JP2007222693A - 飛灰処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多種成分を含有する焼却飛灰に対応し、飛灰が加熱脱塩素化装置13内部で固化、付着することなく、幅広い脱塩素化処理温度範囲において安定的に円滑な操業ができる飛灰処理方法を提供する。
【解決手段】ダイオキシン類などの有害物質を含有する飛灰を加熱脱塩素化処理装置13で処理した後、冷却装置14で冷却する飛灰処理方法であって、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとを計量し、計量結果に基づき、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとの物質量比(水酸化カルシウム/塩化カルシウム)が1.5以上となるように水酸化カルシウムを貯蔵層21から添加し、加熱脱塩素化処理した後冷却することを特徴とし、好ましくは飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとを計量するための飛灰サンプルを、飛灰が加熱脱塩素化処理装置13に導入される前の搬送工程12で採取する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ダイオキシン類などの有害物質を含有する飛灰の処理方法に関するものであり、より詳しくは、ごみ焼却時に発生した排ガスから分離、集塵捕集され、前記有害物質を含有する飛灰の処理方法に関する。
都市ごみ焼却施設などでごみを焼却する場合、焼却排ガス中には、燃え殻と、塩化水素、二酸化硫黄などに代表される酸性ガスが含まれており、前記酸性ガスを中和するために、水酸化カルシウムなどの排ガス処理剤が煙道中に噴霧される。これに伴って発生する煤塵、すなわちごみ焼却飛灰は、バグフィルタなどの集塵装置で排ガス流から分離されるが、前記飛灰中には、水酸化カルシウムと塩化水素との反応により生成した塩化カルシウムや、前記水酸化カルシウムの未反応分だけでなく、ダイオキシン類などの有害物質が含まれている。
近年、ごみ焼却時に発生するダイオキシン類の有毒性が指摘され、排ガス中に含まれるダイオキシン類の含有量については大気汚染防止法によって規制され、また、ごみ焼却飛灰中に含まれるダイオキシン類についてもダイオキシン類対策特別措置法によって3ng/gに規制されている。
このような飛灰中のダイオキシン類を低減するため、例えばハーゲンマイヤー式装置のような飛灰加熱脱塩素化装置で、飛灰の脱塩素化処理が行われている。
ところが、加熱脱塩素化装置内部で加熱された飛灰が、前記装置内部で固化し、装置内に付着することにより、加熱脱塩素化装置の運転が妨げられたり、装置が損傷するトラブルが発生し、飛灰処理の操業に支障をきたす問題が発生している。
このような加熱脱塩素化装置内部における飛灰の固化、付着を解消する手法として、集塵装置により捕集された飛灰に、熱分解装置内に直接若しくは該装置の上流側で、消石灰類を前記飛灰の約25wt%以上添加して、飛灰の融点を装置内温度よりも高い温度まで上昇させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この方法では、飛灰の融点を装置内温度よりも高い温度まで上昇させることが必須でがあるが、含有成分が多種多様なあるゆる飛灰に対応し、安定的に飛灰の融点を目的温度まで上昇させることは容易ではなく、仮に融点を上昇させることができたとしても高々400℃を少し超える程度であるため、装置内温度をそれより低い350〜380℃程度に抑える必要があったが、このような装置内温度では脱塩素化反応の反応速度が十分に大きいとは言えず、ダイオキシン類などの分解効率は必ずしも十分とは言えなかった。また、この方法では、消石灰類の添加量を飛灰量基準で決定しているため、飛灰中に含まれる成分はごみの種類によってバラツキがあることを考慮すると、ごみの種類によって、固化、付着を防止する効果にもバラツキがあり、その安定性に改善の余地があった。
特開2005−246280号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、多種多様の成分を含有するあらゆるごみ焼却飛灰に対応して、前記飛灰が加熱脱塩素化装置内部で固化、付着することなく、幅広い脱塩素化処理温度範囲において、安定的に円滑な操業ができる飛灰処理方法を提供する点にある。
本発明は、加熱脱塩素化装置内における飛灰固化、付着の原因物質が、排ガス中に含まれる酸性ガスを中和する際に生成した塩化カルシウムと、該中和処理のために排ガス中に予め添加された水酸化カルシウムの未反応物との下記式(1)の反応によって生成するCaClOHと思われ、このCaClOHが高温(例えば、300℃以上)に加熱されて焼き固まることで緻密で強度の大きい焼結体となり、加熱脱塩素化装置内付着の原因となることを知見し、さらには該原因物質が焼き固まるときの焼結体硬度を小さくする方法を見出し、なされたものである。
