JP2007194686A - 磁歪素子およびそれを備えた平面型音響装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部材構成が単純で、効率性と耐久性に優れた磁歪素子およびそれを適用した平面型音響装置を提供すること。
【解決手段】棒状の磁歪材と、磁歪材の外周を巻き回した導電コイルと、導電コイルに通電することで、磁歪材の軸方向の変位を当該軸方向と略直交する方向に変換させる変位方向変換部材と、棒状の磁歪材の両端を挟持して、磁歪材の軸方向の変位に追従して動作する第1と第2の可動先端部と、を備えており、この変位方向変換部材は、第1と第2の可動先端部間にその両端が固定されて、凸方向が磁歪材に対して外側となる様に構成された凸形状を有する弾性部材からなり、変位方向変換部材の弾性変形により、第1、第2の可動先端部における磁歪材の軸方向の変位を、軸方向と直交する方向に変換可能な構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】棒状の磁歪材と、磁歪材の外周を巻き回した導電コイルと、導電コイルに通電することで、磁歪材の軸方向の変位を当該軸方向と略直交する方向に変換させる変位方向変換部材と、棒状の磁歪材の両端を挟持して、磁歪材の軸方向の変位に追従して動作する第1と第2の可動先端部と、を備えており、この変位方向変換部材は、第1と第2の可動先端部間にその両端が固定されて、凸方向が磁歪材に対して外側となる様に構成された凸形状を有する弾性部材からなり、変位方向変換部材の弾性変形により、第1、第2の可動先端部における磁歪材の軸方向の変位を、軸方向と直交する方向に変換可能な構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁界の印加により磁歪材の軸方向へ変位を生じさせる駆動機構と、その変位方向と略直交方向に変位を変換させる変位方向変換部材とを備えた、変換効率と耐久性の向上を目的として変位方向変換部材の形状を改善した磁歪素子および平面型音響装置に関するものである。
近年、電気機械変換技術の分野においては、高出力な変位駆動を可能とする磁歪素子に注目が集まりつつある。とりわけ、その傾向は、磁歪素子の変位を他の方向へ変換させる変位方向変換機構の技術要求において著しくなっている(例えば、特許文献1参照)。
まず、従来の変位方向変換機構を備えた磁歪素子について説明する。図7は、従来の磁歪素子の構成を示す構造断面図である。
図7で示す従来の磁歪素子26は、筐体10の内部に、磁歪材1と、この磁歪材1の周りを巻き回した導電コイル2と、磁歪材1の片側端に固定された固定先端部8と、他方の端に固定された可動先端部3a、3bとを備え、更に先端誘導部14と、その中空内部へ差し込むように通した可動ワイヤ12を有する。
ここで、固定先端部8と先端誘導部14とは、筐体10を介して相互に強固に固定されており、可動先端部3aと可動ワイヤ12は可動先端部3bを介して固定されている。また、可動先端部3a、3bと可動ワイヤ12は、筐体10および先端誘導部14には直接固定されていないため、これらに対して独立な変位ができる様になっている。更に、可動ワイヤ12は折り曲げ自在な部材より作製されており、先端誘導部14の内部の中空形状に応じて任意の形状をとることができるようになっている。
次に、磁歪素子26の駆動原理について説明する。
まず、導電コイル2へ通電されると、磁歪材1に軸方向の変位が生じるが、ここで、磁歪材1の片側端は固定先端部8を介して筐体10に固定されているため、その変位に伴って可動先端部3a、3bが軸方向へ変位することとなる。そして、この可動先端部3a、3bの変位は、そのまま可動ワイヤ12を軸方向に変位させるよう作用するが、この可動ワイヤ12は略円弧曲線形状で先端誘導部14に差し込まれるように構成されているため、可動ワイヤ12に作用された軸方向の変位は、先端誘導部14の内部の中空形状に沿うようにして、軸方向と略直交する方向へ変換されることとなる。
