JP2007196316A - 流体アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 並列回路接続電極の構造を用いたマイクロアクチュエータにおいて発生する全てのクーロン力を荷電流体の推進力に利用するための流体アクチュエータを提供することにある。
【解決手段】 荷電流体1中に浸漬した電極3〜3間の電界4で発生するクーロン力による駆動力を前記荷電流体1に付与する流体アクチュエータにおいて、隣接する正方向駆動の電極対と逆方向駆動の電極対の内、逆方向駆動の電極対間を絶縁体21で電気的に絶縁する。この構成により、逆方向駆動の電極対間が絶縁されているため、逆方向駆動の電極対に発生するクーロン力を弱めて、該クーロン力が正方向駆動の電極対に発生するクーロン力に干渉するのを回避できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、荷電流体中に浸漬した電極間の電界で発生するクーロン力による駆動力を前記荷電流体に付与する流体アクチュエータに関する。
電位をもつ電極に触れる、或いは他の物体に擦れると帯電する液体は、一部学会で電界共役液体(ECF)と呼ばれている(特許文献1,特許文献2等)。本願では、この液体を荷電液体と定義する。この荷電液体を用いたポンプ或いはモータについての論文が多数発行されている。
非特許文献1のFig.1の左に図示されたマイクロアクチュエータは、荷電液体が帯電した後、電界により駆動力を発生し、電極に到達して放電した後に駆動力を失う。このため、荷電液体のジェット流が形成される。この駆動力は、荷電液体の特性,電極の形状と種類,電極の配置,電極間の電圧などによって異なる。このジェット流のメカニズムをEHD(Electro-Hydraulic Dynamics)と言い、その駆動力を効率よく生成し、その駆動力を利用することが重要である。
実用新案登録第3041928号 特開平11−215869号 A MICROACUTUATOR USING ECF-JET WITH NEEDLE-TYPE ELECTRODES On the Design of an Electrohydrodymamic Ion-Drag Micro pump Influence of Electrode Geometry on Ion-drag Pump Static Pressure Selecting a Working Fluid to Increases the Efficiency and Flow Rate of an EHD Pump
ところで、上述した特許文献及び非特許文献に開示された流体アクチュエータを分析すると、プラス電位とグランド電位を印加する対をなす電極間の間隔を狭く、前記対をなす電極の組の間隔を広く設定している。
したがって、従来のマイクロアクチュエータにおいては、間隔の狭い2つの電極にプラス電位とグランド電位を印加することにより、前記2つの電極間に電界を発生させ、その電界で発生するクーロン力を駆動力として、荷電液体に付与している。荷電液体は、前記クーロン力による駆動力を受けてジェット流として流れる。
しかしながら、従来のマイクロアクチュエータは、複数の電極のうち、プラス電位とグランド電位を印加する2つの電極を対とし、この電極対の電極間隔を狭く設定し、電極対を構成しない電極間の間隔を広く設定している、すなわち、並列配置電極の構造を採用している。このような並列回路接続電極の場合、電極対をなす電極間に発生する電界の向きと、電極対を構成しない電極間に発生する電界の向きとが逆向きとなる。このことは、並列回路接続電極の場合、電極対を構成する電極間の電界で発生する第1のクーロン力と、電極対を構成しない電極間の電界で発生する第2のクーロン力が逆向きとなることを意味する。
したがって、前記第1のクーロン力による駆動力を受けたジェット流は、前記第1のクーロン力と逆向きである前記第2のクーロン力を受けてしまい、そのジェット流の流れが弱められて、ジェット流の効率を低下させるという問題があった。
この問題は、前記第1のクーロン力を発生させる電界の向きと、前記第2のクーロン力を発生させる電界の向きが逆である。言換えると、1つおきに同電位にした並列回路接続電極の構造に起因している。この並列回路接続電極の構造を改良しない限り、第1のクーロン力と第2のクーロン力を荷電流体の推進力に利用することができないのである。
本発明の目的は、前記並列回路接続電極の構造を用いたマイクロアクチュエータにおいて発生する全てのクーロン力を荷電液体の推進力に利用するための流体アクチュエータを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る流体アクチュエータは、荷電流体中に浸漬した電極間の電界で発生するクーロン力による駆動力を前記荷電流体に付与する流体アクチュエータにおいて、隣接する正方向駆動の電極対と逆方向駆動の電極対とのうち、逆方向駆動の電極対間を絶縁体で電気的に絶縁したことを特徴とするものである。この場合、前記絶縁体は、前記逆方向駆動の電極対の電界が集中する箇所を被覆していることが望ましいものである。
本発明によれば、隣接する逆方向駆動の電極対の相互間が電気的に絶縁されているため、逆方向駆動の電極対に発生するクーロン力が弱められ、このクーロン力が、隣接する正方向駆動の電極対に発生するクーロン力に干渉することを回避して、正方向駆動の電極対に発生するクーロン力を有効に荷電流体に駆動力として作用させることとなる。
