JP2006145270A - Mems光スペクトラムアナライザ及びその波長校正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長測定精度を向上したMEMS光スペクトラムアナライザを提供する。
【解決手段】回折格子1と、MEMSスキャナ60と、受光素子2と、既知波長の第1の基準光を出射する波長基準光源3と、第1の基準光の波長と異なる既知波長の第2の基準光を出射する波長基準光源4と、被測定光、第1及び第2の基準光を受けて合波して回折格子1に出射する光合波手段5と、上記電気信号をディジタル値に変換するA/D変換器6と、このディジタル値を受けて順次所定のアドレスに記憶するメモリ7と、メモリ7の上記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、第1及び第2の基準光がそれぞれ記憶されている第1及び第2のアドレスを検出し、検出したこの第1及び第2のアドレス並びに第1及び第2の基準光のそれぞれの既知波長から所定の関数を導き、この関数を用いて被測定光が記憶されているアドレスを波長に変換する処理手段8とを備えた。
【選択図】図1
【解決手段】回折格子1と、MEMSスキャナ60と、受光素子2と、既知波長の第1の基準光を出射する波長基準光源3と、第1の基準光の波長と異なる既知波長の第2の基準光を出射する波長基準光源4と、被測定光、第1及び第2の基準光を受けて合波して回折格子1に出射する光合波手段5と、上記電気信号をディジタル値に変換するA/D変換器6と、このディジタル値を受けて順次所定のアドレスに記憶するメモリ7と、メモリ7の上記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、第1及び第2の基準光がそれぞれ記憶されている第1及び第2のアドレスを検出し、検出したこの第1及び第2のアドレス並びに第1及び第2の基準光のそれぞれの既知波長から所定の関数を導き、この関数を用いて被測定光が記憶されているアドレスを波長に変換する処理手段8とを備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、MEMSスキャナを応用して高速に光スペクトラムの測定ができるMEMS光スペクトラムアナライザに関し、特に波長測定精度を向上したMEMS光スペクトラムアナライザ及びその波長校正方法に関する。なお、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スキャナは、マイクロ電気機械式構造体(電気信号の制御を受けて機械的に動作する構造体)によって形成されたスキャナである。
光スペクトラムの測定に、従来から回折格子と可動鏡を組み合わせたリットマン型の分光方式を採用した光スペクトラムアナライザが用いられており、近年、本出願人は、そのリットマン型の分光方式の可動鏡をMEMSスキャナで構成することによって掃引速度を飛躍的に向上させたMEMS光スペクトラムアナライザを提案した。(特許文献1参照)
この従来のMEMS光スペクトラムアナライザの概略構成を図6に示す。回折格子1は入射光Sを回折して、入射光Sに含まれる各波長成分をその波長に対応した角度で出射する。この入射光Sに対して回折格子1から出射された回折光G1は反射体35の反射面で反射されて回折格子1に入射され、再び回折される。そして、その反射された回折光R(すなわち反射光R)に対して回折格子1から出射された回折光G2は受光素子2に入射されて電気信号に変換される。反射体駆動手段50は、反射体35の反射面の角度を変化させて、受光素子1が受光する回折光G2の波長を可変している。そして、反射体駆動手段50によって反射体35を往復回転させることで、受光素子2が受光する回折光G2の波長を掃引し、入射光Sに含まれる各波長の光の強度を検出する。受光素子2から出力される各波長の電気信号は、信号処理部(図示しない)において、波長毎(反射体35の反射面の角度に対応)にサンプリングされ、各波長の光の強度を示すスペクトラムデータとしてメモリに記憶され、そのスペクトラムの波形が表示装置等に表示される。なお、反射体35及び反射体駆動手段50はMEMS技術で形成され、MEMSスキャナ60を構成している。
このような従来のMEMS光スペクトラムアナライザにおいては、図2(a)に示すように、MEMSスキャナ60の掃引中(共振中)の往復回転角度はほぼ正弦波的に変化しており、したがって掃引される波長も正弦波状に変化する。スペクトラムの波長測定精度は、MEMSスキャナ60の往復回転角度の上記正弦波状に変化する波形の振幅及び位相の、環境条件(温度、空気の粘性等)に対する安定性(換言すれば、反射体35の反射面の角度を変化させるための駆動信号の振幅、位相、MEMSスキャナ60自身の機械的寸法等の安定性)に依存し、例えMEMSスキャナ60自身を温度制御して安定化したとしても、その波長測定精度は約0.4nmであった。このために、0.1〜0.2nmの波長測定精度が要求される波長分割多重化(WDM)回線用の波形モニターとして利用できないという問題があった。
