次に、本発明の好適な実施形態について図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機を示す正面図であり、図2は本体枠および前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
[1.パチンコ機の構成]
パチンコ機1は、図1および図2に示すように、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、および機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤4の盤面(前面)には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられ、該案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成されている。遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、スピーカ装着板13を介して低音用スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。そして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8および下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、サイド装飾装置27、上皿28、音響電飾装置29を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置27が、下部に上皿28が、上部に音響電飾装置29が装着されている。サイド装飾装置27は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体33を主体として構成されている。サイド装飾体33には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ34が組み込まれている。音響電飾装置29は、透明カバー体35、スピーカ36、スピーカカバー37、およびリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
[2.遊技盤の構成部材]
次に、遊技盤4に区画形成された遊技領域12内に設けられる各種構成部材について説明する。図3は遊技盤を示す正面図である。
遊技領域12の中央部分には、図3に示すように、演出装置40が配設されている。演出装置40は、複数個の発光体(例えば、4個のLED176)の点灯によって特別図柄を変動表示する特別図柄表示器41と、左・中・右の3つの図柄で構成される複数種類の装飾図柄を変動表示するとともに種々の演出表示を表示領域42で行う液晶表示器116(図14に符号のみ記載)と、複数個の発光体(例えば、4個のLED182)の点灯によって所定条件が成立(始動入賞口45および電動始動入賞口46に遊技球が入賞)したが、未だ特別図柄の変動が開始されていない記憶数(始動記憶数)を表示する特図記憶ランプ54と、特別図柄表示器41、液晶表示器116、特図記憶ランプ54を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための前面装飾板43とを備えている。また、演出装置40の右上部分には、演出ランプ44a,44bが取り付けられている。これらの演出ランプ44a,44bは、表示領域42による演出表示に合わせた点灯又は階調点灯(明るさが滑らかに変化する点灯)表示を行うようになっている。
演出装置40の下方には、始動入賞口45と始動入賞口45の下方に一対の開閉翼47を有する電動始動入賞口46とが配設されている。電動始動入賞口46は、普通図柄表示器50の表示結果が「当り」となったときに、開閉翼47が所定時間(例えば、通常状態時0.5秒(以下、sと表記)、または、確率変動状態時3s)開放されるように制御される。なお、始動入賞口45には上方からの遊技球が入賞でき、電動始動入賞口46には上方が始動入賞口45により封鎖され、開閉翼47が閉塞状態にある場合には遊技球が入賞できない状態となっている。このため、開閉翼47が開放状態となったとき遊技球が入賞できる状態となる。
また、始動入賞口45および電動始動入賞口46に入賞した遊技球は、始動口センサ55によって検出され、この検出(所定条件が成立)に基づいて特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示(表示領域42で装飾図柄の変動表示)が許可される。なお、始動入賞口45および電動始動入賞口46に遊技球が入賞し、始動口センサ55によって遊技球が検出されたときに特別図柄表示器41における特別図柄の表示結果を当り(特定の表示態様)とするか否か判定する大当り判定乱数が抽出される。また、特別図柄の変動中に遊技球が始動入賞口45又は電動始動入賞口46に入賞し、始動口センサ55により検出されたことに基づいて抽出された大当り判定乱数は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能であり、その記憶数(始動記憶数)は、複数個の発光体(例えば、4個のLED182)からなる特図記憶ランプ54の点灯によって表示される。特図記憶ランプ54は、遊技領域12の右側方に配置されている。
遊技領域12の左側方には、発光体(例えば、LED)の点灯点滅によって普通図柄を変動表示する普通図柄表示器50が配設されている。また、普通図柄表示器50の下方には、遊技状態が確率変動状態にあるか否かに応じて点灯又は消灯(本実施形態では、確率変動状態にて点灯)する確率変動状態ランプ51が取り付けられている。また、普通図柄表示器50の下方には、ゲートスイッチ53aを備えた左ゲートとゲートスイッチ53bを備えた右ゲートとが設けられている。左ゲート又は右ゲートを遊技球が通過したことに基づいてゲートスイッチ53a又はゲートスイッチ53bにより遊技球が検出されると普通図柄表示器50で普通図柄の変動表示が開始される。つまりゲートスイッチ53aとゲートスイッチ53bとによる遊技球の検出に応じて普通図柄表示器50における普通図柄の変動表示が許可される。なお、ゲートスイッチ53aとゲートスイッチ53bとにより遊技球が検出されたとき、普通図柄表示器50における普通図柄の表示結果を当りとするか否か判定する普通図柄当り判定乱数が抽出される。また、普通図柄の変動中に遊技球が左ゲート又は右ゲートを通過し、ゲートスイッチ53a,53bにより検出されたことに基づいて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能とされ、その記憶数は、複数個の発光体(例えば、4個のLED)からなる普図記憶ランプ56の点灯によって表示される。普図記憶ランプ56は、遊技領域12の左側方に配置されている。
電動始動入賞口46の下方には、横長長方形状の大入賞口61を開閉する開閉板62を有する大入賞口装置60が配設されている。大入賞口装置60は、大入賞口61(開閉板62)の開閉用駆動源となるソレノイド63、およびカウントセンサ64を備えている。大入賞口装置60の下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口48が設けられている。始動入賞口45、電動始動入賞口46と大入賞口装置60との左右側方には、4つの入賞口66a〜66dが設けられている。また、遊技領域12には、遊技状態に応じて点灯点滅が制御される電飾用の装飾ランプ49が取り付けられている。
[3.遊技]
次に、遊技盤4に設けられる各種の入賞装置等によって実現される遊技について説明する。遊技者が操作ハンドル18を操作するとパチンコ機1の裏面側に設けられた図示しない発射装置により遊技球が打ち出される。この遊技球は、案内レール11に沿って遊技領域12に放出され、障害釘等に衝突しながら流下する。遊技球が流下する際、ゲートセンサ53a又は53bにより遊技球の通過が検出されるときには、普通図柄表示機50で普通図柄が変動表示(発光体が緑色と赤色とで交互に点灯表示)され、所定時間経過すると普通図柄が停止し、停止した普通図柄が「当り」(発光体が緑色で点灯停止)であるときには電動始動入賞口46の開閉翼47は所定時間(例えば、0.5s)開放される。一方、停止した普通図柄が「ハズレ」(発光体が赤色で点灯停止)であるときには開閉翼47は開放されないが、始動入賞口45には遊技球が入賞できるようになっている。
続いて、始動入賞口45又は電動始動入賞口46に遊技球が入賞すると特別図柄表示器41で特別図柄が変動表示される。このとき、液晶表示器116の表示領域42には装飾図柄が変動表示される。そして、所定時間経過すると特別図柄と装飾図柄が停止し、停止した特別図柄が特定の表示態様(大当りとなる複数の発光体による点灯の組み合わせ:大当り図柄)のときには、停止した装飾図柄も特定の表示態様(同一の装飾図柄の組み合わせ:大当り図柄)となり、大当り遊技状態となる。この大当り遊技状態になると、大入賞口装置60の開閉板62が手前に倒れ大入賞口61を所定時間(例えば、30s)又は所定個数(例えば、10個)の入賞するまで開放する状態が続き、その後、開閉板62の起立により大入賞口61が閉じられる。そして、所定時間(例えば、2s)経過すると、再度開閉板62が手前側に倒れ、大入賞口61が開放される。この開閉サイクル(以下、これをラウンド「R」ともいう)は15回繰り返し行われる。なお、各種の入賞装置等にも入らなかった遊技球は、アウト口48により回収される。
[4.演出装置]
次に演出装置について説明する。図4は遊技盤を構成要素に分解した状態として表した分解斜視図である。ただし、ここでは説明に必要な構成要素のみを取り上げるため、いくつかの構成要素は適宜図示を省略する。
本実施形態の演出装置は、図4に示すように、遊技板4aを挟んで前後に分割された2つのユニットから構成される。具体的には、遊技板4aの前面側にはフロントユニット140が位置し、このフロントユニット140は遊技板4aに対してその前面側から取り付けられる。逆に遊技板4aの背面側にはリアユニット142が位置し、このリアユニット142は遊技板4aに対してその背面側から取り付けられる。
[4−1.貫通孔]
遊技板4aには、その合板材を厚み方向に刳り抜いた貫通孔144が形成されている。この貫通孔144は、遊技領域12の中央からやや上よりの範囲にかけて大きく開口しており、その開口形状は、フロントユニット140の外形にほぼ合致している。
[4−2.挿入連結部]
フロントユニット140は、その前後方向でみると遊技板4aに対向する後半分の部位(連結挿入部)が貫通孔144内にすっぽり填り込む形状に成形されており、フロントユニット140は、その後半分の部位を貫通孔144内に嵌め込んだ状態で遊技板4aに取り付けられるものとなっている。フロントユニット140の後半分の部位は、その前後方向でみた厚みがちょうど遊技板4aの厚みとほぼ同じに設定されている。このためフロントユニット140が遊技板4aに取り付けられると、その後半分の部位は遊技板4aの背面に肌合わせされる(いわゆる面一の状態)。
さらにフロントユニット140には、後半分の部位から後方に向けて突出するボス140aが形成されている(挿入連結部)。ボス140aはフロントユニット140の上部位置に1本と、下部位置に2本(図4には1本のみ示されている)の合計3本が形成されており、いずれも貫通孔144を通じて遊技板4aの前面側から挿入されると、遊技板4aの背面からさらに後方に突出する。
一方、フロントユニット140が遊技板4aに取り付けられた状態で、その前半分の部位は遊技板4aの前面側に突出する。この前半分の部位は、その厚みが例えば案内レール11又は前面装飾板43(図3参照)等とほぼ同じに設定されている。このため、フロントユニット140が遊技板4aに取り付けられると、その前半分の部位は遊技領域12内で盤面から手前に突出し、それによって遊技球の流下を誘導又は案内する。
[4−3.取付面]
これに対し背面側のリアユニット142は、遊技板4aの背面に対向する前面がほとんどフラットな形状に成形されており、このフラットな前面を取付面142aとして遊技板4aに取り付けられる。リアユニット142が遊技板4aに取り付けられると、上述した取付面142aは遊技板4aの背面に密着する(ただし製造誤差や歪みによる隙間は許容される。)。
また取付面142aは、上述した貫通孔144には嵌め込まれないものの、その一部は貫通孔144に対向する位置関係にあり、つまりリアユニット142が遊技板4aに取り付けられると、その取付面142aは部分的に貫通孔144の内側に張り出し、貫通孔144を通じて遊技板4aの前面側に露出される。ただし、この露出する部分はフロントユニット140に覆い隠されるため、遊技者からは直接視認されない。
さらにリアユニット142には、フロントユニット140のボス140aに対応して3箇所にボス孔142bが形成されており、フロントユニット140とリアユニット142とが遊技板4aに対して前後から取り付けられると、3本のボス140aは貫通孔144を通じてリアユニット142にまで達し、それぞれ対応するボス孔142bに差し込まれる。この状態でフロントユニット140とリアユニット142とが相互に位置決めされる。
[4−4.表示ユニット]
図4には示されていないが、遊技盤4には、さらにリアユニット142の背後から表示ユニットが取り付けられるものとなっている。表示ユニットは、液晶表示器116とランプ駆動基板113とを一体化したユニットとして構成されており、その画面上で演出的な画像を表示する役割を担う。遊技盤4の完成状態で、表示ユニットの画面は上述した貫通孔144を通じて前面側から視認することができる。
[4−5.演出領域]
図5はフロントユニットとリアユニットとの正面図であり、フロントユニットとリアユニットとを連結した状態で示している。フロントユニット140は、図5に示すように、その外表面に施された造形と装飾とから一定の視覚的な効果とインパクトとを遊技者に対して与える役割を果たす。また、このようなフロントユニット140の造形と装飾とは、遊技板4aの前面に貼付された化粧シート(セル板)のデザインと相まって、パチンコ機1の機種又はゲームコンセプトを遊技者に明確に認識させる効果を奏する。あわせて本実施形態では、遊技領域12のほぼ中央位置にフロントユニット140が取り付けられることにより、そこに演出的な動作が行われる演出領域が形成される。本実施形態では、この演出領域において、例えばLEDの点灯又は点滅による発光演出、液晶表示器による画像表示演出、可動役物による動作演出等が行われるものとなっている。
また、フロントユニット140とリアユニット142との中央部分は、上述した表示ユニットを視認できるよう矩形に開口しており、この開口部分に表示領域42が形成されている。この表示領域42では、演出的な画像表示が液晶表示器116により行われる。
[5.フロントユニット]
フロントユニット140は、その全体的な外観形状が「怪物屋敷」をモチーフとして形成されている。ここでいう「怪物屋敷」は、例えば創作上の物語に出てくるキャラクタ(想像上の怪物を模したコミカルなキャラクタである)達が住処としている建物であり、その外観は西洋風の煉瓦造りとなっている。フロントユニット140を「怪物屋敷」に見立てると、その屋根に相当する屋根装飾部分140bは、左右に末広がりとなる形状を有している。あわせてこの屋根装飾部分140bは、遊技領域12の上方から流下する遊技球を左右に振り分けるはたらきをする(いわゆる鎧カバー)。
左側の屋根装飾部分140bの直下位置には、コミカルなキャラクタ体(怪物くん)140cが配設されている。このキャラクタ体(怪物くん)140cは、上述した物語において「怪物屋敷」の主人となるキャラクタに相当するものであり、見た目上は人間の少年を模したデザインとなっている。デザイン上、このキャラクタ体(怪物くん)140cは屋根裏から壁を突き破って顔と両手を覗かせたような格好となっている。
また、屋根装飾部分140bの中央はドーム屋根形状に盛り上がっており、その直下の位置に「屋根窓」を模した窓装飾部分140dが配設されている。この窓装飾部分140dは、透明パーツの採用により見た目上も窓であることが認識し易くなっている。さらに、窓装飾部分140dの奥にはLED140lが図示しないLED基板に実装されており、それゆえ窓装飾部分140dでは、LED140lの点灯又は点滅による発光演出が行われるものとなっている。なおLED基板は、フロントユニット140に内蔵されている。本実施形態では、これら窓装飾部分140dとLED140lとが演出ランプ44a(図3参照)として機能するものとなっている。
窓装飾部分140dの前面側には、「屋根窓」を斜めに塞ぐようにして別の球誘導部材140eが取り付けられている。この球誘導部材140eは、他の装飾部材140fとともに窓装飾部分140dの前面側で筋交い状に組まれたように配置されている。これら球誘導部材140eと装飾部材140fとは、いずれも前面に木目をあしらった模様が立体的に付されている。
フロントユニット140の左右の側縁部は、上述した表示領域42の両側を取り囲むようにして下方に延びており、このうち右側縁部は左側縁部に比較して幅広となっている。また上述した屋根装飾部分140bは、フロントユニット140の上部から左右の側縁部にまで垂れ下がるようにして延びており、それゆえ左右の側縁部の外縁は、屋根装飾部分140bによって外側の遊技領域12(図5には示されていない)と区画されている。
フロントユニット140の右側縁部には、上述した屋根装飾部分140bの内側に沿って壁装飾体140gが取り付けられている。さらに右側縁部には、表示領域42の上縁から右側縁に沿って別の壁装飾体140hが取り付けられており、この壁装飾体140hと先の壁装飾体140gとの間には一定の隙間が確保されている。これら壁装飾体140g,140hは、いずれも煉瓦を積み重ねたような形状に成形されており、これら壁装飾体140g,140hの造形により「怪物屋敷」としての雰囲気がそれらしく醸し出されている。
一方、フロントユニット140の左側縁部には、屋根装飾部分140bの内側に位置して窓装飾部分141が形成されている。この窓装飾部分141は、「怪物屋敷」の室内に通じる「明取窓」としての装飾となっている。
[5−1.球誘導通路]
フロントユニット140の右側縁部には、上述した壁装飾体140g,140hの間にある空間内に球誘導通路148が形成されている。この球誘導通路148は、表示領域42の上方から右側方を迂回するようにして下方に延び、そして下方の遊技領域12に向けて開放されている。パチンコ機1による遊技中、フロントユニット140の上方から流下してきた遊技球は、上述した球誘導部材140eに案内されて球誘導通路148に送り込まれるものとなっている。
フロントユニット140の右側縁部には、前面側からみて球誘導通路148の奥の位置に壁面部材140iが取り付けられている。この壁面部材140iは透明パーツ(板状部材)の採用により光透過性を有しており、その背後の位置にはLED140mが図示しないLED基板に実装されている。このため球誘導通路148では、上述した窓装飾部分140dと同様にLED140mの点灯又は点滅による発光演出が行われるものとなっている。本実施形態では、これら壁面部材140iとLED140mとが演出ランプ44b(図3参照)として機能するものとなっている。
図5には詳しく示されていないが、壁面部材140iはその背面に光拡散用のレンズカット(例えばプリズムカット、ダイヤカット等)が施されている。一方で壁面部材140iは、その前面が壁装飾体140g,140hの表面形状と視覚的な統一性を有する形状に加工されている。具体的には、壁装飾体140g,140hが煉瓦を積み重ねたような形状を有することから、壁面部材140iの前面にも煉瓦の1つ1つを模した突出部が形成されている。
なお、球誘導通路148の形状又は機能等については後述する。
[5−2.球受ステージ]
フロントユニット140の下縁部には、球受ステージ140jが形成されている。本実施形態ではフロントユニット140だけでなく、リアユニット142の下縁部にも球受ステージ142cが形成されており、フロントユニット140とリアユニット142とが組み合わされた状態で、両者の球受ステージ140j,142cが一体となる。球受ステージ140j,142cは上、中、下の3段に分かれており、このうち上段と中段との球受ステージ142cはリアユニット142に、下段の球受ステージ140jがフロントユニット140に形成されている。このうち上段の球受ステージ142cは最も奥に位置しており、そこから手前側に中段の球受ステージ142c、下段の球受ステージ140jと順番に位置が下がっている。
