JP2007221471A - 移動局装置及び同装置における送信電力制御方法 - Google Patents

移動局装置及び同装置における送信電力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基地局から移動局へのTPCコマンドの移動局での判定精度を向上させ、最適な送信電力を維持できるようにする。
【解決手段】基地局100から受信されるTPCコマンドに基づいて前記基地局100への送信電力を制御する移動局1において、複数の前記基地局100から受信された複数の前記TPCコマンドを重み付け合成するための重み付け合成手段114,115,116,118と、前記重み付け合成手段114,115,116,118による合成結果に基づいて基地局100への送信電力を制御する送信電力制御手段132とをそなえるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動局装置及び同装置における送信電力制御方法に関し、例えば、移動通信システムにおける伝送方式の一つであるHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)伝送方式を採用したシステムに用いて好適な技術に関する。
3GPP(3rd Generation Partnership Project)で、第3世代移動通信システムの1つの方式であるW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式の標準化が行なわれている。そして、標準化のテーマの1つとして下りリンクで最大約14Mbpsの伝送速度を提供するHSDPAが規定されている。
HSDPAでは、適応符号化変調方式を採用しており、例えば、QPSK変調方式と16値QAM方式とを基地局、移動局装置(以下、移動局または移動機ともいう)間の無線環境に応じて適応的に切り換えることを特徴としている。
HSDPAに用いられる主な無線チャネルには、HS−SCCH(High Speed-Shared Control Channel)、HS−PDSCH(High Speed-Physical Downlink Shared Channel)、HS−DPCCH(High Speed-Dedicated Physical Control Channel)がある。
HS−SCCH、HS−PDSCHは、双方とも下り方向(即ち、基地局から移動局への方向)の共通チャネルであり、HS−SCCHは、HS−PDSCHにて送信するデータに関する各種パラメータを送信する制御チャネルである。各種パラメータとしては、例えば、どの変調方式を用いてHS−PDSCHによりデータを送信するかを示す変調タイプ情報や、拡散符号の割当て数(コード数)、送信データに対して行なうレートマッチングのパターン等の情報が挙げられる。
一方、HS−DPCCHは、移動局から基地局への方向である上り方向の個別の制御チャネルであり、HS−PDSCHを介して受信したデータの受信可、否に応じてそれぞれACK信号、NACK信号を移動局が基地局に対して送信する場合に用いられる。なお、移動局がデータの受信に失敗した場合、例えば、受信したデータがCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーである場合等は、NACK信号が移動局から送信されるので、基地局は再送制御を実行することとなる。
その他、HS−DPCCHは、基地局からの受信信号の受信品質(例えばSIR:Signal to Interference Ratio)を測定した移動局が、その結果をCQI(Channel Quality Indicator)として基地局に送信するためにも用いられる。基地局は、受信したCQIにより、下り方向の無線環境の良否を判断し、良好であれば、より高速にデータを送信可能な変調方式に切り換え、逆に良好でなければ、より低速にデータを送信する変調方式に切り換える(即ち、適応変調を行なう)。
・「チャネル構造」
次に、HSDPAにおけるチャネル構成について説明する。
図7は、HSDPAにおけるチャネル構成を示すための図である。なお、W−CDMAは、符号分割多重方式を採用するため、各チャネルは符号により分離されている。
まず、説明していないチャネルについて簡単に説明する。
CPICH(Common Pilot Channel)、SCH(Synchronization Channel)は、それぞれ下り方向の共通チャネルである。
CPICHは、移動局においてチャネル推定、セルサーチ、同一セル内におけるほかの下り物理チャネルのタイミング基準として利用されるチャネルであり、いわゆるパイロット信号を送信するためのチャネルである。SCHは、厳密には、P−SCH(Primary SCH)とS−SCH(Secondary SCH)とがあり、各スロットの先頭の256チップでバースト状に送信されるチャネルである。なお、SCHは、3段階セルサーチを行なう移動局によって受信され、スロット同期、フレーム同期を確立するために用いられる。
次に、同じく図7を用いて、チャネルのタイミング関係について説明する。
図7に示すように、各チャネルは、15個のスロット(各スロットは、2560チップ長相当)により1フレームを構成している。先に説明したように、CPICHは他のチャネルの基準として用いられるため、SCH及びHS−SCCHのフレームの先頭はCPICHのフレームの先頭と一致している。
ここで、HS−PDSCHのフレームの先頭は、HS−SCCH等に対して2スロット遅延しているが、移動局がHS−SCCHを介して変調方式情報を受信してから、受信した変調方式に対応する復調方式でHS−PDSCHの復調を行なうことを可能にするためである。また、HS−SCCH、HS−PDSCHは、3スロットで1サブフレームを構成している。
HS−DPCCHは、上り方向のチャネルであり、その第1スロットは、HS−PDSCHの受信から約7.5スロット経過後に、HS−PDSCHの受信結果を示すACK/NACK信号を移動局から基地局に送信するために用いられる。また、第2、第3スロットは、適応変調制御のためのCQI情報を定期的に基地局にフィードバック送信するために用いられる。ここで、送信するCQI情報は、CQI送信の4スロット前から1スロット前までの期間に測定した受信環境(例えば、CPICHのSIR測定結果)に基づいて算出される。
HS−PDSCHの受信可否を通知するためのACK、NACK信号は、設定によって、複数回繰り返して行なうこともできる。
即ち、HS−SCCHの第1サブフレームAでHS−PDSCHの送信予告を通知された移動局は、2スロット遅れのHS−PDSCH(第1サブフレームE)を復調、復号し、CRCチェックを行なってエラーの有無を検出する。
ここで、エラー無しと判定した場合は、HS−PDSCHの受信から約7.5スロット遅れのサブフレームの第1スロットにて、ACK信号(図7のスロットC)を送信し、更に、1サブフレーム後の第1スロットにて、同じACK信号(図7のスロットD)を繰り返して送信するのである。もちろん、エラーを検出した場合は、NACK信号を繰り返して送信する。
このとき、受信結果を繰り返して送信しないようにすることもできるが、同じACK信号、NACK信号をN回(Nは自然数)繰り返して送信することで、ACK信号、NACK信号が基地局により確実に受信され、無用な再送制御が防止されることとなる。
ただし、ACK信号、NACK信号を次のサブフレームで繰り返して送信するため、同じ移動局宛てに、次のサブフレームFを含め、後続するN個のサブフレームで、HS−PDSCHを送信してはならない。
これは、ACK信号(図7のスロットD)が、HS−SCCHの第1サブフレームAに対応するHS−PDSCHの第1サブフレームEに関する受信結果(ACK,NACK信号)を繰り返して送信したものであるのか、HS−SCCHの第2サブフレームBに対応するHS−PDSCHの第2サブフレームFに関する受信結果(ACK,NACK信号)を最初に送信したものであるかの区別がつかなくなるのを防止するためである。
また、HSDPA伝送方式を用いた通信システムは、送信電力制御(TPC:Transmit Power Control)機能を有し、基地局と移動局との間で送信電力を制御することで、いわゆる遠近問題を解決している。
ここで、遠近問題とは次のような現象のことをいう。
一般的に、無線電波は、伝送距離が大きくなるほど減衰量も大きくなる。例えば、CDMA方式の通信システムでは、複数の移動局(ユーザ)が使用する周波数帯域が同一周波数帯域に混在しているため、基地局の直近に位置する移動局が送信する信号の送信電力が大きい場合は、前記移動局よりも遠方に位置する他の移動局からの送信信号が直近の移動局の送信信号から干渉を受け、移動局と基地局との間の送受信に影響するという現象が発生する。
そこで、CDMA方式の通信システム等では、通信品質を常時監視して、基地局からのTPCコマンドビット(以下、単にTPCコマンドあるいはTPCビットということがある)を用いることにより、通信品質が悪い場合には遠方の移動局の送信電力を大きくする一方、例えば、通信品質が十分なレベルであり、且つ、送信電力が過剰である時には移動局の送信電力を小さくするといったTPCを行なうことで遠近問題を防止している。
図8にTPCビットのフレームフォーマットを示す。この図8において、下り方向(ダウンリンク、即ち、基地局から移動局方向)のTPCビットは、ダウンリンクの個別物理チャネルであるDPCH(Dedicated Physical Channel)の制御チャネル(DPCCH:Dedicated Physical Control Channel)に、トランスポートチャネルのフォーマットを表示するためのTFCI(Transport Format Combination Indicator)ビットとともにマッピングされており、1スロットあたり2560チップ時間のスロット内において、データチャネルであるDPDCH(Dedicated Physical Data Channel)と時間多重されている。したがって、1スロット=2560チップ時間が高速TPCの周期となる。
そして、1フレームは、15スロット(スロット#0〜#14)から構成され、10ms周期で当該フレームが連続して移動局へ向けて送信されることになる。
なお、図9にDPDCHおよびDPCCHが取る値を示す。この図9に示すように、1スロットには、49通りのフォーマットが規定されており、それぞれ、チャネルビットレート、チャネルシンボルレート等が規定されているが、TPCビットのビット数(NTPC)については2,4,8,16の4通りのいずれかになる。
