JP2007212189A - センサ制御装置、ガスセンサシステム、センサ制御装置の制御方法、及び特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法 - Google Patents

センサ制御装置、ガスセンサシステム、センサ制御装置の制御方法、及び特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定ガス成分の濃度に関連する濃度信号を高い精度で取得可能とするセンサ制御装置、これを用いたセンサシステム、センサ制御装置の制御方法、及び、特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法を提供する。
【解決手段】センサ制御装置100は、ガスセンサ素子160を作動させて得た酸素濃度に対する検知電流Ipを用いて、酸素濃度に対応する濃度信号SCを出力する。この制御回路110は、第1入力電圧Vi1及び第2入力電圧Vi2を差動増幅する差動増幅回路131と、検出抵抗器Rdの一端Rd1の第1検知電圧Vd1を第1入力電圧Vi1とし、他端Rd2の第2検知電圧Vd2を第2入力電圧Vi2とする場合と、第1基準電圧Vb1を第1入力電圧Vi1とし第2基準電圧Vb2を第2入力電圧Vi2とする場合とを、切り換える第1スイッチSW1,SW2とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスセンサ素子を作動させて得た特定ガス成分(例えば酸素)の濃度に対応する検知電流を用いて、特定ガス成分の濃度に関連する濃度信号を出力するセンサ制御装置、これを用いたガスセンサシステム、このようなセンサ制御装置の制御方法、及び特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法に関する。
自動車の排気ガス規制が年々厳しくなるに伴って、内燃機関の精密な空燃比制御が求められている。このため、排気ガスセンサやその制御装置にも、より高い検知精度が要求されている。一般に、現在多くのガソリン自動車で用いられている三元触媒を用いた内燃機関では、理論空燃比で運転されている場合が最も触媒の効率が良く、有害な排気ガスの浄化効率が高い。従って、如何に理論空燃比に近づけて運転を制御できるかが、排気ガスを低公害なものとする上で重要になってくる。
このような制御のために用いられる酸素センサとしては、一般に、排気ガス中の酸素濃度に対応して二値的なセンシング出力を発するλセンサと、酸素濃度の広い範囲にわたってリニアリティを保ってセンシング出力を発する全領域酸素センサとが知られている。特に、全領域酸素センサは、高い精度で空燃比制御を行うことができる。また、全領域酸素センサは、空燃比を理論空燃比近傍でフィードバック制御するストイキ燃焼制御の他、空燃比を所定のリーン領域でフィードバック制御するリーン燃焼制御なども精度良く行うこともできる。
一般に、全領域酸素センサは、排気ガス中の酸素濃度に対応した検知電流をセンシング出力とする。このため、センサ制御装置では、その初段でこの検知電流の電流値を検出する。例えば特許文献1,2には、その電流検出部の具体的手段が開示されている。即ち、これらの従来技術では、ガスセンサ素子からの検知電流を検出抵抗器に流し、この検出抵抗器の両端の電圧を差動増幅回路において差動増幅して、検知電流に対応した電圧出力を得ている。
特開平1−152356号公報 特開2004−205488号公報
しかしながら、上記のような差動増幅回路は、回路中の素子の特性ばらつきやその温度特性などによる特性変動が避けられない。従って、エンジン制御をより精度良く行うためには、このような要因による影響をも排除することが望まれる。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、酸素などの特定ガス成分の濃度に関連する濃度信号から、特定ガス成分に関する濃度情報を高い精度で取得可能とするセンサ制御装置、これを用いたセンサシステム、センサ制御装置の制御方法、及び、特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法を提供することを目的とする。
その解決手段は、ガスセンサ素子を作動させて得た特定ガス成分の濃度に対応する検知電流を用いて、前記特定ガス成分の濃度に関連する濃度信号を出力するセンサ制御装置であって、第1入力端に入力された第1入力電圧及び第2入力端に入力された第2入力電圧を差動増幅する差動増幅部と、前記検知電流が流れる検出抵抗器の一端の第1検知電圧を前記第1入力電圧とし、前記検出抵抗器の他端の第2検知電圧を前記第2入力電圧とする場合と、第1基準電圧を前記第1入力電圧とし、第2基準電圧を前記第2入力電圧とする場合と、を切り換える第1スイッチと、を備えるセンサ制御装置である。
本発明のセンサ制御装置では、第1スイッチにより、検出抵抗器の一端の第1検知電圧を第1入力電圧とし、検出抵抗器の他端の第2検知電圧を第2入力電圧とした場合に、差動増幅部で検出抵抗器の両端の電圧を差動増幅するので、この差動増幅部からガスセンサ素子の検知電流に対応した出力電圧を得ることができる。そしてセンサ制御装置からはこの出力電圧あるいはこれに対応する信号を濃度信号として出力する。この濃度信号を用いれば、酸素濃度など特定ガスの濃度や空燃比など特定ガスに関する濃度情報を検知することが可能となる。
一方、第1スイッチにより、既知の第1基準電圧を第1入力電圧とし、同じく既知の第2基準電圧を第2入力電圧とした場合、差動増幅部はこれら第1,第2基準電圧の差分を増幅するので、センサ制御装置からは、この差分を増幅した出力電圧あるいはこれに対応する信号(基準増幅信号)を出力する。従って、この信号(基準増幅信号)を用いれば、その時点における差動増幅部の実際の増幅率を知ることができる。このようにして、センサ制御装置が起動している際に差動増幅部の実際の増幅率を取得することで、この増幅率に基づいて、濃度信号からより正確な特定ガスに関する濃度情報を得ることが可能となる。
従って、回路素子の特性ばらつきにより差動増幅部の増幅率がばらついている場合でも、従来よりもより高い精度で特定ガスに関する濃度情報を検知することが可能となる。また、差動増幅部の温度変化などによって生じる増幅率のドリフト、経時的な劣化等による増幅率の変化を生じたとしても、これらの変化に影響されることなく、精度良く特定ガスに関する濃度情報を検知することができる。
なお、特定ガス成分に関する濃度情報を検知するに当たっては、基準増幅信号に基づき得られた実際の増幅率そのものを用いて濃度情報を算出する手法のほか、本来得られるべき増幅率(設計値としての増幅率)を用いて、一旦濃度情報を算出しておき、得られた実際の増幅率を用いてこれを補正することで、実際の増幅率を反映した濃度情報を得る手法を取ることもできる。
また、特定ガス成分の濃度に対する検知電流を出力するガスセンサ素子としては、少なくともポンプセルと起電力セルとを含む2セル以上の積層型のガスセンサ素子を挙げることができる他、いわゆる限界電流方式で制御する1セルタイプのガスセンサ素子をも含む。
また、差動増幅部としては、例えば、バイポーラトランジスタやMOSトランジスタ、抵抗器などの個別部品で構成した差動増幅回路が挙げられる。また、オペアンプ及び抵抗器で構成した差動増幅回路、ASIC中に構成したオペアンプ回路及び抵抗器で構成した差動増幅回路などが挙げられる。オペアンプを用いた差動増幅回路は、増幅率の設定やオフセット電圧の設定、負帰還回路の構成を容易に行えるため好ましい。
また、増幅率は、得られる第1,第2検知電圧の大きさを考慮して適宜選択すれば良く、×1倍を超える場合の他、×1倍の場合や、×1倍を下回る場合もあり得る。
また、第1スイッチとしては、リレー等の適宜のスイッチ素子を用いることもできる。但し、耐久性等を考慮すると、FETなどの半導体素子を用いた半導体スイッチを用いるのが好ましい。後述する第2スイッチも同様である。
本明細書におけるセンサ制御装置は、前述の差動増幅部、第1スイッチを備えるものであれば良く、センサ制御装置内に、検出抵抗器を含む必要はない。後述する基準電圧電源部をなす部品や実施形態において示すPID制御回路の制御定数を決定するための抵抗器やコンデンサ等についても同様である。従って、センサ制御装置として、単一の部材上に構成したものを想定する場合、例えば、単一の基板(チップ)上に形成され、検出抵抗器等を含まないASICやハイブリッドICを想定することができる。
一方、検出抵抗器や基準電圧電源部をなす部品等を、このASIC等の外付け部品としたもの全体をセンサ制御装置とすることもできる。さらに、これらを一体の部材とした例として、差動増幅部、第1スイッチを備えるASIC等と、検出抵抗器や基準電圧電源部をなす部品等の外付け部品を、同じ基板に搭載したボードやハイブリッドICを挙げることもできる。
更に、上記のセンサ制御装置であって、前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を出力する基準電圧電源部であって、前記第1基準電圧を分圧抵抗器で分圧して前記第2基準電圧とする、または、所定電圧をそれぞれ分圧抵抗器で分圧して前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧とする基準電圧電源部を備えるセンサ制御装置とすると良い。
このような基準電圧電源部を備えていれば、容易に基準とする2つの電圧(第1,第2基準電圧)が得られる。その上、基準電圧電源部が第1基準電圧およびこれを分圧抵抗器で分圧してなる第2基準電圧を出力するものである場合には、第1基準電圧が変動しても、その変動に伴って第2基準電圧が同方向に変動するので、変動による影響が少なくて済む。同様に、基準電圧電源部が所定電圧をそれぞれ分圧抵抗器で分圧してなる第1,第2基準電圧を出力するものである場合には、所定電圧が変動しても、その変動に伴って第1,第2基準電圧が同方向に変動するので、この場合も所定電圧の変動による影響が少なくて済む。
更に、上記のセンサ制御装置であって、前記分圧抵抗器の抵抗値の精度を、前記差動増幅部の増幅率決定に関与する抵抗器の抵抗値の精度よりも、高精度としてなるセンサ制御装置とすると良い。
このように基準電圧電源部において分圧に用いる分圧抵抗器の抵抗値の精度を高くしておくと、正確な第1,第2基準電圧の電圧値が得られる。このように正確な第1,第2基準電圧を差動増幅部に入力し増幅させると、その出力電圧から、差動増幅部の増幅率の誤差を、精度良く検知することができる。
