JP2007199474A - 画像形成装置及び記録材 - Google Patents

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Abstract

【課題】人または期間を限定して不可視情報の読み取りを可能にし、必要に応じて無効化できるようにする。
【解決手段】Kトナー像を形成する画像形成ユニット41Kと、不可視トナー像を形成する画像形成ユニット41I,41I,41Iと、中間転写ベルト46、二次転写装置410及び定着装置440とを含む。画像形成ユニット41I,41I,41Iでは、200℃以上の異なる温度でそれぞれ分解する近赤外線吸収剤を含む不可視情報用トナーを用いてコード画像が形成され、プリント後に低い光量の近赤外線でコード情報を読み取り、必要に応じて高い光量の近赤外線照射によりコード情報の無効化を可能とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置等に関し、より詳しくは可視画像とともに不可視画像を形成する画像形成装置等に関する。
近年、カラー電子写真法の普及が著しいが、それと共にカラー電子写真法を使用する分野も広くなっている。例えば、画像中に付加情報を重畳して付加データを埋め込むことによって、静止画像等のデジタル著作物の著作権保護、不正コピー防止、IDカード等の偽造防止やセキュリティー性の向上等が挙げられる。このような付加データの埋め込みには、不可視情報用トナーが用いられる。この不可視情報用トナーを用いた情報(以下、「不可視情報」と記すことがある。)は、半永久的に読み取りが可能である。特に、可視画像中において不可視情報の読み取りが可能な場合、情報の埋め込み場所が分かるので、可視画像を見ただけで、情報の有無が判断できる。
尤も、この不可視情報が半永久的に読み取りが可能である性質は、機密性の高い情報を埋め込む場合には部門外の人間に情報を読み取られるおそれがある。特に、2005年度から個人情報保護法の施行もあり、機密情報の漏洩が、企業にとって甚大な損害になる可能性が高い。
このような情報の漏洩を防ぐために、この不可視情報を含むドキュメントの読み取りを困難にする方法が報告されている。例えば、画像から情報を読み取る際に、所定の条件を満たす場合、読み取り装置内に記憶したデータを無効化する方法(特許文献1参照)、蛍光(発光)化合物を添加したトナーに紫外線を照射して発光させ、コピーの際に発光した可視光により秘密情報をぼやけさせる方法(特許文献2参照)が挙げられる。
特開2004−264888号公報 特開平11−119616号公報
しかし、従来の技術においては、不可視情報用トナーは、半永久的に情報の読み取りが可能であるため、不可視情報を無効化するためには、不可視情報用トナーによって不可視画像化されたドキュメント自身をシュレッドする方法しかなく、破棄したくない情報まで破棄せざるを得ないという問題点がある。
また、このような問題点は、可視画像中に不可視情報を埋め込むまたは積層した場合にも同様に存在する。
本発明は、このような技術的課題を解決するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、人または期間を限定して不可視情報の読み取りを可能にし、且つ、必要に応じて不可視情報を破棄できるようにすることである。
このような目的のもと、本発明では、可視画像中に不可視情報を重畳して埋め込む際に、所定の温度以上で分解し、近赤外線では読み取ることが困難になる不可視情報用トナーを使用した。
かくして本発明によれば、近赤外光領域に吸収波長を有し、熱により吸収曲線が変化して読み取りが制限される記録材を用いて画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段により形成した画像を媒体に転写する転写手段とを備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
ここで、記録材としては、低い光量の近赤外線により読み取り可能であり、且つ、高い光量の近赤外線により読み取りが制限されるものを用いることができる。
このような記録材として、より具体的には、少なくとも200℃において変性する熱変換材料を含むことができ、その場合、記録材は、近赤外光領域における吸光係数(λmax)が1×10以上、且つ、200℃から300℃迄の温度変化において10%以上分解する近赤外線吸収剤を含むことが好ましい。
また、記録材は、複数の熱変換材料を含むことができ、この場合、複数の熱変換材料として、200℃以上の異なる温度でそれぞれ分解するものを用いることにより、必要に応じて所定の分解温度に対応する不可視情報を破棄することができる。
また、本発明は、このような記録材そのものも提供する。即ち、本発明が適用される記録材は、コード画像と文書画像とを媒体に印刷する印刷装置に用いられ、コード画像を印刷するための記録材であって、常温における近赤外線によるコード画像の読み取りを可能にし、且つ、少なくとも200℃においてコード画像の読み取りを制限する熱変換材料を含むものである。
この場合、熱変換材料は、近赤外光領域における吸光係数(λmax)が1×10以上、且つ、少なくとも200℃において分解する近赤外線吸収剤を含むものであることが好ましく、さらに、熱変換材料は、200℃から300℃迄の温度変化(ΔT)100℃における分解量が10%以上であることが好ましい。
本発明によれば、必要に応じて不可視情報を無効化することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施の形態)について説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、使用する図面は、本実施の形態を説明するために使用するものであり、実際の大きさを表すものではない。
図1は、本実施の形態が適用されるシステムの構成の一例を示したものである。このシステムは、少なくとも、電子文書の印刷を指示する端末装置100と、電子文書を蓄積する文書リポジトリ200と、電子文書の画像にコード画像を重畳して印刷する画像形成装置400とがネットワーク900に接続されることにより構成されている。また、このシステムは、画像形成装置400にて出力される印刷物500と、印刷物500に文字又は図形を記録し、その文字又は図形の軌跡を読み取るペンデバイス600とを含む。更に、ネットワーク900には、ペンデバイス600から受信した軌跡と、文書リポジトリ200から取得した電子文書とを重ね合わせて表示する端末装置700も接続されている。
以下、本システムの動作の概略を説明する。
まず、端末装置100は、文書リポジトリ200から印刷対象の電子文書を取得する(A)。そして、画像形成装置400に対し、この電子文書の印刷を指示する(B)。このとき、端末装置100は、印刷に関するパラメータである印刷属性を指定する。この印刷属性には、通常の印刷と同様、用紙サイズ、向き、縮小/拡大、両面印刷、N−up(用紙の1ページ内に電子文書のNページを割り付ける印刷)等が含まれる。また、コード画像に関し、コード画像を印刷すべき領域の指定等が含まれてもよい。
この電子文書の印刷指示を受けると、画像形成装置400は、電子文書の画像にコード画像を重畳した画像を紙等の媒体に印刷し、印刷物500を出力する(C)。この場合、コード画像は、識別情報に対応する識別コードと、位置情報に対応する位置コードとを画像化したものである。或いは、その他の情報である付加情報を含めて画像化したものであってもよい。
ここで、識別情報としては、個々の媒体を一意に識別する情報を採用することができる。例えば、画像形成装置400の識別番号と画像形成装置400における媒体の印刷の一連番号又は印刷の日時とを組み合わせて得られる情報であってもよいし、所定のサーバにて重複がないように一元管理されている情報であってもよい。或いは、個々の媒体を一意に識別する情報ではなく、媒体に印刷された電子文書を一意に識別する情報を、識別情報として採用してもよい。
