JP2007228730A - 積層鉄心及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連結部材の厚み方向の膨出の影響を受けることなく、高効率で高品質の製品を製造可能な積層鉄心及びその製造方法を提供する。
【解決手段】外周部11に形成された連結部材12で相互に結合された隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14を、連結部材12を折り曲げて、合わせながら、連続した複数のセグメント鉄心片13を螺旋状に巻回して積層した積層鉄心10において、連結部材12の半径方向外側には、連結部材12の折り曲げ時に半径方向外側に形成される半径方向膨出部19を積層鉄心10の外側円内に収める凹部切欠き20が設けられ、連結部材12の半径方向内側には、連結部材12の折り曲げ位置を形成する内側切欠き21が設けられ、連結部材12には、連結部材12の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔15が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯状に連続した複数のセグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層した積層鉄心及びその製造方法に関する。
従来、積層鉄心の製造に使用する鉄心材料(例えば、条材)の歩留向上方法として、鉄心材料から鉄心片を打抜く際、環状とせずに帯状に連なる複数のセグメント鉄心片を打抜き形成し、これを巻回しながら積層して積層鉄心を製造するいわゆる巻き形鉄心が知られている。
具体的には、所定数のスロットを有する円弧状のセグメント鉄心片同士を、連結部材を介して相互に結合した状態で、鉄心材料から金型で打抜く。そして、外周側に形成された連結部材を折り曲げ、隣り合うセグメント鉄心片の側端部を合わせながら、連続した複数のセグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層する。なお、積層鉄心の積層方向では、連結部材が異なる位置にずれ、セグメント鉄心片と連結部材が隣り合って配置されている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)。
特開平1−264548号公報 特開平8−196061号公報 特表2004−505595号公報
しかしながら、複数のセグメント鉄心片を環状に配置するため連結部材を折り曲げる際に、連結部材の肉厚方向に膨出部が発生し、この膨出部が積層したセグメント鉄心片間に隙間を生じさせ、製造した積層鉄心の厚みにばらつきを生じさせていた。この隙間は、例えば、積層鉄心を使用したモータの組み立てにおいて、隙間を無くすための余分な加圧処理を必要としたり、またモータの効率低下又は振動を招く原因となり、モータの品質に悪影響を及ぼす。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、連結部材の厚み方向の膨出の影響を受けることなく、高効率で高品質の製品を製造可能な積層鉄心及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る積層鉄心は、外周部に形成された連結部材で相互に結合された隣り合うセグメント鉄心片の側端部を、前記連結部材を折り曲げて、合わせながら、連続した複数の前記セグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層した積層鉄心において、
前記連結部材の半径方向外側には、該連結部材の折り曲げ時に半径方向外側に形成される半径方向膨出部を該積層鉄心の外側円内に収める凹部切欠きが設けられ、前記連結部材の半径方向内側には、該連結部材の折り曲げ位置を形成する内側切欠きが設けられ、前記連結部材には、該連結部材の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔が設けられている。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記連結部材には、前記貫通孔に連接する薄肉部が形成されていることが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記貫通孔により形成される前記連結部材の半径方向内側領域の幅W1、及び半径方向外側領域の幅W2のいずれか1又は2を、周方向に渡って同一幅にすることが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記連結部材の半径方向内側領域の幅W1を、前記連結部材の半径方向外側領域の幅W2より狭くすることが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、隣り合う前記セグメント鉄心片の側端部を近接配置することが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る積層鉄心の製造方法は、複数のセグメント鉄心片同士を、その外周部の連結部材で相互に結合された状態に形成する打抜き工程と、前記連結部材を折り曲げて隣り合う前記セグメント鉄心片の側端部を合わせながら、連続した複数の前記セグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層する環状形成工程とを有する積層鉄心の製造方法において、
前記打抜き工程の際に、前記連結部材に該連結部材の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔を形成する。
第2の発明に係る積層鉄心の製造方法において、前記連結部材に、前記貫通孔の形成と同時、形成前、及び形成後のいずれか1で、前記貫通孔に連接する薄肉部を形成することが好ましい。
請求項1〜5記載の積層鉄心、及び請求項6、7記載の積層鉄心の製造方法は、隣り合うセグメント鉄心片を相互に結合する連結部材に貫通孔を設けるので、連結部材の折り曲げ時の連結部材の厚み方向の膨出を抑制できる。これにより、積層した複数のセグメント鉄心片の間に隙間が形成されることを抑制、更には防止できるので、積層鉄心の品質管理が容易になり、積層鉄心を使用したモータの高効率化を図ることができると共に、振動発生の防止によるモータ品質の向上も図れる。
特に、請求項2記載の積層鉄心、及び請求項7記載の積層鉄心の製造方法は、連結部材に貫通孔に連接する薄肉部を形成するので、折り曲げ時の連結部材の厚み方向の膨出を更に抑制できる。
請求項3記載の積層鉄心は、連結部材の半径方向内側領域の幅W1を周方向に渡って同一幅にする場合、連結部材の折り曲げ時に、半径方向内側領域に生じる圧縮応力の集中を抑制できる。これにより、連結部材の厚み方向の膨出が局部的に発生することを抑制できる。
また、連結部材の半径方向外側領域の幅W2を周方向に渡って同一幅にする場合、連結部材の折り曲げ時に、半径方向外側領域に生じる引張応力の集中を抑制できる。これにより、連結部材の折り曲げ時に発生し易くなる連結部材の破断を抑制できる。
請求項4記載の積層鉄心は、連結部材の半径方向内側領域の幅W1を、半径方向外側領域の幅W2より狭くするので、連結部材の折り曲げ時に、半径方向内側領域に生じる圧縮応力を軽減でき、連結部材の厚み方向の膨出を更に抑制できると共に、連結部材の破断も抑制できる。
請求項5記載の積層鉄心は、隣り合うセグメント鉄心片の側端部を近接配置し、側端部同士の接触が防止されるので、各セグメント鉄心片の周方向のピッチのばらつきを防止でき、例えば、積層方向のセグメント鉄心片のかしめ位置のずれを防止できる。また、このように近接配置することにより、例えば、セグメント鉄心片を打抜く金型の刃物が摩耗し、側端部にバリが生じた場合でも、その接触を防止でき、各セグメント鉄心片の周方向のピッチのずれを防止できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る積層鉄心の平面図、図2は同積層鉄心のセグメント鉄心片の積層前の状態を示す部分平面図、図3は同積層鉄心の連結部材の薄肉部の形成方法の説明図、図4(A)〜(D)はそれぞれ変形例に係る連結部材の部分平面図である。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る積層鉄心10は、外周部11に形成された連結部材12で相互に結合された隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14を、連結部材12を折り曲げて、合わせながら、連続した複数のセグメント鉄心片13を螺旋状に巻回して積層した固定子積層鉄心(ステータともいう)であり、連結部材12に、連結部材12の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔15が設けられたものである。以下、詳しく説明する。
