JP2007209377A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電気の帯電等に起因する不具合の発生を抑制することのできる遊技機を提供する。
【解決手段】球使用式回胴遊技機1は、前面側に設けられた上皿71を介して所定数の遊技球が取込装置により取込まれることで遊技開始条件が成立する。所定数の遊技球が取込まれた後、スタートレバー268の操作が行われると、複数のリール等よりなる可変表示装置の可変表示が開始される。そして、遊技者がストップボタン271等を介して可変表示を停止した際、所定の有効ラインに表示される停止図柄が特定図柄である場合には、例えばビッグボーナスゲームのような遊技者に有利な特別遊技状態に移行する。上皿71の下方に設けられた下皿253の奥壁部254には、アースされた下部スピーカカバー52が取付けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
近年、遊技機の一種として、メダルの代わりにパチンコ機で使用される遊技球を用いてスロットマシンと同様の遊技を行うことのできる球使用式回胴遊技機を見かける。
かかる球使用式回胴遊技機は、例えば遊技機前面側に設けられた球受皿(以下、上皿という)を介して所定数の遊技球が取込装置により取込まれることで遊技開始条件が成立する。所定数の遊技球が取込まれた後、スタートレバー等の始動操作手段の操作が行われると、複数のリール等よりなる可変表示装置の可変表示が開始される。そして、遊技者がストップボタン等の停止操作手段を介して可変表示を停止した際、所定の有効ラインに表示される停止図柄が特定図柄である場合には、例えばビッグボーナスゲームのような遊技者に有利な特別遊技状態に移行する。この特別遊技状態において遊技者は多くの遊技球を獲得できる(例えば、特許文献1参照)。
また、上記上皿の下方に、当該上皿に入りきらない遊技球を貯留可能に設けられた球受皿(以下、下皿という)を備えた遊技機もある。この中には、下皿の奥側においてスピーカ等を備えたものも見受けられる。
特開2004−166755号公報
しかしながら、一般的に下皿は合成樹脂など絶縁体により形成されているため、下皿へ遊技球が排出される際などに遊技球同志が衝突する等して静電気が発生した場合には、この静電気が下皿に貯留される遊技球に帯電したままとなる可能性が高い。
また、従来技術のように下皿の奥側にスピーカを配置すると、当該スピーカを覆うスピーカカバーが下皿側に露出した状態となる。従って、スピーカカバーが金属メッキ等により導電性を有している場合には、下皿に貯留される遊技球が接触するなどしてスピーカカバーにも静電気が帯電してしまう場合がある。この場合、スピーカカバーと、当該スピーカカバーの近傍に配置される電気機器(例えば上記取込装置)との間に放電現象が起きる等してノイズが発生し、当該電気機器の誤作動や、当該電気機器等と電気的に接続される制御装置(例えば主基板)の誤作動等といった不具合の生じるおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電気の帯電等に起因する不具合の発生を抑制することのできる遊技機を提供することを目的とする。
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.固定枠に対し一側部を中心に開閉可能に軸支された扉体と、
前記扉体の前面側において遊技球を貯留可能な第1貯留手段と、
前記扉体の背面側に設けられ、前記第1貯留手段から遊技球を取込可能な取込手段と、
前記扉体の前面側かつ前記第1貯留手段の下方位置に設けられ、遊技球を貯留可能な第2貯留手段と、
前記扉体の背面側かつ前記第2貯留手段の後方位置に設けられた音声発生手段と、
前記第2貯留手段の奥側に形成された開口部を介して少なくとも一部が前記第2貯留手段側に露出した状態で前記音声発生手段の前面側を覆い、導電性を有するカバー部材とを備え、
前記取込手段により所定数の遊技球が取込まれた場合に遊技開始可能な構成とした遊技機であって、
前記カバー部材を所定のアース部(接地手段)と電気的に接続したことを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、第2貯留手段に貯留される遊技球に帯電する静電気を、カバー部材を介して放電除去することが可能となる。結果として、カバー部材を介して取込手段など遊技機内の各種電気機器へノイズ等が入るのを防ぎ、電気機器の誤作動等といった不具合の発生を抑制することができる。
手段2.前記カバー部材は、多数の孔が形成された金属製板材を加工して成形されたものであって、
当該カバー部材の一部を所定の導電性部材により押さえて当該カバー部材を係止するとともに、前記導電性部材を介して前記カバー部材と前記アース部とを電気的に接続したことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
上記カバー部材は、予め多数の孔が形成された金属製板材から成形されているため、ネジ孔等を新に適正位置に穿設することが困難である。このため、カバー部材をネジ等により直接固定したり、カバー部材に対しアース用配線をネジ等により直接的に接続する構成を採用することが困難である。この点、上記手段2によれば、他の導電性部材によってカバー部材を係止するとともに、当該導電性部材を介してアース用配線に接続することが可能となる。また、カバー部材の素材として金属製板材を採用することにより、遊技球が接しやすいように前記開口部ひいてはカバー部材露出部分の面積を比較的大きくした場合でも、樹脂材料を採用した場合に比べより高い強度を確保することができる。さらには、導電性部材を介してカバー部材とアース部とを電気的に接続することにより、配線数を減らし、構成の簡素化を図ることも可能となる。
手段3.前記導電性部材は、前記取込手段の前面側に配置された導電性金属材よりなる防護部材であることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
上記手段3によれば、取込手段の前面側に不正防止用の防護部材を配置している。これにより、扉体の前面部から取込手段まで孔を開けること、ひいては針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、例えば扉体の前面部に孔を開け、取込手段に対して針金等を挿し込み、取込球を検出するための球検出センサに検出させて、実際には遊技球が取込まれていないにも関わらず、遊技球の取込みがあったかのようにする不正行為や、ひいては実際には取込まれていない遊技球を所定の返却操作手段を操作して不正に払出(返却)させる不正行為等を防止することができる。
また、防護部材を導電性金属材により構成するとともに、当該防護部材をアース部に電気的に接続し、当該防護部材に帯電する静電気をアース部へ放電除去している。これにより、防護部材と取込手段との間に放電現象が起きる等してノイズが発生し、取込手段の誤作動や球検出センサの誤検知等といった不具合が生じるおそれを低減することができる。さらに、少なくとも取込手段の前面側など取込手段の近傍にアース用配線(アース線)を配設する必要がない。このため、上記不正行為が行われる際の針金等の侵入によってアース線が傷つけられ、電気的接続不良が生じるといった不具合も少なくできる。
手段4.前記カバー部材は、前記第2貯留手段の奥壁部より前方へ突出する膨出部を備えていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段4によれば、上記第2貯留手段内へカバー部材が突出することとなり、当該第2貯留手段内に貯留される遊技球により接しやすくなる。結果として、より確実に遊技球に帯電した静電気を放電除去することが可能となる。
手段5.前記第2貯留手段の底壁部を奥方へ向け下方に傾斜させたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段5によれば、第2貯留手段に貯留される遊技球がよりカバー部材に接しやすくなる。結果として、より確実に遊技球に帯電した静電気を放電除去することが可能となる。
手段6.前記第2貯留手段の内側の少なくとも一部を導電性部材により構成し、前記カバー部材と電気的に接続したことを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段6によれば、第2貯留手段の内側の少なくとも一部、例えば奥壁部や底壁部を導電性部材により構成するとともに、カバー部材と電気的に接続することにより、第2貯留手段に貯留される遊技球に帯電した静電気をより確実に放電除去することが可能となる。
手段7.前記開口部は、その最下部が前記第2貯留手段の奥壁部と底壁部との境界部に位置していることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段7によれば、開口部ひいてはカバー部材露出部分が第2貯留手段の奥壁部と底壁部との境界部に位置することとなる。結果として、第2貯留手段に貯留される遊技球がよりカバー部材に接しやすくなり、より確実に遊技球に帯電した静電気を放電除去することが可能となる。
手段8.前記開口部の形状を略矩形状としたことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段8によれば、開口部ひいてはカバー部材露出部分の形状が略円形状のものに比べて、カバー部材露出部分の下辺部の長さを比較的長くすることができる。結果として、第2貯留手段に貯留される遊技球がよりカバー部材に接しやすくなり、より確実に遊技球に帯電した静電気を放電除去することが可能となる。
手段9.前記扉体の背面側において当該扉体に対し一側部を中心に開閉可能に設けられた第2扉体を備えるとともに、前記第2扉体において前記アース部としての所定のアース端子を具備した電源供給手段を備えたことを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段9のような構成では、第2扉体の開閉に伴いアース用配線の断線等の不具合が生じやすいが、上記各種手段の構成により、そのような不具合もより発生しにくくなる。なお、アース部は電源供給手段のアース端子に限定されるものではない。例えば遊技機設置島など遊技機外部に設けられたアース部であってもよい。従って、遊技機外部のアース部に繋がる外部接続端子板(外部集中端子板)に設けられたアース端子をアース部としてもよい。
手段10.始動操作手段の操作に起因して複数の識別情報を可変表示するとともに、停止操作手段の操作に起因して可変表示を停止する可変表示手段を備え、
前記可変表示手段にて所定領域に停止された識別情報が特定識別情報である場合には所定の遊技価値を付与することを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段10の構成では、例えば取込手段により所定数の遊技球が取込まれた場合に、始動操作手段の操作が有効とされる構成とすることができる。
手段11.固定枠に対し一側部を中心に開閉可能に軸支された第1扉体と、
前記第1扉体の背面側に設けられ、複数の識別情報を可変表示する可変表示手段と、
前記第1扉体に設けられ、当該第1扉体の前面側より前記識別情報を視認可能とする窓部と、
前記可変表示の開始操作を行う始動操作手段と、
前記可変表示の停止操作を行う停止操作手段と、
前記第1扉体の前面側かつ前記窓部の下方位置に設けられ、遊技球を貯留可能な第1貯留手段と、
前記第1扉体の前面側かつ前記第1貯留手段の下方位置に設けられ、遊技球を貯留可能な第2貯留手段と、
前記第1扉体の背面側において前記第2貯留手段の奥壁部の後方位置に設けられ、前記第1貯留手段から遊技球を取込可能な取込手段と、
前記第1扉体の背面側において、前記第2貯留手段の後方位置に設けられた音声発生手段と、
前記第2貯留手段の奥壁部に形成された開口部を介して少なくとも一部が前記第2貯留手段側に露出した状態で前記音声発生手段の前面側を覆い、導電性を有するカバー部材とを備え、
前記取込手段により所定数の遊技球が取込まれた場合に遊技開始可能な構成とするとともに、前記可変表示手段にて所定領域に停止された識別情報が特定識別情報である場合には所定の遊技価値を付与する遊技機であって、
前記カバー部材を所定のアース部(接地手段)と電気的に接続したことを特徴とする遊技機。
上記手段11によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。従って、上記手段1と同様に、上記手段2乃至8の構成を従属的構成として付加することができる。
以下、遊技機としての球使用式回胴遊技機の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでいう球使用式回胴遊技機とは、パチンコ機とスロットマシンとを融合したタイプの遊技機であり、特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機を指す。図1は球使用式回胴遊技機1の全体を示す正面斜視図であり、図2は正面図であり、図3は後述する固定枠としての外枠2に対して第1扉体(扉体)としての前扉3を開放した状態を示す斜視図であり、図4は前扉3に装着された後述する第3扉体としてのメインユニット4及び第2扉体としての裏機構ユニット5を開放した状態を示す斜視図であり、図5は球使用式回胴遊技機1の背面図である。
図1〜図5に示すように、球使用式回胴遊技機1は、当該球使用式回胴遊技機1の外殻を形成する外枠2と、外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前扉3とを備えている。
外枠2は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。外枠2の下部には樹脂製の幕板飾り6が取着されている。この外枠2を構成する上下の横板は、釘等によって遊技ホールに設けられた遊技機設置島などに固定される。また、左右の縦板は、隣接する球貸装置などに接続される。
前扉3は、外形が略矩形状のベース枠10と、その前面側に取着される前面体としての装飾枠11とを主体に構成されている。ベース枠10及び装飾枠11は主に合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。装飾枠11はベース枠10に対しネジ等の締結具により固定されている。
球使用式回胴遊技機1の正面から見て、前扉3の左上部及び左下部には上下一対の開閉機構12が設けられている。これに対応して外枠2の左上部及び左下部(幕板飾り左端)には上下一対の支持機構13が設けられている。開閉機構12を支持機構13に組付けることにより、前扉3が外枠2に対し開閉自在に組付けられる。
ここで、開閉機構12及び支持機構13について、両者の関連性をふまえてより詳しく説明する。前扉3の背面側の斜視図である図7等に示すように、開閉機構12は、ベース枠10の左上部及び左下部において左右方向に沿って設けられたベース金具14と、当該ベース金具14の左右方向略中央部において回動自在に軸支された連結アーム15とにより構成されている。
ベース金具14の左端(図7では右端)には上方又は下方へ向け突出した突部16が設けられている。これに対応して、外枠2側の支持機構13の左端には、図3等に示すように、前記突部16が左右方向にスライド自在に嵌め込まれるレール部17が設けられている。レール部17の左端は突部16が抜落ち不能となるよう閉鎖されており、右端は突部16を出し入れ可能に開口している。レール部17の開口側には、突部16の抜落ち防止用の係止片19が設けられている。係止片19は図示しないバネによって常には前方へ付勢された状態に維持されている。
また、連結アーム15の先端部には連結具20が設けられている。これに対応して、支持機構13の右端には、連結アーム15の連結具20が連結される連結部21が設けられている。連結具20が連結部21に対し連結された状態では、連結アーム15が支持機構13に対し回動自在に軸支された状態となる。
外枠2に対する前扉3の装着手順としては、まず、上下とも前扉3側の突部16を外枠2側の係止片19に押し当てる。そして、バネの付勢力に抗して係止片19を没入状態として、突部16をレール部17に嵌め込む。その後、連結アーム15の連結具20を連結部21に対し連結すると、前扉3の装着が完了する。前扉3を開閉させる際には、突部16がレール部17に沿って左右方向にスライドすることにより、前扉3が回動する。
次に装飾枠11について詳しく説明する。装飾枠11は、主に、窓部としての略矩形状の窓孔30を有した窓枠部31と、当該窓枠部31の下方に設けられた上皿構成部32と、当該上皿構成部32の下方に設けられた下皿構成部33とから構成されている。
窓孔30には透明のガラス板34が取付けられている。ここで図7〜図11を参照してより詳しく説明する。図8は正面側から見た前扉3の分解斜視図であり、図9は背面側から見た前扉3の分解斜視図であり、図10はガラス板34等を取外した状態のベース枠10及び装飾枠11を正面側から見た斜視図であり、図11はガラス板34等を取外した状態のベース枠10及び装飾枠11を背面側から見た斜視図である。
ガラス板34は、窓孔30と略同形状をなし、前扉3の背面側より窓孔30の周縁部に当接した状態で取付けられる。また、窓枠部31の内周側には合成樹脂よりなる環状の内周枠35が取着される。内周枠35は、前端部がガラス板34の背面側に当接した状態で、装飾枠11に対しネジ等の締結具により固定される。これにより、ガラス板34は、内周枠35と、窓孔30の周縁部とにより挟持された状態で位置決め固定されることとなる。
また、窓孔30の下方位置かつ上皿構成部32の上方位置にあたる窓枠部31の下辺部には、左右方向に長い略矩形状の開口部36が設けられている。この開口部36には透明の透視パネル37が取付けられている。透視パネル37は、開口部36と略同形状をなし、前扉3の背面側より開口部36の周縁部に当接した状態でネジ等の締結具により装飾枠11に対し固定される。この透視パネル37は、後述する情報表示パネル538に貼付された情報を視認可能とするものである。
