JP2007225444A - 酵素機能電極およびバイオセンサおよび燃料電池 - Google Patents

酵素機能電極およびバイオセンサおよび燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】平面電極に酵素を固定することにより、基質から酵素を介して電極により効率よく電子を伝達することのできる酵素機能電極およびセンサよび燃料電池を提供する。
【解決手段】酵素機能電極は、電極2上に特定の基質Sub−redを酸化する酵素1を備え、基質Sub−redから酵素1を介して電極2に電子を伝達する。酵素1は、シュードモナス・プチダHK5株が有するキノヘムプロテインであるアルコール脱水素酵素typeII由来であるチトクロームC部位1aを含む蛋白質からなるとともに、チトクロームC部位1aのヘム鉄は隣接するアミノ酸とともに外部に向けて露出されている。ヘム鉄と隣接するアミノ酸は、疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸からなって疎水面HPを形成しており、電子はこうしたチトクロームC部位1aを通じて酵素1から電極2に伝達される。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えばアルコール、グルコース等の特定の基質から電子を引き抜く脱水素酵素の特性を利用した酵素機能電極、および該酵素機能電極を利用して上記各基質濃度を測定するバイオセンサ、および上記各基質を燃料として発電する燃料電池に関する。
従来、このような酵素機能電極を利用して例えばアルコール、グルコース等の特定の基質(標的物質)を検知するセンサとして、特にそれら標的物質以外の成分の影響を受け難い利点を有するバイオセンサが各分野で広く利用されている。こうしたバイオセンサとしては、例えばインシュリン療法で血中のグルコース濃度を制御している糖尿病患者に必要とされる血糖値センサ、疲労度の測定に必要とされる乳酸センサ、ワインなどのアルコール飲料や食料品の品質をモニタリングするために用いられるアルコールセンサなどが知られている。
一方、同様に酵素機能電極を利用して例えばグルコースやエタノールなどの基質を燃料として発電するバイオ電池として、例えば体内埋め込み型の電池や、環境負荷の少ない電池等が近年着目されている。こうしたバイオ電池は一般に、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する燃料電池と同様のデバイスであり、
・白金等の貴金属を触媒に用いる必要がない。
・燃料のクロスオーバーによるエネルギー損失が発生しない。
・一酸化炭素等による触媒被毒が発生しない。
・室温稼動など動作条件が穏やかである。
といった多くの利点を有している。
このようなバイオセンサやバイオ電池(燃料電池)に用いられる酵素機能電極に利用される酵素としては、酸素との反応性がないとの理由から脱水素酵素(デヒドロゲナーゼ)が望ましいことが知られている。そして、生物が有する脱水素酵素には、例えばNADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)やNADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)を補因子とするもの、FAD(フラビンアデニンヌクレオチド)を補因子とするもの、FMN(フラビンモノヌクレオチド)を補因子とするもの、PQQ(ピロロキノリンキノン)を補因子とするもの等がある。
このうち、NAD(P)Hを補因子とする酵素を用いる場合、電極からNAD(P)Hが漏れる問題があり、それを防止する目的で、NAD(P)HをPEG(ポリエチレングリコール)等の高分子に固定する試みや、電極上に化学結合で固定する試みが行われてはいるが、それらいずれの場合も得られる電流は極めて小さい。また、NAD(P)Hは電極上で電子を伝達する際に、不可逆性のダイマーになる傾向があることもあり、それが原因で出力が低下するといった不具合も有している。このように、NAD(P)Hを補因子とする酵素は、バイオセンサやバイオ電池に応用する上での信頼性の低下や劣化を招く要因を有している。
そこで近年は、PQQを補因子とする酵素をバイオセンサやバイオ電池の触媒として用いる検討がなされ始めている。このような酵素としては、例えば膜結合型のグルコース脱水素酵素(Acinetobacter calcoaceticus、Gluconobacter suboxydans由来)、可溶性のグルコース脱水素酵素(Acinetobacter calcoaceticus、Erwinia sp.34−1由来)、膜結合型のアルコール脱水素酵素(Gluconobacter sp.33由来)、可溶性のアルコール脱水素酵素(Comamonas testosteroni由来)等がある。
このうち、グルコース脱水素酵素を触媒とする酵素機能電極では、電極と酵素との間の電子授受を可能にする電子メディエータという物質が必要となる。また、アルコール脱水素酵素を触媒とする酵素機能電極でも、上記Comamonas testosteroni由来の可溶性アルコール脱水素酵素を用いたものでは、例えば非特許文献1に見られるように、ポリビニルピリジン骨格にビスビピリジンOs(オスミウム)錯体を付加した高分子メディエータを介して電極に電子伝達するなど、こうした電子メディエータが必要となる。ただし従来は、この電子メディエータとして、p−フェロセニルフェノール、ナフトキノン、ベンゾジアゼピン、高分子Os錯体等、体内に入ると毒性を示すものが多く用いられていることから、近年は、例えば特許文献1に記載されているような無毒の電子メディエータを用いた酵素機能電極も提案されている。そこでは、例えば大腸菌等の生体が合成するチトクロームC、チトクロームb562、チトクロームc551等の電子メディエータが用いられている。またさらに、特許文献2では、例えばComamonas testosteroni由来の可溶性アルコール脱水素酵素のチトクロームC(cytC)ドメイン構造をAcinetobacter calcoaceticus由来の可溶性グルコース脱水素酵素と融合させる手法なども提案している。この手法によれば、上記電子メディエータを用いることなく、グルコースからカーボンペースト電極への直接的な電子伝達の実現が図られるようになる。
国際公開第02/073181号パンフレット 国際公開第05/030807号パンフレット Applied Biochemistry and Biotechnology(アプライド・バイオケミストリー・アンド・バイオテクノロジー) 75(1998) 151−162