積層鉄心10は、厚みが、例えば、0.5mm以下(本実施の形態では0.35mm)程度の電磁鋼板(図示しない)から、連結部材12で結合された複数のセグメント鉄心片13を金型で打抜き、図1、図2に示すように、打ち抜かれた連続したセグメント鉄心片13を巻回し順次かしめ積層して構成されるものである。ここで、複数のセグメント鉄心片の積層方法としては、かしめ、溶接、及び接着のいずれか1を適用することも、また、いずれか2以上を併用することもできる。
この各セグメント鉄心片13は、半径方向内側に複数のスロット16が設けられて磁極片部17が形成され、半径方向外側にはヨーク片部18が形成されている。
隣り合うセグメント鉄心片13の間には、セグメント鉄心片13を外周部11で結合する連結部材12が設けられている。
図2に示すように、連結部材12の半径方向の幅Wtは、例えば、0.3mm以上2mm以下(本実施の形態では0.5mm以上1mm以下)程度である。
連結部材12の半径方向外側には、連結部材12の折り曲げ時に半径方向外側に形成される半径方向膨出部19を、積層鉄心10の外側円内に収める凹部切欠き20が設けられている。このため、図2に示すように、連結部材12の折り曲げ前は、連結部材12の外周が半径方向内側に凹んでいる。
また、連結部材12の半径方向内側(側端部14の半径方向外側領域)には、図1、図2に示すように、連結部材12の折り曲げ前の形状が円弧状となった内側切欠き21が設けられており、この内側切欠き21の最奥部22に折り曲げ起点(折り曲げ位置)が形成される。なお、内側切欠きの形状は、例えば、平面視して逆U字状又は逆V字状でもよい。
この内側切欠き21は、連結部材12の折り曲げ後は楕円形状となって、隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14の半径方向外側領域間に隙間を形成するので、側端部14の半径方向外側領域同士を干渉させることなく、隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14の半径方向内側領域を合わせることができる。
連結部材12には、図2に示すように、連結部材12の折り曲げ前の形状が長方形(正方形でもよい)となった貫通孔15が設けられている。この貫通孔15の半径方向の内幅Whは、連結部材12の半径方向の幅Wtの20%以上80%以下(好ましくは、30%以上70%以下)程度である。
これにより、連結部材12の半径方向に、貫通孔15を中心として、半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)23と半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)24が形成される。この半径方向内側領域23の幅W1と、半径方向外側領域24の幅W2は、貫通孔15の内幅Whに応じて、それぞれ連結部材12の半径方向の幅Wtの10%以上40%以下(好ましくは、15%以上35%以下)程度である。
なお、連結部材12の内側領域23は、連結部材12の折り曲げ時に圧縮応力が加わり、厚み方向に膨出し易いため、図3に示すように、内側領域23に対してパンチ25を押し付けるコイニング加工を行うことが好ましい。
図3においては、外側領域24に対してもパンチ25が押し付けられており、その結果、内側領域23と外側領域24の潰れ代26、27が貫通孔15側へ移動し、貫通孔15に連接する薄肉部28が形成されている。この薄肉部28の厚みは、最も薄い部分で、連結部材12の元の厚みの70%以上95%以下、好ましくは80%以上95%以下(押圧量を、例えば30μm以上40μm以下程度)とする。
押圧に際しては、押圧面が傾斜したパンチを使用し、連結部材12の半径方向内側から外側へかけて、連結部材12の厚みを徐々に厚くする加工を施すとよい。
また、薄肉部は、連結部材の少なくとも貫通孔に連通する内側領域に形成すればよいため、貫通孔に連通する外側領域にも部分的に形成したり、また貫通孔の周囲を取り囲んで形成することもできる。
貫通孔15は、連結部材12の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制するものであり、また、薄肉部28はその効果を更に高めるものである。このため、連結部材と薄肉部を以下の構成としてもよい。
図4(A)に示す連結部材30は、貫通孔31で分離される連結部材30の半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)32の幅、即ち貫通孔31の内側周縁33から内側切欠き21(連結部材30の内側周縁34)までの幅W1を、連結部材30の周方向に渡って同一幅にしたものである。また、連結部材30の半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)35の幅、即ち貫通孔31の外側周縁36から凹部切欠き20(連結部材30の外側周縁37)までの幅W2についても、連結部材30の周方向に渡って同一幅にしている。
これにより、従来、内側領域と外側領域の幅の狭い部分で生じていた応力集中を、連結部材30の周方向に渡って略均一に分散できる。
なお、連結部材30の内側領域32の幅W1と外側領域35の幅W2を、それぞれ同一幅としたが、そのいずれか一方のみを、連結部材30の周方向に渡って同一幅にしてもよい。
ここで、連結部材30の折り曲げ時に、内側領域32に圧縮応力が発生し易く、外側領域35に引張応力が発生し易いことを考慮すれば、内側領域32の幅(最小幅)W1を、外側領域35の幅(最小幅)W2より狭くすることが好ましい。
なお、薄肉部の形成領域は、内側領域32の周方向両側を除く部分、即ち点線で囲まれた領域(潰し範囲)としている。
図4(B)に示す連結部材40は、半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)41側の周方向両側に頂部を有する貫通孔42が形成されたものである。これにより、連結部材40の折り曲げ時に最も引張応力がかかる部分の幅を広くでき、しかも幅を狭くした2箇所に引張応力を分散できる。
なお、薄肉部の形成領域は、半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)43の周方向両側を除く部分、即ち点線で囲まれた領域としている。
図4(C)に示す連結部材45は、連結部材45の周方向中央部の強度を向上させるため、図4(A)に示す貫通孔31を、その周方向中央部で2つに分離した構成の貫通孔46が形成されたものである。
この場合、図4(A)の連結部材30と比較して、連結部材45の折り曲げ時に、連結部材45の周方向中央部へ加わる圧縮応力が大きくなり、厚み方向に膨出し易くなるため、半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)47の全体に渡って、即ち点線で囲まれた領域に薄肉部を形成することが好ましい。
図4(D)に示す連結部材50は、貫通孔51の形状がV字状となったものである。これにより、連結部材50の折り曲げ時に半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)52の最も圧縮応力がかかる部分の幅を狭くでき、また半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)53の最も引張応力がかかる部分の幅を広くできる。
このため、薄肉部の形成領域は、内側領域52の周方向両側を除く部分、即ち点線で囲まれた領域としている。
以上に示した図4(A)〜(D)では、内側領域のみに薄肉部を形成しているが、図3に示すように、連結部材の全体を押圧してもよい。
以上のように構成することで、連結部材12を折り曲げる際に、連結部材12に設けられた内側切欠き21が、連結部材12に良好なヒンジ効果を与えることができる。
また、この連結部材12は、折り曲げ時に、連結部材12の外周部が円周方向に引っ張られ、その厚みが薄くなると共に半径方向外側に半径方向膨出部19が形成されるが、これは凹部切欠き20内に配置されるため問題ない。一方、連結部材12の内周部は円周方向に押し縮められ、その厚み方向に膨出しようとするが、その膨出量は、貫通孔15、更には薄肉部28の効果により抑制、更には防止される。
