JP2007203162A - 繊維塊状水処理材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚水等の浄化処理を高効率で行うことができ、且つ耐久性に優れた繊維塊状水処理材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】高融点短繊維と低融点短繊維と該低融点短繊維の融点温度より高温であって前記高融点短繊維よりも低温の加熱処理により捲縮性を発現する三次元スパイラル繊維とを混成した繊維束を前記低融点短繊維の融点温度による加熱処理を行い切断して形成した繊維塊を、前記捲縮性三次元スパイラル繊維に捲縮を発現させるべく加熱処理して、繊維塊状水処理材を形成する。
【選択図】図7

Description

本発明は、濾過装置等に使用される繊維塊状水処理材及びその製造方法に関する。特に、例えば観賞魚用水槽等の濾過装置等に使用され、汚水等の液体中に混入した異物や浮遊物を除去するとともに、汚水中に含まれる有機性成分等を分解する微生物を付着させて、汚水等に含まれる不純物等を物理的及び生物学的に処理することにより、効率的に水質浄化を行うことができる繊維塊状水処理材及びその製造方法に関する。
一般に、粒状(繊維塊状を含む)の水処理材では、水処理材の間を汚水が通ることにより、水処理材に付着した微生物によって、汚水中の有機成分や窒素成分を分解除去する生物濾過と、水処理材の間を汚水が通る際に濾過材の間に汚泥等のゴミを付着する物理濾過により、汚水等を浄化している。このような水処理材としては、従来、例えば図11に示すようなものが存在する(特許文献1参照)。
特開平10−180278号公報(第2頁、図1)。
前記従来の水処理材は、融点の異なる2種以上の熱融着性複合繊維で繊維束を形成し、その嵩密度を0.03〜0.3グラム/ミリリットルに構成したものであり、かかる水処理材は前記熱融着性複合繊維で形成した繊維束に熱風を吹き付けると共に、成形口金に導入して所定の断面形状に成形し、これを径方向に切断してチップ状に製造される。
しかしながら、前記従来の水処理材は、熱風を吹き付けて成形した後に、繊維束を径方向に切断して形成されるために、その切断面外縁の角部13は略90°の角度を有して形成されることになるが、かかる角部13の繊維が水処理材相互の衝突や汚水中の不純物との接触等によって脱落し易い難点があり、耐久性に欠けるという問題点を有していた。
また、前記従来の水処理材は微生物の付着面積を確保するため、円形の他にテトラ形、十字形、星形等の断面形状に形成しているが、その外周面は滑らかな曲面状に形成されるという点において、さらに水処理材の表面積を増大させる何らかの手段を工夫する余地を有していたのである。
一方、この種の水処理材による浄化処理は、図12に示すように多数の水処理材を処理槽に投入して行われるのであるが、単に繊維束を切断したチップ状からなる前記従来の水処理材にあっては、前記物理濾過により汚水等を浄化する場合において、各水処理材間に形成される間隙が汚水中等の不純物によって容易に閉塞されて目詰まりを起こし、浄化効率が低下するという問題があり、これを解消すべく前記不純物の除去を頻繁に行う必要が生じる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、汚水等の浄化処理を高効率で行うことができ、且つ耐久性に優れた繊維塊状水処理材及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の繊維塊状水処理材は、高融点短繊維と低融点短繊維と該低融点短繊維の融点温度より高温であって前記高融点短繊維よりも低温の加熱処理により捲縮性を発現する三次元スパイラル繊維とを混成した繊維束を前記低融点短繊維の融点温度による加熱処理を行い切断して形成した繊維塊を、前記捲縮性三次元スパイラル繊維に捲縮を発現させるべく加熱処理して形成してなることを特徴とする。
