JP2007218454A - クラッカー及びクラッカー用筒体並びにクラッカーの製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造や保管を容易にすることができるクラッカー及びクラッカー用筒体並びにクラッカーの製法を提供する。
【解決手段】 一端部に火薬体4が取り付けられた引き紐6の他端部が筒体1の後端部から外方に引き出され、筒体1内には火薬体4を保持するための受座5が設けられ、引き紐6の引っ張り操作によって火薬体4が爆発するクラッカーにおいて、筒体1には、引き紐6の火薬体4が挿通可能な横孔8が形成され、横孔8はシール体7により閉じられ、該シール体7で引き紐6の他端部が筒体1に保持されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、引き紐に取り付けられた火薬体を引き紐の引っ張り操作によって爆発させるクラッカー及びそのクラッカー用筒体、クラッカーの製法に関する。
この種のクラッカーは、円錐状の筒体内に火薬体を装備している。この火薬体は引き紐の一端部に取り付けられていて筒体内の受座に保持されており、筒体の後端部から引き出された引き紐の他端部を引っ張り操作することで火薬体が爆発する構成となっている。
かかるクラッカーは、受座に火薬体を保持させるようにして引き紐と受座を筒体の前端開口から挿入し、続いて前端開口から受圧体や小巻テープ等を挿入した後、前端開口を蓋で閉じるという工程により製造され、その後所定の保管場所に保管される。
しかしながら、製造時に火薬体付きの引き紐を筒体に挿入するという工程を伴うので、クラッカーの製造場所全体を十分に管理することが必要になるうえに、製造されたクラッカーは火薬体を装備するものであるため法令等によって保管場所に大きな制約を受け、従って、その保管場所の確保という問題もある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、製造や保管を容易にすることができるクラッカー及びクラッカー用筒体並びにクラッカーの製法を提供することを課題とするものである。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係るクラッカーは、一端部に火薬体が取り付けられた引き紐の他端部が筒体の後端部から外方に引き出され、筒体内には火薬体を保持するための受座が設けられ、引き紐の引っ張り操作によって火薬体が爆発するクラッカーにおいて、筒体には、引き紐の火薬体が挿通可能な横孔が形成されていることを特徴とする。
該構成のクラッカーにあっては、筒体に横孔が形成されているので筒体の前端開口から火薬体付きの引き紐を挿入する必要がない。即ち、筒体の横孔から火薬体付きの引き紐を筒体内に挿入することができる。従って、火薬体以外の受座等を筒体内にまず配備しておき、その状態の筒体を完成させておいてそれを火薬体とは別に保管しておくことができる。そして、筒体の製造場所とは別の場所において火薬体付きの引き紐を筒体に挿入することによりクラッカーを完成させるという製造方法がとれる。即ち、火薬体のない部分の製造場所と火薬体を配備する製造場所とを別にすることができ、従って、火薬体を使用しない部分の製造場所については制約を受けずに済み、火薬体の配備の場所は省スペースで済む。逆に、火薬体のない部分の製造時期と火薬体を配備する製造時期とを別にするということもできる。また、火薬体を配備していない筒体は保管場所にも制約を受けなくなり、大量生産とその保管が容易となり、しかも、必要な個数のクラッカーをその都度筒体に火薬体を挿入することによって生産することもでき、生産調整も容易となる。更には、火薬体はその量の調整、管理も難しいものであるため熟練を要するが、火薬体以外の製造工程は火薬体の量の調整等に比して簡単であり相対的に熟練を要しない。従来の製造方法においては受座等も含めて一連の作業でクラッカーを製造しなければならないため、結果的に製造工程全体を熟練者で行っていた。しかしながら、火薬体の配備を筒体の横孔から行うことによって、火薬体を使用しない筒体のみを熟練者ではない者によって低コストで大量生産することができ、火薬体付きの引き紐の保管や筒体への挿入工程のみ熟練者によって行うということもでき、トータルとしての製造コストを大幅に低減することが可能となる。
特に、横孔がシール体により閉じられていることが好ましい。横孔は開いた状態のままでも火薬体の爆発力が低下するほどのことはないが、シール体によって閉じることによって爆風を効率良く使用することが可能となる。
更には、引き紐の他端部が筒体にシール体で保持されていることが好ましく、引き紐の他端部の処理と横孔の閉塞とを一つのシール体で兼用することができる。