球受ステージ142c,140jに関連して、リアユニット142には案内通路142dが形成されており、この案内通路142dは上段と中段との球受ステージ142cの中央位置から下方にくだり、そして前面側へ屈曲して延びている。またフロントユニット140には、その下縁部の中央位置に案内通路142dの放出口140kが形成されている。
球受ステージ142c,140jや案内通路142dの機能は公知のものとほぼ同様であり、つまり球受ステージ142c,140jはその上面にて遊技球を左右に揺れ動くようにして転動させ、遊技球の行き先を予測のつかないものとする。この過程で遊技球は下の段に落ちたり、あるいは案内通路142dに填り込んだりするため、その間の遊技球の動きにより遊技に面白みが付加される。案内通路142dに遊技球が填り込むと、下方の放出口140kから真下に放出されるため、始動入賞口45と電動始動入賞口46(図3参照)とに入賞しやすくなる。
[5−3.放出通路]
図5には詳しく示されていないが、球受ステージ142c,140jに関連して、フロントユニット140にはワープ通路が形成されている。ワープ通路はフロントユニット140の左右の側縁部にそれぞれ形成されており、いずれも遊技球を球受ステージ142cに誘導する役割を担っている。本実施形態では、左右でワープ通路の形態や配置が異なっており、その具体的な形態、配置等については後述する。
[6.リアユニット]
図6はリアユニットの単独で示した正面図である。リアユニット142は、図6に示すように、フロントユニット140と違ってほとんどの部分は遊技板4aの背後に隠れているため、その外形には装飾的な配慮が特に必要とされていない。ただし、上述した球受ステージ142cの部分や表示領域42を取り囲む部分は前面側に露出されており、遊技者の目に直接触れる部分であるため、そこにはフロントユニット40と同様に装飾が施されている。
まず、上段の球受ステージ142cの上方で、その奥の位置には装飾部材142eが配設されており、この装飾部材142eは表示領域42の下縁を区画するようにして左右に延びている。また装飾部材142eは、ちょうど煉瓦を横一列に並べたような形状に成形されており、それによってフロントユニット140の装飾と視覚的な統一感が保たれている。なお装飾部材142eは、上述した案内通路142dを隔てて左右に分割されている。
また、表示領域42の上縁の左部分にも装飾部材142fが配設されている。この装飾部材142fもまた、正面からみると煉瓦を横一列に並べたような形状に成形されているが、さらには奥行き方向にも煉瓦を配列したような形状に成形されている。
表示領域42のその他の周縁については、装飾部材142fの右側位置にもこれと同様の装飾(煉瓦の配列を模した装飾)が施され、また右側縁についても同様の装飾が施されている。一方、表示領域42の左側縁については他と少し異なり、木製扉を模した装飾が施されている。このようなリアユニット142の装飾は、真正面から見るとちょうどフロントユニット140の背後に位置するため、あまり目立たない存在となっているが、遊技者が視線の方向や角度を変えて表示領域42の周縁を覗き込むようにすると、リアユニット142の装飾がはっきりと視認される。なお、リアユニット142の装飾については後述する。
[6−1.動作機構]
次に、リアユニット142において中心的な要素となる動作機構について説明する。
図6中に破線で示されているように、リアユニット142には、表示領域42内にて出没可能な演出動作体、つまりキャラクタ体150,152,154が内蔵されている。これらキャラクタ体150,152,154は、ちょうど上述した取付面142aより奥(リアユニット142の内部)に位置した状態で表示領域42の周囲に収容されており、その動作時には取付面142aより奥の位置から表示領域42内に向かって移動してきて、表示画面の前面側に出現する。
リアユニット142には、上述した取付面142aに対応する位置に3つのカバー部材142gが配設されている。カバー部材142gは薄い肉厚(例えば、2mm程度)の透明(又は半透明)樹脂板からなり、取付面142aは、これらカバー部材142gの前面から構成されている。図6中にはキャラクタ体150,152,154の外形が破線で示されているが、カバー部材142gが透明性を有するため、実際にはキャラクタ体150,152,154(とその付属機構)が前面側から透けて視認される。
[6−2.演出動作体]
図7はリアユニットからカバー部材が取り外された状態を示した正面図である。3つのキャラクタ体150,152,154は、図7に示すように、表示領域42を取り囲むようにして配置されており、その上方と右側方、左側方にそれぞれ1つずつキャラクタ体150,152,154が位置する。
キャラクタ体150,152,154は1つ1つが異なる形態にデザインされている。これらキャラクタ体150,152,154は、いずれも著名な怪奇小説に登場する何らかの「怪物」を模したものであるが、見た目上はコミカルにデフォルメされたデザインが施されている。表示領域42の右側方に位置するキャラクタ体(フランケン)150は「フランケンシュタインの怪物」を模したものであるが、その表情からはどこか間の抜けたような感じを受ける。また表示領域42の上方に位置するキャラクタ体(ドラキュラ)152は、「吸血鬼ドラキュラ」を模したものであるが、その顔立ちからはどことなく気の弱そうな印象を受ける。そして表示領域42の左側方に位置するキャラクタ体154は「オオカミ男(人間の姿から狼に変身する男)」を模したものとなっている。図7には細かく示されていないが、このキャラクタ体(オオカミ男)154の表情はマスコット的な愛嬌のあるものとなっている。
[6−3.待機収容部]
リアユニット142には、3つのキャラクタ体150,152,154にそれぞれ対応して収容部156,158,160(待機収容部)が形成されている。収容部156にはフォトセンサ150n、収容部158にはフォトセンサ152n,153n、収容部160にはフォトセンサ154nがそれぞれ設置されている。リアユニット142は、その全体がケーシング162に覆われる構造であり、3つの収容部156,158,160はケーシング162の内側に区画して形成された状態にある。
ケーシング162は外形がほぼ矩形をなしており、その前面は大きく開放されているが、背面は奥壁162aで塞がれている。またケーシング162の外縁は側壁162bで囲われており、側壁162bは奥壁162aの周縁から前面側へ立ち上がるようにして形成されている。そして上述した収容部156,158,160は、奥壁162aより手前側の空間内で側壁162bの内側に形成されている。
収容部156,158,160は、いずれも表示領域42に隣接する側端がキャラクタ体150,152,154の出入口となっている。キャラクタ体150,152,154は、それぞれ収容部156,158,160に収容された状態(待機位置)と、表示画面の前面側に出現した状態(出現位置)とに変位することができる。このときキャラクタ体150,152,154は、上述した出入口を通じて出入りする。また、キャラクタ体150,152,154は、それぞれ収容部156,158,160に収容され待機位置(以下、「原位置」という。)になると、上述したフォトセンサ150n,153n,154nに検出される(キャラクタ体150,152,154の原位置にフォトセンサ150n,153n,154nがそれぞれ配置されている)。なお、フォトセンサ152nは、後述する遮蔽部材166の原位置を検出する(遮蔽部材166の原位置にフォトセンサ152nが配置されている)。
[6−4.遮蔽部材]
リアユニット142は遊技板4aの背面に取り付けられるものであり、またその前面側にはフロントユニット140が取り付けられるため、キャラクタ体150,152,154がそれぞれの収容部156,158,160に収容された状態にあるとき、その姿はフロントユニット140と遊技板4aとの陰に隠れて真正面からは視認されない。
さらに本実施形態では、各キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、キャラクタ体(オオカミ男)154に対応して遮蔽部材(フランケン)164、遮蔽部材(ドラキュラ)166、遮蔽部材(オオカミ男)168が設けられており、これら遮蔽部材164,166,168は、前面側から表示領域42を通じて収容部156,158,160の内側が露出するのを塞ぐ役割を果たしている。このため図7中に実線で示されているように、キャラクタ体150,152,154が収容部156内に収容された状態では、それぞれ対応する遮蔽部材164,166,168により収容部156,158,160の出入口が閉ざされている。
一方、図7中に2点鎖線で示されているように、遮蔽部材164,166,168はいずれも表示領域42内に向けて変位し、それぞれ対応する収容部156,158,160の出入口を開放することができる。この状態でキャラクタ体150,152,154は表示領域42の前面側へ出現することができる。
このとき表示領域42の右側方と上方とにあるキャラクタ体150,152については、それぞれの遮蔽部材164,166が一端部を中心に表示画面の前面に沿って回動することにより出入口が開かれる。また、表示領域42の左側方にあるキャラクタ体154については、その遮蔽部材168が垂直な軸線を中心に表示画面に向かって奥へ回動することにより出入口が開かれる。
また遮蔽部材164,166,168には、フロントユニット140の外表面における装飾と統一感のある装飾が施されている。例えば、表示領域42の右側方と上方とに位置する遮蔽部材164,166については、装飾部材142fと同様に煉瓦の配列を模した装飾が施されている。一方、表示領域42の左側方に位置する遮蔽部材168については、上述したように木製扉を模した装飾が施されている。
[6−5.動作範囲]
本実施形態では、3つのキャラクタ体150,152,154が表示領域42内にて出没動作を行うものとなっているが、それぞれの動作範囲が互いに干渉しない設計となっているか、もしくは制御上で干渉しない動作が行われるものとなっている。例えば、表示領域42の左側方にあるキャラクタ体(オオカミ男)154は、表示領域42の左側端から直線的に右方向へ動作するが、このときの動作範囲A1は、他の2つのキャラクタ体150,152の動作範囲A2と重複しない設計となっている。
表示領域42の右側方と上方に位置するキャラクタ体150,152については、それぞれの遮蔽部材164,166が回動する動作範囲には設計上の重複がある。ただし、これらキャラクタ体150,152については、実際の動作時において互いの動作範囲(角度)B1,B2が干渉しない制御が行われるものとなっている。
[6−6.動作機構の構成例]
次に、キャラクタ体150,152,154と遮蔽部材164,166,168とを作動させる動作機構の詳細について説明する。
[6−6−1.キャラクタ体(フランケン)]
図8はキャラクタ体(フランケン)と遮蔽部材(フランケン)との詳細図であり、動作機構を具体的に示している。キャラクタ体(フランケン)150と遮蔽部材(フランケン)164とを含む動作機構は、図8に示すように、箱形の機構ボックス150a内に収められた状態でユニット化されている。この機構ボックス150aはユニット全体としてリアユニット142に収容され、この状態で機構ボックス150aの内側に上述した収容部156が形成される。
キャラクタ体(フランケン)150は3つの可動パーツの組み合わせから構成されており、具体的には頭部パーツ150bと左腕パーツ150c、右腕パーツ150dが含まれている。これらパーツ150b,150c,150dは互いにピン接合されてリンク機構を構成しており、それぞれがリンク機構の節に該当している。この他にも、機構ボックス150a内には昇降スライダ150eが収容されており、この昇降スライダ150eもまたキャラクタ体(フランケン)150とともに1つの動作機構を構成する。なお昇降スライダ150eは、機構ボックス150a内で上下に昇降自在に支持されている。
キャラクタ体(フランケン)150の頭部パーツ150bは、ちょうど「怪物」の胸元あたりに相当する部位で支点150fを介して機構ボックス150aに支持されている。そして、この部位から斜め下方にレバー150gが延びており、このレバー150gを介して頭部パーツ150bと昇降スライダ150eとがスライダ接合されている。
キャラクタ体(フランケン)150の左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとは、ちょうど腕の付け根あたりに相当する部分で相互に連結されている。これら左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとは相対的に運動することなく、機構上は一体となって動作する。ただし、頭部パーツ150bは前後方向でみて右腕パーツ150dと左腕パーツ150cとの間に位置しており、これらは前後に重なり合うようにして機構ボックス150a内に収められている。したがって頭部パーツ150bと左腕パーツ150c、右腕パーツ150dとの間には、適宜のクリアランスが確保されている。その分、本実施形態ではキャラクタ体(フランケン)150が全体として厚みのある存在(薄板1枚だけの可動役物とは構造的に異なる)となっている。
また図8には示されていないが、頭部パーツ150bは、ちょうど「怪物」の背中あたりに相当する部位で左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとにピン接合されている。一方、右腕パーツ150dは、ちょうど掌あたりに相当する部位にて遮蔽部材164にピン接合されている。これにより、昇降スライダ150eから頭部パーツ150bと右腕パーツ150dとを介して遮蔽部材(フランケン)164にまで至る一続きの機構が構成される。これによりに、薄板1枚だけの可動役物のように単一の動作による二次元的な視覚的効果だけではなく、キャラクタ体(フランケン)150を全体として厚みのある存在として見せることで、キャラクタ体(フランケン)150を立体的に見せ、さらにキャラクタ体(フランケン)150の後側の表示領域42に表示される画像にも奥行きをもたせたかのような視覚的効果が得られる。
図8中(b)に示されているように、機構ボックス150aの背面側にはステッピングモータ150hが取り付けられている。キャラクタ体(フランケン)150と遮蔽部材164とは、このステッピングモータ150hを駆動源として動作を行うことができる。
[6−6−2.開放孔]
機構ボックス150aには、図8中(a)でみて右の側壁150iに開放孔150jが形成されている。開放孔150jは機構ボックス150aの内側にある空間を右側方へ開放し、その内部への視認性を確保することができるものとなっている。なお、リアユニット142のケーシング162もまた全体として透明樹脂から成形されているため、機構ボックス152aがケーシング162内に収容された状態であっても、その内部が開放孔150jを通じて視認できるようになっている。
[6−6−3.動作例]
図9はキャラクタ体(フランケン)と遮蔽部材(フランケン)との動作例である。上述した昇降スライダ150eは、図9に示すように、ステッピングモータ150hからの動力で昇降動作が与えられるものとなっており、ステッピングモータ150hからの動力は、出力軸に取り付けられたピニオン150rが昇降スライダ150eに形成されたラック150sに回転運動を与えることにより昇降スライダ150eに動力を伝達する。
昇降スライダ150eの昇降動作は、レバー150gを介して頭部パーツ150bに伝達される。昇降スライダ150eが上昇すると、これにつられてレバー150gが引き上げられ、それによって頭部パーツ150bが支点150fを中心に回動する。このときの頭部パーツ150bの回動により、ちょうど「怪物」であるキャラクタ体(フランケン)150が頭を前に突き出すような動きが実現される。なお、昇降スライダ150eの下端部には係合溝150kが形成されており、昇降スライダ150eと頭部パーツ150bとは、係合溝150kを介して接合されている。また、係合溝150kの下方にはキャラクタ体(フランケン)の基準板150mが昇降スライダ150eに形成されており、キャラクタ体(フランケン)の基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態が原位置となる(図8(a)参照)。
さらに頭部パーツ150bが回動すると、その動きが左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとに伝達され、さらに右腕パーツ150dが連接節となって遮蔽部材(フランケン)164にまで動きが伝達される。これにより、遮蔽部材(フランケン)164が最初の姿勢(垂れ下がった状態)から斜めに変位することで、ちょうど遮蔽部材(フランケン)164が左上方向に押し上げられたような動作が実現される。このとき左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとは固定された支点を持たない連接節として働くため、左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとは、遮蔽部材(フランケン)164と頭部パーツ150bの動きに従って左上方向に移動することになる。
これにより、動作機構を全体としてみると、「怪物」であるキャラクタ体(フランケン)150が遮蔽部材(フランケン)164を両手で押し開け、そのなかから顔を突き出しているかのような演出動作が実現されることになる。また、遮蔽部材164には煉瓦壁を模した装飾が施されていることから、このときのキャラクタ体(フランケン)150の動きから、「怪物」がその怪力を持ってして「怪物屋敷」の煉瓦壁を無理やり押し上げているかのような視覚的効果が得られる。
[6−6−4.キャラクタ体(ドラキュラ)]
図10はキャラクタ体(ドラキュラ)と遮蔽部材(ドラキュラ)との詳細図であり、動作機構を具体的に示している。キャラクタ体(ドラキュラ)152と遮蔽部材(ドラキュラ)166とを含む動作機構もまた、図10に示すように、箱形の機構ボックス152a内に収められた状態でユニット化されている。ここでも同様に、機構ボックス152aはユニット全体としてリアユニット142に収容され、この状態で機構ボックス152aの内側に上述した収容部158が形成される。
キャラクタ体(ドラキュラ)152は単独で1つの部品であり、これに付属して機構ボックス152a内には2系統のリンク機構が設けられている。このうち1系統は、キャラクタ体(ドラキュラ)152と遮蔽部材(ドラキュラ)166とを全体として回動(または揺動)させるためのものであり、もう1系統は、キャラクタ体(ドラキュラ)152を遮蔽部材(ドラキュラ)166の長手方向にスライドさせるためのものである。
2系統のリンク機構のうち、最初の1系統(第2のリンク機構)には、遮蔽部材(ドラキュラ)166と一体に成形されているメインパーツ152bのほか、このメインパーツ152b(揺動部材)とともにキャラクタ体(ドラキュラ)152を回動(または揺動)させるレバー152cが含まれる。メインパーツ152bは、支点152dを介して機構ボックス152aに支持されており、この支点152dを中心として左右方向に揺動自在となっている。
一方のレバー152cは、支点152eを介して機構ボックス152aに揺動自在に支持されている。レバー152cは、その支点152eから下寄りに位置する端部がメインパーツ152bに接合されている。レバー152cの端部には、その長手方向に沿ってガイド溝152iが形成されており、一方メインパーツ152bには、前後方向でみて後方に突出する図示しない係合ピンが設けられている。メインパーツ152bは、この係合ピンをガイド溝152i内に填り込ませることで、レバー152cに対して機構的に連結されている。
これと反対側、つまり支点152eから上寄りに位置する端部には、その長手方向に沿ってガイド溝152fが形成されており、このガイド溝152fにはクランク152gの先端が填り込んでいる。クランク152gはステッピングモータ152hの出力軸に接続されており、その動力で回転、または、回動することができる。
残りの1系統(第1のリンク機構)には、キャラクタ体(ドラキュラ)152につながる連接棒153aのほか、この連接棒153aに連なるレバー153bが含まれる。キャラクタ体(ドラキュラ)152は、「吸血鬼ドラキュラ」がちょうど空を飛んでいるかのような姿勢でデザインされており、上述した連接棒153aは、キャラクタ体(ドラキュラ)152の飛行方向でみて後方にピン接合されている。
一方、キャラクタ体(ドラキュラ)152は、別系統のメインパーツ152bに対してスライド自在に支持されており、このためメインパーツ152bには、その長手方向に沿ってガイド溝153cが形成されている。前面側からみてキャラクタ体(ドラキュラ)152の後方には図示しない係合ピンが形成されており、この係合ピンはガイド溝153c内に填り込んだ状態にある。