本発明は、2つの波長基準光を用いて波長校正を行うことによって、この課題を解決し、波長測定精度を向上したMEMS光スペクトラムアナライザ及びその波長校正方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1のMEMS光スペクトラムアナライザでは、入射光を受けて波長に応じた角度で回折させる回折格子(1)と、反射体(35)と反射体駆動手段(50)とを含んで構成され、前記回折格子から入射される前記入射光に対する回折光が、前記反射体の反射面で該回折格子へ反射されて、再び該回折格子で所定の方向に回折されるとき、前記所定の方向に回折された回折光が所望の波長の光となるようにするとともに、該所定の方向に回折された回折光の所望の波長が第1の所定波長範囲を含んで掃引されるように前記反射体の反射面の角度を前記反射体駆動手段により連続的に繰り返して変化させるMEMSスキャナ(60)と、前記所定の方向に配置され、前記回折格子から出射された前記回折光を受けて電気信号に変換する受光素子(2)とを備えたMEMS光スペクトラムアナライザにおいて、前記第1の所定波長範囲内の既知波長の第1の基準光を出射する第1の波長基準光源(3)と、前記第1の所定波長範囲内でかつ前記第1の基準光の波長とは異なる既知波長の第2の基準光を出射する第2の波長基準光源(4)と、被測定光、前記第1の基準光及び前記第2の基準光を受けて合波し、その合波光を前記入射光として前記回折格子に出射する光合波手段(5)と、前記受光素子から前記電気信号を受けてディジタル値に変換するA/D変換器(6)と、該A/D変換器から出力されるディジタル値を受けて、少なくとも前記第1の所定波長範囲に含まれるディジタル値を順次所定のアドレスに記憶するメモリ(7)と、該メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、前記第1の基準光及び前記第2の基準光がそれぞれ記憶されている第1のアドレス及び第2のアドレスを検出し、検出した該第1のアドレス及び該第2のアドレス並びに前記第1の基準光及び前記第2の基準光のそれぞれの既知波長から所定の関数を導き、導いた該所定の関数を用いて前記被測定光に係わるディジタル値が記憶されているアドレスを波長に変換する処理手段(8)とを備え、前記被測定光に係わるディジタル値から求められる当該被測定光のスペクトラムの波長校正を行うようにした。
また、本発明の請求項2のMEMS光スペクトラムアナライザでは、上述した請求項1のMEMS光スペクトラムアナライザにおいて、前記処理手段における前記所定の関数が一次関数であるようにした。
また、本発明の請求項3のMEMS光スペクトラムアナライザでは、上述した請求項1又は2のMEMS光スペクトラムアナライザにおいて、前記処理手段は、前記メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、前記第1の基準光及び前記第2の基準光がそれぞれ記憶されている前記第1のアドレス及び前記第2のアドレスを検出する基準光アドレス検出手段(8a)と、前記第1のアドレスと前記第2のアドレスとのアドレス差を算出する基準光アドレス差算出手段(8b)と、前記メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値の内から前記被測定光に係わるディジタル値を読み出すとともに、前記第1のアドレス及び前記第2のアドレスに対する、前記被測定光に係わるディジタル値の相対的アドレスと、前記アドレス差並びに前記第1の基準光及び前記第2の基準光のそれぞれの既知波長に基づいて、読み出した前記被測定光に係わるディジタル値が記憶されているアドレスを波長に変換するアドレス−波長変換手段(8c)とを含むようにした。
また、本発明の請求項4のMEMS光スペクトラムアナライザでは、上述した請求項1〜3のいずれかのMEMS光スペクトラムアナライザにおいて、前記第1の基準光の波長が、前記第1の所定波長範囲内に含まれる第2の所定波長範囲の下限の波長と該第1の所定波長範囲の下限の波長との間にあって、かつ、前記第2の基準光の波長が、前記第2の所定波長範囲の上限の波長と前記第1の所定波長範囲の上限の波長との間にあって、かつ、前記第2の所定波長範囲が、前記被測定光のスペクトラムの測定波長範囲であるようにした。
また、本発明の請求項5のMEMS光スペクトラムアナライザでは、上述した請求項1〜4のいずれかのMEMS光スペクトラムアナライザにおいて、前記MEMSスキャナの反射体は、固定基板(36、37)と、該固定基板の縁部から所定幅で所定長さ延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な軸部(38、39)と、該軸部の先端に自身の縁部で連結されて前記固定基板に対して回転自在に支持され、一面側に前記回折格子からの回折光を反射させるための前記反射面が設けられた反射板(40)とを有しており、かつ、前記MEMSスキャナの反射体駆動手段は、前記反射体の軸部と反射板とからなる部分の固有振動数に対応した周波数の駆動信号によって前記反射板に力を与えて、該反射板を前記固有振動数又はそれに近い振動数で往復回転させるように構成した。
