JP2007218995A - 偏向器および該偏向器を用いた光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低騒音の偏向器および該偏向器を用いて光ビームの走査を行う光走査装置を提供する。
【解決手段】駆動軸AXに沿って2つの可動部材6521、6522が互いに離間して直列配置されている。また、これらの可動部材6521、6522には、偏向ミラー面6511、6512がそれぞれ形成されており、光源から射出された光ビームを反射可能となっている。また、これらの可動部材6521、6522は捩りバネ653により駆動軸AX回りに振動自在に軸支されている。そして、振動駆動部からの駆動力を受けて可動部材6521、6522が振動する。各可動部材6521、6522で発生する慣性トルクが相互に打ち消されるように、各可動部材6521、6522の位相および振幅が設定されている。すなわち、慣性トルクの総和がゼロになるように偏向器が構成されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、所定の駆動軸回りに振動する可動部材の表面に形成された偏向ミラー面によって光ビームを偏向する偏向器、および該偏向器を用いた光走査装置に関するものである。
この種の光走査装置では、光源と偏向器とを備えるとともに光源から射出される光ビームを偏向器により偏向することで、該偏向光ビームを主走査方向に走査する。また、偏向器の小型化および高速化を図るべく、反射ミラーを振動させて偏向器として用いることが従来より提案されている(特許文献1および2参照)。すなわち、特許文献1に記載の偏向器では、反射ミラーがリガメントにより軸支されるとともに、該リガメントを介してフレームに固定されている。そして、駆動コイルにミラー駆動信号を与えることによって反射ミラーが正弦振動し、光源から射出される光ビームを偏向する。
また、特許文献2に記載の偏向器では、走査ミラーの上下端部に捩りバネが取り付けられるとともに、これらの捩りバネにより走査ミラーが筐体に筐体に対して揺動自在に軸支されている。そして、永久磁石に対向して配置された電磁石にミラー駆動信号を与えることによって走査ミラーが正弦振動し、光源から射出される光ビームを偏向する。
特開昭63−279220号公報(図3) 特開平08−146334号公報(図1)
この種の偏向器は反射ミラーや走査ミラーなどの可動部材を正弦振動させて光ビームの偏向を行っているため、可動部材の駆動方向が変わる度に運動量も大きく変化する。そのため、振動している可動部材で発生した力がフレームや筐体などの外部固定部材に加わり、この外部固定部材や偏向器のケースがミラー駆動周波数と同一周波数または高調波で振動して大きな騒音を引き起こすことがあった。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、低騒音の偏向器および該偏向器を用いて光ビームの走査を行う光走査装置を提供することを目的とする。
この発明にかかる偏向器は、上記目的を達成するため、所定の駆動軸に沿って互いに離間して直列配置された複数の可動部材と、駆動軸に沿って設けられて複数の可動部材を連結して軸支する複数の捩りバネと、複数の可動部材を駆動軸回りに振動させるための駆動力を発生させる振動駆動部とを備え、複数の可動部材の少なくとも1つに偏向ミラー面が形成され、複数の可動部材を振動させて偏向ミラー面により光ビームを偏向し、複数の可動部材を振動させた際に各可動部材で発生する慣性トルクが相互に打ち消されるように、各可動部材の位相および振幅が設定されていることを特徴としている。
このように構成された発明では、複数の可動部材が捩りバネにより駆動軸回りに振動自在に軸支されている。そして、振動駆動部からの駆動力を受けて複数の可動部材が振動するが、後述するように可動部材の振動により発生する慣性力が偏向器の騒音の主要因となっていた。そこで、本発明では、各可動部材で発生する慣性トルクが相互に打ち消されるように、各可動部材の位相および振幅が設定されている。すなわち、慣性トルクの総和がゼロになるように偏向器が構成されている。その結果、騒音の原因が取り除かれて低騒音の偏向器が得られる。
また、このように構成された偏向器を用いて光ビームを走査する光走査装置を構成することができる。すなわち、この発明にかかる光走査装置は、上記目的を達成するため、請求項1ないし3のいずれかに記載の偏向器と同一構成を有する偏向手段と、偏向手段に設けられた偏向ミラー面の各々に対応して設けられて該偏向ミラー面に向けて光ビームを射出する光源とを備え、各偏向ミラー面が光ビームを偏向して主走査方向に走査することを特徴としている。
本発明は、低騒音の偏向器を提供することを目的としている。そこで、本願発明者はいわゆるガルバノ方式の偏向器において騒音が発生するメカニズムを検討し、その検討結果に基づき騒音抑制技術を創作した。以下、「騒音の発生メカニズムと抑制技術」、「偏向器の実施形態」および「上記偏向器を用いた画像形成装置」について詳述する。
<騒音の発生メカニズムと抑制技術>
図1は偏向器の基本構成を示す図である。従来より周知のガルバノミラー(偏向器)65は、同図に示すように、その表面に偏向ミラー面651が形成された可動部材652と、可動部材652の上下端部にそれぞれ取り付けられて可動部材652を軸支する捩りバネ653とを備えている。これらの捩りバネ653は光ビームを走査する主走査方向Xとほぼ直交する駆動軸方向Yに延設されており、可動部材652を駆動軸AX回りに振動自在に軸支している。また、この偏向器65には、可動部材652を振動させるための駆動力を発生させるために振動駆動部654が設けられている。そして、振動駆動部654にミラー駆動信号が入力されると、そのミラー駆動信号の周波数と同一の周波数で可動部材652が共振振動し、可動部材652の表面に形成された偏向ミラー面651によって光源から射出される光ビームが主走査方向Xに偏向される。
ここで、上記のようにして振動している可動部材652の慣性トルクTについて検討する。可動部材652が角周波数ωで振動しているとき、可動部材652に形成された偏向ミラー面の時刻tでの変位角θ、つまり静止状態(同図の破線)からの振れ角θについては次式で求めることができる。
Figure 2007218995
なお、式1中の符号θ0は可動部材652の最大変位角、つまり振幅である。
また、変位角θの1階微分が可動部材652の回転速度となり、その回転速度を次式で求めることができる。
Figure 2007218995
また、変位角θの2階微分が可動部材652の回転加速度となり、その回転加速度を次式で求めることができる。
Figure 2007218995