レバー153bにも、その長手方向に沿ってガイド溝153dが形成されており、このガイド溝153dにはクランク153eの先端が填り込んでいる。クランク153eはステッピングモータ153fの出力軸に接続されており、その動力で回転、または、回動することができる。
[6−6−5.視認性]
キャラクタ体(ドラキュラ)152については、機構ボックス152a全体が透明パーツで形成されている。このため2系統のリンク機構についても、その周囲のいろいろな方向から容易に状態を確認することができるという利点がある。
[6−6−6.動作例]
図11はキャラクタ体(ドラキュラ)と遮蔽部材(ドラキュラ)との動作例である。図11に示すように、まず、1系統のリンク機構(第2のリンク機構)について、ステッピングモータ152hの動力でクランク152gが一方向(図11では反時計回り方向)に回動されることによりレバー152cが一方向(図11では時計回り方向)に回動する。レバー152cが回動することによりメインパーツ152bが一方向(図11では反時計回り方向)に回動するため、キャラクタ体(ドラキュラ)152と遮蔽部材(ドラキュラ)166とのある一端部(図11では右端部)は下方へ回動する。また、メインパーツ152bの右下方には遮蔽部材(ドラキュラ)166の基準板152mが形成されており、遮蔽部材(ドラキュラ)の基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態が原位置となる(図10(a)参照)。
残りの1系統のリンク機構(第1のリンク機構)については、そのステッピングモータ153fの動力でクランク153eが一方向(図11では時計回り方向)に回動されることによりレバー153bが一方向(図11では反時計回り方向)に回動する。レバー153bが回動すると、それによって連接棒153aが一方向(図11では左方向)に押しやられるので、その結果、キャラクタ体(ドラキュラ)152がメインパーツ152bに沿ってその先端方向(図11では左下方向)にスライドすることになる。また、連接棒153aと連なるレバー153bの右方にはキャラクタ体(ドラキュラ)152の基準板153mが形成されており、キャラクタ体(ドラキュラ)の基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態が原位置となる(図10(a)参照)。
これにより、動作機構を全体としてみると、「吸血鬼ドラキュラ」としてのキャラクタ体(ドラキュラ)152が遮蔽部材(ドラキュラ)166とともに「怪物屋敷」の天井裏から天井ごと垂れ下がるようにして出現し、そのまま宙を漂っているかのような演出動作が実現されることになる。なお、「吸血鬼ドラキュラ=コウモリ」のイメージが一般的に定着しているため、本実施形態のように「吸血鬼ドラキュラ」を模したキャラクタ体(ドラキュラ)152が天井から出現してくる態様は、演出動作としても万人に受け入れられやすい。
以上の説明から明らかなように、2系統のリンク機構のうち、キャラクタ体(ドラキュラ)152をスライドさせるためのリンク機構(第1のリンク機構)については、そのステッピングモータ153fをも含めた機構要素の全体が別系統のリンク機構(第2のリンク機構)に搭載されていることが理解される。さらに本実施形態では、メインパーツ152bの支点152dを中心としてその左寄りの端部にキャラクタ体(ドラキュラ)152が位置しており、その反対側の右寄りの端部にステッピングモータ153fが位置している。このため、メインパーツ152bの揺動に際して、キャラクタ体(ドラキュラ)152とステッピングモータ153fとがうまい具合にバランスを取り、その安定した揺動が実現される。特にステッピングモータ153fの質量はキャラクタ体152が下方へ変位している状態から収容部158内へ復帰しようとする際のカウンタウェイトとしても作用するので、メインパーツ152bの揺動に過大なトルクを必要としないという利点がある。
[6−6−7.キャラクタ体(オオカミ男)]
図12はキャラクタ体(オオカミ男)と遮蔽部材(オオカミ男)との詳細図であり、動作機構を具体的に示している。キャラクタ体(オオカミ男)154と遮蔽部材(オオカミ男)168とを含む動作機構もまた、図12に示すように、箱形の機構ボックス154a内に収められた状態でユニット化されている。そして機構ボックス154aがユニット全体としてリアユニット142に収容され、この状態で機構ボックス154aの内側に上述した収容部160が形成される。
キャラクタ体(オオカミ男)154は2つの可動パーツの組み合わせから構成されており、具体的には本体パーツ154bと左腕パーツ154cとが含まれている。また機構ボックス154a内には、その他の機構要素としてスライドブロック154dやプッシュ・プルロッド154eが配設されている。このうちスライドブロック154dは機構ボックス154a内を上下方向に延び、その上下端部が機構ボックス154aに対して横方向にスライド自在に支持されている。これに対応して、機構ボックス154aには2本のガイド溝154fが形成されており、これらガイド溝154fは互いに平行を保ったまま横方向に延びている。
一方のプッシュ・プルロッド154eは、基端がスライドブロック154dに固定された状態で水平方向(図12では右方向)に延びており、その先端は機構ボックス154aの僅かに外にまで達している。
キャラクタ体(オオカミ男)154の本体パーツ54bは、スライドブロック154dの一側端(図12では右側端)に固定されている。このためキャラクタ体(オオカミ男)154の横方向への動きは、基本的にスライドブロック154dのスライド動作によって実現されるものとなっている。これに対し左腕パーツ154cは、本体パーツ154bにピン接合された状態で、本体パーツ154bの動作に伴い相対運動するものとなっている。
また遮蔽部材(オオカミ男)168は、その上下端が機構ボックス154aに回動自在に支持されている。既に説明したとおり、遮蔽部材(オオカミ男)168には木製扉を模した装飾が施されており、その動きはちょうど扉を開閉するときの動きと同様となっている。遮蔽部材(オオカミ男)168の上端部には、上述したプッシュ・プルロッド154eと係合するための2本の係合片168a,168bが形成されており、これら係合片168a,168bは、上述した装飾部材142fよりも上方に位置している。係合片168a,168bは、遮蔽部材(オオカミ男)168の回動軸から水平方向に延びており、機構ボックス154aを真上からみると、2本の係合片168a,168bがちょうどV字形に開くようにして配置されている。
一方、プッシュ・プルロッド154eの先端部(図12では右端部)には、上述した係合片168a,168bに対応して係合突起154g,154hが形成されている。図12に示すように、キャラクタ体(オオカミ男)154が収容部160内に収容された状態では、2本の係合片168a,168bの間に2つの係合突起154g,154hがともに位置する状態にある。この状態で、収容部160の内側寄り(図12では左寄り)に位置する係合突起154hが遮蔽部材(オオカミ男)168の係合片168bに当接し、これにより遮蔽部材(オオカミ男)168の姿勢を保持している。このとき遮蔽部材(オオカミ男)168は収容部160の出入口を閉じた状態にあり、それによって収容部160内に位置するキャラクタ体(オオカミ男)154の存在を隠している。
[6−6−8.開放孔]
機構ボックス154aには、図12中(a)でみて左の側壁154iに開放孔154jが形成されている。開放孔154jは機構ボックス154aの内側にある空間を左側方へ開放し、その内部への視認性を確保することができるものとなっている。
[6−6−9.動作例]
図13はキャラクタ体(オオカミ男)と遮蔽部材(オオカミ男)との動作例である。上述したスライドブロック154dは、図13に示すように、ステッピングモータ155からの動力でスライド動作が与えられるものとなっており、ステッピングモータ155からの動力は、クランク155aとレバー155bとを介してスライドブロック154dに伝達される。このためレバー155bの下端部は、機構ボックス154aにピン接合されており、一方、レバー155bの上端部は、スライドブロック154dに対してスライダ接合されている。スライドブロック154dには、上下方向に延びるガイド溝155cが形成されており、対応するレバー155bの上端部には、ガイド溝155c内に填り込むピン155dが形成されている。なお、レバー155bにもその長手方向に沿ってガイド溝155eが形成されており、このガイド溝155e内にクランク155aの先端部が填り込んでいる。また、ガイド溝155cの上方にはキャラクタ体(オオカミ男)の基準板154mがスライドブロック154dに形成されており、キャラクタ体(オオカミ男)の基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態が原位置となる(図12(a)参照)。
このためステッピングモータ155の動力でクランク155aが一方向(図13(a)では時計回り方向)に回動されると、これによってレバー155eが一方向(図13(a)では時計回り方向)に回動する。レバー155eが回動すると、それによってスライドブロック154dが一方向(図13(a)では右方向)に押しやられるため、キャラクタ体(オオカミ男)154が収容部160内から外側方向(図13(a)では右方向)にスライドする。
このようなスライドブロック154dのスライドに連動して、プッシュ・プルロッド154eもまた一方向(図13(a)では右方向)へスライドする。すると、スライド方向でみて先頭に位置する係合突起154gが遮蔽部材(オオカミ男)168の係合片168aを押すため、遮蔽部材(オオカミ男)168は軸線周りに回動されることになる。
キャラクタ体(オオカミ男)154の本体パーツ154bについては、スライドブロック154dのスライド動作に伴い一方向(図13(a)では右方向)へ単にスライドするだけであるが、左腕パーツ154cについては、スライド動作に伴って回動する動きがプラスされる。
このため、例えば図13中(b)に示すように、左腕パーツ154cの背後にはレバー155fが取り付けられており、このレバー155fは、左腕パーツ154cの先端部から本体パーツ154bの後方を延び、そして機構ボックス154aにスライダ接合されている。機構ボックス154aにはさらにガイド溝155gが形成されており、レバー155fの一端部にはガイド溝155gに填り込むスライドピン155hが設けられている。ガイド溝155gは、機構ボックス154a内をその一側端(図13(a)では左側端)から他側端に向かって水平に延び、途中で斜め上方に屈曲されている。このため、キャラクタ体(オオカミ男)154と遮蔽部材(オオカミ男)168とが収容部160内に収容された状態(図12)で、そこからスライドブロック154dが一方向(図13(a)では右方向)にスライドし始めると、はじめのうちレバー155fのスライドピン155hには上下方向への変位が現れないが、スライドブロック154dのスライド動作が終盤に差しかかると、スライドピン155hがガイド溝155gの屈曲部分に案内されて次第に上方へ変位する。これによりレバー155fの先端、つまり左腕パーツ154cの先端部が下方に下がるようにして回動する動きが実現される。
以上の動きを動作機構全体としてみると、「怪物」であるキャラクタ体(オオカミ男)154が「木製扉」である遮蔽部材(オオカミ男)168を勢いよく押し開け、部屋の中から突然飛び出してきたかのような演出動作が実現されることになる。また、逆にキャラクタ体(ドラキュラ)152が室内に引っ込むときには、それに合わせて「木製扉」である遮蔽部材(オオカミ男)168が閉まり、室内を遮蔽したかのような自然な演出動作が実現される。
[7.主基板と周辺基板]
次に、パチンコ機1の裏面側に設けられる主基板100と周辺基板110とについて説明する。図14は主基板と周辺基板とを示すブロック図であり、図15はランプ駆動基板のブロック図である。
[7−1.主基板]
主基板100は、図14に示すように、主制御基板101と払出制御基板102とにより構成される。
[7−2.主制御基板]
主制御基板101は、図14に示すように、CPU101aを中心に構成され、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROM101b、一時的にデータを記憶するRAM101cが図示しないバスに接続されている。主制御基板101には、ゲートセンサ53a,53b、始動口センサ55、カウントセンサ64からの検出信号が入力されている。一方、主制御基板101からは、検出信号に基づいてソレノイド63、特別図柄表示器41、普通図柄表示器50、特図記憶ランプ54、普図記憶ランプ56への駆動信号が出力されている。また、主制御基板101と払出制御基板102との間では、シリアル転送により各種コマンドが送受信される。主制御基板101とサブ統合基板111との間ではパラレル転送により主制御基板101から各種コマンドが送信される。
[7−3.払出制御基板]
払出制御基板103は、図14に示すように、CPU102a,ROM102b,RAM102cが図示しないバスに接続されている。払出制御基板102は、主制御基板101から送信された各種コマンドに基づいて払出装置102を制御する。例えば、払出制御基板102は、主制御基板101から送信された払出装置103(排出モータ)を駆動するコマンドを受信すると、このコマンドに基づいて払出装置103(排出モータ)へ駆動信号を出力する。これにより、払出装置103は遊技球又は貸球を払い出す。
[7−4.周辺基板]
周辺基板110は、図14に示すように、サブ統合基板111とランプ駆動基板112と液晶制御基板113と波形制御基板114とにより構成されている。
[7−5.サブ統合基板]
サブ統合基板111は、図14に示すように、CPU111a,ROM111b,RAM111cが図示しないバスに接続されている。サブ統合基板111のCPU111aには、図15に示すように、演算処理を行う演算処理部111aacと、外部とのパラレル通信としてパラレル出力を行う出力ポート111aopと、外部とのパラレル通信としてパラレル入力を行う入力ポート111aipと、外部とのシリアル通信としてシリアル転送を行うシリアル部111aso,111aso’とが回路接続されている。出力ポート111aopは後述する演出ランプ駆動部112gとシリアルパラレル変換部112h,112iとに制御信号をパラレル転送により送信し、シリアル部111asoは、後述するシリアルパラレル変換部112h,112iにステッピングモータ150h,153f,152h,155の励磁データをシリアル転送により送信する。また、シリアル部111aso’は、後述する演出ランプ駆動部112gに演出ランプ44a,44bと装飾ランプ49とを駆動する駆動データをシリアル転送により送信する。入力ポート111aipには、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)の原位置をそれぞれ検出するフォトセンサ150n,153n,152n,154nからの検出信号が入力される。
なお、サブ統合基板111のCPU111aは、図示しない出力ポートを複数備えており、液晶制御基板113と波形制御基板114とにパラレル転送による各種コマンドが送信され、サイド装飾体33への駆動信号も出力されている。また、サブ統合基板111から送信される各種コマンドは電気信号であるため、サブ統合基板111には、ノイズの影響を抑えるため、電気信号の電圧を所定電圧に昇圧変換(例えば、5Vから12V)するレベルコンバータ部111eと、ランプ駆動基板112を介してサブ統合基板111に入力されたフォトセンサ150n,153n,152n,154nからの検出信号の電圧を所定電圧に降圧変換(例えば、12Vから5V)するレベルコンバータ部111fと、が設けられている。
[7−6.ランプ駆動基板]
ランプ駆動基板112は、図15に示すように、サブ統合基板111から送信された各種コマンドに基づいて装飾ランプ49と演出ランプ44a,44bとにパラレル転送により駆動信号を送信する演出ランプ駆動部112gと、サブ統合基板111から送信された各種コマンドをパラレルデータに変換するシリアルパラレル変換部112h,112iと、シリアルパラレル変換部112hにより変換されたパラレルデータを駆動信号として受信するドライブ回路部112j,112kおよびシリアルパラレル変換部112iにより変換されたパラレルデータを駆動信号として受信するドライブ回路部112m,112nとを備える。
なお、ランプ駆動基板112には、サブ統合基板111から送信された各種コマンドとしての電気信号の電圧を所定電圧に降圧変換(例えば、12Vから5V)するレベルコンバータ部112eと、レベルコンバータ部112eにより所定電圧に降圧された電気信号の波形を整形するシュミットトリガ部112fと、ノイズの影響を抑えるため、フォトセンサ150n,153n,152n,154nからの検出信号の電圧を所定電圧に昇圧変換(ここでは、所定電圧(例えば、12V)に維持するために用いられる。)するレベルコンバータ部112dと、が設けられている。
[7−6−1.シリアルパラレル変換部]
シリアルパラレル変換部112h,112iには、図15に示すように、シフトレジスタ112hs,112isとストレージレジスタ112ht,112itとをそれぞれ備え、サブ統合基板111から送信された各種コマンドは、シフトレジスタ112hs,112isを介してストレージレジスタ112ht,112itに転送されることによりパラレルデータに変換される。
[7−6−2.ドライブ回路部]
ドライブ回路部112j,112k,112m,112nは、図15に示すように、ドライブ回路部112j,112kは、キャラクタ体(フランケン)150を動作させるステッピングモータ150hと遮蔽部材(ドラキュラ)166を動作させるステッピングモータ153fとをそれぞれ駆動する駆動信号を各相(φ1,φ2,φ3,φ4)に出力し、ドライブ回路部112m,112nは、キャラクタ体(ドラキュラ)152を動作させるステッピングモータ152hとキャラクタ体(オオカミ男)154を動作させるステッピングモータ155とをそれぞれ駆動する駆動信号を各相(φ1,φ2,φ3,φ4)に出力する。ここで、ステッピングモータ150hは機構ボックス150aに接続され、キャラクタ体(フランケン)の基準板150mが機構ボックス150aに収められている。ステッピングモータ153f,152hは機構ボックス152aに接続され、キャラクタ体(ドラキュラ)の基準板153mと遮蔽部材(ドラキュラ)166の基準板152mとが機構ボックス152aに収められている。ステッピングモータ155は機構ボックス154aに接続され、キャラクタ体(オオカミ男)の基準板154mが機構ボックス154aに収められている。
[7−7.液晶制御基板]
液晶制御基板113は、図14に示すように、CPU113a,ROM113b,RAM113c,図示しないVDP(Video Display Processorの略)が図示しないバスに接続されている。液晶制御基板113は、サブ統合基板111から送信された各種コマンドに基づいて液晶表示器116の表示制御を行う。
[7−8.波形制御基板]
波形制御基板114は、図14に示すように、音声、演奏データを記憶するROM114b,RAM114cが図示しないバスに接続されている。波形制御基板114は、サブ統合基板111から送信された各種コマンドに基づいて音波装置115の制御を行う。例えば、液晶表示器116の表示画面に表示される各種演出に合わせて音波装置115から効果音が出力される。
[8.変動表示パターン]
次に、変動表示パターンを決定するための変動表示パターンテーブルについて説明する。図16は主制御基板で選択される変動表示パターンの一例を示す一覧表図である。この変動表示パターンは、主制御基板101で更新処理されている変動表示パターン乱数に基づいて決定される。この変動表示パターン乱数は、特別図柄表示機41に表示する特別図柄と装飾図柄との変動表示パターンを決定するための乱数である。
ここで、図16中記載の「表示用コマンド」とは、主制御基板101からサブ統合基板111に送信される2バイト構成のコマンドであり、特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示(表示領域42で装飾図柄の変動表示を開始してから装飾図柄の変動表示)が停止表示されるまでの変動時間やリーチ演出を特定するためのデータが含まれる。
変動番号1の「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動表示パターンである。変動番号2の「短縮変動」とは、始動口センサ55により検出されたことに基づいて抽出された大当り判定乱数の記憶数を示す保留球数カウンタの値が上限値、確率変動状態、時短状態等の条件のうちいずれかが成立したときに選択され得る変動表示パターンであって、特別図柄と装飾図柄との変動時間が「通常変動」よりも短い変動表示パターンである。
