JP2007216247A - 連続鋳造スラブの製造方法並びに高張力熱延鋼板、高張力冷延鋼板及び高張力亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

連続鋳造スラブの製造方法並びに高張力熱延鋼板、高張力冷延鋼板及び高張力亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い生産性で且つ表面割れを発生することなく、590MPa以上の引張強度を有する高張力鋼板の素材である連続鋳造スラブを製造する。
【解決手段】 質量%でC:0.03〜0.10%、Si:1.0%以下、Mn:0.5〜3.0%、P:0.1%以下、S:0.02%以下、Al:0.2%以下、N:0.006%以下を含有し、(14/27)×(%Al/%N)が50以下であり、残部がFe及び不可避的不純物よりなる溶鋼を、Al含有量及びN含有量で規定される下記の(1)式を満足する鋳造速度(Vc:m/min)で鋳造するとともに、該鋳造速度(Vc)で規定される下記の(2)式を満足する比水量(Q:L/kg)で二次冷却帯をスプレー冷却する。
1.5≦Vc≦4.0-0.68×log[(14/27)×(%Al/%N)] …(1)
1.0≦Q≦2.5+Vc/1.5 …(2)
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の構造部材や補強部材などの内板部品に使用される高張力鋼板の素材である連続鋳造スラブの製造方法、並びに、このスラブを用いた高張力鋼板の製造方法に関するものである。
自動車の車体軽量化及び衝突安全性の観点から、自動車の各種構造部材や補強部材に高張力鋼板の適用拡大が進められている。この高張力鋼板の適用に際しては、プレス成形性、溶接性が困難となることから、このような実用課題を解決するための材料開発が進められている。また、鋼板の製造工程においても、製品材質の変動幅の低減、表面品質の向上などの課題を有しており、製造技術の改善が進められている。
中でも、表面品質に関しては特に改善が進められている。これは、高張力鋼は高強度化のための合金成分が多く添加されていることから、連続鋳造工程においてはスラブの表面割れが発生しやすく、表面割れの発生により、鋳造段階や熱間圧延段階において生成された酸化スケールが鋼板の表層付近に埋め込まれ易くなり、このようにして、スケールが埋め込まれた状態で熱延鋼板や冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板が製造されると、表面外観が著しく劣化するからである。表面性状が低下する場合には、プレス製品への適用が困難となって歩留りが低下するばかりか、プレス成形時には金型損傷の原因となり得ることから、良好な表面品質が望まれている。
そのために、スラブの鋳造段階における表面品質の改善に関して、これまでに種々の製造技術が開示されている。例えば、特許文献1には、B添加鋼において、鋼中のB量、N量、Ti量に応じて鋳造速度を所定の範囲に制御することにより、BNのオーステナイト粒界への析出を抑制し、オーステナイト粒界脆化に起因するスラブ表面割れを回避する鋳造技術が開示されている。特許文献1によれば、引張強度が297〜565MPaの鋼板(熱延鋼板、冷延鋼板、電気めっき鋼板、亜鉛めっき鋼板)を、スラブの割れに起因した表面欠陥を発生することなく、安定して製造可能としている。
特許文献2には、湾曲型または垂直曲げ型の連続鋳造機でAl及びNbを含有する鋼を連続鋳造するに当り、スラブを曲げ矯正する前にスラブの表面温度をオーステナイト+フェライト2相域まで低下させ、その後、再度オーステナイト域まで復熱させて矯正することにより、オーステナイト粒界脆化の原因となるAl、Nb炭窒化物の粒界析出を低減し、表面割れのないAl、Nb添加鋼を鋳造する技術が開示されている。
特許文献3には、650〜950℃の温度において鋳片表層部に加工歪を付与することにより、AlN、NbCなどの炭窒化物の粗大化を図るとともに、オーステナイト→フェライト→オーステナイト変態によるオーステナイト粒の細粒化を図り、粒界脆性に起因する表面割れを抑止する鋳造技術が開示されている。
特開2002−20836号公報 特開平11−33688号公報 特開昭60−56453号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
即ち、特許文献1で開示された技術では、鋳造速度の調整によりスラブの冷却速度の制御を意図しているが、高温のスラブ表面を所定の温度まで冷却する際には、鋳造速度が増すほど冷却強度を高める必要があることから、冷却条件の適正化をしないまま鋳造速度の調整のみでBNが析出しない温度制御を安定して実施するのは極めて困難と考えられる。また、鋳造中に鋳造速度を増減させることは、鋳型内湯面変動の助長によるスラブ表面品質の低下や生産性の低下をもたらし、好ましい鋳造形態とはいえない。更に、本技術では590MPa以上の引張強度を有する製品は得られていない。
特許文献2で開示された技術では、垂直曲げ型の連続鋳造機を用いた場合には鋳型出口から上部矯正帯までの距離が短く、この短い距離の中でスラブ表面をオーステナイト+フェライト2相域まで低下させるためのスラブ急冷設備が必要となる。また、矯正する前までに、2相域まで冷却した後にオーステナイト域まで復熱させる必要があり、復熱を短時間で行う必要があることから、内部の未凝固相による復熱だけではオーステナイト域まで安定して復熱させることは難しく、加熱設備の導入も必要となる。更に、本技術は、冷延鋼板や亜鉛めっき鋼板などの最終製品の高強度化を意図していないため、本技術によって590MPa以上の強度を有する鋼板を得ることは難しい。
特許文献3で開示された技術では、ショットブラストやエアーハンマーなどの衝撃力をスラブに付与する設備の導入が必要であり、設備コストが高価になるばかりか、鋳型出口から数mの距離の中で650〜950℃まで冷却し且つ表面加工するためには、実施例に示されるように、鋳造速度を0.8m/minまで低速化する必要があり、生産効率が極めて低い。また、本技術では、スラブ表面に衝撃力が付与されるので、スラブ表面に軽微な疵を発生させる可能性がある。このような微小な疵は、スラブの矯正時には顕著な割れとならなくても、熱間圧延時のスラブ加熱段階において、酸素供給が低くなるために地鉄中の選択酸化元素(Si,Mn,Alなど)による粒状酸化物の生成によって熱間延性の低下を伴い、熱間割れを助長させ、この熱間割れによるスケール欠陥を起こす恐れがある。このため、最終製品となる熱延鋼板や冷延鋼板及び亜鉛めっき鋼板では良好な表面品質を得ることは難しいと考えられる。