また、装飾枠11にはランプやスピーカ等が設けられている。例えば、図12に示すように、窓枠部31の周縁部のうち、上辺部40には、中央に中央ランプ表示部41、その左右両側方に上部スピーカ42が設けられ、これら中央ランプ表示部41及び上部スピーカ42を覆う装飾カバー43が取着されている。なお、装飾カバー43は、中央ランプ表示部41及び上部スピーカ42に対応して、中央ランプカバー部43a及びスピーカカバー部43bを有している。
また、窓枠部31の左右両側辺部46には、側部ランプ表示部47が設けられるとともに、これを覆う側部ランプカバー48が取着されている。
下皿構成部33の後方にはベース枠10において音声発生手段としての下部スピーカ51(図4等参照)が設けられ、その前面側にあたる下皿構成部33には下部スピーカ51の前面側を覆うカバー部材としての下部スピーカカバー52が設けられている。下部スピーカ51の取付構造については後述する。
下皿構成部33の左右両側方には下部ランプ表示部53が設けられるとともに、これを覆う下部ランプカバー54が取着されている。
これら各種ランプ表示部やスピーカにより、遊技の進行に伴って各種報知や演出が行われる。例えば、後述するように「7」図柄が有効ライン上に揃った場合(ビッグボーナスゲームを獲得した場合)には、それを点灯、点滅等によって報知する。
次に上皿構成部32について詳細に説明する。この上皿構成部32に対応する部分、すなわち装飾枠11のうち透視パネル37の下方にあたる部分には、装飾枠11の一部が前方へアーチ状に膨出した膨出部60が形成されている。図8等に示すように、膨出部60の上面には開口部61が形成されており、当該膨出部60は装飾枠11の背面側に貫通している。そして、この膨出部60に対し、前扉3の背面側から上皿ユニット70が取着されている。
ここで上皿ユニット70について詳細に説明する。図13は上皿ユニット70の全体を示す斜視図であり、図14は後述する箱体212を取外した状態の上皿ユニット70の全体を示す斜視図であり、図15は上皿ユニット70の平面図であり、図16は上皿ユニット70の底面図であり、図17は上皿ユニット70の分解斜視図である。また、図18は、上皿ユニット70を構成する後述する上皿71の全体を示す斜視図であり、図19は上皿71の平面図であり、図20は上皿71に対し後述するカードユニット操作装置72を取付け、そのカバー140,141を取外した状態を示す斜視図である。
上皿ユニット70は、本体部となる第1貯留手段(第1球受皿)としての上皿71と、この上皿71に組み付けられるカードユニット操作装置72、球返却機構73、球止め機構74、マックスベットスイッチ75、天井カバー76などからなる。以下、順に上皿71等について詳細に説明していく。
上皿71は、後述する払出機構部565より払い出される遊技球や、遊技機設置島などにおいて球使用式回胴遊技機1に併設される球貸サンドなどの球貸装置(プリペイドカード対応又は非対応の球貸装置)のノズルから供給される遊技球を貯留するとともに、後述する取込装置300へ供給する機能を有している。
上皿71は、合成樹脂材料により左右方向に長く上方に開口した略箱状に形成されており、その内部に遊技球を貯留可能となっている。また、本実施形態における上皿71は、その前後幅が比較的幅広に設定されており、膨出部60への取着時においては前後方向略中央部より前側が上記透視パネル37の位置より前方に位置し、後側部分が透視パネル37より後方に位置する(図6等参照)。従って、本実施形態では、透視パネル37も装飾枠11(前面体)の前面部の一部を構成する。
上皿71の開口部周縁にはフランジ79が設けられており、上皿ユニット70はこのフランジ79が膨出部60の開口部61周縁に載置された状態で取付けられる。上皿71の左右側壁部71a,71bには固定部88が設けられており、上皿71はこの固定部88を介してネジ等により装飾枠11に対し固定される。
上皿71の奥壁部80の左端には切欠き状の受口部81が形成されており、この受口部81を介して払出手段としての払出機構部565から払い出される遊技球が上皿71へ排出される。受口部81が本実施形態における導入部を構成する。
一方、最下流側にあたる底部82の右端には、前後方向略中央部より後側部分すなわち透視パネル37より後方に位置する後側部分において、下方へ開口した導出部としての取込口83が形成されている。この取込口83は後述する取込装置300の上方に位置する。
上皿71の底部82は球使用式回胴遊技機1正面から見て左側から右側に向けて下方へ傾斜しており、上皿71上の遊技球は取込口83へ向けて流れ、この取込口83を介して取込装置300へと導かれる。
上皿71の左右方向略中央部より左側部分すなわち上流側部分には、前後幅が比較的広く、より多くの遊技球を貯留できるスペース(以下、貯留部84という)が確保されている。
一方、上皿71の右側部分すなわち下流側部分には、取込口83へ通じる前後幅の比較的狭い整流部85が設けられている。この整流部85は、取込口83ひいては取込装置300に向けて遊技球を整列しつつ誘導する機能を有する。より詳しくは、上皿71の奥壁部80の右端部分は後方に向けて膨出しており、これに伴い整流部85は下流側に向け前後幅が広がった構成となっている。
また、整流部85の下流側には、奥壁部80が膨出した区間に対応して、2つの誘導リブ86が設けられている。これにより、遊技球を1列に整列させつつ取込口83へ向けて流下させる3条の整流球通路87が形成される。なお、誘導リブ86は奥壁部80の膨出部分の形状に合わせて前後方向に緩やかに湾曲するとともに、下流側に向けて先太りした形状となっている。そして、3つの整流球通路87は下流側で左右方向に沿って延在し前後方向に等間隔で並んでいる。この3つの整流球通路87の最下流部における配置間隔は、取込装置300の3つの取込ユニット305の配置間隔に合わせたものである。
上記整流部85の前方には、整流部85の傾斜方向とは逆方向、すなわち左側に向け下方へ傾斜した逆傾斜部90が設けられている。従って、整流部85では、当該整流部85と逆傾斜部90との間に形成された段差部91により、遊技球の前方への動きが規制される。また、逆傾斜部90の奥側には仕切リブ92が突設されている。これにより、逆傾斜部90から整流部85側へ遊技球が落下し、整流部85において遊技球が重畳されることを防止している。
さらに、逆傾斜部90の手前側には奥側に向け下方に傾斜した奥向き傾斜部95が形成されている。逆傾斜部90と奥向き傾斜部95との間には段差96が形成され、逆傾斜部90から前方への遊技球の動きが規制されている。同様に、上皿71の前壁部98の頂部と奥向き傾斜部95との間には段差99があり、奥向き傾斜部95から前方への遊技球の動きが規制されている。
奥向き傾斜部95の左方にはマックスベットスイッチ75が取着されている。より詳しくは、奥向き傾斜部95の左方の背面側にはマックスベットスイッチ75を取付けるための収容凹部100が形成されており、ここにマックスベットスイッチ75が取着されている。
マックスベットスイッチ75は、上皿71に開口形成されたボタン孔102を介して上皿71の上面側に露出したマックスベットボタン78と、当該マックスベットボタン78の押圧操作を検出する検出センサを搭載し収容凹部100に取付けられるスイッチ基板77とからなる。また、マックスベットボタン78内には図示しないLEDが設けられており、当該LEDが点灯表示されることによって押圧操作が可能であることが報知され、消灯表示によって押圧操作が不能であることが報知されるようになっている。
また、逆傾斜部90及び奥向き傾斜部95の右方かつ取込口33の前方位置には、その背面側においてカードユニット操作装置72を取付けるための収容凹部110が形成されている。この収容凹部110に対応する上皿71の上面部は膨出しており、この膨出した部位にカードユニット操作装置72を操作するための操作面111が形成される。
ここでカードユニット操作装置72について詳しく説明する。カードユニット操作装置72は、プリペイドカード対応の球貸装置のカードユニットを操作するものであり、ベース部材112と、当該ベース部材112に搭載されたカードユニット操作基板113とを備えている。カードユニット操作基板113には、球貸スイッチ115と、返却スイッチ116と、7セグメントLEDよりなる3桁表示の度数表示部119とが設けられている。さらに、球貸スイッチ115を操作するための球貸ボタン117と、返却スイッチ116を操作するための返却ボタン118とが、操作面111側に載置されている。
遊技ホールにおいて球使用式回胴遊技機1の側方に配置される球貸装置に紙幣やカード等を投入した状態でカードユニット操作装置72が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出しが行われる。球貸ボタン117はカード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球(貸球)を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿71に供給される。返却ボタン118はカードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作されるものである。度数表示部119はカード等の残額情報を表示するものである。なお、プリペイドカード非対応の球貸装置等からカードユニットを介さずに上皿71へ遊技球が直接貸出される遊技機、いわゆる現金機ではカードユニット操作装置72が不要となる。この場合、操作面111(又は上カバー141)部分に装飾シール等が貼付される。つまり、本実施形態における球使用式回胴遊技機1は、プリペイドカード対応又は非対応の球貸装置どちらにも対応するように構成されている。
収容凹部110にはボス123が設けられており、当該ボス123に対しベース部材112がネジ等の締結具により固定される。
操作面111には、度数表示部119に対応した表示部用開口部131、球貸ボタン117に対応したボタン孔132、返却ボタン118に対応したボタン孔133が、それぞれ収容凹部110に貫通するように設けられている。そして、球貸ボタン117及び返却ボタン118から垂下した図示しない軸部がボタン孔132,133を介して各スイッチ115,116に当接している。これにより各スイッチ115,116が操作される。
また、操作面111側には、その上面を覆う下カバー140と、当該下カバー140の上面を覆う上カバー141とが取付けられている。
下カバー140の前側及び後側にはそれぞれ一対の係止爪143,144が設けられており、この係止爪143,144を上皿71に係止することにより下カバー140が固定される。
上カバー141は、下カバー140の上側から、前側に設けられた一対の係止爪145を皿体71に係止するとともに、後側をネジ等により固定することにより、上皿71に対し固定される。
下カバー140は、内部を視認困難とするよう着色の施された半透明の合成樹脂材料により形成されている。但し、度数表示部119に対応する部分は透視可能に構成されている。また、球貸ボタン117及び返却ボタン118に対応した位置にはボタン孔151,152が設けられている。
上カバー141は、無色透明の合成樹脂材料により形成されており、下カバー140の表面に記載される各種情報(例えば「球貸」等の文字)を視認可能となっている。さらに、上下カバー140,141を透かして度数表示部119を視認可能となる。また、球貸ボタン117及び返却ボタン118に対応した位置にはボタン孔153,154が設けられている。従って、下カバー140のボタン孔151,152、及び、上カバー141のボタン孔153,154を介して、球貸ボタン117及び返却ボタン118が操作可能なように露出した状態となる。
また、上カバー141の上面は、前側が前方に向けて下方へ傾斜し、後側が後方に向けて下方へ傾斜した構成となっており、遊技球を停留させない構成となっている。
次にカードユニット操作装置72の下側に取付けられる球返却機構73について詳しく説明する。球返却機構73は取込装置300の返却シャッタ341を駆動させ、上皿71に貯留されている遊技球を後述する下皿253へ排出させるために操作されるものである。図21は球返却機構73の斜視図であり、図22は平面図である。
球返却機構73は、各部材の取付台となるベースカバー160と、当該ベースカバー160の上面側に回動自在に軸支された第1回動部材161と、当該第1回動部材161より後方位置において回動自在に軸支された第2回動部材162と、第1回動部材161の前方位置に設けられた返却操作手段としての返却レバー163とを備えている。
ベースカバー160は、上記カードユニット操作装置72のベース部材112の裏面に設けられたボス165に対しネジ等により固定される。
第1回動部材161は、ベースカバー160の略中央部で回動自在に軸支された略円筒状の本体部166と、当該本体部166から略前方へ突出しベースカバー160の外側へ突き出した前片部167と、本体部166から略後方へ突出した後片部168とを備えている。
前片部167の前端部近傍には上下方向に貫通した貫通孔169が設けられ、後片部168の後端部には切欠き状の凹部172が設けられている。
第2回動部材162は、第1回動部材161より後方位置において回動自在に軸支された略円筒状の本体部173と、当該本体部173から略左方へ突出した左片部175と、本体部173から略右方へ突出しベースカバー160の外側へ突き出した右片部177とを備えている。
左片部175の先端には上方へ向け突出した略円柱状の軸部176が設けられており、この軸部176が第1回動部材161の凹部172に挿し込まれている。これにより第1回動部材161の回動に連動して第2回動部材162が回動する。
返却レバー163は左右方向へスライド自在にベースカバー160の前端部に載置されている。返却レバー163の左右方向略中央部には上方へ向け突出した略円柱状の軸部171が設けられており、この軸部171が前記第1回動部材161の前片部167に設けられた貫通孔169に対し下側から挿し込まれている。これにより返却レバー163の左右方向の動きに連動して第1回動部材161が回動する。
第1回動部材161の前片部167と前記ボス165との間にはコイルばね180が掛けられており、通常時には返却レバー163が右側に付勢されている。
また、上記上皿構成部32の膨出部60の右下部には返却レバー163に対応して開口部181が設けられており、返却レバー163が遊技者により操作可能なように球使用式回胴遊技機1前面側に露出している。
そして、遊技者が上皿71に貯留されている遊技球を取り出そうとした場合には、コイルばね180の付勢力に抗して返却レバー163を左方へスライドさせる。これに連動して、第1回動部材161が、球返却機構73の上方から見て時計回りに回動するとともに、第2回動部材162が反時計回りに回動する。この結果、第2回動部材162の右片部177により取込装置300の返却シャッタ341が操作され、上皿71内の遊技球が下皿253へ排出される。返却シャッタ341の動作態様の詳細については後述する。
次に上皿71の裏面側に取付けられた球止め機構74について詳しく説明する。図23は球止め機構74の分解斜視図であり、図24は球止め機構74の動作態様等について説明するための図である。
球止め機構74は、取込口83近傍の整流部85裏面側に取付けられている。球止め機構74は、当該球止め機構74の内部機構を下側から覆うベースカバー185と、上皿71の裏面に略当接した状態で左右方向にスライド自在に設けられたスライドベース186と、当該スライドベース186を操作する操作レバー187とを備えている。
ベースカバー185は上皿71の裏面に対しネジ等により固定される。ベースカバー185の上面には前後一対の軸受部189が突設されている。各軸受部189の先端部は略円弧状に切り欠かれている。さらに、ベースカバー185の奥壁部190には両軸受部189の奥方において切欠き状のU字溝191が設けられ、前壁部192には両軸受部189の前方においてU字凹部193が設けられている。
操作レバー187は、両軸受部189、U字溝191及びU字凹部193に載置される略円柱状の軸部194と、U字溝191より後方に突き出し球使用式回胴遊技機1背面側から操作可能となった操作部196とを備えている。
また、軸部194から径方向に沿って突出した第1突片197及び第2突片198をそれぞれ3つずつ備えている。第1突片197と第2突片198は軸部194の周方向に対して90度ずれた位置に配置されている。
また、スライドベース186は、下方へ突出した第1壁部201及び第2壁部202を備えている。両壁部201,202は操作レバー187の軸部194を挟むように対峙しており、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て、第1壁部201は軸部194の左方に位置し、第2壁部202は軸部194の右方に位置している。
また、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側にあたる、スライドベース186の取込口83側には3つの突出部204が設けられ、各突出部204の先端にはそれぞれ一対の爪部205が突設されている。
各突出部204は、上記整流部85の裏面側において3条の整流球通路87に沿って形成された図示しない溝部に嵌め込まれており、スライドベース186のスライド動作に伴って爪部205が取込口83内外に出没可能となっている。
ここで球止め機構74の動作態様について説明する。通常時、スライドベース186は、図24(a)に示すように球使用式回胴遊技機1の背面側から見て右側によっており、爪部205が取込口83から没した状態となっている。この状態において、操作レバー187は、第1突片197が下方を向き、第2突片198が右方を向いた状態となっている。
