JP2007220864A - Mems波長掃引光源の波長校正装置及び方法 - Google Patents

Mems波長掃引光源の波長校正装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】MEMSスキャナを利用して高速に波長掃引を行うMEMS波長掃引光源の発振波長の校正を正確に行うMEMS波長掃引光源の波長校正装置を提供する。
【解決手段】処理手段10は、PD7から出力される波長情報を持った電気信号aを受けて、MEMS波長掃引光源5の掃引波長範囲におけるエタロン6の複数の透過光に対応するそれぞれのピークを検出するとともに検出したピークのそれぞれにMEMS波長掃引光源5の波長掃引の時間Tに対応づけてピークの次数nを付与し、付与された次数nとMEMSスキャナ60の静止時の発振波長λSとエタロン6の複数の既知波長λRとに基づいて当該次数nのそれぞれのピークのピーク波長を既知波長λRのそれぞれに特定し、特定されたそれぞれのピークのピーク波長を用いてMEMS波長掃引光源5の波長掃引時の発振波長λをMEMS波長掃引光源5の波長掃引の時間Tに対応づけて求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、MEMSスキャナを利用して高速に波長掃引を行うMEMS波長掃引光源の発振波長の校正を正確に行うMEMS波長掃引光源の波長校正装置及び方法に関する。なお、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スキャナとは、マイクロ電気機械式構造体(電気信号の制御を受けて機械的に動作する構造体)によって形成されたスキャナである。
近年、本出願人は、MEMSスキャナを利用して高速に波長掃引を行うMEMS波長掃引光源の波長校正装置に関する技術を特願2004−251670の明細書で提案した。
その従来のMEMS波長掃引光源の波長校正装置の概略構成を図12に示す。MEMS波長掃引光源5において、半導体レーザ(LD)1のARコートされている端面から出射された光をコリメートレンズ2によってコリメート光に変換して回折格子3へ入射し、その入射光に対して回折格子3が出射する回折光をMEMSスキャナ60に入射する。MEMSスキャナ60は、反射体35と反射体駆動手段50で構成され、回折格子3から入射されるコリメート光に対する回折光が、反射体35の反射面で回折格子3へ反射されて、再び回折格子3で回折され、それによって得られた回折光がコリメートレンズ2を介してLD1に入射されるとき、LD1に入射される回折光が所望の波長の光となるようにするとともに、この所望の波長が所定の波長範囲にわたって往復掃引されるように反射体35の反射面の角度を反射体駆動手段50により所定の周期で往復回転させている。
このような構成によって、波長掃引された光が発振されて、LD1のARコートされていない端面から出力される。なお、反射体駆動手段50は、反射体35の反射面の角度を往復回転させるために自身で発生している駆動信号(波長範囲、周期/掃引時間を決めている)を、掃引信号bとして出力している。
エタロン6は、回折格子3の0次光を受けて等間隔に配列された複数の既知波長の光を透過する。エタロン6の透過プロファイルは、図4に示すように、フリースペクトルレンジ(FSR)毎にローレンシャン形のピークが波長軸上に等間隔に並んだ形状をしている。そして、それぞれのピーク波長は、予め測定されており、例えば、・・・1535nm、1540nm、1545nm・・・のように5nm間隔の既知波長である。
受光器(PD)7は、エタロン6からの透過光を電気信号aに変換して処理手段8へ出力する。処理手段8は、波長情報を持ったこの電気信号aと反射体駆動手段50から出力される掃引信号bとに基づいて、図8に示すように、MEMS波長掃引光源5の波長掃引時の発振波長を校正する。
ここで、MEMS波長掃引光源5の波長掃引時の発振波長の校正について具体的に説明する。MEMSスキャナ60の往復回転中の反射体35の反射面の角度は正弦波状に変化しており、MEMS波長掃引光源5の波長掃引時の発振波長も正弦波状となる。したがって、波長掃引時の発振波長とエタロン6のピークの発生タイミングの時間関係は図5のようになり、またその時間軸を拡大してエタロン6の透過プロファイルをプロットすると、図6に示すように、ピークの間隔が等間隔でない形状となる。なお、この図6に示した透過プロファイルは、処理手段8において、PD7から出力される電気信号aをA/D変換し、そのディジタル値を波長掃引の時間に対応づけて順次所定のアドレスに記憶することによって求めることができる。
そして、処理手段8は、図6に示した透過プロファイルから図8に示した波長掃引の時間に対する発振波長のグラフを求め、次にこのグラフの曲線を所定の関数、例えば3次関数の近似式で近似して波長掃引の時間に対する発振波長の関係式を算出する。したがって、この関係式を用いて、波長掃引の任意の時間に対する発振波長(瞬時の発振波長)を知ることができる。具体的な数値を用いて説明すると、波長掃引された発振波長が1534nm〜1568nm(1551nm±17nm)で、エタロン6のピークの既知波長が、・・・1535nm、1540nm、1545nm・・・のように5nm間隔であるとすると、図6に示したエタロン6のピークの次数n(n)=0のピーク波長は1535nm、n=1のピーク波長は1540nm・・・n=5のピーク波長は1560nm、n=6のピーク波長は1565nmとなり、これらを図8のようにプロットし、一般式λ=b0+b1T+b22+b33で表される3次関数の近似式を最小自乗法によって算出する。
上述したMEMS波長掃引光源5は次のような特性を有している。すなわち、MEMSスキャナ60の往復回転中の反射体35の反射面の角度は、反射体35が反射体駆動手段50からの駆動信号によって回転されていない状態(換言すればMEMSスキャナ60の静止時)の反射面の角度を中心に正弦波状に変化している。したがって、MEMS波長掃引光源5の波長掃引時(MEMSスキャナ60の駆動時)の発振波長は、MEMSスキャナ60の静止時の発振波長を中心に正弦波状に変化する。
このような波長掃引特性を持ったMEMS波長掃引光源5の波長掃引時(MEMSスキャナ60の駆動時)の発振波長λは、MEMSスキャナ60の静止時の発振波長λS、波長掃引振幅Λ、掃引周波数f及び時間Tを用いて(1)式で表される。
λ=λS+Λsin(2πfT) (1)
なお、波長掃引振幅Λは、MEMS波長掃引光源5の掃引波長範囲(2Λ)を決める定数で、主に上述の駆動信号の振幅の調整によって設定される。また、掃引周波数fは、反射体35の機械的な固有共振周波数と、この固有共振周波数の近傍に設定される駆動信号の周波数で決められる。
しかしながら、このようなMEMS波長掃引光源5においては、次のような問題があった。すなわち、上述の反射体35の機械的な固有共振周波数は温度依存性が大きく、しかもその共振特性の半値幅が数Hz(約700Hzの共振周波数に対して)と狭いために、周囲温度の変化によって固有共振周波数が変動すると、それに伴って上述の駆動信号の周波数との周波数差が大きくなって上記共振特性の中心からずれ、その結果、共振振幅が小さくなって掃引波長範囲を狭める(上記波長掃引振幅Λを小さくする)といった現象が起きた。そのために、MEMSスキャナ60を温度制御して安定化しているが、その温度制御でカバーできないような環境条件の下では、やはり掃引波長範囲が変動してしまい発振波長が正確に校正できないという問題が生じた。
