JP2007203542A - 反射防止積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 十分な反射防止性能を有し、かつ中空シリカ微粒子を用いる場合、表面強度、耐スチールウール性、及び耐アルカリ性に優れる反射防止積層体を提供する。
【解決手段】 透明基材上に低屈折率層を有する反射防止積層体であって、前記低屈折率層が、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するモノマー、ジメチルシリコーンオイル、並びに中空シリカ微粒子を含有するコーティング剤の硬化物であることを特徴とする反射防止積層体。
【解決手段】 透明基材上に低屈折率層を有する反射防止積層体であって、前記低屈折率層が、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するモノマー、ジメチルシリコーンオイル、並びに中空シリカ微粒子を含有するコーティング剤の硬化物であることを特徴とする反射防止積層体。
Description
本発明は、ディスプレイの表示装置等の表面に適用される反射防止積層体に関する。
従来、ガラスやプラスチック等の透明基材上に、酸化チタンや酸化ケイ素などの無機酸化物からなる薄膜を蒸着法やスパッタリング法などのドライコーティングにより形成した、光干渉を利用した反射防止積層体が知られている。しかしながら、このようなドライコーティングの製法は、成膜速度が遅く、生産性が低いなどの問題がある。
そこで、特許文献1には、透明基材上に、所定の組成からなる低屈折率コーティング剤を塗布形成した低屈折率層を有する反射防止積層体が記載されている。特許文献1に記載の製法によれば、従来のドライコーティングの製法に比べて、成膜が容易なため生産性を向上できる利点がある。また、特許文献1には、透明基材と低屈折率層との間にハードコート層を設けて、透明基材の物理的強度を高めることも記載されている。この際、ハードコート層の表面にアルカリ処理等の表面処理を施して、低屈折率層との密着性を向上させることが記載されている。
また、特許文献2には、中空シリカ微粒子を用いた反射防止層を設けることが記載されている。しかしながら、中空シリカ微粒子が表面にむきだしになった場合、耐スチールウール性などの表面強度が悪くなる。また、マジック等の汚染物質が付着した場合ふき取れない、中空シリカ微粒子が表面に剥き出しになっているため、耐アルカリ性が悪い等の問題点がある。
従って、本発明の目的は、十分な反射防止性能を有し、かつ中空シリカ微粒子を用いる場合、表面強度、耐スチールウール性、及び耐アルカリ性に優れる反射防止積層体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定のモノマーを主成分とし、特定のシリコーンオイルと中空シリカ微粒子とを含有したもので低屈折率層を形成することにより、上記目的を解決できることを見いだし、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、
(1)透明基材上に低屈折率層を有する反射防止積層体であって、前記低屈折率層が、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するモノマー、ジメチルシリコーンオイル、並びに中空シリカ微粒子を含有するコーティング剤の硬化物であることを特徴とする反射防止積層体;
(2)前記中空シリカ微粒子の数平均粒子径が100nm以下である上記(1)記載の反射防止積層体;
(3)波長430〜700nmにおける入射角5度で測定した反射率の最大値が2.5%以下である上記(1)又は(2)に記載の反射防止積層体;
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の反射防止積層体を備える光学部材;
及び
(5)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の反射防止積層体又は上記(4)に記載の光学部材を備える表示装置;
がそれぞれ提供される。
(1)透明基材上に低屈折率層を有する反射防止積層体であって、前記低屈折率層が、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するモノマー、ジメチルシリコーンオイル、並びに中空シリカ微粒子を含有するコーティング剤の硬化物であることを特徴とする反射防止積層体;
(2)前記中空シリカ微粒子の数平均粒子径が100nm以下である上記(1)記載の反射防止積層体;
(3)波長430〜700nmにおける入射角5度で測定した反射率の最大値が2.5%以下である上記(1)又は(2)に記載の反射防止積層体;
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の反射防止積層体を備える光学部材;
及び
(5)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の反射防止積層体又は上記(4)に記載の光学部材を備える表示装置;
がそれぞれ提供される。
本発明の反射防止積層体は、反射防止性能や表面層の物理的強度、耐汚染性等に優れるので、液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイに好適に用いることができる。
本発明の反射防止積層体は、透明基材上に低屈折率層を有し、前記低屈折率層がアクリロイル若しくはメタクリロイル基を有するモノマー、ジメチルシリコーンオイル、並びに中空シリカ微粒子を含有するコーティング剤の硬化物である。
本発明の反射防止積層体に用いられる透明基材としては、光透過性があれば特に制限されない。透明基材を構成する材料としては、ガラスや樹脂があげられる。
樹脂としては、1mm厚で全光線透過率が80%以上のものであれば特に制限されず、例えば、脂環式構造を有する樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。これらの透明樹脂は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂としては、1mm厚で全光線透過率が80%以上のものであれば特に制限されず、例えば、脂環式構造を有する樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。これらの透明樹脂は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
