JP2007203253A - 電気分解装置、電解水製造装置、及び電解水製造方法 - Google Patents

電気分解装置、電解水製造装置、及び電解水製造方法 Download PDF

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雅之 増田
Tetsushi Suzuki
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Abstract

【課題】所望の気体の溶存量を高めた電解水が効率よく得られる電気分解装置、電解水製造装置、及び電解水製造方法を提供する。
【解決手段】電解水製造装置1は、超純水をアノード電極3a及びカソード電極5aで電気分解させ所定の気体を飽和状態又は過飽和状態で溶解させた電解水を生成する電解槽2を備えているので、所望の気体の溶解量が多い電解水を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気分解装置、電解水製造装置、及び電解水製造方法に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の電解水製造装置が知られている。この電解水製造装置装置は、アノード室、カソード室、及び中間室を備えた三槽式の装置である。この装置では、中間室に固体電解質が充填されており、この固体電解質を通電媒体として、アノード室及びカソード室に導入した原水を電気分解することで、洗浄用等に用いられる電解水が生成される。
特開平8−127886号公報
ところで、この種の装置で生成される電解水においては、洗浄能力を強化することが要求され、このような要求に応じるためには、電解水の酸化還元電位の絶対値を向上すべく、電解水に気体を出来るだけ多く溶存させることが適切な方法の一つとして提案できる。このような要求の他にも、所望の気体の溶存量が大きい電解水には、幅広い機能及び用途が期待でき、このような電解水を効率よく得ることが求められている。
そこで、本発明は、所望の気体の溶存量を高めた電解水が効率よく得られる電気分解装置、電解水製造装置、及び電解水製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電気分解装置は、原水を導入し電気分解する電気分解装置において、原水をアノード電極及びカソード電極で電気分解させ所定の気体を飽和状態又は過飽和状態で溶解させた電解水を生成する電解水生成部を備えたことを特徴とする。
この電気分解装置の電解水生成部では、所定の気体が飽和状態又は過飽和状態で溶解させた電解水が生成される。従って、この電気分解装置では、所望の気体の溶解量が多い電解水を得ることができる。
また、電解水生成部は、所定の気体を加圧し、当該所定の気体を加圧状態で原水及び/又は電解水に溶解させる加圧手段を更に有してもよい。このような構成によれば、所定の気体を加圧状態で原水及び/又は電解水に溶解させることによって、この所定の気体を電解水に飽和状態又は過飽和状態で溶解させることができる。
また、電解水生成部は、所定の気体を電解水と一緒にアノード電極又はカソード電極の近傍を環流させる電解水循環手段を有してもよい。このような構成によれば、アノード電極又はカソード電極の近傍において、未溶解の所定の気体が環流しながら電解水に繰り返し接触し溶解する。従って、この電解水における当該所定の気体の溶解量を大きくすることができる。
また、この場合、電解水循環手段は、アノード電極が設けられたアノード室から排出されるアノード電解水を、所定の気体と一緒に加圧し再びアノード室に導入するアノード水返送ラインを有することが好ましい。このような構成によれば、アノード電解水を所定の気体と一緒にアノード室に効率的に環流させることができ、アノード電解水における所定の気体の溶解量を大きくすることができる。
また、電解水循環手段は、カソード電極が設けられたカソード室から排出されるカソード電解水を、所定の気体と一緒に加圧し再びカソード室に導入するカソード水返送ラインを有することが好ましい。このような構成によれば、カソード電解水を所定の気体と一緒にカソード室に効率的に環流させることができ、カソード電解水における所定の気体の溶解量を大きくすることができる。
本発明に係る電解水製造装置は、原水を電気分解して電解水を製造する電解水製造装置において、原水をアノード電極及びカソード電極で電気分解させ所定の気体を飽和状態又は過飽和状態で溶解させた電解水を生成する電解水生成部を備えたことを特徴とする。