この状態から、操作レバー187を球使用式回胴遊技機1の背面側から見て時計回りに回動させることにより、第1突片197によってスライドベース186の第1壁部201が取込口83側へ押される。これによりスライドベース186が取込口83側へスライドし、図24(b)に示すように爪部205が取込口83内に突出した状態となる。この状態では、爪部205と後述する箱体212の上底壁部232との間隔が遊技球の通過不能な間隔となり、遊技球が取込口83から落下不能となる。また、この状態において、操作レバー187は、第1突片197が左方を向き、第2突片198が下方を向いた状態となる。
球止め解除する際には、操作レバー187を球使用式回胴遊技機1の背面側から見て反時計回りに回動させる。これにより、第2突片198によってスライドベース186の第2壁部202が右方へ押され、スライドベース186が右方へスライドし、爪部205が取込口83から没した状態となる。これにより遊技球が取込口83へ落下可能となる。
次に上皿71に組付けられるカバー体としての天井カバー76について図13〜15を参照して詳細に説明する。天井カバー76は、上皿71と装飾枠11との間に隙間を生じさせないために設けられたものであり、透視パネル37の位置より後側部分、すなわち上皿71の前後方向略中央部より後側部分の天井部分を覆うように設けられている。
天井カバー76は、上皿71の奥壁部80に沿って左右方向略全域に設けられるとともに後方へ向け下方に傾斜した天板体210と、当該天板体210の左右両側部から下方へ垂設された側壁部211と、天板体210とは別体で設けられ、当該天板体210に組付けられる箱体212とからなる。天板体210の後縁部及び側壁部211が、上皿71の奥壁部80及び左右側壁部71a,71bに対しそれぞれネジ等により固定されることにより、天井カバー76が上皿71に対し固定される。天板体210が本実施形態における天井カバー76(カバー体)の本体部を構成し、箱体212が導出部カバー体を構成する。
また、天板体210は、その前縁部が装飾枠11の背面側にネジ等により固定される。天板体210の前縁部には前方へ突出したリブ216が設けられており、天板体210の前縁部が固定される際には、このリブ216が装飾枠11の背面側に設けられた図示しない溝部に係合された状態となる。これにより、天板体210と装飾枠11との隙間から球使用式回胴遊技機1内部へ針金等を侵入させ、内部機器を操作するといった不正行為の防止が図られている。
天板体210は、透光性を有する樹脂材料により成形されている。これは後述する冷陰極管(蛍光灯)539から発せられる光を上皿71側へ透過させるためである。天板体210は本実施形態における透光手段を構成する。
天板体210の右端部近傍には、上記整流球通路87及び取込口83に対応してその上方位置に開口部217が設けられており、この開口部217の上方から上記箱体212が嵌め込まれている。
箱体212は、上方に開口した略箱状をなし、その開口部の周縁形状が前記天板体210の開口部217の周縁形状と略同一形状となっている。また、箱体212の開口周縁部にはフランジ218が形成されており、これが天板体210の開口部217周縁に形成された段差部219に係合することにより、箱体212が天板体210に対し位置決めされた状態で組付けられる。そして、メインユニット4が上方位置に配置された際には、当該メインユニット4により上方への移動が規制される。換言すれば、メインユニット4が上方位置より移動した場合には、箱体212の上方への規制がなくなるため、前扉3の背面側から箱体212を容易に取外すことができる。これにより、整流球通路87や、取込口83の下方に位置する取込装置300等の清掃作業や点検、修理等を行うことができ、メンテナンス性の向上が図られる。
箱体212は、取込口83の直上方に位置する下底壁部231と、当該下底壁部231と所定の段差をもって形成され整流球通路87の直上方に位置する上底壁部232とを備えるとともに、これら下底壁部231及び上底壁部232からなる底部の周囲を囲むように設けられた前壁部233、後壁部234、左壁部235及び右壁部236を備えている。下底壁部231及び上底壁部232が本実施形態における導出部カバー体の底壁部を構成し、前壁部233、後壁部234、左壁部235及び右壁部236により周壁部が構成される。
箱体212の組付け状態において、下底壁部231は取込装置300(停留傾斜部308)の天井部を構成し、上底壁部232は整流球通路87の天井部を構成する(図24参照)。これにより、後述するように上記整流球通路87により案内される遊技球を一列で通過させ、取込装置300内へと通じる球通路が形成される。
また、箱体212の組付け状態において、前壁部233は上記カードユニット操作装置72の上カバー141の背面部に当接するとともに、その上部が球使用式回胴遊技機1の前面側に露出した状態となる。また、後壁部234は上皿71の奥壁部80の前面部に当接し、右壁部236は上皿71の右側壁部71bの内側面(図24参照)に当接する。
一方、左壁部235は上皿71の上流側に向いて露出した状態となっている。これにより、上皿71内を流れる遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側の整流球通路87へ流下していく。従って、整流部85に多量の遊技球が流れ込んできたとしても、遊技球の噛み込みが抑制され、取込口83近傍における球詰まりが解消されるようになっている。
なお、天板体210が透光性を有する樹脂材料により形成されているのに対し、箱体212は金属材料により形成されている。箱体212は本実施形態における遮光手段を構成する。これは、箱体212に孔を開け、この孔を介して球使用式回胴遊技機1内部へ針金等を侵入させ、内部機器を操作するといった不正行為の防止を図るためである。これにより、例えば針金等を取込装置300内へ差込み、あたかも遊技球が取り込まれたようにする不正行為や、ひいては実際には取込まれていない遊技球を返却レバー163を操作して不正に払出(返却)させる不正行為などの防止が図られる。従って、箱体212は、不正対象物となる取込装置300及び当該取込装置300へ連通する取込口83等の球通路部の遊技機前面側への露出を抑えるように少なくとも一部が遊技機前面側に露出した状態で配置されるカバー手段を構成する。この場合、箱体212の内側面、すなわち下底壁部231、上底壁部232、前壁部233、後壁部234、左壁部235及び右壁部236の内側面などが、光の当たる非露出面を構成する。なお、箱体212は、金属材料に限らず、例えば黒色の導電性ポリカーボネイト樹脂等のように遮光性を有する他の材料により形成してもよい。
また、天板体210には、上皿71の受口部81の前方位置において、当該受口部81の左右方向略全域に対応して突出部220が下方に向け突出形成されている。突出部220部分には遮光性を有する皮膜部が形成されており、本実施形態における遮光手段を構成する。本実施形態のように、大量の遊技球の払出しに対応して受口部81を比較的大きく形成した構成において、突出部22を設けることにより、受口部81を介して払出機構部565に針金等を挿し込み、不正に遊技球を払出させる不正行為などが行いにくくなる。従って、突出部220は、不正対象物となる払出機構部565へ連通する受口部81等の球通路部の遊技機前面側への露出を抑えるように少なくとも一部が遊技機前面側に露出した状態で配置されるカバー手段を構成する。この場合、突出部220の上面、すなわち天板体210の上面が、光の当たる非露出面を構成する。また、突出部220を、遮光性を有する材料により天板体210と別体で形成した構成としてもよい。
さて、一般的に、遊技ホールでは球使用式回胴遊技機1の左側に球貸装置が設けられており、プリペイドカード対応の球貸装置の場合、上述したように紙幣やカード等を投入した状態でカードユニット操作装置72が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。実際には球貸装置に設けられたノズルを介して遊技球が球使用式回胴遊技機1(上皿71)に供給される。このノズルは、通常、回動可能かつ上方に跳ね上げ可能に構成されている。そこで、本実施形態では、ノズルが上皿71に向いた球供給位置(貯留部84上方)にある場合に、このノズルと、装飾枠11とが干渉しない構成を採用している。具体的には、装飾枠11における上皿構成部32より上方でかつ透視パネル37の側方にあたるノズル対応箇所に、切欠き状の凹部250を設けている。
次に下皿構成部33について図1等を参照して詳しく説明する。装飾枠11の下部には前方へ膨出した膨出部252が設けられており、当該膨出部252に遊技球を貯留するための第2貯留手段(第2球受皿)としての下皿253が取付けられている。また、下皿構成部33(下皿253)の奥壁部254の中央部には下部スピーカ51用のスピーカ開口部255が設けられており、このスピーカ開口部255に装飾枠11の背面側から上記下部スピーカカバー52が嵌め込まれる(図9等参照)。また、球使用式回胴遊技機1の正面から見て、スピーカ開口部255の右方には排出口257が形成されている。
また、下皿構成部33(下皿253及び膨出部252)には球抜き孔260が形成されている。この球抜き孔260は、通常、膨出部252の内部においてスライド自在に設けられた開閉弁261により閉塞されている。そして、膨出部252の前面に設けられた球抜きレバー262を操作してスライドした場合に、球抜き孔260が開放され、下皿253に貯留されていた遊技球が球抜き孔260から下方へ排出される。
また、膨出部252の左右側方には上述したように下部ランプ表示部53が設けられ、左下部ランプ表示部53の左方には灰皿263が設けられている。
次に装飾枠11に設けられた各種操作手段について詳しく説明する。
上皿構成部32の膨出部60の前面左側には後述する各リール511〜513を回転開始させるための始動操作手段としてのスタートレバースイッチ268が設けられている。
スタートレバースイッチ268は、膨出部60の前面側に突出したスタートレバー268aと、当該スタートレバー268aの操作を検出する検出スイッチを搭載し膨出部60の背面側に取付けられるスイッチ基板268bとからなる。
スタートレバースイッチ268の右方には、回転中の各リール511,512,513を個別に停止させるための停止操作手段としてのストップボタンスイッチ271,272,273が設けられている。各ストップボタンスイッチ271〜273は、それぞれ停止対象となるリール511〜513の下方に位置している。各ストップボタンスイッチ271〜273は、左リール511が回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には各ボタン内に設けられた図示しないLEDが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
ストップボタンスイッチ271,272,273は、膨出部60の前面側に露出したストップボタン271a,272a,273aと、当該ストップボタン271a〜273aの押圧操作を個別に検出する検出センサを搭載し膨出部60の背面側に取付けられる図示しないスイッチ基板とからなる。
この他、操作手段としては、遊技球を投入するため(ベット操作を行うための)の入力手段を構成するボタン状の各種ベットスイッチが設けられている。各ベットスイッチは、共に遊技媒体(又は記憶遊技媒体)たる遊技球を必要数分だけ投入するためのものである。本実施の形態では、1ベットスイッチ274と上述したマックスベットスイッチ75とが設けられている。
1ベットスイッチ274は上記透視パネル37の左方位置に設けられており、マックスベットスイッチ75は、上述したように上皿ユニット70の手前やや左側で、スタートレバースイッチ268の上方やや右側に位置している。
1ベットスイッチ274は、取付部275の前面側に露出した1ベットボタン274aと、当該1ベットボタン274aの押圧操作を検出する検出センサを搭載し取付部275の背面側に取付けられるスイッチ基板274bとからなる。
1ベットスイッチ274に関しては、1回押圧操作される毎に、5個の遊技球が投入されるよう設定されている。より詳しくは、1ベットスイッチ274の1回の押圧操作で、上皿71の遊技球が「5個」ずつ取り込まれる。
マックスベットスイッチ75は、前記1ベットスイッチ274の複数回(3回)の押圧操作を省略することができるよう設けられているものであって、1回押圧操作される毎に、15個(3ベット分)の遊技球が取り込まれるよう設定されている。より詳しくは、マックスベットスイッチ75の1回の押圧操作で、上皿71の遊技球が「15個」ずつ取り込まれる。本実施形態における遊技球の取込みは取込装置300によって行われる。但し、特別遊技状態であるビッグボーナスゲーム中にあっては、マックスベットスイッチ75の1回の押圧操作により5個分(1ベット分)の遊技球が取り込まれるようになっている。
また、本実施形態では、後述する5ラインが有効化された(15個の遊技球が投入された)時点で最大ベット(3ベット)状態となる。つまり、1ベットスイッチ274の3回の押圧操作或いはマックスベットスイッチ75の1回の押圧操作がなされた時点で、それ以上の投入は行われないようになっている。従って、本実施形態では最大ベット(3ベット)状態となった上で、さらにベットスイッチ274,75が押圧操作された場合には、該操作が無効化される構成となっている。
さて、1ベットスイッチ274の配置位置とは反対側にあたる上記透視パネル37の右方位置には第1演出スイッチ277と第2演出スイッチ278が設けられている。
第1演出スイッチ277は、取付部279の前面側に露出した第1演出ボタン277aと、当該第1演出ボタン277aの押圧操作を検出する検出センサを搭載し取付部279の背面側に取付けられる図示しないスイッチ基板とからなる。また、第2演出スイッチ278は、取付部279の前面側に露出した第2演出ボタン278aと、当該第2演出ボタン278aの押圧操作を検出する検出センサを搭載し取付部279の背面側に取付けられる図示しないスイッチ基板とからなる。
第1演出スイッチ277及び第2演出スイッチ278は、液晶表示装置501等の演出形式を変更するために操作されるスイッチである。これにより、遊技者は自身の好みに応じた形式の演出を実行することができる。
次に、前扉3の背面構成について説明する。図8等に示すように、ベース枠10は、上辺部10a、下辺部10b、左辺部10c及び右辺部10dからなる枠体形状をなし、そのほぼ中央部には略矩形状の窓孔281が形成され、その下部には下辺部10bに沿って左右方向略全域に下部スピーカ51や取込装置300等を取付けるための取付台部282が形成されている。
窓孔281は、ほぼ装飾枠11の窓孔30、透視パネル37、及び上皿構成部32(膨出部60)に対応する範囲、すなわち下皿構成部33を除く範囲に設けられている。一方、取付台部282は、ほぼ装飾枠11の下皿構成部33に対応する範囲に設けられている。
取付台部282の背面側には、図7に示すように上記上皿71の取込口83の下方位置において取込装置300が取付けられている。取込装置300は、図9に示すように取付台部282の背面側に形成された収容凹部283に取付けられている。
取込装置300は、遊技者による遊技球の投入操作が行われた場合に、遊技球を所定個数ずつ取り込む装置である。そして、この取込装置300により、所定個分の遊技球が取り込まれる毎にその都度の遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられる。なお、取込装置300により取り込まれた遊技球は、収容凹部283の下部に設けられた排出通路285を介して後述する第2排出通路581dへ導かれ、球使用式回胴遊技機1外部へ排出される。この取込装置300の詳細は後述する。
また、図8〜11等に示すように、取付台部282の前面側には、収容凹部283に対応して取込装置300への不正行為を防止するための防護プレート50がネジ等の固定手段により取付けられている。本実施形態では、後述する接続部56用のネジ56a及び固定片部50d用のネジ62により取付台部282に固定される。防護プレート50が本実施形態における導電性部材を構成する。
防護プレート50は、導電性金属材よりなり、取込装置300(収容凹部283)の前方に配置される略平板状の前壁部50aと、当該前壁部50aの下縁部より略後方へ延出形成された段差部50bと、当該段差部50bより下方へ延出形成された延出部50cとから構成されている。
前壁部50aは、本実施形態における導電性部材及び防護部材を構成し、球使用式回胴遊技機1の正面側から見て取込装置300の前面側全域を覆う大きさを有している(図48参照)。一方、段差部50bは、取込装置300(収容凹部283)の下方に位置するように配設される。
また、延出部50cの前面側には、アース用配線55(図48参照)を接続するための接続部56が設けられている。本実施形態における接続部56は、延出部50cに形成されたネジ孔(図示略)と当該ネジ孔に嵌められるネジ56aにより構成されている。
これにより、図48等に示すように、アース用配線55は、その一端が、ネジ56aと延出部50cに挟まれて接続部56に固定されるとともに、フック63,64により固定されつつ取付台部282の下辺部に沿って左側へ引き回されて、他端が、ベース枠10の左端寄りに形成された挿通孔57(図5参照)を介してベース枠10の背面側へ引き出され、後述する電源装置556のアース端子556aに接続されるよう配線処理されている。
また、接続部56には、取込装置300と防護プレート50とを電気的に接続するための配線58が接続されている。当該配線58の他端は、後述する取込装置300の取付部351(補強金具352)に接続されている。さらに、取付部351には後述する施錠装置750が図示しない配線により電気的に接続されている。なお、取込装置300と防護プレート50との電気的接続構成、施錠装置750と防護プレート50との電気的接続構成、取込装置300と施錠装置750との電気的接続構成などは、上記構成のように配線によらず、例えば取込装置300の取付部351(補強金具352)と防護プレート50とが直接接触した状態で固定されるような構成を採用してもよい。
