JP2007218090A - バルブ休止機構付きバルブリフター - Google Patents

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Akio Yoshimoto
明男 吉元
Masatoshi Ido
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Abstract

【課題】 バルブリフターのバルブ休止機構部の高さ方向厚さを小さくし、かつ軽量化することができるバルブ休止機構付きバルブリフターを提供する。
【解決手段】 バルブリフター100は、バルブリフター本体110に組み付けられるバルブ休止機構部120を含む。休止機構部120は、上プレート130、下プレート140、上下プレートの内部に形成されたシリンダー室160内に配されバルブ軸と垂直方向に往復動するスライドピン200、スライドピン200を付勢するリターンスプリング210を備え、上下プレートが接合部材または接合突起により接合される。油圧に応じてスライドピン200をスライドさせ、バルブステム挿入口を開閉しバルブ動作の休止を可能にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の動弁機構におけるバルブ休止機構を備えたバルブリフターに関する。
内燃機関の直打式動弁機構において、排気ガス中のCO2低減や低燃費と高出力の両立を図る一手段として、バルブリフターのバルブ休止機構が知られている。従来技術におけるバルブ休止機構を備えたバルブリフターは、例えば特許文献1に開示されている。これによれば、図8に示すように、バルブリフター1は、吸・排気弁2のステム3とカム4との間に配され、ステム3が進入可能な貫通孔を備え、バルブ軸と直交する方向に往復動可能な円筒型ピストン5を、バルブリフター1と別体で形成したピストンガイド6の中に嵌挿するバルブ休止機構を備えている。
特許文献2は、図9に示すように、カム11とバルブステム12の間にバルブリフター本体10が配されている。バルブリフター本体10の冠面内壁部には、ピン13を回転軸として回動自在に支持され、かつバルブステム12が進入可能な貫通穴14を備えたコマ15が取り付けられ、コマ15はスプリング16により付勢されている。全筒作動時には、図9(b)に示すように、コマ15が底部プレート17に形成された貫通孔18を塞ぎ、減筒運転時には、図9(c)に示すように油圧により回動されたコマ15が、貫通孔14と底部プレート17の貫通孔18を一致させ、ステム12が貫通孔14、18内を挿通できるようにし、これによりバルブ動作を休止させている。
特許文献3は、特許文献1の構造が、ピストン及びピストンガイドなどの高さ方向が厚くなりかつ重量が大きくなる問題を抱えていることへの対応として、バルブリフターの高さ方向のコンパクト化及び軽量化を図っている。図10に示すように、バルブリフター20は、バルブ軸と直交する方向に往復動し、バルブステム21が進入可能な貫通孔22を備え、リターンスプリング27に付勢されたピストン23に加えて、更にバルブリフター冠面部及びバルブリフターとカム24の間に配置されたシム25にも、ピストンの貫通孔22を通過したバルブステム21が進入可能な貫通孔26を設け、高さ方向を薄くし、かつ軽量化を図っている。
特開昭63−16112 特開平05−71323 特開平07−317518
しかしながら、特許文献2及び特許文献3などによるバルブリフターのバルブ休止機構は、バルブリフター冠面の内壁部をピストン又はコマを動作させる油圧シリンダー室の一部として構成していることから加工精度を必要とするが、バルブリフター冠面内壁はカップ状にのびたスカート部の内側に位置することから加工が難しく精度が出しにくいなど製造技術面における問題がある。また、バルブリフターのスカート部内側にバルブ休止機構を構成する部品を直接組み付ける構造であることから、組み付け性が悪いなど生産性の面においても問題を有している。
また、機能面においては、バルブリフター冠面がカムのリフト動作により変形を生じることから、バルブリフター冠面内壁部をバルブ休止機構の油圧シリンダー室の一部とした構造においては、バルブリフター冠面が変形した場合、シリンダー室からの油漏れが生じ、油圧を付与したときのピストン又はコマの作動応答性が低下する可能性がある。このため、ピストン又はコマを作動する油圧をシールし、漏れを防止するための機構が必要となる。更に、バルブリフター冠面の変形は、ピストン又はコマの摺動条件に影響を与え、クリアランスの変化によりピストン又はコマのスムースな動作を損ない、場合によりピストン又はコマが膠着してバルブ休止機能の制御ができなくなる可能性がある。