透明基材の平均厚みは、機械的強度などの観点から、好ましくは30〜300μm、より好ましくは40〜200μmである。本発明において、透明基材は、単層からなるものでも良く、2層以上の複数層からなるものでもよい。
本発明に用いる透明基材として、片面又は両面に表面改質処理を施したものを使用してもよい。表面改質処理を行うことにより、高屈折率層との密着性を向上させることができる。表面改質処理としては、エネルギー線照射処理や薬品処理などが挙げられる。
エネルギー線照射処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理などが挙げられ、処理効率の点等から、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましく、コロナ放電処理が特に好ましい。
薬品処理としては、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸などの酸化剤水溶液中に、浸漬し、その後充分に水で洗浄する方法が挙げられる。浸漬した状態で振盪すると効果的であるが、長期間処理すると表面が溶解したり、透明性が低下したりするといった問題があり、用いる薬品の反応性、濃度などに応じて、処理時間などを調整する必要がある。
エネルギー線照射処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理などが挙げられ、処理効率の点等から、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましく、コロナ放電処理が特に好ましい。
薬品処理としては、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸などの酸化剤水溶液中に、浸漬し、その後充分に水で洗浄する方法が挙げられる。浸漬した状態で振盪すると効果的であるが、長期間処理すると表面が溶解したり、透明性が低下したりするといった問題があり、用いる薬品の反応性、濃度などに応じて、処理時間などを調整する必要がある。
本発明では、低屈折率層に用いるコーティング剤は、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するモノマーを含有する。
アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸などのアクリル酸類;
エチレンオキサイド変性フェノールのアクリレート若しくはメタクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノールのアクリレート若しくはメタアクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノールのアクリレート若しくはメタクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノールのアクリレート若しくはメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールモノアクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、トリプロピレングリコール等のモノアクリレート若しくはメタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、アクリロニトリル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の単官能アクリレート若しくはメタクリレート類;
エチレンオキサイド変性フェノールのアクリレート若しくはメタクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノールのアクリレート若しくはメタアクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノールのアクリレート若しくはメタクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノールのアクリレート若しくはメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールモノアクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、トリプロピレングリコール等のモノアクリレート若しくはメタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、アクリロニトリル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の単官能アクリレート若しくはメタクリレート類;
ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールの時アクリレート若しくはジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAのジアクリレート若しくはジメタクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAのジアクリレート若しくはジメタクリレート、エチレンオキサイド変性水添ビスフェノールAのジアクリレート若しくはジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート若しくはジメタクリレート、トリメチロールプロパンアリルエーテルジアクリレート、トリメチロールプロパンアリルエーテルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレート若しくはメタクリレート類;
ポリエステルアロニックスM−6400(東亞合成社製ポリエステルアクリレート)等のポリエステルアクリレート;
アロニックスM−1200(東亞合成株式会社製)等のウレタンアクリレート;
環状ヒンダートアミン構造を有する2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、ベンゾトリアゾール環を有する2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
本発明において、前記コーティング剤における前記アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するモノマーの含有量は、乾燥時重量で30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%である。