なお、隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14の半径方向内側領域には、凹部55とこれに嵌合する凸部56によって構成される係合部57が設けられている。この凹部55と凸部56を含む隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14は、隙間を開けて近接配置されているが、当接させてもよい。
これにより、隣り合うセグメント鉄心片13同士の相互の位置決めをより精度良く実施でき、その環状精度を向上できる。
図1に示すように、複数のセグメント鉄心片13を巻回して積層するに際しては、隣り合うセグメント鉄心片13の間に設けられた連結部材12を、積層方向で異なる位置にずらし、各磁極片部17の位置を合わせている。なお、本実施の形態では、セグメント鉄心片13の積層の際に、スロット1個分だけ積層方向でずらしているが、2個以上ずつずらしてもよい。
ここで、平面視した積層鉄心の一周当たりの全スロット数をm個とし、セグメント鉄心片1個当たりのスロット数(磁極片部の数と同じ)をn個とした場合、スロット1個分だけ積層方向でずらすために必要な1周のセグメント鉄心片数をk個とすると、以下の関係が成り立つ。
(m+1)/n=k
ここで、m、n、kは、それぞれ正の整数であり、積層鉄心の製造条件に応じて種々変更できる。
なお、本実施の形態では、図1に示すように、平面視した積層鉄心の一周当たりの全スロット数が20個(m=20)、セグメント鉄心片1個当たりの磁極片部の数が3個(スロット数3個に相当:n=3)であるため、上式より1周に必要なセグメント鉄心片数は7個(k=7)であるが、7個目のセグメント鉄心片の磁極片部1個分だけ積層時に次の層となり、積層方向の連結部材の位置は、磁極片部1個分(スロット1個分に相当)ずれることになる。
また、積層方向で周方向にずれるスロット数を2個以上にする場合は、前記した式中の「1」を、ずれる個数、即ち2以上に変えることで、1周に必要なセグメント鉄心片数が求まる。
これにより、複数のセグメント鉄心片13を巻回して積層するに際しては、連結部材12の位置が積層方向でずれるため、各セグメント鉄心片13の結合強度を更に強固なものにできる。
続いて、本発明の一実施の形態に係る積層鉄心の製造方法について説明する。
まず、電磁鋼板(図示しない)を搬送しながら、1又は複数の金型(図示しない)を使用して、図2に示すように、複数のセグメント鉄心片13同士を、連結部材12で相互に結合された状態に形成する打抜き工程を行う。
このセグメント鉄心片13の打抜きに際しては、通常行うスロット16の打抜き形成の後に、凹部切欠き20の形成、内側切欠き21の形成、及び貫通孔15の形成をそれぞれ行う。なお、金型形状によって、凹部切欠き20の形成、内側切欠き21の形成、及び貫通孔15の形成を、同時に行うことも、順次個別に行うことも、また順序を入れ換えて行うことも可能であり、更にスロット16の打抜き形成と共に行うことも可能である。
また、この打抜き工程では、貫通孔15の形成と同時、形成前、及び形成後のいずれか1で、連結部材をコイニング加工し、薄肉部28を形成するとよい。
次に、内側切欠き21の最奥部22を起点として連結部材12を折り曲げ、隣り合うセグメント鉄心片13の凹部55に凸部56を嵌合させると共に、セグメント鉄心片13の側端部14を合わせながら、連続した複数のセグメント鉄心片13を螺旋状に巻回して積層する環状形成工程を行い、積層鉄心10を製造する。
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の積層鉄心及びその製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、積層鉄心が固定子積層鉄心の場合について説明したが、回転子積層鉄心(ローターともいう)でも勿論よい。この場合、回転子積層鉄心は、複数のセグメント鉄心片で構成され、しかも隣り合うセグメント鉄心片は、外周部に形成された連結部材で相互に結合される。ここで、例えば、複数のセグメント鉄心片の搬送時に、連結部材が切れ易くなる場合は、隣り合うセグメント鉄心片を更に結合するため、その内周部にリブを設けてもよい。このリブは、積層鉄心の製造の際には、切り落とすとよい。
本発明の一実施の形態に係る積層鉄心の平面図である。 同積層鉄心のセグメント鉄心片の積層前の状態を示す部分平面図である。 同積層鉄心の連結部材の薄肉部の形成方法の説明図である。 (A)〜(D)はそれぞれ変形例に係る連結部材の部分平面図である。
符号の説明
10:積層鉄心、11:外周部、12:連結部材、13:セグメント鉄心片、14:側端部、15:貫通孔、16:スロット、17:磁極片部、18:ヨーク片部、19:半径方向膨出部、20:凹部切欠き、21:内側切欠き、22:最奥部、23:半径方向内側領域、24:半径方向外側領域、25:パンチ、26、27:潰れ代、28:薄肉部、30:連結部材、31:貫通孔、32:半径方向内側領域、33、34:内側周縁、35:半径方向外側領域、36、37:外側周縁、40:連結部材、41:半径方向外側領域、42:貫通孔、43:半径方向内側領域、45:連結部材、46:貫通孔、47:半径方向内側領域、50:連結部材、51:貫通孔、52:半径方向内側領域、53:半径方向外側領域、55:凹部、56:凸部、57:係合部
本発明は、帯状に連続した複数のセグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層した積層鉄心及びその製造方法に関する。
従来、積層鉄心の製造に使用する鉄心材料(例えば、条材)の歩留向上方法として、鉄心材料から鉄心片を打抜く際、環状とせずに帯状に連なる複数のセグメント鉄心片を打抜き形成し、これを巻回しながら積層して積層鉄心を製造するいわゆる巻き形鉄心が知られている。
具体的には、所定数のスロットを有する円弧状のセグメント鉄心片同士を、連結部材を介して相互に結合した状態で、鉄心材料から金型で打抜く。そして、外周側に形成された連結部材を折り曲げ、隣り合うセグメント鉄心片の側端部を合わせながら、連続した複数のセグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層する。なお、積層鉄心の積層方向では、連結部材が異なる位置にずれ、セグメント鉄心片と連結部材が隣り合って配置されている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)。
特開平1−264548号公報 特開平8−196061号公報 特表2004−505595号公報
しかしながら、複数のセグメント鉄心片を環状に配置するため連結部材を折り曲げる際に、連結部材の肉厚方向に膨出部が発生し、この膨出部が積層したセグメント鉄心片間に隙間を生じさせ、製造した積層鉄心の厚みにばらつきを生じさせていた。この隙間は、例えば、積層鉄心を使用したモータの組み立てにおいて、隙間を無くすための余分な加圧処理を必要としたり、またモータの効率低下又は振動を招く原因となり、モータの品質に悪影響を及ぼす。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、連結部材の厚み方向の膨出の影響を受けることなく、高効率で高品質の製品を製造可能な積層鉄心及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る積層鉄心は、連結部材で相互に結合された隣り合うセグメント鉄心片の側端部を、前記連結部材を折り曲げて、合わせながら、連続した複数の前記セグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層した積層鉄心において、
前記連結部材は前記隣り合うセグメント鉄心片の外周部に形成され、該連結部材の半径方向外側には、該連結部材の折り曲げ時に半径方向外側に形成される半径方向膨出部を該積層鉄心の外側円内に収める凹部切欠きが設けられ、前記連結部材の半径方向内側には、該連結部材の折り曲げ位置を形成する内側切欠きが設けられ、
前記連結部材には、該連結部材を半径方向外側領域と半径方向内側領域に区分し、該連結部材の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔が設けられ、
しかも、隣り合う前記セグメント鉄心片を結合する前記連結部材の位置が積層方向にずらして配置されている
