JP2007229558A - 窒素酸化物浄化触媒 - Google Patents

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【課題】内燃機関から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物、特にNOを直接分解することができ、さらに分解によって発生するO2や、排ガス中に共存するO2による触媒活性の低下が極めて小さい窒素酸化物浄化触媒を提供する。
【解決手段】立方晶のC型構造を有する希土類酸化物ないし希土類複合酸化物からなる窒素酸化物浄化触媒を構成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車用エンジン、および工場や発電所等の内燃機関から排出される排ガスを浄化するための浄化触媒、特に排ガス中の窒素酸化物を直接分解する触媒に関する。
自動車用エンジン、および工場や発電所等の内燃機関は、燃費向上のために酸素過剰な条件下で運転されることが多い。酸素過剰条件下では、内燃機関の燃焼室内で、窒素酸化物(NOx)、なかでも一酸化窒素(NO)が発生するため、排ガス中に含まれるNOを除去することが必要である。NOを除去するための従来技術としては、アンモニアや炭化水素等の還元剤を用いる除去方法、及び貴金属触媒等を用いてNOを窒素(N2)と酸素(O2)に直接分解する方法などが知られている。特に、自動車用エンジンから排出される排ガス中のNOの分解には、装置の簡便さ等の観点から、後者の触媒を用いた直接分解法が好ましい。
しかしながら、上記の貴金属触媒を用いたNOの直接分解法は、分解によって発生するO2により貴金属が被毒され、触媒活性が低下してしまう欠点を有することが知られている。すなわち、窒素酸化物を直接分解でき、かつ分解によって発生するO2の被毒による窒素酸化物分解活性の低下がない触媒が求められている。
この欠点を解消すべく、結晶性のペロブスカイト型酸化物、スピネル型酸化物、ブラウンミラライト型酸化物、あるいは混合導電性を有する固体電解質に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、金(Au)、銀(Ag)等の貴金属類を担持又は固溶させた触媒がこれまでに開示されており、これらの触媒は、NOの分解活性が高く、かつO2被毒による活性の低下が少ないことが報告されている。
特開2004−57947号公報 特開2001−58130号公報 特開2000−197822号公報 特開平11−342337号公報 特開平11−267506号公報 特開平11−156196号公報
しかしながら、上記の各NOの直接分解法は、貴金属類を活性成分としているために、分解によって発生するO2による貴金属の被毒を完全になくすことは本質的に不可能である。すなわち、窒素酸化物を直接分解でき、かつ分解によって発生するO2による被毒を受ける貴金属を全く含まない、新しい窒素酸化物分解触媒が求められている。
このような新しい触媒として、これまでにゼオライト系、ペロブスカイト系などのNO直接分解触媒が報告されている。しかしながら、ゼオライト系触媒は高温での耐久性に乏しく、また、ペロブスカイト系触媒は耐熱性に優れるが、NO分解活性が低いなどの問題点があり、未だ実用的な触媒能は得られていない。
岩本正和監修、環境触媒ハンドブック、エヌティーエス(2001)
本発明は、内燃機関からの排ガス中に含まれる窒素酸化物、特にNOを直接分解することができ、さらに分解によって発生するO2や、排ガス中に共存するO2による触媒活性の低下が極めて小さい窒素酸化物浄化触媒を提供することを目的とする。すなわち、発明者らは、立方晶のC型構造を有する希土類の酸化物ないし複合酸化物からなる触媒が、高い窒素酸化物直接分解活性を示すことを見出した。