また、取付台部282の背面側ほぼ中央には下部スピーカ51が取付けられている。下部スピーカ51は取付台部282の背面側に設けられた収容部284に取付けられている。収容部284には取付台部282の前面側に貫通するスピーカ用開口部284aが形成されており、このスピーカ用開口部284aを介して下部スピーカ51が取付台部282前面側のスピーカカバー52に対峙する。
ここで、スピーカカバー52の構成及びその取付構造について説明する。スピーカカバー52は、予めパンチング加工等により貫通孔が多数穿設された金属製板材をプレス成形する等して成形されており、導電性を有している。本実施形態における金属製板材としては厚さ0.1〜0.3mm程度で、貫通孔の直径が0.3〜1mm程度のものが使用されている。これに限らず、スピーカカバー52の素材としては、構成の異なる他の金属製板材を用いることができることは勿論のこと、金属メッキを施した合成樹脂材料等を用いることができる。この他にも金網状部材などを用いてもよい。
スピーカカバー52は、上記スピーカ開口部255の形状に合わせて形成された略円形状の膨出部52aと、当該膨出部52aの周縁部に形成されたフランジ部52bとから構成されている。
一方、スピーカカバー52が取付けられる取付台部282の前面側、すなわちスピーカ用開口部284aの周囲(本実施形態では左側のみ)には、スピーカカバー52を係止するための略鉤状の係止部59が設けられている。そして、左側のフランジ部52bを係止部59に係止させるとともに、右側のフランジ部52bを防護プレート50の固定片部50dによって前側より押さえ付けることにより、スピーカカバー52が取付台部282の前面側に係止される。固定片部50dをネジ62等の固定手段により取付台部282に固定することにより、スピーカカバー52の右側のフランジ部52bは、固定片部50dと取付台部282とにより挟持された状態となる。これにより、スピーカカバー52が取付台部282に位置決め固定されるとともに、スピーカカバー52と防護プレート50とが当接して電気的に接続された状態となる。
そして、ベース枠10と装飾枠11とを組付けた状態では、スピーカカバー52の膨出部52aが下皿253の奥壁部254に開口したスピーカ開口部255に嵌り込み、当該スピーカ開口部255を介して膨出部52aが下皿253側に露出した状態となる。本実施形態では、図49に示すように、膨出部52aが下皿253の奥壁部254より前方へ突出した状態となっている。
ここで取込手段としての取込装置300について詳細に説明する。図25は取込装置300の正面側の斜視図であり、図26は背面側の斜視図であり、図27は取込装置300の一部を分解して示す分解斜視図であり、図28は取込装置300の内部機構を説明するための断面図である。
取込装置300は、上皿体71の3つの整流球通路87に対応して3つの取込ユニット305を備えている。取込装置300は1つの取込ユニット305に設けられた取付部351を介してネジ等によりベース枠10に対し固定される。取付部351は補強金具352により補強されている。
各取込ユニット305の外形をなす略箱状のハウジング306は、導電性樹脂材料(例えば黒色の導電性ポリカーボネイト樹脂等)よりなる前後一対のハウジング構成部材(前側ハウジング構成部材306a及び後側ハウジング構成部材306b)をネジ等の締結具により連結することにより構成されている。
各取込ユニット305のハウジング306の上部には、当該取込ユニット305に対応した上記整流球通路87に通じる停留傾斜部308が形成されている。停留傾斜部308は、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側(図28左側)に向けて比較的緩やかに下方に傾斜している。開放された停留傾斜部308の上方位置には上記箱体212の下底壁部231が位置する(図24参照)。これにより、上記整流球通路87から案内される遊技球を取込んで一列で通過させ、ハウジング306内へと通じる断面略矩形状かつ筒状の球通路309が形成される。球通路309は、一般的な遊技球の直径が約11mmであることから、所要の隙間が出来るように各辺ともその長さが約12mmに設定されている。
球通路309は、ハウジング306内で分岐され、その一方は略鉛直方向に延びる取込通路311となり、他方は停留傾斜部308に沿って斜め下方に延びる返却通路312となる。取込通路311は排出通路285に連通し、返却通路312は下皿253の排出口257へ通じる図示しない返却中継路に連通している。従って、遊技球の取込みが行われる際には取込通路311を遊技球が通り、排出通路285及び後述する第2排出通路581dを介して球使用式回胴遊技機1外部へ排出される。一方、上皿71に貯留された遊技球の返却を行う際には返却通路312を介して遊技球が下皿253へと排出される。なお、通常の場合、すなわち上記球返却機構73の返却レバー163が操作されていない場合、返却通路312は返却シャッタ341により遊技球が通過不能に閉鎖されている。返却シャッタ341の詳細については後述する。
次に遊技球の取込みを制御する内部機構について説明する。取込通路311より、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て右側(図28右側)の通路外スペースには、遊技球の取込みを制御する取込機構315が設けられている。
取込機構315は、フリッカー316と、ソレノイド317と、両者を連動させる駆動伝達部材318とから構成されている。
ソレノイド317は、下方に向けて突出するプランジャ320を有している。プランジャ320の先端部にはプランジャキャップ321が取着されている。また、プランジャ320にはコイルばね322が取着されており、通常時つまりソレノイド317の非励磁状態においては、コイルばね322の付勢力によりプランジャ320が下方へ押下げられている。そして、ソレノイド317が励磁状態となると、プランジャ320がコイルばね322に抗して上方へ引き上げられる。
フリッカー316は、取込通路311近傍において支軸323により回動自在に軸支されている。一方、取込通路311の上端部近傍の通路壁337には開口部338が設けられている。そして、フリッカー316の回動に伴い、フリッカー316先端の爪部316aが開口部338を介して取込通路311内外へ出没する。これにより、取込通路311は開放又は閉鎖され、遊技球の通過が許容又は阻止される。より詳しくは、フリッカー316の爪部316aが取込通路311内へ突出している状態においては、取込通路311を遊技球が通過不能となる。この場合、返却シャッタ341が通路閉鎖位置にある通常時においては、それより上流側の球通路309(停留傾斜部308)おいて遊技球が停留されることとなる。一方、フリッカー316の爪部316aが取込通路311外へ没している状態においては、取込通路311を遊技球が通過可能となる。この場合、返却シャッタ341が通路閉鎖位置にある通常時においては、取込通路311を通って遊技球が流下していくこととなる。
また、フリッカー316の下方において、略く字形状をなす上記駆動伝達部材318が支軸324により回動自在に軸支されている。そして、この駆動伝達部材318の先端部がフリッカー316の下端部に係合され、駆動伝達部材318の動きに連動してフリッカー316が回動可能となる。
また、駆動伝達部材318の下後端には上記プランジャキャップ321が係合され、プランジャ320の上下動に連動して、駆動伝達部材318、ひいてはフリッカー316が回動することとなる。
また、取込通路311には、フリッカー316の爪部316aが突出する位置のすぐ下流側に第1カウントセンサ328が設置され、下流側端部において第2カウントセンサ329が設置されている。これらカウントセンサ328,329は、取込機構315による取込通路311の開放時において当該取込通路311を通過する遊技球を検知するものである。これにより、遊技の開始条件である所定個数の遊技球の取込みが検知できる。
第1カウントセンサ328は、上下一対の検知部328a,328bを有している。各検知部328a,328bは、発光素子及び受光素子を備えたフォトセンサにて構成されており、取込通路311を挟んで例えば前側に発光素子が、後側に受光素子が配設されている。また、各検知部328a,328bは、取込通路311の中心線よりも側方にずれた位置に設けられるとともに、1つの遊技球を同時に検出可能な上下間隔に配置されている。
また、各検知部328a,328bの発光素子及び受光素子は、前側ハウジング構成部材306a及び後側ハウジング構成部材306bの通路壁に設けられた透孔330a,330bを通じて発光又は受光して、遊技球の通過を検知する。
ここで第1カウントセンサ328による遊技球の検出手順について説明する。遊技球が上側の検知部328aに達すると当該遊技球が検知され、オン信号が出力される。続いて下側の検知部328bに達すると当該検知部328bからオン信号が出力される。その後、遊技球が上側の検知部328aの位置を過ぎると当該検知部328aからの信号出力がオフされる。さらに、遊技球が上側の検知部328bの位置を過ぎると当該検知部328bからの信号出力がオフされる。この場合、所定の時間条件の下、上側の検知部328a、下側の検知部328bの順で各検知部328a,328bがオンオフした時にのみ遊技球が正規に取り込まれたと判断される。仮に上側の検知部328aに検知されてから下側の検知部328bに検知されるまでに所定時間を経過した場合などにおいては、取込通路311内において球詰まりなどの不具合や不正行為が発生したと判別される。これにより、例えば針金等を当該取込通路311内へ差込み、あたかも遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為の防止策がとられている。
また、第2カウントセンサ329は近接センサであり、遊技球が孔部329aを通過することにより遊技球の通過を検知する。本実施形態では、第1カウントセンタ328の検出結果と、第2カウントセンサ329の検出結果に基づき、第1カウントセンタ328により遊技球の通過が検知されたにも関わらず、第2カウントセンサ329によって、遊技球が検知できない場合等は、上記同様に、取込通路311内において球詰まりなどの不具合や不正行為が発生したと判別される。
また、3つの取込ユニット305の側方には、当該3つの取込ユニット305に跨って1つの取込中継基板335と、当該取込中継基板335を覆う1つの基板カバー336とが取付けられている。取込中継基板335は、各取込ユニット305のソレノイド317やカウントセンサ328,329等と、後述する主制御装置520との電気的接続を中継する基板である。
次に返却通路312を開閉する開閉機構について説明する。各取込ユニット305の返却通路312の通路前後壁には貫通孔340が形成されている。この貫通孔340には、3つの取込ユニット305を貫くように返却シャッタ341が挿し込まれている。
貫通孔340は、取込通路311との分岐部分近傍において設けられており、当該貫通孔340に挿し込まれた返却シャッタ341は、通常時すなわち上記球返却機構73の返却レバー163が操作されていない場合においては取込通路311の通路壁として機能する。つまり、通常時は、返却通路312は返却シャッタ341により遊技球が通過不能に閉鎖されている。
より詳しくは、図29に示すように、返却シャッタ341は、前後方向に長い略平板状をなし、遊技球が通過可能な略矩形状の通過口342を各返却通路312に対応して3つ備えている。また、返却シャッタ341の前端部には、上記球返却機構73の第2回動部材162が接触する受部343が設けられている。一方、返却シャッタ341の後端部には、コイルばね345が嵌め込まれるバネ受部346と、その下方において後述するシャッタセンサ349により検知されるインデックス部347とが設けられている。また、各通過口342の下方位置には規制爪344がそれぞれ突設されている。
また、取込装置300の後部には、コイルばね345とシャッタセンサ349を収容するシャッタキャップ348が設けられている。シャッタセンサ349は、発光素子及び受光素子を備えたフォトセンサにて構成されており、本実施形態では左側に発光素子349a、右側に受光素子349bが配設されている。
図30(a)に示すように、通常時、返却シャッタ341は、コイルばね345によりバネ受部346が最後部の取込ユニット305の背面側(後側ハウジング構成部材306)に付勢された状態となっており、各通過口342の位置が停留傾斜部308及び返却通路312の位置より前方へずれた状態となっている。また、インデックス部347は、シャッタセンサ347の位置より前方に位置している。つまり、返却シャッタ341は、遊技球が返却通路312へ流入できない通路閉鎖位置にある。
図30(b)に示すように、上記球返却機構73の返却レバー163が操作された場合には、第2回動部材162に押されることにより、返却シャッタ341はコイルばね345に抗して後方へスライドする。これにより、返却シャッタ341は、遊技球が返却通路312へ流入可能な通路開放位置をとる。この状態では、各通過口342の位置が停留傾斜部308及び返却通路312の位置と一致する。そして、規制爪344により取込通路311への遊技球の落下が規制されるため、遊技球は返却通路312へと流れていく。これにより、上皿71内の遊技球が返却通路312を介して下皿253へ排出されることとなる。この際、シャッタセンサ349の発光素子349a及び受光素子349b間にインデックス部347が差し込まれる。これにより球返却機構73の操作がなされたことが検知される。この検知がなされている間、取込装置300による取込みは停止される。また、取込装置300によって既に取り込まれ遊技球が存在する場合には、インデックス部347が検知されることによって、取込球数分の遊技球が払出機構部565より上皿71へ返却される。
また、球返却機構73の返却レバー163の操作を止めることにより、コイルばね345の付勢力によって返却シャッタ341は通路閉鎖位置へ復帰する。
次に球使用式回胴遊技機1の背面構成について詳しく説明する。ベース枠10の背面には各種制御基板や払出機構等がメインユニット4及び裏機構ユニット5としてまとめられた状態で取付けられている。
メインユニット4は、リールユニット、主制御装置、サブ制御装置などを1ユニットとしたものである。また、裏機構ユニット5は、払出制御装置、電源装置、払出機構などを1ユニットとしたものである。
ここで、まずメインユニット4について詳しく説明する。図31はメインユニット4の正面側の斜視図であり、図32はメインユニット4の背面側の斜視図であり、図33はメインユニット4の正面図であり、図34は正面側から見たメインユニット4の分解斜視図であり、図35は背面側から見たメインユニット4の分解斜視図である。
メインユニット4は、合成樹脂材料よりなる遊技パネルベース500を備えている。遊技パネルベース500は、その前面側ほぼ全域が前扉3の窓孔30(ガラス板34)を介して視認可能となる。
遊技パネルベース500には、その上部に液晶表示装置501、ほぼ中央部に可変表示手段としてのリールユニット502、下部に情報表示装置503が取付けられている。
液晶表示装置501は、取付台504に搭載された状態で遊技パネルベース500の背面側にネジ等により固定される。この液晶表示装置501が取付けられる遊技パネルベース500の上部には、液晶表示装置501に対応した略矩形状の開口部505が形成されており、液晶表示装置501の表示部501aが前面側に露出している。つまり、液晶表示装置501の表示部501aが前面側から視認可能となっている。
リールユニット502は、遊技パネルベース500の背面側にネジ等により固定される。図36に示すようにリールユニット502は、略箱状をなす金属フレーム507内に円筒状の左リール511,中リール512,右リール513を備えている。
各リール511〜513は、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール511〜513の回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設されている。
このリールユニット502が取付けられる遊技パネルベース500の略中央部には、リール511〜513に対応した略矩形状の開口部515が形成されており、各リール511〜513の表面の一部が開口部515を介して視認可能な状態となっている。
リール511〜513が正回転すると、開口部515を介してリール511〜513の表面が上から下へ向かって動いているように視認される。
これら各リール511〜513は、それぞれが駆動手段としての図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール511〜513が個別に回転駆動する構成となっている。また、各リール511〜513の回転位置を個別に検出する図示しない回転位置検出センサが設けられており、その検出結果に基づき各リール511〜513の回転制御が行われる。
各リール511〜513の外表面には、それぞれ識別情報としての図柄(シンボル)が多数付されている。これらの図柄のうち、開口部515を介して視認可能な図柄数は、主として開口部515の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施の形態では、各リール511〜513毎に3個ずつの図柄が視認可能となるよう開口部515の上下方向の長さが設定されている。また、各リール511〜513の内側には、開口部515を介して視認可能な図柄を後方より照明するための図示しないバックライトが配置されている。
リール511〜513に付される図柄としては、例えば(1)ビッグボーナスゲームに移行するためのビッグボーナス図柄としての「7」図柄及び「BAR」図柄、(2)リプレイゲームに移行するための「リプレイ図柄」、(3)小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄、「ベル」図柄、「チェリー」図柄がある。本実施形態におけるリール511〜513にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。但し、各リール511〜513ではそれぞれ同一図柄の数や配置順序が相違している。