ここで、上述した具体的な数値に関連づけてこの問題を説明する。すなわち、波長掃引された発振波長が当初1534nm〜1568nm(1551nm±17nm)であったものが、温度変動によって1536nm〜1566nm(1551nm±15nm)に変わったとすると、エタロン6のピークの既知波長は当初のままの・・・1535nm、1540nm、1545nm・・・のように5nm間隔であるので、温度変動後のエタロン6の透過プロファイルは図7のようになり、その場合、エタロン6のピークの次数n(n)=0のピーク波長は1540nm、n=1のピーク波長は1545nm・・・n=4のピーク波長は1560nm、n=5のピーク波長は1565nmとなる。これを上述の図8に対応させて示すと図9のようになる。その結果、ピークの数が当初7つであったものが温度変動後は6つに減り、またn=0のピーク波長(図8、図9においては時間T0での波長に対応)が当初1535nmであったものが温度変動後は1540nmに変わる。処理手段8は、n=0のピーク波長が変わったことを認識できないために、当初のn=0のピーク波長が1535nmという前提のままで近似式を求めることとなり、間違った波長を算出してしまう。
本発明は、掃引中の波長変化率が最大となる瞬間の発振波長は掃引波長範囲の変動に依存しないということを利用して、この課題を解決し、MEMS波長掃引光源の発振波長の校正を正確に行うMEMS波長掃引光源の波長校正装置及び方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1のMEMS波長掃引光源の波長校正装置では、半導体レーザ(1)、コリメートレンズ(2)、回折格子(3)及びMEMSスキャナ(60)を含んで構成され、前記MEMSスキャナを駆動して往復掃引させることによって波長掃引を行う外部共振器型の光源にして、前記MEMSスキャナの駆動時の発振波長λが、該MEMSスキャナの静止時の発振波長λS、波長掃引振幅Λ、掃引周波数f及び時間Tを用いてλ=λS+Λsin(2πfT)で表される波長掃引特性を有するMEMS波長掃引光源(5)と、前記回折格子の0次光が出射される光路上に設けられ、波長範囲2Λにわたって等間隔に配列された少なくとも4つ以上の複数の既知波長λRの光を透過させる光共振器(6)と、前記MEMS波長掃引光源の発振波長λの変化に対応して前記光共振器から順次出射される透過光を受けて電気信号に変換する受光器(7)と、該受光器から出力される前記電気信号から前記波長範囲2Λにおける前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークを検出するとともに検出した該ピークのそれぞれに前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけてピークの次数nを付与し、付与された該次数nと前記MEMSスキャナの静止時の前記発振波長λSと前記光共振器の複数の前記既知波長λRとに基づいて当該次数nのそれぞれのピークのピーク波長を該既知波長λRのそれぞれに特定し、特定された該それぞれのピークのピーク波長を用いて前記MEMS波長掃引光源の波長掃引時の発振波長λを当該MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけて求める処理手段(10)とを備えた。
また、本発明の請求項2のMEMS波長掃引光源の波長校正装置では、上述した請求項1のMEMS波長掃引光源の波長校正装置において、前記処理手段は、前記受光器からの前記電気信号を受けてディジタル値に変換するA/D変換器(11)と、該A/D変換器から出力される前記ディジタル値を前記MEMS波長掃引光源の掃引の時間Tに対応づけて順次所定のアドレスに記憶するメモリ(12)と、該メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、前記波長範囲2Λにおける前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークを検出し、検出した該ピークのそれぞれに前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけてピークの次数nを付与するピーク検出手段(13)と、該ピーク検出手段から出力される前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークの前記次数n及び前記時間Tを用いて、該時間Tに対する前記次数nの関係が3次以上の多次関数で表される次数nの近似式を求める次数近似式算出手段(14)と、該次数近似式算出手段から出力される次数nの近似式において、次数nの変化率が最大となる時間TVMにおける次数nCを求める変化率最大次数算出手段(15)と、該変化率最大次数算出手段から出力される前記次数nCに対応する波長が前記MEMSスキャナの静止時の前記発振波長λSになることに基づいて、前記ピーク検出手段において付与された前記次数nのそれぞれのピークのピーク波長を前記光共振器の複数の前記既知波長λRのそれぞれに特定するとともに、特定された当該それぞれのピークのピーク波長を前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけるピーク波長特定手段(16)と、該ピーク波長特定手段から出力される前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークの前記ピーク波長及び前記時間Tを用いて、該時間Tに対する前記ピーク波長の関係が所定の関数で表される波長λの近似式を求める波長近似式算出手段(17)と、該波長近似式算出手段から出力される波長λの近似式に基づいて、前記MEMS波長掃引光源の波長掃引時の発振波長λを当該MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけて求める発振波長算出手段(18)とを備えた。
また、本発明の請求項3のMEMS波長掃引光源の波長校正装置では、上述した請求項2のMEMS波長掃引光源の波長校正装置において、前記次数近似式算出手段における前記次数nの近似式の前記多次関数が、一般式n=a0+a1T+a22+a33で表される3次関数であり、かつ、前記波長近似式算出手段における前記波長λの近似式の前記所定の関数が、一般式λ=b0+b1T+b22+b33で表される3次関数であるようにした。
また、本発明の請求項4のMEMS波長掃引光源の波長校正装置では、上述した請求項1〜3のいずれかのMEMS波長掃引光源の波長校正装置において、前記MEMS波長掃引光源は、一方のレーザ光出射端面がARコートされている前記半導体レーザ(1)と、 該半導体レーザのARコートされている端面から出射された光をコリメートする前記コリメートレンズ(2)と、該コリメートレンズから出射されたコリメート光を受けて波長に応じた角度で回折させる前記回折格子(3)と、反射体(35)と反射体駆動手段(50)とを含んで構成され、前記回折格子から入射される前記コリメート光に対する回折光が、前記反射体の反射面で該回折格子へ反射されて、再び該回折格子で回折され、それによって得られた回折光が前記コリメートレンズを介して前記半導体レーザに入射されるとき、該半導体レーザに入射される回折光が所望の波長の光となるようにするとともに、該所望の波長が所定の波長範囲にわたって往復掃引されるように前記反射体の反射面の角度を前記反射体駆動手段により所定の周期で往復回転させる前記MEMSスキャナ(60)とを含んで構成した。
また、本発明の請求項5のMEMS波長掃引光源の波長校正装置では、上述した請求項4のMEMS波長掃引光源の波長校正装置において、前記MEMSスキャナの反射体は、固定基板(36、37)と、該固定基板の縁部から所定幅で所定長さ延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な軸部(38、39)と、該軸部の先端に自身の縁部で連結されて形成され、一面側に前記回折格子からの回折光を反射させるための前記反射面が設けられた反射板(40)とを有しており、かつ、前記MEMSスキャナの反射体駆動手段は、前記反射体の軸部と反射板とからなる部分の固有振動数に対応した周波数の駆動信号によって前記反射板に力を与えて、該反射板を前記固有振動数又はそれに近い振動数で往復回転させるように構成した。
