JP2007215567A - 6輪車椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】傾斜路でも直進性があり、段差の乗越え性能が高く、特に屋外で運転者が安心して支障なく使用することができる6輪車椅子を提供する。
【解決手段】本体11が、互いに回転可能に取り付けられたシートフレーム21aとリンク21bとを有している。各前輪12および各後輪13が、全方向移動車輪から成り、それぞれシートフレーム21aおよびリンク21bに回転可能に設けられている。各中間輪14が、各前輪12と各後輪13との間で、リンク21bに回転可能に設けられている。伸縮装置17が、シートフレーム21aとリンク21bとを連結し、リンク21bに対してシートフレーム21aを回転させて、各前輪12の接地部を、各後輪13の接地部と各中間輪14の接地部とを含む平面に対し上方に位置する収縮位置と、下方に位置する伸長位置と、その平面上に位置する常位置とのいずれかに選択的に位置付けるよう伸縮可能になっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、6輪車椅子に関する。
従来、1対の大径の主輪の前後に、それぞれ1対のキャスターを設けて6輪車を構成し、主輪の軸上に運転者の重心をおく配置とすることにより、小回りが効き、前輪のキャスターを持ち上げることで段差乗越え性能を高めた6輪車椅子がある(例えば、特許文献1乃至4参照)。これら従来の6輪車椅子は、小回り性能を充分に発揮させ、キャスターの方向転換の時に一旦わずかに意図しない方向へ力が加わるのを極力回避する目的で、キャスターと主輪との間のホイールベースの距離を極限まで短縮し、かつ小径のキャスターを用いている。
特開2004−202264号公報 特開2004−113486号公報 特開2004−166772号公報 特開2002−263140号公報
元来、車輪径が大きいほど走行性が優れるが、特許文献1乃至4に記載の6輪車椅子は、キャスターが小径であるために路面の良い場所での使用に限定され、かつ、ホイールベースが短いために走行に安定感が無いことから、実用的には屋外での使用には制限があるという課題があった。段差を乗り越えるとき、ホイールベースが短いため座席を大きく後傾することになり、運転者が不安感を覚えるという課題もあった。また、前輪を段差の上に上げると座席が後傾となるために後輪に荷重がかかり、主輪と後輪とで荷重を分担して支える結果、駆動力を発揮すべき主輪に充分な接地圧力が確保できなくなって床面との間でスリップするため、スムーズに段差を乗り越えるのが困難であるという課題もあった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、傾斜路でも直進性があり、段差の乗越え性能が高く、特に屋外で運転者が安心して支障なく使用することができる6輪車椅子を提供することを目的とする。
本発明に係る6輪車椅子は、本体と1対の前輪と1対の後輪と1対の中間輪と伸縮装置とを有し、前記本体は互いに回転可能に取り付けられたシートフレームとリンクとを有し、各前輪および各後輪は複数の回転体とホイールとを有し、各回転体は、回転軸を湾曲可能な可撓性および前記回転軸に垂直な方向に撓み抵抗性を有する強度異方性の構造体を有し、複数で前記ホイールの外周をリング状に包囲するよう、それぞれ湾曲して前記ホイールの回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能に各回転体の回転軸方向に圧縮されて前記ホイールに設けられ、各前輪は前記シートフレームに回転可能に設けられ、各後輪は前記リンクに回転可能に設けられ、各中間輪は前記リンクに回転可能に設けられ、各前輪、各後輪および各中間輪はそれぞれの回転軸が前記リンクに対する前記シートフレームの回転軸に平行になり、各前輪と各後輪との間に各中間輪が位置するよう前記本体に配置され、前記伸縮装置は前記シートフレームと前記リンクとを連結するよう設けられ、前記リンクに対して前記シートフレームを回転させて、各前輪の接地部を各後輪の接地部と各中間輪の接地部とを含む平面に対し上方に位置する収縮位置と前記平面に対し下方に位置する伸長位置と前記平面上に位置する常位置とのいずれかに選択的に位置付けるよう伸縮可能であることを、特徴とする。
