JP2007193951A - 燃料電池及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、且つ、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)を高レベルに維持することができる循環方式の燃料電池及びその運転方法を提供する。
【解決手段】例えば、スタックの平均セル電圧V1が基準セル電圧V3よりも低下したときにのみ、電極触媒被毒物質の濃縮によってスタックの発電電圧が低下したと判定し、水素ガス利用率η1及び酸素ガス利用率η2が低下して目標水素ガス利用率η1a及び目標酸素ガス利用率η2aとなるように水素ガス排出流量調整弁及び酸素ガス排出流量調整弁によって水素ガス及び酸素ガスの排出量を増加させ、発電電圧回復後には水素ガス排出流量調整弁及び酸素ガス排出流量調整弁によって燃料ガス及び酸化剤ガスの排出量を減少させることにより、水素ガス利用率η1及び酸素ガス利用率η2を初期値に復帰させる。
【選択図】図2

Description

本発明は燃料電池及びその運転方法に関し、具体的には燃料電池本体の出口側から出た未使用の燃料ガス及び酸化剤ガスを前記燃料電池本体の入口側に戻す循環方式の燃料電池に関するものである。
固体高分子型の燃料電池は、固体高分子電解質膜を一対の電極膜で挟んで構成されたセルを複数積層して燃料電池本体としてのスタックを構成し、このスタックに純水素などの燃料ガスと純酸素などの酸化剤ガスとを供給することにより、これらの供給ガスを前記スタックの各セルで電気化学的に反応させて発電するものである。
かかる固体高分子型燃料電池において、特に水中航行体用などの固体高分子型燃料電池では燃料ガスの利用率や酸化剤ガスの利用率を高めることで発電効率の高効率化を図っている。そして、この燃料ガス利用率や酸化剤ガス利用率の高めるための手段としては、スタックの出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを(即ちスタックで発電のために消費されずにスタックから排出された未使用の燃料ガスと酸化剤ガスとを)、スタックの入口側に戻して再びスタックに流通させる循環方式を採用することが一般的である。
なお、循環方式の固体高分子型燃料電池の例としては例えば図19に示すものが特許文献1に開示されている。図19の固体高分子型燃料電池では、酸素供給ライン1からスタック2に供給した酸素がスタック50で発電のために消費され、スタック50から排出された未使用の酸素は酸素循環ライン3を介して圧縮機4により、スタック50に戻して再びスタック50に流通させる構成となっている。また、このときの酸素利用率は弁5によって調整される。
特許第3607718号公報
しかしながら、固体高分子型燃料電池に循環方式を採用した場合、当該燃料電池のスタックでは運転時間の経過にともない、燃料ガスや酸化剤ガスに含まれる微量成分が徐々に濃縮されて、その濃度が増大する可能性がある。そして、この濃縮された微量成分が、前記スタックの各セルの電極に設けられている触媒を被毒することによって、前記スタックの発電性能が低下(即ち発電電圧が低下)するおそれがある。なお、このような電極に悪影響を与える微量成分(電極触媒被毒物質)としてはCOが主であり、その他にはNOなどもある。
この問題の解決策としては、燃料ガスや酸化剤ガスの排出量(循環させずに排出する量)を多くすることによって、微量成分が濃縮するのを防止することも考えられるが、この場合には燃料ガスや酸化剤ガスの利用率が低下するため、燃料電池の効率が低下してしまう。
従って本発明は上記の事情に鑑み、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、且つ、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)を高レベルに維持することができる循環方式の燃料電池及びその運転方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する第1発明の燃料電池は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
このガス利用率制御手段では、
前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて、燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて、酸化剤ガス利用率を算出し、
前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸素ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより、燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより、酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする。
また、第2発明の燃料電池は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
このガス利用率制御手段では、
前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するため判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて、燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて、酸化剤ガス利用率を算出し、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して、前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して、前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸素ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする。
また、第3発明の燃料電池は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
このガス利用率制御手段では、
前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するため判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
先に、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した燃料ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする。
また、第4発明の燃料電池は、第1,第2又は第3発明の燃料電池において、
前記ガス利用率制御手段では、前記参照発電電圧を、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータと、運転時間計測手段によって計測した前記燃料電池本体の運転時間とに基づいて決定する構成とたことを特徴とする。
また、第5発明の燃料電池は、第4発明の燃料電池において、
前記ガス利用率制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定する構成としたことを特徴とする。
また、第6発明の燃料電池は、複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
前記発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする。
また、第7発明の燃料電池は、複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする。
また、第8発明の燃料電池は、複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
先に、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする。
また、第9発明の燃料電池は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする。
また、第10発明の燃料電池は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする。
また、第11発明の燃料電池は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
先に、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする。
また、第12発明の燃料電池は、第6〜第11発明の何れかの燃料電池において、
前記ガス利用率制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定する構成としたことを特徴とする。
また、第13発明の燃料電池は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
前記燃料ガス循環ラインには前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去する第1電極触媒被毒物質除去手段を備えたこと、
又は、前記酸化剤ガス循環ラインには前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去する第2電極触媒被毒物質除去手段を備えたことを特徴とする。
また、第14発明の燃料電池は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する酸化剤ガス添加手段を備えたことを特徴とする。
また、第15発明の燃料電池は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
前記燃料ガス循環ラインの燃料ガスバイパスラインに設けた第1電極触媒被毒物質除去手段と、前記燃料ガス循環ラインと前記燃料ガスバイパスラインの切り替えを行う第1流通方向切替手段とを備え、又は、前記酸化剤ガス循環ラインの酸化剤ガスバイパスラインに設けた第2電極触媒被毒物質除去手段と、前記酸化剤ガス循環ラインと前記酸化剤ガスバイパスラインの切り替えを行う第2流通方向切替手段とを備え、
更に、発電電圧計測手段と、被毒物質除去開始制御手段とを備え、
この被毒物質除去開始制御手段では、
前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
前記第1流通方向切替手段を制御して燃料ガスの流通方向を前記燃料ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第1電極触媒被毒物質除去手段による、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させ、
又は、前記第2流通方向切替手段を制御して酸化剤ガスの流通方向を前記酸化剤ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第2電極触媒被毒物質除去手段による、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させる構成としたことを特徴とする。
また、第16発明の燃料電池は、複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
前記燃料ガス循環ラインの燃料ガスバイパスラインに設けた第1電極触媒被毒物質除去手段と、前記燃料ガス循環ラインと前記燃料ガスバイパスラインの切り替えを行う第1流通方向切替手段とを備え、又は、前記酸化剤ガス循環ラインの酸化剤ガスバイパスラインに設けた第2電極触媒被毒物質除去手段と、前記酸化剤ガス循環ラインと前記酸化剤ガスバイパスラインの切り替えを行う第2流通方向切替手段とを備え、
更に、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、被毒物質除去開始制御手段とを備え、
この被毒物質除去開始制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記第1流通方向切替手段を制御して燃料ガスの流通方向を前記燃料ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第1電極触媒被毒物質除去手段による、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させ、
又は、前記第2流通方向切替手段を制御して酸化剤ガスの流通方向を前記酸化剤ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第2電極触媒被毒物質除去手段による、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させる構成としたことを特徴とする。
また、第17発明の燃料電池は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する酸化剤ガス添加ラインを備え、
更に、前記酸化剤ガス添加ラインに設けた添加開始手段と、発電電圧計測手段と、酸化剤ガス添加開始制御手段とを備え、
この酸化剤ガス添加開始制御手段では、
前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
前記添加開始手段を制御して、前記酸化剤ガス添加ラインによる酸化剤ガスの添加を開始させる構成としたことを特徴とする。
また、第18発明の燃料電池は、複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加して、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する酸化剤ガス添加ラインを備え、
更に、前記酸化剤ガス添加ラインに設けた添加開始手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、酸化剤ガス添加開始制御手段とを備え、
この酸化剤ガス添加開始制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記添加開始手段を制御して、前記酸化剤ガス添加ラインによる酸化剤ガスの添加を開始させる構成としたことを特徴とする。
また、第19発明の燃料電池は、第15又は第17発明の燃料電池において、
前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記参照発電電圧を、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータと、運転時間計測手段によって計測した前記燃料電池本体の運転時間とに基づいて決定する構成としたことを特徴とする。
また、第20発明の燃料電池は、第19発明の燃料電池において、
前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定する構成としたことを特徴とする。
また、第21発明の燃料電池は、第16又は第18発明の燃料電池において、
前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定する構成としたことを特徴とする。
また、第22発明の燃料電池は、第1〜第12発明の何れかの燃料電池において、
前記燃料ガス循環ラインには前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去する第1電極触媒被毒物質除去手段を備えたこと、
又は、前記酸化剤ガス循環ラインには前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去する第2電極触媒被毒物質除去手段を備えたことを特徴とする。
また、第23発明の燃料電池は、第1〜第12発明の何れかの燃料電池において、
前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する第1酸化剤ガス添加手段を備えたこと、
又は、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する第2酸化剤ガス添加手段を備えたことを特徴とする。
また、第24発明の燃料電池の運転方法は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
このガス利用率制御手段では、
前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて、燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて、酸化剤ガス利用率を算出し、
前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸素ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより、燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより、酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする。
また、第25発明の燃料電池の運転方法は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
このガス利用率制御手段では、
前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するため判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて、燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて、酸化剤ガス利用率を算出し、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して、前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して、前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸素ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする。
また、第26発明の燃料電池の運転方法は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
このガス利用率制御手段では、
前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するため判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
先に、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した燃料ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする。
また、第27発明の燃料電池の運転方法は、第24,第25又は第26発明の燃料電池の運転方法において、
前記ガス利用率制御手段では、前記参照発電電圧を、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータと、運転時間計測手段によって計測した前記燃料電池本体の運転時間とに基づいて決定することを特徴とする。
また、第28発明の燃料電池の運転方法は、第27発明の燃料電池の運転方法において、前記ガス利用率制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定することを特徴とする。
また、第29発明の燃料電池の運転方法は、複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
前記発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする。
また、第30発明の燃料電池の運転方法は、複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする。
また、第31発明の燃料電池の運転方法は、複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
先に、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする。
また、第32発明の燃料電池の運転方法は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする。
また、第33発明の燃料電池の運転方法は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする。
また、第34発明の燃料電池の運転方法は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
このガス利用率制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
先に、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする。
また、第35発明の燃料電池の運転方法は、第29〜第34発明の何れかの燃料電池の運転方法において、
前記ガス利用率制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定することを特徴とする。
また、第36発明の燃料電池の運転方法は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
前記燃料ガス循環ラインに備えた第1電極触媒被毒物質除去手段によって、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去すること、
又は、前記酸化剤ガス循環ラインに備えた第2電極触媒被毒物質除去手段によって、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去することを特徴とする。
また、第37発明の燃料電池の運転方法は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
酸化剤ガス添加手段により、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減することを特徴とする。
また、第38発明の燃料電池の運転方法は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、前記燃料ガス循環ラインの燃料ガスバイパスラインに設けた第1電極触媒被毒物質除去手段と、前記燃料ガス循環ラインと前記燃料ガスバイパスラインの切り替えを行う第1流通方向切替手段とを備え、又は、前記酸化剤ガス循環ラインの酸化剤ガスバイパスラインに設けた第2電極触媒被毒物質除去手段と、前記酸化剤ガス循環ラインと前記酸化剤ガスバイパスラインの切り替えを行う第2流通方向切替手段とを備え、
更に、発電電圧計測手段と、被毒物質除去開始制御手段とを備えており、
この被毒物質除去開始制御手段では、
前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
前記第1流通方向切替手段を制御して燃料ガスの流通方向を前記燃料ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第1電極触媒被毒物質除去手段による、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させ、
又は、前記第2流通方向切替手段を制御して酸化剤ガスの流通方向を前記酸化剤ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第2電極触媒被毒物質除去手段による、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させるように運転することを特徴とする。
また、第39発明の燃料電池の運転方法は、複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、前記燃料ガス循環ラインの燃料ガスバイパスラインに設けた第1電極触媒被毒物質除去手段と、前記燃料ガス循環ラインと前記燃料ガスバイパスラインの切り替えを行う第1流通方向切替手段とを備え、又は、前記酸化剤ガス循環ラインの酸化剤ガスバイパスラインに設けた第2電極触媒被毒物質除去手段と、前記酸化剤ガス循環ラインと前記酸化剤ガスバイパスラインの切り替えを行う第2流通方向切替手段とを備え、
