JP2007217949A - 木造部材の接合金具及び接合方法 - Google Patents
木造部材の接合金具及び接合方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007217949A JP2007217949A JP2006039416A JP2006039416A JP2007217949A JP 2007217949 A JP2007217949 A JP 2007217949A JP 2006039416 A JP2006039416 A JP 2006039416A JP 2006039416 A JP2006039416 A JP 2006039416A JP 2007217949 A JP2007217949 A JP 2007217949A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- joining
- wooden
- bolt
- shaped metal
- joint
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
Abstract
【解決手段】木造部材1の接合金具10は、鋼板材をU字状に折曲してなり、そのU字底部11aにボルト穴12が穿設されたU字型金物11と、U字型金物11のボルト穴12に挿通して締着されるボルト13とを含む。相互に接合される木造部材1にそれぞれ挿着されたU字型金物11同士を、ボルト13を介して緊締し、木造部材1にプレストレスを生じさせる。
【選択図】図1
Description
先ず、本発明はプレストレスを利用して、施工が容易で簡便な剛接合の方法を考案したものであり、この実施形態において後述するようにその可能性を調べるための予備加力実験を行った。また、実験結果に基づいて大断面集成材梁の継手に用いた場合の曲げ耐力の試算を行った。
試験体の種類と形状及び材料
図5は、この引張試験に使用する試験体の形状・寸法を示している。試験体は図5に示す3体である。U−T試験体(図5(a))はU字型金物11を用いる接合である。この場合、U字型金物11で接合した木造部材1の端部をブラケット(PL)を介してPC鋼棒で引張るものとする。□−T試験体(図5(b))は窓穴だけを開けてボルトで締める接合であり、比較のためのものである。この接合は半剛節として現在、木造建築でよく採用されている。O−T試験体(図5(c))は接合がない無垢材である。
U字型金物11の鋼材はSS400であり、規格断面寸法は6×44mmである。U字型金物11の折曲げの内径は4mmである。接着面は接着剤5の接着性能を向上させるためにグラインダーにより黒皮を除去した。角座金14には磨き平鋼を用い、U字型金物11の折曲げ部にあたる角はヤスリで落とした。
木造部材1の木材の接着面にはプライマー処理を施し、接着剤にはエポキシ系のものを用いた。塗り方は木材とU字型金物11の接着面に塗り、その後、U字型金物11を木材の窓穴2と溝3に挿入した。接着剤5の充填状況は容易に目視で確認できた。また、U字型金物11の底部11aと角座金14の接触面にも僅かな隙間が生じたので接着剤5を塗布した。養生期間としては6日である。
図7は、加力状況を示している。試験体の上下の両端の区間に接着剤とボルトで固定された加力用の鋼板101にユニバーサルジョイント102を取り付けてセンターホールジャッキ103で引張加力をした。引張力は上方のセンターホール型のロードセル104で測定した。
試験体の中央高さ位置の接合面1Aには加力前に接合用の高張力ボルト13(M14)をナット締めして、初期プレストレスを5kN導入した。接合部の剛性を確保するためにはプレストレスの大きさを更に増大させる必要があるが、今回は手締めのレベルとした。プレストレスはボルトに貼り付けた2枚のゲージにより測定した。
図8は、変形の測定状況を示している。測定区間は接合位置を挟む740mmとして、4本の変位計105で測定した。
図9(a)は、引張応力−ひずみ関係を示している。応力は欠損がない全断面積で除したものである。このひずみは測定区間のものである。□−T試験体は最大荷重まで変形を測定したが、U−T試験体とO−T試験体は最大荷重が大きくなり急激な引張破断を起こすため、加力途中で変形の測定装置を外して加力を行った。
図9(b)は、初期の応力レベルの応力−ひずみ関係を拡大して示している。図中、水平の一点鎖線は初期のプレストレスの応力を意味する。そのレベルでは3体の試験体ともほぼ同程度の剛性になっており、プレストレスの導入によって接合部の引張剛性を木材自身の剛性まで増加させる可能性があることが確認される。なお、今後はプレストレスのレベルの設定を検討する。
表1に引張強度の一覧を示す。この強度は、最大荷重を欠損がない全断面積で除したものである。U−T試験体は、上下の部材のうち片側で破壊した。これについては破壊しなかった片側の部分に再度、加力して(図11(b)参照)最大荷重だけを測定した。この試験体の記号を「U−T2」とする。
試験体の種類と形状及び材料
図13は、この圧縮試験に使用する試験体の形状・寸法を示している。試験体は引張試験と同様に3種類であり、各種類とも1体である。U−C試験体(図13(a))は木材にU字型金物11を挿入し接着したもの、□−C試験体(図13(b))は窓穴だけを開けたものであり、O−C試験体(図13(c))は無垢の木材である。使用した材料、U字型金物11と窓穴・溝の寸法・詳細・接着状況は引張試験のものと同じである。なお、ボルトと角座金は設置していない。
図14は、加力状況と変形の測定状況を示している。耐圧試験機で圧縮加力を行い、変形は2本の変位計105を用いて2箇所で測定した。
図15は、圧縮応力−ひずみ関係を示している。応力は引張応力と同様に全断面積で算出した。ひずみは圧縮変形を試験体の全高さ(370mm)で除した。最大強度の剛性については、無垢のO−C試験体に較べて半剛節タイプの□−C試験体のものは55%となり小さいが、U字型金物11のU−C試験体は118%となり、ほぼ無垢のO−C試験体と同じとなっている。
表2に圧縮強度の一覧を示す。この強度は、全断面積で算出したものである。また、図18に圧縮強度の分布を示す。O−C試験体の圧縮強度は母材の圧縮強度を意味する。□−C試験体の圧縮強度は母材強度に対して36%となり、圧縮力を伝達する能力が小さい。これに対して、U−C試験体の圧縮強度は母材強度の68%となり、本接合の効果が確認できる。
加力方法は図19に示すようにロードセル104′を使用し、三等分二点集中載荷による加力であり、曲げ区間の中央に継ぎ手が位置する。図20(a)に、比較例で行った実験の中で最も耐力の高かった接合法を示す。上下の曲げ縁に鋼板20を添えてラフボルト21が打たれている。木材はスギの対称異等級集成材である。鋼板20はSS400である。