したがって、振動している可動部材652に発生する慣性トルクTについては次式で求めることができる。
Figure 2007218995
なお、式4中の符号Iは可動部材652の慣性モーメントを示している。
このように可動部材652が振動することによって慣性トルクTが発生し捩りバネ653を支持するフレームや筐体などの外部固定部材に加わり、この外部固定部材や偏向器65のケースが振動して騒音を引き起こしていた。通常、偏向器65は後述するように光走査装置や画像形成装置に組み込まれて使用されるため、偏向器65からの振動が装置筐体などに伝播され、共振現象により騒音が大きくなる傾向にある。
このように1つの可動部材652を共振振動させたのでは可動部材652により発生する慣性力を抑えることができないため、本願発明者は可動部材の個数を増やして騒音を抑制することを考えた。すなわち、同一の駆動軸AXで振動する可動部材652が複数個(n個)存在すると、各可動部材6521、6522、…652nで発生する慣性トルクT1,T2,…Tnは以下のとおりである。
Figure 2007218995
そして、慣性トルクの総和がゼロになるように偏向器65を構成することによって、騒音の原因を取り除き、低騒音の偏向器65が得られる。
Figure 2007218995
このように慣性トルクの総和をゼロとするためには、可動部材の個数や各可動部材の形状に応じて振幅や位相を調整することができる。以下、本発明にかかる偏向器の実施形態について図面を参照しつつ詳述する。
<偏向器の実施形態>
図2は本発明にかかる偏向器の第1実施形態を示す図である。この偏向器65では、同図(b)、(c)に示すように、駆動軸AXに沿って2つの可動部材6521、6522が互いに離間して直列配置されている。また、これらの可動部材6521、6522には、偏向ミラー面6511、6512がそれぞれ形成されており、光源から射出された光ビームを反射可能となっている。このように、この実施形態では、可動部材6521、6522はいずれも反射ミラーとなっている。また、可動部材6521、6522は同一材料で、しかも同一形状を有しているため、可動部材6521、6522の慣性モーメントI1、I2は同一値となっている。つまり、
I1=I2=I
となっている。
このように構成された可動部材6521、6522は駆動軸AXに沿って延設された捩りバネ653により相互に連結されている。これにより、2つの可動部材(反射ミラー)6521、6522が3本の捩りバネ653により駆動軸AX回りに振動自在に軸支されている。また、図2への図示を省略しているが、図1の偏向器と同様に、可動部材652を振動させるための駆動力を発生させるために振動駆動部654が設けられている。なお、この点に関しては、後の実施形態においても同様である。そして、この振動駆動部654に対してミラー駆動信号が入力されると、そのミラー駆動信号の周波数と同一の周波数で可動部材6521、6522が共振振動し、可動部材6521、6522の表面に形成された偏向ミラー面6511、6512によって光源から射出される光ビームが主走査方向Xに偏向される。
この実施形態では、捩りバネ653の構成を選択することで、同図(a)に示すように、可動部材6521、6522が同一振幅で、しかも逆位相で振動するように調整されている。このため、例えば可動部材6521に形成された第1偏向ミラー面6511の変位角θ1が最大値(−θ0)となると(時刻T1)、可動部材6522に形成された第2偏向ミラー面6512の変位角θ2は最大値(+θ0)となる。したがって、この実施形態では、可動部材6521、6522の回転加速度は次の関係を有する。
Figure 2007218995
したがって、可動部材6521、6522で発生する慣性トルクの総和Tは次式となる。
Figure 2007218995
このように、この実施形態では、慣性トルクの総和Tがゼロになり、この結果、偏向器65から発生する騒音を効果的に抑制することができる。
図3は本発明にかかる偏向器の第2実施形態を示す図である。第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は3つの可動部材6521〜6523を有する点と、可動部材6521〜6523の位相関係が異なる点である。すなわち、この第2実施形態にかかる偏向器65では、同図(a)に示すように、駆動軸AXに沿って3つの可動部材6521〜6523が互いに離間して直列配置されている。また、これらの可動部材6521〜6523には、偏向ミラー面6511〜6513がそれぞれ形成されており、光源から射出された光ビームを反射可能となっている。これらの可動部材6521〜6523はいずれも同一材料で、しかも同一形状を有する反射ミラーとなっている。このため、可動部材6521〜6523の慣性モーメントI1〜I3は同一値となっている。つまり、
I1=I2=I3=I
となっている。
また、このように構成された可動部材6521〜6523は駆動軸AXに沿って延設された捩りバネ653により相互に連結されて駆動軸AX回りに振動自在となっている。そして、振動駆動部654(図1)に対してミラー駆動信号が入力されると、振動駆動部654で発生した駆動力により、ミラー駆動信号の周波数と同一の周波数で可動部材6521〜6523が共振振動し、可動部材6521〜6523の表面に形成された偏向ミラー面6511〜6513によって光源から射出される光ビームが主走査方向Xに偏向される。
この実施形態では、騒音を抑制するため、捩りバネ653の構成を選択することによって、同図(b)に示すように、可動部材6521〜6523にそれぞれ形成された第1ないし第3偏向ミラー面6511(M1)〜6513(M3)が同一振幅で、しかも互いに120゜ずれた回転位相で振動するように調整されている。このため、偏向ミラー面6511(M1)〜6513(M3)の角度関係は同図(b)の最下段に示すように変化する。したがって、可動部材6521〜6523で発生する慣性トルクの総和Tは次式となる。
Figure 2007218995
このように、この実施形態においても、慣性トルクの総和Tがゼロになり、この結果、偏向器65から発生する騒音を効果的に抑制することができる。
図4は本発明にかかる偏向器の第3実施形態を示す図である。第3実施形態が第2実施形態と大きく相違する点は3つの可動部材6521〜6523の形状関係および位相関係が異なる点である。すなわち、この第3実施形態にかかる偏向器65では、同図(a)に示すように、駆動軸方向Yにおける可動部材6521〜6523の高さH1〜H3が次のような関係を有している。つまり、、
H2=2・H1=2・H3
となっている。このため、可動部材6521〜6523の慣性モーメントI1〜I3も高さ関係と同様の関係を有している。つまり、