更に、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、被毒物質除去開始制御手段とを備えており、
この被毒物質除去開始制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記第1流通方向切替手段を制御して燃料ガスの流通方向を前記燃料ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第1電極触媒被毒物質除去手段による、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させ、
又は、前記第2流通方向切替手段を制御して酸化剤ガスの流通方向を前記酸化剤ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第2電極触媒被毒物質除去手段による、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させるように運転することを特徴とする。
また、第40発明の燃料電池の運転方法は、燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する酸化剤ガス添加ラインを備え、
更に、前記酸化剤ガス添加ラインに設けた添加開始手段と、発電電圧計測手段と、酸化剤ガス添加開始制御手段とを備えており、
この酸化剤ガス添加開始制御手段では、
前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
前記添加開始手段を制御して、前記酸化剤ガス添加ラインによる酸化剤ガスの添加を開始させるように運転することを特徴とする。
また、第41発明の燃料電池の運転方法は、複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
燃料電池には、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加して、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する酸化剤ガス添加ラインを備え、
更に、前記酸化剤ガス添加ラインに設けた添加開始手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、酸化剤ガス添加開始制御手段とを備えており、
この酸化剤ガス添加開始制御手段では、
前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
前記添加開始手段を制御して、前記酸化剤ガス添加ラインによる酸化剤ガスの添加を開始させるように運転することを特徴とする。
また、第42発明の燃料電池の運転方法は、第38又は第40発明の燃料電池の運転方法において、
前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記参照発電電圧を、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータと、運転時間計測手段によって計測した前記燃料電池本体の運転時間とに基づいて決定することを特徴とする。
また、第43発明の燃料電池の運転方法は、第42発明の燃料電池の運転方法において、前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定することを特徴とする。
また、第44発明の燃料電池の運転方法は、第39又は第41発明の燃料電池の運転方法において、
前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定する構成としたことを特徴とする。
また、第45発明の燃料電池の運転方法は、第24〜第35発明の何れかの燃料電池の運転方法において、
前記燃料ガス循環ラインに備えた第1電極触媒被毒物質除去手段によって、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去すること、
又は、前記酸化剤ガス循環ラインに備えた第2電極触媒被毒物質除去手段によって、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去することを特徴とする。
また、第46発明の燃料電池の運転方法は、第24〜第35発明の何れかの燃料電池の運転方法において、
第1酸化剤ガス添加手段により、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減すること、
又は、第2酸化剤ガス添加手段により、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減することを特徴とする。
第1発明の燃料電池又は第24発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、燃料ガス排出量調整手段及び酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス及び酸化剤ガスの排出量を増加させて燃料ガス利用率及び酸化剤ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減して燃料電池本体の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には燃料ガス排出量調整手段及び酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス及び酸化剤ガスの排出量を減少させて燃料ガス利用率及び酸化剤ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に燃料ガスや酸化剤ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。
第2発明の燃料電池又は第25発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を増加させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減して燃料電池本体の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を減少させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に燃料ガスや酸化剤ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。また、燃料ガス利用率と酸化剤ガス利用率とを比較して、何れか高い方のガス利用率の制御を優先的に行うため、ガス利用率が高くて電極触媒被毒物質が濃縮されている可能性の高い方に対し、優先的にガス利用率の制御を行うことができる。このため、燃料ガス利用率と酸化剤ガス利用率とを同時に低下させる場合に比べて、不要なガス利用率の低下を避けることができるため、ガス利用率をより高レベルに維持することができる。
第3発明の燃料電池又は第26発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を増加させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減して燃料電池本体の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を減少させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に燃料ガスや酸化剤ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。また、燃料ガス利用率の制御を優先的に行うため、一般に酸化剤ガス側に比べて電極触媒被毒物質(COなど)が濃縮されている可能性の高い燃料ガス側に対し、優先的にガス利用率の制御を行うことができる。このため、燃料ガス利用率と酸化剤ガス利用率とを同時に低下させる場合に比べて、不要なガス利用率の低下を避けることができるため、ガス利用率をより高レベルに維持することができる。
第4発明の燃料電池又は第27発明の燃料電池の運転方法によれば、参照発電電圧を、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータと、運転時間計測手段によって計測した燃料電池本体の運転時間とに基づいて決定することにより、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮した参照発電電圧に基づいてガス利用率制御を行うことができるため、より適切なガス利用率の制御を行うことができる。
第5発明の燃料電池又は第28発明の燃料電池の運転方法によれば、基準電圧を参照発電電圧に基づいて決定するため、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切に電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定することができる。
第6発明の燃料電池又は第29発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、燃料ガス排出量調整手段及び酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス及び酸化剤ガスの排出量を増加させて燃料ガス利用率及び酸化剤ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減して燃料電池本体の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には燃料ガス排出量調整手段及び酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス及び酸化剤ガスの排出量を減少させて燃料ガス利用率及び酸化剤ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に燃料ガスや酸化剤ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。そして更には、第2発電電圧計測手段で計測する上流の燃料電池本体の発電電圧を参照発電電圧として用いるため、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータなどを予め準備する必要がなく、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切なガス利用率の制御を行うことができる。また、第2発電電圧計測手段で計測する上流の燃料電池本体の発電電圧を参照発電電圧として用いる場合には、ガス組成の変化などの運転条件の変化によって下流の燃料電池本体の発電電圧に変化がある場合にも、かかる発電電圧の変化が上流の燃料電池本体の発電電圧においても生じることになるため、この運転条件の変化による発電電圧の変化を電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下であると誤判定するおそれもない。
第7発明の燃料電池又は第30発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を増加させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減して燃料電池本体の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を減少させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に燃料ガスや酸化剤ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。また、燃料ガス利用率と酸化剤ガス利用率とを比較して、何れか高い方のガス利用率の制御を優先的に行うため、ガス利用率が高くて電極触媒被毒物質が濃縮されている可能性の高い方に対し、優先的にガス利用率の制御を行うことができる。このため、燃料ガス利用率と酸化剤ガス利用率とを同時に低下させる場合に比べて、不要なガス利用率の低下を避けることができるため、ガス利用率をより高レベルに維持することができる。そして更には、第2発電電圧計測手段で計測する上流の燃料電池本体の発電電圧を参照発電電圧として用いるため、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータなどを予め準備する必要がなく、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切なガス利用率の制御を行うことができる。また、第2発電電圧計測手段で計測する上流の燃料電池本体の発電電圧を参照発電電圧として用いる場合には、ガス組成の変化などの運転条件の変化によって下流の燃料電池本体の発電電圧に変化がある場合にも、かかる発電電圧の変化が上流の燃料電池本体の発電電圧においても生じることになるため、この運転条件の変化による発電電圧の変化を電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下であると誤判定するおそれもない。
第8発明の燃料電池又は第31発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を増加させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減して燃料電池本体の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を減少させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に燃料ガスや酸化剤ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。また、燃料ガス利用率の制御を優先的に行うため、一般に酸化剤ガス側に比べて電極触媒被毒物質(COなど)が濃縮されている可能性の高い燃料ガス側に対し、優先的にガス利用率の制御を行うことができる。このため、燃料ガス利用率と酸化剤ガス利用率とを同時に低下させる場合に比べて、不要なガス利用率の低下を避けることができるため、ガス利用率をより高レベルに維持することができる。そして更には、第2発電電圧計測手段で計測する上流の燃料電池本体の発電電圧を参照発電電圧として用いるため、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータなどを予め準備する必要がなく、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切なガス利用率の制御を行うことができる。また、第2発電電圧計測手段で計測する上流の燃料電池本体の発電電圧を参照発電電圧として用いる場合には、ガス組成の変化などの運転条件の変化によって下流の燃料電池本体の発電電圧に変化がある場合にも、かかる発電電圧の変化が上流の燃料電池本体の発電電圧においても生じることになるため、この運転条件の変化による発電電圧の変化を電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下であると誤判定するおそれもない。
第9発明の燃料電池又は第32発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、燃料ガス排出量調整手段及び酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス及び酸化剤ガスの排出量を増加させて燃料ガス利用率及び酸化剤ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減して燃料電池本体の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には燃料ガス排出量調整手段及び酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス及び酸化剤ガスの排出量を減少させて燃料ガス利用率及び酸化剤ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に燃料ガスや酸化剤ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。そして更には、第2発電電圧計測手段で計測する上流の発電電圧モニタ用セルの発電電圧を参照発電電圧として用いるため、カスケード方式の燃料電池でなくても、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータなどを予め準備する必要がなく、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切なガス利用率の制御を行うことができる。また、第2発電電圧計測手段で計測する上流の発電電圧モニタ用セルの発電電圧を参照発電電圧として用いる場合には、ガス組成の変化などの運転条件の変化によって下流の燃料電池本体の発電電圧に変化がある場合にも、かかる発電電圧の変化が上流の発電電圧モニタ用セルの発電電圧においても生じることになるため、この運転条件の変化による発電電圧の変化を電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下であると誤判定するおそれもない。
第10発明の燃料電池又は第33発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を増加させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減して燃料電池本体の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を減少させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に燃料ガスや酸化剤ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。また、燃料ガス利用率と酸化剤ガス利用率とを比較して、何れか高い方のガス利用率の制御を優先的に行うため、ガス利用率が高くて電極触媒被毒物質が濃縮されている可能性の高い方に対し、優先的にガス利用率の制御を行うことができる。このため、燃料ガス利用率と酸化剤ガス利用率とを同時に低下させる場合に比べて、不要なガス利用率の低下を避けることができるため、ガス利用率をより高レベルに維持することができる。そして更には、第2発電電圧計測手段で計測する上流の発電電圧モニタ用セルの発電電圧を参照発電電圧として用いるため、カスケード方式の燃料電池でなくても、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータなどを予め準備する必要がなく、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切なガス利用率の制御を行うことができる。また、第2発電電圧計測手段で計測する上流の発電電圧モニタ用セルの発電電圧を参照発電電圧として用いる場合には、ガス組成の変化などの運転条件の変化によって下流の燃料電池本体の発電電圧に変化がある場合にも、かかる発電電圧の変化が上流の発電電圧モニタ用セルの発電電圧においても生じることになるため、この運転条件の変化による発電電圧の変化を電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下であると誤判定するおそれもない。
第11発明の燃料電池又は第34発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を増加させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減して燃料電池本体の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には燃料ガス排出量調整手段又は酸化剤ガス排出量調整手段によって燃料ガス又は酸化剤ガスの排出量を減少させて燃料ガス利用率又は酸化剤ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に燃料ガスや酸化剤ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。また、燃料ガス利用率の制御を優先的に行うため、一般に酸化剤ガス側に比べて電極触媒被毒物質(COなど)が濃縮されている可能性の高い燃料ガス側に対し、優先的にガス利用率の制御を行うことができる。このため、燃料ガス利用率と酸化剤ガス利用率とを同時に低下させる場合に比べて、不要なガス利用率の低下を避けることができるため、ガス利用率をより高レベルに維持することができる。そして更には、第2発電電圧計測手段で計測する上流の発電電圧モニタ用セルの発電電圧を参照発電電圧として用いるため、カスケード方式の燃料電池でなくても、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータなどを予め準備する必要がなく、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切なガス利用率の制御を行うことができる。また、第2発電電圧計測手段で計測する上流の発電電圧モニタ用セルの発電電圧を参照発電電圧として用いる場合には、ガス組成の変化などの運転条件の変化によって下流の燃料電池本体の発電電圧に変化がある場合にも、かかる発電電圧の変化が上流の発電電圧モニタ用セルの発電電圧においても生じることになるため、この運転条件の変化による発電電圧の変化を電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下であると誤判定するおそれもない。
第12発明の燃料電池又は第35発明の燃料電池の運転方法によれば、基準電圧を参照発電電圧に基づいて決定するため、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切に電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定することができる。
第13発明の燃料電池又は第36発明の燃料電池の運転方法によれば、燃料ガス循環ラインに備えた第1電極触媒被毒物質除去手段によって燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去する、又は、酸化剤ガス循環ラインに備えた第2電極触媒被毒物質除去手段によって酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去するため、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率が高くても、電極触媒被毒物質が濃縮されるのを防止することができ、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を防止することができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率(燃料電池の効率)を高レベルに維持することができる。
第14発明の燃料電池又は第37発明の燃料電池の運転方法によれば、酸化剤ガス添加手段により、燃料電池本体の入口側に戻して再び燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減するため、燃料ガスの利用率が高くても、電極触媒被毒物質が濃縮されるのを防止することができ、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を防止することができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、燃料ガスの利用率(燃料電池の効率)を高レベルに維持することができる。
第15発明の燃料電池又は第38発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、第1流通方向切替手段を制御して燃料ガスの流通方向を燃料ガスバイパスライン側に切り替えることにより、第1電極触媒被毒物質除去手段による、燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させ、又は、第2流通方向切替手段を制御して酸化剤ガスの流通方向を前記酸化剤ガスバイパスライン側に切り替えることにより、第2電極触媒被毒物質除去手段による、酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させるため、第1電極触媒被毒物質除去手段又は第2電極触媒被毒物質除去手段を必要なときにのみ使用して使用頻度を低減することができる。このため、例えば第1電極触媒被毒物質除去手段又は第2電極触媒被毒物質除去手段のメンテナンスの頻度を低減することなどが可能となる。
