JP2007218938A - インセル補償の液晶セル用基板およびその製造方法 - Google Patents

インセル補償の液晶セル用基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶セルの内側に光学異方性層を形成して光学補償効果を高めることが可能である液晶セル用基板を製造工程を増やさずにコストを抑えて製造する方法と、該製造方法に有用な転写材料の提供。
【解決手段】仮支持体、黒色感光性樹脂層、および光学異方性層をこの順に有する転写材料、ならびに該転写材料を用いて前記光学異方性層と前記黒色感光性樹脂層からなる遮光性隔壁とを同時に形成する、遮光性隔壁と光学異方性層とを有する液晶セル用基板の製造方法。
【選択図】図7

Description

本発明は、液晶セル、特に、生産性と色視野角特性の優れた液晶表示装置の作製に有用な液晶表示装置に関する。
ワードプロセッサやノートパソコン、パソコン用モニターなどのOA機器、携帯端末、テレビなどに用いられる表示装置としては、CRT(Cathode Ray Tube)がこれまで主に使用されてきた。近年、液晶表示装置(LCD)が、薄型、軽量、且つ消費電力が小さいことからCRTの代わりに広く使用されてきている。液晶表示装置は、液晶セルおよび偏光板を有する。偏光板は保護フィルムと偏光膜とからなり、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護フィルムにて積層して得られる。例えば、透過型LCDでは、この偏光板を液晶セルの両側に取り付け、さらには一枚以上の光学補償シートを配置することもある。液晶セルは、液晶分子、それを封入するための二枚の基板および液晶分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、液晶分子の配向状態の違いで、ON、OFF表示を行い、透過型、反射型および半透過型のいずれにも適用でき、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、STN(Super Twisted Nematic)のような表示モードが提案されている。しかしながら、従来のLCDで表示し得る色やコントラストは、LCDを見る時の角度によって変化する。そのため、LCDの視野角特性は、CRTの性能を越えるまでには至っていない。
この視野角特性を改良するために、視野角補償用の光学異方性層(光学補償シート)が適用されてきた。これまでに上述の様々の表示モードに対して種々の光学特性を有する光学補償シートを用いることにより、優れたコントラスト視野角特性を有するLCDが提案されている。特にOCB、VA、IPSの3つのモードは広視野角モードとして全方位に渡り広いコントラスト視野角特性を有するようになり、テレビ用途として既に家庭に普及している。
これらの液晶セルにおいては、通常、光学補償シートは偏光板と張り合わされて、接着剤で液晶セルの外側に設けられている。
しかしながら、上記従来の技術では、次のような問題点を有している。
すなわち、位相差付偏光板を液晶セル外に、貼り付け法で設置する場合、貼り付け精度が特に大型のもので厳しく、反りや位置ずれによる失敗が発生し易い。その結果、高価な位相差板付偏光板が無駄になってコスト増加要因になっている。
また、液晶パネルの動作中、バックライト等からの熱による偏光板支持体の膨張および収縮で、貼り付けた位相差板が応力を受け光学特性が変化する。この場合は、変形箇所において位相差板の位相補償効果が不十分になり、黒状態で光抜けを引き起こすことになる。
このような現象は、液晶パネルのサイズが大きくなるにつれて、より顕著に発生する。即ち、液晶パネルのサイズが大きくなれば、偏光板も大きくなり収縮量膨張量も大きくなるため、偏光板支持体の変形量も大きくなり、顕著に白抜け状態が発生する。
以上のように、従来技術は、液晶セルの外側に貼り付ける精度に伴う歩留まり問題や、偏光板支持体の膨張収縮に伴う光抜け問題を有していた。
これに対し、偏光板の支持体に貼り付けせず、液晶セルの内側に直接光学異方性層を高精度でパターニングする光学補償も提案されている(特許文献1)。これは主に液晶セル内にカラーフィルタなどと一緒に光学異方性層をパターニングする方法により実現される。しかしながら、液晶セル内にパターニング可能な材料で、尚且つ光学的に均一な異方性特性を有する光学異方性層を形成することは困難であった。また、従来の方法では、光学異方性層をパターニングするために、製造工程が増えてしまい、コスト的に実現性に乏しいという問題点があった。
GB2394718
本発明は上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、液晶セルの内側に光学異方性層を形成して光学補償効果を高めることが可能である液晶セル用基板を製造工程を増やさずにコストを抑えて製造する方法と、該製造方法に有用な転写材料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究を行い、従来ある遮光性隔壁形成のための層の転写方法を進歩させ、異なる機能を有する複数の層を有する転写材料を用いて、光学異方性層と遮光性隔壁形成のための層を同時に転写する方法を見出し、さらに研究を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
(1)仮支持体B、黒色感光性樹脂層、および光学異方性層をこの順に有する転写材料。
(2)仮支持体B、黒色感光性樹脂層、光学異方性層、および仮支持体Aをこの順に有する転写材料。
(3)前記黒色感光性樹脂層と前記光学異方性層とが直接接している(1)または(2)に記載の転写材料。
(4)前記黒色感光性樹脂層の厚さが0.5μm以上である(1)〜(3)のいずれか一項に記載の転写材料。
(5)(1)〜(4)のいずれか一項に記載の転写材料を用いて前記光学異方性層と前記黒色感光性樹脂層からなる遮光性隔壁とを同時に形成する、遮光性隔壁と光学異方性層とを有する液晶セル用基板の製造方法。
(6)透明基板上に光学異方性層と遮光性隔壁とを有する液晶セル用基板の製造方法であって、下記の工程:
[1]接着層が設けられた透明基板を用意する工程;
[2](1)〜(4)のいずれか一項に記載の転写材料を該接着層上にラミネートする工程;
[3]該工程2で得られる基板を露光する工程;および
[4]該工程3で得られる基板から、不要な黒色感光性樹脂層を除去して遮光性隔壁を形成する工程を含む方法。
(7)さらにカラーフィルタ層を形成する工程を含む(5)または(6)に記載の製造方法。
(8)前記カラーフィルタ層を形成する工程が、前記遮光性隔壁により形成される窪みにインクを吐出するインクジェット法で行われる(7)に記載の製造方法。
(9)(5)〜(8)のいずれか一項に記載の製造方法により製造される液晶セル用基板。
(10)透明基板上に光学異方性層および遮光性隔壁を該透明基板側からこの順に有し、該光学異方性層と該遮光性隔壁とが直接接しており、かつ、該遮光性隔壁が該光学異方性層上で窪みを形成している液晶セル用基板。
(11)前記該遮光性隔壁の厚さが0.5μm以上である(10)に記載の液晶セル用基板。
(12)(9)〜(11)のいずれか一項に記載の液晶セル用基板を有する液晶表示装置。
(13)液晶モードがVAまたはIPSである(12)に記載の液晶表示装置。
本発明の転写材料を用いることによって、液晶セル内に光学異方性層と遮光性隔壁を同時に形成することが可能である。本発明の転写材料を用いた液晶セル用基板の製造方法によって、従来の液晶セル用基板の製造方法から工程を増やさずに液晶セルの内側に光学異方性層を形成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、Reレターデーション値は、以下に基づき算出するものとする。Re(λ)は波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)は平行ニコル法により、波長λnmの光を法線方向に入射させて測定される。本明細書におけるλは、R、G、Bに対してそれぞれ611±5nm、545±5nm、435±5nmを指し、特に色に関する記載がなければ545±5nmまたは590±5nmを指す。
本明細書において、角度について「実質的に」とは、厳密な角度との誤差が±5°未満の範囲内であることを意味する。さらに、厳密な角度との誤差は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。レターデーションについて「実質的に」とは、レターデーションが±5%以内の差であることを意味する。さらに、Reが実質的に0でないとは、Reが5nm以上であることを意味する。また、屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域の任意の波長を指す。なお、本明細書において、「可視光」とは、波長が400〜700nmの光のことをいう。
[転写材料]
本発明の転写材料は、仮支持体、黒色感光性樹脂層、および光学異方性層をこの順に有する転写材料であり、前記光学異方性層と前記黒色感光性樹脂層を、他の基板上に転写するのに用いられる材料である。前記黒色感光性樹脂層、および前記光学異方性層は直接接していることが好ましい。本発明の転写材料は通常、ベースとなる支持体Aの上に、少なくとも一層の光学異方性層と、少なくとも一層の黒色感光性樹脂層とをこの順に形成することにより作製され、そのうえにさらに仮支持体Bを配して提供される。図1は本発明の転写材料またはその一部の例の概略断面図である。図1に示す例は、透明または不透明な仮支持体A 11上に光学異方性層12と黒色感光性樹脂層13とを有する。本発明の転写材料は他の層を有していてもよく、例えば、仮支持体A11と光学異方性層12との間には、転写時に相手基板側の凹凸を吸収するためのクッション性のような力学特性コントロールあるいは凹凸追従性付与のための層14を有していてもよいし、また、光学異方性層12中の液晶性分子の配向を制御するための配向層として機能する層15が配置されてもよい。仮支持体B 16は、黒色感光性樹脂層の表面を保護するとともに、他の基板上に本発明の転写材料が転写される際の土台となる。
[液晶セル用基板]
本発明の転写材料を用いて、透明基板上に、前記黒色感光性樹脂層からなる遮光性隔壁と光学異方性層とを有する液晶セル用基板を製造することができる。液晶セル用基板の用途については特に限定されないが、液晶表示装置の構成部材として利用するのが好ましく、通常液晶表示装置の一対の基板の一方に用いられる。図1において、32として液晶セル用基板の一例が示されている。すなわち、透明基板21上に光学異方性層24、遮光性隔壁22を有する。透明基板21としては透明であれば特に限定はないが、複屈折が小さいことが望ましく、ガラスや低複屈折性ポリマー等が用いられる。遮光性隔壁22は本発明の転写材料を用いて光学異方性層とともに転写された黒色感光性樹脂層から形成される。図には記載されていないが、好ましくは透明基板21と光学異方性層24との間には接着層が設けられる。液晶セル用基板は通常カラーフィルタ層23を有し、さらに透明導電層25、液晶配向層26などが設けられてもよい。
図1において、32として示した液晶セル用基板の一例においては、遮光性隔壁の上には感光性樹脂からなるカラーフィルタ層23が形成されている。カラーフィルタ層は、R、G、Bのカラーフィルタ層であってもよく、最近よくみられる様に、R、G、B、W(白)の層からなるカラーフィルタ層であってもよい。カラーフィルタ層の形成方法としては、公知のいずれの方法を用いてもよく、特に限定されるものではなく、例えば、インクジェット法、転写材料を用いた方法などが挙げられる。遮光性隔壁の内側にR,G,B,Wに対応するインク(感光性樹脂材料など)を吐出するインクジェット法は、遮光性隔壁が液の流れを防ぐ効果を持つために相性がよく、好ましい。
カラーフィルタ層23の上には透明電極層25、さらにその上には液晶セル中の液晶分子を配向させるための配向層26が形成されている。本発明の転写材料を用いて液晶セル用基板を作製した場合には、1回の転写−露光−現像プロセスで、光学異方性層と遮光性隔壁が同時に形成される。
[液晶表示装置]