また、本発明は、前記電極に電圧を制御して印加する電圧制御ユニットを備え、前記電圧制御ユニットにより、前記複数の電極対に電圧を並列に印加するようにしてもよいものである。
この構成によれば、正方向駆動の電極対ばかりでなく、逆方向駆動の電極対にもクーロン力が発生するが、逆方向駆動の電極間に発生するクーロン力は、絶縁体により正方向駆動の電極に発生するクーロン力へ干渉することを阻止されるため、正方向駆動の電極間に発生する電界の向きが荷電流体の流れ方向に揃えられ、その電界で発生するクーロン力が荷電流体の流れ方向に統一されることとなる。
また、本発明は、荷電流体がプラスに帯電する特性を備えている場合には、前記電圧制御ユニットにより、前記荷電流体の流れの上流側電極に印加する電圧が下流側電極に印加する電圧より高くなるように設定する。逆に荷電流体がマイナスに帯電する特性を備えている場合には、前記電圧制御ユニットにより、前記荷電流体の流れの上流側電極に印加する電圧が下流側電極に印加する電圧より低くなるように設定する。
この構成によれば、電極に電圧が印加されて、その電極間に発生する電界の向きが荷電流体の流れ方向に揃えられ、その電界で発生するクーロン力が荷電流体の流れ方向に統一されることとなる。
また、本発明における前記電極は、前後に位置する全ての電極が電極対をなして列状に配列するようにしても良いものである。この場合、前記電極対の列は、直線状、又は円弧状をなすようにしても良いものである。
この構成によれば、前記複数の電極の配列の仕方に応じて、荷電流体のジェット流の方向を種々変更することが可能となる。
また、前記電極対の列を円弧状にする場合においても、前記列の最初に位置する前記電極と前記列の最後に位置する前記電極との間が電気的に絶縁されるため、逆方向駆動の電極相互間における逆クーロン力の発生が抑制される。
そのため、前記絶縁した電極対を同心軸方向に配置し、対をなす電極間に発生するクーロン力により荷電流体に遠心力を作用させるようにしてもよいものである。
以上のように、同心軸方向に配置した複数の電極対によるクーロン力に基づいて荷電流体に遠心力を作用させることにより、荷電流体は特定の空間内を円運動するため、前記荷電流体の円運動を外部に回転力として取り出すことにより、流体アクチュエータを流体ポンプ或いは流体モータとして構築することが可能となる。
以上説明したように本発明によれば、隣接する正方向駆動の電極対と逆方向駆動の電極対とのうち、逆方向駆動の電極対間を絶縁体で電気的に絶縁しているため、逆方向駆動の電極対に発生するクーロン力が弱められ、このクーロン力が正方向駆動の電極対に発生するクーロン力に干渉することを回避でき、正方向駆動の電極間のクーロン力が有効に荷電流体に駆動力として作用させることができる。したがって、従来例に係る並列回路接続電極の構造を用いたマイクロアクチュエータにおいて発生する全てのクーロン力を荷電流体の推進力に利用するための流体アクチュエータを提供することができる。
さらに、従来のような並列回路接続電極構造のように、一部の電極間の電界で発生する逆向きのクーロン力の影響を極力小さくするために、一部の電極間の間隔を広くする必要がなく、複数の電極の間隔を詰めて配置することができ、流体アクチュエータをコンパクトに構成することができるとともに、正方向駆動の電極対に発生する電界の強さを増して、クーロン力による駆動力を増加させることができる。
また、複数の電極は、前後に位置する電極が電極対をなして列状に配列され、且つ正方向駆動の電極対に発生するクーロン力は、逆方向駆動の電極対に発生するクーロン力の影響を受けることがなく、正方向駆動の電極間に発生するクーロン力を最大限に有効に荷電流体の推進用駆動力として利用することができる。
また、電極対の列を直線状或いは円弧状をなす形状に構成することにより、荷電流体のジェット流の方向を種々変更することができる。
また、同心円上に配置した複数の電極対によるクーロン力に基づいて荷電流体に遠心力を作用させることにより、荷電流体は特定の空間内を円運動するため、前記荷電流体の円運動を外部に回転力として取り出すことにより、流体アクチュエータを流体ポンプ或いは流体モータとして構築することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
電位をもつ電極に触れる、或いは他の物体と擦れると、プラス(+)或いはマイナス(−)に帯電する特性を備えた荷電液体1として、(1)2−エチルヘキシルベンジルフタレート(商品名;プライサイザーB−8),(2)9,10−エポキシブルステアレート(商品名;サンソサイザーE-4030),(3)テロラヒドフタル酸ジオクチルエステル(商品名;サンソサイザーDOTP),(4)プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA),(5)メチルアセチルリシレート(MAR-N),(6)2-エチルヘキシルパルミテート(商品名;エキセパールEH-P),(7)ブチルステアレート(商品名;エキセパールBS),デカン二酸ジブチルなどが存在する。