また、位置情報とは、個々の媒体上の座標位置(X座標、Y座標)を特定するための情報である。例えば、媒体の左上点を原点とし、媒体の右方向にX軸をとり、下方向にY軸をとることにより設定した座標系で、座標を表すことが考えられる。或いは、1つの媒体上には、1つの座標系ではなく、領域ごとに座標系を設ける等、複数の座標系を設定してもよい。
更に、付加情報としては、印刷指示を行ったユーザの識別情報や、コピー禁止であるかどうかの情報等がある。
また、画像形成装置400は、コード画像を、赤外光の吸収率が一定の基準以上である不可視のトナーを用いて不可視画像として形成する。一方、電子文書の文書画像は、赤外光の吸収率が一定の基準以下である可視のトナーを用いて可視画像として形成することが好ましい。尚、コード画像の形成に用いるトナーと文書画像の形成に用いるトナーとで、赤外光の吸収率に差を設けたのは、赤外光を照射してコード画像を読み取る際の読み取り精度を確保するためである。尚、本明細書では、赤外光照射によるコード画像の読み取りを前提として説明するが、紫外光によりコード画像を読み取るものであってもよい。
その後、ユーザが、ペンデバイス600を用いて印刷物500に文字又は図形を筆記したとする(D)。これにより、ペンデバイス600は、印刷物500に対し赤外光を照射し、その反射光を検出することでコード画像を入力する。そして、コード画像から情報を取得又は生成し、有線通信又は無線通信を介して、その情報を端末装置700に送信する(E)。尚、ここで送信される情報には、例えば、印刷物500の識別情報や、印刷物500に対して筆記された文字又は図形の位置情報がある。或いは、位置情報は、一定の時間における文字又は図形の位置情報を連結させた軌跡情報として送信するようにしてもよい。
その後、端末装置700は、ペンデバイス600から受信した識別情報に基づいて、印刷物500に印刷された文書画像の元となる電子文書を文書リポジトリ200から取得する(F)。そして、文書リポジトリ200から取得した電子文書と、ペンデバイス600から取得した情報とを重ね合わせて表示する。
ところで、ペンデバイス600から受信した識別情報が、個々の媒体を一意に識別する情報である場合、この識別情報に基づいて電子文書を取得できるようにするためには、識別情報と電子文書との対応関係を管理しておく必要がある。図1では、この対応関係をどこで管理するかについては明示しなかったが、端末装置700からアクセス可能であれば、どこで管理するようにしてもよい。例えば、文書リポジトリ200であってもよいし、画像形成装置400であってもよい。尚、ペンデバイス600から受信した識別情報が、媒体に印刷された電子文書を一意に識別する情報である場合は、このような対応関係を参照することなく、電子文書を取得することができる。
また、ペンデバイス600から軌跡情報を受信した場合、この軌跡情報は、印刷物500上での筆記位置に対応する電子文書上の位置に重ね合わせて表示される。これは、ペンデバイス600で読み取ったコード画像に筆記位置の情報が含まれるので、その情報から電子文書の表示イメージにおける対応する位置が特定できるからである。
以上、本実施の形態が適用されるシステムについて述べてきたが、このような構成はあくまで一例に過ぎない。例えば、画像形成装置400における文書画像とコード画像とを重畳する画像処理部の機能を、端末装置100、文書リポジトリ200、又はその他の装置で実現するようにしてもよい。また、文書リポジトリ200は、端末装置100内にあってもよい。更に、端末装置100と端末装置700とは、同一の端末装置であってもよい。
尚、本明細書では、「電子文書」の文言を用いるが、これは、テキストを含む「文書」を電子化したデータのみを意味するものではない。例えば、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、その他の印刷可能な電子データも含めて「電子文書」としている。
図2(a)〜(c)は、上述したコード画像を説明するための図である。図2(a)は、不可視画像として形成される2次元コード配列を模式的に示している。また、図2(b)は、図2(a)における2次元コード配列の1単位である2次元コードを拡大して示した図である。更に、図2(c)は、バックスラッシュ「\」とスラッシュ「/」のパターン画像を説明するための図である。
本実施の形態において、図2(a)〜(c)に示すコード画像は、可視光領域(400nm〜700nm)における最大吸収率が、例えば、7%以下であり、近赤外領域(波長800nm〜1000nm)における吸収率が例えば30%以上の不可視情報用トナー(記録材)によって形成される。また、この不可視情報用トナーは、画像の機械読み取りのために必要な近赤外光吸収能力を高めるために、平均分散径は100nm〜600nmの範囲のものが採用される。ここで、「可視」及び「不可視」は、目視により認識できるかどうかとは関係しない。印刷された媒体に形成された画像が可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性の有無により認識できるかどうかで「可視」と「不可視」とを区別している。また、可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性が若干あるが、人間の目で認識し難いものも「不可視」に含める。
また、このコード画像は、赤外光照射による機械読み取りと復号化処理とが長期に亘って安定して可能で、且つ、情報が高密度に記録できる不可視画像で形成される。更に、画像を出力する媒体表面の可視画像が設けられた領域とは関係なく、任意の領域に設けることが可能な不可視画像であることが好ましい。更に、例えば、目視した際に光沢差によって認識できる不可視画像であることが更に好ましい。また、例えば、印刷される媒体の大きさに合わせて媒体面(紙面)の全面に不可視画像が形成される。但し、「全面」とは、用紙の四隅を全て含む意味ではない。電子写真方式等の装置では、通常、紙面の周囲は印刷できない範囲である場合が多いことから、かかる範囲には不可視画像を印刷する必要はない。
図2(b)に示す2次元コードは、媒体上の座標位置を示す位置コードが格納される領域と、媒体等を一意に特定するための識別コードが格納される領域とを含んでいる。また、同期コードが格納される領域も含んでいる。そして、図2(a)に示すように、この2次元コードが媒体面に複数、格子状に配置される。即ち、媒体面に、図2(b)に示すような2次元コードが複数個、配置され、その各々が、位置コード、識別コード、及び同期コードを備えている。そして、複数の位置コードの領域には、それぞれ配置される場所により異なる位置情報が格納されている。一方、複数の識別コードの領域には、配置される場所によらず同じ識別情報が格納されている。
図2(b)において、位置コードは、5ビット×5ビットの矩形領域内に配置されている。各ビット値は、回転角度が異なる複数の微小ラインビットマップで形成され、図2(c)に示されるパターン画像(パターン0とパターン1)で、ビット値0とビット値1を表現している。より具体的には、相互に異なる傾きを有するバックスラッシュ「\」及びスラッシュ「/」を用いてビット0とビット1とを表現している。パターン画像は600dpiで8×8画素の大きさで構成されており、左上がりの斜線のパターン画像(パターン0)がビット値0を、右上がりの斜線のパターン画像(パターン1)がビット値1を表現する。従って、1つのパターン画像で1ビットの情報(0又は1)を表現できる。このような2種類の傾きからなる微小ラインビットマップを用いることで、可視画像に与えるノイズが極めて小さく、且つ、大量の情報を高密度にデジタル化して埋め込むことが可能な2次元コードを提供することが可能となる。
即ち、図2(b)に示した位置コード領域には合計25ビットの位置情報が格納されている。この25ビットのうち、12ビットをX座標の符号化に、12ビットをY座標の符号化に使用することができる。残りの1ビットは、どちらの符号化に利用してもよい。各12ビットを全て位置の符号化に使用すると、212通り(4096通り)の位置を符号化できる。各パターン画像が図2(c)に示したように8画素×8画素(600dpi)で構成されている場合には、600dpiの1ドットは0.0423mmであることから、図2(b)の2次元コード(同期コードを含む)の大きさは、縦横共に3mm程度(8画素×9ビット×0.0423mm)となる。3mm間隔で4096通りの位置を符号化した場合、約12mの長さを符号化できる。このように12ビット全てを位置の符号化に使用してもよいし、或いは、パターン画像の検出誤りが発生するような場合には、誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットを含めてもよい。