更に、上記のいずれかに記載のセンサ制御装置であって、前記差動増幅部を、互いに異なる前記第1入力電圧と前記第2入力電圧とを差動増幅する状態と、上記差動増幅部のオフセット電圧のみが出力される状態と、に切り換える第2スイッチを備えるセンサ制御装置とすると良い。
本発明のセンサ制御装置では、第2スイッチの切り換えにより、差動増幅部が、互いに異なる第1入力電圧と第2入力電圧とを差動増幅する状態、つまり通常の差動増幅可能な状態のほか、差動増幅部のオフセット電圧のみが出力される状態を選択できる。
従って、差動増幅部により第1入力電圧と第2入力電圧とを差動増幅することで、ガスセンサ素子の検知電流に対応した濃度信号を得ることができる。
その一方、差動増幅部のオフセット電圧のみが出力される状態とすることで、センサ制御装置からは、このオフセット電圧あるいはこれに対応する信号(オフセット信号)を出力する。従って、この信号(オフセット信号)を用いれば、その時点における差動増幅部の実際のオフセット電圧を知ることができる。
このようにして、センサ制御装置が起動している際に差動増幅部の実際のオフセット電圧を取得することで、前述のようにして得た増幅率と共に、このオフセット電圧に基づいて、濃度信号からより正確な特定ガス成分に関する濃度情報を得ることが可能となる。
また、差動増幅部の温度変化などによって生じるオフセット電圧のドリフト、経時的な劣化等によるオフセット電圧の変化が生じたとしても、これを考慮してこの変化に影響されることなく、精度良く特定ガス成分に関する濃度情報を検知することができる。
なお、特定ガス成分に関する濃度情報を検知するに当たっては、得られた実際のオフセット電圧そのものを用いて濃度情報を算出する手法が挙げられる。またこのほか、本来得られるべきオフセット電圧(設計値としてのオフセット電圧)を用いて、一旦濃度情報を算出しておき、得られた実際のオフセット電圧を用いてこれを補正することで、実際のオフセット電圧を反映した濃度情報を得る手法を取ることもできる。
また、本明細書において、オフセット電圧とは、差動増幅部の第1入力端と第2入力端に等しい入力がなされた場合に出力される出力信号の電圧値をいう。
従って、例えば、差動増幅部の第1入力端と第2入力端とを互いに短絡させると、差動増幅部からは、オフセット電圧のみが出力される。差動増幅器における第1,第2入力電圧と出力電圧との関係は、出力電圧=(第1入力電圧−第2入力電圧)×増幅率+オフセット電圧という関係となる。
また、差動増幅部を、自身のオフセット電圧のみが出力される状態とするには、実質的に差動増幅する第1入力電圧と第2入力電圧とを強制的に等しくすることができる回路を設ければよい。例えば、差動増幅部に、オペアンプ回路と増幅率等の特定を決める抵抗器等の受動部品とを用いる場合には、オペアンプ回路に反転入力端子及び非反転入力端子にそれぞれ接続された入力抵抗器のうち、オペアンプとは逆側の端部同士間を短絡する短絡路を設ける回路構成が挙げられる。
即ち、上記のセンサ制御装置であって、前記差動増幅部は、オペアンプ回路と、上記オペアンプ回路の反転入力端子に接続され前記第1入力電圧を伝える第1入力抵抗器と、上記オペアンプ回路の非反転入力端子に接続され前記第2入力電圧を伝える第2入力抵抗器と、を含み、前記第2スイッチは、上記第1入力抵抗器と第2入力抵抗器のうち、上記オペアンプとは逆側の端部同士間を短絡する短絡路を開閉するセンサ制御装置とするのが好ましい。
このように構成されたセンサ制御装置では、短絡路及びこれを開閉する第2スイッチを設けるという簡易な構成で、第2スイッチにより、差動増幅部を、互いに異なる第1入力電圧と第2入力電圧とを差動増幅する状態と、差動増幅部のオフセット電圧のみが出力される状態と、を切り換えることができる。
さらに他の解決手段は、上記いずれか一項に記載のセンサ制御装置と、前記ガスセンサ素子と、を備えるガスセンサシステムである。
本発明のガスセンサシステムでは、センサ制御装置に第1スイッチを備えている。従って、この第1スイッチの切り換えによって、差動増幅部で第1,第2検知電圧に応じた、従って検知電流に応じた出力電圧を得、これあるいはこれに対応した濃度信号を用いて特定ガス成分に関する濃度情報を検知することができる。
さらにこのほか、第1スイッチの切り換えによって、第1,第2基準電圧を差動増幅部に入力することで、第1,第2基準電圧及び差動増幅部の増幅率に応じた信号(基準増幅信号)を出力させることができる。第1,第2基準電圧は既知であるので、この信号から、差動増幅部のその時点での増幅率を知ることができる。
従って、差動増幅部の温度変化などによって生じる増幅率のドリフト、経時的な劣化等による差動増幅部の増幅率に変化が生じたとしても、上述のようにして取得した増幅率を用いることで、増幅率の変化に影響されることなく、高い精度で特定ガス成分に関する濃度情報を検知することができる。
また、他の解決手段は、ガスセンサ素子を作動させて得た特定ガス成分の濃度に対応する検知電流を用いて、前記特定ガス成分の濃度に関連する濃度信号を出力するセンサ制御装置であって、第1入力端に入力された第1入力電圧及び第2入力端に入力された第2入力電圧を差動増幅する差動増幅部と、前記検知電流が流れる検出抵抗器の一端の第1検知電圧を前記第1入力電圧とし、前記検出抵抗器の他端の第2検知電圧を前記第2入力電圧とする場合と、第1基準電圧を前記第1入力電圧とし、第2基準電圧を前記第2入力電圧とする場合と、を切り換える第1スイッチと、を備えるセンサ制御装置の制御方法であって、前記第1基準電圧を前記第1入力電圧とし、前記第2基準電圧を前記第2入力電圧として、上記センサ制御装置から前記第1基準電圧、前記第2基準電圧及び前記差動増幅部の増幅率に対応した基準増幅信号を出力させる基準信号出力ステップと、前記第1検知電圧を前記第1入力電圧とし、前記第2検知電圧を前記第2入力電圧として、上記センサ制御装置から前記濃度信号を出力させる濃度信号出力ステップと、を備えるセンサ制御装置の制御方法である。
本発明のセンサ制御装置の制御方法によれば、基準信号出力ステップでは、第1基準電圧を第1入力電圧とし、第2基準電圧を前記第2入力電圧として、差動増幅部の増幅率に対応した基準増幅信号を出力させる。これにより、この時点での差動増幅部の増幅率を知ることができる。また、濃度信号出力ステップでは、第1検知電圧を第1入力電圧とし、第2検知電圧を第2入力電圧として、濃度信号を出力させる。従って、この濃度信号を用いて、特定ガス成分に関する濃度情報を検知するに当たり、差動増幅部の増幅率を考慮して、酸素濃度など特定ガス成分に関する濃度情報をより正確に検知することができる。
更に、上記のセンサ制御装置の制御方法であって、前記基準信号出力ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化前の段階に行うセンサ制御装置の制御方法とすると良い。
本発明の制御方法では、基準信号出力ステップをガスセンサ素子の活性化前の段階で行わせる。これにより、差動増幅部の増幅率を予め取得できるから、ガスセンサ素子が活性化した後に、濃度信号出力ステップを行うことで、濃度信号と増幅率を用いて、特定ガス成分に関する濃度情報を正確にかつ直ちに取得できる。
なお、ガスセンサ素子が活性化前であるか否かを検知する手法としては、活性化前であるか否かを適宜検知できる公知のいずれの手法をも採用できる。例えば、ガスセンサ素子を加熱するヒータへの通電開始からの通電時間や積算電力量、ガスセンサ素子の各端子に現れる電位の変化、エンジンを冷却する冷却水の温度などを用いて、活性化前であるか否かを判断することができる。さらに具体的には、例えば、ポンプセルと起電力セルとを有するガスセンサ素子において、いずれかのセルの内部インピーダンスを検知して、活性化したか否かを判断する手法が挙げられる。
更に、上記のいずれかに記載のセンサ制御装置の制御方法であって、前記基準信号出力ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化後、定期的に行うセンサ制御装置の制御方法とするのが好ましい。
一般に、差動増幅部の増幅率は、常に一定とは限らない。たとえば、周囲の温度により変動するなど、時間と共に変化する。
これに対し、本発明のセンサ制御装置の制御方法では、基準信号出力ステップを、ガスセンサ素子の活性化後、定期的に行う。このため、たとえ差動増幅部の増幅率が変化したとしても、この定期的に取得した増幅率と、濃度信号とを用いることで、常に高い精度で、特定ガス成分に関する濃度情報を検知できる。
なお、基準信号出力ステップを行う間隔としては、ガスセンサ素子及びセンサ制御装置を用いる環境等によって適宜設定すればよい。
更に、上記のいずれかに記載のセンサ制御装置の制御方法であって、前記基準信号出力ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化後、前記センサ制御装置から前記濃度信号を出力させる必要がないときに行うセンサ制御装置の制御方法とすると良い。
本発明の制御方法では、基準信号出力ステップを、ガスセンサ素子の活性化後、センサ制御装置から濃度信号を出力させる必要がないときに行う。このようにすることで、当該期間が特定ガスに関する濃度情報を検知する必要のある期間であるにも拘わらず、基準信号出力ステップを行うことによって、センサ制御装置から濃度信号を出力させられなくなる状況を無くすることができる。これにより、適切な時期に特定ガス成分に関する濃度情報を検知でき、エンジン制御などを適切に行うことができる。
なお、センサ制御装置から濃度信号を出力させる必要がないときとしては、ガスセンサ素子及びセンサ制御装置を用いる用途や環境によって異なるが、例えば、ガスセンサ素子が活性化する前の期間が挙げられる。また例えば、ガスセンサ素子及びセンサ制御装置を自動車に搭載し、これらを用いて排気ガス中の酸素濃度や空燃比を計測する場合には、走行中において、運転者がアクセルを離したとき(エンジンブレーキ時)が挙げられる。この場合には、エンジンに燃料を噴射しないので、酸素濃度や空燃比を計測する必要がないからである。
更に、上記のいずれか一項に記載のセンサ制御装置の制御方法であって、前記センサ制御装置は、前記差動増幅部を、互いに値の異なる前記第1入力電圧と前記第2入力電圧とを差動増幅する状態と、上記差動増幅部のオフセット電圧のみが出力される状態とに切り換える第2スイッチを備え、上記センサ制御装置から前記差動増幅部のオフセット電圧に対応したオフセット信号を出力させるオフセット信号出力ステップを備えるセンサ制御装置の制御方法とすると良い。