即ち本発明は、立方晶のC型構造を有する希土類の酸化物ないし複合酸化物であること特徴とする、窒素酸化物浄化触媒に関する。前記窒素酸化物浄化触媒の組成は、一般式:(A1-xx)23±α(但し、Aは希土類元素から選ばれた少なくとも1種類の金属、Bはアルカリ土類元素、及びチタン属元素から選ばれる少なくとも1種類の金属、0≦x≦0.3、αは常温大気圧時における金属酸化物中の酸化物イオン欠陥数あるいは過剰数)で表される。
本発明の窒素酸化物分解触媒は、還元剤を使用せずにNOを高い分解率で直接N2とO2に分解することができるので、脱硝性能が排ガスの組成や燃焼器の種類に依存せず、幅広い適用が可能である。また、分解によって生成するO2による触媒活性の低下が極めて少ないため、長期使用が可能となり、経済的にも優れている。
本発明は、立方晶のC型構造を有する希土類の酸化物ないし複合酸化物であること特徴とする、窒素酸化物浄化触媒に関する。本発明の窒素酸化物浄化触媒としては、好ましくは、ガドリニウム、ランタン、ネオジム、イットリウム、ジルコニウム、バリウム及びストロンチウムからなる群より選択された少なくとも1種の元素を含有するものが望ましい。本発明において、前記一般式(A1-xx)23±α(但し、Aは希土類元素からなる群より選ばれた少なくとも1種類の金属、Bはアルカリ土類元素及びチタン属元素からなる群より選ばれた少なくとも1種類の金属、0≦x≦0.3、αは常温大気圧時における金属酸化物中の酸化物イオン欠陥数あるいは過剰数)中のAは、希土類元素、即ちSc、Yおよび原子番号57〜71のLa〜Luからなる群より選ばれた少なくとも1種類の金属、また、一般式中のBは、アルカリ土類元素(即ちCa、Sr、Ba)及びチタン属元素(即ちTi、Zr、Hf)からなる群より選ばれた少なくとも1種類の金属である。これらの金属元素の組み合わせや割合は、立方晶C型希土類酸化物構造をとればいかなるものでもよく、任意に選択することができる。
本発明において、一般式中において希土類元素Aが、アルカリ土類元素及び/又はチタン属元素によって置換されるモル分率をxで表示すると、0≦x≦0.3であることが好ましい。この範囲を逸脱すると立方晶C型構造が得られにくくなったり、得られても熱安定性が小さくなったりするため、充分な浄化性能が得られない。
本発明における立方晶C型希土類酸化物構造は、基本的な結晶構造として、酸化イットリウム(Y23)で代表される化合物が有する立方晶系に属する結晶構造の一形式を意味する。ただし、本発明では、酸化物を構成する希土類元素、アルカリ土類元素、チタン属元素のイオン半径の違いによって、結晶格子に多少の歪みが生じている結晶構造や、電荷補償分の酸化物イオンが過剰となるまたは不足している構造も含め、立方晶C型希土類酸化物構造の包括的名称として上記名称を用いる。
一般にNOが直接的にN2とO2とに分解浄化する際に、分解で生成したO2或いは排ガス中のO2によって触媒表面が被毒される傾向があるが、立方晶C型希土類酸化物は容易に吸着酸素の離脱を起こすため、このような被毒が極めて起こりにくい。
本発明の触媒は、立方晶C型構造を有する希土類酸化物ないし複合酸化物であって、その組成が、一般式(A1-xx)23±αで表される触媒であり、中でもAがGd、La、Nd及びYからなる群より選ばれた1種以上、BがBa、Sr及びZrからなる群より選ばれた1種以上である場合、窒素酸化物の浄化活性を大きくする上で好ましい。
さらに前項の組み合わせのうち、Gdを必須成分として含有する立方晶C型構造を有する希土類複合酸化物、そのなかでもGdとBaとを必須成分として含有する立方晶C型構造を有する希土類複合酸化物が、窒素酸化物の浄化活性をさらに大きくする上でより好ましい。
本発明の窒素酸化物浄化触媒は、固溶体の形で存在する。
次に、本発明の窒素酸化物浄化触媒を製造する方法について説明する。本発明の窒素酸化物浄化触媒の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、所定の金属化合物の酸または水溶液を混合し、これに沈殿剤を加えて得られた沈殿物を焼成する方法により製造することができる。所定の金属化合物の酸または水溶液は、反応により組成が一般式(A1-xx)23±αで表される立方晶C型希土類酸化物ないし複合酸化物になりうる溶液である。