また、識別コードは、3ビット×8ビットの矩形領域に配置されており、合計24ビットの識別情報を格納できる。識別情報として24ビットを使用した場合は、224通り(約1700万通り)の識別情報を表現できる。識別コードも位置コードと同様に、24ビットの中に誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットを含めることができる。
一方、付加コードは、5ビット×3ビットの矩形領域に配置されており、合計15ビットの識別情報を格納できる。付加情報として15ビットを使用した場合は、215通り(約3万3千通り)の付加情報を表現できる。付加コードも識別コードや位置コードと同様に、15ビットの中に誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットを含めることができる。
尚、図2(c)に示す例では、2つのパターン画像は互いに角度が90度異なるが、角度差を45度とすれば4種類のパターン画像を構成できる。このように構成した場合は、1つのパターン画像で2ビットの情報(0〜3)を表現できる。即ち、パターン画像の角度種類を増やすことで、表現できるビット数を増加することができる。
また、図2(c)に示す例では、パターン画像を使用してビット値の符号化を説明しているが、パターン画像以外を採用してもよい。例えば、ドットのON/OFFや、ドットの位置を基準位置からずらす方向により符号化することも可能である。
ところで、本実施の形態では、このようなコード情報がプリントされた媒体において、人または期間を限定して不可視情報の読み取りを可能にし、且つ、必要に応じて不可視情報を消去(無効化)できるようにするものである。また、複数種類のコード情報がプリントされた媒体において、特定の種類のコード情報のみを選択的に消去(無効化)できるようにするものである。
尚、本明細書では、便宜上「消去」という文言を用いるが、これは、媒体上に印刷されたコード画像を物理的に消去することを意味するものではなく、コード画像から情報を読み出せなくすることを意味するものである。また、コード画像から情報を完全に読み出せなくすることに加え、コード画像から情報を読み出し難くすることを「消去」の概念に含めることもできる。従って、「消去」は「コード画像からの情報の読み取りを制限すること」と捉えることもできる。
本実施の形態におけるコード消去の様子を図3〜図5に示す。尚、ここでは、識別コード、位置コード及び付加コードが、図2(b)に示したように配置されているものとする。
図3は、コード情報の消去が一段階で行われる例である。このうち、図3(a)は、識別コード、位置コード及び付加コードを含むコード画像が文書画像に重畳されて印刷された印刷物500を示している。ここで、識別コード及び付加コードのコード画像は、第1の温度(T1)で熱的に変性する第1の不可視情報用トナーを用いて形成され、位置コードのコード画像は、第1の温度(T1)より高い第2の温度(T2:T2>T1)で熱的に変性する第2の不可視情報用トナーを用いて形成されている。
一方、図3(b)は、識別コード及び付加コードのコード画像を形成する第1の不可視情報用トナーを熱的に変性させることにより識別コード及び付加コードが消去され、位置コードのみが読み取り可能となった印刷物520を示している。
図4は、コード情報の消去が二段階で行われる第1の例である。
このうち、図4(a)は、識別コード、位置コード及び付加コードを含むコード画像が文書画像に重畳されて印刷された印刷物500を示している。ここで、識別コード及び付加コードのコード画像は、第1の温度(T1)で熱的に変性する第1の不可視情報用トナーを用いて形成され、位置コードのコード画像は、第1の温度(T1)より高い第2の温度(T2:T2>T1)で熱的に変性する第2の不可視情報用トナーを用いて形成されている。
また、図4(b)は、第1のコード情報消去手段(第1段階の加熱)により識別コード及び付加コードが消去され、位置コードのみが読み取り可能となった印刷物520を示している。
更に、図4(c)は、第2のコード情報消去手段(第2段階の加熱)により位置コードも消去され、コード情報が全く読み取れなくなった印刷物530を示している。
尚、ここでコード情報消去手段における加熱とは、例えば、高エネルギーの光を照射することによりコード画像を形成する不可視情報用トナー自身を発熱させる方法と、また、コード画像を形成する不可視情報用トナーに適当な方法で外部から熱を加えることによりトナーを熱的に変性させる方法とが含まれる。
図5は、コード情報の消去が二段階で行われる第2の例である。
このうち、図5(a)は、識別コード、位置コード及び付加コードを含むコード画像が文書画像に重畳されて印刷された印刷物500を示している。ここで、付加コードのコード画像は、第1の温度(T1)で熱的に変性する第1の不可視情報用トナーを用いて形成され、識別コードのコード画像は、第1の温度(T1)より高い第2の温度(T2:T2>T1)で熱的に変性する第2の不可視情報用トナーを用いて形成され、さらに、位置コードのコード画像は、熱的に変性しない第3の不可視情報用トナーを用いて形成されている。
また、図5(b)は、第1のコード情報消去手段(第1段階の加熱)により付加コードが消去され、識別コード及び位置コードのみが読み取り可能となった印刷物510を示している。更に、図5(c)は、第2のコード情報消去手段(第2段階の加熱)により識別コードも消去され、位置コードのみが読み取り可能となった印刷物520を示している。
このように熱によりコード情報を消去するためには、所定の温度以上で熱的に変性する熱変換材料を含む画像形成材料を用いてコード画像を印刷する必要がある。特に、人または期間を限定して不可視情報の読み取りを可能にし、且つ、必要に応じて不可視情報を消去(無効化)できるようにする場合は、通常使用する室温程度の環境では熱的に安定な性質を有し、且つ、所定の温度以上の環境下では、容易に熱分解する性質を有する熱変換材料を含む画像形成材料を用いてコード画像を印刷する必要がある。
また、不可視情報を消去(無効化)する場合、複数種類のコード情報がプリントされた媒体において、特定の種類のコード情報のみを選択的に消去(無効化)できるようにする場合は、熱分解温度が異なる複数の熱変換材料を含む画像形成材料を用いて、それぞれコード画像を印刷する必要がある。
このとき、所定の温度以上の環境下で容易に熱分解する性質を有する熱変換材料と、熱的に安定な化合物を含む画像形成材料とを用いてコード画像を印刷することにより、特定のコード情報のみを消去せずに残すことも可能である。
以下では、第1の温度(T1)で熱的に変性する第1の不可視情報用トナーと、第1の温度(T1)より高い第2の温度(T2:T2>T1)で熱的に変性する第2の不可視情報用トナーと、
さらに、第2の温度(T2)より高い第3の温度(T3:T3>T2)で熱的に変性する第3の不可視情報用トナーを用いて、コード画像を印刷する画像形成装置400について説明する。
図6は、画像形成装置400の構成例を示した図である。図6に示す画像形成装置400は、所謂タンデム型の装置であって、例えば、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット41(41I、41I、41I、41K)、各画像形成ユニット41にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト46、中間転写ベルト46上に転写された重ね画像を用紙(媒体)Pに一括転写(二次転写)させる二次転写装置410、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置440を備えている。