請求項1記載の繊維塊状水処理材にあっては、繊維束の切断後に加熱して三次元スパイラル繊維に捲縮を発現させて繊維塊状水処理材を形成するので、該三次元スパイラル繊維の捲縮によって繊維束の切断面には角部がなくなると共に、全体的にも凹凸部を有する形状となる。
請求項2に記載の水処理材は、請求項1記載の繊維塊状水処理材において、前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維が、夫々融点温度の異なるポリエステル系繊維からなることを特徴とする。
請求項2記載の繊維塊状水処理材にあっては、前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維を、ポリエステル系繊維から形成しているので、前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維の各融点温度に差異を設けやすく、加工性がよく、製造が容易となる。
請求項3に記載の繊維塊状水処理材は、請求項1記載の繊維塊状水処理材において、前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維が、夫々融点温度の異なるポリオレフィン系繊維からなることを特徴とする。
請求項3記載の繊維塊状水処理材にあっては、前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維を、ポリオフィン系繊維から形成しているので、比重が0,91〜0,94程度と水に浮くため、処理槽に浮かべて使用する水処理方法に好適なものとなると共に、耐薬品性にも優れたものとなる。
請求項4に記載の繊維塊状水処理材は、請求項3記載の繊維塊状水処理材において、前記高融点短繊維はポリプロピレン繊維から形成され、前記低融点短繊維は芯部にポリプロピレン繊維を配し鞘部にポリエチレン繊維を配する芯鞘構造にて形成されると共に、前記捲縮性三次元スパイラル繊維は芯部にポリプロピレン繊維を配し鞘部にポリエチレン繊維を配する芯鞘構造にて形成されてなることを特徴とする。
請求項4記載の繊維塊状水処理材にあっては、前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維を、ポリオフィン系繊維から形成しているので、比重が0,91〜0,94程度と水に浮くため、処理槽に浮かべて使用する水処理方法に好適なものとなると共に、耐薬品性にも優れたものとなる。
請求項5に記載の繊維塊状水処理材は、請求項3記載の繊維塊状水処理材において、前記高融点短繊維はポリプロピレン繊維から形成し芯部に配し、前記低融点短繊維はポリエチレン繊維から形成し鞘部に配する芯鞘構造として形成すると共に、前記捲縮性三次元スパイラル繊維は芯部にポリプロピレン繊維を配し鞘部にポリエチレン繊維を配する芯鞘構造にて形成されてなることを特徴とする。
請求項5記載の繊維塊状水処理材にあっては、前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維を、ポリオフィン系繊維から形成しているので、比重が0,91〜0,94程度と水に浮くため、処理槽に浮かべて使用する水処理方法に好適なものとなると共に、耐薬品性にも優れたものとなる。
請求項6に記載の繊維塊状水処理材は、請求項1乃至5記載の繊維塊状水処理材において、前記繊維塊の前記捲縮方向に向けて棒状突起体が突設されてなることを特徴とする。
請求項6記載の繊維塊状水処理材あっては、棒状突起体が突設されてなるために、多数の水処理材を処理槽等に投入しても棒状体により相互間に必要且つ十分な通水路が形成されて、該通水路を被処理水が適切に通過して浄化処理がなされる。
請求項7に記載の繊維塊状水処理材は、請求項6記載の繊維塊状水処理材において、前記棒状突起体は炭素繊維束から形成されてなることを特徴とする。
請求項7記載の繊維塊状水処理材においては、前記棒状体が炭素繊維からなるために、炭素繊維が有する微生物が付着し易いという性質により、該棒状体に微生物が好適に付着することになる。