また、筒体内の受座の前側に受圧体が配備されている場合には、その受圧体と受座との間の位置に横孔が形成されていることが好ましく、受圧体が邪魔になることなくスムーズに受座に火薬体を保持させることができ、より一層製造が容易となる。
また本発明に係るクラッカー用筒体は、筒体に引き紐の火薬体が挿通可能な横孔が形成され、筒体内に火薬体を保持するための受座が設けられていることを特徴とする。
また、また本発明に係るクラッカーの製法は、そのクラッカー用の筒体を使用するものであって、一端部に火薬体が取り付けられた引き紐の他端部側をその筒体の横孔から挿入することによって火薬体を筒体内に挿入し、引き紐の他端部を筒体の後端部から外方に引き出して火薬体を受座に保持させることを特徴とする。
以上のように、筒体の横孔から火薬体を挿入することができるので、クラッカーの製造場所と保管場所とを、火薬体を使用しない場所と、火薬体を使用する場所とに分けることができる。従って、製造工程のうちの大部分を火薬体使用の制約の受けない場所で行うことができ且つ、その火薬体の使用していない筒体の保管も容易となる。従って、トータルとして製造と保管とが容易且つ低コストとなる。
以下、本発明に係るクラッカーの一実施形態について図面を参酌しつつ説明する。
図1に本実施形態のクラッカーを示している。該クラッカーは、筒体1の内部に、前側から順に、被放出物としての小巻テープ2、受圧体3、火薬体4、受座5が挿入されているものである。
筒体1は、図3にも示しているように後端側から前端側に向けて断面が大きくなる先広がりの形状である。但し、単なる円錐形状ではなく、前端部が所定方向を短軸方向とする偏平に形成されたものである。具体的には、後端側においては、筒体1の断面は円形であり、その軸線方向の略中央部付近まで円形の断面を維持しながらテーパ状に広がっている。そして、軸線方向の略中央部付近から前端側においては、図2に示す矢印Xの方向が短軸方向となり矢印Yの方向が長軸方向となるように偏平となっている。従って、図3のように長軸方向が左右方向となるようにクラッカーを裏面側から見た場合には筒体1は後端側から前端側に向けてテーパ状に見える。図4において二点鎖線100は、偏平ではない円錐形状の場合の筒体1の外形線を示しているが、このように短軸方向の寸法は軸線方向の略中央部付近から前端側はあまり拡大されずに略一定となる。尚、図2のように、筒体1の前端部における断面形状は、略楕円状であり且つその長軸方向両端部が先鋭となった形状である。
また、筒体1の前端開口には複数のフラップ10,11からなる蓋が設けられている。該フラップ10,11は、短軸方向に対向して一対設けられ、それぞれ筒体1の前端縁を折曲線20,21として内方に折り曲げられて互いに内外に重なり合って前端開口を閉塞している。該折曲線20,21は、それぞれ長軸方向の一端部から他端部まで形成されて、筒体1の後端側に凸の弧状となっている(図5参照)。従って、この折曲線20,21によってフラップ10,11を折り曲げることにより、フラップ10,11は、図1及び図3のように、その長軸方向の中央部が凹となった湾曲形状となる。その結果、フラップ10,11は、その長軸方向の両端部において、徐々に細くなると共に筒体1の前方側に向けて尖った状態となる。
また、両フラップ10,11は、何れもその先端が凸の弧状に形成されており、具体的には、折曲線20,21と同じ曲率で形成されている。従って、内側のフラップ10の先端10aは、図4に示すように、筒体1の内面に沿うこととなり、しかも、筒体1の内面に接触するか僅かに隙間のあいた状態となる。
このようなフラップ10,11は筒体1と共に厚紙等のシートから一体に形成されている。具体的には、一枚のシートSから形成されており、その展開図を図5に示している。図5のように、内側のフラップ10の折曲線20は、外側のフラップ11の折曲線21よりも筒体1の後端側に位置しており、その量はこのシートSの厚さと同じに設定されている。尚、両折曲線20,21の曲率は同じである。また、折曲線20,21には、折り曲げ罫線として押し罫線が形成され、その中央部にのみミシン目も形成されている。但し、押し罫線のみであってもよい。更には、内側のフラップ10の折曲線20の両端部には、所定長さの切り込み20aが設けられている。また、筒体1の前端部には、偏平に形成しやすくするために、外側のフラップ11の折曲線21の両端部から後端側に向けて、所定長さの押し罫線25(折り曲げ罫線)が形成されている。尚、図5の符号26は筒状とする際の糊代部であり、図1の符号27はその接合線である。また、内側のフラップ10と外側のフラップ11は、共に筒体1の前端開口と同一形状に形成されているが、例えば、外側のフラップ11の短軸方向の長さを図5に二点鎖線にて示すように内側のフラップ10のそれよりも短くしてもよい。