I2=2・I1=2・I3=2・I
となっている。
また、この実施形態では、騒音を抑制するため、捩りバネ653の構成を選択することによって、同図(b)に示すように、次の2つの条件を満足するように調整されている。第1の条件は、可動部材6521〜6523にそれぞれ形成された第1ないし第3偏向ミラー面6511(M1)〜6513(M3)が同一振幅で振動するというものである。また、第2の条件は、第1および第3偏向ミラー面6511(M1)、6513(M3)が互いに同一位相で振動する一方、第2偏向ミラー面6512(M2)が第1および第3偏向ミラー面6511(M1)、6513(M3)と逆位相で振動するというものである。このため、偏向ミラー面6511(M1)〜6513(M3)の角度関係は同図(b)の最下段に示すように変化する。したがって、可動部材6521〜6523で発生する慣性トルクの総和Tは次式となる。
Figure 2007218995
このように、この実施形態においても、慣性トルクの総和Tがゼロになり、この結果、偏向器65から発生する騒音を効果的に抑制することができる。
図5は本発明にかかる偏向器の第4実施形態を示す図である。第4実施形態が第2実施形態と大きく相違する点は3つの可動部材6521〜6523の形状関係および位相関係が異なる点である。すなわち、この第4実施形態にかかる偏向器65では、同図(a)に示すように、駆動軸方向Yにおける可動部材6521〜6523の高さH1〜H3が次のような関係を有している。つまり、、
H2=4・H1=4・H3
となっている。このため、可動部材6521〜6523の慣性モーメントI1〜I3も高さ関係と同様の関係を有している。つまり、
I2=4・I1=4・I3=4・I
となっている。
また、この実施形態では、騒音を抑制するため、捩りバネ653の構成を選択することによって、同図(b)に示すように、次の2つの条件を満足するように調整されている。第1の条件は、可動部材6521、6523にそれぞれ形成された第1および第3偏向ミラー面6511(M1)、6513(M3)が同一振幅θ0で振動する一方、可動部材6522に形成された第2偏向ミラー面6512(M2)が半分の振幅(θ0/2)で振動するというものである。また、第2の条件は、第1および第3偏向ミラー面6511(M1)、6513(M3)が互いに同一位相で振動する一方、第2偏向ミラー面6512(M2)が第1および第3偏向ミラー面6511(M1)、6513(M3)と逆位相で振動するというものである。このため、偏向ミラー面6511(M1)〜6513(M3)の角度関係は同図(b)の最下段に示すように変化する。したがって、可動部材6521〜6523で発生する慣性トルクの総和Tは次式となる。
Figure 2007218995
このように、この実施形態においても、慣性トルクの総和Tがゼロになり、この結果、偏向器65から発生する騒音を効果的に抑制することができる。
図6は本発明にかかる偏向器の第5実施形態を示す図である。また、図7は図6の偏向器の動作を示す図である。第5実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は4つの可動部材6521〜6524を有する点と、可動部材6521〜6524の位相関係が異なる点である。すなわち、この第5実施形態にかかる偏向器65では、図6に示すように、駆動軸AXに沿って4つの可動部材6521〜6524が互いに離間して直列配置されている。また、これらの可動部材6521〜6524には、偏向ミラー面6511〜6514がそれぞれ形成されており、光源から射出された光ビームを反射可能となっている。このように可動部材6521〜6524はいずれも同一材料で、しかも同一形状を有する反射ミラーとなっている。このため、可動部材6521〜6524の慣性モーメントI1〜I4は同一値となっている。つまり、
I1=I2=I3=I4=I
となっている。
また、このように構成された可動部材6521〜6524は駆動軸AXに沿って延設された捩りバネ653により相互に連結されて駆動軸AX回りに振動自在となっている。そして、振動駆動部654(図1)に対してミラー駆動信号が入力されると、振動駆動部654で発生した駆動力により、ミラー駆動信号の周波数と同一の周波数で可動部材6521〜6524が共振振動し、可動部材6521〜6524の表面に形成された偏向ミラー面6511〜6514によって光源から射出される光ビームが主走査方向Xに偏向される。
この実施形態では、騒音を抑制するため、捩りバネ653の構成を選択することによって、次の2つの条件を満足するように調整されている。第1の条件は、可動部材6521〜6524にそれぞれ形成された第1ないし第4偏向ミラー面6511(M1)〜6514(M4)が同一振幅で振動するというものである。また、第2の条件は、第1および第4偏向ミラー面6511(M1)、6514(M4)が互いに同一位相で振動する一方、第2および第3偏向ミラー面6512(M2)、6513(M3)が第1および第4偏向ミラー面6511(M1)、6514(M4)と逆位相で振動するというものである。このため、偏向ミラー面6511(M1)〜6514(M4)の角度関係は図7の最下段に示すように変化する。したがって、可動部材6521〜6524で発生する慣性トルクの総和Tは次式となる。
Figure 2007218995
このように、この実施形態においても、慣性トルクの総和Tがゼロになり、この結果、偏向器65から発生する騒音を効果的に抑制することができる。
ところで、上記第1ないし第5実施形態においては、全ての可動部材に対して偏向ミラー面を形成しているが、一部の可動部材に対してのみ偏向ミラー面を形成するようにしてもよい。この場合、偏向ミラー面を有する可動部材が光ビームを反射する反射ミラーとして機能する一方、残りの可動部材は騒音防止用として機能する。このような偏向器としては例えば図8に示すものがある。
図8は本発明にかかる偏向器の第6実施形態を示す図である。第6実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は可動部材6522には偏向ミラー面が形成されておらず、可動部材6522の表面は光ビームを偏向しない面NMとなっている点である。もちろん、可動部材6522の表面にミラー面を形成するものの光源からの光ビームを該ミラー面に入射しない場合には、該ミラー面を実質的に面NMとみなすことができる。なお、その他の構成および動作は第1実施形態と全く同一である。このように構成された偏向器65を用いる場合には、偏向ミラー面6511にのみ光ビームが照射されて光ビームの走査が行われる。