この画像形成装置400では、黒(K)のトナー像を形成する画像形成ユニット41Kの他に、不可視のトナー像を形成する画像形成ユニット41I、41I、41Iがタンデムを構成する画像形成ユニットとして設けられている。
また、画像形成ユニット41I、41I、41Iでは、画像形成ユニット41Kよりも赤外光の吸収が多い色材が使用される。このような色材としては、例えば、バナジルナフタロシアニンを含む色材が挙げられる。
ところで、本実施の形態では、画像形成ユニット41I、41I、41Iで使用する不可視情報用トナーとして、室温程度の環境では熱的に安定な性質を有し、且つ、所定の温度以上の環境下では、容易に熱分解する性質を有する熱変換材料を含むものを用いる。ここで、画像形成ユニット41Iで使用する第1の不可視情報用トナーとして、第1の温度(T1)で熱的に変性し、近赤外線では読み取ることが困難になるものを用いる。画像形成ユニット41Iで使用する第2の不可視情報用トナーとして、第1の温度(T1)より高い第2の温度(T2:T2>T1)で熱的に変性し、近赤外線では読み取ることが困難になるものを用いる。さらに、画像形成ユニット41Iで使用する第3の不可視情報用トナーとして、第2の温度(T2)より高い第3の温度(T3:T3>T2)で熱的に変性し、近赤外線では読み取ることが困難になるものを用いる。
これらの性質を有する色材については、後述する。
本実施の形態において、各画像形成ユニット41(41I、41I、41I、41K)は、矢印A方向に回転する感光体ドラム42の周囲に、これらの感光体ドラム42を帯電させる帯電器43、感光体ドラム42上に静電潜像を書き込むレーザ露光器44(図中、露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム42上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器45、感光体ドラム42上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト46に転写する一次転写ロール47、感光体ドラム42上の残留トナーを除去するドラムクリーナ48等の電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット41は、中間転写ベルト46の上流側から、不可視(I色、I色、I色)、黒(K色)の順に配置されている。
また、中間転写ベルト46は、各種ロールによって図に示す矢印B方向に回動可能に構成されている。この各種ロールとして、図示しないモータにより駆動されて中間転写ベルト46を回動させる駆動ロール415、中間転写ベルト46に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト46の蛇行を防止する機能を備えたテンションロール416、中間転写ベルト46を支持するアイドルロール417、及び、バックアップロール412(後述)を有している。
また、一次転写ロール47には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されるようになっており、これにより各々の感光体ドラム42上のトナー像が中間転写ベルト46に順次、静電吸引され、中間転写ベルト46上に重ねトナー像が形成されるようになっている。更に、二次転写装置410は、中間転写ベルト46のトナー像担持面側に圧接配置される二次転写ロール411と、中間転写ベルト46の裏面側に配置されて二次転写ロール411の対向電極をなすバックアップロール412とを備えており、このバックアップロール412には二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール413が当接配置されている。そして、二次転写ロール411には、二次転写ロール411に付着した汚れを除去するブラシロール414が接触配置されている。
また、二次転写ロール411の下流側には二次転写後の中間転写ベルト46の表面をクリーニングするベルトクリーナ421が設けられている。
更に、本実施の形態では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ430、この用紙トレイ430に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール431、ピックアップロール431にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール432、搬送ロール432により搬送された用紙Pを二次転写装置410による二次転写位置へと送り込む搬送シュート433、二次転写後の用紙Pを定着装置440へと搬送する搬送ベルト434を備えている。
次に、この画像形成装置400の作像プロセスについて説明する。ユーザによりスタートスイッチ(図示せず)がオン操作されると、所定の作像プロセスが実行される。具体的に述べると、例えばこの画像形成装置400をカラープリンタとして構成する場合には、ネットワーク900から送信されたデジタル画像信号をメモリに一時的に蓄積し、その蓄積されている4色(I、I、I、K)のデジタル画像信号に基づいて各色のトナー像形成を行わせるようにする。
即ち、画像処理によって得られた各色の画像記録信号に基づいて画像形成ユニット41(41I、41I、41I、41K)をそれぞれ駆動する。そして、各画像形成ユニット41I、41I、41I、41Kでは、帯電器43により一様に帯電された感光体ドラム42に対し、画像記録信号に応じた静電潜像が、レーザ露光器44によりそれぞれ書き込まれる。また、書き込まれた各静電潜像を各色のトナーが収容される現像器45により現像して各色のトナー像が形成される。
そして、各感光体ドラム42に形成されたトナー像は、各感光体ドラム42と中間転写ベルト46とが接する一次転写位置で、一次転写ロール47により印加される一次転写バイアスにより感光体ドラム42から中間転写ベルト46の表面に一次転写される。このようにして中間転写ベルト46に一次転写されたトナー像は中間転写ベルト46上で重ね合わされ、中間転写ベルト46の回動に伴って二次転写位置へと搬送される。
一方、用紙Pは、所定のタイミングで二次転写装置410の二次転写位置へと搬送され、中間転写ベルト46(バックアップロール412)に対して二次転写ロール411が用紙Pをニップする。そして、二次転写ロール411とバックアップロール412との間に形成される二次転写電界の作用で、中間転写ベルト46に担持された重ねトナー像が用紙Pに二次転写される。
その後、トナー像が転写された用紙Pは、搬送ベルト434によって定着装置440へと搬送され、トナー像の定着が行われる。一方、二次転写後の中間転写ベルト46は、ベルトクリーナ421によって残留トナーが除去される。
尚、図6に示した画像形成装置400には、黒(K)のトナー像を形成する1つの画像形成ユニット41Kと、不可視のトナー像を形成する3つの画像形成ユニット41I,41I,41Iとが設けられているが、このような構成には限られない。
例えば、画像形成ユニット41Kの代わりに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のいずれかのトナー像を形成する画像形成ユニットを設けてもよい。
また、不可視情報用トナー像を形成する画像形成ユニットは、必ずしも3つある必要はなく、2つあれば本発明の目的を達するのに十分である。具体的には、画像形成ユニット41Iがなければ、図4に示したコード消去を行うための構成となり、画像形成ユニット41Iがなければ、図5に示したコード消去を行うための構成となる。
次に、本実施の形態で使用する不可視情報用トナーについて説明する。
本実施の形態で使用する不可視情報用トナーは、所定の温度以上で熱的に変性し、この不可視情報用トナーが変性することにより、不可視情報が近赤外線(波長800nm〜1000nm)では読み取ることが困難になる性質を有することに特徴を有している。
ここで、所定の温度とは、200℃以上が好ましい。但し、上限は300℃が好ましい。また、不可視情報の読み取りは、通常、20mW〜800mWの近赤外線により行われる。