この電解水製造装置の電解水生成部では、所定の気体が飽和状態又は過飽和状態で溶解させた電解水が生成される。従って、この電気分解装置では、所望の気体の溶解量が多い電解水を得ることができる。
また、電解水生成部は、所定の気体を加圧し、当該所定の気体を加圧状態で原水及び/又は電解水に溶解させる加圧手段を更に有してもよい。このような構成によれば、所定の気体を加圧状態で原水及び/又は電解水に溶解させることによって、この所定の気体を電解水に飽和状態又は過飽和状態で溶解させることができる。
また、電解水生成部は、所定の気体を電解水と一緒にアノード電極又はカソード電極の近傍を環流させる電解水循環手段を有してもよい。このような構成によれば、アノード電極又はカソード電極の近傍において、未溶解の所定の気体が環流しながら電解水に繰り返し接触し溶解する。従って、この電解水における当該所定の気体の溶解量を大きくすることができる。
また、この場合、電解水循環手段は、アノード電極が設けられたアノード室から排出されるアノード電解水を、所定の気体と一緒に加圧し再びアノード室に導入するアノード水返送ラインを有することが好ましい。このような構成によれば、アノード電解水を所定の気体と一緒にアノード室に効率的に環流させることができ、アノード電解水における所定の気体の溶解量を大きくすることができる。
また、電解水循環手段は、カソード電極が設けられたカソード室から排出されるカソード電解水を、所定の気体と一緒に加圧し再びカソード室に導入するカソード水返送ラインを有することが好ましい。このような構成によれば、カソード電解水を所定の気体と一緒にカソード室に効率的に環流させることができ、カソード電解水における所定の気体の溶解量を大きくすることができる。
本発明の電解水製造方法は、原水を電気分解して電解水を製造する電解水製造方法において、原水をアノード電極及びカソード電極で電気分解させ所定の気体を飽和状態又は過飽和状態で溶解させた電解水を生成する電解水生成工程を備えたことを特徴とする。
この電解水製造方法の電解水生成工程では、所定の気体が飽和状態又は過飽和状態で溶解させた電解水が生成される。従って、この電解水製造方法では、所望の気体の溶解量が多い電解水を得ることができる。
また、電解水生成工程では、所定の気体を加圧し、当該所定の気体を加圧状態で原水及び/又は電解水に溶解させてもよい。このような構成によれば、所定の気体を加圧状態で原水及び/又は電解水に溶解させることによって、この所定の気体を電解水に飽和状態又は過飽和状態で溶解させることができる。
また、電解水生成工程では、所定の気体を電解水と一緒にアノード電極又はカソード電極の近傍を環流させてもよい。このような構成によれば、アノード電極又はカソード電極の近傍において、未溶解の所定の気体が環流しながら電解水に繰り返し接触し溶解する。従って、この電解水における当該所定の気体の溶解量を大きくすることができる。
また、この場合、電解水生成工程では、アノード電極を収容するアノード室から排出されるアノード電解水を、所定の気体と一緒に加圧し再びアノード室に導入することが好ましい。このような構成によれば、アノード電解水を所定の気体と一緒にアノード室に効率的に環流させることができ、アノード電解水における所定の気体の溶解量を大きくすることができる。
また、電解水生成工程では、カソード電極を収容するカソード室から排出されるカソード電解水を、所定の気体と一緒に加圧し再びカソード室に導入することが好ましい。このような構成によれば、カソード電解水を所定の気体と一緒にカソード室に効率的に環流させることができ、カソード電解水における所定の気体の溶解量を大きくすることができる。
本発明の電気分解装置、電解水製造装置、及び電解水製造方法によれば、所望の気体の溶存量を高めた電解水が効率よく得られる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る電気分解装置、電解水製造装置、及び電解水製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、電解水製造装置1は、いわゆる三槽式の電解層2を備えており、ラインL1から導入された超純水を電解層2で電気分解してアノード電解水及びカソード電解水を得る装置である。
この装置1の電解層(電解水生成部)2は、アノード電極3aが設けられたアノード室3と、カソード電極5aが設けられたカソード室5と、アノード室3とカソード室5とに挟まれて設けられた中間室7と、の3室を備えている。アノード室3と中間室7とは、微細孔を有する隔壁13によって仕切られており、同様に、中間室7とカソード室5とは、微細孔を有する隔壁15によって仕切られている。この隔壁15の微細孔を通じて、アノード電極3aとカソード電極5aとが、電気的に接続される。