また、本発明の請求項6のMEMS波長掃引光源の波長校正方法では、半導体レーザ(1)、コリメートレンズ(2)、回折格子(3)及びMEMSスキャナ(60)を含んで構成され、前記MEMSスキャナを駆動して往復掃引させることによって波長掃引を行う外部共振器型の光源にして、前記MEMSスキャナの駆動時の発振波長λが、該MEMSスキャナの静止時の発振波長λS、波長掃引振幅Λ、掃引周波数f及び時間Tを用いてλ=λS+Λsin(2πfT)で表される波長掃引特性を有するMEMS波長掃引光源(5)と、前記回折格子の0次光が出射される光路上に設けられ、波長範囲2Λにわたって等間隔に配列された少なくとも4つ以上の複数の既知波長λRの光を透過させる光共振器(6)と、前記MEMS波長掃引光源の発振波長λの変化に対応して前記光共振器から順次出射される透過光を受けて電気信号に変換する受光器(7)とを備え、前記受光器から出力される前記電気信号から前記MEMS波長掃引光源の波長掃引時の発振波長λを求めるMEMS波長掃引光源の波長校正方法であって、前記受光器から出力される前記電気信号から前記波長範囲2Λにおける前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークを検出し、検出した該ピークのそれぞれに前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけてピークの次数nを付与するピーク検出/次数付与段階と、該ピーク検出/次数付与段階で付与された前記次数nと前記MEMSスキャナの静止時の前記発振波長λSと前記光共振器の複数の前記既知波長λRとに基づいて当該次数nのそれぞれのピークのピーク波長を該既知波長λRのそれぞれに特定するピーク波長特定段階と、該ピーク波長特定段階で特定された前記それぞれのピークのピーク波長を用いて前記MEMS波長掃引光源の波長掃引時の発振波長λを当該MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけて求める発振波長算出段階とを含むようにした。
また、本発明の請求項7のMEMS波長掃引光源の波長校正方法では、上述した請求項6のMEMS波長掃引光源の波長校正方法において、前記ピーク検出/次数付与段階が、前記受光器からの前記電気信号を受けてディジタル値に変換する第1の段階と、前記ディジタル値を前記MEMS波長掃引光源の掃引の時間Tに対応づけて順次メモリの所定のアドレスに記憶する第2の段階と、メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、前記波長範囲2Λにおける前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークを検出し、検出した該ピークのそれぞれに前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけてピークの次数nを付与する第3の段階とを備え、かつ、前記ピーク波長特定段階が、前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークの前記次数n及び前記時間Tを用いて、該時間Tに対する前記次数nの関係が3次以上の多次関数で表される次数nの近似式を求める第4の段階と、前記次数nの近似式において、該次数nの変化率が最大となる時間TVMにおける次数nCを求める第5の段階と、該次数nCに対応する波長が前記MEMSスキャナの静止時の前記発振波長λSになることに基づいて、前記第3の段階で付与された前記次数nのそれぞれのピークのピーク波長を前記光共振器の複数の前記既知波長λRのそれぞれに特定するとともに、特定された当該それぞれのピークのピーク波長を前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づける第6の段階とを備え、さらに、前記発振波長算出段階が、前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークの前記ピーク波長及び前記時間Tを用いて、該時間Tに対する前記ピーク波長の関係が所定の関数で表される波長λの近似式を求める第7の段階と、前記波長λの近似式に基づいて、前記MEMS波長掃引光源の波長掃引時の発振波長λを当該MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけて求める第8の段階とを備えた。
また、本発明の請求項8のMEMS波長掃引光源の波長校正方法では、上述した請求項7のMEMS波長掃引光源の波長校正方法において、前記第4の段階における前記次数nの近似式の前記多次関数が、一般式n=a0+a1T+a22+a33で表される3次関数であり、かつ、前記第7の段階における前記波長λの近似式の前記所定の関数が、一般式λ=b0+b1T+b22+b33で表される3次関数であるようにした。
また、本発明の請求項9のMEMS波長掃引光源の波長校正方法では、上述した請求項6〜8のいずれかのMEMS波長掃引光源の波長校正方法において、前記MEMS波長掃引光源は、一方のレーザ光出射端面がARコートされている前記半導体レーザ(1)と、該半導体レーザのARコートされている端面から出射された光をコリメートする前記コリメートレンズ(2)と、該コリメートレンズから出射されたコリメート光を受けて波長に応じた角度で回折させる前記回折格子(3)と、反射体(35)と反射体駆動手段(50)とを含んで構成され、前記回折格子から入射される前記コリメート光に対する回折光が、前記反射体の反射面で該回折格子へ反射されて、再び該回折格子で回折され、それによって得られた回折光が前記コリメートレンズを介して前記半導体レーザに入射されるとき、該半導体レーザに入射される回折光が所望の波長の光となるようにするとともに、該所望の波長が所定の波長範囲にわたって往復掃引されるように前記反射体の反射面の角度を前記反射体駆動手段により所定の周期で往復回転させる前記MEMSスキャナ(60)とを含んで構成した。
また、本発明の請求項10のMEMS波長掃引光源の波長校正方法では、上述した請求項9のMEMS波長掃引光源の波長校正方法において、前記MEMSスキャナの反射体は、固定基板(36、37)と、該固定基板の縁部から所定幅で所定長さ延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な軸部(38、39)と、該軸部の先端に自身の縁部で連結されて形成され、一面側に前記回折格子からの回折光を反射させるための前記反射面が設けられた反射板(40)とを有しており、かつ、前記MEMSスキャナの反射体駆動手段は、前記反射体の軸部と反射板とからなる部分の固有振動数に対応した周波数の駆動信号によって前記反射板に力を与えて、該反射板を前記固有振動数又はそれに近い振動数で往復回転させるように構成した。
本発明のMEMS波長掃引光源の波長校正装置及び方法では、MEMS波長掃引光源の掃引波長範囲2Λにおける光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークを検出するとともに検出したピークのそれぞれにMEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけてピークの次数nを付与し、付与された次数nとMEMSスキャナの静止時の発振波長λSと光共振器の複数の既知波長λRとに基づいて当該次数nのそれぞれのピークのピーク波長を既知波長λRのそれぞれに特定し、特定されたそれぞれのピークのピーク波長を用いてMEMS波長掃引光源の波長掃引時の発振波長λをMEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけて求めるようにしたので、例えMEMS波長掃引光源の掃引波長範囲が変動した場合であっても、当該MEMS波長掃引光源の発振波長の校正を正確に行うことができる。