本発明の制御方法によれば、オフセット信号出力ステップにおいて、差動増幅部からオフセット電圧を出力させ、センサ制御装置からオフセット信号を出力させる。このオフセット信号からは、差動増幅部のオフセット電圧を知ることができるから、前述の増幅率のと共に、濃度信号から特定ガス成分に関する濃度情報検知の際に、これらの値を用いれば、更に高い精度で特定ガス成分の濃度を得ることができる。
なお、オフセット信号出力ステップは、前述の基準信号出力ステップと相前後して行うようにするのが好ましい。差動増幅部の増幅率とオフセット電圧とを同時期に求めておくのが好ましいからである。
更に、上記のセンサ制御装置の制御方法であって、前記オフセット信号出力ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化前の段階で行うセンサ制御装置の制御方法とすると良い。
本発明の制御方法では、オフセット信号検出ステップをガスセンサ素子の活性化前の段階で行う。これにより、差動増幅部のオフセット電圧を予め取得できるから、ガスセンサ素子が活性化した後に、オフセット信号出力ステップを行うことで、濃度信号と前述の増幅率及びオフセット電圧を用いて、特定ガス成分に関する濃度情報を正確にかつ直ちに取得できる。
更に、上記のいずれかに記載のセンサ制御装置の制御方法であって、前記オフセット信号出力ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化後、定期的に行うセンサ制御装置の制御方法とするのが好ましい。
一般に、差動増幅部のオフセット電圧も、常に一定とは限らない。たとえば、周囲の温度により変動するなど、時間と共に変化する。
これに対し、本発明のセンサ制御装置の制御方法では、オフセット信号出力ステップを、ガスセンサ素子の活性化後、定期的に行う。このため、たとえ差動増幅部のオフセット電圧が変化したとしても、この定期的に取得したオフセット電圧と、前述の増幅率と、濃度信号とを用いることで、常に高い精度で、特定ガス成分に関する濃度情報を検知できる。
なお、オフセット信号出力ステップを行う間隔としては、ガスセンサ素子及びセンサ制御装置を用いる環境等によって適宜設定すればよい。
さらに、前2項のいずれかに記載のセンサ制御装置の制御方法であって、前記オフセット信号出力ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化後、前記センサ制御装置から前記濃度信号を出力させる必要がないときに行うセンサ制御装置の制御方法とすると良い。
本発明の制御方法では、オフセット信号出力ステップを、ガスセンサ素子の活性化後、センサ制御装置から濃度信号を出力させる必要がないときに行う。このようにすることで、当該期間が特定ガスに関する濃度情報を検知する必要のある期間であるにも拘わらず、オフセット信号出力ステップを行うことによって、センサ制御装置から濃度信号を出力させられなくなる状況を無くすことができる。これにより、適切な時期に特定ガス成分に関する濃度情報を検知でき、エンジン制御などを適切に行うことができる。
さらに他の解決手段は、ガスセンサ素子と、前記ガスセンサ素子を作動させて得た特定ガス成分の濃度に対応する検知電流を用いて、前記特定ガス成分の濃度に関連する濃度信号を出力するセンサ制御装置であって、第1入力端に入力された第1入力電圧及び第2入力端に入力された第2入力電圧を差動増幅する差動増幅部、及び、前記検知電流が流れる検出抵抗器の一端の第1検知電圧を前記第1入力電圧とし、前記検出抵抗器の他端の第2検知電圧を前記第2入力電圧とする場合と、第1基準電圧を前記第1入力電圧とし、第2基準電圧を前記第2入力電圧とする場合と、を切り換える第1スイッチを備えるセンサ制御装置と、を用いた特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法であって、前記第1基準電圧を前記第1入力電圧とし、前記第2基準電圧を前記第2入力電圧として、前記第1基準電圧、前記第2基準電圧及び前記差動増幅部の増幅率に対応した基準増幅信号を前記センサ制御装置から出力させ、前記差動増幅部の増幅率を検知する増幅率検知ステップと、前記第1検知電圧を前記第1入力電圧とし、前記第2検知電圧を前記第2入力電圧として、前記濃度信号を前記センサ制御装置から出力させ、前記増幅率を用いて、前記特定ガス成分に関する濃度情報の検知する濃度情報検知ステップと、を備える特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法である。
本発明の特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法によれば、増幅率検知ステップでは、第1基準電圧を第1入力電圧とし、第2基準電圧を前記第2入力電圧として、センサ制御装置から差動増幅部の増幅率に対応した基準増幅信号を出力させる。そして、この基準増幅信号を用いて、差動増幅部のその時点での増幅率を検知する。
さらに、濃度情報検知ステップでは、第1検知電圧を第1入力電圧とし、第2検知電圧を第2入力電圧として、センサ制御装置から濃度信号を出力させる。そして、すでに得た差動増幅部の増幅率を用いて、特定ガス成分に関する濃度情報を検知する。これにより、特定ガス成分に関する濃度情報をより正確に検知できる。
なお、濃度情報検知ステップでは、増幅率検知ステップで得られた実際の増幅率そのものを用いて濃度情報を算出する手法を取ることができる。またこのほか、本来得られるべき増幅率(設計値としての増幅率)を用いて、一旦濃度情報を算出しておき、得られた実際の増幅率を用いてこれを補正することで、実際の増幅率を反映した濃度情報を得る手法を取ることもできる。
さらに、上記の特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法であって、前記増幅率検知ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化前の段階で行う特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法とするのが好ましい。
本発明の濃度情報の検知方法では、増幅率検知ステップをガスセンサ素子の活性化前の段階で行う。これにより、差動増幅部の増幅率を予め取得できるから、ガスセンサ素子が活性化した後に、濃度情報検知ステップを行うことで、濃度信号と増幅率を用いて、特定ガス成分に関する濃度情報を正確に、かつ直ちに取得できる。
また、上記いずれかに記載の特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法であって、前記増幅率検知ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化後、定期的に行う特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法とするのが好ましい。
本発明の濃度情報の検知方法では、増幅率検知ステップを、ガスセンサ素子の活性化後、定期的に行う。このようにすることで、この定期的に取得した増幅率を用いて、濃度情報検知ステップにおいて特定ガス成分に関する濃度情報を常に高い精度で検知できる。
さらに上記いずれか一項に記載の特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法であって、前記増幅率検知ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化後、前記センサ制御装置から前記濃度信号を出力させる必要がないときに行う特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法とするのが好ましい。
本発明の濃度情報の検知方法では、増幅率検知ステップを、ガスセンサ素子の活性化後、センサ制御装置から濃度信号を出力させる必要がないときに行う。このようにすることで、当該期間が特定ガスに関する濃度情報を検知する必要のある期間であるにも拘わらず、増幅率検知ステップを行うことによって、センサ制御装置から濃度信号を出力させられず、適切に特定ガスに関する濃度情報を検知できなくなる状況を無くすることができる。これにより、適切にエンジン制御などを行わせることができる。
さらに、上記いずれか一項に記載の特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法であって、前記センサ制御装置は、前記差動増幅部を、互いに異なる前記第1入力電圧と前記第2入力電圧とを差動増幅する状態と、上記差動増幅部のオフセット電圧のみが出力される状態と、に切り換える第2スイッチを備え、前記差動増幅部のオフセット電圧に対応したオフセット信号を前記センサ制御装置から出力させ、前記差動増幅部のオフセット電圧を検知するオフセット検知ステップを備え、前記濃度情報検知ステップは、前記増幅率及び前記オフセット電圧に基づいて、前記特定ガス成分に関する濃度情報を検知する特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法とすると良い。
本発明の濃度情報の検知方法によれば、オフセット検知ステップにおいて、差動増幅部からオフセット電圧を出力させ、センサ制御装置からオフセット信号を出力させる。そして、このオフセット信号を用いて差動増幅部のオフセット電圧を検知する。
さらに、濃度情報検知ステップでは、増幅率及びオフセット電圧に基づいて、特定ガス成分に関する濃度情報を検知する。
これにより、差動増幅部の増幅率のみならずオフセット電圧まで考慮した、さらに高い精度での特定ガス成分に関する濃度情報の検知ができる。
なお、濃度情報検知ステップでは、オフセット検知ステップで得られた実際のオフセット電圧そのものを用いて濃度情報を算出する手法を取ることができる。またこのほか、本来得られるべきオフセット電圧(設計値としてのオフセット電圧)を用いて、一旦濃度情報を算出しておき、得られた実際のオフセット電圧を用いてこれを補正することで、実際のオフセット電圧を反映した濃度情報を得る手法を取ることもできる。
さらに、上記の特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法であって、前記オフセット検知ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化前の段階で行う特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法とするのが好ましい。