一方、特許文献1に示すように、円筒型ピストンをバルブリフター本体と別体に形成したピストンガイドの中に嵌挿し、ピストンガイドをバルブリフター内部に設けた構造においては、製造面及び機能面では特許文献2及び特許文献3などの構造よりは良好であるが、特許文献3にも記載されているように、バルブ休止機構部の高さ方向厚さが大きくなり、重量も大きくなるという問題を残しており、内燃機関エンジンの小型軽量化や性能向上の妨げとなっている。
本発明の目的は、上記従来の課題を解決し、バルブリフターのバルブ休止機構部の高さ方向の厚さを薄くしかつ軽量化を図ることができるバルブ休止機構付きバルブリフターを提供することである。
さらに、バルブ休止機構部の高精度な加工及びバルブ休止機構部のバルブリフター本体への組み付けを容易にし、かつバルブリフター冠面の変形の影響を受け難い構成として油漏れによる機構トラブルを防止することができるバルブ休止機構付きバルブリフターを提供することである。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、本発明のバルブ休止機構付きバルブリフターは、バルブとカムとの間に配置され、油圧制御によりバルブ動作を休止するバルブ休止機構を備えた内燃機関用のバルブリフターにおいて、バルブリフター本体の内部に組み付けられるバルブ休止機構部が、バルブリフター本体冠面側に配置される上プレート、バルブ側に配置される下プレート、上プレートと下プレートから形成されるシリンダー室、前記シリンダー室に配されバルブステムと垂直方向に往復動するスライドピン及びシリンダー室内においてスライドピンを付勢するリターンスプリングにより構成され、かつ上プレートと下プレートを接合部材あるいは接合突起部で接合したことを特徴としている。
バルブ休止機構部を構成する上プレート、下プレート、スライドピン及びリターンスプリングは、バルブリフター本体と別途に組み立てられ、バルブリフター本体のスカート内側(内部)に組み付けられる。上プレートおよび下プレートは、それぞれ複数の凸部(以下「堰」という)を備え、上下プレートの複数の堰によってシリンダー室が形成される。
上プレートは、円形のプレートをベースとし、上面にバルブリフター本体の冠面内壁に当接する突起部及び下面にシリンダー室を形成する堰を設けた構造である。シリンダー室を形成する堰は、スライドピンの動作軸に対称に設けることができる。
下プレートは、円形のプレートをベースとし、上面に上プレートと組み合わされシリンダー室を形成する堰を設けた構造である。シリンダー室を形成する堰は、上プレートに設けられる堰と同じくスライドピンの動作軸に対称に設けることができる。上下プレートの突起部及び堰は、切削加工、鍛造、精密鋳造などにより円形のプレートと一体で形成されたものを好ましく用いることができる。
シリンダー室を形成する上プレートと下プレートの堰は、高さをスライドピンの高さ方向の厚さよりも大きく設定される。上下プレートの堰は、スライドピンの幅方向側面を滑動案内又はスライドピンの滑動範囲を規制すると共に堰の上下面でシール面を構成し、油圧制御用の油の漏れを防止する。スライドピンには、バルブ休止機構部の高さ方向の厚さを薄くかつ軽量化が可能となる扁平で板状のスライドピンを好ましく用いることができる。リターンスプリングには、コイルバネ、ねじりスプリング又は板バネ等を用いることができる。リターンスプリングは単独で使用してもよく、扁平で板状のスライドピンの幅方向に複数用いてもよい。上プレート、下プレート及びスライドピンの材質には、鋳鉄、鋼材、鉄系合金、チタン合金、アルミ合金及び高強度樹脂などを用いることができる。また、このような材質の摺動面又は全面に浸炭、窒化等の各種表面処理やイオンプレート、DLCなどの各種皮膜処理を施して用いてもよい。
また、本発明のバルブリフターのバルブ休止機構部は、スライドピン及びリターンスプリングを上下プレートにより形成されるシリンダー室に組み込み、上プレートと下プレートの堰及びプレートベース部にそれぞれ貫通孔を設け、プレスフィットによるリベットなどの接合部材を挿通させて接合することができる。また、上プレートと下プレートの堰に接合突起部を設け、プレートベース部に接合突起部に対応する貫通孔を設け、接合突起部と貫通孔とをかしめ締結により接合することができる。前記のリベットなどの接合部材による接合とかしめ締結による接合手段とを組み合わせてもよい。接合の位置は、シリンダー室と上下プレートの外周端との間の上下プレートの外周部分に配置され、スライドピン動作方向に対称な配置や上下プレートの周方向に均等な間隔で配置することが好ましい。例えば、上プレートと下プレートの堰をスライドピン動作方向に対してそれぞれ対称配置とし、シリンダー室を形成する4カ所の堰及びプレートベース部に、上下プレートの中心に90°間隔で配置させることができる。また、前記4カ所の堰のスライドピン動作方向に対称となるように、それぞれの堰に複数の接合位置を設けてもよい。