本発明の実施形態のMEMS波長掃引光源の波長校正装置の構成を図1に示す。従来のMEMS波長掃引光源の波長校正装置と同一要素には同一符号を付す。MEMS波長掃引光源5において、半導体レーザ(LD)1のARコートされている端面から出射された光をコリメートレンズ2によってコリメート光に変換して回折格子3へ入射し、その入射光に対して回折格子3が出射する回折光をMEMSスキャナ60に入射する。MEMSスキャナ60は、反射体35と反射体駆動手段50で構成され、回折格子3から入射されるコリメート光に対する回折光が、反射体35の反射面で回折格子3へ反射されて、再び回折格子3で回折され、それによって得られた回折光がコリメートレンズ2を介してLD1に入射されるとき、LD1に入射される回折光が所望の波長の光となるようにするとともに、この所望の波長が所定の波長範囲にわたって往復掃引されるように反射体35の反射面の角度を反射体駆動手段50により所定の周期で往復回転させている。
なお、MEMSスキャナ60を構成する反射体35及び反射体駆動手段50については、後に図2及び図3を用いて詳述する。
このような構成によって、波長掃引された光が発振されて、LD1のARコートされていない端面から出力される。なお、反射体駆動手段50は、反射体35の反射面の角度を往復回転させるために自身で発生している、図3に示す駆動信号Da、Db(波長範囲、周期/掃引時間を決めている)のいずれか一方を掃引信号bとして出力している。
上述のMEMS波長掃引光源5は次のような特性を有している。すなわち、MEMSスキャナ60の往復回転中の反射体35の反射面の角度は、反射体35が反射体駆動手段50からの駆動信号Da、Dbによって回転されていない状態(換言すればMEMSスキャナ60の静止時)の反射面の角度を中心に正弦波状に変化している。したがって、MEMS波長掃引光源5の波長掃引時(MEMSスキャナ60の駆動時)の発振波長は、MEMSスキャナ60の静止時の発振波長を中心に正弦波状に変化する。
このような波長掃引特性を持ったMEMS波長掃引光源5の波長掃引時(MEMSスキャナ60の駆動時)の発振波長λは、MEMSスキャナ60の静止時の発振波長λS、波長掃引振幅Λ、掃引周波数f及び時間Tを用いて(1)式で表される。
λ=λS+Λsin(2πfT) (1)
なお、波長掃引振幅Λは、MEMS波長掃引光源5の掃引波長範囲(2Λ)を決める定数で、主に上述の駆動信号Da、Dbの振幅の調整によって設定される。また、掃引周波数fは、反射体35の機械的な固有共振周波数と、この固有共振周波数の近傍に設定される駆動信号Da、Dbの周波数で決められる。
なお、図1において、MEMS波長掃引光源5は、LD1のARコートされている端面から出射された光をコリメートレンズ2によってコリメート光に変換して回折格子3へ入射するようにしたが、LD1とコリメートレンズ2との間に集光レンズとファイバを設け、LD1のARコートされている端面から出射された光を集光レンズで集光してファイバに入射し、ファイバを通った光をコリメートレンズ2によってコリメート光に変換して回折格子3へ入射するようにしてもよい。また、図1において、MEMS波長掃引光源5は、LD1のARコートされていない端面から出射された光を出力としたが、回折格子3の0次光を光カプラで分岐して出力としてもよい。
以上のように構成されたMEMS波長掃引光源5から、例えば1534nm〜1568nm(1551nm±17nm)の波長掃引された発振波長の光が出力されたとすると、上記(1)式におけるλS及びΛは、それぞれλS=1551nm、Λ=17nmとなる。また、温度変動によって掃引波長範囲が狭まって1536nm〜1566nm(1551nm±15nm)になったとすると、それぞれλS=1551nm、Λ=15nmとなる。MEMSスキャナ60の静止時の発振波長λSは、温度変動の影響をほとんど受けないので同じλS=1551nmのままである。なお、このMEMSスキャナ60の静止時の発振波長λSは、予め、図3(a)、(b)に示す駆動信号Da、Dbの振幅を0にした状態で測定されて記憶保持されている。
エタロン6は、光共振器であり、回折格子3の0次光を受けて等間隔に配列された複数の既知波長λRの光を透過する。エタロン6の透過プロファイルは、図4に示すように、FSR毎にローレンシャン形のピークが波長軸上に等間隔に並んだ形状をしている。そして、それぞれのピーク波長は、予め測定されており、例えば、・・・1535nm、1540nm、1545nm・・・のように5nm間隔の既知波長λRである。なお、ここでは、等間隔に配列された複数の既知波長の光を透過する光共振器としてエタロンを用いたが、非対称マッハツェンダ干渉計、マイケルソン干渉計等を用いるようにしてもよい。
受光器(PD)7は、エタロン6からの透過光を電気信号aに変換して処理手段10へ出力する。
処理手段10は、PD7から出力される波長情報を持った電気信号aとMEMS波長掃引光源5の反射体駆動手段50から出力される掃引信号bとに基づいて、図8に示すように、MEMS波長掃引光源5の波長掃引時の発振波長の校正を行うもので、A/D変換器11、メモリ12、ピーク検出手段13、次数近似式算出手段14、変化率最大次数算出手段15、ピーク波長特定手段16、波長近似式算出手段17及び発振波長算出手段18によって構成されている。
すなわち、A/D変換器11は、反射体駆動手段50から入力される上述の掃引信号bをトリガにして、周波数確度の高い内部クロック(例えば10MHz)によって電気信号aを順次ディジタル値に変換する。
メモリ12は、制御部(図示しない)からの指示に基づいて、A/D変換器11から出力される電気信号aのディジタル値の内から、MEMS波長掃引光源5の掃引波長範囲(上述の1534nm〜1568nm)に対応するディジタル値を、MEMS波長掃引光源5の波長掃引の時間T(以下適宜、掃引時間Tあるいは時間Tという。また、その経過時間をT0、T1、T2、T3・・・で表す。)に対応させて、順次所定のアドレスに記憶する。なお、ここでは、メモリ12への記憶を制御部(図示しない)からの指示で行うようにしたが、A/D変換器11に入力される掃引信号bの位相が掃引波長範囲との関係において適切であれば、A/D変換器11の出力をそのまま記憶するようにしてもよい。
ピーク検出手段13は、読み出信号cによってメモリ12の所定のアドレスに記憶されている掃引波長範囲(上述の1534nm〜1568nm)に対応するディジタル値を読み出して、図4に示すエタロン6の透過プロファイルに対応するそれぞれのピークを検出する。そして、検出したそれぞれのピークに基づいて、図6に示すように、掃引の時間Tに対応づけた透過プロファイルを求めて、それぞれのピークにピークの次数nをn=0、1、2、3・・・のように付与する。すなわち、経過時間T0で検出したピーク(ピーク波長1535nm)に対してn=0、経過時間T1で検出したピーク(ピーク波長1540nm)に対してn=1、経過時間T2で検出したピーク(ピーク波長1545nm)に対してn=2、経過時間T3で検出したピーク(ピーク波長1550nm)に対してn=3、経過時間T4で検出したピーク(ピーク波長1555nm)に対してn=4、・・・・を付与する。
次数近似式算出手段14は、ピーク検出手段13から出力される、図6の透過プロファイルのデータ、すなわちそれぞれのピークの次数n及び時間T(経過時間T0、T1、T2、T3・・・)を、図10に示すようにプロットして、時間T(経過時間T0、T1、T2、T3・・・)に対する次数nのグラフを求め、次にこのグラフの曲線を最小自乗法により(2)式に示す3次関数の近似式で近似する。