本発明の濃度情報の検知方法では、オフセット検知ステップをガスセンサ素子の活性化前の段階で行う。これにより、差動増幅部のオフセット電圧を予め取得できるから、ガスセンサ素子が活性化した後に、濃度情報検知ステップを行うことで、このオフセット電圧と濃度信号と前述の増幅率とを用いて、特定ガス成分に関する濃度情報を正確に、かつ直ちに取得できる。
さらに前2項のいずれかに記載の特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法であって、前記オフセット検知ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化後、定期的に行う特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法とするのが好ましい。
差動増幅部のオフセット電圧も、増幅率と同様、通常、温度特性を有するので、差動増幅部の周囲にの温度が変化するとこれと共に変化する。
これに対し、本発明の濃度情報の検知方法では、オフセット検知ステップを、ガスセンサ素子の活性化後、定期的に行う。このようにすることで、その定期的に取得した差動増幅部のオフセット電圧及び前述の増幅率を用いて、特定ガス成分に関する濃度情報を常に高い精度で検知できる。
さらに前3項のいずれかに記載の特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法であって、前記オフセット検知ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化後、前記センサ制御装置から前記濃度信号を出力させる必要がないときに行う特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法とするのが好ましい。
本発明の濃度情報の検知方法では、オフセット検知ステップを、ガスセンサ素子の活性化後、センサ制御装置から濃度信号を出力させる必要がないときに行う。このようにすることで、当該期間が特定ガスに関する濃度情報を検知する必要のある期間であるにも拘わらず、オフセット検出ステップを行うことによって、センサ制御装置から濃度信号を出力させられず、適切に特定ガスに関する濃度情報を検知できなくなる状況を無くすことができる。これにより、適切にエンジン制御などを適切に行わせることができる。
以下、本発明の実施形態を、図1〜図5を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るガスセンサシステム10の等価回路図を、図1に示す。ガスセンサシステム10は、ガスセンサ素子160、センサ制御装置100、及びエンジン制御装置150を含む。
このうち、ガスセンサ素子160は、後述する構成を有し、図示しないエンジンの排気管に装着され、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)に対応した検知電流Ipが流れる空燃比センサである。
また、センサ制御装置100は、ASICとして構成された制御回路110のほか、これに外付けされた基準電圧電源部140、検出抵抗器Rd、抵抗器R1、及び、PID制御回路123の制御定数を与える抵抗器R2〜R4とコンデンサC1〜C3を含み、これらは、1つのボード上に搭載されている。このセンサ制御装置100(制御回路110)は、エンジン制御装置150の指示に基づき、ガスセンサ素子160を制御して、酸素濃度(空燃比)に応じた濃度信号SC等をエンジン制御装置150に向けて出力する。
エンジン制御装置150は、センサ制御装置100(制御回路110)から出力された濃度信号SCを用いて排気ガス中の酸素濃度(空燃比)を検知し、図示しないガソリンエンジンの制御を行う。
なお、本実施形態では外付けとしたが、基準電圧電源部140、検出抵抗器Rd、抵抗器R1、あるいは、抵抗器R2〜R4とコンデンサC1〜C3のいずれか、あるいはすべてを、適宜、制御回路110と共に1つの基板内に収めるようにしても良い。
図1に示すように、ガスセンサ素子160と制御回路110とは、ガスセンサ素子160の各端子Vs+,COM,Ip+と、制御回路110の端子VS+,Vcent,IP+とで、それぞれ電気的に接続している。
また、制御回路110とエンジン制御装置150とは、制御回路110の端子VIP,CIと、エンジン制御装置150の端子AD,CTとの間で、それぞれ信号伝達可能となっている。更に、制御回路110とエンジン制御装置150とは、制御回路110の端子CC5,G−VIPCALと、エンジン制御装置150の端子VCCAとが、基準電圧電源部140を介して電気的に接続している。
ガスセンサ素子160は、ポンプセル163と起電力セル165とを、排気ガスを導入可能な中空の測定室を構成するスペーサを介して積層した構成を有し、起電力セル165のうち測定室に面する側とは逆側に位置する電極を遮蔽層により閉塞した公知の構成を有するものである。ポンプセル163及び起電力セル165は、それぞれ、板状で酸素イオン伝導性を有する固体電解質を基体とし、その両面には多孔質の白金により電極が形成されている。ポンプセル163の電極の一端(図中左端)と、起電力セル165の電極の一端(図中右端)とは、互いに導通すると共に、ガスセンサ素子160の出力端子である端子COMに接続している。また、ポンプセル163の電極の他端(図中右端)は、ガスセンサ素子160の出力端子である端子Ip+に接続し、起電力セル165の電極の他端(図中左端)は、ガスセンサ素子160の端子Vs+に接続している。
センサ制御装置100は、ガスセンサ素子160の起電力セル165に微少電流Icpを流しつつ、起電力セル165の両端に発生する起電力セル電圧Vsが450mVになるように、ポンプセル163に流すポンプセル電流(検知電流)Ipを制御して、測定室に導入された排気ガス中の酸素の汲み入れ汲み出しを行う。なお、ポンプセル163に流れるポンプセル電流Ipの電流値及び電流の方向は、空燃比(換言すれば、排気ガス中の酸素濃度)に応じて変化することから、このポンプセル電流Ipの向きと大きさを検知することで、空燃比(排気ガス中の酸素濃度)を検知できる。
エンジン制御装置150は、A/D変換器151とCPU153とを有する。このうちA/D変換器151は、入力端子である端子ADを介して、制御回路110の端子VIPから出力される出力信号(濃度信号SC等)を取り込んでデジタル値に変換し、これをCPU153に出力する。CPU153は、デジタル化された制御回路110の出力信号に基づいて、後述するように空燃比、増幅率、オフセット電圧を算出する。また、エンジン制御装置150は、その端子CT及び制御回路110の端子CIを通じて、制御回路110中のスイッチSW1〜SW3のオン・オフを制御する。更に、このエンジン制御装置150は、出力端子である端子VCCAを介して、基準電圧電源部140に所定の電圧を出力できる。
センサ制御装置100のうち、制御回路110は、ガスセンサ素子160の起電力セル165に微少電流Icpを供給し、ポンプセル電流Ipを制御する制御部120と、ポンプセル電流Ipが流れることにより検出抵抗器Rdの両端に発生する検知電圧Vdを用いて、エンジン制御装置150へこの情報を送るための出力処理部130とを有する。
このうち制御部120には、起電力セル165に微少電流Icpを通電するための定電流源121、入力バッファ122、出力バッファ126、及び、PID制御回路123が含まれる。出力バッファ126は、端子COMの電位を一定(3.6V)に保持するようにして、端子IP+を介してポンプセル163に正負にわたるポンプセル電流Ipを流す。PID制御回路123は、入力バッファ122を介して接続したガスセンサ素子160の端子Vs+(制御回路110の端子VS+)の電位と、端子Vcentとの電位差が常に450mVとなるように、ポンプセル165に流すポンプセル電流Ipの大きさを決定するためのPID制御を行う。なお、PID制御回路123に導通する端子P1,P2,P3,Poutには、PID制御の定数を決定するためのコンデンサC1〜C3及び抵抗器R2〜R4がそれぞれ接続している。
一方、検出抵抗器Rdは、図1に示すように、ポンプセル電流Ipが流れる電流路内に配置されているため、その両端には、ポンプセル電流Ipの大きさに応じた検知電圧Vd(V)が発生する。本実施形態では、検出抵抗器Rdの抵抗値を、Rd=300Ωとしてあるため、ポンプセル電流Ip(A)は、Ip=Vd/300の式によって求められる。また、検出抵抗器Rdの一端Rd1の電位(端子Vcentの電位)を第1検知電圧Vd1とし、検出抵抗器Rdの他端の電位(端子Poutの電位)を第2検知電圧Vd2としたとき、検知電圧Vdは、第1検知電圧Vd1と第2検知電圧Vd2との差分として与えられる(Vd=Vd1−Vd2)。
一方、制御回路110のうち、出力処理部130は、バッファとして動作するオペアンプOP1,OP2と、差動増幅回路(差動増幅部)131と、スイッチSW1,SW2を有する。スイッチSW1,SW2は連動して動作するように構成されており、切り換えにより、オペアンプOP1,OP2の非反転入力端子に、第1検知電圧Vd1,第2検知電圧Vd2がそれぞれ入力される状態と、後述する第1基準電圧Vb1,第2基準電圧Vb2がそれぞれ入力される状態とを選択できる。
なお、スイッチSW1及びスイッチSW2を併せたものが、本発明の第1スイッチに相当する。
差動増幅回路131は、第1入力端132に入力された第1入力電圧Vi1と、第2入力端133に入力された第2入力電圧Vi2とを、所定の増幅率で差動増幅し、出力信号を端子VIPに向けて出力する。
差動増幅回路131のうち、オペアンプOP3及び抵抗器R5〜R10により差動増幅回路の基本形が構成され、その増幅率Gは、抵抗器R5〜R10により決定される。なお、各抵抗器の抵抗値は、R5=R7、R6=R8、R9=R10とされている。
また、オペアンプOP3の非反転入力端子には、バッファとして動作するオペアンプOP4及び抵抗器R10を介して所定の基準オフセット電圧Voffが加えられている。この基準オフセット電圧Voffは、差動増幅回路131から出力される出力信号の基準電圧を定めるものである。