ポリエステルアロニックスM−6400(東亞合成社製ポリエステルアクリレート)等のポリエステルアクリレート;
アロニックスM−1200(東亞合成株式会社製)等のウレタンアクリレート;
環状ヒンダートアミン構造を有する2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、ベンゾトリアゾール環を有する2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
本発明において、前記コーティング剤における前記アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するモノマーの含有量は、乾燥時重量で30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%である。
本発明において、前記コーティング剤に用いられるジメチルシリコーンオイルとしては、未変性のジメチルシリコーンオイル、変性シリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、長鎖アルキル変性ジメチルシリコーンオイル、フッ素変性ジメチルシリコーンオイル、メタクリル変性ジメチルシリコーンオイル、カルビノール変性ジメチルシリコーンオイル、及びメチルスチリル変性ジメチルシリコーンオイルが挙げられる。変性の部位は、側鎖、片末端、両末端、側鎖両末端があるが特に制限されない。
本発明において、前記コーティング剤におけるジメチルシリコーンオイルの含有量は、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するモノマー100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは5〜30重量部である。ジメチルシリコーンオイルの含有量が5重量部未満であると表面強度を向上させるすべり性、耐汚染性、耐アルカリ性が発現せず、逆に50重量部を超えると表面強度が弱くなる傾向にある。
本発明において、前記コーティング剤におけるジメチルシリコーンオイルの含有量は、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するモノマー100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは5〜30重量部である。ジメチルシリコーンオイルの含有量が5重量部未満であると表面強度を向上させるすべり性、耐汚染性、耐アルカリ性が発現せず、逆に50重量部を超えると表面強度が弱くなる傾向にある。
本発明では、低屈折率層中に、低屈折率と耐擦傷性を両立させる目的で、中空シリカ微粒子を含有させる。
中空シリカ微粒子の屈折率は1.20〜1.35が好ましく、1.20〜1.30がさらに好ましい。
本発明で用いる中空シリカ微粒子は、例えば特開2001−233611号公報や特開2002−79616号公報に記載されている方法により得ることができる。特に、シェルの内部に空洞を有している粒子で、そのシェルの細孔が閉塞されている粒子が特に好ましい。なお、これら中空シリカ粒子の屈折率は特開2002−79616号公報に記載の方法で算出することができる。
中空シリカ微粒子の屈折率は1.20〜1.35が好ましく、1.20〜1.30がさらに好ましい。
本発明で用いる中空シリカ微粒子は、例えば特開2001−233611号公報や特開2002−79616号公報に記載されている方法により得ることができる。特に、シェルの内部に空洞を有している粒子で、そのシェルの細孔が閉塞されている粒子が特に好ましい。なお、これら中空シリカ粒子の屈折率は特開2002−79616号公報に記載の方法で算出することができる。
中空シリカ微粒子の数平均粒子径は、100nm以下、好ましくは5〜100nm、さらに好ましくは15〜90nmである。中空シリカ微粒子の数平均粒子径が100nmを超えると、塗工厚みより中空シリカ微粒子の粒子径が大きくなり塗工できない。
中空シリカ微粒子の外殻部分のシリカは、結晶質、非晶質のいずれでもよい。また、中空シリカ微粒子のサイズ分布は、単分散粒子が好ましいが、多分散粒子でも、所定の粒径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球状が最も好ましいが、不定形であってもよい。
また、中空シリカ微粒子は、平均粒子サイズの異なるものを2種以上併用して用いることができる。中空シリカ微粒子の平均粒径は電子顕微鏡写真から求めることができる。
本発明において、前記コーティング剤における中空シリカ微粒子の含有量は、得られる低屈折率層の屈折率に応じて適宜調整すればよい。
また、中空シリカ微粒子は、平均粒子サイズの異なるものを2種以上併用して用いることができる。中空シリカ微粒子の平均粒径は電子顕微鏡写真から求めることができる。
本発明において、前記コーティング剤における中空シリカ微粒子の含有量は、得られる低屈折率層の屈折率に応じて適宜調整すればよい。
本発明において、前記コーティング剤に、他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、光重合開始剤、溶剤、シランカップリング剤、分散剤、増粘剤などが挙げられる。
光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤が挙げられ、具体的にはアリールケトン系光重合開始剤(例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル類など);含硫黄系光重合開始剤(例えば、スルフィド類、チオキサントン類など);アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤;その他の光重合開始剤がある。また、光重合開始剤はアミン類などの光増感剤と組み合わせても使用できる。
光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
溶剤としては、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン等が挙げられる。溶剤の含有量は、使用する塗工機の塗工条件(例えば、適正粘度、適正膜厚)により適宜調整すればよい。
本発明において、低屈折率層は、透明基材上に直接又は他の層を介して前記コーティング剤を塗布し、得られた塗膜を乾燥し、硬化することにより得ることができる。塗布方法は、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、バーコート法などの公知の方法でよい。硬化手段としては、熱や電離放射線照射が挙げられるが、通常は電離放射線照射である。
