JP2007204698A - インクジェットインク - Google Patents

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Abstract

【課題】カール防止と裏抜け防止を両立し、保存安定性に優れた普通紙用のインクジェットインクを提供する。
【解決手段】顔料と、ポリマーと、水と、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、該水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する水溶性有機溶剤のSP値が16.5以上24.6未満であり、さらに該SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の40質量%以上であり且つ、Ni2+イオンをインク全体の0.05ppm〜50ppm含有していることを特徴とするインクジェットインク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェットインクに関し、さらに詳しくは、高画質な両面印刷が可能なインクジェット記録方法に用いることのできるインクジェットインクに関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作製出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御するインクジェット記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェット画像記録システムでは、用いることのできる記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップ等が問題となる。
一方、オフィスにおいては、記録媒体(例えば、普通紙、コート紙、アート紙、普通紙両面印刷等)の制約を受けずに高速でフルカラー印字が行えるシステムのニーズが益々高まりつつある。
インクジェットインクの組成についても、高速で印字でき、普通紙での文字再現性が良く、印字の際の裏抜け(印字したインクが記録媒体を通過し、裏面にその画像が映る現象)、フェザリング、画像滲みの発生がなく、また紙への浸透が速く乾燥が速い等の観点で種々の検討が行われてきた。
とくに両面印刷を目的とするインクジェット記録装置に関しては、普通紙に両面印刷を行う場合、印字の際の裏抜けが大きいと裏抜けした像と裏面の印字内容が重なってしまい非常に見づらい印刷となってしまう。
一方、高速印字を念頭に置いたプリント形態の場合、印刷物が印刷直後に重ねられてしまい、下の紙のインクが上の紙の裏面に写ってしまうため、印刷物の表面乾燥性が求められる。同時に高速搬送での紙のジャムを防ぐために、カールとコックリングの無い印刷物が必要とされた
印刷物の表面乾燥性を高めるための手段として、乾燥手段を設ける方法が開示されて(例えば、特許文献1参照。)いる。この方法によれば、赤外線により乾燥を行うことで遅乾性のインクであっても短時間で乾燥させることができ、高速な印刷を達成できるとある。
しかし、上記方法では乾燥によるカールが起こってしまうという問題があった。これに対し、乾燥で起こったカールを矯正する機構を設ける方法が開示されて(例えば、特許文献2、3参照。)いる。これら方法は、カールの矯正を行う時間が必要となることと装置の増大化が起こることから、大型の装置や工業ライン上では有用であるが、オフィスなどの仕様には向いておらず、コスト面での負荷も大きい。
一方、印刷物の表面乾燥性を高めるための手段として、インクに表面乾燥性を持たせる方法が考案されている。出射安定性と表面乾燥性がともに達成される方法として、紙の中へのインクの浸透性を高めることで表面乾燥性を高め、高速印字を実現する方法が開示されている。例えば、ブリストウ法によるぬれ時間を規定したインクが開示されて(例えば、特許文献4参照。)いる。
しかし、浸透性の高いインクを使用した場合、インク色材が紙内部に浸透しやすく、裏抜けが大きくなり、通紙の両面に印字を行う場合、印刷品位が悪くなるという問題があった。
また、水性インクジェットインクに代えて、高速で印字を行うことのできるソルベント系インクも検討されている。即ち、揮発性溶媒を含有して乾燥性を高めた油性インク(ソルベント系インクジェットインク)を用いることで、普通紙に印字しても、記録媒体への浸透が速く乾燥時間が短く、記録媒体のカール等が生じず、高速な印字が可能である。しかしながらソルベント系インクも、紙内部への浸透性が高いため、裏抜けを引き起こし、特に普通紙の両面に印字を行う場合の大きな障害となっていた。
特開昭63−252772号公報 特開2001−301151号公報 特開2002−187264号公報 特開平10−316915号公報
本発明の目的は、カール防止と裏抜け防止を両立し、保存安定性に優れた普通紙用のインクジェットインク(以後、単にインクともいう)を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.顔料と、ポリマーと、水と、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インクジェットインク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、該水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する水溶性有機溶剤のSP値が16.5以上24.6未満であり、さらに該SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インクジェットインク質量の40質量%以上であり且つ、Ni2+イオンをインクジェットインク全体の0.05ppm〜50ppm含有していることを特徴とするインクジェットインク。
2.Ni2+イオンをインクジェットインク全体の0.1ppm〜10ppm含有していることを特徴とする前記1記載のインクジェットインク。