まず、導電コイル2へ通電されると、磁歪材1に軸方向の変位が生じるが、ここで、磁歪材1の片側端は固定先端部8を介して筐体10に固定されているため、その変位に伴って可動先端部3a、3bが軸方向へ変位することとなる。そして、この可動先端部3a、3bの変位は、そのまま可動ワイヤ12を軸方向に変位させるよう作用するが、この可動ワイヤ12は略円弧曲線形状で先端誘導部14に差し込まれるように構成されているため、可動ワイヤ12に作用された軸方向の変位は、先端誘導部14の内部の中空形状に沿うようにして、軸方向と略直交する方向へ変換されることとなる。
このようにして、従来の磁歪素子26では、磁歪材1により生じた軸方向の変位を、可動ワイヤ12を介してその軸方向とは略直交する方向の変位へと変換することが可能となる。そのため、変位を伝達させたい被駆動体に対して、磁歪素子26を略平行に配置することができるため、被駆動体を含めた装置全体の低背化を図ることができるようになる。
そして、このように構成された磁歪素子26を、振動板を備えた平面型音響装置に適用することができるので、以下にその構成と作用について図8を用いて説明する。図8は、従来の磁歪素子を適用した平面型音響装置の構造断面図を示している。
この平面型音響装置27は、磁歪素子26、装置筐体15、振動板16と、振動板16の周縁を装置筐体15へ支持固定するための接着部材17とから構成される。ここで、磁歪素子26における筐体10は装置筐体15へ強く固定されており、また可動ワイヤ12
の先端は振動板16に当設して強く固定されている。
の先端は振動板16に当設して強く固定されている。
このような構成において、磁歪素子26を音響信号で駆動すると、上述したような原理により、磁歪材1の軸方向へ生じた音響振動は軸方向と垂直な方向へ変換される。そして可動ワイヤ12を介して振動板16に振動が伝達されることで、振動板16の撓み振動から音響波が放射され、音響装置としての機能を発揮することができる。
しかしながら、上述したような磁歪素子26では、その構成上、可動ワイヤ12の略円弧曲線形状を良好に保ち、変換する変位方向を維持するためにも、先端誘導部14が不可欠であり、構成部材が多くなってしまうという問題があった。また、先端誘導部14の内部に可動ワイヤ12を挿入するという構造は、比較的単純な構造であることを利点とする磁歪素子にとって、製造工程の複雑化を招いてしまうことにもなってしまう。
また更に、この磁歪素子26では、先端誘導部14の内部に挿入した可動ワイヤ12で、軸方向の変位を略直交方向へ強引に変換させる構造上、軸方向の変位力を効果的に相殺することができず、変位の度に先端誘導部14の中空内部表面と可動ワイヤ12とが接触することは避けられない。その結果、その接触摩擦に伴って、変換効率の低下や、部材の損耗が起こってしまうことで、磁歪素子26とそれを含めた平面型音響装置27全体の耐久性が低下してしまうという問題もあった。
そこで、本発明では、上述したような問題を解決し、変換効率と耐久性を向上させた磁歪素子およびそれを備えた平面型音響装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の磁歪素子およびそれを備えた平面型音響装置は、下記記載の構成を採用する。
本発明による磁歪素子は、棒状の磁歪材と、磁歪材の外周を巻き回した導電コイルと、導電コイルに通電することで、磁歪材の軸方向の変位を当該軸方向と略直交する方向に変換させる変位方向変換部材と、棒状の磁歪材の両端を挟持して、磁歪材の軸方向の変位に追従して動作する第1と第2の可動先端部とを備えており、この変位方向変換部材は、第1と第2の可動先端部間にその両端が固定されて、凸方向が磁歪材に対して外側となる様に構成された凸形状を有する弾性部材からなり、変位方向変換部材の弾性変形により、第1、第2の可動先端部における磁歪材の軸方向の変位を、軸方向と直交する方向に変換可能としたことを特徴とするものである。
また、本発明による磁歪素子は、前述した変位方向変換部材における両端間の断面形状を、略正規分布曲線形状、または複数個の略正規分布曲線を直列に配置した複合形状としてことを特徴とするものである。