第16発明の燃料電池又は第39発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、第1流通方向切替手段を制御して燃料ガスの流通方向を燃料ガスバイパスライン側に切り替えることにより、第1電極触媒被毒物質除去手段による、燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させ、又は、第2流通方向切替手段を制御して酸化剤ガスの流通方向を前記酸化剤ガスバイパスライン側に切り替えることにより、第2電極触媒被毒物質除去手段による、酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させるため、第1電極触媒被毒物質除去手段又は第2電極触媒被毒物質除去手段を必要なときにのみ使用して使用頻度を低減することができる。このため、例えば第1電極触媒被毒物質除去手段又は第2電極触媒被毒物質除去手段のメンテナンスの頻度を低減することなどが可能となる。そして更には、第2発電電圧計測手段で計測する上流の燃料電池本体の発電電圧を参照発電電圧として用いる場合には、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切に発電電圧の低下を判定することができる。
第17発明の燃料電池又は第40発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、添加開始手段を制御して、酸化剤ガス添加ラインによる酸化剤ガスの添加を開始させるため、酸化剤ガスを効率的に利用することができるなどの効果が得られる。
第18発明の燃料電池又は第41発明の燃料電池の運転方法によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によって燃料電池本体の発電電圧が低下したときにのみ、添加開始手段を制御して、酸化剤ガス添加ラインによる酸化剤ガスの添加を開始させるため、酸化剤ガスを効率的に利用することができる。そして更には、第2発電電圧計測手段で計測する上流の燃料電池本体の発電電圧を参照発電電圧として用いる場合には、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切に発電電圧の低下を判定することができる。
第19発明の燃料電池又は第42発明の燃料電池の運転方法によれば、参照発電電圧を、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータと、運転時間計測手段によって計測した燃料電池本体の運転時間とに基づいて決定するため、この参照発電電圧を用いる場合には、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切に発電電圧の低下を判定することができる。
第20発明の燃料電池又は第43発明の燃料電池の運転方法によれば、基準電圧を参照発電電圧に基づいて決定するため、この基準電圧を用いる場合にも、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切に発電電圧の低下を判定することができる。
第21発明の燃料電池又は第44発明の燃料電池の運転方法によれば、基準電圧を参照発電電圧に基づいて決定するため、この基準電圧を用いる場合にも、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切に発電電圧の低下を判定することができる。
第22発明の燃料電池又は第45発明の燃料電池の運転方法によれば、上記第1〜第13発明、第24〜第36発明と同様の効果が得られ、しかも、第1電極触媒被毒物質除去手段又は第2電極触媒被毒物質除去手段の機能低下や故障などにより電極触媒被毒物質が濃縮して発電電圧が低下したときにガス利用率制御が行われることになるため、電極触媒被毒物質除去手段のみを設ける場合に比べて、より確実に電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、且つ、ガス利用率制御のみを行う場合に比べて、より高いレベルにガス利用率を維持することができる。
第23発明の燃料電池又は第46発明の燃料電池の運転方法によれば、上記第1〜第12発明、第14発明、第24〜第35発明、第37発明と同様の効果が得られ、しかも、酸化剤ガス添加手段の機能低下や故障などにより電極触媒被毒物質が濃縮して発電電圧が低下したときにガス利用率制御が行われることになるため、酸化剤ガス添加手段のみを設ける場合に比べて、より確実に電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、且つ、ガス利用率制御のみを行う場合に比べて、より高いレベルにガス利用率を維持することができる。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
<実施の形態例1>
図1は本発明の実施の形態例1に係る燃料電池の構成図、図2は前記燃料電池に備えたガス利用率制御装置の処理内容を示すフローチャート、図3は前記ガス利用率制御装置の他の処理内容を示すフローチャート、図4は前記ガス利用率制御装置の更に他の処理内容を示すフローチャートである。また、図5はガス利用率制御を行わない場合の発電電圧の変化などの概要を示す説明図、図6はガス利用率制御を行った場合の発電電圧の変化などの概要を示す説明図である。
図1に示す本実施の形態1の固体高分子型燃料電池は例えば水中航行体などに搭載されるものであり、燃料電池本体としての複数(図示例では2体)のスタック11,12を直列に接続したカスケード方式のものである。そして、最下流(図示例ではスタックが2体であるため、ここでは以下、単に下流という)のスタック12は、燃料ガスとしての純水素ガス(高純度の水素ガス:以下、単に水素ガスという)と、酸化剤ガスとしての純酸素ガス(高純度の酸素ガス:以下、単に酸素ガスという)とをスタック12の出口側から入口側へ戻して再びスタック12に流通するようにした循環方式のものとなっている。
スタック11,12は何れも、固体高分子電解質膜を一対の電極膜で挟んで構成されたセルを複数積層してなるものであり、これらのスタック11,12(各セル)に水素ガスと酸素ガスとをそれぞれ供給して、これらの供給ガスをスタック11,12の各セルで電気化学的に反応させることにより、発電するものである。このとき、スタック11,12の各セルでは例えば0.7Vの発電電圧が得られる。
詳述すると、図1に示すように、上流のスタック11には図示しない水素ガスボンベなどの水素ガス供給装置と酸素ガスボンベなどの酸素ガス供給装置とからそれぞれ、水素ガス供給ライン13と酸素ガス供給ライン14とを介して、水素ガスと酸素ガスとが供給される。上流のスタック11の出口側と下流のスタック12の入口側は、酸素ガス側の接続ライン15と水素ガス側の接続ライン16とによってそれぞれ接続されている。従って、上流のスタック11から流出した未使用の燃料ガスと酸素ガス(即ちスタック11で発電のために消費されなかった水素ガスと酸素ガス)が、各接続ライン15,16(即ち下流のスタック12に対しての水素ガス供給ライン及び酸素ガス供給ライン)を介して、下流のスタック12へ供給される。
下流のスタック12の出口側には、水素ガス排出ライン17と酸素ガス排出ライン18とがそれぞれ接続されている。従って、下流のスタック12から流出した未使用の燃料ガスと酸素ガス(即ちスタック12で発電のために消費されなかった水素ガスと酸素ガス)は、それぞれ水素ガス排出ライン17と酸素ガス排出ライン18とを介して排出される。
また、下流のスタック12の酸素ガスライン側には、酸素ガス排出ライン17と接続ライン15(即ちスタック12に対する酸素ガス供給ライン)とを繋ぐ酸素ガス循環ライン19が設けられ、下流のスタック12の水素ガスライン側には、水素ガス排出ライン18と接続ライン16(即ちスタック12に対する水素ガス供給ライン)とを繋ぐ水素ガス循環ライン20が設けられている。酸素ガス循環ライン19には酸素ガス循環用のブロア21が設けられ、水素ガス循環ライン20には水素ガス循環用のブロア22が設けられている。従って、下流のスタック12の出口側から流出した酸素ガスは、ブロア21により、酸素ガス循環ライン19を介して下流のスタック12の入口側に戻され、上流のスタック11から流出した酸素ガスと合流した後、再び下流のスタック12に流通される。同様に、下流のスタック12の出口側から流出した水素ガスは、ブロア22により、水素ガス循環ライン20を介して下流のスタック12の入口側に戻され、上流のスタック11から流出した燃料ガスと合流した後、再び下流のスタック12に流通される。
そして、酸素ガス排出ライン17には、酸素ガス循環ライン19との接続部よりも下流において、酸素ガスの排出量を調整するために酸化剤ガス排出量調整手段としての酸素ガス排出流量調整弁23が設けられ、水素ガス排出ライン18には、水素ガス循環ライン20との接続部よりも下流において、水素ガスの排出量を調整するために燃料ガス排出量調整手段としての水素ガス排出流量調整弁24が設けられている。従って、酸素ガス排出流量調整弁23の開度を調整によって酸素ガスの排出量(即ち循環量)を調整することにより、酸素ガスの利用率を調整することができ、水素ガス排出流量調整弁24の開度を調整によって水素ガスの排出量(即ち循環量)を調整することにより、水素ガスの利用率を調整することができる。
また、本燃料電池では、発電電圧計測手段としての発電電圧計25と、燃料ガス供給量計測手段としての水素ガス供給流量計27と、酸化剤ガス供給量計測手段としての酸素ガス供給流量計26と、燃料ガス排出量計測手段としての水素ガス排出流量計29と、酸化剤ガス排出量計測手段としての酸素ガス排出流量計28と、ガス利用率制御手段としてのガス利用率制御装置30も備えている。
発電電圧計25は、下流のスタック12の各セルの発電電圧(セル電圧)を計測し、この計測信号をガス利用率制御装置30へ送出する。酸素ガス供給流量計26は、接続ライン15と酸素ガス循環ライン19との接続部よりも上流において、下流のスタック12への酸化剤ガスの供給量を計測し、この計測信号をガス利用率制御装置30へ送出する。水素ガス供給流量計27は、接続ライン16と水素ガス循環ライン20との接続部よりも上流において、下流のスタック12への水素ガスの供給量を計測し、この計測信号をガス利用率制御装置30へ送出する。酸素ガス排出流量計28は、酸素ガス排出ライン17と酸素ガス循環ライン19との接続部よりも下流において、酸素ガスの排出量を計測し、この計測信号をガス利用率制御装置30へ送出する。水素ガス排出流量計29は、水素ガス排出ライン18と水素ガス循環ライン20との接続部よりも下流において、水素ガスの排出量を計測し、この計測信号をガス利用率制御装置30へ送出する。
そして、ガス利用率制御装置30では、発電電圧計25から入力するスタック12の各セルの発電電圧(セル電圧)と、酸素ガス供給流量計26から入力する酸化剤ガス供給量と、水素ガス供給流量計27から入力する水素ガス供給量と、酸素ガス排出流量計28から入力する酸素ガス排出量と、水素ガス排出流量計29から入力する水素ガス排出量とに基づき、水素ガス排出流量調整弁29と酸素ガス排出流量調整弁28の開度制御とを行うことにより、水素ガス利用率と酸素ガス利用率の制御を行う。即ち、ガス利用率制御装置30では、図2、図3又は図4のフローチャートに示すような処理を行う。
図2のフローチャートには水素ガス利用率と酸素ガス利用率の制御を同時に行う場合の処理手順を示しており、図3のフローチャートには水素ガス利用率の制御と酸素ガス利用率の制御の優先順位を判定する場合の処理手順を示しており、図4のフローチャートには水素ガス利用率の制御を酸素ガス利用率の制御よりも優先する場合の処理手順を示している。
まず、図2のフローチャートについて説明する。ステップS1では平均セル電圧V1の測定と、参照発電電圧としての参照セル電圧V2及び基準電圧としての基準セル電圧V3の決定とを行う。即ち、発電電圧計25から下流のスタック12の各セルの発電電圧(セル電圧)を入力し、これらのセル電圧の平均値を算出することにより、平均セル電圧V1を求める。
また、基準セル電圧差ΔV1を決定する。基準セル電圧差ΔV1は、予め一定値に設定しておくことも考えられるが、通常の発電電圧(セル電圧)の低下を考慮して決定することが望ましい。つまり、下流のスタック12では電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合にも、通常、その他の要因によって運転時間の経過とともに発電電圧(セル電圧)が徐々に低下していくのが一般的である。例えば、電極触媒被毒物質の濃縮以外の要因による電極触媒の劣化などによって発電電圧が低下する場合などがある。このような電極触媒被毒物質の濃縮以外の要因によって発電電圧(セル電圧)が徐々に低下していくことは、上流のスタック11においても同様である。そして、下流のスタック12では、循環方式が採用されているため、水素ガスや酸素ガスに微量に含まれている電極触媒被毒物質が濃縮されてその濃度が増大する可能性があり、電極触媒被毒物質の濃度が増大すると発電電圧(セル電圧)が、前述のような通常の低下よりも更に大きく低下することになる。
そこで、予め実験などによって電極触媒被毒物質の濃縮による影響(発電電圧の低下)がない場合のスタックの運転時間と発電電圧(セル電圧)の関係を表すデータを求めておく。そして、ガス利用率制御装置30では、このスタックの運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合のスタックの発電電圧との関係を表すデータに基づいて、スタック12の運転時間に応じた発電電圧(セル電圧)を参照セル電圧V2として決定する。即ち、この参照セル電圧V2は、電極触媒被毒物質による影響(発電電圧の低下)がない場合のスタック12の発電電圧(セル電圧)である。なお、スタック12の運転時間は、運転時間計測手段によって計測する。運転時間計測手段としてはスタック12の運転時間を計測することができるものあればどのようなものでもよいが、例えば発電電圧計25によってスタック12の発電電圧が計測されるときの時間(即ちスタック12が発電しているときの時間)をガス利用率制御装置30で計ることや、燃料電池の起動停止スイッチをON(起動)にしてからOFF(停止)にするまでの時間をガス利用率制御装置30で計ることなどでもよい。
そして、ステップS1では、前記データから求めた参照セル電圧V2に基づいて、基準セル電圧V3を決定する。この基準セル電圧V3は電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧(セル電圧)の低下を判定するためのものであり、勿論、参照セル電圧V2よりも低い電圧とする。例えば、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧(セル電圧)の低下を考慮して予め設定した一定の電圧を、参照セル電圧V2から差し引くことや、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧(セル電圧)の低下を考慮して予め設定した一定の比率(1未満の比率)を、参照セル電圧V2に乗じることなどによって、基準セル電圧V3を決定(算出)する。
続いて、ステップS2では平均セル電圧V1と基準セル電圧V3とを比較し、その結果、平均セル電圧V1が基準セル電圧V3よりも低下したと判定した場合には次のステップS3へ進み、それ以外の場合にはステップS1に戻る。
ステップS3では、水素ガス供給量H1及び酸素ガス供給量O1の測定と、水素ガス排出量H2及び酸素ガス排出量O2の測定とを行う。即ち、水素ガス供給流量計27と酸素ガス供給流量計26とから、それぞれが計測した水素ガス供給量H1と酸素ガス供給量O1とを入力し、水素ガス排出流量計29と酸素ガス排出流量計28から、それぞれが計測した水素ガス排出量H2と酸素ガス排出量O2とを入力する。なお、水素ガス排出量H2と酸素ガス排出量O2は、水素ガス排出流量調整弁29や酸素ガス排出流量調整弁28の弁開度と流量の関係を表すデータを予め求めておき、このデータと前記弁開度の計測値とから求めるようにしてもよい。同様に、接続ライン15,16に水素ガス供給流量調整弁や酸素ガス供給流量調整弁が設置されているような場合には、この水素ガス供給流量調整弁や酸素ガス供給流量調整弁の弁開度と流量の関係を表すデータを予め求めておき、このデータと前記弁開度の計測値とから求めるようにしてもよい。
ステップS4では、水素ガス供給量H1と水素ガス排出量H2とに基づいて水素ガス利用率1(H2/H1)を算出し、且つ、酸素ガス供給量O1と酸素ガス排出量O2とに基づいて酸素ガス利用率2(O2/O1)を算出する。
ステップS5では、目標水素ガス利用率1aと目標酸素ガス利用率η2aとを決定する。目標水素ガス利用率η1a及び目標酸素ガス利用率η2aは、平均セル電圧V1と参照セル電圧V2との電圧差を算出し、この電圧差に基づいて決定する。即ち、予め実験などによって平均セル電圧V1と参照セル電圧V2との電圧差と、目標水素ガス利用率η1aとの関係を表すデータを求めておき、このデータと前記電圧差とから目標水素ガス利用率η1aを決定する。この目標水素ガス利用率η1aはスタック12の発電電圧を回復させるために水素ガスの排出量を増加(即ち水素ガス利用率を低下)させる際の目標値であり、前記電圧差が大きいほど、より多くの水素ガスを排出する必要があるため、より小さな値となる。同様に、予め実験などによって平均セル電圧V1と参照セル電圧V2との電圧差と、目標酸素ガス利用率η2aとの関係を表すデータを求めておき、このデータと前記電圧差とから目標酸素ガス利用率η2aを決定する。この目標酸素ガス利用率η2aはスタック12の発電電圧を回復させるために酸素ガスの排出量を増加(即ち酸素ガス利用率を低下)させる際の目標値であり、前記電圧差が大きいほど、より多くの酸素ガスを排出する必要があるため、より小さな値となる。
そして、ステップS6では、水素ガス供給流量計27及び水素ガス排出流量計29の計測値に基づき、水素ガス利用率が低下して目標水素ガス利用率η1aとなるように水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を増加させ、且つ、酸素ガス供給流量計26及び酸素ガス排出流量計28の計測値に基づき、酸素ガス利用率が低下して目標酸素ガス利用率η2aとなるように酸素ガス排出流量調整弁28を制御して酸素ガスの排出量を増加させる。即ち、水素ガス排出量を増加(即ち水素ガスの循環量を減少させて水素ガス利用率を低下)させることにより、スタック12の水素極側に濃縮(蓄積)されている電極触媒被毒物質を排出し、且つ、酸素ガス排出量を増加(即ち酸素ガスの循環量を減少させて酸素ガス利用率を低下)させることにより、スタック12の酸素極側に濃縮(蓄積)されている電極触媒被毒物質を排出する。このことにより、電極触媒被毒物質の濃縮によって低下していたスタック12の発電電圧(セル電圧)の回復を図る。
その後、ステップS7では平均セル電圧V1を測定し、ステップS8ではこの平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したか否かを判定する。この場合、例えば、参照セル電圧V2と平均セル電圧V1との電圧差が所定電圧(例えば0.01〜0.1V:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は0.01Vとしておき、運転時間が経つにつれ0.1Vへと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したとき、或いは、参照セル電圧V2と平均セル電圧V1との電圧差が参照セル電圧V2に対して所定の比率(例えば1.5〜15.0%:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は1.5%としておき、運転時間が経つにつれ15.0%へと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したときに、平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したと判定することができる。
ステップS8で平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したと判定した場合には、ステップS9で水素ガス利用率及び酸素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS1へ戻る。即ち、ステップS9では、水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を減少させることにより水素ガス利用率を、ステップS4で算出した初期の水素ガス利用率に復帰させ、且つ、酸素ガス排出流量調整弁28を制御して酸素ガスの排出量を減少させることにより酸素ガス利用率を、ステップS4で算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる。
一方、ステップS8で平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復していないと判定した場合には、ステップS10で処理回数(ガス利用率制御を行った回数)を算出し、ステップS11で前記処理回数が3回に達したと判定されるまでステップS4〜ステップS8の処理を繰り返す。ステップS10では例えばN=0を初期値とし、ステップS8の判定結果がNoとなるたびにN=N+1の演算を繰り返す(なお、ステップS8の判定結果がYesのときにはN=0にリセットする)ことによって、処理回数を算出する。なお、この処理回数の判定は3回に限定するものではなく、1回又は4回以上であってもよい。
ステップS11で処理回数が所定回数(図示例では3回)になったと判定したときには、ステップS12で水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を減少させることにより水素ガス利用率を、ステップS4で算出した初期の水素ガス利用率に復帰させ、且つ、酸素ガス排出流量調整弁28を制御して酸素ガスの排出量を減少させることにより酸素ガス利用率を、ステップS4で算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させた後、ステップS13で不純物(電極触媒被毒物質)以外の発電電圧低下要因の調査を作業員に指示する(例えばブザーやランプなどによってアラームを発する)。
次に、図3のフローチャートについて説明する。図3のステップS21〜ステップS24までの処理内容につては、図2のステップS1〜ステップS4までの処理内容と同じであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
ステップS25では水素ガス利用率η1と酸素ガス利用率η2とを比較する。ステップS25において水素ガス利用率η1が酸素ガス利用率η2以上であると判定した場合には、次にステップS26を実施する。即ち、このときには水素ガス利用率の制御を優先する。一方、ステップS25において酸素ガス利用率η2が水素ガス利用率η1よりも大きいと判定した場合には、次にステップS32を実施する。即ち、このときには酸素ガス利用率の制御を優先する。水素ガス利用率η1と酸素ガス利用率η2の何れか大きいほうの制御を優先するのは、ガス利用率の大きいほうが、電極触媒被毒物質の濃縮度が高くなっていて電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下に大きく影響している可能性があると考えられるからである。また、水素ガス利用率η1と酸素ガス利用率η2とが等しい場合に水素ガス利用率η1を優先するのは、水素極側のほうが酸素極側に比べて電極触媒被毒物質が濃縮し易いと考えられるためである。つまり、電極触媒被毒物質としてはCOが主なものであるため、酸素極側ではCOが酸素ガスにより燃焼してCO2に変化し易いのに対し、水素極側ではこのようなことがないために比較的多くのCOが水素ガス中に含まれていて濃縮し易いと考えられるためである。
ステップS26では、目標水素ガス利用率1aを決定する。目標水素ガス利用率η1aは、平均セル電圧V1と参照セル電圧V2との電圧差を算出し、この電圧差に基づいて決定する。即ち、予め実験などによって平均セル電圧V1と参照セル電圧V2との電圧差と、目標水素ガス利用率η1aとの関係を表すデータを求めておき、このデータと前記電圧差とから目標水素ガス利用率η1aを決定する。この目標水素ガス利用率η1aはスタック12の発電電圧を回復させるために水素ガスの排出量を増加(即ち水素ガス利用率を低下)させる際の目標値であり、前記電圧差が大きいほど、より多くの水素ガスを排出する必要があるため、より小さな値となる。