バルブ休止機構部は、スライドピン動作方向に面した上プレート又は下プレートの堰の一方に油導入口、他方の堰とスライドピンとの間にリターンスプリング、更にリターンスプリングを配した側の下プレートにエアー(空気)及び油逃がし通路を備える。バルブ休止機構部の上プレート又は下プレートの堰に設けたスライドピン動作方向の油導入口に面したスライドピン部分には、油導入口からの油圧をスライドピンに均等に付与できるように凹部を設けてもよい。また、油導入口は、前記のスライドピン動作方向に面した堰の他に、スライドピン動作方向の側面の堰にも設けることが可能である。
更に、バルブ休止機構部の接合部材または接合突起部の少なくとも1つを、
バルブリフター本体冠面底部に突設させ、且つバルブリフター本体冠面底部に位置決め孔または位置決め溝を設け、前記位置決め孔または位置決め溝に突設させた接合部材または接合突起部を嵌め込み、バルブリフター本体とバルブ休止機構部が相対回転を規制する構造とすることができる。
本発明によるバルブ休止機構付きバルブリフターは、バルブ休止機構部を上プレート、下プレート、スライドピン及びスプリングを備える構造としたことで、上プレート、下プレート、スライドピンを高精度で容易に加工することができ、扁平なスライドピンを用いて高さ方向の厚さを薄くしかつ軽量化を図ることができる。そして、バルブ休止機構部をバルブリフター本体と別途で組み立てが可能となり、バルブリフター本体への組み付けが容易で生産性が著しく向上できる。
また、バルブリフター本体の冠面変形の影響を受けない構造とし、高精度に加工された上プレート、下プレートを接合部材または接合突起部で固定させる締結機構としたことで、油漏れやスライドピンの膠着等の問題が生じることがなく、作動油圧に対する応答性がよくスムースで確実なスライドピンの動作性を確保することができる。
更に、バルブ休止機構部の接合部材または接合突起部をバルブリフター本体冠面底部に設けた位置決め孔または位置決め溝に嵌め込み、バルブリフター本体とバルブ休止機構部との相対回転を規制する構造とし、バルブリフター本体とバルブ休止機構の各油導入口の位置を固定したことで、バルブ休止機構の環状油溝を設けずに作動油圧に対する応答性をより向上することができる。
以下に、本発明に係るバルブ休止機構を備えたバルブリフターの実施態様の一例を説明する。図1は、本発明の実施例に係るバルブリフター本体に組み付けられるバルブ休止機構部の概略断面構造を示す図である。バルブリフター100は、バルブリフター本体110と、その内部に取り付けられるバルブ休止機構部120とを有している。バルブリフター本体110は、カムと摺動する円形状の冠面112と冠面112から垂直方向に延びるスカート部114を有し、倒立カップ状に形成されている。
バルブ休止機構部120は、上プレート130、下プレート140、上プレート130および下プレート140を接合するための複数の接合部材150を含み、上下のプレート130、140を接合することで、その内部にシリンダー室160を形成している。シリンダー室160には、後述するように、油圧に応じて変位される扁平なスライドピンと、スライドピンを付勢するリターンスプリングとが収容される。
図2および図3は、本発明に係るバルブリフターのバルブ休止機構部を構成する下プレート及び上プレートの一つの例について概略図を示したものである。本実施例の下プレート140は、図2に示すように、薄肉で円形のベースプレート141の上面に、扁平で板状のスライドピンの滑動を案内する2面幅を構成する円弧状の一対の堰142、143が対称位置に一体に形成されている。堰142、143の対向する面142a、143aは、互いに平行な平面であり、それらの直線方向の幅W1は互いに等しい。一対の堰の対向する面142a、143aは、シリンダー室の一部を構成し、面142a、143aは、スライドピンと摺動する面を提供し、スライドピンの移動を規制する。
ベースプレート141の上面に形成された堰142、143の高さH、及び対称位置に配された堰の間隔Sは、上プレート130と組み合わせて形成されるシリンダー室160をスライドピンが滑動するために必要なクリアランスを与えるため、スライドピンの高さ方向の厚さよりも高く、スライドピン幅より大きく設定される。
ベースプレート141の中心部分には、バルブステムが挿通する円形状の貫通孔144が形成されている。貫通孔144には、エッジがスライドピンやバルブステムへ悪影響を及ぼすことがないようにするためのC面取り又はR面取り等を設けるとよい。さらに、堰142、143の間には、スライドピンが油圧で作動したときにシリンダー室内の油や空気を逃がすための円形状の油逃がし通路(貫通孔)145が形成されている。