本発明において、低屈折率層の平均厚みは、中空シリカ微粒子の数平均粒子径よりも大きければ特に制限されず、通常10〜1000nm、好ましくは20〜500nmである。
また、低屈折率層の屈折率は、透明基材の屈折率及び高屈折率層の屈折率よりも小さく、具体的には1.45以下、好ましくは1.40以下である。低屈折率層の屈折率が上記範囲であることにより、本発明の反射防止積層体を偏光板保護フィルムに用いると、求められる硬度及び強度を有し、密着性及び透明性にも優れたものとなる。屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメータを用いて測定して求めることができる。
また、低屈折率層の屈折率は、透明基材の屈折率及び高屈折率層の屈折率よりも小さく、具体的には1.45以下、好ましくは1.40以下である。低屈折率層の屈折率が上記範囲であることにより、本発明の反射防止積層体を偏光板保護フィルムに用いると、求められる硬度及び強度を有し、密着性及び透明性にも優れたものとなる。屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメータを用いて測定して求めることができる。
本発明において、前記透明基材と低屈折率層の間に、高屈折率層を有することが好ましい。本発明において高屈折率層は、屈折率が1.55以上の層をいう。
高屈折率層を構成する材料としては、無機材料、樹脂材料があげられ
るが、生産性に優れるという観点から樹脂材料が好ましい。
前記樹脂材料としては、高屈折率層におけるバインダーとしての性質を有し、高屈折率層形成後の皮膜として十分な強度を持ち、さらに透明性のあるものを特に制限なく使用できる。前記樹脂としては熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化型樹脂が挙げられるが、皮膜の強度、加工性の点で、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂が好ましい。
熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン-尿素共縮合樹脂、シリコーン樹脂、ポリシロキサン樹脂が挙げられる。また、これらの熱硬化性樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を必要の応じて加えてもよい。
高屈折率層を構成する材料としては、無機材料、樹脂材料があげられ
るが、生産性に優れるという観点から樹脂材料が好ましい。
前記樹脂材料としては、高屈折率層におけるバインダーとしての性質を有し、高屈折率層形成後の皮膜として十分な強度を持ち、さらに透明性のあるものを特に制限なく使用できる。前記樹脂としては熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化型樹脂が挙げられるが、皮膜の強度、加工性の点で、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂が好ましい。
熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン-尿素共縮合樹脂、シリコーン樹脂、ポリシロキサン樹脂が挙げられる。また、これらの熱硬化性樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を必要の応じて加えてもよい。
電離放射線硬化型樹脂は、分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーが、電離放射線の照射により硬化してなる樹脂である。電離放射線は、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、通常は紫外線又は電子線を用いる。
紫外線および電子線硬化型樹脂としては特に制限はなく、従来から使用されているものの中から、適宜選択して用いることができる。この紫外線硬化型樹脂は、光重合性プレポリマー、又は光重合性モノマーと光重合開始剤や光増感剤を含有するものである。また、電子線硬化型樹脂は、光重合性プレポリマー又は光重合性モノマーを含有するものである。
紫外線および電子線硬化型樹脂としては特に制限はなく、従来から使用されているものの中から、適宜選択して用いることができる。この紫外線硬化型樹脂は、光重合性プレポリマー、又は光重合性モノマーと光重合開始剤や光増感剤を含有するものである。また、電子線硬化型樹脂は、光重合性プレポリマー又は光重合性モノマーを含有するものである。
前記光重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系等が挙げられる。これらの光重合性プレポリマーは1種用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また,光重合性モノマーとしては、例えばポリメチロールプロパントリアクリレート、ポリメチロールプロパントリメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、ヘキサンジオールメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等が挙げられる。
本発明においては、プレポリマーとしてウレタンアクリレート系、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート若しくはジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートを用いることが好ましい。
本発明においては、プレポリマーとしてウレタンアクリレート系、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート若しくはジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートを用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。また、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。
本発明においては、高屈折率層は、前記熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂に加えて、導電性微粒子を含んでなることが好ましい。高屈折率層が、前記構成をとることにより、高屈折率層としての機能だけでなく、帯電防止層としての機能を有するとともに、機械的強度に優れる。
