JP2007191487A - βアミロイド斑及び神経原線維変化の標識方法 - Google Patents

βアミロイド斑及び神経原線維変化の標識方法 Download PDF

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Abstract

【課題】βアミロイド斑及び神経原線維変化の標識方法の提供。
【解決手段】式(I)の化合物を哺乳動物組織と接触させることを含んで成る、βアミロイド斑及び神経原線維変化をインビボ及びインビトロで標識するための方法。
【選択図】図1

Description

発明の背景
アメリカ合衆国及びその他の先進国では、最も老齢な集団である80才を超えた人々の約20〜40%がアルツハイマー病にかかっている。アルツハイマー病患者の脳における共通の特徴は、豊富な神経細胞内神経原線維変化(neurofibrillary tangles)(NFTs)及び細胞外の富アミロイドなβアミロイド斑である。NFTは、細胞骨格の病症状であり、過剰リン酸化タウタンパク質が、対らせん形線維(paired helical filaments)と呼ばれる周期的に制限されたアミロイド細線維内に集積した凝集体から主に成る。アミロイド斑の主成分はペプチドであり、これは、39〜43アミノ酸から成る小さなβアミロイドペプチドであり、より大きなアミロイド前駆体タンパク質の切断により生じる。しかし、ほぼ独占的にβアミロイドペプチドから成るび慢性老人斑を除いて、アミロイド斑は、多数の関連した細胞内産物を含む複雑病変である。42アミノ酸型のこのペプチドの生産を増加させる変異は、常染色体優性家族性型アルツハイマー病と遺伝的に連鎖していた。βアミロイドの沈着は、臨床症状が現れるかなり前から、当疾病形成の極く初期に起きる。これらの変異は、明らかに病原性であり、しかもトランスジェニックマウスにおいてアルツハイマー病を誘発するので、当疾病においてβアミロイドが原因的な役割を果たすと広く考えられている。アミロイド沈着が原因性であろうとなかろうと、これは、確実に診断上重要である。更にアミロイド斑は当疾病の初期に出現するので、当沈着を画像化することができれば、当疾病の初期診断及び予防、並びに治療効果の監視方法のために有用なマーカーとなるだろう。
現在、アルツハイマー病は、死後の脳から切片を切り出し、そして新皮質のアミロイド沈着の密度を定量することによって確定診断されている。残念ながら、アミロイド沈着及び/又はNFTを検出する現在の方法は、死後分析又は生検分析である。例えば、インビトロでの脳切片におけるアミロイドのチオフラビン蛍光標識が、脳を評価するために現在広く用いられている方法である。潜在的な別のアミロイドプローブとしてChrysamine−Gというコンゴレッド誘導体も開発されている。コンゴレッドは荷電分子であり、従って脳血液関門を通過して拡散するために十分な疎水性がなく、従ってインビボ標識剤としては有用ではない。Klunk et al, Neurobiology of Aging, 16 : 541-548 (1995)及びWO96/34853 を参照のこと。Chrysamine−Gは、コンゴレッドよりも良好に脳血液関門を通過するが、アルツハイマー病の脳のアミロイド斑を標識する能力は明かに弱い。例えばH. Han, C-G Cho and P.T. Lansbury, Jr J. Am. Chem. Soc. 118, 4506 (1996) ; N.A. Dezutter et al, J. Label. Compd. Radiopharm. 42, 309 (1999)を参照のこと。同様に、インビボでのβアミロイドの画像化のためのプローブとしてモノクローナル抗体を用いる初期の試みは、脳血液関門の通過性が制限されることにより妨害された。R.E. Majocha et al, J. Nucl. Med. 33, 2184 (1992)参照。極く最近、脳血液関門の透過性を有する125I−Aβ1−40のモノビオチニル化結合体が提唱されているが(Y. Saito et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 22, 2288 (1991))、βアミロイド及び/又はNFTをインビボで標識する能力は未だに示されていない。現在利用できるプローブによる当沈着のインビボ定量は未だに実現されていない。従ってアルツハイマー病の初期診断のための有用なマーカーが求められている。
アルツハイマー病患者の脳機能を評価する場合、陽電子射出断層撮影(PET)による領域的大脳グルコース代謝速度(rCMRGl)のインビボ非侵襲性測定は、重要な手段である。2−[F−18]フルオロ−2−デオキシ−D−グルコース(FDG)を用いた多くの研究から、側頭頭頂及び前頭連合野における代謝低下という特徴的代謝パターンが示めされた。これらの研究のいくつかでは、rGMRGlと死後の領域的神経細胞病症状とが比較されている。これらの結果、そしてアルツハイマー病の病因カスケードが不明確であることから、これらの患者におけるアミロイド及び神経原線維沈着をインビボで非侵襲的に評価する重要性が強調される。
発明の要旨
本発明は、構造体、例えばβアミロイド斑及び神経原線維変化をインビボ及びインビトロで標識するための方法であって、式(I):
の化合物を哺乳動物組織に接触させることを含んで成る前記方法を提供する。
式(I)において、R1 は、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C=C(CN)2 −アルキル、−C=C(CN)2 −アルキレニル−R4
から成る群から選択され;R4 は、アルキル、置換アルキル、アリール及び置換アリールから成る群から選択される基であり;R5 は、−NH2 ,−OH,−SH,−NH−アルキル、−NHR4 ,−NH−アルキレニル−R4 ,−O−アルキル、−O−アルキレニル−R4 ,−S−アルキル、及び−S−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;R6 は、−CN,−COOH,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)−ハロゲン、−C(O)NH2 ,−C(O)NH−アルキル、及び−C(O)NH−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;R7 は、O,NH、及びSから成る群から選択される基であり;そしてR8 は、N,O又はSである。
式(I)において、R2 及びR3 は、互いに独立に、アルキル及びアルキレニル−R10から成る群から選択され、ここでR10は、−OH,−OTs、ハロゲン、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される。あるいは、R2 及びR3 が一緒に複素環を形成し、場合によりこれは、アルキル、アルコキシ、OH,OTs、ハロゲン、アルキレニル−R10、カルボニル、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される少くとも1つの基によって置換される。式(I)の化合物において、1又は複数の当該水素、ハロゲン又は炭素原子が、場合により放射性標識物によって置換され得る。
脳組織においてβアミロイド斑及び神経原線維変化をインビトロで検出するために、その斑を標識し、そして次にその脳組織を蛍光顕微鏡によって観察する。インビボで検出するために、脳組織内のβアミロイド斑及び神経原線維を標識し、好ましくは、放射性標識した式(I)の化合物を含有する溶液を注射することにより標識する。次に、標識されたβアミロイド斑及び神経原線維の位置を、身体内の前記の放射性標識化合物の分布を検出且つ描写することができる任意の方法によって観察する。
本発明の方法に従って、アルツハイマー病(AD)の脳組織のクライオスタット切片及びパラフィン切片において、アミロイド沈着が、チオフラビンSと同程度の感受性レベルで標識される。しかし本発明の使用は、チオフラビンSの使用に比べていくつかの利点を有する。すなわち、前処理が必要でない。更に、チオフラビンSの場合と異なり、本方法は、最小限の洗浄で機能し、そしてホルマリン又はパラホルムアルデヒド固定、あるいは組織の分別を必要としない。更に、保存溶液を6か月間冷凍庫に保存することができ、チオフラビンS標識の場合には必要される新鮮な保存液の作成を必要とせず、それでもなお1/100〜1/1000希釈しても、容認される結果を得ることができる。
全身性に注射された本発明の組成物は、容易に脳血液関門を通過して、アミロイド沈着及び神経原線維変化を標識する。このことは、本発明の組成物がインビボでの画像化プローブとして機能し得ることを示す。本発明の方法により、生存患者の脳においてβアミロイド斑及び神経原線維変化のインビボ標識及び検出が達成される。本発明の方法により、アルツハイマー病の検出が可能となるだけでなく、当疾病の治療を受けている患者の進行度を医師が監視する方法もまた提供される。従って医師が、特定の治療方法が成功していて価値のあるものであるかどうかをより良く決定することができる。
更に別の態様として、本発明は、式(I):
の化合物を含有する組成物に関する。
ただし前記式中、R1 は、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C=C(CN)2 −アルキル、−C=C(CN)2 −アルキレニル−R4
から成る群から選択され;R4 は、アルキル、置換アルキル、アリール及び置換アリールから成る群から選択される基であり;R5 は、−NH2 ,−OH,−SH,−NH−アルキル、−NHR4 ,−NH−アルキレニル−R4 ,−O−アルキル、−O−アルキレニル−R4 ,−S−アルキル、及び−S−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;R6 は、−CN,−COOH,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)−ハロゲン、−C(O)NH2 ,−C(O)NH−アルキル、及び−C(O)NH−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;R7 は、O,NH、及びSから成る群から選択される基であり;そしてR8 は、N,O又はSであり;R2 は、アルキル及びアルキレニル−R5 から成る群から選択され、そしてR3 はアルキレニル−R5 であり、ここでR5 は−OH,−OTs、ハロゲン、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択されるか、あるいはR2 及びR3 が一緒に複素環を形成し、場合によりこれは、アルキル、アルコキシ、OH,OTs、ハロゲン、アルキレニル−R5 、カルボニル、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される少くとも1つの基によって置換される。1又は複数の当該水素、ハロゲン又は炭素原子が、場合により放射性標識物によって置換され得る。
本発明は、より好ましくは、式(II):
の化合物を含有する組成物に、並びにそれの医薬上容認される塩及び溶媒化合物に関する。