伸縮装置は、シリンダと、シリンダの先端から進退可能なロッドとから成ることが好ましい。この場合、シリンダの後端またはロッドの先端の一方がシートフレームに、他方がリンクに、それぞれリンクに対するシートフレームの回転軸に平行な軸を中心として回転可能に取り付けられていることが好ましい。
本発明に係る6輪車椅子では、各前輪および各後輪が全方向移動車輪から成り、各前輪および各後輪の各回転体がそれぞれホイールの回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能にホイールに設けられているため、各回転体をホイールの回転方向に対して垂直方向に回転させることができる。これにより、回転軸を固定しても任意の方向に方向転換することができる。このため、各前輪、各後輪および各中間輪の径を大きくして走行性を確保し、かつホイールベースをある程度長くして走行安定性を確保しても、キャスターのように意図しない方向へ移動する迷走がなく、あるいはキャスターの車輪の向きが揃わないために動き出しが困難であったり、時にデッドロックしたりするような現象も回避でき、スムーズに小回りが効く乗り心地を得ることができる。また、ホイールベースを長くしてすわりを広くすることにより、安定感が得られるため、屋外でも運転者が安心して支障なく使用することができる。
本発明に係る6輪車椅子は、各前輪および各後輪の一方または両方が動力または手動で回転駆動可能であることが好ましい。この構成は、全方向移動車輪を用いることによって、初めて簡便に実現するものである。特に、本発明に係る6輪車椅子は、各前輪の回転軸と各中間輪の回転軸との間、および各後輪の回転軸と各中間輪の回転軸との間に、それぞれベルトが巻き掛けられていることが好ましい。各前輪および各後輪は車輪姿勢が変らないため、各中間輪との間に容易にベルトを巻き掛けることが可能である。このベルト式の場合、各中間輪を回転させることにより、ベルトを介して各前輪および各後輪を回転させることができる。ベルト式では、段差を乗り越えるとき、まず、伸縮装置を収縮位置に位置付けることにより、各前輪の接地部を、各後輪の接地部と各中間輪の接地部とを含む平面上に位置する常位置から、その平面に対し上方側に位置させる。これにより、段差越えに必要なだけ各前輪を持ち上げることができる。このとき、ホイールベースを長くとることにより、座席の後傾を小さくすることができるため、運転者に不安感を与えにくくなっている。持ち上げた各前輪を段差の上に載せた後、伸縮装置を伸長位置に位置付けることにより、各前輪の接地部を各後輪の設置部と各中間輪の接地部とを含む平面より下方側に位置させることで、各前輪と各後輪とで本体を支持し、各中間輪が浮いた状態になる。このとき、各中間輪を回転させることにより、各前輪および各後輪を回転させることができる。こうして、運転者が安心してスムーズに段差を乗り越えることができる。
平坦地を走行するとき、伸縮装置により、各前輪の接地部を、各後輪の接地部と各中間輪の接地部とを含む平面上に位置する常位置から、その平面に対し下方側に位置する伸長位置に位置付けることにより、各中間輪を浮き上がらせることができる。この場合、各前輪および各後輪で本体を支持する状態になるため、接地面上の全方向に移動可能にすることができる。これにより、車両のサイドスリップ(横行)動作や、屋内など狭い空間内での運動自由度の高い微妙な移動が容易となる。
本発明に係る6輪車椅子では、各前輪および各後輪の各回転体がホイールの外周をリング状に包囲するよう湾曲して設けられているため、点接触で接地することができる。このため、走行する面が平滑な一平面でなくてもよく、凹凸を有する悪路や曲面などでも走行することができる。各回転体が回転軸方向に圧縮されているため、各回転体に引張応力が加わるときに比べ、その耐久性を向上させることができる。また、接地面からの反力で、各回転体が回転軸方向に変位したり、回転軸の湾曲のたわみ量が変化したりするのを抑制することもできる。