また更に、本発明による磁歪素子は、前述した磁歪材または導電コイルが、基台に固定配置されていることを特徴とするものである。
また更に、本発明による磁歪素子は、前述した磁歪材の略中央部で、磁歪材または導電コイルが基台に固定配置されていることを特徴とするものである。
また更に、本発明の磁歪素子は、前述した変位方向変換部材が、ともに第1と第2の可動先端部間にその両端が固定されて、かつ磁歪材を挟んで対向する位置にそれぞれ配置された、第1と第2の弾性部材より成ることを特徴とするものである。
また更に、本発明による磁歪素子は、前述した第2の変位方向変換部材における頂部が、基台に固定配置されていることを特徴とするものである。
本発明による磁歪素子は、磁歪材の外周を巻き回した導電コイルに通電することで、磁歪材の軸方向の変位を当該軸方向と略直交する方向に変換させる変位方向変換部材と、磁歪材における軸方向の一端を基台に固定する固定先端部と、棒状の磁歪材における軸方向の他端に当接して設け、磁歪材の軸方向の動作に追従する可動先端部と、可動先端部と所定の間隔を持って、磁歪材の軸方向の延長線上で基台に固定された固定壁とを備え、この変位方向変換部材は、可動先端部と固定壁間にその両端が固定された凸形状を有する弾性部材により構成されて、この弾性部材の弾性変形により、可動先端部における磁歪材の軸方向の変位を、軸方向と直交する方向に変換可能としたことを特徴とするものである。
また、本発明による磁歪素子は、前述した変位方向変換部材における両端間の断面形状を、略正規分布曲線形状、または複数個の略正規分布曲線を直列に配置した複合形状としたことを特徴とするものである。
また、本発明による磁歪素子を備えた平面型音響装置は、上述した磁歪素子と、磁歪材を構成する変位方向変換部材における頂部と当設して設けられた振動板とを有し、変位方向変換部材の弾性変形による変位を振動板に伝達することができる構成としたことを特徴とするものである。
本発明による磁歪素子では、断面形状が略正規分布曲線形状または複数個の略正規分布曲線を並列に配置した複合形状をした変位方向変換部材の両端を、第1と第2の可動先端部間に固定し、この変位方向変換部材の弾性変形により、磁歪材の軸方向の変位をそれと直交する方向に変換という駆動構造を採用することにより、従来の磁歪素子における先端誘導部が不要となる。そのため、部材構成の複雑化を避けることができ、製造工程上の簡素化を実現できるという利点を有する。
更に、本発明による磁歪素子では、略正規分布曲線形状または複数個の略正規分布曲線を並列に配置した複合形状の変位方向変換部材をその両端から同時に変位駆動させ、弾性変形させる形態としているので、軸方向の変位を効果的に相殺したまま、変位方向を変換させることができるようになる。そのため、従来の磁歪素子における強引な変位方向変換を行う先端誘導部が必要無く、接触摩擦などが生じない、かつ変換効率を向上させ、耐久性を向上させた、磁歪素子と平面型音響装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施例における磁歪素子の構成及び駆動機構について説明する。尚、本発明の構成における同部分については背景技術と同符号を用いて説明する。
図1は、本発明の磁歪素子の構成を示す構造断面図である。
図1の断面図に示すように、本発明の第一の実施例における磁歪素子21は、磁歪材1とその周りを巻き廻した導電コイル2、磁歪材1の両端部に設けた可動先端部3、磁歪材1の軸方向中心部を支持固定した支持柱4、基台5、更にこの2つの可動先端部3に両端が固定された弾性部材からなる変位方向変換部材6aとにより構成されている。ここで、
変位方向変換部材6aは両端間の断面形状が略正規分布曲線形状となっており、且つその凸方向が磁歪材1に対して外側となる様に、配置されている。また、この変位方向変換部材6aは、両端で固定されている可動先端部3から受ける軸方向の変位駆動に応じて、全体が弾性変形できるだけの弾性を有している。
図1の断面図に示すように、本発明の第一の実施例における磁歪素子21は、磁歪材1とその周りを巻き廻した導電コイル2、磁歪材1の両端部に設けた可動先端部3、磁歪材1の軸方向中心部を支持固定した支持柱4、基台5、更にこの2つの可動先端部3に両端が固定された弾性部材からなる変位方向変換部材6aとにより構成されている。ここで、