図1は本発明の転写材料を用いて作製された液晶セル用基板を含む液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図1の例はTFTアレイ基板を対向基板として用い、32に示す液晶セル用基板との間に液晶31を挟んだ液晶セル37を用いた液晶表示装置である。液晶セル37の両側には、2枚のセルロースアセテート(TAC)フィルム34、35を支持体にして挟まれた偏光層33からなる偏光板が配置されている。液晶セル側のセルロースアセテートフィルム35は光学補償シートとして用いてもよいし、34と同じでもよい。図には示さないが、反射型液晶表示装置の態様では偏光板は観察側に1枚配置したのみでよく、液晶セルの背面あるいは液晶セルの下側基板の内面に反射膜を設置する。もちろんフロントライトを液晶セル観察側に設けることも可能である。さらに、表示装置の1画素内に、透過部と反射部を設けた半透過型も可能である。本液晶表示装置の表示モードは特に制限がなく、全ての透過型および反射型液晶表示装置に用いることが可能である。中でも色視野角特性改良が望まれるVAモードに対して、本発明は効果を発揮する。
本発明の液晶セル用基板中の光学異方性層は、液晶表示装置の光学補償に寄与し、即ち、コントラスト視野角を拡大し、液晶表示装置の画像着色を解消するのに寄与する。本発明の液晶セル用基板を、転写材料を用いて製造した場合には、光学異方性層と遮光性隔壁とを同時に基板に転写することができ、その結果、液晶表示装置の製造工程をほとんど増やすことなく、液晶表示装置の視野角特性、特に色視野角特性と透過率を改良することができる。
以下、本発明の液晶セル用基板について、製造方法の各工程、そこで用いられる材料等について説明する。特に、本発明の液晶セル用基板におけるカラーフィルタ層とパターニング光学異方性層との作製工程において転写材料を用いた場合の材料および方法について詳細に説明する。しかし、本発明はこの態様に限定されるものではなく、他の態様についても以下の記載および従来公知の方法を参考にして作製できる。
[仮支持体A]
転写材料に用いられる仮支持体Aは、透明でも不透明でもよく特に限定はない。支持体を構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート)、ポリオレフィン(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリスルホン、ノルボルネン系ポリマーが含まれる。製造工程において光学特性を検査する目的には、透明支持体は透明で低複屈折の材料が好ましく、低複屈折性の観点からはセルロースエステルおよびノルボルネン系が好ましい。市販のノルボルネン系ポリマーとしては、アートン(JSR(株)製)、ゼオネックス、ゼオノア(以上、日本ゼオン(株)製)などを用いることができる。また安価なポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等も好ましく用いられる。
本発明の転写材料は、製品として提供される際この仮支持体Aを有していても有していなくてもよい。
[仮支持体B]
転写材料に用いられる仮支持体Bとしては、前記仮支持体Aと同様のものを用いることができる。さらに 転写材料に用いられる仮支持体Bとしては、ポリエチレンテレフタレートなどが好ましく用いられる。
[光学異方性層]
転写材料における光学異方性層は、転写後の液晶セル用基板において、異方性を測定したときにReが実質的に0でない入射方向が一つでもある、即ち等方性でない光学特性を有する層であれば特に限定はない。好ましくは、転写後の液晶セル用基板において、正面レターデーション(Re)が実質的に0でなく、面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として該光学異方性層の法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として該光学異方性層の法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値が実質的に等しくなる層であり、さらに好ましくは、転写後の液晶セル用基板において、正面レターデーション(Re)が20〜200nm、面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として該光学異方性層の法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値が50〜250nmである。
また、転写材料における光学異方性層は、液晶セル中に用いる、光学特性を制御しやすいなどの観点から、少なくとも一種の液晶性化合物を含有する組成物から形成されていることが好ましく、また、少なくとも一種の液晶性化合物を含有する液晶層に紫外線を照射することで硬化させて形成された層であることが望ましい。
[液晶性化合物を含有する組成物からなる光学異方性層]
光学異方性層は、上記の様に、液晶セル中に組み込まれることによって、液晶表示装置の視野角を補償する光学異方性層として機能する。光学異方性層単独で充分な光学補償能を有する態様はもちろん、他の層(例えば、液晶セル外に配置される光学異方性層等)との組み合わせで光学補償に必要とされる光学特性を満足する態様もであってもよい。また、転写材料が有する光学異方性層が、光学補償能に充分な光学特性を満足している必要はなく、例えば、液晶セル基板上に転写される過程において実施される露光工程を通じて、光学特性が発現または変化して、最終的に光学補償に必要な光学特性を示すものであってもよい。
上述のように、前記光学異方性層は、少なくとも一つの液晶性化合物を含有する組成物から形成されることが好ましい。一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本態様では、いずれの液晶性化合物を用いることもできるが、棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用いるのが好ましい。2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、または棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。温度変化や湿度変化を小さくできることから、反応性基を有する棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用いて形成するのがより好ましく、混合物の場合少なくとも1つは1液晶分子中の反応性基が2以上あることがさらに好ましい。液晶性化合物は二種類以上の混合物でもよく、その場合少なくとも1つが2以上の反応性基を有していることが好ましい。前記光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがさらに好ましい。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。上記高分子液晶性化合物は、低分子の反応性基を有する棒状液晶性化合物が重合した高分子化合物である。特に好ましく用いられる上記低分子の反応性基を有する棒状液晶性化合物としては、下記一般式(I)で表される棒状液晶性化合物が挙げられる。
一般式(I):Q1−L1−A1−L3−M−L4−A2−L2−Q2
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に、反応性基であり、L1、L2、L3およびL4はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基を表すが、L3およびL4の少なくとも一方は、−O−CO−O−が好ましい。A1およびA2はそれぞれ独立に、炭素原子数2〜20のスペーサ基を表す。Mはメソゲン基を表す。
以下に、上記一般式(I)で表される反応性基を有する棒状液晶性化合物についてさらに詳細に説明する。式中、Q1およびQ2は、それぞれ独立に、反応性基である。反応性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。換言すれば、反応性基は付加重合反応または縮合重合反応が可能な反応性基であることが好ましく、エチレン性不飽和基が特に好ましい。以下に反応性基の例を示す。
Figure 2007218938
1、L2、L3およびL4で表される二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−NR2−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NR2−、−NR2−CO−、−O−CO−、−O−CO−NR2−、−NR2−CO−O−、およびNR2−CO−NR2−からなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R2は炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子である。この場合、L3およびL4の少なくとも一方は、−O−CO−O−(カーボネート基)である。前記式(I)中、Q1−L1およびQ2−L2−は、CH2=CH−CO−O−、CH2=C(CH3)−CO−O−およびCH2=C(Cl)−CO−O−CO−O−が好ましく、CH2=CH−CO−O−が最も好ましい。
1およびA2は、炭素原子数2〜20を有するスペーサ基を表す。炭素原子数2〜12の脂肪族基が好ましく、特にアルキレン基が好ましい。スペーサ基は鎖状であることが好ましく、隣接していない酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい。また、前記スペーサ基は、置換基を有していてもよく、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)、シアノ基、メチル基、エチル基が置換していてもよい。
Mで表されるメソゲン基としては、すべての公知のメソゲン基が挙げられる。特に下記一般式(II)で表される基が好ましい。
一般式(II):−(−W1−L5n−W2
式中、W1およびW2は各々独立して、二価の環状脂肪族基、二価の芳香族基または二価のヘテロ環基を表し、L5は単結合または連結基を表し、連結基の具体例としては、前記式(I)中、L1〜L4で表される基の具体例、−CH2−O−、および−O−CH2−が挙げられる。nは1、2または3を表す。
1およびW2としては、1,4−シクロヘキサンジイル、1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5ジイル、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイルが挙げられる。1,4−シクロヘキサンジイルの場合、トランス体およびシス体の構造異性体があるが、どちらの異性体であってもよく、任意の割合の混合物でもよい。トランス体であることがより好ましい。W1およびW2は、それぞれ置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、炭素原子数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基など)、炭素原子数1〜10のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)、炭素原子数1〜10のアシル基(ホルミル基、アセチル基など)、炭素原子数1〜10のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基など)、炭素原子数1〜10のアシルオキシ基(アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基など)、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基などが挙げられる。
前記一般式(II)で表されるメソゲン基の基本骨格で好ましいものを、以下に例示する。これらに上記置換基が置換していてもよい。
Figure 2007218938
以下に、前記一般式(I)で表される化合物の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、一般式(I)で表される化合物は、特表平11−513019号公報に記載の方法で合成することができる。
Figure 2007218938
Figure 2007218938
Figure 2007218938