請求項8に記載の繊維塊状水処理材の製造方法は、高融点短繊維と低融点短繊維と該低融点短繊維の融点温度より高温であって前記高融点短繊維よりも低温の加熱処理により捲縮性を発現する三次元スパイラル繊維とを混成して繊維束を形成し、該繊維束を前記低融点短繊維の融点温度による加熱処理し、その後前記繊維束を所望の長さに切断して繊維塊を形成し、該繊維塊を前記捲縮性三次元スパイラル繊維に捲縮を発現させる温度にて加熱処理することにより繊維塊状水処理材を製造することを特徴とする。
請求項8記載の繊維塊状水処理材の製造方法にあっては、先ず繊維束を加熱すると、低融点短繊維が溶融して高融点短繊維及び三次元スパイラル繊維とが一体化した繊維束となり、これを所定の長さに切断した後に再加熱すると前記三次元スパイラル繊維が捲縮し、その影響を受けて繊維束全体が収縮することとなって、繊維束の切断面における角部は消失してなくなると共に、全体的にも凹凸部を有する形状の水処理材が得られる。
請求項9に記載の繊維塊状処理材の製造方法は、高融点短繊維と低融点短繊維と該低融点短繊維の融点温度より高温であって前記高融点短繊維よりも低温の加熱処理により捲縮性を発現する三次元スパイラル繊維とを混成した繊維束の径方向における略中央部に炭素繊維束を配置し、該繊維束を前記低融点短繊維の融点温度による加熱処理し、その後前記繊維束を所望の長さに切断して繊維塊を形成し、該繊維塊を前記捲縮性三次元スパイラル繊維に捲縮を発現させる温度にて加熱処理することにより繊維塊状水処理材を製造することを特徴とする。
請求項9記載の繊維塊状水処理材の製造方法にあっては、先ず繊維束を加熱すると、低融点短繊維が溶融して高融点短繊維、三次元スパイラル繊維及び棒状体とが一体化した繊維束となり、これを所定の長さに切断した後に再加熱すると前記三次元スパイラル繊維が捲縮し、その影響を受けて水処理材全体が収縮することとなって、繊維束の切断面における角部は消失してなくなると共に、全体的にも凹凸部を有する形状の水処理材が得られる一方、前記加熱及び捲縮作用の影響を受けない棒状体は水処理材から突出した状態となる。
請求項1に記載の繊維塊状水処理材によれば、高融点短繊維と低融点短繊維と該低融点短繊維の融点温度より高温であって前記高融点短繊維よりも低温の加熱処理により捲縮性を発現する三次元スパイラル繊維とを混成した繊維束を前記低融点短繊維の融点温度による加熱処理を行い切断して形成した繊維塊を、前記捲縮性三次元スパイラル繊維に捲縮を発現させるべく加熱処理して形成しているので、該三次元スパイラル繊維の捲縮によって繊維束の切断面には角部がなくなると共に、全体的にも凹凸部を有する形状となり、かかる角部を構成する繊維が水処理材相互の接触や汚水中の不純物との接触等により脱落するという従来のものが有していた不都合を解消できると共に、凹凸部の形成による表面積の増大によって、微生物の付着面積を十分に確保できるので、水浄化効率を大幅に向上せしめることができる。
請求項2に記載の繊維塊状水処理材によれば、請求項1記載の繊維塊状水処理材において、前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維が、夫々融点温度の異なるポリエステル系繊維から形成されているので、前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維の各融点温度に差異を設けやすく、加工性がよく、製造が容易となる。
請求項3に記載の繊維塊状水処理材においては、請求項1記載の繊維塊状水処理材において、前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維が、夫々融点温度の異なるポリオレフィン系繊維から形成されているので、比重が0,91〜0,94程度と水に浮くため、処理槽に浮かべて使用する水処理方法に好適なものとなると共に、耐薬品性にも優れたものとなる。