変位方向変換部材6aは両端間の断面形状が略正規分布曲線形状となっており、且つその凸方向が磁歪材1に対して外側となる様に、配置されている。また、この変位方向変換部材6aは、両端で固定されている可動先端部3から受ける軸方向の変位駆動に応じて、全体が弾性変形できるだけの弾性を有している。
上記のような構成の磁歪素子21において、導電コイル2に電流が流れると、導電コイル2の内部を貫くように磁束が生じ、この磁束に応じて磁歪材1はその軸方向へ伸縮変形する。ここで、磁歪材1は支持柱4により中心部を支持固定されているため、伸縮変形によりその両端部は軸方向へ変位し、両端に固定されている可動先端部3もそれに追従するようにして軸方向へ変位する。
この時、可動先端部3の内部へ両端を挟持されるように固定された変位方向変換部材6aは、可動先端部3の軸方向の変位によって、その両端部から同方向の変位駆動を受ける。そして、変位方向変換部材6aは弾性を有していることから、両端部からの変位駆動がそのまま中心部へ伝達されることとなるが、その形状が略正規分曲線形状となっているため、伝達される変位駆動の方向は、中心部の凸部へ向かうに連れて、軸方向と略直交する方向へと滑らかに変換されていくこととなる。このように、この変位方向変換部材6aの内部を変位駆動が伝達されていき、方向が変換される効率は、力学的にその断面形状が略正規分曲線形状であるとき最も高く、他の形状を採用した場合の変位方向変換部材6aと比較すると、遥かに高い変換効率を実現することができる。
こうして、この磁歪素子21では、磁歪材1の伸縮変形により生じた軸方向の変位が、変位方向変換部材6aの中心の凸部において、軸方向と略直交した方向の変位へ変換されるという機能を有することになる。
このような略正規分布曲線形状の変位方向変換部材6aを具備した磁歪素子21の部材構成では、従来の磁歪素子26のように先端誘導部14を設ける必要性が無くなる。そのため、部材構成が極めて単純なまま、変位方向を変換する機能を発揮することが可能となり、部材構成の単純さから、製造工程の簡素化に寄与することができる。
また、本発明における磁歪素子21では、略正規分布曲線形状の変位方向変換部材6aをその両端から同時に変位駆動させ、弾性変形させるという方法を採用しているため、軸方向の変位を効果的に相殺したまま、変位方向を変換させることができる。そのため、上述した先端誘導部14における強引な変位方向変換が無くなり、従って接触摩擦などが生じなくなることで、変換効率や装置の耐久性を向上させることが可能となる。
なお、本実施例における最適な形態として、変位方向変換部材6aの断面形状を略正規分布曲線形状とした例を示したが、この形状に比べて性能面では劣ることとなるが、例えば変位方向変換部材6aの断面形状を、山形の凸形状としたり、または他の2次曲線形状としたりしても構わない。
また、本実施例においては、支持柱4を介して磁歪材1を基台5に固定配置した構成例を示したが、支持柱4を介して導電コイル2を基台5に固定配置した構成としても構わない。
次に、本発明の磁歪素子の他の構成例について説明をする。図2は、本発明の第二の実施例における磁歪素子の構成断面図を示している。
この磁歪素子22では、駆動方法と変位方向を変換する原理は、第一の実施例における
磁歪素子21と同様であるが、磁歪素子21における支持柱4(図1)を変位方向変換部材6bに代えて配置し、この変位方向変換部材6bの中心凸部を介して素子全体を基台5へ固定させるという構成のみが異なっている。
磁歪素子21と同様であるが、磁歪素子21における支持柱4(図1)を変位方向変換部材6bに代えて配置し、この変位方向変換部材6bの中心凸部を介して素子全体を基台5へ固定させるという構成のみが異なっている。
このような構成の磁歪素子22では、二つの変位方向変換部材6a、6bが、磁歪材1の軸方向の変形変位を、それと直交する方向へ同時に変換させることができる。このとき、変位方向変換部材6bはその中心凸部で基台5へ固定されているため、基台5を基準とした変位方向変換部材6aにおける直交方向への変位量を、第一の実施例における磁歪素子21と比較しておよそ2倍にすることが可能となる。