本発明の他の態様として、前記光学異方性層にディスコティック液晶を使用した態様がある。前記光学異方性層は、モノマー等の低分子量の液晶性ディスコティック化合物の層または重合性の液晶性ディスコティック化合物の重合(硬化)により得られるポリマーの層であるのが好ましい。前記ディスコティック(円盤状)化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physicslett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。上記ディスコティック(円盤状)化合物は、一般的にこれらを分子中心の円盤状の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等の基(L)が放射線状に置換された構造であり、液晶性を示し、一般的にディスコティック液晶とよばれるものが含まれる。ただし、このような分子の集合体が一様に配向した場合は負の一軸性を示すが、この記載に限定されるものではない。また、本発明において、円盤状化合物から形成したとは、最終的にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば、前記低分子ディスコティック液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれる。
本発明では、下記一般式(III)で表わされるディスコティック液晶性化合物を用いるのが好ましい。
一般式(III): D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
前記式(III)中、円盤状コア(D)、二価の連結基(L)および重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)が挙げられ、同公報に記載される円盤状コア(D)、二価の連結基(L)および重合性基(P)に関する内容をここに好ましく適用することができる。
上記ディスコティック化合物の好ましい例を下記に示す。
Figure 2007218938
Figure 2007218938
Figure 2007218938
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Figure 2007218938
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Figure 2007218938
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前記光学異方性層は、液晶性化合物を含有する組成物(例えば塗布液)を、後述する配向層の表面に塗布し、所望の液晶相を示す配向状態とした後、該配向状態を熱または電離放射線の照射により固定することで作製された層であるのが好ましい。前記光学異方性層が二軸性を示すと、液晶セル、特にVAモードの液晶セルを正確に光学補償できるので好ましい。液晶性化合物として、反応性基を有する棒状液晶性化合物を用いる場合、二軸性を発現させるためにはコレステリック配向もしくは傾斜角が厚み方向に徐々に変化しながらねじれたハイブリッドコレステリック配向を、偏光照射によって歪ませることが必要である。偏光照射によって配向を歪ませる方法としては、二色性液晶性重合開始剤を用いる方法(EP1389199 A1)や分子内にシンナモイル基等の光配向性官能基を有する棒状液晶性化合物を用いる方法(特開2002−6138号公報)が挙げられる。本発明においては、いずれも利用できる。
前記光学異方性層が一軸性の場合、上下いずれかの偏光板保護フィルムの光学異方性を最適化することにより、VAモードもしくはIPSモードの液晶セルを正確に光学補償できるので好ましい。VAモード、IPSモードいずれの場合においても、本発明の目的である色視野角特性改良に対しては、偏光板保護フィルムのレターデーション波長分散が一般的、即ち波長が長くなるにつれてレターでーションが小さくなることで、液晶セルに対して広い波長域で正確に光学補償できる。VAモードにおいては、偏光板保護フィルムとしての光学異方性層がc−plateであることが好ましく、IPSモードに対しては厚み方向の屈折率が最も小さい二軸性であることが好ましい。転写材料に用いる一軸性の光学異方性層は、一軸性である棒状もしくは円盤状の液晶性化合物を液晶のダイレクタが一方向に揃うように配向させることにより作製することができる。このような一軸性配向は、ラビング配向層もしくは光配向層上にカイラル性のない液晶層を配向させる方法、磁場もしくは電場で配向させる方法、延伸やせん断のような外力を与えて配向させる方法などによって実現できる。
液晶性化合物として、反応性基を有する円盤状液晶性化合物を用いる場合、水平配向、垂直配向、傾斜配向、およびねじれ配向のいずれの配向状態で固定されていてもよいが、水平配向、垂直配向、ねじれ配向が好ましく、水平配向が最も好ましい。なお、本明細書において「水平配向」とは、棒状液晶の場合、分子長軸と支持体の水平面が平行であることをいい、円盤状液晶の場合、円盤状液晶性化合物のコアの円盤面と透明支持体の水平面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。本明細書において「水平配向」というとき、上記傾斜角は0〜5度が好ましく、0〜3度がより好ましく、0〜2度がさらに好ましく、0〜1度が最も好ましい。
液晶性化合物からなる光学異方性層を2層以上積層する場合、液晶性化合物の組み合わせについては特に限定されず、全て円盤状液晶性化合物からなる層の積層体、全て棒状性液晶性化合物からなる層の積層体、円盤状液晶性化合物からなる層と棒状性液晶性化合物からなる層の積層体であってもよい。また、各層の配向状態の組み合わせも特に限定されず、同じ配向状態の光学異方性層を積層してもよいし、異なる配向状態の光学異方性層を積層してもよい。
光学異方性層は、液晶性化合物および下記の重合開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、後述する所定の配向層の上に塗布することで形成することが好ましい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[液晶性化合物の配向状態の固定化]
配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した反応性基の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がより好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、窒素雰囲気下あるいは加熱条件下で光照射を実施してもよい。
前記光学異方性層は、偏光照射による光配向によって面内のレターデーションが発生した層であってもよい。この偏光照射は、上記配向固定化における光重合プロセスと同時に行ってもよいし、先に偏光照射を行ってから非偏光照射でさらに固定化を行ってもよいし、非偏光照射で先に固定化してから偏光照射によって光配向を行ってもよい。なお、偏光照射による光配向によって発生した面内のレターデーションを示す光学異方性層は、特に、VAモードの液晶表示装置を光学補償するのに優れている。
[偏光照射による光配向]
前記光学異方性層は、偏光照射による光配向で面内のレターデーションが発現した層であってもよい。大きな面内レターデーションを得るために、偏光照射は液晶化合物層塗布、配向後に最初に行う必要がある。偏光照射は、酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は20〜1000mW/cm2であることが好ましく、50〜500mW/cm2であることがより好ましく、100〜350mW/cm2であることがさらに好ましい。偏光照射によって硬化する液晶性化合物の種類については特に制限はないが、反応性基としてエチレン不飽和基を有する液晶性化合物が好ましい。照射波長としては300〜450nmにピークを有することが好ましく、350〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。
[偏光照射後の紫外線照射による後硬化]
前記光学異方性層は、最初の偏光照射(光配向のための照射)の後に、偏光もしくは非偏光紫外線をさらに照射することで反応性基の反応率を高め(後硬化)、密着性等を改良すると共に、大きな搬送速度で生産できるようになる。後硬化は偏光でも非偏光でも構わないが、偏光であることが好ましい。また、2回以上の後硬化をすることが好ましく、偏光のみでも、非偏光のみでも、偏光と非偏光を組み合わせてもよいが、組み合わせる場合は非偏光より先に偏光を照射することが好ましい。紫外線照射は、不活性ガス置換してもしなくてもよいが、酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は20〜1000mW/cm2であることが好ましく、50〜500mW/cm2であることがより好ましく、100〜350mW/cm2であることがさらに好ましい。照射波長としては偏光照射の場合は300〜450nmにピークを有することが好ましく、350〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。非偏光照射の場合は200〜450nmにピークを有することが好ましく、250〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。
前記光学異方性層の形成用組成物中に、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物の少なくとも一種を含有させることで、液晶性化合物の分子を実質的に水平配向させることができる。 以下、下記一般式(1)〜(3)について、順に説明する。
Figure 2007218938
式中、R1、R2およびR3は各々独立して、水素原子または置換基を表し、X1、X2およびX3は単結合または二価の連結基を表す。R1〜R3で各々表される置換基としては、好ましくは置換もしくは無置換の、アルキル基(中でも、無置換のアルキル基またはフッ素置換アルキル基がより好ましい)、アリール基(中でもフッ素置換アルキル基を有するアリール基が好ましい)、置換もしくは無置換のアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子である。X1、X2およびX3で各々表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、−CO−、―NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基は、アルキレン基、フェニレン基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−および−SO2−からなる群より選ばれる二価の連結基または該群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。二価の芳香族基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい
Figure 2007218938
式中、Rは置換基を表し、mは0〜5の整数を表す。mが2以上の整数を表す場合、複数個のRは同一でも異なっていてもよい。Rとして好ましい置換基は、R1、R2、およびR3で表される置換基の好ましい範囲として挙げてものと同じである。mは、好ましくは1〜3の整数を表し、特に好ましくは2または3である。
Figure 2007218938
式中、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は各々独立して、水素原子または置換基を表す。R4、R5、R6、R7、R8およびR9でそれぞれ表される置換基は、好ましくは一般式(I)におけるR1、R2およびR3で表される置換基の好ましいものとして挙げたものである。本発明に用いられる水平配向剤については、特開2005−099248号公報に記載の化合物を用いることができ、それら化合物の合成法も該明細書に記載されている。
前記一般式(1)〜(3)で表される化合物の添加量としては、液晶性化合物の質量の0.01〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。なお、前記一般式(1)〜(3)にて表される化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