また、荷電液体1としては、そのもの自体が帯電するものに限られるものではなく、溶媒に含まれる溶質が帯電するものであってもよい。また荷電液体1としては、プラス(+)又はマイナス(−)のいずれかに単極帯電するもの、双極帯電する或いはイオン化するもののいずれであってもよい。双極帯電する荷電液体としては、電位をもつ電極に触れて、プラス及びマイナスに荷電し、プラスとマイナスの大きさの差に応じて、プラス又はマイナスのいずれかに単極荷電したと同様な効果を発揮するものであればよい。また、イオン化する荷電液体としては、電位をもつ電極に触れて、イオン化してプラス及びマイナスに荷電し、プラスとマイナスの大きさの差に応じて、プラス又はマイナスのいずれかに単極荷電したと同様な効果を発揮するものであればよい。また、荷電液体としては、それ自身が帯電特性を備えたものばかりでなく、その溶媒に含まれる溶質が帯電特性を備えているものでもよい。また、荷電液体1の場合についてのみ説明したが、帯電する気体であってもよい。要は、荷電流体1は、電位をもつ電極に触れ、或いは他の物体と擦れて、帯電する特性をもつ流体(液体及び気体を含む)であれば、いずれのものであってもよい。以下の説明では、荷電流体の1種である荷電液体1を例にとって本発明の実施形態を説明する。
これらの荷電液体1は、電位をもつ電極に触れ、或いは他の物体と擦れて、プラス又はマイナスに帯電する。対をなす電極に電圧が印加すると、電極対間に電界が発生し、その電界で発生するクーロン力は、荷電液体1の推進力としての駆動力を荷電液体1に付与する。荷電液体1は、前記クーロン力に基づく駆動力によりジェット流となって流れる。
図1は、本発明の実施形態に係る流体アクチュエータにおける電極配列の構造を示すものである。本発明の実施形態は基本的構成として、荷電液体1中に浸漬した電極3(3〜3)間の電界4で発生するクーロン力による駆動力を前記荷電液体1に付与する流体アクチュエータを対象とするものであり、隣接する正方向駆動の電極対と逆方向駆動の電極対とのうち、逆方向駆動の電極対間を絶縁体で電気的に絶縁したことを特徴とするものである。
(実施形態1)
次に、荷電液体1中に浸漬した複数の電極3(3〜3)間の電界で発生するクーロン力の作用方向を前記荷電液体1の流れ方向Aに統一するにあたって、複数の電極3は、前後に位置する全ての+電極とグランド電極とが1つ置きにそれぞれ電極対をなして列状に配列されている、すなわち並列配置電極の構造に配置されている。図1に示す電極対は直線状をなして、荷電液体1の流れ方向Aに沿って配列されている。ここに、図1の例において、+電極3とグランド電極3、+電極3とグランド電極3、+電極3とグランド電極3、・・・+電極3n−1とグランド電極3は、それぞれ正方向駆動の電極対を構成している。また、グランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3、・・・グランド電極3n−2と+電極3n−1は、それぞれ逆方向駆動の電極対を構成している。
さらに、図1に示すように、本実施形態において、隣接する正方向駆動の電極対と逆方向駆動の電極対とのうち、逆方向駆動の電極対間を絶縁体(誘電体)21で電気的に絶縁する。すなわち、逆方向駆動の電極3と電極3の間、電極3と電極3の間、電極3と電極3の間・・・電極3n−4と電極3n−3の間、電極3n−2と電極3n−1の間は、絶縁体21により電気的に絶縁する。
図2(A)に示すように、前記電極31〜3として、ストライプ状の電極を用い、この電極31〜3を横向きに設置して、荷電液体1の流れに対して前記電極3〜3による流動抵抗を極力小さくすると共に、絶縁体21の外形形状を流線型に成型し、荷電液体1の流れに対して前記絶縁体21による流動抵抗を極力小さくしている。図2(A)に示すストライプ状の電極3〜3は図1に示すように、平行な2枚の平板19,20で形成されるチャネルS内に設置され、荷電流体1がチャネルS内に流動する。但し、図1に示すようにストライプ状電極3〜3は2枚の平板19,20間の中間位置に配置したが、これに限られるものではない。ストライプ状電極3〜3は、対向する2枚の平板19,20の内面にそれぞれ取付けてもよく、さらには2枚の平板19,20のいずれか一方の内面に取付けて良いのである。なお、電極3はストライプ状のものに代えて、丸棒形状のものを用いてもよいものである。この丸棒電極を用いる場合、その直径が荷電液体1の流れを妨げない程度の細径のものを用いる。また、電極3としては、プリント基板に形成されたものであってもよい。要は、電極3としては、荷電液体1の流れを妨げない構造のものであって、電圧印加により電界が最大限に発生する構造であれば、いずれものでもよいのである。
次に、前記電極と絶縁体21との関係を図2(B)に基づいて説明する。図2(B)では、隣接する正方向駆動の電極対3及び3と逆方向駆動の電極対3及び3を取り上げて、前記電極と絶縁体21との関係について説明する。図2(B)に示すように、隣接する正方向駆動の電極対3及び3と逆方向駆動の電極対3及び3との内、逆方向駆動の電極対3,3間は絶縁体21により電気的に絶縁されている。すなわち、グランド電極3と+電極3との間は絶縁体21により電気的に絶縁されている。
逆方向駆動の電極対3と3に電圧を印加すると、電界4は電極3の端部Bに集中し、対向する電極3の端部Bに終端する。そこで、本実施形態において、絶縁体21は、逆方向駆動の電極対3,3の電界が集中する端部B,Bを被覆して、逆方向駆動の電極対3,3間に設けられ、電極3と3の間を電気的に絶縁している。
図2(B)において、+電極3及び+電極3に+Vの電圧を印加し、グランド電極3にグランド電位を印加する。すると、+電極3の端部Bに電界4が集中し、その電界4はグランド電極3の端部Bに終端する。同様に、グランド電極3と+電極3との間にも電位差が生じるため、両電極3と3の間には逆向きの電界が発生することとなる。この場合も、電界は+電極3の端部Bに集中し、グランド電極3の端部Bに終端する。