n=a0+a1T+a22+a33 (2)
なお、この次数nの近似式は3次関数に限定されるわけではなく、変化率が最大となる次数nC(後述する)を求めることができる3次以上の4次又は5次関数等であってもよい。
変化率最大次数算出手段15は、次数近似式算出手段14から出力される上記(2)式の次数nの近似式において、次数nの変化率が最大となる時間TVMにおける次数nCを求める。すなわち、次数nの変化率が最大となる時間TVMは、上記(2)式を2階微分して、その値が0となる時間Tであるので(3)式で表される。したがって、変化率が最大となる次数nをnCとすると、nCは(4)式で表される。
VM=−a2/(3a3) (3)
C =a0+a1VM+a2VM 2+a3VM 3 (4)
上述の図10に示すように近似した場合、時間TVMにおける変化率最大の次数nCはnC=3.2となる。なお、時間Tと次数nの関係を上記(2)式の代わりに、T=k0+k1n+k22+k33のように表して、Tの変化率が最小となるときの次数nをnCとして求めても上記と同じ効果が得られる。その場合、nC=−k2/(3k3)となる。
ピーク波長特定手段16は、変化率最大次数算出手段15から出力される次数nC(上述のnC=3.2)に対応する波長が、MEMSスキャナ60の静止時の発振波長λS(上述のλS=1551nm)になることに基づいて、ピーク検出手段13から出力される図6の透過プロファイルのデータ(それぞれのピークの次数nと経過時間T0、T1、T2、T3・・・との関係)における、それぞれの次数nのピーク波長を、エタロン6の複数の既知波長λR(上述の・・・1535nm、1540nm、1545nm・・・のように5nm間隔の既知波長λR)のそれぞれに特定するとともに、特定されたそれぞれのピークのピーク波長をMEMS波長掃引光源5の掃引時間Tに対応づける。なお、MEMSスキャナ60の静止時の発振波長λS(上述のλS=1551nm)は、予め測定されて記憶保持されているので、それを読み出して用いる。
まず、変化率が最大となる次数nCに対応する波長がMEMSスキャナ60の静止時の発振波長λSになることについてその理由を説明する。すなわち、上記(1)式で表された、MEMS波長掃引光源5の波長掃引時(MEMSスキャナ60の駆動時)の発振波長λの時間変化率は(5)式で与えられ、またこの(5)式における波長変化率が最大となる時間TλVMは(6)式で与えられる。そして、このT=TλVMを上記(1)式に代入することによって(7)式が得られる。
dλ/dT =2πfΛcos(2πfT) (5)
TλVM=±1/f、±2/f、±3/f、・・・ (6)
λ(TλVM)=λS (7)
上述の波長変化率が最大となる時間TλVMと、前述の次数nの変化率が最大となる時間TVMとは、T=TλVM=TVMとなるはずである。したがって、前記(4)式と上記(7)式から、変化率が最大となる次数nCに対応する波長は、MEMSスキャナ60の静止時の発振波長λSとなる。例えば、MEMS波長掃引光源5の波長掃引範囲が1534nm〜1568nm(1551nm±17nm)の場合、T=TλVMにおいてλS=1551nmであり、また次数nCは、上述の変化率最大次数算出手段15で記載した通り、T=TVMにおいてnC=3.2である。
ところで、上記(7)式から、掃引中の波長変化率が最大となる瞬間の発振波長は、MEMSスキャナ60の静止時の発振波長λSとなり、掃引波長範囲とは無関係となることが分かる。このことから、掃引中の波長変化率が最大となる瞬間の発振波長は掃引波長範囲の変動に依存しないといえる。
次に、ピーク波長特定手段16が、次数nのそれぞれのピークのピーク波長をエタロン6の複数の既知波長λRのそれぞれに特定し、特定されたそれぞれのピークのピーク波長をMEMS波長掃引光源5の掃引時間Tに対応づけることについて具体的に説明する。すなわち、MEMS波長掃引光源5の波長掃引範囲が1534nm〜1568nm(1551nm±17nm)の場合、上述した通り、TVMにおいてλS=1551nm、nC=3.2であり、またエタロン6の透過プロファイルは、・・・1535nm、1540nm、1545nm、1550nm、1555nm、1560nm、1565nm・・・のように5nm間隔に複数の既知波長λRのピークを持っているので、図10の左右のY軸の関係から分かるように、n=3のピークは1550nmにあるエタロン6のピークと特定することができ、それによって、その他の次数nも必然的に特定される。また、それぞれの次数nがそれぞれの既知波長λRに特定されれば、図10のX軸と右のY軸の関係から分かるように、既知波長λRに特定されたそれぞれのピークのピーク波長はMEMS波長掃引光源5の掃引時間Tに必然的に対応づけられる。
波長近似式算出手段17は、ピーク波長特定手段16から出力される、図10のX軸と右のY軸との関係を表すデータ、すなわちそれぞれのピーク波長及び時間T(経過時間T0、T1、T2、T3・・・)を、図8に示すようにプロットして、時間T(経過時間T0、T1、T2、T3・・・)に対する発振波長のグラフを求め、次にこのグラフの曲線を最小自乗法により(8)式に示す3次関数の近似式で近似する。
λ=b0+b1T+b22+b33 (8)
なお、この次数nの近似式は3次関数に限定されるわけではなく、近似度、計算時間等を考慮して1次、2次、4次又は5次関数等を用いるようにしてもよい。
発振波長算出手段18は、波長近似式算出手段17から出力される上記(8)式の発振波長の近似式に基づいて、図8に示すように、MEMS波長掃引光源5の波長掃引時の発振波長λをMEMS波長掃引光源5の波長掃引の時間Tに対応づけて求める。
次に、MEMS波長掃引光源5の波長掃引時の発振波長λが、当初1534nm〜1568nm(1551nm±17nm)であったものが、温度変動によって1536nm〜1566nm(1551nm±15nm)に変わった場合について説明する。
すなわち、メモリ12は、A/D変換器11から出力される電気信号aのディジタル値の内から、MEMS波長掃引光源5の掃引波長範囲(上述の1536nm〜1566nm)に対応するディジタル値を、MEMS波長掃引光源5の掃引時間Tに対応させて、順次所定のアドレスに記憶する。
ピーク検出手段13は、メモリ12の所定のアドレスに記憶されている掃引波長範囲(上述の1536nm〜1566nm)に対応するディジタル値を読み出して、図4に示すエタロン6の透過プロファイルに対応するそれぞれのピークを検出する。そして、検出したそれぞれのピークに基づいて、図7に示すように、掃引時間Tに対応づけた透過プロファイルを求めて、それぞれのピークにピークの次数nをn=0、1、2、3・・・のように付与する。
次数近似式算出手段14は、ピーク検出手段13から出力される、図7の透過プロファイルのデータを、図11に示すようにプロットして、時間T(経過時間T0、T1、T2、T3・・・)に対する次数nのグラフを求め、次にこのグラフの曲線を最小自乗法により上述の(2)式に示す3次関数の近似式で近似する。
変化率最大次数算出手段15は、次数近似式算出手段14から出力される次数nの近似式から、上記(3)及び(4)式を用いて、次数nの変化率が最大となる時間TVMにおける次数nCを求める。上述の図11に示すように近似した場合、時間TVMにおける変化率最大の次数nCはnC=2.2となる。
ピーク波長特定手段16は、MEMS波長掃引光源5の波長掃引範囲が1536nm〜1566nm(1551nm±15nm)の場合、TVMにおいてλS=1551nm、nC=2.2であり、またエタロン6の透過プロファイルは、・・・1540nm、1545nm、1550nm、1555nm、1560nm、1565nm・・・のように5nm間隔に複数の既知波長λRのピークを持っているので、図11の左右のY軸の関係から分かるように、n=2のピークは1550nmにあるエタロン6のピークと特定することができ、それによって、その他の次数nも必然的に特定される。また、それぞれの次数nがそれぞれの既知波長λRに特定されれば、図11のX軸と右のY軸の関係から分かるように、既知波長λRに特定されたそれぞれのピークのピーク波長はMEMS波長掃引光源5の掃引時間Tに必然的に対応づけられる。
