JP2007199593A - 映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子カメラを搭載したシースルー型のHMDにおいて、より広い範囲の外界情景を鮮明に観察することが可能なHMDを提供する。
【解決手段】頭部または顔面に取り付けられ、使用者が外界をシースルー可能な映像表示装置であって、画像を表示しシースルー可能な表示手段と、外界情景を撮影する撮像手段と、撮像手段で撮影された画像を中央部と周辺部に分割する画像分割手段と、画像分割手段で分割された周辺部の画像を圧縮する画像圧縮手段と、画像圧縮手段で圧縮された画像を表示手段に表示する表示位置を制御する表示制御手段と、を有し、表示制御手段は、画像圧縮手段で圧縮された画像を表示手段を通して視認できるシースルー画像の周辺部に表示する。
【選択図】図4
【解決手段】頭部または顔面に取り付けられ、使用者が外界をシースルー可能な映像表示装置であって、画像を表示しシースルー可能な表示手段と、外界情景を撮影する撮像手段と、撮像手段で撮影された画像を中央部と周辺部に分割する画像分割手段と、画像分割手段で分割された周辺部の画像を圧縮する画像圧縮手段と、画像圧縮手段で圧縮された画像を表示手段に表示する表示位置を制御する表示制御手段と、を有し、表示制御手段は、画像圧縮手段で圧縮された画像を表示手段を通して視認できるシースルー画像の周辺部に表示する。
【選択図】図4
Description
本発明は、映像表示装置に関し、特に頭部装着式映像表示装置に関する。
従来、観察者の頭部や顔面に着脱自在に装着され、小型のCRTや液晶表示素子等の映像表示素子から得られる映像(画像)を、接眼光学系によって観察者の眼球に直接投影させることで、恰も該映像が空中に拡大投影されているかの様な虚像の観察を可能にした頭部装着式映像表示装置、すなわちHMD(Head Mount Display)が知られている。
HMDは、映画やビデオ等のコンテンツ画像の観賞用や、産業機器若しくは医療機器等の遠隔操作用としての表示装置として利用され、その用途は多岐に渡っている。
また、このHMDには従来より、コンテンツ画像や、操作者の操作用の各種情報をHMDの画像表示部を通して入射する外界光による自然画像に重ね合わせて表示する所謂シースルー型のものと、外界光の入射を一切遮断して電子カメラ等によって撮影され加工された撮影画像を表示する遮蔽型のものとがある。
遮蔽型のHMDでは、コンテンツ画像や、操作者に提供する各種情報を電子カメラ等によって撮影された撮影画像に重ね合わせて表示する機能の他に、外界情景を撮影した撮影画像を種々に加工して表示する機能も発表されている。そして最近では、この様な機能を用いて、HMDを視覚補助装置として使用する方法が提案されている。
例えば、有効視野が狭くなる視野狭窄傾向がありがちな高齢者に対して、仮想的に視野角を広げ、より広い範囲の画像情報を提供する為に、電子カメラで使用者の視野角よりも広い視野の外界情景を撮影し、撮影した画像の水平方向成分を圧縮して表示することにより仮想的に視野角を広げるようにした技術が開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−206788号公報
この様に、HMDを視覚補助装置として使用する方法がこれまでも種々検討されてきた。
特許文献1に開示されているHMDは、電子カメラで撮影した画像の水平方向成分を圧縮して表示することにより仮想的に視野角を広げる様にしている。また、画像の圧縮は、撮影された外界情景の画像の中央部から周辺部に向けて連続的に、または段階的にその水平方向成分の圧縮率を、必要に応じて変化させることができる様にしている。これにより、より重要度の高い正面画像は大きく、左右に偏るに従い画面は圧縮度が高められて表示されるため、使用者が直感的により認識しやすい画像を観察することができる様にしている。ところで、視野狭窄傾向のある使用者にとっては、画面中央部の正面画像は非常に重要な画像であり、外界光により光学的に観察した自然画像(以下、シースルー画像と称する。)と同程度の画像再現性を有することが肝要である。しかしながら、特許文献1に開示されているHMDは、画面中央部から周辺部の全域に渡り電子カメラで撮影した画像を表示するようにしている。電子カメラで撮影された画像は、解像度、色再現性、コントラスト等においてシースルー画像に及ぶものではなく、特に暗い環境下で使用した場合は、S/Nの低下により画像品質が劣化し、視認性の低下は免れないものと考えられる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、電子カメラを搭載したシースルー型のHMDにおいて、より広い範囲の外界情景を鮮明に観察することが可能なHMDを提供することを目的とする。具体的には、外界情景の正面画像は表示画面の中央部にシースルー画像として視認でき、また、電子カメラによって使用者の視野角よりも広い画角で撮影された外界情景画像の周辺部を圧縮して、表示画面を通して視認されるシースルー画像の周辺部に表示することにより、使用者が使用者の視野角より広い範囲の外界情景を観察することができ、さらに重要度の高い正面画像はシースルー画像として鮮明に観察することが可能なHMDを提供する。