ところで、上記酵素機能電極に酵素から電極への電子伝達を可能にする電子メディエータを用いる場合には、電子メディエータの漏れによる出力の低下が懸念されるため、同電極を長時間安定に稼動させることは難しい。また上述のように、従来知られている電子メディエータには毒性を有するものが多く、こうした電子メディエータを用いる酵素機能電極を体内への埋め込み用途等に展開することは安全性の面からも困難である。このため近年は、上記特許文献1に記載されているような、無毒の電子メディエータを用いた電極、あるいは上記特許文献2に記載されているような、電子メディエータを用いずにグルコースを検知するセンサなどが提案されるに至っている。しかし、これらいずれの場合であれ、その電極材料としてカーボンペースト電極が用いられていることから、時間の経過とともに電極内に溶液の浸透が生じたり、カーボンペーストの膨潤による精度の低下が生じたりするおそれがある。しかも、上記無毒の電子メディエータを用いた電極で得られる電流量はせいぜい100〜200nA程度であり、上記電子メディエータを用いないセンサとなると、その得られる電流量も数10nAレベルと、実用上はなお改善の余地を残すものとなっている。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、平面電極に酵素を固定することにより、基質から酵素を介して電極により効率よく電子を伝達することのできる酵素機能電極、および該電極を用いたバイオセンサ、および上記基質を燃料とする燃料電池を提供することを目的とする。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、電極上に特定の基質を酸化する酵素を備え、前記基質から前記酵素を介して前記電極に電子が伝達される酵素機能電極として、前記酵素はチトクロームC部位を含む蛋白質からなって前記電子がこの酵素のチトクロームC部位を通じて前記酵素から前記電極に伝達される電子移動構造を有するとともに、前記チトクロームCのヘム鉄は該ヘム鉄と隣接するアミノ酸とともに外部に向けて露出されており、このヘム鉄と隣接するアミノ酸は、疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸の少なくとも一方からなる構造とした。
酵素機能電極としてのこのような構造によれば、上記チトクロームC部位の外部に露出するヘム鉄周辺に疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸の少なくとも一方からなるアミノ酸が集まることにより、ヘム鉄から電極への電子伝達が円滑に実現されるようになる。また、上記ヘム鉄と疎水性の電極との親和性が高められることによって、電子を放出するヘム鉄を電極面により近づけることができるようにもなる。これにより、従来、酵素から電極への電子伝達に用いられていた電子メディエータを用いずとも、上記酵素から電極に直接電子を伝達することができるようになるため、当該酵素機能電極としての用途も自ずと拡大されるようになる。そして、また、上記チトクロームC部位の表面に疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸の少なくとも一方が集まることによって疎水面が形成されるようになるため、上記酵素を電極表面上で配向制御することも可能となり、酵素機能電極としての出力向上が併せて図られるようになる。
また、こうした構造において、請求項2に記載の発明によるように、前記チトクロームC部位は、シュードモナス・プチダHK5株が有するキノヘムプロテインであるアルコール脱水素酵素typeIIB由来であるとすることが特に有効である。
上記構造では、上記チトクロームC部位として、アルコール脱水素酵素typeIIB(ADHIIB)のチトクロームC部位を用いるようにしているため、上記酵素としてADHIIBをそのまま用いれば、エタノールやブタノールなどのアルコールから電極に電子を伝達させる酵素機能電極を容易に実現することができるようになる。また、チトクロームCを電子受容体とすることのできる各酵素に対しても、上記ADHIIBのチトクロームC部位を結合または混合させることにより、各酵素の基質となる物質から電極に電子を伝達させることも可能となる。さらに、元来チトクロームCを含む各酵素については、該チトクロームC部位を上記ADHIIBのチトクロームC部位と置換することにより、それら各酵素の基質となる物質から電極に電子を伝達させることが可能となる。このように、アルコールだけでなくさまざまな基質を酸化する各種酵素に対して、上記請求項1にかかる構造を適用することが可能となる。
また、これら請求項1または2に記載の構造において、請求項3に記載の発明によるように、前記チトクロームC部位は、
(a)配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる部位を含む蛋白質、および
(b)前記(a)に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ実質的に同等の電子伝達機能を有する蛋白質、
のいずれか一方からなることとすれば、上記チトクロームC部位の外部に露出するヘム鉄周辺に疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸の少なくとも一方からなるアミノ酸が集まりやすくなり、上記請求項1にかかる構造が容易に実現されるようになる。
一方、これら請求項1〜3のいずれかに記載の構造において用いる電極としては、例えば請求項4に記載の発明によるように、
(イ)導電性金属および半導体材料および金属酸化物のいずれかからなる電極。
あるいは請求項5に記載の発明によるように。
(ロ)カーボン紙、カーボンスクリーンプリント、カーボンフェルト、カーボンブラック、カーボンパウダー、カーボンペースト、カーボン繊維、単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブアレイ、グラッシーカーボン、ダイヤモンドコート、メソポーラスカーボングラファイト、多結晶グラファイトおよび熱分解黒鉛のいずれかのカーボン材からなる電極。
等々を採用することができる。
このうち上記(イ)の電極を用いれば、電極表面の形状や構造に制限されることなく、上記酵素からの電子伝達が容易に実現されるようになる。また、上記(ロ)の電極を用いれば、上記チトクロームC部位は、上記カーボン材との間の電子伝達能力に優れているため、従来用いられていたカーボンペーストに加えて、上記電極の形状や構造に制限されることなく多様な種類のカーボン材を電極として用いることができるようになる。このため、時間の経過に伴う溶液の電極内への浸透や電極材の膨潤による精度低下が発生しないカーボン材の選択も可能となり、上記酵素から電極への電子伝達がより円滑に実現されるようになる。また、これらカーボン材のうち、例えばメソポーラスカーボングラファイトを上記電極として用いることにより、多孔質な構造を有する電極が形成され、その内部に上記チトクロームC部位を含む酵素を物理的に固定することが可能となるため、耐熱性や寿命の向上を図ることができるようになる。また、例えばカーボンナノチューブを上記電極として用いることにより、カーボンナノチューブに上記チトクロームC部位を含む酵素を直接固定することが可能となるため、カーボンナノチューブの有する高い比表面積により高い電流密度を確保することができるようになる。