また、本発明の請求項6のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法では、入射光を受けて波長に応じた角度で回折させる回折格子(1)と、反射体(35)と反射体駆動手段(50)とを含んで構成され、前記回折格子から入射される前記入射光に対する回折光が、前記反射体の反射面で該回折格子へ反射されて、再び該回折格子で所定の方向に回折されるとき、前記所定の方向に回折された回折光が所望の波長の光となるようにするとともに、該所定の方向に回折された回折光の所望の波長が第1の所定波長範囲を含んで掃引されるように前記反射体の反射面の角度を前記反射体駆動手段により連続的に繰り返して変化させるMEMSスキャナ(60)と、前記所定の方向に配置され、前記回折格子から出射された前記回折光を受けて電気信号に変換する受光素子(2)とを有するMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法であって、前記第1の所定波長範囲内の既知波長の第1の基準光、前記第1の所定波長範囲内でかつ前記第1の基準光の波長とは異なる既知波長の第2の基準光及び被測定光を受けて合波し、その合波光を前記入射光として前記回折格子に入射し、該回折格子からの回折光を前記受光素子で受けて電気信号に変換する段階と、前記受光素子からの前記電気信号を受けてディジタル値に変換する段階と、前記ディジタル値を受けて、少なくとも前記第1の所定波長範囲に含まれるディジタル値をメモリの所定のアドレスに順次記憶する段階と、メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、前記第1の基準光及び前記第2の基準光がそれぞれ記憶されている第1のアドレス及び第2のアドレスを検出する段階と、検出した前記第1のアドレス及び前記第2のアドレス並びに前記第1の基準光及び前記第2の基準光のそれぞれの既知波長から所定の関数を導く段階と、導いた前記所定の関数を用いて前記被測定光に係わるディジタル値が記憶されているアドレスを波長に変換する段階とを含み、前記被測定光に係わるディジタル値から求められる当該被測定光のスペクトラムの波長校正を行うようにした。
また、本発明の請求項7のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法では、上述した請求項6のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法において、前記アドレスを波長に変換する段階における前記所定の関数が一次関数であるようにした。
また、本発明の請求項8のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法では、上述した請求項6又は7のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法において、前記第1の基準光の波長が、前記第1の所定波長範囲内に含まれる第2の所定波長範囲の下限の波長と該第1の所定波長範囲の下限の波長との間にあって、かつ、前記第2の基準光の波長が、前記第2の所定波長範囲の上限の波長と前記第1の所定波長範囲の上限の波長との間にあって、かつ、前記第2の所定波長範囲が、前記被測定光のスペクトラムの測定波長範囲であるようにした。
また、本発明の請求項9のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法では、上述した請求項6〜8のいずれかのMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法において、前記MEMSスキャナの反射体は、固定基板(36、37)と、該固定基板の縁部から所定幅で所定長さ延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な軸部(38、39)と、該軸部の先端に自身の縁部で連結されて前記固定基板に対して回転自在に支持され、一面側に前記回折格子からの回折光を反射させるための前記反射面が設けられた反射板(40)とを有しており、かつ、前記MEMSスキャナの反射体駆動手段は、前記反射体の軸部と反射板とからなる部分の固有振動数に対応した周波数の駆動信号によって前記反射板に力を与えて、該反射板を前記固有振動数又はそれに近い振動数で往復回転させるように構成した。
本発明の請求項1〜3のMEMS光スペクトラムアナライザ並びに請求項6及び7のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法では、波長基準となる2つの基準光のそれぞれのスペクトラムが記憶されているメモリのアドレスを検出し、検出したそれぞれのアドレスと基準光のそれぞれの波長とから所定の関数を導き、この導いた所定の関数を用いて被測定光のスペクトラムが記憶されているメモリのアドレスを波長に変換して波長校正を行うようにしたので、MEMSスキャナの往復回転角度の正弦波状に変化する波形の位相変化によって、図3(a)の一点鎖線に示すように、掃引時間に対する波長が全体に図中の横方向にシフトし、あるいは上記波形の振幅変化によって、図3(b)の一点鎖線に示すように、掃引時間に対する波長が全体に図中の縦方向に変化して、メモリの所定のアドレスに記憶される被測定光のスペクトラムの波長、すなわち所定のアドレスに対応する波長の関係が変化したとしても、波長測定精度を2つの基準光の波長確度と同等にすることができ、0.1〜0.2nmの波長測定精度が要求される波長分割多重化(WDM)回線用の波形モニターとして利用できる。なお、1つの基準光を用いて波長校正を行う場合には、上述の位相変化によって掃引時間に対する波長が全体にシフトしたのか、あるいは上述の振幅変化によって掃引時間に対する波長が全体に変化したのかを区別できない。
