JP2007218126A - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

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義治 竹内
Tadashi Nagata
忠 永田
Mamoru Ono
守 大野
Yasushi Aeba
靖 饗場
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【課題】高圧冷媒ガスを使用する縦置き型の密閉型電動圧縮機において、密閉容器の耐圧力性能と冷凍機油の貯留量を維持しつつ、密閉容器の寸法を圧縮機の軸方向に小型化した密閉型電動圧縮機を提供する。
【解決手段】密閉容器の底部の構造を密閉容器の胴体部の部材肉厚より薄い肉厚の材料を用いてその形状を略円筒形状として、その内側にリブ状の補強部材を配している。また、密閉容器の胴体部材の肉厚と比較して薄い肉厚の材料に同心円状の起伏を構成した端部部材を密閉容器の胴体部材の下部に取り付けている。これにより、容器の耐圧力性能を維持しながら冷凍機油溜めの空間容積を大幅に増やし、かつ密閉容器の寸法を圧縮機軸方向に短く出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は冷暖房の空調装置や冷凍装置あるいは乾燥機などに用いられる密閉型電動圧縮機に関するものである。
この種のいわゆる密閉型電動圧縮機においては、空調冷凍機器の小型化、薄型化に向けた商品開発の進行に伴い、冷凍システムを構成する基幹部品である圧縮機についても小型化に向けた技術開発の要請が高まっている。この要請に対応するために、例えば冷媒ガスの圧縮室の容積が従来のものより小さな圧縮機構部を持つ圧縮機を採用する事で圧縮機の径方向寸法と軸方向寸法を共に小型化して、この圧縮機の駆動技術と運転時の騒音を低下する技術に改良を加え、従来のものに比べて小型の圧縮機を高速運転するという方法で要求される冷凍能力も同時に満足させるという工夫がなされている。しかし、更なる小型化技術の開発要請に伴い、圧縮機の軸方向の寸法についても一段と短くする工夫が求められているが、密閉型圧縮機を縦置き型で構成する場合には、冷凍機油は圧縮機の底部に溜められる事になるので、圧縮機の軸方向の長さを要求に応じて短く設定すると圧縮機構部と密閉容器の底との間の容積が従来技術のものより少なくなってしまう。このため場合によっては冷凍機油溜まりの中に圧縮機構部が浸かってしまう。
この時、圧縮機構部内に設けられた冷媒ガスの圧縮室が冷凍機油溜まりの中に浸かってしまうと冷媒ガスの圧縮作用に弊害を生じ、最終的には冷凍サイクルの冷凍能力の低下に至るので、密閉容器の軸方向寸法を短くする場合には冷凍機油の貯留に必要な容積の確保を両立する技術が要求されていた。
特に、使用する冷媒ガスが二酸化炭素ガスやこれに類する冷媒のように、圧縮時に冷媒ガスの圧力がフロンのような従来タイプの冷媒に比べて高圧となる、いわゆる高圧冷媒ガスである場合には、そのガス圧に耐えられるように密閉容器の耐圧強度を従来に比べて大幅に向上させなければならないという、圧縮機の小型化とは別の課題があり、この課題を端的に解決するために密閉容器を構成する部材の肉厚寸法を大きくして、圧縮機軸方向の密閉容器の端部の形状も略球面形状に構成されている。
しかしこの事は、冷凍機油溜まりの容積を確保して圧縮機の軸方向寸法を短くすると言う観点での圧縮機の小型化技術の実現にとっては大きな阻害要因となっている。
これに関連する技術として冷凍機油溜まり内の冷凍機油の液面を制御するための検知技術についての発明が、例えば特許文献1に開示されている。また、同じく冷凍機油の液面が変動して圧縮機構部が冷凍機油に浸かった場合の油の吹き上げ対策と電動圧縮機からの冷凍機油の吐出を防ぐ技術が特許文献2に開示されている。いずれも本発明の関連技術について述べたものであり、本発明で課題としている内容を解決する技術の開示は見当たらない。今後、高圧冷媒ガスを使用する場合の密閉型電動圧縮機において、密閉容器の耐圧力性能を維持する一方でその小型化を図る技術については徐々に解決策が提示されるようになるものと思われる。
特開2005−299491号公報 特開2005−299462号公報
