JP6090991B2 - 生物接触ろ過材、生物接触ろ過装置および生物接触ろ過材の製造方法 - Google Patents

生物接触ろ過材、生物接触ろ過装置および生物接触ろ過材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、浄水処理システムにおいて使用される生物接触ろ過材、生物接触ろ過装置および生物接触ろ過材の製造方法に関し、より詳しくは、微生物を付着増殖させたろ過材に原水を接触させることにより水中のアンモニア態窒素や溶解性鉄、マンガン、濁度などを除去する生物接触ろ過材、この生物接触ろ過材を備えた生物接触ろ過装置およびこの生物接触ろ過材を製造する方法に関する。
近年、水道原水の水質悪化に伴い高度浄水処理の導入を検討する水道事業体が多くなっている。アンモニア態窒素が水中に存在すると浄水処理の消毒プロセスにおいて塩素剤の消費量が著しく増大するため、薬材使用量削減を目的として生物処理が導入される。高度浄水処理のひとつである生物処理は、担体の表面に微生物が付着して形成される生物膜と原水を接触させることで、生物酸化を利用して原水中のアンモニア態窒素や鉄、マンガン、臭気を除去する。生物膜にはアンモニア態窒素を硝酸態窒素に硝化させる硝化菌や、溶解性の鉄、マンガンを酸化させる鉄酸化細菌が増殖する。生物処理としては浸漬ろ床方式、回転円板方式、生物接触ろ過方式が挙げられるが、生物接触ろ過方式は装置の設置面積を最も小さくできるというメリットがある。
生物接触ろ過方式は、生物を保持するためのろ過材に原水を直接流下させ処理を行なうものであり、短時間の処理で優れた原水水質改善効果が得られる。従来はろ過材としてアンスラサイトや珪砂が使用されてきたが、ろ過通水速度を大きくできる生物接触ろ過材として、図8に示すようなポリエステル製球状繊維ろ過材(20)が実用化されている(非特許文献1、特許文献1など)。
藤川ら(2008)鉄バクテリア活用の水処理技術.用水と廃水.P.277-287
特開平5−317889号公報
実用化されているポリエステル製球状繊維ろ過材は、ろ過材を構成する繊維間の空隙が大きいため、従来のアンスラサイトなどの生物接触ろ過材よりもろ過抵抗が小さく、ろ過速度を上げることが可能である。しかし、ろ過材の空隙が大きすぎる、すなわち、ろ層を構成する糸の量が少なすぎたので、安定した濁質除去性能を得るためにはアンスラサイト等よりも高いろ過材層高を必要としていた。珪砂やアンスラサイトの場合は600mmから1000mmのろ過材層高であったが、ポリエステル製球状繊維ろ過材を充填した生物接触ろ過装置のろ過材層高は2000mmが必要であった。また、ポリエステル製球状繊維ろ過材は原料化学繊維を熱融着していなかったので、ろ層の洗浄時に繊維ろ過材から短繊維が外れてろ過材が損耗するという欠点もあったことから、ろ過材層高を低くでき、かつろ過精度が高く、耐久性のある繊維ろ過材が必要とされてきた。
本発明者らは鋭意検討し、化学繊維を原料とした生物接触ろ過材において、原料化学繊維の捲縮構造が製品ろ過材の空隙率に大きく関与していることを解明し、さらにろ過材単位体積当たりの重量と原料化学繊維の側面積が生物処理に関わる生物保持のために重要な要素であることを究明した。
本発明にかかる生物接触ろ過材は、化学繊維を原料として製造した生物接触ろ過材であって、処理を施すことにより捲縮を発現する化学繊維と、熱融着性の化学繊維とを含有した原料化学繊維が融着した不織布を備え、該不織布が複数回重なるように撚って巻かれた状態で、この重なった不織布同士が融着した略円柱状であることを特徴とするものである
捲縮を発現する化学繊維では、繊維がばねのように捲縮していることで、成形後のろ過材構造を立体化でき、空隙率を大きくでき、このような化学繊維を含有していることで、成形したろ過材のろ過抵抗を小さく、ろ過速度を上げることができる。
「捲縮を発現する」および「熱融着性」を兼ね備えている化学繊維では、捲縮を発現する熱融着性化学繊維のみで製造することが可能であり、これ以外の場合として、捲縮を発現する熱融着性でない化学繊維と、捲縮を発現しない熱融着性化学繊維とが組み合わされる場合があり、また、捲縮を発現する熱融着性化学繊維と、捲縮を発現しない熱融着性化学繊維とが組み合わされる場合がある。