このような不可視情報用トナーの具体的な態様としては、例えば、少なくとも200℃において分解する近赤外線吸収剤を含み、通常、結着樹脂を含むことが好ましく、さらに必要に応じて、離型剤、着色剤、その他の成分を含有する不可視情報用トナーが挙げられる。
このような不可視情報用トナーにより形成されたコード画像を消去(無効化)する手段は、特に限定されないが、例えば、高エネルギー(高い光量)の光を照射することによりコード画像を形成する不可視情報用トナー自身を発熱させる方法と、また、コード画像を形成する不可視情報用トナーに適当な方法で外部から熱を加えることによりトナーを熱的に変性させる方法とが挙げられる。
中でも、高エネルギー(高い光量)の光を照射することによりコード画像を形成する不可視情報用トナー自身を発熱させる方法が好ましい。即ち、不可視情報用トナーに含まれる近赤外線吸収剤は、光熱変換材料であるから、高い光量の近赤外線を照射することにより自ら発熱分解し、そのため、不可視情報が近赤外線では読み取ることが困難になる。
ここで、近赤外線吸収剤は、近赤外光領域(波長800nm〜1000nm)において、吸光係数(λmax)が1×10以上であり、且つ、200℃から300℃迄の温度変化(ΔT)100℃における分解量が10%以上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上であるものを用いることが望ましい。
また、少なくとも200℃において近赤外線吸収剤が分解するために必要な近赤外線光量としては、不可視情報用トナーにより形成されたコード画像を読み取る際に用いる近赤外線光量より高い光量が必要である。具体的には、通常、0.5J/cm〜5J/cmのエネルギー照射が好ましく、1J/cm〜2J/cmがより好ましい。近赤外線光量が過度に低いと、不可視情報用トナーに含まれる近赤外線吸収剤が分解し難くなるため、不可視情報の無効化が困難となる。また、近赤外線光量が過度に高いと、トナー臭がする場合がある。
このような少なくとも200℃において分解する近赤外線吸収剤を含む不可視情報用トナーを用いて形成するコード画像は、低い光量の近赤外線により読み取ることができる。即ち、低い光量の近赤外線の場合は、近赤外線吸収剤が分解し難いため、光吸収曲線が変化せず、そのためコード画像を読み取ることができる。一方、コード画像は、高い光量の近赤外線により消去(無効化)することができる。即ち、近赤外線の光量を適宜選択することにより、コード情報の読み取りと消去(無効化)を使い分けが可能となる。
特に、近赤外線吸収剤の吸光係数(λmax)は、1×10〜5×10であることが好ましい。近赤外線吸収剤は、光熱変換材料であるから、通常、吸光係数(λmax)が大きい程、発熱エネルギーが高くなる。このため、吸光係数(λmax)が過度に小さいと、光熱変換能力が低下し、高い光量の近赤外線を照射しても近赤外線吸収剤の分解が起こり難い傾向がある。また、吸光係数(λmax)が過度に大きい近赤外線吸収剤は、現状製造することが難しいとされている。
尚、近赤外線吸収剤の吸光係数(λmax)は、例えば、分光光度計(株式会社日立製作所製:U−4000)等により測定することができる。
また、近赤外線吸収剤は、200℃から300℃迄の温度変化(ΔT)100℃における分解量が10%以上であることが好ましい。即ち、200℃未満の比較的低温においては、安定した状態を保持し、例えば、定着装置において200℃以上で加熱する際に分解する性質を有することが必要である。このような近赤外線吸収剤を含む不可視情報用トナーにより形成された画像情報は、低い光量の近赤外線を照射して読み取る際は、安定的に情報を読み取ることが可能である。一方、高い光量の近赤外線を照射することにより近赤外線吸収剤が分解し、情報の無効化が可能となる。
ここで、分解温度が過度に低いと、例えば、トナーの定着時に近赤外線吸収剤が分解する恐れがある。分解温度が過度に高いと、近赤外線吸収剤が分解し難いため、不可視情報の無効化が困難になるおそれがある。また、分解量が10%以上であることが必要である。200℃から300℃迄の温度変化(ΔT)100℃における近赤外線吸収剤の分解量が過度に少ないと、高い光量の近赤外線を照射しても分解し難いため、情報の無効化が困難となる傾向がある。
尚、近赤外線吸収剤の分解開始・終了温度・減量の測定は、例えば、熱重量測定装置(株式会社島津製作所製:DTG−60)等により測定することができる。
このような不可視情報用トナーに含まれる近赤外線吸収剤としては、吸光係数(λmax)1×10以上、且つ、200℃から300℃迄の温度変化(ΔT)100℃における分解量が10%以上であれば特に限定されない。具体的には、例えば、メロシアニン化合物、インドシアニン化合物、チアシアニン化合物、オキサシアニン化合物、シアニン化合物、トリアリールメタン化合物、フェナンスレン化合物、テトラデヒドロコリン化合物、クロコニックメチン化合物、スクアリリウム化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム化合物、クロコニウム化合物、アントラキノン化合物、金属錯体化合物、スクアリウム化合物、アズレニウム化合物、ポリメチン化合物、ナフトキノン化合物、トリフェニルメタン化合物、キサンテン化合物、ジオキサジン化合物、テトラヒドロコリン化合物、トリフェノチアジン化合物、アミニウム塩化合物、イモニウム塩化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物等が挙げられる。
これらの近赤外線吸収剤は単独で使用しても良い。また、分解温度が異なる複数の近赤外線吸収剤を用いて、それぞれ異なるコード情報を形成する場合は、特定の種類のコード情報のみを選択的に消去(無効化)することができる。
また、不可視情報用トナーに含まれる近赤外光吸収剤の合計量は、トナーを構成する固体の分総重量に対し0.1重量%〜5重量%含まれることが好ましく、0.2重量%〜3重量%含まれることがより好ましい。近赤外光吸収剤の含有量が過度に少ない場合、情報の読み込みが可能となる吸収が得られない傾向がある。また、近赤外光吸収剤の含有量が過度に多い場合は、不可視情報を無効化する際に、多大な光エネルギーが必要になるため、無効化が困難になる傾向がある。また、近赤外光吸収剤の着色が目立ち、目視で認知し易くなる恐れがある。さらに、混練にてトナーを調製する際、バインダーが相対的に少なくなるために、トナー化が困難になる傾向や、近赤外光吸収剤が均一に分散し難くなる傾向がある。
また、不可視情報用トナーに含まれる近赤外光吸収剤の平均分散径は1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。平均分散径が過度に大きい場合、近赤外光吸収剤の着色が目立ち易くなる傾向がある。
ここで、「平均分散径」とは、不可視情報用トナー中に分散している個々の近赤外吸収剤の平均粒子径を意味する。この平均分散径は、TEM(透過型電子顕微鏡:日本電子データム株式会社製、JEM−1010)観察により、トナー中に分散している1000個の粒子状の近赤外吸収剤について、個々の断面積よりその粒径を算出し、これを平均した値より求めることができる。
不可視情報用トナーに含まれる近赤外光吸収剤の粒度分布は、1〜1.5であることが好ましく、1〜1.2であることがより好ましい。粒度分布が過度に大きい場合、粗大粒子の存在が近赤外光の吸収量を低下させる傾向がある。
ここで、「粒度分布」は、上述した「平均分散径」において、16%径と84%径から粒度分布を計算した。
前述した通り、本実施形態で使用する可視情報用トナーは、吸光係数(λmax)が1×10以上であり、且つ、200℃から300℃迄の温度変化(ΔT)100℃における分解量が10%以上である近赤外線吸収剤を少なくとも含有する。このような近赤外線吸収剤は、上述した特性を満たせば特に限定されないが、特に不可視情報を考慮すると、可視領域の吸収が少ないことが好ましい。具体的には、例えば、近赤外光領域の波長800nm〜1000nmの範囲に最大吸収波長λmaxを有し、且つ、可視光領域の波長380nm〜780nmにおける最大吸収波長λmaxの吸収率は、前述した波長800nm〜1000nmにおける最大吸収波長λmaxの吸収率の80%以下であり、好ましくは50%以下であり、さらに好ましくは20%以下である。