上記目的は、下記の1乃至4のいずれか1項に記載の発明によって達成される。
1.頭部または顔面に取り付けられ、使用者が外界をシースルー可能な映像表示装置であって、
画像を表示しシースルー可能な表示手段と、
外界情景を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段で撮影された画像を中央部と周辺部に分割する画像分割手段と、
前記画像分割手段で分割された周辺部の画像を圧縮する画像圧縮手段と、
前記画像圧縮手段で圧縮された画像を前記表示手段に表示する表示位置を制御する表示制御手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記画像圧縮手段で圧縮された画像を前記表示手段を通して視認できるシースルー画像の周辺部に表示することを特徴とする映像表示装置。
画像を表示しシースルー可能な表示手段と、
外界情景を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段で撮影された画像を中央部と周辺部に分割する画像分割手段と、
前記画像分割手段で分割された周辺部の画像を圧縮する画像圧縮手段と、
前記画像圧縮手段で圧縮された画像を前記表示手段に表示する表示位置を制御する表示制御手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記画像圧縮手段で圧縮された画像を前記表示手段を通して視認できるシースルー画像の周辺部に表示することを特徴とする映像表示装置。
2.前記画像分割手段は、前記撮像手段で撮影された画像を水平方向に中央部と周辺部に分割し、
前記画像圧縮手段は、前記画像分割手段で分割された周辺部の画像を水平方向に圧縮することを特徴とする前記1に記載の映像表示装置。
前記画像圧縮手段は、前記画像分割手段で分割された周辺部の画像を水平方向に圧縮することを特徴とする前記1に記載の映像表示装置。
3.前記画像分割手段は、前記撮像手段で撮影された画像を垂直方向に中央部と周辺部に分割し、
前記画像圧縮手段は、前記画像分割手段で分割された周辺部の画像を垂直方向に圧縮することを特徴とする前記1または2に記載の映像表示装置。
前記画像圧縮手段は、前記画像分割手段で分割された周辺部の画像を垂直方向に圧縮することを特徴とする前記1または2に記載の映像表示装置。
4.前記撮像手段で撮影された画像を水平方向及び垂直方向、またはそのいずれかに分割する分割境界を設定する境界設定手段を有し、
前記画像分割手段は、前記境界設定手段で設定された分割境界に基づいて、前記撮像手段で撮影された画像を水平方向及び垂直方向、またはそのいずれかに分割することを特徴とする前記2または3に記載の映像表示装置。
前記画像分割手段は、前記境界設定手段で設定された分割境界に基づいて、前記撮像手段で撮影された画像を水平方向及び垂直方向、またはそのいずれかに分割することを特徴とする前記2または3に記載の映像表示装置。
本発明によれば、頭部または顔面に取り付けられ、使用者が外界をシースルー可能な映像表示装置において、撮像手段によって撮影された外界情景画像を画像分割手段で中央部と周辺部に分割し、分割された周辺部の画像を画像圧縮手段で圧縮し、圧縮された画像を表示制御手段は、表示手段を通して視認できるシースルー画像の周辺部に表示するようにした。すなわち、表示手段の中央部にはシースルー画像が視認でき、シースルー画像の周辺部には撮像手段によって使用者の視野角よりも広い画角で撮影された外界情景画像の周辺部が圧縮されて表示される。したがって、有効視野が狭くなる視野狭窄傾向がありがちな高齢者にとっては、仮想的に視野角が広がり、より広い範囲の外界情景を観察することができる。また、視野狭窄傾向のある使用者にとって、非常に重要な画面中央部の正面画像は、シースルー画像として視認されるので鮮明に観察することができる。
また、画像分割手段は、撮像手段で撮影された画像を水平方向に中央部と周辺部に分割し、画像圧縮手段は、画像分割手段で分割された周辺部の画像を水平方向に圧縮するようにした。したがって、使用者は、水平方向に視野角よりも広い範囲の外界情景を観察することができる。