Figure 2007222693
すなわち、本発明は、CaClOHに予め水酸化カルシウムを特定量混合することによって前記のような焼結が阻害され、CaClOHが焼き固まったとしても、その硬度を小さくするというものであり、ダイオキシン類などの有害物質を含有する飛灰を加熱脱塩素化処理した後、冷却する飛灰処理方法であって、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとをそれぞれ計量し、前記計量結果に基づき、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとの物質量比(水酸化カルシウム/塩化カルシウム)が1.5以上となるように水酸化カルシウムを飛灰に添加し、加熱脱塩素化処理した後、冷却することを特徴とする飛灰処理方法である。
ここで、本発明の処理対象となる飛灰は、ダイオキシン類などの有害物質を含有する煤塵のことを言い、代表的には、ごみ焼却施設で発生した排ガスから分離、集塵捕集された煤塵が挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとをそれぞれ計量するための飛灰サンプルを、前記飛灰が加熱脱塩素化処理装置に導入される前の搬送工程で採取することが好ましい。
さらに、前記水酸化カルシウムを、前記飛灰が加熱脱塩素化処理装置に導入される前の搬送工程で添加することが好ましい。
或いは、前記水酸化カルシウムを、加熱脱塩素化処理装置内に直接添加してもよい。
さらに、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとの前記物質量比が3.0以上となるように、前記水酸化カルシウムを添加することが好ましい。
また、400℃以上で加熱脱塩素化処理することが好ましい。
さらに、酸素存在雰囲気下で加熱脱塩素化処理してもよく、還元雰囲気下で加熱脱塩素化処理してもよい。
以上にしてなる本願発明に係る飛灰処理方法によれば、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとの物質量比(水酸化カルシウム/塩化カルシウム)が1.5以上となるように水酸化カルシウムを飛灰に添加することにより、多種多様の成分を含有するあらゆる飛灰に対応し、前記飛灰が加熱脱塩素化装置内部で焼き固まり付着することなく、安定的に円滑な操業ができるものとなり、かつ前記装置の維持管理が容易となるとともに、最小限の水酸化カルシウム使用量で飛灰を処理することができるため、飛灰処理コストを低減することができるものとなる。
また、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとをそれぞれ計量するための飛灰サンプルを、前記飛灰が加熱脱塩素化処理装置に導入される前の搬送工程で採取することで、容易にサンプリングできるものとなる。
さらに、前記水酸化カルシウムを、前記飛灰が加熱脱塩素化処理装置に導入される前の搬送工程で添加することにより、加熱脱塩素化装置内部で飛灰の焼結が開始される前に添加できるので、より確実に焼結を防止し安定的に円滑な操業ができるものとなる。
或いは、前記水酸化カルシウムを、加熱脱塩素化処理装置内に直接添加しても、飛灰が加熱脱塩素化装置内部で焼き固まり、付着することを防止することができる。
また、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとの前記物質量比が3.0以上となるように、前記水酸化カルシウムを添加することにより、付着原因物質の硬度をより小さくすることができる。
さらに、400℃以上で加熱脱塩素化処理することにより、脱塩素化の反応速度の大きい環境で効率良く処理することができるものとなる。
また、酸素存在雰囲気下で加熱脱塩素化処理することによっても、或いは還元雰囲気下で加熱脱塩素化処理することによっても、前述のとおり、飛灰が焼き固まり、付着することを防止することができる。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
図1は、本発明に係る飛灰処理方法を実施する装置の全体構成を示す概略図であり、図中符号1は焼却排ガス流路、1aは飛灰流路、1bは排ガス流路、2は処理後の飛灰流路、11は集塵機、12は搬送工程、13は加熱脱塩素化装置、14は冷却装置、21は水酸化カルシウム貯蔵槽をそれぞれ示している。