請求項4に記載の繊維塊状水処理材によれば、請求項3記載の繊維塊状水処理材において、前記高融点短繊維はポリプロピレン繊維から形成され、前記低融点短繊維は芯部にポリプロピレン繊維を配し鞘部にポリエチレン繊維を配する芯鞘構造にて形成されると共に、前記捲縮性三次元スパイラル繊維は芯部にポリプロピレン繊維を配し鞘部にポリエチレン繊維を配する芯鞘構造にて形成されているので、比重が0,91〜0,94程度と水に浮くため、処理槽に浮かべて使用する水処理方法に好適なものとなると共に、耐薬品性にも優れたものとなる。
請求項5に記載の繊維塊状水処理材によれば、請求項3記載の繊維塊状水処理材において、前記高融点短繊維はポリプロピレン繊維から形成し芯部に配し、前記低融点短繊維はポリエチレン繊維から形成し鞘部に配する芯鞘構造として形成すると共に、前記捲縮性三次元スパイラル繊維は芯部にポリプロピレン繊維を配し鞘部にポリエチレン繊維を配する芯鞘構造にて形成されているので、比重が0,91〜0,94程度と水に浮くため、処理槽に浮かべて使用する水処理方法に好適なものとなると共に、耐薬品性にも優れたものとなる。
請求項6に記載の繊維塊状水処理材によれば、請求項1乃至5記載の繊維塊状水処理材において、前記繊維塊の前記捲縮方向に向けて棒状突起体が突設されているので、多数の水処理材を処理槽等に投入しても棒状体により相互間に必要且つ十分な通水路が形成されて、該通水路を被処理水が適切に通過して浄化処理がなされる。
請求項7に記載の繊維塊状水処理材によれば、請求項6記載の繊維塊状水処理材において、前記棒状突起体は炭素繊維束から形成されているので、炭素繊維が有する微生物が付着し易いという性質により、該棒状体に微生物が好適に付着することになる。
請求項8に記載の繊維塊状水処理材の製造方法によれば、高融点短繊維と低融点短繊維と該低融点短繊維の融点温度より高温であって前記高融点短繊維よりも低温の加熱処理により捲縮性を発現する三次元スパイラル繊維とを混成して繊維束を形成し、該繊維束を前記低融点短繊維の融点温度による加熱処理し、その後前記繊維束を所望の長さに切断して繊維塊を形成し、該繊維塊を前記捲縮性三次元スパイラル繊維に捲縮を発現させる温度にて加熱処理することにより繊維塊状水処理材を製造するので、先ず繊維束を加熱すると、低融点短繊維が溶融して高融点短繊維及び三次元スパイラル繊維とが一体化した繊維束となり、これを所定の長さに切断した後に再加熱すると前記三次元スパイラル繊維が捲縮し、その影響を受けて繊維束全体が収縮することとなって、繊維束の切断面における角部は消失してなくなると共に、全体的にも凹凸部を有する形状の水処理材が得られる。
請求項9に記載の繊維塊状水処理材の製造方法によれば、高融点短繊維と低融点短繊維と該低融点短繊維の融点温度より高温であって前記高融点短繊維よりも低温の加熱処理により捲縮性を発現する三次元スパイラル繊維とを混成した繊維束の径方向における略中央部に炭素繊維束を配置し、該繊維束を前記低融点短繊維の融点温度による加熱処理し、その後前記繊維束を所望の長さに切断して繊維塊を形成し、該繊維塊を前記捲縮性三次元スパイラル繊維に捲縮を発現させる温度にて加熱処理することにより繊維塊状水処理材を製造するので、先ず繊維束を加熱すると、低融点短繊維が溶融して高融点短繊維、三次元スパイラル繊維及び棒状体とが一体化した繊維束となり、これを所定の長さに切断した後に再加熱すると前記三次元スパイラル繊維が捲縮し、その影響を受けて水処理材全体が収縮することとなって、繊維束の切断面における角部は消失してなくなると共に、全体的にも凹凸部を有する形状の水処理材が得られる一方、前記加熱及び捲縮作用の影響を受けない棒状体は繊維塊状水処理材から突出した状態となる。
本発明に係る繊維塊状水処理材の製造方法を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1乃至図6は、本発明に係る繊維塊状水処理材の製造工程を示す図であり、図7は、図1乃至図6の製造工程により形成された繊維塊状水処理材の斜視図である。
