JP2007206046A - 測量方法と測量プログラムと測量装置 - Google Patents

測量方法と測量プログラムと測量装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高度の熟練が不要、かつ、特殊プリズムポールに依存せずとも、正確・簡易・迅速に測量することのできる測量方法と測量プログラムと測量装置を提供する。
【解決手段】基準点O側には測量機11を配置し、測定点P側には二つの信号反射器(上部信号反射器43Aと下部信号反射器43B)を備えた測定点指示具42を配置する。基準点O側の測量機11を介して、測定点P側にある両信号反射器43A・43Bの測角用データや測距用データを採取する。両信号反射器43A・43B間の距離と、測定点から下部信号反射器43Bまでの距離と、各測角用データと各測距用データとを用い、これらを測量機11で演算処理することにより、基準点Oから測定点Pにわたる水平直線距離を求める。
【選択図】図3

Description

本発明は正確・簡易・迅速・安価な測量を実現するための測量方法と測量プログラムと測量装置に関する。
一般的な測量の場合は、既知の位置を基準点にしてそこに測量機を設置したり、測定対象となる測定点にプリズムポールを立てたりした後、測量機からプリズムポールまでの間を測量機で測距・測角する。ちなみに光信号を測定信号として用いるものでは、測量機から出射した測定信号をプリズムポールの反射プリズムで反射させ、その反射した測定信号を測量機に入射させて測定点の三次元位置を求める。
測量技術については自明のとおり、高精度の測量結果を得る上で測量機やプリズムポールを正確にセッティングすることを要する。かかる対策として、測量機にはこれを傾きのない状態に設置するための鉛直保持手段が装備されており、プリズムポールにもその鉛直状態を確認するための円形気泡管が装備されている。
上記において三脚で基準点に安定設置される測量機は、既述の鉛直保持手段に依存して正しい姿勢を保持することができる。したがって測量機の設置に起因して許容値を上回るような誤差の発生することは少ない。それに対し、作業員によって測定点に立て込まれるプリズムポールの場合は、円形気泡管で鉛直状態を確認するものの、円形気泡管の感度不足や作業員の視認不良に起因にして傾きをともなうことが多い。これは測定点(地面)の直上から水平方向にずれて反射プリズムが配置されるということであるから、その水平方向の変位がそのまま測量誤差となってあらわれる。ゆえに測量の場合は、プリズムポールの立て込み作業などにも高度の熟練が要求されるが、この高度の熟練者をしても誤差の発生することがある。
その一方で、プリズムポールに傾斜センサを設けるなどプリズムポールを特殊な構造に改変したりすることも行われており、こうしたプリズムポールを採用することで測量誤差が軽減したり解消したりするという報告もある。
特開2003−065764号公報
上述のごとき特殊なプリズムポールを用いるときは、応分の測量精度を確保することができるかのごとくである。しかしこの場合は、プリズムポールが高価になり、取り扱いにも慎重さが要求される。加えて、保管やメンテナンスに対する配慮も煩わしいものになることが避けられない。
本発明はこのような技術上の課題に鑑み、高度の熟練がなくても、また、特殊なプリズムポールに依存せずとも、正確・簡易・迅速に測量することのできる測量方法と測量プログラムと測量装置を提供しようとするものである。
本発明の測量方法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち当該測量方法は、基準点から測定点までの水平直線距離を測量するための方法において、測量機として測距用の測定信号を送受信するための送受信手段や実測データを利用して距離を演算するための演算手段が装備されたものを用いること、および、測定点指示具として上部信号反射器と下部信号反射器とが装備されたものを用いること、および、測量機を基準点に配置するとともに測定点指示具を測定点に配置すること、および、測量機を測定点指示具の上部信号反射器と正対させてその上部信号反射器に関する測角用データを採取した後、測量機の送信器から測定点指示具の上部信号反射器に向けて測定信号を送信し、かつ、その上部信号反射器で反射した測定信号を測距用データとして測量機の受信器で受信するためのステップと、測量機を測定点指示具の下部信号反射器と正対させてその下部信号反射器に関する測角用データを採取した後、測量機の送信器から測定点指示具の下部信号反射器に向けて測定信号を送信し、かつ、その下部信号反射器で反射した測定信号を測距用データとして測量機の受信器で受信するためのステップとを任意の順序で行うこと、および、測量機の演算手段において、両信号反射器間の距離と測定点から下部信号反射器までの距離と各測角用データと各測距用データとを用いて演算処理することにより基準点から測定点にわたる水平直線距離を求めることを特徴とする。