本発明に係る飛灰処理方法は、前述のとおり、ダイオキシン類などの有害物質を含有する飛灰を加熱脱塩素化処理した後、冷却する飛灰処理方法であって、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとをそれぞれ計量し、前記計量結果に基づき、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとの物質量比(水酸化カルシウム/塩化カルシウム)が1.5以上となるように水酸化カルシウムを飛灰に添加し、加熱脱塩素化処理した後、冷却することを特徴とする。
前記水酸化カルシウムの添加量は、飛灰中に含まれる塩化カルシウムの量に応じて決定されるものであり、水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比が1.5以上となるように添加するものとし、より好ましくは前記物質量比が3.0以上、20以下、さらに好ましくは3.0以上、10以下となるように添加するのがよい。処理対象となる飛灰中には、水酸化カルシウムが元々幾らか含まれている場合が殆どであり、その場合には、飛灰中の水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比が前記の物質量比となるように、不足している分量だけ水酸化カルシウムを添加することとなる。水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を1.5以上とすることにより、焼結体硬度を、加熱脱塩素化処理で焼き固まり、付着することが防止できるレベル、すなわち前記装置内の搬送による力で崩壊するレベルまで小さくすることができる。さらに、前記物質量比を3.0以上とすることにより、焼結体の硬度は殆どなくなり、粉末状となり、より安定的に円滑な加熱脱塩素化処理が可能となる。前記物質量比は、大きくし過ぎると、使用する水酸化カルシウムの量が増加するとともに、処理後の飛灰発生量が増加して、処理コストが増大する傾向にあるため、好ましくは20以下、より好ましくは10以下とする。
また、前記水酸化カルシウムの添加方法としては、水酸化カルシウム貯蔵槽21より、加熱脱塩素化装置13内に直接添加してもよいし、飛灰が該装置13に導入される以前の工程において、予め飛灰中に添加、混合しておき、前記混合物を加熱脱塩素化装置に導入してもよい。より効果的に焼結を防止するためには、加熱脱塩素化装置13内で飛灰の焼結が開始される以前の工程において添加することが好ましく、前記飛灰が加熱脱塩素化処理装置に導入される前の搬送工程12において添加することが、簡便であり、さらに好ましい。水酸化カルシウムは粉末の状態で飛灰に添加するのが好ましく、前記搬送工程12内には、飛灰と水酸化カルシウムとを十分に混合するために、スクリューコンベアなどの図示しない混合手段を設け、該混合手段内に導入された飛灰に水酸化カルシウムを添加することがさらに好ましい。
本発明において、飛灰中に含まれる水酸化カルシウムおよび塩化カルシウムの計量は、従来の化学分析方法により行えばよく、特に限定されるものではないが、例えば以下のようにして計量することができる。
まず、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとをそれぞれ計量するための飛灰サンプルを、採取する。ここで、前記飛灰サンプルは、飛灰が加熱脱塩素化処理装置に導入される以前の工程で採取すればよく、搬送工程12で採取することが、容易にサンプリングできることから好ましい。
このようにして採取した飛灰サンプルを蒸留水に溶解し、塩酸を用いて中和滴定(pH=9)を行うことでアルカリを定量し、求められたアルカリ分を水酸化カルシウムの量とする。さらに、前記中和滴定後のサンプルを、濾過して固液分離する。濾液側について、EDTAキレート滴定を行い、カルシウムを定量する。求められたCa物質量は、水酸化カルシウムと塩化カルシウムとの物質量の和となる。以上の操作により、飛灰中に含まれる水酸化カルシウムと塩化カルシウムとをそれぞれ計量することができる。
本発明において、加熱脱塩素化処理は、飛灰中に含有されるダイオキシン類などの有害物質を分解するためのものであり、従来と同様、例えば内部に図示しない攪拌装置や、コンベアなどを適宜備えた加熱脱塩素化装置13にて行われる。
本発明において、飛灰の加熱脱塩素化処理を行う際の雰囲気温度は、従来と同様、例えば300℃以上で行われ、特に制限されないが、400℃以上で行うことが、脱塩素化の反応速度の大きい環境で効率良く処理することができるため、好ましい。
加熱脱塩素化処理時間は、ダイオキシン類が再合成されなくなる程度までとすればよく、例えば、300℃においては60分以上、400℃においては30分以上とするのが好ましい。