ただし前記式中、R2 は、アルキル及びアルキレニル−R10から成る群から選択され、そしてR3 はアルキレニル−R10であり、ここでR10は、−OH,−OTs、ハロゲン、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択されるか、あるいはR2 及びR3 が一緒に複素環を形成し、場合によりこれは、アルキル、アルコキシ、OH,OTs、ハロゲン、アルキレニル−R10、カルボニル、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される少くとも1つの基によって置換される。そしてR9 は、アルキル、アリール又は置換アリール基である。1又は複数の当該水素、ハロゲン又は炭素原子が、場合により放射性標識物によって置換され得る。
発明の詳細な説明
本発明は、βアミロイド斑及び神経原線維変化などの構造体をインビボ及びインビトロで標識するための方法に関する。本方法は全て、
式(I):
の化合物を哺乳動物組織に接触させることを含んで成る。
式(I)において、R1 は、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C=C(CN)2 −アルキル、−C=C(CN)2 −アルキレニル−R4
から成る群から選択され;R4 は、アルキル、置換アルキル、アリール及び置換アリールから成る群から選択される基である。R5 は、−NH2 ,−OH,−SH,−NH−アルキル、−NHR4 ,−NH−アルキレニル−R4 ,−O−アルキル、−O−アルキレニル−R4 ,−S−アルキル、及び−S−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基である。R6 は、−CN,−COOH,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)−ハロゲン、−C(O)NH2 ,−C(O)NH−アルキル、及び−C(O)NH−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基である。R7 は、O,NH、及びSから成る群から選択される基である。R8 は、N,O又はSである。
式(I)において、R2 及びR3 は、互いに独立に、アルキル及びアルキレニル−R10から成る群から選択され、ここでR10は、−OH,−OTs、ハロゲン、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される。あるいは、R2 及びR3 が一緒に複素環を形成し、場合によりこれは、アルキル、アルコキシ、OH,OTs、ハロゲン、アルキレニル−R10、カルボニル、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される少くとも1つの基によって置換される。式(I)の化合物において、1又は複数の当該水素、ハロゲン又は炭素原子が、場合により放射性標識物によって置換され得る。
好ましい態様では、本発明の方法は、式(II):
の化合物を哺乳動物組織に接触させることを含んで成る。ただし式(II)において、R2 及びR3 は前記定義通りであり、そしてR9 はアルキル、アリール又は置換アリール基である。
本文中の用語「アルキル」とは、飽和炭素原子及び水素原子から成る直鎖状又は分鎖状の一価の基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル及びヘキシルを指す。用語「アルキレニル」とは、アルキル基の二価類似体、すなわちメチレニル(−CH2 −)、エチレニル(−CH2 CH2 )などを指す。用語「アリール」とは単環又は多環式の置換又は未置換芳香族環を指す。
本文中の用語「低級アルキル」とは、1〜4個の飽和炭素原子及び水素原子を有する直鎖状又は分鎖状の一価の基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル及びt−ブチルを指す。
本文中の用語「複素環」とは、各々が飽和又は不飽和である3,4,5,6,7,8,9,10,11又は12個の環原子から成り、その中に、窒素、酸素及びイオウから選択される1,2,3,4又は5個のヘテロ原子を含んでいる非芳香族性の単環又は二環式の基を指す。これの非限定的な例には、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン及びそれらの誘導体がある。好ましくは、これらの複素環は、アルキル基又は置換アルキル基、例えば、前記のR4 において定義した通りの置換基を有するアルキル基によって置換される。
式(I)及び式(II)の化合物において、好ましくはR2 及びR3 は互いに独立にアルキルであり、より好ましくは低級アルキルである。式(II)の化合物において、好ましくはR9 は低級アルキル、より好ましくはメチル又はエチルであり、あるいはアリール又は置換アリールである。本発明において使用するために特に好ましい化合物は、2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−ジメチルアミノナフタレン(DDNP)及び2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(エチル)(メチル)(アミノ)−ナフタレンであり、両者は場合により放射性標識され得る。別の好ましい化合物、特にインビボでの使用に適する化合物は、2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−[18F]−フルオロエチル)−メチルアミノ)−ナフタレン([F−18]FDDNP)である。
本発明はまた、構造体、例えばβアミロイド斑及び神経原線維をインビトロ及びインビボで検出するための方法に関する。用語「構造体」とは、疾病症状の一部分として発生し得る、ペプチド及びその他の細胞性物質を含有する生物学的物質の凝集体を指す。用語「ペプチド」はタンパク質を含む。
前記化合物は、約470〜610nmの範囲に蛍光活性を有する。一例として、本発明により、脳組織のβアミロイド及び神経原線維変化を標識する。従ってインビトロでのアルツハイマー病の検出において、本化合物を脳組織に接触させ、そしてその脳組織を蛍光顕微鏡によって観察する。
インビボでの検出のために、好ましくは本化合物を放射性標識する。好ましい放射性標識物は、約2時間の半減期を有する18Fであり、これは陽電子射出断層撮影(PET)に用いられる。別の放射性標識物は放射性ヨウ素であり、例えば 123Iを単一光量子射出コンピュータ断層撮影(SPECT)に用いる。あるいは、半減期が比較的短いためにあまり望ましくはないが、その他の放射性標識物、例えば11C,13N及び15Oも用いられる。本化合物中の任意の原子を適当な放射性標識物によって置換し得る。当業者に周知の方法によって放射性標識することができる。例えば、K2 CO3 (0.75mg)及びKryptofix2.2.2TM(19mg)中の乾燥[F−18]フッ化物イオン[18O(p,n)18F]を、式(I)又は式(II)の化合物の溶液(4mg/1mL CH3 CN)に加える。この混合液を油浴中で85℃で約10〜40分間加熱する。冷却し、そして水で希釈した後、放射性標識された産物を、調製的HPLCによって精製することができる。Kryptofix2.2.2TMはクラウンエーテルであり、Aldrich Chemical Co. (Milwaukee, Wisconsin)から入手できる。
次に、前記の放射性標識された化合物を含有する溶液を患者に注射する。本文中の用語「患者」とは任意の哺乳動物、例えば人間、ラット、マウス、イヌ及びネコを指す。MRIスキャンを、例えばTelaマグネットを用いて行い、次にアミロイド−PET及びFDG(フルオロデオキシグルコース)−PET上にMRIスキャン像を重ね合わせることによって神経解剖学的領域を手動で決定することができる。PETの現在の解像度は2〜3分であり、PETにより脳内の放射性標識化合物の沈着を動力学的に決定し、そして異常な部位を検出することが可能となる。
前記方法により、βアミロイド斑及び神経原線維変化の集積を特徴とする疾病、例えばアルツハイマー病及び脳の悪化を伴うその他の疾病を検出することができる。
実施例
実施例1
下記の本発明の組成物を調製した。NMRスペクトルを、Bruker AM360WB又はDPX300分光計によって得た。 1H化学シフトを、内部標準としてのTMSから下流の領域で ppm単位で報告する。19F化学シフトを、外部のフルオロトリクロロメタンと比較して報告する。特に明記しない場合、溶剤として重水素クロロホルムを用いた。融点を電熱式融点測定機によって測定し、そして補正していない。Galbraith Laboratories, Inc., Knoxville, TN 又はMetka Kastelic氏、Ljubljana 大学、化学及び化学技術学部が元素分析を行った。Chromatotron (Harrison Research, 840 Moana Court, Pala Alto, CA 94306)によってラジアルクロマトグラフィーを行った。そのローターを、Harrison Research の説明通りにE.Merckシリカゲル(カタログ番号7749−3)を用いて調製した。Alltech Econosil C−18の5μm、4.6×250mmカラムにより、溶剤として40:60:2の水:アセトニトリル:トリエチルアミンの混合液を用いてHPLCを行った。254nmでUV検出を行った。溶剤及び試薬をFisher,Aldrich又はFlukaから入手し、そして特に明記しない限りそのまま用いた。
実施例1(a):2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−ジメチルアミノナフタレン(DDNP)の調製
新しく蒸留したヘキサメチルリン酸トリアミド29ml中のジメチルアミン5.26g(117mmol)の溶液に、乾燥トルエン31ml及び小片のLi 780mg(112mmol)を加えた。この混合液をアルゴン雰囲気下で室温で1.5時間撹拌した。Arsenijevic et al., Org. Synth. Coll. 1988, 6 : 34-36 の記載通りに2−アセチル−6−メトキシナフタレンを調製した。2−アセチル−6−メトキシナフタレン(5.57g、27.8mmol)を一度に加えて、そして20時間撹拌を続けた。この混合液を氷水浴中で冷却し、そして冷却した水/酢酸エチル混合液(各300mL)に注いだ。完全に混合した後、層を分離させ、そしてその水層を酢酸エチル225mlで2回抽出した。それらの有機抽出物を混合し、乾燥し、そして蒸発させ、そして黄色固体を得た。エタノールによる再結晶化により3.67g(64%)の2−アセチル−6−(ジメチルアミノ)ナフタレン(ADMAN)を黄色固体として得た。融点は153.5−155℃であった。 1H NMR(CDCl3 ,TMS)δ2.67(s,3H,COCH3 ),3.15(s,6H,N(CH32 ),6.87(d,1H,H−5),7.17(dd,1H,H−7),7.63(d,1H,H−4),7.80(d,1H,H−8),7.92(dd,1H,H−3),8.32(bs,1H,H−1),J1,3 =2.3Hz,J3,4 =8.7Hz,J5,7 =2.4Hz,J7,8 =9.3Hz.MS(M+ )213:実測:213.C1415NO計算:C,78.84:H,7.09;N,6.57.実測C,78.96;H,7.10;N,6.45。