そして、ステップS27では、水素ガス供給流量計27及び水素ガス排出流量計29の計測値に基づき、水素ガス利用率が低下して目標水素ガス利用率η1aとなるように水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を増加させる。即ち、水素ガス排出量を増加(即ち水素ガスの循環量を減少させて水素ガス利用率を低下)させることにより、スタック12の水素極側に濃縮(蓄積)されている電極触媒被毒物質を排出する。このことにより、電極触媒被毒物質の濃縮によって低下していたスタック12の発電電圧(セル電圧)の回復を図る。
その後、ステップS28では平均セル電圧V1を測定し、ステップS29ではこの平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したか否かを判定する。この場合、例えば、参照セル電圧V2と平均セル電圧V1との電圧差が所定電圧(例えば0.01〜0.1V:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は0.01Vとしておき、運転時間が経つにつれ0.1Vへと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したとき、或いは参照セル電圧V2と平均セル電圧V1との電圧差が参照セル電圧V2に対して所定の比率(例えば1.5〜15.0%:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は1.5%としておき、運転時間が経つにつれ15.0%へと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したときに平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したと判定することができる。
ステップS29で平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したと判定した場合には、ステップS30で水素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS21へ戻る。即ち、ステップS30では、水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を減少させることにより水素ガス利用率を、ステップS23で算出した初期の水素ガス利用率に復帰させる。
一方、ステップS29で平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復していないと判定した場合には、ステップS31においてステップS30と同様に水素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS32を実施する。
ステップS32では、目標酸素ガス利用率η2aを決定する。目標酸素ガス利用率η2aは、平均セル電圧V1と参照セル電圧V2との電圧差を算出し、この電圧差に基づいて決定する。即ち、予め実験などによって平均セル電圧V1と参照セル電圧V2との電圧差と、目標酸素ガス利用率η2aとの関係を表すデータを求めておき、このデータと前記電圧差とから目標酸素ガス利用率η2aを決定する。この目標酸素ガス利用率η2aはスタック12の発電電圧を回復させるために酸素ガスの排出量を増加(即ち酸素ガス利用率を低下)させる際の目標値であり、前記電圧差が大きいほど、より多くの酸素ガスを排出する必要があるため、より小さな値となる。
そして、ステップS33では、酸素ガス供給流量計26及び酸素ガス排出流量計28の計測値に基づき、酸素ガス利用率が低下して目標酸素ガス利用率η2aとなるように酸素ガス排出流量調整弁28を制御して酸素ガスの排出量を増加させる。即ち、酸素ガス排出量を増加(即ち酸素ガスの循環量を減少させて酸素ガス利用率を低下)させることにより、スタック12の酸素極側に濃縮(蓄積)されている電極触媒被毒物質を排出する。このことにより、電極触媒被毒物質の濃縮によって低下していたスタック12の発電電圧(セル電圧)の回復を図る。
その後、ステップS34では平均セル電圧V1を測定し、ステップS35ではこの平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したか否かを判定する。この場合にも、例えば、参照セル電圧V2と平均セル電圧V1との電圧差が所定電圧(例えば0.01〜0.1V:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は0.01Vとしておき、運転時間が経つにつれ0.1Vへと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したとき、或いは参照セル電圧V2と平均セル電圧V1との電圧差が参照セル電圧V2に対して所定の比率(例えば1.5〜15.0%:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は1.5%としておき、運転時間が経つにつれ15.0%へと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したときに平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したと判定することができる。
ステップS35で平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したと判定した場合には、ステップS36で酸素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS21へ戻る。即ち、ステップS36では、酸素ガス排出流量調整弁28を制御して酸素ガスの排出量を減少させることにより酸素ガス利用率を、ステップS24で算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる。
一方、ステップS35で平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復していないと判定した場合には、ステップS37においてステップS36と同様に酸素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS38を実施する。
ステップS38では、目標水素ガス利用率1aを決定する。目標水素ガス利用率η1aは、平均セル電圧V1と参照セル電圧V2との電圧差を算出し、この電圧差に基づいて決定する。即ち、予め実験などによって平均セル電圧V1と参照セル電圧V2との電圧差と、目標水素ガス利用率η1aとの関係を表すデータを求めておき、このデータと前記電圧差とから目標水素ガス利用率η1aを決定する。前述のとおり、この目標水素ガス利用率η1aはスタック12の発電電圧を回復させるために水素ガスの排出量を増加(即ち水素ガス利用率を低下)させる際の目標値であり、前記電圧差が大きいほど、より多くの水素ガスを排出する必要があるため、より小さな値となる。
そして、ステップS39では、水素ガス供給流量計27及び水素ガス排出流量計29の計測値に基づき、水素ガス利用率が低下して目標水素ガス利用率η1aとなるように水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を増加させる。即ち、水素ガス排出量を増加(即ち水素ガスの循環量を減少させて水素ガス利用率を低下)させることにより、スタック12の水素極側に濃縮(蓄積)されている電極触媒被毒物質を排出する。このことにより、電極触媒被毒物質の濃縮によって低下していたスタック12の発電電圧(セル電圧)の回復を図る。
その後、ステップS40では平均セル電圧V1を測定し、ステップS41ではこの平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したか否かを判定する。この場合にも、例えば、参照セル電圧V2と平均セル電圧V1との電圧差が所定電圧(例えば0.01〜0.1V:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は0.01Vとしておき、運転時間が経つにつれ0.1Vへと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したとき、或いは参照セル電圧V2と平均セル電圧V1との電圧差が参照セル電圧V2に対して所定の比率(例えば1.5〜15.0%:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は1.5%としておき、運転時間が経つにつれ15.0%へと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したときに平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したと判定することができる。
ステップS41で平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したと判定した場合には、ステップS42で水素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS21へ戻る。即ち、ステップS42では、水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を減少させることにより水素ガス利用率を、ステップS23で算出した初期の水素ガス利用率に復帰させる。
一方、ステップS41で平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復していないと判定した場合には、ステップS43においてステップS42と同様に水素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS44で不純物(電極触媒被毒物質)以外の発電電圧低下要因の調査を作業員に指示する(例えばブザーやランプなどのアラームを発する)。
次に、図4のフローチャートについて説明する。図4では図3のステップS25に相当する優先順位の判定処理がなく、水素ガス利用率の制御、酸素ガス利用率の制御の順に処理する。ここで水素ガス利用率の制御を優先するのは、前述のように酸素極側ではCOが酸素ガスにより燃焼してCO2に変化し易いのに対し、水素極側ではこのようなことがないために比較的多くのCOが水素ガス中に含まれていて濃縮し易いと考えられるためである。図4の他の処理内容については図3の処理内容と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。図4のステップS51〜ステップS54は図3のステップS21〜ステップS24と同様であり、図4のステップS55〜ステップS73は図3のステップS26〜ステップS44と同様である
以上のように、本実施の形態例1の燃料電池によれば、ガス利用率制御装置30において図2のフローチャートに示す処理を行う場合には、電極触媒被毒物質の濃縮によってスタック12の発電電圧が低下したときにのみ、水素ガス排出流量調整弁24及び酸素ガス排出流量調整弁23によって水素ガス及び酸素ガスの排出量を増加させて水素ガス利用率及び酸素ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減してスタック12の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には水素ガス排出流量調整弁24及び酸素ガス排出流量調整弁23によって燃料ガス及び酸化剤ガスの排出量を減少させて水素ガス利用率及び酸素ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に水素ガスや酸素ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、水素ガスや酸素ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。更には、電極触媒被毒物質の濃度を計測する濃度計を設けて、この濃度計の計測値が基準値を超えたときにガス利用率制御を開始することも考えられるが、そのためには水素ガスや酸素ガスの一部をサンプリングするための設備を要し、また、濃度計には計測結果が得られるまでの時間遅れが大きいという問題もある。これに対して上記のような発電電圧測定による方法の場合には、サンプリング設備の追加を要せず、時間遅れも非常に小さいため、ガス利用率の制御に好適である。
なお、ここで図5及び図6に基づいてガス利用率制御を行わない場合と行う場合の平均セル電圧V1などの変化の相違を説明すると、図5に示すようにガス利用率制御を行わない場合には、水素ガス排出量H2及び酸素ガス排出量O2が一定で水素ガス利用率η1及び酸素ガス利用率η2が一定であるため、水素ガス排出量H2及び酸素ガス排出量O2が非常に少ない(水素ガス利用率η1及び酸素ガス利用率η2が非常高い)ときには電極触媒被毒物質が充分に排出されずにその濃度が徐々に増加し、その結果、スタック12の電極触媒の被毒により、スタック12の発電電圧(平均セル電圧V1)が徐々に低下してしまうおそれがある。
これに対し、図6に示すようにガス利用率制御装置30でガス利用率制御を行った場合には、電極触媒被毒物質の濃縮によってスタック12の発電電圧(平均セル電圧V1)が低下しても、この平均セル電圧V1が基準セル電圧V3よりも低下した時点でガス利用率制御が開始されて、水素ガス利用率η1及び酸素ガス利用率η2を目標水素ガス利用率η1a及び目標酸素ガス利用率η2aまで低下させるように水素ガス排出量H2及び酸素ガス排出量O2が増加されるため、電極触媒被毒物質が排出される。その結果、平均セル電圧V1が徐々に回復する。そして、平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復すると、水素ガス排出量H2及び酸素ガス排出量O2を減少させて水素ガス利用率η1及び酸素ガス利用率η2を初期値に復帰させる。以後、このようなことが繰り返されて、平均セル電圧V1が低下し過ぎるのを防止することができる。なお、図6では平均セル電圧V1及び基準セル電圧V3を一定値として図示しているが、先にも述べたように通常は電極触媒被毒物質の濃縮以外の要因で参照セル電圧V2は徐々に低下し、且つ、この参照セル電圧V2に基づいて設定される基準セル電圧V3も徐々に低下することになるため、これに応じて平均セル電圧V1も、参照セル電圧V2と基準セル電圧V3との間で低下と回復とを繰り返しながら、全体的には徐々に低下していくことになる。
また、本実施の形態例1の燃料電池によれば、ガス利用率制御装置30において図3又は図4のフローチャートに示す処理を行う場合には、電極触媒被毒物質の濃縮によってスタック12の発電電圧が低下したときにのみ、水素ガス排出流量調整弁24又は酸素ガス排出流量調整弁23によって水素ガス又は酸素ガスの排出量を増加させて水素ガス利用率又は酸素ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減してスタック12の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には水素ガス排出流量調整弁24又は酸素ガス排出流量調整弁23によって水素ガス又は酸素ガスの排出量を減少させて水素ガス利用率又は酸素ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に水素ガスや酸素ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、水素ガスや酸素ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。
そして更には、図3のフローチャートに示す処理を行う場合には、水素ガス利用率と酸素ガス利用率とを比較して、何れか高い方のガス利用率の制御を優先的に行うことから、ガス利用率が高くて電極触媒被毒物質が濃縮されている可能性の高い方に対し、優先的にガス利用率の制御を行うことができるため、燃料ガス利用率と酸化剤ガス利用率とを同時に低下させる場合に比べて、不要なガス利用率の低下を避けることができるため、ガス利用率をより高レベルに維持することができる。また、図4のフローチャートに示す処理を行う場合にも、水素ガス利用率の制御を優先的に行うことから、一般に酸素ガス側に比べて電極触媒被毒物質(COなど)が濃縮されている可能性の高い水素ガス側に対し、優先的にガス利用率の制御を行うことができるため、水素ガス利用率と酸素ガス利用率とを同時に低下させる場合に比べて、不要なガス利用率の低下を避けることができるため、ガス利用率をより高レベルに維持することができる。
また、参照セル電圧V2を、スタックの運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合のスタックの発電電圧との関係を表すデータと、運転時間計測手段によって計測したスタック12の運転時間とに基づいて決定することにより、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮した参照セル電圧V2に基づいてガス利用率制御を行うことができるため、より適切なガス利用率の制御を行うことができる。
また、基準セル電圧V3を参照セル電圧V2に基づいて決定するため、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常のスタック12の発電電圧の低下を考慮して、より適切に電極触媒被毒物質の濃縮によるスタック12の発電電圧の低下を判定することができる。
なお、上記のような基準セル電圧V3に基づいてスタック12の発電電圧(セル電圧)の低下を判定するという手法の場合には、カスケード方式の燃料電池に限らず、1体のスタックのみを有する燃料電池にも適用することもできる。
また、スタック12の各セル電圧には或る程度のバラツキが有る可能性もあることなどを考慮すると、上記のように平均セル電圧V1を用いて発電電圧低下の判定処理などを行うことが望ましいが、必ずしもこれに限定するものではなく、スタック12の何れかのセル電圧を用いて発電電圧低下の判定処理などを行うようにしてもよい。
<実施の形態例2>
図7は本発明の実施の形態例2に係る燃料電池の構成図、図8は前記燃料電池に備えたガス利用率制御装置の処理内容を示すフローチャート、図9は前記ガス利用率制御装置の他の処理内容を示すフローチャート、図10は前記ガス利用率制御装置の更に他の処理内容を示すフローチャートである。また、図11は平均セル電圧と参照平均セル電圧との電圧差を示す説明図である。なお、図7において図1と同様の部分には同一の符号を付しており、重複する詳細な説明は省略する。
図7に示すように、本実施の形態例2の固体高分子型燃料電池では、第1発電電圧計測手段として発電電圧計25を備え、更に第2発電電圧計測手段として発電電圧計31を備えている。発電電圧計25は前述のとおり、下流のスタック25の各セルの発電電圧(セル電圧)を計測し、この計測信号をガス利用率制御装置30へ送出する。一方、発電電圧計31は上流のスタック12の各セルの発電電圧(セル電圧)を計測し、この計測信号をガス利用率制御装置30へ送出する。
そして、ガス利用率制御装置30では、発電電圧計25から入力するスタック12の各セルの発電電圧(セル電圧)と、発電電圧計31から入力するスタック11の各セルの発電電圧(セル電圧)と、酸素ガス供給流量計26から入力する酸化剤ガス供給量と、水素ガス供給流量計27から入力する水素ガス供給量と、酸素ガス排出流量計28から入力する酸素ガス排出量と、水素ガス排出流量計29から入力する水素ガス排出量とに基づき、水素ガス排出流量調整弁29と酸素ガス排出流量調整弁28の開度制御とを行うことにより、水素ガス利用率と酸素ガス利用率の制御を行う。即ち、ガス利用率制御装置30では図8、図9又は図10のフローチャートに示すような処理を行う。
図8のフローチャートには水素ガス利用率と酸素ガス利用率の制御を同時に行う場合の処理手順を示しており、図9のフローチャートには水素ガス利用率の制御と酸素ガス利用率の制御の優先順位を判定する場合の処理手順を示しており、図10のフローチャートには水素ガス利用率の制御を酸素ガス利用率の制御よりも優先する場合の処理手順を示している。
まず、図8のフローチャートについて説明する。ステップS81では平均セル電圧V1の測定と、参照発電電圧としての参照平均セル電圧V4の測定と、基準電圧差としての基準セル電圧差ΔV1の決定とを行う。即ち、発電電圧計25から下流のスタック12の各セルの発電電圧(セル電圧)を入力して、これらのセル電圧の平均値を算出することにより、平均セル電圧V1を求める。同様に、発電電圧計31から上流のスタック11の各セルの発電電圧(セル電圧)を入力して、これらのセル電圧の平均値を算出することにより、参照平均セル電圧V4を求める。
先にも述べたとおり、上流のスタック11は循環方式ではないため、電極触媒被毒物質の濃縮による影響はないが、通常、その他の要因によって運転時間の経過とともに発電電圧(セル電圧)が徐々に低下していくのが一般的である。このような電極触媒被毒物質の濃縮以外の要因によって運転時間の経過とともに発電電圧(セル電圧)が徐々に低下していくことは下流のスタック11においても同様である。従って、下流のスタック12において、その循環方式に起因する電極触媒被毒物質の濃縮の影響(発電電圧の低下)がないとすれば、上流のスタック11の参照平均セル電圧V4と、下流のスタック12の平均セル電圧V1には差がない(或いは僅かな差しかない)。しかし、下流のスタック12に電極触媒被毒物質の濃縮の影響があると、下流のスタック12では発電電圧(セル電圧)が通常の低下よりも更に大きく低下することになるため、図11に示すように、この下流のスタック12の平均セル電圧V1と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響(発電電圧の低下)がない上流のスタック11の参照平均セル電圧V4との間には、大きな平均セル電圧差ΔV2が生じるようになる。
そこで、電極触媒被毒物質の濃縮による影響(発電電圧の低下)によって平均セル電圧差ΔV2が大きくなったか否かを判定するための基準電圧差として、基準セル電圧差ΔV1を設定する。この基準セル電圧差ΔV1は適宜の値に設定することができるが、例えば電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合にも多少の平均セル電圧差ΔV2が生じる可能性もあることを考慮して、誤動作を生じない値とすることもできる。この場合、例えば実験などによって電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の平均セル電圧差ΔV2を確認し、このときの平均セル電圧差ΔV2よりも一定電圧だけ大きな値を基準セル電圧差ΔV1として予め設定しておくこともできる。
続いて、ステップS82では、参照平均セル電圧V4から平均セル電圧V1を差し引くことによって(V4−V1)、平均セル電圧差ΔV2を算出する。
そして、ステップS83では平均セル電圧差ΔV2と基準セル電圧差ΔV1とを比較し、その結果、平均セル電圧差ΔV2が基準セル電圧差ΔV1よりも大きくなったと判定した場合には次のステップS84へ進み、それ以外の場合にはステップS81に戻る。
ステップS84では、水素ガス供給量H1及び酸素ガス供給量O1の測定と、水素ガス排出量H2及び酸素ガス排出量O2の測定とを行う。即ち、水素ガス供給流量計27と酸素ガス供給流量計26とから、それぞれが計測した水素ガス供給量H1と酸素ガス供給量O1とを入力し、水素ガス排出流量計29と酸素ガス排出流量計28から、それぞれが計測した水素ガス排出量H2と酸素ガス排出量O2とを入力する。なお、水素ガス排出量H2と酸素ガス排出量O2は、水素ガス排出流量調整弁29や酸素ガス排出流量調整弁28の弁開度と流量の関係を表すデータを予め求めておき、このデータと前記弁開度の計測値とから求めるようにしてもよい。同様に、接続ライン15,16に水素ガス供給流量調整弁や酸素ガス供給流量調整弁が設置されているような場合には、この水素ガス供給流量調整弁や酸素ガス供給流量調整弁の弁開度と流量の関係を表すデータを予め求めておき、このデータと前記弁開度の計測値とから求めるようにしてもよい。
ステップS85では、水素ガス供給量H1と水素ガス排出量H2とに基づいて水素ガス利用率1(H2/H1)を算出し、且つ、酸素ガス供給量O1と酸素ガス排出量O2とに基づいて酸素ガス利用率2(O2/O1)を算出する。