なお、上記実施形態では、可動部材の表面にのみ偏向ミラー面を形成しているが、両面に偏向ミラー面を形成してもよい。特に、両面に偏向ミラー面を有する偏向器は後述するようにタンデム方式の画像形成装置に好適である。
<上記偏向器を用いた画像形成装置>
上記のように構成された偏向器については、種々の画像形成装置に適用することができる。以下、上記偏向器を用いた画像形成装置について図面を参照しつつ詳述する。
<<第1画像形成装置>>
図9は本発明にかかる偏向器の第6実施形態を用いた画像形成装置を示す図である。また、図10は図9の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置(以下「第1画像形成装置」という)は、いわゆる4サイクル方式のカラープリンタである。すなわち、この画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じてホストコンピュータなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラ11に与えられると、この画像形成指令に対応する画像信号や制御信号などがメインコントローラ11からエンジンコントローラ10やエンジン部EGに与えられる。そして、エンジンコントローラ10のCPUがエンジン部EGの各部を制御して複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートSに画像形成指令に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、感光体2が図9の矢印方向(副走査方向)に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向に沿って、帯電ユニット3、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部(図示省略)がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3にはエンジンコントローラ10から所定の帯電バイアスを印加している。このバイアス印加によって感光体2の外周面が所定の表面電位に均一に帯電される。また、これらの感光体2、帯電ユニット3およびクリーニング部は一体的に感光体カートリッジを構成しており、感光体カートリッジが一体として装置本体5に対し着脱自在となっている。
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。これによって画像形成指令に含まれる画像データに対応する静電潜像が感光体2上に形成される。このように露光ユニット6は、本発明にかかる光走査装置に相当するものであるが、その構成および動作については後で詳述する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、マゼンタ用の現像器4M、シアン用の現像器4C、およびブラック用の現像器4Kを備えている。そして、エンジンコントローラ10の現像器制御部(図示省略)からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体2と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ44から感光体2の表面にトナーを付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72、73等に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。また、ローラ72の近傍には、転写ベルトクリーナ(図示省略)が配置されている。
そして、カラー画像をシートに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシート上にカラー画像を二次転写する。
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシート上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてカラー画像が形成されたシートは定着ユニット9および排出ローラ82を経由して装置本体5の上面部に設けられた排出トレイ部51に搬送される。また、シートの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートを排出ローラ82によりスイッチバック移動させる。これによってシートは反転搬送経路FRに沿って搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートの両面に画像を形成することができる。
図11は図9の画像形成装置に装備された露光ユニットの構成を示す主走査断面図である。また、図12は露光ユニットの副走査断面図である。また、図13は図9の画像形成装置の露光ユニットおよび露光ユニットを制御するための露光制御ユニットを示す図である。また、図14は露光ユニットの一構成要素たる偏向器を示す図である。以下、これらの図面を参照しつつ、露光ユニット6の構成および動作について詳述する。
図11に示すように、露光ユニット6は露光筐体61を有している。そして、露光筐体61に単一のレーザー光源62が固着されており、レーザー光源62から光ビームを射出可能となっている。このレーザー光源62はメインコントローラ11からの画像信号Svに基づきON/OFF制御されて該画像信号Svに対応して変調された光ビームがレーザー光源62から前方に射出される。すなわち、この画像形成装置では、メインコントローラ11にビデオクロック発生部111が設けられており、基準周波数、例えば68MHzのビデオクロック信号VCを出力している。そして、このビデオクロック信号VCを基準として画像出力部112がメインコントローラ11に与えられた画像形成指令に含まれる画像データに対応する画像信号Svを作成する。この画像信号Svは露光ユニット6のレーザー光源62に出力され、該画像信号Svに応じて光ビームは変調され、該変調された光ビームがレーザー光源62から前方に射出される。