第1の発明に係る積層鉄心において、前記連結部材には、前記貫通孔に連接する薄肉部が形成されていることが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記貫通孔により形成される前記連結部材の半径方向内側領域の幅W1、及び半径方向外側領域の幅W2のいずれか1又は2を、周方向に渡って同一幅にすることが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記連結部材の半径方向内側領域の幅W1を、前記連結部材の半径方向外側領域の幅W2より狭くすることが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、隣り合う前記セグメント鉄心片の側端部を近接配置することが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る積層鉄心の製造方法は、複数のセグメント鉄心片同士を、連結部材で相互に結合された状態に形成する打抜き工程と、前記連結部材を折り曲げて隣り合う前記セグメント鉄心片の側端部を合わせながら、連続した複数の前記セグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層する環状形成工程とを有する積層鉄心の製造方法において、
前記連結部材は隣り合う前記セグメント鉄心片の外周部に設けられ、前記打抜き工程の際に、前記連結部材に、該連結部材を半径方向外側領域と半径方向内側領域に区分し、該連結部材の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔を形成し、
しかも、隣り合う前記セグメント鉄心片を結合する前記連結部材の位置を積層方向にずらして配置する
第2の発明に係る積層鉄心の製造方法において、前記連結部材に、前記貫通孔の形成と同時、形成前、及び形成後のいずれか1で、前記貫通孔に連接する薄肉部を形成することが好ましい。
請求項1〜記載の積層鉄心、及び請求項7〜9記載の積層鉄心の製造方法は、隣り合うセグメント鉄心片を相互に結合する連結部材に貫通孔を設けるので、連結部材の折り曲げ時の連結部材の厚み方向の膨出を抑制できる。これにより、積層した複数のセグメント鉄心片の間に隙間が形成されることを抑制、更には防止できるので、積層鉄心の品質管理が容易になり、積層鉄心を使用したモータの高効率化を図ることができると共に、振動発生の防止によるモータ品質の向上も図れる。
特に、請求項2記載の積層鉄心、及び請求項記載の積層鉄心の製造方法は、連結部材に貫通孔に連接する薄肉部を形成するので、折り曲げ時の連結部材の厚み方向の膨出を更に抑制できる。
請求項3記載の積層鉄心は、連結部材の半径方向内側領域の幅W1を周方向に渡って同一幅にする場合、連結部材の折り曲げ時に、半径方向内側領域に生じる圧縮応力の集中を抑制できる。これにより、連結部材の厚み方向の膨出が局部的に発生することを抑制できる。
また、連結部材の半径方向外側領域の幅W2を周方向に渡って同一幅にする場合、連結部材の折り曲げ時に、半径方向外側領域に生じる引張応力の集中を抑制できる。これにより、連結部材の折り曲げ時に発生し易くなる連結部材の破断を抑制できる。
請求項4記載の積層鉄心は、連結部材の半径方向内側領域の幅W1を、半径方向外側領域の幅W2より狭くするので、連結部材の折り曲げ時に、半径方向内側領域に生じる圧縮応力を軽減でき、連結部材の厚み方向の膨出を更に抑制できると共に、連結部材の破断も抑制できる。
請求項5記載の積層鉄心は、隣り合うセグメント鉄心片の側端部を近接配置し、側端部同士の接触が防止されるので、各セグメント鉄心片の周方向のピッチのばらつきを防止でき、例えば、積層方向のセグメント鉄心片のかしめ位置のずれを防止できる。また、このように近接配置することにより、例えば、セグメント鉄心片を打抜く金型の刃物が摩耗し、側端部にバリが生じた場合でも、その接触を防止でき、各セグメント鉄心片の周方向のピッチのずれを防止できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る積層鉄心の平面図、図2は同積層鉄心のセグメント鉄心片の積層前の状態を示す部分平面図、図3は同積層鉄心の連結部材の薄肉部の形成方法の説明図、図4(A)〜(D)はそれぞれ変形例に係る連結部材の部分平面図である。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る積層鉄心10は、外周部11に形成された連結部材12で相互に結合された隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14を、連結部材12を折り曲げて、合わせながら、連続した複数のセグメント鉄心片13を螺旋状に巻回して積層した固定子積層鉄心(ステータともいう)であり、連結部材12に、連結部材12の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔15が設けられたものである。以下、詳しく説明する。
積層鉄心10は、厚みが、例えば、0.5mm以下(本実施の形態では0.35mm)程度の電磁鋼板(図示しない)から、連結部材12で結合された複数のセグメント鉄心片13を金型で打抜き、図1、図2に示すように、打ち抜かれた連続したセグメント鉄心片13を巻回し順次かしめ積層して構成されるものである。ここで、複数のセグメント鉄心片の積層方法としては、かしめ、溶接、及び接着のいずれか1を適用することも、また、いずれか2以上を併用することもできる。
この各セグメント鉄心片13は、半径方向内側に複数のスロット16が設けられて磁極片部17が形成され、半径方向外側にはヨーク片部18が形成されている。
隣り合うセグメント鉄心片13の間には、セグメント鉄心片13を外周部11で結合する連結部材12が設けられている。
図2に示すように、連結部材12の半径方向の幅Wtは、例えば、0.3mm以上2mm以下(本実施の形態では0.5mm以上1mm以下)程度である。
連結部材12の半径方向外側には、連結部材12の折り曲げ時に半径方向外側に形成される半径方向膨出部19を、積層鉄心10の外側円内に収める凹部切欠き20が設けられている。このため、図2に示すように、連結部材12の折り曲げ前は、連結部材12の外周が半径方向内側に凹んでいる。
また、連結部材12の半径方向内側(側端部14の半径方向外側領域)には、図1、図2に示すように、連結部材12の折り曲げ前の形状が円弧状となった内側切欠き21が設けられており、この内側切欠き21の最奥部22に折り曲げ起点(折り曲げ位置)が形成される。なお、内側切欠きの形状は、例えば、平面視して逆U字状又は逆V字状でもよい。
この内側切欠き21は、連結部材12の折り曲げ後は楕円形状となって、隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14の半径方向外側領域間に隙間を形成するので、側端部14の半径方向外側領域同士を干渉させることなく、隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14の半径方向内側領域を合わせることができる。
連結部材12には、図2に示すように、連結部材12の折り曲げ前の形状が長方形(正方形でもよい)となった貫通孔15が設けられている。この貫通孔15の半径方向の内幅Whは、連結部材12の半径方向の幅Wtの20%以上80%以下(好ましくは、30%以上70%以下)程度である。
これにより、連結部材12の半径方向に、貫通孔15を中心として、半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)23と半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)24が形成される。この半径方向内側領域23の幅W1と、半径方向外側領域24の幅W2は、貫通孔15の内幅Whに応じて、それぞれ連結部材12の半径方向の幅Wtの10%以上40%以下(好ましくは、15%以上35%以下)程度である。
なお、連結部材12の内側領域23は、連結部材12の折り曲げ時に圧縮応力が加わり、厚み方向に膨出し易いため、図3に示すように、内側領域23に対してパンチ25を押し付けるコイニング加工を行うことが好ましい。
図3においては、外側領域24に対してもパンチ25が押し付けられており、その結果、内側領域23と外側領域24の潰れ代26、27が貫通孔15側へ移動し、貫通孔15に連接する薄肉部28が形成されている。この薄肉部28の厚みは、最も薄い部分で、連結部材12の元の厚みの70%以上95%以下、好ましくは80%以上95%以下(押圧量を、例えば30μm以上40μm以下程度)とする。
押圧に際しては、押圧面が傾斜したパンチを使用し、連結部材12の半径方向内側から外側へかけて、連結部材12の厚みを徐々に厚くする加工を施すとよい。
