JP2007223829A - イットリア系複合材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粒径300μm以下のタングステン、モリブデン、ニオブおよびタンタルのうちの少なくともいずれか1種の金属を、イットリアに対して2体積%以上300体積%以下の範囲内で混合分散させたセラミックスまたはサーメットにおいて、20〜400℃で102Ω・cm以上1012Ω・cm以下の範囲内の所望の体積抵抗率に制御する。
【選択図】なし
Description
このため、上記装置部材の材料としては、プラズマ、腐食性ハロゲンガスに対する耐食性に優れた材料であるイットリア、YAG等のセラミックスが用いられている。
これらの中でも、イットリアセラミックスは、アルミナセラミックスと比較して、ハロゲンプラズマによるエッチング量が1/10以下、すなわち、耐プラズマ性が10倍以上であり、ハロゲンプラズマ装置部材に用いた場合、パーティクルの発生や被処理ウエハ等の汚染を抑制することができる。
このため、従来、電極材料としては、シリコン単結晶が用いられているが、これは、腐食性ハロゲンプラズマによるエッチングが著しく、ライフが短く、頻繁に交換する必要がある。
このため、このような熱応力のかかる部位には、従来、石英ガラスやシリコン系部材が用いられているが、これも、腐食ガスによる浸食が著しく、頻繁に交換しなければならなかった。
このような高融点金属粒子が分散したイットリアセラミックスは、ハロゲンプラズマ装置部材として用いた際、セラミックス部材の帯電によるパーティクルの発生を抑制することができ、また、靭性の向上により、装置ライフの向上を図ることができる。
上記のイットリアセラミックスよりも、高融点金属粒子の分散量を増加させることにより、耐プラズマ性および高靭性を保持しつつ、より体積抵抗率を低く制御することが可能となる。
このように、イットリアに対する高融点金属粒子の割合を同等以上とすることにより、より体積抵抗率を低下させたサーメットを得ることができる。
また、前記イットリア系複合材は、靭性の向上が図られ、ハイパワーで温度勾配が大きい装置においても、熱衝撃に耐えられ、従来シリコン系材料が用いられていた部材の代替が可能であり、ハロゲンプラズマ装置部材のライフの向上を図り、また、プラズマ処理装置の設計の自由度を高めることができる。
さらに、前記イットリア系複合材からなる部材を用いれば、ハロゲンプラズマプロセスにおいて、パーティクルの発生が抑制されるため、後の工程において製造される半導体デバイス等の歩留まり向上に寄与し得る。
本発明に係るイットリア系複合材は、粒径300μm以下のタングステン、モリブデン、ニオブおよびタンタルのうちの少なくともいずれか1種の金属粒子が分散したセラミックス、または、タングステン、モリブデン、ニオブおよびタンタルのうちの少なくともいずれか1種の金属に、粒径300μm以下のイットリア粒子が分散したサーメットである。
このように、それ自体が耐プラズマ性を有し、絶縁体であるイットリアと、高融点金属であるタングステン、モリブデン、ニオブまたはタンタルとを混合分散させた複合材とすることによって、イットリアセラミックスの靭性を向上させることができ、また、体積抵抗率を制御することができる。
なお、本発明においては、高融点金属であるタングステン、モリブデン、ニオブまたはタンタルの添加量が、セラミックス原料であるイットリアの添加量以下である場合をイットリアセラミックスと称し、高融点金属の添加量が、イットリアの添加量以上である場合をサーメットと称する。
分散状態が均一である場合、電気抵抗は、複合材に対して導電体が占める体積と相関関係にあり、この関係は指数的である。すなわち、導電体の量が増加するにつれて、電気抵抗は低下する。
一方、導電体の占める体積が同じであっても、該導電体が局所的に集中して存在し、絶縁体間の距離が長い状態の場合は、複合材全体としては、絶縁性を示す傾向にある。極端な場合、例えば、導電体がセラミックスのコア内部に存在しているような場合には、電気抵抗は低下せず、全体として絶縁体となる。
逆に、導電体間の距離が短く、均一に分散している状態の場合には、表面に占める絶縁体の面積も狭くなり、複合材全体として電気抵抗が低下し、さらに、導電体が接触して表面から繋がった状態となると、全体は導電体となる。
したがって、導電体と絶縁体との量の比率を調整し、かつ、微粒子状態で分散させることにより、所望の電気抵抗の制御が可能となる。
一般に、セラミックスは、展性に劣り、破壊亀裂は直線的に進行し、割れやすく、脆いが、金属等の高靭性材料が、破壊亀裂の延長上に存在することにより、クラックの進行方向を変化させる作用が働き、クラック進行速度が遅くなり、破壊靭性が向上する。
体積抵抗率を低下させるために添加されるタングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル等の高融点金属の粒子は、できる限り細かく均一に分散していることが好ましく、粒径が300μmを超える場合には、所望の体積抵抗率の制御が困難となる。
前記粒径は、50μm以下であることがより好ましい。
高融点金属であるタングステン、モリブデン、ニオブまたはタンタルは、いずれかを単独で用いてもよく、あるいはまた、任意の混合物として用いてもよい。