[配向層]
前記光学異方性層の形成には、配向層を利用してもよい。配向層は、一般に透明支持体上または該透明支持体に塗設された下塗層上に設けられる。配向層は、その上に設けられる液晶性化合物の配向方向を規定するように機能する。配向層は、光学異方性層に配向性を付与できるものであれば、どのような層でもよい。配向層の好ましい例としては、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理された層、無機化合物の斜方蒸着層、およびマイクログルーブを有する層、さらにω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリル酸メチル等のラングミュア・ブロジェット法(LB膜)により形成される累積膜、あるいは電場あるいは磁場の付与により誘電体を配向させた層を挙げることができる。また、配向層は酸素遮断層としての機能を有してもよい。
配向層用の有機化合物の例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート等のポリマーおよびシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリイミド、ポリスチレン、スチレン誘導体のポリマー、ゼラチン、ポリビルアルコールおよびアルキル基(炭素原子数6以上が好ましい)を有するアルキル変性ポリビルアルコールを挙げることができる。
配向層の形成には、ポリマーを使用するのが好ましい。利用可能なポリマーの種類は、液晶性化合物の配向(特に平均傾斜角)に応じて決定することができる。例えば、液晶性化合物を水平に配向させるためには配向層の表面エネルギーを低下させないポリマー(通常の配向用ポリマー)を用いる。具体的なポリマーの種類については液晶セルまたは光学補償シートについて種々の文献に記載がある。例えば、ポリビニルアルコールもしくは変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸もしくはポリアクリル酸エステルとの共重合体、ポリビニルピロリドン、セルロースもしくは変性セルロース等が好ましく用いられる。配向層用素材には液晶性化合物の反応性基と反応できる官能基を有してもよい。反応性基は、側鎖に反応性基を有する繰り返し単位を導入するか、あるいは、環状基の置換基として導入することができる。界面で液晶性化合物と化学結合を形成する配向層を用いることがより好ましく、かかる配向層としては特開平9−152509号公報に記載されており、酸クロライドやカレンズMOI(昭和電工(株)製)を用いて側鎖にアクリル基を導入した変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
また、LCDの配向層として広く用いられているポリイミド膜(好ましくはフッ素原子含有ポリイミド)も有機配向層として好ましい。これはポリアミック酸(例えば、日立化成(株)製のLQ/LXシリーズ、日産化学(株)製のSEシリーズ等)を支持体面に塗布し、100〜300℃で0.5〜1時間焼成した後、ラビングすることにより得られる。
また、前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができる。即ち、配向層の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
また、無機斜方蒸着膜の蒸着物質としては、SiO2を代表とし、TiO2、ZnO2等の金属酸化物、あるいやMgF2等のフッ化物、さらにAu、Al、等の金属が挙げられる。尚、金属酸化物は、高誘電率のものであれば斜方蒸着物質として用いることができ、上記に限定されるものではない。無機斜方蒸着膜は、蒸着装置を用いて形成することができる。フィルム(支持体)を固定して蒸着するか、あるいは長尺フィルムを移動させて連続的に蒸着することにより無機斜方蒸着膜を形成することができる。
光学異方性層は、液晶性化合物を仮配向層上で配向させ、その配向を固定化した後、透明支持体に粘着剤を用いるなどして転写することもできるが、生産性の観点からは転写なしに直接形成することが好ましい。
[黒色感光性樹脂層]
本発明の転写材料に用いられる黒色感光性樹脂層は、厚さが0.5μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがさらに好ましい。
転写材料に用いられる感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物よりなり、マスク等を介して光照射した際に露光部と未露光部に基板への転写性の差が生じればポジ型でもネガ型でもよく特に限定はない。前記感光性樹脂層は、少なくとも(1)アルカリ可溶性樹脂と、(2)モノマーまたはオリゴマーと、(3)光重合開始剤または光重合開始剤系と、また、黒色感光性樹脂層などの着色感光性樹脂層を形成する態様においてはさらに加えて(4)染料または顔料のような着色剤と、を含む着色樹脂組成物から形成するのが好ましい。
以下、これら(1)〜(4)の成分について説明する。
なお、ここではカラーフィルタ作製のための転写材料における感光性樹脂層についても説明する。
(1)アルカリ可溶性樹脂
前記アルカリ可溶性樹脂(以下、単に「バインダ」ということがある。)としては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報および特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、着色樹脂組成物の全固形分に対する含有量は20〜50質量%が一般的であり、25〜45質量%が好ましい。
(2)モノマーまたはオリゴマー
前記感光性樹脂層に使用されるモノマーまたはオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマーまたはオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマーおよびオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートおよびフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
さらに特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報および特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報および特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマーまたはオリゴマーは、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよく、着色樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。
(3)光重合開始剤または光重合開始剤系
前記感光性樹脂層に使用される光重合開始剤または光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書および同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾールおよびトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。
これらの光重合開始剤または光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
着色樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤または光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
(4)着色剤
黒色感光性樹脂層形成のための樹脂組成物には、通常、カーボンブラックを添加すればよい。
着色樹脂組成物には、公知の着色剤(染料、顔料)を添加することができる。
該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、着色樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒子サイズが0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、特開2004−302015号公報の段落番号[0033]、米国特許第6,790,568号明細書カラム14に記載の顔料等が挙げられる。
着色剤としては、上記の着色剤の中でも、(i)R(レッド)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・レッド254が、(ii)G(グリーン)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・グリーン36が、(iii)B(ブルー)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・ブルー15:6が好適なものとして挙げられる。さらに上記顔料は組み合わせて用いてもよい。
本発明において、併用するのが好ましい上記記載の顔料の組み合わせは、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、または、C.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、または、C.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、または、C.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
このように併用する場合の顔料中のC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:6の含有量は、C.I.ピグメント・レッド254は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・グリーン36は50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・ブルー15:6は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(またはビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビヒクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダ)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。さらに該文献310項記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
本発明で用いる着色剤(顔料)は、数平均粒子サイズ0.001〜0.1μmのものが好ましく、さらに0.01〜0.08μmのものが好ましい。顔料数平均粒子サイズが0.001μm未満であると、粒子表面エネルギーが大きくなり凝集し易くなり、顔料分散が難しくなると共に、分散状態を安定に保つのも難しくなり好ましくない。また、顔料数平均粒子サイズが0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下し、好ましくない。尚、ここで「粒子サイズ」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を意味し、また「数平均粒子サイズ」とは多数の粒子について上記の粒子サイズを求めた100個平均値を意味する。
着色画素のコントラストは、分散されている顔料の粒子サイズを小さくすることで向上させることができる。粒子サイズを小さくするには、顔料分散物の分散時間を調節すればよい。分散には、上記記載の公知の分散機を用いることができる。分散時間は好ましくは10〜30時間であり、さらに好ましくは18〜30時間、最も好ましくは24〜30時間である。分散時間が10時間未満であると、顔料粒子サイズが大きく、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下することがある。一方、30時間を越えると、分散液の粘度が上昇し、塗布が困難になることがある。また、2色以上の着色画素のコントラストの差を600以内にするには、顔料粒子サイズを調節して、所望のコントラストとすればよい。