捲縮のない熱融着性の化学繊維のみを熱融着して成形した場合、化学繊維同士が密着して太い糸になったり、糸が固まって樹脂化したりするので原料化学繊維の側面積が小さくなり、ろ過材の空隙率も著しく低くなってしまうという問題がある。熱融着性の化学繊維は、ろ過材の立体骨組みとなる捲縮を発現する化学繊維同士を接着する機能を有しており、該原料化学繊維を熱によって成形することで、成形物すなわちろ過材が立体的に成形されて嵩高くなり、ろ過材層高を低くでき、かつろ過精度が高く、耐久性のあるろ過材が得られる。
捲縮を発現する化学繊維の捲縮数は、10以上であることが好ましい。
捲縮数とは、JIS L1015 8.12.1に基づき測定、算出したものであり、捲縮数10以上とは、繊維長25mmあたりに存在する捲縮の山部分の数が10以上あることを意味する。捲縮数の上限値は、特に限定されるものではなく、捲縮数は、使用する化学繊維の材料の特性や化学繊維を製造する装置の仕様などに応じて、10以上の適宜な値に設置される。
本発明に係る生物接触ろ過材は、その原料化学繊維として、捲縮を発現する化学繊維を30重量%以上、熱融着性の化学繊維を50重量%以上含有していることが好ましい。捲縮を発現する化学繊維は、熱融着性を有していてもよいし、有していなくてもよいし、また、熱融着性の化学繊維は、捲縮を発現するものであってもよいし、発現しないものであってもよいが、ろ過材全体として、捲縮を発現する化学繊維を30重量%以上、熱融着性の化学繊維を50重量%以上含有しているものとされることが好ましい。
このような含有比率とすることで、適正な空隙率を有する生物接触ろ過材を得ることができる。
本発明に係る生物接触ろ過材は、単位体積当たりの重量が120kg/m3以上250kg/m3以下であって、単位体積当たりに含まれる該原料化学繊維の側面積が、24,000m2/m3以上であることがより好ましい。
単位体積当たりの重量が300kg/m3以上になると、ろ過装置の洗浄工程で、ろ過材を流動させて洗浄するときに、動力が大きくなり、不適当となる。単位体積当たりの重量が小さすぎると、浮上ろ過材となって十分なろ過性能が得られないので、下限は120kg/m3とされる。より好ましい範囲は、160kg/m3以上220kg/m3以下である。
原料化学繊維の側面積については、従来品が12,000m2/m3程度であり、従来品の約2倍以上の側面積とすることで、従来品の半分の量のろ過材であっても十分な処理ができる。
熱処理を施すことにより捲縮を発現する化学繊維は、芯成分がポリエステル、鞘成分がポリエチレンである生物分解性のない芯鞘構造の化学繊維が好ましく、これを含有する原料化学繊維を成形するために、原料化学繊維を加熱しながら撚りをかけることが好ましい。
撚りを掛けることにより、繊維同士の接着を強固にすることができる。また、このようにすることにより、ろ過材内部の空隙構造がストロー状になるのを防ぐことができ、ストロー内部に生息していた有用な微生物の死滅に至るという問題を解消することができる。
生物接触ろ過材の形状は、略円柱状で、該略円柱の直径に対する長さの比が0.8から1.3であることが好ましい。該略円柱の体積は、30mm3から150mm3であることがより好ましい。
このようにすると、生物接触ろ過材を生物接触ろ過装置に密に充填することができる。
本発明に係る生物接触ろ過装置は、地下水を原水として浄水処理する生物接触ろ過装置であって、上記のいずれかに記載の生物接触ろ過材が充填されていることを特徴とするものである。
このようにすると、従来の球状繊維ろ過材を充填した生物接触ろ過装置よりも低いろ過材層高で、地下水に含まれるアンモニア態窒素を硝化することができる。また、従来の球状繊維ろ過材を充填した生物接触ろ過装置よりも単位体積当たりに有用な微生物を多く保持することができ、ろ過材層高を低くできる。
