表1に示す。
Figure 2007230850
反応槽として15L容積の塩化ビニル製円筒容器(半径13cm、高さ25cm)を用いた。反応槽にイオン交換蒸留水を3L入れ、反応槽内の水の温度を40℃に制御し、pHをpH制御計により10に維持した。さらに半径3.5cmのプロペラ形状撹拌器を回転速度400rpmに反応槽中心に固定して攪拌した。
この反応槽に、塩化鉄水溶液8Lと、28%アンモニア水溶液(関東化学社製、特級グレード、製品番号01266−80)1Lとを同時に定量滴下装置を用いて6時間かけて加えた。塩化鉄水溶液の滴下速度は、23ml/分であった。
滴下とともに赤褐色の沈殿が生成した。
その後、デカンテーション水洗を2回行い洗浄し、吸引濾過機を用いて濾過分離した。得られた沈殿を約60℃で真空下、10時間乾燥して水酸化鉄306gを得た。
得られた水酸化鉄760gを酸化炉装置中で空気雰囲気下、650℃で10時間焼成して酸化鉄を1145g得た。得られた酸化鉄の元素分析結果を表2に示した。
Figure 2007230850
測定値から酸化鉄の純度は99.988%であり、かつアルミニウム、マグネシウム、ナトリウムの含有量はいずれも1ppm以下であった。
得られた酸化鉄1145gを還元炉装置を用いて水素雰囲気下800℃で10時間加熱して還元し鉄400gを得た。
また、下記の数1に示すような式を用いてエネルギーコストを試算したところ蒸発乾固法より高純度鉄化合物1kgを作るために必要なエネルギーコストは約1/4倍に低減できた(表3参照)。
Q={W×H×E}/Fe
Q ;高純度鉄化合物1kgを作るために必要なエネルギーコスト (円)
W ;電力消費量 (kW)
H ;処理時間 (hr)
E ;単価 (円/kW)
Fe ;鉄処理量 (kg)
※使用する塩化鉄の鉄濃度を25g/Lとした。
Figure 2007230850
(実施例2)
実施例1で使用したアンモニア水溶液に代えて、水酸化ナトリウム水溶液を使用したこと以外は実施例1と同様の条件で行った。ここで水酸化ナトリウム水溶液は半導体用高純度グレードを使用した(鶴見曹達株式会社製、製品名CLEARCUT−S)。
得られた酸化鉄の元素分析結果を表4に示した。
Figure 2007230850
測定値から酸化鉄の純度は99.948%とであり、かつアルミニウム、マグネシウムの含有量はいずれも1ppm以下であった。一方ナトリウムの含有量は374ppmであった。
(実施例3)
実施例1で調製した塩化鉄水溶液20Lを、陰イオン交換樹脂30L(三菱化学株式会社製、製品名DIAION SA10A、直径12cmの塩化ビニル製カラムに充填)に流して鉄イオンを吸着させその他の元素イオンと分離した。次に溶離液(濃度 1mol/L 塩酸)により鉄イオンを溶離した。得られた溶離液の元素分析は次の表5に示した。
Figure 2007230850
得られた鉄イオン溶離液8Lを次の中和沈殿に用いた。中和沈殿は、実施例1と同様に行った。また得られた水酸化鉄の酸化鉄への酸化、酸化鉄から鉄への還元も実施例1と同様に行った。
得られた酸化鉄、鉄の元素分析結果をそれぞれ表6と表7に示した。
Figure 2007230850
Figure 2007230850
測定値から酸化鉄の純度は99.998%であり、かつ重金属、マグネシウム、ナトリウムの含有量はいずれも1ppm以下であった。
また、鉄の純度は99.9998%であり、かつコバルト、銅は1ppm以下であるがその他の金属は、0.1ppm以下であった。
(比較例1)
ホットプレート上においたテフロン製1000mlの円筒型ビーカに塩化鉄水溶液500mlを入れた。これを加熱して黒色結晶の酸化鉄を得た。得られた酸化鉄の元素分析を表8に示した。
Figure 2007230850
測定値から酸化鉄の純度は、99.998%であり、かつカルシウムとシリカ以外の金属元素は2ppm以下であった。
(実施例4) 連続法による中和沈殿処理1
攪拌機付きの反応槽に水3Lを入れ、pH制御計によりpHを10に調整した。ここへ鉄濃度が20g/Lの塩化鉄水溶液と、48%の水酸化ナトリウム水溶液を反応槽内のpHが自動的に10に維持されるように投入した。塩化鉄水溶液の投入流速は23ml/分であった。また、反応槽内の温度は40℃に維持し、攪拌機で常に攪拌した。生成した水酸化鉄はオーバーフロー管よりオーバーフローさせて取り出し、水洗、脱水、乾燥処理した。このようにして、高純度水酸化鉄粉末を得た。
(実施例5) 連続法中和沈殿処理2
同様に水酸化ナトリウム水溶液に替えて、28%のアンモニア水溶液を用いた。他は上と同様に行い高純度水酸化鉄粉末を得た。
本発明により、99.9995%以上の純度の高純度鉄の製造に好適な高純度水酸化鉄の製造が低コストで、環境にやさしい条件で可能となる。
図1は従来の高純度鉄の製造方法を示す図である。 図2は本発明による高純度水酸化鉄の製造方法を示す図である。

Claims (5)

  1. 塩化鉄水溶液を、アルカリ水溶液で中和して水酸化鉄を沈澱させることを特徴とする、高純度水酸化鉄の製造方法。
  2. 前記塩化鉄水溶液をイオン交換クロマトグラフ処理して重金属不純物を除去した後、アルカリ水溶液で中和して水酸化鉄を沈澱させることを特徴とする、請求項1に記載の高純度水酸化鉄の製造方法。
  3. 塩化鉄水溶液と、アルカリ水溶液とを同時に、攪拌され、pHが9〜10に維持された反応容器中の水に添加することを特徴とする、請求項1又は2に記載の高純度水酸化鉄の製造方法。
  4. 前記アルカリ水溶液が、アンモニア水溶液、メチルアミン水溶液、トリメチルアミン水溶液のいづれかであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の高純度水酸化鉄の製造方法。
  5. 高純度水酸化鉄の純度が99.995%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の高純度水酸化鉄の製造方法。
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