変動番号3,4の「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴うが、このリーチ態様が形成された後にスーパーリーチ演出やスーパーリーチ発展演出等のリーチ演出を行わない変動表示パターンである。
変動番号5,6の「オオカミ男リーチ」、変動番号11,12の「ドラキュラリーチ」、変動番号17,18の「フランケンリーチ」とは、リーチ態様が形成された後に、各々のキャラクタの画像表示制御により実行されるスーパーリーチ演出(例えば、「オオカミ男リーチ」では、人間の姿をしたオオカミ男が得意の料理で装飾図柄を調理する画像表示制御により実行される演出)を行う変動表示パターンである。また、変動番号7,8の「オオカミ男リーチ発展」、変動番号13,14の「ドラキュラリーチ発展」、変動番号17,18の「フランケンリーチ発展」とは、各々のキャラクタの画像表示制御により実行されるスーパーリーチ演出を行った後に、これらのキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出(例えば、「オオカミ男リーチ発展」では、オオカミ男が人間の姿から狼に変身し、狼の姿をしたオオカミ男が得意の料理で装飾図柄をダイナミックに調理するような演出)を継続させて画像表示制御する変動表示パターンである。
変動番号9,10の「オオカミ男リーチ〜怪物くん」、変動番号15,16の「ドラキュラリーチ〜怪物くん」、変動番号21,22の「フランケンリーチ〜怪物くん」とは、各々のキャラクタの画像表示制御により実行されるスーパーリーチ演出を行った後に、これらのキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出とは異なり、怪物くんの画像表示制御により実行されるスーパーリーチ発展演出を継続させて行う変動表示パターンである。
変動番号23〜31の「スポットライト予告」とは、リーチ態様が形成されるまでに各々のキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出を行うことを予告する予告演出を行った後に、スーパーリーチ演出を実行せずに予告演出で画像表示制御したキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出を行う変動表示パターンである。また、変動番号32,33の「役物リーチ」とは、リーチ態様が形成された後に上述したリアユニット142に内蔵されたキャラクタ体150、152、154と遮蔽部材164、166、168とを駆動制御することによるリーチ演出を行う変動表示パターンである。
変動番号34の「全回転リーチ」とは、後述する大当り判定処理にて大当り判定乱数が当り値となったとき実行できる変動表示パターンである。また、変動番号35の「スーパーリーチ分岐プレミア」とは、後述する大当り判定処理にて大当り判定乱数が当り値となったとき実行できる変動表示パターンである。
[9.主制御基板の各種制御処理]
パチンコ機1の遊技進行に応じて実行される主制御基板101の各種処理について説明する。図17は始動入賞処理の一例を示すフローチャートであり、図18は特別図柄処理の一例を示すフローチャートである。なお、これらの各処理は、所定時間(例えば、4ミリ秒(以下、msと表記))ごとに繰り返し行われる。
[9−1.始動入賞処理]
まず、始動入賞処理が開始されると、主制御基板101のCPU101aは、図17に示すように、始動入賞口45と電動始動入賞口46とに遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS10)。この判定は、始動口センサ55の入賞の検出信号に基づいて行われ、検出信号が出力されたときには入賞あり、検出信号が出力されないときには入賞なしと判定する。ステップS10で電動始動入賞口46に遊技球が入賞したとき、つまり始動口センサ55から検出信号が出力されたときには、主制御基板101のRAM101cに記憶されている保留球数カウンタCが上限値4未満であるか否かを判定し(ステップS12)、保留球数カウンタCが上限値4未満のときには、保留記憶格納処理を行い(ステップS14)、このルーチンを終了する。一方、ステップS10で始動入賞口45と電動始動入賞口46とに遊技球が入賞していないとき、つまり始動口センサ55から検出信号が出力されたとき又はステップS12で保留球数カウンタCが上限値4以上のときには、そのままこのルーチンを終了する。この保留記憶格納処理は、保留球数カウンタCに値1ずつ加算する処理と、保留球数カウンタCの加算に応じて特図記憶ランプ54の点灯表示態様を変更し、大当りか否かを判定する大当り判定乱数、特別図柄を特定する当り図柄用乱数、ハズレ図柄を特定するハズレ図柄用乱数等の各種乱数の取得と記憶との処理とを行う。
[9−2.特別図柄処理]
次に、特別図柄処理が開始されると、主制御基板101のCPU101aは、図18に示すように、保留球数カウンタCが値0であるか否かを判定する(ステップS20)。保留球数カウンタCが値0でないときには、特別図柄と装飾図柄とが変動表示することができるか否かを判定する(ステップS22)。この判定は、特別図柄と装飾図柄とが変動表示中であるか否かにより行われる。ステップS22で特別図柄と装飾図柄とが変動表示することができるときには、保留記憶移行処理を行う(ステップS24)。この保留記憶移行処理は、保留球数カウンタCから値1ずつ減算し、主制御基板101のRAM101cの格納領域に記憶された各種乱数を格納領域ごとシフトする処理を行う。
続いて、特別図柄変動処理を行う(ステップS26)。この特別図柄変動処理は、ステップS14の保留記憶格納処理で取得した大当り判定乱数に基づいて大当りか否かを判定する大当り判定処理と、大当り、リーチ、ハズレのそれぞれの変動表示パターンを設定する変動表示パターン設定処理と、変動表示パターンに基づいて特別図柄と装飾図柄との変動制御する変動制御処理と、変動時間を変動タイマに設定するタイマ設定処理とを行う。一方、ステップS20で保留球数カウンタCが値0であるとき、ステップS22で特別図柄と装飾図柄とが変動表示することができないとき又はステップS26のあとに、特別図柄変動中処理を行う(ステップS28)。この特別図柄変動中処理は、変動タイマに設定された変動時間を監視し、変動タイマがタイムアップするとき、停止させる特別図柄と装飾図柄とを設定する。
続いて、情報送信処理を行う(ステップS30)。この情報送信処理は、特別図柄変動処理と特別図柄変動中処理とで決定された装飾図柄の変動表示に関するコマンドをサブ統合基板111に出力する処理を行う。続いて、大当り遊技処理(ステップS32)を行い、このルーチンを終了する。この大当り遊技処理は、ステップS26の特別図柄変動処理で大当りと判定されたとき、大当りの種類に応じた態様で大入賞口61を開放する制御を行う。
[10.サブ統合基板の各種制御処理]
次に、主制御基板101から各種コマンドを受け取るサブ統合基板111の各種処理について説明する。図19はリセット処理の一例を示すフローチャートであり、図20はタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図21はコマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図22はコマンド受信終了割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
[10−1.リセット処理]
まず、リセット処理が開始されると、図19に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、初期設定処理を行う(ステップS40)。この初期設定処理は、サブ統合基板111のCPU111aを初期化する処理と、リセット後のウエイトタイマを設定する処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割り込み禁止となっており、初期設定処理のあと割り込み許可となる。続いて、16ms経過フラグTが値0であるか否かを判定する(ステップS42)。この16ms経過フラグTは、後述する2msごとに処理されるタイマ割り込み処理で16msを計測するフラグであり、16ms経過したとき値1、16ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS42で16ms経過フラグTが値1であるとき、つまり16ms経過したときには、16ms経過フラグを値0にセットし(ステップS44)、16ms処理中フラグPに値1をセットする(ステップS46)。この16ms処理中フラグPは、後述する16msの定常処理を開始するとき値1、終了するとき値0にそれぞれ設定される。続いて、16msの定常処理を行う(ステップS48)。この16msの定常処理は、主制御基板101が出力したコマンドを解析するコマンド解析処理と、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動パターンをスケジューラにセットする16ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理と、演出ランプ44aと44b,装飾ランプ49への点灯データを送信するシリアル出力処理と、16msの定常処理が行われているか監視するウオッチドックタイマ処理等を行う。続いて、16ms処理中フラグPに値0(16msの定常処理の終了)にセットし(ステップS50)、再びステップS42に戻り、16ms経過フラグTが値1になるごとに、つまり16ms経過ごとに上述したステップS44〜ステップS50を繰り返し行う。一方、ステップS42で16ms経過フラグTが値1でない(16ms経過フラグTが値0)とき、つまり16ms経過していないときには、16ms経過フラグTが値1になるまで、つまり16ms経過するまでステップS42の判定を繰り返し行う。
[10−2.タイマ割り込み処理]
次に、タイマ割り込み処理が開始されると、図20に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、2msタイマ割り込み処理を行う(ステップS60)。この2msタイマ割り込み処理は、キャラクタ体(フランケン)150,キャラクタ体(ドラキュラ)152,遮蔽部材(ドラキュラ)166,キャラクタ体(オオカミ男)154の原位置をそれぞれ検出するフォトセンサ150n,153n,152n,155nの原位置の検出履歴をそれぞれ作成する履歴作成処理と、ステッピングモータ150h,152h,153f,155を駆動するステッピングモータ処理等を行う。
続いて、2ms更新カウンタUCに値1を加算する(ステップS62)。この2ms更新カウンタUCは、このタイマ割り込み処理が行われた回数をカウントするカウンタであり、2ms更新カウンタUCの値1は2msの時間に相当する。続いて、2ms更新カウンタUCが値8、つまり16ms(=2ms更新カウンタUC×2ms)であるか否かを判定する(ステップS64)。16msであるときには、16ms経過フラグTに値1をセットし(ステップS66)、16ms処理中フラグPが値0、つまり図19に示したリセット処理のステップS48の16msの定常処理が行われているか否かを判定する。16ms処理中フラグPが値0であるとき、つまり16msの定常処理が行われていないときには、作業領域のバックアップを行い(ステップS70)、このルーチンを終了する。この作業領域のバックアップは、図19に示したリセット処理のステップS48の16msの定常処理で処理した情報を作業領域上に設けられたコピー領域にコピーする。一方、ステップS64で16ms経過していないとき又はステップS68で16msの定常処理中に情報の設定がなかったときには、そのままこのルーチンを終了する。
[10−3.コマンド受信割り込み処理]
次に、コマンド受信割り込み処理が開始されると、図21に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、主制御基板101からのコマンドを受信開始する信号(以下「WR信号」という。)と主制御基板101からの各種基板をセレクトする信号(以下「SEL信号」という。)とがともに値1であるか否かを判定する(ステップS80)。主制御基板101のCPU101aは、最初にサブ統合基板111に対応するSEL信号を値1、そしてWR信号を値1にそれぞれ設定することによりサブ統合基板111にコマンドを送信する。
このコマンドは、1パケット4ニブルにより構成されている。この「ニブル」とは、4ビットを意味し、2ニブルでは8ビット(1バイト)、つまり4ニブルでは16ビット(2バイト)となる。1ニブルのデータの抽出は、WR信号が値0から値1に立ち上がって(「アップエッジ」という。)、所定時間(例えば、20μs〜50μs)保持された後、WR信号が値1から値0に立ち下がる(「ダウンエッジ」という。)ことにより行われ、1パケットでは合計4回行われる。
ステップS80でWR信号とSEL信号とがともに値1であるとき、つまり主制御基板101のCPU101aがサブ統合基板111にコマンドを送信するときには、コマンド受信処理を行い(ステップS82)、このルーチンを終了する。このコマンド受信処理は、受信した1ニブル分のコマンド(4分割されたコマンドのうち1つ)をサブ統合基板111のRAM111cに設けたリングバッファに格納する。この「リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを格納し、バッファの最後まできたら最初に戻って格納する。リングバッファに格納したあと、続いて、バッファライトカウンタを値1加算する。このバッファライトカウンタは、コマンド受信処理を行うごとに値1ずつ加算されるため、1パケット(4ニブル)を格納するとバッファライトカウンタは値4になる。
一方、ステップS80でSEL信号とWR信号とがともに値0であるとき、つまり主制御基板101のCPU101aがサブ統合基板111にコマンドを出力しないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、主制御基板101からサブ統合基板111へのコマンド送信時には、上述したようにWR信号のアップエッジからダウンエッジまでの所定時間(例えば、20μs〜50μs)、SEL信号、WR信号、データ(4ビット)が一定に保持されているが、ノイズの影響により信号が乱れ、コマンドを正常に受信できないこともある。そこで、このノイズ対策として、サブ統合基板111のCPU111aは、SEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信(1回目)すると所定時間経過(例えば、1μs)後、再びSEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信する。そして、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致しているか否かを判定する。1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致しているときには、上述したステップS80でWR信号とSEL信号とがともに値1であるか否かを判定する。一方、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致していないときには、所定時間経過後、再びSEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信し、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致するまで判定を繰り返し行う。
[10−4.コマンド受信終了割り込み処理]
次に、コマンド受信終了割込み処理が開始されると、図22に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、WR信号とSEL信号とがともに値0であるか否かを判定する(ステップS90)。主制御基板101のCPU101aは、サブ統合基板111にコマンドの出力が完了すると、WR信号に値0を設定した後、SEL信号を値0に設定する(ダウンエッジ)。ステップS90でWR信号とSEL信号とがともに値0であるとき、つまり主制御基板101のCPU101aがサブ統合基板111にコマンドの出力が完了したときには、コマンド受信終了処理を行い(ステップS92)、このルーチンを終了する。このコマンド受信終了処理は、上述したコマンド受信割り込み処理で加算されたバッファライトカウンタを値0にする。コマンドを正常に受信できたときには、1パケット4ニブルであるため、バッファライトカウンタは値4になる。また、1パケット分の受信を行えなかったとき、つまりバッファライトカウンタが値4未満のときには、受信したコマンドを破棄する。
一方、ステップS90でWR信号とSEL信号とがともに値0でないとき、つまり主制御基板101のCPU101aがサブ統合基板111にコマンドの出力が完了していないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、上述したように、ノイズ対策として、サブ統合基板111のCPU111aは、SEL信号を受信(1回目)すると所定時間経過(例えば、1μs)後、再びSEL信号を受信し、1回目に受信したSEL信号と一致しているか否かを判定する。1回目に受信したSEL信号と一致しているときには、上述したステップS90でWR信号とSEL信号とがともに値0であるか否かを判定する。一方、1回目に受信したSEL信号と一致していないときには、所定時間経過後、再びSEL信号を受信し、1回目に受信したSEL信号と一致するまで判定を繰り返し行う。
なお、コマンド受信割り込み処理、コマンド受信終了割り込み処理、タイマ割り込み処理、そして16msの定常処理の順で各処理の優先順位が設定されている。
[11.ステッピングモータ駆動制御処理]
次に、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動方法について説明する。図23は16ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理の一例を示すフローチャートであり、図24はステッピングモータスケジューラの一例を示すテーブルであり、図25は2ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理の一例を示すフローチャートであり、図26はステッピングモータスケジューラパターン設定処理の一例を示すフローチャートであり、図27は2ms用ステッピングモータスケジューラ動作処理の一例を示すフローチャートであり、図28はステッピングモータ処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の出力軸側から見て時計方向への回転をCW(Clock Wiseの略)とし、反時計方向への回転をCCW(Counter Clock Wiseの略)とする。また、ステッピングモータ150h,153f,152h,155は4相ステッピングモータであり、バイポーラ駆動方式により制御されている。この「バイポーラ駆動方式」とは、ステータコイルの両端に印加する電圧の正負を切り替え、電流の方向を変化させることによりコイルを励磁し、磁界を切り替える方式である。
[11−1.16ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理]
16ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理が開始されると、図23に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、ステッピングモータ動作禁止時間が値0であるか否かを判定する(ステップS100)。このステッピングモータ動作禁止時間(本実施形態では、ステッピング動作禁止時間を5.1sと設定されている。)は、電源投入時又はリセット時に設定される時間であり、この時間内では、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154がそれぞれ原位置にあるか否かを検査し、原位置にないときには、電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラに基づいてステッピングータ150h,153f,152h,155を駆動制御して原位置に復帰させる処理(以下、「電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理」という。)を行う。