また、これら請求項1〜5のいずれかに記載の構造に関しては、請求項6に記載の発明によるように、前記電極が、疎水性の表面および疎水性の官能基で修飾される表面のいずれかを有することとすれば、上記チトクロームC部位において外部に露出されるヘム鉄の露出部位の周辺は、疎水性アミノ酸や非電荷アミノ酸に覆われているため、疎水性の電極表面に対して上記ヘム鉄がより近づきやすくなり、上記酵素から電極への電子伝達能力がより高められるようになる。また、上記チトクロームC部位の表面に形成される疎水面と上記疎水性の電極表面とが近接することにより、上記酵素の、電極表面上での高い配向制御が可能となるため、酵素機能電極としてのさらなる出力向上が図られるようになる。
一方、これら請求項1〜6のいずれかに記載の構造に関しては、例えば請求項7に記載の発明によるように、
(ハ)前記チトクロームC部位を含む酵素が前記電極の表面に吸着される構造。
あるいは請求項8に記載の発明によるように、
(ニ)前記チトクロームC部位を含む酵素が前記電極中に混合される構造。
あるいは請求項9に記載の発明によるように、
(ホ)前記チトクロームC部位を含む酵素が前記電極の表面の官能基との間に化学結合により固定される構造。
あるいは請求項10に記載の発明によるように、
(ヘ)前記チトクロームC部位を含む酵素が前記電極の表面に結合している電子メディエータにより固定される構造。
等々の構造を採用することもできる。これらいずれの構造によっても、上記チトクロームC部位が電極表面に直接固定されることで配向性がさらに高められるようになる。すなわち、上記酵素から電極への電子伝達がより安定且つ容易に実現されるようになり、酵素機能電極としてのさらなる出力向上が図られるようになる。
また、これら請求項1〜10のいずれかに記載の構造に関しては、請求項11に記載の発明によるように、前記チトクロームC部位を含む酵素は、イオン導電性を有する膜およびゲル状物質のいずれかにより保護されることとすれば、上記酵素から電極に電子を伝達する反応と、上記酵素からプロトンが放出される反応とが両立されるため、上述した電子伝達が実現できる。さらに、これら保護膜により、電極からの酵素の離脱が抑えられ、安定した出力を維持することが可能となる。
一方、これら請求項1〜11のいずれかに記載の酵素機能電極に関しては、例えば請求項12に記載の発明によるように、同酵素機能電極を通じて前記基質の濃度を測定するバイオセンサに採用することが特に有用である。
バイオセンサとしてのこのような構造によれば、上記酵素機能電極に用いられる酵素により酸化される上記基質の濃度を的確に測定することのできるセンサを実現することができる。すなわち、上記チトクロームC部位の酸化還元電位よりも正側の電位を上記電極に与えることにより、上記基質から酵素を介して電極に電子が伝達されることで得られる電流値として、上記基質の濃度が検知されるようになる。
また、同じく請求項1〜11のいずれかに記載の酵素機能電極に関しては、例えば請求項13に記載の発明によるように、同酵素機能電極からなるアノード極と、酸素に電子を伝達することのできる触媒および酵素のいずれかを保持するカソード極とを備え、前記アノード極と前記カソード極とが電気的に結合されるとともに、それら各電極間がイオン導電性を有する物質で隔てられる燃料電池に採用することも有用である。
燃料電池(バイオ電池)としてのこのような構造によれば、上記酵素機能電極に用いられる酵素により酸化される上記基質を燃料として発電する燃料電池として、より発電能力の高い電池を安定して実現することができる。
以下、バイオセンサあるいは燃料電池(バイオ電池)に採用される電極として望ましいこの発明にかかる酵素機能電極の一実施の形態について、図1〜図6を参照して説明する。
この実施の形態にかかる酵素機能電極は、特定の基質(標的物質)を酸化する脱水素酵素を触媒として、上記基質から電極へと電子を伝達するものである。
図1は、この実施の形態にかかる酵素機能電極の構造の一例を模式的に示したものである。同図1に示されるように、この酵素機能電極では、特定の基質Sub−redを酸化する酵素1が電極2の表面に固定されており、この酵素1が基質Sub−redを酸化することにより同基質Sub−redから電子(e)が引き抜かれて基質Sub−oxが得られるとともに、上記酵素1が還元されることにより同酵素1から電極2に電子が伝達される。この酵素1は、例えばPseudomonas putida(シュードモナス・プチダ)HK5株由来のキノヘムプロテインであるアルコール脱水素酵素typeIIB(ADHIIB)のチトクロームC部位1aを含む蛋白質からなる。そしてここでは、上記酵素1から電極2への電子の伝達はこのチトクロームC部位1aを介して行われる電子移動構造となる。またここで、上記チトクロームC部位1aは、電子を放出する能力を有するヘム鉄が隣接するアミノ酸とともに外部に向けて露出する構造を有している。そして、これらヘム鉄に隣接するアミノ酸は、疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸のみからなっており、上記チトクロームC部位1aの表面にはいわば疎水面HPが形成されている。すなわち、この疎水面HPが上述した電極2の表面に近接している。これにより、上記ヘム鉄と電極面との親和性が高められるとともに、同ヘム鉄を電極面に近づけることができるようになるため、上記チトクロームC部位1aから電極2に直接電子を伝達することが可能になる。
上記酵素機能電極で検知することのできる基質Sub−redとしては、例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、1、2−プロパンジオール等のアルコール、グルコース、ギ酸、乳酸、硝酸、ピルビン酸、NADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)およびNADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)等が挙げられる。そして、これら各基質Sub−redを酸化する酵素としては、チトクロームC部位1aを含む酵素1であって、特に酸素との反応性がない脱水素酵素(デヒドロゲナーゼ)を用いることが好ましい。上記酵素1として、チトクロームC部位を電子受容体とすることのできる酵素を用いる場合には、こうした各酵素に対して上記ADHIIBのチトクロームC部位1aを結合または混合させることにより、上記各酵素1の基質Sub−redから電極2に電子を伝達する酵素機能電極を得ることができる。このような酵素としては、例えばグルコース脱水素酵素(PQQ補酵素型、EC1.1.5.2)、メタノール脱水素酵素(PQQ補酵素型、EC.1.1.99.8)、アルコール脱水素酵素typeI(PQQ補酵素型、EC.1.1.99.8)、ギ酸脱水素酵素(EC.1.1.2.3)、乳酸脱水素酵素(EC.1.1.2.3)、グリシン脱水素酵素(EC.1.4.2.1)、NADPH−シトクローム還元酵素(EC.1.6.2.4)、NADH脱水素酵素(EC.1.6.99.3)およびピルビン酸脱水素酵素(EC.1.2.2.2)等が挙げられる。また、上記酵素1として、元来、酵素内にチトクロームC部位を有する酵素を用いる場合には、上記チトクロームC部位を上記ADHIIBのチトクロームC部位1aと置き換えることにより、それら各酵素の基質Sub−redから電極2に電子を伝達する酵素機能電極を得ることができる。このような酵素1としては、例えばPQQを補因子とするアルコール脱水素酵素(TypeIIおよびTypeIII)、ソルビトール脱水素酵素およびブタノール脱水素酵素等が挙げられる。また、上記酵素1としては、ADHIIBそのものを用いることもできる。なお、このADHIIBは、例えばPQQ(ピロロキノリンキノン)を補因子とする酵素であり、上記酵素1として用いる場合には、エタノールやブタノールなどのアルコールを基質とする酵素機能電極が容易に得られるようになる。