ステップS86では、目標水素ガス利用率1aと目標酸素ガス利用率η2aとを決定する。目標水素ガス利用率η1a及び目標酸素ガス利用率η2aは、平均セル電圧V1と参照平均セル電圧V4とのとの電圧差(平均セル電圧差ΔV2)を算出し、この電圧差に基づいて決定する。即ち、予め実験などによって平均セル電圧V1と参照平均セル電圧V4との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)と、目標水素ガス利用率η1aとの関係を表すデータを求めておき、このデータと前記電圧差(平均セル電圧差ΔV2)とから目標水素ガス利用率η1aを決定する。この目標水素ガス利用率η1aはスタック12の発電電圧を回復させるために水素ガスの排出量を増加(即ち水素ガス利用率を低下)させる際の目標値であり、前記電圧差が大きいほど、より多くの水素ガスを排出する必要があるため、より小さな値となる。同様に、予め実験などによって平均セル電圧V1と参照平均セル電圧V4との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)と、目標酸素ガス利用率η2aとの関係を表すデータを求めておき、このデータと前記電圧差(平均セル電圧差ΔV2)とから目標酸素ガス利用率η2aを決定する。この目標酸素ガス利用率η2aはスタック12の発電電圧を回復させるために酸素ガスの排出量を増加(即ち酸素ガス利用率を低下)させる際の目標値であり、前記電圧差が大きいほど、より多くの酸素ガスを排出する必要があるため、より小さな値となる。
そして、ステップS87では、水素ガス供給流量計27及び水素ガス排出流量計29の
計測値に基づき、水素ガス利用率が低下して目標水素ガス利用率η1aとなるように水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を増加させ、且つ、酸素ガス供給流量計26及び酸素ガス排出流量計28の計測値に基づき、酸素ガス利用率が低下して目標酸素ガス利用率η2aとなるように酸素ガス排出流量調整弁28を制御して酸素ガスの排出量を増加させる。即ち、水素ガス排出量を増加(即ち水素ガスの循環量を減少させて水素ガス利用率を低下)させることにより、スタック12の水素極側に濃縮(蓄積)されている電極触媒被毒物質を排出し、且つ、酸素ガス排出量を増加(即ち酸素ガスの循環量を減少させて酸素ガス利用率を低下)させることにより、スタック12の酸素極側に濃縮(蓄積)されている電極触媒被毒物質を排出する。このことにより、電極触媒被毒物質の濃縮によって低下していたスタック12の発電電圧(セル電圧)の回復を図る。
その後、ステップS88では平均セル電圧V1を測定し、ステップS89ではこの平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したか否かを判定する。この場合、例えば、参照平均セル電圧V4と平均セル電圧V1との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)が所定電圧(例えば例えば0.01〜0.1V:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は0.01Vとしておき、運転時間が経つにつれ0.1Vへと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したとき、或いは参照平均セル電圧V4と平均セル電圧V1との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)が参照平均セル電圧V4に対して所定の比率(例えば1.5〜15.0%:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は1.5%としておき、運転時間が経つにつれ15.0%へと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したときに平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したと判定することができる。
ステップS89で平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したと判定した場合には、ステップS90で水素ガス利用率及び酸素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS81へ戻る。即ち、ステップS90では、水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を減少させることにより水素ガス利用率を、ステップS85で算出した初期の水素ガス利用率に復帰させ、且つ、酸素ガス排出流量調整弁28を制御して酸素ガスの排出量を減少させることにより酸素ガス利用率を、ステップS85で算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる。
一方、ステップS89で平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復していないと判定した場合には、ステップS91で処理回数(ガス利用率制御を行った回数)を算出し、ステップS92で前記処理回数が3回に達したと判定されるまでステップS85〜ステップS89の処理を繰り返す。ステップS91では例えばN=0を初期値とし、ステップS89の判定結果がNoとなるたびにN=N+1の演算を繰り返す(なお、ステップS89の判定結果がYesのときにはN=0にリセットする)ことによって、処理回数を算出する。なお、この処理回数の判定は3回に限定するものではなく、1回又は4回以上であってもよい。
ステップS92で処理回数が所定回数(図示例では3回)になったと判定したときには、ステップS93で水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を減少させることにより水素ガス利用率を、ステップS85で算出した初期の水素ガス利用率に復帰させ、且つ、酸素ガス排出流量調整弁28を制御して酸素ガスの排出量を減少させることにより酸素ガス利用率を、ステップS85で算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させた後、ステップS94で不純物(電極触媒被毒物質)以外の発電電圧低下要因の調査を作業員に指示する(例えばブザーやランプなどによってアラームを発する)。
次に、図9のフローチャートについて説明する。図9のステップS101〜ステップS105までの処理内容につては、図8のステップS81〜ステップS85までの処理内容と同じであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
ステップS106では水素ガス利用率η1と酸素ガス利用率η2とを比較する。ステップS106において水素ガス利用率η1が酸素ガス利用率η2以上であると判定した場合には、次にステップS107を実施する。即ち、このときには水素ガス利用率の制御を優先する。一方、ステップS106において酸素ガス利用率η2が水素ガス利用率η1よりも大きいと判定した場合には、次にステップS113を実施する。即ち、このときには酸素ガス利用率の制御を優先する。水素ガス利用率η1と酸素ガス利用率η2の何れか大きいほうの制御を優先するのは、ガス利用率の大きいほうが、電極触媒被毒物質の濃縮度が高くて、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下に大きく影響している可能性があると考えられるからである。また、水素ガス利用率η1と酸素ガス利用率η2とが等しい場合に水素ガス利用率η1を優先するのは、水素極側のほうが酸素極側に比べて電極触媒被毒物質が濃縮し易いと考えられるためである。つまり、電極触媒被毒物質としてはCOが主なものであるため、酸素極側ではCOが酸素ガスにより燃焼してCO2に変化し易いのに対し、水素極側ではこのようなことがないために比較的多くのCOが水素ガス中に含まれていて濃縮し易いと考えられるためである。
ステップS107では、目標水素ガス利用率1aを決定する。目標水素ガス利用率η1aは、平均セル電圧V1と参照平均セル電圧V4との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)を算出し、この電圧差(平均セル電圧差ΔV2)に基づいて決定する。即ち、予め実験などによって平均セル電圧V1と参照平均セル電圧V4との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)と、目標水素ガス利用率η1aとの関係を表すデータを求めておき、このデータと前記電圧差とから目標水素ガス利用率η1aを決定する。この目標水素ガス利用率η1aはスタック12の発電電圧を回復させるために水素ガスの排出量を増加(即ち水素ガス利用率を低下)させる際の目標値であり、前記電圧差が大きいほど、より多くの水素ガスを排出する必要があるため、より小さな値となる。
そして、ステップS108では、水素ガス供給流量計27及び水素ガス排出流量計29の計測値に基づき、水素ガス利用率が低下して目標水素ガス利用率η1aとなるように水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を増加させる。即ち、水素ガス排出量を増加(即ち水素ガスの循環量を減少させて水素ガス利用率を低下)させることにより、スタック12の水素極側に濃縮(蓄積)されている電極触媒被毒物質を排出する。このことにより、電極触媒被毒物質の濃縮によって低下していたスタック12の発電電圧(セル電圧)の回復を図る。
その後、ステップS109では平均セル電圧V1を測定し、ステップS110ではこの平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したか否かを判定する。この場合、例えば、参照平均セル電圧V4と平均セル電圧V1との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)が所定電圧(例えば0.01〜0.1V:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は0.01Vとしておき、運転時間が経つにつれ0.1Vへと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したとき、或いは参照平均セル電圧V4と平均セル電圧V1との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)が参照セル電圧V2に対して所定の比率(例えば1.5〜15.0%:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は1.5%としておき、運転時間が経つにつれ15.0%へと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したときに平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したと判定することができる。
ステップS110で平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したと判定した場合には、ステップS111で水素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS101へ戻る。即ち、ステップS111では、水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を減少させることにより水素ガス利用率を、ステップS105で算出した初期の水素ガス利用率に復帰させる。
一方、ステップS110で平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復していないと判定した場合には、ステップS112においてステップS111と同様に水素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS113を実施する。
ステップS113では、目標酸素ガス利用率η2aを決定する。目標酸素ガス利用率η2aは、平均セル電圧V1と参照平均セル電圧V4との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)を算出し、この電圧差(平均セル電圧差ΔV2)に基づいて決定する。即ち、予め実験などによって平均セル電圧V1と参照平均セル電圧V4との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)と、目標酸素ガス利用率η2aとの関係を表すデータを求めておき、このデータと前記電圧差(平均セル電圧差ΔV2)とから目標酸素ガス利用率η2aを決定する。この目標酸素ガス利用率η2aはスタック12の発電電圧を回復させるために酸素ガスの排出量を増加(即ち酸素ガス利用率を低下)させる際の目標値であり、前記電圧差が大きいほど、より多くの酸素ガスを排出する必要があるため、より小さな値となる。
そして、ステップS114では、酸素ガス供給流量計26及び酸素ガス排出流量計28の計測値に基づき、酸素ガス利用率が低下して目標酸素ガス利用率η2aとなるように酸素ガス排出流量調整弁28を制御して酸素ガスの排出量を増加させる。即ち、酸素ガス排出量を増加(即ち酸素ガスの循環量を減少させて酸素ガス利用率を低下)させることにより、スタック12の酸素極側に濃縮(蓄積)されている電極触媒被毒物質を排出する。このことにより、電極触媒被毒物質の濃縮によって低下していたスタック12の発電電圧(セル電圧)の回復を図る。
その後、ステップS115では平均セル電圧V1を測定し、ステップS35ではこの平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したか否かを判定する。この場合にも、例えば、参照平均セル電圧V4と平均セル電圧V1との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)が所定電圧(例えば0.01〜0.1V:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は0.01Vとしておき、運転時間が経つにつれ0.1Vへと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したとき、或いは参照平均セル電圧V4と平均セル電圧V1との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)が参照平均セル電圧V4に対して所定の比率(例えば1.5〜15.0%:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は1.5%としておき、運転時間が経つにつれ15.0%へと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したときに平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したと判定することができる。
ステップS116で平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したと判定した場合には、ステップS117で酸素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS101へ戻る。即ち、ステップS117では、酸素ガス排出流量調整弁28を制御して酸素ガスの排出量を減少させることにより酸素ガス利用率を、ステップS105で算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる。
一方、ステップS116で平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復していないと判定した場合には、ステップS118においてステップS117と同様に酸素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS119を実施する。
ステップS119では、目標水素ガス利用率1aを決定する。目標水素ガス利用率η1aは、平均セル電圧V1と参照平均セル電圧V4との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)を算出し、この電圧差(平均セル電圧差ΔV2)に基づいて決定する。即ち、予め実験などによって平均セル電圧V1と参照平均セル電圧V4との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)と、目標水素ガス利用率η1aとの関係を表すデータを求めておき、このデータと前記電圧差(平均セル電圧差ΔV2)とから目標水素ガス利用率η1aを決定する。前述のとおり、この目標水素ガス利用率η1aはスタック12の発電電圧を回復させるために水素ガスの排出量を増加(即ち水素ガス利用率を低下)させる際の目標値であり、前記電圧差が大きいほど、より多くの水素ガスを排出する必要があるため、より小さな値となる。
そして、ステップS120では、水素ガス供給流量計27及び水素ガス排出流量計29の計測値に基づき、水素ガス利用率が低下して目標水素ガス利用率η1aとなるように水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を増加させる。即ち、水素ガス排出量を増加(即ち水素ガスの循環量を減少させて水素ガス利用率を低下)させることにより、スタック12の水素極側に濃縮(蓄積)されている電極触媒被毒物質を排出する。このことにより、電極触媒被毒物質の濃縮によって低下していたスタック12の発電電圧(セル電圧)の回復を図る。
その後、ステップS121では平均セル電圧V1を測定し、ステップS122ではこの平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したか否かを判定する。この場合にも、例えば、参照平均セル電圧V4と平均セル電圧V1との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)が所定電圧(例えば0.01〜0.1V:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は0.01Vとしておき、運転時間が経つにつれ0.1Vへと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したとき、或いは参照平均セル電圧V4と平均セル電圧V1との電圧差(平均セル電圧差ΔV2)が参照平均セル電圧V4に対して所定の比率(例えば1.5〜15.0%:運転時間が長いと参照電圧幅も大きくなることが予想されるため、初期は1.5%としておき、運転時間が経つにつれ15.0%へと基準を緩めていってもよい)以下になったと判定したときに平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したと判定することができる。
ステップS122で平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したと判定した場合には、ステップS123で水素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS101へ戻る。即ち、ステップS123では、水素ガス排出流量調整弁29を制御して水素ガスの排出量を減少させることにより水素ガス利用率を、ステップS105で算出した初期の水素ガス利用率に復帰させる。
一方、ステップS122で平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復していないと判定した場合には、ステップS124においてステップS123と同様に水素ガス利用率を初期値に復帰させた後、ステップS125で不純物(電極触媒被毒物質)以外の発電電圧低下要因の調査を作業員に指示する(例えばブザーやランプなどによってアラームを発する)。
次に、図10のフローチャートについて説明する。図10では図9のステップS106に相当する優先順位の判定処理がなく、水素ガス利用率の制御、酸素ガス利用率の制御の順に処理する。ここで水素ガス利用率の制御を優先するのは、前述のように酸素極側ではCOが酸素ガスにより燃焼してCO2に変化し易いのに対し、水素極側ではこのようなことがないために比較的多くのCOが水素ガス中に含まれていて濃縮し易いと考えられるためである。図10の他の処理内容については図9の処理内容と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。図10のステップS131〜ステップS135は図9のステップS101〜ステップS105と同様であり、図10のステップS136〜ステップS154は図9のステップS107〜ステップS125と同様である
以上のように、本実施の形態例2の燃料電池によれば、ガス利用率制御装置30において図8のフローチャートに示す処理を行う場合には、電極触媒被毒物質の濃縮によって下流のスタック12の発電電圧が低下したときにのみ、水素ガス排出流量調整弁24及び酸素ガス排出流量調整弁23によって水素ガス及び酸素ガスの排出量を増加させて水素ガス利用率及び酸素ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減して下流のスタック12の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には水素ガス排出流量調整弁24及び酸素ガス排出流量調整弁23によって水素ガス及び酸素ガスの排出量を減少させて水素ガス利用率及び酸素ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に水素ガスや酸素ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、水素ガスや酸素ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。そして更には、発電電圧計31で計測する上流のスタック11の発電電圧を参照発電電圧(参照平均セル電圧V4)として用いるため、スタックの運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合のスタックの発電電圧との関係を表すデータなどを予め準備する必要がなく、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切なガス利用率の制御を行うことができる。また、発電電圧計31で計測する上流のスタック11の発電電圧を参照発電電圧(参照平均セル電圧V4)として用いる場合には、ガス組成の変化などの運転条件の変化によって下流のスタック12の発電電圧に変化がある場合にも、かかる発電電圧の変化が上流のスタック11の発電電圧においても生じることになるため、この運転条件の変化による発電電圧の変化を電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下であると誤判定するおそれもない。
また、本実施の形態例2の燃料電池によれば、ガス利用率制御装置30において図9又は図10のフローチャートに示す処理を行う場合には、電極触媒被毒物質の濃縮によって下流のスタック12の発電電圧が低下したときにのみ、水素ガス排出流量調整弁24又は酸素ガス排出流量調整弁23によって水素ガス又は酸素ガスの排出量を増加させて水素ガス利用率又は酸素ガス利用率を低下させることにより、電極触媒被毒物質の濃度を低減して下流のスタック12の発電電圧を回復させる処理を行い、発電電圧回復後には水素ガス排出流量調整弁24又は酸素ガス排出流量調整弁23によって水素ガス又は酸素ガスの排出量を減少させて水素ガス利用率又は酸素ガス利用率を初期値に復帰させることができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、常に水素ガスや酸素ガスの利用率を低く設定することによって電極触媒被毒物質の濃縮を防止する場合に比べて、水素ガスや酸素ガスの利用率(燃料電池の効率)の平均値を高レベルに維持することができる。
しかも、図9のフローチャートに示す処理を行う場合には、水素ガス利用率と酸素ガス利用率とを比較して、何れか高い方のガス利用率の制御を優先的に行うため、ガス利用率が高くて電極触媒被毒物質が濃縮されている可能性の高い方に対し、優先的にガス利用率の制御を行うことができるため、水素ガス利用率と酸素ガス利用率とを同時に低下させる場合に比べて、不要なガス利用率の低下を避けることができるため、ガス利用率をより高レベルに維持することができる。また、図10のフローチャートに示す処理を行う場合には、水素ガス利用率の制御を優先的に行うため、一般に酸化剤ガス側に比べて電極触媒被毒物質(COなど)が濃縮されている可能性の高い水素ガス側に対し、優先的にガス利用率の制御を行うことができるため、水素ガス利用率と酸素ガス利用率とを同時に低下させる場合に比べて、不要なガス利用率の低下を避けることができるため、ガス利用率をより高レベルに維持することができる。