ステップS100でステッピングモータ動作禁止時間が値0であるとき、つまり電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理が終了しているときであって、変動表示が開始されるときに実行され、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154がそれぞれ原位置にあるか否かを判定する(ステップS102)。この判定は、後述するキャラクタ体(フランケン)異常判定処理、キャラクタ体(ドラキュラ)異常判定処理、遮蔽部材(ドラキュラ)異常判定処理、キャラクタ体(オオカミ男)異常判定処理において行われる。ステップS102でキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154がそれぞれ原位置にあるときには、主制御基板101から送信されるコマンド、つまり変動表示パターンの変動番号に対応するステッピングモータスケジューラのアドレスのセットを行う(ステップS104)。
このステッピングモータスケジューラは、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)をステッピングモータ150h,153f,152h,155によりそれぞれ動作させるパターンを複数備え、各パターンは、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動パルス幅と回転方向と駆動時間とを1つの組とするデータを複数備えている。このデータの配列は、データ0,データ1,データ2,・・・,データnという時系列のデータ列としてサブ統合基板111のROM111bに予め記憶されている。例えば、図24に示すように、パターン38のデータ0では、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動パルス幅4ms、回転方向CW、駆動時間40msとそれぞれ設定されている。このパターン38のデータ0が、図23に示したステップS104のステッピングモータスケジューラのアドレスとしてセットされる。なお、各パターンのデータ0は、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動開始時に当たるため、脱調しないように最初の10ステップ、つまり40ms(=4ms×10ステップ)間をスローアップさせている。
図23に戻り、続いて、ステッピングモータ動作フラグFに値1をセットし(ステップS106)、このルーチンを終了する。このステッピングモータ動作フラグFは、ステッピングモータスケジューラのアドレスがセットされたことを表すフラグであり、ステッピングモータスケジューラのアドレスがセットされたとき、つまりパターンが設定された場合を値1、パターンが設定されていない場合を値0とそれぞれ設定されている。
一方、ステップS102でキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154のうち少なくとも1つが原位置にないときには、原位置復帰動作処理を行い(ステップS108)、このルーチンを終了する。この原位置復帰処理は、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154を原位置に復帰させるための処理であり、各キャラクタ体と遮蔽部材との原位置への復帰動作については後述する。一方、ステップS100でステッピングモータ動作禁止時間が値0でないとき、つまり電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理が終了していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[11−2.2ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理]
次に、2ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理が開始されると、図25に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、電源投入時又はリセット時であるか否かを判定する(ステップS110)。電源投入時又はリセット時であるときには、後述するステッピングモータスケジュールパターン設定処理を行い(ステップS112)、ステッピングモータ動作禁止時間を5.1sに設定し(ステップS114)、このルーチンを終了する。上述したように、ステッピングモータ動作禁止時間(5.1s)内に電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理が行われる。
一方、ステップS110で電源投入時又はリセット時でないときには、ステッピングモータ動作禁止時間が値0、つまり電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理が終了しているか否かを判定する(ステップS116)。ステッピングモータ動作禁止時間が値0であるとき、つまり電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理が終了しているときには、後述するステッピングモータスケジュールパターン設定処理を行い(ステップS118)、このルーチンを終了する。一方、ステップS116でステッピングモータ動作禁止時間が値0でないとき、つまり電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理が終了していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
なお、ステップS114で設定されたステッピングモータ動作禁止時間は、サブ統合基板111のCPU111aの内部タイマにより減算され、その後、値0になる。
[11−3.ステッピングモータスケジューラパターン設定処理]
次に、ステッピングモータスケジューラパターン設定処理が開始されると、図26に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、ステッピングモータ動作フラグFが値1であるか否か、つまりステッピングモータスケジューラのアドレスがセットされているか否かを判定する(ステップS120)。このステッピングモータ動作フラグFが値1であるとき、つまりステッピングモータスケジューラのアドレスがセットされているときには、ステッピングモータ動作フラグFを値0にセット、つまりステッピングモータスケジューラのアドレスがセットされていないとし(ステップS122)、ステッピングモータスケジューラパターンを設定し(ステップS124)、このルーチンを終了する。このステッピングモータスケジューラパターンの設定は、図23に示した16ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理のステップS104でセットしたステッピングモータスケジューラのアドレス(例えば、図24で示したパターン38のデータ0)がステッピングモータスケジューラパターンとして設定される。一方、ステップS120でステッピングモータ動作フラグFが値0であるとき、つまりパターンが設定されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。
なお、ステップS122では、ステッピングモータ動作フラグFを値0にセットしているが、これはステップS124のステッピングモータスケジューラパターンの設定を1度のみ行わせるためである。実際のステッピングモータスケジューラパターンの進行は、後述する2ms用ステッピングモータスケジューラ動作処理により行われる。また、次回、ステッピングモータ動作フラグFが値1、つまりステッピングモータスケジューラのアドレスが新たにセットされ、このルーチンが行われるまでは、ステップS124でステッピングモータスケジューラパターンに設定したステッピングモータスケジューラのアドレスがサブ統合基板111のRAM111cに記憶される。
[11−4.2ms用ステッピングモータスケジューラ動作処理]
次に、2ms用ステッピングモータ駆動データ設定処理が開始されると、サブ統合基板111のCPU111aは、図27に示すように、駆動時間が終了したか否かを判定する(ステップS130)。この判定は、ステッピングモータスケジューラパターンに設定された経過時間が経過したか否かにより行われる。具体的には、例えば、図24に示したパターン38のデータ0で設定された経過時間40msを、後述する2msタイマ一括減算処理で減算され、その後、値0になった否かにより行われる。ステップS130で駆動時間が経過したときには、ステッピングモータスケジューラパターンを1つ進め(例えば、図24に示したパターン38のデータ0からデータ1に進める、ステップS132)、このルーチンを終了する。一方、ステップS130で駆動時間が経過していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[11−5.ステッピングモータ処理]
次に、ステッピングモータ処理が開始されると、サブ統合基板111のCPU111aは、図28に示すように、2msタイマ一括減算処理を行う(ステップS140)。この2msタイマ一括減算処理は、ステッピングモータスケジュールパターンの駆動時間を2msずつ減算する処理である。例えば、図24で示したパターン38のデータ0では、駆動時間40msから2msずつ、38ms、36ms、・・・、0msと、この2msタイマ一括減算処理が行われるごとに減算される。続いて、2ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理を行う(ステップS142)。この2ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理は、図26で説明したようにステッピングモータ150h,153f,152h,155を駆動するステッピングモータスケジューラのアドレスをセットする処理である。続いて、2msステッピングモータスケジューラ動作処理を行う(ステップS144)。この2msステッピングモータスケジューラ動作処理は、図27で説明したようにステッピングモータ150h,153f,152h,155をステッピングモータスケジューラパターンにより進行する処理である。続いて、第1励磁データの初期化を行い(ステップS146)、第2励磁データの初期化を行う(ステップS148)。ステップS146とステップS148とに行われる初期化は、励磁データを値0にセットすることにより行われる。続いて、第1励磁データの作成を行い(ステップS150)、第2励磁データの作成を行う(ステップS152)。
ここで、第1励磁データと第2励磁データとは、それぞれ1バイト、つまり8ビットの情報であり、上位4ビットと下位4ビットとに駆動するステッピングモータの駆動信号を割り振ることによって、1バイトで2台のステッピングモータを駆動することができる。例えば、第1励磁データの上位4ビットには、ステッピングモータ150hの駆動信号がSM1−4,SM1−3,SM1−2そしてSM1−1と順に割り振られ、一方、第1励磁データの下位4ビットには、ステッピングモータ153fの駆動信号がSM2−4,SM2−3,SM2−2そしてSM2−1と順に割り振られている(図15参照)。また、第2励磁データの上位4ビットには、ステッピングモータ155の駆動信号がSM3−4,SM3−3,SM3−2そしてSM3−1と順に割り振られ、一方、第2励磁データの下位4ビットには、ステッピングモータ152hの駆動信号がSM4−4,SM4−3,SM4−2そしてSM4−1と順に割り振られている(図15参照)。
続いて、第2励磁データをランプ駆動基板112に出力し(ステップS154)、第1励磁データをランプ駆動基板112に出力し(ステップS156)、このルーチンを終了する。第1励磁データと第2励磁データとは、上位4ビットと下位4ビットとの8ビットの励磁データを1ビットずつ右へシフトすることにより最下位ビットの励磁データから最上位ビットの励磁データまでを順にランプ統合基板112に送信する。例えば、上述した第2励磁データでは、SM4−1,SM4−2,SM4−3,SM4−4,SM3−1,SM3−2,SM3−3そしてSM3−4と順にランプ駆動基板112に送信される。
このとき、サブ統合基板111のCPU111aは、シリアル出力部111asoから転送クロックSM−CLKをランプ駆動基板112へ出力する。この転送クロックSM−CLKと同期して、シリアル出力部111asoから第2励磁データと第1励磁データとをランプ駆動基板に1ビットずつ送信する。ステップS154で第2励磁データをランプ駆動基板112に送信したあと続けてステップS156で第1励磁データをランプ駆動基板112に送信することにより、第2励磁データはランプ駆動基板112のシリアルパラレル変換部112hのシフトレジスタ112hsを通過してシリアルパラレル変換部112iのシフトレジスタ112isにシフトされ、第1励磁データはシリアルパラレル変換部112hのシフトレジスタ112hsにシフトされる。シフトレジスタ112hsとシフトレジスタ112isとの励磁データはそれぞれストレージレジスタ112htとストレージレジスタ112itとに転送され、サブ制御基板111からラッチ信号SM−LATが入力されると、ストレージレジスタ112htとストレージレジスタ112itとにそれぞれ転送された第1励磁データと第2励磁データとが駆動信号としてドライブ回路112j,112k,112m,112nに出力される。この駆動信号によりステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動制御が行われ、CW又はCCWの回転運動となる。なお、このステッピングモータ駆動処理は、図20で示した2msタイマ割り込み処理のステップS60の2msタイマ割り込み処理の一処理として行われる。
[12.電源投入(リセット)時の各種処理]
次に、パチンコ機1の電源投入(リセット)時における各種処理について説明する。図29は、電源投入(リセット)用原位置確認処理の一例を示すフローチャートであり、図30は電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理の一例を示すフローチャートである。
[12―1.電源投入(リセット)用原位置確認判定処理]
電源投入(リセット)用原位置確認判定処理が開始されると、図29に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるか否かを判定する(ステップS160)。この判定は、基準板150mがフォトセンサ150nにより検出されているか否かにより行われる。具体的には、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部で光軸を遮断した状態(基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態)にあるときにはキャラクタ体(フランケン)150の現在位置が原位置にある状態として検出され、一方、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部で光軸を遮断していない状態(基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態)にあるときにはキャラクタ体(フランケン)150の現在位置が原位置にない状態として検出される。
ステップS160でキャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態にあるときには、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1に値0をセットする(ステップS162)。このキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1は、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態にあるか否かを表すフラグであり、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態をキャラクタ体(フランケン)150の正常状態として値0、一方、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態をキャラクタ体(フランケン)150の異常状態として値1がそれぞれ設定されている。
一方、ステップS160でキャラクタ体(フランケン)150が原位置にないとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態にあるときには、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1に値1をセットする(ステップS164)。
なお、フォトセンサ150nに、故障、ケーブルの断線及びコネクタが外れている等の不具合が生じているときには、フォトセンサ150nはサブ統合基板111のCPU111aに検出信号を出力することが困難となる。このため、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態であってもフォトセンサ150nの不具合が生じているときにはフォトセンサ150nからの信号を検出することができない(凹部に収まっていない状態に見えるようにしてある)ためキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1をキャラクタ体(フランケン)150の異常状態として値1にセットする。
ステップS162又はステップS164に続いて、キャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置にあるか否かを判定する(ステップS166)。この判定は、基準板153mがフォトセンサ153nにより検出されているか否かにより行われる。具体的には、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部で光軸を遮断した状態(基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態)にあるときにはキャラクタ体(ドラキュラ)152の現在位置が原位置にある状態として検出され、一方、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部で光軸を遮断していない状態(基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっていない状態)にあるときにはキャラクタ体(ドラキュラ)152の現在位置が原位置にない状態として検出される。
ステップS166でキャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置にあるとき、つまり基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態にあるときには、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2に値0をセットする(ステップS168)。このキャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2は、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態にあるか否かを表すフラグであり、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態をキャラクタ体(ドラキュラ)152の正常状態として値0、一方、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっていない状態をキャラクタ体(ドラキュラ)152の異常状態として値1がそれぞれ設定されている。
一方、ステップS166でキャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置にないとき、つまり基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっていない状態にあるときには、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2に値1をセットする(ステップS170)。
