JP2007192317A - すべり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い動作精度を備えたすべり軸受装置を低コストに提供する。
【解決手段】すべり軸受装置1は、軸部材2と、軸部材2の外径側に配置された軸受部材3とを有する。軸受部材3の軸受面は、電鋳加工で形成された電鋳部4の内周面4aに形成されており、かつ電鋳部4の内周面4aと軸部材2の外周面との間の軸受隙間は負隙間となっている。
【選択図】図1
【解決手段】すべり軸受装置1は、軸部材2と、軸部材2の外径側に配置された軸受部材3とを有する。軸受部材3の軸受面は、電鋳加工で形成された電鋳部4の内周面4aに形成されており、かつ電鋳部4の内周面4aと軸部材2の外周面との間の軸受隙間は負隙間となっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、軸部材と軸受部材との間の相対的な直線運動、回転運動、揺動運動を支持するすべり軸受装置に関するものである。
直線運動や回転運動を支持するすべり軸受装置では、軸部材がその外径側に配置したスリーブ状の軸受部材で支持される。
すべり軸受装置としては、軸受部材を樹脂で形成したものがあり、直線運動を支持するものとして、例えば特開平11−37160号公報(特許文献1)に記載されたものが、回転運動を支持するものとして、例えば特開2001−280344号公報(特許文献2)に記載されたものがそれぞれ公知である。
特開平11−37160号公報
特開2001−280344号公報
ところで、これら樹脂製の軸受部材では、その射出成形後の固化段階における成形収縮が避けられない。そのため、軸受面となる内周面の精度確保が困難で、精度確保のためには格別の配慮を要し、この配慮が高コスト化の要因となる場合がある。また、樹脂製の軸受部材では、成形収縮量のばらつきによる軸受隙間幅の変動を見込んで軸受隙間幅を大きめに設定する場合があるが、これでは精度面から軸と軸受部材の間のガタを嫌う用途に適用することが難しい。
そこで、本発明は、高い動作精度が求められる用途に適用可能で、かつ低コストに製造できるすべり軸受装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかるすべり軸受装置は、軸部材と、軸部材の周囲に配した軸受部材とを備え、軸受部材に軸部材と摺動する軸受面を設けたものであって、軸受部材の軸受面が電鋳金属からなる電鋳部に形成され、かつ軸受面とこれに対向する軸部材の面との間を負隙間としたものである。
このように、本発明では、軸受部材の軸受面が電鋳金属からなる電鋳部で形成される。電鋳金属は、マスター表面に金属を析出させて形成した金属層であり、電解メッキまたは無電解メッキに準じた手法で形成することができる。電鋳加工の特性上、電鋳部の内周面にはマスターの表面形状が非常に微細なレベルまで高精度に転写されるので、マスターの表面精度を高めておけば、特段の後加工を施すことなく低コストに高精度な軸受面を得ることができる。また、軸受面が金属となるから、樹脂からなる軸受面に比べ、耐摩耗性を高め、かつ温度変化等に伴う軸受面の特性変化の防止を図ることができる。
軸受面とこれに対向する軸部材の面との間を負隙間とすることにより、軸部材と軸受部材との間のガタを抑制することができ、ガタによる動作精度の低下を嫌う用途に適合した軸受装置の提供が可能となる。このように軸受隙間を負隙間とすると、高トルク化が懸念されるが、電鋳部はミクロンオーダーまで高精度に形成することができるから、負隙間の程度を精度良くコントロールすることができ、従って、成形不良等に起因した想定外の高トルク化を回避することができる。また、電鋳部の厚さは5μm〜200μm程度と非常に薄く、弾性変形が容易であるから、負隙間であっても電鋳部の弾性変形により軸部材との間の摩擦を減じることができ、この点でも高トルク化を抑制することができる。
電鋳部のうち軸受面と反対側の面を、電鋳部の弾性変形を吸収する逃げ部と対向させることにより、電鋳部の弾性変形がより一層容易に行われ、高トルク化の抑制に有効となる。この逃げ部は、電鋳部の弾性変形を吸収できるものであれば任意の構成とすることができ、例えば空隙で形成することができる。
電鋳部を樹脂組成物でモールドすると、樹脂組成物の組成や成形条件によっては、樹脂の成形収縮で電鋳部との間に前記空隙を形成することが可能となる。例えば樹脂組成物のベース樹脂として液晶ポリマー(LCP)を使用すると、液晶ポリマー特有の性質上、成形収縮によって円筒状成形体の内周面が外径側に後退し、内径寸法が拡大するので、電鋳部の外周面との間に前記空隙を容易に形成することができる。