前記感光性樹脂層より形成されるカラーフィルタの各着色画素のコントラストは、2000以上が好ましく、より好ましくは2800以上、さらに好ましくは3000以上であり、最も好ましくは3400以上である。カラーフィルタを構成する各着色画素のコントラストが2000以下だと、これを有する液晶表示装置の画像を観察すると、全体に白っぽい印象となり、見難く好ましくない。また、各着色画素のコントラストの差が、好ましくは600以内であり、より好ましくは410以内であり、さらに好ましくは350以内、最も好ましくは200以内である。各着色画素のコントラストの差が600以内であると、黒表示時における各着色画素部からの光漏れ量が大きく相違しないため、黒表示の色バランスが良く好ましい
本明細書において、「着色画素のコントラスト」とは、カラーフィルタを構成するR、G、Bについて、色毎に個別に評価されるコントラストを意味する。コントラストの測定方法は次の通りである。被測定物の両側に偏光板を重ねて、偏光板の偏光方向を互いに平行にした状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y1を測定する。次に偏光板を互いに直交させた状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y2を測定する。得られた測定値を用いて、コントラストはY1/Y2で算出される。尚、コントラスト測定に用いる偏光板は、該カラーフィルタを使用する液晶表示装置に用いる偏光板と同一のものとする。
感光性樹脂層においては、表示ムラ(膜厚変動による色ムラ)を効果的に防止するという観点から、該着色樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。前記界面活性剤は、前記感光性樹脂組成物と混ざり合うものであれば使用可能である。好ましい界面活性剤としては、特開2003−337424号公報[0090]〜[0091]、特開2003−177522号公報[0092]〜[0093]、特開2003−177523号公報[0094]〜[0095]、特開2003−177521号公報[0096]〜[0097]、特開2003−177519号公報[0098]〜[0099]、特開2003−177520号公報[0100]〜[0101]、特開平11−133600号公報の[0102]〜[0103]、特開平6−16684号公報の発明として開示されている界面活性剤が好適なものとして挙げられる。より高い効果を得る為にはフッ素系界面活性剤、および/またはシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、または、シリコン系界面活性剤、フッソ原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましく、フッ素系界面活性剤が最も好ましい。フッ素系界面活性剤を用いる場合、該界面活性剤分子中のフッ素含有置換基のフッ素原子数は1〜38が好ましく、5〜25がより好ましく、7〜20が最も好ましい。フッ素原子数が多すぎるとフッ素を含まない通常の溶媒に対する溶解性が落ちる点で好ましくない。フッ素原子数が少なすぎると、ムラの改善効果が得られない点で好ましくない。
特に好ましい界面活性剤として、下記一般式(a)および、一般式(b)で表されるモノマーを含み、且つ一般式(a)/一般式(b)の質量比が20/80〜60/40の共重合体を含有するものが挙げられる。
Figure 2007218938
式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示し、R4は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは1〜18の整数、mは2〜14の整数を示す。p、qは0〜18の整数を示すが、p、qがいずれも同時に0になる場合は含まない。
特に好ましい界面活性剤の一般式(a)で表されるモノマーをモノマー(a)、一般式(b)で表されるモノマーをモノマー(b)と記す。一般式(a)に示すCm2m+1は、直鎖でも分岐鎖でもよい。mは2〜14の整数を示し、好ましくは4〜12の整数である。Cm2m+1の含有量は、モノマー(a)に対して20〜70質量%が好ましく、特に好ましくは40〜60質量%である。R1は水素原子またはメチル基を示す。またnは1〜18を示し、中でも2〜10が好ましい。一般式(b)に示すR2およびR3は、各々独立に水素原子またはメチル基を示し、R4は水素原子または炭素数が1〜5のアルキル基を示す。pおよびqは0〜18の整数を示すが、p、qがいずれも0は含まない。pおよびqは好ましくは2〜8である。
また、特に好ましい界面活性剤1分子中に含まれるモノマー(a)としては、互いに同じ構造のものでも、上記定義範囲で異なる構造のものを用いてもよい。このことは、モノマー(b)についても同様である。
特に好ましい界面活性剤の重量平均分子量Mwは、1000〜40000が好ましく、さらには5000〜20000がより好ましい。界面活性剤は前記一般式(a)および一般式(b)で表されるモノマーを含み、且つ一般式(a)/一般式(b)の質量比が20/80〜60/40の共重合体を含有することを特徴とする。特に好ましい界面活性剤100質量部は、モノマー(a)が20〜60質量部、モノマー(b)が80〜40質量部、およびその他の任意モノマーがその残りの質量部からなることが好ましく、さらには、モノマー(a)が25〜60質量部、モノマー(b)が60〜40質量部、およびその他の任意モノマーがその残りの質量部からなることが好ましい。
モノマー(a)および(b)以外の共重合可能なモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アミノスチレン等のスチレンおよびその誘導体、置換体、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、部分エステル化マレイン酸、スチレンスルホン酸無水マレイン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体等が挙げられる。
特に好ましい界面活性剤は、モノマー(a)、モノマー(b)等の共重合体であるが、そのモノマー配列は特に制限はなくランダムでも規則的、例えば、ブロックでもグラフトでもよい。さらに、特に好ましい界面活性剤は、分子構造および/またはモノマー組成の異なるものを2以上混合して用いることができる。
前記界面活性剤の含有量としては、感光性樹脂層の層全固形分に対して0.01〜10質量%が好ましく、特に0.1〜7質量%が好ましい。界面活性剤は、特定構造の界面活性剤とエチレンオキサイド基、およびポリプロピレンオキサイド基とを所定量含有するもので、感光性樹脂層に特定範囲で含有させることにより該感光性樹脂層を備えた液晶表示装置の表示ムラが改善される。全固形分に対して0.01質量%未満であると、表示ムラが改善されず、10質量%を超えると、表示ムラ改善の効果があまり現れない。上記の特に好ましい界面活性剤を前記感光性樹脂層中に含有させカラーフィルタを作製すると、表示ムラが改良される点で好ましい。
また、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、または、シリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
[その他の層]
転写材料における仮支持体Aと光学異方性層との間などには、転写材料の力学特性や凹凸追従性をコントロールするための熱可塑性樹脂層が設けられていてもよい。熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルおよびそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、および塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層が設けられていてもよい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時の感度が上がり、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水またはアルカリ水溶液に分散または溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
前記熱可塑性樹脂層や前記中間層を、前記配向層と兼用することもできる。特に前記中間層に好ましく用いられるポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンは配向層としても有効であり、中間層と配向層を1層にすることが好ましい。
樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護する為に薄い保護フィルムを設けることが好ましい。保護フィルムは仮支持体と同じかまたは類似の材料からなってもよいが、樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フィルム材料としては例えばシリコン紙、ポリオレフィンもしくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
光学異方性層および黒色感光性樹脂層、および所望により形成される配向層、熱可塑性樹脂層および中間層の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
[転写材料を用いた遮光性隔壁/光学異方性層の形成方法]
転写材料を透明基板上に転写する前に、まず支持体上に接着層を設けることが好ましい。接着層の形成は、基板上に必要な接着性を与えるために行われるものであり、接着層の形成方法は特に限定されないが。以下転写法で接着層を設ける方法を説明する。
まず、透明基板上に接着層を設けるために、接着層作製用転写材料を図4に示すように作製する。接着層としては、例えば、75μm厚のPETフイルム上に感光性樹脂層を塗布し、オーブンで乾燥させたものを用いる。該感光性樹脂層は、上述の本発明の転写材料における黒色感光性樹脂層と同様に形成すればよいが、通常、該感光性樹脂層を形成するための材料としては着色剤を除いて形成する。これを図5に示すように転写する。転写方法は特に限定されないが、熱転写を行えばよい。基板表面は接着層を転写する前にシランカップリング剤で表面処理しておくことが望ましい。。
次に、フィルム状に形成した本発明の転写材料を、図6に示すように、黒色感光性樹脂層を基板表面側にして、ラミネータを用いて加熱および/または加圧したローラーまたは平板で圧着または加熱圧着して、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネータおよびラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。その後、支持体は剥離してもよく、剥離によって露出した黒色感光性樹脂層をパターニングしてもよい。
透明基板としては、例えば、表面に酸化ケイ素、あるいは窒化珪素等の絶縁膜を有するガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。透明基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、接着層との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、700〜1200μmが一般的に好ましい。
上記基板上に転写された黒色感光性樹脂層/光学異方性層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスクを介してマスク上方から露光し、次いで現像液による現像を行い、遮光性隔壁を作製する。概要を図7に示す。なお、遮光性隔壁は、厚さ(基板の法線方向の高さ)が0.5μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがさらに好ましい。