図1は、混綿工程を示す正面図であり、図中1はカード機である。該カード機1は、数種類のタフト状(綿状)の綿塊を混合して、数種類の綿塊が均整に混綿されたスライバー2を形成する。本実施の形態においては、前記カード機1に、高融点短繊維Aと、低融点短繊維Bと、該低融点短繊維Bの融点温度より高温であって前記高融点短繊維Aよりも低温の加熱処理により捲縮性を発現する三次元スパイラル繊維Cとを投入して混綿し、前記スライバー2を形成するのである。
前記スライバー2は、具体的には、高融点短繊維Aとしてポリエステル繊維、低融点短繊維Bとして低融点ポリエステル繊維、三次元スパイラル繊維Cとして三次元スパイラルポリエステル繊維にて構成している。このように、ポリエステル繊維を使用すると、融点温度に差異を設けるのが容易となり、加工性が良好となる。そして、前記低融点ポリエステル繊維と三次元スパイラルポリエステル繊維との融点温度の差を20°C〜30°C程度に設定しておくと、後述の熱融着工程および捲縮工程での温度管理が容易となる。具体的には、前記低融点ポリエステル繊維Bは約110°Cで溶融するように設定し、前記三次元スパイラル繊維Cとしての三次元スパイラルポリエステル繊維Cは約130°Cで捲縮を発現するように設定しておくとよい。
前記スライバー2は、ポリオレフィン系繊維で形成してもよい。この場合、例えば、前記高融点短繊維Aとしてポリプロピレンのレギュラー繊維、低融点短繊維Bとして結晶性ポリプロピレンを芯部に配し、熱融着性ポリエチレンを鞘部に配した芯鞘構造からなる熱融着複合繊維、三次元スパイラル繊維Cとして結晶性ポリプロピレンを芯部に配し、熱融着性ポリエチレンを鞘部に配した芯鞘構造からなる三次元スパイラル繊維としてもよい。
前記の各場合は、前記各素材A,B,Cの混合比率は、A素材が30重量%、B素材が30重量%、C素材が40重量%となるように設定している。前記混合比率は、所望の範囲において変えてもよい。前記混合比率を変えることにより、繊維塊状水処理材の大きさ、固さ等の調整が可能となる。例えば、繊維塊状水処理材を大きく且つ柔らかく形成するには、混合比率を前記したポリエステル繊維Aが30重量%、低融点ポリエステル繊維Bが30重量%、三次元スパイラルポリエステル繊維Cが40重量%となるように設定すればよい。また、これとは逆に、繊維塊状水処理材を、小さく、固く形成するには、ポリエステル繊維Aを少なくし、低融点ポリエステル繊維Bを多く配分すればよい。
また、前記スライバー2は、前記高融点短繊維Aとしてポリプロピレンを芯部に配し、低融点短繊維Bとしてポリエチレンを鞘部に配した芯鞘構造とし、三次元スパイラル繊維Cとしてポリプロピレンを芯部に配し、ポリエチレンを鞘部に配した芯鞘構造からなる三次元スパイラル繊維にて構成してもよい。
この場合の素材の混合比率は、例えば、素材A及びBからなる複合繊維を60重量%乃至80重量%とし、素材Cの複合繊維を40重量%乃至20重量%とすれば良い。この場合においても、繊維塊状水処理材を大きく且つ柔らかく形成するには、素材A及びBの配分を多くすればよく、また、繊維塊状水処理材を、小さく、固く形成するには、素材Cの配分を多くすればよい。
図2は、低融点短繊維Bの熱融着工程を示す斜視図であり、図3は熱融着工程におけるパイプヒーターの断面図である。図2及び図3において、3はパイプヒーターであり、該パイプヒーター3の内部を貫通するパイプ6の外周には、熱線7が螺旋状に配置されている。前記パイプヒーター3内に、前記スライバー2を導入して繊維束4を成形する。その際、前記繊維束4の略中央部に炭素繊維からなる棒状体5が配置されるように該棒状体5を前記スライバー2に挿通した状態で前記パイプヒータ3内のパイプ6に導入する。このとき、前記パイプヒータ3内の温度を約110°C乃至130°Cに設定するが、この加熱温度は前記各繊維の混合比率等を考慮して適宜変更されるものである。
図4(a)は熱融着工程において形成された繊維束の斜視図であり、図4(b)は繊維束の切断工程を示す斜視図である。前記スライバー2に、以上のような熱処理を施し、前記低融点短繊維Bを溶融して、周囲の前記高融点短繊維Aおよび三次元スパイラル繊維Cと融着させて長手状の繊維束4を形成する。そして、その後、図4(b)に示すように前記繊維束4をカッター等により所定の長さの繊維束片8に切断する。この状態における繊維束片8の切断面8aは略直角の角部8bを有している。