次に、図10に従来の基地局および移動局のTPC処理に係る構成を示す。この図10において、200−1,200−2がそれぞれ基地局(Node-B#1,Node-B#2)を示し、201が移動局(UE:User Equipment)を示している。なお、基地局数はここでは2台としているが、勿論、3台以上存在する場合も同様である。また、基地局200−1,200−2を区別しない場合は、単に基地局200と表記する。
この図10に示す基地局200−1,200−2は、その要部に着目すると、例えば、マッチトフィルタ(Matched filter)202と、レイク合成器(Rake combiner)203と、SIR測定部(SIR measurement after side diversity)204と、チャネル復号器(Channel decoder)205と、ブロックエラーレート(BLER)測定部(BLER measurement)206と、加算器207,209と、目標BLER(Target BLER)メモリ208と、目標BLER算出部(Target SIR)210と、TPCコマンド生成部(TPC command generator)211とをそれぞれそなえて構成される。
このような構成を有する基地局200−1(200−2)では、移動局201から送信された上り方向(アップリンク、即ち、移動局から基地局方向)の信号が図示しない受信アンテナを通じてマッチトフィルタ202に入力され、当該マッチトフィルタ202にて、逆拡散処理を施された後、レイク合成器203とSIR測定部204とに入力される。
レイク合成器203では、入力信号についてレイク合成処理を施し、その合成信号について、チャネル復号器205にて、チャネル復号処理が施される。そして、その復号データを基にBLER測定部206により受信信号のBLERが測定され、その測定BLERと目標BLERメモリ208に記憶されている目標BLERとの差分が加算器207にて検出され、当該差分を基に目標SIRが目標SIR算出部210にて算出される。
一方、SIR測定部204では、マッチトフィルタ202からの入力信号を基にSIRを測定し、その測定結果と、目標SIR測定部210で求められた目標SIRとの差分が加算器209にて検出される。そして、その検出結果を基にTPCコマンド生成部211にてTPCコマンドが生成され、前述したごとくダウンリンクのDPCHのDPCCHにて当該TPCコマンドが移動局201へ向けて送信される。
一方、図10に示す移動局201は、その要部に着目すると、例えば、基地局200−1,200−2に対応したTPC処理部201−1,201−2と、加算器221と、チャネル復号器(Channel Decoder)222と、TPCコマンド合成部(TPC Command Combiner)225とをそなえて構成され、TPC処理部201−1,201−2は、それぞれ、さらに、DPCH用のマッチトフィルタ212と、CPICH用のマッチトフィルタ213と、図示しない受信アンテナ(Antenna1,Antenna2)毎のチャネル推定部(Channel estimation)214,215と、乗算器216,217と、レイク合成器(RAKE combiner)218,219と、加算器220と、TPCシンボル軟判定部(TPC symbol Soft decision)223と、TPCコマンド判定(硬判定)部(TPC Command decision (Hard Decision))224とをそなえて構成される。
かかる構成を有する移動局201では、複数の基地局200−1,200−2から送信された信号が図示しない受信アンテナを通じて各マッチトフィルタ212,213に入力され、それぞれ、DPCH又はCPICHのチャネライゼーションコードにより逆拡散処理されてDPCH,CPICHの信号が分離、抽出され、DPCHの受信信号は各チャネル推定部214,215と各乗算器216,217とにそれぞれ入力される。
そして、各チャネル推定部214,215では、それぞれ、マッチトフィルタ213から入力されたCPICHの受信信号(パイロット信号)に基づきマッチトフィルタ212から入力されたDPCHの受信信号について所要の相関演算処理を施すことにより基地局200−1,200−2との間のアンテナ(Antenna1,Antenna2)毎のチャネル推定値を求め、当該チャネル推定値とDPCH用のマッチトフィルタ212により得られたDPCHの受信信号とが乗算器216,217にて乗算されることによりチャネル補償処理が施される。
当該チャネル補償後の受信信号は、さらに、レイク合成器218,219に入力されて、レイク合成処理を施された後、加算器220にて加算(合成)され、他のTPC処理部201−2で上記と同様にして得られた信号(つまり、他の基地局からの受信信号)と加算器221にて加算(合成)された上で、チャネル復号器222にてチャネル復号されて、受信データが得られる。
また、加算器220により得られた合成信号は、TPCシンボル軟判定部223に入力され、当該TPCシンボル軟判定部223にて、軟判定処理を施された後、TPCコマンド判定部224にて、硬判定処理を施される。
ここで、DPCCHにマッピングされるTPCビットは、スロットフォーマットに応じて複数ビット(2,4,8,16のいずれかのビット数)で構成されるため、(図9参照)、TPCシンボル軟判定部223にて、スロットフォーマット判定がなされ(図14のステップS200)、複数のTPCシンボルについて軟判定合成され(図14のステップS201,S202)、これにより得られた各無線リンク(RL)(基地局200−1,200−2)からのTPCコマンドがTPCコマンド判定部224により硬判定合成される(図14のステップS203)。
その結果、0よりも大きければ、TPCコマンド判定部224は、1(送信電力を上げる(UP))と決定し、0以下であれば、0(送信電力を下げる(DOWN))と決定する(図14のステップS203,S204)。
上述のごとく各TPC処理部201−1,201−2でそれぞれ検出された各RLからのTPCコマンドは、TPCコマンド合成部225にて合成され、全RL(図14ではRL#i(i=1〜n))から受信したTPCコマンドが全て1(送信電力を上げろ)の場合に送信電力を上げる制御を行ない(1を出力)、それ以外の場合(全RLから受信したTPCコマンドのうち1つでも0である場合)には送信電力を下げる(DOWN)制御を行なう(0を出力する)(図14のステップS205,S206)。
・軟判定合成および硬判定合成
上述したように、TPCビットはDPCCHにマッピングされ、スロットフォーマットに応じて2,4,8,16ビットのいずれかになる。無線で送信した場合には、DPCCHは、I,Qマッピングされるため、ここでは例えば、QPSKでTPCビットが4ビットである場合について説明する。
基地局200が、TPCビット(4ビット)「1111(UP)」を送信する場合、QPSKでは、1シンボルで2ビット送信するため、図11(a)に示すように、(1,1)のデータを2シンボル(I,Q)で送信することになる。
ここで、軟判定合成では、TPCビットを0/1のみで判定せずに、アナログ的に判定する。
例えば、1シンボルI,Q、2シンボルI,Qが、(0.5,0.8,−0.3,0.5)であると仮定する。
このとき受信側のI−Qコンスタレーションを見た場合は、図11(b)に示すようになる。これを、I,Q成分にそれぞれ分解して各ビットの総和を求めることにより、軟判定合成を行なう。
この4ビットを軟判定合成する場合は、まず、次式(1)に示すように各ビットの総和を求める。
0.5+0.8-0.3+0.5=1.5 …(1)
そして、得られた総和(ここでは1.5)が0以上であるので、TPCコマンド(TPC_cmd)を1として電力増加(UP)要求であることを判定するのである。
これに対し、硬判定合成では、I,Q成分のゼロ基準に対して上か下かで判定するため、上記のTPCビットは、(1,1,0,1)となる。
即ち、硬判定合成では信号を1あるいは0のみで判定し、軟判定合成では0/1だけではなく、どの程度確からしいかの情報を基に判定を行なうのである。
従来のTPC処理方式においては、上述したごとく、1RL内ではTPCビットを軟判定合成して、その軟判定合成結果を硬判定合成することにより、そのRLがUP/DOWNのどちらを通知しているかを決定する。そして、複数RL間の合成は、各RLからのTPCコマンドを基に、1つのRLでもDOWNを指示したら、移動局201は送信電力を下げるように動作する。
ここで、後記非特許文献1によると、以下の式(2)に示すように、複数の基地局から送信されるTPCコマンドの合成方法に関するアルゴリズムが記載されている。
TPC_cmd = ( (W1, W2, … WN), where TPC_cmd can take the values 1 or -1.…(2)
このアルゴリズムでは、複数の基地局200からのTPCコマンドは同じ条件のもと(重み付けなし)で処理され、それぞれ対等に判断される。また、後記非特許文献2によると、図12に示すように、その試験条件が規定されており、異なるRL(基地局200およびセル間)のTPCコマンド合成時の精度について規定されている。
これらの仕様に基づいて、移動局201は、全RLから受信したTPCコマンドが1(送信電力を上げろ)である場合に送信電力を上げる制御を行ない、それ以外の場合(全RLから受信したTPCコマンドのうち1つでも0である場合)には送信電力を下げる制御を行なう。つまり、複数のRLから受信したTPCコマンドに差異がある場合には送信電力を下げる制御を行なうのである。
即ち、前記式(2)におけるW1〜WN(Nは自然数)は、それぞれ1〜NのRLからのTPCコマンドの軟判定合成による結果を表しており、関数γの値は、TPCコマンド(TPC_cmd)が相関なくランダムに0,1を示す場合に、全RLからのTPC_cmdについて、TPC_cmdが1である割合が1/2N以上となる場合に1とし、TPC_cmdが0である割合が0.5(1/2)以上になる場合に0とする。また、TPC_cmdは、複数のRLからの全てのTPCコマンドが1(送信電力を上げろ)の場合には1(電力増加)となり、RLからのTPCコマンドが、いずれか1つでも0(送信電力を下げろ)であれば、−1(電力減少)となることを規定している。
例えば、図13(a)に示すように、図12中に示す“Test1”(テストケース1)においては、干渉やフェージングのない静的(Static)環境で、セル1からのTPCコマンドは(0,0,1,1)であり、セル2からのTPCコマンドは(0,1,0,1)であるので、両者のTPCコマンドがともに1のときだけ電力増加で、それ以外は電力減少させる制御を行なうことが規定されている。