U字型金物11を用いた梁の接合を図20(b)に示す。本接合においては母材破断まで引張力を伝達できるため、金物の帯幅Wの範囲は、梁幅B全体が引張抵抗するものとする。即ち、曲げ引張抵抗はW×Bの面積の木部が抵抗するものとする。引張強度は本実験値の21.6N/mm2とする。ここでは金物の帯幅Wを44mmと60mmの2種類を想定する。本接合の圧縮剛性は無垢の木材とほぼ同じなので、圧縮側は無垢の木材とし、帯幅の範囲の圧縮強度を18.3N/mm2とし、それ以外は26.8N/mm2とする。平面保持の仮定に基づいて曲げ耐力を求めた。
図21は、梁の曲げ実験による荷重−変形関係を示している。荷重は図19の鉛直荷重Pで変形は中央の変形である。上述した計算による曲げ耐力から計算される最大荷重を水平の一点鎖線で示す。金物の帯幅Wが44mmのタイプは、比較例のものの最大荷重に対して74%で、Wが60mmのタイプは98%となる。現場作業の観点からすると、本接合法は効率の良い接合法になる可能性がある。
例えば、上記実施形態で説明した具体的数値等は、本発明の典型的な例を示すもので、これらの数値等は必要に応じて変更可能である。また、接合金具10の形成材料等につき前述したようにU字型金物11や高張力ボルト13は上記実施形態の場合にのみ限定されるものではなく、同等の強度剛性等を有するものを用いることができる。
2 窓穴
3 溝
4 挿通孔
5 接着剤
10 接合金具
11 U字型金物
12 ボルト穴
13 高張力ボルト
14 座金(角座金)
15 ナット
101 鋼板
102 ユニバーサルジョイント
103 センターホールジャッキ
104 ロードセル
105 変位計
Claims (6)
- 鋼板材をU字状に折曲してなり、そのU字底部にボルト穴が穿設されたU字型金物と、このU字型金物の前記ボルト穴に挿通して締着されるボルトとを含み、
相互に接合される木造部材にそれぞれ挿着された前記U字型金物同士を、前記ボルトを介して緊締し、前記木造部材にプレストレスを生じさせるようにしたことを特徴とする木造部材の接合金具。 - 前記U字型金物の前記底部に装入される座金を有し、この座金を介して前記ボルトが締着されることを特徴とする請求項1に記載の木造部材の接合金具。
- 木造部材にプレストレスを生じさせて相互に接合する木造部材の接合方法であって、
前記木造部材の接合面から所定部位に請求項1に記載の接合金具の前記U字型金物を挿着するための挿着部を形成すると共に、前記窓穴から前記接合面まで請求項1に記載の接合金具のボルトを貫通させるための挿通孔を形成し、
前記挿着部に挿着した前記U字型金物同士を前記ボルトを介して緊締することを特徴とする木造部材の接合方法。 - 前記挿着部は窓穴と溝を有し、これらの周面に塗布した接着剤により前記U字型金物を前記挿着部に固定することを特徴とする請求項3に記載の木造部材の接合方法。
- 前記U字型金物の前記底部に座金を装入し、この座金を介して前記ボルトを締着することを特徴とする請求項3又は4に記載の木造部材の接合方法。
- 前記木造部材の接合部における剛性と引張強度は、母材の剛性と引張強度と実質的に同等であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の木造部材の接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006039416A JP4729707B2 (ja) | 2006-02-16 | 2006-02-16 | 木造部材の接合金具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006039416A JP4729707B2 (ja) | 2006-02-16 | 2006-02-16 | 木造部材の接合金具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007217949A true JP2007217949A (ja) | 2007-08-30 |
JP4729707B2 JP4729707B2 (ja) | 2011-07-20 |
Family
ID=38495526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006039416A Active JP4729707B2 (ja) | 2006-02-16 | 2006-02-16 | 木造部材の接合金具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4729707B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014109387A1 (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-17 | 木構造システム株式会社 | 木質部材の接合構造に使用する座具 |
JP2019100167A (ja) * | 2017-11-29 | 2019-06-24 | 株式会社ライト建築事務所 | 木造十字型複合柱の柱頭柱脚小口を階層毎pc梁で圧着接合するラーメン型レゴ構造。 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09177172A (ja) * | 1995-12-28 | 1997-07-08 | Takenaka Komuten Co Ltd | 集成材梁の継手構造 |
JP2001227068A (ja) * | 2000-02-15 | 2001-08-24 | Fumio Taniai | 木造棒状部材の接合方法とその接合金具 |
JP2001271426A (ja) * | 2000-03-24 | 2001-10-05 | Sekisui House Ltd | 一対の横架材接合用金具の柱取付け装置 |
JP2002004423A (ja) * | 2000-06-19 | 2002-01-09 | Tatsumi:Kk | 建築用木材の連結金具用座金 |
JP2005076318A (ja) * | 2003-09-01 | 2005-03-24 | Kunio Honma | プレストレスト木質材による建築物 |
-
2006
- 2006-02-16 JP JP2006039416A patent/JP4729707B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09177172A (ja) * | 1995-12-28 | 1997-07-08 | Takenaka Komuten Co Ltd | 集成材梁の継手構造 |
JP2001227068A (ja) * | 2000-02-15 | 2001-08-24 | Fumio Taniai | 木造棒状部材の接合方法とその接合金具 |
JP2001271426A (ja) * | 2000-03-24 | 2001-10-05 | Sekisui House Ltd | 一対の横架材接合用金具の柱取付け装置 |
JP2002004423A (ja) * | 2000-06-19 | 2002-01-09 | Tatsumi:Kk | 建築用木材の連結金具用座金 |