また、この露光筐体61の内部には、レーザー光源62からの光ビームを感光体2の表面(図示省略)に走査露光するために、コリメータレンズ631、シリンドリカルレンズ632、ミラー64、偏向器65、走査レンズ66およびミラー67が設けられている。すなわち、レーザー光源62からの光ビームは、コリメータレンズ631により適当な大きさのコリメート光にビーム整形された後、副走査方向Yにのみパワーを有するシリンドリカルレンズ632に入射される。そして、シリンドリカルレンズ632を調整することでコリメート光は副走査方向Yにおいて偏向器65の偏向ミラー面651付近で結像される。このように、この実施形態では、コリメータレンズ631およびシリンドリカルレンズ632がレーザー光源62からの光ビームを副走査方向Yにおいて集束させるビーム整形系63として機能している。また、ビーム整形系63は集束光ビームLiを、同図に示すように、偏向ミラー面6511(M1)に対して斜めに入射する。すなわち、この画像形成装置では、ビーム整形系63と偏向器65の偏向ミラー面6511との間にミラー64を設け、いわゆる斜め入射構造を構成している。より具体的には、集束光ビームLiは偏向器65の偏向ミラー面651の駆動軸AXと直交する基準面SSに対して鋭角γをなすように偏向ミラー面6511に入射する。
この偏向器65は半導体製造技術を応用して微小機械を半導体基板上に一体形成するマイクロマシニング技術を用いて形成されるものであり、本発明にかかる偏向器の第6実施形態と同一構成を有している。すなわち、可動部材6521、6522および捩りバネ653は一体的に形成され、偏向器65の外部固定部材655に固定されている。そして、振動駆動部654に対して可動部材6521、6522を駆動するためのミラー駆動信号が露光制御ユニット12のミラー駆動部121から印加される。これによって、図8に示すように、ミラー駆動信号の周波数と同一の周波数で可動部材6521、6522が共振振動し、可動部材6521の表面に形成された偏向ミラー面6511(M1)によって光ビームLiが主走査方向Xに偏向される。
この走査光ビームは走査レンズ66および折り返しミラー67を介して感光体2に結像され、感光体表面21に光ビームのスポットが形成される。この実施形態では走査レンズ66を1枚のレンズで構成しているが、レンズ構成はこれに限定されるものではなく、後述する第3実施形態のように複数枚のレンズにより構成してもよい。なお、図11中の符号OAは走査レンズ66の光軸を示している。
また、こうして主走査方向Xに走査される光ビームは折り返しミラー69により光検知センサ60に導かれる。また、このセンサ60が光ビームを検知して出力する信号Hsyncはエンジンコントローラ10の書込タイミング調整部102に与えられる。この書込タイミング調整部102には、エンジンコントローラ10のカウントクロック発生部103から計時用クロック信号が与えられており、この計時用クロック信号に基づき書込タイミング調整部102は検知信号Hsyncからの経過時間を計測し、適当なタイミングで画像出力部112にビデオリクエスト(書込要求)信号Vreqを順次出力する。そして、ビデオリクエスト信号Vreqを受けた画像出力部112がビデオクロック信号VCを基準として画像信号Svを出力する。このように書込タイミング調整部102がビデオリクエスト信号Vreqの出力タイミングを調整することによって主走査方向Xにおける潜像書込位置が調整される。なお、この実施形態では、計時用クロック信号の周波数をビデオクロック信号VCのそれよりも大きな値、例えばビデオクロック信号VCの周波数の4倍に設定している。これによって、ビデオリクエスト信号Vreqを高分解能で制御して潜像の書込開始位置を正確に制御することができる。
また、光検知センサ60による走査光ビームの検知信号Hsyncは露光制御ユニット12の計測部123にも伝達され、該計測部123において光ビームの走査時間や駆動周期などに関連する駆動情報が算出される。そして、この計測部123において算出された実測情報がミラー駆動部121に伝達され、ミラー駆動部121は必要に応じてミラー駆動信号の調整などを行う。
以上のように、図9に示す第1画像形成装置では、第6実施形態にかかる偏向器65を用いて光ビームを走査して画像形成を行っているため、偏向器65から発生する騒音を抑制することができ、画像形成装置の低騒音化を図ることができる。
<<第2画像形成装置>>
ところで、上記のように構成された第1画像形成装置では、偏向ミラー面6511が共振振動しているため、レーザー光源62からの光ビームを往路および復路の両方において感光体表面21上に走査させる両側走査モードを実行することで、解像度を上げることが可能となっている。
しかしながら、両側走査モード時における、感光体表面21上でのスポットの走査軌跡は、図15の一点鎖線で示すようになるため、副走査方向Yでの走査ピッチは一定とならない。したがって、両側走査モード時において、感光体表面21上にスポットを走査させて潜像を形成する場合、副走査方向Yへの走査ピッチが一定でないため副走査方向Yにおけるスポットの重なりの程度にばらつきが生じることとなる。つまり、副走査方向Yの走査ピッチの狭いところでは、副走査方向Yのスポットの重なりは大きくなるのに対し、副走査方向Yの走査ピッチの広いところでは、副走査方向Yのスポットの重なりは小さくなる。したがって、両側走査モード時は、副走査方向Yの走査ピッチの不均一性に対応して色の濃淡が発生する場合がある。
そこで、濃度むらを発生させることなく解像度を高めるためには、第1実施形態にかかる偏向器を用いて画像形成装置を構成するのが望ましい。以下、この画像形成装置(以下「第2画像形成装置」という)について、図面を参照しつつ説明する。なお、第2画像形成装置が第1画像形成装置と大きく相違する点は露光ユニット(光走査装置)の構成と動作であり、その他の構成は図9の装置と同一である。したがって、以下の説明では相違点を中心に説明し、同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
図16は第2画像形成装置に装備された露光ユニットの構成を示す主走査断面図である。また、図17は露光ユニットの副走査断面図である。また、図18は露光ユニットおよび露光ユニットを制御するための露光制御ユニットを示す図である。また、図19は露光ユニットの一構成要素たる偏向器を示す図である。
この第2画像形成装置における露光ユニット(光走査装置)が第1画像形成装置のそれと大きく相違する点は、第1実施形態にかかる偏向器65(図2)が採用されている点と、光ビームを走査する走査系として上部走査系6Uと下部走査系6Dとを備えている点である。これらの走査系6U、6Dの各々は図11および図12に示す走査系と同一の構成を有しており、走査レンズ66の光軸OAを挟んで上下に対象配置されている。すなわち、図17および図19に示すように、この第2画像形成装置では、偏向器として第1実施形態にかかる偏向器65が用いられており、偏向器65の偏向ミラー面6511に対応して上部走査系6Uが設けられる一方、偏向ミラー面6512に対応して下部走査系6Dが設けられている。