本発明により、カール防止と裏抜け防止を両立し、保存安定性に優れた普通紙用のインクジェットインクを提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。顔料と、ポリマーと、水と、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、該水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する水溶性有機溶剤のSP値が16.5以上24.6未満であり、さらに該SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の40質量%以上であるインクジェットインクにおいては、溶媒が疎水的であるためセルロースとの相互作用が起こりにくくカールが起こらない一方、水を含有しており、該疎水的な溶媒も水と相溶できる溶媒であるため、水系の顔料が分散に使用でき、このため裏抜けが起こらない。
さらに、上記カールと裏抜けのないインクジェットインクに対し、少量のNiイオンが含まれることで、係るインクの特性を全く損なうことなく、インクの分散安定性を向上させることができる。
本発明の係るインク溶媒においては、有機溶剤を大量に含んでいるため、分散剤が広がりにくく立体排除効果が得られにくいうえ、インク溶媒の誘電率が低いため、電荷的にも安定が難しい。
本発明者らは本発明に係るインクの溶媒にNi2+イオンを0.05ppm〜50ppm含むことで上記インクの保存安定性を向上できることを見いだした。
これは、該Ni2+イオンが分散剤の間で緩い架橋のような構造を取り、架橋となったNi2+同士が反発しあうため、本発明における溶媒中においても分散剤の広がりが安定すると考えている。さらに、若干の電荷により反発力を得ることができることも分散線安定性向上に寄与しているものと考えている。
しかし、大量にNi2+が存在すると、電荷の影響により分散安定性を損なってしまう。本研究者らは、本発明の系において係る範囲となるようにNi2+イオン量を0.05ppm〜50ppmの範囲にコントロールすることで、分散安定性の高いインクができることを見いだした。
インクのニッケル濃度を規定したインクジェットインクの技術として特開平8−311378号にインク中のニッケルの量を規定する方法が開示されている該技術は染料に該当する記載しか無く、実施の形態として本発明の要件を満たすインク溶媒の使用は成されていない。従って、本発明の要件を満たす溶媒において顔料に限定された系と、該特許の実施される系とは全く結果が異なり、従って本発明における効果とは関連がない。
まず、本発明のインクは普通紙に吐出することを想定している。本発明における普通紙について説明する。本発明における普通紙とは、一般的に上質紙・中性紙・コピー用紙と呼ばれるものが例としてあげられる。本文中に記録用紙あるいは紙といった場合、普通紙を意味しているものとする。
本発明のインクジェットインクは少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有する。ここで、水溶性有機溶剤としては水と混合するものであれば良く含有比率も任意である。また、二種類以上の水溶性有機溶剤を併用することも可能である。該水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する水溶性有機溶剤のSP値が16.5以上24.6未満であり、さらに該SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の40質量%以上である溶剤組成にすることが好ましい。この溶剤組成は水よりも疎水性の高い水溶性有機溶剤を多く含有することからインク全体の溶解度が高く、カールがおこらない。
本発明でいう溶剤の溶解度パラメーター(SP値)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、R.F.Fedors, Polymer Engineering Science, 14, p147(1974)に記載の方法で計算することができる。単位は(MPa)1/2であり、25℃における値を指す。
以下、SP値が16.5以上24.6未満に該当する水溶性有機溶剤の例をSP値と共に示す。いうまでもなく本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下の括弧内の数値はSP値を示す。
エチレングリコールモノメチルエーテル(24.5)
エチレングリコールモノエチルエーテル(23.5)
エチレングリコールモノブチルエーテル(22.1)
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(22.3)
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
ジエチレングリコールジエチルエーテル(16.8)
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(22.1)
トリエチレングリコールモノエチルエーテル(21.7)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
プロピレングリコールモノフェニルエーテル(24.2)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(20.4)
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(21.8)
本発明のインクでは、SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤に加えて、従来公知の各種水溶性有機溶剤を併用することができる。
この併用する溶媒として好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等何れも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。
