JP2007194141A - 絶縁カバーおよびその取り付け構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力線路において垂直に配設されて使用される碍子装置のキャップまたは碍子笠に嵌着して使用される円筒状の絶縁カバーであって、前記絶縁カバーは、前記碍子笠の少なくとも1枚以上を外気より遮蔽する円筒状のスカート部を有し、前記スカート部の周縁部における遮蔽長さが異なるように成形した。
【選択図】 図1
Description
1.特許文献1の鳥害防止装置では、装置の取り付けに際し、既設の碍子装置を鉄塔などから一時的に取り外して、絶縁遮蔽板1を碍子に被着する必要があり、多大な労力・費用と時間が必要であった。また、本発明が解決しようとする課題である、つららなどにより碍子の笠間が橋絡されて地絡事故に至るようなケースは、全く想定されていなかった。そのため、絶縁遮蔽板1の取り付け位置についても特に規定されていなかった。
さらに、前記のような碍子用塩害防止治具を取り付けても、その構成は碍子を汚損雰囲気から遮蔽するようなカバー構造でないため、急速汚損状態下では全表面がほぼ均一に塩などが付着して汚損耐電圧特性が低下してしまい、何ら塩害防止効果が期待できないおそれがあった。
前記絶縁カバーは、碍子笠の少なくとも1枚以上を外気より遮蔽する円筒状のスカート部を有し、前記スカート部の周縁部における遮蔽長さが異なるように成形したことを特徴とする碍子類のつらら防止に有効な絶縁カバーである。
1.本発明のうち請求項1の絶縁カバーは、碍子笠の少なくとも1枚以上を外気より遮蔽する円筒状のスカート部を有するように構成したので、碍子表面に塩分などが付着して絶縁特性が低下するのを防止し得る。また、前記スカート部の周縁部における遮蔽長さが異なるように成形したので、カバー下面周縁部に形成される水滴を、スカート部の長い方の周縁部に集中させて、橋絡的速度を促進させ、つららの形成そのものを阻止することが出来るようにした。
図1(イ)は、本発明の碍子絶縁カバー1をボールソケット型懸垂碍子2に取り付けた状態の碍子カバー1の断面図である。また、図1(ロ)は底面図である。
図1(イ)において、ボールソケット型懸垂碍子2は、金属製の碍子キャップ3と、磁器製の碍子笠7と、ボールソケット型懸垂碍子2を直列に連結するボール部8と、から形成されている。碍子キャップ3の頭部には、ボール部8を嵌着するボールソケット部4が設けられ、前記ボールソケット部4の側面には、ボール部8の連結外れ防止のための割りピン穴5が設けられている。
碍子絶縁カバー1は、底面図から分かるように、2分割された絶縁カバーであり、碍子キャップ3の側面から抱き合わせるようにして取り付けられ、碍子絶縁カバー1の分割面の上下に設けられた連結リブ9の連結穴10に、ボルトなどで締付け固定される構成である。
従来は、懸垂碍子の磁器部の笠に絶縁カバーを被せて取り付けていたため、上記したような絶縁低下を避けるため、安全性を考慮して、懸垂碍子を通常よりも1枚増結して対応していた。
何となれば、平坦な場合には、周縁部にほぼ均等間隔に水滴が形成され易くなるので、これら水滴の外気の冷気に触れる表面積が大きくなる結果、つららが成長しやすくなるのである。
即ち、第2の実施形態のつらら防止に有効な絶縁カバー20は、第1の実施形態のスカート部を除去して軽量化を図ると共に、風圧荷重を低減させた二つ割り形状であり、既設置の碍子に側面から嵌着可能な構造とすると共に、2つ割りの合わせ面相互を、碍子キャップ部における嵌着部に緊締溝21を設けて、該箇所において、自己融着性絶縁テープを巻回して固定するか、または結束バンド23その他の締付け具で緊締固着する構造とした碍子絶縁カバーである。
以上のように構成すると、碍子絶縁カバーの風圧荷重低減および軽量化が図られる結果、構造がシンプルとなり大幅なコストダウンが可能となる。
図4における碍子絶縁カバーは、図(イ)に示すようにほぼ対称な形状の2つ割型の中空円盤状碍子絶縁カバー(26,27)であって、その一端にヒンジ部28が設けられて、ピン29により開閉自在に結合されている。30は碍子笠7の周縁部に嵌合する溝である。また、その他端の碍子絶縁カバーの円盤上には、間隔を置いて締付け端子(31,31)が設けられ、締付け装置32により締付けて、碍子笠7の周縁部に固定する構成である。なお、2つ割型の合わせ面22では、一方の碍子絶縁カバー部材では凸面24を設け、他方の合わせ面には凹面25を設けて両者が嵌合する構造として一体化を図った点は、先の第2の実施形態と同様であるが、特にこの合わせ構造に限定されるものではなく、碍子絶縁カバー(26,27)の合わせ面は嵌合する構造ではなく、相互に傾斜面を有して、図4(ハ)の破線で示したように、斜めに重複して締付ける構成とすることも出来る。