しかし、隣接する正方向駆動の電極対3,3と逆方向駆動の電極対3,3とのうち、逆方向駆動の電極対3,3間は、絶縁体(誘電体)21で電気的に絶縁されている。この場合、図2(C)に示すように、電極3と3に電圧を印加すると、その電極3,3間に電界Eが発生するとともに、絶縁体21の両端部にも誘電電荷が帯電する。なお、電界E1に関する電気力線は省略してある。この電気力線は、+電極3からグランド電極3に向かう方向性を持っている。電界E1とは別に、絶縁体21に誘電された電荷によって、誘電体21の内外部に電界E2及びE3が発生する。この電界E2及びE3は矢印で示すように、グランド電極32から+電極33に向かうものであり、前記E1と向きは逆向きになっている。
したがって、誘電体である絶縁体21の内部における電界の強さはE−Eであり、絶縁体21の外部における電界の強さはE−Eであり、誘電体である絶縁体21の内外における電界は、Eよりも小さくなる。また、荷電液体1が逆駆動されるP点付近は、その電界がE1−E3であり、+電極33とグランド電極32間の距離を大きくすることにより、極めて小さくすることができる。
以上のように、隣接する正方向駆動の電極対3,3と逆方向駆動の電極対3,3のうち、逆方向駆動の電極対3,3間を絶縁体(誘電体)21で電気的に絶縁し、また、前記逆方向駆動の電極対3,3の電界が集中する箇所、特に電極3,3の端部B,Bを絶縁体21で被覆しているため、逆方向駆動の電極対3,3間の逆電界による影響を極めて小さくすることができる。
グランド電極3と+電極3との間には、絶縁体21が存在するが、図2(B)に示すように、絶縁体21の外形21aは荷電流体1の流れに対して流線型に成形してあるため、荷電液体1の流れを阻害することはない。したがって、グランド電極3と+電極3の間に絶縁体21を設けたことによる問題は生じないものである。
以上説明した技術内容は、図2(B)に示す電極に限られるものではなく、図1に示す全ての電極対についても同様に適用できるものである。
前記電極対を構成する一方の電極3,3,3,3・・・3n−1には+V電位を、他方の電極3,3,3・・・3にはグランド電位をそれぞれ印加する(並列回路接続の電極構造)。以上説明した電極3〜3には、図3に示す電圧制御ユニット8を用いて、+電位,グランド電位の電圧を印加する。前記電圧制御ユニット8は、荷電液体1がプラスに帯電する特性を有するため、チャネルS内での荷電液体1の流れ方向Aの上流側A1の電極に印加する電圧を下流側A2の電極に印加する電圧より高くなるように設定し、この設定の下で電圧制御を行う。
なお、上述した実施形態では、荷電液体1がプラスに帯電する場合について説明したが、これに限られるものではない。前記電圧制御ユニット8は、荷電液体1がマイナスに帯電する特性を有する場合、チャネルS内での荷電液体1の流れ方向Aの上流側A1の電極に印加する電圧を下流側A2の電極に印加する電圧より高くなるように設定し、この設定の下で電圧制御を行うようにすればよいものである。
次に、本発明の実施形態1の動作について説明する。図1に示す実施形態に係る荷電液体1は、電圧Vをもつ電極3,3・・・3n−1に触れると、プラスに帯電する。そこで、本発明の実施形態においては、電圧制御ユニット8を用いて、荷電液体1の流れ方向Aの上流側の+電極3,3,3・・・3n−1に印加する電圧(+電位)が下流側のグランド電極3,3,3・・・3n−1に印加する電圧(グランド電位)よりも高い電圧を電極対3〜3にそれぞれ印加すると、正方向駆動の電極対をなす電極3と3、3と3、・・・3n−3と3n−2、3n−1と3の間に電圧差が生じ、正方向駆動の電極対をなす電極3と3、3と3、・・・3n−3と3n−2、3n−1と3の間に電界4がそれぞれ発生する。
また、同時に、逆方向駆動のグランド電極3と+電極3,グランド電極3と+電極3・・・グランド電極3n−2と+電極3n−1の間に逆向きの電界(逆電界)がそれぞれ発生し、これらの逆電界が問題となる。
しかし、逆向きの逆電界を発生させる+電極3,3・・・3n−1とグランド電極3,3,3・・・3n−2との間には絶縁体21が設けられている。この場合、+電極3,3・・・3n−1とグランド電極3,3,3・・・3n−2との間に発生する逆電界は、絶縁体21がないときよりも小さくなっており、しかも、前記逆電界は、絶縁体21と接する+電極3,3・・・3n−1の端部Bに集中している。したがって、+電極3,3・・・3n−1の端部Bに集中した電界がグランド電極3,3,3・・・3n−2の端部Bに終端する際に、図2(C)で説明したように、その強さが弱められることとなる。
さらに、荷電流体1が前記逆電界で発生するクーロン力による駆動力を受ける箇所である+電極3,3・・・3n−1の端部Bは絶縁体21により荷電液体1から隔離されており、+電極3,3・・・3n−1の端部Bには、荷電液体1が全く存在しない。したがって、+電極3,3・・・3n−1とグランド電極3,3,3・・・3n−2との間に逆電界が発生するが、+電極3,3・・・3n−1及びグランド電極3,3,3・・・3n−2の周辺に存在する荷電液体1は、前記逆電界で発生するクーロン力による駆動力を受けることがない。そのため、+電極3,3・・・3n−1とグランド電極3,3,3・・・3n−2との間の電界で発生するクーロン力は、+電極3,3・・・3n−1とグランド電極3,3,3・・・3n−2との間の逆電界で発生するクーロン力により影響されることがない。したがって、+電極3,3・・・3n−1及びグランド電極3,3,3・・・3n−2付近に存在する荷電液体1は、+電極3,3・・・3n−1とグランド電極3,3,3,3・・・3n−2間の電界で発生するクーロン力による駆動力のみを受け、次のグランド電極3,3・・・3n−2と+電極3・・・3n−1の間の逆電界で発生するクーロン力による駆動力を受けることなく、グランド電極3,3・・・3n−2及び+電極3・・・3n−1の領域を通過することとなる。