また、図13(b)に示すように、図12中に示す“Test2”(テストケース2)においては、マルチパスフェージング環境化で、全RLからのTPCコマンドについて、TPCコマンドが1である割合が0.25(25%)以上の時に電力増加し、TPCコマンドが0である割合が0.5(50%)以上の時に電力減少するように制御することが規定されている。
なお、後記特許文献1には、移動局から再送要求があった際に、その移動局での所要受信品質を満足しつつ基地局からの送信電力が所定値となる無線チャネルで前記再送要求のあった信号が送信されることから、基地局からの送信電力を前記所定値に設定することにより、基地局からの送信電力を最小に抑えて、前記再送要求の信号を受信しない他の移動局に対する干渉を低減することが開示されている。
また、後記特許文献2には、移動局や基地局の伝送電力レベルの増加量および減少量を現在のチャネル状況や前の電力制御コマンドの値を示す複数のファクター(経路,基地局数,位置,電力制御コマンド,干渉キャンセルのON/OFFのうち少なくとも3つ)の重み付け結合に基づいて決定することが開示されている。
さらに、後記特許文献3には、AAA(Adaptive Array Antenna)システムにおいて指向性アンテナを適用した場合に、各移動局に向けた指向性ビームが干渉し合わないように送受信先の移動局を選択し、選択した移動局に無線リソースを割り当てることを目的として、指向性ビームを決定するために移動局で受信した品質情報にSIR等を利用することが開示されている。
特開2003−78480号公報 特表2002−537712号公報 特開2003−235072号公報 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Physical layer procedures (FDD) (Release 6) (3GPP TS 25.214 V6.7.1 (2005-12)) 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; User Equipment (UE) radio transmission and reception (FDD) (Release 7) (3GPP TS 25.101 V7.2.0 (2005-12))
上述した従来技術によれば、複数の基地局からのTPCコマンドは全て同一の条件で対等に比較され、最終的に1つのTPC結果が導き出されるが、その過程で、遠方の基地局から得られるTPCコマンドは誤り率も大きく、移動局での受信結果が誤認識されることがある。つまり、遠方の基地局からの電力制御情報を誤認識する場合(送信電力UPを送信電力DOWNと誤認識する場合やまたその逆の場合)がある。
図15は移動局と基地局の位置関係の一例を示す模式図である。この図15では、例えば、基地局200の数を3機(200−1,200−2,200−3)とし、また、図16に、これらの基地局200−1〜200−3から送信されるTPCコマンド、移動局201側で受信されるTPCコマンド、及び、このときの送信電力制御との関係を示す。ここでは、基地局200−3と移動局201との間の距離が、他の基地局200−1,200−2と移動局201との間の距離よりも遠く、基地局200−3からのTPCコマンドの受信電力が低下している場合を例として説明する。
このとき、基地局200−1,200−2,200−3の送信する本来のTPCコマンドは、UP(送信電力を上げろ)であるが、基地局200−3と移動局201との間の距離が大きいため、基地局200−3からのTPCコマンドがビット誤りにより移動局201で誤判定(基地局200−3からのTPCコマンドをDOWNとして認識)され、本来期待される送信電力制御(UP)と異なる送信電力制御(DOWN)が行なわれるのである。
このように、一般的に他の基地局よりも信頼度の低い遠方の基地局からのTPCコマンドを、前記遠方の基地局よりも信頼度の高い他の基地局からのTPCコマンドと同等(重み付けなし)に扱うことは、上述したような理由により電力制御の誤制御へと繋がる場合がある。即ち、上記誤判定により、移動局からの送信電力が過剰に増加した場合には、他セルに対して干渉が起こることとなり、また、移動局からの送信電力が必要以上に減少した場合には、上り信号を基地局に送信することができないことになる(これを上り同期外れという)。
したがって、上記のように、無線ネットワークの観点から、移動局における送信電力は、基地局が受信できて所望のエラーレート(Target BLER)を満足する範囲で最小の電力に制御されることが、無線リソースの浪費を抑えユーザ多重数の増大に貢献する。
本発明は、上記のような課題に鑑み創案されたもので、基地局から移動局へのTPCコマンド(電力制御情報)の移動局での判定精度を向上させ、最適な送信電力を維持できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明では、下記の移動局装置及び送信電力制御方法を用いることを特徴としている。即ち、
(1)本発明の移動局装置は、基地局装置から受信される電力制御情報に基づいて基地局装置への送信電力を制御する移動局装置であって、複数の前記基地局装置から受信された複数の前記電力制御情報を重み付け合成する重み付け合成手段と、前記重み付け合成手段による合成結果に基づいて基地局装置への送信電力を制御する送信電力制御手段とをそなえたことを特徴としている。
(2)ここで、前記重み付け合成手段は、前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定する第1重み付け処理部をそなえて構成されてもよい。
(3)さらに、本移動局装置は、前記複数の基地局装置からの受信品質を測定する受信品質測定手段をさらにそなえるとともに、前記重み付け合成手段が、受信品質測定手段で測定された受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定する第2重み付け処理部をそなえて構成されてもよい。
(4)また、本移動局装置は、前記複数の基地局装置からの受信品質を測定する受信品質測定手段をさらにそなえるとともに、前記重み付け合成手段が、前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定する第1重み付け処理部と、受信品質測定手段で測定された受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定する第2重み付け処理部と、受信品質測定手段で測定された受信品質のうち所定の閾値を超える基地局装置の数に応じて動作させる前記重み付け処理部を選択する選択部とをそなえて構成されてもよい。
(5)ここで、前記選択部は、前記閾値を超える基地局装置が1つである場合に前記第1重み付け処理部を選択し、前記閾値を超える基地局装置が2以上ある場合に前記第2重み付け処理部を選択すべく構成されてもよい。
(6)また、本発明の送信電力制御方法は、移動局装置において、基地局装置から受信される電力制御情報に基づいて前記基地局装置への送信電力を制御する送信電力制御方法であって、複数の前記基地局装置から受信された複数の前記電力制御情報を重み付け合成し、その合成結果に基づいて基地局装置への送信電力を制御することを特徴としている。
(7)ここで、前記移動局装置が、前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定してもよい。
(8)さらに、前記複数の基地局装置からの受信品質を測定し、測定した受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定してもよい。
(9)また、前記複数の基地局装置からの受信品質を測定し、前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定する第1重み付け処理モードと、前記測定した受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定する第2重み付け処理モードとを、前記測定した受信品質のうち所定の閾値を超える基地局装置の数に応じて選択してもよい。
(10)ここで、前記閾値を超える基地局装置が1つである場合に前記第1重み付け処理モードを選択し、前記閾値を超える基地局装置が2以上ある場合に前記第2重み付け処理モードを選択してもよい。
上記本発明によれば、少なくとも次のいずれかの効果ないし利点が得られる。
(1)複数の基地局装置から送信された複数の電力制御情報を重み付け合成して、その合成結果に基づいて基地局装置への送信電力を制御するので、前記電力制御情報を誤認識し得る環境においても、電力制御情報の判定精度を向上させて、本来行なうべき送信電力制御を行なうことが可能となる。
(2)ここで、重み付け合成を行なう際、複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置(例えば、メインの通信相手)からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定するようにすれば、さらに確実に送信電力制御の誤制御を抑制することが可能となる。
(3)また、複数の基地局から送信される信号についての受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定するようにすれば、実際の受信品質の測定結果に基づいて信頼度の高い基地局からの電力制御情報に基づいて送信電力制御を行なうことができ、送信電力制御の誤制御をさらに低減することができる。
(4)さらに、前記受信品質のうち所定の閾値を超える基地局装置の数に応じて上記(2)又は(3)の重み付け処理を選択するようにすれば、信頼度の高い基地局が多い場合(例えば、前記閾値を超える基地局装置が2以上の場合)や、信頼度の高い基地局が少ない場合(例えば、前記閾値を超える基地局装置が1つである場合)などの状況(無線環境)に応じて適切な重み付け処理を選択して行なうことができ、さらに確実に送信電力制御の誤制御を抑制することが可能となる。
(5)なお、前記(2)及び(3)に示す各重み付け係数を合成するようにすれば、例えば、移動局装置の移動中のハードハンドオーバ時の過渡状態などにおける送信電力制御を平準化することが可能となる。
(6)さらに、前記受信品質の測定結果に応じて前記重み付け合成の有効又は無効を制御するようにすれば、重み付け合成を行なう必要の無い場合(例えば、全ての基地局の受信品質が閾値を超える場合など)で重み付け合成を無効とすることもでき、重み付け合成処理の処理負荷を削減しつつ、移動局装置と基地局装置との位置関係(受信品質の関係)に応じて適切な送信電力制御を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