マロニトリル(436mg、6.6mmol)及びADMAN(1.278g、6.6mmol)の混合液を、ピリジン20ml中で110℃で19時間加熱した。冷却後、残存した赤色固体を塩化メチレン100ml中に溶解し、新しいシリカゲル(230−400メッシュ)10g上に吸着させ、そしてトルエンでクロマトグラフィーした。適当な分画を混合し、蒸発させ、そして1.12g(72%)の2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−ジメチルアミノナフタレン(DDNP)を得た。ベンゼン−ヘキサンによる再結晶化により赤色針状結晶を得た。融点は154.5−155℃であった。 1H NMR(CDCl3 ,TMS)δ2.69(s,3H,CH3 ),3.11(s,6H,N(CH32 ),6.85(d,1H,H−5),7.18(dd,1H,H−7),7.56(dd,1H,H−3),7.66(d,1H,H−4),7.76(d,1H,H−8),8.02(d,1H,H−1).J1,3 =2.04Hz,J3,4 =9.13Hz,J5,7 =2.5Hz,J7,8 =9.11Hz.IR(CHCl3 )2250cm-1(CN stretching).MS(M+ )261:実測:262.C17153 計算:C,78.13:H,5.79;N,18.08.実測C,78.17;H,5.68;N,17.91。
実施例1(b):2−(1−{6[エチル−(2−{8−[4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル}エチル)−アミノ]−2−ナフチル}エチリデン)マロノニトリルの調製
還流冷却器及び滴下漏斗を備えた3Lの二首丸底フラスコ中で、塩酸(d=1.16)2Lを撹拌し、且つ加熱沸騰させた。最小量のジクロロメタン中の6.06g(30.3mmol)の1−(6−メトキシ−2−ナフチル)−1−エタノン(Arsenijevic et al., Org. Synth. Coll. 6 : 34 (1988)の記載通りに調製した)の溶液を加え、この混合液を撹拌し、且つ2時間還流温度で加熱した。油性残査を取り除くために、この熱い溶液をミネラルウールプラグに通して濾過した。冷却後に分離した固体をガラスフリット上に濾過し、そして酢酸エチル130mL中に溶かした。この溶液を塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、そして5g(89%)の1−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)−1−エタノンを得た。
1−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)エタノン(744mg、3.92mmol)、硫酸水素ナトリウム(IV)(1.66g、16mmol)、2−エチルアミノエタノール(2mL)及び水(5mL)の混合液を鋼製ボンベ中で130−140℃で3日間加熱した。冷却後、この混合液を水と酢酸エチルとに分配させ、その有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、そして蒸発させた。その残査をアセトン中に溶解し、ラジアルクロマトグラフィーのために4mmの乾燥シリカ板上に添加した。このシリカ板を、石油エーテルと酢酸エチルとの1:1混合液によって溶離させた。適当な分画を集めて、蒸発させ、そして125mg(12%)の1−{6−[エチル−(2−ヒドロキシルエチル)−アミノ]−2−ナフチル}エタノンを得た。
ピリジン(3.5mL)中の1−{6−[エチル−(2−ヒドロキシルエチル)−アミノ]−2−ナフチル}エタノン(125mg、0.486mmol)の溶液を−15℃に冷却し、そしてアルゴン雰囲気下で撹拌しながらp−トルエンスルホン酸無水物(252mg、0.81mmol)を加えた。この反応混合液をゆっくり室温まで暖め、そして24時間撹拌を続けた。TLC(シリカ、10%酢酸エチル/石油エーテル)分析により、出発材料が依然として存在することが分ったので、更にp−トルエンスルホン酸無水物(252mg、0.81mmol)を加え、そして更に24時間撹拌を続けた。次にこの混合液を氷水浴中で冷却し、そして塩水とエーテルとに分配させた。その有機層を乾燥し、蒸発させ、そして油性残査を得た。本産物6−アセチル−2−(エチル−2−[(4−メチルフェニル)−スルホニルオキシ]−エチルアミノ)−ナフタレンを、ラジアルクロマトグラフィー(1mmシリカ、ジクロロメタン)により収率30%で単離した。HRMS,C2325NO4 S計算:411.1504.実測:411.1514. 1H NMR δ1.25(t,3H,CH2 CH 3 ),2.33(s,3H,Ph−CH 3 ),2.67(s,3H,COCH3 ),3.49(q,2H,CH 2 CH3),3.75(t,2H,NCH 2 CH2 O),4.25(t,2H,NCH2 CH 2 O),6.97(d,1H,5−H),7.01(dd,1H,7−H),7.18及び7.20(d,2H,3’−H,5’−H),7.56(d,1H,4−H),7.69及び7.72(d,2H,2’−H,6’−H),7.75(d,1H,8−H),7.93(dd,1H,3−H),8.29(d,1H,1−H).J1,3 =1.6Hz,J2´,6=J3´,5=8.5Hz,J7,5 =2.5Hz,J7,8 =9.2Hz,J3,4 =8.7Hz,J(CH2CH3)=7.1Hz,J(NCH2CH2O)=6.2Hz。
水(2mL)中の水酸化ナトリウム(1g)及び硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム(VI)(50mg、0.15mmol)の溶液に、スピペロンケタール(8−3[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]プロピル−1−フェニル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−4−オン(U.S. Patent No. 3,839,342, Chem Abstr. 82 : 43416 、及びKiesewetter et al., Appl. Radiat, lsot. 37 : 1181 (1986)の記載通りに調製し得る)(15mg、0.034mmol)を加え、そして激しく撹拌した。10分後に、トルエン(3mL)中の6−アセチル−2−(エチル−2−[(4−メチルフェニル)−スルホニルオキシ−エチルアミノ)−ナフタレン(12mg、0.03mmol)を加え、この反応混合液を撹拌し、且つ90℃で1時間加熱した。冷却後、この反応混合液を水とジクロロメタンとに分配し、その有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、そして油性残査を得た。ラジアルクロマトグラフィー(1mmシリカ、2%メタノール/ジクロロメタン)により、収量5mg(25%)の1−[6−(エチル−2−[(8−3−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−プロピル−4−フェニル−2,4,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−エン−1−イル)−オキシ]−エチルアミノ)−2−ナフチル]1−エタノン(化合物A)及び11mg(56%)の1−[6−(エチル−[2−(8−3−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−プロピル−1−オキソ−4−フェニル−2,4,8−トリアザスピロ[4.5]デク−2−イル)−エチル]アミノ−2−ナフチル)−1−エタノン(化合物B)を得た。
化合物A−HRMS,C4147FN44 計算:678.3581.実測:678.3605. 1H NMR:δ1.45−2.24(m,11H、スピペロンCH2 ,CH2 CH 3 ),2.35−2.84(m,6H、スピペロン),2.65(s,3H,OCH3 ),3.59(q,2H,NCH 2 CH3 ),2.35−2.84(M,6H、スピペロン),2.65(s,3H,OCH3 ),3.59(q,2H,NCH 2 CH3 ),3.76 in 4.05(m,4H,OCH2 CH2 O),3.85(t,2H,NCH 2 CH2 O),4.52(t,2H,OCH 2 CH2 N),4.99(s,2H,NCH2 N),6.76−6.839m,3H、フェニル、フルオロフェニル),6.93(d,1H,5−H),6.95−7.04(M,2H、フェニル、フルオロフェニル),7.19(dd,1H,7−H),7.21−7.26(m,2H、フェニル、フルオロフェニル),7.39−7.45(m,2H、フェニル、フルオロフェニル),7.61(d,1H,4−H),7.78(d,1H,8−H),7.93(dd,1H,3−H),8.30(d,1H,1−H).J1,3 =1.5Hz,J5,7 =2.4Hz,J3,4 =9.5Hz,J7,8 =9.2Hz,J(CH2CH3)=7.1Hz,J(NCH2CH2O)=6.3Hz。
化合物B−HRMS,C4147FN44 計算:678.3581.実測:678.3603. 1H NMR:δ1.20−1.94(m,17H、スピペロンCH2 ,CH2 CH 3 ),2.66(s,3H,COCH3 ),3.56(q,2H,NCH 2 CH3 ),3.66及び4.02(m,4H,OCH2 CH2 O),3.71−3.81(m,4H,NCH2 CH2 N),4.68(s,2H,NCH2 N),6.82−6.90(m,2H、フェニル、フルオロフェニル),6.94(d,1H,5−H),6.98−7.04(m,2H、フェニル、フルオロフェニル),7.18(dd,1H,H−7),7.21−7.26(m,3H、フェニル、フルオロフェニル),7.39−7.45(m,2H、フェニル、フルオロフェニル),7.60(d,1H,4−H),7.78(d,1H,8−H),7.93(dd,1H,3−H),8.29(d,1H,1−H).J1,3 =1.6Hz,J3,4 =9.8Hz,J5,7 =2.4Hz,J7,8 =10.4Hz,J(CH2CH3)=7.1Hz。
ピリジン(3mL)中の1−[6−(エチル−[2−(8−3−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−プロピル−1−オキソ−4−フェニル−2,4,8−トリアザスピロ[4.5]デク−2−イル)−エチル]アミノ−2−ナフチル)−1−エタノン(13mg、0.018mmol)及びマロノニトリル(6mg、0.09mmol)を、アルゴン雰囲気下で85℃で24時間加熱した。室温真空下でピリジンを取り除いた後、その残査を塩水とジクロロメタンとに分配し、その有機層を乾燥し、そして蒸発させた。ラジアルクロマトグラフィー(1mmシリカ、2.5%メタノール/ジクロロメタン)により本産物2−[1−(6−エチル−[2−(8−3−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−プロピル−1−オキソ−4−フェニル−2,4,8−トリアゾアスピロ[4.5]デク−2−イル)−エチル]−アミノ−2−ナフチル)−エチリデン]−マロノニトリル(13.5mg、97%)を単離した。