本発明に用いられる顔料の色相としては、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドが好ましく用いられ、特に好ましくはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各着色剤である。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
以上の他にレッド、グリーン、ブルー、中間色が必要とされる場合には以下の顔料を単独あるいは併用して用いることが好ましく、例えば
C.I.Pigment Red;209、224、177、194、
C.I.Pigment Orange;43、
C.I.Vat Violet;3、
C.I.Pigment Violet;19、23、37、
C.I.Pigment Green;36、7、
C.I.Pigment Blue;15:6、
等が用いられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明で用いられる顔料は、分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。
本発明のインクに使用する顔料分散体の平均粒径は、10nm以上200nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましく、10nm以上50nm以下がさらに好ましい。顔料分散体の平均粒径が100nmを越えると、分散が不安定となり。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になっても顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
さらに本発明のインクの特徴として、Ni2+イオンを0.05ppm〜50ppm含有する。Ni2+イオンを50ppmを超えて含有させると系内の電気的バランスが崩れ、インクの分散安定性が悪くなり、0.05ppmより少ないと本発明の効果が得られない。より好ましくは0.1ppm〜10ppmの範囲である。
Ni2+イオン源としては水に可溶なニッケルを含有する塩であれば何でもよい。例えばNiBr2、NiI2、NiCl2、Ni(NO32、硼酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸ニッケル、その他、インクのpH雰囲気中で0.05ppm以上の溶解性を示す有機塩等が挙げられる。好ましくは溶解度の高いニッケル塩を使用することが、ヘッド目詰まりを防止する上で好ましい。
水に可溶なニッケルを含有する塩の添加は分散前、あるいは分散液の希釈時に同時に添加する方法が、作業的に簡便で不用意な凝集などを招かないことから好ましい。
インク中のNi2+については、例えば、インクを遠心処理して上澄み成分と沈殿成分とに分離し、その上澄み成分を公知の任意の方法で測定することによりNi2+イオン量を測定することができる。
Ni2+濃度の調整方法として、Niは顔料や分散剤などの不純物として含有することもあり陽イオン交換樹脂で処理した分散液やインクに対して添加して調整することが好ましい。
本発明の係る分散剤とは、分子量が5000以上、200000以下の高分子成分を有する化合物のことを指す。高分子分散剤の種類としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩、ポリオキシアルキレン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等を挙げることができる。
本発明の係る分散剤としては、とくに分散在中にエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基等の極性の高い基を分子内に有していることが好ましい。エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、不飽和炭素、水酸基等の極性の高い基を分子内に有する分散剤を使用することでNi2+をインク中に添加した効果が十分に現れ良好な分散性を示す。
酸性の高分子分散剤の場合、中和塩基で中和して添加することが好ましい。ここで中和塩基は特に限定されないが、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン等の有機塩基であることが好ましい。
また、本発明において、高分子分散剤の添加量としては、顔料に対し10〜100質量%であることが好ましい。
本発明のインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
本発明のインクジェットインクを用いた画像形成方法においては、例えば、インクジェットインクを装填したプリンター等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを液滴として吐出させ普通紙に付着させることでインクジェットプリントが得られる。
本発明のインクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
その中でも、本発明のインクジェット記録方法においては、本発明のインクを30μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、普通紙に記録を行うこと、更に、30μm以下のノズル径を有するラインヘッド方式のピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、普通紙に記録を行うことを特徴とする。
インクジェットプリンターの印字方式として、シャトルヘッド方式の記録ヘッドに対し、ラインヘッド方式の記録ヘッドを用いて印字することにより、本発明のインクの印字特性を十分に引き出すことができ、その結果、インク液滴の普通紙への着弾時の極めて良好なドット形状(真円性)や印字精度を達成することができる。
特に、本発明のインクジェット記録方式においては、普通紙に画像印字を行うことを目的としている。
両面印字は、片面に印字した後に普通紙を裏返し、印字面を下にして搬送することが多いが、本発明のインクは前記特性を有しているため、両面に印字しても裏抜けや文字の滲みがないため、いずれの面でも高濃度で文字品質に優れ、また、搬送不良が生じたり搬送ベルトがインクで汚染されることがない。