上部走査系6Uでは、図16および図17に示すように、偏向ミラー面6511(651U)に対応してレーザー光源62Uが設けられている。そして、このレーザー光源62Uから射出された光ビームはコリメータレンズ631Uおよびシリンドリカルレンズ632Uにより構成されたビーム整形系63Dにより集束光ビームLiに整形され、さらにミラー64Uを介して偏向器65の偏向ミラー面6511(651U)に入射される。この偏向器65では、ミラー駆動信号の周波数と同一の周波数で可動部材6521、6522が共振振動し、可動部材6521の表面に形成された偏向ミラー面6511(651U)によってレーザー光源62Uの光ビームLiが主走査方向Xに偏向される。そして、走査光ビームは走査レンズ66および折り返しミラー67を介して感光体2に結像され、感光体表面21に光ビームのスポットが形成される。このように、レーザー光源62Uが「第1光源」に相当する。
一方、下部走査系6Dも上部走査系6Uと同様に構成される。すなわち、偏向ミラー面6512(651D)に対応してレーザー光源62Dが「第2光源」として設けられている。そして、このレーザー光源62Dから射出された光ビームはビーム整形系63Dにより集束光ビームLiに整形され、さらにミラー64Dを介して偏向器65の偏向ミラー面6512(651D)に入射される。そして、可動部材6522の表面に形成された偏向ミラー面6512(651D)によってレーザー光源62Dの光ビームLiが主走査方向Xに偏向される。この走査光ビームは走査レンズ66および折り返しミラー67を介して感光体2に結像され、感光体表面21に光ビームのスポットが形成される。
このように第2画像形成装置では、2つの走査系6U、6Dを備えており、しかも偏向ミラー面6511(651U)、6512(651D)は互いに逆位相で振動するため、感光体表面21の同一箇所において一方の走査系により光ビームが往路走査すると同時に、他方の走査系により光ビームが復路走査する。したがって、図20に示すように、上部走査系6Uにより光ビームを往路走査している間にレーザー光源62Uから変調光ビームを射出することで有効画像領域内で往路書込(1)を行うことができ、この間、下部走査系6Dのレーザー光源62Dは消灯している(復路走査(1))。そして、1ライン分の潜像形成が完了して各可動部材6521、6522の変位方向が入れ替わると、上記とは逆に、下部走査系6Dにより光ビームを往路走査している間にレーザー光源62Dから変調光ビームを射出することで有効画像領域内で往路書込(2)を行うことができ、この間、上部走査系6Uのレーザー光源62Uは消灯している(復路走査(2))。このように、光ビームを往路走査してライン潜像を形成する(往路書込)ごとに光ビームの射出元をレーザー光源62U、62Dの間で交互に切り換えることで両側走査モードで潜像形成を行った場合と同様の解像度が得られる。しかも、常に往路書込を行っているため、副走査方向Yでの走査ピッチは一定となり、濃度むらを防止することができる。その結果、第2画像形成装置によれば、高解像度で、しかも画質良好な画像を低騒音で形成することができる。
なお、この第2画像形成装置では、各光源62U、62Dから単一の光ビームを射出しているが、複数本の光ビームを射出する構成を採用してもよい。例えば各光源62U、62Dから2本の変調光ビームを射出する画像形成装置では、図22に示すように、2本単位で往路書込が行われる。このように光源か複数本の光ビームを射出させる点に関しては、第1画像形成装置および後で説明する画像形成装置においても採用することができる。
<<第3画像形成装置>>
上記第1および第2画像形成装置は、いわゆる4サイクル方式のカラープリンタであるが、本発明にかかる偏向器の適用対象はこれに限定されるものではなく、いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置あるいは単色画像を形成するモノクロ画像形成装置に上記した偏向器を適用することができる。以下、本発明にかかる偏向器を適用したタンデム方式のカラー画像形成装置について図面を参照しつつ説明する。
図23は本発明にかかる偏向器の第5実施形態を用いた画像形成装置を示す図である。この画像形成装置(以下「第3画像形成装置」という)は、いわゆるタンデム方式のカラープリンタであり、潜像担持体としてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の感光体2Y、2M、2C、2Kを装置本体5内に並設している。そして、各感光体2Y、2M、2C、2K上のトナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する装置である。すなわち、この画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じてホストコンピュータなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラ11に与えられると、この画像形成指令に対応する画像信号や制御信号などがメインコントローラ11からエンジンコントローラ10やエンジン部EGに与えられる。そして、エンジンコントローラ10のCPUがエンジン部EGの各部を制御して複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートSに画像形成指令に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、4つの感光体2Y、2M、2C、2Kのそれぞれに対応して帯電ユニット、現像ユニットおよびクリーニング部が設けられている。なお、これら帯電ユニット、現像ユニットおよびクリーニング部の構成はいずれの色成分についても同一であるため、ここではイエローに関する構成について説明し、その他の色成分については相当符号を付して説明を省略する。