なお、グランド電極3,3,3・・・3n−2と+電極3,3・・・3n−1との間であって、絶縁体21が存在しない領域にも電界が発生するが、これらの電極3,3・・・3n−1と、3,3,・・・3n−2間に発生する逆電界の強さは図2(C)で説明したように微々たるものであり、荷電液体1の流れに影響を与えるものでない。
グランド電極3,3,3・・・3n−2と+電極3,3・・・3n−1との間には、絶縁体21が存在するが、図2(B)に示すように、絶縁体21の外形21aは荷電流体1の流れに対して流線型に成形してあるため、荷電液体1の流れを阻害することはない。したがって、グランド電極3,3,3・・・3n−2と+電極3,3・・・3n−1の間に絶縁体21を設けたことによる問題は生じないものである。
正方向駆動の電極対による電界4は、逆方向駆動の電極対に発生する逆電界の影響を受けることなく、荷電液体1の流れ方向Aに揃い、これらの電界4で発生する全てのクーロン力は、荷電液体1の流れ方向Aに統一して作用する。したがって、正方向駆動の電極対による電界で発生するクーロン力が荷電液体1の推進力として有効に働くこととなる。このため、クーロン力による荷電液体1のジェット流の効率を向上させることができる。
図1に示す実施形態では、前後に位置して電極対をなす電極3と3,3と3、3と3,・・・3n−2と3n−1,3n−1と3の間隔を等間隔に設定したが、これに限られるものでない。これらの電極3〜3の間は、逆方向駆動の電極対による逆電界の影響を受けない限りにおいて電極間の距離,電極間の電位差が異なっていてもよい。このことは後述する他の実施形態においても同様である。
(実施形態2)
次に、図1に示す並列配置電極の構造であって、かつ直線状に配置した電極3〜3をパイプ5に組込んだ例を実施形態2として説明する。図4に示すように、実施形態2に係る電極3〜3は、その形状をリング状にして、そのリングの中央部を荷電液体1が流れる構造に構成している。さらに、前記リング状電極3〜3は、パイプ5内のチャネルS内でパイプ5の内周方向に沿わせてパイプ5の内壁に取付けられ、パイプ5の軸方向5aに並列配置電極の構造に配置されている。更に、逆方向駆動の電極対をなすグランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3・・・グランド電極3n−2と+電極3n−1との間を絶縁体21により電気的に絶縁して、逆電界で発生する逆クーロン力による影響を回避している。このものにおいても、図2(C)に示すように、絶縁体21は、逆方向駆動の電極対をなす電極3,3、3,3・・・3n−2,3n−1の電界が集中する箇所を被覆している。
したがって、正方向駆動の電極対をなす3と3,3と3・・・3n−3と3n−2,3n−1と3の間の電界で発生するクーロン力が減衰されることなく、駆動力として得て、荷電液体1は、パイプ5の軸方向5aに沿う方向を流れ方向Aとして、ジェット流となって流れることとなる。なお、荷電液体が電極に接して荷電し、さらに電界が集中するように、リング状電極の内、絶縁体21で被覆されていない箇所に王冠状の突起を出してもよい。
なお、パイプ5としては、導体或いは非導体のいずれを用いてもよい。但し、導体のパイプ5を用いる場合には、+電極3,3,3・・・3n−3,3n−1を導体のパイプ5と電気的に絶縁して外部に引き出し、グランド電極3,3・・・3n−2,3を導体のパイプ5に共通に接続してよいものである。また、逆に、グランド電極3,3・・・3n−2,3を導体のパイプ5と電気的に絶縁して外部に引き出し、+電極3,3,3・・・3n−3,3n−1を導体のパイプ5に共通に接続してよいものである。
(実施形態3)
図5は、本発明の実施形態3に係る電極構造を示す図である。本実施形態に係る電極3と3、3と3がそれぞれ正方向駆動の電極対を構成している。この場合、逆方向の電極対をなすグランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3の間に、+電極3とグランド電極3、+電極3とグランド電極3の間に発生する電界と逆向きの電界が発生する。そこで、前記逆電界による影響を回避するため、グランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3の間にそれぞれ絶縁体21を設けて、逆電界による影響をなくしている。このものにおいても、図2(C)に示すように、絶縁体21は、逆方向駆動の電極対をなす電極3,3、3,3・・・3n−2,3n−1の電界が集中する箇所を被覆している。
さらに、電極3〜3の外形3a、及び絶縁体21の外形21aを流線型に成形し、電極3〜3の荷電流体1に対する流動抵抗を軽減させている。
したがって、本実施形態によれば、荷電液体1に対する電極3〜3及び絶縁体21の流動抵抗がそれぞれ軽減されるため、荷電液体1は電極3〜3及び絶縁体21の箇所をスムーズに流れることとなる。なお、図5では、電極3〜3を取り上げて説明したが、図5の電極構造は全ての電極に適用されるものである。