中間室7には、固体電解質である粒状のイオン交換樹脂17が、水と混合された状態で充填されており、このイオン交換樹脂17は、アノード電極3aとカソード電極5aとの間に電流を流すための通電媒体として機能する。このイオン交換樹脂は、アノード電極3aとカソード電極5aとの間の通電に介在するのみであり、通電中においてイオン交換樹脂自体は化学的な変化をしない。このようなイオン交換樹脂としては、例えば、フッ素樹脂母体のイオン交換樹脂が適しており、特にフッ素樹脂母体に−SO基を導入した強酸性カチオン交換樹脂を用いることが好ましい。更に具体的には、デュポン社製のNafion(登録商標)−NR50を好適に用いることが出来る。このようなイオン交換樹脂を中間室7に充填することにより、原水が電解質を含まない場合にもアノード電極3aとカソード電極5aとの間に電流が流れるので、補助電解質を添加せずに超純水の電気分解を行うことができる。
この電解槽2のアノード室3の上流側には、ラインL1から分岐したラインL3が接続されており、このラインL3からの超純水がアノード室3内に供給される。同様に、カソード室5の上流側には、ラインL1から分岐したラインL5が接続されており、このラインL5からの超純水がカソード室5内に供給される。また、アノード室3の下流側には、ラインL13が接続されており、アノード室3で生成したアノード電解水が排出される。同様に、カソード室5の下流側には、ラインL15が接続されており、カソード室5で生成したカソード電解水が排出される。
このような装置1において、ラインL3を通じて超純水がアノード室3に供給されると、アノード電極3a近傍では下式(1)及び(2)の反応が起こる。
2HO→4H+O↑+4e …(1)
3HO→6H+O↑+6e …(2)
すなわち、導入された超純水の水分子HOが、アノード電極3aに電子を付与して、水素イオンH、気体の酸素O、及び気体のオゾンOを発生させる。発生した気体の酸素O及びオゾンOの一部は水に溶解するので、ラインL13からは、水素イオンHを含み、酸素とオゾンとが溶解した水が、アノード電解水として排出される。また、アノード電解水に溶解しなかった酸素及びオゾンは、気体としてアノード電解水に含まれたままアノード室3から排出されるが、ラインL13上に設けられたガスフィルタF13を通過する際にアノード電解水から除去される。
一方、ラインL5を通じて超純水がカソード室5に供給されると、カソード電極5a近傍では下式(3)の反応が起こる。
2HO+2e→2OH+H↑ …(3)
すなわち、導入された超純水の水分子HOが、カソード電極5aから電子を受け取り、水酸化イオンOH、及び気体の水素Hを発生させる。発生した気体の水素Hの一部は水に溶解するので、ラインL15からは、水酸化イオンOHを含み、水素が溶解した水が、カソード電解水として排出される。また、カソード電解水に溶解しなかった水素は、気体としてカソード電解水に含まれたままカソード室5から排出されるが、ラインL15上に設けられたガスフィルタF15を通過する際にカソード電解水から除去される。
このような装置1により、補助電解質を添加することなく、超純水を原水とした電気分解が行われるので、清浄度が高い電解水が得られる。しかしながら、この洗浄水は、塩素イオン等を含む電解水に比較して酸化還元電位の絶対値が低いので、洗浄力が十分でない場合がある。従って、このような電解水においては、出来るだけ酸化還元電位の絶対値を向上するため、アノード電解水にはアノード室3で発生する酸素及びオゾンを、カソード電解水にはカソード室5で発生する水素を、出来るだけ多く溶解させることが好ましい。
このため、電解水製造装置1の電解槽2は、アノード室3の下流側とラインL3とを連結するアノード水返送ラインL23を備えている。このアノード水返送ラインL23上には、アノード室3及び返送ラインL23において、アノード電極3aの近傍にアノード電解水を環流させるための循環ポンプP23及び気液混合器(加圧手段)J23が設けられている。
