JP2007213835A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】システムの緊急停止といった状況でも、燃料電池の発電により生じた生成水が燃料ガスの循環手段へ流入することを抑制する。
【解決手段】ドレインタンク30は、燃料電池スタック1に設けられ、発電により生じた生成水を溜めるタンクであり、このドレインタンク30には、タンク30内の生成水を外部に排出するための排水流路30aが接続されている。シャットバルブ31は、排水流路30aに設けられ、開閉状態が切り替え可能となっている。緊急バルブ14は、水素循環手段13よりも上流側の水素循環流路10bに設けられており、開閉状態が切り替え可能となっている。制御部40は、システムの運転状態に応じて、シャットバルブ31および緊急バルブ14の開閉状態を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料ガスおよび酸化剤ガスを電気化学的に反応させて電力を発電する燃料電池を備える燃料電池システムに係り、特に、発電時に生成される生成水の排水処理に関する。
従来より、燃料極に燃料ガス(例えば、水素)を供給し、酸化剤極に酸化剤ガス(例えば、空気)を供給することにより、これらのガスを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池が知られている。この燃料電池は、酸化剤ガスを供給するコンプレッサ、燃料ガスを循環させる循環手段といったように、燃料電池を動作させる種々の補機を備えることで、燃料電池システムとして構成されている。燃料電池システムは、車両を駆動するモータの電源といったように、外部システムに適用されて発電を行っており、通常、外部システムからの要求に応じた目標電力を発電するように制御されている。
燃料電池は、例えば、固体高分子電解質膜を挟んで燃料極と酸化剤極とを対設した単位セルを主体に構成されている。この類の燃料電池では、反応ガス(水素および空気)の反応により水が生成され、この生成水量が多い場合には、フラッディングと呼ばれる現象が生じる。このフラッディングが生じると、反応ガスが電極に十分に供給されず、燃料電池の電圧が低下するという不都合がある。フラッディングは、とくに酸化極側で生じやすいが、生成水が電解質膜を通して燃料極側に移行し、燃料極側でも湿潤過多の状態となる。そのため、発電により生じた生成水を溜めるタンクを燃料電池に設け、このタンクに溜まった生成水を外部に排出することにより、フラッディングや湿潤過多の状態を抑制する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−139817号公報
ところで、燃料電池システムのシステムを緊急停止するようなケースでは、反応ガスの供給が強制的に停止させられるため、燃料電池内の圧力が低下し、これにより、生成水の排出が困難となる。そのため、生成水が燃料ガスの循環流路に流入し、この生成水によって循環手段の動作不具合を生じさせてしまう可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、システムの緊急停止といった状況でも、燃料電池の発電により生じた生成水が燃料ガスの循環手段へ流入することを抑制することである。
かかる課題を解決するために、本発明は、燃料電池と、第1のタンクと、第1の排水流路と、第1のバルブと、循環流路と、ガス循環手段と、第2のバルブと、制御手段とを有する燃料電池システムを提供する。ここで、燃料電池は、燃料極に燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、燃料ガスおよび酸化剤ガスを電気化学的に反応させて発電する。第1のタンクは、燃料電池に設けられ、発電により生じた生成水を溜める。第1の排水流路は、第1のタンクに接続されており、この第1のタンク内の生成水を外部に排出するための流路である。第1のバルブは、第1の排水流路に設けられ、開閉状態を切り替え可能となっている。循環流路は、燃料極の燃料ガスの排出側と、燃料極の燃料ガスの供給側との間を接続する。ガス循環手段は、循環流路に設けられており、燃料極から排出される燃料ガスを燃料極の燃料ガスの供給側へと循環させる。第2のバルブは、ガス循環手段よりも上流側の循環流路に設けられており、開閉状態が切り替え可能となっている。制御手段は、システムの運転状態に応じて、第1のバルブおよび第2のバルブの開閉状態を制御する。
本発明によれば、システムの運転状態に基づいて、第1および第2のバルブの開閉状態を制御することにより、生成水の排出を行いつつも、生成水がガス循環手段に流入することを抑制することができる。これにより、生成水の流入に伴うガス循環手段の不具合発生を抑制することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる燃料電池システムを示す構成図である。この燃料電池システムは、例えば、車両を駆動する電動モータの電源として適用されている。
燃料電池システムは、固体高分子電解質膜を挟んで酸化剤極と燃料極とを対設した燃料電池構造体をセパレータで挟持し、これを複数積層して構成される燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、個々の燃料電池セルにおいて、燃料ガスが燃料極に供給され、酸化剤ガスが酸化剤極に供給されることにより、これらのガスを電気化学的に反応させて発電電力を発生する。本実施形態では、燃料ガスとして水素を燃料極に導入すると共に、酸化剤ガスとして酸素を含む空気を酸化剤極に導入するケースについて説明する。
この燃料電池スタック1を備える燃料電池システムには、燃料電池スタック1に水素を供給するための水素系10と、燃料電池スタック1に空気を供給するための空気系20とが備えられている。
水素系10において、燃料ガスである水素は、例えば、燃料タンク11である高圧水素ボンベに貯蔵された状態から、水素供給流路10aを介して燃料電池スタック1に供給される。具体的には、燃料タンク11の下流には燃料タンク元弁(図示せず)が設けられており、この燃料タンク元弁が開状態となると、燃料タンク11からの高圧水素は、その下流に設けられた減圧弁(図示せず)によって機械的に所定の圧力まで減圧される。減圧された水素は、減圧弁よりも下流に設けられた水素調圧弁12によって更に減圧された後に、燃料電池スタック1に供給される。水素調圧弁12は、燃料電池スタック1へ供給される水素圧力が所望の値となるように、後述する制御部40によってその開度が制御される。