本発明の窒素酸化物浄化触媒の製造例は、以下の方法に限定されるものではないが、一例として、組成が(Gd0.75Y0.20Ba0.05)2O2.95で表される触媒の製造例をあげる。Gd(NO3)3水溶液、Y(NO3)3水溶液、およびBa(NO3)2水溶液をGd:Y:Baのモル比が15:4:1となるように混合し、これを炭酸アンモニウム水溶液に滴下した後、室温で一晩攪拌する。次いで、得られた沈殿を吸引濾過によって回収し、大気中、80℃で一晩乾燥後、大気中900℃で焼成することにより製造できる。
あるいは、本発明の窒素酸化物浄化触媒は、例えば、所定の金属化合物の酸または水溶液を混合し、これに水溶性の有機酸及び/又は錯形成剤を加え、溶媒を留去して得られた複合有機酸塩及び/または錯体を焼成する方法によっても製造することができる。
すなわち、以下の方法に限定されるものではないが、例えば、組成が(Gd0.75Y0.20Ba0.05)2O2.95で表される触媒の製造例をあげると、該触媒は、Gd(NO3)3水溶液、Y(NO3)3水溶液、およびBa(NO3)2水溶液をGd:Y:Baのモル比が15:4:1となるように混合し、これにクエン酸水溶液をさらに加える。溶媒をロータリーエバポレーター等により留去し、大気中、80℃で一晩乾燥後、得られた固形物を大気中900℃で焼成することにより製造できる。
上述の液相反応を介した製造法において使用される、希土類化合物、アルカリ土類化合物、およびチタン属化合物としては、たとえば高純度(99.9%以上)の硝酸塩、オキシ硝酸塩、塩化物、オキシ塩化物、硫酸塩、オキシ硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩など、酸あるいは水に可溶な化合物があげられる。
また、沈殿剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、シュウ酸、炭酸ガス、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の水溶液があげられる。
また、水溶性の有機酸及び/又は錯形成剤としては、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などが使用できる。
上述の液相反応を介した製造法において適用される焼成温度は、触媒が立方晶C型希土類酸化物構造をとるようにするため500℃以上が好ましい。また焼成温度は、触媒の使用時の安定性、耐久性を保持するために、使用温度より高い温度であることが好ましい。しかし、脱硝すべき排ガスの排出源や排出状態により触媒の使用温度が広範囲にわたるので、触媒の焼成温度は一概に限定できない。
また、立方晶C型希土類酸化物構造を生じる所定の温度域で焼成すれば、立方晶C型希土類酸化物構造が変化することは少ない。しかし、組み合わせる元素によっては、1200℃を超えると触媒自身の分解が起こり、触媒表面の組成が微妙に変化したり、六方晶A型希土類酸化物や単斜晶B型希土類酸化物構造に変化したりする。また、分解や構造変化を起こさない場合でも、1200℃を超えると触媒の比表面積が小さくなり、概して活性が高いものを得難い。実施に当たっては、排ガスの状態に応じて最適な焼成温度を実験により選択する必要がある。
また、本発明の窒素酸化物浄化触媒は、所定の金属化合物の混合物を焼成する固相反応法によっても製造することができる。所定の金属化合物の混合物は、焼成により一般式(A1-xx)23±αで表される化合物からなる窒素酸化物浄化触媒になりうる混合物である。
本発明の窒素酸化物浄化触媒の製造例は、以下の方法に限定されるものではないが、一例として、組成が(Gd0.75Y0.20Ba0.05)2O2.95で表される触媒の製造例をあげると、該触媒は、Gd2O3、Y2O3、BaCO3を7.5:2:1のモル比で秤量して混合した後、大気中、900℃〜1000℃で焼成することにより製造することができる。