本実施形態では、例えば各リール511〜513を結ぶようにして、横方向に平行となるように3本、斜め方向にたすき掛けとなるように2本、計5本の有効ラインが設定されている。すなわち、有効ラインとして、上・中・下の横ライン(上ライン、中央ライン、下ライン)と、一対の斜めライン(右上がりライン、右下がりライン)とが設定されている。上記各種ゲームや小役等の遊技価値の付与に関わる図柄が本実施形態における特定識別情報を構成する。例えば後述する「7」図柄は、特別遊技状態としてのビッグボーナスゲームの付与に関わる特定識別情報を構成する。また、各種図柄が停止する各種有効ラインが本実施形態における所定領域を構成する。
これら各組合せラインに対応して、開口部515の正面から見て左側には有効ライン表示部516,517,518が設けられている。第1有効ライン表示部516は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部517は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部518は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が特定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められた球払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。なお、本実施形態では、各有効ラインは、上記バックライトが上記各ラインに沿って点灯することにより示される。
本実施形態において、ビッグボーナス図柄の組合せである「7」図柄や「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、ビッグボーナスゲームに突入する。また、「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、遊技球の払出しは行われずリプレイゲームに突入する。
更に、小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には75個の遊技球の払出しが行われ、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には40個の遊技球の払出しが行われる。また、左リール511の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には10個の遊技球の払出しが行われる。
また、遊技パネルベース500の背面側に遊技に関する各種の制御を統括的に管理する主制御装置520と、当該主制御装置520に対して従属的に動作するサブ制御装置521とが設置されている。
ここで主制御装置520及びサブ制御装置521について詳しく説明する。主制御装置520は、リールユニット502の右側方に固定される取付台522に搭載され、サブ制御装置521はリールユニット502の上部に固定される取付台523に搭載されている。主制御装置520は縦長の向きに配置されると共に、サブ制御装置521は前後方向にやや傾いた状態で横長の向きに配置されている。
主制御装置520は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板525を具備しており、この主基板525が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス526に収容(被包)されて構成されている。
基板ボックス526は、略直方体形状のボックスベース526aと該ボックスベース526aの開口部を覆うボックスカバー526bとからなる。これらボックスベース526aとボックスカバー526bとは封印ユニット527によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス526が封印されている。封印ユニット527はボックスベース526aとボックスカバー526bとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できる。但し、主基板525には各ケーブルコネクタのコネクタを接続するための端子部が設けられており、該端子部は、基板ボックス526から露出状態となっている。かかる端子部の露出は、他の基板及び基板ボックスについても同様である。
また、サブ制御装置521は、主制御装置520からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ基板530を具備しており、このサブ基板530についても当該サブ基板530に対応する基板ボックス531に収容されて構成されている。本実施形態の基板ボックス531は、取付台523に一体形成されたボックスベース531aと該ボックスベース531bの開口部を覆うボックスカバー531bとからなる。
また、遊技パネルベース500の前面側右下部にはカウント表示部533及びベット数表示部534が設けられている。
カウント表示部533は、3桁或いは2桁の7セグメント表示器によって構成されており、遊技球の投入個数、入賞により獲得した遊技球の個数(獲得賞球数)等が表示される。
ベット数表示部534は、複数のLEDランプにより構成され、ベット数に対応したLEDランプが点灯する。例えば、中央ラインのみが有効化された場合には、1ベットに対応するLEDランプが点灯する。
次に遊技パネルベース500の下部に設けられた情報表示装置503について詳しく説明する。情報表示装置503は、遊技パネルベース500の下辺部に沿って左右方向略全域に設けられた略平板状の情報表示パネル538と、当該情報表示パネル538を背面側より照らす発光手段としての冷陰極管(蛍光灯)539と、当該冷陰極管539を点灯させるためのインバータユニット540とからなる。本実施形態における情報表示パネル538は透明樹脂材料により構成されている。
情報表示パネル538の前面側には、遊技説明や入賞に係る図柄の組合せ等を記した情報シール、球使用式回胴遊技機1の型式名を記したシール、製造番号及び製造業者名を記した証紙などが貼付けられる。
図6に示すように、前扉3に対しメインユニット4が相対向して配置された状態では、情報表示パネル538は上記透視パネル37の後方位置に配置されるようになっており、球使用式回胴遊技機1の前面側から透視パネル37を介して、情報表示パネル538に貼付けられた各種情報が視認可能となっている。
また、前扉3に対しメインユニット4が相対向して配置された状態では、上記上皿ユニット70の天井カバー76(天板体210及び箱体212)が情報表示装置503の下方に位置する。本実施形態における情報表示装置503の下部は開放されており、冷陰極管539の光が下方へも照射されるようになっている。上述したように天板体210は、透光性を有する樹脂材料により成形されているため、冷陰極管539から発せられる光は上皿71側へ透過される。これにより、上皿71が奥まった位置に貯留された遊技球を冷陰極管539から発せられる光により照らすことができ、貯留された遊技球の数量を遊技者が認識しやすくなる。
これに対し、箱体212は金属材料により形成されているため、通常時には、冷陰極管539から発せられる光が上皿71側や前面側へ透過されないようになっている。従って、仮に箱体212に孔を開け、この孔を介して針金等を取込装置300内へ差込み、あたかも遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が行われた場合には、当該不正に開けられた孔より冷陰極管539の光が上皿71側や前面側へ漏れることとなる。これにより、前記不正行為の早期発見、ひいては不正行為を抑制することができる。
また、天板体210に形成された突出部220も同様に、冷陰極管539から発せられる光を上皿71側や前面側へ透過させない構成となっている。従って、突出部220に孔を開け、そこから受口部81へ針金等を挿し込み、払出機構部565から不正に遊技球を払出させる不正行為が行われた場合には、当該不正に開けられた孔より冷陰極管539の光が上皿71側へ漏れる仕組みとなっている。これにより、前記不正行為の早期発見、ひいては不正行為を抑制することができる。
次に裏機構ユニット5について詳細に説明する。図37は裏機構ユニット5の背面側の斜視図であり、図38は裏機構ユニット5の正面側の斜視図であり、図39は裏機構ユニット5の背面図であり、図40は後述する払出装置578を取外した状態を示す背面側の斜視図であり、図41は後述する払出制御装置555等を取外した状態を示す背面側の斜視図であり、図42は払出制御装置555等を取外した状態の背面図である。
裏機構ユニット5は合成樹脂材料により略矩形状に一体成形された樹脂ベース550を有している。樹脂ベース550は、その略矩形状の外形が上記ベース枠10の外形と略同一形状となっている。
樹脂ベース550のほぼ中央部には、背面側に膨出し前面側が開口した略箱型の保護カバー部551が設けられている。保護カバー部551は、メインユニット4に対応して設けられており、メインユニット4のほぼ全域を囲む大きさを有している。
また、保護カバー部551の下方には、下辺部に沿って左右方向略全域に取付台部552が形成されている。この取付台部552の背面側には払出制御装置555、電源装置556及びカードユニット接続基板557が横並びの状態で搭載されている。
払出制御装置555及び電源装置556は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板555a,556aを具備しており、払出制御装置555の払出制御基板555aにより、賞品球(賞球)や貸出球(貸球)の払出しが制御される。また、電源装置556の電源基板556aにより、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板557は、球使用式回胴遊技機1前面のカードユニット操作装置72及び図示しない球貸装置(カードユニット)に電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置555に出力する中継基板である。なお、カードユニット操作装置72及びカードユニットを介さずに球貸装置等から上皿71に遊技球が直接貸出される遊技機(現金機)では、カードユニット接続基板557を省略することも可能である。
上記払出制御装置555、電源装置556及びカードユニット接続基板557は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス555b,556b,557bにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置555では、前述した主制御装置520と同様、基板ボックス555bを構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット555cによって開封不能に連結され、これにより基板ボックス555bが封印されている。
電源装置556には、電源スイッチ560、リセットスイッチ561や設定キー挿入部562などを備えている。
電源スイッチ560は、主制御装置520を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ561は、球使用式回胴遊技機1の各種状態をリセットするためのスイッチである。球使用式回胴遊技機1は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復旧(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ561を押しながら電源スイッチ560をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ560がオンされている状態でリセットスイッチ561を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入部562は、ホール管理者などが出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入部562へ挿入して操作することにより、球使用式回胴遊技機1の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。本実施形態では、図38に示すように裏機構ユニット5の正面側からしか設定キーを挿入できないようになっている。つまり、後述するように裏機構ユニット5を前扉3から開放しない限り設定変更が不能となっており、不正防止対策が施されている。また、設定変更操作は、上記スタートレバースイッチ268により行うように構成されている。
また、電源装置556は、本実施形態における電源供給手段を構成し、図5に示すようにアース部としてのアース端子556aを備えている。アース端子556aには上述したように上記アース用配線55が接続される。一方、電源装置(アース端子556a)は他の端子を介して遊技機設置島など遊技機外部に設けられたアースに電気的に接続されている。
また、樹脂ベース550には、保護カバー部551を迂回するようにして払出機構部565が配設されている。
払出機構部565の最上流部となる樹脂ベース550の上部には、上方に開口したタンク575が設けられている。このタンク575には遊技ホールの島設備に設けられた遊技球供給機構から供給される遊技球が逐次補給される。
タンク575の下方には、複数の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール576が連結され、さらにタンクレール576の下流側には縦向きにケースレール577が連結されている。
ケースレール577の下流側には払出装置578が連設され、この払出装置578により必要個数の遊技球の払出しが適宜行われる。払出装置578から払い出された遊技球は払出樋579を介して遊技球分配部580へ導かれる。遊技球分配部580は樹脂ベース550に一体形成されている。
また、取付台部552には、遊技球分配部580に通じる各種球通路が形成されており、遊技球分配部580により振分けられた遊技球が上皿71、下皿253、又は球使用式回胴遊技機1外部の所定排出部へと導かれる。
また、タンク575から払出樋579に至るまでの払出機構部565は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば黒色の導電性ポリカーボネイト樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
ここからタンク575等について個々に詳しく説明していく。
タンク575は、前後方向よりも左右方向に長く、上方に開口した略箱状に構成されており、その内部に遊技球を貯留するように構成されている。
タンク575の底部には、その左右一側部(本実施形態では球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側)において、遊技球をタンクレール576へ導出するための略矩形状の導出口575aが形成されており、当該タンク575の底部は導出口575aへ向けて下方傾斜している。
タンクレール576は、上方に開口した長尺樋状をなすとともに、長手方向(左右方向)に延びる4列の球通路576aを有している。
ケースレール577は、タンクレール576の4列の球通路576aに対応して4列の球通路577aを備えており、これら球通路577aにより、タンクレール576から流下してくる遊技球を待機(停留)させ、払出装置578へと導く。
払出装置578は、前後に連結された2つの球払出ユニット600により構成されている。ここで払出装置578を構成する2つの球払出ユニット600について説明する。図43は球払出ユニット600の内部構成を説明するための断面図である。
各球払出ユニット600は略直方体形状をなすハウジング601を有している。ハウジング601は複数のハウジング構成部材の連結により構成されている。
ハウジング601内には上下両側に通じる並行した2つの球通路607が形成され、各球通路607の側方において停留機構608が配設されている。なお、本実施形態では、球通路607は、断面略四角形の筒状に形成されており、一般的な遊技球の直径が約11mmであることから、所要の隙間が出来るように球通路607の一辺の長さは約12mmに設定されている。
各球通路607は、ハウジング601上面に開口した開口部615から緩やかに下方傾斜した停留通路部617と、停留通路部617の下流側に連通し略鉛直方向に沿って延びる払出通路部619と、当該払出通路部619の途中から分岐し下方傾斜した球抜き通路部621とから構成されている。そして、ハウジング601下面において払出通路部619及び球抜き通路部421がそれぞれ開口している。
各球払出ユニット600は、各球通路607がそれぞれ対応する上記ケースレール577の球通路577aと連通するように配置される。一方、各球払出ユニット600の下部においては、払出通路部619が払出樋579の第1導出通路579aに連通し、球抜き通路部621が払出樋579の第2導出通路579bと連通するようになっている。
各停留機構608は停留通路部617の下方、払出通路部619の側方(図43の右側)、球抜き通路部621の上方に形成される空間部631に配設されている。各停留機構608はそれぞれ独立して駆動するよう構成されている。
停留機構608は、フリッカー633と、これを駆動させるソレノイド635と、両者を連動させるための駆動伝達部材637とから構成されている。
ソレノイド635は、下方に向けて突出するプランジャ641を備えている。プランジャ641の先端部には、プランジャ641と一体的に上下にスライドするプランジャキャップ643が取着されている。なお、プランジャ641には図示しないコイルばねが取着されており、通常時つまりソレノイド635の非励磁状態においては、プランジャ641が下方へ押下げられている。そして、ソレノイド635が励磁状態となると、プランジャ641が上方へ引き上げられる。