以上説明したように、上記の従来技術では、連続鋳造機への新たな付帯設備の導入によりコストアップを招いたり、スラブの鋳造速度を高めることができずに生産性を低下させたりするなどの問題点があるのが実情であった。また、得られる製品の引張強度は何れも590MPa未満であり、590MPa以上の鋼板を製造する方法ではなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、連続鋳造機に新たな付帯設備を設置しなくても、高い生産性で、且つ表面割れを発生することなく、590MPa以上の引張強度を有する高張力鋼板(熱延鋼板、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板)の素材である連続鋳造スラブを製造する方法を提供すると同時に、この連続鋳造スラブを用いて表面性状に優れる高張力熱延鋼板、高張力冷延鋼板及び高張力亜鉛めっき鋼板を製造する方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る連続鋳造スラブの製造方法は、質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:1.0%以下、Mn:0.5〜3.0%、P:0.1%以下、S:0.02%以下、Al:0.2%以下、N:0.006%以下を含有し、Al含有量及びN含有量で規定される(14/27)×(%Al/%N)が50以下であり、残部がFe及び不可避的不純物よりなる溶鋼を、前記Al含有量及びN含有量で規定される下記の(1)式を満足する鋳造速度で鋳造するとともに、該鋳造速度で規定される下記の(2)式を満足する比水量で二次冷却帯をスプレー冷却することを特徴とするものである。但し、(1)式及び(2)式において、Vcは鋳造速度(m/min)、Qは二次冷却帯における比水量(リットル/kg)、%Alは溶鋼のAl含有量、%Nは溶鋼のN含有量である。
Figure 2007216247
第2の発明に係る連続鋳造スラブの製造方法は、第1の発明において、前記溶鋼は、更に、質量%で、Cr:0.02〜1.5%、V:0.003〜0.1%、Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.01〜0.08%、Ti:0.01〜0.08%、B:0.0002〜0.003%の群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とするものである。
第3の発明に係る高張力熱延鋼板の製造方法は、第1または第2の発明に記載の連続鋳造スラブの製造方法で製造された連続鋳造スラブを熱間圧延し、700℃以下の温度で巻取る熱間圧延工程を有することを特徴とするものである。
第4の発明に係る高張力亜鉛めっき鋼板の製造方法は、第1または第2の発明に記載の連続鋳造スラブの製造方法で製造された連続鋳造スラブを熱間圧延し、700℃以下の温度で巻取る熱間圧延工程と、前記熱間圧延工程により得られた熱間圧延鋼板を酸洗する酸洗工程と、該酸洗工程により得られた酸洗鋼板の表面に亜鉛系めっき皮膜をするめっき工程を有することを特徴とするものである。
第5の発明に係る高張力冷延鋼板の製造方法は、第1または第2の発明に記載の連続鋳造スラブの製造方法で製造された連続鋳造スラブを熱間圧延する熱間圧延工程と、該熱間圧延工程により得られた熱間圧延鋼板を酸洗する酸洗工程と、該酸洗工程により得られた酸洗鋼板を冷間圧延する冷間圧延工程と、該冷間圧延工程により得られた冷間圧延鋼板を再結晶温度以上の温度で連続焼鈍する連続焼鈍工程と、を有することを特徴とするものである。
第6の発明に係る高張力亜鉛めっき鋼板の製造方法は、第1または第2の発明に記載の連続鋳造スラブの製造方法で製造された連続鋳造スラブを熱間圧延する熱間圧延工程と、該熱間圧延工程により得られた熱間圧延鋼板を酸洗する酸洗工程と、該酸洗工程により得られた酸洗鋼板を冷間圧延する冷間圧延工程と、該冷間圧延工程により得られた冷間圧延鋼板を再結晶温度以上の温度で連続焼鈍する連続焼鈍工程と、該連続焼鈍工程により得られた鋼板の表面に亜鉛系めっき皮膜をするめっき工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、鋼の化学成分、並びに、連続鋳造工程における鋳造速度及び冷却条件を適正制御することにより、高張力鋼板の素材である連続鋳造スラブを高い生産性で且つ表面割れを発生することなく、安定して製造することが可能となる。その結果、自動車内板部品などの材料に求められる表面品質に優れた高張力鋼板を安定して製造することが可能となり、本発明の自動車、鉄鋼産業界における利用価値は極めて大きい。
本発明者等は、低炭素鋼におけるスケール性表面欠陥の発生要因について鋭意検討を重ねた。その結果、スラブの鋳造時に鋼中のAlとNとの結合により生成されるAlNのオーステナイト粒界への微細析出による粒界脆化に起因して、スラブの表面割れ感受性が高くなるために、熱間圧延時にスケールが鋼板表層部に喰い込み易くなり、スケール性表面欠陥が発生し易くなることが分かった。
また、このような表面欠陥の低減には、連続鋳造時のスラブ表層部におけるAlNの微細析出を制御することが重要と考えられることから、スラブ表面品質に及ぼすAl含有量、N含有量及び鋳造条件の影響を調査した。その結果、スラブの表面品質は、Al含有量とN含有量との比(質量%Al/質量%N)に大きく左右されるとともに、この比(質量%Al/質量%N)に応じて適正な鋳造速度範囲が存在し、適正な鋳造速度範囲を外れると表面品質が悪化すること、更に、適正な鋳造速度に応じて二次冷却水量を適正値に制御する必要のあることが分かった。
以下にその内容を説明する。先ず、鋼中のAl含有量とN含有量との比(質量%Al/質量%N)及び鋳造速度が表面性状に及ぼす影響について説明する。
