JP2007210892A5 - - Google Patents

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一方、N−アシルグルタミン酸ジエステルは保湿作用を有する油剤として、化粧料に含有させることが既に知られている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5を参照)し、ピロリドンカルボン酸変性ジメチルポリシロキサンは、抱水性のある油剤として、ラノリンに代替として油性化粧料に含有させる技術が既に知られている(例えば、特許文献6、特許文献7を参照)。しかしながら、この両者を組み合わせて化粧料に含有させる技術も、この様な組み合わせにより、低下した皮膚バリア機能補完する作用を発揮することも全く知られていない。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、紫外線の照射などによって、低下した皮膚バリア機能を、補完する技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)N−アシルグルタミン酸ジエステルと、2)ピロリドンカルボン酸変性ジメチルポリシロキサンとを含有する皮膚外用剤で、この様な皮膚を処理することにより、低下した皮膚バリア機能の機能補完がなし得ることを見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1) 1)N−アシルグルタミン酸ジエステルと、2)ピロリドンカルボン酸変性ジメチルポリシロキサンとを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(2) 前記N−アシルグルタミン酸ジエステルのエステル部分を構成する基として、フィトステロール残基を有することを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3) 更に、ヒアルロン酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4) 更に、ダイマー酸のジエステルを含有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5) 紫外線に起因する皮膚バリア機能改善用であることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるN−アシルグルタミン酸ジエステル
本発明の皮膚外用剤は、N−アシルグルタミン酸ジエステルを必須成分として含有することを特徴とする。前記N−アシルグルタミン酸ジエステルにおけるアシル基の炭素数としては10〜30が好ましく、かかる成分を構成するアシル基としては、飽和でも、不飽和でも良く、例えば、2−エチルヘキサノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基、オレオイル基、イソステアロイル基、リノレノイル基などが好適に例示でき、特に好ましいものはラウロイル基である。又、ジアルキルエステルを構成するアルキル基としては、分岐でも、直鎖でも、環状構造を有するものでも良く、例えば、オクチル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、イソステアリル基、ベヘニル基、オクチルドデシル基、カンペステリル基やシトステリル基等のフィトステリル基、コレステリル基などが好適に例示できる。具体的な化合物例としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)等が好適に例示でき、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)が特に好適に例示できる。かかるN−アシル化グルタミン酸ジエステルは、グルタミン酸とアシルクロリドをアルカリ存在下縮合させ、N−アシルグルタミン酸と為し、しかる後、塩基又は酸の存在下、所望により溶剤を存在させ、対応するアルコールと脱水縮合せしめ製造することが出来る。N−アシル化グルタミン酸のジエステルはこの様に合成したものを使用することも出来るが、既に化粧料原料などとして市販されているものも存し、この様な市販品を購入し利用することも出来る。特に好ましい市販品としては味の素株式会社より販売さ
れている「エルデュウPS203」(N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルデシル))、「エルデュウCL−301」(N−ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル))、「エルデュウCl−202」(N−ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル))、「エルデュウPS−304」(N−ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル))などが例示でき、中でも、「エルデュウPS203」が特に好ましい。かかる成分は唯一種含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対し、0.005〜5質量%であり、より好ましくは0.01〜1質量%である。かかる成分は、この様な量範囲において、後記ピロリドンカルボン酸変性ジメチルポリシロキサンとともに働いて、紫外線照射などで低下した皮膚バリア機能、例えば、経皮的水分散逸の亢進などを抑制する機能を補完する。
本発明の皮膚外用剤には、前記の必須成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することができる。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のPCA変性ジメチルポリシロキサンに分類されないシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類
(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB 6 塩酸塩、ビタミンB 6 トリパルミテート、ビタミンB 6 ジオクタノエート、ビタミンB 2 又はその誘導体、ビタミンB 12 、ビタミンB 15 又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。

Claims (5)

  1. 1)N−アシルグルタミン酸ジエステルと、2)ピロリドンカルボン酸変性ジメチルポリシロキサンとを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
  2. 前記N−アシルグルタミン酸ジエステルのエステル部分を構成する基として、フィトステロール残基を有することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 更に、ヒアルロン酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 更に、ダイマー酸のジエステルを含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. 紫外線に起因する皮膚バリア機能改善用であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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