本発明による生物接触ろ過材の製造方法(第1の形態)は、上記の生物接触ろ過材を製造する方法であって、熱処理を施すことにより捲縮を発現する化学繊維および熱融着性の化学繊維を混綿してシート状にする工程と、シート状にした混綿化学繊維を熱ロールの間を通して熱融着させることでサーマルボンド不織布を製造する工程と、不織布を所定幅となるように裁断してロールに巻き取る工程と、巻き取られた不織布を引き出しながら、この不織布が複数回重なるように撚りを掛けて加熱成形する工程とを含んでいることを特徴とするものである。
本発明による生物接触ろ過材の製造方法(第2の形態)は、化学繊維を原料とする生物接触ろ過材を製造する方法であって、熱処理を施すことにより捲縮を発現する化学繊維および熱融着性の化学繊維を混綿してシート状にする工程と、シート状にした混綿化学繊維を熱ロールの間を通して熱融着させることでサーマルボンド不織布を製造する工程と、不織布を所定幅となるように裁断してロールに巻き取る工程と、巻き取られた不織布を引き出しながら、ろ過材1個当たりのより数が0.1回以上となるように撚りを掛けて加熱成形する工程とを含んでいることを特徴とするものである。
本発明に係る生物接触ろ過材によれば、上記のように、成形物すなわち繊維ろ過材が立体的に成形され、嵩高くなる。繊維がばねのように捲縮していることで、成形後の繊維ろ過材構造を立体化でき、空隙率を大きくできるので、成形したろ過材のろ過抵抗を小さく、ろ過速度を上げることができる。また、従来品よりも細くて軽い糸を多量にろ過材層に充填することができるので、ろ過材層高を低くすることができる。
図1は、本発明による生物接触ろ過材の1実施例を模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明による生物接触ろ過材の他の実施例を模式的に示す斜視図である。 図3は、ろ過材内部の空隙構造が、ストロー状になったろ過材の例を模式的に示す図で、(a)は斜視図、(b)は軸方向から見た図である。 図4は、本発明による生物接触ろ過材を有するミニカラム装置を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の実施例1による処理結果を示すグラフである。 図6は、比較例2による処理結果を示すグラフである。 図7は、本発明による生物接触ろ過材の原料繊維の側面積と生物汚泥捕捉量の関係を示すグラフである。 図8は、従来品の生物接触ろ過材を示す斜視図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る生物接触ろ過材(1)(2)は、化学繊維を原料として製造した生物接触ろ過材であって、原料化学繊維が、熱処理を施すことにより捲縮を発現する化学繊維と、熱融着性の化学繊維とを含有しており、該原料化学繊維を熱によって成形したものであり、図1および図2に示すように、形状が略円柱状である。該略円柱の体積は、30mm3から150mm3である。また、該略円柱の直径に対する長さの比は、0.8から1.3までとされている。これにより、嵩密度(単位体積当たりの重量)が120kg/m3以上250kg/m3となるように充填することができる。
図1に示す生物接触ろ過材(1)は、不織布シートを撚って作ったものであり、図2に示す生物接触ろ過材(2)は、スライバーにした繊維束を撚って作ったものである。
本発明の生物接触ろ過材(1)(2)は、化学繊維を原料として製造する。化学繊維のなかでも微生物によって生物分解されにくい化学繊維を用いることで、生物接触ろ過材(1)(2)の寿命を長くすることができる。脂肪族ポリエステルやセルロース系繊維には生分解性があり、廃水や下水に比較して有機物汚濁の少ない水道原水をろ過するような場合、すなわち浄水処理においては、微生物の基質としてろ過材自身の繊維成分が利用されてしまう場合があるので不適当である。