フリッカー633は、支軸647により払出通路部619近傍において回動自在に軸支されている。フリッカー633は略円弧形状をなし、支軸647より上に位置する先端部は先細りしている。
一方、払出通路部619の上端部近傍における空間部631側の壁部には、開口部651が設けられている。そして、フリッカー633が回動することにより、フリッカー633の先端部が開口部651を介して払出通路部619内外へ出没する。フリッカー633の先端部が払出通路部619内へ突出している状態においては遊技球が通過不能となり、それより上流において遊技球が停留されることとなる。
また、フリッカー633の下方には、略く字形状をなす上記駆動伝達部材637が配設されている。駆動伝達部材637は、支軸648により回動自在に軸支されている。駆動伝達部材637の先端部はフリッカー633の下部に係合(遊嵌)されており、駆動伝達部材637の動きに連動してフリッカー633が回動する。
一方、駆動伝達部材637の下部には上記プランジャキャップ643の端部が差し込まれており、プランジャ641の上下動に連動して、駆動伝達部材637、ひいてはフリッカー633が回動することとなる。
また、ハウジング601の側部には、フリッカー633の先端部近傍において球検出センサ664が取着されている。球検出センサ664は、発光素子と受光素子とからなる透過型フォトセンサである。ハウジング601には、上記球検出センサ664の発光素子及び受光素子に対応して透孔677が設けられており、これを介して球検出センサ664は投光又は受光を行う。
また、球通路607における払出通路部619と球抜き通路部621との分岐点には切換え部材679が設けられている。より詳しくは、切換え部材679は、前後方向を軸心として回動可能に設けられており、遊技球を払出通路部619に沿って流下させる払出通路開放位置と、遊技球が通過不能なように払出通路部619を閉じた状態とするとともに、遊技球を球抜き通路部621へ導き当該球抜き通路部621に沿って流下させる球抜き通路開放位置とに回動変位する。
ハウジング601の前面側には、切換え部材679の切換え操作及び上記停留機構608の停留解除操作を行うための操作レバー688が手動操作可能に設けられている。操作レバー688は前後方向を軸心として回動自在となっており、当該操作レバー688を回動操作することにより、切換え部材679が連動して回動する。なお、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て、操作レバー488が右寄りの第1操作位置(図43の二点鎖線で示す位置)にある場合には、切換え部材679が上記払出通路開放位置に位置し、操作レバー688が左寄りの第2操作位置にある場合には、切換え部材679が上記球抜き通路開放位置に位置する。
また、ハウジング601内には、各ソレノイド635(プランジャ641)の下方において作用伝達部材692が配設されている。作用伝達部材692は、上記操作レバー688の動作に連動してプランジャ641を動かすための部材である。作用伝達部材692は前後方向を軸心として回動可能に構成されている。そして、操作レバー688を回動操作することにより、作用伝達部材692が回動するようになっている。より詳しくは、操作レバー688を前記第1操作位置から前記第2操作位置へと回動操作し、作用伝達部材692を回動させることにより、作用伝達部材692がプランジャ641を押し上げることとなる。その結果、ソレノイド635が励磁された場合と同様に、フリッカー633の先端部が払出通路部619外へ没した状態となり、遊技球が流下可能な状態となる。
また、本実施形態では、2つの球払出ユニット600の連結時において、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て手前側の球払出ユニット600の操作レバー688と、奥側の球払出ユニット600の操作レバー688とが連結される構成となっている。これにより、手前側の球払出ユニット600の操作レバー688を回動操作することにより、奥側の球払出ユニット600の操作レバー688も回動操作されることとなる。
ここで、払出装置578(球払出ユニット600)の払出動作及び球抜き動作について説明する。
通常時、各球払出ユニット600では遊技球の流下を規制する規制状態となっており、フリッカー633の先端部が払出通路部619内へ突出した状態となっている。一方、切換え部材679は払出通路開放位置にあり、遊技球が払出通路部619に沿って流下可能な状態となっている。
そして、払出制御装置555からの払出指令に基づき、ソレノイド635が励磁されると、プランジャ641が引き上げられる。これに連動してフリッカー633の先端部が払出通路部619外へ没した状態となり、フリッカー633により制止されていた遊技球が払出通路部619に沿って流下し、上皿71や下皿253へと導かれる。また、球検出センサ664が所定数の遊技球を検出すると、払出制御装置555から停止指令が出て、再びソレノイド635が非励磁状態となり、各停留機構608は上記通常時の状態(規制状態)に戻る。
次に、球払出ユニット600内に停留された遊技球の球抜き作業について説明する。球抜き作業は、出荷時における検査終了後やエラー発生時(故障時)等に行われる。
遊技球を球抜きするためには、まず操作レバー688を反時計回り方向へ回動操作する。この操作レバー688の動きに連動して、切換え部材679が球抜き通路開放位置へと反時計回りに回動変位するとともに、作用伝達部材692が時計回りに回動変位する。その結果、プランジャ641が押し上げられる。そして、ソレノイド635が励磁された場合と同様に、フリッカー633の先端部が払出通路部619外へ没した状態となると、遊技球が流下可能な状態となる。フリッカー633により制止されていた遊技球は、払出通路部619に沿って流下し、切換え部材679によって球抜き通路部621へ導かれ、当該球抜き通路部621及び第2導出通路579bを介して第1排出通路581cへ、ひいては遊技ホールの島設備の所定の排出部などへと導かれる。
次に、2つの球払出ユニット600が連結された払出装置578の上記樹脂ベース550への取付構造について説明する。各球払出ユニット600のハウジング601には前後方向(取付方向)に貫通した挿通孔695が複数設けられている。これに対応して樹脂ベース550側の取付部位には金属棒697が突設されている。取付けの際には、まず一体となった2つの球払出ユニット600の各挿通孔695に各金属棒697を挿入する。そして、金属棒697の先端においてネジ等を螺着し、球払出ユニット600の抜け落ちを防止することにより、樹脂ベース550への払出装置578の取付けが完了する。
また、ハウジング601の側部には、球検出センサ664の下方において払出中継基板W1が設けられている。払出中継基板W1は、球検出センサ664とコネクタW1aを介して電気的に接続され、ソレノイド635とコネクタW1bを介して電気的に接続され、払出制御装置555とコネクタW1cを介して電気的に接続されている。但し、便宜上、図面において電気配線は省略されている。これにより、球払出ユニット600(ソレノイド635)が払出制御装置555からの出力信号に基づいて駆動制御されるとともに、払出制御装置555が球検出センサ664からの入力信号に基づいて払出個数を計数するように構成されている。
次に払出樋579、遊技球分配部580、及び取付台部552に形成された各種球通路について詳しく説明する。上述したように払出樋579は、第1導出通路579aと第2導出通路579bとを備えている。第1導出通路579aは、遊技球分配部580の開口部580a,580bと、払出装置578(球払出ユニット600)の払出通路部619とを連通するよう構成されている。第2導出通路579bは、遊技球分配部580の開口部580cと、払出装置578(球払出ユニット600)の球抜き通路部621とを連通するよう構成されている。
樹脂ベース550の取付台部552には、遊技球分配部580の開口部580aと上皿71の受口部81とを連通させる第1払出通路581aが設けられ、遊技球分配部580の開口部580bと下皿253の排出口257とを連通させる第2払出通路581bが設けられ、遊技球分配部580の開口部580cと遊技ホールの島設備の所定排出部などとを連通させる第1排出通路581cが設けられている。これにより、球払出ユニット600の払出通路部619から導出される遊技球は上皿71や下皿253へと導かれ、球抜き通路部621から導出される遊技球は遊技ホールの島設備の所定排出部へと導かれる。
この他、取付台部552には、上記取込装置300により取り込まれた遊技球を島設備の所定排出部などへ導くため、上記前扉3側の排出通路285に連通する第2排出通路581dが設けられている。
次にメインユニット4及び裏機構ユニット5の前扉3(ベース枠10)に対する組付構成について詳細に説明する。これら両ユニット4,5は、ユニット単位で何ら工具等を用いずにベース枠10の背面側に着脱できるよう構成されるとともに、ベース枠10の背面に対し個別に開閉可能に構成されている。これは、メインユニット4だけを交換することで球使用式回胴遊技機1本体を再利用することを主たる目的としている。
図33等に示すようにメインユニット4(遊技パネルベース500)の左側部には上下一対の支軸541が設けられており、この支軸541を図9等に示す上下一対の支持孔部542に上方から挿通させることで、メインユニット4がベース枠10に対して開閉可能に支持される。
図38等に示すように裏機構ユニット5(樹脂ベース550)の左側部には上下一対の支軸543が設けられており、この支軸543を図9等に示す上下一対の支持孔部544に上方から挿通させることで、裏機構ユニット5がベース枠10に対して開閉可能に支持される。
また、メインユニット4(遊技パネルベース500)の右側部には上下一対の係止レバー545が設けられている。これに対し、裏機構ユニット5(樹脂ベース550)の右側部には上下一対の係止片546が設けられている。係止レバー545は手動で回動操作できるように構成されており、この係止レバー545を係止片546へ係止させることにより、メインユニット4が裏機構ユニット5に係止される。この状態では両者が一体にベース枠10に対し開閉可能となる。また、係止レバー545を操作することにより係止解除できる。
また、メインユニット4を裏機構ユニット5に係止させた状態では、メインユニット4の背面側が裏機構ユニット5により覆われた状態となり、主制御装置520及びサブ制御装置521が遊技パネルベース500と樹脂ベース550とにより包まれた状態となる。
次に、前扉3の施錠機構、並びに裏機構ユニット5の施錠機構について説明する。本実施形態では、前扉3は外枠2に対し施錠され、裏機構ユニット5は前扉3に対し施錠される。これら両施錠は前扉3の背面側に設けられた1つの施錠装置750により行われる。図44(a)は施錠装置を背面外側から見た斜視図であり、図44(b)は施錠装置を背面内側から見た斜視図である。図45(a)は前扉の解錠時の施錠装置を背面外側から示す斜視図であり、図45(b)は前扉の解錠時の施錠装置を背面内側から示す斜視図である。図46(a)は裏機構ユニットの解錠時の施錠装置を背面外側から示す斜視図であり、図46(b)は裏機構ユニットの解錠時の施錠装置を背面内側から示す斜視図である。
施錠装置750は、金属材料よりなり、ベース枠10の右辺部10dに沿って取付けられる縦長の基枠751を備えている。
基枠751は、右辺部10dの背面側に取付けられる取付板752と、当該取付板752から後方へ突出した支持板753とからなり、断面略L字状をなしている。
まず、前扉3の施錠機構について説明する。当該施錠機構が本実施形態における第1施錠機構を構成する。
支持板753の上部及下部には、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側にあたる外側の面において、鉤部材754,755が回動可能に軸支されている。
さらに支持板753の外側面には上下に摺動可能に摺動杆756が配設されている。摺動杆756の上部及び下部にはガイド孔756a,756bが設けられ、ガイド孔756a,756bにはそれぞれ支持板753に固定されたガイドピン753a,753bが係合状態で挿通されている。これにより摺動杆756の摺動がガイドされる。
また、摺動杆756の上端部近傍及び下端部近傍には、上記鉤部材754,755に対応して切欠き部758,759が設けられている。一方、鉤部材754,755の取付板752側の端部(以下、基端部という)にはガイド突起754a,755aが設けられている。このガイド突起754a,755aは、摺動杆756の切欠き部758,759に係合されている。また、このガイド突起754a,755aと取付板752との間にはコイルばね761,762が掛けられており、鉤部材754,755の基端部は常には下方に引っ張られている。これにより、鉤部材754,755は常には図示しない規制部に当接することにより略水平状態に維持されている。そして、摺動杆756が上方に摺動するのに伴って、鉤部材754,755が連動して回動し、鉤部材754,755の基端部側が上に、先端部側が下となるよう傾いた状態となる。
一方で、鉤部材754,755は独立して回動可能であり、針金などで上下の鉤部材754,755を回動させようとする場合(不正行為が行われる場合)は、両方の鉤部材754,755に針金を引っ掛けて回動させなければならない。つまり、一方のみの鉤部材754又は鉤部材755を引っ掛けて回動させただけでは、不正解錠をすることができないように構成されている。
鉤部材754,755の先端部は略三角形状に形成されており、その上側に係止部754b,755bが形成されている。これに対し、外枠2の右辺部(右の縦板)内側には鉤部材754,755に対応して上下一対の受け金具(爪馬)792が設けられている(図5参照)。そして、前扉3が閉じられる際には、鉤部材754,755が受け金具792によって押されることでコイルばね761,762に抗して回動する。その後、コイルばね761,762の引張力で鉤部材754,755は元の状態に戻り、係止部754b,755bが受け金具792に係止される。その結果、前扉3が外枠2に対し施錠される。また、鉤部材754,755の先端が下がり、係止部754b,755bと受け金具792との係止状態が解除されることにより、前扉3が解錠される。
次に裏機構ユニット5の施錠機構について説明する。当該施錠機構が本実施形態における第2施錠機構を構成する。
支持板753の上部及下部には係合突部765,766が後方に向け突出形成されている。さらに、支持板753には、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て右側にあたる内側の面において、上下に摺動可能に摺動杆767が配設されている。摺動杆767の上下方向略中央部にはガイド孔767aが設けられ、ガイド孔767aには支持板753に固定されたガイドピン753cが係合状態で挿通されている。これにより摺動杆767の摺動がガイドされる。
また、摺動杆767の上端部近傍及び下端部近傍には、上記係合突部765,766に対応して鉤部769,770が設けられている。鉤部769,770の先端部は略三角形状に形成されており、その上側に係止部769a,770aが形成されている。
また、摺動杆767と支持板753との間にはコイルばね771が掛けられており、摺動杆767は常には上方に引っ張られている。この状態では、鉤部769,770(係止部769a,770a)の上部端部が係合突部765,766より上方に突出した状態となっている。そして、摺動杆767が下方に摺動するのに伴って、鉤部769,770の上部端部が係合突部765,766より下方に没した状態となる。
これに対し、裏機構ユニット5(樹脂ベース550)の右側部には係合突部765,766及び鉤部769,770が挿入される上下一対の鉤受部791が形成されている。鉤受部791内には受け金具(爪馬)793が設けられている。そして、裏機構ユニット5が前扉3に対し閉じられる際には、鉤部769,770が受け金具793によって押されることでコイルばね771に抗して摺動杆767(鉤部769,770)が下方へ摺動する。その後、コイルばね771の引張力で摺動杆767(鉤部769,770)が元の位置に戻り、係止部769a,770aが受け金具793に係止される。その結果、裏機構ユニット5が前扉3に対し施錠される。また、摺動杆767(鉤部769,770)が下がり、係止部769a,770aと受け金具793との係止状態が解除されることにより、裏機構ユニット5が解錠される。
さて、取付板752には、球使用式回胴遊技機1の前面側に露出するように取付けられるシリンダ錠775が設けられている。
シリンダ錠775の錠軸には第1係合凸部776aと第2係合凸部776bとを備えてなるカム板776が固定されている。一方、摺動杆756には、下部のガイド孔756bの上方において、カム板776が係合可能な矩形状の2つの係合孔部756c,756dが形成されている。
キー操作によってカム板776が球使用式回胴遊技機1の正面側から見て時計回り方向に回動された場合(図45参照)、カム板776の第2係合凸部776bが摺動杆756の係合孔部756dに係合し、摺動杆756が上方に摺動する。これにより、鉤部材754,755が回動し、外枠2側の受け金具792との係合が解除され、前扉3が解錠される。
一方、キー操作によってカム板776が反時計回り方向に回動された場合(図46参照)、カム板776の第1係合凸部776aが摺動杆756の係合孔部756cに係合し、摺動杆756が下方に摺動する。この際、支持板753に形成された孔部781を介して支持板753の外側に突出した摺動杆767の突部782が、摺動杆756の突部783によって下方へ押され、摺動杆767が下方へ摺動する。これにより、鉤部769,770と裏機構ユニット5側の受け金具793との係合が解除され、裏機構ユニット5が解錠される。