また、薄肉部は、連結部材の少なくとも貫通孔に連通する内側領域に形成すればよいため、貫通孔に連通する外側領域にも部分的に形成したり、また貫通孔の周囲を取り囲んで形成することもできる。
貫通孔15は、連結部材12の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制するものであり、また、薄肉部28はその効果を更に高めるものである。このため、連結部材と薄肉部を以下の構成としてもよい。
図4(A)に示す連結部材30は、貫通孔31で分離される連結部材30の半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)32の幅、即ち貫通孔31の内側周縁33から内側切欠き21(連結部材30の内側周縁34)までの幅W1を、連結部材30の周方向に渡って同一幅にしたものである。また、連結部材30の半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)35の幅、即ち貫通孔31の外側周縁36から凹部切欠き20(連結部材30の外側周縁37)までの幅W2についても、連結部材30の周方向に渡って同一幅にしている。
これにより、従来、内側領域と外側領域の幅の狭い部分で生じていた応力集中を、連結部材30の周方向に渡って略均一に分散できる。
なお、連結部材30の内側領域32の幅W1と外側領域35の幅W2を、それぞれ同一幅としたが、そのいずれか一方のみを、連結部材30の周方向に渡って同一幅にしてもよい。
ここで、連結部材30の折り曲げ時に、内側領域32に圧縮応力が発生し易く、外側領域35に引張応力が発生し易いことを考慮すれば、内側領域32の幅(最小幅)W1を、外側領域35の幅(最小幅)W2より狭くすることが好ましい。
なお、薄肉部の形成領域は、内側領域32の周方向両側を除く部分、即ち点線で囲まれた領域(潰し範囲)としている。
図4(B)に示す連結部材40は、半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)41側の周方向両側に頂部を有する貫通孔42が形成されたものである。これにより、連結部材40の折り曲げ時に最も引張応力がかかる部分の幅を広くでき、しかも幅を狭くした2箇所に引張応力を分散できる。
なお、薄肉部の形成領域は、半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)43の周方向両側を除く部分、即ち点線で囲まれた領域としている。
図4(C)に示す連結部材45は、連結部材45の周方向中央部の強度を向上させるため、図4(A)に示す貫通孔31を、その周方向中央部で2つに分離した構成の貫通孔46が形成されたものである。
この場合、図4(A)の連結部材30と比較して、連結部材45の折り曲げ時に、連結部材45の周方向中央部へ加わる圧縮応力が大きくなり、厚み方向に膨出し易くなるため、半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)47の全体に渡って、即ち点線で囲まれた領域に薄肉部を形成することが好ましい。
図4(D)に示す連結部材50は、貫通孔51の形状がV字状となったものである。これにより、連結部材50の折り曲げ時に半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)52の最も圧縮応力がかかる部分の幅を狭くでき、また半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)53の最も引張応力がかかる部分の幅を広くできる。
このため、薄肉部の形成領域は、内側領域52の周方向両側を除く部分、即ち点線で囲まれた領域としている。
以上に示した図4(A)〜(D)では、内側領域のみに薄肉部を形成しているが、図3に示すように、連結部材の全体を押圧してもよい。
以上のように構成することで、連結部材12を折り曲げる際に、連結部材12に設けられた内側切欠き21が、連結部材12に良好なヒンジ効果を与えることができる。
また、この連結部材12は、折り曲げ時に、連結部材12の外周部が円周方向に引っ張られ、その厚みが薄くなると共に半径方向外側に半径方向膨出部19が形成されるが、これは凹部切欠き20内に配置されるため問題ない。一方、連結部材12の内周部は円周方向に押し縮められ、その厚み方向に膨出しようとするが、その膨出量は、貫通孔15、更には薄肉部28の効果により抑制、更には防止される。
なお、隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14の半径方向内側領域には、凹部55とこれに嵌合する凸部56によって構成される係合部57が設けられている。この凹部55と凸部56を含む隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14は、隙間を開けて近接配置されているが、当接させてもよい。
これにより、隣り合うセグメント鉄心片13同士の相互の位置決めをより精度良く実施でき、その環状精度を向上できる。
図1に示すように、複数のセグメント鉄心片13を巻回して積層するに際しては、隣り合うセグメント鉄心片13の間に設けられた連結部材12を、積層方向で異なる位置にずらし、各磁極片部17の位置を合わせている。なお、本実施の形態では、セグメント鉄心片13の積層の際に、スロット1個分だけ積層方向でずらしているが、2個以上ずつずらしてもよい。
ここで、平面視した積層鉄心の一周当たりの全スロット数をm個とし、セグメント鉄心片1個当たりのスロット数(磁極片部の数と同じ)をn個とした場合、スロット1個分だけ積層方向でずらすために必要な1周のセグメント鉄心片数をk個とすると、以下の関係が成り立つ。
(m+1)/n=k
ここで、m、n、kは、それぞれ正の整数であり、積層鉄心の製造条件に応じて種々変更できる。
なお、本実施の形態では、図1に示すように、平面視した積層鉄心の一周当たりの全スロット数が20個(m=20)、セグメント鉄心片1個当たりの磁極片部の数が3個(スロット数3個に相当:n=3)であるため、上式より1周に必要なセグメント鉄心片数は7個(k=7)であるが、7個目のセグメント鉄心片の磁極片部1個分だけ積層時に次の層となり、積層方向の連結部材の位置は、磁極片部1個分(スロット1個分に相当)ずれることになる。
また、積層方向で周方向にずれるスロット数を2個以上にする場合は、前記した式中の「1」を、ずれる個数、即ち2以上に変えることで、1周に必要なセグメント鉄心片数が求まる。
これにより、複数のセグメント鉄心片13を巻回して積層するに際しては、連結部材12の位置が積層方向でずれるため、各セグメント鉄心片13の結合強度を更に強固なものにできる。
続いて、本発明の一実施の形態に係る積層鉄心の製造方法について説明する。
まず、電磁鋼板(図示しない)を搬送しながら、1又は複数の金型(図示しない)を使用して、図2に示すように、複数のセグメント鉄心片13同士を、連結部材12で相互に結合された状態に形成する打抜き工程を行う。
このセグメント鉄心片13の打抜きに際しては、通常行うスロット16の打抜き形成の後に、凹部切欠き20の形成、内側切欠き21の形成、及び貫通孔15の形成をそれぞれ行う。なお、金型形状によって、凹部切欠き20の形成、内側切欠き21の形成、及び貫通孔15の形成を、同時に行うことも、順次個別に行うことも、また順序を入れ換えて行うことも可能であり、更にスロット16の打抜き形成と共に行うことも可能である。
また、この打抜き工程では、貫通孔15の形成と同時、形成前、及び形成後のいずれか1で、連結部材をコイニング加工し、薄肉部28を形成するとよい。
次に、内側切欠き21の最奥部22を起点として連結部材12を折り曲げ、隣り合うセグメント鉄心片13の凹部55に凸部56を嵌合させると共に、セグメント鉄心片13の側端部14を合わせながら、連続した複数のセグメント鉄心片13を螺旋状に巻回して積層する環状形成工程を行い、積層鉄心10を製造する。
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の積層鉄心及びその製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、積層鉄心が固定子積層鉄心の場合について説明したが、回転子積層鉄心(ローターともいう)でも勿論よい。この場合、回転子積層鉄心は、複数のセグメント鉄心片で構成され、しかも隣り合うセグメント鉄心片は、外周部に形成された連結部材で相互に結合される。ここで、例えば、複数のセグメント鉄心片の搬送時に、連結部材が切れ易くなる場合は、隣り合うセグメント鉄心片を更に結合するため、その内周部にリブを設けてもよい。このリブは、積層鉄心の製造の際には、切り落とすとよい。