また、本発明の生物接触ろ過材(1)(2)は、原料化学繊維として熱処理を施すことにより捲縮を発現する捲縮数10以上の化学繊維を30重量%以上、熱融着性の化学繊維を50重量%以上含有している。熱融着性化学繊維の含有率が多いほど強固な生物接触ろ過材(1)(2)が成形できる。熱処理を施すことにより捲縮を発現する捲縮数10以上の化学繊維でかつ熱融着性化学繊維を使用すれば熱融着性化学繊維を100%とすることができるので最も望ましい。
生物接触ろ過材を最密に充填する理想のろ過材形状は球状であるが、捲縮を有する繊維でろ過材を球状に成形することが困難である。球状でなければ、次に適当な形状は略円柱状で、直径に対する長さの比が1に近いもの(0.8から1.3まで)とすることで、球状のろ過材と同程度の充填とすることができる。立方体や直方体の形状の場合、繊維ろ過材に角(かど)が形成される。角のあるろ過材は、ろ過装置の洗浄工程において壁面等と衝突し、角から損耗するので寿命が短くなり、好ましくない。
熱融着性化学繊維としては、ポリエステルやポリエチレン、ポリプロピレン等がある。ポリエステルの比重は1.38、ポリエチレンの比重は0.94〜0.96、ポリプロピレンの比重は0.91であるから、これらの化学繊維の内でポリエステルを含まない化学繊維のみを原料として使用した場合は、生物接触ろ過材は浮上ろ過材となる。ポリエステルを含む割合を高めることで、生物接触ろ過装置内で好ましく沈降する生物接触ろ過材を製造できる。例えば、ポリエステルを含む割合が50vol%、ポリエチレンを含む割合が50vol%の化学繊維を用いることで、沈降ろ過材の製造が可能である。
本発明の生物接触ろ過材(1)(2)は単位体積当たりの重量すなわち嵩密度が120kg/m3以上でかつ250kg/m3以下であって、該ろ過材の単位体積当たりに含まれる該原料化学繊維の側面積が、24,000m2/m3以上のものである。生物接触ろ過材の嵩密度をK、繊維の繊度をT、繊維の比重をρとしたとき、生物接触ろ過材1m3当たりに含まれる該原料化学繊維の側面積Aは下記式1で表される。
A(m2/m3)= 200 * π0.5 * K * T-0.5 * ρ-0.5 (1)
本式より、嵩密度が大きく、繊度が小さく、繊維の比重が小さい方が側面積Aを大きくできることが分かる。しかしながら、嵩密度を大きくしすぎれば生物接触ろ過装置に対するろ過材重量負荷が大きくなり、ろ過装置の洗浄工程における必要エネルギーが大きくなってしまうので、ランニングコストの上昇を招くため好ましくない。繊度を小さくしすぎれば(例えば2dtex未満)、繊維自体の強度が弱くなり、切れやすくなるのでろ過材の寿命を短くしてしまう。比重を小さくしすぎれば、ろ過材は浮上ろ過材となってしまい、生物接触ろ過材として安定した濁質除去性能を得ることが困難となる。生物接触ろ過材に対するこれらの限定条件を満たすろ過材(1)(2)は、すなわち、嵩密度が120kg/m3以上でかつ250kg/m3であって、該ろ過材の単位体積当たりに含まれる該原料化学繊維の側面積が、24,000m2/m3以上のものである。
次に、図1に示した生物接触ろ過材(1)の製造法について説明する。まず、熱処理を施すことにより捲縮を発現する捲縮数10以上の化学繊維を30重量%以上と、熱融着性の化学繊維を50重量%以上とを十分に混綿後、シート状にする。熱処理を施すことにより捲縮を発現する捲縮数10以上の熱融着性化学繊維のみで製造する場合は、開繊した単一の綿でシート状にする。これを熱ロールの間を通して熱融着させることでサーマルボンド不織布を製造する。飲料水を製造する高度浄水処理に用いるろ過材であるため、不織布を構成する化学繊維の接着方法は、サーマルボンド法が好ましい。サーマルボンド法の不織布では、ろ過材からのほぐれ糸の流出がなく、接着剤等の薬品使用もないため安全である。この不織布を150〜300mm幅となるように裁断し、ロールに巻き取る。次に、この不織布を引き出しながら仮撚り装置で回転させて撚りを掛けながら再度加熱する。撚りを固定するための加熱法は、熱融着性繊維の融点より20〜50℃高い熱風を繊維束に吹き掛けることにより行う。撚りと加熱によって生物接触ろ過材(1)の繊維同士の熱融着を強固にするためには、ろ過材1個当たりの撚り数が0.1回以上あることが好ましく、0.2回以上がより好ましい。