ベースプレート141の外周部分には、リベットなどの接合部材を挿通するための4つの円形状の貫通孔146−1〜146−4が均等な間隔で形成されている。2つの貫通孔146−1と146−3は、対向する堰142、143内を貫通する。円弧状の堰142、143の外周には、バルブリフター外部から導入された油を廻すための環状の油通路が設けられるため、堰142、143の外周は、ベースプレート141の外径よりも幾分小さく設定されている。
上プレート130は、図3に示すように、下プレート140と同径の薄肉で円形のベースプレート131の上面にバルブリフター本体の冠面112の内壁と当接する突起部132が一体に形成され、ベースプレート131の下面に、扁平で板状のスライドピンの滑動範囲を規制する2面幅を構成する円弧状の一対の堰(凸部)133、134が対称位置に一体に形成されている。一対の堰133、134の対向する面133a、134aは、互いに平行な平面である。ベースプレート131の下面からの堰133、134の高さおよび堰の間隔は、下プレートと同様に設定される。
スライドピンの滑動範囲を規制する一方の堰133には、外部から油圧を導入するための2つの油導入口135が形成されている。堰133に形成される油導入口135は、堰133を貫通する孔または堰133に切欠部を設けた構造としてもよい。他方の堰134には、リターンスプリングの座(図示省略)が形成される。
ベースプレート131の中心部分には、バルブステムが挿通する円形状の貫通孔136が形成される。貫通孔136には、エッジがスライドピンやバルブステムへ悪影響を及ぼすことを防止するためのC面取り又はR面取り等を設けることが望ましい。堰133、134およびベースプレート131には、下プレート140のリベット等の接合部材の貫通孔146−1〜146−4と合致する位置に、均等な間隔でリベットを挿通する貫通孔137−1〜137−4が形成される。
上プレート130の堰133、134の幅W2は、下プレート140の対称位置に配された一対の堰142、143の間隔Sと同寸法とすることで、上下プレートが接合されるとき、堰の一部分を嵌め合わせる構造としている。こうして、互いの堰を対向するよう上下プレートを接合し、これらをリベット等の接合部材150により固定することで、図1に示すようなバルブ休止機構部120を得ることができる。
尚、前記のリベット等の接合部材150に代えて、上プレート130のベースプレート131部分の貫通孔137−1、137−3および下プレート140のベースプレート141部分の貫通孔146−2、146−4に対応する他方のプレートの堰133、134、142、143の貫通孔を設けた位置に接合突起部を設け、接合突起部と貫通孔とをかしめ締結により固定してもよい。
上下プレート130、140の材質は、SCM材を浸炭処理したものを用いることができ、他の鋼材、鋳物、鉄系合金、チタン合金、アルミ合金及び高強度樹脂等や、上記材質に浸炭、窒化、イオンプレート及びDLC等の表面処理などを行って用いることもできる。特に、チタン合金は軽量であるためより好ましく用いることができる。
また、上下プレート130、140に形成する堰の配置は、上下プレート間において上記した配置と逆にすることも可能である。すなわち、スライドピン動作方向の堰を下プレート140側に形成し、スライドピン動作方向の油導入口135及びリターンスプリングの座を形成してもよい。さらに、シリンダー室160を形成する上下プレートの堰は、スライドピンの幅方向側面を滑動案内し、かつスライドピンの滑動範囲を規制する2面幅を構成し、外周に油通路が設定できるものであればよく、円弧状以外にも任意の形状に変更が可能である。
図4及び図5は、本発明に係るバルブリフターのバルブ休止状態及びバルブ動作状態の一つの例について概略図を示したものである。上下プレート130、140を複数のリベットにより固定し、堰133、134、142、143によって囲まれたシリンダー室160内にスライドピン200とリターンスプリング210が組み込まれる。スライドピン200は、扁平な板状であり、堰133に形成された油導入口135からシリンダー室160に供給される油圧を受ける面202、油圧を受ける面202と反対側のリターンスプリング210を受容する端面204、およびバルブ休止時にバルブステムが挿通する貫通孔または切欠部206を備えている。油導入口135からの油圧を受ける面202には、油圧を均等に付与できるように凹部208が形成されている。さらに、堰133に形成された油導入口135に加えて、スライドピン200の油圧を受ける面に隣接する側面の堰142,143にも油導入口を形成して作動油圧に対する応答性をより向上させるとともに、堰142、143とスライドピン200との摺動面の潤滑の向上を図ることもできる。