そして更には、発電電圧計31で計測する上流のスタック11の発電電圧を参照発電電圧(参照平均セル電圧V4)として用いるため、スタックの運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合のスタックの発電電圧との関係を表すデータなどを予め準備する必要がなく、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切なガス利用率の制御を行うことができる。また、発電電圧計31で計測する上流のスタック11の発電電圧を参照発電電圧(参照平均セル電圧V4)として用いる場合には、ガス組成の変化などの運転条件の変化によって下流のスタック12の発電電圧に変化がある場合にも、かかる発電電圧の変化が上流のスタック11の発電電圧においても生じることになるため、この運転条件の変化による発電電圧の変化を電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下であると誤判定するおそれもない。
なお、上流のスタック11の発電電圧(セル電圧)を参照して下流のスタック12の発電電圧(セル電圧)の低下を判定する場合、上記のように基準セル電圧差ΔV1と平均セル電圧差ΔV2とを比較する手法に限定するものではなく、上記実施の形態例1と同様の手法(図2〜図4参照)を用いることもできる。即ち、図2〜図4のステップS2,S22,S52において、スタックの運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合のスタックの発電電圧(セル電圧)の関係を表すデータから参照セル電圧V2を決定する代わりに、参照平均セル電圧V4を計測し、この参照平均セル電圧V4に基づいて基準セル電圧V3を決定する。これ以外の処理については図2〜図4の各ステップの処理と同様に行う。但し、参照セル電圧V2を決定する代わりに参照平均セル電圧V4を計測するため、図2〜図4のステップS8,S29,S35,S41,S58,S64,S70においては、平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したか否かを判定する代わりに、平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したか否かを判定することになる。なお、参照平均セル電圧V4に基づいて基準セル電圧V3を決定する場合の具体例については、参照セル電圧V2に基づいて基準セル電圧V3を決定する場合と同様である。また、平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したか否かを判定する場合の具体例についても、平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したか否かを判定する場合と同様である。
また、逆に、スタックの運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合のスタックの発電電圧(セル電圧)の関係を表すデータから参照セル電圧V2を決定する場合には、上記実施の形態例1のように平均セル電圧V1と基準セル電圧V3を比較する手法に限定するものではなく、上記実施の形態例2と同様の手法(図8〜図10参照)を用いることもできる。即ち、図8〜図10のステップS81,S101,S131において、参照平均セル電圧V4を計測する代わりに、スタックの運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合のスタックの発電電圧(セル電圧)の関係を表すデータから参照セル電圧V2を決定し、且つ、基準セル電圧差ΔV1を設定する。また、図8〜図10のステップS82,S102,S132においては、参照平均セル電圧V4から平均セル電圧V1を差し引く代わりに、参照セル電圧V2から平均セル電圧V1を差し引いて平均セル電圧差ΔV2を算出する。これ以外の処理については図8〜図10の各ステップの処理と同様に行う。但し、参照平均セル電圧V4を計測する代わりに参照セル電圧V2を決定するため、図8〜図10のステップS89,S110,S116,S122,S139,S145,S151においては、平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したか否かを判定する代わりに、平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したか否かを判定することになる。なお、平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したか否かを判定する場合の具体例については、平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復したか否かを判定する場合と同様である。
また、スタック11,12の各セル電圧には或る程度のバラツキが有る可能性もあることなどを考慮すると、上記のように平均セル電圧V1や参照平均セル電圧V4を用いて発電電圧低下の判定処理などを行うことが望ましいが、必ずしもこれに限定するものではなく、スタック11,12の何れかのセル電圧を用いて発電電圧低下の判定処理などを行うようにしてもよい。
<実施の形態例3>
図12は本発明の実施の形態例3に係る燃料電池の構成図である。図12において図1,図7と同様の部分には同一の符号を付しており、重複する詳細な説明は省略する。
図12に示すように、本実施の形態例3の固体高分子型燃料電池は、図7のスタック11に代えて、発電電圧モニタ用のセル32を備えた構成となっている。即ち、図7の固体高分子型燃料電池ではスタック11,12を直列に接続したカスケード方式の構成であるため、上流のスタック12の発電電圧(セル電圧)を参照することができたが、カスケード方式ではない燃料電池では上流のスタックの発電電圧(セル電圧)を参照することができない。そこで、図12では参照用の発電電圧(セル電圧)を得るためにスタック12の上流に発電電圧モニタ用のセル32を設けている。勿論、この発電電圧モニタ用セル32も、スタック12のセルと同様に固体高分子電解質膜を一対の電極膜で挟んで構成されたものであり、これに水素ガスと酸素ガスとを供給することにより、これらの供給ガスをセル32で電気化学的に反応させて発電するものである。
発電電圧計31は発電電圧モニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)を計測し、この計測信号をガス利用率制御装置30へ送出する。ガス利用率制御装置30では、上記実施の形態例2の場合と同様の処理(図8〜図10参照)を行う。但し、本実施の形態例3のガス利用率制御装置30では、図8〜図10のステップS81,S88,S101,S109,S115,S121,S131,S138,S144,S150などにおいて参照平均セル電圧V4を計測する代わりに、参照発電電圧としてモニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)を計測し、図8〜図10のステップS82,S102,S132などにおいて平均セル電圧差ΔV2を算出する代わりに、モニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)から平均セル電圧V1を差し引くことによってセル電圧差を算出する。そして、これらのモニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)とセル電圧差を、参照平均セル電圧V4と平均セル電圧差ΔV2の代わりに用いて、上記実施の形態2のガス利用率制御装置30と同様の処理を行う(図8〜図9参照:ここでの詳細な説明は省略する)。例えば、図8〜図10のステップS83,S102,S132では基準セル電圧差ΔV1と平均セル電圧差ΔV2とを比較する代わりに、基準セル電圧差ΔV1と前記セル電圧差とを比較することになり、図8〜図10のステップS89,S110,S116,S122,S139,S145,S151では平均セル電圧V1が参照平均セル電圧V4近くまで回復した否かを判定する代わりに、平均セル電圧V1が発電電圧モニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)近くまで回復したか否かを判定することになる。
本実施の形態3の燃料電池においても、上記実施の形態例2と同様の作用効果を得ることができる。そして更には、発電電圧計31で計測する上流の発電電圧モニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)を参照発電電圧として用いるため、カスケード方式の燃料電池でなくても、スタックの運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合のスタックの発電電圧との関係を表すデータなどを予め準備する必要がなく、電極触媒被毒物質の濃縮以外の影響による通常の発電電圧の低下を考慮して、より適切なガス利用率の制御を行うことができる。また、発電電圧計31で計測する上流の発電電圧モニタ用セル32の発電電圧を参照発電電圧として用いる場合には、ガス組成の変化などの運転条件の変化によって下流のスタック12の発電電圧に変化がある場合にも、かかる発電電圧の変化が上流の発電電圧モニタ用セル32の発電電圧においても生じることになるため、この運転条件の変化による発電電圧の変化を電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下であると誤判定するおそれもない。
なお、上記のように上流の発電電圧モニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)を参照して下流のスタック12の発電電圧(セル電圧)の低下を判定する場合にも、基準セル電圧差ΔV1と前記セル電圧差とを比較する手法に限定するものではなく、上記実施の形態例1と同様の手法(図2〜図4参照)を用いることもできる。即ち、図2〜図4のステップS2,S22,S52において、スタックの運転時間と発電電圧(セル電圧)の関係を表すデータから参照セル電圧V2を決定する代わりに、発電電圧モニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)を計測し、この発電電圧モニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)に基づいて基準セル電圧V3を決定する。これ以外の処理については図2〜図4の各ステップの処理と同様に行う。但し、参照セル電圧V2を決定する代わりに発電電圧モニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)を計測するため、図2〜図4のステップS8,S29,S35,S41,S58,S64,S70においては、平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したか否かを判定する代わりに、平均セル電圧V1が発電電圧モニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)近くまで回復したか否かを判定することになる。なお、発電電圧モニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)に基づいて基準セル電圧V3を決定する場合の具体例については、参照セル電圧V2に基づいて基準セル電圧V3を決定する場合と同様である。また、平均セル電圧V1が発電電圧モニタ用セル32の発電電圧(セル電圧)近くまで回復したか否かを判定する場合の具体例についても、平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したか否かを判定する場合と同様である。
<実施の形態例4>
図13は本発明の実施の形態例4に係る燃料電池の構成図である。図13において図1と同様の部分には同一の符号を付しており、重複する詳細な説明は省略する。
図13に示すように、本実施の形態例4の固体高分子型燃料電池では、水素ガス循環ラインライン20に電極触媒被毒物質除去手段としての電極触媒被毒物質除去装置34が設けられている。なお、図示例では電極触媒被毒物質除去装置34をブロア22の下流側に設けているが、ブロア22の上流側に電極触媒被毒物質除去装置34を設けてもよい。
電極触媒被毒物質除去装置34は、水素ガス循環ライン20を介してスタック12の出口側から入口側へと戻される水素ガスから、当該水素ガス中に含まれている電極触媒被毒物質(CO)を除去する。従って、スタック12には、電極触媒被毒物質除去装置34で電極触媒被毒物質(CO)が除去された後の水素ガスが再び流通させることになる。なお、電極触媒被毒物質除去装置34としては、電極触媒被毒物質を除去することができるものであればよく、例えば被毒物質酸化除去装置、被毒物質吸着除去装置、被毒物質吸収除去装置、被毒物質メタン化除去装置などがある。
被毒物質酸化除去装置は部分選択式のCO酸化触媒を用いたものであり、この部分選択式のCO酸化触媒で水素ガス中に含まれる電極触媒被毒物質のCOを部分的に酸化(CO2に転化)して水素ガス中のCO濃度を数ppm以下に低減、即ち、スタック12の電極触媒に影響を与えないレベルに低減するものである。被毒物質吸着除去装置は吸着剤を用いたものであり、この吸着剤で水素ガス中に含まれるCOを吸着して水素ガス中のCO濃度を低減するものである。被毒物質吸収除去装置は吸収液を用いたものであり、この吸収液に水素ガスを通過させることによって水素ガス中に含まれるCOを吸収液で吸収し、水素ガス中のCO濃度を低減するものである。被毒物質メタン化除去装置は、水素ガス中に含まれるCOをメタン化(3H2+CO→CH4+H2O)して水素ガス中のCO濃度を低減するものである。
以上のように、本実施の形態例4の燃料電池によれば、水素ガス循環ライン20に備えた電極触媒被毒物質除去装置34によって水素ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去するため、水素ガスの利用率が高くても、電極触媒被毒物質が濃縮されるのを防止することができ、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を防止することができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、水素ガスの利用率(燃料電池の効率)を高レベルに維持することができる。
なお、上記では電極触媒被毒物質除去装置34を水素ガス循環ライン20側にのみ設けているが、必ずしもこれに限定するものではなく、例えば電極触媒被毒物質除去装置34として被毒物質吸着除去装置などを用いる場合には、酸素ガス添加ライン19側にも電極触媒被毒物質除去装置34を設けるようにしてもよい。
<実施の形態5>
図14は本発明の実施の形態例5に係る燃料電池の構成図である。図14において図1と同様の部分には同一の符号を付しており、重複する詳細な説明は省略する。
図14に示すように、本実施の形態例5の固体高分子型燃料電池では、水素ガス側の接続ライン16と水素ガス循環ライン20との接続部よりも下流側において、酸化剤ガス添加手段としての酸素ガス添加ライン35が水素ガス側の接続ライン16に接続されている。
従って、図示しない酸素ガスボンベなどの酸素ガス供給装置から送られてくる酸素ガスが、酸素ガス添加ライン35を介して接続ライン16に導入されることにより、水素ガス循環ライン20を介してスタック12の出口側から入口側に戻さて再びスタック12に流通される水素ガスと、スタック11から流出してスタック12へ供給される水素ガスとの混合ガスに添加される。その結果、水素ガス中に含まれる電極触媒被毒物質のCOが、添加された酸素ガスによって酸化(CO2に転化)されるため、水素ガス中のCO濃度が低減される。
以上のように、本実施の形態例5の燃料電池によれば、酸素ガス添加ライン35により、スタック12の入口側に戻して再びスタック12に流通させる水素ガスに酸素ガスを添加することにより、同水素ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減するため、水素ガスの利用率が高くても、電極触媒被毒物質が濃縮されるのを防止することができ、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を防止することができる。このため、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、しかも、水素ガスの利用率(燃料電池の効率)を高レベルに維持することができる。
<実施の形態6>
図15は本発明の実施の形態例6に係る燃料電池の構成図である。図15において図1,図13と同様の部分には同一の符号を付している。
図15に示すように、本実施の形態例6の固体高分子型燃料電池は、上記実施の形態例1の燃料電池の構成(図1参照)と、上記実施の形態例4の燃料電池の構成(図13参照)とを組み合わせたものである。即ち、水素ガス循環ライン20に設けた電極触媒被毒物質除去装置34では水素ガス中に含まれる電極触媒被毒物質(CO)の除去し、且つ、ガス利用率制御装置30では水素ガス利用率の制御及び酸素ガス利用率の制御を行う(図2〜図4参照)。なお、これらの詳細については上記実施の形態例1,4と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、図示及び詳細な説明は省略するが、上記実施の形態例2又は3の燃料電池の構成(図7,図12参照)と、上記実施の形態例4の燃料電池の構成(図13参照)とを組み合わせて、電極触媒被毒物質除去装置34による電極触媒被毒物質(CO)の除去と、ガス利用率制御装置30による水素ガス利用率の制御及び酸素ガス利用率の制御(図8〜図10参照)とを行うようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態例6の燃料電池によれば、上記実施の形態例1〜4と同様の効果が得られ、しかも、電極触媒被毒物質除去装置34の機能低下や故障などにより電極触媒被毒物質が濃縮してスタック12の発電電圧が低下したときにガス利用率制御が行われることになるため、電極触媒被毒物質除去装置34のみを設ける場合に比べて、より確実に電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、且つ、ガス利用率制御のみを行う場合に比べて、より高いレベルにガス利用率を維持することができる。
なお、本実施の形態例6においても、必ずしも電極触媒被毒物質除去装置34を水素ガス循環ライン20側にのみ設け場合に限定するものではなく、例えば電極触媒被毒物質除去装置34として被毒物質吸着除去装置などを用いる場合には、酸素ガス添加ライン19側にも電極触媒被毒物質除去装置34を設けるようにしてもよい。
<実施の形態7>
図16は本発明の実施の形態例7に係る燃料電池の構成図である。図16において図1,図14と同様の部分には同一の符号を付している。
図16に示すように、本実施の形態例7の固体高分子型燃料電池は、上記実施の形態例1の燃料電池の構成(図1参照)と、上記実施の形態例5の燃料電池の構成(図14参照)とを組み合わせたものである。即ち、水素ガス側の接続ライン16に接続した酸素ガス添加ライン35では酸素ガスを添加することにより水素ガス中に含まれる電極触媒被毒物質(CO)を酸化し、且つ、ガス利用率制御装置30では水素ガス利用率の制御及び酸素ガス利用率の制御を行う(図2〜図4参照)。なお、これらの詳細については上記実施の形態例1,4と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、図示及び詳細な説明は省略するが、上記実施の形態例2又は3の燃料電池の構成(図7,図12参照)と、上記実施の形態例5の燃料電池の構成(図13参照)とを組み合わせて、酸素ガス添加ライン35からの酸素ガスの添加による電極触媒被毒物質(CO)の酸化と、ガス利用率制御装置30による水素ガス利用率の制御及び酸素ガス利用率の制御(図8〜図10参照)とを行うようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態例7の燃料電池によれば、上記実施の形態例1〜3,5と同様の効果が得られ、しかも、酸素ガス添加ライン35を介して酸素ガスを添加する機能低下や故障などにより電極触媒被毒物質が濃縮して発電電圧が低下したときにガス利用率制御が行われることになるため、酸素ガス添加ライン35のみを設ける場合に比べて、より確実に電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下の問題を解決することができ、且つ、ガス利用率制御のみを行う場合に比べて、より高いレベルにガス利用率を維持することができる。
<実施の形態例8>
図17は本発明の実施の形態例8に係る燃料電池の構成図である。図17において図1と同様の部分には同一の符号を付しており、重複する詳細な説明は省略する。
図17に示すように、本実施の形態例8の固体高分子型燃料電池は、上記実施の形態例1の燃料電池(図1参照)において、水素ガス循環ライン20に燃料ガスバイパスラインとしての水素ガスバイパスライン36と、流通方向切替手段としての流通方向切替弁37と、電極触媒被毒物質除去手段としての電極触媒被毒物質除去装置34とを設けた構成となっている。なお、これらの水素ガスバイパスライン36、流通方向切替弁37及び電極触媒被毒物質除去装置34は、図示例ではブロア22の下流側に設けているが、ブロア22の上流側に設けてもよい。
水素ガスバイパスライン36は水素ガス循環ライン20から分岐した後、この分岐部よりも下流において再び水素ガス循環ライン20に接続されている(接続ライン16に接続してもよい)。電極触媒被毒物質除去装置34は水素ガスバイパスライン36に設けている。なお、この電極触媒被毒物質除去装置34の具体例については、上記実施の形態4の電極触媒被毒物質除去装置34(図13参照)と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。流通方向切替弁22は三方弁であって前記分岐部に設けられており、スタック12の出口側から入口側へ戻す水素ガスの流通方向を、水素ガス循環ライン20側から水素ガスバイパスライン36側、又は、水素ガスバイパスライン36側から水素ガス循環ライン20側に切り替えるものである。
なお、流通方向切替手段としては流通方向切替弁37(三方弁)に限らず、例えば水素ガス循環ライン20側と水素ガスバイパスライン36側とにそれぞれ弁を設置し、これらの弁の開閉によって水素ガスの流通方向を切り替えるものであってもよい。水素ガスの流通方向が水素ガスバイパスライン36側へ切り替えられたとき、水素ガスは、当該水素ガス中に含まれている電極触媒被毒物質(CO)が電極触媒被毒物質除去装置34で除去された後、スタック12の入口側に戻されて再びスタック12に流通されることになる。
そして、流通方向切替弁37などの流通方向切替手段によって水素ガスの流通方向を水素ガスバイパスライン36側に切り替えるタイミングは、ガス利用率制御装置30によって制御される。即ち、本実施の形態例8のガス利用率制御装置30は、上記実施の形態例1(図1参照)のガス利用率制御装置30と同様にガス利用率制御手段として機能(図2〜図4参照)するだけでなく、被毒物質除去開始制御手段としても機能する。ガス利用率制御装置30のガス利用率制御機能については上記実施の形態例1のガス利用率制御装置30(図2〜図4参照)と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略し、ここではガス利用率制御装置30の被毒物質除去開始制御手段としての機能について詳述する。
ガス利用率制御装置30では、図2,図3又は図4のステップS2,S22又はS52において平均セル電圧V1が基準セル電圧V3よりも低下したと判定したとき、流通方向切替弁37などの流通方向切替手段を制御することによって、水素ガスの流通方向を水素ガス循環ライン20側からバイパスライン36側に切り替える。その後、ガス利用率制御装置30では、図2,図3又は図4のステップS8,S29,S35,S41,S58,S64又はS70において平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したと判定したとき、流通方向切替弁27などの流通方向切替手段を制御することによって、水素ガスの流通方向をバイパスライン36側から水素ガス循環ライン20側に切り替えて初期の状態に戻す。