JP2005076318A (ja) * | 2003-09-01 | 2005-03-24 | Kunio Honma | プレストレスト木質材による建築物 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014109387A1 (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-17 | 木構造システム株式会社 | 木質部材の接合構造に使用する座具 |
JP2014134072A (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-24 | Mokukouzou System Co Ltd | 木質部材の接合構造に使用する座具 |
JP2019100167A (ja) * | 2017-11-29 | 2019-06-24 | 株式会社ライト建築事務所 | 木造十字型複合柱の柱頭柱脚小口を階層毎pc梁で圧着接合するラーメン型レゴ構造。 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4729707B2 (ja) | 2011-07-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Shi et al. | Behaviour of end-plate moment connections under earthquake loading | |
Chen et al. | Effect of composite action on seismic performance of steel moment connections with reduced beam sections | |
Oh et al. | Cyclic testing of steel column-tree moment connections with weakened beam splices | |
JP5441114B2 (ja) | 鋼構造物の疲労き裂補修構造及び補修方法 | |
JP5071915B2 (ja) | 木造柱梁部材の接合金具及び接合方法 | |
Shi et al. | Monotonic loading tests on semi-rigid end-plate connections with welded I-shaped columns and beams | |
JP2010019072A (ja) | H形鋼のボルト継手接合部の補強構造および補強方法 | |
JP4729707B2 (ja) | 木造部材の接合金具 | |
Cheng et al. | Influence of the earthquake and progressive collapse strain rate on the structural response of timber dowel type connections through finite element modelling | |
EP1731824A2 (en) | Method of Impeding Crack Propagation | |
Komara et al. | Experiment on cold-formed steel c-section joint with screw and adhesive material | |
Bridwell et al. | Mechanical treatment of crack-arrest holes subjected to distortion-induced fatigue | |
JP5713161B2 (ja) | 木質部材の接合構造 | |
RU2760546C1 (ru) | Способ выполнения монтажных соединений на высокопрочных болтах с контролируемым натяжением | |
Becque et al. | Experimental investigation of the static capacity of grade C450 RHS T and X truss joints | |
Xu et al. | Structural behaviour of blind-bolted T-stub to octagonal tube connections using normal and high strength steels | |
Huber et al. | Application Of A Tube Connector For Catenary Action In CLT Floors | |
Santoso et al. | The experimental study of the effect of screw and adhesive connection in the variation of cold-formed roof truss framing system | |
JP7500414B2 (ja) | 梁接合構造及び梁接合構造の性能向上方法 | |
JP7251039B2 (ja) | 柱梁接合構造 | |
Adan et al. | Inelastic cyclic testing of the Kaiser bolted bracket moment connection | |
Takatsuka et al. | Deformation capacity of flange-welded web-bolted moment connection under cyclic loading | |
Walker et al. | Experimental Testing of a Portal Frame Connection Using Glued-In Steel Rods | |
Sabol et al. | Overview of the AISC Northridge moment connection test program | |
Feng et al. | Tests of stainless steel RHS X-joints |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080818 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101116 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110113 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110322 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |