JP2007215084A - 信号切替装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号経路の切り替え用として、低消費電力で、かつ、高信頼度化が可能な信号切替装置を提供する。
【解決手段】2つの入力信号7,7を差動出力増幅器6,6でそれぞれ2分岐させ、一方の分岐信号を2×2スイッチ3の入力端子1,1に入力し、他方の分岐信号をレベル検出器4,4に入力してその信号レベルを検出した結果に基づいて制御装置5が2×2スイッチ3の接続状態を切り替える制御信号を出力する。ここで、2×2スイッチ3が、少なくとも2つ以上のSPDT(単極双投)スイッチからなり、各SPDTスイッチは少なくとも2つ以上のFETから構成され、前記制御信号に基づき、2つの入力端子と2つの出力端子を平行に接続したバー接続状態と、クロスして接続したクロス接続状態とのいずれかに切り替わる。また、4個の前記2×2スイッチを2個ずつ2段に縦列接続した4×4スイッチの構成も可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、信号切替装置に関し、特に、データ伝送、光通信、無線通信、および、それらのネットワークにおいて、予備伝送路へ切り替えるプロテクション機能などを提供する信号切替装置に関わる。
通信ネットワークにおいては、伝送路に障害が発生した際においても安定した通信経路を確保するために、予備伝送路を設けて現用の伝送路との間で切り替えを行うプロテクション機能を備えた信号切替装置が多用されている。特に、大容量のトラフィックが伝送される光ファイバ通信においては、プロテクション機能を適用した冗長構成の採用が必須となっている。
従来、このような光ファイバ通信におけるプロテクション機能の実現は、伝送されてきた光信号を一旦電気信号に変換してから電気段において経路切替を行うプロテクション(電気段プロテクション)が採用されていた。その理由は、障害の検出機能やスイッチ機能を実現する場合、電気処理(電子回路)の方が光処理(光デバイス)と比較して、機能性、信頼性、コスト面で優位であったことによる。これらの従来の電気的な信号処理は、特許文献1の特許第2853750号公報「現用予備切り替え伝送システム」に開示されているように、伝送されてきた光信号を低速の信号に一旦分離した後で行われることが一般的であった。
一方、近年の光デバイス技術の進展に伴い、伝送されてきた光信号を光信号のままで経路切替を行う光段プロテクション構成の導入が進められている。これらの経路切替を行う光スイッチとしては、特許文献2の特開2004−135238号公報「光分岐挿入装置」に開示されているように、微小な機械式スイッチMEMS(Micro Electro−Mechanical Systems)構成のようなものが使用されている。このような光段プロテクション構成を採用することにより、従来の電気段プロテクションと比較して、装置構成をシンプルにすることができるという効果が得られる。
特許第2853750号公報 特開2004−135238号公報
しかしながら、従来の信号切替装置については、次のような問題がある。すなわち、前記特許文献1に記載されているような電気段プロテクション構成の場合は、電気的な信号処理を、伝送されてきた光信号を低速の信号に一旦分離した後で行うような構成であるため、装置規模や消費電力が大きくなってしまうという問題点がある。さらに、信号の切替処理に使用される電気スイッチが、常時、電力を消費し続けてしまうという問題点もある。
一方、前記特許文献2に記載されているような光段プロテクション構成の場合は、機械的な動作によりON/OFFを切り替えるMEMSスイッチが使用されているため、電気回路を使用する構成と比較して、信頼性に難があるという問題点がある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、FET(Field Effect Transistor)で構成されたSPnT(n:2以上の整数、単極n投)スイッチを用いて信号経路を切り替えることにより、電力消費を低減し、かつ、部品点数を削減し、高信頼性化が可能な信号切替装置を提供することにその目的がある。
本発明は、前述の課題を解決するために、以下のごとき各技術手段から構成されている。
第1の技術手段は、2つの入力信号をさらに2つずつの分岐信号に分岐する2つの分配手段と、該分配手段それぞれから分岐される前記分岐信号のいずれか一方の分岐信号それぞれを入力する2つの入力端子と2つの出力端子とからなる2×2スイッチと、前記分岐信号の他方の分岐信号それぞれをモニタしたモニタ結果に応じて前記2×2スイッチの接続状態を切り替える制御信号を、前記2×2スイッチに出力する制御手段とを少なくとも備えている構成を有する信号切替装置であって、前記2×2スイッチが、少なくとも2つ以上のSPDT(単極双投)スイッチからなり、該SPDTスイッチそれぞれは少なくとも2つ以上のFETから構成されており、かつ、前記2×2スイッチが、前記制御手段からの前記制御信号に基づいて、第1、第2の2つの前記入力端子と第1、第2の2つの出力端子との間の接続状態を、前記第1の入力端子と前記第1の出力端子、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子とを接続した接続状態と、前記第1の入力端子と前記第2の出力端子、前記第2の入力端子と前記第1の出力端子とを接続した接続状態と、のいずれかに切り替えることを特徴とする。
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の信号切替装置において、前記制御手段が、2つの前記入力信号それぞれから分岐された前記他方の分岐信号をモニタする際に、それぞれの分岐信号の前記他方の分岐信号の信号レベルを検出し、信号レベルが高い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号の前記一方の分岐信号を入力している前記2×2スイッチの前記入力端子を、前記第1の出力端子に接続し、前記信号レベルが低い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号の前記一方の分岐信号を入力している前記2×2スイッチの前記入力端子を、前記第2の出力端子に接続する前記制御信号を、前記2×2スイッチに出力することを特徴とする。
第3の技術手段は、前記第2の技術手段に記載の信号切替装置において、前記2つの入力信号が、同一の信号源から出力されて、互いに異なる伝送路を介して当該信号切替装置に入力される場合、前記2×2スイッチの前記第1の出力端子の後段に、さらに、該第1の出力端子から出力される信号をさらに2つずつの出力分岐信号に分岐する出力分配手段を備えていることを特徴とする。
第4の技術手段は、4つの入力信号をさらに2つずつの分岐信号に分岐する4つの分配手段と、該分配手段それぞれから分岐される前記分岐信号のいずれか一方の分岐信号それぞれを入力する4つの入力端子と4つの出力端子とからなる4×4スイッチと、前記分岐信号の他方の分岐信号それぞれをモニタしたモニタ結果に応じて前記4×4スイッチの接続状態を切り替える制御信号を、前記4×4スイッチに出力する制御手段とを少なくとも備えている構成を有する信号切替装置であって、前記4×4スイッチが、4個の2入力2出力の2×2スイッチを2個ずつ2段に縦列接続することにより構成され、かつ、前記2×2スイッチそれぞれが、少なくとも2つ以上のSPDT(単極双投)スイッチからなり、該SPDTスイッチそれぞれは少なくとも2つ以上のFETから構成されており、かつ、前記4×4スイッチは、該4×4スイッチの入力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチのうち、一方の2×2スイッチの2つの出力端子が、該4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチそれぞれのいずれか一方の入力端子とそれぞれ接続され、該4×4スイッチの入力端子側に配置した他方の2×2スイッチの2つの出力端子が、該4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチそれぞれの他方の入力端子とそれぞれ接続される構成を有し、前記2×2スイッチそれぞれが、前記制御手段からの前記制御信号に基づいて、第1、第2の2つの前記入力端子と第1、第2の2つの出力端子との間の接続状態を、前記第1の入力端子と前記第1の出力端子、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子とを接続した接続状態と、前記第1の入力端子と前記第2の出力端子、前記第2の入力端子と前記第1の出力端子とを接続した接続状態と、のいずれかに切り替えることを特徴とする。
第5の技術手段は、前記第4の技術手段に記載の信号切替装置において、前記制御手段が、4つの前記入力信号それぞれから分岐された前記他方の分岐信号をモニタする際に、4つの前記入力信号のうち、前記4×4スイッチの入力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチごとにそれぞれに入力される2個ずつの入力信号について、それぞれの前記他方の分岐信号の信号レベルをそれぞれモニタし、信号レベルが高い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号それぞれの前記一方の分岐信号を入力している2個の前記2×2スイッチの前記入力端子それぞれを、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチの前記第1の出力端子に接続し、信号レベルが低い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号それぞれの前記一方の分岐信号を入力している2個の前記2×2スイッチの前記入力端子それぞれを、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチの前記第2の出力端子に接続する前記制御信号を、前記4×4スイッチに出力することを特徴とする。
第6の技術手段は、前記第5の技術手段に記載の信号切替装置において、前記他方の分岐信号の信号レベルの比較対象となる分岐元の2個ずつの前記入力信号が、それぞれ、同一の信号源から出力されて、互いに異なる伝送路を介して当該信号切替装置に入力される場合、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチそれぞれの前記第1の出力端子の後段に、さらに、該第1の出力端子から出力される信号をさらに2つずつの出力分岐信号に分岐する出力分配手段を備えていることを特徴とする。
第7の技術手段は、前記第4の技術手段に記載の信号切替装置において、前記制御手段が、4つの前記入力信号それぞれから分岐された前記他方の分岐信号をモニタする際に、4つの前記入力信号のうち、前記4×4スイッチの入力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチごとにそれぞれに入力される2個ずつの入力信号について、それぞれの前記他方の分岐信号の信号レベルをそれぞれ検出し、信号レベルが高い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号それぞれの前記一方の分岐信号を入力している2個の前記2×2スイッチの前記入力端子それぞれを、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチのいずれか一方の第1の2×2スイッチの2つの出力端子それぞれに接続し、信号レベルが低い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号それぞれの前記一方の分岐信号を入力している2個の前記2×2スイッチの前記入力端子それぞれを、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチの他方の第2の2×2スイッチの2つの出力端子それぞれに接続する前記制御信号を、前記4×4スイッチに出力することを特徴とする。
第8の技術手段は、前記第7の技術手段に記載の信号切替装置において、前記他方の分岐信号の信号レベルの比較対象となる分岐元の2個ずつの前記入力信号が、それぞれ、同一の信号源から出力されて、互いに異なる伝送路を介して当該信号切替装置に入力される場合、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチのうち、信号レベルが高い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号それぞれの前記一方の分岐信号を入力している2個の前記2×2スイッチの前記入力端子それぞれを接続する前記第1の2×2スイッチの2つの出力端子それぞれの後段に、さらに、該出力端子それぞれから出力される信号をさらに2つずつの出力分岐信号に分岐する出力分配手段を備えていることを特徴とする。
第9の技術手段は、前記第4ないし第8の技術手段に記載の信号切替装置において、前記4×4スイッチを構成する場合、少なくとも2個以上のSPDTスイッチからなる2×2スイッチを複数個用いる代わりに、少なくとも4個以上のSP4T(単極4投)スイッチを用いて前記4×4スイッチを構成し、該SP4Tスイッチそれぞれは少なくとも4個以上のFETから構成されていることを特徴とする。
第10の技術手段は、前記第1ないし第9の技術手段のいずれかに記載の信号切替装置において、前記2×2スイッチまたは前記4×4スイッチの出力端子すべての後段に、各出力端子それぞれから出力される信号をさらに2つずつの出力分岐信号に分岐する出力分配手段をそれぞれ備えていることを特徴とする。
第11の技術手段は、前記第1ないし第10の技術手段のいずれかに記載の信号切替装置において、前記分配手段それぞれの前段に、光信号を電気信号に変換するO/Eコンバータを備え、および/または、前記2×2スイッチまたは前記4×4スイッチの出力端子あるいは前記出力分配手段の後段に、電気信号を光信号に変換するE/Oコンバータを備えていることを特徴とする。
第12の技術手段は、前記第1ないし第11の技術手段のいずれかに記載の信号切替装置において、前記分配手段および/または前記出力分配手段が、1つの信号を、2つの差動構成の分岐信号に増幅して分岐する差動出力増幅器、あるいは、2つの同相の分岐信号に増幅して分岐する2出力増幅器のいずれかにより構成されていることを特徴とする。
本発明に係わる信号切替装置によれば、FETで構成されたSPnT(n:2以上の整数、単極n投)スイッチを用いて信号経路を切り替える構成を採用しているので、以下のごとき効果を奏することができる。
本発明に係わる信号切替装置では、前述のように、スイッチ部にFETで構成されたSPnTスイッチを採用することにより、切替時・非切替時を問わず、当該スイッチ部の消費電力を、常時、ゼロにすることが可能であり、消費電力を低減することができる。また、当該スイッチ部をアナログ回路のみの電子集積回路によって構成することができるので、部品点数を削減することが可能であり、信頼性を向上させることができる。
また、入力信号の信号レベルの検出など、入力信号をモニタするために、入力信号を分岐させる分配手段(すなわち分岐回路)として、2出力の差動出力増幅器や2出力増幅器を適用することにより、スイッチ部や伝送路における信号の損失を補償することも可能である。もって、たとえば、同一信号源から出力されて、現用側と予備側とで別々の伝送路を介して伝送されてきた信号を、それぞれ、電気段で、差動出力増幅器により増幅しながら2分岐し、この分岐された信号それぞれの信号レベルをモニタして、信号レベルが高い方の入力信号を増幅して現用回線に出力するように切替制御することが可能である。
以下に、本発明に係わる信号切替装置の最良の実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係わる信号切替装置の第1の実施形態の構成例を示す構成図である。
図1に示す信号切替装置100は、2つの入力端子と2つの出力端子からなる2×2スイッチ3と、2つの差動出力増幅器6,6と、2つのレベル検出器4,4と、2×2スイッチ3を制御するための制御手段である制御装置5とにより構成されている。本信号切替装置100においては、入力信号7,7の2つの信号が差動出力増幅器6,6それぞれに入力される。これらの入力信号7,7は、差動出力増幅器6,6により増幅されるとともに、それぞれ、2つずつの信号に分配される。すなわち、2つの差動出力増幅器6,6は、2つの入力信号7,7それぞれを、さらに2つずつの分岐信号に分岐する分配手段を提供している。
差動出力増幅器6により2つに分岐された分岐信号の一方は、2×2スイッチ3の入力端子1に入力され、他方はレベル検出器4に入力される。一方、差動出力増幅器6により2つに分岐された分岐信号の一方は、2×2スイッチ3の入力端子1に入力され、他方はレベル検出器4に入力される。ここに、2つの入力信号7,7が差動出力増幅器6,6によりそれぞれ2つに分岐された分岐信号の他方の信号をモニタするモニタ手段として、2つのレベル検出器4,4を用いて、入力された分岐信号の他方の信号ひいては入力信号7,7の信号レベルをそれぞれ検出する場合を示しているが、本発明は、かかる場合に限るものではなく、入力された分岐信号の他方の信号ひいては入力信号7,7をモニタするものであれば、周波数や時間的な変位など、如何なるものを対象としてもかまわない。
制御装置5においては、レベル検出器4,4によってそれぞれ検出された差動出力増幅器6,6からの信号のレベルに応じて、2×2スイッチ3の接続状態を切り替え制御するための制御信号が生成される。この制御信号が2×2スイッチ3に出力されることにより、2×2スイッチ3の通過状態(接続状態)を、入力端子1と出力端子2、入力端子1と出力端子2を平行に接続するバー状態と、入力端子1と出力端子2、入力端子1と出力端子2をクロスして接続するクロス状態とのいずれかに切り替える。
この結果、入力信号7,7すなわち差動出力増幅器6,6からの一方の分岐信号は、バー状態の出力信号12,12としてそのまま出力されるか、あるいは、クロス状態の出力信号12,12として切り替えて出力される。
ここで、入力信号7,7の2つの信号が、同一信号源からの同一の信号であり、互いに異なる伝送路を経由して本信号切替装置100に入力される信号であった場合、制御装置5において、レベル検出器4,4からのそれぞれ信号のレベルすなわち入力信号7,7の信号レベルのうち、信号レベルが高い方の入力信号を、出力端子2に出力し、信号レベルが低い方の入力信号を、出力端子2に出力するように、2×2スイッチ3の通過状態を制御することにし、かつ、出力端子2からの出力信号12を現用回線に送信するように構成すれば、本信号切替装置100をプロテクションスイッチとして動作させることが可能である。
たとえば、同一の信号である入力信号7,7を伝送してくる信号の伝送路のうち、いずれか一方の伝送路が断状態になるような故障が発生していた場合に、入力信号7,7のうちいずれか信号レベルが高い方の入力信号を、現用回線側が接続されている出力端子2からの出力信号12として出力することができる。
なお、このように、信号レベルが高い方の入力信号を、特定の出力端子たとえば出力端子2からの出力信号12として出力する場合は、前述のような、同一の信号源から出力されてくる同一の信号の場合に限るものではなく、2つの入力信号7,7が、如何なる信号源から入力される場合であってもかまわない。
また、このような2×2スイッチ3は、好ましくは、少なくとも2つ以上のSPDT(Single Pole Double Throw:単極双投)スイッチを用いて構成され、各SPDTスイッチが、少なくとも2つ以上のFET(Field Effect Transistor)のソース/ドレインを入出力端子とし、ゲートバイアスによりON/OFFを切り替えることによって実現されていることが望ましく、たとえば、図2に示したような、2つのSPDTスイッチ11,11を用いて実現しても良い。
ここに、図2は、図1の信号切替装置100中の2×2スイッチ3の一構成例を示す回路図であり、2つのSPDTスイッチ11,11を用いて実現している例を示している。なお、2つのSPDTスイッチ11,11それぞれは、少なくとも2つ以上のFETを用いて構成すれば良いが、図2に示す例では、2つのSPDTスイッチ11,11それぞれが、2個ずつのFET811,812、FET821,822を用いて構成している場合を示している。
ここで、図1に示す制御装置5からの制御信号を、2値の相補的な電圧として、図2に示す2×2スイッチ3の2つの制御端子10,10それぞれに入力するように構成すれば、2×2スイッチ3の通過状態をバー状態とクロス状態とのいずれかに切り替えることができる。
たとえば、2つの制御端子10,10それぞれにHighレベル、Lowレベルの電圧を制御装置5からの制御信号として印加した場合は、図2のSPDTスイッチ11のFET811がON、FET812がOFFとなり、入力端子1と出力端子2とが接続された状態になり、一方、SPDTスイッチ11のFET821がON、FET822がOFFとなり、入力端子1と出力端子2とが接続されたバー状態になる。
逆に、2つの制御端子10,10それぞれにLowレベル、Highレベルの電圧を制御装置5からの制御信号として印加した場合は、図2のSPDTスイッチ11のFET811がOFF、FET812がONとなり、入力端子1と出力端子2とが接続された状態になり、一方、SPDTスイッチ11のFET821がOFF、FET822がONとなり、入力端子1と出力端子2とが接続されたクロス状態になる。
以上のように、図2に示すようなFETから構成される2×2スイッチ3においては、信号切替時も含めて、常時、消費電力がゼロであるため、前記特許文献1のような従来の低速に分離してから電気段のスイッチを適用する構成と比較して、プロテクションスイッチなどに用いる信号切替装置100の低消費電力化を図ることができる。
さらには、アナログ回路のみの電子集積回路によって2×2スイッチを構成することができるので、部品点数を削減することが可能であり、スイッチ自体の高信頼化も達成することができる。また、入力信号7,7の信号レベルを検出するためにレベル検出器4,4へ入力信号7,7を分岐させる分岐回路として、差動出力増幅器6,6を適用することにより、2×2スイッチ3や伝送路における損失を補償することも可能になっている。さらに、ベースバンド信号から無線周波数帯の信号まで様々な広帯域/高周波信号への対応も容易になる。
[第2の実施形態]
図3は、本発明に係わる信号切替装置の第2の実施形態の構成例を示す構成図である。
図3に示す信号切替装置101は、図1に例示した信号切替装置100中の2×2スイッチ3の出力端子2にさらに差動出力増幅器6を備え、一方、出力端子2には、出力信号を終端させるための終端抵抗として、抵抗9を備えた構成となっている。ここで、差動出力増幅器6は、出力端子2から出力される信号を、増幅しながら、2つの出力分岐信号に分岐するための出力分配手段として機能している。
信号切替装置101においては、制御装置5において、レベル検出器4,4からのそれぞれ信号のレベルすなわち入力信号7,7の信号レベルのうち、信号レベルが高い方の入力信号を、出力端子2に出力するように、2×2スイッチ3の通過状態を制御し、2×2スイッチ3の出力端子2からの出力信号を差動出力増幅器6で出力信号12と出力信号12とに2分岐して、出力信号12を現用回線に、出力信号12を予備回線に送信するように構成するようにすれば、本信号切替装置101を1:1プロテクションスイッチとして動作させるように構成することができる。
図4は、図3に示した実施形態の変型例を示している。図4の信号切替装置101Aの構成例では、2×2スイッチ3の入力側となる差動出力増幅器6,6の前段に、光信号を電気信号に変換するO/Eコンバータ14,14を、また、2×2スイッチ3の出力側となる差動出力増幅器6の後段に、電気信号を光信号に変換するE/Oコンバータ15,15をそれぞれ備えることにより、本信号切替装置101Aを、光ファイバ13〜13からなる光ネットワーク中に配置することが可能になっている。
ここで、本発明に係わる信号切替装置は、図4に例示した実施形態に限定されるものではない。たとえば、図1に例示した信号切替装置100の入力側となる差動出力増幅器6,6の前段と、出力側となる出力端子2,2の後段とに、O/Eコンバータ14,14とE/Oコンバータ15,15とを配置するようにしても良いし、光ネットワーク内の設置場所に応じて、O/Eコンバータ14,14とE/Oコンバータ15,15とのいずれか一方のみを配置するようにしても良い。
また、O/Eコンバータ14と差動出力増幅器6、および/または、O/Eコンバータ14と差動出力増幅器6、および/または、差動出力増幅器6とE/Oコンバータ15,15は、それぞれが必ずしも個別の部品で構成される必要はなく、モジュールや集積回路として、一体となった部品であっても構わない。また、O/Eコンバータ14,14、および/または、E/Oコンバータ15,15に、クロック・データ再生回路などを含んでも構わない。
なお、図3、図4中の2×2スイッチ3には、好ましくは、少なくとも2つ以上のSPDTスイッチを用いて構成し、各SPDTスイッチが、少なくとも2つ以上のFETのソース/ドレインを入出力端子とし、ゲートバイアスによりON/OFFを切り替えることによって実現されていることが望ましく、たとえば、図2に示したような、それぞれに2つのFETを備えた2つのSPDTスイッチ11,11を用いて実現しても良い。
かかるSPDTスイッチを用いることにより、第1の実施形態の場合と同様に、図3、図4に示す制御装置5からの制御信号を、2値の相補的な電圧として、図2に示す2×2スイッチ3の2つの制御端子10,10それぞれに入力するように構成すれば、2×2スイッチ3の通過状態をバー状態とクロス状態とのいずれかに切り替えることができる。
以上のように、図2に示すようなFETから構成される2×2スイッチ3においては、信号切替時も含めて、常時、消費電力がゼロであるため、前記特許文献1のような従来の低速に分離してから電気段のスイッチを適用する構成と比較して、プロテクションスイッチなどに用いる信号切替装置101,101Aの低消費電力化を図ることができる。
さらには、部品点数の削減によりスイッチ自体の高信頼化も達成することができる。また、入力信号7,7の信号レベルの検出など、入力信号7,7をモニタするために、入力信号7,7を分岐させる分岐回路、および、出力端子2から出力される信号を2つの出力信号12,12に分岐させる分岐回路として、入力側の分配手段である差動出力増幅器6,6、および、出力側の出力分配手段である差動出力増幅器6をそれぞれ適用することにより、2×2スイッチ3や伝送路における損失を補償することも可能になっている。さらに、ベースバンド信号から無線周波数帯の信号まで様々な広帯域/高周波信号への対応も容易になる。
[第3の実施形態]
図5は、本発明に係わる信号切替装置の第3の実施形態の構成例を示す構成図である。
図5に示す信号切替装置102は、図1に例示した信号切替装置100中の2×2スイッチ3に代わり、4×4スイッチ16を適用し、4×4スイッチ16の入力端子1〜1毎に、差動出力増幅器6〜6とそれぞれに対応したレベル検出器4〜4とを備えた構成とされている。本信号切替装置102においては、入力信号7〜7の4つの信号が差動出力増幅器6〜6それぞれに入力される。これらの入力信号7〜7は、差動出力増幅器6〜6により増幅されるとともに、それぞれ、2つずつの信号に分配される。すなわち、4つの差動出力増幅器6〜6は、4つの入力信号7〜7それぞれを、さらに2つずつの分岐信号に分岐する分配手段を提供している。
差動出力増幅器6〜6それぞれにより2つに分岐された分岐信号の一方は、4×4スイッチ16の入力端子1〜1にそれぞれ入力され、他方は、対応するレベル検出器4〜4にそれぞれ入力される。ここに、4つの入力信号7〜7が差動出力増幅器6〜6によりそれぞれ2つに分岐された分岐信号の他方の信号をモニタするモニタ手段として、4つのレベル検出器4〜4を用いて、入力された分岐信号の他方の信号ひいては入力信号7〜7の信号レベルをそれぞれ検出する場合を示しているが、本発明は、かかる場合に限るものではなく、入力された分岐信号の他方の信号引いては入力信号7〜7をモニタするものであれば、周波数や時間的な変位など、如何なるものを対象としてもかまわない。
制御装置5においては、レベル検出器4〜4によってそれぞれ検出された差動出力増幅器6〜6からの信号のレベルに応じて、4×4スイッチ16の接続状態を切り替え制御するための制御信号が生成される。この制御信号が4×4スイッチ16に出力されることにより、4×4スイッチ16の通過状態を、たとえば、入力端子1と出力端子2、入力端子1と出力端子2を平行に、また、入力端子1と出力端子2、入力端子1と出力端子2を平行に接続するバー状態と、入力端子1と出力端子2、入力端子1と出力端子2をクロスして、また、入力端子1と出力端子2、入力端子1と出力端子2をクロスして接続するクロス状態との間で切り替える。
ここで、たとえば、入力信号7,7の2つの信号、入力信号7,7の2つの信号それぞれが、同一の信号源からの同一の信号であり、入力信号7,7の2つの信号が上り回線を経由して入力される信号であり、一方、入力信号7,7の2つの信号が下り回線を経由して入力される信号であり、かつ、入力信号7,7それぞれ、および、入力信号7,7それぞれで、互いに異なる伝送路を経由して本信号切替装置102に入力される信号であった場合について説明する。
制御装置5において、上り回線の信号については、レベル検出器4,4からのそれぞれ信号のレベルすなわち入力信号7,7の信号レベルのうち、信号レベルが高い方の入力信号を、出力端子2に出力し、信号レベルが低い方の入力信号を、出力端子2に出力するように、4×4スイッチ16の通過状態を制御することにし、一方、下り回線の信号については、レベル検出器4,4からのそれぞれ信号のレベルすなわち入力信号7,7の信号レベルのうち、信号レベルが高い方の入力信号を、出力端子2に出力し、信号レベルが低い方の入力信号を、出力端子2に出力するように、4×4スイッチ16の通過状態を制御することにする。
かかる通過状態の制御を行う場合に、出力端子2,2それぞれからの出力信号12,12を上り回線、下り回線の現用回線にそれぞれ送信するように構成すれば、本信号切替装置102を上り回線と下り回線との両方のプロテクションスイッチとして動作させることが可能である。たとえば、上り回線の同一の信号である入力信号7,7、あるいは、下り回線の同一の信号である入力信号7,7を伝送してくる信号の伝送路のうち、いずれかの伝送路が断状態になるような故障が発生していた場合に、上り回線の入力信号7,7、あるいは、下り回線の入力信号7,7のうち、いずれか信号レベルが高い方の入力信号を、上り回線あるいは下り回線それぞれの現用回線側が接続されている出力端子2からの出力信号12、あるいは、出力端子2からの出力信号12として出力することができる。
なお、図5中の4×4スイッチ16は、少なくとも4つ以上のSP4T(単極4投)スイッチを用い、各SP4Tスイッチを、少なくとも4つ以上のFETによって構成するようにしても良いし、より好ましくは、少なくとも2つ以上のSPDTスイッチを用いて構成される2×2スイッチを複数個(たとえば4個)用いて構成し、各SPDTスイッチが、少なくとも2つ以上のFETのソース/ドレインを入出力端子とし、ゲートバイアスによりON/OFFを切り替えることによって実現されていることが望ましく、たとえば、図2に示したような、それぞれに2つのFETを備えた2つのSPDTスイッチ11,11からなる2×2スイッチ3を複数用いて実現しても良い。
図6は、図5に示した実施形態の変型例を示している。図6の信号切替装置102Aの構成例は、図5に例示した信号切替装置102に対して、図3の信号切替装置101の場合と同様に、さらに、4×4スイッチ16の出力端子2,2に差動出力増幅器6,6をそれぞれ備え、一方、出力端子2,2には、出力信号を終端させるための終端抵抗として、抵抗9,9をそれぞれ備えた構成となっている。ここで、差動出力増幅器6,6それぞれは、出力端子2,2から出力される信号を、増幅しながら、2つの出力分岐信号に分岐するための出力分配手段として機能している。
このように、4×4スイッチ16の出力端子2および出力端子2からそれぞれ出力される信号を、差動出力増幅器6および差動出力増幅器6により、それぞれ、出力信号12,12および出力信号12,12の2つずつの信号に2分岐し、出力信号12と出力信号12とを、それぞれ、上り回線と下り回線との現用回線に、一方、出力信号12と出力信号12とを、それぞれ、上り回線と下り回線との予備回線に送信するようにすれば、本信号切替装置102Aを上り回線と下り回線との両方の1:1プロテクションスイッチとして動作させるように構成することができる。
なお、図6中の4×4スイッチ16についても、少なくとも4つ以上のSP4T(単極4投)スイッチを用い、各SP4Tスイッチを、少なくとも4つ以上のFETによって構成するようにしても良いし、より好ましくは、少なくとも2つ以上のSPDTスイッチを用いて構成される2×2スイッチを複数用いて構成し、各SPDTスイッチが、少なくとも2つ以上のFETのソース/ドレインを入出力端子とし、ゲートバイアスによりON/OFFを切り替えることによって実現されていることが望ましく、たとえば、図2に示したような、それぞれに2つのFETを備えた2つのSPDTスイッチ11,11からなる2×2スイッチ3を複数用いて実現しても良い。
ここで、4×4スイッチ16の最もシンプルな構成は、図2に示すような2×2スイッチを4個用い、4個の2×2スイッチを、図7や図8に例示するように、2個ずつ2段に縦列接続した構成である。図7は、図5または図6の信号切替装置102または102A中の4×4スイッチの一構成例を示す構成図であり、図8は、図5または図6の信号切替装置102または102A中の4×4スイッチの他の構成例を示す構成図である。
図7の4×4スイッチ16や図8の4×4スイッチ16Aに例示する場合においては、4個の2×2スイッチ3〜3を2個ずつ2段に縦列接続して構成し、かつ、4×4スイッチ16,16Aの入力端子1〜1側に配置した2個の2×2スイッチ3,3のうち、一方の2×2スイッチ3の2つの出力端子が、4×4スイッチ16,16Aの出力端子2〜2側に配置した2個の2×2スイッチ3,3それぞれのいずれか一方の入力端子とそれぞれ接続され、4×4スイッチ16,16Aの入力端子1〜1側に配置した他方の2×2スイッチ3の2つの出力端子が、4×4スイッチ16,16Aの出力端子2〜2側に配置した2個の2×2スイッチ3,3それぞれの他方の入力端子とそれぞれ接続される構成としている。
このような4×4スイッチ16,16Aを構成する4個の2×2スイッチ3〜3それぞれが、制御装置5からの制御信号に基づいて、第1、第2の2つの入力端子と第1、第2の2つの出力端子との間の接続状態を、第1の入力端子と第1の出力端子、第2の入力端子と第2の出力端子とを平行に接続したバー状態と、第1の入力端子と第2の出力端子、第2の入力端子と第1の出力端子とをクロスして接続したクロス状態と、のいずれかに切り替えられることにより、4個の入力端子1〜1と4個の出力端子2〜2との間の接続状態が指示された状態に切り替えられるようになる。
次に、入力端子1〜1側に配置した一方の2×2スイッチであるスイッチ3に対応する入力端子1,1にそれぞれ入力される入力信号が、上り回線用の同一の信号であり、一方、他方のスイッチ3に対応する入力端子1,1にそれぞれ入力される入力信号が、下り回線用の同一の信号であり、かつ、出力端子2,2にはそれぞれ上り、下り回線用の現用回線側が接続され、一方、出力端子2,2にはそれぞれ上り、下り回線用の予備回線側が接続されている場合を例にとって、図7の4×4スイッチ16や図8の4×4スイッチ16Aの構成例についてさらに説明する。
図7の4×4スイッチ16の場合のように、出力端子を図の上から出力端子2,2,2,2のように割り当てた場合や、図8の4×4スイッチ16Aの場合のように、出力端子を図の上から出力端子2,2,2,2のように割り当てた場合、制御装置5が、4つの入力信号7〜7それぞれから分岐された他方の分岐信号の信号レベルをモニタする際に、4つの入力信号7〜7のうち、4×4スイッチ16の入力端子1〜1側に配置した2個の2×2スイッチ3,3ごとにそれぞれに入力される2個ずつの入力信号(すなわち、上り回線と下り回線との2個ずつの入力信号)について、差動出力増幅器6〜6それぞれで分岐した他方の分岐信号の信号レベルをそれぞれモニタする。
信号レベルをモニタした結果として、信号レベルが高い方の他方の分岐信号に分岐された入力信号それぞれの一方の分岐信号を入力している2個の2×2スイッチ3,3の入力端子それぞれを(たとえば、入力信号7,7から差動出力増幅器6,6により分岐してレベル検出器4,4に入力した他方の分岐信号の信号レベルが、入力信号7,7のそれよりもそれぞれ高い場合、入力信号7,7から分岐して4×4スイッチ16,16Aに入力される一方の分岐信号それぞれを)、4×4スイッチ16,16Aの出力端子2〜2側に配置した2個の2×2スイッチ3,3のいずれか一方の第1の2×2スイッチ(図7、図8の場合は、2×2スイッチ3)の2つの出力端子(すなわち4×4スイッチ16,16Aにおいて現用回線側に接続される出力端子2,2が存在する出力端子)それぞれに接続する制御信号が、制御装置5から4×4スイッチ16,16Aに出力される。
一方、信号レベルが低い方の他方の分岐信号に分岐された入力信号それぞれの一方の分岐信号を入力している2個の2×2スイッチ3,3の入力端子それぞれを(たとえば、入力信号7,7から差動出力増幅器6,6により分岐してレベル検出器4,4に入力した他方の分岐信号の信号レベルが、入力信号7,7のそれよりもそれぞれ低い場合、入力信号7,7から分岐して4×4スイッチ16,16Aに入力される一方の分岐信号それぞれを)、4×4スイッチ16,16Aの出力端子2〜2側に配置した2個の2×2スイッチ3,3の他方の第2の2×2スイッチ(図7、図8の場合は、2×2スイッチ3)の2つの出力端子(すなわち4×4スイッチ16,16Aにおいて予備回線側に接続される出力端子2,2が存在する出力端子)それぞれに接続する制御信号が、制御装置5から4×4スイッチ16,16Aに出力される。
このように、図7、図8のごとき出力端子の配置においては、2×2スイッチ3の2つの出力端子が、上り回線と下り回線との現用回線側に接続される端子で、図6のように、出力端子の後段に差動出力増幅器6,6を配置する場合に該当する端子であり、一方の2×2スイッチ3の2つの出力端子が、上り回線と下り回線との予備回線側に接続される端子で、図6のように、出力端子の後段に終端抵抗の抵抗9,9を配置する場合に該当する端子であるので、4×4スイッチ16,16Aの入力端子1〜1側に配置した2×2スイッチ3と2×2スイッチ3との2つの2×2スイッチにおけるクロス状態とバー状態との切替制御を行うのみで、上り回線と下り回線とで独立したプロテクションスイッチとして動作させることができる。
さらに、4×4スイッチ16,16Aの出力端子2〜2側に配置した2×2スイッチ3と2×2スイッチ3のクロス状態とバー状態との切替制御も行わせることにより、信号の折り返し伝送も可能になるので、多用途な信号切替装置を構成することができる。
なお、図7、図8においては、出力端子側の配列を、現用回線側の出力端子2,2と予備回線側の出力端子2,2とでまとめるように配置した場合を示しているが、出力端子側ではなく、入力端子側の配列を、図5、図6と異なる配置にしても、同様の効果を得ることができる。すなわち、入力端子側の配列を、図の上から順に、入力端子1,1,1,1として上り回線側の入力端子1,1と下り回線側の入力端子1,1とで別々の2×2スイッチ3,3に入力する代わりに、入力端子の配列を、図の上から入力端子1,1,1,1あるいは入力端子1,1,1,1のように、上り回線用の信号と下り回線用の信号とを1つずつ別々の2×2スイッチ3,3に入力するように配置するようにしても良い。
この場合は、4×4スイッチの出力端子2〜2側に配置した2×2スイッチ3と2×2スイッチ3との2つの2×2スイッチにおけるクロス状態とバー状態との切替制御を行うのみで、上り回線と下り回線とで独立したプロテクションスイッチとして動作させることができる。
さらに、4×4スイッチ16,16Aの入力端子1〜1側に配置した2×2スイッチ3と2×2スイッチ3のクロス状態とバー状態との切替制御も行わせることにより、信号の折り返し伝送も可能になるので、多用途な信号切替装置を構成することができる。
なお、本実施形態においても、図4に例示した信号切替装置101Aの場合と同様に、4×4スイッチ16の入力側にO/Eコンバータを、一方、出力側にE/Oコンバータを備えることにより、本信号切替装置102,102Aを光ネットワーク中に配置することも可能である。
以上のように、図5ないし図8に示すような4×4スイッチ16,16Aにおいても、FETを用いたスイッチ構成とすることにより、信号切替時も含めて、常時、消費電力がゼロであるため、前記特許文献1のような従来の低速に分離してから電気段のスイッチを適用する構成と比較して、プロテクションスイッチなどに用いる信号切替装置102,102Aの低消費電力化を図ることができる。
さらには、部品点数の削減によりスイッチ自体の高信頼化も達成することができる。また、入力信号7〜7の信号レベルの検出など、入力信号7〜7をモニタするために、入力信号7〜7を分岐させる分配手段(すなわち分岐回路)として、および、出力端子2,2から出力される信号を、2つの出力信号12,12、出力信号12,12にそれぞれ分岐させる分岐回路として、入力側の分配手段である差動出力増幅器6〜6、出力側の出力分配手段である差動出力増幅器6,6をそれぞれ適用することにより、4×4スイッチ16や伝送路における損失を補償することも可能になっている。さらに、ベースバンド信号から無線周波数帯の信号まで様々な広帯域/高周波信号への対応も容易になる。
[その他の実施形態]
第3の実施形態に例示した信号切替装置102,102A中の4×4スイッチ16として、複数個の2×2スイッチを用いる代わりに、少なくとも4個以上のSP4T(単極4投)スイッチで構成することもできる。この場合も、各SP4Tスイッチそれぞれは少なくとも4つ以上のFETから構成される。制御装置5からの制御信号によって、FETを用いて構成される各SP4TスイッチのON/OFF状態が制御されることにより、4×4スイッチの4つの入力端子と4つの出力端子との間の接続状態を切り替えることになる。
さらに、本発明に係わる信号切替装置のスイッチの構成を、より一般化して、m個以上(m:3以上の整数)のSPmTスイッチを用いて、m×mスイッチとして構成することもできる。この場合も、各SPmTスイッチそれぞれは、少なくともm個以上のFETを用いて構成される。
また、前述したような信号切替装置100,101,101A,102,102Aと同一のスイッチ構成からなる複数の第1ないし第nの信号切替装置で構成して、各信号切替装置には、それぞれ2つまたは4つの信号が入力され、制御装置5からの制御信号に応じて、n個の信号または上り・下り回線対応のn個の信号について、第1ないし第nの信号切替装置それぞれに備えられた2×2スイッチまたは4×4スイッチの接続状態を一括して切り替えるようにしても良い。
たとえば、第1ないし第nの信号切替装置それぞれの2×2スイッチまたは4×4スイッチについて、第1の入力端子と第1の出力端子、第2の入力端子と第2の出力端子、と平行に接続するバー接続状態、または、第1の入力端子と第1の出力端子、第2の入力端子と第2の出力端子、第3の入力端子と第3の出力端子、第4の入力端子と第4の出力端子、と平行に接続するバー接続状態と、第1の入力端子と第2の出力端子、第2の入力端子と第1の出力端子、とクロスして接続するクロス接続状態、または、第1の入力端子と第2の出力端子、第2の入力端子と第1の出力端子、第3の入力端子と第4の出力端子、第4の入力端子と第3の出力端子、とクロスして接続するクロス接続状態と、を切り替えるようにしても良い。
さらに、前述した各実施形態において、1個の信号を2個の分岐信号に分岐させる分配手段および/または出力分配手段として例示した、2つの差動構成の分岐信号に増幅して分岐する差動出力増幅器に代えて、同相出力の分岐増幅器、すなわち、2つの同相の分岐信号に増幅して分岐する2出力増幅器などを適用することもできる。
また、前述した各実施形態においては、2×2スイッチや4×4スイッチの出力端子の後段に出力分配手段として差動出力増幅器を配置する場合、プロテクションスイッチとして現用回線側に接続される出力端子に対してのみ配置するようにしたが、場合によっては、一部の出力端子のみならず、すべての出力端子の後段に差動出力増幅器(出力分配手段)を配置するようにしても良く、プロテクションスイッチとして適用する場合であっても、予備回線側に接続される出力端子の後段に、終端抵抗を接続する代わりに、出力分配手段として差動出力増幅器を配置するようにしても良い。
本発明に係わる信号切替装置の第1の実施形態の構成例を示す構成図である。 図1の信号切替装置中の2×2スイッチの一構成例を示す回路図である。 本発明に係わる信号切替装置の第2の実施形態の構成例を示す構成図である。 図3に示した実施形態の変型例の信号切替装置を示す構成図である。 本発明に係わる信号切替装置の第3の実施形態の構成例を示す構成図である。 図5に示した実施形態の変型例の信号切替装置を示す構成図である。 図5または図6の信号切替装置中の4×4スイッチの一構成例を示す構成図である。 図5または図6の信号切替装置中の4×4スイッチの他の構成例を示す構成図である。
符号の説明
〜1…スイッチの入力端子、2〜2…スイッチの出力端子、3,3〜3…2×2スイッチ、4〜4…レベル検出器、5…制御装置、6〜6…差動出力増幅器、7〜7…入力信号、811〜812,821〜822…FET、9,9,9,911,912,921,922…抵抗、10,10…制御端子、11,11…SPDTスイッチ、12〜12…出力信号、13〜13…光ファイバ、14,14…O/Eコンバータ、15,15…E/Oコンバータ、16,16A…4×4スイッチ、100,101,101A,102,102A…信号切替装置。

Claims (12)

  1. 2つの入力信号をさらに2つずつの分岐信号に分岐する2つの分配手段と、該分配手段それぞれから分岐される前記分岐信号のいずれか一方の分岐信号それぞれを入力する2つの入力端子と2つの出力端子とからなる2×2スイッチと、前記分岐信号の他方の分岐信号それぞれをモニタしたモニタ結果に応じて前記2×2スイッチの接続状態を切り替える制御信号を、前記2×2スイッチに出力する制御手段とを少なくとも備えている構成を有する信号切替装置であって、前記2×2スイッチが、少なくとも2つ以上のSPDT(単極双投)スイッチからなり、該SPDTスイッチそれぞれは少なくとも2つ以上のFETから構成されており、かつ、前記2×2スイッチが、前記制御手段からの前記制御信号に基づいて、第1、第2の2つの前記入力端子と第1、第2の2つの出力端子との間の接続状態を、前記第1の入力端子と前記第1の出力端子、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子とを接続した接続状態と、前記第1の入力端子と前記第2の出力端子、前記第2の入力端子と前記第1の出力端子とを接続した接続状態と、のいずれかに切り替えることを特徴とする信号切替装置。
  2. 請求項1に記載の信号切替装置において、前記制御手段が、2つの前記入力信号それぞれから分岐された前記他方の分岐信号をモニタする際に、それぞれの分岐信号の前記他方の分岐信号の信号レベルを検出し、信号レベルが高い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号の前記一方の分岐信号を入力している前記2×2スイッチの前記入力端子を、前記第1の出力端子に接続し、前記信号レベルが低い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号の前記一方の分岐信号を入力している前記2×2スイッチの前記入力端子を、前記第2の出力端子に接続する前記制御信号を、前記2×2スイッチに出力することを特徴とする信号切替装置。
  3. 請求項2に記載の信号切替装置において、前記2つの入力信号が、同一の信号源から出力されて、互いに異なる伝送路を介して当該信号切替装置に入力される場合、前記2×2スイッチの前記第1の出力端子の後段に、さらに、該第1の出力端子から出力される信号をさらに2つずつの出力分岐信号に分岐する出力分配手段を備えていることを特徴とする信号切替装置。
  4. 4つの入力信号をさらに2つずつの分岐信号に分岐する4つの分配手段と、該分配手段それぞれから分岐される前記分岐信号のいずれか一方の分岐信号それぞれを入力する4つの入力端子と4つの出力端子とからなる4×4スイッチと、前記分岐信号の他方の分岐信号それぞれをモニタしたモニタ結果に応じて前記4×4スイッチの接続状態を切り替える制御信号を、前記4×4スイッチに出力する制御手段とを少なくとも備えている構成を有する信号切替装置であって、前記4×4スイッチが、4個の2入力2出力の2×2スイッチを2個ずつ2段に縦列接続することにより構成され、かつ、前記2×2スイッチそれぞれが、少なくとも2つ以上のSPDT(単極双投)スイッチからなり、該SPDTスイッチそれぞれは少なくとも2つ以上のFETから構成されており、かつ、前記4×4スイッチは、該4×4スイッチの入力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチのうち、一方の2×2スイッチの2つの出力端子が、該4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチそれぞれのいずれか一方の入力端子とそれぞれ接続され、該4×4スイッチの入力端子側に配置した他方の2×2スイッチの2つの出力端子が、該4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチそれぞれの他方の入力端子とそれぞれ接続される構成を有し、前記2×2スイッチそれぞれが、前記制御手段からの前記制御信号に基づいて、第1、第2の2つの前記入力端子と第1、第2の2つの出力端子との間の接続状態を、前記第1の入力端子と前記第1の出力端子、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子とを接続した接続状態と、前記第1の入力端子と前記第2の出力端子、前記第2の入力端子と前記第1の出力端子とを接続した接続状態と、のいずれかに切り替えることを特徴とする信号切替装置。
  5. 請求項4に記載の信号切替装置において、前記制御手段が、4つの前記入力信号それぞれから分岐された前記他方の分岐信号をモニタする際に、4つの前記入力信号のうち、前記4×4スイッチの入力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチごとにそれぞれに入力される2個ずつの入力信号について、それぞれの前記他方の分岐信号の信号レベルをそれぞれ検出し、信号レベルが高い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号それぞれの前記一方の分岐信号を入力している2個の前記2×2スイッチの前記入力端子それぞれを、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチの前記第1の出力端子に接続し、信号レベルが低い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号それぞれの前記一方の分岐信号を入力している2個の前記2×2スイッチの前記入力端子それぞれを、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチの前記第2の出力端子に接続する前記制御信号を、前記4×4スイッチに出力することを特徴とする信号切替装置。
  6. 請求項5に記載の信号切替装置において、前記他方の分岐信号の信号レベルの比較対象となる分岐元の2個ずつの前記入力信号が、それぞれ、同一の信号源から出力されて、互いに異なる伝送路を介して当該信号切替装置に入力される場合、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチそれぞれの前記第1の出力端子の後段に、さらに、該第1の出力端子から出力される信号をさらに2つずつの出力分岐信号に分岐する出力分配手段を備えていることを特徴とする信号切替装置。
  7. 請求項4に記載の信号切替装置において、前記制御手段が、4つの前記入力信号それぞれから分岐された前記他方の分岐信号をモニタする際に、4つの前記入力信号のうち、前記4×4スイッチの入力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチごとにそれぞれに入力される2個ずつの入力信号について、それぞれの前記他方の分岐信号の信号レベルをそれぞれ検出し、信号レベルが高い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号それぞれの前記一方の分岐信号を入力している2個の前記2×2スイッチの前記入力端子それぞれを、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチのいずれか一方の第1の2×2スイッチの2つの出力端子それぞれに接続し、信号レベルが低い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号それぞれの前記一方の分岐信号を入力している2個の前記2×2スイッチの前記入力端子それぞれを、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチの他方の第2の2×2スイッチの2つの出力端子それぞれに接続する前記制御信号を、前記4×4スイッチに出力することを特徴とする信号切替装置。
  8. 請求項7に記載の信号切替装置において、前記他方の分岐信号の信号レベルの比較対象となる分岐元の2個ずつの前記入力信号が、それぞれ、同一の信号源から出力されて、互いに異なる伝送路を介して当該信号切替装置に入力される場合、前記4×4スイッチの出力端子側に配置した2個の前記2×2スイッチのうち、信号レベルが高い方の前記他方の分岐信号に分岐された前記入力信号それぞれの前記一方の分岐信号を入力している2個の前記2×2スイッチの前記入力端子それぞれを接続する前記第1の2×2スイッチの2つの出力端子それぞれの後段に、さらに、該出力端子それぞれから出力される信号をさらに2つずつの出力分岐信号に分岐する出力分配手段を備えていることを特徴とする信号切替装置。
  9. 請求項4ないし8のいずれかに記載の信号切替装置において、前記4×4スイッチを構成する場合、少なくとも2個以上のSPDTスイッチからなる2×2スイッチを複数個用いる代わりに、少なくとも4個以上のSP4T(単極4投)スイッチを用いて前記4×4スイッチを構成し、該SP4Tスイッチそれぞれは少なくとも4個以上のFETから構成されていることを特徴とする信号切替装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の信号切替装置において、前記2×2スイッチまたは前記4×4スイッチの出力端子すべての後段に、各出力端子それぞれから出力される信号をさらに2つずつの出力分岐信号に分岐する出力分配手段をそれぞれ備えていることを特徴とする信号切替装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の信号切替装置において、前記分配手段それぞれの前段に、光信号を電気信号に変換するO/Eコンバータを備え、および/または、前記2×2スイッチまたは前記4×4スイッチの出力端子あるいは前記出力分配手段の後段に、電気信号を光信号に変換するE/Oコンバータを備えていることを特徴とする信号切替装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の信号切替装置において、前記分配手段および/または前記出力分配手段が、1つの信号を、2つの差動構成の分岐信号に増幅して分岐する差動出力増幅器、あるいは、2つの同相の分岐信号に増幅して分岐する2出力増幅器のいずれかにより構成されていることを特徴とする信号切替装置。
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