ろ過材1個当たりの撚り数は、不織布を引き出す速度と1分あたりに撚りを掛ける回数とろ過材の長さから求められる。不織布を引き出す速度を1m/minとし、撚りを1分間に50回かけた場合、不織布1mあたりの撚り数が50回となる。ろ過材の長さが5mmになるよう切断することで、生物接触ろ過材(1)の1個当たりの撚り数は0.25回にできる。撚りが少ないろ過材、あるいは撚りのないろ過材では、円柱を切り出す際に繊維束がつぶれて、断面が略円ではなく楕円や三日月のような形になるので、略円柱状を保つことが難しい。つぶれたろ過材は均一に融着せず、熱融着が十分な部分と不十分な部分が発生し、強度が劣ったろ過材となるので好ましくない。
次に本発明の図2に示した生物接触ろ過材(2)の製造法について説明する。本生物接触ろ過材は、熱処理を施すことにより捲縮を発現する捲縮数10以上の化学繊維を30重量%以上、熱融着性の化学繊維を50重量%以上を十分に混綿した綿を紡績用カード機にかけ、さらに練条機を通して引き揃えたスライバー状の繊維束としたものに撚りをかけた繊維束を、加熱成形する方法によって製造できる。捲縮数10以上でかつ熱融着性化学繊維のみで製造する場合は、ほぐした単一の綿でスライバー状の繊維束を作ればよい。スライバー状の繊維束からろ過材を製造する場合、繊維束を仮撚り装置で回転しながら熱雰囲気中を引き取ることで撚りを掛け、熱雰囲気中から引き出された繊維束を冷却装置によって急冷し、撚りを固定することができる。成形のための熱処理を一段で行うので、加熱温度は熱融着性繊維の融点より高く、かつ熱処理を施すことにより捲縮を発現する化学繊維が捲縮する温度よりも高い温度が適当である。
上記の生物接触ろ過材(1)(2)の製造法において、原料化学繊維を加熱しながら撚りをかけることにより、繊維同士の接着を強固にすることができる。また、撚りをかけることにより、生物接触ろ過材(1)(2)の内部の空隙構造が、図3に示すようにストロー状になるのを防ぐことができる。ストロー状になったろ過材(10)内部の空隙構造では、生物接触ろ過汚泥がストロー内部に蓄積し、通常の逆洗工程でそれを洗い落とすことが極めて困難である。浄水処理における生物接触ろ過プロセスが溶存酸素を利用する微生物によるものであるにもかかわらず、ストロー内部には水の流れが届かなくなるため溶存酸素の供給が困難になる。結果として、ストロー内部に生息していた有用な微生物の死滅に至るという問題があったが、撚りをかけることでこの問題を解消することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
熱によって捲縮を発現する化学繊維で、かつ熱融着性の化学繊維の芯成分がポリエステル、鞘成分がポリエチレンである芯鞘構造の繊維であって、繊度3.3dtex、捲縮数11、長さ5cmのステープルファイバーを開繊し、シート状にした。これを熱ロールの間を通して鞘を構成する低融点成分のポリエチレンを融着させることで熱圧着し、目付20g/m2のサーマルボンド不織布とした。熱圧着時の加熱温度が130℃未満では、熱融着繊維の立体捲縮発現が弱く、嵩高性が低下し、熱融着の度合いが充分でなく、一方、200℃を超えると立体捲縮がほとんど得られなくなるため、加熱温度は180℃とした。この不織布を300mm幅となるように裁断し、ロールに巻き取って原料不織布とした。次に、この不織布を連続して引き出しながら仮撚り装置で回転させて撚りを掛け、180℃の熱風を吹き掛けて加熱した。ろ過材1個当たりの撚り数は0.3回とした。引き続き、連続で引き出しながら撚りのかかった不織布に冷風をあてて急冷し、形状を安定させた後に長さが5mmになるよう切断し、生物接触ろ過材を製造した。上述の方法によって製造した生物接触ろ過材(1)(図1参照)は、沈降ろ過材で、単位体積当たりの重量が160kg/m3、単位体積当たりに含まれる該原料化学繊維の側面積が、28,000m2/m3であった。
(実施例2)