〔A〕一実施形態の説明
図1は、本発明の一実施形態に係る移動通信システムの構成を基地局装置及び移動局装置の要部の構成に着目して示すブロック図である。この図1では、2台の基地局装置100−1,100−2(Node-B#1,Node-B#2)と、1台の移動局装置(以下、単に「移動局」という)1とに着目しており、基地局装置(以下、単に「基地局」という)100−1,100−2(区別しない場合は、基地局100と表記する)は、それぞれ、例えば、マッチトフィルタ(Matched filter)102と、レイク合成器(Rake combiner)103と、SIR測定部(SIR measurement after side diversity)104と、チャネル復号器(Channel decoder)105と、ブロックエラーレート(BLER)測定部(BLER measurement)106と、加算器107,109と、目標BLER(Target BLER)メモリ108と、目標SIR算出部(Target SIR)110と、TPCコマンド生成部(TPC command generator)111とをそれぞれそなえて構成される。
ここで、各基地局100において、マッチトフィルタ102は、図示しない受信アンテナを通じて受信された移動局1からの上り信号(アップリンクの信号)について逆拡散処理を施すものであり、レイク合成器103は、このマッチトフィルタ102による逆拡散後の受信信号(マルチパスの信号)をレイク合成するものであり、チャネル復号器105は、当該レイク合成後の信号を復号(チャネル復号)するものであり、BLER測定部106は、当該チャネル復号結果に基づいて受信信号のBLERを測定するものである。
加算器(減算器)107は、このBLER測定部106で測定されたBLERと目標BLERメモリ108に記憶されている目標BLERとの差分を検出するものであり、目標SIR算出部110は、当該差分に基づいて目標SIRを算出するものである。
SIR測定部104は、上記マッチトフィルタ102による逆拡散後の受信信号についてのSIRを測定するものであり、加算器(減算器)109は、このSIR測定部104で測定されたSIRと上記目標SIR算出部110により得られた目標SIRとの差分を検出するものであり、TPCコマンド生成部111は、当該差分に基づいてTPCコマンド(電力制御情報)を生成するものである。
このような構成を有する基地局100−1(100−2)では、移動局1から送信された上り方向(アップリンク、即ち、移動局から基地局方向)の信号が図示しない受信アンテナを通じてマッチトフィルタ102に入力され、当該マッチトフィルタ102にて、逆拡散処理を施された後、レイク合成器103とSIR測定部104とに入力される。
レイク合成器103は、入力信号についてレイク合成処理を施し、その合成信号について、チャネル復号器105にて、チャネル復号処理が施される。そして、その復号データを基にBLER測定部106により受信信号のBLERが測定され、その測定BLERと目標BLERメモリ108に記憶されている目標BLERとの差分が加算器107にて検出され、当該差分を基に目標SIRが目標SIR算出部110にて算出される。
一方、SIR測定部104では、マッチトフィルタ102からの入力信号を基にSIRを測定し、その測定結果と、目標SIR算出部110で求められた目標SIRとの差分が加算器109にて検出される。そして、その検出結果を基にTPCコマンド生成部111にてTPCコマンドが生成され、前述したごとくダウンリンクのDPCHのDPCCHにて当該TPCコマンドが移動局1へ向けて送信される。
一方、移動局1は、図1に示すように、例えば、基地局100−1,100−2に対応したTPC処理部101−1,101−2と、加算器112と、チャネル復号器(Channel Decoder)113と、乗算器114,115と、TPCコマンド合成部(TPC Command Combiner)116と、HSチャネル受信処理部(HS Receiver)117と、TPC重み付け係数生成部(TPC weight generation UNIT)118と、送信電力制御部(Power Control Unit)132とをそなえて構成される。なお、図1では、説明の都合上、基地局,TPC処理部の数をそれぞれ2つとしているが、それぞれ3つ以上そなえていてもよい。
また、TPC処理部101−1,101−2は、それぞれ、さらに、DPCH用のマッチトフィルタ119と、CPICH用のマッチトフィルタ120と、図示しない受信アンテナ(Antenna1,Antenna2)毎のチャネル推定部(Channel estimation)121,122と、乗算器123,124と、レイク合成器(RAKE combiner)125,126と、加算器127と、TPCシンボル軟判定部(TPC symbol Soft decision)128とをそなえて構成される。
さらに、HSチャネル受信処理部117は、HS−SCCH復調/復号部(HS-SCCH Demodulator/Decoder)129と、HS−PDSCH復調/復号部(HS-PDSCH Demodulator/Decoder)130と、サービングセル識別部(Serving/Non-Serving CELL IDENTIFICATION UNIT)131とをそなえて構成される。
ここで、各TPC処理部101−1,101−2において、DPCH用のマッチトフィルタ119は、図示しない受信アンテナを通じて複数の基地局100から受信された下り信号(ダウンリンクの信号)についてDPCH用のチャネライゼーションコードにより逆拡散処理を施してDPCHの信号を分離、抽出するものであり、CPICH用のマッチトフィルタ120は、前記受信アンテナを通じて複数の基地局100から受信した信号についてCPICHのチャネライゼーションコードにより逆拡散処理してCPICHの信号(つまり、パイロット信号)を分離、抽出するもので、DPCHの受信信号は各チャネル推定部121,122と乗算器123,124とに入力され、CPICHの受信信号(パイロット信号)は各チャネル推定部121,122に入力されるようになっている。
各チャネル推定部121,122は、それぞれ、CPICH用のマッチトフィルタ120から入力されたCPICHの受信信号(パイロット信号)に基づきDPCH用のマッチトフィルタ119から入力されたDPCHの受信信号について所要の相関演算処理を施すことにより基地局100との間のアンテナ(Antenna1,Antenna2)毎のチャネル推定値を求めるものである。
乗算器123,124は、それぞれ、前記チャネル推定値とDPCH用のマッチトフィルタ119により得られたDPCHの受信信号とを合成(乗算)することにより、DPCHの受信信号のチャネル補償処理を施すものである。
そして、レイク合成器125,126は、それぞれ、当該チャネル補償後の受信信号に対して、レイク合成処理を施すものであり、加算器127は、当該レイク合成処理後の信号を加算(合成)するものである。
さらに、加算器112は、各TPC処理部101−1,101−2の上記加算器127で得られた信号(各基地局100からの受信信号)を加算(合成)するものであり、チャネル復号器113は、当該加算器112からの信号をチャネル復号して、受信データを得るものである。
また、TPCシンボル軟判定部128は、加算器127により得られた合成信号に対して軟判定合成処理を施して、TPCコマンドを生成するものである。
一方、HSチャネル受信処理部117において、HS−SCCH復調/復号部129は、前記受信アンテナを通じて受信した下り信号のHS−SCCHを復調及び復号するものであり、HS−PDSCH復調/復号部130は、前記受信アンテナを通じて受信した下り信号のHS−PDSCHを復調及び復号するものである。
なお、HS−SCCH及びHS−PDSCHの信号が受信(復調、復号)されたということは、当該HS−SCCH及びHS−PDSCHの信号を受信している基地局100がメインの通信相手、換言すれば、各基地局100のうち最も受信品質に関して信頼性の高い基地局100(これをサービングセルという)であることを意味している。また、上記HS−SCCH復調/復号部129は、基地局100からの信号について受信品質(SIR値)を測定する機能も具備しており、受信品質測定手段として機能することができるようになっている。
サービングセル識別部131は、HS−SCCH復調/復号部129で復調及び復号されたデータの有無を判定することにより、当該基地局100がサービングセルであるかどうかを識別するものであり、例えば、HS−SCCH復調/復号部129からのデータが有ると判定した場合は、当該基地局100をサービングセルとして識別し、HS−SCCH復調/復号部129からのデータが無いと判定した場合には、当該基地局100はサービングセルでないと識別するものである。
そして、TPC重み付け係数生成部118は、TPCシンボル軟判定部128による軟判定合成処理結果及びサービングセル識別部131での識別結果を含む情報に基づいて重み付け係数生成処理を行なうものであり、乗算器114,115は、このTPC重み付け係数生成部118にて生成された重み付け係数(図1中ではα1及びα2)と、各TPC処理部101−1,101−2のTPCシンボル軟判定部128からの軟判定合成処理結果とをそれぞれ合成(乗算)するものである。なお、重み付け係数の生成処理の詳細については後述する。
TPCコマンド合成部116は、乗算器114,115から出力される重み付けされたTPCコマンドについて、合成(加算)処理を行なうとともに、当該合成結果に基づいてTPCコマンド(ΔTPC)を送信電力制御部132へと出力するものである。例えば、得
られた合成結果が0よりも大きい場合は送信電力を上げる制御信号が、それ以外の場合(当該合成結果が0以下である場合)は送信電力を下げる制御信号を移動局1の送信電力制御部132へと供給するようになっている。
つまり、上記のTPC重み付け係数生成部118,乗算器114,115及びTPCコマンド合成部116は、それぞれが協働することにより、複数の基地局100から受信された複数のTPCコマンドを重み付け合成する重み付け合成手段として機能するものである。
送信電力制御部(送信電力制御手段)132は、TPCコマンド合成部116から出力されるTPCコマンド(ΔTPC)に基づいて、移動局1での送信電力制御を行なうもので
あり、例えば、当該TPCコマンドが1である場合に送信電力を上げる制御を行ない、また、当該TPCコマンドが0である場合に送信電力を下げる制御を行なうものである。
ここで、図2に上記TPC重み付け係数生成部118の内部構成を示してその動作を説明する。