図5は切断工程により形成された繊維塊の加熱処理による捲縮工程を示す断面図であり、図中9は、熱風加熱装置であり、10は熱風加熱装置内に備え付けた回転ドラムである。前記工程で形成した多数の前記繊維束片8を、図5に示すように、前記回転ドラム10内に投入し、温度約190°C乃至250°C程度の熱風を当てて処理すると、前記三次元スパイラル繊維Cが捲縮し、それにより、前記繊維束片8が長手方向に収縮する。
図6(a)は、捲縮工程前の繊維塊を示す一部端面図であり、図6(b)捲縮工程後の繊維塊を示す一部端面図である。また、図7は、以上の工程を経て製造された本発明に係る繊維塊状水処理材の斜視図である。前記捲宿工程を経て、図6(a)から図6(b)のように前記繊維束片8のみが収縮することになる。そして、これにより図6(b)及び図7のように前記角部8bは消失して曲面状になると共に、外周面に凹凸部12を有する形状となる。一方、前記棒状体5は三次元スパイラル繊維Cの捲縮の影響を受けずに、その両端部が前記切断面8aから突出した繊維塊状水処理材Aを製造することができる。
以上のように製造された繊維塊状水処理材Aは、例えば、図8の使用状態を示す模式図に示すように浄化槽等(図示せず)に多数投入して使用されるのであるが、前記三次元スパイラル繊維Cの捲縮により前記切断面8aには角部8bは消失して略曲面形状となるために、かかる角部8bを構成する繊維が繊維塊状水処理材A相互の接触や汚水中の不純物との接触等により脱落するという従来のものが有していた不都合を解消することができ、よって繊維塊状水処理材Aそのものの耐久性が向上して運用コスト低減に資することとなる。
また、前記三次元スパイラル繊維Cの捲縮により水処理材は全体的にも表面に凹凸部12を有する形状となるために、その表面積が増大することとなって、微生物の付着面積を十分に確保できるので、水浄化効率を大幅に向上することができる。
さらに、前記棒状体5が突設されてなるために、図8のように多数の繊維塊状水処理材Aが浄化槽等に投入されても、前記棒状体5により前記繊維塊状水処理材A相互間に必要且つ十分な通水路が確保されることとなり、適切な濾過浄化機能及び通水性を維持することができる。従って、前記繊維塊状水処理材Aの交換頻度も低減されて、メンテナンスも容易となる。
しかも、前記棒状体5は炭素繊維からなるために、該炭素繊維が有する微生物が付着し易いという性質により、前記棒状体5に微生物が好適に付着することになって、これにより前記繊維塊状水処理材Aの浄水処理能力を向上することができる。なお、前記棒状体5は必ずしも炭素繊維で構成する必要はなく、他の素材で構成されたものを使用してもよい。
なお、前記棒状体5は必ずしも炭素繊維で構成する必要はなく、他の素材で構成されたものを使用してもよい他、前記棒状体5は図9及び図10に示すように省略することも可能である。この場合は、図9(a)に示す繊維束片80が再加熱により同図(b)のように収縮して前記繊維塊状水処理材Bが製造されることになる。
また、前記前記繊維塊状水処理材A又はBを構成する高融点短繊維A、低融点短繊維B及び三次元スパイラル繊維Cも前記実施の形態の限定されるものでなく、その他の繊維を使用しても構わず、その繊維の融点温度に沿って加熱温度を設定すればよい。
本発明に係る水処理材の混綿工程を示す正面図である。 低融点短繊維の熱融着工程を示す斜視図である。 熱融着工程におけるパイプヒーターの断面図である。 (a)は熱融着工程において形成された繊維束の斜視図であり、(b)は繊維束の切断工程を示す斜視図である。 切断工程により形成された繊維塊の加熱処理による捲縮工程を示す断面図である。 (a)は、捲縮工程前の繊維塊を示す一部端面図であり、図6(b)捲縮工程後の繊維塊を示す一部端面図である。 本発明に係る繊維塊状水処理材の斜視図である。 使用状態を示す模式図である。 他の実施の形態の繊維塊状水処理材の斜視図である。 a)は、捲縮工程前の繊維塊を示す側面図であり、図6(b)捲縮工程後の繊維塊を示す側面図である。 特許文献1の水処理材を示す断面図である。 同使用状態を示す模式図である。