このような構成に基づき、アノード室3からラインL23に流動するアノード電解水には、アノード電極3a近傍で発生した酸素及びオゾンが気泡の状態で含まれることになる。そして、このアノード電解水は、ラインL23上で気液混合器J23を通過する際に、酸素及びオゾンの気泡と一緒に加圧されながらラインL3に返送され、再びアノード室3に導入される。このとき、気泡の状態の酸素及びオゾンが、気液混合器J23での加圧によって、アノード電解水に強制的に溶解される。そして、溶け残った酸素及びオゾンは、この返送ラインL23を環流しながら繰り返しアノード電解水に接触し、上記の強制的な気体の溶解が繰り返し行われる。従って、アノード室3内においては、酸素及びオゾンが、アノード電解水に飽和状態又は過飽和状態で溶解することになる。そして、ラインL13からは、酸素及びオゾンが飽和状態又は過飽和状態で溶解したアノード電解水が得られる。
一方、電解水製造装置1は、カソード側においても、カソード室5の下流側とラインL5とを連結するカソード水返送ラインL25を備えている。また、このカソード水返送ラインL25上には、カソード室5及び返送ラインL25において、カソード電極5aの近傍にカソード電解水を環流させるための循環ポンプP25及び気液混合器(加圧手段)J25が設けられている。
このような構成に基づき、カソード室5からラインL25に流動するカソード電解水には、カソード電極5a近傍で発生した水素が気泡の状態で含まれることになる。そして、このカソード電解水は、ラインL25上で気液混合器J25を通過する際に、水素の気泡と一緒に加圧されながらラインL5に返送され、再びカソード室5に導入される。このとき、気泡の状態の水素が、気液混合器J25での加圧によって、カソード電解水に強制的に溶解される。そして、溶け残った水素は、この返送ラインL25を環流しながら繰り返しカソード電解水に接触し、上記の強制的な溶解が繰り返し行われる。従って、カソード室5内においては、水素が、カソード電解水に飽和状態又は過飽和状態で溶解することになる。そして、ラインL15からは、水素が飽和状態又は過飽和状態で溶解したカソード電解水が得られる。
このような電解水製造装置1において、中間室7に充填されたイオン交換樹脂17は、前述したように、それ自体は化学的に変化しないが、継続的な使用による破損等で劣化し、通電媒体としての機能が低下する場合がある。従って、この装置1では、電気分解中において、このイオン交換樹脂17を中間室7内で流動させて連続的に交換することで、常に正常なイオン交換樹脂17の粒体が電気分解に関与するようにしている。
具体的には、この装置1の中間室7には、イオン交換樹脂17を導入する導入口7aと、イオン交換樹脂17を排出する排出口7bとが設けられている。また装置1は、この排出口7bと導入口7aとを連結する樹脂循環ライン27を備えており、樹脂循環ライン27上には、イオン交換樹脂17の劣化した粒体を、粒径によって選別して除去する選別装置(除去手段)Q27が設けられている。更に、この樹脂循環ライン27上には、バルブV27が設けられている。そして、このバルブV27、ラインL13上に設けられたバルブV13、及びラインL15上に設けられたバルブV15の3つのバルブの開度が調整されることにより、中間室7内の圧力が、アノード室3の圧力及びカソード室5内の圧力よりも低くなるように設定されている。
イオン交換樹脂17は、粒体をなし、水に混合された状態で存在しているので、水と一緒に導入口7aから排出口7bに向かって容易に流動する。なお、中間室7におけるイオン交換樹脂17の流動方向は、アノード室3及びカソード室5における水の流動方向と向かい合う方向に設定されている。そして、排出口7bから排出されたイオン交換樹脂17は、ポンプP27により、水に混合された状態で樹脂循環ライン27を流動し、再び導入口7aに導入される。このとき、選別装置Q27を通過するイオン交換樹脂17の各粒体は、この選別装置Q27によって粒径で選別され、劣化した粒体が取り除かれる。
選別装置Q27は、所定幅のスリットが形成された篩プレート(図示せず)と、イオン交換樹脂17の粒体を貯留するバッファタンクとを有している(図示せず)。選別装置Q27は、篩プレート上でイオン交換樹脂17の粒体を流下させることで、スリットによる粒体の篩い分けを行い、スリット幅よりも小径のものを劣化した粒体として樹脂循環ラインL27から取り除く。取り除かれた粒体は、重力沈降等により、定期的に系外に排出される。一方、スリットよりも大径の粒体は、正常な粒体としてバッファタンクに貯留された後、再び樹脂循環ラインL27に戻される。また、全体的にイオン交換樹脂17が劣化した場合には、このバッファタンクごとイオン交換樹脂17を交換することもできる。また、篩プレートを取り外すことで、イオン交換樹脂17の粒体の全量を系外に排出することもできる。