C:0.075〜0.090質量%、Si:0.2〜0.3質量%、Mn:1.7〜2.1質量%、P:0.02〜0.03質量%、S:0.002〜0.005質量%、Cr:0.01〜0.3質量%、V:0.002〜0.06質量%、Al:0.02〜0.15質量%、N:0.0008〜0.0055質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物よりなる成分の溶鋼を溶製し、この溶鋼を、垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機で、鋳造速度を1.0〜4.5m/minの範囲とし、二次冷却帯における冷却水量の比水量を2.0リットル/kgの一定条件として連続鋳造した。ここで、比水量とは、鋳型直下から連続鋳造機の機端に至るまでの二次冷却帯で、二次冷却帯を通過したスラブの1kg当たりを冷却するのに使用された冷却水量(リットル(以下、「L」と表示する))である。前述した比水量が2.0L/kgの一定条件とは、鋳造速度に比例して二次冷却帯の冷却水量を増減させ、比水量を一定値に保持するという意味である。
鋳造したスラブは常温まで冷却した後、スラブ表面を浸透探傷法により検査し、割れの発生状況(個数及び長さ)に応じて、「良好」、「許容」、「劣化」、「不良」の4水準にスラブ表面を評価した。スラブ表面に割れが存在する場合には、熱間圧延時に鋼板表層部へのスケールの噛み込みが助長され、鋼板における表面欠陥が懸念されることから、このように判定した。尚、「良好」とは割れが検出されないもの、「許容」とは割れが検出されるものの極めて少ないもの、「劣化」とは軽微な割れが検出されたもの、「不良」とは多数の割れが検出されたものである。
表面検査の終了したスラブを、表面疵を残したまま加熱して熱間圧延(加熱温度:1250℃、仕上温度:860℃、巻取温度:550℃)し、熱間圧延により得られた熱間圧延鋼板を酸洗し、酸洗した鋼板を冷間圧延し、冷間圧延により得られた冷間圧延鋼板を連続焼鈍(焼鈍温度:830℃)した後、連続溶融亜鉛めっき(亜鉛めっき:460℃、めっき合金化処理:500℃)を実施して得られた板厚1.4mmの亜鉛めっき鋼板について、単位表面積当りの表面欠陥の個数及び引張特性を調査した。
亜鉛めっき鋼板の表面欠陥は、亜鉛めっき鋼板の表裏面に認められた長さ2mm以上の表面欠陥の個数を測定して板面の単位面積当りの個数(個/m2 )(以下、「表面欠陥個数」と呼ぶ)を算出し、この表面欠陥個数で評価した。表面欠陥個数が0.3個/m2より多い場合には、プレス成形時の金型への損傷が懸念され、また自動車内板部品への適用は困難であることから、0.3個/m2 以下を目標とした。また、亜鉛めっき鋼板の引張特性は、JIS 5号引張試験片を用いて、引張速度10mm/minにて引張試験を実施し、引張特性を測定した。何れの鋼板も600〜615MPaの引張強度、30.5〜31.7%の伸びを有していることが確認できた。
図1に、調査したスラブの表面性状と、スラブ中Al含有量及びN含有量と、連続鋳造工程における鋳造速度との3者の関係を示す。図1では、スラブ中に含まれるAlとNとの原子当量比である「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」の値を用いてAl及びNの表面性状に及ぼす影響を捉えている。
図1では、4水準に評価したスラブ表面判定のうちで、「良好」を○印で表し、「許容」を△印で表し、「劣化」を●で表し、「不良」を×で表している。尚、本発明者等は、スラブ表面判定が「良好」と判定されたスラブから得られた亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数は0.15個/m2 以下であり、スラブ表面判定が「許容」と判定されたスラブから得られた亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数は0.15個/m2を超えて0.3個/m2 以下であり、スラブ表面判定が「劣化」と判定されたスラブから得られた亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数は0.3個/m2を超えて0.5個/m2 以下であり、また、スラブ表面判定が「不良」と判定されたスラブから得られた亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数は0.5個/m2を超えることを確認している。つまり、スラブの表面判定結果と鋼板の表面欠陥個数とは強い相関があることを確認している。
図1に示すように、良好なスラブ表面性状を有し、亜鉛めっき鋼板において低い表面欠陥率を得るには、「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値、及び、鋳造速度の適正範囲が存在することが分かった。
つまり、「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値が50を超える範囲では、鋳造速度の如何に拘わらず、スラブ表面性状は「劣化」判定または「不良」判定のみで、亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数は何れも0.3個/m2 を超えており、また、鋳造速度が増加するほど表面性状は悪化した。これは、「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値が大きいことにより、鋳造時にオーステナイト粒界へ微細析出するAlN量が増加し、AlNの析出量の増加に伴う粒界脆化により、スラブ表面の割れ感受性が高くなり、熱間圧延時にスケールが表層部に噛み込んだためと考えられる。また、鋳造速度の増加に伴って表面性状が悪化した理由は、鋳造速度の増加によってスラブの冷却速度が不均一化し、不均一冷却に伴うスラブ表面の熱歪や表層付近に析出するAlNの析出量が不均一となることから、表面割れ感受性が助長されたと考えられる。
「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値が50以下で、且つ鋳造速度が1.5m/min未満の範囲も、スラブ表面性状は「劣化」判定のみであった。これは、鋳造速度が低い場合、鋳片表層部は低い歪速度で変形を受けるため、AlNが歪誘起析出し、スラブ表面の割れ感受性が上昇したことによると推定される。