燃料電池スタック1の燃料極側からの排出ガス(未使用の水素を含むガス)は、水素循環流路(循環流路)10bへと排出される。この水素循環流路10bは、他方の端部が水素調圧弁12よりも下流側の水素供給流路10aに接続されており、この水素循環流路10bには、水素循環ポンプといった水素循環手段(ガス循環手段)13が設けられている。水素循環手段13を駆動することにより、燃料電池スタック1からの排出ガスは燃料電池スタック1の水素の供給側へと循環される。これにより、燃料電池スタック1における反応効率の向上を図ることができる。水素循環手段13の駆動量、すなわち、その回転数は、燃料電池スタック1へ供給される水素流量が所望の値となるように、制御部40によって制御される。また、水素循環流路10bにおいて、水素循環手段13よりも上流側には、開閉状態が切り替え可能な緊急バルブ(第2のバルブ)14が設けられている。緊急バルブ14の開閉状態は、制御部40によって制御される。
ところで、酸化剤ガスとして空気を用いた場合、空気中の窒素が酸化剤極から燃料極に透過するため、水素系10内におけるガスの窒素濃度が増加し、水素分圧が減少する傾向となる。そのため、水素循環流路10bには、水素系10内のガスを排出する水素排出流路10cが設けられている。この水素排出流路10cには、パージ弁(図示せず)が設けられており、このパージ弁を開閉することにより、水素循環流路10bを流れる排出ガス(窒素、未使用な水素等を含むガス)を外部に排出している。パージ弁は、燃料電池スタック1の運転状態に応じて、その開閉状態が制御部40によって制御される。パージ弁は、基本的に、閉状態に制御されており、例えば、燃料極における窒素濃度を推定して、或いは、所定の周期毎に、必要に応じて閉状態から開状態へと切り替えられる。これにより、未反応な水素とともに窒素が水素系10からパージされ、水素分圧の減少を抑制することができる。
空気系20において、酸化剤ガスである空気は、例えば、大気がコンプレッサ21によって加圧され、空気供給流路20aを介して燃料電池スタック1に供給される。この空気供給流路20aには、加湿装置(図示せず)が設けられており、燃料電池スタック1に供給される空気は、燃料電池スタック1の発電性能を低下させない程度に加湿される。燃料電池スタック1からの排出ガスは、空気排水流路20bを介して外部(大気)へと排出される。この空気排水流路20bには、空気調圧弁22が設けられている。空気調圧弁22は、燃料電池スタック1へ供給される空気の圧力が所望の値となるように、その開度が、コンプレッサ21の駆動量(回転数)とともに制御部40によって制御される。
また、燃料電池スタック1にはドレインタンク(第1のタンク)30が設けられている。燃料電池スタック1では、個々の燃料電池セルにおける水素と空気(酸素)との反応によって水が生成され、この生成水はドレインタンク30に蓄えられる。ドレインタンク30には、一方の端部が外部(大気)に開放された排水流路(第1の排出流路)30aが接続されており、ドレインタンク30に溜まった生成水は排水流路30aを介して排出される。排水流路30aには、開閉状態が切り替え可能なシャットバルブ(第1のバルブ)31が設けられており、シャットバルブ31の開閉状態は制御部40によって制御される。
このような燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック1には出力取出装置(図示せず)が接続されている。出力取出装置は、制御部40によって制御され、燃料電池スタック1から必要な出力(例えば、電流)を取り出して、この取り出した出力を、車両を駆動するモータ(図示せず)や、燃料電池システムを動作させる種々の補機(例えば、水素循環手段13、コンプレッサ21など)へと供給する。また、この燃料電池システムには、システムの起動時や過渡応答時などに、燃料電池スタック1からモータへ供給される電力の不足を補うために二次電池が備えられており、この二次電池には、燃料電池スタック1から出力された電力が必要に応じて充電される。
制御部(制御手段)40は、燃料電池システムの運転状態に基づいて、システムの各部を制御することにより、燃料電池スタック1の動作状態を制御する。制御部40としては、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースを主体に構成されるマイクロコンピュータを用いることができる。制御部40は、ROMに記憶された制御プログラムに従い、水素調圧弁12の開度演算、空気調圧弁22の開度演算、水素循環手段13の回転数演算、およびコンプレッサ21の回転数演算を行う。そして、制御部40は、この演算によって算出された制御量(制御信号)を各種アクチュエータに対して出力し、水素調圧弁12の開度、空気調圧弁22の開度、水素循環ポンプの回転数、およびコンプレッサ21の回転数を制御する。また、本実施形態との関係において、制御部40は、燃料電池システムの運転状態に応じて、シャットバルブ31および緊急バルブ14の開閉状態を制御する。
この制御部40には、燃料電池スタック1を含むシステムの運転状態を検出すべく、センサ41〜43を含む各種検出手段の検出信号等が入力されている。水素圧力センサ41は、燃料電池スタック1に供給される水素の圧力を検出するセンサであり、空気圧力センサ42は、燃料電池スタック1に供給される空気の圧力を検出するセンサである。また、レベルセンサ(第1の水位検出手段)43は、ドレインタンク30内の生成水の水位(生成水レベル)を検出するセンサである。
以下、このような構成を有する燃料電池システムの具体的な動作について説明する。図2は、本実施形態にかかる燃料電池システムの排水処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定の周期で呼び出され、制御部40によって実行される。まず、ステップ1において、各種のセンサ値が読み込まれる。ステップ1において読み込まれるセンサ値としては、水素圧力センサ41の検出値(水素圧力)、空気圧力センサ42の検出値(空気圧力)、レベルセンサ43の検出値(生成水レベル)などが挙げられる。