本発明の請求項4のMEMS光スペクトラムアナライザ及び請求項8のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法では、第1の基準光の波長が第1の所定波長範囲内に含まれる第2の所定波長範囲の下限の波長と第1の所定波長範囲の下限の波長との間にあるようにし、かつ、第2の基準光の波長が第2の所定波長範囲の上限の波長と第1の所定波長範囲の上限の波長との間にあって、かつ、第2の所定波長範囲が被測定光のスペクトラムの測定波長範囲であるようにしたので、測定中でも被測定光に影響を及ぼすことなく常時波長校正ができ、安定した波長測定精度が確保できる。
本発明の請求項5のMEMS光スペクトラムアナライザ及び請求項9のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法では、回折格子からの回折光を反射させるためのMEMSスキャナの反射体を、固定基板と、その縁部から所定幅で所定長さ延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な軸部と、軸部の先端に自身の縁部で連結されて固定基板に対して回転自在に支持され、一面側に反射面が設けられた反射板とによって構成して、反射体の軸部と反射板とからなる部分の固有振動数に対応した周波数の駆動信号によって反射板に力を与え、反射板を固有振動数又はそれに近い振動数で往復回転させるようにしている。このため、反射板を高速に往復回転させることができ、しかも、その回転中心が反射板内にあるため、その角度変化に対して反射板の反射面へ入射される回折光の反射角の変化量を大きくすることができる。それにより、MEMS光スペクトラムアナライザの波長測定精度を向上できるとともに、掃引速度の高速化、測定波長範囲の広帯域化ができる。
本発明の実施形態のMEMS光スペクトラムアナライザの構成を図1に示す。従来のMEMS光スペクトラムアナライザと同一要素には同一符号を付す。波長基準光源3は、例えば温度安定化を施したDFBレーザであり、波長λ1(例えば1.528μm)の第1の基準光を光カプラ5aに出射する。波長基準光源4もまた同様に、波長λ2(例えば1.570μm)の第2の基準光を光カプラ5aに出射する。光カプラ5aは、上記第1及び第2の基準光を受けて合波し光カプラ5bに出射する。光カプラ5bは、光カプラ5aからの合波光と被測定光とを合波し、その合波光を回折格子1に入射光Sとして出射する。なお、光カプラ5a及び光カプラ5bは光合波手段5を構成している。
回折格子1は光合波手段5(光カプラ5b)からの入射光Sを回折して、入射光Sに含まれる各波長成分をその波長に対応した角度で出射する。この入射光Sに対して回折格子1から出射された回折光G1は反射体35の反射面で反射されて回折格子1に入射され、再び回折される。そして、その反射された回折光R(すなわち反射光R)に対して回折格子1から出射された回折光G2は受光素子2に入射されて電気信号に変換される。反射体駆動手段50は、反射体35の反射面の角度を変化させて、受光素子2が受光する回折光G2の波長を可変している。そして、反射体駆動手段50によって反射体35を往復回転させることで、受光素子2が受光する回折光G2の波長を掃引し、入射光Sに含まれる各波長の光の強度を検出する。なお、反射体35及び反射体駆動手段50(後で詳述する)は、MEMS技術で形成され、MEMSスキャナ60を構成している。
ここで、MEMSスキャナ60による波長掃引について説明する。駆動信号Da、Db(後述する)を印加してMEMSスキャナ60を掃引する(上述の反射体35を往復回転させる)と、図2(a)に示すように、MEMSスキャナ60の往復回転角度はほぼ正弦波的に変化し、その結果、掃引される波長も正弦波状に変化する。したがって、被測定光のスペクトラムの測定波長範囲(第2の所定波長範囲)と、この測定波長範囲を含みかつこの測定波長範囲より広い、基準光の波長の設定できる基準波長設定範囲(第1の所定波長範囲)とを考慮したとき、これらの測定波長範囲及び基準波長設定範囲が、図2(b)に示すように、その正弦波状に変化する波形の直線に近い部分に来るように、MEMSスキャナ60の掃引の波長範囲(往復回転角度の範囲)が設定される。つまり、駆動信号Da、Dbの振幅の調整により設定される。具体例としては、例えば、測定波長範囲をCバンド(1.530〜1.565μm)とした場合、基準波長設定範囲を上述の2つ基準光の波長λ1=1.528μm、λ2=1.570μmを含む約1.52〜1.58μmとし、MEMSスキャナ60の掃引の波長範囲は、その基準波長設定範囲に対して十分に広い約1.45〜1.65μmに設定される。
A/D変換器6は、駆動信号Da、Dbのいずれか一方をトリガ信号Trとして受け、このトリガ信号Trを起点にして、周波数確度の高い内部クロック(例えば10MHz)によって受光素子2からの電気信号を順次ディジタル値に変換する。メモリ7は、制御部(図示しない)からの指示に基づいて、A/D変換器6から順次出力されるディジタル値の内から少なくとも上述の基準波長設定範囲に含まれるディジタル値を順次所定のアドレスに記憶する。すなわち、環境条件等の変化によってMEMSスキャナ60の掃引の波長範囲が変動した場合でも、基準波長設定範囲に含まれるディジタル値は必ずメモリ7に記憶されるようにする。なお、上記では、メモリ7への記憶を制御部からの指示で行うようにしたが、トリガ信号Trの位相が上記基準波長設定範囲との関係において適切であれば、A/D変換器6から出力されるディジタル値をそのまま記憶するようにしてもよい。