図2(a)は、上記ADHIIBをモデリングした立体構造を示したものであり、図2(b)および(c)は同図2(a)に示されるADHIIBのチトクロームC部位1aにおけるヘム鉄周辺領域を拡大して示している。またここでは、比較のために、上記ADHIIBと同じくPseudomonas putidaHK5株由来のキノヘムプロテインであるアルコール脱水素酵素(ADHIIG)の立体構造についても、同図2(a)〜(c)に対応するかたちで図3(a)〜(c)に併せて示している。このADHIIGも、その内部にチトクロームC部位を有する構造からなる。なお、これら2つの脱水素酵素は、上記ADHIIBはブタノールで誘導される構造であるのに対して、上記ADHIIGは1、2−プロパンジオールで誘導される構造からなり、それぞれ反応する基質に違いがあるものの、それら立体構造は類似している。
具体的には、図2(a)〜(c)に示されるADHIIBのチトクロームC部位1aは配列番号1で表されるアミノ酸配列からなり、特にその前後のリンカー配列を含めると、例えば配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる。また、図3(a)〜(c)に示されるADHIIGのチトクロームC部位1bは配列番号3で表されるアミノ酸配列からなる。ここで、これらADHIIBおよびADHIIGの電極への定電位測定を行ったところ、ADHIIBではアルコールの酸化電流が得られるのに対して、ADHIIGではこうした酸化電流が得られないことが発明者らにより確認されている。そして、図2(b)および図3(b)を比較すると、上記図2(b)に示すADHIIBのヘム鉄hemのほうが、図3(b)に示すADHIIGのヘム鉄hemよりも外部に向けて露出する構造となっており、また図2(c)および図3(c)を比較すると、それぞれのヘム鉄hemに隣接するアミノ酸の種類が異なっている。なお、ここでこれら図2(c)および図3(c)中に示すアルファベットはアミノ酸の種類を一文字表記により示したものである。
次に、図4(a)および(b)は、これらADHIIBおよびADHIIGのチトクロームC部位を構成するアミノ酸配列を一文字表記により示したものである。また、図4(c)は、さらに比較例として、従来知られているComamonas testosteroni由来の脱水素酵素(QHADH)のチトクロームC部位を構成するアミノ酸配列を一文字表記により示したものである。なお、このQHADHのチトクロームC部位は配列番号4で表されるアミノ酸配列からなる。そして、図4(a)〜(c)では、各チトクロームC部位のアミノ酸配列のうち、外部に向けて露出するヘム鉄に隣接するアミノ酸を枠内に囲んで示している。さらに、図4(d)は、図4(a)〜(c)の枠内で囲まれるアミノ酸について、その特性一覧を示している。
まず図4(a)および(d)に示されるように、ADHIIBのチトクロームC部位1a(図2)において外部に向けて露出するヘム鉄hem(図2)に隣接するアミノ酸は、疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸のみからなる。これに対して、図4(b)および(d)に示されるように、ADHIIGのチトクロームC部位において外部に向けて露出するヘム鉄hem(図3)に隣接するアミノ酸は、疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸に加えて、正電荷アミノ酸および負電荷アミノ酸、すなわち親水性アミノ酸を含んでいる。また、図4(c)および(d)に示されるように、QHADHのチトクロームC部位において、外部に向けて露出するヘム鉄に隣接するアミノ酸も、疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸に加えて、正電荷アミノ酸および負電荷アミノ酸を含んでいる。以上3つの脱水素酵素を比較すると、この実施の形態にかかる酵素機能電極に用いられるADHIIBのチトクロームC部位1aは、ヘム鉄hemが外部に対してより露出する構造からなるとともに、同ヘム鉄hemに隣接するアミノ酸が疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸からなっていることがわかる。これにより、上記チトクロームC部位1aの表面には、より疎水性の高い疎水面HP(図1)が形成されて、この疎水面HPが電極2(図1)の表面に近づきやすくなることから、上記ヘム鉄hemから電極2への電子伝達能力も自ずと高められるようになる。
なお、上記チトクロームC部位1aとしては、ADHIIBのチトクロームC部位1aの他、配列番号1に表されるアミノ酸配列を含んで構成される蛋白質を用いることもできる。また、ヘム鉄hemを保持できるチトクロームC部位としての電子伝達機能を有するものであれば、図4(a)に示すアミノ酸配列のうち1もしくはそれ以上のアミノ酸配列が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含んで構成される蛋白質を用いることもできる。
一方、上記電極2としては、例えばカーボン材、導電性金属、半導体材料および金属酸化物などを用いることができる。要は、電極表面の形状や構造に制限されることなく、導電性のある物質なら全てのものを電極材として用いることができる。このうち、特に好ましいものはカーボン材である。このようなカーボン材としては、例えばカーボン紙、(カーボンスクリーンプリント電極)、カーボンフェルト、カーボンブラック、カーボンパウダー、カーボンペースト、カーボン繊維、単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブアレイ、グラッシーカーボン、ダイヤモンドコート、メソポーラスカーボングラファイト、多結晶グラファイトおよび熱分解黒鉛、等が挙げられる。またこのうち、特にメソポーラスカーボングラファイト等の多孔質な構造を有する電極を用いる場合には、その多孔質内部にADHIIBのチトクロームC部位を含む酵素を物理的に固定することができるため、電極2としての耐熱性や寿命の向上を図ることが可能となる。また、カーボンナノチューブを含む電極を用いる場合には、カーボンナノチューブにADHIIBのチトクロームC部位1aを含む酵素を直接固定することができるため、同カーボンナノチューブの有する高い比表面積により高い電流密度を確保することが可能となる。
また、上記電極2の表面は疎水性であるか、疎水性の官能基で修飾されているとする。こうした構造により、上述したADHIIBのチトクロームC部位1aに形成される疎水面HPと上記疎水性の電極2表面とが近づきやすくなるため、上記チトクロームC部位1aから外部に向けて露出するヘム鉄hemと電極2表面とが近づきやすくなる。