また、「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値が50以下で、且つ鋳造速度が「4.0−0.68× log[(14/27)×(質量%Al/質量%N)]」m/minを超える範囲でも、スラブ表面性状は「劣化」判定または「不良」判定であり、亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数は何れも0.3個/m2より多く、表面品質は低下した。これは、鋳造速度の増加に伴うスラブ冷却速度の不均一化により、不均一冷却時のスラブ表面の熱歪や表層部に析出するAlNの析出量が不均一となり、スラブの表面割れ感受性が上昇したためと考えられる。尚、上記の鋳造速度の境界線:「4.0−0.68× log[(14/27)×(質量%Al/質量%N)]」は、図1における△印と●印との境界を近似した近似直線である。
これに対して、「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値が50以下で、且つ鋳造速度が1.5m/min以上、「4.0−0.68× log[(14/27)×(質量%Al/質量%N)]」m/min以下の範囲では、スラブ表面判定は「良好」及び「許容」のみであり、スラブ表面性状は向上し、亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数は0.3個/m2以下となり、表面品質に優れることが分かった。また、鋳造速度が2.0m/min以上、「3.5−0.68× log[(14/27)×(質量%Al/質量%N)]」m/min以下の場合には、スラブ表面判定は全て「良好」となり、亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数は0.15個/m2以下にまで低減され、より良好な表面品質が得られることが分かった。これは、この範囲では微細AlNのオーステナイト粒界への析出が少なく、これによる粒界脆化の低減とスラブ表面の熱歪の低減とにより、スラブ表面割れ感受性が低下したことに起因すると考えられる。尚、上記の鋳造速度の境界線:「3.5−0.68× log[(14/27)×(質量%Al/質量%N)]」は、図1における○印と△印との境界を近似した近似直線である。
このように、良好な表面品質を得るには、鋼組成の「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値を50以下とするとともに、鋳造速度を1.5m/min以上、「4.0−0.68× log[(14/27)×(質量%Al/質量%N)]」m/min以下にする必要があり、望ましくは、鋳造速度を2.0m/min以上、「3.5−0.68× log[(14/27)×(質量%Al/質量%N)]」m/min以下にすることが好ましいことが分かった。
次に、二次冷却帯での冷却水量及び鋳造速度の表面性状に及ぼす影響について説明する。二次冷却帯の冷却水量は比水量で評価した。
C:0.060〜0.075質量%、Si:0.02〜0.05質量%、Mn:1.9〜2.0質量%、P:0.01〜0.02質量%、S:0.003〜0.005質量%、Al:0.05質量%、N:0.005質量%、Mo:0.1〜0.15質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物よりなる成分の溶鋼を溶製し、この溶鋼を、垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機で、鋳造速度を2.2〜3.0m/minの範囲とし、二次冷却帯における比水量を0.5〜7.5L/kgの範囲に変化させて連続鋳造した。
鋳造したスラブは常温まで冷却した後、スラブ表面を浸透探傷法により検査し、上記と同様に、割れの発生状況(個数及び長さ)に応じて、「良好」、「許容」、「劣化」、「不良」の4水準にスラブ表面を評価した。評価基準も上記と同一である。
表面検査の終了したスラブを、表面疵を残したまま加熱して熱間圧延(加熱温度:1250℃、仕上温度:850℃、巻取温度:550℃)し、熱間圧延により得られた熱間圧延鋼板を酸洗し、酸洗した鋼板を冷間圧延し、冷間圧延により得られた冷間圧延鋼板を連続焼鈍(焼鈍温度:840℃)した後、連続溶融亜鉛めっき(亜鉛めっき:460℃、めっき合金化処理:550℃)を実施し、得られた板厚1.4mmの亜鉛めっき鋼板について、表面欠陥個数及び引張特性を調査した。表面欠陥個数及び引張特性の調査方法は上記と同一である。何れの鋼板も600〜620MPaの引張強度、30.7〜31.5%の伸びを有していることが確認できた。
図2に、調査したスラブの表面性状と鋳造速度と比水量との3者の関係を示す。図2の各符号は図1と同一である。つまり、スラブ表面判定の「良好」を○印で、「許容」を△印で、「劣化」を●で、「不良」を×で表している。図2に示すように、良好なスラブ表面性状を有し、亜鉛めっき鋼板において低い表面欠陥率を得るには、鋳造速度に応じて比水量を適正な範囲に制御する必要のあることが分かった。
つまり、比水量が1.0L/kg未満では、鋳造速度の如何に拘わらず、スラブ表面性状は「劣化」判定のみで、亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数は何れも0.3個/m2 を超えていた。これは、スラブの冷却不足により表層オーステナイト粒の粗大化が起こり、粗大化することによって粒界が脆化し、スラブの表面割れ感受性が高くなったためと考えられる。
また、鋳造速度をVc(m/min)としたときに比水量が「2.5+Vc/1.5」L/kgを超える範囲も、スラブ表面性状は「劣化」判定または「不良」判定のみで、亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数も0.3個/m2 を超えていた。これは、比水量の増加に伴ってスラブ表面の冷却速度が不均一になり易く、スラブ表面の熱歪や表層部のオーステナイト粒界に微細析出するAlN量が不均一となり、表面割れ感受性が上昇したためと考えられる。尚、上記の比水量の境界線:「2.5+Vc/1.5」は、図2における△印と●印との境界を近似した近似直線である。