波長近似式算出手段17は、ピーク波長特定手段16から出力される、図11のX軸と右のY軸との関係を表すデータ、すなわちそれぞれのピーク波長及び時間T(経過時間T0、T1、T2、T3・・・)を、図9に示すようにプロットして、時間T(経過時間T0、T1、T2、T3・・・)に対する発振波長のグラフを求め、次にこのグラフの曲線を最小自乗法により上述の(8)式に示す3次関数の近似式で近似する。
発振波長算出手段18は、波長近似式算出手段17から出力される上記(8)式の発振波長の近似式に基づいて、図9に示すように、MEMS波長掃引光源5の波長掃引時の発振波長λをMEMS波長掃引光源5の波長掃引の時間Tに対応づけて求める。
次に、図1に示したMEMS波長掃引光源5の一部を構成するMEMSスキャナ60の反射体35及び反射体駆動手段50について詳述する。反射体35は、図2に示すように、横長矩形で互いに平行に配置された一対の固定基板36、37と、この一対の固定基板36、37の長辺側縁部の中央からこの固定基板36、37と直交する方向に所定幅、所定長さで延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な一対の軸部38、39と、横長矩形で一方の長辺側縁部の中央部で軸部38の先端に連結され、他方の長辺側縁部の中央部で軸部39の先端に連結された反射板40とを有している。この反射板40は、捩じれ変形可能な軸部38、39に中心部が支持されているので、この軸部38、39を結ぶ線を中心軸として固定基板36、37に対して回転することができる。また、軸部38、39と反射板40とからなる部分の固有振動数f0は、反射板40自体の形状や質量及び軸部38、39のバネ定数によって決まる。
また、反射板40の一面側には、光を反射するための反射面41が形成されている。この反射面41は、反射板40自体を鏡面仕上げして形成したり、反射率の高い膜(図示しない)を蒸着あるいは接着して形成したりしたものであってもよい。なお、この反射体35は、薄い半導体基板からエッチング処理等により一体的に切り出されたもので、金属膜の蒸着加工により高導電性を有している。
支持基板45は絶縁性を有する材料からなり、その一面側の上部と下部には、前方へ突出する支持台45a、45bが形成されており、反射体35の固定基板36、37は、この上下の支持台45a、45bに接した状態で固定されている。また、支持基板45の一面側中央部の両端には、反射体35の反射板40の両端にそれぞれ対向する電極板46、47がパターン形成されている。この電極板46、47は、後述する駆動信号発生器55とともに反射体駆動手段50(図1参照)を構成するものであり、反射板40の両端部に静電力を交互にかつ周期的に印加して、反射板40を、軸部38、39を結ぶ線を中心に往復回転運動させる。なお、反射板40の回転軸は回折格子3(図1参照)の回折溝と平行となるように設定されている。このように構成された反射体35は、回折格子3からの回折光を反射板40の反射面41で受けて、その反射光を回折格子3へ入射させて、再度回折させる。
一方、反射体駆動手段50(図1参照)の一部を構成する駆動信号発生器55は、例えば図3(a)、(b)に示すように、反射体35の電位を基準として電極板46、47に対して、固有振動数f0に対応した周波数(あるいは固有振動数f0の近傍の振動数に対応した周波数)を有し、位相が180°ずれた駆動信号Da、Dbを印加して、電極板46と反射板40の一端側との間及び電極板47と反射板40の他端側との間に、交互にかつ周期的に静電力(引力)を与え、反射板40を固有振動数f0あるいはその近傍の振動数で所定角度範囲を往復回転させる。また、この駆動信号発生器55は、2つの駆動信号Da、Dbのいずれか一方を掃引信号bとしてA/D変換器11(図1参照)に出力する。なお、図3では、2つの駆動信号Da、Dbがデューティ比50%の矩形波の場合を示しているが、両信号のデューティ比は50%以下であってもよく、また、波形も矩形波に限らず、正弦波、三角波等であってもよい。
このような反射体35及び反射体駆動手段50によって構成されたMEMSスキャナ60(図1参照)では、反射体35を、一対の固定基板36、37と、その縁部から所定幅で所定長さ延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な軸部38、39と、軸部38、39の先端に自身の縁部で連結され、軸部38、39に対して対称な形状に形成され、一面側に反射面41が形成された反射板40とによって構成するとともに、反射体35の軸部38、39と反射板40とからなる部分の固有振動数f0に対応した周波数の駆動信号Da、Dbによって反射板40に力を与えて、反射板40を固有振動数f0又はその近傍の振動数で往復回転させている。なお、MEMSスキャナ60を静止状態にする、すなわち反射体35の反射板40が反射体駆動手段50からの駆動信号Da、Dbによって往復回転されない状態にする場合には、駆動信号Da、Dbの振幅を図3(a)、(b)に示す0にすればよい。
このため、僅かな電気エネルギーで反射板40を高速に往復回転させることができ、しかも、その回転中心が反射板40の内部(この場合、中央部)にあるので、反射板40の反射面41への入射光の反射角の変化量を大きくすることができる。なお、軸部38、39のバネ定数は、軸部38、39の長さ、幅、厚み、材質によって決まり、このバネ定数と、反射板40の形状、厚み、材質等で固有振動数f0が決定され、これらのパラメータを選ぶことにより、固有振動数f0を数100Hz〜数10kHzの範囲内で設定することができる。
したがって、MEMS波長掃引光源5(図1参照)は、上記のような反射体35及び反射体駆動手段50を用いてMEMSスキャナ60を構成するようにしたので、掃引速度の高速化(最大数10kHz)ができる。
なお、上述の図2の説明では、反射体35を導電性の高い材料で構成していたが、反射体35を導電性の低い材料で構成する場合には、反射板40の反射面41と反対面の両側(全面でもよい)に電極板46、47と対向する電極板をそれぞれ設け、更に固定基板36、37の背面側にも電極板を設け、それらの電極板の間をパターン等によって接続する。そして、支持基板45の支持台45a、45bの表面に、固定基板36、37の背面側の電極板と接触する電極板をパターン形成して、その少なくとも一方を基準電位ラインとして上述した駆動信号発生器55に接続すればよい。
また、固定基板36、37の一端側同士の間あるいは両端の間を連結して、固定基板をコの字枠あるいは矩形枠状に形成してもよい。また、反射板40の形状も任意であり、上述の横長矩形の他に、円形、楕円形、長円形、菱形、正方形、多角形等であってもよい。また、高速往復回転時の空気抵抗を減らすために、反射板40の内側に大きな穴あるいは多数の小さな穴を設けてもよい。
また、上述の図2の説明では、反射体35の反射板40の両端にそれぞれ対向する2つの電極板46、47を設けていたが、一方側の電極板(例えば電極板46)だけによって静電力を印加してもよい。また、駆動方式についても、上述の静電力の他に、電磁力によって反射板40を往復回転させてもよい。この場合、例えば、上述の電極板46、47の代わりにコイルを用い、反射板40の両端部に磁性体あるいはコイルを設け、コイル間あるいはコイルと磁性体との間に発生する磁界による吸引力及び反発力によって、反射板40を往復回転させる。