かくして、この差動増幅回路131のうち、オペアンプOP3の非反転入力端子(+端子)には、抵抗器R5,R6を介して第1入力電圧Vi1、及び、基準オフセット電圧Voffが加えられる。一方、オペアンプOP3の反転入力端子(−端子)には、抵抗器R7,R8を介して第2入力電圧Vi2、及び、帰還抵抗器R9を介してオペアンプOP3自身の出力が負帰還入力される。
このように構成した差動増幅回路131を用いると、第1,第2入力信号Vi1,Vi2に共通して含まれるコモンモードノイズを効果的に除去することができる。このため、ノイズの少ない適切な出力信号を端子VIPに向けて出力できる。
また、差動増幅回路131から出力される出力信号は、この基準オフセット電圧Voffにほぼ等しいオフセット電圧OFS(OFS≒Voff)を有した値となる。但し、この差動増幅回路131のオフセット電圧OFSは、オペアンプOP3の非反転入力端子に入力した基準オフセット電圧Voffとは必ずしも一致しない。オペアンプOP3自身がオフセット電圧を有している場合には、この値もオフセット電圧OFSに加えられるからである。
本実施形態の差動増幅回路131は、具体的には、増幅率G=4.5、基準オフセット電圧Voff=2.3V≒OFSとされている。従って、スイッチSW1,SW2を切り換えて、第1,第2検知電圧Vd1,Vd2を第1,第2入力信号Vi1,Vi2とした場合、前述したように検出抵抗器Rdの抵抗値は300Ωであるので、ポンプセル電流Ip(A)と、出力信号である濃度信号SC(V)との関係は以下の式で表される。
SC(V)=(Vd1−Vd2)×G+OFS …(式1)
=Ip×300×G+OFS …(式2)
=Ip×300×4.5+2.3
このように、ポンプセル電流Ipの変化に応じて、差動増幅回路131から出力される濃度信号SCは、ポンプセル電流Ipと一次関数の関係となる。
差動増幅回路131から出力された濃度信号SCは、制御回路110(センサ制御装置100)の端子VIPから出力されてエンジン制御装置150の端子ADに入力される。エンジン制御装置150では、濃度信号SCをA/D変換器151によりデジタル値に変換し、CPU153によって所定の処理が行われ、ポンプセル電流Ipあるいはこれに対応する値を求め、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)を検知する。そして、得られた酸素濃度(空燃比)を用いて、燃料噴射制御などのエンジン制御を行う。
さらに、この差動増幅回路131には、オペアンプOP3の非反転入力端子に直列に接続されている抵抗器R5とR6との間のノード134Aと、反転入力端子に直列に接続されている抵抗器R7とR8との間のノード134Bとを短絡させる短絡路134を有しており、スイッチSW3は、この短絡路134を開閉する。
このスイッチSW3は、差動増幅回路131から濃度信号SCを出力させる場合、及び後述する基準増幅信号SGを出力させる場合には、オフとされている、即ち、短絡路134を開路している。
ついで、スイッチSW3がオン、即ち、短絡路134が閉路されノード134Aとノード134Bとの間が短絡された場合(オフセットキャリブレーション時)について説明する。
スイッチSW3がオンとされると、抵抗器R5とR6との間のノード134Aと、抵抗器R7とR8との間のノード134Bとが短絡、即ち、第1,第2入力端132,133の第1,第2入力電圧Vi1,Vi2が異なる値であっても、ノード134Aとノード134Bの電位が強制的に同電位とされる。従って、スイッチSW3がオンとされると、実質的に、第1,第2入力端132,133の第1,第2入力電圧Vi1,Vi2に同じ入力を加えたのと同じことになる。従って、この差動増幅回路131からは、第1,第2入力電圧Vi1,Vi2とは関係せず、差動増幅回路131のオフセット電圧OFSのみを含む出力信号(オフセット検知信号)SOが端子VIPに向けて出力される。
なお、本実施形態の差動増幅回路131では、ノード134A及びノード134Bよりも前段側(図1中左側)には、抵抗器R5,R7が設けられている。このため、オペアンプOP1,OP2(バッファ)から、互いに異なる値の第1,第2入力電圧Vi1,Vi2が出力されていても、抵抗器R5,短絡路134,抵抗器R7を通じて流れるオペアンプOP1,OP2からの出力電流(短絡電流)は、抵抗器R5,R7によりその大きさが制限されるため、不具合を生じることがない。
また、このスイッチSW3は、本発明の第2スイッチに相当する。
前述したように、スイッチSW3をオンとすることで、差動増幅回路131からは、オフセット検知信号SOが出力される。このオフセット検知信号電圧SOは、制御回路110(センサ制御装置100)の端子VIPを介して、エンジン制御装置150の端子ADに入力され、A/D変換器151によりデジタル値に変換され、CPU153によって処理される。前述したように、オフセット検知信号SOは、差動増幅回路131のオフセット電圧OFSのみを含む出力信号であるから、このオフセット検知信号SOから、スイッチSW3がオンした時点における差動増幅回路131のオフセット電圧OFSを検知できる。
一般に、差動増幅回路の出力信号に含まれるオフセット電圧は、必ずしも一定ではなく、各個体によるバラツキを有する。また、周囲の温度変化による温度特性や経時劣化に起因して変化する。本実施形態においては、基準オフセット電圧Voffを発生する電源の温度特性や経時的変化、オペアンプOP3の特性バラツキや温度特性、経時変化、抵抗器R5〜R10の抵抗値のバラツキや温度特性、経時変化などによっても、差動増幅回路131のオフセット電圧OFSは異なった値となる。つまり、オフセット電圧OFSは、各個体毎にバラツキを有するほか、時間とともに変化する。
これに対し、本実施形態のガスセンサシステム10(センサ制御装置100)では、前述したように、スイッチSW3をオンとすることにより、オフセット検知信号SOから、各時点での差動増幅回路131のオフセット電圧OFSを検知できる。
従って、本実施形態のガスセンサシステム10(センサ制御装置100)では、適切な時期にスイッチSW3をオンとすることで、その時点での差動増幅回路131のオフセット電圧OFSを検知することができる。
そして、スイッチSW1,SW2を切り換えて、第1,第2検知電圧Vd1,Vd2を第1,第2入力信号Vi1,Vi2とし、差動増幅回路131から濃度信号SCを出力させる。そこで、前述の式2:SC=Ip×300×G+OFSに、算出したオフセット電圧OFSを適用することにより、ポンプセル電流Ipを正確に求め、また、酸素濃度(空燃比)を正確に検知することができる。従って、より適切に燃料噴射制御などのエンジン制御を行うことができる。
次に、基準電圧電源部140及びこれを用いた増幅率Gの検知について説明する。
基準電圧電源部140は、レギュレータ143と、この出力を分圧する基準抵抗器R11,R12とを有する。レギュレータ143は、エンジン制御装置150の端子VCCAに接続して駆動され、高精度の第1基準電圧Vb1を出力する。なお、本実施形態では、第1基準電圧Vb1は、5Vとしてある。この第1基準電圧Vb1は、制御回路110の端子CC5に入力され、さらに、スイッチSW1に接続している。
また、この第1基準電圧Vb1は、直接に接続された基準抵抗器R11,R12により分圧されており、これらの分圧点からは、4.5Vの第2基準電圧Vb2が得られる。この第2基準電圧Vb2は、制御回路110の端子G−VIPCALに入力され、さらに、スイッチSW2に接続している。
この基準電圧電源部140では、上述のように、第1基準電圧Vb1を基準抵抗器R11,R12で分圧して第2基準電圧Vb2を得ている。このようにすると、万一、レギュレータ143から出力される第1基準電圧Vb1が、何らかの理由で変動したとしても、その変動に伴って第2基準電圧Vb2も同方向に変動するので、これらの差電圧については、変動が抑制される。
なお、基準電圧電源部140に含まれる基準抵抗器R11,R12の抵抗値は、差動増幅回路131に含まれ、この増幅率決定に関与する抵抗器R5〜R10に比して、高精度の抵抗器を用いている。具体的には、抵抗器R5〜R10の抵抗値の精度(狙いとする抵抗値に対するバラツキ度合い)が2〜3%程度であるのに対し、基準抵抗器R11,R12の抵抗値の精度は1%程度としてある。このため、基準抵抗器R11,R12に抵抗値のバラツキによる第1,第2基準電圧Vb1,Vb2の電圧値の精度よりも、抵抗器R5〜R10の抵抗値のバラツキによる差動増幅器131の増幅率Gのバラツキの方が大きい。
しかし、ゲインキャリブレーションにおいて、高精度の第1,第2基準電圧Vb1,Vb2を用いることにより、増幅率Gを差動増幅器131が本来有している増幅率Gのバラツキよりも高精度に測定することができるから、抵抗値のバラツキが相対的に大きい抵抗器R5〜R10を用いながら、濃度信号SCから高精度にポンプセル電流Ipや酸素濃度(空燃比)を検知することが可能となる。
図1から容易に理解できるように、スイッチSW1では、切り換えにより、第1検知電圧Vd1及び第1基準電圧Vb1のいずれかを選択して、第1入力電圧Vi1とすることができる。スイッチSW2では、切り換えにより、第2検知電圧Vd2及び第2基準電圧Vb2のいずれかを選択して、第2入力電圧Vi2とすることができる。
そこで、以下では、スイッチSW1,SW2を切り換えて、第1,第2基準電圧Vb1,Vb2を第1,第2入力電圧Vi1,Vi2とした場合(ゲインキャリブレーション時)について説明する。なお、スイッチSW3はオフとしておく。
この場合、第1入力電圧Vi1として、Vi1=5.0Vが、第2入力信号Vi2として、Vi2=4.5Vが、差動増幅回路131に入力される。すると、差動増幅回路131からは、これら第1,第2基準電圧Vb1,Vb2の差分(0.5V)を差動増幅回路131で増幅した基準増幅信号SGが、端子VIPに向けて出力される。
第1,第2基準電圧Vb1,Vb2を第1,第2入力信号Vi1,Vi2とした場合、基準増幅信号SG(V)との関係は以下の式で表される。
SC(V)=(Vb1−Vb2)×G+OFS …(式3)
=0.5×G+OFS
この基準増幅信号SGは、制御回路110(センサ制御装置100)の端子VIPを介して、エンジン制御装置150の端子ADに入力され、A/D変換器151によりデジタル値に変換され、CPU153によって処理される。
前述したように、オフセット電圧OFSは、前述したようにスイッチSW3をオンとして求めておくことができる。また、第1,第2基準電圧Vb1,Vb2の値は既知であるから、この基準増幅信号SGから、その時点における差動増幅回路131の増幅率Gを検知できる。