本発明の一実施の形態に係る積層鉄心の平面図である。 同積層鉄心のセグメント鉄心片の積層前の状態を示す部分平面図である。 同積層鉄心の連結部材の薄肉部の形成方法の説明図である。 (A)〜(D)はそれぞれ変形例に係る連結部材の部分平面図である。
符号の説明
10:積層鉄心、11:外周部、12:連結部材、13:セグメント鉄心片、14:側端部、15:貫通孔、16:スロット、17:磁極片部、18:ヨーク片部、19:半径方向膨出部、20:凹部切欠き、21:内側切欠き、22:最奥部、23:半径方向内側領域、24:半径方向外側領域、25:パンチ、26、27:潰れ代、28:薄肉部、30:連結部材、31:貫通孔、32:半径方向内側領域、33、34:内側周縁、35:半径方向外側領域、36、37:外側周縁、40:連結部材、41:半径方向外側領域、42:貫通孔、43:半径方向内側領域、45:連結部材、46:貫通孔、47:半径方向内側領域、50:連結部材、51:貫通孔、52:半径方向内側領域、53:半径方向外側領域、55:凹部、56:凸部、57:係合部
本発明は、帯状に連続した複数のセグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層した積層鉄心及びその製造方法に関する。
従来、積層鉄心の製造に使用する鉄心材料(例えば、条材)の歩留向上方法として、鉄心材料から鉄心片を打抜く際、環状とせずに帯状に連なる複数のセグメント鉄心片を打抜き形成し、これを巻回しながら積層して積層鉄心を製造するいわゆる巻き形鉄心が知られている。
具体的には、所定数のスロットを有する円弧状のセグメント鉄心片同士を、連結部材を介して相互に結合した状態で、鉄心材料から金型で打抜く。そして、外周側に形成された連結部材を折り曲げ、隣り合うセグメント鉄心片の側端部を合わせながら、連続した複数のセグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層する。なお、積層鉄心の積層方向では、連結部材が異なる位置にずれ、セグメント鉄心片と連結部材が隣り合って配置されている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)。
特開平1−264548号公報 特開平8−196061号公報 特表2004−505595号公報
しかしながら、複数のセグメント鉄心片を環状に配置するため連結部材を折り曲げる際に、連結部材の肉厚方向に膨出部が発生し、この膨出部が積層したセグメント鉄心片間に隙間を生じさせ、製造した積層鉄心の厚みにばらつきを生じさせていた。この隙間は、例えば、積層鉄心を使用したモータの組み立てにおいて、隙間を無くすための余分な加圧処理を必要としたり、またモータの効率低下又は振動を招く原因となり、モータの品質に悪影響を及ぼす。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、連結部材の厚み方向の膨出の影響を受けることなく、高効率で高品質の製品を製造可能な積層鉄心及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る積層鉄心は、連結部材で相互に結合され、半径方向外側にはヨーク片部が、半径方向内側には複数のスロットによって形成された磁極片部が設けられている隣り合うセグメント鉄心片の側端部を、前記連結部材を折り曲げて、合わせながら、連続した複数の前記セグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層した積層鉄心において、
前記連結部材は隣り合う前記ヨーク片部の外周部に形成され、該連結部材の半径方向外側には、該連結部材の折り曲げ時に半径方向外側に形成される半径方向膨出部を該積層鉄心の外側円内に収める凹部切欠きが設けられ、前記連結部材の半径方向内側には、該連結部材の折り曲げ位置を形成する内側切欠きが設けられ、
前記連結部材には、該連結部材を半径方向外側領域と半径方向内側領域に区分し、該連結部材の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔が設けられ、
しかも、隣り合う前記セグメント鉄心片を結合する前記連結部材が積層方向で周方向にずらして異なる位置に配置されている。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記連結部材には、前記貫通孔に連接する薄肉部が形成されていることが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記貫通孔により形成される前記連結部材の半径方向内側領域の幅W1、及び半径方向外側領域の幅W2のいずれか1又は2を、周方向に渡って同一幅にすることが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記連結部材の半径方向内側領域の幅W1を、前記連結部材の半径方向外側領域の幅W2より狭くすることが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、隣り合う前記セグメント鉄心片の側端部を近接配置することが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る積層鉄心の製造方法は、半径方向外側にはヨーク片部が、半径方向内側には複数のスロットによって形成された磁極片部が設けられている複数のセグメント鉄心片同士を、連結部材で相互に結合された状態に形成する打抜き工程と、前記連結部材を折り曲げて隣り合う前記セグメント鉄心片の側端部を合わせながら、連続した複数の前記セグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層する環状形成工程とを有する積層鉄心の製造方法において、
前記連結部材は隣り合う前記ヨーク片部の外周部に設けられ、前記打抜き工程の際に、前記連結部材に、該連結部材を半径方向外側領域と半径方向内側領域に区分し、該連結部材の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔を形成し、
しかも、隣り合う前記セグメント鉄心片を結合する前記連結部材を積層方向で周方向にずらして異なる位置に配置する。
第2の発明に係る積層鉄心の製造方法において、前記連結部材に、前記貫通孔の形成と同時、形成前、及び形成後のいずれか1で、前記貫通孔に連接する薄肉部を形成することが好ましい。
請求項1〜6記載の積層鉄心、及び請求項7〜9記載の積層鉄心の製造方法は、隣り合うセグメント鉄心片を相互に結合する連結部材に貫通孔を設けるので、連結部材の折り曲げ時の連結部材の厚み方向の膨出を抑制できる。これにより、積層した複数のセグメント鉄心片の間に隙間が形成されることを抑制、更には防止できるので、積層鉄心の品質管理が容易になり、積層鉄心を使用したモータの高効率化を図ることができると共に、振動発生の防止によるモータ品質の向上も図れる。
特に、請求項2記載の積層鉄心、及び請求項8記載の積層鉄心の製造方法は、連結部材に貫通孔に連接する薄肉部を形成するので、折り曲げ時の連結部材の厚み方向の膨出を更に抑制できる。
請求項3記載の積層鉄心は、連結部材の半径方向内側領域の幅W1を周方向に渡って同一幅にする場合、連結部材の折り曲げ時に、半径方向内側領域に生じる圧縮応力の集中を抑制できる。これにより、連結部材の厚み方向の膨出が局部的に発生することを抑制できる。
また、連結部材の半径方向外側領域の幅W2を周方向に渡って同一幅にする場合、連結部材の折り曲げ時に、半径方向外側領域に生じる引張応力の集中を抑制できる。これにより、連結部材の折り曲げ時に発生し易くなる連結部材の破断を抑制できる。
請求項4記載の積層鉄心は、連結部材の半径方向内側領域の幅W1を、半径方向外側領域の幅W2より狭くするので、連結部材の折り曲げ時に、半径方向内側領域に生じる圧縮応力を軽減でき、連結部材の厚み方向の膨出を更に抑制できると共に、連結部材の破断も抑制できる。