本発明の測量プログラムは所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち当該測量プログラムは、上記測量方法に用いられるものであって測量機で観測された観測された角度および距離に基づいて基準点から測定点までの水平直線距離を演算するためのプログラムにおいて、測定点指示具に装備された上部信号反射器と下部信号反射器との間の既知距離と、測定点と下部信号反射器との間の既知距離と、測定点を基準にした上部信号反射器の三次元的な観測傾斜角度と、測定点を基準にした下部信号反射器の三次元的な観測傾斜角度と、上部信号反射器と基準点との間の観測距離と、下部信号反射器と基準点との間の観測距離とに基づく演算処理を実行して、基準点から測定点までの水平直線距離を求めることを特徴とする。
本発明の測量装置は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち当該測量装置は、基準点から測定点までの水平直線距離を測量するための装置において、基準点に配置されるものであって測距用の測定信号を送受信するための送受信手段および実測データを利用して距離を演算するための演算手段を有する測量機と、測定点に配置されるものであって上部信号反射器および下部信号反射器を有する測定点指示具との組み合わせからなることを特徴とする。
本発明の測量方法・測量プログラム・測量装置によるときは、つぎのような効果が得られる。
(1)所定の測定ステップを行い、かつ、所定のデータを用いて演算処理することにより、基準点から測定点までの水平直線距離を高精度で正確に求めることができる。
(2)測定点指示具についてはこれを単に測定点に立てるだけでよく、その立て込み状態がが鉛直であるか否かを問わない。したがって測量に際し、高度の熟練を要しないのはもちろんのこと、測量作業がきわめて簡易に行えることとなる。
(3)測量機を基準点に設置してスタンバイするほか、測定点指示具を測定点に立て込むことで主要準備がほぼ完了する。これに際し測定点指示具の鉛直保持を必要としない。すなわち、測定点指示具を鉛直保持するために要していた手数や時間を省略することができるので作業が迅速化し、測量に要するトータル時間を大幅短縮できる。したがって合理的な測量が確立する。
(4)測量機に所定の測量プログラムを付加したり測定点指示具の信号反射器を一つ増やしたりするだけであるから、大きな成果が小さなコスト増で得られる。したがって正確・簡易・迅速な測量を安価に実現することができる。
本発明の測量方法・測量プログラム・測量装置について、これらの実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図2に例示された測量装置は測量機11と測定点指示具41との組み合わせからなる。
図1に例示された測量機11はトータルステーションからなるものである。これは角度(鉛直角・水平角)を検出するための電子セオドライトや光波距離計を具備している。測量機11の本体は望遠鏡部12と、望遠鏡部12を上下方向に回転可能に支持するための支持体部14と、支持体部14を水平方向に回転可能に支持するための基板部29と、基板部29を支持するためのレベル調整部30とを主要な構成要素にしている。これらのうちで、望遠鏡部12は対物レンズ13を含む図2の光学系28や撮像部24などを内蔵しており、支持体部14は表示部15や操作入力部16を具備している。さらにレベル調整部30には、三脚31が着脱自在に取り付けられるようになっている。
測量機11については、また、その本体の主要な構成要素(既述のものを含む)が図2に示されている。すなわち測量機11の本体は、望遠鏡部12・対物レンズ13・支持体部14のほかに、図2に示されているところの表示部15・操作入力部16・制御演算部17・鉛直角測角部18・水平角測角部19・記憶部20・測距部21・送信器22・受信器23・撮像部24・画像処理部25・鉛直駆動部26・水平駆動部27・光学系28などを具備するものである。この場合の撮像部24や画像処理部25については、これらが省略されることもある。