(実施形態4)
図6は、本発明の実施形態4を示す図である。本実施形態では、電極対の一方の電極3,3,3,3・・・3n−1を針状の電極構造として構成し、他方の電極3,3,3、3・・・3をお椀型(断面形状が馬蹄形)の電極構造として構成している。さらに、逆方向駆動の電極対をなすグランド電極3,3,3、3・・・3と+電極3,3,3,3・・・3n−1の間をそれぞれ絶縁体21により電気的に絶縁している。このものにおいても、図2(C)に示すように、絶縁体21は、逆方向駆動の電極対をなす電極3,3、3,3・・・3n−2,3n−1の電界が集中する箇所を被覆している。
本実施形態によれば、逆方向駆動の電極対をなす一方の電極3,3,3,3・・・3n−1は、針状電極構造であり、電界が集中する端部が極めて小さくなるばかりでなく、その約半分の長さに渡って絶縁体21内に埋め込まれているため、逆方向駆動の電極対に発生する逆電界の強さを極力小さく抑制することができる。さらに、針状電極3,3,3,3・・・3n−1に対向する他方の電極3,3,3、3・・・3はお椀型(断面が馬蹄形)をなし、その内部に絶縁体21を埋め込んだ構造になっているため、同様に、逆方向駆動の電極対に発生する逆電界による荷電流体1に対する影響、すなわち荷電流体の流れを阻害することを極力小さく抑制することができる。
なお、図6では、針状電極構造の電極3,3,3,3・・・3n−1とお椀型の電極3,3,3、3・・・3の複数組を荷電流体の流れ方向に対して交差する方向に並列に配置してもよいものである。さらに、電極3,3,3,3・・・3n−1の電極構造を、荷電液体の流れに対して交差する方向に向けた帯状電極として構成し、電極3,3,3、3・・・3の電極構造を、前記帯状電極に対向する樋状に構成し、1本の樋状電極3,3,3、3・・・3に対して、複数組の電極3,3,3,3・・・3n−1をそれぞれ並列に配置してもよいものである。また、前記帯状の電極3,3,3,3・・・3n−1の電界が集中する端部をジクザク状の山形電極構造とし、ジクザク状の頂点(山の頂部)に電界が集中するようにしてもよいものである。
(実施形態5)
次に、荷電液体1中に浸漬した複数の電極3間の電界で発生するクーロン力の作用方向を、前記荷電液体1の流れ方向Aに統一するにあたって、電極対をなす複数の電極を円弧状に配列した例について説明する。
図7及び図8に示す実施形態においては、複数の電極3〜3に、細径の丸棒形状の電極を用い、これらの電極3〜3を円筒形状のステータ6の内壁の周方向に一定間隔(例えば等間隔)に取付け、これらの電極3〜3を円弧状に配列している。なお、前記棒状電極に代えて、円弧状に湾曲させたプリント基板の内面にストリップ状電極を一定間隔で形成した電極対を用いてもよいものである。
このものにおいても、正方向駆動の電極対は、電極3と3,3と3・・・3n−2と3により構成されている。この場合、逆方向駆動の電極対は、電極3と3,3と3・・・3n−2と3n−1,3と3により構成される。さらに、逆方向駆動の電極対をなす電極3と3,3と3・・・3n−2と3n−1,3と3の間は、それぞれ絶縁体21により電気的に絶縁されている。このものにおいても、図2(C)に示すように、絶縁体21は、逆方向駆動の電極対をなす電極3,3、3,3・・・3n−2,3n−1,3,3の電界が集中する箇所を被覆している。
したがって、グランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3・・・グランド電極3nと+電極3の間に逆電界、すなわち+電極3とグランド電極3、+電極3とグランド電極3・・・+電極3n−1とグランド電極3の間に発生する電界と逆向きの電界が発生したとしても、グランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3、グランド電極3nと+電極3の間にそれぞれ絶縁体21を設けて、前記逆電界による影響を回避している。
図8に示すように、円筒形ステータ6の中央部には、羽7aを周面に備えたロータ7を回転可能に軸支する。円筒形ステータ6内には、荷電液体1を充填する。
次に、本発明の実施形態5の動作について図7及び図8に基づいて説明する。荷電液体1は、電圧+Vをもつ電極3,3・・・3n−1に触れると、プラスに帯電する。そこで、本発明の実施形態においては、図3に示す電圧制御ユニット8を用いて、図7及び図8に示す荷電液体1の流れ方向Cの上流側の電極3,3・・・3n−1に印加する電圧(+V)が下流側の電極3,3,3・・・3に印加する電圧(グランド電位)よりも高い電圧を電極3,3,3・・・3n−2,3n−1にそれぞれ印加すると、電極対をなす電極3と3、3と3、・・・3n−3と3n−2、3n−1と3との間に電圧差が生じ、正方向駆動の電極対をなす電極3と3、3と3、・・・3n−3と3n−2、3n−1と3の間に電界4が発生する。同時に、逆方向駆動の電極対をなすグランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3・・・グランド電極3nと+電極3の間には逆電界が発生する。しかし、絶縁体21の働きによって図2(C)で説明したように、前記逆電界は、正方向駆動の電極対に発生する正方向電界に影響を与えることはなく、正方向駆動の電極対による電界で発生するクーロン力は減衰されることなく、荷電液体1に作用することとなる。