一般に、差動増幅回路の増幅率は、必ずしも一定ではなく、各個体によるバラツキを有する。また、周囲の温度変化による温度特性や経時劣化に起因して変化する。本実施形態においては、基準オフセット電圧Voffを発生する電源の温度特性や経時的変化、オペアンプOP3の特性バラツキや温度特性、経時変化、抵抗器R5〜R10の抵抗値のバラツキや温度特性、経時変化などによっても、差動増幅回路131の増幅率Gは異なった値となる。つまり、増幅率Gは、各個体毎にバラツキを有するほか、時間とともに変化する。
これに対し、本実施形態のガスセンサシステム10(センサ制御装置100)では、前述したように、スイッチSW3をオンとすることにより、オフセット検知信号SOから、各時点での差動増幅回路131のオフセット電圧OFSを検知できる。さらに、スイッチSW3がオフの状態で、スイッチSW1,SW2を切り換えて、第1,第2基準電圧Vb1,Vb2を差動増幅回路131に入力することにより、基準増幅信号SGから、各時点での差動増幅回路131の増幅率Gを検知できる。
従って、本実施形態のガスセンサシステム10(センサ制御装置100)では、適切な時期にスイッチSW1,SW2を切り換えることで、その時点での差動増幅回路131の増幅率Gを検知することができる。
そして、スイッチSW1,SW2を切り換えて、第1,第2検知電圧Vd1,Vd2を第1,第2入力信号Vi1,Vi2とし、差動増幅回路131から濃度信号SCを出力させる。そこで、前述の式2:SC=Ip×300×G+OFSに、算出したオフセット電圧OFS及び増幅率Gを適用することにより、ポンプセル電流Ipを更に正確に求め、酸素濃度(空燃比)を更に正確に検知することができる。従って、さらに適切に燃料噴射制御などのエンジン制御を行うことができる。
なお、本実施形態では、オフセット電圧OFSは、前述したようにスイッチSW3をオンとすることで求めることができる。しかし、スイッチSW3及び短絡路134を設けない場合、あるいは、オフセット電圧OFSが基準オフセット電圧Voffとほぼ等しいと考えられる場合には、別途、オフセット電圧OFSを求めることなく、これに代えて、基準オフセット電圧Voffを用いて、増幅率Gを求め、あるいは、濃度信号SCから、ポンプセル電流Ipや酸素濃度(空燃比)を検知することもできる。
なお、スイッチSW1〜SW3は、エンジン制御装置150のCPU153において実行される制御プログラムに応じて、エンジン制御装置150の通信出力端子である端子CTから、制御回路110の通信入力端子である端子CIを通じて入力される指示入力により、切り換え制御される。
次いで、ガスセンサシステム10及びセンサ制御装置100の具体的な制御方法について、図2〜図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
自動車のキーがオン状態となると、ガスセンサシステム10及びセンサ制御装置100の制御が開始される。まず、ステップS1において、エンジン制御装置150の初期化を行う。具体的には、各フラグや各数値を初期化すると共に、スイッチSW1〜SW3をオフ状態にする。この段階では、ポンプセル163には、まだポンプセル電流(検知電流)Ipを流さない(Ip=0)。ガスセンサ素子160がまだ十分に暖まっていない(活性化していない)からである。
次に、ステップS2のサブルーチン(図3参照)に進み、ガスセンサ素子160の活性化前におけるオフセットキャリブレーション(オフセット検知ステップ)を行う。
まず、ステップS21において、スイッチSW3をオン状態とする。具体的には、エンジン制御装置150から、端子CTを通じて、センサ制御装置100の差動増幅回路131におけるスイッチSW3をオンとし、短絡路134を短絡させる。これにより、前述したように、差動増幅回路131からオフセット検知信号SOが出力されるから、A/D変換器151を用いてこれをエンジン制御装置150で取得する(ステップS22)。なお、このステップが、センサ制御装置の制御方法におけるオフセット信号出力ステップに相当する。
ついで、ステップS23において、前述の式2等を用い、差動増幅回路131のオフセット電圧OFSを算出し、所定の場所に記憶(更新)する。その後、ステップS24において、エンジン制御装置150から、端子CTを通じて、センサ制御装置100の差動増幅回路131におけるスイッチSW3をオフとし、短絡路134を開路させ、メインルーチンに戻る。このようにして、このガスセンサ素子160の活性化前の段階における、差動増幅回路131のオフセット電圧OFSを取得、更新する。
次に、ステップS3のサブルーチン(図4参照)に進み、ガスセンサ素子160の活性化前のゲインキャリブレーション(増幅率検知ステップ)を行う。
まず、ステップS31において、スイッチSW1を制御回路100の端子CC5側に切り換え、スイッチSW2を端子G−VIPCAL側に切り換える。即ち、第1,第2基準電圧Vb1,Vb2を第1,第2入力電圧Vi1,Vi2とする。具体的には、エンジン制御装置150から、端子CTを通じて、センサ制御装置100の差動増幅回路131におけるスイッチSW1,SW2を切り換える。これにより、前述したように、差動増幅回路131から基準増幅信号SGが出力されるから、A/D変換器151を用いてこれをエンジン制御装置150で取得する(ステップS32)。なお、このステップが、センサ制御装置の制御方法における基準信号出力ステップに相当する。
ついで、ステップS33において、前述の式2等を用い、差動増幅回路131の増幅率Gを算出し、所定の場所に記憶(更新)する。その後、ステップS34において、スイッチSW1を制御回路100の端子Vcent側に切り換え、スイッチSW2を端子Pout側に切り換える。即ち、第1,第2検知電圧Vd1,Vd2を第1,第2入力電圧Vi1,Vi2とする。具体的には、エンジン制御装置150から、端子CTを通じて、センサ制御装置100の差動増幅回路131におけるスイッチSW1,SW2を切り換える。その後、メインルーチンに戻る。このようにして、このガスセンサ素子160の活性化前の段階における、差動増幅回路131の増幅率Gを取得、更新する。
次に、ステップS4に進み、ガスセンサ素子160が活性化したか否かを判断する。これの判断手法として、本実施形態では、起電力セル165の内部インピーダンスを検知するインピーダンス検出回路(図示しない)を別途設け、この内部インピーダンスの大きさから活性化したか否かを判断した。起電力セル165の内部インピーダンスを検知する手法については、特許第3645665号公報にて公知であるため、ここでの詳述は省略する。
このステップS4において、NO、即ち、ガスセンサ素子が、まだ活性化していないと判断された場合には、ガスセンサ素子160が活性化する(Yesとなる)まで、このステップS2〜S4を繰り返す。ガスセンサ素子160を活性化させる段階で、ガスセンサ素子160の温度も大きく上昇するが、センサ制御装置100(制御回路110)の温度も大きく変化する場合が多い。従って、ガスセンサ素子160が活性化したと判断された直後にも、適切なオフセット電圧OFS及び増幅率Gを用いて、適切にポンプセル電流Ipや酸素濃度(空燃比)を計測できるよう、これらを最新の値に更新しておくのが好ましいからである。
一方、ステップS4において、YES(活性化した)と判断された場合には、ステップS5に進み、タイマをスタートさせる。
次に、ステップSBに進み、10msec経過したか否かを判断する。このステップSBにおいて、NO、即ち、10msec経過していない場合には、10msec経過するまでこのステップSBを繰り返す。一方、10msec経過し、YESと判断された場合には、次のステップS6に進む。なお、ここで判断する経過時間は、タイマの計測時間とは関係しない。
ステップS6では、差動増幅回路131に第1,第2検知電圧Vd1,Vd2を入力し、濃度信号SCを出力させ、A/D変換器151を用いてこれをエンジン制御装置150で取得する。なお、このステップが、センサ制御装置の制御方法における濃度信号出力ステップに相当する。
次に、ステップS7に進む。ステップS7では、タイマが所定時間を経過したか否かを判断する。この所定時間は、どの程度の頻度で定期的にオフセットキャリブレーション(ステップS2)及びゲインキャリブレーション(ステップS3)を行うかを決めるもので、本実施形態では、5秒間とした。
ステップS7でNOと判断された場合には、ステップS8(図5参照)のサブルーチンに進み、酸素濃度(空燃比)の検知(濃度情報検知ステップ)を行う。
具体的には、まず、ステップS81において、すでに取得記憶してある差動増幅回路131の増幅率G及びオフセット電圧OFSを用いて、前述の式2等を用い、ポンプセル電流Ipを算出する。このポンプセル電流Ipは、近時に取得した増幅率G及びオフセット電圧OFSを用いて算出するので、予め与えられた設計値としての増幅率やオフセット電圧を用いる場合に比して、増幅率G及びオフセット電圧OFSのバラツキや変化を反映することができ、より正確にポンプセル電流Ipを算出することができる。
ついで、ステップS82において、ポンプセル電流Ipを用いて、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)を検知する。ここでも、正確なポンプセル電流Ipを用いたことから、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)をより正確に検知することができる。その後、メインルーチンに戻る。
続いて、ステップS9において、得られた酸素濃度(空燃比)を用いて、エンジンの燃料制御(空燃比制御)等の制御を行い、ステップSBに戻る。かくして、10msecの経過(ステップSB)、濃度信号SCの取得(ステップS6)と、酸素濃度(空燃比)の検知(ステップS8)、エンジンの燃料制御(空燃比制御、ステップS9)を、ステップS7でYesと判断されるまで、繰り返し行う。このようにして、正確な酸素濃度(空燃比)に基づいて、より適切なエンジンの燃料制御等を行うことができる。
なお、ステップS81において、数値処理の関係で、ポンプセル電流Ipそのものの値ではなく、ポンプセル電流Ipに対応する値を算出し、ステップS82において、これを用いて、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)を検知しても良い。また、ステップS82において、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)そのものの値ではなく、これに対応する値を検知し、ステップS9において、これを用いて、エンジンの燃料制御(空燃比制御)を行っても良い。