図5は、このようにADHIIBのチトクロームC部位1aが配置される電極2の表面での配向制御態様について模式的に示したものである。ここでは電極2としてグラッシーカーボンからなる平面電極を用いている。上述したように、上記チトクロームC部位1aに疎水面HPが形成されていることに加えて、上記電極2表面も疎水性であることから、これら疎水面が近接し、電極2表面上では、同図5に示される態様で、酵素1の配向制御が可能となる。これに対して、例えば従来知られているComamonas testosteroni由来の脱水素酵素(QHADH)が固定されるカーボンペースト電極においては、これら酵素が電極内に固定されているために、同酵素は配向制御されておらず、また、電極表面に露出している酵素数も少なくなる。こうした電極構造の違いから、従来の酵素機能電極ではせいぜい60nA程度の電流量しか得られなかったのに対して、この実施の形態にかかる酵素機能電極では3000nA以上の電流量が得られるようになることが発明者らによって確認されている。すなわち、上記酵素1から電極2への電子伝達能力が大幅に高められるようになる。
一方、こうした酵素機能電極では、より厳密には上記チトクロームC部位1aを含む酵素1が電極2に固定されている。図6(a)〜(d)は、それぞれ表面に酵素1が固定される電極2の断面構造を模式的に示したものである。
すなわち、図6(a)に示されるように、ADHIIBのチトクロームC部位1aを含む酵素1が電極2表面、例えば電極2中の電極孔3内に物理的に吸着されている状態の他、電極2表面上にゲル状物質で固定されている構造、電極2表面を被膜する高分子の中に物理的に固定されている構造、および電極2表面上のポテンシャル場にしたがって物理的に吸着している構造等を採用することができる。
また、図6(b)に示されるように、ADHIIBのチトクロームC部位1aを含む酵素1が、パウダー状に加工された例えばカーボンペースト電極2aからなる電極材の中に混合されているようにしてもよい。ここでパウダー粒子の大きさは特に制限されるものではなく、パウダー間をバインダーで固めた電極、パウダー間にリン脂質等を含ませて酵素の流動性を持たせた電極等、パウダー間に入れる物質も特に制限されるものではない。
また、図6(c)に示されるように、ADHIIBのチトクロームC部位1aを含む酵素1が、電極2表面の官能基と架橋剤4による化学結合を通じて固定されるようにしてもよい。上記電極2表面の官能基としては、例えばアミノ基、チオール基、カルボニル基および水酸基等が挙げられ、特に同官能基の鎖長は短いほど好ましい。また、上記架橋剤4としては、例えば水溶性カルボニルイミド、グルタルアルデヒド、ポリエチレングリコール・ジグリシジル・エステル、ジメチルピメミリデイトおよびジメチルスベリミデイト等が挙げられる。
また、図6(d)に示されるように、ADHIIBのチトクロームC部位1aを含む酵素1が、電極2表面に結合している電子メディエータ5により固定されるようにしてもよい。上記電子メディエータ5としては、例えばキノン類や各種シアン錯体などを用いることができ、これら電子メディエータ5と上記電極2とは固定されていることが好ましい。
なお、これら図6(a)〜(d)に示される電極構造においては、これら各図に示されるように、上記電極2表面がさらにイオン導電性を有するゲル状物質からなる保護材6で保護されている。この保護材6としては、ゲル状物質以外に適宜の膜材等も使用することができる。ちなみにこうした膜材やゲル状物質としては、例えば、陽イオンを含むナフィオン樹脂(商品名、Du Pont社製)、光架橋性のスチルバゾリウム化ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、アガロースゲル、アルギン酸ゲルおよびアクリルアミドゲル等が挙げられる。そして、こうした膜材やゲル状物質にイオン化物を適当な割合で混合することにより、上記酵素1から電極2に電子を伝達する反応と、上記電極2がプロトンを放出する反応とが両立することが可能となるため、上記酵素1から電極2への電子伝達が実現できる。これら保護膜により、電極からの酵素の離脱が抑えられ、安定した出力を維持することが可能となる。
一方、図7は、このような酵素機能電極が用いられる3電極式の電気化学測定用セルの構造を模式的に示したものである。同図7に示されるように、このセルは、作用電極W、参照電極Rおよび対極Aから構成されており、このうち作用電極Wとしては、例えば上述したグラッシーカーボン電極にADHIIBが固定された電極が用いられている。また、参照電極Rとしては、例えばAg/AgCl(銀/塩化銀)電極が用いられており、また対極Aとしては白金電極が用いられている。このようなセルにおいては、上記作用電極Wに電圧が加えられると同電極表面にて酸化還元反応が起こり、その印加電圧が参照電極Rの電位の基準とされて、電位制御回路によりその電位が制御される。ここで、セル中に基質として例えば一定濃度のエタノールが加えられると、上記作用電極Wおよび対極A間にエタノールの酸化電流が流れ、電流測定回路にてその電流値が測定される。
図8は、こうした原理のもとに上記酵素機能電極を利用して上記基質濃度を検知するバイオセンサの一例を模式的に示したものである。同図8に示されるように、このセンサも、図7に例示したセルと同様、作用電極W、参照電極Rおよび対極Aを備えている。また、作用電極Wとしても、先のセルと同様にグラッシーカーボン電極にADHIIBが固定された電極が用いられている。ここで、セルCe中に基質として例えばエタノールを添加し、その添加量を段階的に増やしていくと、エタノール濃度の増加に伴って電流値の上昇が観察される。このように、作用電極Wとして上記ADHIIBが固定される電極を用いることにより、電子メディエータなしでも基質濃度を測定可能なバイオセンサを得ることができる。
また、図9は、上記酵素機能電極を利用して検知される基質を燃料として発電する燃料電池の一例を模式的に示したものである。同図9に示されるように、この燃料電池は、大きくは、燃料供給タンク10から燃料が供給される燃料拡散電極(アノード極)11と、空気供給タンク20から空気が供給される空気拡散電極(カソード極)21とを有して構成されている。また、これらアノード極11とカソード極21との間には電解質膜13が充填されている。そして、アノード極11の電解質膜13側には酵素担持面12が形成されており、カソード極21の電解質膜13側には触媒担持面22が形成されている。ここで、上記アノード極11としては、例えばグラッシーカーボン電極が用いられるとともに、その酵素担持面12には上記ADHIIBが固定されている。また、上記カソード極21としては白金電極が用いられているとともに、その触媒担持面22にも白金が固定されている。
このような燃料電池において、燃料として基質であるエタノールが供給されると、上記アノード極11ではエタノールがADHIIBにより酸化されることで水素が発生するとともに酸化還元反応電流が得られ、上記カソード極21では供給される空気(酸素)と電解質膜13を通じて得られる水素との反応により水が生成される。すなわち、上記基質を燃料とした発電が行われるようになる。なお、上記カソード極21の触媒担持面22に固定される触媒としては、上記白金以外にも、例えばビリルビンオキシダーゼ酵素、ペルオキシターゼ酵素、およびその他酸素の還元を実現する錯体触媒等を用いることができる。