またそればかりでなく、磁歪素子22では、磁歪材1の上下に変位方向変換部材6a、6bが対称的に配置されている構造から、磁歪材1が変形変位する際に受ける変位方向変換部材6a、6bからの反力が、上下両側から対称に掛かるようになる。そのため、第一の実施例における磁歪素子21(図1)では、上側の変位方向変換部材6aのみから非対称に反力がかかることで、軸方向と直交する方向に磁歪材1が応力を受けて折れ易くなる虞があるが、この磁歪素子22では変位方向変換部材6a、6bからの反力の対称性により、磁歪材1が軸方向と直交する方向に受ける応力がほぼ完全に相殺され、磁歪材1の耐久性向上にも寄与することが可能となる。
次に、本発明の磁歪素子のさらに他の構成例について説明をする。図3は、本発明の第三の実施例における磁歪素子の構造断面図を示している。
この磁歪素子23では、基本的な部材構成および駆動原理は第二の実施例の磁歪素子22と同様であるが、磁歪素子22で示した略正規分布曲線形状の変位方向変換部材6a、6b(図2)に代えて、断面形状が略正規分布曲線を軸方向へ2個直列に連接して設けた複合形状の変位方向変換部材6c、6dを用いた点のみが異なっている。なお、本実施例では、磁歪材1の下側へ配置された変位方向変換部材6dの2つの凸部を基台5へ固定した構成例を示している。
このように、変位方向変換部材6dの2つの凸部で、磁歪素子23全体を基台5へ固定する構成とすることで、この磁歪素子23は、1つの凸部のみで全体を固定していた第二の実施例の磁歪素子22(図2)と比較すると、その固定強度を遥かに強く維持したまま、磁歪素子22と同様の効果を得ることができるようになる。また、本実施例における磁歪素子23は、磁歪材1の軸方向の変位と基台5、および変位方向変換部材6dの2つの凸部に当接して固定した被駆動体との平行度を安定して維持するという効果を有している。
なお、本図面では変位方向変換部材6c、6dの断面形状が略正規分布曲線を軸方向へ2個直列に連接して設けた構成例を示したが、磁歪材1の下側に配置した変位方向変換部材6dの断面形状が複数個の略正規分布曲線を直列配置した複合形状であれば、変位方向変換部材6cと6dの形状は必ずしも同じでなくても構わない。従って、例えば、変位方向変換部材6cの形状を、第二の実施例における略正規分布曲線形状の変位方向変換部材6a(図2)に代えたものとしても、ほぼ同様の効果を得ることできる。
次に、本発明の磁歪素子のさらに他の構成例について説明をする。図4は、本発明の第四の実施例における磁歪素子の構造断面図を示している。
この磁歪素子24は、磁歪材1とその周りを巻き廻した導電コイル2、磁歪材1の一方
の端部に設けた固定先端部8、磁歪材1の他端に設けた可動先端部3、磁歪材1の軸延長上に可動先端部3から離間して配置されている固定部9、可動先端部3と固定部9との間に、両端が挟持されるように固定されている変位方向変換部材6eより構成されている。
の端部に設けた固定先端部8、磁歪材1の他端に設けた可動先端部3、磁歪材1の軸延長上に可動先端部3から離間して配置されている固定部9、可動先端部3と固定部9との間に、両端が挟持されるように固定されている変位方向変換部材6eより構成されている。
そして、固定先端部8と固定部9は、基台5に固定載置されて、磁歪材1の伸縮に応じて、可動先端部3が磁歪材1の軸方向に移動可能な構成となっている。さらに、この変位方向変換部材6eは、第一および第二の実施例における磁歪素子21、22での変位方向変換部材6a、6bと同様に、その断面形状が略正規分布曲線形状となっている。
この磁歪素子24では、従来の磁歪素子26(図7)で述べたのと同様、導電コイル2への通電により生じた磁歪材の伸縮変形は、固定先端部8を支点とした可動先端部3の軸方向の変位となる。ここで、固定部9は固定先端部8と同様に変位を受けない。そのため、可動先端部3に当接して設けられた変位方向変換部材6eは、固定部9との固定点を支点として、可動先端部3からの軸方向の変位駆動をそのまま受けることとなる。従って、第一や第二の実施例で述べたのと同様の変位方向変換の原理によって、その中央凸部において直交方向の変位を生み出すことができるようになる。
