JP2007219911A - 画像処理方法及び装置並びに画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像データに所定の画像処理を行ない、得られた信号強度の統計変動量に対して、元画像データが該統計的変動量内にある時には、画像データとして元画像データを用い、元画像データが統計的変動量外にある時には画像データとして画像処理データを用いるように構成する。
【選択図】図2
Description
(a)ガウスぼかし関数
この関数によって画像全体を滑らかにぼかす(スムージング)ことで、全体に見られるざらついたノイズ成分を除去する。
(b)アンシャープマスク関数
輪郭部やエッジ部を検出して重みをつけて強調する関数で、ガウスぼかし関数で鈍った輪郭やエッジ部を、元データに近い形に再現する。
(c)統計処理によるフィルタリング関数
各ピクセルに対して統計的評価を行ない、元データの値が統計的変動量以内であれば、そのピクセルの値として元データを使用し、反対に元データが統計変動量を超えた範囲の値であれば、フィルタリング処理後のデータをデータを使用して画像を再現する。
A.ガウスぼかし関数
ガウスぼかし関数とは、ガウス関数を使用した画像フィルタである。一般的なガウス関数とは以下に示すような関数である。
(4)式を見ると明らかなように、注目したピクセルp(xa,xb)を中心として同じ距離にあるピクセルは同じ重みで合成することができ、円形に分布する。具体的に画像データに適用する場合には、(3)式と(4)式にσ=rad(可変入力パラメータ)を代入して、計算するピクセルの範囲は、−3rad≦i≦3rad,−3rad≦j≦3radとして計算を行なう。
B.アンシャープマスク関数
前述したガウスぼかし関数を適用した画像データは、スムージング効果のためにS/Nが向上する反面、エッジや輪郭がぼける。しかしながら、画像データでは、エッジや輪郭部のシャープネスが重要であるため、それを際だたせるため、処理としてアンシャープマスク関数を適用する。
1)元画像データにガウスぼかし関数を適用して画像処理データ1を作る。
2)画像処理データ1に対してガウスぼかし関数を適用して画像処理データ2を作る。
3)元画像データ−画像処理データ2を算出してエッジ強調データである画像処理データ3を作る。
4)画像処理データ2+画像処理データ3を求めてアンシャープマスク処理データを作る。
(2)請求項2記載の発明は、M×Mの画素数の画像データに対して、バイキュービック関数を用いてN×Nの画素数の画像データに画素数を増加させて画像処理を行なうことを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、画像データに所定の画像処理を行なう画像処理手段と、該画像処理手段により得られた信号強度の統計変動量に対して、元画像データが該統計的変動量内にある時には、画像データとして元画像データを用い、元画像データが統計的変動量外にある時には画像データとして画像処理データを用いるようにした画像データ選択手段と、を具備することを特徴とする。
(4)請求項4記載の発明は、画像データに所定の画像処理を行なう工程と、得られた信号強度の統計変動量に対して、元画像データが該統計的変動量内にある時には、画像データとして元画像データを用い、元画像データが統計的変動量外にある時には画像データとして画像処理データを用いる工程とをコンピュータで実行することを特徴とする。
ガウスぼかし関数とアンシャープマスク関数を施した後の画像データを見ると、前述したように全体に擦りガラスを通して見たようなぼやけた印象となったり、関数特有のアーチファクトのために均一な領域中に模様のようなものが見えたりすることがある。これは元画像データの各ピクセルが本来有しているデータの不規則性やばらつきが、画像処理関数を適用することで消失したためである。
nσ√Pfil(x,y) (5)
を定義し、そのピクセルに対応する元ピクセルデータと比較を行なう。その結果、元ピクセルデータの信号強度が統計的しきい値以内に収まっている場合には、元ピクセルデータをそのまま使用し、反対にそれ以外の値の場合には画像処理後のデータPfil(x,y)を使用して、全ピクセルの再構成を行なっている。
ここで、図1について更に説明する。元画像データが(a)に示すようにあったものとする。この元ピクセルデータをPorgとする。この列の元ピークセルデータを棒グラフで表すと(b)に示すようなものとなる。信号強度が各ピクセルに応じて異なっていることが判る。図のPfilが画像処理後のデータである。これに対して、このPfilに対して、その上下に幅を持つ領域を信号強度の統計変動量√Pfil(x,y)とする。ピクセル位置に応じて、各ピクセルの強度が信号強度の統計変動量内に収まるものと収まらないものとがある。統計変動量内に収まるものは、元のピクセル画像値を用い、収まらない場合には、画像処理後のデータPfil(x,y)を用いる。このようにして、画像処理を行なうことにより、S/Nが除去された好適な画像データを得ることができる。