以上説明したように、この実施の形態にかかる酵素機能電極、さらには該酵素機能電極を利用したバイオセンサあるいは燃料電池によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)酵素1はシュードモナス・プチダHK5株が有するキノヘムプロテインであるアルコール脱水素酵素typeIIB由来のチトクロームC部位1aを含む蛋白質からなり、同チトクロームC部位1aのヘム鉄hemがアミノ酸とともに外部に向けて露出されており、上記ヘム鉄hemと隣接するアミノ酸が、疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸のみからなることとした。これにより、チトクロームC部位1aの外部に露出するヘム鉄hem周辺に疎水性アミノ酸または極性非電荷アミノ酸からなるアミノ酸が集まることにより、ヘム鉄hemから電極2への電子伝達が円滑に実現されるようになる。また、上記ヘム鉄hemと疎水性の電極との親和性が高められるため、電子を放出するヘム鉄hemを電極面により近づけることができるようになる。さらに、従来酵素1から電極2への電子伝達に用いられていた電子メディエータを用いることなく上記酵素1から電極2に直接電子を伝達することができるようになるため、例えば当該酵素機能電極を体内に埋め込むことができる等、その用途も自ずと拡大されるようになる。また、上記チトクロームC部位1aの表面に疎水性アミノ酸または極性非電荷アミノ酸が集まることにより疎水面HPが形成されるようになるため、上記酵素1を電極2表面上で配向制御することも可能となり、酵素機能電極としての出力向上が図られるようにもなる。
(2)上記電極2は、導電性金属および半導体材料および金属酸化物および各種カーボン材のいずれかからなることとした。これにより、上記電極2表面の形状や構造に制限されることもないため、例えば電極2への溶液の浸透が発生しにくく、出力低下の発生が抑制される材料を選択することも可能となる。また、特にカーボン材を電極2として用いれば、上記ADHIIBのチトクロームC部位1aはカーボン材との間の電子伝達能力に優れているためより酵素1から電極2への電子伝達がより円滑に実現されるようにもなる。
(3)上記電極2表面は、疎水性であるか、あるいは疎水性の官能基で修飾されているとした。これにより、上記ADHIIBのチトクロームC部位1aにおいて外部に露出されるヘム鉄の露出部位の周辺が、疎水性アミノ酸や非電荷アミノ酸に覆われるようになる。すなわち、疎水性の電極2表面に対して上記ヘム鉄がより近づきやすくなり、上記酵素1から電極2への電子伝達能力がより高められるようになる。また、上記チトクロームC部位1aの表面に形成される疎水面HPと上記疎水性の電極2表面とが近接することにより、上記酵素1の、電極2表面上でのより高い配向制御が可能となるため、酵素機能電極としてのさらなる出力向上が図られるようになる。
(4)チトクロームC部位1aを含む酵素1は、上記電極2の表面または電極材中に直接固定されるようにした。これにより、上記酵素1から電極2への電子伝達が安定且つ容易に実現されるようになるため、酵素機能電極としての高い出力が得られるようになる。
(5)チトクロームC部位1aを含む酵素1は、イオン導電性を有する膜、あるいはゲル状物質からなる保護材6により保護されるようにした。これにより、上記酵素1から電極2に電子を伝達する反応と、上記酵素1からプロトンが放出される反応とが両立されるため、上記電子伝達が実現できる。また、これら保護膜により、電極からの酵素の離脱が抑えられ、安定した出力を維持することが可能となる。
(6)上記酵素機能電極を通じて基質Sub−redの濃度を測定するバイオセンサを構成することとすれば、酵素機能電極に用いられる酵素により酸化される上記基質Sub−redの濃度を的確に測定することのできるセンサを実現することができる。すなわち、上記ADHIIB由来のチトクロームC部位1aの酸化還元電位よりも正側の電位を上記電極に与えることにより、上記酵素1により基質Sub−redから電子が伝達されるときに、得られる電流値として上記基質Sub−redの濃度が検知されるようになる。
(7)上記酵素機能電極からなるアノード極11と、酵素1に電子を伝達することのできる触媒および酵素のいずれかを保持するカソード極21とを備え、前記アノード極11と前記カソード極21とを電気的に結合するとともに、それら各電極間をイオン導電性を有する物質で隔てる燃料電池を構成することもできる。これにより、酵素機能電極に用いられる酵素1により酸化される上記基質Sub−redを燃料として発電する燃料電池として、より発電能力の高い電池を安定して実現することができる。
以下に、実施例を挙げてこの発明を具体的に説明する。ただし、下記の実施例はこの発明を例示するだけであって、この発明の範囲を限定するものではない。
(ADHIIBの調整方法)
2g/L(グラム/リットル)の硝酸ナトリウム、2g/Lの硫酸アンモニウム、2g/Lのリン酸一水素カリウム、1g/Lのリン酸二水素カリウム、0.2g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、0.5g/Lの酵母エキスを含む培地(pH7.0)に、炭素源としてn−ブタノールを数回に分けて終濃度0.3%になるまで添加した。そして、この培地にてシュードモナス・プチダHK5株を30℃にて、定常期の初期まで培養した。この培養菌体を遠心分離により回収し、氷冷水で2回洗浄した後、50mM(ミリモル/リットル)リン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄し、20mL(ミリリットル)の50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に湿菌体1gを懸濁させ、30℃で2時間インキュベートした。その後、上記菌体を再度回収し、50mMトリス緩衝液(pH8.0)で2回洗浄した後、50mMトリス緩衝液(pH8.0)4mLで再懸濁させ、フレンチプレスにて16,000lb/in(ポンド/平方インチ)、4℃下の条件で細胞を破壊させた。こうして破壊された細胞を100,000g、90分で遠心処理をし、上清に可溶性画分を回収し、この可溶性画分を、10mMの塩化カルシウムを含む50mMトリス緩衝液(pH7.9)で予め平衡化したDEAE−セルロースカラム(5by18cm)にアプライした。ここで得られるADHIIBはカラムに吸着しないため、同じ緩衝液にて溶出されてきたアルコール還元活性のある画分を回収した。この活性画分に硫酸アンモニウムを30%濃度になるように加え、遠心処理にて沈殿蛋白を除去した。ここで得られたADHIIBを含む遠心の上清を、30%の硫酸アンモニウムを含む50mMトリス緩衝液(pH8.0)で予め平衡化したDEAE−Toyopearlカラム(東ソー社製)にアプライした。そして、20%の硫酸アンモニウムを含むトリス緩衝液(pH8.0)のネガティブ濃度勾配(50mM−10mM)により、カラムから溶出されてくる活性画分を回収した。この活性画分を限外濾過膜で濃縮した後、10mMトリス緩衝液(pH8.5)で透析し、この透析した活性画分を、10mMトリス緩衝液(pH8.5)で予め平衡化したDEAE−Toyopearlカラムにアプライした。そして、ADHIIBをカラムに吸着させた後、50mMトリス緩衝液(pH8.0)への濃度勾配をかけることで、活性画分を溶出した。次いで、この活性画分を限外濾過膜で濃縮した後、Superdex S−200カラム(Pharmacia社製)にアプライし、50mMトリス緩衝液(pH8.0)で溶出してくる活性画分を回収した後、280nm(ナノメートル)と420nmにおける吸光度を測定することで、精製酵素として実験に使用した。