不可視情報用トナーには、通常、結着樹脂が含まれる。結着樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、乳化重合法の場合、ビニル二重結合を有する重合性モノマーを重合して得られる樹脂であることが好ましく、中でも、不飽和カルボン酸を繰り返し単位に含有するスチレン−アクリル共重合樹脂であることがより好ましい。
ビニル二重結合を有する重合性モノマーの具体例としては、以下に列挙するような材料を用いることができる。例えば、スチレン、パラクロルスチレン等のスチレン類;ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメチレン脂肪族カルボン酸エステル類;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;アクリルアミド;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物等の含N極性基を有するモノマー;メタクリル酸、アクリル酸、桂皮酸、カルボキシエチルアクリレート等のビニルカルボン酸類等が挙げられる。
また、熱溶融混練・粉砕法により近赤外光吸収剤を含有する不可視情報用トナーを調製する場合は、トナー粒子中における、近赤外光吸収材料の分散均一性、濃度設定の自由度、および、近赤外トナー粒子の機械的強度確保等の観点から、ポリエステル樹脂を結着樹脂として用いることが好ましい。
このようなポリエステル樹脂の合成に用いるポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂の合成に用いるポリカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパンテトラメチレンカルボン酸等、およびそれらの無水物等が挙げられる。
さらに、このような結着樹脂としてのポリエステル樹脂は、軟化点90℃〜150℃、ガラス転移温度50℃〜80℃、数平均分子量2000〜7000、重量平均分子量8000〜15000、酸価が5〜40、水酸基価5〜50の範囲であることが好ましい。ポリエステル樹脂が、このような物性を有することによりトナーの定着性、不可視情報画像領域への光沢性が向上する。
不可視情報用トナーの製造方法としては、混練法、乳化重合法、懸濁重合法等特に限定されないが、通常、ヘテロ凝集法が混練法よりもトナー形状制御、小径化を行い易いので好ましい。
ヘテロ凝集法による製造法の場合、例えば、乳化重合凝集法において、通常1μm以下の微粒化された原材料を出発物質とするため、原理的に小径かつ狭い粒度分布のトナーを効率的に作成することができ、高画像な定着画像を得ることができるので好ましい。
このようにして得られる結着樹脂の微粒子分散液に含まれる微粒子の中心径(メジアン径)は1μm以下が好ましく、より好ましくは50nm〜400nm、さらに好ましくは70nm〜350nmの範囲が適当である。なお、微粒子の中心径は、例えばレーザ回析式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、LA−700)等で測定することができる。
乳化重合凝集法トナーの製造における凝集工程において、pH変化により凝集を発生させ、粒子を調整することができる。同時に粒子の凝集を安定且つ迅速に、またはより狭い粒度分布を有する凝集粒子を得る方法として、凝集剤を添加しても良い。
凝集剤としては一価以上の電荷を有する化合物が好ましい。具体的な化合物としては、例えば、イオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の水溶性界面活性剤類;塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類;塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩;酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩;ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩;アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩類等が挙げられる。
凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮した場合、無機酸の金属塩が性能、使用の点で好ましい。具体的には、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩が挙げられる。
これらの凝集剤の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量であって、一価の場合は3重量%以下程度、二価の場合は1重量%以下程度、三価の場合は0.5重量%以下程度である。凝集剤の量は少ない方が好ましいため、価数の多い化合物が好ましい。
本実施の形態で使用する不可視情報用トナーの製造方法では、融合工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程等を経ることによりトナーを得ることができる。この際、洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄することが好ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
本実施の形態で使用する不可視情報用トナーに必要に応じて添加または重ねて使用する着色トナーとして使用する着色剤としては、例えば、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
また、本実施の形態で使用する不可視情報用トナーに必要に応じて添加する離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を示すシリコン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような加熱により軟化点を示す脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような加熱により軟化点を示す植物系ワックス;ミツロウのような加熱により軟化点を示す動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような加熱により軟化点を示す鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物等を挙げることができる。これらのワックス類は、室温付近では、トルエン等溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量である。
これらの離型剤は、トナーを構成する固体分の総重量に対して5重量%〜25重量%の範囲で添加することが、オイルレス定着システムにおける定着画像の剥離性を確保する上で好ましい。
また、本実施の形態で使用する不可視情報用トナーは、必要に応じて、画像の耐候性等を向上させるために重合性紫外線安定性モノマー等を含有しても良い。
本実施の形態で使用する不可視情報用トナーの体積平均粒子径は、ヘテロ凝集法により調製する場合、3μm〜9μmが好ましく、4μm〜8μmがさらに好ましく、特に4.5μm〜7.5μmが好ましい。体積平均粒子径がこの範囲であることにより、トナーの重量が重いため、感光体とトナーの衝突時にトナー表面の金属酸化物を埋め込む力が大きく、結果として感光体表面に金属酸化物の残留を防ぐことができ、また、現像時の細線再現性に優れる。
本実施の形態で使用する不可視情報用トナーを混練法により調製する場合は、製造性を考慮すると、不可視情報用トナーの体積平均粒子径は3μm〜12μmの範囲が好ましく、5μm〜10μmの範囲がより好ましい。体積平均粒径が過度に小さいと、静電的付着力が重力と比べて大きくなり、粉体としてハンドリングするのが困難になる傾向がある。一方、体積平均粒径が過度に大きいと、高画質や高精細な不可視情報の記録が困難になる傾向がある。ここで、トナーの体積平均粒子径は、レーザ回析式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、LA−700)等で測定することができる。