ステップ2において、制御部40は、システムを緊急に停止する必要があるか否か、すなわち、システムの緊急停止であるか否かを判定する。この判定は、例えば、以下のような条件を用いて判定可能である。まず、第1に、レベルセンサ43によって検出された生成水レベルを参照し、この生成水レベルがある閾値以上となる場合に燃料電池スタック1内に生成水が飽和していることを推定し、これにより、システムの緊急停止を判定する。第2に、水素圧力センサ41によって検知された水素圧力と、空気圧力センサ42によって検知された空気圧力とを比較して、その差(絶対値)がある閾値以上の場合に、システムの緊急停止を判定する。第3に、水素循環手段13がある所定回転数もしくは所定トルクで回転しているにも拘わらず、水素圧力センサ41によって検出される水素圧力が著しく低下している場合に、システムの緊急停止を判定する。
制御部40は、これらの条件のうちのいずれか一つの条件を具備する場合、或いは、これらの条件のうちの任意の組み合わせからなる複数の条件を具備する場合には、システム(車両)の緊急停止を判定する。緊急停止ではない場合には、このステップ2において否定判定されるので、ステップ3に進む。一方、ひとたび緊急停止が判定されると、ステップ2において肯定判定され続けるため、それ以降の処理では、ステップ4以降の処理に進む。
ステップ3において、制御部40は、燃料電池スタック1に対してガス供給が行われているシステムの通常運転時の処理として、通常のバルブ制御を行った後に、本ルーチンを抜ける。この通常のバルブ制御において、制御部40は、緊急バルブ14を開状態に制御する。また、制御部40は、ドレインタンク30の生成水レベルに応じてシャットバルブ31の開閉状態を制御する。具体的には、生成水レベルが、生成水の排水開始を規定するドレインタンク30の上限水位閾値に到達した場合には、シャットバルブ31が開状態に制御される。一方、生成水レベルが、生成水の排出終了を規定するドレインタンク30の下限水位閾値(上限水位閾値>下限水位閾値)よりも低くなった場合には、シャットバルブ31が閉状態に制御される。
ステップ4において、制御部40は、制御フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。この制御フラグは、緊急バルブ14が閉状態に設定されていることを示すフラグであり、初期的には「0」にセットされている。そのため、制御フラグが「1」にセットされるまではステップ4において否定判定されるため、ステップ5以降の処理に進む。一方、制御フラグが一旦「1」にセットされると、ステップ4において肯定判定されるため、ステップ5〜7の処理をスキップして、後述するステップ8の処理に進む。
ステップ5において、緊急停止処理が実行される。この緊急停止処理では、燃料電池スタック1の安全性の観点から、緊急停止時の処理として、各種のアクチュエータを制御して、燃料電池スタック1へと供給される反応ガス(水素および空気)の供給を強制的に停止したり、回路上のリレーをオフすることにより、二次電池を含む強電系の電力をカットしたりする。
ステップ6において、制御部40は、水素循環流路10b上の緊急バルブ14を閉状態に制御するとともに、制御フラグを「1」にセットする。そしてステップ7において、制御部40は、シャットバルブ31を開状態に制御する。
ステップ7に続くステップ8において、制御部40は、スタック圧力が圧力閾値以下であるか否かを判定する。スタック圧力は、燃料電池スタック1内のガス圧力であり、水素圧力センサ41または空気圧力センサ42の検出値を参照することにより、或いは、圧力センサを燃料電池スタック1の内部に別途設け、このセンサの検出値を参照することにより、特定することができる。システムの通常運転時、すなわち、燃料電池スタック1に反応ガスが供給されている状態では、燃料電池スタック1内の圧力は大気圧よりも高い状態となっている。排水流路30aの一方の端部は大気開放されているため、ドレインタンク30内の生成水は、シャットバルブ31が開状態となっている限り、その圧力差によって排水流路30aを介してドレインタンク30から排出される。しかしながら、システムの緊急停止時の処理に伴い反応ガスの供給が停止されると、燃料電池スタック1内の圧力は、通常運転時の圧力から低下して大気圧へと推移する。
図3は、ドレインタンク30からの生成水の排出量と、スタック圧力との関係を示す説明図である。同図に示すように、ドレインタンク30内の生成水は、スタック圧力が大気圧へと近づくと、大気圧(排水流路30aの開放端の圧力)とスタック圧力との圧力差が減少するため、ドレインタンク30内の生成水が排出され難くなる傾向となる。そのため、このステップ8では、スタック圧力をモニタリングすることにより、ドレインタンク30から生成水が排出できないような状態であるか否かを判定している。このステップ8で用いられる圧力閾値は、図3に示すような生成水の排出量とスタック圧力との関係を前提に、ドレインタンク30から生成水が排出できないと認められるようなスタック圧力が、予め設定されている。例えば、圧力閾値としては、大気圧を用いるといった如くである。なお、生成水の排出量とスタック圧力との関係は、排水流路30aの流路径や流路長さなどのシステムの特性を考慮することにより、実験やシミュレーションを通じて予め取得することができる。
このステップ8において否定判定された場合、すなわち、スタック圧力が圧力閾値よりも大きい場合には、ステップ9に進む。一方、ステップ8において肯定判定された場合、すなわち、スタック圧力が圧力閾値以下の場合には、ステップ9,10の処理をスキップして、後述するステップ12に進む。
ステップ9において、生成水レベルが水位閾値以上であるか否かが判定される。この水位閾値は、ステップ10に示す判定時間とともに作用して、ドレインタンク30から生成水が排出できないような状態であるか否かを判定するための閾値であり、ドレインタンク30内の任意の水位を用いることができるが、一例としては、通常のバルブ制御で用いられる上限水位閾値を用いる。このステップ9において肯定判定された場合、すなわち、生成レベルが水位閾値以上の場合には、ステップ10に進む。一方、ステップ9において否定判定された場合、すなわち、生成水レベルが水位閾値よりも低い場合には、ステップ10以降の処理をスキップして本ルーチンを抜ける。