前記添加量が300体積%を超える場合、該複合材の耐プラズマ性が著しく低下する。
一方、前記添加量が2体積%未満である場合、体積抵抗率はほとんど低下しない。
また、イットリアに対して10体積%以上100体積%以下分散したセラミックスの場合は、20〜400℃での体積抵抗率が106Ω・cm以下に制御することができる。
さらに、前記高融点金属の占める体積が、イットリアに対して100体積%以上300体積%以下である場合は、20〜400℃での体積抵抗率が102Ω・cm以下に制御することができる。
このように、イットリアと高融点金属との体積比率を調整することにより、複合材の所望の電気抵抗の制御が可能となる。
まず、イットリア粉末と、タングステン、モリブデン、ニオブおよびタンタルのうちの少なくともいずれか1種の高融点金属粉末とを混合し、均一に分散させる。
これを、所定の形状に成形した後、不活性ガスもしくは還元性ガス雰囲気下または真空中で、焼成し、さらに、必要に応じて、HIPやホットプレスにより処理し、焼結させることにより、イットリア系複合材が得られる。
なお、上記製造方法においては、焼成等の処理は、前記高融点金属が酸化、蒸発しない温度で行う必要がある。
[実施例1〜7、比較例1,2]
純度99.9%、平均粒径1.5μm以下のイットリア原料粉末と粒径3μm以下のタングステン(W)粉末とを水に添加し、アジターを用いて均一に混合してスラリーを調製し、これをスプレードライヤにて造粒した。
得られた造粒粉をCIPにて1500kgf/cm2で加圧成形し、得られた成形体を焼成収縮を考慮して加工した後、水素雰囲気下で1800℃で焼成し、各イットリア系複合材を作製した。
前記下部電極を、平行平板型2周波プラズマエッチングチャンバにセットし、CF4、O2、Arをキャリアガスとして、10Torrのプラズマ雰囲気下、下部電極の耐パワー特性およびエッチングレートを測定し、また、8インチのシリコンウエハ上の0.3μm以上のパーティクル数およびエッチングレートを測定した。
なお、耐パワー特性評価においては、最大パワーは4000Wとした。
これらの結果を表1に示す。
シリコン単結晶、CVD自立体の炭化ケイ素(SiC)または純度99.9%のアルミナ(Al2O3)を下部電極とした場合について、実施例1と同様にして、各種特性評価測定を行った。
これらの結果を表1に示す。
実施例1において、タングステン(W)に代えて、モリブデン(Mo)を添加し、それ以外については、実施例1と同様にして、各イットリア系複合材を作製し、下部電極とした場合の各種評価測定を行った。
これらの結果をまとめて表2に示す。
実施例1において、タングステン(W)に代えて、タンタル(Ta)を添加し、それ以外については、実施例1と同様にして、各イットリア系複合材を作製し、下部電極とした場合の各種評価測定を行った。
これらの結果をまとめて表3に示す。
実施例1において、タングステン(W)に代えて、ニオブ(Nb)を添加し、それ以外については、実施例1と同様にして、各イットリア系複合材を作製し、下部電極とした場合の各種評価測定を行った。
これらの結果をまとめて表3に示す。
また、これらのイットリア系複合材をハロゲンプラズマによるエッチング装置部材として用いれば、体積抵抗率の制御により、該部材の消耗が抑制され、パーティクルの発生も抑制され、しかも、エッチング装置のスループットの向上を図ることができることが認められた。
Claims (3)
- 粒径300μm以下のタングステン、モリブデン、ニオブおよびタンタルのうちの少なくともいずれか1種の金属粒子が、イットリアに対して2体積%以上10体積%以下分散したセラミックスであり、20〜400℃での体積抵抗率が106Ω・cm以上1012Ω・cm以下であることを特徴とするイットリア系複合材。
- 粒径300μm以下のタングステン、モリブデン、ニオブおよびタンタルのうちの少なくともいずれか1種の金属粒子が、イットリアに対して10体積%以上100体積%以下分散したセラミックスであり、20〜400℃での体積抵抗率が106Ω・cm以下であることを特徴とするイットリア系複合材。
- タングステン、モリブデン、ニオブおよびタンタルのうちの少なくともいずれか1種の金属に、粒径300μm以下のイットリア粒子が分散したサーメットであり、前記金属の体積比率はイットリアに対して100体積%以上300体積%以下であり、20〜400℃での体積抵抗率が102Ω・cm以下であることを特徴とするイットリア系複合材。
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JP2009149497A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-07-09 | Toto Ltd | 耐蝕性部材 |
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JP2000332090A (ja) * | 1999-05-18 | 2000-11-30 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 静電チャックおよびその製造方法 |
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