前記の固相反応法において用いられる希土類化合物、アルカリ土類化合物、およびチタン属化合物としては、高純度(99.9%以上)の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩など、高温で分解し酸化物になりうるもの、及び/又は高純度(99.9%以上)の酸化物を使用できる。
さらに、これらの化合物の混合には、メノウ乳鉢による手動混合のほか、通常、工業的に用いられているボールミル、V型混合機、攪拌装置等を用いることができる。
混合後、例えば900〜1000℃の温度範囲にて1〜100時間保持して焼成することにより本発明の窒素酸化物浄化触媒が得られる。金属化合物として水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩など、高温で分解し酸化物になりうるものを用いた場合、これらの化合物をあらかじめ酸化物にする、及び/又は、これらの化合物の水分をあらかじめ除去するために、焼成の前に、例えば500℃以上900℃未満の温度範囲にて仮焼してもよい。
焼成雰囲気としては、立方晶C型希土類酸化物構造を確実に得るために、空気、酸素、酸素含有アルゴン、酸素含有窒素などの酸化性雰囲気であることが望ましい。立方晶C型希土類酸化物構造が得られないと、窒素酸化物の分解活性が大きくならない。また、反応を促進させるために、焼成雰囲気中に水蒸気を共存させてもよい。
さらに上記方法にて得られる窒素酸化物浄化触媒を、例えばボールミル、ジェットミル等を用いて粉砕し、比表面積を大きくすることができる。また、必要に応じて洗浄、分級することができる。得られる窒素酸化物浄化触媒の結晶性を高めるために、再焼成を行うこともできる。
上記の方法により得られる本発明の窒素酸化物浄化触媒を、そのまま又は適当な粘結剤等の成形助剤と共にペレット状に押出成形或は圧縮成形、またはハニカム状等に押出成形して使用しても良いが、高比表面積の担体に担持させて使用しても良い。
本発明の触媒は、排ガスにアンモニアや炭化水素等の還元剤を添加することなしに、排ガス中の窒素酸化物を直接的に分解することができる。また、排ガス中に10容量%程度の酸素を含む場合であっても、従来知られている直接分解触媒に比べて、酸素による触媒の被毒が格段に軽微であり、窒素酸化物の分解率が高い。従って、排ガスから予め酸素を除去することなしに、または酸素含有率の高い排ガスをそのまま本発明の触媒と接触させることにより、排ガス中の窒素酸化物を効率良く除去することができる。
分解触媒と排ガスとの接触は、固定床流通型反応器、または流動床型反応器により行うことができる。また、排出源の種類や規模に応じて種々の実用的形態を採ることができ、本発明は接触の実施態様である脱硝反応器の形式等には限定されない。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
組成が(Gd0.70Y0.26Ba0.04)2O2.96で表される複合酸化物からなる窒素酸化物浄化触媒を得るべく、1 mol・dm-3濃度のGd(NO3)3水溶液、1 mol・dm-3濃度のY(NO3)3水溶液、0.2 mol・dm-3濃度のBa(NO3)2水溶液を、ガドリニウム、イットリウム、バリウムのモル量の合計が10 mmolとなるように化学量論比で混合した。これを0.5 mol・dm-3濃度の炭酸アンモニウム水溶液50 cm3に滴下した。室温で一晩撹拌後、得られた沈殿物を吸引濾過で回収し、大気中80℃で一晩乾燥した後、大気中900℃にて6時間焼成した。得られた試料の粉末X線回折測定より、この触媒が立方晶C型希土類酸化物構造を持つことを確認した。液体窒素温度でのN2吸着量から、BET法によりこの触媒の比表面積を測定した結果、6.5 m2・g-1であった。