ステップ10では、ステップ9の処理において一旦肯定判定されてからの経過時間、すなわち、生成水レベルが水位閾値以上となってからの経過時間が、判定時間に到達したか否かが判定される。スタック圧力が圧力閾値以下となっていない状態であっても、スタック圧力の低下に伴い、生成水は排出され難くなる。そのため、ドレインタンク30から排出される生成水量よりも、ドレインタンク30に流入する生成水量が大きくなり、所定の時間を経過しても生成水レベルが低下しない状態となる。そこで、ステップ9に示す水位閾値ともに、この経過時間を考慮することにより、ドレインタンク30から生成水が排出できないような状態であるか否かを判定することができる。この比較処理で用いられる判定時間は、ドレインタンク30から生成水が排出できないような状態を判定するための経過時間として、実験やシミュレーションを通じて予め取得されている。
ステップ10において肯定判定された場合、すなわち、経過時間が判定時間に到達した場合には、ステップ11に進む。一方、ステップ10において否定判定された場合、すなわち、経過時間が判定時間に到達していない場合には、ステップ11の処理をスキップして、本ルーチンを抜ける。
ステップ11において、制御部40は、シャットバルブ31を閉状態に制御する。そして、ステップ12において、終了処理が行われる。具体的には、制御部40は、制御フラグを「0」にセットしたり、システムの緊急停止に伴う一連の排水処理が行われたことを示す緊急停止フラグを、制御部40のバックアップRAMの所定アドレスに記録したりする。
図4は、本実施形態にかかる起動処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、システムの緊急停止後の起動、すなわち、緊急停止フラグがセットされていることを前提に、燃料電池システムの起動時に実行される。
まず、ステップ20において、制御部40は、レベルセンサ43の検出値を参照し、生成水レベルが水位閾値以上であるか否かを判定する。システムの緊急停止に伴う排水処理を行った場合には、ドレインタンク30の許容量以上の生成水が存在し、回収できなかった生成水が燃料電池スタック1内に残留している可能性がある。そこで、このステップ20において、生成水レベルと水位閾値とを比較することにより、回収できなかった生成水が燃料電池スタック1内に残留している可能性があるか否かを判定する。このステップ20において肯定判定された場合、すなわち、生成水レベルが水位閾値以上である場合には、ステップ21に進む。一方、ステップ20において否定判定された場合、すなわち、水位レベルが水位閾値よりも低い場合には、ステップ21をスキップして、ステップ22に進む。
ステップ21において、制御部40は、水飛ばし運転処理を行う。具体的には、緊急バルブ14を閉状態、シャットバルブ31を開状態、パージ弁を開状態に制御した上で、水素調圧弁12を開状態に制御し、水素の供給を行い、燃料電池スタック1内に存在する生成水を外部に排出する。水素の供給を行っている時間は、燃料電池スタック1から余剰な生成水が排出できる程度の時間を予め設定しておき、これをベースに生成水の排出を行ってもよいし、ドレインタンク30内の生成水レベルが水位閾値よりも低くなる状態まで行ってもよい。
ステップ22において、制御部40は、起動処理を行う。起動処理は、燃料電池スタック1から出力を安定的に取り出せる状態にまで、燃料電池スタック1の状態を制御する処理である。具体的には、燃料電池スタック1へ水素および空気を所定の圧力で供給した状態で、燃料電池スタック1の総電圧が起動の完了を判定する所定値以上となること、或いは、個々の燃料電池セルにおける電圧の最小値が、起動の完了を判定する所定値以上となることなどを条件として、起動処理が行われる。そして、ステップ23において、制御部40は、起動処理を終了した上で、通常運転へと移行する。
このように本実施形態によれば、燃料電池システムは、燃料電池スタック1と、ドレインタンク30と、排水流路30aと、シャットバルブ31と、水素循環流路10bと、水素循環手段13と、緊急バルブ14と、制御部40とを主体に構成されている。ここで、燃料電池スタック1は、燃料極に水素が供給されるとともに、酸化剤極に空気が供給されることにより、反応ガス(水素および空気)を電気化学的に反応させて電力を発電する。ドレインタンク30は、燃料電池スタック1に設けられ、発電により生じた生成水を溜めるタンクであり、このドレインタンク30には、タンク30内の生成水を外部に排出するための排水流路30aが接続されている。シャットバルブ31は、排水流路30aに設けられ、開閉状態が切り替え可能となっている。水素循環流路10bは、燃料極の水素の排出側と、燃料極の燃料ガスの供給側との間を接続しており、この水素循環流路10bには、燃料極側から排出される水素を、燃料極における水素の供給側へと循環させる水素循環手段が設けられている。緊急バルブ14は、水素循環手段13よりも上流側の水素循環流路10bに設けられており、開閉状態が切り替え可能となっている。制御部40は、システムの運転状態に応じて、シャットバルブ31および緊急バルブ14の開閉状態を制御する。
かかる構成によれば、シャットバルブ31および緊急バルブ14の開閉状態を制御することにより、生成水の排出を行いつつも、生成水が水素循環手段13に流入することを抑制することができるので、水素循環流路10bへの生成水の流入に伴う水素循環手段13の不具合発生を抑制することができる。
また、本実施形態において、制御部40は、燃料電池スタック1に対してガス供給(水素および空気の供給)が行われているシステムの通常運転時には、緊急バルブ14を開状態に制御するとともに、燃料電池スタック1に対するガス供給が停止させられるシステムの緊急停止時には、緊急バルブ14を閉状態に制御する。システムの緊急停止といったケースでは、ガス供給が停止させられるため、スタック圧力と大気圧との圧力差が減少し、これにより、ドレインタンク30から生成水が排出され難い状況が生じ、結果として、水素循環流路10bに生成水が流入してしまう可能性がある。この点、本実施形態によれば、システムの緊急停止時には、緊急バルブ14が閉状態に制御されるので、水素循環流路10bの経路を遮断することができ、生成水が水素循環手段13に流入してしまうといった事態を抑制することができる。