この図2において、TPC重み付け係数生成部118は、重み付け要素平均化部(Weight Factor Averaging)133と、重み付け係数計算処理部(Weight Calculation Processor)134とをそなえて構成される。
ここで、重み付け要素平均化部133は、TPCシンボル軟判定部128から出力されるTPCコマンドの軟判定合成処理結果(Soft Combining Result)、及び、各基地局100との間のダウンリンクでのSIR測定結果(SIR measurement Result)(前記HS−SCCH復調/復号部129で測定された結果)のそれぞれについて、所定の時間だけ平均化して単位時間当たりの平均値を算出するものである。
また、重み付け係数計算処理部134は、この重み付け要素平均化部133にて平均化された前記軟判定合成処理結果及び前記SIR測定結果、並びに、サービングセル識別部131からのSIR要素ON/OFF設定信号(SIR Factor ON/OFF),サービングセル判定ON/OFF設定信号(Serving Cell Detection ON/OFF)及びハンドオーバ状態設定信号(HandOver Status)などの各種設定信号に基づいて重み付け係数(図2中のWeight 1(α1),Weight 2(α2))を生成するものである。なお、前記ハンドオーバ状態信号は、ハンドオーバが発生しているかどうかの状態を表わす制御信号である。
かかる構成を有するTPC重み付け係数生成部118では、重み付け要素平均化部133での上記平均化により、前記軟判定合成処理結果及び前記SIR測定結果に現れ得るノイズなどの不要信号が低減される。そして、重み付け係数計算処理部134が、当該重み付け要素平均化部133からの出力と上記各種設定信号とに基づいて重み付け係数を生成することによって様々な通信状況に適したTPC重み付け係数の生成を可能としている。
ここで、例えば図3に示すように、前記サービングセル判定ON/OFF設定信号は、通信相手がサービングセルであることに基づいた重み付け処理を行なうかどうかを設定するための制御信号であり、前記サービングセル識別部131において、サービングセルであると識別された場合はON(1)となり、サービングセルでないと識別された場合はOFF(0)となる。
つまり、上記のサービングセル識別部131と重み付け係数計算処理部134とが協働することにより、複数の基地局100のうちいずれかの基地局100(例えば、サービングセル)からのTPCコマンドに対する重み付け係数を他の基地局100からのTPCコマンドに対する重み付け係数よりも高く設定する第1重み付け処理部としての機能が実現されている。
また、前記SIR要素ON/OFF設定信号は、SIR値に基づいた重み付け処理を行なうかどうかを設定するための制御信号である。このSIR要素ON/OFF設定信号は、例えば、前記HS−SCCH復調/復号部129にて測定された各基地局100からの信号についてのSIR値が、前記HSチャネル受信処理部117に内蔵のメモリ等の記憶装置(図示省略)に予め設定された閾値よりも大きい場合はONとなり、閾値以下の場合はOFFとなるのである。
つまり、上記の重み付け係数計算処理部134は、複数の基地局100についてのSIR要素ON/OFF設定信号のON状態に応じてSIR値に基づいた重み付け処理を行なうようになっている。即ち、前記重み付け係数計算処理部134は、HS−SCCH復調/復号部129で測定された受信品質(SIR値)が高い信号を送信する基地局100からのTPCコマンドに対する重み付け係数を前記SIR値の低い信号を送信する基地局100からのTPCコマンドに対する重み付け係数よりも高く設定する第2重み付け処理部としても機能する。
さらに、上記の重み付け係数計算処理部134は、複数の基地局100についてのSIR要素ON/OFF設定信号のON状態をカウントするカウント機能を有し、当該カウント数が、HSチャネル受信処理部117に内蔵のメモリ等の記憶装置(図示省略)に予め設定された所定値(例えば2)以上である場合は前記SIR値に基づいた重み付け処理(第2重み付け処理部の動作モード)を選択して動作する。一方、上記カウント数が、所定値よりも小さい場合は複数の基地局100のうちいずれかの基地局100(例えば、サービングセル)からのTPCコマンドに対する重み付け係数を他の基地局100からのTPCコマンドに対する重み付け係数よりも高く設定する動作(第1重み付け処理部の動作モード)を選択することもできる。
つまり、上記の重み付け係数計算処理部134は、HS−SCCH復調/復号部129で測定されたSIR値のうち所定の閾値を超える基地局100の数に応じて動作させる前記重み付け処理部(第1重み付け処理部あるいは第2重み付け処理部)を選択する選択部としての機能も具備している。
また、上記の重み付け係数計算処理部134は、複数の基地局100のうちいずれかの基地局100(例えば、サービングセル)からのTPCコマンドに対する重み付け係数を他の基地局100からのTPCコマンドに対する重み付け係数よりも高く設定するとともに、HS−SCCH復調/復号部129で測定された受信品質(SIR値)が高い信号を送信する基地局100からのTPCコマンドに対する重み付け係数を前記SIR値の低い信号を送信する基地局100からのTPCコマンドに対する重み付け係数よりも高く設定することもできるようになっている。
したがって、上記の重み付け係数計算処理部134は、前記第1重み付け処理部で設定された重み付け係数と前記第2重み付け処理部で設定された重み付け係数とを合成する重み付け係数合成部としても機能するものである。
さらに、上記の重み付け係数計算処理部134は、例えば、上記HS−SCCH復調/復号部129で測定された複数の基地局100が送信する信号についての各SIR値が全て前記閾値よりも大きいような場合は各基地局100からのTPCコマンドに対する重み付け係数を一律1とすることで、あたかも重み付け処理を行なわないかのようにもできる。
つまり、上記の重み付け係数計算処理部134は、HS−SCCH復調/復号部129で測定されたSIR値に応じて上記重み付け合成処理の有効又は無効を制御する重み付け合成制御手段として機能するようにもなっている。
以下、上述のごとく構成された本実施形態の移動局1での動作について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動局1では、複数の基地局100から送信された信号が図示しない受信アンテナを通じて各マッチトフィルタ119,120に入力され、それぞれ、DPCH又はCPICHのチャネライゼーションコードにより逆拡散処理されてDPCH,CPICHの信号が分離、抽出され、DPCHの受信信号は各チャネル推定部121,122と各乗算器123,124とにそれぞれ入力され、CPICHの受信信号は各チャネル推定部121,122に入力される。
そして、各チャネル推定部121,122では、それぞれ、マッチトフィルタ120から入力されたCPICHの受信信号(パイロット信号)に基づきマッチトフィルタ119から入力されたDPCHの受信信号について所要の相関演算処理を施すことにより基地局100−1,100−2との間のアンテナ(Antenna1,Antenna2)毎のチャネル推定値を求め、当該チャネル推定値とDPCH用のマッチトフィルタ119により得られたDPCHの受信信号とが乗算器123,124にて乗算されることによりチャネル補償処理が施される。
当該チャネル補償後の受信信号は、さらに、レイク合成器125,126に入力されて、レイク合成処理を施された後、加算器127にて加算(合成)され、他のTPC処理部101−2で上記と同様にして得られた信号(つまり、他の基地局100からの受信信号)と加算器112にて加算(合成)された上で、チャネル復号器113にてチャネル復号されて、受信データが得られる。
また、加算器127により得られた合成信号は、TPCシンボル軟判定部128に入力され、当該TPCシンボル軟判定部128にて、軟判定合成処理を施される。
さらに、TPCシンボル軟判定部128にて、スロットフォーマット判定がなされるとともに(図4のステップS100)、複数のTPCシンボルについて軟判定合成され(図4のステップS101,S102)、これにより得られた各無線リンク(RL#1〜#n:nは2以上の整数で基地局数に対応する)からのTPCコマンドが軟判定合成処理結果として出力される(図4のステップS103)。
一方、基地局100から送信された信号は、HS−SCCH復調/復号部129,HS−PDSCH復調/復号部130にも入力されて、HS−SCCH復調/復号部129により、HS−SCCH信号の復調/復号処理が行なわれ(図4のステップS104)、次いで、サービングセル識別部131により、当該基地局100がサービングセルであるかどうかが判定される(図4のステップS105)。例えば、サービングセルでなければ0が、サービングセルであれば1がそれぞれ判定(識別)結果として出力される。なお、HS−SCCH復調/復号部129では、基地局100から受信される信号についてのSIR値(dB)の測定処理も行なわれる(図4のステップS106)。
その後、TPC重み付け係数生成部118が、上記ステップS105において判定された結果(当該基地局100がサービングセルであるかどうか)及び上記ステップS106における測定結果(SIR値)に基づいて、SIR要素ON/OFF設定信号及びサービングセル判定ON/OFF設定信号の値(ONまたはOFF)を設定する(図4のステップS107,S108)。
次いで、重み付け係数計算処理部134により、上記SIR要素ON/OFF設定信号及びサービングセル判定ON/OFF設定信号の値と、HS−SCCH復調/復号部129により測定された上記SIR値などとに基づいて重み付け係数〔Weight1(α1),Weight2(α2)〕が生成される(図4のステップS109)。
そして、生成された上記重み付け係数は、乗算器114,115により、TPCシンボル軟判定部128から出力される軟判定合成処理結果と乗算されて、TPCコマンド合成部116に入力される。TPCコマンド合成部116は、このように重み付け係数を乗じられて重み付けされた各RL#i(i=1〜n)についての軟判定合成処理結果をさらに合成(加算)して(図4のステップS110)、制御信号ΔTPCを生成する。
即ち、TPCコマンド合成部116は、上記ステップS110での合成結果が0よりも大きい場合は移動局1での送信電力を上げるための制御信号(ΔTPC=1)を生成し、0
以下の場合は移動局1での送信電力を下げるための制御信号(ΔTPC=0)を生成し(図
4のステップS111,S112)、送信電力制御部132へ出力するのである。