各回転体が回転軸を湾曲可能な可撓性を有しているため、各回転体を概ね円筒状に形成しても、ホイールの外周をリング状に形成することができる。このため、各回転体の回転軸方向で外径が変化せず、各前輪または各後輪が横行する走行面上にある障害物の乗越えは、常に各回転体の最大径の部分によって行われ、各回転体の最大の乗越え性能が常に発揮される。このように、各回転体の回転軸方向の位置によらず、横行する走行面上にある障害物の乗越え性能が高い。
本発明に係る6輪車椅子で、伸縮装置は、てこの原理を利用した手動レバーから成っていてもよく、電動式車椅子の場合には、モーター・ソレノイドなどの電動アクチュエータから成っていてもよい。また、圧縮ガスボンベや手動式の空気圧ポンプを搭載し、圧縮ガス圧アクチュエータ(シリンダ)から成っていてもよい。また、油圧などの液圧を利用したアクチュエータ(油圧シリンダ)からなっていてもよい。本発明に係る6輪車椅子は、全方向移動車輪の各回転体を自在に回転させたり、各回転体が回転しないよう固定したりする制御部を有していてもよい。制御部は、手動レバーや電動スイッチなどで操作できることが好ましい。特に、制御部は、伸縮装置の操作や、各中間輪の駆動、各回転体の駆動を、全て手元で制御するよう構成されていることが好ましい。
本発明に係る6輪車椅子は、本体と1対の前輪と1対の後輪と1対の中間輪と伸縮装置とを有し、前記本体は互いに回転可能に取り付けられたシートフレームとリンクとを有し、各前輪および各後輪は複数の回転体とホイールとを有し、各回転体はコイルスプリングを弾性体で被覆して成り、回転軸を湾曲可能な可撓性を有し、複数で前記ホイールの外周をリング状に包囲するよう、それぞれ湾曲して前記ホイールの回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能に、各回転体の回転軸方向に圧縮されて前記ホイールに設けられ、前記ホイールは各回転体の両端を回転可能に支持する回転体支持部を有し、各前輪は前記シートフレームに回転可能に設けられ、各後輪は前記リンクに回転可能に設けられ、各中間輪は前記リンクに回転可能に設けられ、各前輪、各後輪および各中間輪はそれぞれの回転軸が前記リンクに対する前記シートフレームの回転軸に平行になり、各前輪と各後輪との間に各中間輪が位置するよう前記本体に配置され、前記伸縮装置は前記シートフレームと前記リンクとを連結するよう設けられ、前記リンクに対して前記シートフレームを回転させて、各前輪の接地部を各後輪の接地部と各中間輪の接地部とを含む平面に対し上方に位置する収縮位置と前記平面に対し下方に位置する伸長位置と前記平面上に位置する常位置とのいずれかに選択的に位置付けるよう伸縮可能であってもよい。この場合、各前輪および各後輪の各回転体に荷重が加えられたとき、回転体支持部により、その回転軸の変位を乗り心地に影響しないよう小さくすることができる。また、回転軸の曲率を概ね維持したまま、各回転体を回転させることができる。
本発明に係る6輪車椅子は、各中間輪の前側の一部が各前輪の外側に配置され、各中間輪の後側の一部が各後輪の外側に配置されていてもよい。この場合、各前輪、各中間輪および各後輪の左右をそれぞれ1列に配置する場合に比べて、全長を短くすることができ、屋内での取回し性を向上させることができる。各前輪および各後輪が回転軸を固定した状態で任意の方向に方向転換可能であるため、カーブする場合にも支障なく実用的に使用することができる。
本発明に係る6輪車椅子で、前記伸縮装置はダンパーを有することが好ましい。この場合、ダンパーにより路面の凹凸を吸収して、各前輪の接地を確保することができる。