本実施形態において、制御部40は、システムの緊急停止時には、シャットバルブ31を開状態に制御する。これにより、スタック圧力が高い状況では、積極的にドレインタンク30側に生成水を回収することができるので、水素循環流路10bに生成水が流入することを抑制することができる。
本実施形態において、制御部40は、シャットバルブ31を開状態に制御した後に、排水流路30aを介してドレインタンク30から生成水を排出することができないと判断した場合には、開状態のシャットバルブ31を閉状態に制御する。これにより、緊急停止に伴い開状態に設定されていたシャットバルブ31を適切に閉状態へと切り替えることができるとともに、このバルブ31を閉じることで、燃料電池スタック1内の水素が排水流路30aを介して外部に排出されることを抑制することができる。また、シャットバルブ31を閉じることにより、ドレインタンク30内に生成水が溜まる状況となるので、この生成水によって水素を希釈することができるので、水素を外部に排出しない上で効果的である。
本実施形態において、燃料電池システムは、燃料電池スタック1内の圧力を検出する圧力検出手段(水素圧力センサ41或いは空気圧力センサ42)をさらに有している。ここで、制御部40は、圧力検出手段によって検出された圧力(スタック圧力)に基づいて、排水流路30aを介してドレインタンク30から生成水を排出することができるか否かを判断する。ドレインタンク30からの生成水の排出状態は、燃料電池スタック1内の圧力状態に依存するため、これを参照することにより、排水流路30aを介してドレインタンク30から生成水を排出することができるか否かを有効に判断することができる。
さらに、本実施形態において、燃料電池システムは、ドレインタンク30内の生成水の水位を検出するレベルセンサ43をさらに有している。ここで、制御部40は、レベルセンサ43によって検出された生成水レベルに基づいて、排水流路30aを介してドレインタンク30から生成水を排出することができるか否かを判断する。ドレインタンク30からの生成水の排出状態は、ドレインタンク30内の水位変化から特定することができるので、生成水レベルを参照することにより、排水流路30aを介してドレインタンク30から生成水を排出することができるか否かを有効に判断することができる。
ところで、排水流路30aより生成水が排出されなくなった状態では、その後に、シャットバルブ31によって排水流路30aが遮断されるため、ドレインタンク30の許容量以上に生成水が存在する状態も考えられる。しかしながら、本実施形態によれば、起動時には、燃料電池スタック1内の生成水を外部に排出する水飛ばし運転を行っている。これにより、燃料電池スタック1内に存在する余剰な生成水を排出することができるので、フラッディングや湿潤過多といった燃料電池スタック1の性能低下を抑制することができる。
なお、上述した実施形態では、スタック圧力が圧力閾値以下となる場合、或いは、生成水レベルが水位閾値以上となっている時間が判定時間に到達する場合に、シャットバルブ31が閉状態に制御されている。しかしながら、これ以外にも、例えば、イグニッションスイッチのオフ信号の入力に応じて、シャットバルブ31を閉状態に制御してもよい。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成図である。この第2の実施形態にかかる燃料電池システムが第1の実施形態のそれと相違する点は、主として、水素循環流路10bに生成水を溜める第2のタンク(以下「メインタンク」という)32と、上述した緊急バルブ(以下「第1緊急バルブ」という)14に加え、第2緊急バルブ(第4のバルブ)15とが追加されている点にある。なお、第1の実施形態と同一の構成については、同じ符号を引用することとし、その詳細な説明は省略する。
メインタンク32は、第1緊急バルブ14よりも下流側の水素循環流路10bに設けられており、燃料電池スタック1の燃料極より排出されて、水素循環流路10bへと流入した生成水を溜めるタンクである。このメインタンク32には、一方の端部が外部(大気)に開放された第2排水流路(第2の排水流路)30bが接続されており、メインタンク32に溜まった生成水は第2排水流路30bから排出される。第2排水流路30bには、開閉状態が切り替え可能な第2シャットバルブ(第3のバルブ)33が設けられており、第2シャットバルブ33の開閉状態は制御部40によって制御される。
第2緊急バルブ15は、メインタンク32よりも下流側、かつ、水素循環ポンプよりも上流側の水素循環流路10bに設けられており、その開閉状態が切り替え可能となっている。この第2緊急バルブの開閉状態は、制御部40によって制御される。また、メインタンク32には、タンク内に溜まる生成水の水位(生成水レベル)を検出する第2レベルセンサ(第2の水位検出手段)44が設けられており、この第2レベルセンサ44の検出値は制御部40に出力される。なお、本実施形態では、説明の便宜上、ドレインタンク30に設けられた排水流路30aを第1排水流路30aといい、この第1排水流路30aに設けられたシャットバルブ31を第1シャットバルブ31といい、ドレインタンク30に設けられたレベルセンサ43を第1レベルセンサ43という。
図6は、本実施形態にかかる燃料電池システムの排水処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定周期で呼び出され、制御部40によって実行される。
まず、ステップ30において、各種のセンサ値が読み込まれる。ステップ30において読み込まれるセンサ値としては、水素圧力センサ41の検出値(水素圧力)、空気圧力センサ42の検出値(空気圧力)、第1レベルセンサ43および第2レベルセンサ44の検出値(生成水レベル)などが挙げられる。