また、締付け端子(31,31)は、碍子絶縁カバーの円盤上ではなく、前記円盤の周縁部に設けてもよい。
また、本実施形態の構造とすることにより、下記の利点が得られる。
(1) 碍子絶縁カバーの風圧荷重を大幅に低減し得る。
(2) 碍子笠表面の雨洗効果を妨げないので、碍汚損劣化による碍子自体の絶縁特性を低下させない。
(3) 軽量、安価に製作できる。
図6は、つらら43によって、懸垂碍子装置が橋絡された状況を示す説明略図である。
本発明の絶縁カバーおよびその取り付け構造によれば、以上説明したとおり、下記の顕著な効果を有する。
1.碍子笠の少なくとも1枚以上を外気より遮蔽する円筒状のスカート部を有するように構成したので、碍子表面に塩分などが付着して絶縁特性が低下するのを防止し得る。
2.スカート部の周縁部における遮蔽長さが異なるように成形したので、カバー下面周縁部に形成される水滴を、スカート部の長い方の周縁部に集中させて、橋絡的速度を促進させて、つららの形成そのものを阻止することが出来る。
3.つらら防止に有効な本絶縁カバーは、二つ割り形状として既設置の碍子に側面から嵌着可能としたので、現場における施工が容易である。
5.一端が開閉自在にピンで結合されてなる中空円盤状の本絶縁カバーを、碍子笠部の周縁部に嵌着し、緊締固定する構成としたので、取り付け施工が簡単確実であると共に、懸垂碍子のように碍子キャップのない碍管・長幹碍子あるいは電力ケーブルヘッド等の端末ブッシング部にも、容易に取り付けることが出来る。
6.碍子連やブッシングの長さが長い場合には、所定の位置に本碍子絶縁カバーを複数枚取付けたり、碍子絶縁カバー径の異なるものを適宜組み合わせるなどして取付けたりすることにより、つららによる橋絡事故を効果的に防止し得る。
2 ボールソケット型懸垂碍子
3 碍子キャップ
4 ボールソケット部
5 割りピン穴
6 周縁突出部
6p 内面突起部
7 碍子笠
8 ボール部
9 連結リブ
10 連結穴
11 スカート部
12 締付けボルト装置
13 懸垂装置取り付け金具
14 プレート型Uクレビス
15、18 ホーン取り付け金具
16 懸垂碍子連
17 平行クレビス
19 懸垂クランプ
21 緊締溝
22 2つ割型の合わせ面
23 結束バンド
24 凸面
25 凹面
26、27 中空円盤状碍子絶縁カバー
28 ヒンジ部
29 ピン
30 嵌合溝
31 締付け端子
32 締付け装置
33 ブッシング部
34 ケーブル絶縁体
35 磁器製碍子
36 導体引き出し棒
37 上部金具
38 下部金具
39 碍子笠部
40 ストレスコーン
41 充填剤
42 ケーブル導体
43 つらら
θ 傾斜角
Claims (6)
- 電力線路において垂直に配設されて使用される碍子装置のキャップまたは笠部に嵌着して使用される円筒状の絶縁カバーであって、
前記絶縁カバーは、前記笠部の少なくとも1枚以上を外気より遮蔽する円筒状のスカート部を有し、
前記スカート部の周縁部における遮蔽長さが異なるように成形した、ことを特徴とする絶縁カバー。 - 請求項1記載の絶縁カバーにおいて、
前記絶縁カバーは二つ割り形状であり、
既設置の碍子装置に側面から挟持して嵌着可能とすると共に、
前記二つ割りの合わせ面相互を合わせて、前記絶縁カバーを自己融着性絶縁テープで巻回固定するか、または、結束バンド式締付け具で緊締固着する、ことを特徴とする絶縁カバー。 - 電力線路に取り付けられた碍子装置のキャップ部に嵌着可能な嵌合部を中心に有する円盤状の絶縁カバーであって、
前記絶縁カバーは、円盤状の外周の一箇所に割りを設けて、既設の懸垂式の碍子装置のキャップ部に側面から嵌着して取り付ける構成であり、
且つ、前記絶縁カバーは、前記キャップ部の嵌着部近傍を除き、前記碍子装置の笠部に接触しないように取り付けられる、ことを特徴とする絶縁カバー。 - 請求項1〜3いずれかに記載の絶縁カバーおいて、
一端にヒンジ部が設けられてピンによって開閉自在に結合されてなる中空円盤状の絶縁カバーであり、
前記絶縁カバーは前記碍子装置の周縁部に嵌着され、緊締固定される、ことを特徴とする絶縁カバー。 - 請求項1〜4いずれかに記載の絶縁カバーにおいて、
前記絶縁カバーは、硬度60度以上の有機、無機系のゴム、樹脂あるいは複合絶縁材料からなる、ことを特徴とする絶縁カバー。 - 請求項1〜5いずれかに記載の絶縁カバーの取り付け構造であって、
垂直に配設された碍子装置または碍子連の1/2〜1/5分割した任意の箇所に、少なくとも円盤直径の異なる1つ以上の前記絶縁カバーを取付けた、ことを特徴とする絶縁カバーの取り付け構造。
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