これに対して、比水量が1.0L/kg以上で、「2.5+Vc/1.5」L/kg以下の範囲においては、スラブ表面判定は「良好」及び「許容」であり、亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数は0.3個/m2 以下に低減することが分かった。これは、スラブ表面の熱歪の均一化及びAlNの不均一析出の抑制によるスラブ表面割れ感受性の低減によると推定される。また、比水量が1.5L/kg以上で、「2.0+Vc/1.5」L/kg以下の範囲では、スラブ表面判定は全て「良好」となり、亜鉛めっき鋼板の表面欠陥個数は0.15個/m2以下にまで低減され、より良好な表面品質が得られることが分かった。尚、上記の比水量の境界線:「2.0+Vc/1.5」は、図2における○印と△印との境界を近似した近似直線である。
以上の結果から、連続鋳造スラブを圧延して引張強度が590MPa以上を有する高張力鋼板を製造するに当たり、良好な表面品質を得るには、鋼組成のAl含有量及びN含有量から定められる「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値を50以下とし、且つ、連続鋳造工程における鋳造速度(Vc)を、鋼組成の「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値に応じて、1.5m/min以上で、「4.0−0.68× log[(14/27)×(質量%Al/質量%N)]」m/min以下とし、更に、連続鋳造工程の二次冷却帯の比水量を、鋳造速度(Vc)に応じて、1.0L/kg以上で、「2.5+Vc/1.5」L/kg以下にする必要のあることが分かった。
以上の知見に基づき、自動車用内板部品などに適用される高張力鋼板において、良好な表面品質を有する高張力鋼板を安定して製造する技術を発明するに至った。以下に、本発明の成分添加理由、成分限定理由および製造条件の限定理由について説明する。
(1)化学成分範囲
C:0.03〜0.10質量%
Cは鋼の強化に有効であるが、添加量が0.03質量%未満では安定して590MPa以上の引張り強度が得られない。また、C量が0.10質量%を超えると、連続鋳造時に溶鋼の凝固殻の厚みが不均一になり易く、殻の薄い部分への凝固収縮の熱応力の集中により、スラブ表面割れが著しくなる。このようなスラブ表面割れが発生すると、鋳造段階、熱間圧延段階に生成する酸化スケールが熱間圧延により表層部に噛み込み易くなり、最終製品の表面欠陥となる。このため、C量は0.03〜0.10質量%の範囲とする。尚、C量の好ましい範囲は、0.04〜0.085質量%、より好ましくは0.05〜0.075質量%である。
Si:1.0質量%以下
Siは鋼板の強化に有効な元素であり、適宜添加することができる。鋼の強化のためにSiを添加する場合、0.03質量%以上添加するのが好ましい。より好ましいSi量は0.08質量%以上である。しかし、Siの添加量が1.0質量%を超えると、鋳造時にスラブ表面にSi酸化物の生成量が多くなり、スラブ曲げ矯正時に表面割れが発生する。また、熱間圧延の際にファイヤライト生成に起因した赤スケールの発生が顕著となり、鋼板の表面性状が劣化する。このため、Si量は1.0質量%以下とする。また、鋼板に溶融亜鉛めっき処理を施す際には、不めっきやめっき密着性の低下が懸念されるため、Si量は0.7質量%以下とするのが好ましい。より好ましいSi量は0.5質量%以下である。
Mn:0.5〜3.0質量%
Mnは鋼板の強化に有効な元素であるが、添加量が0.5質量%未満では590MPa以上の引張強度が安定して得られない。一方、Mn量が3.0質量%を超えると、鋳造時の偏析によりスラブの割れ感受性が上昇する。また、熱間圧延時に鋼板表面に形成される酸化スケールの剥離性が著しく低下し、スケール性表面欠陥の発生率が高まる。また、鋳造時のMnの偏析により、伸びの低下が顕著となる。このため、Mn量は0.5〜3.0質量%の範囲とする。尚、Mn量の好ましい範囲は1.0〜2.3質量%である。
P:0.1質量%以下
Pは鋼板の強化に有効な元素であり、また熱間圧延時にスケール剥離性にも好ましい元素であるため、適宜添加することができる。Pを添加する場合、P量は0.01質量%以上とするのが好ましい。しかし、P量が0.1質量%を超えると、鋳造時のオーステナイト粒界へのP偏析に伴う粒界脆化によりスラブに表面割れが発生する。このため、P量は0.1質量%以下とする。
S:0.02質量%以下
S量が0.02質量%を超えると、熱間脆性を引き起こし、スケール表面欠陥の発生を助長する。このため、S量は0.02質量%以下とする。また、スケールの剥離性の観点から、Sは0.001質量%以上が好ましい。
Al:0.2質量%以下
AlとNとが結合して形成される窒化物は鋳造時にオーステナイト粒界上に微細析出し、粒界脆化させるため、スラブ曲げ矯正の際にスラブコーナー部に表面割れを引き起こす。スラブの表面割れにより、鋳造時及び熱間圧延時に形成された酸化スケールが熱間圧延時に表層部に埋め込まれ易くなる。スケールが埋め込まれた状態で冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板まで製造されると、その部分はスケール性表面欠陥となり、プレス成形への適用はできなくなる。このような表面性状の低下を抑制するために、Al量は0.2質量%以下とする。
N:0.006質量%以下
NとAlとが結合して形成される窒化物は、上記のように表面性状に悪影響を及ぼす。N量が0.006質量%を超えると、Al窒化物による表面性状の低下が大きくなり、また、固溶Nの増加による伸びの低下が著しい。このため、N量は0.006質量%以下とする。
「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値:50以下