一方、ステップS7において、YES(所定時間経過)と判断された場合には、ステップS2のサブルーチン(図3参照)に進み、ガスセンサ素子160の活性化後のオフセットキャリブレーション(オフセット検知ステップ)を行い、当該時点における差動増幅回路131のオフセット電圧OFSを取得し、更新する。なお、ステップS2のオフセットキャリブレーション(オフセット検知ステップ)の内容は、すでに説明したので、説明を省略する。ステップS22が、センサ制御装置の制御方法におけるオフセット信号出力ステップに相当することも同様である。
さらに、ステップS3のサブルーチン(図4参照)に進み、ガスセンサ素子160の活性化後のゲインキャリブレーション(増幅率検知ステップ)を行い、当該時点における差動増幅回路131の増幅率Gを取得し、更新する。なお、ステップS3のゲインキャリブレーション(増幅率検知ステップ)の内容は、すでに説明したので、説明を省略する。ステップS32が、センサ制御装置の制御方法における基準信号出力ステップに相当することも同様である。
次に、ステップSAに進み、タイマを再びスタートさせる。その後は、前述したステップSBに戻り、ステップS7でYesと判断されるまで、10msecの経過(ステップSB)と、濃度信号SCの取得(ステップS6)と、酸素濃度(空燃比)の検知(ステップS8)と、エンジンの燃料制御(空燃比制御、ステップS9)とを繰り返し行う。
以上で説明したように、本実施形態のガスセンサシステム10(センサ制御装置100)及びこれの制御方法では、たとえ差動増幅回路131の有するオフセット電圧OFSや増幅率Gが変動したとしても、スイッチSW1,SW2,SW3の切り換えにより、各時点における差動増幅回路131の有するオフセット電圧OFSや増幅率Gを取得し、ポンプセル電流Ipや酸素濃度(空燃比)を高精度に求めることができる。
また、本実施形態のガスセンサシステム10(センサ制御装置100)及びこれの制御方法(酸素濃度測定方法)では、オフセットキャリブレーション(オフセット検知ステップ)及びゲインキャリブレーション(増幅率検知ステップ)を、まず、ガスセンサ素子160の活性化前の段階で行う。このようにすることで、ガスセンサ素子160が活性化した際には、予め取得したオフセット電圧OFSと増幅率Gに基づいて、正確な酸素濃度(空燃比)を直ちに取得できる。
また更に、オフセットキャリブレーション及びゲインキャリブレーションを、ガスセンサ素子160の活性化後、定期的にも行う。このようにすることで、オフセット電圧OFS及び増幅率Gが変動したとしても、その都度取得したオフセット電圧OFSと増幅率Gに基づき、酸素濃度(空燃比)を算出できるので、より正確な酸素濃度(空燃比)を取得できる。
(変形形態1)
ついで、上述の実施形態についての第1の変形形態について、図6を参照して説明する。実施形態1で説明した制御方法(酸素濃度測定方法)では、ステップS5,SAにおいてタイマをスタートさせるとともに、ステップS7においてタイマが所定時間経過したか否かを検知し、定期的にオフセットキャリブレーション(S2)及びゲインキャリブレーション(S3)を行わせる。
これに対し、本変形形態1の制御方法(酸素濃度測定方法)では、オフセットキャリブレーション(S2)及びゲインキャリブレーション(S3)をして良い時期であり、かつ、これらをする必要があるときに、これらを行うように制御する。
従って、実施形態1と異なる部分を中心に説明し、同様の部分については説明を省略あるいは簡略化する。
まず、ステップS1〜S4については、実施形態と同様である。
なお、ステップS2のオフセットキャリブレーション(オフセット検知ステップ)についてのサブルーチン、及びステップS3のゲインキャリブレーション(増幅率検知ステップ)についてのサブルーチンについても同様である。ステップS22が、センサ制御装置の制御方法におけるオフセット信号出力ステップに相当すること、及びステップS32が、センサ制御装置の制御方法における基準信号出力ステップに相当すことも同様である。
ついで、ステップS4でYesと判断されると、ステップS41に進み、キャリブレーションフラグをリセットする。このフラグについては後述する。
次に、ステップSBに進み、前述の実施形態と同様に、10msec経過したか否かを判断し、10msec経過した後に、次のステップS6に進む。
ステップS6では、前述の実施形態と同様、差動増幅回路131に第1,第2検知電圧Vd1,Vd2を入力し、濃度信号SCを出力させ、A/D変換器151を用いてこれをエンジン制御装置150で取得する。なお、このステップが、センサ制御装置の制御方法における濃度信号出力ステップに相当する。
さらに、ステップS42に進み、キャリブレーションフラグがセットされているか否かを判断する。ここで、No(セットされていない)と判断された場合には、前述の実施形態と同じステップS8,S9に進み、ステップS2,S3で取得したオフセット電圧OFS及び増幅率Gを用いて、ポンプセル電流Ip及び排気ガス中の酸素濃度(空燃比)を算出する。
さらに、ステップS44に進み、現在が、キャリブレーションが可能な期間であるか否かを判断する。キャリブレーションが可能な期間としては、具体的には、当該期間が、走行時において、運転者がアクセルを離し、エンジンには燃料が噴射されず、排気ガスの酸素濃度(空燃比)を測定する必要がない期間である(具体的には、フューエルカット時)など、ポンプセル電流Ip及び排気ガス中の酸素濃度(空燃比)を算出する必要が無く、スイッチSW1,SW2、あるいはSW3を切り換えて、オフセット電圧OFSや増幅率Gを測定しても、影響のない期間が挙げられる。
現在が、キャリブレーションが可能な期間である(Yes)と判断された場合には、ステップS45に進む。一方、現在はキャリブレーションが可能な期間ではない(No)と判断された場合には、ステップS45,S46をスキップして、ステップSBに戻る。
ステップS45では、さらに、キャリブレーションが必要な時期であるか否かについて判断する。キャリブレーションが必要な時期としては、前回のキャリブレーションから或る程度時間が経過している場合が挙げられる。また、あるいは何らかの理由で、差動増幅回路131の増幅率Gやオフセット電圧OFSの変動が疑われる場合も挙げられる。
キャリブレーションが必要な時期である(Yes)と判断された場合には、ステップS46に進む。一方、キャリブレーションが必要な時期ではない(No)と判断された場合には、ステップS46をスキップして、ステップSBに戻る。
ステップS46では、キャリブレーションフラグをセットし、その後ステップSBに戻る。このキャリブレーションフラグは、前述したステップS42において、セットされているか否かを判断したフラグである。
一方、ステップS42で、Yes(セットされている)と判断された場合には、実施形態及びガスセンサ素子の活性化前と同じステップS2のサブルーチン(図3参照)に進む。ここで、ガスセンサ素子160の活性化後のオフセットキャリブレーション(オフセット検知ステップ)を行い、当該時点における差動増幅回路131のオフセット電圧OFSを取得し、更新する。なお、ステップS2のオフセットキャリブレーション(オフセット検知ステップ)の内容は、実施形態においてすでに説明したので、説明を省略する。ステップS22が、センサ制御装置の制御方法におけるオフセット信号出力ステップに相当することも同様である。
さらに、ステップS3のサブルーチン(図4参照)に進み、ガスセンサ素子160の活性化後のゲインキャリブレーション(増幅率検知ステップ)を行い、当該時点における差動増幅回路131の増幅率Gを取得し、更新する。なお、ステップS3のゲインキャリブレーション(増幅率検知ステップ)の内容も、実施形態ですでに説明したので、説明を省略する。ステップS32が、センサ制御装置の制御方法における基準信号出力ステップに相当することも同様である。
次に、ステップS43に進み、キャリブレーションフラグをリセットする。その後は、前述したステップSBに戻る。したがって、再び、ステップS46でキャリブレーションフラグがセットされるまで、10msecの経過(ステップSB)と、濃度信号SCの取得(ステップS6)と、酸素濃度(空燃比)の検知(ステップS8)と、エンジンの燃料制御(空燃比制御、ステップS9)とを繰り返し行う。
(変形形態2)
次いで、実施形態の第2の変形形態について、図7を参照して説明する。
前述の実施形態においては、基準電圧電源部140において、2つの基準抵抗器R11,R12を用いて、第1,第2基準電圧Vb1,Vb2を得た。
これに対し、本変形形態2では、基準電圧電源部240において、基準電圧Vbを発生するレギュレータ243を用い、この基準電圧Vbを、直列に接続した3つの基準抵抗器R21,R22,R23で分圧した。そして、基準抵抗器R21とR22の間のノードを端子CC5に接続し、第1基準電圧Vb1を供給する。また、基準抵抗器R22とR23の間のノードを端子G−VIPCALに接続し、第2基準電圧Vb2を供給する。
この基準電圧電源部240でも、実施形態の基準電圧電源部140と同様、万一、レギュレータ243から出力される基準電圧Vbが変動したとしても、その変動に伴って、第1,第2基準電圧Vb1,Vb2も同方向に変動するので、第1基準電圧Vb1と第2基準電圧Vb2と差電圧については、変動が抑制されるから、基準電圧Vbの変動ほどには影響が少なくて済む利点がある。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態及び変形形態1,2に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
前述の実施形態では、ガスセンサ素子160が活性化した後には、タイマにより所定時間毎(定期的、本実施形態では5秒ごと)にオフセットキャリブレーション及びゲインキャリブレーションを行っている。しかしながら、差動増幅回路131を含む制御回路110等の周囲の温度変化は、たとえば、自動車を走行開始後、ある程度時間が経過すれば小さくなると考えられる。従って、状況に応じて、タイマの設定時間を変更するなど、オフセットキャリブレーション及びゲインキャリブレーションを定期的に行いつつも、キャリブレーションの間隔を適宜変更することもできる。