また、画像分割手段は、撮像手段で撮影された画像を垂直方向に中央部と周辺部に分割し、画像圧縮手段は、画像分割手段で分割された周辺部の画像を垂直方向に圧縮するようにした。したがって、使用者は、垂直方向に視野角よりも広い範囲の外界情景を観察することができる。
また、画像分割手段は、画像を水平方向及び垂直方向、またはそのいずれかに分割する分割境界を設定する境界設定手段で設定された分割境界に基づいて、撮像手段で撮影された画像を水平方向及び垂直方向、またはそのいずれかに分割するようにした、したがって、使用者は、使用者の視野範囲に応じて、周辺部の外界情景を観察することができる。
以下図面に基づいて、本発明に係る映像表示装置の代表的な実施形態の1つであるHMD(Head Mount Display)について説明する。
〔実施形態1〕
最初に、HMD1の外観を図1を用いて説明する。図1(a)は、本発明に係るHMD1の平面図、図1(b)は正面図である。
最初に、HMD1の外観を図1を用いて説明する。図1(a)は、本発明に係るHMD1の平面図、図1(b)は正面図である。
HMD1は、使用者の眼球の近傍に配置されて使用される頭部装着式映像表示装置である。HMD1の要部は、表示ユニット6、カメラユニット7、及び制御ユニット8等から構成され、カメラユニット7で撮影された画像や、制御ユニット8に設けられた後述の外部I/F824から取り込まれた例えばビデオやテレビ等のコンテンツ画像等を、表示ユニット6に表示する。
HMD1は、図1(a)に示す様に、フレーム2、テンプル3、鼻当て4を備えている。
フレーム2の左右には、テンプル3が一対となって設けられ、可撓性を有する弾性材等により構成された長尺状の部材であり、使用者の耳や側頭部に掛止され、HMD1の装着者に対する頭部への保持及び装着位置の調整を行うためのものである。なお、テンプル3は、回動部3aにおいてフレーム2の方向に回動可能に構成されており、HMD1を使用しない場合には、テンプル3をフレーム2の方向に回動させて後述の透明基板5に沿わせることにより、コンパクト化することができる。
また、図1(b)に示す様に、フレーム2には、透明基板5が設けられている。透明基板5は、一方の眼球に対応した位置にU字型のスペース5sを形成する略平板状の透明体である。また、透明基板5に囲まれて形成されるU字型のスペース5sには、後述の接眼光学系65が嵌め込まれている。
また、フレーム2には、後述のLCD表示部61及び接眼光学系65から構成される表示ユニット6が設けられている。表示ユニット6は、本発明における表示手段に該当し、後述のカメラユニット7で撮影された画像や、制御ユニット8に設けられた後述の外部I/F824から取り込まれた例えばビデオやテレビ等のコンテンツ画像等を表示する。
また、フレーム2には、カメラユニット7が設けられている。カメラユニット7は、本発明における撮像手段に該当し、後述のレンズ710、CCD(Charge Coupled Device)701、画像処理部706等から構成され、使用者の周囲の外界情景を撮影するものであり、レンズ710によって結像された被写体光学像を、CCD701によって光電変換して画像信号を生成し、画像処理部706等により画像信号に所定の画像処理を施し画像を生成する。
また、フレーム2には、制御ユニット8が設けられている。制御ユニット8は、マイクロコンピュータからなり、表示ユニット6の表示動作やカメラユニット7の撮影動作、及び画像信号処理動作を統括的に制御するものである。
尚、図1の構成においては、カメラユニット7、及び表示ユニット6をフレーム2の正面左側にそれぞれ1台ずつ設けたが、図2(a)、図2(b)に示す様に、カメラユニット7、及び表示ユニット6をフレーム2の左右にそれぞれ1台ずつ設けて、それぞれのカメラユニット7で撮影した画像をそれぞれ対応する表示ユニット7に表示する様にしてもよい。また、この様な構成においては、制御ユニット8は、図2(a)に示す様に、一方のテンプル3の後端からケーブル9を介して表示ユニット6や、カメラユニット7等と接続されている。
ここで、表示ユニット6の構成を、図3を用いて説明する。図3は、本発明に係るHMD1における表示ユニット6の左側面からの側断面図であり、主に表示ユニット6の内部構成を示している。
図3に示す様に、表示ユニット6は、筐体611、LED(Light Emitting Diode)612、コリメータレンズ613、LCD(Liquid Crystal Display)614からなるLCD表示部61、及びプリズム651、HOE(Holographic Optical Element)652からなる接眼光学系65から構成される。
LCD表示部61の筐体611の内部には、LED612、コリメータレンズ613、及びLCD614が内蔵された状態で、該筐体611が接眼光学系65のプリズム651の上端部において上斜め前方(図3では右斜め上方向)に突出する態様で取り付けられている。
LED612は、所定波長色を含む白色発光ダイオード(LED)からなる点光源である。
コリメータレンズ613は、LED612の光をほぼ平行光にしてLCD614に投光するものである。
LCD614は、カメラユニット7で生成された画像信号や、制御ユニット8に設けられた後述の外部I/F824から取り込まれた例えばビデオやテレビ等のコンテンツ画像信号等に基づき映像を生成するものであり、例えば透過型の液晶表示パネルである。
プリズム651は、ガラスや透明樹脂等からなる略板状の透明部材であり、LCD614からの光を内部で複数回の反射を行わせるものである。プリズム651の上端部は、LCD614からの光の大部分を内部に採光できるように、上方に向かってより肉厚となるように前面側(接眼面と反対側)が突き出るように楔形状に形成された肉厚部651aが形成されている。
また、プリズム651の下端部には、傾斜面651bが形成されており、プリズム651は、透明基板5に形成された傾斜面5aに対しHOE652を介して接合(例えば接着)されている。また、プリズム651の表裏面は、透明基板5の表裏面に対して面一とされている。これにより、プリズム651は、透明基板5と一枚の板状に一体化されている。
HOE652は、光学的に軸非対称な所謂自由曲面で構成されて正のパワーを有する体積位相型のホログラム光学素子であり、プリズム651の下端部において所定の傾斜角を有して支持されている。HOE652は、プリズム651により導光された光が照射されることにより、光の干渉現象を用いてホログラム映像を眼球Eに提供する。
以上のような構成を有する表示ユニット6においては、LED612から射出された光は、コリメータレンズ613を通してLCD614を照明し、この照明によりLCD614で生成された像光は、プリズム651内で複数回の全反射を行った後、HOE652により回折し虚像として使用者の眼球Eに導かれる。
さらに、プリズム651は、前方から入射する光を使用者の眼球に導くようになっている。これにより、使用者は、外界(前方の被写体)をシースルー可能となり、カメラユニット7により撮影された画像(映像)を外界(前方の被写体)と重畳して視認することとなる。
尚、透明基板5に形成された傾斜面5aは、プリズム651の傾斜面651bでの光の屈折をキャンセル(相殺)する、すなわち、傾斜面651bにおけるプリズム効果により矢印W側からの光が上方に屈曲するのを防止する為、使用者は、プリズム651、透明基板5、及びHOE652を通して、外界光を歪むことなく観察することができる。
次に、HMD1の電気回路構成について図4を用いて説明する。図4は、本発明に係わるHMD1の電気回路のブロック図である。尚、図4では、図1、図2に示した部材と同じ部材には同一の番号を付与した。
HMD1の要部電気回路ブロックは、表示ユニット6、カメラユニット7、及び制御ユニット8等から構成される。
表示ユニット6は、LCD表示部61、接眼光学系65から構成され、各部位で行われる動作については前述したので詳細な説明は省略する。
LED612の駆動電流は、後述の制御ユニット8中の制御部801で生成され、LED612の発光輝度は、制御部801によって制御される。
LCD614は、制御ユニット8を介して出力されるカメラユニット7で生成された画像信号や、制御ユニット8に設けられた後述の外部I/F824から取り込まれた例えばビデオやテレビ等のコンテンツ画像信号等に基づき映像を生成する。
カメラユニット7は、レンズ710、CCD701、CDS回路702、AGC回路703、A/D変換器704、タイミングジェネレータ705、及び画像処理部706等から構成される。
CCD701は、R(赤)光、G(緑)光、B(青)光の各色透過フィルタをピクセル単位(画素単位)で市松模様状に配置させたカラーエリア撮像センサで、レンズ710により結像された被写体光像を、R(赤)光、G(緑)光、B(青)光の各色成分の画像信号(各画素単位で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換するものである。
タイミングジェネレータ705は、後述の制御ユニット8から送信される基準クロックに基づいて、CCD701の駆動制御信号を生成するものである。タイミングジェネレータ705で生成される駆動制御信号には、例えば、CCD701における露出開始、及び終了タイミングを制御する積分開始/終了のタイミング信号、各画素の信号電荷の読出し制御信号(水平同期信号、垂直同期信号、転送信号等)等のクロック信号が挙げられ、これらのクロック信号がCCD701に供給されるとCCD701では各クロック信号に対応した駆動制御が行われる。