表示部15は測量時の測量条件とか、測量結果とかを表示するためのものである。測量機11が撮像部24や画像処理部25をも備えているとき、表示部15は測量時に撮像した画像および/または画像処理された結果をも表示したりするものである。
操作入力部16は、測距に際して測量作業者が測定開始指令や測定条件などを入力するためのものである。
制御演算部17における演算処理機能の一つはつぎのようなものである。すなわち制御演算部17は、「画像処理部25から入力される各画像信号(画像データ)」と、「画像データを撮像した時の鉛直角測角部18からの鉛直角信号、水平角測角部19からの水平角信号、測距部21からの距離信号(各画像についての視準点での測量データ)」とを関連付けて記憶部20に記憶させるとともに、各画像データについて測量データを基に各画像データ間の関連付けを行うためのものである。各画像データ間の関連付けにおいて、記憶部20には測定点ごとに記録エリアを作成し、記録エリア内にはさらに画像データ格納エリアと測量データ格納エリアとを作成して、測定点ごとに画像データと測量データとを関連付けて記録する。または、記憶部20には画像データ格納エリアと測量データ格納エリアを作成し、画像データおよび測量データを画像データ格納エリアと測量データ格納エリアとに分離して格納したり、画像データと測量データをリンクさせる管理データを作成するなど、既知の方法で関連付けがなされる。各画像データ間の関連付けが完了すると、複数の画像に基づく合成画像を合成することができる。各画像の画角は撮像部24の視野角に対応して既知であり、画像の中心である視準点は格納した測量データで既知となっていることから、合成画像の任意の点の測量データは視準点の測量データと画像中の画角で演算することができる。これらについては記憶部20で記憶したり表示部15で表示したりすることができる。
制御演算部17における演算処理機能の他の一つは、上記における画像データを使用せずに所要の演算処理をすることである。すなわち制御演算部17は、鉛直角測角部18からの鉛直角信号、水平角測角部19からの水平角信号、測距部21からの距離信号(測量データ)などが入力されたとき、これに基づき測定対象物(測定点に配置される測定点指示具の上部信号反射器と下部信号反射器)の距離・方角・高低角などを演算するものである。もちろんこの演算結果も記憶部20で記憶したり、表示部15で表示したりすることができる。
鉛直角測角部18は光学系28で測定対象物を視準した場合の水平に対する鉛直角を測定するためのものである。
水平角測角部19は所定の方向を基準方向とした場合の、基準方向に対する測定対象物の水平角を測定するためのものである。
記憶部20には測定を行うためのシーケンスプログラムとか、画像処理を行う画像処理プログラムとか、少なくとも二点の測定データ(距離・鉛直角・水平角)を基に点で特定される直線を演算し、少なくとも三点の測定データを基に三次元座標上の平面を示す数式を演算するためのプログラムなどが格納されるものである。さらに記憶部20には、測量した測量データおよび/または画像処理した画像データなどが記憶される。かかる記憶部20としてはFD・CD・DVD・RAM・ROM・ハードディスク・メモリカードなど種々の記録媒体が採用可能である。
測距部21・送信器22・受信器23はつぎのようなものである。送信器22は測定対象物に向けて測定信号(測距光)を発するためのものであり、受信器23は測定対象物で反射された反射測定信号を受信するためのものである。測距部21は受信器23からの信号を基に測定対象物までの距離を求めて制御演算部17に入力するためのものである。この場合の送信器22は、鉛直駆動部26や水平駆動部27によって駆動されて測定対象物に向けられる。
測量機11で三次元測量を行う場合は、撮像部24や画像処理部25を介して測定範囲の画像を取り込めばよい。測定範囲が望遠鏡の画角範囲を越える場合は分割して取り込むことになる。分割して取り込む範囲は、たとえば四角形の対角線上の二点を視準することにより決定する。広角の画像を取込めるカメラを有する場合には、表示部15上で範囲を指定することも可能である。
測量機11は測角手段と駆動手段とを有するものであるから、所定の角度で視準方向を変え、分割して画像を自動的に取り込むことができる。測量機11は高精度で角度分割できるが、分割画像を結合かつ合成して一画像にするから、それら分割画像をある程度オーバーラップをして取り込むことが好ましい。