このような構成に基づき、イオン交換樹脂17の劣化した粒体は、選別装置Q27によって樹脂循環ライン27から取り除かれるので、劣化した粒体が中間室7に導入されることが防止される。一方、イオン交換樹脂17の正常な粒体は、樹脂循環ライン27と中間室7とを循環し、繰り返し有効利用される。このような、イオン交換樹脂27の循環により、中間室7内のイオン交換樹脂17が連続的に交換され、常に正常なイオン交換樹脂17の粒体が電気分解に関与するので、効率のよい電気分解を行うことができる。また、イオン交換樹脂17のメンテナンスのために運転を停止する必要がないので、処理効率の向上を図ることができる。
また、中間室7内の圧力は、アノード室3及びカソード室5よりも低く設定されていることから、アノード室3からのHを含む水の一部や、カソード室5からのOHを含む水の一部が、隔壁13,15の細孔を通過して中間室7に流入することになる。そして、流入したこのような水は、イオン交換樹脂17と一緒に排出口7bから流れ去るので、Hがカソード室5にまで流入したり、逆にOHがアノード室3にまで流入したりすることを抑制することができる。
また、中間室7におけるイオン交換樹脂17の流動方向は、アノード室3及びカソード室5における水の流動方向と同じ方向に設定されてもよいが、ここでは、イオン交換樹脂17の流動方向が、アノード室3及びカソード室5における水の流動方向と向かい合う方向に設定されている。従って、最もイオン交換樹脂17の劣化が少ない中間室7の上流側が、アノード室3及びカソード室5における下流側に対応することになる。よって、最終製品により近いアノード室3及びカソード室5の下流側がより効率よく電気分解され、最終製品の性状の劣化を抑制することができる。
以上のように、この電解水製造装置1によれば、酸素及びオゾンが飽和状態又は過飽和状態で溶解し水素イオンHを含んだアノード電解水と、水素が飽和状態又は過飽和状態で溶解し水酸化イオンOHを含んだカソード電解水とが得られる。このように、電解水における気体の溶存量を高めることにより、酸化還元電位の絶対値を向上させ、電解水の洗浄力を向上させることができる。
また、このアノード電解水及びカソード電解水に溶存する気体は、洗浄水としての使用後には大気に放散されるので、洗浄対象物の清浄度を低下させることがない。このような性状を有する電解水は、洗浄水の不純物を嫌うエレクトロニクス分野(特に、半導体や液晶分野)における洗浄や、食品の洗浄等にも用いることができる。また、自動車塗装の前処理において使用する等、機械加工分野における有機溶媒の代替品とすることにより、環境負荷の低減を図ることができる。また、食品分野において、高濃度抽出水として利用することも可能である。このように、電解水製造装置1で得られる電解水は、幅広い用途に利用することができる。
(第2実施形態)
図2に示すように、電解水製造装置51は、上記装置1における返送ラインL23,L25に代えて、ガス供給部K26と、このガス供給部K26とラインL5とを連結するガス供給ラインL26を備えている。ガス供給部K26及びガス供給ラインL26は、所望の気体を加圧しながらラインL5に供給する機能を有しており、例えば、散気装置をガス供給部K26として用いることができる。
例えば、ガス供給部K26及びガス供給ラインL26が、窒素を加圧しながらラインL5に供給するとすれば、ラインL5を流動する超純水には、窒素が加圧状態で接触し溶解する。従って、ラインL15からは、窒素が飽和状態又は過飽和状態で溶解したカソード電解水が得られることになる。このように、カソード電極5aで発生する気体以外の気体を溶解させることにより、カソード電解水に新たな機能を付与することができる。例えば、窒素が飽和状態又は過飽和状態で溶存するカソード電解水は、酸素を嫌う対象物の洗浄に用いることができる。
なお、この電解水製造装置51において、上述した電解水製造装置1と同一又は同等な構成については、図面に同一符号を付し、その説明は省略する。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、装置1におけるアノード電解水返送ラインL23、及びカソード電解水返送ラインL23は、何れか一方のみ設けられてもよい。また、装置51におけるガス供給部K26及びガス供給ラインL26と同等のものをアノード側のラインL3に対応して設けてもよい。また、これらの、電解水返送ラインとガス供給ラインとは、例えばエジェクタ等の気液混合器により、適宜組み合わせて設けられてもよい。
本発明に係る電気分解装置の第1の実施形態を示す図である。 本発明に係る電気分解装置の第2の実施形態を示す図である。
符号の説明