本発明に係る6輪車椅子で、各中間輪は各前輪および各後輪に比べて大径であって、前記本体に運転者が乗った状態で各中間輪の回転軸上に重心が位置することが好ましい。この場合、走行性や屋外での走行安定性をより向上させることができる。また、路面に横方向傾斜がある場合、通常の四輪車椅子では、前輪と後輪との間に運転者の重心があるため、前輪または後輪の固定輪の進行方向を斜面下方に曲げるモーメント効果が発生する。これに対し、本発明に係る6輪車椅子では、重心が各中間輪の回転軸上にあるため、そのモーメント効果を著しく小さく押えることができ、傾斜方向に曲がって進む現象を大幅に軽減することができる。このように、路面の傾斜状態によらず、直進性が発揮されるため、非力な操作者の介助によるときでも、運転者に安心感を与えることができる。
本発明によれば、傾斜路でも直進性があり、段差の乗越え性能が高く、特に屋外で運転者が安心して支障なく使用することができる6輪車椅子を提供することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図6は、本発明の実施の形態の6輪車椅子を示している。
図1に示すように、6輪車椅子10は、本体11と1対の前輪12と1対の後輪13と1対の中間輪14と1対の前輪駆動ベルト15と1対の後輪駆動ベルト16と伸縮装置17とを有している。
図1に示すように、本体11は、互いに回転可能に取り付けられたシートフレーム21aとリンク21bとを有している。シートフレーム21aは、座席シート22と背部フレーム23と介助用操作グリップ24と肘掛け25とフットフレーム26とフットレスト27とを有している。座席シート22は、下面の中央に、下方に突出する軸取付部22aを有している。背部フレーム23は、座席シート22の後端に、上方に伸びて設けられている。背部フレーム23は、中央付近に、後方に突出するシート側取付部23aを有している。背部フレーム23は、やや後方に傾いており、背もたれ23bが取り付けられている。介助用操作グリップ24は、背部フレーム23の上端に、介助者の腰から胸の間の高さで後方に突出して設けられている。肘掛け25は、背部フレーム23のシート側取付部23aの反対側付近に、座席シート22とほぼ平行に、前方に伸びて設けられている。フットフレーム26は、肘掛け25の先端と座席シート22の先端とを連結し、座席シート22の下方まで伸びて設けられている。フットレスト27は、フットフレーム26の下端に、座席シート22とほぼ平行に設けられている。
リンク21bは、棒状部材28と中間輪取付部29と後輪取付部30とを有している。棒状部材28は、一端に、突出する車輪側取付部28aを有している。中間輪取付部29は、棒状部材28の他端に、突出して設けられている。後輪取付部30は、棒状部材28の一端に、突出して設けられている。リンク21bは、棒状部材28の他端を前方にし、中間輪取付部29でシートフレーム21aの軸取付部22aに回転可能に接続されている。これにより、本体11は、軸取付部22aと中間輪取付部29との接続部を回転軸21cとして、シートフレーム21aおよびリンク21bが互いに回転するようになっている。
図2に示すように、各前輪12および各後輪13は、全方向移動車輪から成り、ホイール31と複数の回転体32とを有している。ホイール31は、金属製またはプラスチック製で、ホイール本体33と、ホイール本体33の外周に放射状に固定された複数の回転体支持部34とを有している。各回転体32は、コイルスプリング32aから成る構造体を、弾性体32bで被覆して成っている。コイルスプリング32aは、強度異方性の構造体で、回転軸を湾曲可能な可撓性および回転軸に垂直な方向に撓み抵抗性を有している。各回転体32は、各回転体32の回転軸方向に圧縮され、複数でホイール31の外周をリング状に包囲するよう、それぞれ湾曲して各回転体支持部34の間に設けられている。各回転体32は、それぞれホイール31の回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能に、両端が各回転体支持部34に支持されている。各回転体32は、ホイール本体33との間に隙間を有している。