バルブリフター本体のスカート部114には、バルブリフター本体の油導入口220が形成され、スカート部114の内壁とバルブ休止機構部との間に環状油溝230が形成されている。この環状油溝230は、堰133の油導入口135に連通する。バルブ休止状態のときは、油導入口135から一定の油圧が作用しないため、スライドピン200は、図4に示すように、リターンスプリング210により付勢され、スライドピン200の油圧を受ける面202が堰133に当接し、スライドピン200の貫通孔または切欠部206が上下プレートの貫通孔136、144に一致し、バルブステム挿入口を形成する。このとき、給排気バルブに接続されたバルブステムが貫通孔136、144、及びスライドピン200の貫通孔または切欠部206で形成された挿入口内に挿入されるため、カムによる作用が給排気バルブへ伝達されず、バルブ動作が休止される。
一方、バルブ動作状態では、環状油溝230を介して堰133の油導入口135から一定の油圧が供給され、この油圧がスライドピン200の油圧を受ける面202及び凹部208に作用し、スライドピン200を、図5に示すように、リターンスプリング210の付勢力に抗して移動させ、端面204を堰134に当接又は近接させる。このとき、バルブ休止時に一致していた上下プレートの貫通孔136,144及びスライドピン200の貫通孔または切欠部206により形成されたバルブステム挿入口は、スライドピン200によって閉塞される。ただし、スライドピンのバルブステムが挿通する貫通孔または切欠部206と下プレート140の貫通孔144の一部が重なるようにし、エアーの逃がし通路240を形成するようにしてもよい。
本実施例では、上プレート130、下プレート140及びスライドピン200は、それぞれ単独で加工が可能であり、従って、シリンダー室の構成部およびバルブリフター本体に組み込まれる上下プレート外径部を高精度に加工することができる。本実施例の上プレート130と下プレート140は、例えばバー材からの切削加工、素材を鍛造や精密鋳造等によりニアネット成形した後に仕上げ加工などにより一体で形成している。また、スライドピン200は、例えばプレス加工した板状素材を切削加工などにより形成している。さらに本実施例では、シリンダー室160に組み込まれるリターンスプリング210にコイルバネを用い、コイルバネを堰133に貫通した2つの油導入口135と同軸上となるスライドピン幅方向に2カ所に配置している。油導入口135と同軸上にリターンスプリング210を配置することにより、油圧が付与されたときのスライドピン200の姿勢を安定させ、スムースな動作を得ることができる。
さらに、扁平で板状のスライドピン200及びリターンスプリング210を上下プレートで形成されるシリンダー室160に組み込み、下プレート140及び上プレート130の堰の中央部分とプレート部に均等に配置された4カ所の組み付け用の貫通孔にプレスフィットのリベットを挿通させ、バルブ休止機構部全体を結合している。これによりシリンダー室の油圧導入時の油漏れがなく、バルブリフター冠面変形の影響を受けない構造とし、スライドピン200のスムースな滑動を得ることができる。また、組み立てられたバルブ休止機構部120をバルブリフター本体110に挿入するのみで、バルブ休止機構を備えたバルブリフターとして使用することができる。
更に、図6および図7は、本発明に係るバルブリフターの他の例についての概略図を示したものである。基本構造は、上述した例と同じであるが、バルブ休止機構部のバルブリフター本体冠面側における接合部材または接合突起部を突設ピン250と一体に形成し、バルブリフター本体冠面底部に設けた位置決め孔260または位置決め溝270に嵌め込み、バルブリフター本体110とバルブ休止機構部との相対回転を規制する構造としたことが相違する。バルブリフター本体110とバルブ休止機構部との相対回転を規制する構造としたことで、バルブリフター本体110のスカート部に設けられた油導入口280とバルブ休止機構部の油導入口290の位置を一致させることができ、バルブ休止機構部の外周全体に油循環用の環状油溝を形成せずに油圧の供給が可能となる。