請求項5記載の積層鉄心は、隣り合うセグメント鉄心片の側端部を近接配置し、側端部同士の接触が防止されるので、各セグメント鉄心片の周方向のピッチのばらつきを防止でき、例えば、積層方向のセグメント鉄心片のかしめ位置のずれを防止できる。また、このように近接配置することにより、例えば、セグメント鉄心片を打抜く金型の刃物が摩耗し、側端部にバリが生じた場合でも、その接触を防止でき、各セグメント鉄心片の周方向のピッチのずれを防止できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る積層鉄心の平面図、図2は同積層鉄心のセグメント鉄心片の積層前の状態を示す部分平面図、図3は同積層鉄心の連結部材の薄肉部の形成方法の説明図、図4(A)〜(D)はそれぞれ変形例に係る連結部材の部分平面図である。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る積層鉄心10は、外周部11に形成された連結部材12で相互に結合された隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14を、連結部材12を折り曲げて、合わせながら、連続した複数のセグメント鉄心片13を螺旋状に巻回して積層した固定子積層鉄心(ステータともいう)であり、連結部材12に、連結部材12の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔15が設けられたものである。以下、詳しく説明する。
積層鉄心10は、厚みが、例えば、0.5mm以下(本実施の形態では0.35mm)程度の電磁鋼板(図示しない)から、連結部材12で結合された複数のセグメント鉄心片13を金型で打抜き、図1、図2に示すように、打ち抜かれた連続したセグメント鉄心片13を巻回し順次かしめ積層して構成されるものである。ここで、複数のセグメント鉄心片の積層方法としては、かしめ、溶接、及び接着のいずれか1を適用することも、また、いずれか2以上を併用することもできる。
この各セグメント鉄心片13は、半径方向内側に複数のスロット16が設けられて磁極片部17が形成され、半径方向外側にはヨーク片部18が形成されている。
隣り合うセグメント鉄心片13の間には、セグメント鉄心片13を外周部11で結合する連結部材12が設けられている。
図2に示すように、連結部材12の半径方向の幅Wtは、例えば、0.3mm以上2mm以下(本実施の形態では0.5mm以上1mm以下)程度である。
連結部材12の半径方向外側には、連結部材12の折り曲げ時に半径方向外側に形成される半径方向膨出部19を、積層鉄心10の外側円内に収める凹部切欠き20が設けられている。このため、図2に示すように、連結部材12の折り曲げ前は、連結部材12の外周が半径方向内側に凹んでいる。
また、連結部材12の半径方向内側(側端部14の半径方向外側領域)には、図1、図2に示すように、連結部材12の折り曲げ前の形状が円弧状となった内側切欠き21が設けられており、この内側切欠き21の最奥部22に折り曲げ起点(折り曲げ位置)が形成される。なお、内側切欠きの形状は、例えば、平面視して逆U字状又は逆V字状でもよい。
この内側切欠き21は、連結部材12の折り曲げ後は楕円形状となって、隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14の半径方向外側領域間に隙間を形成するので、側端部14の半径方向外側領域同士を干渉させることなく、隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14の半径方向内側領域を合わせることができる。
連結部材12には、図2に示すように、連結部材12の折り曲げ前の形状が長方形(正方形でもよい)となった貫通孔15が設けられている。この貫通孔15の半径方向の内幅Whは、連結部材12の半径方向の幅Wtの20%以上80%以下(好ましくは、30%以上70%以下)程度である。
これにより、連結部材12の半径方向に、貫通孔15を中心として、半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)23と半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)24が形成される。この半径方向内側領域23の幅W1と、半径方向外側領域24の幅W2は、貫通孔15の内幅Whに応じて、それぞれ連結部材12の半径方向の幅Wtの10%以上40%以下(好ましくは、15%以上35%以下)程度である。
なお、連結部材12の内側領域23は、連結部材12の折り曲げ時に圧縮応力が加わり、厚み方向に膨出し易いため、図3に示すように、内側領域23に対してパンチ25を押し付けるコイニング加工を行うことが好ましい。
図3においては、外側領域24に対してもパンチ25が押し付けられており、その結果、内側領域23と外側領域24の潰れ代26、27が貫通孔15側へ移動し、貫通孔15に連接する薄肉部28が形成されている。この薄肉部28の厚みは、最も薄い部分で、連結部材12の元の厚みの70%以上95%以下、好ましくは80%以上95%以下(押圧量を、例えば30μm以上40μm以下程度)とする。
押圧に際しては、押圧面が傾斜したパンチを使用し、連結部材12の半径方向内側から外側へかけて、連結部材12の厚みを徐々に厚くする加工を施すとよい。
また、薄肉部は、連結部材の少なくとも貫通孔に連通する内側領域に形成すればよいため、貫通孔に連通する外側領域にも部分的に形成したり、また貫通孔の周囲を取り囲んで形成することもできる。
貫通孔15は、連結部材12の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制するものであり、また、薄肉部28はその効果を更に高めるものである。このため、連結部材と薄肉部を以下の構成としてもよい。
図4(A)に示す連結部材30は、貫通孔31で分離される連結部材30の半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)32の幅、即ち貫通孔31の内側周縁33から内側切欠き21(連結部材30の内側周縁34)までの幅W1を、連結部材30の周方向に渡って同一幅にしたものである。また、連結部材30の半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)35の幅、即ち貫通孔31の外側周縁36から凹部切欠き20(連結部材30の外側周縁37)までの幅W2についても、連結部材30の周方向に渡って同一幅にしている。
これにより、従来、内側領域と外側領域の幅の狭い部分で生じていた応力集中を、連結部材30の周方向に渡って略均一に分散できる。
なお、連結部材30の内側領域32の幅W1と外側領域35の幅W2を、それぞれ同一幅としたが、そのいずれか一方のみを、連結部材30の周方向に渡って同一幅にしてもよい。
ここで、連結部材30の折り曲げ時に、内側領域32に圧縮応力が発生し易く、外側領域35に引張応力が発生し易いことを考慮すれば、内側領域32の幅(最小幅)W1を、外側領域35の幅(最小幅)W2より狭くすることが好ましい。
なお、薄肉部の形成領域は、内側領域32の周方向両側を除く部分、即ち点線で囲まれた領域(潰し範囲)としている。
図4(B)に示す連結部材40は、半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)41側の周方向両側に頂部を有する貫通孔42が形成されたものである。これにより、連結部材40の折り曲げ時に最も引張応力がかかる部分の幅を広くでき、しかも幅を狭くした2箇所に引張応力を分散できる。
なお、薄肉部の形成領域は、半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)43の周方向両側を除く部分、即ち点線で囲まれた領域としている。
図4(C)に示す連結部材45は、連結部材45の周方向中央部の強度を向上させるため、図4(A)に示す貫通孔31を、その周方向中央部で2つに分離した構成の貫通孔46が形成されたものである。
この場合、図4(A)の連結部材30と比較して、連結部材45の折り曲げ時に、連結部材45の周方向中央部へ加わる圧縮応力が大きくなり、厚み方向に膨出し易くなるため、半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)47の全体に渡って、即ち点線で囲まれた領域に薄肉部を形成することが好ましい。
図4(D)に示す連結部材50は、貫通孔51の形状がV字状となったものである。これにより、連結部材50の折り曲げ時に半径方向内側領域(以下、単に内側領域ともいう)52の最も圧縮応力がかかる部分の幅を狭くでき、また半径方向外側領域(以下、単に外側領域ともいう)53の最も引張応力がかかる部分の幅を広くできる。
このため、薄肉部の形成領域は、内側領域52の周方向両側を除く部分、即ち点線で囲まれた領域としている。
以上に示した図4(A)〜(D)では、内側領域のみに薄肉部を形成しているが、図3に示すように、連結部材の全体を押圧してもよい。