CDS(相関二重サンプリング)回路702は、CCD701から読み出された画像信号より読み出し時に発生するノイズの低減や、OBクランプ動作を行って黒レベルの補正を行うものである。
AGC(自動利得制御)回路703は、後述の制御ユニット8の制御により、CDS回路702で処理された画像信号のゲインを、例えば被写体の明るさ等に応じて調整する。
A/D変換器704は、AGC回路703から入力された画像信号を構成する各画素信号をデジタル信号に変換するものである。A/D変換器704は、制御ユニット8から送信されるA/D変換用クロックに基づき、アナログ信号の各画素信号を例えば14ビットのデジタル信号に変換する。
この様に、CCD701で読み出された画像信号は、CDS回路702、AGC回路703、及びA/D変換器704で所定の処理が施されて、デジタル画像信号に変換される。デジタル化された画像信号は、画像処理部706に取り込まれて所定の処理が行われる。以下、画像処理部706で行われるデジタル画像信号への処理について説明する。
最初に、画像処理部706に取り込まれた画像信号は、CCD701から出力される画像信号の読出しに同期して後述の制御ユニット8中の画像メモリ821に書き込まれる。すなわち、画像処理部706で行われる処理に使用されるデジタル画像信号は、画像メモリ821にいったん記録したものを画像メモリ821から取り出し、画像処理部701中の各部位における処理に使用される。
画像処理部706は、図示しない例えば、黒レベル補正部、画素補間部、解像度変換部、ホワイトバランス制御部、ガンマ補正部、マトリックス演算部、シェーディング補正部、及び画像圧縮部等から構成され、画像メモリ821より取り出したデジタル画像信号に周知の画像信号処理を施すものである。そして、これらの部位で所定の処理を施されたデジタル画像信号は、再度、画像メモリ821に格納される。
次に、制御ユニット8は、制御部801、画像メモリ821、VRAM(Video Random Access Memory)822、記録部823、外部I/F824、及び操作部830等から構成される。
制御部801は、各制御プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、演算処理や制御処理等のデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)、及び前記制御プログラム等をROMから読み出して実行するCPU(中央演算処理装置)等からなり、後述の操作部830に設けられた各操作スイッチからの信号を受けて、表示ユニット6の表示動作やカメラユニット7の撮影動作、及び画像信号処理動作を統括的に制御するものである。
また、制御部801には、本発明における画像分割手段に該当する、画像分割部802が設けられている。画像分割部802は、カメラユニット7で撮影された画像を水平方向に中央部と周辺部に分割する。また、垂直方向に中央部と周辺部に分割しても、両方向に中央部と周辺部に分割しても良い。
また、制御部801には、本発明における画像圧縮手段に該当する、画像圧縮部803が設けられている。画像圧縮部803は、画像分割部802で分割された周辺部の画像を水平方向に圧縮する。また、垂直方向に圧縮しても、両方向に圧縮しても良い。
また、制御部801には、本発明における表示制御手段に該当する、表示制御部804が設けられている。表示制御部804は、画像圧縮部803で圧縮された画像をLCD表示部61中のLCD614に表示する表示位置を制御する。
尚、画像分割部802、画像圧縮部803、及び表示制御部804で行われる動作の詳細は後述する。
次に、画像メモリ821は、カメラユニット7中の画像処理部706や制御ユニット8中の制御部801により画像信号に対する各種処理を行う為の作業領域として用いられる一時メモリである。
VRAM822は、LCD表示部61中のLCD614の画素数に対応した画像信号の記録容量を有し、LCD614に再生表示される画像を構成する画素信号のバッファメモリである。
記録部823は、例えばメモリカードが装填され、カメラユニット7で撮影された画像を記録するメモリである。
外部I/F824は、例えば、ビデオやテレビ、パーソナルコンピュータ等のHMD1の図示しない外部機器から画像信号を入力するインターフェースである。
操作部830には、HMD1の電源スイッチ830a、境界設定スイッチ830b等、各種操作スイッチが設けられている。境界設定スイッチ830bは、本発明における境界設定手段に該当し、カメラユニット7で撮影された画像を画像分割部802で水平方向、または垂直方向に中央部と周辺部に分割する時の分割境界を設定する。
この様な構成のHMD1において、本発明は、外界情景の正面画像は表示ユニット6の表示画面の中央部にシースルー画像として視認でき、また、カメラユニット7によって使用者の視野角よりも広い画角で撮影された外界情景画像の周辺部を画像圧縮部803で圧縮し、圧縮された画像が表示画面で視認されるシースルー画像の周辺部に位置して表示されるように表示制御部804で制御することにより、使用者が使用者の視野角より広い範囲の外界情景を観察することができ、さらに重要度の高い正面画像はシースルー画像として鮮明に観察することができる様に、HMD1で行われる画像表示動作を制御するものである。
ここで、HMD1で行われる画像表示動作の詳細を、図5を用いて説明する。図5(a)は、外部情景に対する通常の人の視野範囲、視野狭窄者の視野範囲、及び撮影画角等の関係を示す模式図。図5(b)は、水平方向の画像分割、圧縮、表示動作を示す模式図である。
図5(a)に示す様に、通常の人の視野範囲A2には、視野左側の自動車X1、中央の自転車X2、及び右側の自転車X3のいずれもが納まり、通常の人は自動車X1、自転車X2、及び自転車X3を視認することができる。一方、視野狭窄者の視野範囲A3からは、例えば、視野左側の自動車X1、及び右側の自転車X3が外れ、視野狭窄者は自動車X1、及び自転車X3を視認することができない。
尚、A4は、通常の人の視野範囲A2等に対し、図3に示す接眼光学系65のHOE652による画像の表示領域を示している。
そこで、最初に、画像分割部802は、カメラユニット7によって通常の人の視野範囲A2よりも広い画角A1で撮影された外界情景の画像を、例えば、分割境界L1、L2で水平方向に左周辺部の画像G1、中央部の画像G2、右周辺部の画像G3の3つの画像に分割する。
次に、画像圧縮部803は、画像分割部802で分割された左周辺部の画像G1、右周辺部の画像G3を水平方向に圧縮してそれぞれ圧縮画像CG1、圧縮画像CG3を生成する。
そして、表示制御部804は、画像圧縮部803で生成された圧縮画像CG1、圧縮画像CG3を、図5(b)に示す様に、表示ユニット6中の接眼光学系65のHOE652による表示領域A4に視認されるシースルー画像SGの左右に位置する様に表示する。
この様にして、使用者の視野角を仮想的に水平方向に広げた時の見え方を図6に示す。図6(a)は、HMD1を装着していない時の見えを示した模式図。図6(b)は、HMD1によって使用者の視野角を仮想的に水平方向に広げた時の見えを示す模式図である。
図6(a)に示す様に、外界情景の周辺に位置し、視野狭窄者の視野範囲A3から外れて視認することができなかった自動車X1、自転車X3は、図6(b)に示す様に、前述した様な周辺を圧縮する画像表示動作行うことにより視野狭窄者の視野範囲A3に含まれるようになって視認されるようになる。さらに重要度の高い正面画像は、表示領域A4の中央部にシースルー画像として鮮明に視認されるようになる。
また、画像分割部802は、境界設定スイッチ830bで設定された分割境界に基づいて、カメラユニット7で撮影された外界情景の画像を水平方向に中央部と周辺部に分割することもできる。これにより、使用者は、使用者の視野範囲に応じて、周辺部の外界情景をより広く観察することができる。例えば、重度の視野狭窄者においては、分割境界を表示画面の中央部寄りに設定することにより、視野角が仮想的に大きく広がり、より広い範囲の外界情景を観察することができる様になる。
〔実施形態2〕
次に、本発明に係る映像表示装置の第2の実施形態によるHMDについて説明する。その要部構成は、前述した実施形態1と略同様なので詳細な説明は省略し、第1の実施形態と動作の異なる画像分割部802、画像圧縮部803、及び表示制御部804ついて説明する。
次に、本発明に係る映像表示装置の第2の実施形態によるHMDについて説明する。その要部構成は、前述した実施形態1と略同様なので詳細な説明は省略し、第1の実施形態と動作の異なる画像分割部802、画像圧縮部803、及び表示制御部804ついて説明する。
実施形態1によるHMD1においては、画像分割部802、画像圧縮部803、及び表示制御部804等より、使用者の視野角を仮想的に水平方向に広げるようにするものであるが、実施形態2によるHMD1においては、使用者の視野角を仮想的に垂直方向に広げるものである。
ここで、HMD1で行われる画像表示動作の詳細を、図7を用いて説明する。図7(a)は、外部情景に対する通常の人の視野範囲、視野狭窄者の視野範囲、及び撮影画角等の関係を示す模式図。図7(b)は、垂直方向の画像分割、圧縮、表示動作を示す模式図である。
図7(a)に示す様に、通常の人の視野範囲A2には、視野上側の信号機X5、及び中央の自転車X2のいずれもが納まり、通常の人は信号機X5、及び自転車X2を視認することができる。一方、視野狭窄者の視野範囲A3からは、例えば、視野上側の信号機X5が外れ、視野狭窄者は信号機X5を視認することができない。