図1に示すように、各前輪12、各後輪13および各中間輪14は、それぞれの回転軸12a,13a,14aがリンク21bに対するシートフレーム21aの回転軸21cに平行になり、各前輪12と各後輪13との間に各中間輪14が位置するよう本体11に配置されている。各前輪12は、シートフレーム21aのフットレスト27とフットフレーム26との取付位置付近に、回転可能に設けられている。各後輪13は、リンク21bの後輪取付部30に回転可能に設けられている。
各中間輪14は、各前輪12および各後輪13に比べて大径であり、リンク21bの中間輪取付部29に回転可能に設けられている。各中間輪14は、その回転軸14aがリンク21bに対するシートフレーム21aの回転軸21cと一致している。各中間輪14は、それぞれ各前輪12および各後輪13の左右と一列になり、回転面が各前輪12および各後輪13のホイール31の回転面と平行になるよう配置されている。また、各中間輪14は、本体11に運転者が乗った状態で、各中間輪14の回転軸14a上に重心が位置するよう配置されている。各中間輪14は、それぞれ外側に自走用ハンドリム35を有している。自走用ハンドリム35は、各中間輪14の外径より僅かに小さい外径を有し、各中間輪14とともに同軸で回転可能に設けられている。
図1に示すように、各前輪駆動ベルト15は、各前輪12の回転軸12aと各中間輪14の回転軸14aとに巻き掛けられている。各前輪駆動ベルト15は、各中間輪14の回転を各前輪12に伝えて、各前輪12を回転させるようになっている。各後輪駆動ベルト16は、各後輪13の回転軸13aと各中間輪14の回転軸14aとに巻き掛けられている。各後輪駆動ベルト16は、各中間輪14の回転を各後輪13に伝えて、各後輪13を回転させるようになっている。
図1に示すように、伸縮装置17は、シリンダ本体36とダブルアクションシリンダロッド37とダンパー38とを有している。ダブルアクションシリンダロッド37は、シリンダ本体36の先端から進退可能となっており、シリンダ本体36とともにダブルアクションシリンダを形成している。
図3に示すように、ダンパー38は、スプリングダンパーから成り、ダブルアクションシリンダロッド37の先端に設けられている。ダンパー38は、固定カバー39と伸び側スプリング40と縮み側スプリング41とスプリング受けフランジ42と伸び側停止カラー43と縮み側停止カラー44とを有している。固定カバー39は、内部が中空の円柱形状を成し、下端がリンク21bに回転可能に取り付けられている。固定カバー39は、中心にダブルアクションシリンダロッド37が貫通されている。伸び側スプリング40は、固定カバー39のシートフレーム21a側の内壁に沿って設けられている。縮み側スプリング41は、固定カバー39のリンク21b側の内壁に沿って設けられている。スプリング受けフランジ42は、ダブルアクションシリンダロッド37に固定され、伸び側スプリング40と縮み側スプリング41とに挟まれるよう設けられ、固定カバー39の内部でシートフレーム21a側とリンク21b側とに移動可能になっている。伸び側停止カラー43は、スプリング受けフランジ42のシートフレーム21a側の、伸び側スプリング40の内側に設けられている。縮み側停止カラー44は、スプリング受けフランジ42のリンク21b側の、縮み側スプリング41の内側に設けられている。ダンパー38は、シリンダ本体36の伸縮位置によらず路面の凹凸を吸収して、各前輪12の接地を確保するよう設けられている。
図1に示すように、伸縮装置17は、シリンダ本体36の後端がシートフレーム21aのシート側取付部23aに、ダブルアクションシリンダロッド37の先端のダンパー38を構成する固定カバー39がリンク21bの車輪側取付部28aに、それぞれリンク21bに対するシートフレーム21aの回転軸21cに平行な軸を中心として回転可能に取り付けられている。伸縮装置17は、操作可能であって、リンク21bに対してシートフレーム21aを回転させて、各前輪12の接地部を各後輪13の接地部と各中間輪14の接地部とを含む平面に対し上方に位置する収縮位置と、その平面に対し下方に位置する伸長位置と、その平面上に位置する常位置とのいずれかに選択的に位置付けるよう伸縮可能になっている。これにより、リンク21bに対して相対的に各前輪12を上下に動かすことができるようになっている。