導電性微粒子は、導電性を有する微粒子であれば特に制約はないが、透明性に優れることから、金属酸化物の微粒子が好ましい。
導電性の金属酸化物微粒子を構成する金属酸化物としては、例えば、五酸化アンチモン、酸化スズ、リンがドープされた酸化スズ(PTO)、アンチモンがドープされた酸化スズ(ATO)、スズがドープされた酸化インジウム(ITO)、亜鉛がドープされた酸化インジウム(IZO)、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛(AZO)、フッ素がドープされた酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛/酸化アルミニウム、アンチモン酸亜鉛等が挙げられる。これらの金属酸化物微粒子は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、透明性に優れること等から、五酸化アンチモン微粒子及びリンがドープされた酸化スズ微粒子から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
また本発明においては、導電性の金属酸化物微粒子として、導電性を持たない金属酸化物微粒子に、導電性金属酸化物を被覆することによって、導電性を付与したものも使用することもできる。例えば、屈折率は高いが導電性を有しない酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等の微粒子の表面に、前記導電性金属酸化物を被覆して導電性を付与して用いることができる。
導電性微粒子の数平均粒子径は、200nm以下であることが好ましく、より好ましくは50〜15nmである。数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)等により得られる二次電子放出のイメージ写真からの目視やイメージ写真を画像処理することにより、又は動的光散乱法、静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により計測することができる
本発明においては、高屈折率層における導電性微粒子の含有量は、30体積%以上であることが好ましく、40〜60体積%であることがさらに好ましい。高屈折率層における導電性微粒子の含有量は、高屈折率層を皮膜とした際の高屈折率層の屈折率をC、高屈折率層形成用組成物のバインダー成分の屈折率をA、導電性微粒子の屈折率をBとすると、以下の式により求めることができる。
導電性微粒子の含有量(体積%)=(C−A)/(B−A)×100
導電性微粒子の含有量(体積%)=(C−A)/(B−A)×100
また、高屈折率層は、防眩性を付与する目的で、防眩性を付与する粒子を含有していてもよい。防眩性を付与する粒子としては、高屈折率層の表面に凹凸が形成されれば特に限定されない。また、高屈折率層の表面に有効に凹凸を形成するために数平均粒子径が0.5〜10μmであることが好ましく、1〜7μmであることがより好ましい。
本発明においては、高屈折率層には、層厚の均一性や密着性向上等を目的としてレベリング剤や分散剤を含有していてもよい。レベリング剤としては、シリコーンオイル、フッ素化ポリオレフィン、ポリアクリル酸エステル等の表面張力を低下させる化合物が挙げられ、分散剤としては、界面活性剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
本発明において、高屈折率層は、高屈折率層を構成する材料を含む高屈折率層形成用組成物を、透明基材に直接又は透明基材の表面に形成されたその他の層の上に塗布し、得られた塗膜に、熱又は電離放射線を照射することに形成することができる。塗布方法は、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、バーコート法などの公知の方法でよい。
本発明においては、高屈折率層の屈折率は好ましくは1.55以上、より好ましくは1.60以上である。高屈折率層の屈折率がこの範囲にあると、高屈折率層上に低屈折率層を積層した場合に、外光の反射を抑制し、映り込みを防止することができる。屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメータを用いて測定して求めることができる。
本発明においては、高屈折率層は、JIS K5600−5−4で示す鉛筆硬度試験(試験板はガラス板)で「HB」以上の硬度を示すことが好ましい。高屈折率層の鉛筆硬度が前記範囲であることにより、高屈折率層がハードコート層を兼ねることができ、部材を薄くすることができる。
また、高屈折率層の平均厚みは、通常0.3〜20μm、好ましくは0.8〜10μmである。
また、高屈折率層の平均厚みは、通常0.3〜20μm、好ましくは0.8〜10μmである。
本発明の反射防止積層体は、波長430〜700nmにおける入射角5度における反射率の最大値が2.5%以下であり、好ましくは2.0%以下である。さらに波長550nmにおける入射角5度での反射率が1.5%以下であることがより好ましい。
前記反射率は、市販の分光光度計を用いて測定できる。
前記反射率は、市販の分光光度計を用いて測定できる。
本発明の反射防止積層体は、反射防止性能、表面層の物理的強度、耐防汚染性に優れるので、フラットパネルの反射防止フィルムとして有用である。より具体的には、携帯電話、デジタル情報端末、ポケットベル(登録商標)、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイ等の各種液晶表示パネルやエレクトロルミネッス表示素子あるいはタッチパネル等の反射防止フィルムとして有用である。
本発明の光学部材は、本発明の反射防止積層体を備える。
光学部材としては、タッチパネルにおける反射防止フィルム、プラズマパネルディスプレイにおけるプラズマパネルディスプレイ前面板、液晶表示装置における反射防止機能付偏光板が挙げられる。なかでも、液晶表示装置における反射防止機能付偏光板が好ましい。
光学部材としては、タッチパネルにおける反射防止フィルム、プラズマパネルディスプレイにおけるプラズマパネルディスプレイ前面板、液晶表示装置における反射防止機能付偏光板が挙げられる。なかでも、液晶表示装置における反射防止機能付偏光板が好ましい。