処理手段8は、メモリ7に記憶されている所定のアドレスに対するディジタル値(以下適宜データという)の関係と2つの基準光の既知波長とに基づいて、被測定光のスペクトラムの波長校正を行うもので、基準光アドレス検出手段8a、基準光アドレス差算出手段8b及びアドレス−波長変換手段8cによって構成されている。
すなわち、基準光アドレス検出手段8aは、第1の読出信号M1によってメモリ7の所定のアドレスに記憶されているデータを読み出して、第1の基準光及び第2の基準光がそれぞれ記憶されている第1及び第2のアドレスを検出する。具体例としては、少なくとも基準波長設定範囲(上述の1.52〜1.58μm)に含まれるデータが所定のアドレス0〜5000に記憶されている場合、アドレス0から順次データを読み出して、アドレス115で第1の基準光(上述のλ1=1.528μm)の光強度のピーク値を、またアドレス4115で第2の基準光(上述のλ2=1.570μm)のピーク値を検出したとすると、アドレス115(第1のアドレス)は波長1.528μmに対応し、アドレス4115(第2のアドレス)は波長1.570μmに対応するものとする。なお、2つの基準光のピーク値が検出されるべき第1及び第2のアドレスのそれぞれの許容アドレス範囲は、環境条件等の変化も考慮して予め把握されている。
基準光アドレス差算出手段8bは、基準光アドレス検出手段8aが検出した第1のアドレスと第2のアドレスとのアドレス差を算出する。すなわち、アドレス差をΔAD、波長λ1に対応するアドレスをAD(λ1)、波長λ2に対応するアドレスをAD(λ2)とすると、ΔAD=AD(λ2)−AD(λ1)を演算する。上述の例の場合には、ΔAD=4115−115=4000となる。
アドレス−波長変換手段8cは、第2の読出信号M2によってメモリ7の所定のアドレスに記憶されているデータのうちから、少なくとも上述の測定波長範囲(上述の1.530〜1.565μm)に含まれるデータを読み出すとともに、その読み出したアドレスを、上述の第1及び第2のアドレスAD(λ1)、AD(λ2)のいずれか一方のアドレス、上述のアドレス差ΔAD及び2つの基準光のそれぞれの波長λ1、λ2を一般式λ=A0+A1・xで表される一次関数に当てはめて、波長に変換する。すなわち、第2の読出信号M2が読み出したアドレスをAD(x)、このAD(x)に対応する波長をλ(x)として、下記の式を演算する。
λ(x)=λ1+〔AD(x)−AD(λ1)〕×〔(λ2−λ1)/ΔAD〕
また、上述の具体例の数値を用いて表すと下記の式になる。
λ(x)μm=1.528+〔AD(x)−115〕×(0.042/4000)
そして、アドレス−波長変換手段8cは、メモリ7から読み出した被測定光のスペクトラム(上述の測定波長範囲のデータ)のアドレス対データの関係を、上記の一次関数により波長対データの関係に変換して、図示しない表示手段に出力する。
λ(x)=λ1+〔AD(x)−AD(λ1)〕×〔(λ2−λ1)/ΔAD〕
また、上述の具体例の数値を用いて表すと下記の式になる。
λ(x)μm=1.528+〔AD(x)−115〕×(0.042/4000)
そして、アドレス−波長変換手段8cは、メモリ7から読み出した被測定光のスペクトラム(上述の測定波長範囲のデータ)のアドレス対データの関係を、上記の一次関数により波長対データの関係に変換して、図示しない表示手段に出力する。
本発明のMEMS光スペクトラムアナライザは、上記のような方法で被測定光の波長校正を行うようにしたので、MEMSスキャナ60の往復回転角度の正弦波状に変化する波形の位相変化によって、図3(a)の一点鎖線に示すように、掃引時間に対する波長が全体に図中の横方向にシフト(掃引時間t1、t2における波長λ1、λ2がそれぞれ−Δλ変化)して、あるいは上記波形の振幅変化によって、図3(b)の一点鎖線に示すように、掃引時間に対する波長が全体に図中の縦方向に変化(掃引時間t1における波長λ1が−Δλ変化し、掃引時間t2における波長λ2が+Δλ変化)して、メモリ7の所定のアドレスに記憶される被測定光のスペクトラムの波長、すなわち所定のアドレスに対応する波長の関係が変化(掃引時間t1に対応するアドレスAD1及び掃引時間t2に対応するアドレスAD2にそれぞれ記憶される波長がΔλ変化)したとしても、波長測定精度を2つの基準光の波長確度と同等にすることができる。
なお、上記のアドレス−波長変換では、一般式λ=A0+A1・xで表される一次関数の定数A0、A1を導いて変換するようにしたが、MEMSスキャナ60の往復回転角度のほぼ正弦波的な変化により近似させるために、一般式λ=A0+A1・x+A2・x2+・・・で表される多次関数の定数A0、A1、A2・・・を導いて変換するようにしてもよい。また、上記では、測定中でも被測定光に影響を及ぼすことなく常時波長校正ができるように、2つの基準光のそれぞれの波長λ1、λ2がスペクトラムの測定波長範囲に入らない構成であったが、これに限定されるわけではなく、波長λ1、λ2がスペクトラムの測定波長範囲に入る構成であってもよい。その場合には、測定時と波長校正時を手動あるいは自動で切り換えて、波長校正時には2つの基準光が回折格子1に入射されないようにすればよい。また、上記では、波長基準光源3、4にDFBレーザを用いる場合を示したが、例えば広帯域光源の出力光からアセチレンガス等によって特定波長の光のみを吸収させた光(ディップ光)を発生させるものであってもよい。