HRMS,C4448FN63 (M+H)計算:727.37719.実測:727.3772. 1H NMR:δ1.25−1.93(m,17H、スピペロンCH2 ,CH2 CH 3 ),2.70(s,3H,C=C−CH3 ),3.57(q,2H,NCH2 CH3 ),3.64及び4.03(m,4H,OCH2 CH2 O),3.71−3.78(m,4H,NCH2 CH2 N),4.68(s,2H,NCH2 N),6.83−6.88(m,2H、フェニル、フルオロフェニル),6.94(d,1H,5−H),6.96−7.04(m,2H、フェニル、フルオロフェニル),7.18(dd,1H,H−7),7.21−7.25(m,3H、フェニル、フルオロフェニル),7.39−7.45(m,2H、フェニル、フルオロフェニル),7.56(dd,1H,3−H),7.63(d,1H,4−H),7.76(dd,1H,9−H),8.00(d,1H,1−H).J1,3 =1.9Hz,J3,4 =8.8Hz,J5,7 =2.4Hz,J7,8 =9.3Hz,J(CH2CH3)=7.1Hz。
メタノール(1mL)中の2−[1−(6−エチル−[2−(8−3−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−プロピル−1−オキソ−4−フェニル−2,4,8−トリアザスピロ[4.5]デク−2−イル)−エチル]−アミノ−2−ナフチル)−エチリデン]−マロノニトリル(13.5mg、0.0186mmol)を濃塩酸一滴と共に室温で3時間撹拌することによって、そのケタール保護基を取り除いた。この反応混合液をジクロロメタンで希釈し、そして重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄した。真空下で蒸発させた後、その残査をラジアルクロマトグラフィー(1mmシリカ、2%メタノール/ジクロロメタン)により精製して、10mg(79%)の2−(1−6[エチル−(2−8−[4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−1−オキソ−4−フェニル−2,4,8−トリアザスピロ[4.5]デク−2−イルエチル)−アミノ]−2−ナフチルエチリデン)−マロニトリルを得た。FAB MS,C4244FN62 (M+H)計算:683.35.実測683. 1H NMR:δ1.21−3.02(m,17H、スピペロンCH2 ,CH3 ),2.71(s,3H,C=C−CH3 ),3.56(q,2H,NCH 2 CH3 ),3.69(m,4H,NCH2 CH2 N),4.67(s,2H,NCH2 N),6.79−7.23(m,7H、フェニル、フルオロフェニル),6.95(d,1H,5−H),5.19(dd,1H,7−H),7.56(dd,1H,3−H),7.65(d,1H,4−H),7.76(d,1H,8−H),7.97−8.04(m,3H、フルオロフェニル、1−H).J1,3 =1.9Hz,J3,4 =8.8Hz,J5,7 =2.5Hz,J7,8 =9.1Hz,J(CH2CH3)=7.1Hz。
実施例1(c):2−(1−6−[4−(8−[4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−1−オキソ−4−フェニル−2,4,8−トリアザスピロ[4.5]−デク−2−イルメチル)−ピペリジノ]−2−ナフチルエチリデン)−マロノニトリル
1−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)−1−エタノン(653mg、3.5mmol)(実施例1(b)の記載通りに調製した)、硫酸水素ナトリウム(IV)(1.6g、15.5mmol)、4−ピペリジルメタノール(2g、17.6mmol)(Bradbury et al., J. Med. Chem. 34 : 1073 (1991)の記載通りに調製した)、及び水(6mL)を鋼製ボンベ内で135−142℃で16日間加熱した。冷却後、この反応混合液を酢酸エチルで抽出した。その残査内にいくつかの産物が依然として存在したので、それを更に5%メタノール/ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を混合し、乾燥し、そして蒸発させた。その残査をラジアルクロマトグラフィー(2mmシリカ、2%メタノール/ジクロロメタン)にかけ、139mg(14%)の1−6−[(4−ヒドロキシメチル)−ピペリジノ]−2−ナフチル−1−エタノンを得た。酢酸エチルによる再結晶化の後、本化合物の融点は180−182℃であった。 1H NMR:δ1.44(dddd,2H,3’a−H,5’a−H),1.76(m,1H,4’a−H),1.91(bd,2H,3’e−H,5’c−H),2.68(s,3H,COCH3 ),2.89(ddd,2H,2’a−H,6’a−H),3.58(d,2H,OCH2 ),3.94(bd,2H,2’e−H,6’e−H),7.10(d,1H,5−H),7.32(dd,1H,7−H),7.66(d,1H,4−H),7.80(d,1H,8−H),7.94(dd,1H,3−H),8.32(d,1H,1−H)J3´a,3´e =J5´a,5´e =12.5Hz,J2´a,3´a =J6´a,5´a =12.5Hz,J3´a,4´a =J5´a,4´a =12.5Hz,J2´e,3´a =J6´e,5´a =4.0Hz,J2´a,2´c =J6´a,6´e =12.5Hz,J2´a,3´e =J6´a,5e=2.6Hz,J4a,OCH2 =6.4Hz,J1,3 =1.9Hz,J3,4 =8.9Hz,J5,7 =2.3Hz,J7,8 =9.0Hz。
ピリジン(3mL)中の1−6−[(4−ヒドロキシメチル)−ピペリジノ]−2−ナフチル−1−エタノン(59mg、0.2mmol)を−15℃に冷却し、そしてp−トルエンスルホン酸無水物(205mg、0.6mmol)を、アルゴン雰囲気下で撹拌しながら、加えた。この反応混合液を、1時間でゆっくりと室温まで温めた。それを再び冷却し、そして塩水とエーテルとに分配した。その有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、そして83mg(91%)の未精製の1−(6−アセチル−2−ナフチル)−4−[(4−メチルフェニル)−スルホニルオキシ]−メチルピペリジンを得た。
水(2mL)中の水酸化ナトリウム(1g)及び硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム(VI)(50mg、0.15mmol)の溶液に、スピペロンケタール(100mg、0.2mmol)を加え、そして激しく撹拌した。10分後に、トルエン(10mL)中の1−(6−アセチル−2−ナフチル)−4−[(4−メチルフェニル)−スルホニルオキシ]−メチルピペリジン(98mg、0.2mmol)を加え、この反応混合液を室温で11日間撹拌した。この反応混合液を塩水とジクロロメタンとに分配し、その有機層を乾燥し、蒸発させ、そして190mgの油性残査を得た。ラジアルクロマトグラフィー(1mmシリカ、ジクロロメタン、次に2%メタノール/ジクロロメタン)により、27mg(17%)の1−[6−(4−[(8−3−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−プロピル−4−フェニル−2,4,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−エン−1−イル)−オキシル−メチルピペリジノ)−2−ナフチル]−1−エタノン(化合物3)及び92mg(58%)の1−(6−4−[(8−3−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−プロピル−1−オキソ−4−フェニル−2,4,8−トリアザスピロ[4.5]デク−2−イル)−メチル]−ピペリジノ−2−ナフチル)−1−エタノン(化合物4)を得た。
化合物3:HRMS,C4349FN4O4 計算:704.3738.実測:704.3760. 1H NMR δ1.46−1.90(m,10H,3’a−H,5’a−H,3’e−H,5’e−H、スピペロン),1.88(m,1H,4’a−H),2.15及び2.38(b,4H、スピペロン),2.67(s,3H,COCH3 ),2.80(m,4H、スピペロン),2.95(m,2H,2’a−H,6’a−H),3.75(m,2H,OCH2 CH2 O),3.87(m,2H,2’e−H,6’e−H),3.92(m,2H,OCH2 CH2 O),4.19(d,2H,OCH2 ),4.97(s,2H,NCH2 N),6.7−6.9(m,3H,Ph),7.01(m,2H,Ph),7.11(d,1H,5−H),7.23(m,2H,Ph),7.32(dd,1H,7−H),7.41(m,2H,Ph),7.66(d,1H,4−H),7.81(d,1H,8−H),7.95(dd,1H,3−H),8.32(d 1H,1−H),J2´a,2´e =J6´a,6´e =12.4Hz,J2´a,3´e =J6´a,5´e =2.6Hz,J4´a,OCH2=6.1Hz,J1,3 =.1Hz,J=3,4 =8.8Hz,J5,7 =2.1Hz,J7,8 =9.1Hz。
化合物4:HRMS,C4349FN44 計算:704.3738.実測:704.3710. 1H NMR δ1.50(dddd,2H,3’a−H,5’a−H),1.55−1.70(m,4H、スピペロン),1.84(bd,2H,3’e−H,5’e−H),1.92(m,2H、スピペロン),1.98(m,1H,4’a−H),2.42(m,2H、スピペロン),2.67(s,3H,COCH1 ),2.69(m,2H、スピペロン),2.83(m,4H、スピペロン),2.88(m,2H,2’a−H,6’a−H),3.35(d,2H,4’−CH2 N),3.75(m,2H,OCH2 CH2 O),3.92(bd,2H,2’e−H,6’e−H),4.02(m,2H,OCH2 CH2 O),4.71(s,2H,NCH2 N),6.88(m,1H,Ph),6.91(m,2H,Ph),7.01(m,2H,Ph),7.08(bs,1H,5−H),7.27(m,3H,7−H,Ph),7.43(m,2H,Ph),7.65(d,1H,4−H),7.79(d,1H,8−H),7.94(dd,1H,3−H),8.32(bs,1H,1−H),J3´a,3´e =J5´a,5´e =12.4Hz,J2´a,3´a =12.5Hz,J2´a,2e=J6´a,6´e =12.8Hz,J2´a,3´e =J6´a,5´e =2.4Hz,J4´a,4´−CH2 N=7.3Hz,J1,3 =1.9Hz,J3,4 =8.8Hz,J5,7 =2.1Hz,J7,8 =9.2Hz。