また、上述の静電力や電磁力を反射板40に直接与える方法の他に、超音波振動子等によって上述の固有振動数f0又はその近傍の振動を反射体35全体に加えて、その振動を反射板40に伝達させて往復回転させることも可能である。この場合、振動子を支持基板45の背面側や支持台45a、45bの部分に設けることで、その振動を反射板40に効率的に伝達することができる。
本発明の実施形態の構成を示す図 MEMSスキャナを説明するための分解斜視図 駆動信号を説明するための図 エタロンの波長軸上の透過プロファイルを示す図 波長掃引時の発振波長とエタロンのピーク波長の関係を説明するための図 エタロンの時間軸上の透過プロファイルを示す図 エタロンの時間軸上の透過プロファイルを示す図 波長掃引の時間に対する発振波長の関係を示す図 波長掃引の時間に対する発振波長の関係を示す図 波長掃引の時間に対する次数の関係を示す図 波長掃引の時間に対する次数の関係を示す図 従来例の概略構成を示す図
符号の説明
1・・・半導体レーザ(LD)、2・・・コリメートレンズ、3・・・回折格子、5・・・MEMS波長掃引光源、6・・・エタロン、7・・・受光器(PD)、8,10・・・処理手段、11・・・A/D変換器、12・・・メモリ、13・・・ピーク検出手段、14・・・次数近似式算出手段、15・・・変化率最大次数算出手段、16・・・ピーク波長特定手段、17・・・波長近似式算出手段、18・・・発振波長算出手段、35・・・反射体、36,37・・・固定基板、38,39・・・軸部、40・・・反射板、41・・・反射面、45・・・支持基板、45a,45b・・・支持台、46,47・・・電極板、50・・・反射体駆動手段、55・・・駆動信号発生器、60・・・MEMSスキャナ。

Claims (10)

  1. 半導体レーザ(1)、コリメートレンズ(2)、回折格子(3)及びMEMSスキャナ(60)を含んで構成され、前記MEMSスキャナを駆動して往復掃引させることによって波長掃引を行う外部共振器型の光源にして、前記MEMSスキャナの駆動時の発振波長λが、該MEMSスキャナの静止時の発振波長λS、波長掃引振幅Λ、掃引周波数f及び時間Tを用いてλ=λS+Λsin(2πfT)で表される波長掃引特性を有するMEMS波長掃引光源(5)と、
    前記回折格子の0次光が出射される光路上に設けられ、波長範囲2Λにわたって等間隔に配列された少なくとも4つ以上の複数の既知波長λRの光を透過させる光共振器(6)と、
    前記MEMS波長掃引光源の発振波長λの変化に対応して前記光共振器から順次出射される透過光を受けて電気信号に変換する受光器(7)と、
    該受光器から出力される前記電気信号から前記波長範囲2Λにおける前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークを検出するとともに検出した該ピークのそれぞれに前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけてピークの次数nを付与し、付与された該次数nと前記MEMSスキャナの静止時の前記発振波長λSと前記光共振器の複数の前記既知波長λRとに基づいて当該次数nのそれぞれのピークのピーク波長を該既知波長λRのそれぞれに特定し、特定された該それぞれのピークのピーク波長を用いて前記MEMS波長掃引光源の波長掃引時の発振波長λを当該MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけて求める処理手段(10)とを備えたことを特徴とするMEMS波長掃引光源の波長校正装置。
  2. 前記処理手段は、
    前記受光器からの前記電気信号を受けてディジタル値に変換するA/D変換器(11)と、
    該A/D変換器から出力される前記ディジタル値を前記MEMS波長掃引光源の掃引の時間Tに対応づけて順次所定のアドレスに記憶するメモリ(12)と、
    該メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、前記波長範囲2Λにおける前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークを検出し、検出した該ピークのそれぞれに前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけてピークの次数nを付与するピーク検出手段(13)と、
    該ピーク検出手段から出力される前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークの前記次数n及び前記時間Tを用いて、該時間Tに対する前記次数nの関係が3次以上の多次関数で表される次数nの近似式を求める次数近似式算出手段(14)と、
    該次数近似式算出手段から出力される次数nの近似式において、次数nの変化率が最大となる時間TVMにおける次数nCを求める変化率最大次数算出手段(15)と、
    該変化率最大次数算出手段から出力される前記次数nCに対応する波長が前記MEMSスキャナの静止時の前記発振波長λSになることに基づいて、前記ピーク検出手段において付与された前記次数nのそれぞれのピークのピーク波長を前記光共振器の複数の前記既知波長λRのそれぞれに特定するとともに、特定された当該それぞれのピークのピーク波長を前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけるピーク波長特定手段(16)と、
    該ピーク波長特定手段から出力される前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークの前記ピーク波長及び前記時間Tを用いて、該時間Tに対する前記ピーク波長の関係が所定の関数で表される波長λの近似式を求める波長近似式算出手段(17)と、
    該波長近似式算出手段から出力される波長λの近似式に基づいて、前記MEMS波長掃引光源の波長掃引時の発振波長λを当該MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけて求める発振波長算出手段(18)とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のMEMS波長掃引光源の波長校正装置。
  3. 前記次数近似式算出手段における前記次数nの近似式の前記多次関数が、一般式n=a0+a1T+a22+a33で表される3次関数であり、かつ、
    前記波長近似式算出手段における前記波長λの近似式の前記所定の関数が、一般式λ=b0+b1T+b22+b33で表される3次関数であることを特徴とする請求項2に記載のMEMS波長掃引光源の波長校正装置。
  4. 前記MEMS波長掃引光源は、
    一方のレーザ光出射端面がARコートされている前記半導体レーザ(1)と、
    該半導体レーザのARコートされている端面から出射された光をコリメートする前記コリメートレンズ(2)と、
    該コリメートレンズから出射されたコリメート光を受けて波長に応じた角度で回折させる前記回折格子(3)と、
    反射体(35)と反射体駆動手段(50)とを含んで構成され、前記回折格子から入射される前記コリメート光に対する回折光が、前記反射体の反射面で該回折格子へ反射されて、再び該回折格子で回折され、それによって得られた回折光が前記コリメートレンズを介して前記半導体レーザに入射されるとき、該半導体レーザに入射される回折光が所望の波長の光となるようにするとともに、該所望の波長が所定の波長範囲にわたって往復掃引されるように前記反射体の反射面の角度を前記反射体駆動手段により所定の周期で往復回転させる前記MEMSスキャナ(60)とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のMEMS波長掃引光源の波長校正装置。
  5. 前記MEMSスキャナの反射体は、