このようなパターン露光は、透明基板上に形成された黒色感光性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスクを介してマスク上方から露光してもよいし、レーザや電子線などを用いてマスクなしに決められた位置にフォーカスして露光してもよい。また露光は仮支持体Bの剥離前に行っても剥離後に行ってもよい。また、露光は仮支持体B(剥離している場合は黒色感光性樹脂層)の側から行ってもよく、透明基板側から行ってもよい。ここで、前記露光の光源としては、樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常10〜5000mJ/cm2程度であり、好ましくは20〜1000mJ/cm2程度である。
また、露光後の現像工程に用いられる現像液としては特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、さらに現像性を高めるために、有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜60質量%が好ましい。
また、上記現像液には、さらに公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディップ現像等、公知の方法を用いることができる。露光後の黒色感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。洗浄液としては公知のものを使用できるが、(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム(株)製)」、或いは、炭酸ナトリウム・フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名「T−SD2(富士写真フイルム(株)製)」)が好ましい。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
[カラーフィルタ層の形成]
上記のように作製された液晶セル用基板の上にはカラーフィルタ層を形成してもよい。カラーフィルタ層の作製方法は特に限定されないが、インクジェット法および転写法が挙げられ、インクジェット法が好ましい。
転写法におけるカラーフィルタ層の形成においては、特開平11−248921号公報、特許3255107号公報に記載のように、カラーフィルタ層を形成する着色樹脂組成物を重ねることで土台を形成し、その上に透明電極を形成し、さらに必要に応じて分割配向用の突起を重ねることでスペーサを形成することが、コストダウンの観点で好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、配向層用塗布液CU−1として用いた。
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熱可塑性樹脂層用塗布液組成(%)
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メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=55/30/10/5、重量平均分子量=10万、Tg≒70℃)
5.89
スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=65/35、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃)
13.74
BPE−500(新中村化学工業(株)製) 9.20
メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業(株)社製) 0.55
メタノール 11.22
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.43
メチルエチルケトン 52.97
─────────────────────────────────―――
(中間層/配向層用塗布液AL−1の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、中間層/配向層用塗布液AL−1として用いた。
─────────────────────────────────――
中間層/配向層用塗布液組成(%)
─────────────────────────────────――
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ(株)製) 3.21
ポリビニルピロリドン(Luvitec K30、BASF社製) 1.48
蒸留水 52.1
メタノール 43.21
─────────────────────────────────――
(光学異方性層用塗布液LC−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−1として用いた。
LC−1−1はTetrahedron Lett.誌、第43巻、6793頁(2002)に記載の方法準じて合成した。LC−1−2はEP1388538A1,page 21に記載の方法により合成した。
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光学異方性層用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────――
棒状液晶(Paliocolor LC242,BASFジャパン)22.0
カイラル剤(Paliocolor LC756,BASFジャパン)3.40
CH2=CH-COO(CH2)4COO-Ph-COO-Ph-COOH 3.30
CH2=CH-COO(CH2)4COO-Ph-COOH 3.30
(但し、Phはフェニレン基を表す)
4,4’−アゾキシジアニソール 0.52
スチレンボロン酸 0.0
水平配向剤(LC−1−1) 0.10
光重合開始剤(LC−1−2) 1.36
メチルエチルケトン 66.2
──────────────────────────────────――
Figure 2007218938
(光学異方性層用塗布液LC−2の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−2として用いた。LC−2−1は特開平2001−166147号公報に記載の方法で合成した。LC−2−2は、市販のヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、および、M5610(ダイキン工業製)をそれぞれ重量比15/5/80をメチルエチルケトンに溶解(濃度40%)させた溶液の、重合開始剤としてV−601(和光純薬製)を用いた重合反応で合成した。LC−2−3は、まず、過剰のハイドロキノン(和光純薬製)にオクチルオキシ安息香酸(関東化学製)を混合酸無水物法により導入し、モノアシルフェノール体を得た。次いで、p−ヒドロキシ安息香酸メチルを炭酸エチレンでヒドロキシエチル化、エステルの加水分解さらに、臭化水素酸によるブロム化で、2−ブロモエチルオキシ安息香酸を合成した。これら2種の化合物を混合酸無水物法によるエステル化でジエステル体とした後、ジメチルアミノピリジンで4級化することによって、オニウム塩であるLC−2−3を合成した。
─────────────────────────────────――
光学異方性層用塗布液組成(質量%)
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円盤状液晶性化合物(LC−2−1) 30.0
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 3.3
光重合開始剤
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)1.0
増感剤(カヤキュアDETX、日本化薬(株)製) 0.33
空気界面側垂直配向剤(LC−2−2) 0.12
配向層側垂直配向剤(LC−2−3) 0.15
メチルエチルケトン 65.1
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Figure 2007218938
以下に感光性樹脂層用塗布液の作製方法を説明する。表1にそれぞれの感光性樹脂層用塗布液の組成を示す。
Figure 2007218938
表1中の組成物は以下の通り。
[K顔料分散物組成]
──────────────────────────────────――
K顔料分散物組成(%)
──────────────────────────────────――
カーボンブラック(デグッサ社製、Special Black 250)
13.1
5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン
0.65
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物
(重量平均分子量3.7万) 6.72
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53
──────────────────────────────────――
[R顔料分散物−1組成]
──────────────────────────────────――
R顔料分散物−1組成(%)
──────────────────────────────────――
C.I.ピグメント・レッド254 8.0
5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン 0.8
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、(重量平均分子量3.7万) 8.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83.2
──────────────────────────────────――
[R顔料分散物−2組成]
──────────────────────────────────――
R顔料分散物−2組成(%)
──────────────────────────────────――
C.I.ピグメント・レッド177 18.0
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、
(重量平均分子量3.7万) 12.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70.0
──────────────────────────────────――
[G顔料分散物組成]
──────────────────────────────────――
G顔料分散物組成(%)
──────────────────────────────────――
C.I.ピグメント・グリーン36 18.0
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、
(重量平均分子量3.7万) 12.0
シクロヘキサノン 35.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 35.0
──────────────────────────────────――
[バインダ1組成]
──────────────────────────────────――
バインダ1組成(%)
──────────────────────────────────――
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物
(重量平均分子量4万) 27.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73.0
──────────────────────────────────――
[バインダ2組成]
──────────────────────────────────――
バインダ2組成(%)
──────────────────────────────────――
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
38/25/37モル比のランダム共重合物(重量平均分子量3万)27.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73.0
──────────────────────────────────――
[バインダ3組成]