なお、フォトセンサ153nに、故障、ケーブルの断線及びコネクタが外れている等の不具合が生じているときには、フォトセンサ153nはサブ統合基板111のCPU111aに検出信号を出力することが困難となる。このため、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態であってもフォトセンサ153nの不具合が生じているときにはフォトセンサ153nからの信号を検出することができない(凹部に収まっていない状態に見えるようにしてある)ためキャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2をキャラクタ体(ドラキュラ)152の異常状態として値1にセットする。
ステップS168又はステップS170に続いて、遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置にあるか否かを判定する(ステップS172)。この判定は、基準板152mがフォトセンサ152nにより検出されているか否かにより行われる。具体的には、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部で光軸を遮断した状態(基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態)にあるときには遮蔽部材(ドラキュラ)166の現在位置が原位置にある状態として検出され、一方、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部で光軸を遮断していない状態(基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっていない状態)にあるときには遮蔽部材(ドラキュラ)166の現在位置が原位置にない状態として検出される。
ステップS172で遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置にあるとき、つまり基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態にあるときには、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3に値0をセットする(ステップS174)。この遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3は、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態にあるか否かを表すフラグであり、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態を遮蔽部材(ドラキュラ)166の正常状態として値0、一方、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっていない状態を遮蔽部材(ドラキュラ)166の異常状態として値1がそれぞれ設定されている。
一方、ステップS172で遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置にないとき、つまり基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっていない状態にあるときには、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3に値1をセットする(ステップS176)。
なお、フォトセンサ152nに、故障、ケーブルの断線及びコネクタが外れている等の不具合が生じているときには、フォトセンサ152nはサブ統合基板111のCPU111aに検出信号を出力することが困難となる。このため、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態であってもフォトセンサ152nの不具合が生じているときにはフォトセンサ152nからの信号を検出することができない(凹部に収まっていない状態に見えるようにしてある)ため遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3を遮蔽部材(ドラキュラ)166の異常状態として値1にセットする。
ステップS174又はステップS176に続いて、キャラクタ体(オオカミ男)154が原位置にあるか否かを判定する(ステップS178)。この判定は、基準板154mがフォトセンサ154nにより検出されているか否かにより行われる。具体的には、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部で光軸を遮断した状態(基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態)にあるときにはキャラクタ体(オオカミ男)154の現在位置が原位置にある状態として検出され、一方、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部で光軸を遮断していない状態(基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっていない状態)にあるときにはキャラクタ体(オオカミ男)154の現在位置が原位置にない状態として検出される。
ステップS178でキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置にあるとき、つまり基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態にあるときには、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4に値0をセットする(ステップS180)。このキャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4は、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態にあるか否かを表すフラグであり、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態をキャラクタ体(オオカミ男)154の正常状態として値0、一方、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっていない状態をキャラクタ体(オオカミ男)154の異常状態として値1がそれぞれ設定されている。
一方、ステップS178でキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置にないとき、つまり基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっていない状態にあるときには、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4に値1をセットし(ステップS182)、このルーチンを終了する。
なお、フォトセンサ154nに、故障、ケーブルの断線及びコネクタが外れている等の不具合が生じているときには、フォトセンサ154nはサブ統合基板111のCPU111aに検出信号を出力することが困難となる。このため、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態であってもフォトセンサ154nの不具合が生じているときにはフォトセンサ154nからの信号を検出することができない(凹部に収まっていない状態に見えるようにしてある)ためキャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4をキャラクタ体(オオカミ男)154の異常状態として値1にセットする。
[12―2.電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理]
次に、上述した電源投入(リセット)用原位置確認判定処理でキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154のいずれかが原位置にないとき、つまり、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4のいずれかが値1のときには、電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理を開始する。この処理が開始されると、図30に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるか否かを判定する(ステップS190)。キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態にあるときには、原位置時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラのアドレスのセットを行う(ステップS192)。一方、ステップS190でキャラクタ体(フランケン)150が原位置にないとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態にあるときには、原位置外時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラのアドレスのセットを行う(ステップS194)。ステップS192又はステップS194に続いて、ステッピングモータ動作フラグFを値1にセット、つまりステッピングモータスケジューラのアドレスがセットされているとし(ステップS196)、このルーチンを終了する。
ここで、ステップS190で原位置時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラと原位置外時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラとに分かれるのは、上述したように、キャラクタ体(フランケン)と遮蔽部材(ドラキュラ)166とが液晶表示器116の表示領域42の前面側に出現するとき、接触又は干渉する場合があり、これを回避するためである。この回避する方法として、キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるか否かに基づいて電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラをステップS190で分岐させている。
[12―3.各種原位置復帰処理]
次に、パチンコ機1の電源投入(リセット)時における各種原位置復帰処理について説明する。図31は原位置時原位置復帰処理(フランケン)の一例を示すフローチャートであり、図32は原位置外時原位置復帰処理(フランケン)の一例を示すフローチャートであり、図33は原位置復帰処理(ドラキュラ)の一例を示すフローチャートであり、図34は原位置復帰処理(遮蔽部材(ドラキュラ))の一例を示すフローチャートであり、図35は原位置復帰処理(オオカミ男)の一例を示すフローチャートである。なお、これら各処理は、図20で示したタイマ割り込み処理のステップS60の2msタイマ割り込み処理の一処理として行われるが、処理の概略を説明する都合上、簡略化したフローチャートとなっている。例えば、後述する原位置時原位置復帰処理(フランケン)におけるステップS208では、ステッピングモータ150hを60ステップCCWさせているが、実際には、図20で示したタイマ割り込み処理のステップS60の2msタイマ割り込み処理が行われるごとに1ステップずつCCWさせている。
[12―3―1.原位置時原位置復帰処理(フランケン)]
上述したように、キャラクタ体(フランケン)150は、ステッピングモータ150をCW、つまり時計方向に回転させることによりキャラクタ体(フランケン)150が表示領域42の前面側に出現し、そして、ステッピングモータ150をCCW、つまり反時計方向に回転させることによりキャラクタ体(フランケン)150が原位置に戻る動作となる。キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるときには、電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラとして、図30で示した電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理のステップS192の原位置時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラのアドレスがセットされる。このとき、ステッピングモータ150hをCWからCCWさせることにより原位置に復帰させることができる。(「原位置時原位置復帰処理(フランケン)」という)。
キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態にあるときには、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154をステッピングモータ153f,152h,155によりそれぞれの原位置に復帰させ、復帰開始から所定時間経過(例えば、1.9s)後、原位置時原位置復帰処理を行う。
この処理が開始されると、図31に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(フランケン)150を液晶表示器116の表示領域42の前面側に出現させるため、ステッピングモータ150hを1ステップCWさせ(ステップS200)、ステッピングモータ150hがN1ステップ以上回転したか否かを判定する(ステップS202)。ここで、N1ステップは、キャラクタ体(フランケン)150の原位置の確認動作としてのステップ数(例えば、100ステップ)である。ステップS202でステッピングモータ150hがN1ステップ以上回転するまで、ステップS200に戻り、ステッピングモータ150hを1ステップCWさせる。一方、ステップS202でステッピングモータ150hがN1ステップ以上回転したときには、基準板150mをフォトセンサ150nの凹部に収まるように復帰動作としてステッピングモータ150hを1ステップCCWさせる(ステップS204)。続いて、基準板150mのエッジが検出されたか否かを判定する(ステップS206)。この判定は、フォトセンサ150nからの出力のサンプリング履歴に基づいて行われる。具体的には、フォトセンサ150nからの出力を、遮光時(光軸を遮断したとき)を値0、透光時(光軸を遮断していないとき)を値1とし、2msごとにサンプリングしてサンプリング履歴を作成する。このサンプリング履歴が予め記憶しておいた値と同じであるか否かを判定し、例えばサンプリング履歴が「00000011B(「B」はビットを表す。)」となったとき、基準板150mのエッジを検出したと判定してキャラクタ体(フランケン)150が原位置へ復帰する状況にあると判定する。一方、所定期間経過しても、エッジを検出できなかった場合には、キャラクタ体(フランケン)150が原位置へ復帰する状況にないと判定する。ステップS206でキャラクタ体(フランケン)150のエッジが検出されたとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150が原位置へ復帰する状況にあるときには、ステッピングモータ150hを60ステップだけCCWさせる(ステップS208)。この回転は、ステッピングモータ150hを回転させることによりキャラクタ体(フランケン)150が原位置になるよう微調整するために行われる。
続いて、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1に値0をセットし(ステップS210)、この処理を終了する。一方、ステップS206で基準板150mのエッジが検出されないときには、ステッピングモータ150hがN1’ステップ以上回転したか否かを判定する(ステップS212)。ここで、N1’ステップは、ステッピングモータ150hが1回転するときのステップ数(例えば、483ステップ)である。ステップS212でステッピングモータ150hがN1’ステップ以上回転したときには、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1に値1をセット、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態にあるとし(ステップS214)、このルーチンを終了する。なお、上述したように、フォトセンサ150nに不具合が生じているときには、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態であってもキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1をキャラクタ体(フランケン)150の異常状態として値1にセットする。
一方、ステップS212でステッピングモータ150hがN1’ステップ以上回転していないときには、ステップS204に戻り、ステッピングモータ150hを1ステップCCWさせ、そして、ステップS206で基準板150mのエッジが検出されるまで又はステップS212でステッピングモータ150hがN1’ステップ以上回転するまで、ステップS204、ステップS206そしてステップS212と順次繰り返し行う。
この原位置時原位置復帰処理(フランケン)では、フォトセンサ150nからの検出信号が一定時間ないときには、異常としてステッピングモータ150hの駆動を中止する。
[12―3−2.原位置外時原位置復帰処理(フランケン)]
上述したように、キャラクタ体(フランケン)150は、ステッピングモータ150をCW、つまり時計方向に回転させることによりキャラクタ体(フランケン)150が表示領域42の前面側に出現し、そして、ステッピングモータ150をCCW、つまり反時計方向に回転させることによりキャラクタ体(フランケン)150が原位置に戻る動作となる。キャラクタ体(フランケン)150が原位置にないときには、電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラとして、図30で示した電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理のステップS194の原位置外時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラのアドレスがセットされる。このとき、ステッピングモータ150hをCCWさせることにより原位置に復帰させることができる(「原位置外時原位置復帰処理(フランケン)」という)。
キャラクタ体(フランケン)150が原位置にないとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態にあるときには、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(フランケン)150を含め、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154をステッピングモータ150h,153f,152h,155によりそれぞれの原位置に復帰させ、原位置外時原位置復帰処理(フランケン)を行う。
この処理は、図32に示すように、ステップS220〜ステップS230は図31に示した原位置時原位置復帰処理(フランケン)のステップS204〜ステップS214とそれぞれ同じであり、ここでの説明を省略する。
なお、この原位置外時原位置復帰処理(フランケン)では、フォトセンサ150nからの検出信号が一定時間ないときには、異常としてステッピングモータ150hの駆動を中止する。
[12―3−3.原位置復帰処理(ドラキュラ)]
上述したように、キャラクタ体(ドラキュラ)152は、ステッピングモータ153fをCWにより1回転させることでキャラクタ体(ドラキュラ)152が表示領域42の前面側に出現し、原位置に戻る動作となる。このため、キャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置にないときには、ステッピングモータ153fをCWさせることにより原位置に復帰させることができる(「原位置復帰処理(キャラクタ体(ドラキュラ))」という)。
キャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置にないとき、つまり基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっていない状態にあるときには、サブ統合基板111のCPU111aは原位置復帰処理(ドラキュラ)を行う。