タッチパネルは、現在約9割が抵抗膜方式を採用している。該抵抗膜方式のタッチパネルは、一般に透明樹脂基材の片面に酸化インジウム錫(ITO)膜等の透明導電性薄膜を積層した入力側樹脂基材と、ガラス等の透明基材の片面にITO膜等の透明導電性薄膜を積層した受圧側透明基材とを、絶縁スペーサを介して、各透明導電性薄膜が向き合うように対向配置させた構造を有している。
そして、入力は、ペンや指で入力側樹脂基材の入力面(透明導電性薄膜側とは反対側の面をいう)を押圧し、入力側樹脂基材の透明導電性薄膜と、受圧側透明基材の透明導電性薄膜とを接触させて行う。
本発明の反射防止積層体を前記タッチパネルの反射防止フィルムとして用いる場合には、本発明の反射防止積層体の透明基材の低屈折率層が設けられている方の一面が表面側になるように、タッチパネルの視認側最表面に設けてもよい。また、透明基材の低屈折率層が設けられていない方の面に、ITO膜等の透明導電性薄膜を設けたものを、タッチパネルの入力側樹脂基材として用いてもよい。
そして、入力は、ペンや指で入力側樹脂基材の入力面(透明導電性薄膜側とは反対側の面をいう)を押圧し、入力側樹脂基材の透明導電性薄膜と、受圧側透明基材の透明導電性薄膜とを接触させて行う。
本発明の反射防止積層体を前記タッチパネルの反射防止フィルムとして用いる場合には、本発明の反射防止積層体の透明基材の低屈折率層が設けられている方の一面が表面側になるように、タッチパネルの視認側最表面に設けてもよい。また、透明基材の低屈折率層が設けられていない方の面に、ITO膜等の透明導電性薄膜を設けたものを、タッチパネルの入力側樹脂基材として用いてもよい。
本発明の反射防止積層体をプラズマディスプレイパネルのプラズマディスプレイパネル前面板として用いる場合には、通常、透明基板の片面若しくは両面に本発明の反射防止積層体を、透明基材の低屈折率層が設けられている方の面が視認側になるように積層して用いる。
透明基板としては、透明であれば特に制限されず、例えば1mm厚で全光線透過率が80%以上、好ましくは90%以上のものを用いることができる。より具体的には例えば、ガラス、透明樹脂基板が挙げられる。
本発明の反射防止積層体と透明基板との積層は、接着剤や粘着材等の適宜な接着手段を用いて貼り合せることができる。接着剤又は粘着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性に優れる点で、アクリル系の接着剤又は粘着剤が好ましい。
本発明の反射防止積層体と透明基板との積層は、接着剤や粘着材等の適宜な接着手段を用いて貼り合せることができる。接着剤又は粘着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性に優れる点で、アクリル系の接着剤又は粘着剤が好ましい。
液晶表示装置における偏光板は、液晶セルの出射側に設けられるが、通常入射側にも設けられている。この偏光板は、一般にポリビニルアルコールからなる基材フィルムにヨウ素や有機染料等の二色性材料を染色又は吸着させたのち、一方向に延伸配向させて偏光子を作製し、この両面にトリアセチルセルロース(TAC)等の保護フィルムを貼り合わせることにより、製造されている。
本発明の反射防止積層体を液晶表示装置における偏光板として用いる場合には、本発明の反射防止積層体における透明基材の低屈折率層が設けられていない方の面に偏光子を積層し、偏光子の反対側に保護フィルムを積層して用いることができる。
本発明の反射防止積層体と偏光子との積層、及び偏光子と保護フィルムとの積層は、接着剤や粘着剤等の適宜な接着手段を用いて貼り合せることができる。
接着剤又は粘着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性に優れる点で、アクリル系の接着剤又は粘着剤が好ましい。
接着剤又は粘着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性に優れる点で、アクリル系の接着剤又は粘着剤が好ましい。
保護フィルムを構成する材料としては、特に制限されないが、透明性、低複屈折性、寸法安定性の観点から、セルローストリアセテート等のセルロース系樹脂、脂環式構造を有する樹脂が好ましい。なお、保護フィルムは等方性フィルムでもよく、位相差フィルムを兼ねていてもよい。
本発明の反射防止積層体又は光学部材を液晶表示装置に用いる場合の他の部材は、通常の液晶表示装置に用いられる部材を用いればよい。例えば、冷陰極管、光拡散板、導光板、輝度向上フィルム、プリズムアレイシート、液晶セル、位相差板などが挙げられる。これらを適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
液晶セルに用いる液晶のモードも特に制限されない。液晶モードとしては、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型、VA(Vertical Alignment)型、MVA(Multiple Vertical Alignment)型、IPS(In Plane Switching)型、OCB(Optical Compensated Bend)型等が挙げられる。
液晶セルに用いる液晶のモードも特に制限されない。液晶モードとしては、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型、VA(Vertical Alignment)型、MVA(Multiple Vertical Alignment)型、IPS(In Plane Switching)型、OCB(Optical Compensated Bend)型等が挙げられる。
本発明を、実施例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
(1)耐擦傷性(スチールウール試験)
スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で、反射防止積層体の表面を10往復させ、往復させた後の表面状態を目視で観測した。
○:傷が認められない。
×:傷が認められる。
(1)耐擦傷性(スチールウール試験)
スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で、反射防止積層体の表面を10往復させ、往復させた後の表面状態を目視で観測した。
○:傷が認められない。
×:傷が認められる。
(2)鉛筆硬度
JIS K5600−5−4に準じて、500g荷重で測定した。
JIS K5600−5−4に準じて、500g荷重で測定した。
(3)反射率
分光光度計(紫外可視近赤外光光度計V−550、日本分光社製)を用いて、波長430〜700nmにおける入射角5度での反射率を測定し(測定波長間隔は1nm)、前記波長域における最大反射率、波長550nmにおける反射率を算出した。