2−[1−(6−エチル−[2−(8−3−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−プロピル−1−オキソ−4−フェニル−2,4,8−トリアゾアスピロ[4.5]デク−2−イル)−エチル]−アミノ−2−ナフチル)−エチリデン]−マロニトリルの合成のために実施例1(b)に記載の方法を用いて、1−(6−4−[(8−3−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−プロピル−1−オキソ−4−フェニル−2,4,8−トリアザスピロ[4.5]デク−2−イル)−メチル]−ピペリジノ−2−ナフチル)−1−エタノンを、2−[1−(6−4−[(8−3−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−プロピル−1−オキソ−4−フェニル−2,4,8−トリアザスピロ[4.5]デク−2−イル)−メチル]−ピペリジノ−2−ナフチル)−エチリデン]マロニトリルに変換した。これを、1mmシリカ上で溶剤として2%MeOH/CH2 Cl2 を用いたラジアルクロマトグラフィーによって精製した。FAB HRMS,C4650FN63 (M+H)計算:753.3928.実測:753.3940. 1H NMR δ1.60−2.1(m,11H、スピペロン、3’a−H,3’e−H,4’a−H,5’a−H,5’e−H),2.40(m,2H、スピペロン),2.71(s,3H,C=CCH3 ),2.60−2.80(m,6H、スピペロン),2.91(m,2H,2’a−H,6’a−H),3.37(d,2H,4’−CH2N),3.75(m,2H,OCH2 CH2 O),3.94(bd,2H,2’e−H,6’e−H),4.02(m,2H,OCH2 CH2 O),4.72(s,2H,NCH2 N),6.85−6.95(m,3H,Ph),7.01(m,2H、フルオロフェニル),7.07(d,1H,5−H),7.31(m,3H,7−H,Ph),7.41(m,2H、フルオロフェニル),7.56(dd,1H,3−H),7.69(d,1H,4−H),7.77(d,1H,8−H),8.01(d,1H,1−H),J2´a,3´a =J5´a,6´a =12.8Hz,J2´a,2´e =J6´a,6´e =12.8Hz,J4´a,4´-CH2N =7.6Hz,J1,3 =1.8Hz,J3,4 =8.6Hz,J5,7 =2.2Hz,J7,8 =9.4Hz,J2´a,3´e =J5´e,6´a =1.8Hz,JH,F =8.7及び6.2Hz。
実施例1(b)の記載通りにケタール保護基を取り除いて、定量的な収率で2−(1−6−[4−(8−[4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−1−オキソ−4−フェニル−2,4,8−トリアザスピロ[4.5]−デク−2−イルメチル)−ピペリジノ]−2−ナフチルエチリデン)−マロノニトリルを得た。FAB HRMS,C4446FN62 (M+H)計算:709.3666.実測:709.3689. 1H NMR δ1.60−2.1(m,11H、スピペロン、3’a−H,3’e−H,4’a−H,5’a−H,5’e−H),2.5−2.71(m,4H、スピペロン),2.73(s,3H,C=C−CH3 ),2.8−3.1(m,6H、スピペロン,2’a−H,6’a−H),3.38(d,2H,4’−CH2 N),3.96(bd,2H,2’e−H,6’e−H),4.74(s,2H,NCH2 N),6.91(m,3H、フェニル),7.1(d,1H,5−H),7.15(m,2H、フルオロフェニル),7.24−7.30(m,2H,Ph),7.34(dd,1H,7−H),7.58(dd,1H,3−H)7.72(d,1H,4−H),7.79(d,1H,8−H),8.01−8.08(m,3H、フルオロフェニル、1−H).J1,3 =2.0Hz,J3,4 =8.6Hz,J5,7 =2.4Hz,J7,8 =9.2Hz,J4´a,4´-CH2N =7.4Hz,J2´a,2´e =J6´a,6´e =13.0Hz,J2´a,3´a =J5´a,6´a =12.5Hz,J2´a,3´e =J5´e,6´a =1.9Hz,JH,F =8.7及び6.2Hz。
実施例1(d):tert−ブチル−4−(6−アセチル−2−ナフチル)−1−ピペラジンカルボキシレートの調製
無水ピペラジン(7g、81.3mmol;真空デジケーター中でKOH−ドライエライト混合物上で3日間乾燥した)を、新しく蒸留した乾燥トルエン及びヘキサメチルリン酸アミド(HMPA)、各25mlの混合液中に溶解した。アルゴン雰囲気下でこの溶液に、556mg(80.1mmol)の小片に切断したリチウム棒を加え、その混合液を、全てのリチウムが溶解するまで、アルゴン雰囲気下で24時間撹拌した。真空乾燥した1−(6−メトキシ−2−ナフチル)−1−エタノン(Arsenijevic et al., Org. Synth. Coll. 1988 6 : 34-36の記載通りに調製した)(3.5g、17.5mmol)を加え、更に65時間撹拌を続けた。水300mLで希釈した後、ジクロロメタン(3×300mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させて、白色固体と黄色固体の混合物を得た。温メタノール300mLでの抽出により未精製産物1−(6−ピペラジノ−2−ナフチル)−1−エタノンを得て、これをカラムクロマトグラフィー(70−230メッシュシリカ、25×120mm、5%メタノール/ジクロロメタン)により精製した。収量は1.54g(35%)であった。酢酸エチルによる再結晶化の後、本試料の融点は170.5−172℃であった。
1−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)−1−エタノン(実施例1(b)の記載通りに調製した)(441mg、2.36mmol)を、140−150℃で、6gのピペラジン水和物(30.9mmol)及び244mg(2.35mmol)のNaHSO3 と共に24時間加熱することにより、1−(6−ピペラジノ−2−ナフチル)−1−エタノンも調製した。更に重亜硫酸ナトリウム(2g、19.2mmol)を加えた。更に24時間後に、更に重亜硫酸塩(1g)を加え、そして加熱を続けた(合計反応時間72時間)。冷却後、この混合液を50mlメタノールで2回抽出した。メタノールを蒸発させた後、その残査を50mlの水に懸濁し、そして酢酸エチル(5×80mL)で抽出した。混合した抽出液を乾燥し(硫酸マグネシウム)、そして蒸発させて、430mgの黄色固体を得た。ラジアルクロマトグラフィー(4mmシリカ、メタノール)により83mg(19%)の出発材料のナフトール及び276mg(46%;未回収出発材料に基づくと56%)の1−(6−ピペラジノ−2−ナフチル)−1−エタノンを得た。この1−(6−ピペラジノ−2−ナフチル)−1−エタノンは、全ての点で、前記の代替方法を用いて得た本化合物と同一であった。分析、C16182 O計算:C,75.56;H,7.13;N,11.01.実測:C,75.82;H,7.27;N,10.92. 1H NMR:δ2.68(s,3H,CH3 ),3.09及び3.35(t,J=4.95Hz,8H、ピペラジン),7.10(d,1H,5−H),7.31(dd,1H,7−H),7.69(d,1H,4−H),7.83(d,1H,8−H),7.95(d,1H,3−H),8.34(s,1H,1−H);J5,7 =2Hz,J7,8 =8.4Hz,J1,3 =2Hz,J3,4 =8.4Hz。
1−(6−ピペラジノ−2−ナフチル)−1−エタノン(254mg、1mmol)を、1gのNaOH、100mgの硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム、2mLの水及び6mLのトルエンの撹拌混合液に加え、次に230mg(1.05mmol)の重炭酸ジ−tert−ブチルの溶液を加えた。この反応の経過をTLC(シリカ、5%メタノール/ジクロロメタン)によって追跡した。全ての出発材料が反応し終るまで10分毎に前記重炭酸塩を追加した。合計約1.5等量を用いた。水及びジクロロメタン(各60ml)の混合液を加え、完全に撹拌した後、層分離させた。その水層を、追加したジクロロメタン30mlによって抽出した。混合した有機抽出液を無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。この間、その溶液の色がピンクから淡黄色に変化した。真空下の蒸発により295mg(83%)のtert−ブチル−4−(6−アセチル−2−ナフチル)−1−ピペラジンカルボキシレートを得て、これをジクロロメタン−石油エーテル混合液により再結晶化した。融点は153−154℃であった。分析、C212623 計算:C,71.16;H,7.39;N,7.90.実測:C,71.27;H,7.60;N,7.86. 1H NMR:δ1.50(s,9H,−C(CH33 ),2.68(s,3H,CH3 ),3.33及び3.64(t,J=4.9Hz,8H、ピペラジン),7.10(d,1H,5−H),7.31(dd,1H,7−H),7.70(d,1H,4−H),7.85(d,1H,8−H),7.97(d,1H,3−H),8.35(d,1H,1−H);J5,7 =2Hz,J7,8 =9Hz,J3,4 =8.7Hz。
実施例1(e):2−[1−(6−ピペラジノ−2−ナフチル)エチリデン]マロノニトリルの調製
実施例1(d)の記載通りに調製したtert−ブチル−4−(6−アセチル−2−ナフチル)−1−ピペラジンカルボキシレート(177mg、0.5mmol)を、ピリジン4mL中の40mg(0.6mmol)のマロノニトリルと共に105−110℃で加熱した。5.5時間後、更に24mgのマロノニトリルを加え、合計12時40分間加熱を続けた。この混合液を冷却し、そして真空下で蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(70−230メッシュシリカ、φ20×120mm、クロロホルム)によって混合液中の極性成分を取り除き、最終的にラジアルクロマトグラフィー(シリカ、2mm、クロロホルム)によって本産物tert−ブチル−4−[6−(2,2−ジシアノ−1−メチルビニル)−2−ナフチル]−1−ピペラジンカルボキシレートを精製した。155mg(77%)のtert−ブチル−4−[6−(2,2−ジシアノ−1−メチルビニル)−2−ナフチル]−1−ピペラジンカルボキシレートを得て、これをジクロロメタン−石油エーテル混合液により再結晶化した。融点は169−171℃であった。分析、C242642 計算:C,71.62;H,6.51;N,13.92.実測:C,71.62;H,6.66;N,13.87. 1H NMR:δ1.50(s,9H,−C(CH33 ),2.72(s,3H,CH3 ),3.34及び3.64(t,J=5.1Hz,8H、ピペラジン),7.09(d,1H,5−H),7.33(dd,1H,7−H),7.58(dd,1H,3−H),7.74(d,1H,4−H),7.81(d,1H,8−H),8.02(d,1H,1−H);J5,7 =2Hz,J7,8 =9.1Hz,J1,3 =2Hz,J3,4 =9.1Hz。
tert−ブチル−4−[6−(2,2−ジシアノ−1−メチルビニル)−2−ナフチル]−1−ピペラジンカルボキシレートを室温でTFA(トリフルオロ酢酸)によって処理した場合、TLC分析から、その反応が5分間で終了し、単一産物2−[1−(6−ピペラジノ−2−ナフチル)エチリデン]マロノニトリルが生じたことが分かった。室温真空下でTFAを取り除いた。 1H NMR:δ2.72(s,3H,CH3 ),3.50及び3.63(broad,8H、ピペラジン),7.18(broad s,1H,5−H),7.29(d,1H,7−H),7.59(d,1H,3−H),7.79(d,1H,4−H),7.87(d,1H,8−H),8.04(s,1H,1−H),9.0(broad,1.5H,NH及び酸);J7,8 =8.8Hz,J3,4 =8.4Hz.19F NMR:δ−76.2(CF3 COO)。