実施形態5において、図7及び図8に示す電極3〜3は、ステータ6の内壁に沿って周方向に配列されて円弧状に配列されているため、電極3と3、3と3・・・3n−1〜3には、電界がそれぞれ前記周方向に発生し、その電界で発生するクーロン力により荷電液体1が駆動力を得て、図7の時計方向Cに沿って渦流として流動する。
図9に示す実施形態においては、ステータ6内に回転可能に軸支したロータ7の周面に、細径の丸棒形状である電極3〜3を一定間隔(例えば等間隔)に取付け、電極3〜3を円弧状に配列している。このものにおいても、逆方向駆動の電極対をなすグランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3・・・グランド3n−2と+電極3n−1,グランド電極3と+電極3の間を絶縁体21により電気的に絶縁している。したがって、絶縁体21の存在により、逆方向駆動の電極対をなすグランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3・・・グランド電極3nと+電極3の間に発生する電界は、正方向駆動の電極対をなす+電極3とグランド電極3、+電極3とグランド電極3・・・+電極3n−1とグランド電極3の間に発生する正電界に影響を与えることはなく、前記逆電界による影響が回避されることとなる。
図9において、電極3〜3は、ロータ7の周面に沿って周方向に配列されて円弧状に配列されているため、電極3〜3に発生する電界は、前記ロータ7の周方向に作用し、その電界で発生するクーロン力により荷電液体1が駆動力を得て、図9の時計方向Cに沿って渦流として流動する。
(実施形態6)
図7〜図9に示す実施形態は、円筒形ステータ6の内壁、或いはロータ7の周面を利用して、複数の電極3〜3を円弧状に配列したが、これに限られるものではない。図10に示すように、回転軸8を備えた円盤9の一面上に、複数の扇状電極3〜3を回転軸9側から径方向に放射状に配置することにより、複数の扇状電極3〜3を円盤9の周方向に沿って円弧状に配列してもよいものである。
このものにおいても、逆方向駆動の電極対をなすグランド電極3と3、3と3・・・3n−2と31n−1、3と3の間を絶縁体21により電気的に絶縁している。また、図2(C)に示すように、絶縁体21は、逆方向駆動の電極対をなす電極3,3、3,3・・・3n−2,3n−1、3の電界が集中する箇所を被覆している。
したがって、逆方向駆動の電極対をなすグランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3・・・グランド電極3と+電極3の間に発生した逆電界は、正方向駆動の電極対をなす+電極3とグランド電極3、+電極3とグランド電極3・・・+電極3n−1とグランド電極3の間に発生する電界と逆向きとなったとしても、絶縁体21の存在によって、前記逆電界による影響が回避されることとなる。
(実施形態7)
図11は、本発明をサイクロン型ポンプに適用した実施形態を示す図である。図11(a)に示すように、本実施形態のサイクロン型ポンプは、ポンプ本体23と、このポンプ本体23を気密に閉塞している側板22から構成されている。
ポンプ本体2は、中央部に円筒型のポンプ室25を設けており、そのポンプ室25の中央部には、荷電流体1の取入口25aが設けられている。この取入口25aは、側板22に開口した荷電流体1の吸込口22aに連通している。さらに、ポンプ本体23のポンプ室25には電極対3〜3が円弧状に設けられている。正方向駆動の電極対は、+電極3とグランド電極3、+電極3とグランド電極3・・・+電極3n−1とグランド電極によりそれぞれ構成されている。さらに、逆方向駆動の電極対は、グランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3・・・グランド電極3n−2と+電極3n−1、グランド電極3と+電極3により構成される。さらに、逆方向駆動の電極対をなすグランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3・・・グランド電極3n−2と+電極3n−1、グランド電極3と+電極3の間には絶縁体21が設けられている。そして、前記逆方向駆動の電極対に発生する逆電界が、前記正方向駆動の電極対に発生する正電界に影響を与えないように構成されている。このものにおいても、図2(C)に示すように、絶縁体21は、逆方向駆動の電極対をなす電極3,3、3,3・・・3n−2,3n−1の電界が集中する箇所を被覆している。
さらに、ポンプ室25には、ラセン状の通路26の一端26aが連通し、通路26の他端26bがポンプ本体23から外部に向けて開口されている。
実施形態7において、電極3〜3は、ポンプ室25の内壁に沿って周方向に配列されて円弧状に配列されているため、正方向駆動の電極対をなす+電極3とグランド電極3、+電極3とグランド電極3・・・+電極3n−1とグランド電極に正方向の電界が発生し、荷電液体1が前記正電界によるクーロン力を受けて、図11(b)の時計方向Cに沿って渦流として流動する。
この場合、ポンプ室25にはラセン状通路26の一端26aが開口されているため、渦流となった荷電流体1は、遠心力を受けてポンプ室25からラセン状通路26に送り出され、ラセン状通路26に案内されて他端26bから排出される。ポンプ室25内の荷電流体1が送り出されると、ポンプ室25内の圧力が下がるため、新たな荷電流体1が側板22の吸込口22aからポンプ本体23の取入口25aを通してポンプ室25内に補給される。以上の動作を繰り返すことにより、荷電流体1がポンプ室25から送り出され、サイクロンポンプとして作用する。