図1に例示された三脚31は公知ないし周知のものである。すなわちこれは、伸縮自在な三本の脚体32が盤状の脚上部材33を介して開脚自在に結合されたものである。この三脚31には、水準器34・下げ振り35・その他が備わっている。
図1に例示された測定点指示具41は、周知のポール42と上部信号反射器43Aと下部信号反射器43Bとからなる。両信号反射器43A・43Bは一例として前面が透明なケース内に光反射体が内装されたものである。この場合の光反射体はプリズムであってもコーナキューブであってもよい。両信号反射器43A・43Bの裏面に設けられたリング状の首振り部材54は、当該信号反射器の俯仰角度を調整したり、その角度調整状態を止めネジ45で固定したりするものである。首振り部材54の下部に一体的に設けられたスライド部材56は筒状構造と溝状構造とを有していてその筒状構造の部分に止めネジ47が施されている。上部信号反射器43Aと下部信号反射器43Bは、これらの首振り部材54やスライド部材56がポール42により貫通される状態で当該ポール42に組み付けられている。両信号反射器43A・43Bは、ポール42の外周において、スライド部材56を上下動させたり回転させたりすることで高さや周方向の位置を調整することができとともに首振り部材54で上下方向の傾斜角度を調整することができ、かつ、これらの調整状態をそれぞれの止めネジ45・47で固定することができる。
図3に例示された支持スタンド51は測定点指示具41の立て込み状態を支持するためのものである。この支持スタンド51は、上下方向に伸縮自在で放射状に開脚することのできる三脚52と、ユニバーサルジョイントなどの結合部材53を介して三脚52の上端部に取り付けられた屈伸自在な支持腕54と、支持腕54の先端部に取り付けられた挟み込み式(クリップ式)の保持具55とを主体にして構成されている。かかる支持スタンド51の場合は、三脚52を介してこれを所要の地点に立てた後、支持腕54の先端部にある保持具55で測定点指示具41の上端部を挟みつけて該測定点指示具41の立て込み状態を支持するものである。
上述した本発明の測量装置を用いる本発明の測量方法において測量時の座標系を確定するときは、一例として下記(1)〜(5)のようになる。
(1)ステーションたる三脚31を機械点(基準点)に設置する。ことのきは真北が臨める場所かつ安定した場所に三脚31を立てる。つぎに三脚31の脚上部材33に測量機11を載せて水平に固定する。
(2)ターゲットたる測定点指示具41を目標点(測定点)に設置して機械高や視準高を測る。すなわち測量機11側においては[三脚31+望遠鏡部12=機械高]を測り、測定点指示具41側においては[上部信号反射器43Aの中心部までの高さ=ターゲット視準高]を測る。望遠鏡部12の中心(軸心)の高さを0とする。
(3)測量機11側において望遠鏡部12のピントを調整する。
(4)測量機11にバッテリを入れて電源をオン状態にした後、操作入力部16を操作して水平方向・垂直方向のリセットをかける。
(5)コンパスと偏角とを用いて真北を設定し、そこに目標物を立てた後、測量機11の望遠鏡部12を真北に向ける。測量機11をこの向きにしたときに、操作入力部16を「0セット」操作して座標系のセットを終える。これでX方向を北、Y方向を東、Z方向を鉛直とする測量時の座標系が確定する。
このようにして測量時の座標系を確定して本発明の測量方法を実施するときは、図3〜図8を参照して以下のようになる。
図3において、測量機11は基準点Oに設置されており、測定点指示具41は支持スタンド51(または作業員)を介して測定点Pに立て込まれている。この場合の測定点指示具41について、ポール42における上部信号反射器43Aから下部信号反射器43Bまでの距離α、および、下部信号反射器43Bからポール42の下端部までの距離βは、自明のとおりそれぞれ既知である。
図4においてスタートした後の第1ステップS1では、操作入力部16を介して上記のα値とβ値を測量機11に入力する。
図4の第2ステップS2では、測量機11の望遠鏡部12で測定点指示具41の上部信号反射器43Aを観測する。すなわち、光学系28などを内蔵した望遠鏡部12で上部信号反射器43Aを視準し、かつ、送信器22→上部信号反射器43A→受信器23の順に測距用の測定信号を送信・反射・受信する。ちなみにこのときの測定信号が光信号(赤外線のような光波)であるときは周波数の異なる二種の光波を用いる。これで測定信号の反射波を受信器23で受信したとき、二種の波長の位相差を測距部21で演算して距離を求める。図5(A)(B)には、第2ステップS2で観測される上部信号反射器43Aの三次元座標が示されている。その関係式は下記[1]式〜[4]式のとおりである。