そしてこのような筒体1の内側には前記小巻テープ2がフラップ10,11と受圧体3との間に入れられている。受圧体3は、本実施形態において一般に足付き受圧板と称される板状のものであるが、その形状は従来の円錐状のクラッカーに使用されているものとは異なっている。即ち、図6に示すように、板状の受圧体本体3aと後方に折り曲げられた二つの足部3bとを有する点では従来同様であるが、受圧体本体3aは円形ではなく、偏平の筒体1に合わせて楕円状となっており、その短軸方向に対向して二つの足部3bが設けられている。尚、受圧体3はシートから形成されている。
また、受圧体3の後方には、火薬体4と該火薬体4を保持するためのロート状の受座5とが配備されている。火薬体4は引き紐6の一端部に設けられている。そして、受座5には火薬体4は挿通不可で引き紐6は挿通可能な引き紐挿通部としての挿通孔(図示しない)が形成されている。具体的には、受座5の中央部に挿通孔が形成されており、引き紐6は、その挿通孔を通って後方に伸びてその他端部が筒体1の後端開口から外部に出ており、通常は図1、図3、図4のように前方に折り返されてシール体7によって筒体1の外面に止められている。尚、受座5は樹脂製とすることができ、成型によって製造することができる。尚、受座5の引き紐挿通部は孔には限られず切欠等であってもよく、何れにしても火薬体4が引き紐挿通部の縁部に保持されて引き紐6が挿通可能な構成であればよく、受座5の形状、材質も特には限定されない。従って、火薬体4の形状も円柱状には限られず、引き紐6よりも断面大に構成されて受座に保持されるように引き紐6の一端部に取り付けられていればよい。
そして、筒体1には側方に開口する火薬体挿入孔8(横孔)を設けており、火薬体付きの引き紐6は火薬体挿入孔8から筒体1内部に挿入されている。そして、引き紐6の他端部は前記シール体7によって筒体1の外面に保持されると共に、そのシール体7によって火薬体挿入孔8が閉塞されている。この火薬体挿入孔8は、受座5より前方に位置し、受圧体3より後方に位置する。
以上のように構成されたクラッカーは、図5に示すような展開状のシート体Sを筒状にして両フラップ10,11を折曲線20,21で折り曲げて筒体1の前端開口を閉じる。その際、外側のフラップ11の折曲線21の両端部から後方に向けて所定長さの押し罫線25が設けられているので、筒体1はその後端部においては断面円形であるがその前端部においてはスムーズに偏平とされる。そして、受座5と受圧体3及び小巻テープ2を前端開口から筒体1内に挿入した後、両フラップ10,11を折り曲げて前端開口を閉塞する(以上、筒体形成工程、ここでクラッカー用筒体が完成する)。フラップ10,11を折り曲げる際にも折曲線20,21には押し罫線が設けられ且つその中央部にはミシン目も形成されているのでスムーズに折り曲げることができ、しかも、内側のフラップ10の折曲線20の両端部には切り込み20aが形成されているので、その内側のフラップ10の両端部の折り曲げ状態がスムーズになってその上に外側のフラップ11をスムーズに重ね合わせることができる。同様に、内側のフラップ10の折曲線20を外側のフラップ11のそれよりも後端側に位置させているので、長軸方向の両端部における重なり具合がスムーズになり両端部における尖った形状が確実に形成できる。しかも、両者の差をシート体Sの厚さに設定しているので、両フラップ10,11間の隙間も少なくて済み外観体裁が良好となる。
以上の製造工程においては火薬体4はまだ使用されていない。従って、火薬に関する規制の適用とはならずに製造や輸送、保管等をすることができる。特に、筒体1は後端側に向けて先細り形状で前端部においては偏平であるので、特に短軸方向における寸法が前端部においても小さく、従って、全体としての嵩が非常に小さいものであり、大量に輸送や保管することができる。しかも、火薬を使用しないので熟練者でなくても容易に製造することができ、従って、クラッカー用の筒体1を低コストで大量に生産することができる。そして、火薬体付きの引き紐6を火薬体挿入孔8から筒体1内に挿入するのであるが、その際、引き紐6の他端部側から徐々に挿入していって受座5の挿通孔から後方へと誘導して筒体1の後端開口から外方に引き出し、シール体7によって引き紐6の他端部を保持すると共に火薬体挿入孔8を閉じてクラッカーが完成する(以上、火薬体挿入工程)。このように、組立の最終工程まで火薬体4を装備しないので上述したように保管等が非常に楽であり、筒体形成工程と火薬体挿入工程とを時期や場所を変えて行うことができるというメリットがある。また、必要な個数のみ火薬体付きの引き紐6を挿入してクラッカーを完成させればよいので生産調整も容易である。