本実施形態において、逆方向駆動の電極対をなすグランド電極3と+電極3、グランド電極3と+電極3・・・グランド電極3と+電極3の間に発生した逆電界は、正方向駆動の電極対をなす+電極3とグランド電極3、+電極3とグランド電極3・・・+電極3n−1とグランド電極3の間に発生する電界と逆向きとなったとしても、絶縁体21の存在によって、前記逆電界による影響が回避されることとなる。
(実施形態8)
図12は、図11の変形例を示す図である。図12に示す実施形態では、ラセン状通路26に沿って複数の電極27〜27を一定間隔で敷設している。これらの電極のうち、電極27と27、27と27・・・27n−1と27は正方向駆動の電極対を構成している。そして、逆向きの電界を発生させる電極27と27、27と27・・・27n−2と27n−1は、逆方向駆動の電極対を構成しており、それらの間は、絶縁体21により電気的に絶縁されており、これらの絶縁体21により前記逆電界による影響を回避している。また、図2(C)に示すように、絶縁体21は、逆方向駆動の電極対をなす電極27,27、27,27・・・27n−2,27n−1の電界が集中する箇所を被覆している。
本実施形態によれば、ラセン状通路26に沿って正方向駆動の電極対が設けられ、かつ逆方向駆動の電極対に発生する逆電界の影響が回避されるため、ポンプ室25からの荷電液体1をより円滑に外部に向けて送り出すことができるという利点がある。
以上説明したように本発明によれば、隣接する正方向駆動の電極対と逆方向駆動の電極対のうち、逆方向駆動の電極対間が絶縁体により電気的に絶縁されているため、正方向駆動の電極対に発生する電界によるクーロン力に対して、逆方向駆動の電極対に発生する電界によるクーロン力が干渉することを回避でき、正方向駆動の電極対に発生するクーロン力を有効に荷電流体に駆動力として作用することができる。したがって、従来例に係る並列回路接続電極の構造を用いたマイクロアクチュエータにおいて正方向駆動の電極対に発生する全てのクーロン力を荷電流体の推進力に利用することできる。
図1は、本発明の実施形態1を示す構成図である。 図2(A)は電極の配置状態を示す斜視図、図2(B)は電極対と絶縁体とを関係を示す図、図2(C)は、絶縁体による効果を説明する図である。 図3は、本発明の実施形態に係る電圧制御ユニットを示す回路図である。 図4は、並列配置電極構造をパイプに組込んだ状態を示す断面図である。 図5は、電極の変形例を示す断面図である。 図6は、電極の変形例を示す断面図である。 図7は、電極対を円弧状に配列した状態を示す斜視図である。 図8は、円弧状に配列した電極対とロータの関係を示す平面図である。 図9は、円弧状に配列した電極列の別の実施形態を示す斜視図である。 図10は、円盤上に扇形状の電極を円弧状に配置した別の電極対を示す斜視図である。 図11(a)は、サイクロン型ポンプの側面図、図14(b)は、図11(a)のA−A´線に沿って断面したポンプ本体を示す断面図、図11(c)は、図11(a)のB−B´線に沿って断面した側板を示す断面図である。 図11に示すポンプ本体の別の例を示す断面図である。
符号の説明
1 荷電液体
〜3 電極(電極対)
4 電界
5 パイプ
6 ステータ
7 ロータ
21 絶縁体

Claims (9)

  1. 荷電流体中に浸漬した電極間の電界で発生するクーロン力による駆動力を前記荷電流体に付与する流体アクチュエータにおいて、
    隣接する正方向駆動の電極対と逆方向駆動の電極対のうち、逆方向駆動の電極対間を絶縁体で電気的に絶縁したことを特徴とする流体アクチュエータ。
  2. 前記絶縁体は、前記逆方向駆動の電極対の電界が集中する箇所を被覆していることを特徴とする請求項1に記載の流体アクチュエータ。
  3. 前記電極に電圧を制御して印加する電圧制御ユニットを備え、
    前記電圧制御ユニットは、前記絶縁した複数の電極対に電圧を並列に印加することを特徴とする請求項1に記載の流体アクチュエータ。
  4. 前記荷電流体は、プラスに帯電する特性を有し、
    前記電圧制御ユニットは、前記荷電流体の流れの上流側電極に印加する電圧が下流側電極に印加する電圧より高くなるように設定することを特徴とする請求項1に記載の流体アクチュエータ。
  5. 前記荷電流体は、マイナスに帯電する特性を有し、
    前記電圧制御ユニットは、前記荷電流体の流れの上流側電極に印加する電圧が下流側電極に印加する電圧より低くなるように設定することを特徴とする請求項1に記載の流体アクチュエータ。
  6. 前記絶縁された電極対は、列状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の流体アクチュエータ。
  7. 前記電極対の列は、直線状をなすものであることを特徴とする請求項6に記載の流体アクチュエータ。
  8. 前記電極対の列は、円弧状をなすものであることを特徴とする請求項6に記載の流体アクチュエータ。
  9. 前記電極対は同心軸方向に配置され、対をなす電極間に発生するクーロン力により荷電流体に遠心力を作用させることを特徴とする請求項6に記載の流体アクチュエータ。
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