同様にして、組成が(Gd0.69Y0.23Ba0.08)2O2.92および(Gd0.79Y0.21)2O3で表される各複合酸化物を合成した。得られた各試料の粉末X線回折測定より、これらの触媒が立方晶C型希土類酸化物構造をとることを確認した。液体窒素温度でのN2吸着量から、BET法によりこれらの触媒の比表面積を測定した結果、(Gd0.69Y0.23Ba0.08)2O2.92および(Gd0.79Y0.21)2O3の比表面積はそれぞれ、8.4 m2・g-1および9.7 m2・g-1であった。各試料の粉末X線回折測定結果を図1に示す。
実施例2
組成が(Gd0.38Nd0.61Ba0.01)2O2.99で表される複合酸化物からなる窒素酸化物浄化触媒を得るべく、1 mol・dm-3濃度のGd(NO3)3水溶液、1 mol・dm-3濃度のNd(NO3)3水溶液、0.2 mol・dm-3濃度のBa(NO3)2水溶液を、ガドリニウム、イットリウム、バリウムのモル量の合計が10 mmolとなるように化学量論比で混合した。これを0.5 mol・dm-3濃度のシュウ酸水溶液50 cm3に滴下した。室温で一晩撹拌後、得られた沈殿物を吸引濾過で回収し、大気中80℃で一晩乾燥した後、大気中800℃にて6時間焼成した。得られた試料の粉末X線回折測定より、この触媒が立方晶C型希土類酸化物構造を持つことを確認した。液体窒素温度でのN2吸着量から、BET法によりこの触媒の比表面積を測定した結果、4.7 m2・g-1であった。
同様にして、組成が (Gd0.38Nd0.62)2O3で表される各複合酸化物を合成した。得られた試料の粉末X線回折測定より、この触媒が立方晶C型希土類酸化物構造をとることを確認した。液体窒素温度でのN2吸着量から、BET法によりこの触媒の比表面積を測定した結果、5.3 m2・g-1であった。各試料の粉末X線回折測定結果を図2に示す。
実施例3
組成が(Y0.98Zr0.02)2O3.02で表される複合酸化物からなる窒素酸化物浄化触媒を得るべく、1 mol・dm-3濃度のY(NO3)3水溶液と1 mol・dm-3濃度のZrO(NO3)2水溶液を、イットリウムとジルコニウムのモル量の合計が10 mmolとなるように化学量論比で混合した。溶媒である水を減圧留去して得られた粉末を、大気中80℃で一晩乾燥した後、大気中900℃にて6時間焼成した。得られた試料の粉末X線回折測定より、この触媒が立方晶C型希土類酸化物構造を持つことを確認した。液体窒素温度でのN2吸着量から、BET法によりこの触媒の比表面積を測定した結果、16.6 m2・g-1であった。
同様にして、組成が(Y0.94Zr0.06)2O3.05および(Y0.87Zr0.13)2O3.13で表される各複合酸化物を合成した。得られた各試料の粉末X線回折測定より、これらの触媒が立方晶C型希土類酸化物構造をとることを確認した。液体窒素温度でのN2吸着量から、BET法によりこれらの触媒の比表面積を測定した結果、(Y0.94Zr0.06)2O3.05および(Y0.87Zr0.13)2O3.13の比表面積はそれぞれ、21.3 m2・g-1および20.9 m2・g-1であった。各試料の粉末X線回折測定結果を図3に示す。
実施例4
組成が(Y0.97Ba0.03)2O3.02で表される複合酸化物からなる窒素酸化物浄化触媒を得るべく、1 mol・dm-3濃度のY(NO3)3水溶液と0.2 mol・dm-3濃度のBa(NO3)2水溶液を、イットリウムとバリウムのモル量の合計が10 mmolとなるように化学量論比で混合した。これを0.5 mol・dm-3濃度の炭酸アンモニウム水溶液50 cm3に滴下した。室温で一晩撹拌後、得られた沈殿物を吸引濾過で回収し、大気中80℃で一晩乾燥した後、大気中900℃にて6時間焼成した。得られた試料の粉末X線回折測定より、この触媒が立方晶C型希土類酸化物構造を持つことを確認した。液体窒素温度でのN2吸着量から、BET法によりこの触媒の比表面積を測定した結果、8.4 m2・g-1であった。
分解活性の評価1
内径10 mmのU字型石英製反応器に、実施例1〜4で合成した触媒0.5 gを充填し、反応器外壁を電気炉により加熱して触媒の温度を所定の温度に保ちながら、1%NO含有Heガス(即ち酸素非存在下)を接触時間W/F=0.375 g・s・cm-3となる流量で流した。出口ガスのN2濃度をガスクロマトグラフ分析により測定し、式1によりNOからN2への転化率として計算した。なお、ここでガスの組成を示す%は全て容量%であり、W/Fは触媒単位重量当たりの触媒活性を表示する接触時間の次元を持ち、式2により計算される。