感光体2Yは図23の矢印方向に回転自在に設けられている。そして、この感光体2Yの周りにその回転方向に沿って、帯電ユニット3Y、現像ユニット4Yおよびクリーニング部(図示省略)がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3Yは例えばスコロトロン帯電器で構成されており、エンジンコントローラ10の帯電制御部(図示省略)からの帯電バイアス印加によって感光体2Yの外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。そして、この帯電ユニット3Yによって帯電された感光体2Yの外周面に向けて露光ユニット6から走査光ビームLyが照射される。これによって画像形成指令に含まれるイエロー画像データに対応する静電潜像が感光体2Y上に形成される。なお、この露光ユニット6はイエロー専用ではなく、各色成分に対して共通して設けられており、後述する露光制御ユニットからの制御指令に応じて動作する。この露光ユニット6および露光制御ユニットの構成および動作については後で詳述する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4Yによってトナー現像される。この現像ユニット4Yはイエロートナーを内蔵している。そして、現像器制御部104から現像バイアスが現像ローラ41Yに印加されると、現像ローラ41Y上に担持されたトナーが感光体2Yの表面各部にその表面電位に応じて部分的に付着する。その結果、感光体2Y上の静電潜像がイエローのトナー像として顕像化される。なお、現像ローラ41Yに与える現像バイアスとしては、直流電圧、もしくは直流電圧に交流電圧を重畳したもの等を用いることができるが、特に感光体2Yと現像ローラ41Yとを離間配置し、両者の間でトナーを飛翔させることでトナー現像を行う非接触現像方式の画像形成装置では、効率よくトナーを飛翔させるために直流電圧に対して正弦波、三角波、矩形波等の交流電圧を重畳した電圧波形とすることが好ましい。
現像ユニット4Yで現像されたイエロートナー像は、一次転写領域TRy1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。また、イエロー以外の色成分についても、イエローと全く同様に構成されており、感光体2M、2C、2K上にマゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像がそれぞれ形成されるとともに、一次転写領域TRm1、TRc1、TRk1でそれぞれ中間転写ベルト71上に一次転写される。
この転写ユニット7は、2つのローラ72、73に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ72を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向R2に回転させるベルト駆動部(図示省略)とを備えている。また、中間転写ベルト71を挟んでローラ73と対向する位置には、該ベルト71表面に対して不図示の電磁クラッチにより当接・離間移動可能に構成された二次転写ローラ74が設けられている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、一次転写タイミングを制御することで各トナー像を重ね合わせてカラー画像を中間転写ベルト71上に形成するとともに、カセット8から取り出されて中間転写ベルト71と二次転写ローラ74との間の二次転写領域TR2に搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。一方、モノクロ画像をシートSに転写する場合には、ブラックトナー像のみを感光体2Kに形成するとともに、二次転写領域TR2に搬送されてくるシートS上にモノクロ画像を二次転写する。また、こうして画像の2次転写を受けたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に向けて搬送される。
なお、中間転写ベルト71へトナー像を一次転写した後の各感光体2Y、2M、2C、2Kは、不図示の除電手段によりその表面電位がリセットされ、さらに、その表面に残留したトナーがクリーニング部により除去された後、帯電ユニット3Y、3M、3C、3Kにより次の帯電を受ける。また、ローラ72の近傍には、転写ベルトクリーナ75が配置されている。これらのうち、クリーナ75は図示を省略する電磁クラッチによってローラ72に対して近接・離間移動可能となっている。そして、ローラ72側に移動した状態でクリーナ75のブレードがローラ72に掛け渡された中間転写ベルト71の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーを除去する。
図24は図23の画像形成装置に装備された露光ユニットの構成を示す副走査断面図である。また、図25は露光ユニットの光学構成を展開した副走査断面図である。また、図26は図23の画像形成装置の露光ユニットおよび露光ユニットを制御するための露光制御ユニットを示す図である。また、図27は露光ユニットの一構成要素たる偏向器を示す図である。以下、これらの図面を参照しつつ、露光ユニット(光走査装置)の構成および動作について詳述する。
この露光ユニット6は露光筐体61を有している。そして、露光筐体61に4色の感光体(潜像担持体)2Y、2M、2C、2Kに対応して4つのレーザー光源62Y、62M、62C、62Kがそれぞれ固着されており、各レーザー光源62Y、62M、62C、62Kから光ビームを射出可能となっている。各レーザー光源62Y、62M、62C、62Kはメインコントローラ11からの画像信号Svに基づきON/OFF制御されて該画像信号Svに対応して変調された光ビームが射出される。
また、この露光筐体61の内部には、各色について、レーザー光源から射出される変調光ビームを感光体の表面に走査露光するために、走査系が構成されている。ここでは、4色のうちマゼンタに関する走査系を図25に図示して説明するが、それ以外のトナー色についてマゼンタと同様である。このマゼンタ走査系は、図25に示すように、マゼンタ用光源62Mから射出された光ビームをマゼンタ用感光体2Mの表面21Mに走査露光するために、ビーム整形系63M、本発明の第5実施形態にかかる偏向器65、第1走査レンズ661M、折り返しミラー群67および第2走査レンズ662Mが設けられている。すなわち、マゼンタ用レーザー光源62Mからの光ビームは、第1画像形成装置と同様に、集束光Liに整形された後、偏向器65の偏向ミラー面6512(M2)に入射される。
この第3画像形成装置では、図27に示すように、第5実施形態の偏向器65が用いられており、4つの可動部材6521〜6524を備えている。そして、可動部材6521に設けられた偏向ミラー面6512(M2)にマゼンタ用光源62Mからの光ビームが入射され、該偏向ミラー面6512によりマゼンタ用感光体2Mに向けて反射して主走査方向Xに偏向される。なお、その他のトナー色Y、C、Kについては、マゼンタ色と同様に構成されている。すなわち、レーザー光源62Y、62C、62Kから射出された光ビームはそれぞれ偏向ミラー面6511(M1)、6513(M3)、6514(M4)に入射される。そして、光ビームはそれぞれ偏向ミラー面6511(M1)、6513(M3)、6514(M4)で感光体2Y、2C、2Kに向けて反射して主走査方向Xに偏向される。このように、第3画像形成装置では、4色の感光体(潜像担持体)2Y、2M、2C、2Kにそれぞれ対応してレーザー光源62Y、62M、62C、62Kが設けられており、4色の光ビームの各々を該光ビームに対応する感光体に向けて反射して主走査方向Xに偏向する。