このような構成の磁歪素子24であっても、第一から第三の実施例における磁歪素子21〜23とほぼ同程度に、変位方向の変換機能を発現することができるようになる。
次に、本発明の磁歪素子のさらに他の構成例について説明をする。図5は、本発明の第一の実施例における磁歪素子21を備えた平面型音響装置の構造断面図を示している。また、図6(a)(b)は、この平面型音響装置の動作を示す模式図である。
この平面型音響装置25は、図8における従来の平面型音響装置27と同様に、磁歪素子21、装置筐体15、振動板16と、振動板16の周縁を装置筐体15へ支持固定するための接着部材17とから構成されている。ここで、磁歪素子21の支持柱4は装置筐体15へ強く固定されており、また変位方向変換部材6aの頂部は振動板16へ当接するように強く固定されている。
このような構成において、磁歪素子21を音響信号で駆動すると、図1の説明で詳述した駆動原理により、磁歪材1の軸方向の音響振動は、変位方向変換部材6aの頂部において軸方向と垂直方向の音響振動に変換される。そして、この変位方向変換部材6aの頂部が振動板16に当接するように固定されていることで、図6(a)図6(b)で示すように、振動板16は、接着部材17で支持固定された箇所を支点として、磁歪材1の伸縮に応じた撓み振動を起こすこととなり、図6(a)と図6(b)の形態を繰り返して、振動板16が振動させることができる。その結果、この振動板16の撓み振動から音響波が放射され、音響装置としての機能を発揮することができる。
このように、本発明による磁歪素子21を備えた平面型音響装置25であれば、磁歪素子26を備えた従来の平面型音響装置27(図8)と比較して、簡単な部材構成で、より効率的な音響効果を発揮できるだけでなく、音響装置としての耐久性も向上させることが可能となる。
なお、本実施例における平面型音響装置25は、第一の実施例で示した磁歪素子21を装置に組み込んだ構成例を示したが、これに代えて第二〜第四の実施例における磁歪素子22〜24を組み込んでも同様に、平面型音響装置として作用する。
1 磁歪材
2 導電コイル
3 可動先端部
4 支持柱
5 基台
6a〜6e 変位方向変換部材
8 固定先端部
9 固定部
15 装置筐体
16 振動板
17 接着部材
21〜24 磁歪素子
25 平面型音響装置
2 導電コイル
3 可動先端部
4 支持柱
5 基台
6a〜6e 変位方向変換部材
8 固定先端部
9 固定部
15 装置筐体
16 振動板
17 接着部材
21〜24 磁歪素子
25 平面型音響装置
Claims (9)
- 棒状の磁歪材と、
前記磁歪材の外周を巻き回した導電コイルと、
前記導電コイルに通電することで、前記磁歪材の軸方向の変位を当該軸方向と略直交する方向に変換させる変位方向変換部材と、
前記磁歪材の両端を挟持して、前記磁歪材の軸方向の変位に追従して動作する第1と第2の可動先端部と、を備え
前記変位方向変換部材は、前記第1と第2の可動先端部間にその両端が固定されて、凸方向が前記磁歪材に対して外側となる様に構成された凸形状を有する弾性部材からなり、
前記変位方向変換部材の弾性変形により、前記第1と第2の可動先端部における前記磁歪材の軸方向の変位を、前記軸方向と直交する方向に変換可能としたことを特徴とする磁歪素子。 - 前記変位方向変換部材における前記両端間の断面形状を、略正規分布曲線形状、または複数個の略正規分布曲線を直列に配置した複合形状としたことを特徴とする請求項1に記載の磁歪素子。
- 前記磁歪材または前記導電コイルは、基台に固定配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁歪素子。
- 前記磁歪材の略中央部で、前記磁歪材または前記導電コイルが前記基台に固定配置されていることを特徴とする請求項3に記載の磁歪素子。