──────────────────────────────────――
バインダ3組成(%)
──────────────────────────────────――
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
36/22/42モル比のランダム共重合物(重量平均分子量3万)27.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73.0
──────────────────────────────────――
[DPHA組成]
──────────────────────────────────――
DPHA溶液組成(%)
──────────────────────────────────――
KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製) 76.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24.0
──────────────────────────────────――
(黒色感光性樹脂層用塗布液PP−K1の調製)
黒色感光性樹脂層用塗布液PP−K1は、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA溶液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、メガファックF−176PF界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm30分間攪拌することによって得られた。
(感光性樹脂層用塗布液PP−R1の調製)
感光性樹脂層用塗布液PP−R1は、まず表1に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ2、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のED152をはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm20分間攪拌し、さらに、表31に記載の量のメガファックF−176PF界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm30分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
(感光性樹脂層用塗布液PP−G1の調製)
感光性樹脂層用塗布液PP−G1は、まず表1に記載の量のG顔料分散物、CFエローEX3393、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダ1、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpm30分間攪拌し、さらに、表1に記載の量のメガファックF−176PF界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
(感光性樹脂層用塗布液PP−B1の調製)
感光性樹脂層用塗布液PP−B1は、まず表1に記載の量のCFブルーEX3357、CFブルーEX3383、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ3、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、フェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm30分間攪拌し、さらに、表1に記載の量のメガファックF−176PF界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
(接着層用塗布液PP−X1の調製)
感光性樹脂層用塗布液PP−X1は、表1に記載のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとメチルエチルケトン、バインダ3、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、フェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm30分間攪拌し、さらに、表1に記載の量のメガファックF−176PF界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
(接着層作製用転写材料の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、塗布液PP−X1を塗布、110℃で10分間間乾燥させ、接着層X−1を作成した。乾燥した層の膜厚は1.2μmであった。
(偏光UV照射装置POLUV−1)
UV光源として350〜400nmに強い発光スペクトルを有するD−Bulbを搭載したマイクロウェーブ発光方式の紫外線照射装置(Light Hammer 10、240W/cm、Fusion UV Systems社製)を用い、照射面から3cm離れた位置に、ワイヤグリッド偏光フィルタ(ProFlux PPL02(高透過率タイプ)、Moxtek社製)を設置して偏光UV照射装置を作製した。この装置の最大照度は400mW/cm2であった。
(光学異方性層および遮光性隔壁の作製のための転写材料の作製)
表2の各物質を窒素ガス置換した攪拌式オートクレーブ中に入れ、重合温度50℃、重合圧力5atm(ブタジエンによる圧)、重合時間20時間で、乳化重合等を行い、残存単量体(単量体の約5%)を蒸留して除去し、乾燥固形分49%のラテックスを得た。
Figure 2007218938
下記の組成の塗布液を2軸延伸、配向結晶化された75um厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、1m2あたり20mlの割合で塗布し、120℃で10分間乾燥して、仮支持体Aを得た。
[仮支持体A形成用塗布液組成]
上記ラテックス 100質量部
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンNa塩 0.14質量部
水 2500質量部
仮支持体Aの上に、配向層用塗布液AL−1を塗布、乾燥させた。熱可塑性樹脂層の膜厚は14.6μm、配向層は1.6μmであった。続いて、形成した配向層をラビング処理した後、その上に光学異方性層用塗布液LC−1を#6のワイヤーバーコータで塗布し、膜面温度が95℃2分間加熱乾燥熟成して均一な液晶相を有する層を形成した。さらに熟成後直ちにこの層に対して、酸素濃度0.3%以下の窒素雰囲気下において、POLUV−1を用いて偏光板の透過軸が仮支持体のTD方向となるようにして偏光UVを照射(照度200mW/cm2、照射量200mJ/cm2)して光学異方層を固定化し、厚さ2.8μmの光学異方性層を形成した。次に、感光性樹脂組成物PP−K1を塗布、乾燥させて厚さ2.3μmの黒色感光性樹脂層を形成し、その上に75um厚のPETフイルムを110℃でラミネートして仮支持体Bとし、本発明の実施例1である光学異方性層および遮光性隔壁の作製のための転写材料K−1を作製した。
(RGB用感光性樹脂転写材料の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1を塗布、乾燥させた。次に、塗布液AL−1を塗布、乾燥させた。熱可塑性樹脂層の膜厚は14.6μm、配向層は1.6μmであった。続いて、その上に感光性樹脂組成物PP−R1を塗布、乾燥させ、感光性樹脂転写材料R−1を作製した。
G、Bについても、PP−R1の代わりにPP−G1、PP−B1を塗布した以外は同様にして、それぞれG用、B用感光性樹脂転写材料G−1、B−1を形成した。
(位相差測定)
ファイバ型分光計を用いた平行ニコル法により、波長λにおける正面レターデーションRe(0)および遅相軸を回転軸として±40度サンプルを傾斜させたときのレターデーションRe(40)、Re(−40)を測定した。実施例1の位相差測定結果を表3に示す。
Figure 2007218938
(液晶セル用基板の作製)
次の方法により液晶セル用基板(カラーフィルタ)を作製した。
―洗浄および表面処理―
支持体となる無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液、商品名:KBM603、信越化学)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
―接着層の形成―
前記接着層転写材料X−1を、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートし、接着層を基板表面に転写した。
−遮光性隔壁(K)画像の形成−
前記光学異方性層および遮光性隔壁の作製のための転写材料K−1の仮支持体Aを剥離しつつ、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、前記100℃で2分間加熱した基板上に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分で光学異方性層と黒色感光性樹脂層とをラミネートした。
仮支持体Bを剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)で、基板と所望の画像パターンを有す石英露光マスクで、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量500mJ/cm2でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム(株)製)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と酸素遮断膜を除去した。
引き続き炭酸Na系現像液(0.06mol/Lの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム(株)製)を用い、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し黒色感光性樹脂層を現像し、遮光性隔壁パターンを得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム(株)製)」を用い、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い遮光性隔壁を得た。その後さらに、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分熱処理した。
この遮光性隔壁を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃2分加熱し、光学異方性層と遮光性隔壁の積層パターンを形成した基板を得た。
この基板において遮光性隔壁の厚さは、2.3μmであった。
−RGB画素の形成 インクジェット法−
画素部に対応する遮光性隔壁により形成されるの窪みに、インクジェット装置から、顔料5質量%、溶剤20質量%、重合開始剤5質量%、UV硬化樹脂70質量%を含むRGB各色のUV硬化型多官能アクリレートモノマーインクを吐出させて、これを付着させ着色し、さらにUV処理を行い硬化させた。ここで、赤色、緑色、および青色の各インクについて、溶剤としてはポリエチレングリコールモノメチルエチルアセテート、重合開始剤としてはイルガキュア369(商品名、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、UV硬化樹脂としてはDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製))を用いた。また、顔料としては、赤色インクについてはC. I. Pigment Red 177、緑色インクについてはC. I. Pigment Green 36、青色インクについてはC. I. Pigment Blue 15 + C. I. Pigment Violet 23をそれぞれ用いた。
−RGB画素の形成 転写法−