これにより、送信電力制御部132は、TPCコマンド合成部116からの上記制御信号(ΔTPC)に従って、移動局1での送信電力を実際に制御する(図4のステップS11
3)。
次に、上述した各種設定信号とそれに基づいた重み付け係数生成処理のパターンを示した図3を用いて、重み付け係数計算処理部134の動作を具体的に説明する。
この図3に示すように、本例では、例えば、SIR要素ON/OFF設定信号及びサービングセル判定ON/OFF設定信号のON/OFFのパターンにより以下に説明するMODE1〜MODE4の4つのモードが存在し、TPC重み付け係数生成部118が、上記各種設定信号などに基づいて上記のモードを切り換えることにより、様々な重み付け係数生成処理を行なうことを可能としている。
(1)MODE1について
MODE1は、SIR要素ON/OFF設定信号及びサービングセル判定ON/OFF設定信号がともにOFFの状態のときの重み付け係数計算処理部134の動作モードである。
本MODE1において、重み付け係数計算処理部134は、各基地局100から受信する信号のSIR値(受信品質測定結果)や、当該基地局100がサービングセルであるか否かの識別結果には依存せず、TPC重み付け係数生成部118に内蔵のメモリ等の記憶装置(図示省略)に予め設定された所定値をTPC重み付け係数として出力する。ここでは、例えば、基地局100−1,100−2からの軟判定合成結果に付加されるTPC重み付け係数α1,α2としてそれぞれW1,W2が設定されているものとする。
従って、各TPC処理部101−1,101−2のTPCシンボル軟判定部128で得られた軟判定合成処理結果をそれぞれP1,P2とすると、本MODE1による重み付け処理が行なわれた場合の軟判定合成処理結果は、P1×W1+P2×W2となる。
本MODE1におけるTPC重み付け係数W1,W2の値はユーザが自由に設定することができ、例えば、基地局100−1と移動局1との間の距離が、基地局100−2と移動局1との間の距離よりも大きく、移動局1における基地局100−1との通信品質が、基地局100−2との通信品質よりも劣っている傾向にあることが予め判明しているような場合は、基地局100−1から送信されたTPCコマンドの移動局1での軟判定合成結果に乗じるTPC重み付け係数W1を、基地局100−2から送信されたTPCコマンドの移動局1での軟判定合成結果に乗じるTPC重み付け係数W2よりも小さく設定する。
これにより、信頼度の低い基地局100−1からのTPCコマンドのビット誤り等の影響を小さくできるので、信頼性の高い送信電力制御を行なうことが可能となる。
また、例えば、全ての基地局100−1,100−2との通信品質の信頼度が高いことが予め分かっているような場合には、W1,W2をともに1に設定することであたかも重み付け処理を行なわないような送信電力制御を行なうこともできる。この場合、重み付け処理の簡素化及び高速化を図ることも可能となる。
ここで、図5(a)、図5(b)を用いて上記の重み付け処理による効果を具体的に説明する。
図5(a)は重み付け処理を施される前の各基地局100(RL#1,RL#2,RL#3)(つまり、ここでは、基地局数を3としている)からのTPCコマンドの大きさ、及び、それらの合成(加算)結果の一例を示す図である。
この図5(a)に示す例では、RL#1からのTPCコマンド値を「+2」、RL#2からのTPCコマンド値を「+1」、RL#3からのTPCコマンド値を「−4」とし、RL#3からのTPCコマンドが移動局1において誤認識されている状態を示している。
このような場合、各基地局100(RL#1〜RL#3)からのTPCコマンドの軟判定合成結果は、(+2)+(+1)+(−4)=−1となり、合成結果が0以下であるので、送信電力を下げる制御が行なわれてしまう。
これに対して、本例の重み付け処理を施される場合の各基地局100からのTPCコマンドの大きさ、各TPCコマンド値にそれぞれ乗じられる重み付け係数W1,W2,W3、及び、重み付け処理後のTPCコマンドの合成(加算)結果の一例を図5(b)に示す。
この図5(b)に示す例においても、図5(a)に示した例と同様、RL#1からのTPCコマンド値を「+2」、RL#2からのTPCコマンド値を「+1」、RL#3からのTPCコマンド値を「−4」としている。そして、例えば、各RL#1,#2,#3に対する重み付け係数をそれぞれ、W1=1.0、W2=0.5、W3=0.5とする。即ち、RL#1の通信品質が他のRL#2,RL#3よりも高いことが予め判明している場合の重み付け処理を想定している。
このような場合、各RL#1〜#3からのTPCコマンドの軟判定合成処理結果は、(+2)×(1.0)+(+1)×(0.5)+(−4)×(0.5)=0.5となり、合成結果が0よりも大きいので、送信電力を上げる制御が行なわれることになる。したがって、移動局1から基地局100へ(上り方向)の送信電力を上げる(UP)ように、本来の正常な送信電力制御を行なうことが可能となる。
(2)MODE2について
MODE2は、図3に示すように、SIR要素ON/OFF設定信号がOFFであり、且つ、サービングセル判定ON/OFF設定信号がONの状態のときの重み付け係数計算処理部134の動作モードであり、本モードにおいて、重み付け係数計算処理部134は、通信相手の基地局100がサービングセルであるか否かに基づいてTPC重み付け係数を生成する。
ここでは、基地局100−1(RL#1)がサービングセルである場合を例として、サービングセルから受信するTPCコマンドに対する重み付け係数(サービングセル重み付け係数)をβ(Serving Cell Weight Ratio)としている。なお、サービングセルでない他の基地局100に対する重み付け係数は、MODE1のときと同様に、TPC重み付け係数生成部118に内蔵のメモリ等の記憶装置(図示省略)に予め設定された所定値をTPC重み付け係数(ここでは、W2)として出力する。
従って、基地局RL#1,RL#2からの軟判定合成処理結果をそれぞれP1,P2とし、また、RL#1がサービングセルである場合、本MODE2による重み付け処理が行なわれた場合の軟判定合成処理結果は、P1×β+P2×W2となる。
ここで、βの値には、他の重み付け係数W2よりも大きい値が設定される(例えば、W2を0.2とし、βを1.2などと設定する)。なぜなら、サービングセルであるRL#1の通信品質は、他のRLの通信品質よりも一般的に優れており、RL#1から受信されるTPCコマンドが、移動局1おいて誤認識される可能性は極めて低いからである。
また、サービングセルであるRL#1の通信品質が、他のRL(例えば、RL#2)よりも低くなってしまった場合でも、当該他のRL#2へのハンドオーバ処理がなされることにより、RL#2が新たなサービングセルとなるので、常に、信頼性の高いRLからのTPCコマンドに、他のRLに対する重み付け係数よりも大きな値の重み付け係数βを設定することができる。
したがって、例えば、サービングセルとの通信をメインとするようなパケット通信が主に行なわれるような状況においては、本MODE2による動作モードが選択される(SIR要素ON/OFF設定信号がOFF、且つ、サービングセル判定ON/OFF設定信号がON)ことにより、移動局1での送信電力制御をさらに正確かつ安定して行なうことが可能となる。
(3)MODE3について
移動局1と基地局100との間で主にパケット通信が主に行なわれるような状況においては、HSDPAでは、サービングセルとなる基地局100は1つであるので、上述のMODE2の動作モードを選択することにより、送信電力制御を確実に行なうことが可能となるが、音声呼のサービス(パケット通信と音声呼通信の双方が行なわれるテレビ電話のようなサービスも含む)が行なわれるような状況においては、複数の基地局100からの信号を合成受信する場合もある。
この場合、サービングセルではない他の基地局100からのTPCコマンドを信頼して送信電力制御を行なう必要がある場合もある。このような状況において、上記MODE2を選択した場合には、サービングセルではない他の基地局100が、「電力を下げろ(DOWN)」と指示した場合でも、重み付けが低く設定されているために、移動局1の送信電力制御がその指示に追従せず、高い電力を送信し続けることが考えられる。
そこで、本MODE3では、各基地局100から送信される信号についての移動局1でのSIR測定結果に基づいて重み付け係数を生成する。
即ち、本モード(MODE3)は、図3に示すように、SIR要素ON/OFF設定信号がONであり、且つ、サービングセル判定ON/OFF設定信号がOFFの状態のときの重み付け係数計算処理部134の動作モードであり、本MODE3において、重み付け係数計算処理部134は、通信相手の基地局100との間のダウンリンクの受信品質(SIR測定結果)に基づいてTPC重み付け係数を生成する。
ここでは、例えば図3中に示すように、基地局100−1(RL#1)からの信号のSIR測定結果S1に合成(乗算)するSIR重み付け率(SIR Weight Ratio)としてγ1、また、基地局100−2(RL#2)からの信号のSIR測定結果S2に合成(乗算)するSIR重み付け率としてγ2が設定されている。なお、SIR重み付け率γ1,γ2は、SIR測定結果S1,S2を重み付け係数に変換するために用いられる係数であり、本MODE3では、例えば、γ1=γ2とする。
つまり、RL#1,RL#2からの軟判定合成処理結果をそれぞれP1,P2とすると、本MODE3による重み付け処理が行なわれた場合の軟判定合成処理結果は、P1×(S1×γ1)+P2×(S2×γ2)となる。
ここで、図6(a)、図6(b)を用いて上記の重み付け処理による効果を具体的に説明する。
図6(a)は重み付け処理を施される前の各基地局100(RL#1,RL#2,RL#3)(つまり、本例でも、基地局数を3としている)からのTPCコマンドの大きさ、及び、それらの合成(加算)結果の一例を示す図である。
この図6(a)に示す例では、RL#1からのTPCコマンド値を「+2」、RL#2からのTPCコマンド値を「+1」、RL#3からのTPCコマンド値を「−4」とし、RL#3からのTPCコマンドが移動局において誤認識されている状態を示している。
このような場合、RL#1〜#3からのTPCコマンドの軟判定合成結果は、(+2)+(+1)+(−4)=−1となり、合成結果が0以下であるので、送信電力を下げる制御が行なわれてしまう。
これに対して、本MODE3による重み付け処理を行なった場合の各RL#1,RL#2,RL#3からのTPCコマンドの大きさ、各RL#1,RL#2,RL#3のSIR測定結果S1,S2,S3、各SIR測定結果に対するSIR重み付け率γ1,γ2,γ3、及び、重み付け処理後のTPCコマンドの合成(加算)結果を図6(b)に示す。