- 前記変位方向変換部材は、ともに前記第1と第2の可動先端部間にその両端が固定されて、かつ前記磁歪材を挟んで対向する位置にそれぞれ配置された、第1と第2の弾性部材より成ることを特徴とする請求項1または2に記載の磁歪素子。
- 前記第2の前記変位方向変換部材における頂部が、基台に固定配置されていることを特徴とする請求項5に記載の磁歪素子。
- 棒状の磁歪材の外周を巻き回した導電コイルに通電することで、前記磁歪材の軸方向の変位を当該軸方向と略直交する方向に変換させる変位方向変換部材と、
前記磁歪材における軸方向の一端を基台に固定する固定先端部と、
前記棒状の磁歪材における軸方向の他端に当接して設け、前記磁歪材の軸方向の動作に追従する可動先端部と、
前記可動先端部と所定の間隔を持って、前記磁歪材の軸方向の延長線上で前記基台に固定された固定壁と、を備え
前記変位方向変換部材は、前記可動先端部と前記固定壁間にその両端が固定された凸形状を有する弾性部材により構成されて、前記弾性部材の弾性変形により、前記可動先端部における前記磁歪材の軸方向の変位を、前記軸方向と直交する方向に変換可能としたことを特徴とする磁歪素子。 - 前記変位方向変換部材における前記両端間の断面形状を、略正規分布曲線形状、または複数個の略正規分布曲線を直列に配置した複合形状としたことを特徴とする請求項7に記載の磁歪素子。
- 請求項1から8のいずれか一項に記載の磁歪素子と、前記磁歪材を構成する前記変位方向変換部材における頂部と当設して設けられた振動板とを有し、
前記変位方向変換部材の弾性変形による変位を前記振動板に伝達することができる構成
としたことを特徴とする平面型音響装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006008219A JP2007194686A (ja) | 2006-01-17 | 2006-01-17 | 磁歪素子およびそれを備えた平面型音響装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006008219A JP2007194686A (ja) | 2006-01-17 | 2006-01-17 | 磁歪素子およびそれを備えた平面型音響装置 |
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JP2007194686A true JP2007194686A (ja) | 2007-08-02 |
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ID=38450067
Family Applications (1)
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JP2006008219A Pending JP2007194686A (ja) | 2006-01-17 | 2006-01-17 | 磁歪素子およびそれを備えた平面型音響装置 |
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JP (1) | JP2007194686A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010217082A (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-30 | Tatsuno Corp | 液面測定装置 |
-
2006
- 2006-01-17 JP JP2006008219A patent/JP2007194686A/ja active Pending
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JP2010217082A (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-30 | Tatsuno Corp | 液面測定装置 |
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