次に、作用について説明する。
図2に示すように、6輪車椅子10では、各前輪12および各後輪13が全方向移動車輪から成り、各前輪12および各後輪13の各回転体32がそれぞれホイール31の回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能にホイール31に設けられているため、各回転体32をホイール31の回転方向に対して垂直方向に回転させることができる。これにより、ホイール31の回転軸を固定しても任意の方向に方向転換することができる。このため、各前輪12、各後輪13および各中間輪14の径を大きくして走行性を確保し、かつホイールベースをある程度長くして走行安定性を確保しても、キャスターのように意図しない方向へ移動する迷走がなく、あるいはキャスターの車輪の向きが揃わないために動き出しが困難であったり、時にデッドロックしたりするような現象も回避でき、スムーズに小回りが効く乗り心地を得ることができる。また、ホイールベースを長くしてすわりを広くすることにより、安定感が得られるため、屋外でも運転者が安心して支障なく使用することができる。
段差1を乗り越えるときは、まず、図4(a)に示すように、伸縮装置17を収縮させるよう操作して、各前輪12の接地部を収縮位置に位置付ける。これにより、各前輪12を、各後輪13の接地部と各中間輪14の接地部とを含む平面上に位置する常位置から、その平面に対し上方側に位置付けて、段差1越えに必要なだけ各前輪12を持ち上げることができる。このとき、ホイールベースを長くとることにより、座席の後傾を小さくすることができるため、運転者に不安感を与えにくくなっている。持ち上げた各前輪12を段差1の上に載せた後、図4(b)に示すように、伸縮装置17を伸長させて各前輪12の接地部を伸長位置に位置付ける。これにより、各前輪12を、各後輪13の設置部と各中間輪14の接地部とを含む平面より下方側に位置付けることができる。このとき、各前輪12と各後輪13とで本体11を支持し、各中間輪14が浮いた状態になる。各前輪12と各中間輪14とに各前輪駆動ベルト15、各後輪13と各中間輪14とに各後輪駆動ベルト16がそれぞれ巻き掛けられているため、自走用ハンドリム35を回転させて各中間輪14を回転させることにより、各前輪12および各後輪13を回転させて、スムーズに段差1を乗り越えることができる。こうして、運転者が安心してスムーズに段差1を乗り越えることができる。
平坦地を全方向に移動あるいは回転するとき、図5に示すように、伸縮装置17を伸長させるよう操作して、各前輪12の接地部を伸長位置に位置付ける。これにより、各前輪12を、各後輪13の接地部と各中間輪14の接地部とを含む平面上に位置する常位置から、その平面に対し下方側に位置付けて、各中間輪14を浮き上がらせることができる。この場合、各前輪12および各後輪13で本体11を支持する状態になるため、接地面上の全方向に移動可能にすることができる。これにより、車両のサイドスリップ(横行)動作や、屋内など狭い空間内での運動自由度の高い微妙な移動が容易となる。
図1に示すように、各中間輪14が各前輪12および各後輪13に比べて大径であり、本体11に運転者が乗った状態で各中間輪14の回転軸14a上に重心が位置するため、走行性や屋外での走行安定性をより向上させることができる。また、路面に横方向傾斜がある場合、通常の四輪車椅子では、前輪と後輪との間に運転者の重心があるため、前輪または後輪の固定輪の進行方向を斜面下方に曲げるモーメント効果が発生する。これに対し、6輪車椅子10では、重心が各中間輪14の回転軸14a上にあるため、そのモーメント効果を著しく小さく押えることができ、傾斜方向に曲がって進む現象を大幅に軽減することができる。このように、路面の傾斜状態によらず、直進性が発揮されるため、非力な操作者の介助によるときでも、運転者に安心感を与えることができる。