なお、上記の場合にはガス利用率制御と、電極触媒被毒物質除去装置34による電極触媒被毒物質の除去とが同時に行われることになるが、これに限定するものではなく、両者の作動タイミングをずらすようにしてもよい。例えば、基準セル電圧V3よりも高い(勿論、参照セル電圧V2よりは低い)基準セル電圧を設定し、平均セル電圧V1が、この基準セル電圧よりも低下したと判定したときに流通方向切替弁37などの流通方向切替手段によって水素ガスの流通方向を水素ガス循環ライン20側からバイパスライン36側に切り替えるようにしてもよい。このときには電極触媒被毒物質除去装置34による電極触媒被毒物質の除去が先に開始されてスタック12の発電電圧(セル電圧)を回復させることになり、それでも更にスタック12の発電電圧計(セル電圧)が低下して平均セル電圧V1が基準セル電圧V3よりも低下したと判定したときに電極触媒被毒物質除去のバックアップとして、ガス利用率の制御が開始されることになる。
或いは、基準セル電圧V3よりも低い基準セル電圧を設定し、平均セル電圧V1が、この基準セル電圧よりも低下したと判定したときに流通方向切替弁37などの流通方向切替手段によって水素ガスの流通方向を水素ガス循環ライン20側からバイパスライン36側に切り替えるようにしてもよい。このときには平均セル電圧V1が基準セル電圧V3よりも低下したと判定した時点で先にガス利用率の制御が開始されてスタック12の発電電圧(セル電圧)を回復させることになり、それでも更にスタック12の発電電圧(セル電圧)が低下して平均セル電圧V1が前記基準セル電圧よりも低下したと判定したときに流通方向切替弁37などの流通方向切替手段によって水素ガスの流通方向を水素ガス循環ライン20側からバイパスライン36側に切り替えられ、ガス利用率制御のバックアップとして、電極触媒被毒物質除去装置34による電極触媒被毒物質の除去が開始されることになる。
なお、基準セル電圧ではなく、基準セル電圧差を用いて平均セル電圧V1の低下を判定してもよいことは、上記実施の形態例1の場合と同様である。
また、図示は省略するが、上記実施の形態例2又は3の燃料電池(図7,図12参照)において図17と同様に水素ガス循環ライン20に燃料ガスバイパスラインとしての水素ガスバイパスライン36と、流通方向切替手段としての流通方向切替弁37と、電極触媒被毒物質除去手段としての電極触媒被毒物質除去装置34とを設けた構成としてもよい。
この場合、ガス利用率制御装置30は、上記実施の形態例2又は3のガス利用率制御装置30(図7,図12参照)と同様にガス利用率制御手段として機能し(図8〜図10参照)、且つ、被毒物質除去開始制御手段としても機能する。
即ち、ガス利用率制御装置30では、図8,図9又は図10のステップS83,S103又はS133において平均セル電圧差ΔV2(発電電圧モニタ用セル32を設ける場合には平均セル電圧V1と発電電圧モニタ用セル32のセル電圧との電圧差)が基準セル電圧差ΔV1よりも大きくなったと判定したとき、流通方向切替弁37などの流通方向切替手段によって、水素ガスの流通方向を水素ガス循環ライン20側からバイパスライン36側に切り替える。その後、ガス利用率制御装置30では、図8,図9又は図10のステップS89,S110,S116,S122,S139,S145又はS151において平均セル電圧V1が参照セル電圧V2(発電電圧モニタ用セル32を設ける場合には発電電圧モニタ用セル32の発電電圧)近くまで回復したと判定したとき、流通方向切替弁27などの流通方向切替手段によって、水素ガスの流通方向をバイパスライン36側から水素ガス循環ライン20側に切り替えて初期の状態に戻す。
なお、上記の場合にはガス利用率制御と、電極触媒被毒物質除去装置34による電極触媒被毒物質の除去とが同時に行われることになるが、これに限定するものではなく、両者の作動タイミングをずらすようにしてもよい。例えば、基準セル電圧差ΔV1よりも小さい(勿論、通常の平均セル電圧V1と参照平均セル電圧V4(モニタ用セル32を設ける場合にはモニタ用セル32のセル電圧)との電圧差よりは大きい)基準セル電圧差を設定し、平均セル電圧差ΔV2(モニタ用セル32を設ける場合には平均セル電圧V1とモニタ用セル32のセル電圧との電圧差)が基準セル電圧差ΔV1よりも大きくなったと判定したときに、流通方向切替弁37などの流通方向切替手段によって、水素ガスの流通方向を水素ガス循環ライン20側からバイパスライン36側に切り替えるようにしてもよい。このときには、電極触媒被毒物質除去装置34による電極触媒被毒物質の除去が先に開始されてスタック12の発電電圧(セル電圧)を回復させることになり、それでも更にスタック12の発電電圧計(セル電圧)が低下して平均セル電圧V1が基準セル電圧V3よりも低下したと判定したとき、電極触媒被毒物質除去のバックアップとしてガス利用率の制御が開始されることになる。
或いは、基準セル電圧差ΔV1よりも大きい基準セル電圧差を設定し、平均セル電圧差ΔV2(モニタ用セル32を設ける場合には平均セル電圧V1とモニタ用セル32のセル電圧との電圧差)が、この基準セル電圧差よりも低下したと判定したときに、流通方向切替弁37などの流通方向切替手段によって、水素ガスの流通方向を水素ガス循環ライン20側からバイパスライン36側に切り替えるようにしてもよい。このときには、平均セル電圧差ΔV2(モニタ用セル32を設ける場合には平均セル電圧V1とモニタ用セル32のセル電圧との電圧差)が基準セル電圧差ΔV1よりも大きくなったと判定した時点で先にガス利用率の制御が開始されてスタック12の発電電圧(セル電圧)を回復させることになり、それでも更にスタック12の発電電圧(セル電圧)が低下して平均セル電圧差ΔV2(モニタ用セル32を設ける場合には平均セル電圧V1とモニタ用セル32のセル電圧との電圧差)が前記基準セル電圧差よりも大きくなったと判定したときに、流通方向切替弁37などの流通方向切替手段によって、水素ガスの流通方向を水素ガス循環ライン20側からバイパスライン36側に切り替えられ、ガス利用率制御のバックアップとして電極触媒被毒物質除去装置34による電極触媒被毒物質の除去が開始されることになる。
なお、基準セル電圧差ではなく、基準セル電圧を用いて平均セル電圧V1の低下を判定してもよいことは、上記実施の形態例2の場合と同様である。
以上のように、本実施の形態例8の燃料電池によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によってスタック12の発電電圧が低下したときにのみ、流通方向切替弁37などの流通方向切替手段を制御して水素ガスの流通方向を水素ガスバイパスライン36側に切り替えることにより、電極触媒被毒物質除去装置34による、水素ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させるため、電極触媒被毒物質除去装置34を必要なときにのみ使用して使用頻度を低減することができる。このため、例えば電極触媒被毒物質除去装置34のメンテナンスの頻度を低減することなどが可能となる。
なお、本実施の形態例8においても、必ずしも電極触媒被毒物質除去装置34を水素ガス循環ライン20側にのみ設け場合に限定するものではなく、例えば電極触媒被毒物質除去装置34として被毒物質吸着除去装置などを用いる場合には、酸素ガス添加ライン19側にも電極触媒被毒物質除去装置34を設けるようにしてもよい。この場合、図示は省略するが、水素ガス循環ライン20側と同様に構成する。即ち、酸素ガス循環ライン19側にも酸素ガスバイパスラインと、酸素ガスの流通方向を酸化剤ガス循環ライン19側から酸素ガスバイパスライン側へ切り替える又は酸素ガスバイパスライン側から酸素ガス循環ライン19側へ切り替えるための流通方向切替手段(流通方向切替弁など)とを設け、前記酸素ガスバイパスラインに電極触媒被毒物質除去装置34を設ける。
<実施の形態例9>
図18は本発明の実施の形態例9に係る燃料電池の構成図である。図18において図1と同様の部分には同一の符号を付しており、重複する詳細な説明は省略する。
図18に示すように、本実施の形態例8の固体高分子型燃料電池は、上記実施の形態例1の燃料電池(図1参照)において、水素ガス側の接続ライン16に酸化剤ガス添加手段としての酸素ガス添加ライン35と、添加開始手段としての添加開始弁38とを設けた構成となっている。酸素ガス添加ライン35は、水素ガス側の接続ライン16と水素ガス循環ライン20との接続部よりも下流側において、水素ガス側の接続ライン16に接続されている。添加開始弁38は酸素ガス添加ライン35に設けられている。
従って、添加開始弁38が開くと、図示しない酸素ガスボンベなどの酸素ガス供給装置から送られてくる酸素ガスが、酸素ガス添加ライン35を介して接続ライン16に導入されることにより、水素ガス循環ライン20を介してスタック12の出口側から入口側に戻される水素ガスと、スタック11から流出してスタック12へ供給される水素ガスとの混合ガスに添加される。その結果、水素ガス中に含まれる電極触媒被毒物質のCOが、添加した酸素ガスによって酸化される(CO2に転化)されるため、水素ガス中のCO濃度が低減される。
そして、添加開始弁38を開いて酸素ガスを添加するタイミングは、ガス利用率制御装置30によって制御される。即ち、本実施の形態例9におけるガス利用率制御装置30は、上記実施の形態例1(図1参照)のガス利用率制御装置30と同様にガス利用率制御手段として機能(図2〜図4参照)するだけでなく、酸化剤ガス添加開始制御手段としても機能する。ガス利用率制御装置30のガス利用率制御機能については上記実施の形態例1のガス利用率制御装置30(図2〜図4参照)と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略し、ここではガス利用率制御装置30の酸化剤ガス添加開始制御手段としての機能について詳述する。
ガス利用率制御装置30では、図2,図3又は図4のステップS2,S22又はS52において平均セル電圧V1が基準セル電圧V3よりも低下したと判定したとき、添加開始弁38を開けることにより、酸素ガス添加ライン35を介して酸素ガスを水素ガス中に添加する。その後、ガス利用率制御装置30では、図2,図3又は図4のステップS8,S29,S35,S41,S58,S64又はS70において平均セル電圧V1が参照セル電圧V2近くまで回復したと判定したとき、添加開始弁38を閉じて酸素ガスの添加を停止する。
なお、上記の場合にはガス利用率の制御と、酸素ガスの添加とが同時に行われることになるが、これに限定するものではなく、両者の作動タイミングをずらすようにしてもよい。例えば、基準セル電圧V3よりも高い(勿論、参照セル電圧V2よりは低い)基準セル電圧を設定し、平均セル電圧V1が、この基準セル電圧よりも低下したと判定したときに添加開始弁38を開けて酸素ガスを添加するようにしてもよい。このときには、酸素ガスの添加が先に開始されてスタック12の発電電圧(セル電圧)を回復させることになり、それでも更にスタック12の発電電圧計(セル電圧)が低下して平均セル電圧V1が基準セル電圧V3よりも低下したと判定したときに酸素ガス添加のバックアップとして、ガス利用率の制御が開始されることになる。
或いは、基準セル電圧V3よりも低い基準セル電圧を設定し、平均セル電圧V1が、この基準セル電圧よりも低下したと判定したときに添加開始弁38を開けて酸素ガスを添加するようにしてもよい。このときには、平均セル電圧V1が基準セル電圧V3よりも低下したと判定した時点で先にガス利用率の制御が開始されてスタック12の発電電圧(セル電圧)を回復させることになり、それでも更にスタック12の発電電圧(セル電圧)が低下して平均セル電圧V1が前記基準セル電圧よりも低下したと判定したときに添加開始弁38が開けられ、ガス利用率制御のバックアップとして酸素ガスの添加が開始されることになる。
なお、基準セル電圧ではなく、基準セル電圧差を用いて平均セル電圧V1の低下を判定してもよいことは、上記実施の形態例1の場合と同様である。
また、図示は省略するが、上記実施の形態例2又は3の燃料電池(図7,図12参照)において図18と同様に水素ガス側の接続ライン16に酸化剤ガス添加手段としての酸素ガス添加ライン35と、添加開始手段としての添加開始弁38とを設けた構成としてもよい。
この場合、ガス利用率制御装置30は上記実施の形態例2又は3のガス利用率制御装置30(図7,図12参照)と同様にガス利用率制御手段として機能し(図8〜図10参照)、且つ、酸化剤ガス添加開始制御手段としても機能する。
即ち、ガス利用率制御装置30では、図8,図9又は図10のステップS83,S103又はS133において平均セル電圧差ΔV2(モニタ用セル32を設ける場合には平均セル電圧V1とモニタ用セル32のセル電圧との電圧差)が基準セル電圧差ΔV1よりも大きくなったと判定したとき、添加開始弁38を開けることにより、酸素ガス添加ライン35を介して酸素ガスを水素ガス中に添加する。その後、ガス利用率制御装置30では、図8,図9又は図10のステップS89,S110,S116,S122,S139,S145又はS151において平均セル電圧V1が参照セル電圧V2(発電電圧モニタ用セル32を設ける場合には発電電圧モニタ用セル32の発電電圧)近くまで回復したと判定したとき、添加開始弁38を閉じて酸素ガスの添加を停止する。
なお、上記の場合にはガス利用率の制御と、酸素ガスの添加とが同時に行われることになるが、これに限定するものではなく、両者の作動タイミングをずらすようにしてもよい。例えば、基準セル電圧差ΔV1よりも小さい(勿論、通常の平均セル電圧V1と参照平均セル電圧V4(モニタ用セル32を設ける場合にはモニタ用セル32のセル電圧)との電圧差よりは大きい)基準セル電圧差を設定し、平均セル電圧差ΔV2(モニタ用セル32を設ける場合には平均セル電圧V1とモニタ用セル32のセル電圧との電圧差)が基準セル電圧差ΔV1よりも大きくなったと判定したときに添加開始弁38を開けて酸素ガスを添加するようにしてもよい。このときには、酸素ガスの添加が先に開始されてスタック12の発電電圧(セル電圧)を回復させることになり、それでも更にスタック12の発電電圧計(セル電圧)が低下して平均セル電圧V1が基準セル電圧V3よりも低下したと判定したとき、酸素ガス添加のバックアップとしてガス利用率の制御が開始されることになる。
或いは、基準セル電圧差ΔV1よりも大きい基準セル電圧差を設定し、平均セル電圧差ΔV2(モニタ用セル32を設ける場合には平均セル電圧V1とモニタ用セル32のセル電圧との電圧差)が、この基準セル電圧差よりも低下したと判定したときに添加開始弁38を開けて酸素ガスを添加するようにしてもよい。このときには、平均セル電圧差ΔV2(モニタ用セル32を設ける場合には平均セル電圧V1とモニタ用セル32のセル電圧との電圧差)が基準セル電圧差ΔV1よりも大きくなったと判定した時点で先にガス利用率の制御が開始されてスタック12の発電電圧(セル電圧)を回復させることになり、それでも更にスタック12の発電電圧(セル電圧)が低下して平均セル電圧差ΔV2(モニタ用セル32を設ける場合には平均セル電圧V1とモニタ用セル32のセル電圧との電圧差)が前記基準セル電圧差よりも大きくなったと判定したとき、添加開始弁38が開けられ、ガス利用率制御のバックアップとして酸素ガスの添加が開始されることになる。
なお、基準セル電圧差ではなく、基準セル電圧を用いて平均セル電圧V1の低下を判定してもよいことは、上記実施の形態例2の場合と同様である。
以上のように、本実施の形態例9によれば、電極触媒被毒物質の濃縮によってスタック12の発電電圧が低下したときにのみ、添加開始弁38を制御して、酸素ガス添加ライン35による酸素ガスの添加を開始させるため、酸素ガスを効率的に利用することができるなどの効果が得られる。
本発明は燃料電池及びその運転方法に関するものであり、水中航行体に搭載される循環方式の燃料電池などに適用して有用なものである。
本発明の実施の形態例1に係る燃料電池の構成図である。 前記燃料電池に備えたガス利用率制御装置の処理内容を示すフローチャートである。 前記ガス利用率制御装置の他の処理内容を示すフローチャートである。 前記ガス利用率制御装置の更に他の処理内容を示すフローチャートである。 ガス利用率制御を行わない場合の発電電圧の変化などの概要を示す説明図である。 ガス利用率制御を行った場合の発電電圧の変化などの概要を示す説明図である。 本発明の実施の形態例2に係る燃料電池の構成図である。 前記燃料電池に備えたガス利用率制御装置の処理内容を示すフローチャートである。 前記ガス利用率制御装置の他の処理内容を示すフローチャートである。 前記ガス利用率制御装置の更に他の処理内容を示すフローチャートである。 平均セル電圧と参照平均セル電圧との電圧差を示す説明図である。 本発明の実施の形態例3に係る燃料電池の構成図である。 本発明の実施の形態例4に係る燃料電池の構成図である。 本発明の実施の形態例5に係る燃料電池の構成図である。 本発明の実施の形態例6に係る燃料電池の構成図である。 本発明の実施の形態例7に係る燃料電池の構成図である。 本発明の実施の形態例8に係る燃料電池の構成図である。 本発明の実施の形態例9に係る燃料電池の構成図である。 従来の循環方式の燃料電池の構成図である。
符号の説明
11,12 スタック
13 酸素ガス供給ライン
14 水素ガス供給ライン
15,16 接続ライン
17 酸素ガス排出ライン
18 水素ガス排出ライン
19 酸素ガス循環ライン
20 水素ガス循環ライン
21,22 ブロア
23 酸素ガス排出流量調整弁
24 水素ガス排出流量調整弁
25 発電電圧計
26 酸素ガス供給流量計
27 水素ガス供給流量計
28 酸素ガス排出流量計
29 水素ガス排出流量計
30 ガス利用率制御装置
31 発電電圧計
32 モニタ用セル
34 電極触媒被毒物質除去装置
35 酸素ガス添加ライン
36 バイパスライン
37 流通方向切替弁
38 添加開始弁

Claims (46)

  1. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
    このガス利用率制御手段では、
    前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて、燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて、酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
    燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸素ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
    その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより、燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより、酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  2. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
    このガス利用率制御手段では、
    前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するため判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて、燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて、酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して、前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して、前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸素ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  3. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
    このガス利用率制御手段では、
    前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するため判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    先に、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した燃料ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1,2又は3に記載の燃料電池において、
    前記ガス利用率制御手段では、前記参照発電電圧を、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータと、運転時間計測手段によって計測した前記燃料電池本体の運転時間とに基づいて決定する構成とたことを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項4に記載の燃料電池において、
    前記ガス利用率制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定する構成としたことを特徴とする燃料電池。
  6. 複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
    燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
    その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  7. 複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  8. 複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    先に、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  9. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
    燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
    その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  10. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  11. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備え、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    先に、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  12. 請求項6〜11の何れか1項に記載の燃料電池において、
    前記ガス利用率制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定する構成としたことを特徴とする燃料電池。
  13. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    前記燃料ガス循環ラインには前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去する第1電極触媒被毒物質除去手段を備えたこと、
    又は、前記酸化剤ガス循環ラインには前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去する第2電極触媒被毒物質除去手段を備えたことを特徴とする燃料電池。
  14. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する酸化剤ガス添加手段を備えたことを特徴とする燃料電池。
  15. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    前記燃料ガス循環ラインの燃料ガスバイパスラインに設けた第1電極触媒被毒物質除去手段と、前記燃料ガス循環ラインと前記燃料ガスバイパスラインの切り替えを行う第1流通方向切替手段とを備え、又は、前記酸化剤ガス循環ラインの酸化剤ガスバイパスラインに設けた第2電極触媒被毒物質除去手段と、前記酸化剤ガス循環ラインと前記酸化剤ガスバイパスラインの切り替えを行う第2流通方向切替手段とを備え、
    更に、発電電圧計測手段と、被毒物質除去開始制御手段とを備え、
    この被毒物質除去開始制御手段では、