本実施の形態で使用する不可視情報用トナーを可視トナーと併用する場合、または可視トナー内に近赤外線吸収剤を併用して用いる場合は、不可視情報用トナーを配置する部位は可視画像の上層部・下層部のどちらでも良く特に限定されないが、通常、可視画像の上層部に積層させることが好ましい。尚、不可視情報用トナーを可視画像の下層部に配置した場合、不可視情報を無効化する際に、上層部の可視画像によって近赤外線光が遮断されることにより、近赤外線吸収剤の分解効率が低下する傾向がある。
尚、本実施の形態においては、電子写真用現像剤は、前記不可視情報用トナーを含むことが好ましい。不可視情報用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられることが好ましい。二成分現像剤として用いる場合には公知のキャリア等と混合して使用されることが好ましい。
以下に、実施例に基づき本実施の形態をさらに詳細に説明する。なお、本実施の形態は実施例に限定されるものではない。
(1)樹脂微粒子分散液の調整
スチレン540重量部
n−ブチルアクリレート60重量部
アクリル酸12重量部
ドデカンチオール18重量部
上記成分を混合溶解してモノマー溶液を調製した。次に、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル株式会社製、ダウファックス)14重量部をイオン交換水250重量部に溶解し、これに前述のモノマー溶液を加えてフラスコ中で分散しモノマー乳化液を調製した(単量体乳化液A)。
続いて、同じくアニオン性界面活性剤(ダウケミカル株式会社製、ダウファックス)1重量部をイオン交換水555重量部に溶解し、重合用フラスコに仕込んだ。次に、重合用フラスコを密栓し、還流管を設置して窒素を注入しながら、ゆっくりと攪拌し、85℃まで重合用フラスコをウオーターバスで加熱し、保持した。また、過硫酸アンモニウム9重量部をイオン交換水43重量部に溶解し、これを前述した重合用フラスコ中に定量ポンプを介して20分間かけて滴下した後、単量体乳化液Aを再度定量ポンプを介して200分間かけて滴下した。その後、ゆっくりと攪拌を続けながら、重合用フラスコを85℃に、3時間保持して重合を終了した。これにより、微粒子の中心径195nm、ガラス転移温度54℃、酸価25mgKOH/g、固形分量42%であるアニオン性の樹脂微粒子分散液を得た。
(2)近赤外吸収剤粒子分散液(1)の調製
クロコニウム系化合物(Sensient Imaging Technologys Gmbh社製、ST173、分解量11%)46重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬株式会社製、ネオゲンR)4重量部
イオン交換水200重量部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA株式会社製、ウルトラタラックス)により10分間予備分散し、さらにサンドミルで2時間分散することにより、中心径125nm、固形分量20.0%の近赤外吸収剤粒子分散液(1)を得た。
(3)近赤外吸収剤粒子分散液(2)の調製
クロコニウム系化合物ST173の代わりに、ナフタロシアニン系化合物(山本化成株式会社製、YKR−369、分解量42%)46重量部を使用した以外は、前述した近赤外吸収剤粒子分散液(1)の調製と同様の操作により、中心径150nm、固形分量20.0%の近赤外吸収剤粒子分散液(2)を得た。
(4)近赤外吸収剤粒子分散液(3)の調製
クロコニウム系化合物ST173の代わりに、ナフタロシアニン系化合物(山本化成株式会社製、YKR−5010、分解量2%)46重量部を使用した以外は、前述した近赤外吸収剤粒子分散液(1)の調製と同様にして、中心径135nm、固形分量20.0%の近赤外吸収剤粒子分散液(3)を得た。
(5)着色剤粒子分散液(1)の調製
クロコニウム系化合物ST173の代わりに、サイアン系顔料(大日本インキ化学工業株式会社製、B15:3)46重量部を使用した以外は、前述した近赤外吸収剤粒子分散液(1)の調製と同様にして、中心径130nm、固形分量20.0%の着色剤粒子分散液(1)を得た。
(6)離型剤粒子分散液の調製
パラフィンワックス(日本精蝋株式会社製、HNPO190;融点85℃)46重量部
アニオン性界面活性剤(ダウケミカル株式会社製、ダウファクス)4重量部
イオン交換水200重量部
上記成分を96℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA株式会社製、ウルトラタラックスT50)で1時間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン株式会社製、ゴーリンホモジナイザー)で分散処理し、中心径160nm、固形分量20.0%の離型剤粒子分散液を得た。
(実施例1)
(トナー粒子(1)の調製)
樹脂微粒子分散液(樹脂70重量部)180重量部
近赤外吸収剤粒子分散液(1)(近赤外吸収剤2重量部)10重量部
離型剤粒子分散液(離型剤6.45重量部)30重量部
ポリ塩化アルミニウム0.15重量部
イオン交換水500重量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA株式会社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら47℃まで加熱し、47℃で90分間保持した後、ここに樹脂微粒子分散液81重量部(樹脂34重量部)を追加して緩やかに攪拌した。その後、水酸化ナトリウム水溶液(0.5mol/L)で系内をpH6.0に調整した後、攪拌を継続しながら95℃まで加熱した。95℃までの昇温の間、通常の場合、系内はpH5.0程度まで低下したがそのまま保持した。反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、分離した固形分を40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分間、300rpmで攪拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、真空乾燥を12時間行いトナー粒子(1)を得た。
このトナー粒子(1)の、分光光度計で測定した波長(λ)850nmにおける吸収量は、32であった。
また、トナー粒子(1)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径(D50)5.6μm、体積平均粒度分布指標(GSDv)1.21であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子(1)は、形状係数(SF1)128のポテト形状であった。
上記のトナー粒子(1)50重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット株式会社製、TS720)1.2重量部を添加し、サンプルミルで混合して外添トナー(1)を得た。そして、ポリメチルメタアクリレート(総研化学株式会社製)を1%被覆した平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5%になるように外添トナー(1)を秤量し、両者をボールミルで5分間攪拌・混合して現像剤(1)を調製した。
(実施例2)(近赤外線吸収剤の種類を変更)
実施例1において、近赤外吸収剤粒子分散液(1)の代わりに、近赤外吸収剤粒子分散液(2)を使用した以外は、実施例1の同様の操作によりトナー粒子(2)、外添トナー(2)及び現像剤(2)を得た。
このトナー粒子(2)の、分光光度計で測定した波長(λ)850nmにおける吸収量は、47であった。