この処理が開始されると、図33に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板153mをフォトセンサ153nの凹部に収まるように復帰動作としてステッピングモータ153fを1ステップCWさせる(ステップS240)。続いて、基準板153mのエッジが検出されたか否かを判定する(ステップS242)。この判定は、フォトセンサ153nからの出力のサンプリング履歴に基づいて行われる。具体的には、フォトセンサ153nからの出力を、遮光時(光軸を遮断したとき)を値0、透光時(光軸を遮断していないとき)を値1とし、2msごとにサンプリングしてサンプリング履歴を作成する。このサンプリング履歴が予め記憶しておいた値と同じであるか否かを判定し、例えばサンプリング履歴が「00000011B」となったとき、基準板153mのエッジを検出したと判定してキャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置へ復帰する状況にあると判定する。一方、所定期間経過しても、エッジを検出できなかった場合には、キャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置へ復帰する状況にないと判定する。ステップS242でキャラクタ体(ドラキュラ)152のエッジが検出されたとき、つまりキャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置へ復帰する状況にあるときには、ステッピングモータ153fを78ステップだけCWさせる(ステップS244)。この回転は、ステッピングモータ154fを回転させることによりキャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置になるよう微調整するために行われる。
続いて、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2に値0をセット、つまり基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態にあるとし(ステップS246)、このルーチンを終了する。一方、ステップS242で基準板153mのエッジが検出されないときには、ステッピングモータ153fがN2ステップ以上回転したか否かを判定する(ステップS248)。ここで、N2ステップは、ステッピングモータ153fが1回転するときのステップ数(例えば、483ステップ)である。ステップS248でステッピングモータ153fがN2ステップ以上回転したときには、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2に値1をセット、つまり基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっていない状態にあるとし(ステップS250)、このルーチンを終了する。なお、上述したように、フォトセンサ153nに不具合が生じているときには、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態であってもキャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2をキャラクタ体(ドラキュラ)152の異常状態として値1にセットする。
一方、ステップS248でステッピングモータ153fがN2ステップ以上回転していないときには、ステップS240に戻り、ステッピングモータ153fを1ステップCWさせ、そして、ステップS242で基準板153mのエッジが検出されるまで又はステップS248でステッピングモータ153fがN2ステップ以上回転するまで、ステップS240、ステップS242そしてステップS248と順次繰り返し行う。
この原位置復帰処理(ドラキュラ)では、フォトセンサ153nからの検出信号が一定時間ないときには、異常としてステッピングモータ153fの駆動を中止する。
[12―3−4.原位置復帰処理(遮蔽部材(ドラキュラ))]
上述したように、遮蔽部材(ドラキュラ)166は、ステッピングモータ152hをCWにより1回転させることで遮蔽部材(ドラキュラ)166が表示領域42の前面側に出現し、原位置に戻る動作となる。このため、遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置にないときには、ステッピングモータ152hをCWさせることにより原位置に復帰させることができる(「原位置復帰処理(遮蔽部材(ドラキュラ)」という)。
遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置にないとき、つまり基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっていない状態にあるときには、サブ統合基板111のCPU111aは原位置復帰処理(遮蔽部材(ドラキュラ))を行う。
この処理が開始されると、図34に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板152mをフォトセンサ152nの凹部に収まるように復帰動作としてステッピングモータ152hを1ステップCWさせる(ステップS260)。続いて、基準板152mのエッジが検出されたか否かを判定する(ステップS262)。この判定は、フォトセンサ152nからの出力のサンプリング履歴に基づいて行われる。具体的には、フォトセンサ152nからの出力を、遮光時(光軸を遮断したとき)を値0、透光時(光軸を遮断していないとき)を値1とし、2msごとにサンプリングしてサンプリング履歴を作成する。このサンプリング履歴が予め記憶しておいた値と同じであるか否かを判定し、例えばサンプリング履歴が「00000011B」となったとき、基準板152mのエッジを検出したと判定して遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置へ復帰する状況にあると判定する。一方、所定期間経過しても、エッジを検出できなかった場合には、遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置へ復帰する状況にないと判定する。ステップS262で基準板152mのエッジが検出されたとき、つまり遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置へ復帰する状況にあるときには、ステッピングモータ152hを27ステップだけCWさせる(ステップS264)。この回転は、ステッピングモータ152hを回転させることにより遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置になるよう微調整するために行われる。
続いて、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3に値0をセット、つまり基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態にあるとし(ステップS266)、このルーチンを終了する。一方、ステップS262で基準板152mのエッジが検出されないときには、ステッピングモータ152hがN3ステップ以上回転したか否かを判定する(ステップS268)。ここで、N3ステップは、ステッピングモータ152hが1回転するときのステップ数(例えば、1483ステップ)である。ステップS268でステッピングモータ152hがN3ステップ以上回転したときには、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3に値1をセット、つまり基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっていない状態にあるとし(ステップS270)、このルーチンを終了する。なお、上述したように、フォトセンサ152nに不具合が生じているときには、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態であっても遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3を遮蔽部材(ドラキュラ)166の異常状態として値1にセットする。
一方、ステップS268でステッピングモータ152hがN3ステップ以上回転していないときには、ステップS204に戻り、ステッピングモータ152hを1ステップCWさせ、そして、ステップS262で基準板152mのエッジが検出されるまで又はステップS268でステッピングモータ152hがN3ステップ以上回転するまで、ステップS260、ステップS262そしてステップS268と順次繰り返し行う。
この原位置復帰処理(遮蔽部材(ドラキュラ))では、フォトセンサ152nからの検出信号が一定時間ないときには、異常としてステッピングモータ152hの駆動を中止する。
[12―3−5.原位置復帰処理(オオカミ男)]
上述したように、キャラクタ体(オオカミ男)154は、ステッピングモータ155をCWにより1回転させることでキャラクタ体(オオカミ男)154が表示領域42の前面側に出現し、原位置に戻る動作となる。このため、キャラクタ体(オオカミ男)154が原位置にないときには、ステッピングモータ155をCWさせることにより原位置に復帰させることができる(「原位置復帰処理(オオカミ男)」という)。
キャラクタ体(オオカミ男)154が原位置にないとき、つまり基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっていない状態にあるときには、サブ統合基板111のCPU111aは原位置復帰処理(オオカミ男)を行う。
この処理が開始されると、図35に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板154mをフォトセンサ154nの凹部に収まるように復帰動作としてステッピングモータ155を1ステップCWさせる(ステップS280)。続いて、基準板154mのエッジが検出されたか否かを判定する(ステップS282)。この判定は、フォトセンサ154nからの出力のサンプリング履歴に基づいて行われる。具体的には、フォトセンサ154nからの出力を、遮光時(光軸を遮断したとき)を値0、透光時(光軸を遮断していないとき)を値1とし、2msごとにサンプリングしてサンプリング履歴を作成する。このサンプリング履歴が予め記憶しておいた値と同じであるか否かを判定し、例えばサンプリング履歴が「00000011B」となったとき、基準板154mのエッジを検出したと判定してキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置へ復帰する状況にあると判定する。一方、所定期間経過しても、エッジを検出できなかった場合には、キャラクタ体(オオカミ男)154が原位置へ復帰する状況にないと判定する。ステップS282で基準板154mのエッジが検出されたとき、つまりキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置へ復帰する状況であるときには、ステッピングモータ155を46ステップだけCWさせる(ステップS284)。この回転は、ステッピングモータ155を回転させることによりキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置になるよう微調整するために行われる。
続いて、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4に値0をセット、つまり基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態にあるとし(ステップS286)、このルーチンを終了する。一方、ステップS282で基準板154mのエッジが検出されないときには、ステッピングモータ155がN4ステップ以上回転したか否かを判定する(ステップS288)。ここで、N4ステップは、ステッピングモータ155が1回転するときのステップ数(例えば、483ステップ)である。ステップS288でステッピングモータ155がN4ステップ以上回転したときには、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4に値1をセット、つまり基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっていない状態にあるとし(ステップS290)、このルーチンを終了する。なお、上述したように、フォトセンサ154nに不具合が生じているときには、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態であってもキャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4をキャラクタ体(オオカミ男)154の異常状態として値1にセットする。
一方、ステップS288でステッピングモータ155がN4ステップ以上回転していないときには、ステップS280に戻り、ステッピングモータ155を1ステップCWさせ、そして、ステップS282で基準板154mのエッジが検出されるまで又はステップS288でステッピングモータ155がN4ステップ以上回転するまで、ステップS280、ステップS282そしてステップS288と順次繰り返し行う。
この原位置復帰処理(オオカミ男)では、フォトセンサ154nからの検出信号が一定時間ないときには、異常としてステッピングモータ155の駆動を中止する。
[13.フォトセンサ正常報知処理]
次に、上述したキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154の原位置を検出するフォトセンサ150n,153n,152n,154nが正常であるか否かを報知するフォトセンサ正常報知処理について説明する。図36はフォトセンサ正常報知処理の一例を示すフローチャートである。このフォトセンサ正常報知処理は、電源投入(リセット)時において、図31〜図35に示した各種原位置復帰処理の後に行われる。
フォトセンサ正常報知処理が開始されると、図36に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が正常状態にあるか調べる(ステップS300)。ここでは、図31〜図35に示した各種原位置復帰処理でセットされたキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3及びキャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4の値に基づいて行われる。上述したように、これらのキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3及びキャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4の値は、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置に復帰したとき正常状態として値0、原位置に復帰しなかったとき異常状態として値1がそれぞれ設定されている。
なお、上述したように、フォトセンサ150n,153n,152n,154nに、故障、ケーブルの断線及びコネクタが外れている等の不具合が生じているときには、フォトセンサ150n,153n,152n,154nはサブ統合基板111のCPU111aに検出信号を出力することが困難となる。そこで、サブ統合基板111のCPU111aは、検出信号が入力されないフォトセンサ150n,153n,152n,154nに対応する、上述したキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3及びキャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4)の値を値1にセットする。
[13−1.フランケンのみが正常状態にある場合]
ステップS300でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値0、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び/又は遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値1、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値1であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150が正常状態にあり、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が異常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(フランケン)150が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(「フランケン用フォトセンサ正常報知動作」という。)を決定し(ステップS302)、フォトセンサ正常報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS304)、このルーチンを終了する。このフランケン用フォトセンサ正常報知動作では、キャラクタ体(フランケン)150が図8に示す原位置にある状態から図9に示す可動領域限界に至るまで可動し、所定時間停止後、再びその原位置に復帰する。
[13−2.ドラキュラのみが正常状態にある場合]
ステップS300でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値0、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値1であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150が異常状態にあり、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が正常状態にあり、キャラクタ体(オオカミ男)154が異常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(「ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作」という。)を決定し(ステップS306)、フォトセンサ正常報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS304)、このルーチンを終了する。このドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作では、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が図10に示す原位置にある状態から図11に示す可動領域限界に至るまで可動し、所定時間停止後、再びその原位置に復帰する。
[13−3.オオカミ男のみが正常状態にある場合]
ステップS300でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び/又は遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値1、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値0であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が異常状態にあり、キャラクタ体(オオカミ男)154が正常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(オオカミ男)154が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(「オオカミ男用フォトセンサ正常報知動作」という。)を決定し(ステップS308)、フォトセンサ正常報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS304)、このルーチンを終了する。このオオカミ男用フォトセンサ正常報知動作では、キャラクタ体(オオカミ男)154が図12に示す原位置にある状態から図13に示す可動領域限界に至るまで可動し、所定時間停止後、再びその原位置に復帰する。
[13−4.フランケン及びドラキュラが正常状態にある場合]