以上のように本発明によれば、高い動作精度が求められる用途に適用可能で、低コストに製造でき、かつ高い耐久性を有するすべり軸受装置の提供が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、すべり軸受装置1のうち、特に回転運動を支持する軸受装置を例示するものである。このすべり軸受装置1は、軸部材2と、軸部材2の外径側に配置されたスリーブ状の軸受部材3とで構成される。
軸部材2は、例えば、高剛性を有するステンレス鋼等の金属材料あるいはセラミック等で、中実軸状あるいは中空軸状に形成される。
軸受部材3は、電鋳加工で形成され、その内周面4aが軸受面を構成する電鋳部4と、該電鋳部4をインサートしてモールドされた保持部5とで構成される。
電鋳部4は後述の電鋳加工で形成された金属層である。電鋳部4のうち、軸受面4aと荷重方向反対側の面(外周面4b)は、図2の拡大図に示すように、電鋳部4の弾性変形を吸収する逃げ部6と対向している。逃げ部6は、例えば空隙で形成される。
次に、上記すべり軸受装置1の製造工程を、軸受部材3の製造工程を中心として、図面に基づいて説明する。
上記軸受部材3は、電鋳加工で使用するマスター軸7の外表面をマスキングする工程、マスキングを施したマスター軸7に電鋳加工を行って電鋳部4(電鋳軸9)を形成する工程、電鋳軸9をインサート部品として保持部5を型成形する工程、およびマスター軸7から電鋳部9および保持部5からなる軸受部材3を分離する工程を順に経て製作される。
電鋳部4の成形母体となるマスター軸7は、導電性材料、例えば焼入処理を施したステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、その他のニッケル合金、あるいはクロム合金等で断面真円状の中実軸に形成される。マスター軸7は、これら金属材料以外にも、導電処理(例えば、表面に導電性の被膜を形成する)を施されたセラミック等の非金属材料で形成することもでき、また、中実軸(むく軸)の他、中空軸あるいは中空部に樹脂を充填した中実軸であってもよい。なお、マスター軸7の外周面精度は、軸受面となる電鋳部4の内周面4aの精度を直接左右するので、真円度、円筒度、表面粗さ等、摺動機能上重要となる表面精度は予め高精度に仕上げておくのが望ましい。
マスター軸7の外表面には、図4に示すように、電鋳部4の形成予定領域を除き、マスキングが施され、マスキング部8が形成される。マスキング用の被覆材としては、絶縁性、および電解質溶液に対する耐食性を有する既存品が適宜選択使用される。
電鋳加工は、NiやCu等の金属イオンを含んだ電解質溶液にマスター軸7を浸漬させた後、マスター軸7に通電して、マスター軸7の外表面のうち、マスキング部8を除く領域に目的の金属を析出(電解析出)させることにより行われる。電解質溶液には、摺動特性向上のため、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やカーボンなどの摺動材を含有させるのが望ましく、さらにサッカリン等の応力緩和材を必要に応じて含有させてもよい。電着金属の種類は、軸受装置の軸受面に求められる硬度、疲れ強さ等の物理的性質や、化学的性質に応じて適宜選択される。
電鋳部4は、以上に述べた電解メッキに準じた方法の他、無電解メッキに準じた方法で形成することもできる。その場合、マスター軸7の導電性やマスキング部8の絶縁性は不要となる。
以上の工程を経ることにより、図5に示すように、マスター軸7のマスキング部8を除く領域に薄肉円筒状の電鋳部4を被着した電鋳軸9が形成される。なお、電鋳部4の厚みは、これが厚すぎるとマスター軸7からの剥離性低下、生産性の低下、弾性変形性の低下等を招き、逆に薄すぎると電鋳部4の耐久性低下につながるので、5μm〜200μm程度の厚みに形成するのが望ましい。
上記工程を経て製作された電鋳軸9は、金型内にインサート部品として供給され、保持部5が射出成形される。
図6は、軸受部材3のインサート成形工程を概念的に示すものである。図示例の金型は、可動型10および固定型11からなり、ランナ12aおよびゲート12bと、キャビティ12cとが設けられる。ゲート12bは、本実施形態では、点状ゲートであり、固定型11の成形すべき保持部5の一端面に対応する位置に、かつ円周方向等間隔で複数箇所に設けられる。なお、ゲート12bのゲート面積は、充填される材料や、成形品の形状に合わせて適切な値に設定される。ゲート12bは、点状ゲート以外にも、例えばフィルムゲートやリングゲートを採用してもよい。