図2に示すように、6輪車椅子10では、各前輪12および各後輪13の各回転体32がホイール31の外周をリング状に包囲するよう湾曲して設けられているため、点接触で接地することができる。このため、走行する面が平滑な一平面でなくてもよく、凹凸を有する悪路や曲面などでも走行することができる。各回転体32が回転軸方向に圧縮されているため、各回転体32に引張応力が加わるときに比べ、その耐久性を向上させることができる。また、接地面からの反力で、各回転体32が回転軸方向に変位したり、回転軸の湾曲のたわみ量が変化したりするのを抑制することもできる。さらに、各回転体32が各回転体支持部34の間に設けられているため、各回転体32に荷重が加えられたとき、その回転軸の変位を乗り心地に影響しないよう小さくすることができる。また、回転軸の曲率を概ね維持したまま、各回転体32を回転させることができる。
各回転体32が回転軸を湾曲可能な可撓性を有しているため、各回転体32を概ね円筒状に形成しても、ホイール31の外周をリング状に形成することができる。このため、各回転体32の回転軸方向で外径が変化せず、各前輪12または各後輪13が横行する走行面上にある障害物の乗越えは、常に各回転体32の最大径の部分によって行われ、各回転体32の最大の乗越え性能が常に発揮される。このように、各回転体32の回転軸方向の位置によらず、横行する走行面上にある障害物の乗越え性能が高い。
なお、図6に示すように、6輪車椅子10は、各中間輪14の前側の一部が各前輪12の外側に配置され、各中間輪14の後側の一部が各後輪13の外側に配置されていてもよい。この場合、各前輪12、各中間輪14および各後輪13の左右をそれぞれ1列に配置する場合に比べて、全長を短くすることができ、屋内での取回し性を向上させることができる。各前輪12および各後輪13が回転軸12a,13aを固定した状態で任意の方向に方向転換可能であるため、カーブする場合にも支障なく実用的に使用することができる。
また、6輪車椅子10は、電動駆動によって各中間輪14に回転力を与え、各前輪駆動ベルト15および各後輪駆動ベルト16により各前輪12および各後輪13に駆動力を伝える構成を有していてもよい。この場合、段差1の乗越し性能や凸凹道の走破性が向上する。また、既存の電動車椅子で前輪にキャスターを用いたものは、例えば車庫入れ動作などのために前後進の切替を行う時、キャスターの向きが変わる必要があるため、電動の駆動力によって思わぬ方向へ強力に横ぶれして非常に危険である。これに対し、電動駆動の6輪車椅子10では、各前輪12および各後輪13が全方向移動車輪から成るため、このような危険性を解消することができる。
本発明の実施の形態の6輪車椅子を示す(a)側面図、(b)平面図である。 図1に示す6輪車椅子の(a)前輪および後輪を示す斜視図、(b)回転体を示す縦断面図である。 図1に示す6輪車椅子のダンパーを示す縦断面図である。 図1に示す6輪車椅子の段差を乗り越えるときの(a)各前輪を段差の上に載せた使用状態を示す側面図、(b)さらに各中間輪を段差の上に載せた使用状態を示す側面図である。 図1に示す6輪車椅子の各中間輪を浮かせた使用状態を示す側面図である。 図1に示す6輪車椅子の車輪配置の変形例を示す側面図である。
符号の説明
1 段差
10 6輪車椅子
11 本体
12 前輪
13 後輪
14 中間輪
15 前輪駆動ベルト
16 後輪駆動ベルト
17 伸縮装置
21a シートフレーム
21b リンク
22 座席シート
23 背部フレーム
24 介助用操作グリップ
25 肘掛け
26 フットフレーム
27 フットレスト
28 棒状部材
29 中間輪取付部
30 後輪取付部
35 自走用ハンドリム
36 シリンダ本体
37 ダブルアクションシリンダロッド
38 ダンパー

Claims (7)

  1. 本体と1対の前輪と1対の後輪と1対の中間輪と伸縮装置とを有し、
    前記本体は互いに回転可能に取り付けられたシートフレームとリンクとを有し、