(ADHIIB溶液のGC(グラッシーカーボン)電極へのDET(Direct Electron Transfer:ダイレクト・エレクトロン・トランスファー)試験)
図10(a)および(b)はDET試験に用いられる電極の側面構造および平面構造をそれぞれ模式的に示したものである。同図10に示されるように、まず電極を構成する導
電体としてφ3mmのグラッシーカーボン電極30を用意し、その上面にゴムパッキン31を取り付けた後、さらにその上部に1mg/mLのADHIIBおよび10mM塩化カルシウムを含む50mMトリス緩衝液(pH7.7)を20μL(マイクロリットル)のせ、これを市販の透析膜(MWCO:25000)32で覆って固定した。そしてこの電極を、先の図7に示したような3極式の電気化学測定セルに用いた。具体的には、15mLの10mM塩化カルシウムを含む50mMトリス緩衝液(pH7.7)中に浸し、上記グラッシーカーボン電極30を作用電極とするとともに、対極に白金電極、参照電極に銀/塩化銀電極を用いて、400mV(vs銀/塩化銀電極)の定電位測定を行った。電流値が一定になったところで、0.1%のエタノールを加え、エタノールの酸化電流を観察した。図11は、時間の経過に伴うこのエタノールの酸化電流の変化をグラフで示したものである。同図11に示されるように、エタノール添加直後からエタノールの酸化電流が増加し、約690nAの酸化電流が観察された。
次に、上記グラッシーカーボン電極の表面をエチレンジアミン処理したものと酸化処理したものとをそれぞれ準備して同様の試験を行った。このうちエチレンジアミン処理は、0.1mM塩化リチウムと1mMエチレンジアミンを含むエタノール溶液中にグラッシーカーボン電極を浸し、0〜1400mV(vs銀/塩化銀電極)の間で20mV/s(ミリボルト/秒)の掃引速度でサイクリックボルタンメトリ(CV、電位走査法)にて電位掃引することにより行った。これにより電極表面に正の電荷を有するアミノ基(NH基)を持つ電極が得られた。一方、酸化処理は、10%硝酸中にグラッシーカーボン電極を浸して、2.2V(vs銀/塩化銀電極)の定電位を5秒間かけたもので、電極表面に負の電荷を有する水酸基(OH基)を持つ電極が得られた。こうして得られた各々の電極を用いた場合の400mV(vs銀/塩化銀電極)の定電位測定において観察された酸化電流の値は図12に示されるようになる。同図12には、比較のためにこれら電極表面が処理されない場合のグラッシーカーボン(GC)電極の定電位測定の結果を併せて示している。同図12に示されるように、いずれの修飾処理を施した電極においても酸化電流が観察されたが、アミノ基や水酸基等により電極表面が親水化されることにより、その電流値が低くなる傾向が観察された。この結果により、先に説明したチトクロームC部位の露出するヘム鉄に隣接するアミノ酸が疎水性アミノ酸および非電荷アミノ酸からなるADHIIBと、同アミノ酸が親水性アミノ酸からなるADHIIGとのアミノ酸構造との違いが、グラッシーカーボン電極へのDET能力に大きな影響を及ぼしていることが推測される。
(電極に固定したADHIIBのセンサ機能評価)
表面をエチレンジアミン処理したグラッシーカーボン電極(φ3mm)に、1mg/mL(ミリグラム/ミリリットル)のADHIIB溶液5μL、1ポリL−リジン、1%ポリスチレンスルホン酸、0.125%グルタルアルデヒド溶液を各1μLずつのせて、30℃で4時間、酵素の固定をおこなった。このADHIIBを固定した電極を作用電極として、15mLの10mM塩化カルシウムを含む50mMトリス緩衝液(pH7.7)中に浸し、対極に白金電極、参照電極に銀/塩化銀電極を用い、具体的には、0〜0.4V(vs銀/塩化銀電極)の間で50mV/sの掃引速度で電位掃引する条件でCV測定を行った。図13は、このCV測定の結果を示したものであり、作用電極の電位を順方向に掃引したときの酸化電流曲線L1および逆方向に掃引したときの還元電流曲線L2を示している。同図13に示されるように、ADHIIBの酸化還元電流はヒステリシスを有するかたちで観察される。そして、その酸化還元電位は一般に、酸化時および還元時におけるピーク電流値の平均値として算出され、上記測定の結果、270mV(vs銀/塩化銀電極)であった。ここで、酸素が水に還元される電位が約1V(vs銀/塩化銀電極)であることから、ADHIIBをアノード極、酸素を水に還元する白金をカソード極とする電池を構成することにより、700mV(vs銀/塩化銀電極)の開放電位を有する燃料電池を得ることができた。
次に、このADHIIBが固定された酵素機能電極を用いて、400mV(vs銀/塩化銀電極)の定電位測定を実施した。ここで、添加するエタノール量を、その濃度が0.15mMから8.7mMとなるまで段階的に増やしていき、各々のエタノール濃度に対する電流値をプロットして、その結果を図14に示した。同図14に示されるように、エタノール濃度の増加に伴って電流値の上昇が観察され、3000nAを越える電流値が得られるようになり、バイオセンサとして十分に機能することが確認された。
(その他の実施の形態)
なお、この発明にかかる酵素機能電極およびバイオセンサおよび燃料電池は、上記実施の形態として示した構成に限らず、これらを適宜変更した、以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施の形態では、上記チトクロームC部位のヘム鉄とともに外部に露出する上記ヘム鉄と隣接するアミノ酸が、疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸からなることとしたが、このアミノ酸が疎水性アミノ酸または極性非電荷アミノ酸のいずれか一方からなる構造であってもよい。要は、上記ヘム鉄と電極との親和性が確保され、ヘム鉄から電極への円滑な電子伝達が行われるものであればよい。
・上記実施の形態では、酵素1がシュードモナス・プチダHK5株由来のキノヘムプロテインであるアルコール脱水素酵素typeIIB(ADHIIB)のチトクロームC部位1aを含む蛋白質からなることとした。しかしながら、上記チトクロームC部位として、電子を放出する能力を有するヘム鉄が隣接するアミノ酸とともに外部に向けて露出する構造を有しており、このアミノ酸が疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸の少なくとも一方からなるものを用いることもできる。要は、上記チトクロームC部位を介して基質から直接電極に電子伝達が行われる構造であればよい。