上記構成の金型において、電鋳軸9を位置決め配置した状態で、可動型10を固定型11に接近させて型締めを行う。型締めした状態で、スプール(図示省略)、ランナ12aおよびゲート12cを介してキャビティ12c内に射出材料Pを射出・充填することにより、保持部5が電鋳軸9と一体に型成形される。
射出材料Pとしては、例えば樹脂組成物が使用可能で、そのベース樹脂としては、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の結晶性樹脂の他、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)等の非晶性樹脂を使用することができる。例示した以上の樹脂材料のうち、本実施形態では液晶ポリマーをベース樹脂として使用し、液晶ポリマーには、軸受部材3として求められる特性(強度、寸法安定性、導電性等)を満足できるよう選択された種類・配合比率で充填材が適宜配合される。
なお、射出可能であれば、射出材料Pとして金属材料を用いることもでき、この場合、例えばマグネシウム合金やアルミニウム合金等の低融点金属材料が使用可能である。この他、金属粉とバインダーの混合物で射出成形した後、脱脂・焼結するいわゆるMIM成形を採用することもでき、さらには、セラミックも使用可能である。
射出完了後、型開きすると、マスター軸7と電鋳部4、および保持部5が一体となった成形品が得られる。
ところで、特に液晶ポリマーをベース樹脂とした樹脂組成物を用いて図7に示すような円筒体を成形した場合、液晶ポリマー特有の成形収縮挙動により、成形体5’の内周面5a’が外径側に後退(拡径)しようとする。一方、電鋳加工の特性上、電鋳部4の外周面4bは電鋳処理中の電解質溶液の流れ、電流密度、陽極との距離などの電鋳条件により凹凸面に形成される。これらの特性から、保持部5の成形収縮に伴って、保持部5と電鋳部4との密着状態が解消されると、保持部5の内周面5aが電鋳部4の外周面4bから剥離して、図2に示すような凹凸状の空隙からなる逃げ部6が形成される。このように、射出材料Pとして液晶ポリマーを用いれば、保持部5の内周面5aと電鋳部4の外周面4bとの間に空隙からなる逃げ部6を容易に形成することができる。空隙からなる逃げ部6を形成した場合、電鋳部4と保持部5との分離が懸念されるが、本実施形態では、空隙が電鋳部4の外周面4bと保持部5の内周面5aとの間の界面に円周方向および軸方向の各部で連続した凹凸状に形成され、かつその空隙幅も微小であるため、相互に回り止め・抜け止めされて非分離となる。
次いで、この成形品は分離工程に移送され、マスター軸7の外周から電鋳部4が剥離され、マスター軸7と、電鋳部4および保持部5からなる軸受部材3とに分離される。分離されたマスター軸7は、繰り返し電鋳加工に用いられる。マスター軸7を繰り返し電鋳加工に用いることにより、高精度な軸受部材3を安定してかつ低コストに量産することができる。
分離工程では、例えばマスター軸7あるいは軸受部材3に衝撃を与え、電鋳部4の内周面を半径方向に拡径させてマスター軸7の外周面との間に微小隙間(半径寸法で1μm〜数μm程度)が形成される。このように電鋳部4をマスター軸7表面から剥離させた後、マスター軸7を電鋳部4(軸受部材3)の内周から引き抜く。この他、電鋳部4とマスター軸7との熱膨張量差を利用してマスター軸7から電鋳部4を剥離させることもできる。
上記のようにしてマスター軸7から分離された軸受部材3の内周に、別途製作した軸部材2を挿入することにより、図1に示すすべり軸受装置1が完成する。このとき挿入する軸部材2は、電鋳部4の内周面4aとの間の隙間(軸受隙間)が負隙間となるように製作されたものを用いる。ここで、負隙間であるか否かは、任意の半径方向断面において、軸部材2の外周面2aの最大外接円径r1が、これに対向する内周面(軸受面)4aの最小内接円径r2よりも大きいか否かで判断される。例えば、軸受面4aと軸部材外周面2aとの接触領域において、軸方向の少なくとも三箇所以上で全てこの関係(r1>r2)が満たされていれば負隙間であると判定することができる。最大外接円径r1や最小内接円径r2は、表面凹凸に外接あるいは内接する幾何学的円のうち、最大径あるいは最小径のものをいい、これらは例えばタリロンド73P等の真円度測定器(倍率5千倍)を用いて軸部材2の外周面および軸受面4aの形状測定を行うことにより求めることができる。