この図6(b)に示す例においても、図6(a)に示した例と同様、RL#1からのTPCコマンド値を「+2」、RL#2からのTPCコマンド値を「+1」、RL#3からのTPCコマンド値を「−4」としている。そして、さらに、各RL#1,RL#2,RL#3のSIR測定結果をそれぞれ、S1=10dB,S2=7dB,S3=2dBとし、また、各SIR測定結果に付されるSIR重み付け率を、γ1=γ2=γ3=0.1とする。
このような場合、各RL#1,RL#2,RL#3からのTPCコマンドの軟判定合成結果は、(+2)×(10×0.1)+(+1)×(7×0.1)+(−4)×(2×0.1)=1.9となり、合成結果が0よりも大きいので、送信電力を上げる制御が行なわれることとなり、移動局1から基地局100へ(上り方向)の送信電力を上げる(UP)ように、本来の正常な送信電力制御を行なうことが可能となる。
なお、上記のγ1〜γ3の値は、例えば、TPC重み付け係数生成部118に内蔵のメモリ等の記憶装置(図示省略)にSIR−重み付け係数の変換テーブルとして記憶されているが、他にも例えば、SIR値とTPCビット誤り率により対応付けするなどの方法が考えられる。
例えば、SIR値とTPCビット誤り率により対応付けする場合では、SIR=2dBの時のTPCビット誤り率が80%であったとするならば、正しいTPCコマンド結果が受信できるのは、0から1の分布において0.2として重み付け係数を生成するのである。
また、本MODE3では、TPC重み付け係数生成部118が、前記選択部としての機能により、各基地局100のSIR測定結果に応じてMODE2選択時の重み付け係数計算処理部134の動作と、MODE3選択時の重み付け係数計算処理部134の動作とを選択的に切り替えて実行することもできる。
例えば、重み付け係数計算処理部134が、各基地局100のSIR測定結果のうち所定の閾値(受信品質)を超えるSIRを有する基地局数をカウントし、その数が1つであるような場合には、MODE2を選択することにより最もSIRの高い基地局(サービングセル)からのTPCコマンドのみの重み付け係数を大きくし、前記所定の閾値(受信品質)を超えるSIRを有する基地局数が2以上の場合などには、MODE3を選択して重み付け係数を生成する。
これにより、例えば、各基地局100のSIR測定結果のうち、ただ1つの基地局100からのSIR測定結果のみが良好であり、その基地局100以外の基地局100とは疎通が困難であるような場合(例えば、音声呼のように複数基地局100からの信号を合成受信可能なサービスの場合)には、MODE3により決定した重み付け係数による送信電力制御が有効であり、一方、各基地局100のSIR測定結果のうち全てが良好で、一様に均衡する場合などは、MODE2により算出した重み付け係数による送信電力制御が有効であるため、上述のようにMODE2,3を切り換えて選択して重み付け係数計算処理部134を動作させることで、送信電力制御のさらなる安定動作を図ることが可能となる。
また、各基地局100のSIR測定結果が、全てある閾値(例えば、サービングセルにおけるSIRと同レベル)以上の高いレベルである場合には、移動局1において基地局100からのTPCコマンドを誤認識する可能性は極めて低く、このような場合には、重み付け係数計算処理部134は、前述した重み付け合成手段としての機能により、重み付け処理を行なうことなく、TPCコマンドを合成して送信電力制御を行なうことでも正常な送信電力制御を実現することができ、各基地局100からのTPCコマンドに付す重み付け係数を全て1とすることで、あたかも重み付け処理を行なわないようにすることもできる。これにより、重み付け合成処理の処理負荷を削減しつつ、移動局1と基地局100との位置関係(受信品質の関係)に応じて適切な送信電力制御を実現することが可能となる。
(4)MODE4について
本MODE4は、上記MODE2を選択時の重み付け係数計算処理部134の動作と、上記MODE3を選択時の重み付け係数計算処理部134の動作とを併用して重み付け係数を決定するモードに相当する。
即ち、本MODE4は、図3中に示すように、SIR要素ON/OFF設定信号がONであり、且つ、サービングセル判定ON/OFF設定信号がONの状態のときの重み付け係数計算処理部134の動作モードであり、本MODE4において、重み付け係数計算処理部134は、通信相手の基地局100との受信品質(SIR測定結果)と、通信相手の基地局100がサービングセルであるかどうかの識別結果とに依存してTPC重み付け係数を生成する。
即ち、サービングセル重み付け係数をβ、RL#1,RL#2のSIR測定結果S1,S2に付すSIR重み付け率をそれぞれγ1、γ2とし、さらに、RL#1,RL#2からの軟判定合成処理結果をそれぞれP1,P2とすると、本MODE4による重み付け処理が行なわれた場合の軟判定合成処理結果は、P1×{β×(S1×γ1)}+P2×(S2×γ2)となる。
ここで、前述の図6(b)を再度用いて上記の重み付け処理による効果を具体的に説明する。
図6(b)に示す例において、RL#1がサービングセルである場合の本MODE4による重み付け合成処理について説明する。例えば、RL#1,RL#2,RL#3のSIR測定結果をそれぞれ、S1=10dB,S2=7dB,S3=2dBとし、また、各SIR測定結果に付されるSIR重み付け率を、γ1=γ2=γ3=0.1とし、さらに、サービングセル重み付け係数を、β=1.0とする。
このような場合、各RL#1,RL#2,RL#3からのTPCコマンドの軟判定合成結果は、(+2)×{1.0×(10×0.1)}+(+1)×(7×0.1)+(−4)×(2×0.1)=1.9となり、合成結果が0よりも大きいので、送信電力を上げる制御が行なわれることとなり、移動局1から基地局100へ(上り方向)の送信電力を上げる(UP)ように、本来の正常な送信電力制御を行なうことが可能となる。
上記の例では、サービングセル重み付け係数をβ=1.0と設定したため、前記MODE3でのTPCコマンド重み付け合成結果と同じ結果が得られたが、βをさらに大きく設定する(例えば、β=1.5に設定する)ことにより、重み付け合成処理において、サービングセルからのTPCコマンドによる送信電力制御に対する影響を更に大きくすることができる。したがって、より安定した正常な送信電力制御を行なうことが可能となり、また、移動中のハードハンドオーバ時の過渡状態などにおける送信電力制御を平準化することも可能となる。
上述したように、本実施形態にかかる移動局装置及び送信電力制御方法によれば、基地局から移動局へのTPCコマンド(電力制御情報)の移動局での判定精度を向上させ、最適な送信電力を維持できる。
なお、上記の移動局1は、必ずしも上述した各種機能をすべて具備している必要はない。例えば、上述したMODE1〜4の機能を全てそなえる必要はなく、その場合には、各MODEで使用されない機能を図1及び図2の構成から削除すれば良い。
以上、本発明の一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
〔B〕付記
(付記1)
基地局装置から受信される電力制御情報に基づいて該基地局装置への送信電力を制御する移動局装置であって、
複数の前記基地局装置から受信された複数の前記電力制御情報を重み付け合成する重み付け合成手段と、
該重み付け合成手段による合成結果に基づいて該基地局装置への送信電力を制御する送信電力制御手段とをそなえたことを特徴とする、移動局装置。
(付記2)
該重み付け合成手段が、
前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定する第1重み付け処理部をそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の移動局装置。
(付記3)
前記複数の基地局装置からの受信品質を測定する受信品質測定手段をさらにそなえるとともに、
該重み付け合成手段が、
該受信品質測定手段で測定された受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定する第2重み付け処理部をそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の移動局装置。
(付記4)
前記複数の基地局装置からの受信品質を測定する受信品質測定手段をさらにそなえるとともに、
該重み付け合成手段が、
前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定する第1重み付け処理部と、
該受信品質測定手段で測定された受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定する第2重み付け処理部と、
該受信品質測定手段で測定された受信品質のうち所定の閾値を超える基地局装置の数に応じて動作させる前記重み付け処理部を選択する選択部とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の移動局装置。
(付記5)
該選択部が、
前記閾値を超える基地局装置が1つである場合に該第1重み付け処理部を選択し、前記閾値を超える基地局装置が2以上ある場合に該第2重み付け処理部を選択すべく構成されたことを特徴とする、付記4記載の移動局装置。
(付記6)
前記複数の基地局装置からの受信品質を測定する受信品質測定手段をさらにそなえるとともに、
該重み付け合成手段が、
前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定する第1重み付け処理部と、
該受信品質測定手段で測定された受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定する第2重み付け処理部と、
該第1重み付け処理部で設定された重み付け係数と該第2重み付け処理部で設定された重み付け係数とを合成する重み付け係数合成部とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の移動局装置。
(付記7)
前記複数の基地局装置からの受信品質を測定する受信品質測定手段と、
該受信品質測定手段での測定結果に応じて該重み付け合成手段による前記重み付け合成の有効又は無効を制御する重み付け合成制御手段とをさらにそなえたことを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の移動局装置。
(付記8)
移動局装置において、基地局装置から受信される電力制御情報に基づいて該基地局装置への送信電力を制御する送信電力制御方法であって、