次に、MEMSスキャナ60を構成する反射体35及び反射体駆動手段50について詳述する。反射体35は、図4に示すように、横長矩形で互いに平行に配置された一対の固定基板36、37と、この一対の固定基板36、37の長辺側縁部の中央からこの固定基板36、37と直交する方向に所定幅、所定長さで延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な一対の軸部38、39と、横長矩形で一方の長辺側縁部の中央部で軸部38の先端に連結され、他方の長辺側縁部の中央部で軸部39の先端に連結された反射板40とを有している。この反射板40は、捩じれ変形可能な軸部38、39に中心部が支持されているので、この軸部38、39を結ぶ線を中心軸として固定基板36、37に対して回転することができる。また、軸部38、39と反射板40とからなる部分の固有振動数f0は、反射板40自体の形状や質量及び軸部38、39のバネ定数によって決まる。
また、反射板40の一面側には、光を反射するための反射面41が形成されている。この反射面41は、反射板40自体を鏡面仕上げして形成したり、反射率の高い膜(図示しない)を蒸着あるいは接着して形成したりしたものであってもよい。なお、この反射体35は、薄い半導体基板からエッチング処理等により一体的に切り出されたもので、金属膜の蒸着加工により高導電性を有している。
支持基板45は絶縁性を有する材料からなり、その一面側の上部と下部には、前方へ突出する支持台45a、45bが形成されており、反射体35の固定基板36、37は、この上下の支持台45a、45bに接した状態で固定されている。また、支持基板45の一面側中央部の両端には、反射体35の反射板40の両端にそれぞれ対向する電極板46、47がパターン形成されている。この電極板46、47は、後述する駆動信号発生器55とともに反射体駆動手段50(図1参照)を構成するものであり、反射板40の両端部に静電力を交互にかつ周期的に印加して、反射板40を、軸部38、39を結ぶ線を中心に往復回転運動させる。なお、反射板40の回転軸は回折格子1の回折溝と平行となるように設定されている。このように構成された反射体35は、回折格子1からの回折光G1を反射板40の反射面41で受けて、その反射光Rを回折格子1へ入射させて、再度回折させる。
一方、反射体駆動手段50(図1参照)の一部を構成する駆動信号発生器55は、例えば図5(a)、(b)に示すように、反射体35の電位を基準として電極板46、47に対して、固有振動数f0に対応した周波数(あるいは固有振動数f0の近傍の振動数に対応した周波数)を有し、位相が180°ずれた駆動信号Da、Dbを印加して、電極板46と反射板40の一端側との間及び電極板47と反射板40の他端側との間に、交互にかつ周期的に静電力(引力)を与え、反射板40を固有振動数f0あるいはその近傍の振動数で所定角度範囲を往復回転させる。また、この駆動信号発生器55は、2つの駆動信号Da、Dbのいずれか一方を受光素子2からの電気信号をA/D変換するためのトリガ信号TrとしてA/D変換器6(図1参照)に出力する。なお、図5では、2つの駆動信号Da、Dbがデューティ比50%の矩形波の場合を示しているが、両信号のデューティ比は50%以下であってもよく、また、波形も矩形波に限らず、正弦波、三角波等であってもよい。
このような反射体35及び反射体駆動手段50によって構成されたMEMSスキャナ60では、反射体35を、一対の固定基板36、37と、その縁部から所定幅で所定長さ延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な軸部38、39と、軸部38、39の先端に自身の縁部で連結され、軸部38、39に対して対称な形状に形成され、一面側に反射面41が形成された反射板40とによって構成するとともに、反射体35の軸部38、39と反射板40とからなる部分の固有振動数f0に対応した周波数の駆動信号によって反射板40に力を与えて、反射板40を固有振動数f0又はその近傍の振動数で往復回転させている。
このため、僅かな電気エネルギーで反射板40を高速に往復回転させることができ、しかも、その回転中心が反射板40の内部(この場合、中央部)にあるので、反射板40の反射面41への入射光の反射角の変化量を大きくすることができる。なお、軸部38、39のバネ定数は、軸部38、39の長さ、幅、厚み、材質によって決まり、このバネ定数と、反射板40の形状、厚み、材質等で固有振動数f0が決定され、これらのパラメータを選ぶことにより、固有振動数f0を数100Hz〜数10kHzの範囲内で設定することができる。
したがって、本発明のMEMS光スペクトラムアナライザは、上記のような反射体35及び反射体駆動手段50を用いてMEMSスキャナ60を構成するようにしたので、掃引速度の高速化(最大数10kHz)、測定波長範囲の広帯域化ができる。
なお、上述の図4の説明では、反射体35を導電性の高い材料で構成していたが、反射体35を導電性の低い材料で構成する場合には、反射板40の反射面41と反対面の両側(全面でもよい)に電極板46、47と対向する電極板をそれぞれ設け、更に固定基板36、37の背面側にも電極板を設け、それらの電極板の間をパターン等によって接続する。そして、支持基板45の支持台45a、45bの表面に、固定基板36、37の背面側の電極板と接触する電極板をパターン形成して、その少なくとも一方を基準電位ラインとして上述した駆動信号発生器55に接続すればよい。