符号の説明
5 棒状体
A 繊維塊状水処理材

Claims (9)

  1. 高融点短繊維と低融点短繊維と該低融点短繊維の融点温度より高温であって前記高融点短繊維よりも低温の加熱処理により捲縮性を発現する三次元スパイラル繊維とを混成した繊維束を前記低融点短繊維の融点温度による加熱処理を行い切断して形成した繊維塊を、前記捲縮性三次元スパイラル繊維に捲縮を発現させるべく加熱処理して形成してなることを特徴とする繊維塊状水処理材。
  2. 前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維が、夫々融点温度の異なるポリエステル系繊維からなる請求項1記載の繊維塊状水処理材。
  3. 前記高融点短繊維、低融点短繊維及び捲縮性三次元スパイラル繊維が、夫々融点温度の異なるポリオレフィン系繊維からなる請求項1記載の繊維塊状水処理材。
  4. 前記高融点短繊維はポリプロピレン繊維から形成され、前記低融点短繊維は芯部にポリプロピレン繊維を配し鞘部にポリエチレン繊維を配する芯鞘構造にて形成されると共に、前記捲縮性三次元スパイラル繊維は芯部にポリプロピレン繊維を配し鞘部にポリエチレン繊維を配する芯鞘構造にて形成されてなることを特徴とする請求項3記載の繊維塊状水処理材。
  5. 前記高融点短繊維はポリプロピレン繊維から形成し芯部に配し、前記低融点短繊維はポリエチレン繊維から形成し鞘部に配する芯鞘構造として形成すると共に、前記捲縮性三次元スパイラル繊維は芯部にポリプロピレン繊維を配し鞘部にポリエチレン繊維を配する芯鞘構造にて形成されてなることを特徴とする請求項3記載の繊維塊状水処理材。
  6. 請求項1乃至5記載の繊維塊状水処理材において、前記繊維塊の前記捲縮方向に向けて棒状突起体が突設されてなることを特徴とする繊維塊状水処理材。
  7. 前記棒状突起体は炭素繊維束から形成されてなることを特徴とする請求項6記載の繊維塊状水処理材。
  8. 高融点短繊維と低融点短繊維と該低融点短繊維の融点温度より高温であって前記高融点短繊維よりも低温の加熱処理により捲縮性を発現する三次元スパイラル繊維とを混成して繊維束を形成し、該繊維束を前記低融点短繊維の融点温度による加熱処理し、その後前記繊維束を所望の長さに切断して繊維塊を形成し、該繊維塊を前記捲縮性三次元スパイラル繊維に捲縮を発現させる温度にて加熱処理することにより繊維塊状水処理材を製造することを特徴とする繊維塊状水処理材の製造方法。
  9. 高融点短繊維と低融点短繊維と該低融点短繊維の融点温度より高温であって前記高融点短繊維よりも低温の加熱処理により捲縮性を発現する三次元スパイラル繊維とを混成した繊維束の径方向における略中央部に炭素繊維束を配置し、該繊維束を前記低融点短繊維の融点温度による加熱処理し、その後前記繊維束を所望の長さに切断して繊維塊を形成し、該繊維塊を前記捲縮性三次元スパイラル繊維に捲縮を発現させる温度にて加熱処理することにより繊維塊状水処理材を製造することを特徴とする繊維塊状水処理材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012030196A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Institute Of National Colleges Of Technology Japan 生物膜形成方法および生物膜形成材
JP2014188477A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Daiki Ataka Engineering Co Ltd 生物接触ろ過材、生物接触ろ過装置および生物接触ろ過材の製造方法

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