本発明では、高圧冷媒ガスを使用する縦置き型の密閉型電動圧縮機において、密閉容器
の耐圧力性能を維持する一方で、冷凍機油溜まりの容積を確保しつつ圧縮機軸方向での密閉容器の寸法を短く小型化した密閉型電動圧縮機を提供する。
前記課題を解決するために本発明の密閉型電動圧縮機では、縦置き型密閉容器の底部の容器構造を密閉容器胴体の部材の肉厚より薄い肉厚の材料を用いてその形状を略円筒形状として、その内側にリブ状の補強部材を配している。さらに、密閉容器胴体の部材の肉厚と比較して薄い肉厚の材料に同心円状の起伏を構成した補強部材を密閉容器の胴体の下部に取り付けている。
これらの手段により、部材の肉厚が大きく、略球面形状をした従来の密閉容器の底部の構造に比べて冷凍機油を溜める容積を大幅に増やす事で、最終的には密閉容器の圧縮機軸方向の寸法が短く構成出来る。
本発明の密閉型電動圧縮機では、縦置き型密閉容器の耐圧強度を維持したまま密閉容器の底部の容積を従来技術に比べて大幅に増大させる事が出来る。このため必要量の冷凍機油を容器底部に溜めた後、容器の寸法を圧縮機軸方向に短くする事が出来るので、圧縮機の小型化を促進出来る。
第1の発明は、密閉容器内には冷媒ガスの圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動させる電動機部と、この電動機部の動力を圧縮機構部へ伝達するシャフトを備え、冷媒ガスには二酸化炭素およびこれに類する高圧タイプの冷媒を用いた縦置き型電動圧縮機において、密閉容器の底部の構造は、密閉容器胴体の部材の肉厚より薄い肉厚の材料を用い、さらにその形状を略円筒形状として、その内側にリブ状の補強部材を配しているので密閉容器の耐圧強度を維持すると同時に容器の底部の容積を従来技術に比べて大幅に増大させる事が出来る。このため必要量の冷凍機油を容器の底部に溜めた後に容器の寸法を圧縮機軸方向に短く出来るので、圧縮機の小型化を図る事が出来る。
第2の発明は、前記リブ状の補強部材は略正方形の形状に構成したものを2組以上配置し、その配置の角度位相が電動圧縮機の軸を中心に相互にずれているので密閉容器の内側円周方向に略三角構造の補強部材が配列される事になり、密閉容器の底部の容積を従来技術に比べて大幅に増やすと同時に容器の耐圧力性能をより確実に確保出来る。
第3の発明は、前記リブ状の補強部材は同心円状の起伏を構成した略円盤状の部材を密閉容器の底部に一体的に取り付けて構成しているので、密閉容器の底部の容積を従来技術に比べて大幅に増やすと同時に容器の耐圧力性能を比較的簡易な構造で確保出来る。
第4の発明は、前記リブ状の補強部材は同心円状の起伏を構成した部材を密閉容器の底部の外側に一体的に取り付けて構成している。このため密閉容器の底部の容積を従来技術に比べて大幅に増やすと同時に容器の耐圧力性能を比較的簡易な構造で確保出来、併せて組立の作業性も改善する事が出来る。
第5の発明は、密閉容器内には冷媒ガスの圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動させる電動機部と、この電動機部の動力を圧縮機構部へ伝達するシャフトを備え、冷媒ガスには二酸化炭素およびこれに類する高圧タイプの冷媒を用いた縦置き型電動圧縮機において、密閉容器胴体の部材の肉厚より薄い肉厚の材料に同心円状の起伏を構成したものを密閉容器胴体の下部に取り付けているので、密閉容器の耐圧強度を比較的簡易な構造で確保できると同時に底部の容積を従来技術に比べて大幅に増大させる事が出来る。このため必要量
の冷凍機油を容器の底部に溜めた後に密閉容器の寸法を圧縮機軸方向に短く出来るので、圧縮機の小型化を図る事が出来る。
(実施の形態1)
本発明における第1の発明と第2の発明による実施の形態の例を図1に、第2の発明によるリブ状の補強部材の形状とその配置を図2に示す。
図1は本発明による密閉型電動圧縮機の密閉容器の内部構造を示す縦部分断面図であり、図2は図1のリブ状の補強部材を密閉容器内に配置した状態を示す平面図である。また、比較のために従来技術による密閉型電動圧縮機の内部構造を示す縦部分断面図を図6に例示する。