Al含有量及びN含有量で規定される「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値は、表面性状に影響を与える窒化物の形態を制御する重要なパラメータであり、前述した図1に示すように、「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値が50を超える場合には、鋳造時にオーステナイト粒界へのAlNの析出量が多くなり、粒界脆化に起因したスラブ表面割れにより、鋼板の表面品質が著しく低下する。このため、「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値は50以下とする。
本発明では上記の合金元素の外に、高張力鋼板の強度特性に応じて、Cr、V、Mo、Nb、Ti、Bの群から選択された1種または2種以上を含有させることができる。以下にその成分の限定理由を述べる。
Cr:0.02〜1.5質量%
Crは鋼板の強化に有効であり、必要に応じて添加してもよい。添加量が0.02質量%未満では強化能が小さい。また、添加量が1.5質量%を超えると、連続焼鈍時に鋼板表面にCr酸化物の生成が促進されるため、鋼板の化成処理性が著しく低下する。このため、Cr量は添加する場合には、0.02〜1.5質量%とする。また、鋼の強化の観点から、Cr量の下限は0.05質量%とするのが望ましく、化成処理性の観点から、Cr量の上限は1.2質量%とするのが好ましい。
V:0.003〜0.1質量%
VとCとが結合して形成される微細炭化物は鋼板の強化に有効であり、Vを必要に応じて添加してもよい。V量が0.003質量%未満では効果が小さい。また、V量が0.1質量%を超えると、スラブの鋳造時にオーステナイト粒界への微細炭化物の形成が促進されてオーステナイト粒界脆化によるスラブ表面割れが顕著となる。このため、V量は添加する場合には0.003〜0.1質量%とする。また、鋼の強化の観点から、V量の下限は0.01質量%とするのが望ましく、表面性状の観点から、V量の上限は0.07質量%とするのが好ましい。
Mo:0.05〜0.5質量%
Moは鋼板の強化に有効であり、必要に応じて添加してもよい。添加量が0.05質量%未満では強化能は小さい。また、Mo量が0.5質量%を超えると、連続焼鈍時に鋼板表面にMo酸化物の形成が促進され、鋼板の化成処理性が著しく低下する。このため、Mo量は添加する場合には0.05〜0.5質量%とする。また、化成処理性の観点から、Mo量の上限は0.3質量%とするのが好ましい。
Nb:0.01〜0.08質量%
NbとCとが結合して形成される炭化物は、鋼板の強化に寄与するので、Nbを必要に応じて添加してもよい。Nbの添加量が0.01質量%未満では効果が小さい。また、Nb量が0.08質量%を超えると、過剰な炭化物の生成により、鋼板の伸びが著しく低下する。このため、Nb量は添加する場合には0.01〜0.08質量%の範囲とする。強度と伸びの観点から、Nb量の好ましい範囲は0.02〜0.06質量%である。
Ti:0.01〜0.08質量%
TiとCとが結合して形成される炭化物は鋼板の強化に有効であるので、Tiを必要に応じて添加してもよい。Ti量が0.01質量%未満では効果は小さい。また、Ti量が0.08質量%を超えると、炭化物の生成量が多くなり、鋼板の伸びの低下が顕著となる。このため、Ti量は添加する場合には0.01〜0.08質量%とする。また、強度と伸びの観点から、Ti量は0.02〜0.06質量%の範囲が好ましい。
B:0.0002〜0.003質量%
Bは連続焼鈍における加熱時にオーステナイト粒界に偏析し、冷却時にオーステナイトからのフェライト変態を抑制して、マルテンサイトの形成を促進させるため、鋼板の強化に有効であり、必要に応じて添加してもよい。B量が0.0002質量%未満では、この効果は小さい。また、B量が0.003質量%を超えると、この効果は飽和するばかりか、溶融亜鉛めっきへの適用に際し、めっきの合金化速度を著しく低下させ、めっき密着不良を引き起こす。このため、B量は添加する場合には0.0002〜0.003質量%とする。また、B量の好ましい範囲は0.0005〜0.002質量%である。
上記の鋼成分以外の化学成分については、過剰に添加しなければ本発明の効果を損なうことはない。例えば、Ni、Cuは0.2質量%以下であれば本発明の目的とする特性に悪影響を及ぼさない。つまり、その他の合金元素についても、本発明の目的とする特性に悪影響を及ぼさない限り、含有しても構わない。
(2)連続鋳造スラブの製造方法及び鋼板の製造方法
上記(1)で述べた化学成分の溶鋼を溶製し、この溶鋼を連続鋳造する。連続鋳造の際、スラブの表面割れ感受性の増大に起因したスケール表面欠陥の発生を低減させるために、前述した図1に示すように、溶鋼の「(14/27)×(質量%Al/質量%N)」値に応じて、鋳造速度を1.5m/min以上で、「4.0−0.68× log[(14/27)×(質量%Al/質量%N)]m/min以下の範囲に制御する。好ましくは鋳造速度を2.0m/min以上で、「3.5−0.68× log[(14/27)×(質量%Al/質量%N)]m/min以下の範囲とする。また、鋳造速度(Vc)に応じて、二次冷却帯の冷却水の比水量を1.0L/kg以上で、「2.5+Vc/1.5」L/kg以下の範囲とする。好ましくは、比水量を1.5L/kg以上で、「2.0+Vc/1.5」L/kg以下の範囲とする。
連続鋳造されたスラブは、熱片のまま熱間圧延を施してもよいし、加熱した後熱間圧延してもよい。表層一次スケールの生成促進によるスケール剥離量の増大によって表面性状を改善させる場合には、1100℃以上でスラブを加熱した方が好ましい。粗圧延した後、仕上圧延し、コイルに巻き取る。仕上圧延の際、Ar3点未満の温度で圧延を終了すると、鋼板形状が劣化するため、仕上温度はAr3点以上が好ましい。
熱延鋼板を最終製品とする場合、巻取温度が700℃を超えると、590MPa以上の強度を安定して得るのが困難となるばかりか、鋼板表層部において組織が粗大化し易くなり、靭性の低下が大きくなる。これを防止するために、巻取温度は700℃以下とする。また、コイル巻取時の鋼板形状性の観点から、巻取温度は室温以上が好ましい。より好ましい巻取温度は100〜650℃である。酸洗工程を施す場合、スケールの剥離性の観点から巻取温度は700℃以下とするのが好ましく、続いて冷間圧延する場合、圧延負荷低減のため、巻取温度を400℃以上とするのが望ましい。この場合のより好ましい巻取温度は450〜650℃である。