ステップ31において、制御部40は、第1の実施形態におけるステップ2の処理と同様に、システムの緊急停止であるか否かを判定する。システムの緊急停止ではない場合には、このステップ31において否定判定されるので、ステップ32に進む。一方、ひとたびシステムの緊急停止が判定されると、ステップ31において肯定判定されるため、それ以降の処理では、ステップ33以降の処理に進む。
ステップ32において、制御部40は、燃料電池スタック1に対してガス供給が行われているシステムの通常運転時の処理として、通常のバルブ制御を行った後に、本ルーチンを抜ける。この通常のバルブ制御において、制御部40は、第1緊急バルブ14および第2緊急バルブ15を開状態に制御する。また、制御部40は、ドレインタンク30の生成水レベルに応じて第1シャットバルブ31の開閉状態を制御し、また、メインタンク32の生成水レベルに応じて第2シャットバルブ33の開閉状態を制御する。具体的には、生成水レベルが、生成水の排水開始を規定するタンク30,32の上限水位閾値以上となった場合には、対応するシャットバルブ31,33が開状態に制御される。一方、生成水レベルが、生成水の排出終了を規定するタンク30,32の下限水位閾値(上限水位閾値>下限水位閾値)よりも低くなった場合には、対応するシャットバルブ31,33が閉状態に制御される。
ステップ33において、制御部40は、第1制御フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。この第1制御フラグは、第2緊急バルブ15が閉状態に設定されていることを示すフラグであり、初期的には「0」にセットされている。そのため、第1制御フラグが「1」にセットされるまではステップ33において否定判定されるため、ステップ34以降の処理に進む。一方、第1制御フラグが一旦「1」にセットされると、ステップ33において肯定判定されるため、ステップ34〜36の処理をスキップして、後述するステップ37の処理に進む。
ステップ34において、第1の実施形態におけるステップ5と同様に、緊急停止処理が実行される。そして、ステップ35において、制御部40は、水素循環流路10b上の第1緊急バルブ14および第2緊急バルブ15を閉状態に制御するとともに、第1制御フラグを「1」にセットする。そしてステップ36において、制御部40は、第1シャットバルブ31を開状態に制御する。
ステップ37において、制御部40は、判定条件が成立したか否かを判定する。この判定条件は、ドレインタンク30から生成水が排出できないような状態を判定するための条件であり、第1の実施形態と同様の条件によって判定することができる。この判定条件としては、スタック圧力が圧力閾値以下となること、或いは、ドレインタンク30の水位レベルが水位閾値以上となってからの経過時間が判定時間に到達することが挙げられる。このステップ37において否定判定された場合、すなわち、判定条件を具備しない場合には、本ルーチンを抜ける。一方、ステップ37において肯定判定された場合、すなわち、判定条件を具備する場合には、ステップ38に進む。
ステップ38において、制御部40は、第2制御フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。この第2制御フラグは、第1緊急バルブ14が閉状態から開状態に切り替えられたことを示すフラグであり、初期的には「0」にセットされている。そのため、第2制御フラグが「1」にセットされるまではステップ38において否定判定されるため、ステップ39以降の処理に進む。一方、第1制御フラグが一旦「1」にセットされると、ステップ38において肯定判定されるため、ステップ39,40の処理をスキップして、後述するステップ41の処理に進む。
ステップ39において、制御部40は、水素循環流路10b上の第1緊急バルブ14を開状態に制御するとともに、第2制御フラグを「1」にセットする。そしてステップ40において、制御部40は、第2シャットバルブ33を開状態に制御する。
ステップ41において、制御部40は、判定条件が成立したか否かを判定する。この判定条件は、メインタンク32から生成水が排出できないような状態を判定するための条件であり、ステップ37の処理と同様の条件によって判定することができる。具体的には、判定条件としては、スタック圧力が圧力閾値以下となること、或いは、メインタンク32の水位レベルが水位閾値以上となってからの経過時間が判定時間に到達することが挙げられる。このステップ41において否定判定された場合、すなわち、判定条件を具備しない場合には、本ルーチンを抜ける。一方、ステップ41において肯定判定された場合、すなわち、判定条件を具備する場合には、ステップ42に進む。
ステップ42において、制御部40は、第1シャットバルブ31および第2シャットバルブ33を閉状態に制御する。そして、ステップ43において、終了処理が行われる。具体的には、制御部40は、第1制御フラグおよび第2制御フラグを「0」にセットしたり、システムの緊急停止に伴う一連の排水処理が行われたことを示す緊急停止フラグを、制御部40のバックアップRAMの所定アドレスに記録したりする。
このように本実施形態によれば、燃料電池システムは、第1の実施形態に示す構成に加え、メインタンク32と、第2排水流路30bと、第2シャットバルブ33と、第2緊急バルブ15とをさらに備える構成となっている。ここで、メインタンク32は、第1緊急バルブ14と水素循環手段13との間の水素循環流路10bに設けられており、この水素循環流路10b内を流れる生成水を溜めるタンクであり、このメインタンク32には、タンク内の生成水を外部に排出する第2排水流路30bが接続されている。第2シャットバルブ33は、第2の排水流路に設けられ、開閉状態が切り替え可能となっている。第2緊急バルブ15は、メインタンク32と水素循環手段との間の水素循環流路10bに設けられており、開閉状態が切り替え可能となっている。この場合、制御部40は、システムの状態に応じて、第2シャットバルブ33および第2緊急バルブ15の開閉状態をさらに制御する。
かかる構成によれば、第1緊急バルブ14の開閉状態とともに第2緊急バルブ15の開閉状態を制御することにより、水素循環手段13よりも上流側において水素循環流路10bを遮断することが可能となる。そのため、生成水が水素循環手段13に流入することを抑制することができるので、水素循環手段13への生成水の流入に伴う水素循環手段13の不具合の発生を抑制することができる。