そこで、最初に、画像分割部802は、カメラユニット7によって通常の人の視野範囲A2よりも広い画角A1で撮影された外界情景の画像を、例えば、分割境界L5で垂直方向に上周辺部の画像G5と中央部の画像G6の2つの画像に分割する。
次に、画像圧縮部803は、画像分割部802で分割された上周辺部の画像G5を垂直方向に圧縮して圧縮画像CG5を生成する。
そして、表示制御部804は、画像圧縮部803で生成された圧縮画像CG5を、図7(b)に示す様に、表示ユニット6中の接眼光学系65のHOE652による表示領域A4に視認されるシースルー画像SGの上部に位置する様に表示する。
この様にして、使用者の視野角を仮想的に垂直方向に広げた時の見え方を図8に示す。図8(a)は、HMD1を装着していない時の見えを示した模式図。図8(b)は、HMD1によって使用者の視野角を仮想的に垂直方向に広げた時の見えを示す模式図である。
図8(a)に示す様に、外界情景の周辺に位置し、視野狭窄者の視野範囲A3から外れて視認することができなかった信号機X5は、図8(b)に示す様に、前述した様な周辺を圧縮する画像表示動作行うことにより視野狭窄者の視野範囲A3に含まれるようになって視認されるようになる。さらに重要度の高い正面画像は、表示領域A4の中央部にシースルー画像として鮮明に視認されるようになる。
この様に、本発明に係るHMD1では、外界情景の正面画像を表示ユニット6の表示画面の中央部にシースルー画像として視認できるようにし、また、カメラユニット7によって使用者の視野角よりも広い画角で撮影された外界情景画像の周辺部を画像圧縮部803で圧縮し、圧縮された画像が表示画面に視認されるシースルー画像の周辺部に位置して表示されるように表示制御部804で制御する様にした、したがって、使用者は使用者の視野角より広い範囲の外界情景を観察することができ、さらに重要度の高い正面画像はシースルー画像として鮮明に観察することができる様になる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は前述の実施の形態に限定して解釈されるべきでなく、適宜変更、改良が可能であることは勿論である。例えば、前述の実施の形態においては、使用者の視野角を仮想的に水平方向、または垂直方向に広げるように画像表示動作を制御したが、水平方向、及び垂直方向の双方に同時に広げるようにしても良い、これにより、使用者は使用者の視野角より広い範囲で水平方向、及び垂直方向の外界情景を同時に観察することができる様になる。
1 HMD
2 フレーム
3 テンプル
4 鼻当て
5 透明基板
6 表示ユニット
61 LCD表示部
611 筐体
612 LED
613 コリメータレンズ
614 LCD
65 接眼光学系
651 プリズム
652 HOE
7 カメラユニット
701 CCDエリアセンサ
702 CDS回路
703 AGC回路
704 A/D変換器
705 タイミングジェネレータ
706 画像処理部
710 レンズ
8 制御ユニット
801 制御部
802 画像分割部
803 画像圧縮部
804 表示制御部
821 画像メモリ
822 VRAM
823 記録部
824 外部I/F
830 操作部
830a 電源スイッチ
830b 境界設定スイッチ
851 音声出力部
852 音声入力部
860 電源部
9 ケーブル
E 目
2 フレーム
3 テンプル
4 鼻当て
5 透明基板
6 表示ユニット
61 LCD表示部
611 筐体
612 LED
613 コリメータレンズ
614 LCD
65 接眼光学系
651 プリズム
652 HOE
7 カメラユニット
701 CCDエリアセンサ
702 CDS回路
703 AGC回路
704 A/D変換器
705 タイミングジェネレータ
706 画像処理部
710 レンズ
8 制御ユニット
801 制御部
802 画像分割部
803 画像圧縮部
804 表示制御部
821 画像メモリ
822 VRAM
823 記録部
824 外部I/F
830 操作部
830a 電源スイッチ
830b 境界設定スイッチ
851 音声出力部
852 音声入力部
860 電源部
9 ケーブル
E 目
Claims (4)
- 頭部または顔面に取り付けられ、使用者が外界をシースルー可能な映像表示装置であって、
画像を表示しシースルー可能な表示手段と、
外界情景を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段で撮影された画像を中央部と周辺部に分割する画像分割手段と、
前記画像分割手段で分割された周辺部の画像を圧縮する画像圧縮手段と、