    前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    前記第1流通方向切替手段を制御して燃料ガスの流通方向を前記燃料ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第1電極触媒被毒物質除去手段による、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させ、
    又は、前記第2流通方向切替手段を制御して酸化剤ガスの流通方向を前記酸化剤ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第2電極触媒被毒物質除去手段による、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  16. 複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    前記燃料ガス循環ラインの燃料ガスバイパスラインに設けた第1電極触媒被毒物質除去手段と、前記燃料ガス循環ラインと前記燃料ガスバイパスラインの切り替えを行う第1流通方向切替手段とを備え、又は、前記酸化剤ガス循環ラインの酸化剤ガスバイパスラインに設けた第2電極触媒被毒物質除去手段と、前記酸化剤ガス循環ラインと前記酸化剤ガスバイパスラインの切り替えを行う第2流通方向切替手段とを備え、
    更に、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、被毒物質除去開始制御手段とを備え、
    この被毒物質除去開始制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記第1流通方向切替手段を制御して燃料ガスの流通方向を前記燃料ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第1電極触媒被毒物質除去手段による、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させ、
    又は、前記第2流通方向切替手段を制御して酸化剤ガスの流通方向を前記酸化剤ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第2電極触媒被毒物質除去手段による、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  17. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する酸化剤ガス添加ラインを備え、
    更に、前記酸化剤ガス添加ラインに設けた添加開始手段と、発電電圧計測手段と、酸化剤ガス添加開始制御手段とを備え、
    この酸化剤ガス添加開始制御手段では、
    前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    前記添加開始手段を制御して、前記酸化剤ガス添加ラインによる酸化剤ガスの添加を開始させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  18. 複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池において、
    前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加して、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する酸化剤ガス添加ラインを備え、
    更に、前記酸化剤ガス添加ラインに設けた添加開始手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、酸化剤ガス添加開始制御手段とを備え、
    この酸化剤ガス添加開始制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記添加開始手段を制御して、前記酸化剤ガス添加ラインによる酸化剤ガスの添加を開始させる構成としたことを特徴とする燃料電池。
  19. 請求項15又は17に記載の燃料電池において、
    前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記参照発電電圧を、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータと、運転時間計測手段によって計測した前記燃料電池本体の運転時間とに基づいて決定する構成としたことを特徴とする燃料電池。
  20. 請求項19に記載の燃料電池において、
    前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定する構成としたことを特徴とする燃料電池。
  21. 請求項16又は18に記載の燃料電池において、
    前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定する構成としたことを特徴とする燃料電池。
  22. 請求項1〜12の何れか1項に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス循環ラインには前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去する第1電極触媒被毒物質除去手段を備えたこと、
    又は、前記酸化剤ガス循環ラインには前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去する第2電極触媒被毒物質除去手段を備えたことを特徴とする燃料電池。
  23. 請求項1〜12の何れか1項に記載の燃料電池において、
    前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する第1酸化剤ガス添加手段を備えたこと、
    又は、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する第2酸化剤ガス添加手段を備えたことを特徴とする燃料電池。
  24. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
    このガス利用率制御手段では、
    前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて、燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて、酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
    燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸素ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
    その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより、燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより、酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  25. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
    このガス利用率制御手段では、
    前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するため判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて、燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて、酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して、前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して、前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸素ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  26. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
    このガス利用率制御手段では、
    前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するため判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    先に、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した燃料ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  27. 請求項24,25又は26に記載の燃料電池の運転方法において、
    前記ガス利用率制御手段では、前記参照発電電圧を、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータと、運転時間計測手段によって計測した前記燃料電池本体の運転時間とに基づいて決定することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  28. 請求項27に記載の燃料電池の運転方法において、
    前記ガス利用率制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  29. 複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
    燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
    その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  30. 複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  31. 複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    先に、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記最下流の燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  32. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率と目標酸化剤ガス利用率とを決定し、
    燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、且つ、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、
    その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を、前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させ、且つ、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を、前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  33. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記燃料ガス利用率が前記酸化剤ガス利用率以上であると判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記燃料ガス利用率と前記酸化剤ガス利用率とを比較して前記酸化剤ガス利用率が前記燃料ガス利用率よりも大きいと判定した場合には、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  34. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、前記燃料電池本体の上流に設けた発電電圧モニタ用セルと、燃料ガス排出量調整手段と、酸化剤ガス排出量調整手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、燃料ガス供給量計測手段と、酸化剤ガス供給量計測手段と、燃料ガス排出量計測手段と、酸化剤ガス排出量計測手段と、ガス利用率制御手段とを備えており、
    このガス利用率制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記発電電圧モニタ用セルの発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記燃料ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への燃料ガスの供給量と、前記燃料ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの燃料ガスの排出量とに基づいて燃料ガス利用率を算出し、且つ、前記酸化剤ガス供給量計測手段で計測する前記燃料電池本体への酸化剤ガスの供給量と、前記酸化剤ガス排出量計測手段で計測する前記燃料電池本体からの酸化剤ガスの排出量とに基づいて酸化剤ガス利用率を算出し、
    先に、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標燃料ガス利用率を決定し、燃料ガス利用率が低下して前記目標燃料ガス利用率となるように前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記燃料ガス排出量調整手段を制御して前記燃料ガスの排出量を減少させることにより燃料ガス利用率を前記算出した初期の燃料ガス利用率に復帰させる一方、
    前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復していないと判定したときには、前記燃料電池本体の発電電圧と前記参照発電電圧との電圧差に基づいて、目標酸化剤ガス利用率を決定し、酸化剤ガス利用率が低下して前記目標酸化剤ガス利用率となるように前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を増加させ、その後、前記燃料電池本体の発電電圧が前記参照発電電圧近くまで回復したと判定したときには、前記酸化剤ガス排出量調整手段を制御して前記酸化剤ガスの排出量を減少させることにより酸化剤ガス利用率を前記算出した初期の酸化剤ガス利用率に復帰させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  35. 請求項29〜34の何れか1項に記載の燃料電池の運転方法において、
    前記ガス利用率制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  36. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    前記燃料ガス循環ラインに備えた第1電極触媒被毒物質除去手段によって、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去すること、
    又は、前記酸化剤ガス循環ラインに備えた第2電極触媒被毒物質除去手段によって、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  37. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    酸化剤ガス添加手段により、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  38. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、前記燃料ガス循環ラインの燃料ガスバイパスラインに設けた第1電極触媒被毒物質除去手段と、前記燃料ガス循環ラインと前記燃料ガスバイパスラインの切り替えを行う第1流通方向切替手段とを備え、又は、前記酸化剤ガス循環ラインの酸化剤ガスバイパスラインに設けた第2電極触媒被毒物質除去手段と、前記酸化剤ガス循環ラインと前記酸化剤ガスバイパスラインの切り替えを行う第2流通方向切替手段とを備え、
    更に、発電電圧計測手段と、被毒物質除去開始制御手段とを備えており、
    この被毒物質除去開始制御手段では、
    前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    前記第1流通方向切替手段を制御して燃料ガスの流通方向を前記燃料ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第1電極触媒被毒物質除去手段による、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させ、
    又は、前記第2流通方向切替手段を制御して酸化剤ガスの流通方向を前記酸化剤ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第2電極触媒被毒物質除去手段による、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  39. 複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、前記燃料ガス循環ラインの燃料ガスバイパスラインに設けた第1電極触媒被毒物質除去手段と、前記燃料ガス循環ラインと前記燃料ガスバイパスラインの切り替えを行う第1流通方向切替手段とを備え、又は、前記酸化剤ガス循環ラインの酸化剤ガスバイパスラインに設けた第2電極触媒被毒物質除去手段と、前記酸化剤ガス循環ラインと前記酸化剤ガスバイパスラインの切り替えを行う第2流通方向切替手段とを備え、
    更に、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、被毒物質除去開始制御手段とを備えており、
    この被毒物質除去開始制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記第1流通方向切替手段を制御して燃料ガスの流通方向を前記燃料ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第1電極触媒被毒物質除去手段による、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させ、
    又は、前記第2流通方向切替手段を制御して酸化剤ガスの流通方向を前記酸化剤ガスバイパスライン側に切り替えることにより、前記第2電極触媒被毒物質除去手段による、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質の除去を開始させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  40. 燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する酸化剤ガス添加ラインを備え、
    更に、前記酸化剤ガス添加ラインに設けた添加開始手段と、発電電圧計測手段と、酸化剤ガス添加開始制御手段とを備えており、
    この酸化剤ガス添加開始制御手段では、
    前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    又は、前記発電電圧計測手段で計測する前記燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の発電電圧として設定した参照発電電圧との電圧差を算出し、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    前記添加開始手段を制御して、前記酸化剤ガス添加ラインによる酸化剤ガスの添加を開始させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  41. 複数の燃料電池本体を直列に接続し、最下流の燃料電池本体の出口側から流出する燃料ガスと酸化剤ガスとを、燃料ガス循環ラインと酸化剤ガス循環ラインとを介して、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる循環方式の燃料電池の運転方法であって、
    燃料電池には、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加して、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減する酸化剤ガス添加ラインを備え、
    更に、前記酸化剤ガス添加ラインに設けた添加開始手段と、第1発電電圧計測手段と、第2発電電圧計測手段と、酸化剤ガス添加開始制御手段とを備えており、
    この酸化剤ガス添加開始制御手段では、
    前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、前記第2発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体よりも上流の燃料電池本体の発電電圧である参照発電電圧との電圧差を求め、この電圧差と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧差とを比較して、前記電圧差が前記基準電圧差よりも大きいと判定したとき、
    又は、前記第1発電電圧計測手段で計測する前記最下流の燃料電池本体の発電電圧と、電極触媒被毒物質の濃縮による発電電圧の低下を判定するための判定値として設定した基準電圧とを比較して、前記発電電圧が前記基準電圧よりも低下したと判定したとき、
    前記添加開始手段を制御して、前記酸化剤ガス添加ラインによる酸化剤ガスの添加を開始させるように運転することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  42. 請求項38又は40に記載の燃料電池の運転方法において、
    前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記参照発電電圧を、燃料電池本体の運転時間と電極触媒被毒物質の濃縮による影響がない場合の燃料電池本体の発電電圧との関係を表すデータと、運転時間計測手段によって計測した前記燃料電池本体の運転時間とに基づいて決定することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  43. 請求項42に記載の燃料電池の運転方法において、
    前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  44. 請求項39又は41に記載の燃料電池の運転方法において、
    前記被毒物質除去開始制御手段又は前記酸化剤ガス添加開始制御手段では、前記基準電圧を、前記参照発電電圧に基づいて決定する構成としたことを特徴とする燃料電池の運転方法。
  45. 請求項24〜35の何れか1項に記載の燃料電池の運転方法において、
    前記燃料ガス循環ラインに備えた第1電極触媒被毒物質除去手段によって、前記燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去すること、
    又は、前記酸化剤ガス循環ラインに備えた第2電極触媒被毒物質除去手段によって、前記酸化剤ガスに含まれる電極触媒被毒物質を除去することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  46. 請求項24〜35の何れか1項に記載の燃料電池の運転方法において、
    第1酸化剤ガス添加手段により、前記燃料電池本体の入口側に戻して再び前記燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減すること、
    又は、第2酸化剤ガス添加手段により、前記最下流の燃料電池本体の入口側に戻して再び前記最下流の燃料電池本体に流通させる燃料ガスに酸化剤ガスを添加することにより、同燃料ガスに含まれる電極触媒被毒物質を酸化させて低減することを特徴とする燃料電池の運転方法。
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