また、本実施形態において、制御部40は、燃料電池スタック1に対してガス供給が行われているシステムの通常運転時には、第1緊急バルブ14および第2緊急バルブ15を開状態に制御するとともに、燃料電池スタック1に対するガス供給が停止させられるシステムの緊急停止時には、第1緊急バルブ14および第2緊急バルブ15を閉状態に制御する。システムの緊急停止といったケースでは、ガス供給が停止させられるため、スタック圧力と大気圧との圧力差が減少し、これにより、ドレインタンク30から生成水が排出され難い状況が生じ、結果として、水素循環流路10bに生成水が流出する可能性がある。この点、本実施形態によれば、システムの緊急停止時に、第1緊急バルブ14および第2緊急バルブ15が閉状態に制御されるので、生成水が水素循環手段13に流入することを抑制することができる。
本実施形態において、制御部40は、システムの緊急停止時には、第1シャットバルブ31を開状態に制御する。これにより、スタック圧力が高い状況では、積極的にドレインタンク30側に生成水を回収することができるので、水素循環流路10bに生成水が流入することを抑制することができる。
本実施形態において、制御部40は、第1シャットバルブ31を開状態に制御した後に、ドレインタンク30から生成水を排出することができないと判断した場合には、閉状態の第1緊急バルブ14を開状態に制御するとともに、第2シャットバルブ33を開状態に制御する。これにより、ドレインタンク30によって回収しきれなかった生成水をメインタンク32側で回収することができる。これにより、水素循環流路10bのメインタンク32よりも後段に生成水が流入することを抑制することができる。
本実施形態において、制御部40は、第1緊急バルブ14を閉状態から開状態に制御した後に、メインタンク32から生成水を排出することができないと判断した場合には、開状態の第1シャットバルブ31と開状態の第2シャットバルブ33とをそれぞれ閉状態に制御する。これにより、緊急停止に伴い開状態に設定されていた第1シャットバルブ31と第2シャットバルブ33とを適切に閉状態へと切換えることができるとともに、このシャットバルブ31,33を閉じることで、燃料電池スタック1内の水素が排水流路30a,30bを介して外部に排出されることを抑制することができる。また、第1シャットバルブ31と第2シャットバルブ33とを閉じることにより、ドレインタンク30およびメインタンク32内に生成水が溜まる状況となるので、この生成水によって水素を希釈することができるので、水素を外部に排出しない上で効果的である。
本実施形態において、燃料電池システムは、燃料電池スタック1内の圧力を検出する圧力検出手段(水素圧力センサ41或いは空気圧力センサ42)をさらに有している。ここで、制御部40は、圧力検出手段によって検出された圧力(スタック圧力)に基づいて、排水流路30aを介してメインタンク32から生成水を排出することができるか否かを判断する。メインタンク32からの生成水の排出状態は、燃料電池スタック1内の圧力状態に依存するため、これを参照することにより、メインタンク32から生成水を排出することができるか否かを有効に判断することができる。
さらに、本実施形態において、燃料電池システムは、メインタンク32内の生成水の水位を検出する第2レベルセンサ44をさらに有している。ここで、制御部40は、第2レベルセンサ44によって検出された生成水レベルに基づいて、メインタンク32から生成水を排出することができるか否かを判断する。メインタンク32からの生成水の排出状態は、メインタンク32内の水位変化から特定することができるので、生成水レベルを参照することにより、メインタンク32から生成水を排出することができるか否かを有効に判断することができる。
なお、排水流路30aより生成水が排出されなくなった状態では、その後に、シャットバルブ31によって排水流路30aが遮断されるため、ドレインタンク30およびメインタンク32の許容量以上に生成水が存在する状態も考えられる。そのため、システムの緊急停止後の起動時には、第1の実施形態と同様に、水飛ばし運転を行ってもよい。これにより、燃料電池スタック1内に存在する余剰な生成水を排出することができるので、フラッディングや湿潤過多といった燃料電池スタック1の性能低下を抑制することができる。水飛ばし運転の実行の可否は、ドレインタンク30およびメインタンク32の水位レベル、或いは、メインタンク32のみの水位レベルを参照して判断することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる燃料電池システムを示す構成図 第1の実施形態にかかる燃料電池システムの排水処理の手順を示すフローチャート ドレインタンクからの生成水の排出量とスタック圧力との関係を示す説明図 第1の実施形態にかかる起動処理の手順を示すフローチャート 本発明の第2の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成図 第2の実施形態にかかる燃料電池システムの排水処理の手順を示すフローチャート
符号の説明
1 燃料電池スタック
10 水素系
10a 水素供給流路
10b 水素循環流路
10c 水素排出流路
11 燃料タンク
12 水素調圧弁
13 水素循環手段
14 緊急バルブ(第1緊急バルブ)
15 第2緊急バルブ
20 空気系
20a 空気供給流路
20b 空気排水流路
21 コンプレッサ
22 空気調圧弁
30 ドレインタンク
30a 排水流路(第1排水流路)
30b 第2排水流路
31 シャットバルブ(第1シャットバルブ)
32 メインタンク
33 第2シャットバルブ
40 制御部
41 水素圧力センサ
42 空気圧力センサ
43 レベルセンサ(第1レベルセンサ)
44 第2レベルセンサ

Claims (14)

  1. 燃料極に燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、前記燃料ガスおよび前記酸化剤ガスを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に設けられ、発電により生じた生成水を溜める第1のタンクと、