    固定基板(36、37)と、
    該固定基板の縁部から所定幅で所定長さ延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な軸部(38、39)と、
    該軸部の先端に自身の縁部で連結されて形成され、一面側に前記回折格子からの回折光を反射させるための前記反射面が設けられた反射板(40)とを有しており、かつ、
    前記MEMSスキャナの反射体駆動手段は、
    前記反射体の軸部と反射板とからなる部分の固有振動数に対応した周波数の駆動信号によって前記反射板に力を与えて、該反射板を前記固有振動数又はそれに近い振動数で往復回転させるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のMEMS波長掃引光源の波長校正装置。
  6. 半導体レーザ(1)、コリメートレンズ(2)、回折格子(3)及びMEMSスキャナ(60)を含んで構成され、前記MEMSスキャナを駆動して往復掃引させることによって波長掃引を行う外部共振器型の光源にして、前記MEMSスキャナの駆動時の発振波長λが、該MEMSスキャナの静止時の発振波長λS、波長掃引振幅Λ、掃引周波数f及び時間Tを用いてλ=λS+Λsin(2πfT)で表される波長掃引特性を有するMEMS波長掃引光源(5)と、前記回折格子の0次光が出射される光路上に設けられ、波長範囲2Λにわたって等間隔に配列された少なくとも4つ以上の複数の既知波長λRの光を透過させる光共振器(6)と、前記MEMS波長掃引光源の発振波長λの変化に対応して前記光共振器から順次出射される透過光を受けて電気信号に変換する受光器(7)とを備え、前記受光器から出力される前記電気信号から前記MEMS波長掃引光源の波長掃引時の発振波長λを求めるMEMS波長掃引光源の波長校正方法であって、
    前記受光器から出力される前記電気信号から前記波長範囲2Λにおける前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークを検出し、検出した該ピークのそれぞれに前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけてピークの次数nを付与するピーク検出/次数付与段階と、
    該ピーク検出/次数付与段階で付与された前記次数nと前記MEMSスキャナの静止時の前記発振波長λSと前記光共振器の複数の前記既知波長λRとに基づいて当該次数nのそれぞれのピークのピーク波長を該既知波長λRのそれぞれに特定するピーク波長特定段階と、
    該ピーク波長特定段階で特定された前記それぞれのピークのピーク波長を用いて前記MEMS波長掃引光源の波長掃引時の発振波長λを当該MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけて求める発振波長算出段階とを含むことを特徴とするMEMS波長掃引光源の波長校正方法。
  7. 前記ピーク検出/次数付与段階が、
    前記受光器からの前記電気信号を受けてディジタル値に変換する第1の段階と、
    前記ディジタル値を前記MEMS波長掃引光源の掃引の時間Tに対応づけて順次メモリの所定のアドレスに記憶する第2の段階と、
    メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、前記波長範囲2Λにおける前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークを検出し、検出した該ピークのそれぞれに前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけてピークの次数nを付与する第3の段階とを備え、かつ、
    前記ピーク波長特定段階が、
    前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークの前記次数n及び前記時間Tを用いて、該時間Tに対する前記次数nの関係が3次以上の多次関数で表される次数nの近似式を求める第4の段階と、
    前記次数nの近似式において、該次数nの変化率が最大となる時間TVMにおける次数nCを求める第5の段階と、
    該次数nCに対応する波長が前記MEMSスキャナの静止時の前記発振波長λSになることに基づいて、前記第3の段階で付与された前記次数nのそれぞれのピークのピーク波長を前記光共振器の複数の前記既知波長λRのそれぞれに特定するとともに、特定された当該それぞれのピークのピーク波長を前記MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づける第6の段階とを備え、さらに、
    前記発振波長算出段階が、
    前記光共振器の複数の透過光に対応するそれぞれのピークの前記ピーク波長及び前記時間Tを用いて、該時間Tに対する前記ピーク波長の関係が所定の関数で表される波長λの近似式を求める第7の段階と、
    前記波長λの近似式に基づいて、前記MEMS波長掃引光源の波長掃引時の発振波長λを当該MEMS波長掃引光源の波長掃引の時間Tに対応づけて求める第8の段階とを備えたことを特徴とする請求項6に記載のMEMS波長掃引光源の波長校正方法。
  8. 前記第4の段階における前記次数nの近似式の前記多次関数が、一般式n=a0+a1T+a22+a33で表される3次関数であり、かつ、
    前記第7の段階における前記波長λの近似式の前記所定の関数が、一般式λ=b0+b1T+b22+b33で表される3次関数であることを特徴とする請求項7に記載のMEMS波長掃引光源の波長校正方法。
  9. 前記MEMS波長掃引光源は、
    一方のレーザ光出射端面がARコートされている前記半導体レーザ(1)と、
    該半導体レーザのARコートされている端面から出射された光をコリメートする前記コリメートレンズ(2)と、
    該コリメートレンズから出射されたコリメート光を受けて波長に応じた角度で回折させる前記回折格子(3)と、
    反射体(35)と反射体駆動手段(50)とを含んで構成され、前記回折格子から入射される前記コリメート光に対する回折光が、前記反射体の反射面で該回折格子へ反射されて、再び該回折格子で回折され、それによって得られた回折光が前記コリメートレンズを介して前記半導体レーザに入射されるとき、該半導体レーザに入射される回折光が所望の波長の光となるようにするとともに、該所望の波長が所定の波長範囲にわたって往復掃引されるように前記反射体の反射面の角度を前記反射体駆動手段により所定の周期で往復回転させる前記MEMSスキャナ(60)とを含んで構成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のMEMS波長掃引光源の波長校正方法。
  10. 前記MEMSスキャナの反射体は、
    固定基板(36、37)と、
    該固定基板の縁部から所定幅で所定長さ延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な軸部(38、39)と、
    該軸部の先端に自身の縁部で連結されて形成され、一面側に前記回折格子からの回折光を反射させるための前記反射面が設けられた反射板(40)とを有しており、かつ、
    前記MEMSスキャナの反射体駆動手段は、
    前記反射体の軸部と反射板とからなる部分の固有振動数に対応した周波数の駆動信号によって前記反射板に力を与えて、該反射板を前記固有振動数又はそれに近い振動数で往復回転させるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載のMEMS波長掃引光源の波長校正方法。
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