負隙間の程度(r1>r2の程度)は、軸部材2と軸受部材3(電鋳部4)との間でガタが無く、軸受部材3の自重で分離しない程度に設定するのが望ましく、軸受剛性や耐久性を考慮すると、例えば、内径がφ4の軸受部材3を用いる場合には起動力が0.5N以下、内径がφ1.5の軸受部材3を用いる場合には起動力が0.1N以下となるように負隙間の程度を設定するのが望ましい。なお、r1>r2の条件を満たす場合でも、軸受面4aや軸部材外周面2aの表面粗さが粗い場合、あるいは両面の真円度が低い場合には高トルク化を招く。これを回避するため、軸受部材3の内周面4aおよび軸部材2の外周面2aは、何れも表面粗さRa(JIS B0601規定の算術平均粗さ)0.08μm以下、JIS B0621規定の真円度2.0μm以下に設定するのが望ましい。
完成したすべり軸受装置1は無給油で使用する他、軸部材2の外周面と軸受部材3の軸受面4aとの間の軸受隙間に潤滑油等の潤滑剤を供給して使用することもできる。また、軸部材2を回転させる他、軸受部材3を回転させて使用することもできる。
以上に示すように、軸受部材3を構成する電鋳部4は、マスター軸7の外周面7aに電解質溶液中の金属イオンを電解析出させることで形成され、また電鋳部4の内周面(軸受面)4aは、電鋳加工の特性上、マスター軸7の外周面7aの形状が、ミクロンオーダーで高精度に転写された面となる。従って、表面精度を高めたマスター軸7を用いれば、特段の後加工を施すことなく、低コストに高い精度を有する軸受面を得ることができる。また、軸受面が金属となるので、樹脂からなる軸受面に比べ、耐摩耗性を高め、かつ温度変化に伴う軸受面の特性変化を防止することができる。
また、本発明では、軸受面4aと軸受面4aに対向する軸部材2の外周面との間の軸受隙間を負隙間としたので、軸部材2と軸受部材3との間のガタを解消することができる。
上記のように軸受隙間を負隙間とすると、その程度によっては摺動抵抗が増して高トルク化が懸念される。一般に内周面精度の管理は、外周面精度の管理を行うよりも困難であるが、電鋳加工の特性上、電鋳部4はミクロンオーダーの非常に微細なレベルまで高精度に成形可能であるから、負隙間の程度を精度良くコントロールすることができ、従って、成形不良に起因した想定外の高トルク化を回避することができる。また、電鋳部4の厚さは5〜200μm程度と非常に薄く、弾性変形が容易であるから、負隙間の領域では電鋳部4の弾性変形により軸部材2との間の摩擦を減じ、この点でも高トルク化を抑制することができる。
特に本実施形態のように、特有の成形収縮挙動を示す液晶ポリマーをベース樹脂として保持部5を射出成形し、電鋳部4の外径側に、電鋳部4の弾性変形を吸収する空隙からなる逃げ部6を設ければ、電鋳部4の弾性変形の更なる容易化を図ることができ、これにより低トルク化を図ることができる。なお、逃げ部6は、上記のように空隙で形成する他、例えば電鋳部4の外周面4bと保持部5の内周面5aとの界面に、両者よりも高弾性の材料(ゴム等)を介在させることで形成することもできる。
ところで、電鋳部4の厚さtが軸部材2の軸径dに対して厚すぎると、電鋳部4の弾性変形がスムーズに行われず、高トルク化を招くおそれがある。そのため、電鋳部4の厚さtに対する、軸部材2の軸径dの比A(=t/d)はA≦0.1であるのが望ましい。
以上に述べた特性から、本発明のすべり軸受装置1は、低速回転でありながらガタによる動作精度の低下を嫌う用途に適合する。この種の用途として、例えば、複写機やプリンタ等の画像形成装置でドラム(感光ドラム等)やローラ(給紙ローラ等)を支持する軸受装置、光学機器(カメラ等)のレンズ駆動部で回転体を支持する軸受装置、あるいはステッピングモータの軸を支持する軸受装置等を挙げることができる。図8は、その一例として、プリンタ等の画像形成装置に組み込まれる感光ドラム20および現像ローラ30を回転支持するすべり軸受装置21、31の含軸断面図を示している。同図において、感光ドラム20および現像ローラ30の一端から伸びる軸22、32は、固定側の部材35に装着された軸受部材23、33の内周に挿入される。そして、軸受部材23、33と、これら軸受部材23、33によって回転自在に支持される軸22、32とですべり軸受装置21、31がそれぞれ構成される。