    前記第1のタンクに接続されており、当該第1のタンク内の生成水を外部に排出するための第1の排水流路と、
    前記第1の排水流路に設けられ、開閉状態を切り替え可能な第1のバルブと、
    前記燃料極の燃料ガスの排出側と、前記燃料極の前記燃料ガスの供給側との間を接続する循環流路と、
    前記循環流路に設けられており、前記燃料極から排出される燃料ガスを前記燃料極の燃料ガスの供給側へと循環させるガス循環手段と、
    前記ガス循環手段よりも上流側の前記循環流路に設けられており、開閉状態が切り替え可能な第2のバルブと、
    システムの運転状態に応じて、前記第1のバルブおよび前記第2のバルブの開閉状態を制御する制御手段と
    を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記燃料電池に対してガス供給が行われているシステムの通常運転時には、前記第2のバルブを開状態に制御するとともに、前記燃料電池に対するガス供給が停止させられるシステムの緊急停止時には、前記第2のバルブを閉状態に制御することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記システムの緊急停止時には、前記第1のバルブを開状態に制御することを特徴とする請求項2に記載された燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、前記第1のバルブを開状態に制御した後に、前記第1のタンクから前記生成水を排出することができないと判断した場合には、開状態の前記第1のバルブを閉状態に制御することを特徴とする請求項3に記載された燃料電池システム。
  5. 前記第2のバルブと前記ガス循環手段との間の前記循環流路に設けられており、当該循環流路内を流れる生成水を溜める第2のタンクと、
    前記第2のタンクに接続されており、当該第2のタンク内の生成水を外部に排出するための第2の排水流路と、
    前記第2の排水流路に設けられ、開閉状態が切り替え可能な第3のバルブと、
    前記第2のタンクと前記ガス循環手段との間の前記循環流路に設けられており、開閉状態が切り替え可能な第4のバルブとをさらに有し、
    前記制御手段は、システムの運転状態に応じて、前記第3のバルブおよび前記第4のバルブの開閉状態をさらに制御することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、前記燃料電池に対してガス供給が行われているシステムの通常運転時には、前記第2のバルブおよび前記第4のバルブを開状態に制御するとともに、前記燃料電池に対するガス供給が停止させられるシステムの緊急停止時には、前記第2のバルブおよび前記第4のバルブを閉状態に制御することを特徴とする請求項5に記載された燃料電池システム。
  7. 前記制御手段は、前記システムの緊急停止時には、前記第1のバルブを開状態に制御することを特徴とする請求項6に記載された燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、前記第1のバルブを開状態に制御した後に、前記第1のタンクから前記生成水を排出することができないと判断した場合には、閉状態の前記第2のバルブを開状態に制御するとともに、前記第3のバルブを開状態に制御することを特徴とする請求項7に記載された燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池内の圧力を検出する圧力検出手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記圧力検出手段によって検出された圧力に基づいて、前記第1のタンクから前記生成水を排出することができるか否かを判断することを特徴とする請求項4または請求項8に記載された燃料電池システム。
  10. 前記第1のタンク内の生成水の水位を検出する第1の水位検出手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記第1の水位検出手段によって検出された生成水の水位に基づいて、前記第1のタンクから前記生成水を排出することができるか否かを判断することを特徴とする請求項4、請求項8および請求項9のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  11. 前記制御手段は、前記第2のバルブを閉状態から開状態に制御した後に、前記第2のタンクから前記生成水を排出することができないと判断した場合には、開状態の前記第1のバルブと開状態の前記第3のバルブとをそれぞれ閉状態に制御することを特徴とする請求項8に記載された燃料電池システム。
  12. 前記燃料電池内の圧力状態を検出する圧力検出手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記圧力検出手段によって検出された圧力状態に基づいて、前記第2のタンクから前記生成水を排出することができるか否かを判断することを特徴とする請求項11に記載された燃料電池システム。
  13. 前記第2のタンク内の生成水の水位を検出する第2の水位検出手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記第2の水位検出手段によって検出された生成水の水位に基づいて、前記第2のタンクから前記生成水を排出することができるか否かを判断することを特徴とする請求項11または請求項12に記載された燃料電池システム。
  14. 前記制御部は、前記システムの緊急停止後に行われる起動時には、前記燃料電池内部の生成水を排出する水飛ばし処理を実行することを特徴とする請求項2から請求項13のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011204361A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Toyota Motor Corp 燃料電池システムの制御方法

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