前記画像圧縮手段で圧縮された画像を前記表示手段に表示する表示位置を制御する表示制御手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記画像圧縮手段で圧縮された画像を前記表示手段を通して視認できるシースルー画像の周辺部に表示することを特徴とする映像表示装置。 - 前記画像分割手段は、前記撮像手段で撮影された画像を水平方向に中央部と周辺部に分割し、
前記画像圧縮手段は、前記画像分割手段で分割された周辺部の画像を水平方向に圧縮することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。 - 前記画像分割手段は、前記撮像手段で撮影された画像を垂直方向に中央部と周辺部に分割し、
前記画像圧縮手段は、前記画像分割手段で分割された周辺部の画像を垂直方向に圧縮することを特徴とする請求項1または2に記載の映像表示装置。 - 前記撮像手段で撮影された画像を水平方向及び垂直方向、またはそのいずれかに分割する分割境界を設定する境界設定手段を有し、
前記画像分割手段は、前記境界設定手段で設定された分割境界に基づいて、前記撮像手段で撮影された画像を水平方向及び垂直方向、またはそのいずれかに分割することを特徴とする請求項2または3に記載の映像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006020634A JP2007199593A (ja) | 2006-01-30 | 2006-01-30 | 映像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006020634A JP2007199593A (ja) | 2006-01-30 | 2006-01-30 | 映像表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007199593A true JP2007199593A (ja) | 2007-08-09 |
Family
ID=38454249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006020634A Pending JP2007199593A (ja) | 2006-01-30 | 2006-01-30 | 映像表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007199593A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011128750A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-06-30 | Casio Computer Co Ltd | 画像処理装置及びプログラム |
JP2021135304A (ja) * | 2020-02-21 | 2021-09-13 | 株式会社Qdレーザ | 画像投影装置、画像投影方法、プログラム |
WO2023157053A1 (ja) * | 2022-02-15 | 2023-08-24 | 日本電信電話株式会社 | 視野拡張装置、視野拡張方法、視野拡張プログラム、および、視野拡張システム |
-
2006
- 2006-01-30 JP JP2006020634A patent/JP2007199593A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011128750A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-06-30 | Casio Computer Co Ltd | 画像処理装置及びプログラム |
US8848089B2 (en) | 2009-12-16 | 2014-09-30 | Casio Computer Co., Ltd. | Image processing apparatus and recording medium |
JP2021135304A (ja) * | 2020-02-21 | 2021-09-13 | 株式会社Qdレーザ | 画像投影装置、画像投影方法、プログラム |
JP7427237B2 (ja) | 2020-02-21 | 2024-02-05 | 株式会社Qdレーザ | 画像投影装置、画像投影方法、プログラム |
WO2023157053A1 (ja) * | 2022-02-15 | 2023-08-24 | 日本電信電話株式会社 | 視野拡張装置、視野拡張方法、視野拡張プログラム、および、視野拡張システム |
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