先ず、従来の技術について図6を基に説明する。冷凍空調サイクル(図示せず)から電動圧縮機へ戻って来た冷媒は圧縮機内部の圧縮機構部11へ導かれる。圧縮機構部11には電動機部12の回転運動がクランクシャフト13を介して伝達され、気化した冷媒は圧縮された後に圧縮機構部11から密閉容器1の内部に高圧ガスとなって放出された後に冷凍空調サイクルへ戻される。
この、高圧の冷媒ガスが密閉容器1に及ぼす圧力に対抗するために、容器は高耐圧力仕様でなければならず、密閉容器1を構成する部材は従来技術では鉄系材料で中実構造としてその肉厚を十分大きくした構成となる。更に、密閉容器胴体部1aの両端に胴体部と一体的に取り付けられる部材も鉄系材料で中実構造としてその肉厚を十分大きくした構成となり、その形状は高圧力に耐え得るように略球面形状となる。
このため、電動圧縮機を縦置き型に配置した場合にはこの密閉容器内部で底となる下端部の端部部材15に冷凍機油を貯留できる容積が少なくなる。すなわち、端部部材15の形状が略球面形状であるため、これが略円筒形状の場合に比べてその容積は略略半分になり、部材の肉厚が大きい分、肉厚が薄い場合に比べて容積の大小に及ぼす影響は無視できない量になる。
この電動圧縮機を軸方向に寸法を縮小する場合、冷凍機油溜め3の空間容積が従来技術ではもともと少ないため、圧縮機構部11が密閉容器の端部部材15に少し近づくだけでも冷凍機油が圧縮機構部11を越えて電動機部12の端部付近にまで至る事になる。すなわち、圧縮機構部が冷凍機油溜め3の冷凍機油に浸かってしまうので、圧縮機構部11内部の圧縮室にまで冷凍機油が侵入し、冷媒ガスの圧縮作用の障害となる。
これに対して本発明では、図1に示すように、密閉容器1の端部部材1bは密閉容器胴体部1aと比べて薄肉材料で略円筒形状に構成され、端部部材1bの内側にはリブ状の補強部材2aが取り付けられている。また、補強部材2aで冷凍機油溜め3が仕切られて冷凍機油の移動に支障が生じないように、補強部材2aには連通口4が設けられている。
これにより、高圧タイプの冷媒ガスの使用に際して要求される密閉容器の耐圧力性能を端部部材1bは維持しながら、冷凍機油溜め3の空間容積を従来技術に比べて大幅に増加させている。冷凍サイクル中で必要とする冷凍機油の従来の容積に対して冷凍機油溜め3の空間容積が増えるので、この増えた容積を消費するまで電動圧縮機の軸方向寸法を縮める事が出来るので、電動圧縮機を小型化できる。
また、図2の実施例ではリブ状の補強部材2bは、圧縮機の軸を中心として2組の略正方形の部材を相互に45度の角度位相でずらせて端部部材1b内に配置している。これにより端部部材1bの内周を補強部材が三角形の形状で並ぶので、密閉容器の耐圧力性能が
確実になる。なお、圧縮機構部11に連なる電動圧縮機の部品は図2の中央部8角形の空間部分にはまり込むので組立における支障はない。また、補強部材2bには連通口4が設けられている事は言うまでもない。
(実施の形態2)
本発明における第1と第3の発明による実施の形態の例を図3に示す。図3は本発明による密閉型電動圧縮機の密閉容器の内部構造を示す縦部分断面図である。この実施の形態では、密閉容器1の端部部材1cは密閉容器の胴体部1aの部材肉厚と比べて薄肉材料で略円筒形状に構成され、端部部材1cの底部にはリブ状の補強部材2cが取り付けられている。補強部材2cは略円盤形状であり、同心円状に起伏が構成されている。また、この補強部材2cを端部部材1cに取り付けた時に、冷凍機油溜め3の冷凍機油の移動に支障が生じないように連通口4が設けられている。
端部部材1cの高さ方向寸法を短く構成して厚肉部材の密閉容器の胴体部1aに一体的に取り付ける事により高圧冷媒ガス使用時の端部部材1cの耐圧力性能は補強部材2cによる強度の補強と相俟って十分なものとなる。そして実施の形態1と同様に、冷凍機油ため3の空間容積が従来技術に比べて増加した分を消費するまで電動圧縮機の軸方向寸法を短くして電動圧縮機の小型化が図れる。
(実施の形態3)
本発明における第1と第4の発明による実施の形態の例を図4に示す。図4は本発明による密閉型電動圧縮機の密閉容器の内部構造を示す縦部分断面図である。この実施の形態では、密閉容器1の端部部材1cに取り付けるリブ状の補強部材2dを電動圧縮機の台座5に付加的に構成し、これを端部部材1cに密閉容器の外側から一体的に取り付けた構成としており、実施の形態2と同様の効果を得る。