前記感光性樹脂転写材料R−1の保護フィルムを剥離後、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記ブラック(K)画像を形成した後に100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度1.4m/分でラミネートした。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を40μmに設定し、露光量を50mJ/cm2で露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム(株)製)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と酸素遮断膜を除去した。
続いて炭酸Na系現像液(0.06mol/Lの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム(株)製)と2−プロパノールの混合液(混合比4:1)を用いてコーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像しつつ、回転ブラシで表面の現像残渣を取り除いて、パターニング画素を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム(株)製)」を用い、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行った。現像後、大気雰囲気で120分間、電機炉中でベークを行った。ベーク温度は200℃〜250℃の水準で実施した。
−グリーン(G)画素の形成−
前記感光性樹脂転写材料G−1を用い、前記レッド(R)画素を形成した基板上に、前記感光性樹脂転写材料R−1と同様の工程で、グリーン(G)の画素を得た。
−ブルー(B)画素の形成−
前記感光性樹脂転写材料B−1を用い、前記レッド(R)画素とグリーン(G)画素を形成した基板上に、同様の工程で、ブルー(B)の画素を得た。このR、GおよびBの画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、基板加熱装置により100℃2分加熱し、目的のカラーフィルタを作製した。
(透明電極の形成)
上で作製したカラーフィルタ上に透明電極膜をITOのスパッタリングにより形成した。
(突起用感光性転写材料の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体上に熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が15μmの熱可塑性樹脂層を設けた。
次に、前記熱可塑性樹脂層上に中間層/配向層用塗布液AL−1を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μmの中間層を設けた。
前記中間層上に、下記の処方からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が2.0μmの液晶配向制御用突起用感光性樹脂層を設けた。
──────────────────────────────────――
突起用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────――
FH−2413F(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
53.3
メチルエチルケトン 46.7
メガファックF−176PF 0.04
──────────────────────────────────――
さらに、前記感光性樹脂層表面に厚さ12μmのポリプロピレン製のフィルムをカバーフィルムとして貼り付け、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層、カバーフィルムがこの順に積層された転写材料を作製した。
(突起の形成)
上で作製した突起用転写材料からカバーフィルムを剥がし、その感光性樹脂層の表面と前記カラーフィルタ側基板のITO膜が設けられた側の表面とを重ね合わせ、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、線圧100N/cm、温度130℃、搬送速度2.2m/分の条件下で貼り合わせた。その後、転写材料の仮支持体のみを熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、除去した。この状態では、カラーフィルタ側基板上に、感光性樹脂層、中間層、熱可塑性樹脂層がこの順に積層されている。
次に、最外層である熱可塑性樹脂層の上方に、フォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティー露光機を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー70mJ/cm2でプロキシミティー露光した。その後、1%トリエタノールアミン水溶液を、シャワー式現像装置にて30℃で30秒間基板に噴霧して、熱可塑性樹脂層および中間層を溶解除去した。この段階では、感光性樹脂層は実質的に現像されていなかった。
続いて、0.085mol/Lの炭酸ナトリウムと0.085mol/Lの炭酸水素ナトリウムと1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃30秒間基板に噴霧しながら現像し、感光性樹脂層の不要部(未硬化部)を現像除去した。すると、前記レッド(R)とグリーン(G)パターンを積層して形成したスペーサの土台上と、カラーフィルタ側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる突起が形成された。次いで、該突起が形成されたカラーフィルタ側基板を240℃下で50分ベークすることにより、前記レッド(R)とグリーン(G)を積層して形成したスペーサの土台上に、グリーン(G)画素からの高さが3.0μmのスペーサと、カラーフィルタ側基板上に、高さ1.5μm、縦断面形状が蒲鉾様の液晶配向制御用突起を形成することができた。
(配向層の形成)
さらにその上に配向層を設けた。配向材はJSR製ポリイミドJALS204を使用し、ロールコート法で画素電極が配置されている領域に選択的に塗布した。塗布後、80℃の雰囲気で15分プリベークを行い、さらに200℃で60分焼成を行った。その結果、膜厚で約0.5μmの配向層を得た。
(対向側基板の準備)
対向基板は、透明導電膜で形成した共通電極の上に、配向層を有したものを準備した。
(対向側配向層の形成)
透明導電層の上にはポリイミド配向層を形成した。配向材はJSR製ポリイミドJALS204を使用し、ロールコート法で画素電極が配置されている領域に選択的に塗布した。塗布後、80℃の雰囲気で15分プリベークを行い、さらに200℃で60分焼成を行った。その結果、膜厚で約0.5μmの配向層を得た。
(シールパターンの形成)
基板の周囲にシールパターンを形成する。スペーサ粒子を1質量%含有したエポキシ樹脂(日産化学製ストラクトボンドXN−21S)をシールディスペンサ装置で表示領域を囲む所定の領域に液晶の注入口に相当する部分を開いた形で印刷した。これを80℃で30分仮焼きした。
(重ね合わせ)
基板と対向基板が正しい位置で重なるようにアライメントしながら重ねあわせ装置で合わせた。その状態で0.03Mpaの圧力をかけながら、貼り合わされたガラス基板を180℃、90分で熱処理し、シール剤を硬化させ、2枚のガラス基板の積層体を得た。焼成にはバルーンタイプの焼成装置を使用した。
(液晶注入)
このガラス基板積層体に液晶注入装置を使って液晶材を注入した。液晶材はメルク社製MLC−6608で、これを液晶皿に入れ、基板積層体とともに真空チャンバー内で10-1Paの真空下で60分保持して脱気した。十分真空に引いた後、シールに設けた注入口の部分を液晶に浸すようにした上で大気圧に戻して180分保持して、ガラス基板の間隙に液晶を満たした。その後、注入装置から基板積層体を取り出し、注入口の部分をUV硬化性のエポキシ接着剤を塗布・硬化して液晶セルを得た。
(偏光版貼り付け)
この液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を吸収軸を直交する配置に貼り付けて液晶パネルを得た。
(実施例2のVA−LCDの作製)
カラー液晶表示装置用冷陰極管をバックライトとして使用した。このバックライト上に上記偏光板を付与した液晶セルを設置し、実施例のVA−LCDを作製した。
(比較例のVA−LCDの作製)
遮光性隔壁転写材料に光学異方性層がなく、代わりに下側偏光板の液晶セル側の保護フィルム上に、AL−1とLC−G1を用いてG−1の光学異方性層を作製したのと同様の方法によって2.75μmの光学異方性層を形成した以外は実施例2と同様にして、比較例1のVA−LCDを作製した。
(VA−LCDの光漏れの比較)
作製した実施例と比較例の液晶表示装置を、駆動状態で60℃95%の恒温層に24時間入れた後取り出し、25℃50%の状態1時間放置した後に、黒表示画面での光漏れを目視観察した。結果を表4に示す。
Figure 2007218938
本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の転写材料例の概略断面図である。 本発明の製造方法に好ましく用いられる転写材料をの形成工程を示す図である。 接着層作製用転写材料の作製工程を示す図である。 透明基板に接着層を形成する工程を示す図である 図には仮支持体Aを有する本発明の転写材料を用いた転写工程を示す図である。 黒色感光性樹脂層(BM層)から遮光性隔壁を形成する工程を示す図である。
符号の説明
11 仮支持体A
12 光学異方性層
13 感光性樹脂層
14 力学特性制御層
15 配向制御層
16 仮支持体B
21 透明基板
22 遮光離隔壁
23 カラーフィルタ層
24 光学異方性層
25 透明電極層
26 配向層
31 液晶
32 カラーフィルタ基板
33 偏光層
34 TACフィルム(偏光板保護フィルム)
35 TACフィルム、または光学補償シート
36 偏光板
37 液晶セル
38 対向基板(TFTアレイ基板)

Claims (13)

  1. 仮支持体B、黒色感光性樹脂層、および光学異方性層をこの順に有する転写材料。
  2. 仮支持体B、黒色感光性樹脂層、光学異方性層、および仮支持体Aをこの順に有する転写材料。
  3. 前記黒色感光性樹脂層と前記光学異方性層とが直接接している請求項1または2に記載の転写材料。
  4. 前記黒色感光性樹脂層の厚さが0.5μm以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写材料を用いて前記光学異方性層と前記黒色感光性樹脂層からなる遮光性隔壁とを同時に形成する、遮光性隔壁と光学異方性層とを有する液晶セル用基板の製造方法。
  6. 透明基板上に光学異方性層と遮光性隔壁とを有する液晶セル用基板の製造方法であって、下記の工程:
    [1]接着層が設けられた透明基板を用意する工程;
    [2]請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写材料を該接着層上にラミネートする工程;
    [3]該工程2で得られる基板を露光する工程;および
    [4]該工程3で得られる基板から、不要な黒色感光性樹脂層を除去して遮光性隔壁を形成する工程を含む方法。
  7. さらにカラーフィルタ層を形成する工程を含む請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 前記カラーフィルタ層を形成する工程が、前記遮光性隔壁により形成される窪みにインクを吐出するインクジェット法で行われる請求項7に記載の製造方法。
  9. 請求項5〜8のいずれか一項に記載の製造方法により製造される液晶セル用基板。
  10. 透明基板上に光学異方性層および遮光性隔壁を該透明基板側からこの順に有し、該光学異方性層と該遮光性隔壁とが直接接しており、かつ、該遮光性隔壁が該光学異方性層上で窪みを形成している液晶セル用基板。
  11. 前記該遮光性隔壁の厚さが0.5μm以上である請求項10に記載の液晶セル用基板。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の液晶セル用基板を有する液晶表示装置。
  13. 液晶モードがVAまたはIPSである請求項12に記載の液晶表示装置。
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