なお、摺動杆756には、鉤部材755のやや上方位置において、後方に突出したストッパ部785が設けられている。前扉3が外枠2に施錠された状態では、図5に示すように、このストッパ部785が、下側の鉤部材755の係止される受け金具792の上部に当接した状態となる。これにより、前扉3の施錠時においては摺動杆756の下方摺動が規制される。つまり、前扉3が外枠2に施錠された状態では、カム板776を球使用式回胴遊技機1の正面側から見て反時計回り方向に回動させるキー操作を行うことができず、前扉3に対する裏機構ユニット5の解錠を行えない構成となっている。このような構成により、主制御装置520の取外しや上皿ユニット70の箱体212の取外しを行おうとした場合には、まず前扉3を解錠して開放した後、次に裏機構ユニット5を解錠し、メインユニット4の係止レバー545を解除操作するといった複雑な過程を経て、ようやく行うことができる。これにより、主制御装置520や箱体212を取外して行う不正行為等に対して抑止効果を得ることができる。さらには、シリンダ錠775の背面側にはシリンダカバー790が取付けられており、カム板776が不正操作されることを防止している。
次に球使用式回胴遊技機1の電気的構成について詳しく説明する。図47は、球使用式回胴遊技機1の電気的構造を示したブロック図である。但し、便宜上、各種中継基板については図示を省略している。
球使用式回胴遊技機1の主制御装置520には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU801が搭載されている。CPU801には、該CPU801により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM802と、そのROM802内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM803と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM803は、球使用式回胴遊技機1の電源のオフ後においても電源装置556からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM803には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア803aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時に球使用式回胴遊技機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア803aへの書き込みは、所定の停電時処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア803aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の所定の復電時処理において実行される。なお、CPU801のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路842から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電時処理が即座に実行される。
かかるROM802及びRAM803を内蔵したCPU801には、アドレスパス及びデータパスで構成されるバスライン804を介して入出力ポート805が接続されている。
入出力ポート805には、後述するリセットスイッチ回路843、払出制御装置555、スタートレバースイッチ268、ストップボタンスイッチ271,272,273、マックスベットスイッチ75、1ベットスイッチ274、カウント表示部533、ベット数表示部534、取込装置300、有効ライン表示部516,517,518、その他図示しない電気機器(例えばホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板)などが接続されている。
サブ制御装置521は、ランプやスピーカ等を制御するための制御装置であり、演算装置であるCPU851、該CPU851により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM852、該ROM852内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM853、入出力ポート854、バスライン855を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM853は、CPU851による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート854には、バスライン855を介してCPU851、ROM852、RAM853が接続されるとともに、液晶表示装置501、各ランプ表示部41,47,53、スピーカ42,51、第1演出スイッチ277、第2演出スイッチ278等が接続されている。
サブ制御装置521のCPU851は、例えば主制御装置520から送信される指令信号に基づいて種々の演出を実行する。例えば、液晶表示装置501において、後述するビッグボーナスフラグ等の成立を報知する「ナビゲーション表示」や、ビッグボーナスフラグの成立時に小役フラグ等の成立と思わせる「ナビゲーション外れ表示」といった補助演出表示を行う。
また、払出制御装置555は、上記払出装置578により賞球や貸球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU811は、そのCPU811により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM812と、ワークメモリ等として使用されるRAM813とを備えている。
払出制御装置555のRAM813は、前述した主制御装置520のRAM803と同様に、球使用式回胴遊技機1の電源のオフ後においても電源装置556からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM813には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア813aが設けられている。
バックアップエリア813aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時に球使用式回胴遊技機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア813aへの書き込みは、所定の停電時処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア813aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の所定の復電時処理において実行される。
かかるROM812及びRAM813を内蔵したCPU811には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン814を介して入出力ポート815が接続されている。
入出力ポート815には、リセットスイッチ回路843、主制御装置520、払出装置578などがそれぞれ接続されている。
また、電源装置556は、球使用式回胴遊技機1の各部に電力を供給するための電源部841と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路842と、リセットスイッチ561に接続されてなるリセットスイッチ回路843と、設定キー挿入部562に接続されてなる設定キー回路844とを備えている。
電源部841は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置520、サブ制御装置521、払出制御装置555等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部841は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置520等に対して供給する。
停電監視回路842は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置520のCPU801及び払出制御装置555のCPU811の各NMI端子へ停電信号SK1を出力するための回路である。停電監視回路842は、電源部841から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置520及び払出制御装置555へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置520及び払出制御装置555は、停電の発生を認識し、停電時処理を実行する。
なお、電源部841は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置520及び払出制御装置555は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
リセットスイッチ回路843は、リセットスイッチ561のスイッチ信号を取り込み、そのリセットスイッチ561の状態に応じて主制御装置520のRAM803及び払出制御装置555のRAM813のバックアップデータをクリアするための回路である。リセットスイッチ561が押下された際、リセットスイッチ回路843は、リセット信号SK2を主制御装置520及び払出制御装置555に出力する。リセットスイッチ561が押下された状態で球使用式回胴遊技機1の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置520及び払出制御装置555においてそれぞれのRAM803,813のデータがクリアされる。
設定キー回路844は、設定キー挿入部562への設定キーの挿入を検知し、その旨を主制御装置520のCPU801に認識させるための回路である。設定キー挿入部562に対しキー挿入があると、設定キー回路844は、キー入力信号SK3を主制御装置520に出力する。これに基づき、主制御装置520は設定変更を許可する。
さて、主制御装置520は、各種遊技制御として、「小役抽選」、「小役制御」「リプレイゲーム抽選」「リプレイゲーム制御」「ビッグボーナス抽選」「ビッグボーナス制御」「ビッグボーナス中抽選」、「リール制御」等の処理を実行する。
小役抽選では、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役払出条件が成立したか否かの抽選が行われ、これによって小役フラグの成立の有無が決定される。なお、小役抽選は、他の抽選とともに、遊技球の投入個数(ベット数)に応じて変化するよう構成されており、概して投入個数が多い程遊技者に有利な抽選結果が得られるようになっている。
小役制御では、通常遊技中に小役フラグが成立している場合、各リール511〜513の停止時に、後述する小役成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的に小役図柄を有効ライン上に停止させる制御が行われる。
リプレイゲーム抽選では、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、リプレイゲーム移行条件が成立したか否かの抽選が行われ、これによってリプレイフラグの成立の有無が決定される。
リプレイゲーム制御では、通常遊技中にリプレイフラグが成立している場合、各リール511〜513の停止時に、後述するリプレイ成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にリプレイ図柄を有効ライン上に停止させる制御が行われる。そして、有効ライン上にリプレイ図柄が停止することを条件に、次回の遊技を無償で行うことができるようにする。勿論、このリプレイゲームが行われる場合にも各種抽選は実行されている。
ビッグボーナス抽選では、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、ビッグボーナス移行条件が成立したか否かの抽選が行われ、これによってビッグボーナス成立フラグの有無が決定される。
ビッグボーナス制御では、通常遊技中にビッグボーナスフラグが成立している場合、各リール511〜513の停止時に、後述するビッグボーナス成立テーブルの内容を参照しつつ、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にビッグボーナス図柄を有効ライン上に停止させる制御が行われる。そして、有効ライン上にビッグボーナス図柄が停止することを条件に通常遊技からビッグボーナスゲームに移行させ、予め設定された最大獲得賞球数(本実施形態では2325個)を上限として、その後、原則的には元の通常遊技状態に復帰させる制御が行われる。
ビッグボーナス中抽選では、ビッグボーナス中において、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役図柄の抽選及びジャックインの抽選が行われ、小役フラグ及びジャックインフラグの成立の有無が決定される。
そして、ビッグボーナス中は、前記ビッグボーナス制御により、小役フラグの成立に基づく所定の小役図柄を有効ライン上に揃わせるべく小役成立テーブルを参照しつつ各リール511〜513を半強制的に引き込み停止する制御が行われる。また、ジャックインフラグの成立に基づきジャックインさせるべく、リプレイ成立テーブルの内容を参照しつつ、各リール511〜513を半強制的に引き込み停止する制御が行われる。
ジャックインとは、ビッグボーナスゲーム中に所定のジャックインゲームを実行させる状態であり、具体的には「リプレイ」図柄が揃うことによって生じる。従って、ジャックイン実行のためにビッグボーナス制御では、ジャックイン図柄(リプレイ図柄)を有効ライン上に揃わせるべく各リール511〜513を半強制的に引き込み停止する制御が行われる。ジャックインされるとジャックインゲームが実行される。
このジャックインゲーム中は、有効ラインが1ライン(中央ライン)のみとされている。ジャックインゲーム中においては、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、所定の図柄(ここでは、リプレイ図柄)の抽選を行う。かかる図柄の抽選は、通常の抽選とは異なり、リプレイ図柄が有効ライン(中央ラインのみ)に揃った場合に所定個数(例えば75個)の遊技球が払い出されるように設定しておき、かかるリプレイ図柄を遊技球払出図柄として、当該遊技球払出図柄が揃う条件を満たすか否かの抽選とされている。そして、前記抽選の結果、リプレイフラグ(ここでいうリプレイフラグは通常遊技中のものとは異なり、ジャックインゲーム用に新たに設定されたものである。)が成立した場合には前記遊技球払出図柄以外の図柄が有効ライン上に揃わないように各リール511〜513が制御され、しかも遊技球払出図柄が所定回数(例えば8回)揃った場合には所定の遊技回数(12回)に達していなくとも所定のジャックインゲームは終了する。なお、かかる所定のジャックインゲームに際しては、投入される遊技球として5個が上限、すなわち、1ベットのみが有効化される。
また、ビッグボーナスゲームでは、当該ビッグボーナスゲーム中に獲得した賞球数が、予め設定された最大獲得賞球数(2325個)に達するまで、当該ビッグボーナスゲームを継続して行うことができるとともに、何度でもジャックインが可能となっている。そして、ビッグボーナス制御では、最大獲得賞球数に達した時点に行われている遊技又はジャックインゲームの終了時点でビッグボーナスゲームを強制的に終了させる。
また、リール制御により、ROM等の記憶手段の記憶内容に応じて各リール511〜513が制御され、特に記憶手段に記憶された各種テーブルの記憶内容に応じて各リール511〜513の停止位置が制御される。
各種テーブルとは、成立した各種フラグに応じて個々に設定されたものである。具体的には、例えば何らフラグが成立していない場合にいずれの図柄をも有効ライン上に揃えないようにするための「外れテーブル」、小役フラグに対応して所定の小役図柄を有効ライン上に揃えるための「小役成立テーブル」、リプレイフラグに対応してリプレイ図柄を有効ライン上に揃えるための「リプレイ成立テーブル」、ビッグボーナスフラグに対応して「7」図柄を有効ライン上に揃えるための「ビッグ成立テーブル」等の他、以上の成立図柄をどの有効ライン上に揃えるかを決定するための「ラインテーブル」等である。
次に、以上の構成からなる球使用式回胴遊技機1の作用について、遊技方法を踏まえて説明する。
遊技の開始に際し、遊技者は、1ベットスイッチ274又はマックスベットスイッチ75を操作することにより遊技球を投入する。主制御装置520は、各ベットスイッチ274,75の検出信号を受けて、取込装置300を駆動制御する。そして、上皿71にある遊技球が取込まれ投入されることとなる。例えば、マックスベットスイッチ75が押圧操作された場合には、上皿71上の15個の遊技球が取込装置300によって取込まれる。このとき、カウント表示部533には投入個数が表示される。
また、遊技球の投入数に応じて主制御装置520は各ラインを有効化する。ここで、1ベットスイッチ274の1回の押圧操作(5個の遊技球の投入)であれば、中央ラインのみが有効化される。また、1ベットスイッチ274の2回の押圧操作(10個の遊技球の投入)であれば、上下ラインが有効化される。さらに、マックスベットスイッチ75の押圧操作等(15個の遊技球の投入)であれば、全ラインが有効化される。
少なくとも1ラインが有効化されている時点で、遊技者がスタートレバースイッチ268を操作すると、主制御装置520は、全てのリール511〜513を一斉に回転させる。これとともに、主制御装置520は、その旨の情報をサブ制御装置521へ送信する。
また、スタートレバースイッチ268の操作に基づく検出信号が主制御装置520に入力されたタイミングで、通常遊技中では、小役抽選、リプレイゲーム抽選、ビッグボーナス抽選など各抽選が行われる。