こうして偏向器65の偏向ミラー面6512(M2)により走査された走査光ビームLmは第1走査レンズ661M、折り返しミラー群67および第2走査レンズ662Mを介して選択された感光体2Mの表面21Mに照射され、ライン状の潜像が形成される。なお、他の色成分についてもマゼンタと全く同様である。
こうして各感光体2Y、2M、2C、2Kで形成された潜像はそれぞれ現像ユニット4Y、4M、4C、4Kにより現像されて4色のトナー像が形成される。そして、これら4色のトナー像を中間転写ベルト71上で重ね合わせることでカラー画像が形成される。
以上のように、図23に示す画像形成装置では、第5実施形態にかかる偏向器65を用いて光ビームを走査して画像形成を行っているため、偏向器65から発生する騒音を抑制することができ、画像形成装置の低騒音化を図ることができる。
なお、上記第3画像形成装置では、4枚の可動部材6521〜6524を駆動軸AX回りに振動させ、各可動部材6521〜6524の表面に形成された偏向ミラー面6511〜6514により光ビームを走査しているが、例えば図28に示すように2枚の可動部材6521、6522を有する偏向器65を用いてもよい。この実施形態では、いずれの可動部材6521、6522においても、表裏面に偏向ミラー面がそれぞれ形成されている。そして、イエロー用のレーザー光源62Yからの光ビームは可動部材6522の裏面に形成された偏向ミラー面により走査される。この走査光ビームLyは第1走査レンズ661B、折り返しミラー67および第2走査レンズ662Yを介して感光体2Yの表面に結像される。また、マゼンタ用のレーザー光源62Mからの光ビームは可動部材6521の裏面に形成された偏向ミラー面により偏向される。この走査光ビームLmは第1走査レンズ661B、折り返しミラー67および第2走査レンズ662Mを介して感光体2Mの表面に結像される。また、シアン用のレーザー光源62Cからの光ビームは可動部材6521の表面に形成された偏向ミラー面により偏向される。この走査光ビームLcは第1走査レンズ661F、折り返しミラー67および第2走査レンズ662Cを介して感光体2Cの表面に結像される。さらに、ブラック用のレーザー光源62Kからの光ビームは可動部材6522の表面に形成された偏向ミラー面により偏向される。この走査光ビームLkは第1走査レンズ661F、折り返しミラー67および第2走査レンズ662Kを介して感光体2Kの表面に結像される。
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、偏向器の適用対象は画像形成装置に装備される露光ユニットに限定されるものではなく、光ビームを走査させる光走査装置全般に適用することができる。
偏向器の基本構成を示す図。 本発明にかかる偏向器の第1実施形態を示す図。 本発明にかかる偏向器の第2実施形態を示す図。 本発明にかかる偏向器の第3実施形態を示す図。 本発明にかかる偏向器の第4実施形態を示す図。 本発明にかかる偏向器の第5実施形態を示す図。 図6の偏向器の動作を示す図。 本発明にかかる偏向器の第6実施形態を示す図。 本発明にかかる偏向器の第6実施形態を用いた画像形成装置。 図9の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。 図9の画像形成装置に装備された露光ユニットの構成を示す主走査断面図。 図9の画像形成装置に装備された露光ユニットの副走査断面図。 図9の画像形成装置の露光ユニットおよび露光ユニットを制御するための露光制御ユニットを示す図。 図9の画像形成装置に用いられた偏向器を示す図。 両側走査モードにおける走査軌跡を示す図。 第2画像形成装置に装備された露光ユニットの構成を示す主走査断面図。 第2画像形成装置に装備された露光ユニットの副走査断面図。 第2画像形成装置に装備された露光ユニットおよび露光ユニットを制御するための露光制御ユニットを示す図。 第2画像形成装置において用いられた偏向器を示す図。 第2画像形成装置に装備された露光ユニットの動作を示す図。 第2画像形成装置に装備された露光ユニットの動作を示す図。 第2画像形成装置の変形例による潜像形成動作を示す図。 本発明にかかる偏向器の第5実施形態を用いた画像形成装置を示す図。 第3画像形成装置に装備された露光ユニットの構成を示す副走査断面図。 第3画像形成装置に装備された露光ユニットの光学構成を展開した副走査断面図。 第3画像形成装置の露光ユニットおよび露光ユニットを制御するための露光制御ユニットを示す図。 第3画像形成装置において用いられた偏向器を示す図。 第3画像形成装置の変形例を示す図。
符号の説明
6…露光ユニット(光走査装置)、 62、62U、62D、62Y、62M、62C、62K…レーザ光源、 65…偏向器(偏光手段)、 6511〜6514…偏向ミラー面、 6521〜6524…可動部材、 653…捩じりバネ、 654…振動駆動部、 AX…駆動軸、 L、Li、Ly、Lm、Lc、Lk..…光ビーム、 X…主走査方向、 Y…副走査方向

Claims (4)

  1. 所定の駆動軸に沿って互いに離間して直列配置された複数の可動部材と、
    前記駆動軸に沿って設けられて前記複数の可動部材を連結して軸支する複数の捩りバネと、
    前記複数の可動部材を前記駆動軸回りに振動させるための駆動力を発生させる振動駆動部とを備え、
    前記複数の可動部材の少なくとも1つに偏向ミラー面が形成され、前記複数の可動部材を振動させて前記偏向ミラー面により光ビームを偏向し、
    前記複数の可動部材を振動させた際に各可動部材で発生する慣性トルクが相互に打ち消されるように、各可動部材の位相および振幅が設定されていることを特徴とする偏向器。
  2. 前記振動駆動部は前記複数の可動部材を同一の駆動周波数で駆動する請求項1記載の偏向器。
  3. 前記複数の可動部材は同一構成である請求項1または2記載の偏向器。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の偏向器と同一構成を有する偏向手段と、
    前記偏向手段に設けられた偏向ミラー面の各々に対応して設けられて該偏向ミラー面に向けて光ビームを射出する光源とを備え、
    各偏向ミラー面が光ビームを偏向して主走査方向に走査することを特徴とする光走査装置。
JP2006036765A 2006-02-14 2006-02-14 偏向器および該偏向器を用いた光走査装置 Withdrawn JP2007218995A (ja)

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