本発明において、飛灰中に含まれる水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比が1.5以上となるように水酸化カルシウムを飛灰中に添加すれば、酸素存在雰囲気下で加熱脱塩素化処理することによっても、或いは還元雰囲気下で加熱脱塩素化処理することによっても、前述のとおり、飛灰が焼き固まり、付着することを防止することができるものとなる。ここで、酸素存在雰囲気下とは、酸素が含まれる雰囲気であって、例えば空気中などをいう。
本発明において、加熱脱塩素化処理した後の冷却は、従来と同様に行われ、何ら限定されるものではないが、例えば、冷却装置14において行われるものであり、ダイオキシン類が再合成されることを防止するため、250℃以下まで急冷することが好ましい。
尚、本発明に係る飛灰処理方法により処理された後の飛灰は、図1中の流路2から排出され、その後、セメントと混練するなどして固化されるのが通常である。
(実施例1〜3、比較例1)
塩化カルシウム二水和物(和光純薬工業株式会社製、特級塩化カルシウム二水和物)と水酸化カルシウム(奥多摩工業株式会社製、JIS特号消石灰)を各々表1に示した所定量ビニール袋にとり、それをよく混合してサンプルとし、陶器製の耐熱皿に入れた。次に、耐熱皿に入れた前記サンプルを、酸素存在雰囲気下(空気中)において、500℃に設定した電気炉(アドバンテック東洋株式会社製、KM−420)で1時間加熱を行った。加熱後、サンプルを取り出し、焼結したサンプルの硬さをみるために、株式会社藤原製作所製の山中式土壌硬度計を用いて硬度を測定した。
硬度測定方法は、焼結して塊状となったサンプルに、前記硬度計により荷重を掛け、該サンプルが破壊されたときの荷重を硬度値とした。尚、サンプルが焼結することなく、粉末状となった場合には、前記硬度測定は不可能であり、表中では0N/cm2と記載した。
合否判定は、焼結して塊状となったサンプル硬度が、焼結体が一般的な加熱脱塩素化装置内での搬送による力で崩壊する硬度レベルを基準とする意味から、40N/cm2以下となれば合格「○」とし、40N/cm2を超える場合を不合格「×」とした。また、サンプルが焼結することなく粉末状となり、硬度測定が不可能となった場合を合格「◎」とした。
Figure 2007222693
表1に示したように、水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を1.5とした実施例1においては、サンプル性状は一部塊状となったものの、硬度は29.4N/cm2となり、加熱脱塩素化処理装置内で焼き固まり付着する硬度レベルを下回り、合格「○」となった。さらに、水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を3.0とした実施例3においては、サンプルの焼結は起こらずその性状は粉末状となり、合格「◎」となった。一方、水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を1.0とした比較例1においては、サンプル硬度は196N/cm2となり、不合格「×」となった。
(実施例4〜6、比較例2)
サンプルを加熱する際の、電気炉の設定温度を380℃とした以外は、実施例1〜3および比較例1と同様の方法で、それぞれ実施例4〜6および比較例2の実験を行った。
水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を1.5とした実施例4においては、サンプル性状は一部塊状となったものの、硬度は19.6N/cm2となり、加熱脱塩素化処理装置内で焼き固まり付着する硬度レベルを下回り、合格「○」となった。さらに、水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を3.0とした実施例6においては、サンプルの焼結は起こらずその性状は粉末状となり、合格「◎」となった。一方、水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を1.0とした比較例2においては、サンプル硬度は98N/cm2となり、加熱脱塩素化処理装置内で焼き固まり付着する硬度レベルとなり、不合格「×」となった。
(実施例7、8、比較例3)
電気炉内に窒素ガスを流入させ(2L/min)還元雰囲気とした以外は、実施例1、3および比較例1と同様の方法で、それぞれ実施例7、8および比較例3の実験を行った。