小役抽選の結果、小役フラグが成立した場合には、適宜の小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、リプレイゲーム抽選の結果、リプレイフラグが成立した場合には、リプレイゲームへ移行する権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、ビッグボーナス抽選の結果、ビッグボーナスフラグが成立した場合には、ビッグボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはビッグボーナスゲームへ移行するまで保持される。
以上の各抽選が終了した後、遊技者がストップボタンスイッチ271,272,273を操作すると、主制御装置520は、操作された各ストップボタンスイッチ271,272,273に対応した各リール511,512,513を個別に停止させる制御を行う。
これら各リール511,512,513の停止位置は、上記各抽選結果である各成立フラグに基づき、上記各テーブルを参照して決定される。このとき、有効ラインから各リール511,512,513の回転方向手前の4図柄分までに成立フラグに対応した図柄が存在すれば、原則として、その図柄が積極的に有効ライン上に引き込まれるような制御が行われることとなり、リール停止タイミングが4図柄分手前までの誤差であれば、その誤差を吸収することができる。
また、サブ制御装置521は、主制御装置520の制御に合わせて、液晶表示装置501における上記「ナビゲーション表示」等の補助演出を行う。
各リール511,512,513の停止時において、有効ライン上の停止図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せである場合、即ち小役図柄の組合せ、リプレイ図柄の組合せ、ビッグボーナス図柄の組合せである場合、各停止図柄の組合せに応じた数の遊技球(賞球)を払出すための制御が行われる。
主制御装置520が、払出制御装置555へ払出制御を行う旨の指示を出し、払出制御装置555が払出装置578を駆動制御することにより、上皿71等へ遊技球が払出される。この際、今回獲得した賞球数がカウント表示部533に表示される。
有効ライン上に揃った図柄が小役図柄或いは何ら払出しのない図柄の組合せである場合には、通常遊技が続行される。一方、有効ライン上に揃った図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合にはリプレイゲーム制御によって次回のゲームを無償で行うことができるリプレイゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがビッグボーナス図柄の組合せである場合にはビッグボーナス制御によってビッグボーナスゲームが実行される。そして、上記最大獲得賞球数を獲得したことを条件に、ビッグボーナスゲームが終了する。
以上詳述したように、本実施形態では、取込装置300への不正行為を防止するための防護プレート50が取付けられている。これにより、球使用式回胴遊技機1前面から取込装置300まで孔を開けること、ひいては針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、例えば球使用式回胴遊技機1前面に孔を開け、取込装置300に対して針金等を挿し込み、取込球を検出するためのカウントセンサ328,329に検出させて、実際には遊技球が取込まれていないにも関わらず、遊技球の取込みがあったかのようにする不正行為や、ひいては実際には取込まれていない遊技球を返却レバー163を操作して不正に払出(返却)させる不正行為等を防止することができる。
また、防護プレート50を導電性金属材により構成するとともに、当該防護プレート50を電源装置556のアース端子556aに接続し、当該防護プレート50に帯電する静電気をアース端子556aへ放電除去している。これにより、防護プレート50と取込装置300との間に放電現象が起きる等してノイズが発生し、取込装置300の誤作動やカウントセンサ328,329の誤検知等といった不具合が生じるおそれを低減することができる。
また、防護プレート50は、取込装置300の前方に配置される略平板状の前壁部50aと、当該前壁部50aの下縁部より略後方へ延出形成された段差部50bと、当該段差部50bより下方へ延出形成された延出部50cとから構成され、延出部50cには、アース用配線55を接続するための接続部56が設けられている。これにより、取込装置300へ下方から針金等が侵入するのを防ぐとともに、取込装置300の上方より侵入した針金等によってアース用配線55が傷つけられるおそれをさらに低減することができる。また、アース用配線55を取込装置300より離れた位置に配設することができるため、上記不正行為が行われる際の針金等の侵入によってアース用配線55が傷つけられ、電気的接続不良が生じるといった不具合も少なくできる。
加えて、下皿253に露出したスピーカカバー52が、防護プレート50と電気的に接続された状態で取付けられている。従って、下皿253に貯留される遊技球に帯電した静電気をスピーカカバー52を介して放電除去することが可能となる。結果として、スピーカカバー52を介して取込装置300などへノイズ等が入るのを防ぎ、取込装置300や主制御装置520等の誤作動などといった不具合の発生を抑制することができる。
なお、スピーカカバー52は、予め多数の孔が形成された金属製板材から成形されているため、ネジ孔等を新に適正位置に穿設することが困難である。このため、スピーカカバー52をネジ等により直接固定したり、スピーカカバー52に対しアース用配線をネジ等により直接的に接続する構成を採用することが困難である。この点、本実施形態では、右側のフランジ部52bを防護プレート50の固定片部50dによって前側より押さえ付けることにより、スピーカカバー52を取付台部282に位置決め固定する。これにより、スピーカカバー52と防護プレート50とが当接して電気的に接続された状態となる。その結果、防護プレート50を介してスピーカカバー52がアース用配線55に接続されることとなる。ひいては、余計な配線をなくし、構成の簡素化を図ることも可能となる。
また、スピーカカバー52の素材として金属製板材を採用することにより、遊技球が接しやすいようにスピーカ開口部255ひいてはスピーカカバー52露出部分の面積を比較的大きくした場合でも、樹脂材料を採用した場合に比べより高い強度を確保することができる。
さらに、膨出部52aが下皿253の奥壁部254より前方へ突出しているため、下皿253内に貯留される遊技球により接しやすくなり、より確実に遊技球に帯電した静電気を放電除去することが可能となる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態において、防護プレート50は、取込装置300の前方に配置される略平板状の前壁部50aと、当該前壁部50aの下縁部より略後方へ延出形成された段差部50bと、当該段差部50bより下方へ延出形成された延出部50cとから構成され、延出部50cにはアース用配線55を接続するための接続部56が設けられている。これに限らず、段差部50b及び延出部50cを省略した構成を採用してもよい。この場合、例えば前壁部50aの背面側にアース用配線の接続部を設けることにより、前壁部50aの背面側にアース用配線を接続することができ、球使用式回胴遊技機1前面側からの針金等の侵入によってアース用配線が傷つけられるおそれを低減することができる。又は、段差部50bのみ省略し、前壁部50aから離れる方向(例えば下や右方向)へ当該前壁部50aから延出形成された延出部50cと同様の延出部を備え、当該延出部にアース用配線の接続部を設けた構成としてもよい。このようにすれば、取込装置300からより離れた位置にアース用配線を接続することができる。ひいては取込装置300からより離れた位置にアース用配線を配設することができる。結果として、針金等の侵入によってアース用配線が傷つけられるおそれを低減することができる。なお、この構成や、上記実施形態の構成において、アース用配線の接続部を延出部の背面側に設けることにより、上記作用効果をさらに高めることができる。
(b)上記実施形態では、スピーカカバー52と防護プレート50とが直接当接した状態で電気的に接続されているが、これに限らず、配線や他の導電性部材を介して電気的に接続される構成としてもよい。
(c)上記実施形態では、防護プレート50にアース用配線55が接続されている。これに限らず、例えばスピーカカバー52とアース用配線55とを電気的に接続し、当該スピーカカバー52を介して防護プレート50とアース用配線55とが電気的に接続される構成としてもよい。このようにすれば、上記実施形態のように取込装置300が前扉3の開閉軸側とは反対側寄りに設置されるとともに、アース用配線55が前扉3の開閉軸近傍から背面側へ延び出している構成などにおいては、取込装置300近傍でアース用配線55を設けなくともよい区間をより長くすることができ、取込装置300近傍への針金等の侵入によってアース用配線55が傷つけられるおそれをさらに低減することができる。さらに、前記構成では、アース用配線55の線長が比較的長くなるため、前扉3や裏機構ユニット5の開閉に伴い断線等の不具合が生じやすいが、本構成によれば、そのような不具合もより発生しにくくなる。
(d)上記実施形態では、電源装置556のアース端子556aをアース部としているが、これに限らず、例えば遊技機設置島など遊技機外部に設けられたアース部であってもよい。また、遊技機外部のアース部に繋がる例えば外部接続端子板(外部集中端子板)に設けられたアース端子をアース部としてもよい。
(e)上記実施形態では、防護プレート50に対し、スピーカカバー52、取込装置300及び施錠装置750が電気的に接続され、アースされる構成となっている。これに限らず、スピーカカバー52のみがアースされた構成や、スピーカカバー52、取込装置300及び施錠装置750の少なくとも1つが防護プレート50に電気的に接続されアースされる構成としてもよい。また、スピーカカバー52が、防護プレート50とは異なる導電性部材を介してアース用配線に接続される構成、ひいては当該導電性部材により係止される構成としてもよい。但し、新に導電性部材を設けるよりは、既存の導電性部材(例えば防護プレート50)を利用した方が部品点数の削減を図る上で好ましい。
(f)上記本実施形態では、スピーカカバー52の膨出部52aが下皿253の奥壁部254より前方へ突出した状態となっている。これに限らず、膨出部52aが下皿253の奥壁部254より前方へ突出しない構成としてもよい。
(g)図50に示すように、下皿253の底壁部253aを奥方へ向け下方に傾斜させた構成としてもよい。このようにすれば、下皿253に貯留される遊技球がよりスピーカカバー52に接しやすくなり、より確実に遊技球に帯電した静電気を放電除去することが可能となる。さらに、この場合、底壁部253aの最奥部に球抜き孔260を形成した構成としてもよい。
(h)図51に示すように、下皿253の奥壁部254に開口したスピーカ開口部255の最下部が、下皿253の奥壁部254と底壁部253aとの境界部に位置する構成としてもよい。このようにすれば、下皿253に貯留される遊技球がよりスピーカカバー52に接しやすくなり、より確実に遊技球に帯電した静電気を放電除去することが可能となる。
(i)下皿253の内側の少なくとも一部、例えば下皿253の奥壁部254や底壁部253aを導電性部材により構成するとともに、スピーカカバー52と電気的に接続した構成としてもよい。これにより、下皿253に貯留される遊技球に帯電した静電気をより確実に放電除去することが可能となる。
(j)上記実施形態では、下皿253の奥壁部254に開口したスピーカ開口部255、及び、スピーカカバー52の膨出部52aは略円形状となっている。これに限らず、例えば、図52に示すように、スピーカ開口部255及びスピーカカバー52の膨出部52aの形状を略矩形状としてもよい。このようにすれば、スピーカ開口部255ひいてはスピーカカバー52の膨出部52a(露出部分)の下辺部の長さを、上記実施形態のような略円形状のものに比べて比較的長くすることができる。結果として、下皿253に貯留される遊技球がよりスピーカカバー52に接しやすくなり、より確実に遊技球に帯電した静電気を放電除去することが可能となる。
(k)上記実施形態とは異なるタイプの球使用式回胴遊技機として実施してもよい。また、球使用式回胴遊技機以外にも、取込装置を備える各種遊技機として実施することも可能である。
球使用式回胴遊技機の全体を示す正面斜視図である。 球使用式回胴遊技機の正面図である。 外枠に対して前扉を開放した状態を示す斜視図である。 前扉に装着されたメインユニット及び裏機構ユニットを開放した状態を示す斜視図である。 球使用式回胴遊技機の背面図である。 球使用式回胴遊技機の部分側面図である。 前扉の背面斜視図である。 正面側から見た前扉の分解斜視図である。 背面側から見た前扉の分解斜視図である。 正面側から見たベース枠及び装飾枠の斜視図である。 背面側から見たベース枠及び装飾枠の斜視図である。 装飾カバーを外した状態の前扉の正面斜視図である。 上皿ユニットの全体を示す斜視図である。 箱体を取外した状態の上皿ユニットの全体を示す斜視図である。 上皿ユニットの平面図である。 上皿ユニットの底面図である。 上皿ユニットの分解斜視図である。 上皿の全体を示す斜視図である。 上皿の平面図である。 カードユニット操作装置を取付け、そのカバーを取外した状態を示す上皿の斜視図である。 球返却機構の斜視図である。 球返却機構の平面図である。 球止め機構の分解斜視図である。 (a)は、規制解除状態にある球止め機構を示す断面図であり、(b)は、規制状態にある球止め機構を示す断面図である。 取込装置の正面側の斜視図である。 取込装置の背面側の斜視図である。 取込装置の一部を分解して示す分解斜視図である。 取込装置の内部機構を説明するための断面図である。 返却シャッタの斜視図である。 (a)は、返却シャッタが通路閉鎖位置にある状態の取込装置等を示す断面図であり、(b)は、返却シャッタが通路開放位置にある状態の取込装置等を示す断面図である。 メインユニットの正面斜視図である。 メインユニットの背面斜視図である。 メインユニットの正面図である。 正面側から見たメインユニットの分解斜視図である。 背面側から見たメインユニットの分解斜視図である。 リールユニットの斜視図である。 裏機構ユニットの背面斜視図である。 裏機構ユニットの正面斜視図である。 裏機構ユニットの背面図である。 払出装置等を取外した状態を示す裏機構ユニットの背面斜視図である。 払出制御装置等を取外した状態を示す裏機構ユニットの背面斜視図である。 払出制御装置等を取外した状態を示す裏機構ユニットの背面図である。 球払出ユニットの内部構成を示す断面図である。 (a)は施錠装置を背面外側から見た斜視図であり、(b)は施錠装置を背面内側から見た斜視図である。 (a)は前扉の解錠時の施錠装置を背面外側から示す斜視図であり、(b)は前扉の解錠時の施錠装置を背面内側から示す斜視図である。 (a)は裏機構ユニットの解錠時の施錠装置を背面外側から示す斜視図であり、(b)は裏機構ユニットの解錠時の施錠装置を背面内側から示す斜視図である。 球使用式回胴遊技機の主な電気的構成を示すブロック図である。 ベース枠下部を示す部分拡大図である。 スピーカカバーの取付構造を示す断面図である。 別の実施形態におけるスピーカカバーの取付構造を示す断面図である。 別の実施形態におけるスピーカカバーの取付構造を示す断面図である。 別の実施形態における球使用式回胴遊技機下部を示す部分正面図である。
符号の説明
1…球使用式回胴遊技機、2…外枠、3…前扉、4…メインユニット、5…裏機構ユニット、10…ベース枠、11…装飾枠、50…防護プレート、50a…前壁部、50b…段差部、50c…延出部、50d…固定片部、51…下部スピーカ、52…スピーカカバー、52a…膨出部、52b…フランジ部、55…アース用配線、56…接続部、57…挿通孔、58…配線、59…係止部、282…取付台部、283…収容凹部、284…収容部、284a…スピーカ用開口部、300…取込装置、556…電源装置、556a…アース端子、750…施錠装置。

Claims (4)

  1. 固定枠に対し一側部を中心に開閉可能に軸支された扉体と、
    前記扉体の前面側において遊技球を貯留可能な第1貯留手段と、
    前記扉体の背面側に設けられ、前記第1貯留手段から遊技球を取込可能な取込手段と、
    前記扉体の前面側かつ前記第1貯留手段の下方位置に設けられ、遊技球を貯留可能な第2貯留手段と、
    前記扉体の背面側かつ前記第2貯留手段の後方位置に設けられた音声発生手段と、
    前記第2貯留手段の奥側に形成された開口部を介して少なくとも一部が前記第2貯留手段側に露出した状態で前記音声発生手段の前面側を覆い、導電性を有するカバー部材とを備え、
    前記取込手段により所定数の遊技球が取込まれた場合に遊技開始可能な構成とした遊技機であって、
    前記カバー部材を所定のアース部と電気的に接続したことを特徴とする遊技機。
  2. 前記カバー部材は、多数の孔が形成された金属製板材を加工して成形されたものであって、
    当該カバー部材の一部を所定の導電性部材により押さえて当該カバー部材を係止するとともに、前記導電性部材を介して前記カバー部材と前記アース部とを電気的に接続したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記導電性部材は、前記取込手段の前面側に配置された導電性金属材よりなる防護部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記カバー部材は、前記第2貯留手段の奥壁部より前方へ突出する膨出部を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
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