また、固定基板36、37の一端側同士の間あるいは両端の間を連結して、固定基板をコの字枠あるいは矩形枠状に形成してもよい。また、反射板40の形状も任意であり、上述の横長矩形の他に、円形、楕円形、長円形、菱形、正方形、多角形等であってもよい。また、高速往復回転時の空気抵抗を減らすために、反射板40の内側に大きな穴あるいは多数の小さな穴を設けてもよい。
また、上述の図4の説明では、反射体35の反射板40の両端にそれぞれ対向する2つの電極板46、47を設けていたが、一方側の電極板(例えば電極板46)だけによって静電力を印加してもよい。また、駆動方式についても、上述の静電力の他に、電磁力によって反射板40を往復回転させてもよい。この場合、例えば、上述の電極板46、47の代わりにコイルを用い、反射板40の両端部に磁性体あるいはコイルを設け、コイル間あるいはコイルと磁性体との間に発生する磁界による吸引力及び反発力によって、反射板40を往復回転させる。
また、上述の静電力や電磁力を反射板40に直接与える方法の他に、超音波振動子等によって上述の固有振動数f0又はその近傍の振動を反射体35全体に加えて、その振動を反射板40に伝達させて往復回転させることも可能である。この場合、振動子を支持基板45の背面側や支持台45a、45bの部分に設けることで、その振動を反射板40に効率的に伝達することができる。
1・・・回折格子、2・・・受光素子(PD)、3,4・・・波長基準光源、5・・・光合波手段、5a,5b・・・光カプラ、6・・・A/D変換器、7・・・メモリ、8・・・処理手段、8a・・・基準光アドレス検出手段、8b・・・基準光アドレス差算出手段、8c・・・アドレス−波長変換手段、35・・・反射体、36,37・・・固定基板、38,39・・・軸部、40・・・反射板、41・・・反射面、45・・・支持基板、45a,45b・・・支持台、46,47・・・電極板、50・・・反射体駆動手段、55・・・駆動信号発生器、60・・・MEMSスキャナ。
Claims (9)
- 入射光を受けて波長に応じた角度で回折させる回折格子(1)と、
反射体(35)と反射体駆動手段(50)とを含んで構成され、前記回折格子から入射される前記入射光に対する回折光が、前記反射体の反射面で該回折格子へ反射されて、再び該回折格子で所定の方向に回折されるとき、前記所定の方向に回折された回折光が所望の波長の光となるようにするとともに、該所定の方向に回折された回折光の所望の波長が第1の所定波長範囲を含んで掃引されるように前記反射体の反射面の角度を前記反射体駆動手段により連続的に繰り返して変化させるMEMSスキャナ(60)と、
前記所定の方向に配置され、前記回折格子から出射された前記回折光を受けて電気信号に変換する受光素子(2)とを備えたMEMS光スペクトラムアナライザにおいて、
前記第1の所定波長範囲内の既知波長の第1の基準光を出射する第1の波長基準光源(3)と、
前記第1の所定波長範囲内でかつ前記第1の基準光の波長とは異なる既知波長の第2の基準光を出射する第2の波長基準光源(4)と、
被測定光、前記第1の基準光及び前記第2の基準光を受けて合波し、その合波光を前記入射光として前記回折格子に出射する光合波手段(5)と、
前記受光素子から前記電気信号を受けてディジタル値に変換するA/D変換器(6)と、
該A/D変換器から出力されるディジタル値を受けて、少なくとも前記第1の所定波長範囲に含まれるディジタル値を順次所定のアドレスに記憶するメモリ(7)と、
該メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、前記第1の基準光及び前記第2の基準光がそれぞれ記憶されている第1のアドレス及び第2のアドレスを検出し、検出した該第1のアドレス及び該第2のアドレス並びに前記第1の基準光及び前記第2の基準光のそれぞれの既知波長から所定の関数を導き、導いた該所定の関数を用いて前記被測定光に係わるディジタル値が記憶されているアドレスを波長に変換する処理手段(8)とを備え、前記被測定光に係わるディジタル値から求められる当該被測定光のスペクトラムの波長校正を行うことを特徴とするMEMS光スペクトラムアナライザ。 - 前記処理手段における前記所定の関数が一次関数であることを特徴とする請求項1に記載のMEMS光スペクトラムアナライザ。
- 前記処理手段は、
前記メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、前記第1の基準光及び前記第2の基準光がそれぞれ記憶されている前記第1のアドレス及び前記第2のアドレスを検出する基準光アドレス検出手段(8a)と、
前記第1のアドレスと前記第2のアドレスとのアドレス差を算出する基準光アドレス差算出手段(8b)と、
前記メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値の内から前記被測定光に係わるディジタル値を読み出すとともに、前記第1のアドレス及び前記第2のアドレスに対する、前記被測定光に係わるディジタル値の相対的アドレスと、前記アドレス差並びに前記第1の基準光及び前記第2の基準光のそれぞれの既知波長に基づいて、読み出した前記被測定光に係わるディジタル値が記憶されているアドレスを波長に変換するアドレス−波長変換手段(8c)とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のMEMS光スペクトラムアナライザ。 - 前記第1の基準光の波長が、前記第1の所定波長範囲内に含まれる第2の所定波長範囲の下限の波長と該第1の所定波長範囲の下限の波長との間にあって、かつ、