分光光度計(紫外可視近赤外光光度計V−550、日本分光社製)を用いて、波長430〜700nmにおける入射角5度での反射率を測定し(測定波長間隔は1nm)、前記波長域における最大反射率、波長550nmにおける反射率を算出した。
(4)耐汚染性
油性マジックで表面に10cmの線を書き、布でふきとり目視で観察し、以下の4段階で評価した。
◎:はじく(ふきとれる)
○:はじかないがふきとれる
△:若干ふきとれない
×:ふきとれない
油性マジックで表面に10cmの線を書き、布でふきとり目視で観察し、以下の4段階で評価した。
◎:はじく(ふきとれる)
○:はじかないがふきとれる
△:若干ふきとれない
×:ふきとれない
(5)耐アルカリ性
水酸化ナトリウム1重量%水溶液2mLを反射防止積層体の最表面(低屈折率層が積層されている面)に滴下し、30分放置後、水を含ませた布でふき取り、表面状態を目視で観察することにより、表面が侵されているかどうか判定した。
○:跡なし
△:輪郭のみ確認できる
×:全体的な跡がみえる
水酸化ナトリウム1重量%水溶液2mLを反射防止積層体の最表面(低屈折率層が積層されている面)に滴下し、30分放置後、水を含ませた布でふき取り、表面状態を目視で観察することにより、表面が侵されているかどうか判定した。
○:跡なし
△:輪郭のみ確認できる
×:全体的な跡がみえる
(製造例1)高屈折率層形成用組成物の調製
アクリロイル基を含有するオリゴマー(日本合成化学工業社製、UV−1700B)の100部に、Sb2O5粒子(触媒化成工業社製、平均粒径30nm)100部と、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製 IRGACURE184)2部とを加え、攪拌機にて2000rpmで5分間攪拌することにより、高屈折率層形成用組成物を得た。
アクリロイル基を含有するオリゴマー(日本合成化学工業社製、UV−1700B)の100部に、Sb2O5粒子(触媒化成工業社製、平均粒径30nm)100部と、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製 IRGACURE184)2部とを加え、攪拌機にて2000rpmで5分間攪拌することにより、高屈折率層形成用組成物を得た。
(製造例2)低屈折率層用コーティング剤1の調製
アクリロイル基を含有するモノマー(旭電化工業社製、オプトマーKR566)100部に光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、IRGACURE184)2部、中空シリカ微粒子(数平均粒子径30nm、屈折率1.29)50部と、未変性ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製、KF−96L)20部を加え、攪拌機にて2000rpmで5分間攪拌することにより、低屈折率層用コーティング剤1を得た。
アクリロイル基を含有するモノマー(旭電化工業社製、オプトマーKR566)100部に光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、IRGACURE184)2部、中空シリカ微粒子(数平均粒子径30nm、屈折率1.29)50部と、未変性ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製、KF−96L)20部を加え、攪拌機にて2000rpmで5分間攪拌することにより、低屈折率層用コーティング剤1を得た。
(製造例3)低屈折率層用コーティング剤2の調製
製造例2において、ジメチルシリコーンオイルをメタクリル変性ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製、X−22−164A)にかえた他は、製造例2と同様にして、低屈折率層用コーティング剤2を得た。
製造例2において、ジメチルシリコーンオイルをメタクリル変性ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製、X−22−164A)にかえた他は、製造例2と同様にして、低屈折率層用コーティング剤2を得た。
(製造例4)低屈折率層用コーティング剤3の調製
製造例2において、数平均粒子径30nm、屈折率1.29の中空シリカ微粒子のかわりに、数平均粒子径を90nm、屈折率1.29の中空シリカ微粒子にかえた他は、製造例2と同様にして、低屈折率層用コーティング剤3を得た。
製造例2において、数平均粒子径30nm、屈折率1.29の中空シリカ微粒子のかわりに、数平均粒子径を90nm、屈折率1.29の中空シリカ微粒子にかえた他は、製造例2と同様にして、低屈折率層用コーティング剤3を得た。
(製造例5)低屈折率層用コーティング剤4の調製
製造例2において、ジメチルシリコーンオイルを加えなかった他は、製造例2と同様にして、低屈折率層用コーティング剤4を得た。
製造例2において、ジメチルシリコーンオイルを加えなかった他は、製造例2と同様にして、低屈折率層用コーティング剤4を得た。
(製造例6)低屈折率層用コーティング剤5の調製
製造例2において、中空シリカ微粒子を加えなかった他は、製造例2と同様にして、低屈折率層用コーティング剤5を得た。
製造例2において、中空シリカ微粒子を加えなかった他は、製造例2と同様にして、低屈折率層用コーティング剤5を得た。
(実施例1)
透明基材として、厚み70μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(東洋紡績社製 A4300)を用いた。この透明基材上に製造例1で得られた高屈折率層形成用組成物をバーコーターで塗布した後、紫外線照射機を用いて積算光量300mJ/cm2となるように紫外線照射を行い硬化させることにより、透明基材/高屈折率層からなる積層体を得た。高屈折率層の硬化後の厚みは2μm、屈折率は1.70であった。次に、高屈折率層の上に、製造例2で得られた低屈折率層用コーティング剤1をバーコーターで塗布し、得られた塗膜を90℃で3分間乾燥させ、次いで紫外線照射機を用いて積算光量300mJ/cm2となるように紫外線照射を行って塗膜を硬化させることにより、透明基材/高屈折率層/低屈折率層からなる反射防止積層体1を得た。得られた反射防止積層体1の評価を行った。評価結果を表1に示す。