熱処理を施すことにより捲縮を発現する熱融着性を有していないポリエステルステープルファイバーであって、繊度6.6dtex、捲縮数10、長さ5cmのステープルファイバーを34%と、熱融着性の化学繊維の芯成分がポリエステル、鞘成分がポリエチレンである芯鞘構造の繊維であって繊度4.4dtex、長さ5cmのステープルファイバーを33%と、熱融着性の化学繊維の芯成分がポリエステル、鞘成分がポリエチレンである芯鞘構造の繊維であって繊度7.8dtex、長さ5cmのステープルファイバーを33%とを混綿した綿を紡績用カード機にかけ、次いで練条機を通して引き揃えたスライバー状の繊維束とした。これを原料繊維束とし、繊維束を仮撚り装置で回転しながら連続で引取り、熱風による250℃の熱雰囲気中で撚りを掛けた。熱雰囲気中から引き出された繊維束を引き続き連続で冷風をあてて急冷し、形状を安定させた後に長さが5mmになるよう切断し、生物接触ろ過材を製造した。上述の方法によって製造した生物接触ろ過材(2)(図2参照)は沈降ろ過材で、単位体積当たりの重量が170kg/m3、単位体積当たりの該原料化学繊維の側面積は24,000m2/m3であった。
(比較例1)
熱融着性の化学繊維の芯成分がポリエステル、鞘成分がポリエチレンである芯鞘構造の繊維であって芯部と鞘部の重量比が45:55である繊度3.1dtexの芯鞘型複合長繊維からなるスパンボンド不織布を用意した。このスパンボンド不織布は目付50g/m2で部分的に熱圧着処理(熱エンボス処理)されていたが、捲縮のない芯鞘型複合長繊維のみから構成されていた。この不織布を100mm幅ロールから連続して引き出しながら仮撚り装置で回転させて撚りを掛け、180℃の熱風を吹き掛けて加熱した。ろ過材1個当たりの撚り数は0.3回とした。引き続き、連続で引き出しながら撚りのかかった不織布に冷風をあてて急冷し、長さが5mmになるよう切断して生物接触ろ過材を製造したが、切り出す際に繊維束がつぶれて、断面が楕円形になり、略円柱状のろ過材にはならなかった。
(比較例2)
パドル撹拌羽根を備えた直径1m、高さ1.5mの円筒型撹拌槽に水0.5m3を入れ、熱によって捲縮を発現する化学繊維であって、繊度5.5dtex、捲縮数10、長さ5mmのポリエステル系コンジュゲート糸ステープルファイバー5kgを投入し、撹拌羽根を1分間に85回転させ、約1時間撹拌を続けることで図8に示す形状のポリエステル製球状繊維ろ過材(20)を製造した。この方法によって製造した生物接触ろ過材(20)は沈降ろ過材で、単位体積当たりの重量が90kg/m3、単位体積当たりの該原料化学繊維の側面積は12,000m2/m3であった。
(カラム試験)
上記の実施例1と比較例2において製造した生物接触ろ過材について、図4に示すミニカラム装置を用いて、アンモニア態窒素を含む水の硝化試験を行った。
ミニカラム装置(11)は、有効容量が800mLのカラム(12)と、カラム(12)内に設けられたろ床(13)と、処理後の水を溜める処理水槽(14)と、処理水槽(14)の水をカラム(12)に設けられた供給部(16)に循環供給するポンプ(15)とを有する。
実施例1について、ろ床(13)として実施例1で製造した生物接触ろ過材(1)の新品を700mL充填した。原水としてA処理場の処理水を使用し、生物接触ろ過材(1)を充填したカラム(12)と処理水槽(14)を原水で満たし、ポンプ(15)で50mL/minの循環処理をしながら処理水アンモニア態窒素濃度を測定した。処理試験結果を図5に示す。1回目の循環処理試験では、アンモニア態窒素濃度1.4mg−N/Lの原水からアンモニア態窒素が不検出になるまでに6日間を要した。1回目の試験後、カラム(12)と処理水槽(14)を空にし、1回目の試験で使用した生物接触ろ過材(1)を再度充填し、2回目の循環処理試験を行った。2回目の循環処理試験では、アンモニア態窒素濃度2.2mg−N/Lの原水が3日間で95%硝化され、アンモニア態窒素は5日間で不検出となった。2回目の循環処理試験における初期3日間の硝化速度は、0.99mg−N/L−ろ過材・dayであった。