・上記実施の形態では、上記酵素1としてADHIIBが固定された酵素機能電極をバイオセンサあるいは燃料電池に適用することとしたが、上記酵素1は、ADHIIBのチトクロームC部位を有するものであればよく、チトクロームCを電子受容体とする酵素に上記チトクロームC部位を結合または混合して得られた酵素等を用いることもできる。また、上記酵素1としては、ADHIIBに代えて、チトクロームC部位を含む蛋白質を有し、かつ同チトクロームC部位のヘム鉄が隣接するアミノ酸とともに外部に向けて露出しており、同アミノ酸が疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸の少なくとも一方からなる酵素を採用することもできる。これにより、上記実施の形態で例示したアルコール以外を基質とする酵素機能電極が得られ、同酵素機能電極を、上記基質となる物質を検知するバイオセンサ、および上記基質を燃料とする燃料電池にも適用することができる。
この発明にかかる酵素機能電極の一実施の形態についてその構造例を模式的に示す図。 (a)〜(c)はADHIIBの立体構造をモデリングして示す図。 (a)〜(c)はADHIIGの立体構造をモデリングして示す図。 (a)〜(c)は各酵素のチトクロームC部位のアミノ酸配列を示す図、(d)は各酵素を構成するアミノ酸の特性一覧を示す図。 ADHIIBの配向制御態様を模式的に示す図。 (a)〜(d)はそれぞれ酵素の電極への固定態様を模式的に示した断面略図。 同実施の形態にかかる酵素機能電極が適用される3極式電気化学セルの構造を模式的に示す略図。 同実施の形態にかかる酵素機能電極が適用されるバイオセンサの構造を模式的に示す平面図。 同実施の形態にかかる酵素機能電極が適用される燃料電池の構造を模式的に示す略図。 (a)は同実施の形態にかかる酵素機能電極の構造を模式的に示す側面図、(b)は同実施の形態にかかる酵素機能電極の構造を模式的に示す平面図。 同実施の形態にかかる実施例として酵素溶液から電極へのDET試験の結果を示すグラフ。 同実施の形態にかかる実施例として電極表面処理方法と電流値との関係を示すグラフ。 同実施の形態にかかる実施例として電極に固定した酵素のCV測定の結果を示すグラフ。 同実施の形態にかかる実施例として基質濃度と電流値との関係を示すグラフ。
符号の説明
1、…酵素、1a…チトクロームC部位、2、2a…電極、3…電極孔、4…架橋剤、5…電子メディエータ、6…保護材、10…燃料供給タンク、11…アノード極、12…酵素担持面、13…電解質膜、20…空気供給タンク、21…カソード極、22…触媒担持面、30…グラッシーカーボン電極、31…ゴムパッキン、32…透析膜、Sub−red、Sub−ox…基質、Ce…セル。

Claims (13)

  1. 電極上に特定の基質を酸化する酵素を備え、前記基質から前記酵素を介して前記電極に電子が伝達される酵素機能電極であって、
    前記酵素はチトクロームC部位を含む蛋白質からなって前記電子がこの酵素のチトクロームC部位を通じて前記酵素から前記電極に伝達される電子移動構造を有するとともに、前記チトクロームCのヘム鉄は該ヘム鉄と隣接するアミノ酸とともに外部に向けて露出されてなり、このヘム鉄と隣接するアミノ酸は、疎水性アミノ酸および極性非電荷アミノ酸の少なくとも一方からなる
    ことを特徴とする酵素機能電極。
  2. 前記チトクロームC部位は、シュードモナス・プチダHK5株が有するキノヘムプロテインであるアルコール脱水素酵素typeIIB由来である
    請求項1に記載の酵素機能電極。
  3. 前記チトクロームC部位は、
    (a)配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる部位を含む蛋白質、および
    (b)前記(a)に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ実質的に同等の電子伝達機能を有する蛋白質、のいずれか一方からなる
    請求項1または2に記載の酵素機能電極。
  4. 前記電極は、導電性金属および半導体材料および金属酸化物のいずれかからなる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の酵素機能電極。
  5. 前記電極は、カーボン紙、カーボンスクリーンプリント、カーボンフェルト、カーボンブラック、カーボンパウダー、カーボンペースト、カーボン繊維、単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブアレイ、グラッシーカーボン、ダイヤモンドコート、メソポーラスカーボングラファイト、多結晶グラファイトおよび熱分解黒鉛のいずれかのカーボン材からなる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の酵素機能電極。
  6. 前記電極は、疎水性の表面および疎水性の官能基で修飾される表面のいずれかを有してなる
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の酵素機能電極。
  7. 前記チトクロームC部位を含む酵素は、前記電極の表面に吸着されてなる
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の酵素機能電極。
  8. 前記チトクロームC部位を含む酵素は、前記電極中に混合されてなる
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の酵素機能電極。
  9. 前記チトクロームC部位を含む酵素は、前記電極の表面の官能基との間に化学結合により固定されてなる
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の酵素機能電極。
  10. 前記チトクロームC部位を含む酵素は、前記電極の表面に結合している電子メディエータにより固定されてなる
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の酵素機能電極。
  11. 前記チトクロームC部位を含む酵素は、イオン導電性を有する膜およびゲル状物質のいずれかにより保護されてなる
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の酵素機能電極。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の酵素機能電極を通じて前記基質の濃度を測定するバイオセンサ。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の酵素機能電極からなるアノード極と、酸素に電子を伝達することのできる触媒および酵素のいずれかを保持するカソード極とを備え、前記アノード極と前記カソード極とが電気的に結合されるとともに、それら各電極間がイオン導電性を有する物質で隔てられてなる燃料電池。
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