透明基材として、厚み70μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(東洋紡績社製 A4300)を用いた。この透明基材上に製造例1で得られた高屈折率層形成用組成物をバーコーターで塗布した後、紫外線照射機を用いて積算光量300mJ/cm2となるように紫外線照射を行い硬化させることにより、透明基材/高屈折率層からなる積層体を得た。高屈折率層の硬化後の厚みは2μm、屈折率は1.70であった。次に、高屈折率層の上に、製造例2で得られた低屈折率層用コーティング剤1をバーコーターで塗布し、得られた塗膜を90℃で3分間乾燥させ、次いで紫外線照射機を用いて積算光量300mJ/cm2となるように紫外線照射を行って塗膜を硬化させることにより、透明基材/高屈折率層/低屈折率層からなる反射防止積層体1を得た。得られた反射防止積層体1の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
低屈折率層用コーティング剤として、低屈折率層用コーティング剤1のかわりに製造例3で得られた低屈折率層用コーティング剤2を用いた他は実施例1と同様にして、反射防止積層体2を得た。得られた反射防止積層体2について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に示す。
低屈折率層用コーティング剤として、低屈折率層用コーティング剤1のかわりに製造例3で得られた低屈折率層用コーティング剤2を用いた他は実施例1と同様にして、反射防止積層体2を得た。得られた反射防止積層体2について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
低屈折率層用コーティング剤として、低屈折率層用コーティング剤1のかわりに製造例4で得られた低屈折率層用コーティング剤3を用いた他は実施例1と同様にして、反射防止積層体3を得た。得られた反射防止積層体3について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に示す。
低屈折率層用コーティング剤として、低屈折率層用コーティング剤1のかわりに製造例4で得られた低屈折率層用コーティング剤3を用いた他は実施例1と同様にして、反射防止積層体3を得た。得られた反射防止積層体3について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、低屈折率層形成用コーティング剤1のかわりに、製造例5で得られた低屈折率層形成用コーティング剤4を用いた他は、実施例1と同様にして反射防止積層体4を得た。得られた反射防止積層体4について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、低屈折率層形成用コーティング剤1のかわりに、製造例5で得られた低屈折率層形成用コーティング剤4を用いた他は、実施例1と同様にして反射防止積層体4を得た。得られた反射防止積層体4について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、低屈折率層形成用コーティング剤1のかわりに、製造例6で得られた低屈折率層形成用コーティング剤5を用いた他は、実施例1と同様にして反射防止積層体5を得た。得られた反射防止積層体4について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、低屈折率層形成用コーティング剤1のかわりに、製造例6で得られた低屈折率層形成用コーティング剤5を用いた他は、実施例1と同様にして反射防止積層体5を得た。得られた反射防止積層体4について、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に示す。
表1から以下のことがわかる。
実施例に示すように本発明の反射防止積層体は、表面強度(耐擦傷性および鉛筆硬度)に優れているため十分な物理的強度を有するとともに耐汚染性、耐アルカリ性も優れ、かつ反射率が良好なものが得られることがわかる。これに対して、低屈折率層用のコーティング剤としてジメチルシリコーンオイルを含まないものを用いた比較例1の反射防止積層体は、表面強度(耐擦傷性、鉛筆硬度)、耐汚染性、耐アルカリ性が不十分であり、低屈折率層用のコーティング剤として中空シリカ微粒子を含まないものを用いた比較例2の反射防止フィルムでは反射率が不十分である。
実施例に示すように本発明の反射防止積層体は、表面強度(耐擦傷性および鉛筆硬度)に優れているため十分な物理的強度を有するとともに耐汚染性、耐アルカリ性も優れ、かつ反射率が良好なものが得られることがわかる。これに対して、低屈折率層用のコーティング剤としてジメチルシリコーンオイルを含まないものを用いた比較例1の反射防止積層体は、表面強度(耐擦傷性、鉛筆硬度)、耐汚染性、耐アルカリ性が不十分であり、低屈折率層用のコーティング剤として中空シリカ微粒子を含まないものを用いた比較例2の反射防止フィルムでは反射率が不十分である。
Claims (5)
- 透明基材上に低屈折率層を有する反射防止積層体であって、前記低屈折率層が、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するモノマー、ジメチルシリコーンオイル、並びに中空シリカ微粒子を含有するコーティング剤の硬化物であることを特徴とする反射防止積層体。
- 前記中空シリカ微粒子の数平均粒子径が100nm以下である請求項1記載の反射防止積層体。
- 波長430〜700nmにおける入射角5度で測定した反射率の最大値が2.5%以下である請求項1又は2に記載の反射防止積層体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止積層体を備える光学部材。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止積層体又は請求項4に記載の光学部材を備える表示装置。
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Cited By (1)
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JP2012042911A (ja) * | 2009-11-30 | 2012-03-01 | Jsr Corp | 反射防止用積層体およびその製造方法、ならびに硬化性組成物 |
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2006
- 2006-01-31 JP JP2006023541A patent/JP2007203542A/ja active Pending
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