その残査のNMR分析から、tert−ブチルオキシカルボニル基が除かれたこと、そしていくらかのTFAが残存したことが分った(19F NMR)。ジクロロメタン(10mL)を加え、この溶液を飽和NaHCO3 溶液で洗浄し、乾燥し、そして真空下で蒸発させた。淡黄色の油が得られたが、室温で放置したことにより暗赤色に変化した。TLC分析から、この色の変化は、2−[1−(6−ピペラジノ−2−ナフチル)エチリデン]マロノニトリルがいくつかの産物に分解したことによることが分かった。最も強いスポットが低Rfの赤−橙のスポットであった。中和後の選択された 1H NMRシグナル:δ2.72(s,3H,CH3 ),3.09及び3.35(t,J=5Hz,8H、ピペラジン),7.08(s,1H,5−H),8.02(s,1H,1−H)。
実施例1(f):2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−[ 18 F]−フルオロエチル)−メチルアミノ)−ナフタレン([F−18]FDDNP)の調製
4.15g(55.5mmol)のNaHSO3 、3mLの水、0.78g(4.19mmol)の1−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)−1−エタノン(実施例1(b)の記載通りに調製した)、及び8mLの2−メチルアミノエタノールの混合液を、鋼製ボンベ内で140℃で28時間加熱及び撹拌した。冷却後、この混合液を酢酸エチルと水(各々500mL及び200mL)とに分配した。その有機層を乾燥し、そして蒸発して、未精製の1−(6−(2−ヒドロキシエチル−メチルアミノ)−2−ナフチル)−1−エタノン(0.749g、73%)を得た。これを更にラジアルクロマトグラフィー(4mm SiO2 ,CH2 Cl2 )により精製した。
ピリジン(6mL)中の201mg(0.83mmol)の1−(6−2−ヒドロキシエチル−メチルアミノ−2−ナフチル)−1−エタノンの溶液にマロノニトリル(236mg、3.6mmol)を加え、この混合液を24時間95℃で加熱した。真空下でこの溶媒を取り除き、その残査をラジアルクロマトグラフィー(4mm SiO2 、1% MeOH/CH2 Cl2 )にかけ、そして150mg(73%)の2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−2−ヒドロキシエチル)−メチル−アミノ)−ナフタレンを得た。
ピリジン(5mL)中の2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−メチルアミノ)−ナフタレン(120mg、0.41mmol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸無水物(441mg、1.35mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、真空下でピリジンを取り除き、その残査をラジアルクロマトグラフィー(2mm SiO2 ,CH2 Cl2 )にかけ、そして183mg(80%)の2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−トシルオキシエチル)−メチルアミノ−ナフタレンを得た。
サイクロトロンから得た放射性18F−フッ化物528.5mCi を、水50μL及びアセトニトリル300μL中の19mg Kryptofix2.2.2及び0.75mg炭酸カリウムの溶液に移した。115℃で窒素ガス流中で水を取り除き、次にアセトニトリルによる共蒸留を行った(3×200μL)。アセトニトリル1mL中の本トシレート(2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−トシルオキシエチル)−メチルアミノ)−ナフタレン、4mg)を加え、この混合液を85−86℃で20分間加熱した。冷却後、水1mLを加え、この混合液をC−18 Sep−Pakカートリッジ上に添加し、蒸留水で洗浄し(3×4mL)、そしてCH2 Cl2 で溶出した。硫酸ナトリウムを充填したカラムに通過させることによって溶出液を脱水化し、そしてHPLCカラム(Whatman Partisil Silica 10, 500×10mm, mL/min, CH2Cl2:ヘキサン=7:3、254nmのUV検出器、放射線検出器)に添加した。溶出液を集め、適当な分画を混合し、真空下で蒸発させ、そして50.7mCi (17%、崩壊に基づく補正済)の表題化合物を得た。これを注射用に製剤化した。この合成は50分間で完了した。
実施例2
下記の方法により、脳組織切片及びラット脳を用いて、βアミロイド斑のインビトロ及びインビボでの標識及び検出を行った。
100%エタノール中で8mMに成る様に、2.1mg/mLのDDNP保存溶液を調製した。この保存溶液を蒸留水により1:100〜1000(保存液:蒸留水)の割合に希釈することにより、DDNP作業溶液を調製した。
βアミロイド250μM(1.25mg/mL蒸留水)を37℃で48時間凝集させた。その5μLをスライド上に塗り、空気乾燥し、そして蒸留水で再水和化した。あるいは、Aβ陽性脳組織切片を蒸留水により再水和化した。各スライドにDDNP作業溶液を添加し、室温で30分間放置した。このスライドを蒸留水により5分間3回洗浄した。蛍光保護性マウント剤(VectashieldTM.Vector Labs.,Burlingame,California)を添加したスライドにカバーグラスを被せて、これを、チオフラビンS又はFITC用フィルターを付けた蛍光顕微鏡により観察した。
原線維を作るために、βアミロイド250μM(1.25mg/mL蒸留水)を37℃で48時間凝集させ、そしてこれを塗布により確認した。3匹のラットを麻酔した。Aβ原線維の溶液(1.25μg/μL)3μLを各ラットの大脳皮質の片側に注射した。(Bregma 0,AP−4.1mm,ML+2.0mm,DV−3.1mm)。次にリン酸緩衝食塩水(PBS)3μLを、コントロールとして各ラット脳の反対側に注射した。注射後、逆流を防ぐために5分間針をそのまま放置した。次にその頭蓋の孔を骨油で密閉した。ラット脳へのβアミロイド注射後8日目に、DDNP保存溶液を1.5%BSA/PBS,pH7.2溶液中に希釈することにより調製したDDNP作業溶液(320μM)10μLをラットに注射した。
1時間後、このラットをPLP固定液(4%パラホルムアルデヒド、1%リシン/0.05Mリン酸緩衝液、pH7.4)により心臓潅流した。更にラット脳をPLP固定液に4℃で一晩浸けることにより固定した。このラット脳をPBSで洗浄し、そして10%、次に20%のスクロース中で飽和させ、そして液体窒素で冷却したイソペンテン(−70°)中でスナップ凍結した。注射針の跡の周辺の脳からクライオスタット内で切片を作成し、これをグリセロール及び蛍光保護剤(VectashieldTM)と共にカバーグラスで直接被った。この脳切片を蛍光顕微鏡で観察した。
図1A〜1Fは、AD患者及びトランスジェニックマウスの脳の切片上の標識されたアミロイド斑を示し、これからDDNPがアミロイド斑を標識できることが証明された。図2A〜2Eは、標識されたβアミロイド斑を示し、これからDDNPがラットにおいて脳血液関門を通過することが証明された。
AD脳組織のクライオスタット切片及びパラフィン切片において、DDNPは、チオフラビンSと同レベルの感受性で容易にアミロイド沈着を標識することが分かった。DDNPの使用は、チオフラビンSと比べていくつかの利点を有する。すなわち、DDNPの使用は、前処理を必要とせず、そしてチオフラビンSの場合と異なり、最小限の洗浄で機能し、且つホルマリン又はパラホルムアルデヒド固定あるいは組織の弁別なしに機能する。保存溶液を6か月間冷凍庫で保存でき、しかもなお1/100〜1/1000の希釈時に容認できる結果を生じる。チオフラビンS標識には必要である新しい保存溶液の作成を省くことができる。
実施例3
下記の方法により、インビボで人間のβアミロイド斑及び神経原線維変化を標識した。
脳の動態PET像を得るために、患者を断層撮影機内に配置した。実施例1(f)の記載通りに調製した8.0mCi の2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−[18F]−フルオロエチル)−メチルアミノ)−ナフタレン([F18]FDDNP)(比活性:5−12Ci/μmol ;量:〜1nmol)を、その患者の腕に静脈注射した。同時に47個の脳平面の動態像を2時間記録した。
[F−18]FDDNPは容易に脳血液関門を通過し、βアミロイド斑及び神経原線維変化の存在に一致した通りに、脳構造を標識することが分かった。予め脳内の萎縮を観察するために、当患者に18F−フルオロデオキシグルコース(FDG)/陽電子射出断層撮影(PET)スキャン並びにMRIスキャンを行った。MRIスキャンにより最大の萎縮が観察された領域(下部側頭葉及び頭頂葉)において、[F−18]FDDNF標識の最大集積が観察された。これらの領域では、低グルコース代謝もまた観察された(FDG/PETスキャンによる測定)。
実施例4
下記の方法によって、インビボで人間のβアミロイド斑及び神経原線維変化を標識及び検出した。合計10人の人間、7人のアルツハイマー病患者(71〜80才)及び3人の対照患者(62〜82才)を調べた。眼窩道ラインに平行に平面画像化するEXACTHR+962断層撮影機(Siemens−CTI,Knoxville,Tennessee)内に、これらの患者を背臥状態で配置した。静脈カテーテルの導入を行い、その静脈カテーテルを介して[F−18]FDDNP(5−10mCi)/ヒト血清アルブミン(25%)を一度に投与した。以下のスキャン行程:6回30秒スキャン、4回3分スキャン、5回10分スキャン、及び3回20分スキャンによって、[F−18]FDDNP投与後即座に開始して、連続射出スキャンを行った。入力機能の測定及び血漿中代謝物の分析のために2人の患者において、内在カテーテルを介して静脈血液サンプルを急速採取した。
図3Aは、海馬−扁桃−嗅内皮質/側頭皮質領域を通過する脳横断面におけるPET−[F−18]FDDNP(2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−[18F]−フルオロエチル)−メチルアミノ)−ナフタレン)像を示す。この像は、[F−18]FDDNP注射後30〜60分に得たスキャンデータから再構成された。また図3B及び3Cでは、各々グルコース代謝及び横断面上の解剖学的構造に関する情報を提供するために、患者のPET−FDG(FDGは2−[F−18]フルオロ−2−デオキシ−D−グルコースである)像及びMRI(プロトン緩和時間)像を各々重ねて表示した。正中側頭領域において、[F−18]FDDNFスキャンでは明かにより暗く(清掃がより遅い)、そしてFDGスキャンではより明るい(グルコース代謝がより低い)。