(元画像データ)−(画像処理データ2)
を用いる。この演算処理により求まったデータを画像データ3とする。この画像データ3はアンシャープマスク処理画像(エッジ強調処理データ)となる(図11の(b)参照)。次に、この得られれた画像処理データ3と画像処理データ1とを演算処理により加算する(S4)。即ち、(画像処理データ1)+(画像処理データ3)を実行する。
1)イメージのS/Nが向上する。
2)他のフィルタに比べてエッジがスムーズに再現される。
3)バイキュービック法で解像度を増加してからフィルタを適用しても効果的である。
4)SEM像にも適用可能である。
5)EPMAマッピング像にも適用可能である。
これらについて例を挙げて説明する。
1)イメージのS/Nが向上する。
2)他のフィルタに比べてエッジがスムーズに再現される。
3)バイキュービック法で解像度を増加させてからフィルタを適用した場合
測定時間を短縮するために、マッピングの測定時に低解像度(例えば128×128)で測定し、実際にデータにする際にバイキュービック法を用いて、解像度を増加させてデータにすることがある。図6は128×128の画像に対して256×256にピクセル数を増加させてからガウス統計フィルタを適用した場合を示す図である。(a)が元データ、(b)がガウス統計フィルタ適用後の画像データを示す。(b)に示すように、ガウス統計フィルタを適用すれば、S/Nがよくなり、良質な画像が得られる。
4)SEM像に対しても適用可能である
SEM像に対しても、本発明のガウス統計フィルタが適用可能である。しかしながら、SEM像の各画素の強度とは、測定時のコントラストとブライトネスの状態で決定されるアナログ信号の相対強度を記録したもので、絶対値に意味がないので、統計変動分を見積もることができない。そのため、ガウス統計フィルタがうまく機能しない。
5)EPMAのマッピングデータにも適用可能である
EPMAの面分析においてもガウス統計フィルタは、高い効果を示す。実際にカラーマップにガウス統計フィルタ処理を施したデータの例を図9に示す。(a)は元データ、(b)はガウス統計フィルタを適用後を示している。ガウス統計フィルタを適用したマッピングデータは、(b)に示すようにSEM像に近いデータが得られており、EPMAのマッピングデータにも適用可能であることが示せた。
今回設計したガウス統計フィルタは、ガウスぼかし関数とアンシャープマスク関数と統計処理によるフィルタリング関数の3つの関数を組み合わせたものである。このフィルタは、元素マッピング結果等の低S/N条件下で得られた画像データであってもノイズを除去してS/Nのよい画像を得ることができるという機能をもったものである。また、このフィルタを適用することで、128×128といった低画素のマッピングデータからでも、バイキュービック関数を使用して増加させてフィルタを適用することで、256×256で測定したデータと同等の画像データを得ることができる。また、本フィルタは、EPMAのマッピングデータにも適用可能で、将来的にはSEM像にも適用可能と考えられる。
Claims (4)
- 画像データに所定の画像処理を行ない、
得られた信号強度の統計変動量に対して、元画像データが該統計変動量内にある時には、画像データとして元画像データを用い、元画像データが統計変動量外にある時には画像データとして画像処理データを用いるようにしたことを特徴とする画像処理方法。 - M×Mの画素数の画像データに対して、バイキュービック関数を用いてN×Nの画素数の画像データに画素数を増加させて画像処理を行なうことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 画像データに所定の画像処理を行なう画像処理手段と、
該画像処理手段により得られた信号強度の統計変動量に対して、元画像データが該統計的変動量内にある時には、画像データとして元画像データを用い、元画像データが統計変動量外にある時には画像データとして画像処理データを用いるようにした画像データ選択手段と、
を具備することを特徴とする画像処理装置。 - 画像データに所定の画像処理を行なう工程と、
得られた信号強度の統計変動量に対して、元画像データが該統計変動量内にある時には、画像データとして元画像データを用い、元画像データが統計変動量外にある時には画像データとして画像処理データを用いる工程とをコンピュータで実行することを特徴とする画像処理プログラム。
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