ステップS300でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値0、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値0、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値1であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が正常状態にあり、キャラクタ体(オオカミ男)154が異常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(「フランケン・ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作」という。)を決定し(ステップS310)、フォトセンサ正常報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS304)、このルーチンを終了する。なお、フランケン・ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作では、キャラクタ体(フランケン)150と、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166と、が干渉しないようにその動作が制御されている。具体的には、フランケン・ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作におけるキャラクタ体(フランケン)の可動領域は、上述したフランケン用フォトセンサ正常報知動作におけるものより小さく設定され、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166の可動領域も上述したドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作におけるものより小さく設定されている。このフランケン・ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作では、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が図7に示す原位置にある状態(図中、実線で描かれている。)から同図に示す遮蔽部材(ドラキュラ)166と遮蔽部材(フランケン)164(キャラクタ体(フランケン)150)とが干渉しない限界に至るまでそれぞれ可動し(図中、2点鎖線(想像線)で描かれている。)、所定時間停止後、再びそれぞれの原位置に復帰する。
[13−5.ドラキュラ及びオオカミ男が正常状態にある場合]
ステップS300でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値0、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値0であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150が異常状態にあり、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が正常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(上述したドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作及びオオカミ男用フォトセンサ正常報知動作)を決定し(ステップS312)、フォトセンサ正常報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS304)、このルーチンを終了する。
[13−6.フランケン及びオオカミ男が正常状態にある場合]
ステップS300でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値0、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び/又は遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値1、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値1であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150が正常状態にあり、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が異常状態にあり、キャラクタ体(オオカミ男)154が正常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(フランケン)150及びキャラクタ体(オオカミ男)154が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(上述したフランケン用フォトセンサ正常報知動作及びオオカミ男用フォトセンサ正常報知動作)を決定し(ステップS314)、フォトセンサ正常報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS304)、このルーチンを終了する。
[13−7.フランケン、ドラキュラ及びオオカミ男が正常状態にある場合]
ステップS300でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値0、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値0、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値0であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154がすべて正常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(上述したフランケン・ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作及びオオカミ男用フォトセンサ正常報知動作)を決定し(ステップS316)、フォトセンサ正常報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS304)、このルーチンを終了する。
[13−8.フランケン、ドラキュラ及びオオカミ男が異常状態にある場合]
ステップS300でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び/又は遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値1、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値1であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154がすべて異常状態にあるときには、そのままこのルーチンを終了する。
なお、上述したフランケン用フォトセンサ正常報知動作、ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作、オオカミ男用フォトセンサ正常報知動作及びフランケン・ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作におけるステッピングモータ150h,153f,152h,155の回転速度は、図31〜図35に示した各種原位置復帰処理におけるものより、本実施形態では2倍に設定されている。具体的には、図31〜図35に示した各種原位置復帰処理では、4msごとに駆動データを切り替え(同じデータを2回ずつ出力し)、一方、図36に示したフォトセンサ正常報知処理におけるフランケン用フォトセンサ正常報知動作、ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作、オオカミ男用フォトセンサ正常報知動作及びフランケン・ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作では、脱調防止のため10ステップ期間、4msごとに駆動データを切り替え、その後2msごとに駆動データを切り替えている。これにより、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が可動される速度も2倍となる。それぞれの原位置に復帰する手前になると、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の回転速度は各種原位置復帰処理におけるものに設定されるためズレを生じることなく原位置に復帰する。
このように、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が液晶表示器116の表示領域42の前面側に大きく出現することによりフォトセンサ150n,153n,152n,154nが正常状態であることを告知(報知)することができ、例えば生産ラインの作業者は、フォトセンサ150n,153n,152n,154nのいずれに不具合が生じているかを目視して確認できる。また、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が大げさに(可動限界まで可動)することにより作業者のうっかりミスをなくすこともできる。これにより、不具合が生じているフォトセンサがあれば、そのフォトセンサを収納している収容部ごと取り外して交換することができる。例えばキャラクタ体(フランケン)150が表示領域42の前面側に出現しない場合では、フォトセンサ150nに不具合が生じているため、このフォトセンサ150nを収納する図7に示した収納部156を取り外して他の収納部156’と交換する。なお、取り外した収納部は、設計開発に戻されて不具合が生じた理由を十分に検討することにより次機種の可動体を備えるパチンコ機の開発ノウハウとして蓄積され、トラブルの少ない機種を開発することができる。
以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、演出装置40を備えている。この演出装置40に、遊技演出装置としてのキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、キャラクタ体(オオカミ男)154、遮蔽部材(フランケン)164、遮蔽部材(ドラキュラ)166及び遮蔽部材(オオカミ男)168と、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154を可動するステッピングモータ150h,153f,152h,155と、これらのステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動制御を行うサブ統合基板111と、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154の原位置に配置されるフォトセンサ150n,153n,152n,154nと、が組み付けられている。
サブ統合基板111のCPU111aは、図31〜図35に示した各種原位置復帰処理と、図36に示したフォトセンサ正常報知処理と、を行う。各種原位置復帰処理では、電源投入時又はリセット時、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154を原位置に復帰させるためステッピングモータ150h,153f,152h,155に駆動信号を出力する。そして、図31〜図35に示したN1’ステップ期間、N2ステップ期間、N3ステップ期間及びN4ステップ期間内に、フォトセンサ150n,153n,152n,154nからの検出信号が入力されたときには、入力があったフォトセンサ150n,153n,152n,154nに対応するステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動信号の出力を停止し、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154の現在位置を原位置に設定する制御を行う。例えば、上述したステップ期間内に、サブ統合基板111のCPU111aにフォトセンサ150n,153n,152nの検出信号が入力されたときには、CPU111aは、ステッピングモータ150h,153f,152hの駆動信号の出力を停止し、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166の可動を停止し、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166の現在位置を原位置に設定する制御を行う。
一方、フォトセンサ150n,153n,152n,154nからの検出信号が入力されなかったときには、入力がされなかったフォトセンサ150n,153n,152n,154nに対応するステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動信号の出力を停止する制御を行う。例えば、上述したステップ期間内に、フォトセンサ154nの検出信号が入力されなかったときには、ステッピングモータ155の駆動信号の出力を停止し、キャラクタ体(オオカミ男)155の可動を停止する制御を行う。
フォトセンサ正常報知処理では、上述した各種原位置復帰処理によりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154の原位置が設定された後再度、ステッピングモータ150h,153f,152h,155に駆動信号を出力してキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154を可動させた後、それぞれの原位置に再び復帰させる制御を行う。例えば、各種原位置復帰処理によりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166の原位置がそれぞれ設定されると、その後再度、ステッピングモータ150h,153f,152hに駆動信号を出力して、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166を可動させた(フランケン用フォトセンサ正常報知動作及びドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作)後、それぞれの原位置に再び復帰させる制御を行う。
このように、電源投入後、フォトセンサ正常報知処理によりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)152及びキャラクタ体(オオカミ男)154が可動されるときにはフォトセンサ150n,153n,152n,154nが正常状態にある。したがって、例えば生産ラインの作業者は、これらのキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)152及びキャラクタ体(オオカミ男)154を目視することによりフォトセンサ150n,153n,152n,154nが正常状態にある否かを判別することができるためフォトセンサ150n,153n,152n,154nの不具合を容易に確認することができる。
また、例えばキャラクタ体(フランケン)150は、ステッピングモータ150hをCW、つまり時計方向に回転させることにより表示領域42の前面側に出現させており、一方、ステッピングモータ150hをCCW、つまり反時計方向に回転させることにより原位置に復帰する。電源投入(リセット)時のキャラクタ体(フランケン)150の現在位置により、図31及び図32に示した原位置に復帰させる処理が行われる。電源投入(リセット)時のキャラクタ体(フランケン)150が原位置にある状態では、図31に示した原位置時原位置復帰処理が行われ、一度、キャラクタ体(フランケン)150を原位置から表示領域42の前面側に出現させる方向に可動させた後、再び原位置に復帰させている。このときのキャラクタ体(フランケン)150の動きは、微動作するに留まり(図31のステップS200〜ステップS202によるステッピングモータ150hをN1ステップ回転させる)、キャラクタ体(フランケン)150が表示領域42の前面側に出現する可動領域は極めて小さい。一方、電源投入(リセット)時のキャラクタ体(フランケン)150が原位置にない状態では、図32に示した原位置外時原位置復帰処理が行われ、キャラクタ体(フランケン)150を原位置に復帰させる方向に可動させる。
ところで、図36に示したフォトセンサ正常報知処理では、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)152及びキャラクタ体(オオカミ男)154が可動される可動範囲は、例えば、上述したフランケン用フォトセンサ正常報知動作では、キャラクタ体(フランケン)150が図8に示す原位置にある状態から図9に示す可動領域限界に至るまで可動し、所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、再びその原位置に復帰する。このように、図31に示した原位置時原位置復帰処理によりキャラクタ体(フランケン)150が表示領域42の前面側に出現する可動範囲に比べて、フランケン用フォトセンサ正常報知動作によりキャラクタ体(フランケン)150が表示領域42の前面側に出現する可動範囲の方が極めて大きくなり、例えば生産ラインの作業者には、その動きが見やすくなる。このため、フォトセンサ150n(153n,152n,154)が正常状態にあることを確認しやすくなり、好ましい。
更に、図36に示したフォトセンサ正常報知処理では、フランケン用フォトセンサ正常報知動作、ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作、オオカミ男用フォトセンサ正常報知動作及びフランケン・ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作におけるステッピングモータ150h,153f,152h,155の回転速度は、図31〜図35に示した各種原位置復帰処理におけるものより、本実施形態では2倍に設定されている。近年のパチンコ機では、そのライフサイクルが短命化しており、1日当たりの生産台数が厳しく設定されている。そこで、フランケン用フォトセンサ正常報知動作、ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作、オオカミ男用フォトセンサ正常報知動作及びフランケン・ドラキュラ用フォトセンサ正常報知動作によりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(オオカミ男)154、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が可動される速度が図31〜図35に示した各種原位置復帰処理におけるものより速くすることで生産性の向上を図ることができる。
[4.別例]
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、生産ラインの作業者が電源投入時にフォトセンサ150n,153n,152n,154nの不具合を目視して確認していたが、パチンコ機1を設置したホールの作業者がその不具合を目視して確認してもよい。ホールは、運営開始前に電源投入を行うので、このときホールの作業者はフォトセンサフォトセンサ150n,153n,152n,154nの不具合を確認することができる。なお、ホールの運営中に何らかのトラブルが生じてパチンコ機1をリセットする必要があるときにでも、図31〜図35に示した各種原位置復帰処理が行われた後、図36に示したフォトセンサ正常報知処理が行われるため、フォトセンサ150n,153n,152n,154nの不具合を確認することができる。
また、上述した実施形態では、パチンコ機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ機に限定されるものではなく、パチンコ機以外の遊技機、例えばスロットマシン又はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技玉を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。
1…パチンコ機(パチンコ機)、100…主基板、110…周辺基板、111…サブ統合基板(制御基板)、111b…ROM、150…キャラクタ体(フランケン)(可動体)、152…キャラクタ体(ドラキュラ)(可動体)、154…キャラクタ体(オオカミ男)(可動体)、166…遮蔽部材(ドラキュラ)(可動体)、150h,152h,153f,155…ステッピングモータ(ステッピングモータ)、150n,152n,153n,154n…フォトセンサ(フォトセンサ)。