冷延鋼板とする場合、冷間圧延率は、90%を超えると圧延負荷の増大が顕著となり、一方、圧延率が30%未満では焼鈍時のフェライトの再結晶化促進に好ましくない。このため、冷間圧延率は30〜90%が好ましい。より好ましくは40〜80%の圧延率にて冷間圧延する。
冷間圧延後に、鋼板に良好な延性を付与することを目的として、フェライトの再結晶温度以上の温度で連続焼鈍する。この場合、900℃を超える温度で焼鈍すると、フェライトの粗粒化により、鋼板の靭性低下が懸念される。このため、焼鈍温度は900℃以下とするのが好ましく、より好ましくは焼鈍温度を880℃以下とする。
本発明において得られた熱延鋼板及び冷延鋼板に、亜鉛系のめっき皮膜処理することもできる。この場合、連続溶融亜鉛めっき処理、電気亜鉛めっき処理の何れでもよく、また、めっきの種類は純亜鉛めっき、合金化亜鉛めっき、亜鉛+ニッケル合金めっき、亜鉛+アルミ合金めっきでもよい。熱延鋼板を下地とした溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、酸洗後の熱延鋼板を600〜900℃、より好ましくは、700〜880℃の温度で連続焼鈍した後に、所定のめっき処理を施せばよい。冷延鋼板を下地とした亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、焼鈍後の冷延鋼板に所定のめっき処理を施せばよい。
更に、このようにして得られた熱延鋼板、冷延鋼板、亜鉛系めっき熱延鋼板、亜鉛系めっき冷延鋼板に対して、化成処理、有機系皮膜処理などの表面処理を施しても本発明の目的とする特性を損なうことはない。
以上説明したように本発明によれば、鋼の化学成分、並びに、連続鋳造工程における鋳造速度及び冷却条件を適正制御することにより、高張力鋼板の素材である連続鋳造スラブを高い生産性で且つ表面割れを発生することなく、安定して製造することが可能となり、その結果、自動車内板部品などの材料に求められる表面品質に優れた高張力鋼板を安定して製造することが達成される。
表1に示す成分の溶鋼(No.1〜3,6〜14:本発明鋼、No.4,5,15〜21:比較鋼)を溶製し、この溶鋼を垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機を用いて、鋳造速度を2.5m/min、二次冷却帯冷却水の比水量を2.5L/kgの条件でスプレー冷却してスラブに鋳造した。鋳造したスラブは常温まで冷却した後、浸透探傷法によりスラブの表面性状を検査し評価した。尚、鋳造速度が2.5m/minで、且つ二次冷却帯の比水量が2.5L/kgである鋳造条件は、前述した図1及び図2からも明らかなように、本発明の範囲内の鋳造条件である。
Figure 2007216247
スラブ表面を浸透探傷法により検査し、割れの発生状況(個数及び長さ)に応じて、「良好」、「許容」、「劣化」、「不良」の4水準にスラブ表面を評価した。ここで、「良好」とは割れが検出されないもの、「許容」とは割れが検出されるものの極めて少ないもの、「劣化」とは軽微な割れが検出されたもの、「不良」とは多数の割れが検出されたものである。表2に鋳造したヒート別に調査したスラブ表面性状を示す。
Figure 2007216247
表2に示すように、鋼組成が本発明成分範囲内のヒートでは、スラブ表面の判定は全て「良好」であったが、鋼組成が本発明成分範囲外のヒートでは、鋳造条件が同一であってもスラブ表面の判定は「劣化」及び「不良」のみであった。
スラブの表面手入れを実施することなく、これらのスラブを熱間圧延工程に搬送し、加熱温度1250℃、仕上温度860℃、巻取温度550℃にて熱間圧延し、板厚2.8mmの熱延鋼板を製造した。
ヒートNo.1〜5は熱延鋼板ままの特性(表面性状、引張特性)を調査し、また、ヒートNo.6〜21は、冷延鋼板、冷延下地の溶融亜鉛めっき鋼板、熱延下地の溶融亜鉛めっき鋼板を製造し、各鋼板の特性(表面性状、引張特性)を評価した。
冷延鋼板及び冷延下地の溶融亜鉛めっき鋼板は、熱延鋼板を酸洗し、板厚1.4mmまで冷間圧延(圧延率50%)した後、連続焼鈍または連続溶融亜鉛めっきをして製造した。また、熱延下地の溶融亜鉛めっき鋼板は、酸洗後の熱延鋼板に連続溶融亜鉛めっきを施して製造した。連続焼鈍または連続溶融亜鉛めっき処理において、焼鈍温度は何れも820℃とし、連続溶融亜鉛めっき処理では、焼鈍後の冷却段階において、460℃で亜鉛めっきをし、550℃まで加熱してめっきの合金化処理を施した後、室温まで冷却した。このようにして得られた鋼板に0.5%の調質圧延を施した後、特性を調査した。
鋼板の表面性状は表裏面に認められた長さ2mm以上の表面欠陥の個数を測定して板面の単位面積当りの個数(個/m2 )を算出し、つまり表面欠陥個数を求め、求めた表面欠陥個数が0.3個/m2より大きい場合にはプレス成形への適用は困難と判定した。また、引張特性はJIS 5号引張試験片を用いて、引張速度10mm/minにて引張試験を実施し、引張特性を求めた。表3に各鋼板の使用ヒート番号、分類、引張試験値、表面欠陥個数の調査結果を示す。尚、表3にはスラブの表面判定結果も併せて示している。
Figure 2007216247
表3に示すように、鋼組成が本発明成分範囲内である鋼板No.1〜3,6〜32では、スラブ段階において良好な表面性状が得られており、最終製品である熱延鋼板(Hot )、冷延鋼板(Cold)、冷延下地溶融亜鉛めっき鋼板(CG(Cold))、熱延下地溶融亜鉛めっき鋼板(CG (Hot))の表面欠陥個数は、それぞれ0.10〜0.13個/m2 、0.008〜0.012個/m2 、0.006〜0.013個/m2、0.007〜0.012個/m2 と少なく、何れも良好な表面品質を有していた。また、鋼板No.1〜3、鋼板No.6〜29、鋼板No.30〜32は、それぞれ615〜620MPaの引張強度と27.5〜28.3%の伸び、592〜620MPaの引張強度と26.9〜31.8%の伸び、785〜820MPaの引張強度と21.5〜22.5%の伸びを有していた。