HD=SD×sin(V)………[1]
=HD×cos(H)………[2]
=HD×sin(H)………[3]
=SD×cos(V)………[4]
上部信号反射器43Aの実測データ(三次元座標)については、測距部21による演算で求められたものが制御演算部17に入力され記憶される。
図4の第3ステップS3では図6のように、測量機11の光学系28による視準を測定点指示具41の上部信号反射器43Aから下部信号反射器43Bへ移動させる。このときの光学系28は[arctan(α/SD)]に基づき、トランシットの内角分だけ自動で移動する。これは測量機11がサーチするから近似式でよい。
図4の第4ステップS4では、上記と同様、測量機11の望遠鏡部12で測定点指示具41の下部信号反射器43Bを観測する。すなわち望遠鏡部12で下部信号反射器43Bを視準し、送信器22→下部信号反射器43B→受信器23のようにして送信・反射・受信した測距用の測定信号を測距部21で演算して距離を求める。図7(A)(B)には、第4ステップS4で観測される下部信号反射器43Bの三次元座標が示されている。その関係式は下記[5]式〜[8]式のとおりである。
HD=SD×sin(V)………[5]
=HD×cos(H)………[6]
=HD×sin(H)………[7]
=SD×cos(V)………[8]
下部信号反射器43Bの実測データ(三次元座標)についても、測距部21による演算で求められたものが制御演算部17に入力され記憶される。
図4の第5ステップS5では、図8に示された測定点指示具41の下端部(具体的にはポール42の下端部)について、これの三次元座標(X,Y,Z)を(X,Y,Z)や(X,Y,Z)に関する実測データから求める。この際の演算式は下記[9]式〜[11]式のとおりであり、それを制御演算部17で実行する。
X=X−β/α×(X−X)……[9]
Y=Y−β/α×(Y−Y)……[10]
Z=Z−β/α×(Z−Z)……[11]
こうして求められたポール下端部の三次元座標(X,Y,Z)が、すなわち測定点Pの三次元座標である。これらのうちでX座標の示す値が基準点Oから測定点Pまでの距離に該当する。かくて求められた測定点Pに関するデータは、測量機11の記憶部20で記憶される。他の測定点を測量するときも上記と同じかそれに準ずる。
図4の第6ステップS6では、上記のようにして順次測量した測定点などの観測データに基づき、野帳を作成する。その一例として測量機11に電子野帳(携帯端末機)が接続されている場合は、それを用いて観測データの収集・計算・記憶・転送など各種の処理を行う。
図4の第7ステップS7では、測量に基づいてプロットされた各測定点を結線して作図などを行う。ちなみに測量機11にモバイルコンピュータ(ペンタッチ式のノート型パソコンなど)が接続されており、測量機11で測定したデータがモバイルコンピュータ(測量計算システム)に送られて座標計算で瞬時に画面上に測定点がプロットされる場合は、測量機11による観測を行いながら作図や結線の入力を行うこととなる。
図4の第8ステップS8では、測量機11やこれに接続された周辺機器などで必要なすべてのデータを記録する。この記録を終えることでエンドを選択することができる。
つぎに、図2の基準点Oから測定点Pまでの水平直線距離(平面距離)を求める場合について、具体的な数値を用いて説明する。
以下に述べる具体例では、測量機11と測定点指示具41とが図2にように正対している。このケースで測量機11は、望遠鏡部12の中心を原点(X=0,Y=0,Z=0)として測定点P上の測定点指示具41を観測する。この具体例の設定では、基準点Oと測定点Pとの間の距離は10mにしてあり(この距離は測量後に判明する)、測定点P上に立て込まれた測定点指示具41のポール42が真後ろにのみ傾斜している。測定点P側にある測定点指示具41については、上部信号反射器43Aまでの高さが1.5m、αの値が1.0m、βの値が0.5mである。
具体例の観測でH,V,SD,H,V,SDは、つぎのとおりである。
=00°00′00″
=91°04′15″
SD=10.752m
=00°00′00″
=95°56′34″
SD=10.305m