Figure 2007229558
ここで、[N2]outは反応器出口ガスのN2濃度、[NO]inは反応器入口ガスのNO濃度である。
Figure 2007229558
分解活性の評価2
上記評価1に用いたガス99%に酸素1%を混合し、ガス組成としてNOが9900ppm、O2が1%、残りがHeからなる混合ガス(即ち酸素共存下での評価)に変更した。それ以外は上記評価1と同様にして分解活性を調べた。
図5、図6、図7、図8はそれぞれ、実施例1〜4の各触媒に、分解活性の評価1で記した評価を行ったときのNO浄化率曲線、図9は実施例1の触媒に、分解活性の評価2で記した評価を行ったときのNO浄化率曲線である。これらの結果から、本発明の触媒は、酸素非存在下、600℃以上の温度域において格段に高いNO分解率を示すことがわかる。また、酸素の存在下においても本発明の触媒は高い分解活性を示すことがわかる。
さらに、本発明の触媒のなかでも、特にガドリニウムとバリウムを共に含む触媒が高い分解活性を示すことがわかる。
以上のように、立方晶C型構造を有する希土類酸化物ないし複合酸化物であって、その組成が、一般式(A1-xx)23±αで表されることを特徴とする窒素酸化物分解触媒とすることにより、内燃機関から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物、特にNOを直接分解することができ、さらに分解によって発生するO2や、排ガス中に共存するO2による触媒活性の低下が極めて小さい窒素酸化物浄化触媒を提供することができる。
実施例1で合成した本発明の窒素酸化物浄化触媒の粉末X線回折図である。 実施例2で合成した本発明の窒素酸化物浄化触媒の粉末X線回折図である。 実施例3で合成した本発明の窒素酸化物浄化触媒の粉末X線回折図である。 実施例4で合成した本発明の窒素酸化物浄化触媒の粉末X線回折図である。 実施例1で合成した本発明の窒素酸化物浄化触媒について、分解活性の評価1の条件下で測定したNO浄化率の温度依存性を表すグラフである。 実施例2で合成した本発明の窒素酸化物浄化触媒について、分解活性の評価1の条件下で測定したNO浄化率の温度依存性を表すグラフである。 実施例3で合成した本発明の窒素酸化物浄化触媒について、分解活性の評価1の条件下で測定したNO浄化率の温度依存性を表すグラフである。 実施例4で合成した本発明の窒素酸化物浄化触媒について、分解活性の評価1の条件下で測定したNO浄化率の温度依存性を表すグラフである。 実施例1で合成した本発明の窒素酸化物浄化触媒について、分解活性の評価2の条件下で測定したNO浄化率の温度依存性を表すグラフである。

Claims (4)

  1. 立方晶のC型構造を有する希土類の酸化物ないし複合酸化物であること特徴とする、窒素酸化物浄化触媒。
  2. ガドリニウム、ランタン、ネオジム、イットリウム、ジルコニウム、バリウム及びストロンチウムからなる群より選択された少なくとも1種の元素を含有してなる、請求項1に記載の窒素酸化物浄化触媒。
  3. ガドリニウムとバリウムとを必須成分として含有してなる、請求項1ないし2に記載の窒素酸化物浄化触媒。
  4. 固溶体の形で存在することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の窒素酸化物浄化触媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3751264A3 (en) * 2019-06-14 2021-04-21 Fuji Electric Co., Ltd. Carbon dioxide gas sensor

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