1…電解水製造装置(電気分解装置)、2…電解槽(電解水生成部)、3…アノード室、3a…アノード電極、5…カソード室、5a…カソード電極、L23…アノード水返送ライン、L25…カソード水返送ライン、J23,J25…気液混合器(加圧手段)。

Claims (15)

  1. 原水を導入し電気分解する電気分解装置において、
    前記原水をアノード電極及びカソード電極で電気分解させ所定の気体を飽和状態又は過飽和状態で溶解させた電解水を生成する電解水生成部を備えたことを特徴とする電気分解装置。
  2. 前記電解水生成部は、
    前記所定の気体を加圧し、当該所定の気体を加圧状態で前記原水及び/又は前記電解水に溶解させる加圧手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の電気分解装置。
  3. 前記電解水生成部は、
    前記所定の気体を前記電解水と一緒に前記アノード電極又は前記カソード電極の近傍を環流させる電解水循環手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気分解装置。
  4. 前記電解水循環手段は、
    前記アノード電極が設けられたアノード室から排出されるアノード電解水を、前記所定の気体と一緒に加圧し再び前記アノード室に導入するアノード水返送ラインを有することを特徴とする請求項3に記載の電気分解装置。
  5. 前記電解水循環手段は、
    前記カソード電極が設けられたカソード室から排出されるカソード電解水を、前記所定の気体と一緒に加圧し再び前記カソード室に導入するカソード水返送ラインを有することを特徴とする請求項3又は4に記載の電気分解装置。
  6. 原水を電気分解して電解水を製造する電解水製造装置において、
    前記原水をアノード電極及びカソード電極で電気分解させ所定の気体を飽和状態又は過飽和状態で溶解させた電解水を生成する電解水生成部を備えたことを特徴とする電解水製造装置。
  7. 前記電解水生成部は、
    前記所定の気体を加圧し、当該所定の気体を加圧状態で前記原水及び/又は前記電解水に溶解させる加圧手段を更に有することを特徴とする請求項6に記載の電解水製造装置。
  8. 前記電解水生成部は、
    前記所定の気体を前記電解水と一緒に前記アノード電極又は前記カソード電極の近傍を環流させる電解水循環手段を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の電解水製造装置。
  9. 前記電解水循環手段は、
    前記アノード電極が設けられたアノード室から排出されるアノード電解水を、前記所定の気体と一緒に加圧し再び前記アノード室に導入するアノード水返送ラインを有することを特徴とする請求項8に記載の電解水製造装置。
  10. 前記電解水循環手段は、
    前記カソード電極が設けられたカソード室から排出されるカソード電解水を、前記所定の気体と一緒に加圧し再び前記カソード室に導入するカソード水返送ラインを有することを特徴とする請求項8又は9に記載の電解水製造装置。
  11. 原水を電気分解して電解水を製造する電解水製造方法において、
    前記原水をアノード電極及びカソード電極で電気分解させ所定の気体を飽和状態又は過飽和状態で溶解させた電解水を生成する電解水生成工程を備えたことを特徴とする電解水製造方法。
  12. 前記電解水生成工程では、
    前記所定の気体を加圧し、当該所定の気体を加圧状態で前記原水及び/又は前記電解水に溶解させることを特徴とする請求項11に記載の電解水製造方法。
  13. 前記電解水生成工程では、
    前記所定の気体を前記電解水と一緒に前記アノード電極又は前記カソード電極の近傍を環流させることを特徴とする請求項11又は12に記載の電解水製造方法。
  14. 前記電解水生成工程では、
    前記アノード電極を収容するアノード室から排出されるアノード電解水を、前記所定の気体と一緒に加圧し再び前記アノード室に導入することを特徴とする請求項13に記載の電解水製造方法。
  15. 前記電解水生成工程では、
    前記カソード電極を収容するカソード室から排出されるカソード電解水を、前記所定の気体と一緒に加圧し再び前記カソード室に導入することを特徴とする請求項13又は14に記載の電解水製造方法。
JP2006027407A 2006-02-03 2006-02-03 電気分解装置、電解水製造装置、及び電解水製造方法 Withdrawn JP2007203253A (ja)

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