また、このトナー粒子(2)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径(D50)5.5μm、体積平均粒度分布指標(GSDv)1.23であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子(2)は、形状係数(SF1)130のポテト形状であった。
(実施例3)(近赤外線吸収剤を減量)
実施例2において、近赤外吸収剤粒子分散液(2)の添加量を10重量部から5重量部に減量した以外は、実施例1と同様の操作により、トナー粒子(3)、外添トナー(3)及び現像剤(3)を得た。
このトナー粒子(3)の、分光光度計で測定した波長(λ)850nmにおける吸収量は、30であった。
また、トナー粒子(3)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径(D50)5.7μm、体積平均粒度分布指標(GSDv)1.23であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子(3)は、形状係数(SF1)128のポテト形状であった。
(実施例4)(近赤外線吸収剤を増量)
実施例2において、近赤外吸収剤粒子分散液(2)の添加量を10重量部から25重量部に増量した以外は、実施例1の同様の操作によりトナー粒子(4)、外添トナー(4)及び現像剤(4)を得た。
このトナー粒子(4)の、分光光度計で測定した波長(λ)850nmにおける吸収量は、64であった。
また、トナー粒子(4)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径(D50)5.5μm、体積平均粒度分布指標(GSDv)1.23であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子(4)は、形状係数(SF1)129のポテト形状であった。
(実施例5)(近赤外線吸収剤と着色剤との併用)
実施例1において、さらに着色剤粒子分散液(1)50重量部(顔料10重量部)添加した以外は、実施例1と同様の操作によりトナー粒子(5)、外添トナー(5)及び現像剤(5)を得た。
このトナー粒子(5)の、分光光度計で測定した波長(λ)850nmにおける吸収量は、33であった。
また、トナー粒子(5)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径(D50)5.7μm、体積平均粒度分布指標(GSDv)1.24であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子(5)は、形状係数(SF1)130のポテト形状であった。
(実施例6)(混練粉砕法トナー)
結着樹脂として線状ポリエステルを92重量部と、クロコニウム系化合物(Sensient Imaging Technologys Gmbh社製、ST173)3重量部、添加剤としてワックス(長鎖直鎖脂肪酸長鎖直鎖飽和アルコール;ベベン酸ステアリル)5重量部からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と粗粒とを分級し、体積平均粒径(平均粒径D50)8.8μmのトナー粒子(6)を得た。
尚、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールとを原料として合成したものであり、ガラス転移温度(Tg)73℃、数平均分子量(Mn)4900、重量平均分子量(Mw)35000、酸価12mgKOH/g、水酸価21mgKOH/gであった。
また、実施例1と同様の操作により、外添トナー(6)及び現像剤(6)を得た。このトナー粒子(6)の、分光光度計で測定した波長(λ)850nmにおける吸収量は、40であった。また、トナー粒子(6)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径(D50)8.8μm、体積平均粒度分布指標(GSDv)1.42であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子(6)は、形状係数(SF1)150のポテト形状であった。
(比較例1)(分解量10%未満の近赤外線吸収剤)
実施例1において、近赤外吸収剤粒子分散液(1)の代わりに、近赤外吸収剤粒子分散液(3)を使用した以外は、実施例1と同様な操作によりトナー粒子(7)、外添トナー(7)及び現像剤(7)を得た。
このトナー粒子(7)の、分光光度計で測定した波長(λ)850nmにおける吸収量は、34であった。
また、トナー粒子(7)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径(D50)5.6μm、体積平均粒度分布指標(GSDv)1.20であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子(7)は、形状係数(SF1)129のポテト形状であった。
尚、実施例1〜実施例6、比較例1において調製したトナーの測定結果を表1に示す。
Figure 2007199474
表1に示す結果から、トナー粒子(1)〜(6)(実施例1〜実施例6)は、分光光度計で測定した波長(λ)850nmにおける吸収量が大きいことが分かる。これに対して、トナー粒子(7)(比較例1)は、波長(λ)850nmにおける吸収量が小さいことが分かる。
本発明の実施の形態が適用されるシステムの全体構成を示した図である。 本発明の実施の形態において媒体上に印刷されるコード画像を説明するための図である。 本発明の実施の形態による作用を示した図である。 本発明の実施の形態による作用を示した図である。 本発明の実施の形態による作用を示した図である。 本発明の実施の形態における画像形成装置の構成例を示した図である。
符号の説明
100,700…端末装置、200…文書リポジトリ、400…画像形成装置、500…印刷物、600…ペンデバイス

Claims (8)

  1. 近赤外光領域に吸収波長を有し、熱により吸収曲線が変化して読み取りが制限される記録材を用いて画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により形成した画像を媒体に転写する転写手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記記録材は、低い光量の近赤外線により読み取り可能であり、且つ、高い光量の近赤外線により読み取りが制限されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記記録材は、少なくとも200℃において変性する熱変換材料を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記記録材は、近赤外光領域における吸光係数(λmax)が1×10以上、且つ、200℃から300℃迄の温度変化において10%以上分解する近赤外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記記録材は、複数の熱変換材料を含み、
    前記複数の熱変換材料は、200℃以上の異なる温度でそれぞれ分解することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. コード画像と文書画像とを媒体に印刷する印刷装置に用いられ、当該コード画像を印刷するための記録材であって、
    常温における近赤外線による前記コード画像の読み取りを可能にし、且つ、少なくとも200℃において当該コード画像の読み取りを制限する熱変換材料
    を含むことを特徴とする記録材。
  7. 前記熱変換材料は、近赤外光領域における吸光係数(λmax)が1×10以上、且つ、少なくとも200℃において分解する近赤外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項6記載の記録材。
  8. 前記熱変換材料は、200℃から300℃迄の温度変化(ΔT)100℃における分解量が10%以上であることを特徴とする請求項6記載の記録材。
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