また、本発明は、回転運動を支持するすべり軸受装置だけでなく、直線運動を支持するすべり軸受装置にも使用することができる。この場合、同様にスリーブ状の軸受部材3の軸受面が電鋳金属からなる電鋳部4に形成され、軸受面と軸部材2の外周面2aとの間の軸受隙間が負隙間に設定される。負隙間であるか否かは、軸受面の少なくとも軸方向3箇所で測定した最小内接円径r2、および、軸部材2の外周面2aのうち、軸受面との摺動領域の少なくとも軸方向3箇所で測定した最大外接円径r1が、全てr1>r2の関係を満たすか否かで判定することができる。
この種の用途の一例として、例えば、CD・DVD等のディスク装置、スキャナ装置、複写機、プリンタといった精密電子機器で、画像記録や画像読取り用のヘッドあるいは印字ヘッド等を走査する機構、さらには、工作機械や工場ラインでワーク、治具、工具等を直線移動させるリニアスライダを挙げることができる。
さらに本発明は、揺動運動を支持するすべり軸受装置にも適用することができる。この種のすべり軸受装置では、軸部材の凸球面状の軸端が凹球面状の軸受面を有する軸受部材で支持される。この場合も軸受部材の凹球面状の軸受面が電鋳金属からなる電鋳部4に形成され、この軸受面と軸部材2の凸球状外周面との間の軸受隙間が負隙間に設定される。負隙間であるか否かは、中立状態における軸受面と凸球状軸端との接触領域のうち、少なくとも任意の3箇所で軸受面の最小内接円径r2、および凸球状軸端の最大外接円径r1を測定し、何れの部位でもr1>r2の関係を満たすか否かで判定することができる。この種の軸受装置の用途の一例として、ロボットの関節が挙げられる。
1 すべり軸受装置
2 軸部材
3 軸受部材
4 電鋳部
5 保持部
6 逃げ部
7 マスター軸
9 電鋳軸
P 射出材料
r1 最大外接円径
r2 最小内接円径
2 軸部材
3 軸受部材
4 電鋳部
5 保持部
6 逃げ部
7 マスター軸
9 電鋳軸
P 射出材料
r1 最大外接円径
r2 最小内接円径
Claims (5)
- 軸部材と、軸部材の周囲に配した軸受部材とを備え、軸受部材に軸部材と摺動する軸受面を設けたすべり軸受装置であって、
軸受部材の軸受面が電鋳金属からなる電鋳部に形成され、かつ軸受面とこれに対向する軸部材の面との間を負隙間としたすべり軸受装置。 - 電鋳部のうち軸受面と反対側の面を、電鋳部の弾性変形を吸収する逃げ部と対向させた請求項1記載のすべり軸受装置。
- 逃げ部を空隙で形成した請求項2記載のすべり軸受装置。
- 電鋳部を樹脂組成物でモールドし、その成形収縮で空隙を形成した請求項3記載のすべり軸受装置。
- 樹脂組成物のベース樹脂として、液晶ポリマーを使用した請求項4記載のすべり軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006011551A JP2007192317A (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | すべり軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006011551A JP2007192317A (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | すべり軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007192317A true JP2007192317A (ja) | 2007-08-02 |
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Family Applications (1)
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JP2006011551A Withdrawn JP2007192317A (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | すべり軸受装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007192317A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-01-19 JP JP2006011551A patent/JP2007192317A/ja not_active Withdrawn
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