(実施の形態4)
本発明における第5の発明による実施の形態の例を図5に示す。図5は本発明による密閉型電動圧縮機の密閉容器の内部構造を示す縦部分断面図である。この実施の形態では、密閉容器1の端部部材1dは密閉容器の胴体部1aの部材肉厚と比べて薄肉材料で略円筒形状に構成され、端部部材1bの底部には部材の強度を向上させるために同心円状の起伏が構成されている。
端部部材1dの高さ方向寸法を短く構成して厚肉部材の密閉容器の胴体部1aに一体的に取り付ける事により高圧冷媒ガス使用時の端部部材1dの耐圧力性能は同心円状の起伏の効果による強度の補強と相俟って十分なものとなる。さらに、端部部材1dに取り付ける別部品の補強部材が省けるので電動圧縮機の組立性も改善される。そして実施の形態1と同様に、冷凍機油溜め3の空間容積が従来技術に比べて増加した分を消費するまで電動圧縮機の軸方向寸法を短くして電動圧縮機の小型化が図れる。
以上のように本発明による縦置き型の密閉型電動圧縮機では、高圧冷媒ガスの使用により要求される密閉容器の耐圧力強度の性能を維持したままで容器底部の容積を従来技術より大幅に増大できるので、冷凍機油溜まりとして必要な容積を確保した後に圧縮機軸方向に密閉容器の寸法を短くする事が出来るの。このため密閉型電動圧縮機の小型化を促進する事ができる。
本発明第1の実施の形態における密閉型電動圧縮機の縦部分断面図 本発明第1と第2の実施の形態における密閉型電動圧縮機の密閉容器底部の平面図 本発明第1と第3の実施の形態における密閉型電動圧縮機の縦部分断面図 本発明第1と第4の実施の形態における密閉型電動圧縮機の縦部分断面図 本発明による第5の実施の形態における密閉型電動圧縮機の縦部分断面図 従来の密閉型電動圧縮機の例を示す縦部分断面図
符号の説明
1 密閉容器
1a 密閉容器の胴体部
1b、1c、1d 密閉容器の端部部材
2a、2b、2c、2d 補強部材
3 冷凍機油溜め部
4 連通口
5 取付け台座
11 圧縮機構部
12 電動機部
13 シャフト
14 取付け脚
15 密閉容器の端部部材

Claims (5)

  1. 密閉容器内に冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動させる電動機部と、前記電動機部の動力を圧縮機構部へ伝達するシャフトとを備え、前記冷媒ガスには二酸化炭素およびこれに類する高圧タイプの冷媒を用いた縦置き型電動圧縮機であって、密閉容器の底部の構造は、密閉容器胴体部の部材の肉厚に対して薄肉部材であって、その形状は略円筒形状として、その内側にリブ状の補強部材を配した事を特徴とする密閉型電動圧縮機。
  2. リブ状の補強部材は略正方形の形状に構成したものを2組以上配置し、その配置の角度位相が電動圧縮機の軸を中心に相互にずれている事を特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  3. リブ状の補強部材は同心円状の起伏を構成した略円盤状の部材を密閉容器の底部に一体的に取り付けたものである事を特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  4. リブ状の補強部材は同心円状の起伏を構成した部材を密閉容器の底部の外側に一体的に取り付けたものである事を特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  5. 密閉容器内には冷媒ガスの圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動させる電動機部と、この電動機部の動力を圧縮機構部へ伝達するシャフトを備え、冷媒ガスには二酸化炭素およびこれに類する高圧タイプの冷媒を用いた縦置き型電動圧縮機において、密閉容器胴体の部材の肉厚と比較して薄肉の材料に同心円状の起伏を構成した部材を密閉容器胴体の端部に取り付けた事を特徴とする密閉型電動圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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