これにより、バルブ休止機構部の外周全体に環状油溝を形成した場合に生じるバルブリフター本体スカート内周部とバルブ休止機構部外周との隙間からの油漏れを減少させ、潤滑系のポンプ圧力の低下を防止し、より効率よく油圧付与が可能となり応答性がより向上する。また、漏れた油がロッカーカバー内に残留し、攪拌されて油温上昇やミスト化によりオイル消費が増加するのを抑制できる。接合部材または接合突起部と一体に形成した突設ピン250は単数または複数設けてもよく、位置決め孔260と位置決め溝270を組み合わせて用いることもできる。また、突設ピン250がバルブリフター本体冠面より突出しない設定で、バルブリフター本体冠面底部に設けた位置決め孔260は冠面を貫通させてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明に係るバルブ休止機構付きバルブリフターは、内燃機関の動弁機構に利用される。
本発明の実施例に係るバルブ休止機構付きバルブリフターを示す概略断面図である。 本実施例のバルブ休止機構部を構成する下プレートを示す平面図、A−A線断面図、およびB−B線断面図である。 本実施例の下プレートに組み合わされる上プレートを示す平面図、C−C線断面図、およびD−D線断面図である。 本実施例に係るバルブリフターのバルブ休止状態の一例を示した概略図である。 図4に例示したバルブリフターのバルブ動作状態を示した概略図である。 本発明の実施例に係る相対回転を規制する機構を備えたバルブ休止機構付きバルブリフターを示す概略断面図である。 本発明の実施例に係る他の相対回転を規制する機構を備えたバルブ休止機構付きバルブリフターを示す概略断面図である。 従来のバルブ休止機構を備えたバルブリフターの例を示した断面図である。 従来のバルブ休止機構を備えたバルブリフターの他の例を示した断面図である。 従来のバルブ休止機構を備えたバルブリフターの他の例を示した断面図である。
符号の説明
100:バルブリフター 110:バルブリフター本体
114:スカート部 120:バルブ休止機構部
130:上プレート 132:突起部
133、134:堰(凸部) 135:油導入口
136:貫通孔 140:下プレート
142、143:堰(凸部) 144:貫通孔
145:油逃がし通路 150:接合部材
160:シリンダー室 200:スライドピン
206:貫通孔または切欠部 208:凹部
210:リターンスプリング 220:リフタ−本体の油導入口
230:環状油溝 240:エアー逃がし通路
250:突設ピン 260:位置決め孔
270:位置決め溝 280、290:油導入口

Claims (10)

  1. バルブとカムとの間に配され、油圧制御によりバルブの動作を休止させるバルブ休止機構を備えた内燃機関のバルブリフターにおいて、
    バルブリフター本体内部に組み付けられるバルブ休止機構部は、バルブリフター本体冠面側に配置される上プレート、バルブ側に配置される下プレート、上プレートおよび下プレートにより形成されたシリンダー室内に配されバルブステムと垂直方向に往復動するスライドピン、シリンダー室内においてスライドピンを付勢するスプリングを備え、上プレートおよび下プレートを接合したことを特徴とするバルブリフター。
  2. 上プレートおよび下プレートは、それぞれ複数の堰(凸部)を備え、上プレートおよび下プレートが接合されたとき複数の堰によってシリンダー室が形成される、請求項1に記載のバルブリフター。
  3. 上プレートおよび下プレートの複数の堰(凸部)は、スライドピンの動作軸に関し対称に配置されている、請求項2に記載のバルブリフター。
  4. 上プレートおよび下プレートの少なくとも1つの堰に、単独又は複数の油導入口が形成される、請求項2または3に記載のバルブリフター。
  5. 上プレートの上面に、バルブリフター本体冠面の内壁と当接する突起部が形成されている、請求項1ないし4いずれか1つに記載のバルブリフター。
  6. 上プレートおよび下プレートは、上プレートおよび下プレートの外周部に配置された複数の接合部材または接合突起部で接合される、請求項1に記載のバルブリフター。
  7. スライドピンは、スライドピン動作方向のプレートの一方の堰に形成された油導入口に対向する面に凹部を備える、請求項1に記載のバルブリフター。
  8. スライドピン動作方向に油導入口が形成された上プレートまたは下プレートの堰と対向する側の堰とスライドピンとの間にスプリングが配される、請求項1ないし7のいずれか1つに記載のバルブリフター。
  9. 下プレートにエアーおよび油通路用の貫通孔が形成されている、請求項1ないし8いずれか1つに記載のバルブリフター。
  10. 接合部材または接合突起部の少なくとも1つが、バルブリフター本体冠面底部に設けた位置決め孔または位置決め溝に嵌め込まれることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載のバルブリフター。
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