図4は、アルツハイマー病患者における[F−18]FDDNPの概算滞留時間が、対照患者の値と異なることを示す。この滞留時間は、アルツハイマー病症状との関与が制限されていることが知られている脳橋での滞留時間を基準にしている。この滞留時間を、病変した注目領域(ROI)及び脳橋における本トレーサーの清掃速度から以下の通りに計算した。
滞留時間=[1/病変ROIの清掃速度]−[1/脳橋の清掃速度]
嗅内皮質、海馬、側頭皮質及び橋において個別の領域を選択した。図4に示した滞留時間の計算において、最も遅い清掃速度を有する領域を、病変ROIとして用いた。
静脈注射後、[F−18]FDDNPは、血流に比例して容易に脳血液関門を通過することが分かった。放射活性が集積した後、[F−18]FDDNPは、領域毎に異なって清掃される。βアミロイド斑及び神経原線維変化が集積することが確実である脳領域、特に海馬−扁桃−嗅内皮質において、そしてより進行した病症状段階では側頭皮質及び頭頂皮質において、より低速な清掃が認められた。また前記患者においてPETにより測定したrCMRGlは、予想されたβアミロイド斑負荷及び潜在的な神経原線維変化の存在と一致した。前記患者において低グルコース代謝を示した脳領域は、一般に[F−18]FDDNPの高保持領域と一致した。大部分の症例で、軽症の患者においてさえも、海馬−扁桃−嗅内皮質は、放射活性([F−18]FDDNP)の高保持を示した。正常な82才の老被験者は、図4に示した通り、[F−18]FDDNPを用いたPET検査において、海馬−扁桃−嗅内皮質に放射活性の沈着を示し、そしてFDG測定において同領域に低rCMRGlを示した。これらの結果は、明らかな痴呆症状を有さない老齢者が、嗅内皮質の第二層の神経細胞における神経原線維性病症状及び海馬体における斑を有し得るという観察と一致する。症状の重症度が増加すれば常に、側頭、頭頂又は前頭皮質における放射活性の保持の増加、及びそこからの清掃の低下が認められ、これらは、前記領域における予想されたAβ及び神経原線維変化と一致した。
またアルツハイマー病患者の脳標本におけるインビトロでの[F−18]FDDNPのオートラジオグラフィーから、βアミロイド斑及び神経原線維変化の存在に一致した放射活性の分布が示された。その結合は、海馬、側頭皮質及び頭頂皮質において観察され、これは、Aβ抗体及びタウ抗体による免疫染色の結果と一致した。また、DDNP及びその誘導体は蛍光性であるので、インビトロでβアミロイド斑及び神経原線維変化を標識する[F−18]FDDNPの能力を、同一の脳標本を用いて評価した。アルツハイマー病の全ての脳標本において、DDNP及び[F−18]FDDNPの両方により、神経原線維変化、アミロイドペプチド、及びび慢性アミロイドが優秀に視覚化され、それらは、同一試料におけるチオフラビンSによる結果と一致した。
図5では、アルツハイマー病患者の側頭皮質のクライオスタットによる45μm切片を、AT8(抗リン酸化タウ抗体)及び10G4(抗Aβ1−15抗体)により1:800希釈で免疫染色することによって、中央の像を得た。挿入図は、FDDNPにより染色した同じアルツハイマー病脳標本の隣接切片である。これらの像を、蛍光スキャン顕微鏡により得た。緑矢印は、免疫染色した中央の切片と比較して挿入図の大体の起源を示す。左上の角から時計まわりに、各挿入図は(1)神経炎性斑、(2)び慢性斑、(3)血管性アミロイド、(4)濃密な斑及び原線維変化、並びに(5)濃密な原線維変化を示す。
より広い観点での本発明は、本文の記載内容に限定されない。本発明の原理から逸脱することなく、そして主要な利点を犠牲にすることなく本発明の改変を行うことができる。
本発明の特徴及び利点をよりよく説明するために以下の図を示す。
図1Aは、アルツハイマー病患者の脳皮質において標識されたアミロイド斑の2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−ジメチルアミノナフタレン(DDNF)の蛍光を示す(励起490nm、放射520−530nm)(×400)。 図1Bは、アルツハイマー病患者の脳皮質におけるDDNPによる斑の強い標識と、原線維変化の弱い標識を示す(×640)。 図1Cは、人間の脳におけるアミロイドコアを有する単一の大きな斑のDDNPによる標識を示す(×640)。 図1Dは、エージェントTg2576 HuAPPswトランジェニックマウスの脳におけるDDNPによる標識を示す(×500)。 図1Eは、アルツハイマー病患者の脳におけるコア化斑のチオフラビンSによる標識を示す(×640)。 図1Fは、図1Eと同一患者の脳スライスにおけるアミロイドβタンパク質の4G8抗体による標識を示す(×640)。 図2Aは、ラット脳に注射されたアミロイドの標識を示す。この場合、一定量のβアミロイド1−40を37℃で8日間凝集させ、ゲラチンでコーティングしたスライド上で乾燥し、そしてDDNPで標識した。これから、アミロイドに一致した原線維の蛍光が示めされた。 図2Bは、ラット脳に注射されたアミロイドの標識を示す。この場合、凝集させた3μgのβアミロイド1−40をラット脳皮質の片側の定位に注射し、その8日後にそのラットの頸動脈に100μLの640μMのDDNPを注射した。このラットを麻酔し、20分間潅流を行った。その脳からクライオスタットで切片を作成し、そして蛍光の観察を行った。図2Bは、注射針跡の先端部でインビボでDDNPにより蛍光標識されたアミロイドを示す(×100)。 図2Cは、図2Bに示したインビボでDDNPにより標識されたものの高倍率像(×200)を示す。 図2Dは、前記の注射部位を通過する切片をギ酸処理することによってどの程度蛍光標識が除かれるかを示す(×100)。 図2Eは、アミロイド注射部位の反対側でアミロイドが存在しない部位では、DDNP標識が弱いことを示す(×200)。 図3Aは、アルツハイマー病患者の海馬−扁桃−嗅内皮質/側頭皮質を通過する脳横断切片におけるPET−[F−18]FDDNP(2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−[18F]−フルオロエチル)−メチルアミノ)−ナフタレン)による像である。 図3Bは、図3Aに示した脳横断切片におけるPET−FDG(2−[F−18]フルオロ−2−デオキシ−D−グルコース)による像である。 図3Cは、図3Aに示した脳横断切片におけるMRI(プロトン緩和時間)による像である。 図4は、患者における概算した[F−18]FDDNPの滞留時間を示したグラフである。 図5は、アルツハイマー病患者の側頭皮質のクライオスタットによる45μm切片を、AT8(抗リン酸化タウ抗体)及び10G4(抗Aβ1−15抗体)により1:800希釈で免疫染色することによって得た像(中央像)を示す。挿入図は、FDDNPにより染色した同じアルツハイマー病脳標本の隣接切片であり、これらは、左上の角から時計まわりに、(1)神経炎性斑、(2)び慢性斑、(3)血管性アミロイド、(4)濃密な斑及び原線維変化、並びに(5)濃密な原線維変化を示す。

Claims (26)

  1. βアミロイド斑及び神経原線維変化から成る群から選択される構造体をインビボ又はインビトロのいずれかで標識するための方法であって、脳組織を下記の式(I)の化合物と接触させることを含んで成る前記方法:
    前記式中、
    1 は、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C=C(CN)2 −アルキル、−C=C(CN)2 −アルキレニル−R4
    から成る群から選択され、
    ここでR4 は、アルキル、置換アルキル、アリール及び置換アリールから成る群から選択される基であり;
    5 は、−NH2 ,−OH,−SH,−NH−アルキル、−NHR4 ,−NH−アルキレニル−R4 ,−O−アルキル、−O−アルキレニル−R4 ,−S−アルキル、及び−S−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;
    6 は、−CN,−COOH,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)−ハロゲン、−C(O)NH2 ,−C(O)NH−アルキル、−C(O)NH−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;
    7 は、O,NH、及びSから成る群から選択される基であり;そして
    8 は、N,O又はSであり;そして
    2 及びR3 は、互いに独立に、アルキル及びアルキレニル−R10から成る群から選択され、ここでR10は、−OH,−OTs、ハロゲン、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択され、あるいは、
    2 及びR3 が一緒に複素環を形成し、場合によりこれは、アルキル、アルコキシ、OH,OTs、ハロゲン、アルキル−R5 、カルボニル、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される少くとも1つの基によって置換され;そして更に
    1又は複数の当該水素、ハロゲン又は炭素原子が場合により放射性標識物によって置換される。
  2. 前記の式(I)の化合物が18F又は 123Iによって放射性標識される、請求項1に記載の方法。
  3. βアミロイド斑及び神経原線維変化から成る群から選択される構造体をインビボ又はインビトロのいずれかで標識するための方法であって、脳組織を下記の式(II)の化合物と接触させることを含んで成る前記方法:
    前記式中、
    2 及びR3 は、互いに独立に、アルキル及びアルキレニル−R10から成る群から選択され、ここでR10は、−OH,−OTs、ハロゲン、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択され、あるいは、
    2 及びR3 が一緒に複素環を形成し、場合によりこれは、アルキル、アルコキシ、OH,OTs、ハロゲン、アルキレニル−R10、カルボニル、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される少くとも1つの基によって置換され、そして
    9 はアルキル、アリール又は置換アリールであり;そして更に
    1又は複数の当該水素、ハロゲン又は炭素原子が場合により放射性標識物によって置換される。
  4. 前記の式(II)の化合物が18F又は 123Iによって放射性標識される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記の式(I)の化合物が、場合により放射性標識物を含有する2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−ジメチルアミノナフタレンである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記の2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−ジメチルアミノナフタレンが18F又は 123Iによって放射性標識される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記の式(I)の化合物が、場合により放射性標識物を含有する2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−エチル)−メチルアミノ)−ナフタレンである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記の式(I)の化合物が、2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−[18F]−フルオロエチル)−メチルアミノ)−ナフタレンである、請求項1に記載の方法。