また、製造されたクラッカーは、後端側に向けて先細り形状であるうえに、前端部においては偏平であるので、特に短軸方向における寸法が前端部においても小さく、従って、全体としての嵩が非常に小さいものであり、輸送や保管あるいは店頭において省スペースに多数置くことができ、制約を受けるスペースが小さくて済むというメリットがある。
しかも、内側のフラップ10が筒体1の内面を支持して短軸方向の外力に対して突っ張りとなるので、短軸方向の外力に極めて強いのである。特に、両フラップ10,11が共に長軸方向の中央部が凹の湾曲形状となっているのでそれ自体剛性が高く、しかも二枚のフラップ10,11が重なり合って前端開口を覆う状態にあるので、フラップ10,11がずれたりすることがなく、蓋が不用意に開放状態にならず、小巻テープ2が外部に露出することも防止できる。
そして、使用に際しては、まず、シール体7を外して引き紐6を後方に伸ばす。その際、外したシール体7によって火薬体挿入孔8を閉じることが好ましい。その後、引き紐6を後方に引っ張り操作すると火薬体4が爆発し、その圧力によって受圧体3が前方に移動すると共に小巻テープ2を前方に押し出し、両フラップ10,11を開放状態(図4の二点鎖線)とする。フラップ10,11が開放状態となっても、特にその折曲線20,21が後端側凸の弧状であるので、側方に向けて反り返ったり、折曲線20,21においてちぎれたりするということがない。また、前端部が偏平であるので爆音も反響してマイルドであり、更に、二枚のフラップ10,11が重ね合わせられた蓋であるので吸音効果も生じて、より一層マイルドになる。
尚、本実施形態では、外側のフラップ11を内側のフラップ10と同じ形状としたが図5に二点鎖線にて示すようにその短軸方向の長さを短めにしてもよく、その場合には折り畳み状態の外観がより一層良好となる。
また、受圧体3も紙製のみならず発泡体や成形体等のようなプラスチック製としてもよい。
更に、内側のフラップ10を筒体1の前端開口の略全体を覆う形状としたが、その一部を覆う形状としてもよい。何れにしても、内側のフラップ10の先端で短軸方向の外力の突っ張りとなる構成にすることにより強度を確保できる。従って、フラップ10,11の枚数も三枚以上であってもよい。
同様に、内側のフラップ10の配置や構成も適宜設計変更可能であって、その先端10aで筒体1の内面を支持する構成の他、先端10a以外の箇所で内面を支持する構成としてもよく、従って、例えば、内側のフラップ10を長軸方向に設けてもよい。
また、筒体1の形状も先広がり状には限定されずストレート状であってもよく、また、角筒状としてもよい。更には、偏平な筒体1を例にして説明したが前端部から後端部まで断面円形や断面角形としても無論よい。また、シートから筒体1を構成したが樹脂製であってもよく、蓋もフラップの構成には限定されない。
本発明の一実施形態におけるクラッカーを示す斜視図。 同クラッカーの平面図。 同クラッカーの背面図。 同クラッカーの断面図。 同クラッカーの筒体の展開図。 同クラッカーの要部正面図。
符号の説明
1…筒体、2…小巻テープ、3…受圧体、4…火薬体、5…受座、6…引き紐、7…シール体、8…火薬体挿入孔(横孔)、10…内側のフラップ、11…外側のフラップ、20,21…折曲線、25…押し罫線、20a…切り込み、26…糊代部、27…接合線

Claims (6)

  1. 一端部に火薬体が取り付けられた引き紐の他端部が筒体の後端部から外方に引き出され、筒体内には火薬体を保持するための受座が設けられ、引き紐の引っ張り操作によって火薬体が爆発するクラッカーにおいて、
    筒体には、引き紐の火薬体が挿通可能な横孔が形成されていることを特徴とするクラッカー。
  2. 横孔がシール体により閉じられている請求項1記載のクラッカー。
  3. 引き紐の他端部が筒体にシール体で保持されている請求項2記載のクラッカー。
  4. 筒体内の受座の前側に受圧体が配備され、受圧体と受座との間の位置に横孔が形成されている請求項1乃至3の何れかに記載のクラッカー。
  5. 筒体に引き紐の火薬体が挿通可能な横孔が形成され、筒体内に火薬体を保持するための受座が設けられていることを特徴とするクラッカー用筒体。
  6. 一端部に火薬体が取り付けられた引き紐の他端部側を請求項5記載のクラッカー用筒体の横孔から挿入することによって火薬体を筒体内に挿入し、引き紐の他端部を筒体の後端部から外方に引き出して火薬体を受座に保持させることを特徴とするクラッカーの製法。
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