一方、鋼組成が本発明成分範囲外の鋼板No.4,5,33〜53では、何れも590MPa以上の引張強度を有しているが、スラブ表面性状は悪化し、最終製品において良好な表面品質は得られなかった。即ち、鋼板No.4,5、鋼板No.33〜41、鋼板No.48〜50は、それぞれ0.34〜0.51個/m2、0.35〜0.60個/m2 、0.52〜0.54個/m2 と表面欠陥個数が多い。また、鋼板No.42〜44の表面欠陥個数は0.62〜0.65個/m2と多く、また溶融亜鉛めっき処理した鋼板No.43,44では不めっきが発生している。更に、鋼板No.45〜47,51〜53は表面性状が劣化しているとともに、鋼板の伸びも低下していた。
前述した表1に示す鋼種No.12(本発明鋼)を溶製し、この溶鋼を垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機を用いて、二次冷却帯の比水量を2.5L/kgの一定値として鋳造速度を1.0〜4.5m/minの範囲に変更した鋳造、及び、鋳造速度を2.5m/minの一定値として二次冷却帯の比水量を0.5〜5.5L/kgに変更した鋳造を合計19ヒート実施した。鋳造したスラブは室温まで冷却した後に実施例1と同一の方法で表面性状を判定した。
次いで、実施例1と同様の製造条件により、熱間圧延、酸洗、冷間圧延を実施した後、焼鈍温度830℃で連続焼鈍または連続溶融亜鉛めっき処理(460℃で亜鉛めっきし、550℃でめっきの合金化を実施)をし、伸長率0.5%の調質圧延を施した。こうして得られた冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板の表面性状及び引張特性を、実施例1と同様の方法により調査した。表4に各鋼板の鋳造条件、スラブ表面判定結果、分類、引張試験値、表面欠陥個数の調査結果を示す。
Figure 2007216247
鋳造速度及び比水量が本発明範囲内にある鋼板No.56〜58,64〜68では、スラブ表面に割れは認められず、鋼板の表面欠陥個数はそれぞれ0.10〜0.14個/m2、0.09〜0.15個/m2 と低く、製品の表面品質は極めて良好であった。スラブ表面判定が「許容」であった鋼板No.55,59及び鋼板No.63,69では、スラブに若干の割れが発生したものの、鋼板の表面欠陥個数は、それぞれ0.20〜0.22個/m2、0.17〜0.24個/m2 であり、目標値の0.3個/m2 以下を達成していた。
これに対して、鋳造速度が本発明範囲外にある鋼板No.54,60,61、及び、比水量が本発明範囲外にある鋼板No.62,70〜72では、スラブ表面性状は悪く、鋼板の表面欠陥個数は、それぞれ0.32〜0.53個/m2、0.35〜0.43個/m2 と多く、表面品質は満足できるものではなかった。
スラブ表面性状に及ぼすスラブ中のAl含有量とN含有量との比及び鋳造速度の影響を示す図である。 スラブ表面性状に及ぼす鋳造速度及び比水量の影響を示す図である。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:1.0%以下、Mn:0.5〜3.0%、P:0.1%以下、S:0.02%以下、Al:0.2%以下、N:0.006%以下を含有し、Al含有量及びN含有量で規定される(14/27)×(%Al/%N)が50以下であり、残部がFe及び不可避的不純物よりなる溶鋼を、前記Al含有量及びN含有量で規定される下記の(1)式を満足する鋳造速度で鋳造するとともに、該鋳造速度で規定される下記の(2)式を満足する比水量で二次冷却帯をスプレー冷却することを特徴とする、連続鋳造スラブの製造方法。
    1.5≦Vc≦4.0-0.68×log[(14/27)×(%Al/%N)] …(1)
    1.0≦Q≦2.5+Vc/1.5 …(2)
    但し、(1)式及び(2)式において、Vcは鋳造速度(m/min)、Qは二次冷却帯における比水量(リットル/kg)、%Alは溶鋼のAl含有量、%Nは溶鋼のN含有量である。
  2. 前記溶鋼は、更に、質量%で、Cr:0.02〜1.5%、V:0.003〜0.1%、Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.01〜0.08%、Ti:0.01〜0.08%、B:0.0002〜0.003%の群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造スラブの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の連続鋳造スラブの製造方法で製造された連続鋳造スラブを熱間圧延し、700℃以下の温度で巻取る熱間圧延工程を有することを特徴とする、高張力熱延鋼板の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の連続鋳造スラブの製造方法で製造された連続鋳造スラブを熱間圧延し、700℃以下の温度で巻取る熱間圧延工程と、前記熱間圧延工程により得られた熱間圧延鋼板を酸洗する酸洗工程と、該酸洗工程により得られた酸洗鋼板の表面に亜鉛系めっき皮膜をするめっき工程を有することを特徴とする、高張力亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載の連続鋳造スラブの製造方法で製造された連続鋳造スラブを熱間圧延する熱間圧延工程と、該熱間圧延工程により得られた熱間圧延鋼板を酸洗する酸洗工程と、該酸洗工程により得られた酸洗鋼板を冷間圧延する冷間圧延工程と、該冷間圧延工程により得られた冷間圧延鋼板を再結晶温度以上の温度で連続焼鈍する連続焼鈍工程と、を有することを特徴とする、高張力冷延鋼板の製造方法。
  6. 請求項1または請求項2に記載の連続鋳造スラブの製造方法で製造された連続鋳造スラブを熱間圧延する熱間圧延工程と、該熱間圧延工程により得られた熱間圧延鋼板を酸洗する酸洗工程と、該酸洗工程により得られた酸洗鋼板を冷間圧延する冷間圧延工程と、該冷間圧延工程により得られた冷間圧延鋼板を再結晶温度以上の温度で連続焼鈍する連続焼鈍工程と、該連続焼鈍工程により得られた鋼板の表面に亜鉛系めっき皮膜をするめっき工程と、を有することを特徴とする、高張力亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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