以上のように構成することで、連結部材12を折り曲げる際に、連結部材12に設けられた内側切欠き21が、連結部材12に良好なヒンジ効果を与えることができる。
また、この連結部材12は、折り曲げ時に、連結部材12の外周部が円周方向に引っ張られ、その厚みが薄くなると共に半径方向外側に半径方向膨出部19が形成されるが、これは凹部切欠き20内に配置されるため問題ない。一方、連結部材12の内周部は円周方向に押し縮められ、その厚み方向に膨出しようとするが、その膨出量は、貫通孔15、更には薄肉部28の効果により抑制、更には防止される。
なお、隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14の半径方向内側領域には、凹部55とこれに嵌合する凸部56によって構成される係合部57が設けられている。この凹部55と凸部56を含む隣り合うセグメント鉄心片13の側端部14は、隙間を開けて近接配置されているが、当接させてもよい。
これにより、隣り合うセグメント鉄心片13同士の相互の位置決めをより精度良く実施でき、その環状精度を向上できる。
図1に示すように、複数のセグメント鉄心片13を巻回して積層するに際しては、隣り合うセグメント鉄心片13の間に設けられた連結部材12を、積層方向で異なる位置にずらし、各磁極片部17の位置を合わせている。なお、本実施の形態では、セグメント鉄心片13の積層の際に、スロット1個分だけ積層方向でずらしているが、2個以上ずつずらしてもよい。
ここで、平面視した積層鉄心の一周当たりの全スロット数をm個とし、セグメント鉄心片1個当たりのスロット数(磁極片部の数と同じ)をn個とした場合、スロット1個分だけ積層方向でずらすために必要な1周のセグメント鉄心片数をk個とすると、以下の関係が成り立つ。
(m+1)/n=k
ここで、m、n、kは、それぞれ正の整数であり、積層鉄心の製造条件に応じて種々変更できる。
なお、本実施の形態では、図1に示すように、平面視した積層鉄心の一周当たりの全スロット数が20個(m=20)、セグメント鉄心片1個当たりの磁極片部の数が3個(スロット数3個に相当:n=3)であるため、上式より1周に必要なセグメント鉄心片数は7個(k=7)であるが、7個目のセグメント鉄心片の磁極片部1個分だけ積層時に次の層となり、積層方向の連結部材の位置は、磁極片部1個分(スロット1個分に相当)ずれることになる。
また、積層方向で周方向にずれるスロット数を2個以上にする場合は、前記した式中の「1」を、ずれる個数、即ち2以上に変えることで、1周に必要なセグメント鉄心片数が求まる。
これにより、複数のセグメント鉄心片13を巻回して積層するに際しては、連結部材12の位置が積層方向でずれるため、各セグメント鉄心片13の結合強度を更に強固なものにできる。
続いて、本発明の一実施の形態に係る積層鉄心の製造方法について説明する。
まず、電磁鋼板(図示しない)を搬送しながら、1又は複数の金型(図示しない)を使用して、図2に示すように、複数のセグメント鉄心片13同士を、連結部材12で相互に結合された状態に形成する打抜き工程を行う。
このセグメント鉄心片13の打抜きに際しては、通常行うスロット16の打抜き形成の後に、凹部切欠き20の形成、内側切欠き21の形成、及び貫通孔15の形成をそれぞれ行う。なお、金型形状によって、凹部切欠き20の形成、内側切欠き21の形成、及び貫通孔15の形成を、同時に行うことも、順次個別に行うことも、また順序を入れ換えて行うことも可能であり、更にスロット16の打抜き形成と共に行うことも可能である。
また、この打抜き工程では、貫通孔15の形成と同時、形成前、及び形成後のいずれか1で、連結部材をコイニング加工し、薄肉部28を形成するとよい。
次に、内側切欠き21の最奥部22を起点として連結部材12を折り曲げ、隣り合うセグメント鉄心片13の凹部55に凸部56を嵌合させると共に、セグメント鉄心片13の側端部14を合わせながら、連続した複数のセグメント鉄心片13を螺旋状に巻回して積層する環状形成工程を行い、積層鉄心10を製造する。
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の積層鉄心及びその製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、積層鉄心が固定子積層鉄心の場合について説明したが、回転子積層鉄心(ローターともいう)でも勿論よい。この場合、回転子積層鉄心は、複数のセグメント鉄心片で構成され、しかも隣り合うセグメント鉄心片は、外周部に形成された連結部材で相互に結合される。ここで、例えば、複数のセグメント鉄心片の搬送時に、連結部材が切れ易くなる場合は、隣り合うセグメント鉄心片を更に結合するため、その内周部にリブを設けてもよい。このリブは、積層鉄心の製造の際には、切り落とすとよい。
本発明の一実施の形態に係る積層鉄心の平面図である。 同積層鉄心のセグメント鉄心片の積層前の状態を示す部分平面図である。 同積層鉄心の連結部材の薄肉部の形成方法の説明図である。 (A)〜(D)はそれぞれ変形例に係る連結部材の部分平面図である。
符号の説明
10:積層鉄心、11:外周部、12:連結部材、13:セグメント鉄心片、14:側端部、15:貫通孔、16:スロット、17:磁極片部、18:ヨーク片部、19:半径方向膨出部、20:凹部切欠き、21:内側切欠き、22:最奥部、23:半径方向内側領域、24:半径方向外側領域、25:パンチ、26、27:潰れ代、28:薄肉部、30:連結部材、31:貫通孔、32:半径方向内側領域、33、34:内側周縁、35:半径方向外側領域、36、37:外側周縁、40:連結部材、41:半径方向外側領域、42:貫通孔、43:半径方向内側領域、45:連結部材、46:貫通孔、47:半径方向内側領域、50:連結部材、51:貫通孔、52:半径方向内側領域、53:半径方向外側領域、55:凹部、56:凸部、57:係合部

Claims (7)

  1. 外周部に形成された連結部材で相互に結合された隣り合うセグメント鉄心片の側端部を、前記連結部材を折り曲げて、合わせながら、連続した複数の前記セグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層した積層鉄心において、
    前記連結部材の半径方向外側には、該連結部材の折り曲げ時に半径方向外側に形成される半径方向膨出部を該積層鉄心の外側円内に収める凹部切欠きが設けられ、前記連結部材の半径方向内側には、該連結部材の折り曲げ位置を形成する内側切欠きが設けられ、前記連結部材には、該連結部材の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔が設けられていることを特徴とする積層鉄心。
  2. 請求項1記載の積層鉄心において、前記連結部材には、前記貫通孔に連接する薄肉部が形成されていることを特徴とする積層鉄心。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の積層鉄心において、前記貫通孔により形成される前記連結部材の半径方向内側領域の幅W1、及び半径方向外側領域の幅W2のいずれか1又は2を、周方向に渡って同一幅にすることを特徴とする積層鉄心。
  4. 請求項3記載の積層鉄心において、前記連結部材の半径方向内側領域の幅W1を、前記連結部材の半径方向外側領域の幅W2より狭くすることを特徴とする積層鉄心。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層鉄心において、隣り合う前記セグメント鉄心片の側端部を近接配置することを特徴とする積層鉄心。
  6. 複数のセグメント鉄心片同士を、その外周部の連結部材で相互に結合された状態に形成する打抜き工程と、前記連結部材を折り曲げて隣り合う前記セグメント鉄心片の側端部を合わせながら、連続した複数の前記セグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層する環状形成工程とを有する積層鉄心の製造方法において、
    前記打抜き工程の際に、前記連結部材に該連結部材の折り曲げ時に生じる厚み方向の膨出を抑制する貫通孔を形成することを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  7. 請求項6記載の積層鉄心の製造方法において、前記連結部材に、前記貫通孔の形成と同時、形成前、及び形成後のいずれか1で、前記貫通孔に連接する薄肉部を形成することを特徴とする積層鉄心の製造方法。
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