複数の前記基地局装置から受信された複数の前記電力制御情報を重み付け合成し、
その合成結果に基づいて該基地局装置への送信電力を制御することを特徴とする、移動局装置における送信電力制御方法。
(付記9)
該移動局装置が、
前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定することを特徴とする、付記8記載の移動局装置における送信電力制御方法。
(付記10)
前記複数の基地局装置からの受信品質を測定し、
測定した受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定することを特徴とする、付記8記載の移動局装置における送信電力制御方法。
(付記11)
前記複数の基地局装置からの受信品質を測定し、
前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定する第1重み付け処理モードと、前記測定した受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定する第2重み付け処理モードとを、前記測定した受信品質のうち所定の閾値を超える基地局装置の数に応じて選択することを特徴とする、付記8記載の移動局装置における送信電力制御方法。
(付記12)
前記閾値を超える基地局装置が1つである場合に該第1重み付け処理モードを選択し、前記閾値を超える基地局装置が2以上ある場合に該第2重み付け処理モードを選択することを特徴とする、付記11記載の移動局装置における送信電力制御方法。
(付記13)
前記複数の基地局装置からの受信品質を測定し、
第1重み付け処理モードにおいて、前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定するとともに、第2重み付け処理モードにおいて、前記測定した受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定し、
該第1重み付け処理モードにおいて設定された重み付け係数と該第2重み付け処理モードにおいて設定された重み付け係数とを合成することを特徴とする、付記8記載の移動局装置における送信電力制御方法。
(付記14)
前記複数の基地局装置からの受信品質を測定し、
その測定結果に応じて前記重み付け合成の有効又は無効を制御することを特徴とする、付記8〜13のいずれか1項に記載の移動局装置における送信電力制御方法。
本発明の一実施形態に係る移動通信システムの構成を基地局装置及び移動局装置の要部の構成に着目して示すブロック図である。 図1に示すTPC重み付け係数生成部の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る重み付け係数生成パターン(MODE)の一例を示す図である。 図1に示す移動局装置の動作(送信電力制御方法)を説明するためのフローチャートである。 (a)は本実施形態に係る重み付け処理を施す前の軟判定合成結果の一例を示す図であり、(b)は本実施形態に係る重み付け処理を施した後の軟判定合成結果の一例を示す図である。 (a)は本実施形態に係る重み付け処理を施す前の軟判定合成結果の一例を示す図であり、(b)は本実施形態に係る重み付け処理を施した後の軟判定合成結果の一例を示す図である。 HSDPAにおけるチャネル構成を示す図である。 TPCビットのフレームフォーマットを示す図である。 DPDCH及びDPCCHの値を示す図である。 従来の基地局及び移動局のTPC処理に係る構成を示すブロック図である。 (a)はTPCシンボル値の一例を示す図であり、(b)はその受信側I−Qコンスタレーションを示す図である。 HSDPAにおけるTPCコマンドのテスト環境での各パラメータを示す図である。 (a)は図12に示すテストケース1における送信電力制御規定を示す図であり、(b)は図12に示すテストケース2における送信電力制御規定を示す図である。 従来の送信電力制御方法を説明するためのフローチャートである。 移動局と基地局との位置関係の一例を示す図である。 移動局側でTPCコマンドの誤認識が起こった場合の送信電力制御を説明するための図である。
符号の説明
1 移動局装置
100、100−1、100−2 基地局装置
101−1,101−2 TPC処理部
102 マッチトフィルタ(Matched filter)
103、125、126 レイク合成器(Rake combiner)
104 SIR測定部(SIR measurement after side diversity)
105 チャネル復号器(Channel decoder)
106 ブロックエラーレート(BLER)測定部(BLER measurement)
107、109、112、127 加算器
108 目標BLER(Target BLER)メモリ
110 目標SIR算出部(Target SIR)
111 TPCコマンド生成部(TPC command generator)
113 チャネル復号器(Channel decoder)
114、115、123、124 乗算器
116 TPCコマンド合成部(TPC Command Combiner)
117 HSチャネル受信処理部(HS Receiver)
118 TPC重み付け係数生成部(TPC weight generation UNIT)
119 DPCH用のマッチトフィルタ
120 CPICH用のマッチトフィルタ
121、122 チャネル推定部(Channel estimation)
128 TPCシンボル軟判定部(TPC symbol Soft decision)
129 HS−SCCH復調/復号部(HS-SCCH Demodulator/Decoder)
130 HS−PDSCH復調/復号部(HS-PDSCH Demodulator/Decoder)
131 サービングセル識別部(Serving/Non-Serving CELL IDENTIFICATION UNIT)
132 送信電力制御部(Power Control Unit)
133 重み付け要素平均化部(Weight Factor Averaging)
134 重み付け係数計算処理部(Weight Calculation Processor)

Claims (10)

  1. 基地局装置から受信される電力制御情報に基づいて該基地局装置への送信電力を制御する移動局装置であって、
    複数の前記基地局装置から受信された複数の前記電力制御情報を重み付け合成する重み付け合成手段と、
    該重み付け合成手段による合成結果に基づいて該基地局装置への送信電力を制御する送信電力制御手段とをそなえたことを特徴とする、移動局装置。
  2. 該重み付け合成手段が、
    前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定する第1重み付け処理部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求項1記載の移動局装置。
  3. 前記複数の基地局装置からの受信品質を測定する受信品質測定手段をさらにそなえるとともに、
    該重み付け合成手段が、
    該受信品質測定手段で測定された受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定する第2重み付け処理部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求項1記載の移動局装置。
  4. 前記複数の基地局装置からの受信品質を測定する受信品質測定手段をさらにそなえるとともに、
    該重み付け合成手段が、
    前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定する第1重み付け処理部と、
    該受信品質測定手段で測定された受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定する第2重み付け処理部と、
    該受信品質測定手段で測定された受信品質のうち所定の閾値を超える基地局装置の数に応じて動作させる前記重み付け処理部を選択する選択部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項1記載の移動局装置。
  5. 該選択部が、
    前記閾値を超える基地局装置が1つである場合に該第1重み付け処理部を選択し、前記閾値を超える基地局装置が2以上ある場合に該第2重み付け処理部を選択すべく構成されたことを特徴とする、請求項4記載の移動局装置。
  6. 移動局装置において、基地局装置から受信される電力制御情報に基づいて該基地局装置への送信電力を制御する送信電力制御方法であって、
    複数の前記基地局装置から受信された複数の前記電力制御情報を重み付け合成し、
    その合成結果に基づいて該基地局装置への送信電力を制御することを特徴とする、移動局装置における送信電力制御方法。
  7. 該移動局装置が、
    前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定することを特徴とする、請求項6記載の移動局装置における送信電力制御方法。
  8. 前記複数の基地局装置からの受信品質を測定し、
    測定した受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定することを特徴とする、請求項6記載の移動局装置における送信電力制御方法。
  9. 前記複数の基地局装置からの受信品質を測定し、
    前記複数の基地局装置のうちいずれかの基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を他の基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数よりも高く設定する第1重み付け処理モードと、前記測定した受信品質が高い基地局装置からの電力制御情報についての重み付け係数を前記受信品質の低い基地局装置からの電力制御情報についての重み付けよりも高く設定する第2重み付け処理モードとを、前記測定した受信品質のうち所定の閾値を超える基地局装置の数に応じて選択することを特徴とする、請求項6記載の移動局装置における送信電力制御方法。
  10. 前記閾値を超える基地局装置が1つである場合に該第1重み付け処理モードを選択し、前記閾値を超える基地局装置が2以上ある場合に該第2重み付け処理モードを選択することを特徴とする、請求項9記載の移動局装置における送信電力制御方法。
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