前記第2の基準光の波長が、前記第2の所定波長範囲の上限の波長と前記第1の所定波長範囲の上限の波長との間にあって、かつ、
前記第2の所定波長範囲が、前記被測定光のスペクトラムの測定波長範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のMEMS光スペクトラムアナライザ。 - 前記MEMSスキャナの反射体は、
固定基板(36、37)と、
該固定基板の縁部から所定幅で所定長さ延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な軸部(38、39)と、
該軸部の先端に自身の縁部で連結さて前記固定基板に対して回転自在に支持され、一面側に前記回折格子からの回折光を反射させるための前記反射面が設けられた反射板(40)とを有しており、かつ、
前記MEMSスキャナの反射体駆動手段は、
前記反射体の軸部と反射板とからなる部分の固有振動数に対応した周波数の駆動信号によって前記反射板に力を与えて、該反射板を前記固有振動数又はそれに近い振動数で往復回転させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のMEMS光スペクトラムアナライザ。 - 入射光を受けて波長に応じた角度で回折させる回折格子(1)と、反射体(35)と反射体駆動手段(50)とを含んで構成され、前記回折格子から入射される前記入射光に対する回折光が、前記反射体の反射面で該回折格子へ反射されて、再び該回折格子で所定の方向に回折されるとき、前記所定の方向に回折された回折光が所望の波長の光となるようにするとともに、該所定の方向に回折された回折光の所望の波長が第1の所定波長範囲を含んで掃引されるように前記反射体の反射面の角度を前記反射体駆動手段により連続的に繰り返して変化させるMEMSスキャナ(60)と、前記所定の方向に配置され、前記回折格子から出射された前記回折光を受けて電気信号に変換する受光素子(2)とを有するMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法であって、
前記第1の所定波長範囲内の既知波長の第1の基準光、前記第1の所定波長範囲内でかつ前記第1の基準光の波長とは異なる既知波長の第2の基準光及び被測定光を受けて合波し、その合波光を前記入射光として前記回折格子に入射し、該回折格子からの回折光を前記受光素子で受けて電気信号に変換する段階と、
前記受光素子からの前記電気信号を受けてディジタル値に変換する段階と、
前記ディジタル値を受けて、少なくとも前記第1の所定波長範囲に含まれるディジタル値をメモリの所定のアドレスに順次記憶する段階と、
メモリの前記所定のアドレスに記憶されているディジタル値を読み出して、前記第1の基準光及び前記第2の基準光がそれぞれ記憶されている第1のアドレス及び第2のアドレスを検出する段階と、
検出した前記第1のアドレス及び前記第2のアドレス並びに前記第1の基準光及び前記第2の基準光のそれぞれの既知波長から所定の関数を導く段階と、
導いた前記所定の関数を用いて前記被測定光に係わるディジタル値が記憶されているアドレスを波長に変換する段階とを含み、前記被測定光に係わるディジタル値から求められる当該被測定光のスペクトラムの波長校正を行うことを特徴とするMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法。 - 前記所定の関数を導く段階における前記所定の関数が一次関数であることを特徴とする請求項6に記載のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法。
- 前記第1の基準光の波長が、前記第1の所定波長範囲内に含まれる第2の所定波長範囲の下限の波長と該第1の所定波長範囲の下限の波長との間にあって、かつ、
前記第2の基準光の波長が、前記第2の所定波長範囲の上限の波長と前記第1の所定波長範囲の上限の波長との間にあって、かつ、
前記第2の所定波長範囲が、前記被測定光のスペクトラムの測定波長範囲であることを特徴とする請求項6又は7に記載のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法。 - 前記MEMSスキャナの反射体は、
固定基板(36、37)と、
該固定基板の縁部から所定幅で所定長さ延設され、その長さ方向に沿って捩じれ変形可能な軸部(38、39)と、
該軸部の先端に自身の縁部で連結されて前記固定基板に対して回転自在に支持され、一面側に前記回折格子からの回折光を反射させるための前記反射面が設けられた反射板(40)とを有しており、かつ、
前記MEMSスキャナの反射体駆動手段は、
前記反射体の軸部と反射板とからなる部分の固有振動数に対応した周波数の駆動信号によって前記反射板に力を与えて、該反射板を前記固有振動数又はそれに近い振動数で往復回転させるように構成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のMEMS光スペクトラムアナライザの波長校正方法。
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