これらの数値を前記[1]式〜[8]式に代入すると、つぎのようになる。
HD=SD×sin(V)=10.752×(sin91°04′15″)=10.750
=HD×cos(H)=10.750×(cos00°00′00″)=10.750
=HD×sin(H)=10.750×(sin00°00′00″)=00.000
=SD×cos(V)=10.752×(cos91°04′15″)=−0.201
HD=SD×sin(V)=10.305×(sin95°56′34″)=10.250
=HD×cos(H)=10.250×(cos00°00′00″)=10.250
=HD×sin(H)=10.250×(sin00°00′00″)=00.000
=SD×cos(V)=10.305×(cos95°56′34″)=−1.067
これらの値を前記[9]式〜[11]式に代入すると、下記のように測定点PのX,Y,Zが求まる。
X=X−β/α×(X−X)=10.250−0.5/1.0×(10.750−10.250)=10.000
Y=Y−β/α×(Y−Y)=00.000−0.5/1.0×(00.000−00.000)=00.000
Z=Z−β/α×(Z−Z)=(−1.067)−0.5/1.0×{(−0.201)−(−0.201)}=−15.000
この具体例のようにして二つの信号反射器43A・43Bを用いる場合、測定点指示具41のポール42が後傾しているにもかかわらず、測定点Pの三次元座標(X=10m,Y=0m,Z=−15m)が求まる。すなわち、基準点Oから測定点Pまでの水平直線距離10mについて、これを正確に測量することができる。
上記の例では、測定点指示具41のポール42が後傾しているケースについて述べた。しかしこれは一例にすぎないものである。本発明の測量手段によるときは、ポール42が前傾・後傾・右傾・左傾の状態にあるときや、前傾かつ右傾・前傾かつ左傾・後傾かつ右傾・後傾かつ左傾の状態にあるときでも、既述の各式に基づく演算処理により、上記と同じく基準点Oから測定点Pまでの水平直線距離を正しく測量することができる。もちろんポール42が鉛直状態にあるときも同様に、基準点Oから測定点Pまでの水平直線距離を正しく測量することができる。
本発明の測量方法は上述のとおり、測量機11と測定点指示具41とを用いて測定対象区間の水平直線距離を測量するとき、測定点側に立て込まれた測定点指示具41のポール42が鉛直であるか否かにかかわらず、正確な測量をデータを得ることができる。これはすなわち、測量機11と測定点指示具41とを用いる測量方法において、二つの信号反射器43A・43Bを備えた測定点指示具41のポール42を傾斜状態にし、その先端部を測定点にあてがいさえすれば、測定点の測量が正確に行えるということである。これが可能な場合、従来困難視されていた測定場所の測定、たとえばポール42を鉛直に立てることが困難な場所、軒先、軒下などの一点についても、両信号反射器43A・43Bを備えた測定点指示具41のポール42をその測定点にあてがうことで測量が可能になる。これらの場合に画像データも同時に取り込んでこれを距離データと合体させることもできる。その場合には、既述の撮像部24や画像処理部25をも用いて必要なデータを取り込めばよい。
本発明の測量プログラムは、本発明の測量方法を実施するため、既述の測量機11にインストールされて用いられるものである。したがって本発明の測量プログラムは、測量機11において、前述した[1]式〜[11]式などを演算実行して所定点の三次元座標位置や所定地点間の距離等を求めるという自明の構成を有するものである。
本発明の測量方法において、上部信号反射器43A・下部信号反射器43Bに関する所要データを測量機11で測量採取するときの順序は任意である。したがって下部信号反射器43Bに関する所要データを測量機11で採取した後、上部信号反射器43Aに関する所要データを測量機11で採取することもある。
本発明における測定信号としては、光のほか、電波や音波なども用いることができる。ちなみに光信号を測定信号とするときは、送信器22・受信器23として光送信器・光受信器が用いられるとともに信号反射器43A・43Bとして光反射器が用いられ、他の関連機器なども光信号に対応したものが適材適所で用いられる。同様に、電波信号を測定信号として用いるときは、送信器22・受信器23として電波送信器・電波受信器が用いられるとともに信号反射器43A・43Bとして電波反射器が用いられ、他の関連機器なども電波信号に対応したものが適材適所で用いられる。同様に、音波信号を測定信号とするときは、送信器22・受信器23として音波送信器・音波受信器が用いられるとともに信号反射器43A・43Bとして音波反射器が用いられ、他の関連機器なども音波信号に対応したものが適材適所で用いられる。このほか測定点指示具41のポール42には、少なくとも二つの信号反射器43A・43Bが組み付けられていることを要するが、信号反射器はそれ以上の複数でもよい。したがって三つ以上の信号反射器がポール42に組み付けられることがある。