また、実施形態等では、キャリブレーション(ステップS2,S3)で得られた、各時点での実際の増幅率G及びオフセット電圧OFSそのものを用いて、酸素濃度(空燃比)を検知した例を示した。
しかしこのほか、本来得られるべき増幅率及びオフセット電圧(設計値としての増幅率及びオフセット電圧)を用いて、一旦、仮の酸素濃度(空燃比)を算出する。しかる後、キャリブレーション(ステップS2,S3)で得られた各時点での実際の増幅率G及びオフセット電圧OFSを用いて、算出した仮の酸素濃度(空燃比)を補正することで、実際の増幅率G及びオフセット電圧OFSを反映した、より正確な酸素濃度(空燃比)を得る手法を取ることもできる。
実施形態に係るセンサ制御装置及びガスセンサシステムの回路構成を説明するための回路図である。 実施形態に係るセンサ制御装置の制御及びガスセンサシステムの制御について説明するフローチャートである。 オフセットキャリブレーションのサブルーチンについて説明するフローチャートである。 ゲインキャリブレーションのサブルーチンについて説明するフローチャートである。 酸素濃度算出(空燃比算出)のサブルーチンについて説明するフローチャートである。 実施形態に係るセンサ制御装置及びガスセンサシステムについての、変形形態1に係る制御について説明するフローチャートである。 変形形態2に係る基準電圧電源部の回路構成を説明する回路図である。
符号の説明
10,20 ガスセンサシステム
100,200 センサ制御装置
110 制御回路(センサ制御装置)
VIP,CI,CC5,G−VIPCAL,IP+,Vcent,Pout,P1,P2,P3,Icp+ (制御回路の)端子
131 差動増幅回路(差動増幅部)
132 (差動増幅回路の)第1入力端
133 (差動増幅回路の)第2入力端
134 (ノード134A,134B間を短絡する)短絡路
134A ノード(第1入力抵抗器R6のうちオペアンプOP3とは逆側の端部)
134B ノード(第2入力抵抗器R8のうちオペアンプOP3とは逆側の端部)
OP1,OP2,OP3,OP4 オペアンプ
R9 帰還抵抗器(増幅率決定に関与する抵抗器)
R5,R6,R7,R8 抵抗器(増幅率決定に関与する抵抗器)
R6 抵抗器(第1入力抵抗器)
R8 抵抗器(第2入力抵抗器)
R5 抵抗器(第3入力抵抗器)
R7 抵抗器(第4入力抵抗器)
G (差動増幅回路の)増幅率
OFS (差動増幅回路の)オフセット出力電圧(オフセット電圧)
Vi1 第1入力電圧
Vi2 第2入力電圧
SW1,SW2 スイッチ(第1スイッチ)
SW3 スイッチ(第2スイッチ)
140,240 基準電圧電源部
Vb1 第1基準電圧
Vb2 第2基準電圧
SC 濃度信号
SG 基準増幅信号
SO オフセット検知信号
150 エンジン制御装置
160 ガスセンサ素子
Ip ポンプセル電流(検知電流)
Rd 検出抵抗器
Rd1 (検出抵抗器の)一端
Rd2 (検出抵抗器の)他端
Vd1 第1検知電圧
Vd2 第2検知電圧

Claims (13)

  1. ガスセンサ素子を作動させて得た特定ガス成分の濃度に対応する検知電流を用いて、前記特定ガス成分の濃度に関連する濃度信号を出力するセンサ制御装置であって、
    第1入力端に入力された第1入力電圧及び第2入力端に入力された第2入力電圧を差動増幅する差動増幅部と、
    前記検知電流が流れる検出抵抗器の一端の第1検知電圧を前記第1入力電圧とし、前記検出抵抗器の他端の第2検知電圧を前記第2入力電圧とする場合と、第1基準電圧を前記第1入力電圧とし、第2基準電圧を前記第2入力電圧とする場合と、を切り換える第1スイッチと、
    を備えるセンサ制御装置。
  2. 請求項1に記載のセンサ制御装置であって、
    前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を出力する基準電圧電源部であって、
    前記第1基準電圧を分圧抵抗器で分圧して前記第2基準電圧とする、または、
    所定電圧をそれぞれ分圧抵抗器で分圧して前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧とする
    基準電圧電源部を備える
    センサ制御装置。
  3. 請求項2に記載のセンサ制御装置であって、
    前記分圧抵抗器の抵抗値の精度を、前記差動増幅部の増幅率決定に関与する抵抗器の抵抗値の精度よりも、高精度としてなる
    センサ制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のセンサ制御装置であって、
    前記差動増幅部を、
    互いに異なる前記第1入力電圧と前記第2入力電圧とを差動増幅する状態と、
    上記差動増幅部のオフセット電圧のみが出力される状態と、に切り換える
    第2スイッチを備える
    センサ制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のセンサ制御装置と、
    前記ガスセンサ素子と、を備える
    ガスセンサシステム。
  6. ガスセンサ素子を作動させて得た特定ガス成分の濃度に対応する検知電流を用いて、前記特定ガス成分の濃度に関連する濃度信号を出力するセンサ制御装置であって、
    第1入力端に入力された第1入力電圧及び第2入力端に入力された第2入力電圧を差動増幅する差動増幅部と、
    前記検知電流が流れる検出抵抗器の一端の第1検知電圧を前記第1入力電圧とし、前記検出抵抗器の他端の第2検知電圧を前記第2入力電圧とする場合と、第1基準電圧を前記第1入力電圧とし、第2基準電圧を前記第2入力電圧とする場合と、を切り換える第1スイッチと、を備える
    センサ制御装置の制御方法であって、
    前記第1基準電圧を前記第1入力電圧とし、前記第2基準電圧を前記第2入力電圧として、上記センサ制御装置から前記第1基準電圧、前記第2基準電圧及び前記差動増幅部の増幅率に対応した基準増幅信号を出力させる基準信号出力ステップと、
    前記第1検知電圧を前記第1入力電圧とし、前記第2検知電圧を前記第2入力電圧として、上記センサ制御装置から前記濃度信号を出力させる濃度信号出力ステップと、
    を備えるセンサ制御装置の制御方法。
  7. 請求項6に記載のセンサ制御装置の制御方法であって、
    前記基準信号出力ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化前の段階に行う
    センサ制御装置の制御方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載のセンサ制御装置の制御方法であって、
    前記基準信号出力ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化後、前記センサ制御装置から前記濃度信号を出力させる必要がないときに行う
    センサ制御装置の制御方法。
  9. 請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載のセンサ制御装置の制御方法であって、
    前記センサ制御装置は、前記差動増幅部を、互いに値の異なる前記第1入力電圧と前記第2入力電圧とを差動増幅する状態と、上記差動増幅部のオフセット電圧のみが出力される状態とに切り換える第2スイッチを備え、
    上記センサ制御装置から前記差動増幅部のオフセット電圧に対応したオフセット信号を出力させるオフセット信号出力ステップを備える
    センサ制御装置の制御方法。
  10. 請求項9に記載のセンサ制御装置の制御方法であって、
    前記オフセット信号出力ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化前の段階で行う
    センサ制御装置の制御方法。
  11. 請求項9または請求項10に記載のセンサ制御装置の制御方法であって、
    前記オフセット信号出力ステップを、前記ガスセンサ素子の活性化後、前記センサ制御装置から前記濃度信号を出力させる必要がないときに行う
    センサ制御装置の制御方法。
  12. ガスセンサ素子と、
    前記ガスセンサ素子を作動させて得た特定ガス成分の濃度に対応する検知電流を用いて、前記特定ガス成分の濃度に関連する濃度信号を出力するセンサ制御装置であって、
    第1入力端に入力された第1入力電圧及び第2入力端に入力された第2入力電圧を差動増幅する差動増幅部、及び、
    前記検知電流が流れる検出抵抗器の一端の第1検知電圧を前記第1入力電圧とし、前記検出抵抗器の他端の第2検知電圧を前記第2入力電圧とする場合と、第1基準電圧を前記第1入力電圧とし、第2基準電圧を前記第2入力電圧とする場合と、を切り換える第1スイッチを備える
    センサ制御装置と、を用いた
    特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法であって、
    前記第1基準電圧を前記第1入力電圧とし、前記第2基準電圧を前記第2入力電圧として、前記第1基準電圧、前記第2基準電圧及び前記差動増幅部の増幅率に対応した基準増幅信号を前記センサ制御装置から出力させ、前記差動増幅部の増幅率を検知する増幅率検知ステップと、
    前記第1検知電圧を前記第1入力電圧とし、前記第2検知電圧を前記第2入力電圧として、前記濃度信号を前記センサ制御装置から出力させ、前記増幅率を用いて、前記特定ガス成分に関する濃度情報の検知する濃度情報検知ステップと、を備える
    特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法。
  13. 請求項12に記載の特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法であって、
    前記センサ制御装置は、前記差動増幅部を、互いに異なる前記第1入力電圧と前記第2入力電圧とを差動増幅する状態と、上記差動増幅部のオフセット電圧のみが出力される状態と、に切り換える第2スイッチを備え、
    前記差動増幅部のオフセット電圧に対応したオフセット信号を前記センサ制御装置から出力させ、前記差動増幅部のオフセット電圧を検知するオフセット検知ステップを備え、
    前記濃度情報検知ステップは、前記増幅率及び前記オフセット電圧に基づいて、前記特定ガス成分に関する濃度情報を検知する
    特定ガス成分に関する濃度情報の検知方法。
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