比較例2について、ろ床(13)として比較例2で製造した従来品生物接触ろ過材(20)の新品を700mL充填して硝化試験を行った。実施例1の試験と同様の処理条件で、循環処理しながら処理水アンモニア態窒素濃度を測定した。処理試験結果を図6に示す。1回目の循環処理試験では、6日間循環してもアンモニア態窒素の濃度が1.4mg−N/Lから1.1mg−N/Lまでしか低下しなかった。1回目の試験後、実施例1の試験と同様に2回目の循環処理試験を行った。2回目の循環処理試験では、アンモニア態窒素濃度2.2mg−N/Lの原水が3日間で32%硝化されたが、アンモニア態窒素は6日間で不検出とならなかった。2回目の循環処理試験における初期3日間の硝化速度は、0.33mg−N/L−ろ過材・dayであった。
(実施例3)
B浄水場生物接触ろ過材の逆洗排水(SS=3000mg/L)0.4Lと、単位体積当たりの原料化学繊維の側面積が異なる4種類の生物接触ろ過材0.05Lをそれぞれ合わせて4組のポリ瓶(2L)に入れ、130r.p.m.で48時間振とうし、振とう試験前後のろ過材の乾燥重量増分から、各生物接触ろ過材の汚泥捕捉量を算出した。図7に示すように、繊維の側面積と汚泥捕捉量は比例関係で近似され、原料化学繊維の側面積が、24,000m2/m3以上である生物接触ろ過材では従来品(側面積12,000m2/m3)の2倍以上の汚泥捕捉量にできることが確認できた。

Claims (10)

  1. 化学繊維を原料として製造した生物接触ろ過材であって、
    処理を施すことにより捲縮を発現する化学繊維と、熱融着性の化学繊維とを含有した原料化学繊維が融着した不織布を備え、
    該不織布が複数回重なるように撚って巻かれた状態で、この重なった不織布同士が融着した略円柱状であることを特徴とする生物接触ろ過材。
  2. 単位体積当たりの重量が120kg/m 以上250kg/m 以下である請求項1の生物接触ろ過材。
  3. 捲縮を発現する化学繊維の捲縮数が10以上である請求項1または2の生物接触ろ過材。
  4. 捲縮を発現する化学繊維を30重量%以上、熱融着性の化学繊維を50重量%以上含有している請求項1から3までのいずれかに記載の生物接触ろ過材。
  5. 位体積当たりに含まれる該原料化学繊維の側面積が、24,000m/m以上である請求項からまでのいずれかに記載の生物接触ろ過材。
  6. 略円柱の直径に対する長さの比が0.8から1.3である請求項1から5までのいずれかに記載の生物接触ろ過材。
  7. 該略円柱の体積が30mmから150mmである請求項1から6までのいずれかに記載の生物接触ろ過材。
  8. 地下水を原水として浄水処理する生物接触ろ過装置であって、請求項1から7までのいずれかに記載の生物接触ろ過材が充填されていることを特徴とする生物接触ろ過装置。
  9. 請求項1から7までのいずれかに記載の生物接触ろ過材を製造する方法であって、
    熱処理を施すことにより捲縮を発現する化学繊維および熱融着性の化学繊維を混綿してシート状にする工程と、
    シート状にした混綿化学繊維を熱ロールの間を通して熱融着させることでサーマルボンド不織布を製造する工程と、
    不織布を所定幅となるように裁断してロールに巻き取る工程と、
    巻き取られた不織布を引き出しながら、この不織布が複数回重なるように撚りを掛けて加熱成形する工程とを含んでいることを特徴とする生物接触ろ過材の製造方法。
  10. 化学繊維を原料とする生物接触ろ過材を製造する方法であって、
    熱処理を施すことにより捲縮を発現する化学繊維および熱融着性の化学繊維を混綿してシート状にする工程と、
    シート状にした混綿化学繊維を熱ロールの間を通して熱融着させることでサーマルボンド不織布を製造する工程と、
    不織布を所定幅となるように裁断してロールに巻き取る工程と、
    巻き取られた不織布を引き出しながら、ろ過材1個当たりのより数が0.1回以上となるように撚りを掛けて加熱成形する工程とを含んでいることを特徴とする生物接触ろ過材の製造方法。
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