本発明の測量方法・測量プログラム・測量装置は、正確・簡易・迅速な測量を安価に実現するすることができるから産業上の利用可能性が高い。
本発明測量装置の一実施形態を示した斜視図である。 本発明測量装置における要部の構成を略示したブロック図である。 本発明測量方法の一実施形態を略示した側面図である。 本発明測量プログラムおよび本発明測量プログラムの一実施形態を略示したステップ図である。 本発明測量方法の本発明測量プログラムの一部ステップを解説するための説明図である。 本発明測量方法の本発明測量プログラムの他の一部ステップを解説するための説明図である。 本発明測量方法の本発明測量プログラムのさらに他の一部ステップを解説するための説明図である。 本発明測量方法の本発明測量プログラムの上記以外の一部ステップを解説するための説明図である。
符号の説明
11 測量機
12 望遠鏡部
13 対物レンズ
14 支持体部
15 表示部
16 操作入力部
17 制御演算部
18 鉛直角測角部
19 水平角測角部
20 記憶部
21 測距部
22 送信器
23 受信器
24 撮像部
25 画像処理部
26 鉛直駆動部
27 水平駆動部
28 光学系
31 三脚
32 脚体
41 測定点指示具
42 ポール
43A 上部信号反射器
43B 下部信号反射器

Claims (3)

  1. 基準点から測定点までの水平直線距離を測量するための方法において、測量機として測距用の測定信号を送受信するための送受信手段や実測データを利用して距離を演算するための演算手段が装備されたものを用いること、および、測定点指示具として上部信号反射器と下部信号反射器とが装備されたものを用いること、および、測量機を基準点に配置するとともに測定点指示具を測定点に配置すること、および、測量機を測定点指示具の上部信号反射器と正対させてその上部信号反射器に関する測角用データを採取した後、測量機の送信器から測定点指示具の上部信号反射器に向けて測定信号を送信し、かつ、その上部信号反射器で反射した測定信号を測距用データとして測量機の受信器で受信するためのステップと、測量機を測定点指示具の下部信号反射器と正対させてその下部信号反射器に関する測角用データを採取した後、測量機の送信器から測定点指示具の下部信号反射器に向けて測定信号を送信し、かつ、その下部信号反射器で反射した測定信号を測距用データとして測量機の受信器で受信するためのステップとを任意の順序で行うこと、および、測量機の演算手段において、両信号反射器間の距離と測定点から下部信号反射器までの距離と各測角用データと各測距用データとを用いて演算処理することにより基準点から測定点にわたる水平直線距離を求めることを特徴とする測量方法。
  2. 請求項1に記載された測量方法に用いられるものであって測量機で観測された観測された角度および距離に基づいて基準点から測定点までの水平直線距離を演算するためのプログラムにおいて、測定点指示具に装備された上部信号反射器と下部信号反射器との間の既知距離と、測定点と下部信号反射器との間の既知距離と、測定点を基準にした上部信号反射器の三次元的な観測傾斜角度と、測定点を基準にした下部信号反射器の三次元的な観測傾斜角度と、上部信号反射器と基準点との間の観測距離と、下部信号反射器と基準点との間の観測距離とに基づく演算処理を実行して、基準点から測定点までの水平直線距離を求めることを特徴とする測量プログラム。
  3. 基準点から測定点までの水平直線距離を測量するための装置において、基準点に配置されるものであって測距用の測定信号を送受信するための送受信手段および実測データを利用して距離を演算するための演算手段を有する測量機と、測定点に配置されるものであって上部信号反射器および下部信号反射器を有する測定点指示具との組み合わせからなることを特徴とする測量装置。
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