水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を1.5とした実施例7においては、サンプル性状は一部塊状となったものの、硬度は29.4N/cm2となり、加熱脱塩素化処理装置内で焼き固まり付着する硬度レベルを下回り、合格「○」となった。さらに、水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を3.0とした実施例8においては、サンプルの焼結は起こらずその性状は粉末状となり、合格「◎」となった。一方、水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を1.0とした比較例3においては、サンプル硬度は98N/cm2となり、加熱脱塩素化処理装置内で焼き固まり付着する硬度レベルとなり、不合格「×」となった。
(実施例9〜11、比較例4)
清掃工場において実際に排出された飛灰を用いて、以下のとおり実験を行った。まず、前記飛灰中の塩化カルシウムおよび水酸化カルシウム含有量を測定するために、前記飛灰10gを取り、これを100cm3の蒸留水に溶解し、1N塩酸で中和滴定(pH=9)を行った。このときの指示薬にはフェノールフタレインを用いた。中和滴定終了後の懸濁液を濾過し、濾液についてEDTAキレート滴定によるカルシウムイオンの定量を行った。
その結果、飛灰10g中に、塩化カルシウム二水和物が3.4g(0.023mol)、水酸化カルシウムが1.5g(0.020mol)存在することが分かった。
このような飛灰に対して、表2に示す所定の水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比となるように水酸化カルシウムを添加し、混合したものをサンプルとし、陶器製の耐熱皿に入れた。次に、耐熱皿に入れた前記サンプルを、500℃に設定した電気炉(アドバンテック東洋株式会社製、KM−420)に入れ、該電気炉内に窒素ガスを流入させ(2L/min)、還元雰囲気として1時間加熱を行った。加熱後、サンプルを取り出し、焼結したサンプルの硬度を前記と同様にして測定した。
Figure 2007222693
表2に示したように、水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を1.5とした実施例9においては、サンプル性状は一部塊状となったものの、硬度は19.6N/cm2となり、加熱脱塩素化処理装置内で焼き固まり付着する硬度レベルを下回り、合格「○」となった。さらに、水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を3.0とした実施例11においては、サンプルの焼結は起こらずその性状は粉末状となり、合格「◎」となった。一方、水酸化カルシウム/塩化カルシウム物質量比を1.0とした比較例4においては、サンプル硬度は196N/cm2となり、加熱脱塩素化処理装置内で焼き固まり付着する硬度レベルとなり、不合格「×」となった。
本発明に係る飛灰処理方法を実施する装置の全体構成を示す概略図
符号の説明
1 焼却排ガス流路
1a 飛灰流路
1b 排ガス流路
2 処理後の飛灰流路
11 集塵機
12 搬送工程
13 加熱脱塩素化装置
14 冷却装置
21 水酸化カルシウム貯蔵槽

Claims (8)

  1. ダイオキシン類などの有害物質を含有する飛灰を加熱脱塩素化処理した後、冷却する飛灰処理方法であって、
    飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとをそれぞれ計量し、前記計量結果に基づき、飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとの物質量比(水酸化カルシウム/塩化カルシウム)が1.5以上となるように水酸化カルシウムを飛灰に添加し、加熱脱塩素化処理した後、冷却することを特徴とする飛灰処理方法。
  2. 飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとをそれぞれ計量するための飛灰サンプルを、前記飛灰が加熱脱塩素化処理装置に導入される前の搬送工程で採取する請求項1記載の飛灰処理方法。
  3. 前記水酸化カルシウムを、前記飛灰が加熱脱塩素化処理装置に導入される前の搬送工程で添加する請求項1または2記載の飛灰処理方法。
  4. 前記水酸化カルシウムを、加熱脱塩素化処理装置内に直接添加する請求項1または2記載の飛灰処理方法。
  5. 飛灰中に含有される水酸化カルシウムと塩化カルシウムとの前記物質量比が3.0以上となるように、前記水酸化カルシウムを添加する請求項1〜4のいずれかに記載の飛灰処理方法。
  6. 400℃以上で加熱脱塩素化処理する請求項1〜5のいずれかに記載の飛灰処理方法。
  7. 酸素存在雰囲気下で加熱脱塩素化処理する請求項1〜6のいずれかに記載の飛灰処理方法。
  8. 還元雰囲気下で加熱脱塩素化処理する請求項1〜6のいずれかに記載の飛灰処理方法。
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