本発明のインクジェット記録方法で用いる普通紙としては、特に制限はないが、非塗工紙、特殊印刷用紙、及び情報用紙の一部に属する80〜200μmの非コート紙が望ましい。本発明に係る普通紙の構成は、LBKP及びNBKPに代表される化学パルプ、サイズ剤及び填料を主体とし、その他の抄紙助剤を必要に応じて用い、常法により抄紙される。本発明に係る普通紙に使用されるパルプ材としては、機械パルプや古紙再生パルプを併用してもよいし、又、これらを主材としても何ら問題はない。
本発明に係る普通紙に内添されるサイズ剤としては、例えば、ロジンサイズ、AKD、アルニケル無水コハク酸、石油樹脂系サイズ、エピクロルヒドリン、カチオン澱粉及びアクリルアミド等が挙げられる。
また、本発明に係る普通紙に内添される填料としては、例えば微粉珪酸、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、カオリン、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、ディッカイト、パイロフィライト、セリサイト、二酸化チタン、ベントナイト等が挙げられる。
実施例1
インク分散液の調製
表1に記載の組み合わせで、顔料と水系溶媒、水、樹脂とを混合した後、H型のイオン交換樹脂50gと混合し1時間攪拌し、イオン交換樹脂のみをろ別して取り除いた。しかる後、ろ別された混合液に表1の割合で硝酸ニッケル・4水和物または硫酸ニッケル・6水和物を添加し、さらに直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理して各顔料分散液を調製した後、ジルコニアビーズを除去し、残った液を濾過及び中空糸膜を用いた膜脱気処理を行って、顔料インク1〜14を調製した。なお、表中の数値はすべて質量部を示す。
また、Niイオンの含量は、各インク1〜18について、遠心限外濾過装置によって遠心分離処理した。フィルターとしては、タイプNMWL10000を使用し、遠心条件は、2500G×60分とした。その濾液についてICP質量分析により分析を行い結果は表1に記す。
使用した高分子化合物を以下に示す。
樹脂1:メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル(質量比=40/20/10/30)を重合して得られた共重合体、平均質量分子量=12,000
樹脂2:オキシエチレン、オキシプロピレン(質量比=70/30)を重合して得られた共重合体の末端をラウリル化。平均質量分子量=20,000
樹脂3:市販分散剤 :EFKA4570 (EFKA社製 アクリル系高分子化合物)
使用した溶媒とそのSP値(括弧内)
DPGME:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
TPGME:トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(20.4)
EG:エチレングリコール(32.2)
《インクジェット画像記録》
上記作製したインクをヒューレットパッカード製プリンターHP−PSC1610 の黒のカートリッジにつめ使用した。
A4サイズのコニカミノルタビジネステクノロジー社製のファーストクラス普通紙の一方の面にフォトショップ7.0により作製した黒100%のベタ画像を印字して、各インク1〜18に対し画像1〜18を作製し下記の評価を行った。
〔カールの評価〕
各画像について、以下に記載する方法でカールを評価したが、インク1〜11及び15〜18を使用した試料はいずれも良好な結果を示し、各画像間で大きな差異は無かった。一方インク12、13、14を用いたものはいずれもカールが不可であった。
上記ベタ画像を印字した各試料を、23℃、55%RHの環境下で1週間放置した後、カールの評価を行った。高さ2mm以上の端部の浮きがなく、かつコックリング(皺)の発生も認められない状態を良好な状態とした。
〔裏抜け耐性の評価〕
各画像について、以下に記載する方法で裏抜けを評価したが、いずれのインクにおいても良好な結果を示し、各画像間において大きな差異は無かった。
〔インクの保存安定性の評価〕
各インク1〜18について、分散3日後のインク中の顔料の粒径及びインクの粘度を測定した。さらに、各インクを60℃で3週間の保存を行い再び粒径及び粘度の測定を行い、以下の基準で評価を行った。結果を表1に示す。
◎:粒径及び粘度のどちらかの変動が5%未満
○:粒径及び粘度のどちらかの変動が5%以上、10%未満
×:粒径及び粘度のどちらかの変動が10%以上、15%未満
××:粒径及び粘度のどちらかの変動が15%以上
粘度については振動式粘度計、ビスコメーターVM−1G(ニッカトー社製)、粒径についてはゼータサイザーナノS(マルバーン社製)により測定を行った。
Figure 2007204698
以上の結果により、本発明のインクは、裏抜けが極めて良好で印字濃度が高く、画像保存性が高く、さらに、カールや表面乾燥性に問題のないインクであると言え、以上をもって、目的の効果のインクを提供できた。

Claims (2)

  1. 顔料と、ポリマーと、水と、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インクジェットインク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、該水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する水溶性有機溶剤のSP値が16.5以上24.6未満であり、さらに該SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インクジェットインク質量の40質量%以上であり且つ、Ni2+イオンをインクジェットインク全体の0.05ppm〜50ppm含有していることを特徴とするインクジェットインク。
  2. Ni2+イオンをインクジェットインク全体の0.1ppm〜10ppm含有していることを特徴とする請求項1記載のインクジェットインク。
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