  9. 蛍光顕微鏡によって前記脳組織を観察することによって、前記構造体が標識されているかどうかを決定することを更に含んで成る、請求項1に記載の方法。
  10. 請求項1に記載の化合物が放射性標識されている、請求項1に記載の方法。
  11. 前記の放射性標識された化合物の身体内の分布を検出及び描写することができる方法によって前記脳組織を観察することによって、前記構造体が標識されているかどうかを決定することを更に含んで成る、請求項10に記載の方法。
  12. 陽電子射出断層撮影によって前記脳組織を観察する、請求項11に記載の方法。
  13. 患者のアルツハイマー病を診断するための方法であって、前記患者の脳組織に下記の式(I)の化合物を注射すること;及びβアミロイド斑及び神経原線維変化から成る群から選択される構造体がその式(I)の化合物によって標識されたかどうかを決定すること、を含んで成る前記方法:
    前記式中、
    1 は、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C=C(CN)2 −アルキル、−C=C(CN)2 −アルキレニル−R4
    から成る群から選択され、
    ここでR4 は、アルキル、置換アルキル、アリール及び置換アリールから成る群から選択される基であり;
    5 は、−NH2 ,−OH,−SH,−NH−アルキル、−NHR4 ,−NH−アルキレニル−R4 ,−O−アルキル、−O−アルキレニル−R4 ,−S−アルキル、及び−S−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;
    6 は、−CN,−COOH,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)−ハロゲン、−C(O)NH2 ,−C(O)NH−アルキル、−C(O)NH−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;
    7 は、O,NH、及びSから成る群から選択される基であり;そして
    8 は、N,O又はSであり;そして
    2 及びR3 は、互いに独立に、アルキル及びアルキレニル−R10から成る群から選択され、ここでR10は、−OH,−OTs、ハロゲン、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択され、あるいは、
    2 及びR3 が一緒に複素環を形成し、場合によりこれは、アルキル、アルコキシ、OH,OTs、ハロゲン、アルキル−R10、カルボニル、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される少くとも1つの基によって置換され;そして更に
    1又は複数の当該水素、ハロゲン又は炭素原子が場合により放射性標識物によって置換される。
  14. 前記の式(I)の化合物が18F又は 123Iによって放射性標識される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記の式(I)の化合物が下記の式(II)の化合物である、請求項13に記載の方法:
    前記式中、
    2 及びR3 は、互いに独立に、アルキル及びアルキレニル−R10から成る群から選択され、ここでR10は、−OH,−OTs、ハロゲン、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択され、あるいは、
    2 及びR3 が一緒に複素環を形成し、場合によりこれは、アルキル、アルコキシ、OH,OTs、ハロゲン、アルキレニル−R10、カルボニル、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される少くとも1つの基によって置換され、そして
    9 はアルキル、アリール又は置換アリールである。
  16. 前記の式(II)の化合物が18F又は 123Iによって放射性標識される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記の式(I)の化合物が2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−[18F]−フルオロエチル)−メチルアミノ)−ナフタレンである、請求項13に記載の方法。
  18. 前記の決定過程が、前記の放射性標識された化合物の身体内の分布を検出及び描写することができる方法によって前記脳組織を観察することを含んで成る、請求項13に記載の方法。
  19. 前記脳組織を、陽電子射出断層撮影(PET)によって観察する、請求項13に記載の方法。
  20. 前記脳組織を、単一光量子射出コンピュータ断層撮影(SPECT)によって観察する、請求項13に記載の方法。
  21. βアミロイド斑をインビボ又はインビトロのいずれかで標識するための方法であって、脳組織を下記の式(I)の化合物と接触させることを含んで成る前記方法:
    前記式中、
    1 は、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C=C(CN)2 −アルキル、−C=C(CN)2 −アルキレニル−R4
    から成る群から選択され、
    ここでR4 は、アルキル、置換アルキル、アリール及び置換アリールから成る群から選択される基であり;
    5 は、−NH2 ,−OH,−SH,−NH−アルキル、−NHR4 ,−NH−アルキレニル−R4 ,−O−アルキル、−O−アルキレニル−R4 ,−S−アルキル、及び−S−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;
    6 は、−CN,−COOH,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)−ハロゲン、−C(O)NH2 ,−C(O)NH−アルキル、−C(O)NH−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;
    7 は、O,NH、及びSから成る群から選択される基であり;そして
    8 は、N,O又はSであり;そして
    2 及びR3 は、互いに独立に、アルキル及びアルキレニル−R10から成る群から選択され、ここでR10は、−OH,−OTs、ハロゲン、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択され、あるいは、
    2 及びR3 が一緒に複素環を形成し、場合によりこれは、アルキル、アルコキシ、OH,OTs、ハロゲン、アルキル−R10、カルボニル、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される少くとも1つの基によって置換され;そして更に
    1又は複数の当該水素、ハロゲン又は炭素原子が場合により放射性標識物によって置換される。
  22. 下記の式(I)の化合物を含有する組成物:
    前記式中、
    1 は、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C=C(CN)2 −アルキル、−C=C(CN)2 −アルキレニル−R4
    から成る群から選択され、
    ここでR4 は、アルキル、置換アルキル、アリール及び置換アリールから成る群から選択される基であり;
    5 は、−NH2 ,−OH,−SH,−NH−アルキル、−NHR4 ,−NH−アルキレニル−R4 ,−O−アルキル、−O−アルキレニル−R4 ,−S−アルキル、及び−S−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;
    6 は、−CN,−COOH,−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレニル−R4 ,−C(O)−アルキル、−C(O)−アルキレニル−R4 ,−C(O)−ハロゲン、−C(O)NH2 ,−C(O)NH−アルキル、−C(O)NH−アルキレニル−R4 から成る群から選択される基であり;
    7 は、O,NH、及びSから成る群から選択される基であり;そして
    8 は、N,O又はSであり;そして
    2 は、アルキル及びアルキレニル−R10から成る群から選択され、そしてR3 はアルキレニル−R10であり、ここでR10は、−OH,−OTs、ハロゲン、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択され、あるいは、
    2 及びR3 が一緒に複素環を形成し、場合によりこれは、アルキル、アルコキシ、OH,OTs、ハロゲン、アルキル−R10、カルボニル、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される少くとも1つの基によって置換され;そして更に
    1又は複数の当該水素、ハロゲン又は炭素原子が場合により放射性標識物によって置換される。
  23. 前記の式(I)の化合物が18F又は 123Iによって放射性標識される、請求項22に記載の組成物。
  24. 下記の式(II)の化合物、あるいはそれの医薬上容認される塩又は溶媒化合物を含有する、請求項22に記載の組成物:
    前記式中、
    2 は、アルキル及びアルキレニル−R10から成る群から選択され、そしてR10はアルキレニル−R10であり、ここでR10は、−OH,−OTs、ハロゲン、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択され、あるいは、
    2 及びR3 が一緒に複素環を形成し、場合によりこれは、アルキル、アルコキシ、OH,OTs、ハロゲン、アルキレニル−R10、カルボニル、スピペロン、スピペロンケタール及びスピペロン−3−イルから成る群から選択される少くとも1つの基によって置換され、そして
    9 はアルキル基であり;そして更に
    1又は複数の当該水素、ハロゲン又は炭素原子が場合により放射性標識物によって置換される。
  25. 前記の式(II)の化合物が18F又は 123Iによって放射性標識される、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記の式(I)の化合物が2−(1,1−ジシアノプロペン−2−イル)−6−(2−[18F]−フルオロエチル)−メチルアミノ)−ナフタレンである、請求項22に記載の組成物。
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