    各前輪および各後輪は複数の回転体とホイールとを有し、各回転体は、回転軸を湾曲可能な可撓性および前記回転軸に垂直な方向に撓み抵抗性を有する強度異方性の構造体を有し、複数で前記ホイールの外周をリング状に包囲するよう、それぞれ湾曲して前記ホイールの回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能に各回転体の回転軸方向に圧縮されて前記ホイールに設けられ、
    各前輪は前記シートフレームに回転可能に設けられ、
    各後輪は前記リンクに回転可能に設けられ、
    各中間輪は前記リンクに回転可能に設けられ、
    各前輪、各後輪および各中間輪はそれぞれの回転軸が前記リンクに対する前記シートフレームの回転軸に平行になり、各前輪と各後輪との間に各中間輪が位置するよう前記本体に配置され、
    前記伸縮装置は前記シートフレームと前記リンクとを連結するよう設けられ、前記リンクに対して前記シートフレームを回転させて、各前輪の接地部を各後輪の接地部と各中間輪の接地部とを含む平面に対し上方に位置する収縮位置と前記平面に対し下方に位置する伸長位置と前記平面上に位置する常位置とのいずれかに選択的に位置付けるよう伸縮可能であることを、
    特徴とする6輪車椅子。
  2. 本体と1対の前輪と1対の後輪と1対の中間輪と伸縮装置とを有し、
    前記本体は互いに回転可能に取り付けられたシートフレームとリンクとを有し、
    各前輪および各後輪は複数の回転体とホイールとを有し、各回転体はコイルスプリングを弾性体で被覆して成り、回転軸を湾曲可能な可撓性を有し、複数で前記ホイールの外周をリング状に包囲するよう、それぞれ湾曲して前記ホイールの回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能に、各回転体の回転軸方向に圧縮されて前記ホイールに設けられ、前記ホイールは各回転体の両端を回転可能に支持する回転体支持部を有し、
    各前輪は前記シートフレームに回転可能に設けられ、
    各後輪は前記リンクに回転可能に設けられ、
    各中間輪は前記リンクに回転可能に設けられ、
    各前輪、各後輪および各中間輪はそれぞれの回転軸が前記リンクに対する前記シートフレームの回転軸に平行になり、各前輪と各後輪との間に各中間輪が位置するよう前記本体に配置され、
    前記伸縮装置は前記シートフレームと前記リンクとを連結するよう設けられ、前記リンクに対して前記シートフレームを回転させて、各前輪の接地部を各後輪の接地部と各中間輪の接地部とを含む平面に対し上方に位置する収縮位置と前記平面に対し下方に位置する伸長位置と前記平面上に位置する常位置とのいずれかに選択的に位置付けるよう伸縮可能であることを、
    特徴とする6輪車椅子。
  3. 各中間輪の前側の一部が各前輪の外側に配置され、各中間輪の後側の一部が各後輪の外側に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の6輪車椅子。
  4. 前記伸縮装置はダンパーを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の6輪車椅子。
  5. 各中間輪は各前輪および各後輪に比べて大径であって、前記本体に運転者が乗った状態で各中間輪の回転軸上に重心が位置することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の6輪車椅子。
  6. 各前輪および各後輪の一方または両方が動力または手動で回転駆動可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の6輪車椅子。
  7. 各前輪の回転軸と各中間輪の回転軸との間、および各後輪の回転軸と各中間輪の回転軸との間に、それぞれベルトが巻き掛けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の6輪車椅子。
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